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1953/10/05 第16回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第016回国会 農林委員会造林及び治山治水に関する小委員会 第1号
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1953/10/05 第16回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第016回国会 農林委員会造林及び治山治水に関する小委員会 第1号

#1
第016回国会 農林委員会造林及び治山治水に関する小委員会 第1号
本小委員は昭和二十八年九月四日(金曜日)委員
長の指名で次の通り選任された。
      小枝 一雄君    平野 三郎君
      福田 喜東君    松岡 俊三君
      加藤 高藏君    芳賀  貢君
      川俣 清音君    安藤  覺君
同 日
 川俣清音君が委員長の指名で小委員長に選任さ
 れた。
    ―――――――――――――
会議
昭和二十八年十月五日(月曜日)
    午前十一時二十八分開議
 出席小委員
   小委員長 川俣 清音君
      福田 喜東君    松岡 俊三君
      加藤 高藏君    芳賀  貢君
      安藤  覺君
 小委員外の出席者
        農林委員長   井出一太郎君
        農 林 技 官
        (林野庁指導部
        長)      藤村 重任君
        農 林 技 官
        (林野庁業務部
        業務課長)   山崎  斉君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 造林及び治山治水に関する件
    ―――――――――――――
#2
○川俣委員長 それでは造林及び治山治水小委員会を開会いたします。
 造林及び治山治水の小委員会は、前にありました林業の小委員会を引継ぎまして、治山治水小委員会をつくつたのでありますが、農林委員長から私が小委員長の指名を受けましたので、これから開会いたします。私ふなれでございますけれども、治山治水の根本対策を農林委員会といたしまして、すみやかに樹立しなければならないと考えるのであります。もちろん建設省関係の治山治水対策もいろいろ研究されておるようでありますけれども、農林委員会といたしましては、農林委員会の職分に従いまして、最も農林委員会の中で重要な林業を受持つておりますために、この面からいたしましても、この委員会においてすみやかに治山治水の恒久対策、緊急対策を講じて行きたいと思うのであります。戦後における日本経済の復興に伴いまして、日本の木材需要はますます増加の一途をたどつておるにかかわらず、生産及び植林、ともにこれに伴わないのであります。従つて、需要の不均衡は年々深刻化いたしております。戦時における緊急需要、戦後における復旧資材として、要請せられるままに過伐し、森林は著しく荒廃いたしまして、毎年一千億以上に及ぶ風水害の有力な一因となつておるようであります。このような森林の荒廃、木材の需給圧迫の現状をこのまま放任いたしておきますならば、国土の荒廃は極度に達し、国民生活の圧迫となつて現われるであろうと思われます。この面におきまして、林野庁におきましても治山治水恒久対策を講ぜられておるようでありますが、さらにこの委員会におきまして林野庁の立てましたこの治山治水恒久対策を再検討いたしまして、すみやかにこの委員会において結論を出しまして、本委員会に諮り、大蔵省、関係方面へ要請いたしたいと思う次第であります。
 まず第一に林野庁の治山治水緊急、根本両対策を御説明願いたいと思います。
#3
○藤村説明員 本日は林野庁長官が不幸にして不在でございますので、私指導部長の藤村でございますけれども、かわりまして治山治水基本対策要綱の内容を御説明申し上げます。
 ただいま委員長からお話がございましたように、最近日本の風水害は非常にひんぴんと起りまして、それに原因いたします山林の問題が非常に大きな重みを持つて参つておりますが、一方にはこれも委員長の仰せのように、非常に木材の需給関係が逼迫いたしておりますので、山林の生産の面と保全の面とをいかように調整して行つて、そして国民経済の要望にこたえ、あるいは社会福祉に貢献するかというようなことを総合的に検討いたしまして、先般農林省として治山治水基本対策要綱の線を一応出したわけでございます。ただいまお手元に差上げておりますのがその要綱でございますが、これの内容をかいつまんで御説明申し上げます。
 別にこれを朗読いたしませんで、説明をお聞き願いたいと思いますが、このねらいどころは、単に治山治水といつても、土地そのものの保全と土地の持つ生産力とを両方かねて考えなければ、山の管理経営としての成果は得られないのでございますので、そういう基本的な考えをもとにいたしまして立案をいたしております。しかし当面の課題が水を治める問題を解決するところに重点がございますので、どこまでも土地を保全するというところに重点を置いて考えております。従いまして一応制度的に考えますと、現在森林法で制定いたされております保安林行政を中心にいたしまして、それに一般的な経済林を協力せしめるというような形で考えを進めて参つております。それで御承知のように、日本は非常に険峻な山ばかりでございまして、また外国に比較して類例のない雨並びに雪の多い国柄でございます上に、毎年長雨があり、台風が襲つて参るのでございます。このために日本の水資源は豊富でございますけれども、一方それが過剰になりまして、毎年水害という形で水の処理に困つておるというのが実情でございます。この雨の降り方は、中央気象台の資料によりますと、日本の国土の約三割が二千ミリ以上の年降雨量を持つておるということでございます。こういうふうな非常に多雨な、しかも山林の多い国柄はほかにございませんので、特別の考慮をする必要があるわけでございます。それで一方土地の利用からいいますと、国土の六八%の傾斜面を木材生産として、森林資源として培養維持しておりますが、これを経済的にのみ活用することは、今の保全の面から十分でございませのんで、ある土地利用の制限を加えて、両方の目的を達成するということに相なるわけでございます。そのために特定の地域に対しましては、公用制限をいたしまして、私の考えのままに自由に木林を伐採したり、あるいは土地の形質を変更するようなことがないようにいたしたい、これが保安林を設定いたします基本になるわけでございます。しかも特定の人でなくて、不特定な多数の国民の方々にその利益を受けていただくということは、保安林を設定する社会的な要件になりますので、その両方のことを考えまして、日本の山林中、公益上重要な河川を特に重点的に考える必要がある。その重要な水源を特に山としては保全上考慮して、管理あるいは経営する必要があるというような線が出るわけでございます。それでいろいろ治山治水の対策を考えまする重点を、社会的並びに自然的な、あるいは経済的な考慮から、特に重要な河川を選び、その上流の水源地帯に特定の手当をいたしたい、こういうことがこのたび治山治水対策を考えまする基本線になつておるのであります。
 現在日本の保安林は約二百五十万町歩ほどございますけれども、その内容は必ずしも十分ではございませんので、さらに現在の保安林を再検討いたしまして、その適正な配置と適正な内容を持つように今後いたして参りたい。なおそれと関連いたしますその周囲の経済林も、十分計画性を持つた取扱い方をいたしまして、そうして水並びに国土の保全に協力せしめることが必要であるというようなことが出て参ります。こういう一応の土地の利用の面から公用制限をいたしますが、特に事業的にこれを考えますと、特に公益上必要な地区に対しては、これは国民全部がこの利益を受けますので、また国民全部がそれに対してある程度の義務と申しますか、サービスをしなければならないという反対給付の点が出て参りますので、財政的に相当重みのある仕事を中に組み入れて行きたい、その仕事の対象となりますものは、山くずれ等を直します、あるいは山くずれの起りかかつている所を起らないように予防いたします治山事業、及び現在木がまだはえておりません、あるいは以前に伐採されまして、造林をすべくしてまだ植つていない所、あるいは今後伐採されまして再び造林をしなければならぬ所、そういうような所はすみやかに植林をいたしまして、森林の内容を拡充して行く、こういう造林事業、これも相当重点的にやつて行きたいと思うわけであります。
 なお、現在の日本の山は約六割ほどしか開発されておりませんので、四割は未開発のいわば包蔵されている資源でございます。従いまして、木材の需要の方からいえば、現在既開発の面に伐採が集中されておりますので、奥地の未開発を開発しまして、できるだけ過伐の圧迫を平均さして行きたい、こういうことのために奥地の開発施設をこれに織り込んでございます。これが林道計画でございます。
 こういうふうな事業を総合的に取入れて、しかも計画的に実行に移すようにいたしたいというわけでございますが、なお現在の日本の雨の量というのが十分把握されておりませんで、特に山地の水源地帯の雨量が非常に不確定でございますので、その受入れ態勢を整うべき流域の対策か資料的に欠陥を持つておるわけでございます。従いまして、特に山岳地帯の雨量の観測を、一つの基礎資料としてどうしても今後仕事として進めて行きたい、こういう森林気象観測事業をこの仕事の中に組み入れております。
