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1953/07/30 第16回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第016回国会 水害地緊急対策特別委員会 第21号
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1953/07/30 第16回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第016回国会 水害地緊急対策特別委員会 第21号

#1
第016回国会 水害地緊急対策特別委員会 第21号
昭和二十八年七月三十日(木曜日)
    午前三時四十九分開議
 出席委員
   委員長 村上  勇君
   理事 生田 宏一君 理事 綱島 正興君
   理事 平井 義一君 理事 赤澤 正道君
   理事 滝井 義高君 理事 稲富 稜人君
   理事 佐藤虎次郎君
      上塚  司君    江藤 夏雄君
      大久保武雄君    熊谷 憲一君
      仲川房次郎君    林  信雄君
      坊  秀男君    松野 頼三君
      三池  信君    山本 友一君
      岡部 得三君    白浜 仁吉君
      舘林三喜男君    廣瀬 正雄君
      吉田  安君    赤路 友藏君
      井谷 正吉君    井手 以誠君
      田中織之進君    田中 稔男君
      八木 一男君    池田 禎治君
      伊瀬幸太郎君    木下  郁君
      辻  文雄君    松前 重義君
      門司  亮君    世耕 弘一君
      中村 英男君
 出席政府委員
        大蔵事務官
        (大臣官房長) 森永貞一郎君
 委員外の出席者
        参議院議員   山田 節男君
        運輸事務官
        (中央気象台総
        務部長)    北村 純一君
        運 輸 技 官
        (中央気象台予
        報部長)    肥沼 寛一君
        労働事務官
        (労政局労政課
        長)      有馬 元治君
    ―――――――――――――
七月三十日
 委員田中龍夫君、細迫兼光君及び杉山元治郎君
 辞任につき、その補欠として林信雄君、赤路友
 藏君及び門司亮君が議長の指名で委員に選任さ
 れた。
    ―――――――――――――
七月三十日
 昭和二十八年六月及び七月の大水害による公立
 教育施設の災害の復旧事業についての国の費用
 負担及び補助に関する特別措置法案(参議院提
 出、参法第九号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 閉会中審査に関する件
 委員派遣承認申請に関する件
 昭和二十八年六月及び七月の大水害による公立
 教育施設の災害の復旧事業についての国の費用
 負担及び補助に関する特別措置法案(参議院提
 出、参法第九号)
    ―――――――――――――
#2
○村上委員長 それではこれより会議を開きます。
 水害地対策に関する件について議事を進めます。質疑の通告がありますから順次これを許します。世耕弘一君。
#3
○世耕委員 委員諸君並びに政府の協力によつて災害対策に関するそれぞれの施策が相当進捗しているという事柄に対しまして、被害地の出身議員の一人といたしまして感謝する次第であります。御承知の通り、このたびの和歌山県並びに九州地方の水害は、従来の水害と趣を異にしておる。六十年に一ぺんあるいは百年に一ぺんあるかないかというような、現在の科学知識で予想できないような大きな水害であります。かような特殊性のある災害でございまするから、自然国家としての対策もそれに順応すべき政策が樹立されてしかるべきと思うのであります。それぞれ法律案等も検討されておるようでありますが、災害対策にはおのずから緊急と長期にわたる両方の対策があろうと思います。結局これに伴う予算の面でありますが、予算をどう切り盛りして行けるか、そうしてぼう然自失しているような直接の災害者に対して、どういう生気を吹き込むことができるかどうか。いわゆる予算の活用、政策のよしあしによつておのずから道が開けると思うのであります。災害に対するところの対策はもちろんのこと、その災害のいわゆる見解等に関して、政府側の意向をこの際聞いておきたいと思うのであります。この点について御説明を承ります。
#4