 以上のような仕事を行つて行くわけでございますが、特に山林は、ただ単にそういう事業のみを単独にあるいは各個にやるだけでは、いろいろの土地所有の関係あるいは資産の内容等からいいまして十分でございませんので、総合的に伐採の計画性とか、あるいは現在の税制にもし修正を要すべきところがあれば修正するとか、現在実施しております伐採調整資金制度の拡充をはかるとか、あるいは木材の需給の安定をはかるための外材の輸入、あるいは非常に木材の需給の面で問題がございます消費面の合理化をもつと進めて行く、こういう総合的なことも考えながら、先ほど申し上げました事業を遂行して行きたい、こういうのがこのたびの治山治水対策の大体の考え方でございます。
 なおこの事業の数字的な内容等はここに書いてありますものをごらん願いまして、また御質問等があればお答え申し上げたいと思うわけであります。
 一応以上説明申し上げます。
#4
○川俣委員長 何かこれに関連して御意見がございませんか。松岡さん。
#5
○松岡委員 この保安林の設定、まことにけつこうでありまするが、現在のものと、新たに指定地域になる増加の保安林の国有、民有を別にして、その配分の面積と地域が各県別にわかりますか。
#6
○藤村説明員 現在の既設保安林の府県別配分表はございます。なお、今後それをどういうふうにすればいいかというのは、これは一つの案として今作業はいたしておりますが、これを確定いたしますのは、森林法に基きます法律上の手続を経てやらなければ指定の確定はいたしませんので、今後調査とともに漸次決定いたして参ることになると思うわけでございまして、現在は一応作業の目安として、調査資料という程度で持つている程度でございます。
#7
○松岡委員 私は各県別の保安林を知りたい、この内容を詳細に知りたい。それから、ただいまもよく御説明がありましたが、森林伐採の合理性強化という問題がありますが、この中に「特に、奥地林の開発伐採に対しては、保全的搬出方式によると共に、該施設の維持を完うせしめる。」という問題がありますけれども、私の調べた昭和二十六年度の林野庁の国有林野特別会計決算を見れば、青森営林局管内には九十七万九千町歩の国有林があり、大阪営林局管内には十九万四千町歩ある。そうして、青森営林局の管轄内において、林道の施設に二億四千五百八十六万円を使つておる。大阪営林局の管内では二億二千五百十九万円を使つており、面積にすれば約四分の一、五分の一に近いものであるが、青森営林局は林道の施設にはわずかに二千万円しか多く使つていない。こういうあんばいで、「特に、奥地林の開発伐採に対しては、保全的搬出方式による」云々というようなことと矛盾しないで、過去においてどういうことをやつておるか。私はこれを明らかにして行かなければならぬと思うのであります。同時にこの保安林の問題もその通りで、青森、秋田、前橋の三営林局の国有林の面積の集計で、北海道を除いたところの全国の国有林の面積を割つてみますと、四割九分六厘になつておることは、林町庁としてよく御承知のはずです。こういうあんばいについては、今度保安林を設定する、増加するについても、当然ここに触れるものだと思うのであります。こういう点についてどんなふうにお考えになつていらつしやるか。こんなふうな五分の一の面積に対して一億四千万円と二億二千万円、わずかに三千万円しか林道費で多く使つておらない。これではほんとうに国有林を正確に今日までやつて来たかということは問題です。そうして今度は洪水が出た。こういうことになりますと、私はここにまた林野庁の書類を出さざるを得ないのです。林野庁の調査書課で出しておるものを見ると、そもそも国有林を設定する当時、非常な困難な仕事であつたろう。「その衝に当つた者の考え方の違いや、村の挙証方法の巧拙などで不公平の処置があつたろうことは想像せられるところである。」はつきりこう言つておる。「これがために、不当に民有地と定められたところは不問きにされ、不当に官林に編入されたところについては、処分の是正方を政府に迫る者が続出し」た。こうなつておる。東北方面から続出したこの書類は山をなすと言つても過言でないほどにある。ほとんどしかしそれが解決されておらない。これに反して、西南戦争の前後において、東北と同様に、地租設定の上から、この国有林を調査に行つたときに、宮崎県と鹿児島県の問題は、東北の方では唯々諾々としてその言う通りに聞いておるけれども、そのときは調査ができないで帰されておる。あばれられて調査ができなくて、帰つておる。そしてそれがずつと継続されて、今度は宮崎県は明治三十三年四月十二日林第九三七号をもつて、九百町歩返しておる。こんなにごたごたしたものを九百町歩返しておる。さらに昭和二十年十月十五日、林第一三九八六号の林野局の訓令をもつて七百町歩返しておる。藩閥政府の力の偉大たるところにおいては、このように返しておる。そうして明治維新当時にその衝に当つた者は、不当に民有林に編入されたところから、これの補償、訂正方が続出するほどに出願しても、問題が解決されないで、今日に至つておる。そうして北海道を除いた全国の面積のうち、四川九分六厘を東北六県に――前橋営林局の群馬及び新潟を入れたところのものを合せると、それだけの面積を持つておる。そうして、その施設を見れば、そのようになつておる。秋田営林局管内のごときは、収入が二十九億九千八百四十九万円である。そしてその支出は、二十億千七百七十七万円になつている。九億八千万円だけは秋田から持つて行つておる。支出せずして余しておる。これをずつと集計しますと、たいへんなことになります。こういうことは、林野庁ではよくわかつているはずです。そうして今のように不当に民有林に編入されたものは不問に付されておる。民有林として今日まで相当な生産をし、働きをしておる。ところが不幸にして、今回水書にあつた。その水書に対して治山の対策を講ずる。まことに国家のために不祥なことでありますけれども、こういうあんばいになつておる。ところが東北の方面は国有林としてやつておつたから、それほどの水害はないというようなことをおつしやるかもしれないけれども、半面においては明治維新から八十年間国有林としてみんな持たれておつたために、目の前に――ねこにかつおぶしでも見せておるようなぐあいで、犯罪人が東北にどのくらい山の盗伐のためにあつたかということは、林野庁では統計でよくおわかりでしよう。こういうように罪人をつくり、生産はなさしめないようにし、そうしてその調査、はその衝に当つた者の見込みいかんによつてやつたであろうからして不公平は免れないだろうと、はつきりしたことを言つている。そうして昭和の今日においても、その収入よりも支出が少くて黒字を出しているというありさまである。そこのところにさらにまた保安林を設定する。その保安林は全国の県内にどう配置するのか、この保安林の設定がどういう所に使われるのだか、設定されるんだか、これをよく明らかにせなければ、いずれの日にか、東北大県の明治維新当時の賊軍たるがゆえに、こういう広大なる面積を持つておるものがそのままになる。大東亜戦争による戦犯者さえもが許される今日において、こういう不当なことがまだあることを林野庁ではどういうあんばいにお考えになつておるか。委員長においてはわれわれと同一の考えを多分持つていらつしやると思う。こういうことをして、治山治水の本質に東北人をしてほんとうに感奮興起せしめて山を愛するというところに行かしめることができますか、どうですか。貧弱なる東北、あるいは平衡交付金その他において助けなければならぬというような東北に、半面において秋田営林局管内だけで、秋田、山形県だけで二十六年度の決算においては九億八千万円支出から残しておる、収入をあげて支出からこれだけ残している。この残しておるものを還元して施設を十分にしておつたならば、まだまだいいところもあるだろうけれども、還元しない、ほかの方に使つておる。こういう点について、東北には今度は水害があまりなかつたというのは、ひとえに国有林を今日まで温存して来た政府の非常なる努力であろうということも一面からうかがわれますけれども、一面においては、その当時東北人に一向生産に十分力を用いせしめないで、今日になつてから国有林処置の臨時措置法によつて高い金で払い下げている。今回の冷害が東北に特段にひどいことは御承知の通りであります。そうして冷害地はほとんど山間部が多い。その山間部はすぐ裏山から国有林になつておるところがすごぶる多い。これらに対して原木の処置はやはり原価で払い下げようとする。しかしながら現金をまるつきり持たないところの冷害地の山間部の東北の者は、はたして原木を払い下げられても代金を支払うことができない、金がない。この金のない山間部の者に対してどういうぐあいにして今回の処置をなされようとするのか。原木代を無償でやるか、あるいは延納を許すのか、あるいはその原価はどういう算定でもつてやるかというような方針を、東北の冷害の関係からいうても、上についても、われわれは十分に明らかにしてほしいのであります。これを御答弁を願いたい。
#8
○藤村説明員 この要綱に書いてあります森林伐採の合理化の内容でございますが、これは現在の日本の国有林並びに民有林を総合的に考えて書かれておるわけであります。現在の国有林の既開発と未開発の割合は、既開発が国有林において三五%であります。従いまして未開発は六五%に相なります。民有林におきましては、既開発の森林が六六%でありまして、未開発の森林は三四%であります。このように、国有林並びに民有休の森林の開発の進み方が違つて参つております。従いまして特に民有林においては、奥地の未開発に対する伐採がある程度強い圧迫をもつて進んで行かざるを得ないという状態でございますが、この未開発の地域は、比較的山のけわしい地域に相当いたしますので、いたずらな、あまり計画的でない伐採をそのまま続けて参りますと、かえつてあとで治山のため支出をして山を出して行く金の方が非常に不経済に考えられますので、あらかじめこれを、伐採するときに、山を痛めないような、森林を破壊しないような伐採方法、あるいは搬出方法をもつて実行して行く力がいいわけであります。従いましてこの奥地の未開発の、特に民有林の伐採、搬出の施設に対しては、特に現在の土しゆら等の方法がございますので、その山を非常に痛めるような伐採搬出の方法をある程度やめまして、索道あるいは鉄線運搬等、あるいは機械による集材等をできるだけ励行せしめるように、その実行の用意のための予算措置もあわせて考えておるわけであります。これが森林伐採の、特に奥地の開発に対する、この要綱に盛られておる内容でございます。
 なお保安林設定の地域的配分は、現在の配分は統計上公表してございますが、今後の保安林の合理的配置に伴う計画は、先ほど御説明申し上げました通り、まだ作業の案としてしかございませんので、今後法律に基く指定によつて漸次決定を見るわけでありますが、大体考えといたしましては、現在公益上そのまま放任できないような、山林の荒廃が非常にひどく、しかも中流並びにに下流の社会公共性の大きい所に当然重点が向けられて行つて、総合的に考えまして既設並びに今後の保安林の配置がその配置計画が完了しましたあかつきに、適正になるように考えて行きたい。こういうことに相なると思います。
 なお国有林の金国的配分の不適正、あるいは地域的な投資等の関係についての御指摘がございましたが、これは保安林の、ただいま申し上げましたような地域的な配分の現状並びに計画とともに、ある程度総合的に考えて行かなければならぬと考えております。なお地域的な施設対する投資、これは先ほど触れました現在の国有林の開発の状態並びに個有林が現在使命を果しております国土保全上の実情等を考えて、やはり経済効果等もにらみ合せながら国民経済上最も有効な施設の投資ということが考えられると思いますが、特に東北に対してのいろいろの御意見は、十分今後の施策の参考にさせていただきたいと思います。
#9
○川俣委員長 委員長からちよつとお尋ねしておきますが、今松岡委員からの御質問にありました国有林及び一般民有林の林道に対する計画を各局別に、あるいは県別でもけつこうですが、お持ちでしたらお出し願いたい。
 次に林道による山の荒廃というようなことも問題になつて来ておりますけれども、一方において林道は山間地域の交通の面からも林道の要望が相当大きいと思うのです。いわゆる森林の伐採の合理化から行くと、鉄索等による運材ということも最も合理的に考えられますけれども、一方において、この山間地における交通網の整備という意味からも、あるいは国有林から来る副業の利用という面からも、林道がやはり考えられると思うのでありまして、単に合理化の強化という面からのみで鉄索というようなことは、地方の実情に合わないような点もあるのじやないかと思うのですが、この点はどうなんですか。
#10
○藤村説明員 ただいまお話のございました林道の計画の考え方でございますが、現在国有林の山林事業の中の施設としては、一応林産物の搬出の計画に基きまして主体的に考え、あるいは実行の面でそれの維持管理、あるいは施設の場合に、地元の方々のいろいろの労力的な、あるいはその他の面の御協力を願うという意味のことは十分考えて参つております。一般民有林の林道につきましては、現在一応奥地林道並びに一般民有林開発施設の林道にわけまして、補助率の厚いのと厚くないのと予算上区別いたして補助事業として実施いたしておりますが、これは一般交通網的な施設といたしましては、建設省の道路計画との関連も出て参りますし、道路法の関係もございまして、十分実行にあたりましては、一般道路と関連をもつてその効果のあるようにいたしますが、予算上あるいは事業の計画とそれらの資金的な裏づけという意味合いからは、財務当局との話合い、あるいは建設省との話合いの上から、一応交通網的な意味合いをのけた林産物の搬出施設というようなことで実施をいたしております。
#11
○松岡委員 私のお尋ねしようと思つたことを委員長によつて指摘されたのは、その一部でありますが、過去を私はいつまでも固執するわけではないけれども、先ほど申し上げた実情にあることをもつて、この通りで行くとしたならばたいへんなことになるから、私は特にさつき発言した次第です。委員長はこの道路の実情をよく知つておるから、今のようなお尋ねをなさつた次第ですが、それについて今回は冷害があるのであります。この保安林及び伐採の合理的云々ということについては、冷害をまだそれほどに思わない当時の計画じやないかと私は思うのです。冷害と別個にしようというのか、冷害もこれに加味して考えるのか、その点を明らかにしていただきたいと思います。ただいまの御説明のようなぐあいに、索道をつくつたり何かして奥地開発をするということはたいへんけつこうなことでありますけれども、そうすれば冷害を受けたところのものが大した労力だけで現金収入の道がなくなる。現に山形県の最上郡東小国村は、裏の山から国有林を持つておつて、全然現金収入がない。ことに宮城県境の堺田方面のごときは、四十六戸が収穫皆無であつて、自分のところには薪炭伐採の材料がひとつもない。隣の宮城県、いわゆる秋田の営林局ではなくて、宮城の営林局管内に出張つて行かなければ薪炭林が少しもないというようなあの村では、林道建設の予算がすでになくなつておる。冷害がはなはだしいところにあるにもかかわらず、もう林道も建設の金がないことは御承知だろうと思うのですが、すでに予算が一つもない。その他東北では各地にあるだろうと思う。それがすなわち先ほど申し上げたように、二十六年度の決算に現われているところを見ればはつきりわかる。それを今回は冷害と相にらみ合せて、どういうあんばいに林道建設等によつて奥地開発をやるか。今の交通網の関係もありましようけれども、同時に現金収入の道を講じなければできない。これをどんなふうにお考えになつておるのか、委員長もお尋ねがありましたが、私はこの計画は冷害と何らの関連を持たないで、関西方面の水害によつて編み出されたものだから、それをひとつ明らかにしていただきたいと思います。
#12
○藤村説明員 ここに提出いたしました治山治水基本対策要綱は、現在非常に大きな問題になつておりますところの北海道、東北地方の冷害と特に関係はございません。その以前におきまして一応内閣でその対策がいろいろ考究されておりまして、資料としてこれが出て参つておりますので、この基本対策要綱も臨時的な緊急対策というよりは、基本的な恒久対策として考えて行く線でございます。今松岡先生の御指摘になりました北日本の冷害は、これと別個に現在いろいろ農林省あるいは大蔵省に対して研究というか、いろいろ対策の案をつくつて現在折衝中でございます。まだ具体的にどの程度というような線は出ておりませんが、大体施設のための実施に伴つて、冷害対策として十分考えなくてはならぬというようなことは、その冷害対策の一部として考究をいたしております。なお現在までございましたいろいろの事業の実行に伴いましては、できるだけ予算の実施を早くするとか、あるいはその一部を可能の限度で大きくするとかいうようなことで、冷害地方の方々のことを考慮に入れて現在事務的に進めております。これはもうしばらくいたしますと、また御報告をいたします段階になると思つております。
#13
○松岡委員 そうすると八月二十五日の治山治水基本対策要綱によつてやつたものであつて、昭和九年にも匹敵すべき冷害が、最も国有林の面積の多い地方にはなはだしくなつておるという実情に対しては、これに敵応すべく林道その他冷害が出ているところの東北民に現金収入の道を与える十分なる予算措置を講ずる下心だということを承つて、了承するのでありますが、このことは幾たびも言うようでありますけれども、林野庁の国有林が特別会計になつてから、二十二年以来今日まで七年間に急増して、六十億からもうすでに三百億を突破しているような予算になつておる。この予算の中において、今のようなぐあいにあまりにもでこぼこがある。これを冷害の実績にかんがみて、画期的な施設をお考え願わなければならないと思うのであります。ことに東北人に対して治山治水をほんとうに思わしめるようになる、いわゆる愛山の思想を抱かしむるには、ある程度全国の国有林、各県の国有林に対して、――あまりにも東北のみに多い国有林に、何らかの特別な措置を講ずる必要が私はあると信ずる。これがなければ東北人はほんとうの愛山思想が勃然として起るとは私には思われない。今日まで長い間国有林によつて助けられたというよりも、はるかに虐遇を受けておるということは、断言して私ははばからぬ。実績がこれを物語つているのである。こういう点から、東北から収入を得ているところのものを全部これを還元する意味で実行されても、なお八十年間の長い間慮遇されたものをとうてい償い得るものではありません。今度の冷害を機として、東北の国有林に対する画期的な、適切なる施設をお考え願わなければならぬが、これについてのお考えはいかがでございますか。
#14
○藤村説明員 ただいまお話のございました、特に東北に対して冷害等を考慮に入れながら施設に対する投資を十分にせよというような御意見は、まつたく同感でございます。ただいま考究中でございます冷害対策、特に国有林といたしましても、林道あるいは造林、治山等の事業費を十分その中に考え、あるいは東北地方の災害復旧費についても特にその点を考えております。いずれ、先ほど申し上げましたように、もう少し具体的になれば御報告を申し上げ得ると思います。
#15
○松岡委員 昨今盛んに東北の営林局長がみずから出張をされて、各地において保安林の必要なることを、きわめて幼稚な東北人に向つて説いております。私が数字をあげて今月までの実績を述べて、東北の国有林は明治維新以来かようなる状態にあることを各地で述べてから、一層こういうあんばいに保安林についてのことを説いて歩いている。東北国有林を正しい軌道に上らせんければならぬと私が言うてから、一層こういう行動をとつておるように思う。何だか私のやつていることに対して反抗的な態度をとつているようで、少しも八十年の過去を内省しているような行動とは、私は思われない。まことに残念なことである。これはさらに東北の参衆両院議員がこぞつて、また東北の六県の民衆がこぞつて、東北の国有林問題を、今回を契機として画期的な、根本的改正をなそうとしておる次第でありますから、過去にこだわらずして、林野庁当局においてはこの際画期的な処置を講ぜられ、明年臨時措置法が期限満了になる機会でもありますので、この機会に、ぜひとも重ねて根本的な施策を東北の国有林についてなされるように希望いたします。