○森永政府委員 災害関係の予算の問題でございますが、御承知のように現在参議院で審議中の二十八年度予算には、災害予備費百億円が計上してございます。そのうち三十億円は、四月ないし七月の暫定予算に計上済みでございまして、現在までに、この暫定予算に計上してある予備費の中から、逐次必要なる補助金、災害救助費等を支出して参つた次第であります。公共災害につきまして、その復旧費についての補助がこれからの問題として残るわけでありますが、これにつきましては、大害の調査、復旧所用額の査定等に時同がかかりますので、とりあえずはつなぎ融資でつないで参つたわけでありますが、本格的な査定が済みました場合に、はたして現在残されておる七十億円の災害予備費で足りるかどうか、そういう問題があるわけであります。一方、補助費につきましては、国会で補助率等の問題につきまして議員立法をなさる計画もございまして、これが究極的にいかがにおちつきますか、そういつた問題にもよりまして違つて来るわけでありますか、現在のところはそう著しく不足するようなこともないのではあるまいか。もしこれが正確な査定あるいは補助率の変更の結果不足するということになれば、将来やはり予算の補正措置を講ずるということに相なると思います。現在のところは、主として被害の正確なる査定が完了しておりませんので、はたして補正予算の必要があるかということは、ここで確言申し上げる段階にないことを御了承願いたいと存じます。
#5
○世耕委員 西日本並びに和歌山県の災害の総額の報告はすでに届いておると思うのでありますが、それについての査定はなさいましたか。
#6
○森永政府委員 各県からの被害額につきましては逐次報告をいただいております。これはしかし、各県から出て参りましたものを各省が生の形で大蔵省に持つて参つておるという現状でございまして、大蔵省といたしましては、それを基礎にいたしまして、つなぎ融資等を出す計算をいたしております。それによつてとりあえずの応急資金を出しておるという段階でございますが、正確なる査定はこれからの問題でございます。おそらく現地の調査等も必要でありましようし、若干の日時が必要なわけでありまして、それを待つておりますとなかなか金が出ない。そこで、つなぎ融資を取急いでやつておる、さような二段構えで行つておることを御了承願います、
#7
○世耕委員 およその見通し額というものがおありだろうと思いますが、わかれは御指示願いたいと思います。それから、現在出しているつなぎ融資がどの程度まで出しておられるか。つなぎ融資は緊急措置として相当効果的なものだと思う。現に和歌山県には五億円ばかり出ておると思いますが、おそらくそれでは足りないのではないかと思う。そういう点に対して、なお大蔵省がつなぎ融資をこの程度は入用だというような目安があろうと思うのであります。これをひとつお示し願いたい。それと、もう一つは、緊急の問題でありますが、現に保安隊が出動しております。保安隊が出動して、和歌山県のごときは、海上においては死骸の捜査その他も協力を得ておるのでありまりが、そのほかに道路の改修、修繕、収橋をかける、いわゆる臨機な処置でございます。今の場合保安隊の活用をまつよりほかに余力がないのでありますが、聞くところによると、食糧等の関係から、ほかの経費もいることで、間もなく引揚げるというようなことが伝えられておるのであります。せつかく道路改修とか緊急な要務に当つておる、たよりにしておる保安隊に引揚げられてしまうというと、実際望みをかけた救援に非常な不安を感じるような次第であります。一番今急を感ずるのは、道路の改修とこれに伴う諸設備であります。どうしても保安隊等の特殊な協力を得る必要があるというふうにわれわれ痛感するのであります。むろんこれも予算を伴うことでありますから、無限大に要求することはどうかと思いますけれども、現在の状況においては、わずかの費用を犠牲にしても、保安隊の活動を地元は要求しておるのでありますが、この点はいかがでありましようか。
#8
○森永政府委員 国庫補助のおおよその見当を示せというお話でございますが、これは、先ほどから繰返して申し上げておりますように、なかなか正確な計算はできないのでございますが、西日本地域についてごく大ざつぱな数字を申し上げますと、国庫負担の額は大体三百三十億くらいになると思います。和歌山の方はまだそこまでの調査が行き届いていないのでありますが、県から報告がございました土木災害の被害額は百二十七億ということになつております。これに対して査定額があつて、そのうちの何割かを国庫が負担するということになつて参るわけでありますが、その辺の数字の見当がまだついておりません。それからつなぎ融資でありますが、西日本に対しましては合計四十億の総わくを決定いたしております。うち二十億円は現地の配分がきまりまして、実行問題といたしましても、もう大部分は金を引出して、残りの十億につきましては目下現地で配分を協議中でございます。さらに残りの十億につきましては県別の配分を目下策定中であります。
 なお、和歌山につきましては、今までに出しましたつなぎ融資が三億五千万、これにおつかけまして、さらに一億五千万くらい出す計画だと思つております。つなぎ融資は合計五億くらいになると思いますが、そのうち主として三値五千万につきましては二十二、三日ごろにすでに交付済みでございます。このほかに災害予備費から、災害救助の関係で二億二千万見当のものの支出を決定いたしました。これは災害予備費の国庫負担分でございます。