#16
○川俣委員長 委員長からなおお尋ねしておきますが、松岡委員から今冷害対策の問題が出ましたが、農林省の九月二十八日の冷害対策要綱によりますと「国有林野特別会計事業については、新規に追加事業を実施するとともに、特に薪炭林の払下については特別の措置を講ずる。」こうなつております。また「炭がまの設置その他副業の拡充については営農資金に準ずる資金的措置を講ずるとともに、必要な国庫助成の措置を行う。」これが林野庁に関係した冷害対策要綱ですが、今問題になりました山間地の冷害が一番ひどいのであるから、山間地域の冷害対策としては、林道を大きな公共事業として取上げなければならぬと思うのですが、これが入つていなかつたのはどういうわけでしようか。
#17
○藤村説明員 これは字句の整理をいたしますときに、今委員長の申されましたような文章になつておりますが、民有林の方では、一応現在二十八年度の公共事業並びに過年度災害の復旧事業あるいは施設のための法律による施設等が現在動いておりますので、ある程度それを考慮して行きたいという意図もございましたが、その後、今おつしやつたような林道等を中に入れて考えた方がやはりよかろう、あるいは炭がまの助成といいますか、特殊融資というようなことと関連して、炭の搬出の作業道、こういうようなものがさらに手軽く、比較的山村の事業としても可能な事業であるというようなことから考慮はいたしております。まだ資金等の関係ははつきりいたしませんが、できれば中に入れようという意図は、この間から話しております。そういう点で御了承願いたいと思います。
#18
○川俣委員長 もう一つお尋ねいたしますが、薪炭林の払下げもけつこうですけれども、一面において山地被覆というようなことを考えられているときに、これが大量に払い下げられるとは考えられない。そうすると、公共事業としての救農事業としては、林道がもつと高く要綱の中に出て来なければならぬはずだと思う。その意味でもう一度考慮されなければならぬと思うのです。
 次に今の指導部長の御説明によりますと、保安林の整備拡充に、造植林の積極化、三、林相の改良四、森林伐採の合理性の強化五、奥地林の開発というようなことが主になりまして、次に森林気象観測事業、それに伴うところの森林の伐採規則の完遂を期するため林業税制の適正化、伐採調整資金制度の拡充をはかるとともに、木材需給の安定をはかるため木材の輸入、木材利用合理化等の措置があわせて講じられなければならない。この問題に、もう一つ、牧野の改良によるところの造植地の拡大が考えられなければならぬと思うのです。もう一つは、十三号台風による被害を見ますと、海岸の防風林、防災林の急速な造植林が必要になつておるのじやないかと思うのですが、この点に関してどんな御意見ですか、御答弁願いたいと思います。
#19
○藤村説明員 十三号台風に基く高潮等の海岸に与えました被害あるいは海岸防災林の効果等は、今御指摘になりました通り、非常に顕著でございますので、これは、治山事業計画の中で防災林の造成という項の中で考えているわけであります。
 なおもう一つの牧野改良に伴う植林でございますが、これは、現在はいろいろ畜産の方の関係もございますので、造林事業の中で、再造林するほかに、造林面積の拡大計画としてどのくらい考えるかという問題がございますが、この要綱で考えておりますのは、天然林あるいは粗悪な矮林等を一応対象にいたしまして、造林の拡大計画の内容を樹立いたしておりますが、現在の牧野、それの改良に基く土地利用としては、はつきり数量的に現在抑え切れない面がございますので、今後そういう具体的な案等を畜産局とよく考えまして、この数字的な修正をいたして参りたい、かように考えております。
#20
○川俣委員長 もう一つお尋ねしますが、牧野の改良によつて、将来相当発展するであろう有畜農家の飼料を満たし得るはずなんです。現在のところで言うと、いわゆる森林地区を伐採して牧野を拡張して行くという方向にだんだん今行つておる。さなきだにその牧野が開畑されて行くということで、ますます牧野の面積が縮小する、森林にだんだん食い込んで行く傾向になる。これは一方治山治水の上から、森林が山から里へ下つて来なければならない。そのときに間にはさまつておる牧野のあり方としては、牧野を改良して行くということが、これはよほど努めて行かないと、上にだんだん侵して行くというと言葉としては適当ではないと思いますけれども、森林が荒廃して行く傾向になる。だからいかにして植林を計画して行つても、牧野に押されて行く。これは自然に押されて来ると思うのです。それでやはり牧野の改良ということで押えて行かないと、ただ林野庁だけが植林だということでだんだん里の方へ来るということは、少し困難になつて来るのではないか。この点をやはり畜産局とよく打合されて、牧野の改良には植林と同じような努力を相まつて払わないといかぬと思うのですが、この点についてはどうですか。
#21
○藤村説明員 ただいまの委員長の御意見にはまつたく同感でございます。現在日本の原野面積は、統計上から申しますと百二十万町歩ないし百五十万町歩と言われておりますが、農家経済として畜産の重要なことは、あるいは国民栄養として重要なことは申すまでもございませんので、これをさらに発展せしめる。その基礎として優良飼料の確保といいまするか、あわせて牧野、土地生産力の合理化あるいは効用のために、土地利用をさらに高度化する手段として、私たちは現在牧野を改良する方法として、できるだけ草資源の内容を再検討し、それによつて単位面積当りの収量を上げる。あるいはそれによつて荒廃して行く牧野をできるだけさらに内容を充実せしめて保全維持して行く、こういうことで現地でもよく打合せて進めております。特に東北地方も相当の原野がございますし、この近くには、箱根に非常に広い採草地、あるいは九州の阿蘇から久住にかけました非常に広い原野、こういうものが非常に狭い日本でまだ十分活用されないでおりますので、これは総合的土地利用の高度化の面から、牧野の実質的な充実と、それによる森林資源の造成を、無理がないように、両産業ができるだけ発展するような線で具体的に話合いをして行きたい。特に畜産局とも時々そういう話合いをいたしておりますから、現地でも土地利用の新しい技術の導入によつて、御趣旨のように進めて行きたい、こういうふうに考えております。
#22
○川俣委員長 次に、お尋ねいたしますけれども、こうして参りますと、何か治山造植林整備法とか、そういう立法措置によらなければ、十分治山治水の根本対策が軌道に乗らないとも思われますが、その点はどうですか。
#23
○藤村説明員 この治山治水基本対策要綱に盛りましたいろいろな事業は、一部では制度的に確立しなければ十分成果をあげ得ない、一部には資金計画の十分の裏づけがなければできないという面がございます。特に保安林等は現在森林法でうたつておりますが、必ずしもあれで十分でないという線もございますので、できれば、まだ法律案の名称は確定はいたしておりませんが、保安林緊急整備実施要綱といいますか、あるいはもう少し範囲を広げ、森林保全法といいますか、何かそういうふうな意味合いを内容にした法律案を現在研究いたしております。これも明年度の予算の関係もございますので、ある程度急がなければならないのでありますが、現在の考えでは、できればこの冬の通常国会くらいまでには御審議をお願いしたいというような目標をもつて、現在考究いたしております。
#24
○松岡委員 私はこの要綱については同意を表するものでありますが、通常国会に当局として法律案を提出しようという下心があるということがわかつたのであります。そのときにわれわれは十分な審議をいたしますが、それにつけても私は、あえて条件というのじやありません。けれども先ほど申し上あげたようなぐあいに、国有林臨時措置法が期限が明年で切れるのであります。そのときにどういうことを当局は国有林に対してやるか。私は全国の国有林の問題について言うのじやありません。東北の国有林に、この要綱をこれから進める上において、どういう考えを持つておるか。なお念のためにお尋ねしておきます。
#25
○藤村説明員 この要綱の実施に伴う地域的な具体案は、まだこれがコンクリートのものでもございませんし、特に東北だけを取上げまして内容をお示しするという現段階ではございませんので、全国を十分地域的に考慮いたしまして、この裏づけといいますか、具体案の作成をいたす段階になり、あるいは予算等の裏づけを得まして実施する段階になりますときには、さらにまた詳細な御説明をいたす機会があるかと思つております。
#26
○松岡委員 先般の委員会において、農林大臣は、明らかに明治維新当時の歴史に照して、東北の国有林については、全国の国土開発の上に照して、特に考慮するということを言明しておる次第であります。この要綱をきめるについて、ただいまのように、まだコンクリートになつておりませんことはもちろんですけれども、これをつくる上において、農林大臣の言明に即して、当局が国有林の問題についてこのときにほんとうにやつていただかなければ、幾たびも申すように、東北人の愛山、愛林の思想に非常な影響を来すものだということを特に銘記して、この案を今後処置していただきたいと思う。これ以上の言明は無理かと思いますから、これだけを申し上げます。
 最後に委員長に、先ほど申し上げたように、この保安林の各県の分布、これは林道その他の施設と相まつて、関連するものでありますから、各県の分布の点を資料として御提出くださるようにお願いいたします。私は要綱にはきわめて賛成でありますけれども、これだけを申し上げます。
#27
○芳賀委員 二、三点お伺いします。第一点は、計画要綱によると、これを年次的な計画で推進して行くためにも、相当巨額の経費がかかるのです。たとえば昭和二十九年度に行う国庫の支出金だけでも、五百七十八億もかかるということになると、この計画に対する可能性の問題が出て来ると思うわけですが、これに対して林野当局としては、どういうような確信を持つておられるかという点と、またこの計画がいろいろな情勢によつて圧縮されたような場合においては、まず順位としてどういう事業を重点的に取上げてやつて行くか、そういう点をひとつお伺いしたい。
 それからもう一つは、この事業を推進するためには国有林の特別会計があるわけです。こういう一つの事業が形態を整えて進行されて行く場合においては、当然今後においても、国有林から生ずる事業の収入は、ある程度上昇するというふうにも見られるわけでありますが、そういう収入の面において、どういうような趨勢をたどるかという点もお伺いしたいのであります。
 それから、先ほど松岡委員からも御発言がありましたけれども、東北地方、北海道等の国有林が、分布の上からも非常に大きな地積を占めておるところの地帯に対する一つの救農的な意味において、農林当局においても要綱に示しておるわけでありますが、こういう場合に、ただ薪炭林を払い下げるというようなことも一つの方法ではあるけれども、それと同時に、そういう救農的な意味の費用を投ずる場合において、でき得れば加速度的に植林というような仕事もあわせて行うことも、将来に備える一つの積極的な方法ではないかと思うのであります。薪炭林の払下げとか林道も大事でありますが、こういう救農の意味において植林等を積極的にやるというような構想があるかどうか。
 それから、非常に森林資源が枯渇しており、過伐したような場合においては大きな災害が生ずるわけであつて、こういう場合においては、国有林の払下げの計画の上においても、今までのように公売、指名入札、特売の比率が二・二・六というような形をいつまでも続けて行かれるお考えであるかどうか。あるいは一定の材積の中において、計画を充実するだけの林野払下げの収入をあげるためには、払下げの方法においても、もう少し合理性を持たせるようなことも必要でないかと思うわけでありますが、そういうような点についても、具体的にどのようなお考えを持つておられるか、お伺いしたいのであります。
 最後に場今後の保安林の整備計画等に対しては、民有林に対しても相当大きな数字の増殖を考えておられるようでありますが、これは民有林の場合においては、今後の農業の面からいつて、食糧増産等の面において、できるだけ開墾を進めて増反しなければならぬというような面も出て来ますし、そういう場合において、民有林等の保安林を確保して、それをまたふやして行くというような場合における耕地と林野との限界が、どういうふうにかわつて行くかというふうな点も出て来るわけでありますが、以上のような点に対して御説明を願いたいのであります。
#28
○藤村説明員 この要綱の実施に伴う資金確保の面は、御指摘の通り、これは非常に大きくございますので、この通り実現できるか、私たちも苦慮いたしております。特に治山治水対策と申しますと、単に林野だけではできませんので、建設省の河川局の仕事とも緊密な連絡をとつて成果を上げる必要がございますので、御承知のように、内閣に設定されました治山治水対策協議会におきましても、特に両者の一応の基本対策に基く資金の面を、種々の角度から幹事会において検討せられております。財務当局では非常に見通しが苦しいようでありますが、現在の日本の国土不安定な状態、特に水害等が非常に多いというための被害も非常に大きくございますので、できるだけこの原案の実施に必要な資金の捻出を希望はいたしておりますが、いろいろそれぞれの立場の関係もございましようから、場協議会でさらにこの案の具体的な内容について、両省の案を持ち寄つて、突き合せて計画を検討もし、それに必要な資金がはたしてどのくらいであるかという検討も合せてするというようなことで、別途にそういう研究をいたされております。私たちといたしましては、こういう案に基く二十九年度の予算は、一応農林省といたしましては、会計の万で検討を加えてやや修正をいたしまして、大蔵省に今提出をいたしておるのであります。私たちも必ずしもこの案がこのまま出るかどうかについては一抹の不安は持つておりますが、できれば計画通りに実施したいという希望を持つております。もしこの資金計画がこの事業計画にマッチしないときに、どういうふうな見通しをするかという御質問につきましては、まだその時期でないと思いますので、私たちは一応この案の実行に必要な資金を、できるだけ財務当局の理解を得たいという努力をいたしておるということで御了承願いたい。
 なお国有林野事業特別会計の収入は、いろいろ木材の値上り等の関係もありまして、だんだん有利になつて来ておりますので、できれば現在の国有林の資産内容を充実せしむるように、充実させて投資をやつて行きたい。しかしこの収入の趨勢というものは、なかなか見通しがつきかねると思いますが、この問題は一般木材物価の国際間の関連、あるいは国内的には時局的なこの間の水害等の特殊な条件の発生等もあると思いますが、なかなか見通しは困難と思います。現在のところでは、まず年度内等はそう極端に下ることはなく、まあ横ばい程度ではなかろうかというようなことを考えております。特に北海道、東北地方の国有林の多いところの救農対策としては植林等を、将来のことも考慮しながらやつたらというような御意見はまつたく御同感でございます。これは現在の森林の実情から申しましても、あるいは地元の収入源といたしましても、将来を考え、あるいは現在を考慮して、できるだけ収入の再投資というような意味合いで大蔵省の認めます最大限でこれは実行をして行きたい。
 なお国有林の払下げの問題はまことに遺憾でございますが、私直接その関係の責任者でございませんので、この次の機会に申し上げさしていただきます。
 保安林の計画と開墾との関係は、終戦後緊急開拓事業に関連して、いろいろ林野開墾の問題もございましたので、その基準に基きまして科学的に、ほんとうに土地生産力の上るような線で考えて行きたい。特に日本の耕地面積の拡大というものは食糧対策上重大でございますので、十分考慮いたす必要はございますが、せつかく開墾したものが台風等の関係で無になるのもこれはもつたいないことてございますので、できるだけ土地の合理的利用という線で、よく現地を見ながらこれを実施して行きたい。また保安林を拡張するというようなことで、林野開墾に直接圧迫を加えるというようなことは、私たちの現在の案を進めております段階では多分ないだろうと考えております。ただ奥地のほんとうの山村で焼畑、切りかえ畑等がございますが、これは農林省として土地利用の面、食糧増産の面から計画的に進めておるものとは切り離して考える面もございますので、必ずしも計画的でなく、現地の状態であまり保全にさしつかえのないような方法を講じながら、山村の方々の実態に即してこれを実行して行きたい、かように考えております。
#29
○芳賀委員 最後の点でありますが、この点は戦後の緊急開拓や何かによつて、それがほんとうに農耕適地であるかどうかというような将来の見きわめを持たないで、どんどん開拓者を入れて、そうして山を切つてそれを一つの生活のかてにさせたり何かしておつたけれども、その後農業経営として自立できないというようなことで、その土地を放棄してまた山をおりたというような実例がずいぶん多いわけであります。だからこういう点に対しては、林野当局の方ではできるだけ森林を守つて、しかもそれを一定の水準より減らさないようにしたいという意向を持つておられますし、また農地局等においては、なかなかそういう一旦農耕地としたような所が不適地であるというような場合においては、それを改廃するという手続等に対してはスムースに行かぬとい場合が多い。こういう点は今後適応性というものを十分によく両方の分野においても考えられて、そうして今言われたような線で進めてもらいたいということは、これは現地においても常に要望されておる点であると思うのであります。この点だけ特につけ加えておきます。
#30
○川俣委員長 それでは午後から業務部長にもおいで願うし、農地関係もおいでになりますから、二時から続行いたしたいと思います。
 午前はこれで休憩いたします。
    午後零時五十九分休憩
     ――――◇―――――
    午後三時十三分開議
#31
○川俣委員長 午前中に引続き会議を開きます。
 午前中の芳賀委員の御質問に対しまして、林野庁の業務部の山崎業務課長が出席しております。
#32
○芳賀委員 午前中私が発言した問題でありますが、国有林の払下げの場合に、今までの経緯を見ると、その払下げの一つの方針といいましようか、全体の二割を公入札、それから二割を指名、競争入札、あとの六割は特売というような形になつておるわけですが、これらの方法の内容を検討した場合において、必ずしも適正であるとも言えない点もあると思うのでありますが、林野当局において、この払下げの方針等についてどのような御見解を持つておられるか、お伺いしたいと思います。
#33
○山崎説明員 本日業務部長が伺うべきところ、お昼ころから出張いたしておりますので、失礼いたします。先ほどの御質問でありますが、御存じのように国有林の経営といたしましては、その国有林の所在する地元の産業及び民生安定という一面ときわめて密接な関係を持ちながら、平生の業務並びに管理という面を遂行して行かなければならぬという関係に立つておるのでありまして、そういう見地からいたしまして、国有林の売払いを公売その他の方法によりまして、そのときそのときの木材の需給の状況によりまして、あるいはまた将来の値上りというふうな面に大きい思惑などが入るという形態におきまして価格が決定され、あるいはまたその材がそれぞれ近い消費都市その他の方面に、加工せられないままで輸送されるというような事態を招来しますと、地元の産業並びに民生の安定に大きい支障を来すという事情にありますので、そういう関連から考えまして、特売、随意契約という制度を大きくとつておるわけであります。国有林といたしまして、今後こういう制度につきましても、新しい木材産業の動向、価格の動向という点を十分検討しながら、それぞれ今後とも適正な方法によつて適正な用途に売り払つて行くという方法を十分に検討いたしたい、こういうように考えておる次第でございます。
#34
○芳賀委員 一つの事業のバランスをとつて行くというためには、従来とられたような方法も否定することはできないかもしれませんけれども、ただ過去の払下げをした業績を見ると、特売に類するものと公売指名入札との価格差が非常に多いということ、御承知のように国有林というものは、これは国民全体が享有すべき財産であるので、この国家の財産の払下げにあたつて、特定の実績を持つたものに非常に有利な価格で常に払下げをするということの正当性といいますか、そういう点については、やはり相当の批判が出て来ると思います。しかもそれが大企業に類するような一つの独占の力によつて常に払下げが占められておるということになると、これらの点については今後大いに改善すべき点があると思います。さらに払下げによつて一定の収入を上げるという場合においては、不当に高く払い下げをすることは避けなければなりませんけれども、適正な、合理的な価格で、しかもこれを普遍的に、機会均等のもとに払い下げをするという方向は、どうしても今後とられる必要があるのではないかと考えるのですが、そういう点について、一度に飛躍的に切りかえるということはできないとしても、漸進的にこれを改善するお考えがあるかどうか、あるとすればどういうふうな方向にこれを進めて行くか、そういう点をお伺いしたいと思います。
#35
○山崎説明員 お答えいたします。御指摘のありましたように、随意契約で売り払います場合と競争入札によつて売払います場合に、価格の差がかなり生ずる、また現に生じておるという事例はあるのでありまして、特に東北地方方面におきましてそういう傾向があるということは、私たちとしても十分認識しておるところであります。随意契約をいたします場合に、国有林といたしまして、市場価格というものをもとにしまして、それから計算して売払いしておるのでありますが、その計算の因子といたしまして、相当めんどうな、しかも精細な試験びきその他の方法をとつているのでありまして、これらがそれぞれの木材の需給状況というものによりまして、内容的に変更が生ずるということに伴いまして、算定の結果現われます売払い価格が、公売その他の方法による売払い価格と差を生ずるという事態が現実に起きておるのでありまして、この点につきましては、そのときどきの市場の状況というものをさらに精細に、迅速に把握しまして、価格の矛盾のないような措置を、現在すでに関係者それぞれ集りまして検討中であります。公売と特売の売払いの方針の問題につきましては、御指摘のありましたように、林野庁といたしましても、国民全般に広く普偏する、機会均等の機会を与えるということと、地元産業なり、民生の安生と、両方の要請にこたえるために、どの程度の数量割合にならなければならないかというふうな点につきましても、現在とり急ぎ検討中でありまして、漸次これを改訂して行きたいというふうに考えておるのでありますが、数字的に、あるいはパーセントでどういうふうになるという点につきましては、まだ検討中でありまして、はつきりした結論まで到達していない状況でありますので、御了承願いたいと思います。
#36
○芳賀委員 特に十六国会会においては、国有林の払下げ等に対しても一箇年の延納を認めるというような法律も通過しておりますので、そういう点からいたしましても、地方における中小企業等に対しても、十分これを育成して、将来実績主義だけに偏しないような形で、この売払いとか、あるいは事業が行われるように、ぜひ進めてもらいたいというふうに希望するものであります。
#37
○山崎説明員 今御発言のありましたような方向に従いまして、できるだけわれわれも努力したい、こう考えております。
#38
○川俣委員長 委員長からちよつとお尋ねしたいのですが、公入札と指名入札との間においては、大体二割見当の差があり、また指名入札と随契の間に二割程度あるということになると、公入札と随契との間に四割くらいの開きが出るのではないかと思われますが、もしそういう結果になりますると、ほんとうに民有林の木材に対する影響も相当大きいと思うのですが、民有林を育成強化する、保護して行く、こういう建前を林野庁がとつておられるのですが、この点の矛盾を将来どう解決されますか。
#39
○山崎説明員 その点は非常に政策的なむずかしい問題でありまして、私から決定的なものを申し上げるという問題ではないように思うのでありますか、おつしやいました通り、公入札、指名入札、随意契約それぞれにある程度の価格上の差があるということは、いなめない事実と私たちも認めておるのでありますが、そういう国有林の価格状態が民有林材の価格に非常に大きい影響があるのじやないかという御質問だと思うのでありますが、国有林といたしましては、御存じの通り、大体現在生産しておりますのが民有林材と比較するような大きさ、形質の材木がないのでありまして、やはり国有林といたしまして生産しております木材は、天然林から生産されます年令の高い、いいものを生産しておりますし、民有林といたしましては、小さな造林心地から出発いたしました造林木が計画されているというような形態になつておるのでありまして、そういう点から一方国有林としましても、また民有林と同じに生産しております造林地から出発しました材につきましては、先ほど先生がおつしやられましたような差は現実に私たちはないというふうに考えておりまして、民有林材と直接大きい関連を持つというふうな経緯にはないのではないかというふうに考えておるのであります。
#40
○川俣委員長 一応そういうふうに見られないわけでもないけれども、結局この木材の需給が非常に困難な場合であるからして、あえて民有林を圧迫しないとも表現できると思うのですが、しかし何にしてもいわゆる天然林を主要な生産といたしているために、これが価格を随契において非常に安く払い下げるということになりますと、やはり民材の相当な圧迫になると思うのですが、もちろん性質が違うから圧迫にならないという御説明ですけれども、これはもとより優秀なものを価格安に払い下げるということは、やはり民材の圧迫だと思うのです。そういう意味からも今後民有林がなかなか採算が合わないと言われているときに、一面民材の保護からいつても、随契によるところの払下げについては、相当の考慮を要するのではないか。問題はただ木材価格の安定、いわゆる投機的な非常に浮動のある価格ということになると、木材の持つところの、長年月かかつて生産されるという特質を持つ植林事業でありますから、価格が非常に不安定になるということは、造植林のために必ずしも好ましくないことは明瞭だと思うのです。また国民生活の上からも、最も国民生活に関係の深い木材の価格が非常に変動が大きいということも、これももちろん国民生活を圧迫することになる。それと同時に、やはり民有林を十分長い眼で見て育てて行くという面からいつて、民有林と競争するような林野庁の施策というものは、この際相当再検討を要するのではないかと思われるのですが、この点についてはひとつ林野庁においても御考慮願いたい。
 次に今度の冷害対策の中に、炭がまの設置その他副業の樹立については、営農資金に準ずる資金的措置を講ずるとともに必要な国庫補助の措置を行う、こういうことになつておりますが、これについて詳しく御説明が願いたい。
#41
○山崎説明員 冷害対策といたしまして薪炭林を国有林から払い下げまして、これを製炭することによつて賃金収得をはかるということは、これは非情に重要な問題と考えております。国有林といたしましては、本年度内に追加の事業といたしまして三百六十万石程度の薪炭林を払い下げたい、こういうふうに考えておるのであります。その三百六十万石という石数は、冷害地方におきまして経営的に売つておりますものの約三分の一に当る数量でありまして、これによつてかなりの貢献をするものと考えておる次第であります。これらに対します築造の助成の問題は、これは実は業務課ではないのでありますが、昭和の九年ごろでありましたか、やはり冷害の問題が起りまして、この場合に、炭がまの構築助成金としまして必要な経費の四分の一程度を助成しておる例があるのであります。それに大体思想を同じくした行き方によりまして、国庫の助成をお願いいたしたい、こういうふうな考え方でおる次第であります。
#42
○川俣委員長 次に、今度やはり冷害対策として、特に薪炭林の払下げについては特別の措置を講ずる、こういうことになつておりますが、どの程度の薪炭林の払下げを行われる予定でありますか。各県別にもし明らかになりまするならば、その御指示を願いたいし、まだそれほどまで具体化されていなければ現状のままでもけつこうです。
 もう一つ問題は、薪炭林の払下げは、冷害対策として最も必要なことではありまするけれども、一方において、山腹の修理等を行わなければならぬ場合に、薪炭林の払下によつてますます山が荒れるというふうなことになつても、林野行政の上から見て遺憾なことだと思うのですか、薪炭林を払い下げる場合に、町村あたりに植林の奨励と相まつて併行的に払い下げるというような考え方ですか、植林とは別個に薪炭林を払い下げるというような計画ですか、その点について承りたい。
#43
○山崎説明員 薪炭林の払下げにつきましては、国有林といたしまして、北海道の五つの営林局におきまして約九十万石程度のものを予定しておるのであります。青森の営林局におきまして七十万石、秋田の営林局管内におきまして七十万石、それから前橋の営林局管内におきまし八十万石、長野の営林局管内におきまして三十五万石、名古屋営林局におきまして五万石、これらをトータルしまして三百五十万石と予定しておるのであります。これらは国有林経営の見地から行きますと、二十九年度に製炭しようというふうに予定しておりましたものの約三分の一程度になるのでありまして、これらの伐採跡地につきましては、国有林といたしましては、来二十九年度の秋ないし三十年の春あたりにすぐ造林したい、こういうふうに考えておる次第であります。
#44
○川俣委員長 今のは伐採跡地にすぐ造林する、こういうことですが、国有林の多いところと少いところとあると思います。そういうところは、伐採跡地に植林して山腹の同腹をはかることも一つの方法だと思いますが、そればかりではなく、町村の民有休あるいは公有林についても、これだけ薪炭林を払い下げるから、その何分の一かに当るところに植林させるというような積極的な政策がやはり加味さるべきではないかと思いますが、こういう点についてはどういうふうにお考えになつておりますか。
#45
○山崎説明員 その点につきましては、民有林としましては、これに伴います造林の事業はやはり三十九年度の予算として考えなければいかぬじやないかというように考えられますので、二十九年度の一般公共事業費におきます造林事業に対して補助金的な予算が組まれることに伴つて実施さるべきものじやなかろうかというふうに考えておりまして、この点は民有林関係の方におきまして十分織込んだ計画になつておる、こういうように考えておる次第であります。
#46
○井出農林委員長 今回の災害にあたりまして、あちらこちら国有林の地帯を見てまわりました。私の見聞したところは、ごく限定はされておりますが、こういうふうなことがありはしないかと思うので、林野当局は御認識になつておられるかどうか伺つてみたいのです。それは、国有林の経営はきわめて厳格な施業案のもとに行われておりまして、それはそれなりにけつこうであります。そしてその施業案を遵守してしつかり守つていられるということはわかるのですが、近ごろの独立採算制という建前から、全体の施業計画には即しておるけれども、その中で比較的採算に乗る里山を伐採しまして、めんどうな奥山の方があとまわしにされておる。これは民有林にも同様なことが言えますが、最も厳格であるべき国有林の中にもそういうことがありまして、全体の重荷が里山にかかつておる、それがために崩壊箇所などが随所に見受けられるというような例を見て参つたのですが、こういう点どうお考えになりますか。
#47
○山崎説明員 お話のありました通り、終戦後国有林が特別会計になりまして――木材価格、薪炭価格とともに公定価格の制度のもとに経営の運営をしておりました当時は、国有林経営といたしましても、自分で独立採算の建前で歩むということに非常に困難を感じておつたのでありますが、それに合せまして、やはり当時といたしましては、奥地の開発に伴つて生産されましたぶなその他の広葉樹の売れ行き、あるいは価格がきわめて思わしくなかつたというような関係からいたしまして、里山の、しかも針葉樹地帯に伐採が集中される、加重されるということが、二十六年度ごろまで大体継続して行われたわけでありますが、二十六年の末並びに二十七年度、二十八年度となるに至りまして、木材需給の関係から、広葉樹に対する需要も大きく喚起されまして、特に最近に至りましては、ぶな材に対する需要は今までにないような活況を呈しておるのであります。こういう点からいたしまして、国有林といたしましても、今後里山の伐採を減少して、奥地林の開発に進んで行くというところに重点を移すことができる事態に立至りましたし、今後ともそういう方法を強力に進めて行きたい、こういうふうに考えている次第であります。
#48
○井出農林委員長 私の見ました一例ですが、たとえば木曽の読書村、あるいは上松町、あのあたりにおいて木曽川に大きな崩壊が出て参りまして、一時は川の流れをとめる、あるいは人命の殺傷もあつたというふうな例などは、私がさきに述べました長い間の里山重荷の結果だというふうに思うのであります。当局も率直にそういう点を認められまして、今後の施策の参考に供していただきたいと思います。
 それからただいまぶな山の開発の話が出ましたが、これはもつと早く手を打たなければならないところでありまして、ことに梱包材、箱材として使われる林木の量というものは千数百万石に上るというふうにも聞いております。これらは奥山に産するぶな等をもつて今後利用の道が開ける、こうも考えますが、全般的に木材の利用合理化といいますか、たとえば箱材などはダンボールの箱で行けるべき部分は、それで今後やる。そうしますと、おそらく木材の量は五分の一ないし十分の一ぐらい節約できるというふうに承知をいたしておりますが、現在林野庁はそれを奨励するようないかなる施策をとつていらつしやいますか、またそのお見込み、そういう点をちよつと承つておきたいと思います。
#49
○山崎説明員 木材の利用合理化に関しましては、先ほど先生からお話がありましたように、奥地から生産されますぶなにいたしましても、現在東北地方におきましては、松にかわる材料としまして、りんご箱方面に、あるいはまた魚箱という方面に大きく進出しておるのでありまして、今後ぶなの利用開発という面に、この包装用材としての用途が開発されたということは、非常に大きい価値があるものだと私たちは考えておる次第であります。
 それと、現在といたしまして、包装用材につきまして特に考えておりますのは、ぶなその他の広葉樹を原料としますたん板を使つた包装箱というものがアメリカにおいて非常に機械化され、しかもコストが安いというようなことに伴いまして、この設備を開発銀行その他の方から融資をあつせんいたしまして、そういうものの設立が遅くとも本年中には二工場程度できるというふうな情勢になつておるのであります。
 それからダンボールにつきましては、林総協その他の方面の援助を得まして、啓蒙、宣伝に努めておるのでありますが、何といたしましても、現在の日本といたしましては、都市にそういうものが集まりました場合に、雨に当らないために必要な倉庫施設が非常に不足しておるというところに、ダンボール普及の大きい隘路があるように考えておりまして、こういう点につきましても、関係方面と協力いたしまして、進出して行かなければならぬというように考えておる次第であります。
 木材の利用合理化全般の問題につきましては、一昨年でありましたか、木材利用合理化対策というものが閣議決定となつたのでありまして、それを骨子といたしまして、関係官庁と随時協議会を持ち、これの推進をはかつておるのでありますが、最近また、最近の情勢に応じた利用合理化対策を、経済審議庁が中心になつてつくりまして、関係官庁の御協力を得るとともに、もう一度閣議の決定までこれを持つて行つて、もう一度必要な助成措置、あるいは融資の措置というものを講じて行きたいという進み方に現在なつております。
#50
○井出農林委員長 今回冷害凶作の問題で各地を歩いてみますと、一つの大きなテーマとして、国有林木の廉価払下げというような問題がどこからも出ております。今回の政府の企図せられておる対策要綱の中にもそれは盛られておりますが、このことは国有林に大きくしわがよつて参りまして、いろんな面から国有林を目がけて、その冷害対策のみならず、これに便乗しようというような手合いも出て来るやに思うのであります。それで現在ございます国有林野整備臨時措置法でありますか、これは時限立法であつて、たしか明年六月ですか、期限が切れますが、そのあとは林野庁としてはさらに継続をされる御意思であろうと思いますが、この点を伺うと同町に、あの臨時措置法なるものは、林野庁の立場から言いますと、外ぼり程度は手をつけさしても、内ぼりまでには触れられたくないというような意図が盛られておるのだという世の批判もございます。こういう時期で、国有林がやはりひとつ大きな期待にこたえていただいて、東北地方などにおきましては、東北の貧困は国有林に胚胎するのだとさえ民衆の感覚が行つておる。これはりくつではなくて、一つの感情だと思うのですが、よほどその間手ぎわをよくお扱いになつていただきたいと思うのであります。臨時措置法を継続するという場合には、今までのように皮を切らせて肉までは届かぬという程度ではなくて、もう少し抜本的な、臨時措置法にあらざる基本的な考え方を発展されておるかどうか、これをひとつ伺いたい。
#51
○山崎説明員 冷害対策その他の場合におきまして、国有林に資材の払下げが期待されておるのでありますが、冷害につきましては関係市町村その他県と十分連絡のもとに、この冷害対策という趣旨にもとるような行き方というものはしないようにということを、特に強く注意してやつて行きたいと考えておる次第であります。
 国有林野臨時整備でありますか、これに対しましては来年六月に一応の期間も過ぎるのでありますが、その後どういうようにするかという問題につきましては、林野庁といたしましても、すで従前からいろいろ研究はしておるのでありまして、根本的な林野整備という方向に進まなければならないのじやないかという点で、関係の有識者の方々の御参集をいただきまして、早急に現在検討を加えつつある次第であります。これが時間的にすぐ臨時措置について行われるかどうかという点につきましては、あらためてまた長官なり部長からお返事いたしたいと考える次第でございますが、臨時措置と併行しまして、現在におきましては共有林、部分林の制度というものを積極的に推進して、地元産業の振興に貢献したいということで、現在すでにもう東北方面特に青森、秋田の両営林局におきましては、これを急速に啓蒙し普及しておるという段階に立ち至つておりますことを御了承願いたいと思います。
#52
○井出農林委員長 私はいたずらに国有林を目のかたきにして、何でもかでもこいつは開放すべきだという立場には決して立つておらないつもりであります。やはり日本の治山治水という大きな見地から考えますると、国有林が果して来た役割、こういうものも十分評価をいたしているつもりであります。そこで臨時措置法も、あと日限がわずかになつて来ておりますし、一方町村合併促進法というようなものなどもできて、こういつた角度から、また国有林に目をつけるというふうな線もありますので、やはり根本的にもう一ぺん整備をして立法する段階だと思います。これはいずれ長官なり林政部長なりにお伺いをしたいと思つております。
 そこでもう一点、民有林関係において、林業の基本的な団体は森林組合である。これは申すまでもなく課長も十分御認識でございましようが、この春あたりから、林野行政全般という建前で、民有林復興の一助としては森林組合を強化するのだ、こういう線が出ており、それには国有林にも御協力を願うのだ。この建前からできましたのが国有林の間伐材の地元森林組合への払下げという問題であります。これは国有林の持つている間伐に対する高度な技術を民間に普及徹底せしめるという意味も持つておりまするし、また同時に森林組合の育成強化にも大いに寄与するだろうと思うのでありまして、この計画はただいまどの程度になされ、しかもそれは末端へ十分普及徹底しておりましようかどうか。私の知る範囲では、地方の営林署においては率先して協力をしておる向きもございます。そうかといいまして、森林組合側の要請をまつたく受付けない。林野庁なり営林局なりから通牒は流されておるに違いないのですが、まだどうもそういうものは来ておらぬというふうに言を左右にして、それをひた隠しにしておるというような営林署もなきにしもあらずというように聞いております。この辺の消息をひとつ伺いますとともに、この森林組合育成強化に対する林野庁の御方針をあわせ伺いたいのであります。
#53
○山崎説明員 森林組合の育成強化に資するために、国有林といたしましても、造林地間伐材を森林組合に払い下げるということを本年度から開始したのでありますが、今井出先生が言われますように、営林局あるいはその末端におきましてこの趣旨を十分に理解しないで、円滑を欠いたという点が間々あつたかと思うのでありますが、この点につきましては、先般各営林局の事業部長の打合せ会がありまして、その際に業務部長並びに私から、各営林局事業部長には十分その趣旨と考え方、やり方というような点を口頭で話してありますので、今後はそういう不円滑な点はなくなるのじやないかというふうに考えておる次第であります。林野庁といたしましては、新たに公文書をもつて各営林局に通知するという措置は現在講じてないのでありまして、先般の部長会議を利用して、十分話を徹底させた方がいいじやないだろうかという考え方に基いてこれはやつておりますので、その点御了承をお願いしたいと思います。
#54
○福田(喜)委員 それについてちよつとお尋ねしますが、二十八年六月十七日のあの通牒でございます。あれはどういうふうな扱いになつておるのでございましようか。県信連に対する扱いは大分民有林の系統で物議をかもしておるようでありまして、今はなはだありがたい御発言がありましたが、県信連と単位組合とは、それはなるほど地元という点においては違いもありましようし、営林署の立場からいつても国有林の立場からいつても違いがありましようが、県信連はあの扱い方は少し行過ぎじやないか、その扱い方についてその後態度の御変更がないかどうか、あれをそのまま維持して行かれるかどうかをお伺いしたい。
#55
○山崎説明員 先ほどお話のありました六月幾日かの通牒という点につきましては、いろいろ考え方のいかんによりまして、あの通牒を解釈をする上においているく問題点があるというふうに私たちも従前からお伺いしておつたのでありまして、要は林野庁といたしましては、末端の森林組合中心にこれの事業を推進して行きたい。そして現実の仕事を森林組合にやつていただくということが、この事業を今後末長く継続して行くという点がら見て、どうしても必要じやないのだろうかという点で考えておるのでありまして、単に森林組合に対しまして、また単に森林組合に技術員その他の方がおられまして、その事業に対して県信連が経済的あるいはその他の方面において御援助いただくということに対しては、われわれとしては何らそれを拘束する、あるいは拒否するといつたふうな意思ではなかつたのであります。その点に対していろいろな考え違いが出たのじやないかというふうに解釈しております。
#56
○福田(喜)委員 今課長さんのお話まことにごもつこもでございまして、もしそうであるとするならば、あの通牒もその趣旨のもとに、さらに改めていただきまして、少くとも地元の単位組合と県信連と一緒になりまして、たとえば地元の組合に払い下げておいて、金融面は県信連が中金の支所なりと連携を保つてやるというふうな、そういう分担の仕事を定めていただいたならば、県信連一本という場合におきましてはいろいろ難点もありましよう。地元の単位組合と共同してやるという場合においては、今の課長さんのお話はまことに筋の通つたもつともな話だと思いますし、われわれもそうあつてしかるべきだと考えます。あの通牒をそのまま平たく読みますと、県信連を排除せよというふうに読めますが、意味がそうでないとおつしやるのでありますからありがたい仕合せでございまして、その意味の通りに改めていただきたいことを要望してお願い申し上げます。
 それから、あれは県信連と単位組合と一緒になつて――これはあなたのところの部長さんにもお願いしたのですが、共同して仕事を分担して、何と言つても現在の単位組合というのは融資能力といいますか、資金面におきましては融資の能力がないのですから、これは県信連において担当して、そうして一緒になつて、共同してやる、こういうふうな建前でやつたならば非常にうまく行くのじやないかと思いますが、おそらくそういう限度まであなたのところは排除する意味ではなかろう、私はそう解釈しておりますが、もしそうであるならば、また再び通牒なり会議を開くなりして改めていただきませんと、今井出農林委員長が言われたように、末端で時折り間違つたことをやつておりますから、ひとつお改めいただくようにお願いしたいと思います。
#57
○山崎説明員 その点につきましてはいろいろ問題があるということを聞いておりましたので、先般の事業部長の打合会におきましては、そういうことを十分徹底するように話しておりますので、今後は今までいろいろごたごたしたそういう問題は、大体なくなるのじやないかというふうに考えております。
#58
○松岡委員 けさお聞きにならないと思いますが、一昨日長官に申し上げ、きようまた速達で参つた陳情書を差上げました。山形県最上郡東小国村堺田四十五戸部落のちようど宮城県境のところが非常に高冷地で、収穫皆無、ところが今日まではそこは製炭で暮しておる。その製炭の箇所がもう秋田営林局管内にはないのです。ところが宮城県の方だと、八キロぐらい来なければできないところから、宮城県の方からはそこに製炭にちつとも来ない所なのです。それをこちらの方に冷害対策として、堺田の四十五戸部落はもうすぐに雪が来ますから、製炭材がないというので、村会の決議で先ほど陳情書を差上げました。また一昨日長官には、私が現実をこの間自由党の冷害対策本部の特派員としてよく視察して来て、いかにももつともだということがよくわかつたので申し上げておきましたが、早急にこれを青森営林局管内ですからそこのところをこちらの方からしかるべくおつしやつていただかなければできないことだと思いますので、陳情書をよくごらんくださいまして、おとといは長官は、あそこの事情がよくわかつているから許可すると言つておられましたが、あらためて村会の決議で村長及び議長から、部落民四十五戸が連盟して、先ほど払下げのお願いをしております。
#59
○山崎説明員 先生からお話のありました件につきましては、長官からも本日連絡がありまして、早急に検討を進めておるのでありますが、今宮城県でどれくらいという点ははつきりわからないのでありますが、青森営林局といたしまして七十万石程度の薪炭立木を冷害対策用として追加して払い下げるという計画がありますので、そのうちからお話の方に対しましては十分やつて行けるものだと考えておりますので、早急に進めたいと考えております。
#60
○松岡委員 あそこはたいへんと雪が深いところですから、今月の二十三日ころにはもう雪が来ます。収穫皆無のところですから、ただいまのことをすぐ電報で知らせれば生活の支援ができて、さぞかし四十五戸も安堵することと思いますから、どうぞ落胆せしめないように御善処方をお願いします。
 私はこれで終ります。
#61
○川俣委員長 ちよつと委員長からお尋ねしますが、さつきの薪炭林の払下げ三百五十万石は追加ですか。
#62
○山崎説明員 それは年々一定の計画に基いて払い下げております。ほかに冷害対策として特に追加して三百五十万石払下げをやる、こういう考えでおります。
#63
○松岡委員 現金ではないのですか。
#64
○山崎説明員 その点につきましては、県庁その他の方面と打合せしまして、延納その他の方法が講じ得るのではないかというふうに考えられます。
#65
○松岡委員 どうかこの点、委員長よく実情を御承知なんですから、まつたく現金がないというので、協同組合にも金がない。どこにも金がないですから、現金収入がないのですから、その点原木を安くするか、あるいは無償くらいの程度に押えくださるものとは思いますけれども、現金の方の延納の点は十分委員長においても御交渉くだまるようにお願いします。
#66
○川俣委員長 次会は農林委員会のあとに日程をつくることにいたしたいと思います。公報をもつてお知らせいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後四時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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