 最後に保安隊の問題でございます。保安隊を現地にいつまでとどまらせて復旧作業に当らせるか。これは実は保安庁の方の問題でございまして、私どもの方から何とも申し上げられないのでございますが、ただ、現地で復旧作業に従事する場合に、必要なる夜食一人当り五十円とかそこらの金額でありますが、これについて問題がございましたが、これは保安庁の要求通り出すということに決定いたしましたので、その方面からの制約は今日はないと思つております。
#9
○世耕委員 たとえば農耕地の肥料代を融通しているが、農耕地は荒廃してしまつて肥料代はとれぬ、こういうような大きな金融問題、あるいは山に仕込んだ材木がみんな流れてしまつた、その財源はとれない、銀行からは矢のさいそくを受ける、こういうような災害を中心にした変則的な金融難がここに起つて来ておる。これは一例にすぎないことでありますが、農協のごときもこれに類する。その他いろんな取引関係がこれにわだかまつて来ておるのでありますから、そういう場合の金融対策について何か御方針がおありになるかどうか。
#10
○森永政府委員 災害によりまして被害をこうむつた者を支払人とする手形の取扱い等につきましては、ことに被害地について深刻な問題がございましたので、災害直後に事実上の措置を講じまして、支払い期限が来ても不渡り処分等にすることを猶予するというような特例をとるように金融機関を指導いたして参つたのでございますが、ただいまお示しの農耕山林業者等につきましても、手形の問題は、相当大きな金額の問題になつて参りますれば、今のような、事実上債権者、債務者の間をあつせんいたしまして、苛酷な結果にならないようにという指導をするにやぶさかではございません。また、農家に対しましては、農業共済保険の保険金の概算払いが行われる事態でもありますので、それらの債務を払うということも考えられます。また今後の立直りにつきましては、営農資金の供給につきまして資金源を充実すると同時に、利子補給、損失補償等の措置も講じまして、財源に資しておるわけでございます。そういう措置と相まつて、金融機関との話合いで、できるだけ円滑に処理していただきたいものと期待をいたしておるわけでございます。
#11
○世耕委員 共済組合ですか、保険組合ですか、保険はかけているけれども、災害が大きかつたために支払いが不能になつたという問題が現実に発生して来ている。そういうのをどう処置して行くかということも緊急な問題じやないかと思う。
 それから、もう一つは、あなた方の方には直接関係はないかもしれぬけれども、農耕地の復旧でございます。どの程度まで国家が援助するか、これも大きな問題の一つかと思うのであります。私は現地を歩いてみまして、まつたくぼう然自失している状況を親しく見まして、むしろこれくらいの天災でへこたれるとは何事か、われわれの祖先は、こういう天災と闘いながら今日の文化を築き上げて来たのだ、決して人にたよるべきではない、自力で立ち上れ、こういうふうな激励の言葉を伝えておいたのでありますが、自力で立ち上るというその意気の上に、国家なり国民がそれぞれの力をもつて協力するであろう、こういうふうなことを言うて来たのでありますが、どこにたんぼがあつたのかわからぬような河原になつてしまつたような土地がかなり多数、しかも地方においては田地の六割までも失われておる。私は、関係県にわたつて、むしろブルドーザーその他の機械化をはかつて、機械力によつてある程度の砂利、砂をとりはらつて行くかたわら、地方の労力を活用して、もう一ぺん祖先の開拓した耕地を復旧する、こういう気合いに持つて行くということが、今日の災害対策の根本精神じやないか、かように思うのでありますが、精神力ばかりを要求するのではとうてい不可能であります。どうしても耕地復旧に気合いをかけるような、ある程度の援助がこの際必要じやないか、かように考えて来たのであります。従来の災害と異なつた根こそぎいかれたこの地方を、何とかしてもう一ぺん元の土地に返すというようなことをわれわれはとりたいと思う。また、災害にあつた土地の人たちもその熱意に燃えておるのでありますが、この点に対しては、政府はどういうふうに熱意をもつてこれに当るか。全部政府の力にまつということに私は必ずしも同意するものではありません。とにかく復興意欲を旺盛ならしむるために、政府当局が協力を惜しまないというその気合いが今日最も必要である。この意味においてブルドーザーなりその他の機械を持つて荒地を削つてやれば、さあ、みんなが助けに来てくれたぞという勢いで、復興に邁進するのではないかということを深く考えたのでありますが、こういう点についても御考慮があれば御説明願いたい。
#12
○森永政府委員 農業共済組合の金繰りにつきましては、農林中央金庫からの共済基金をすでに融通いたしましたものが三十五億円くらいあるはずであります。その資金は原則として国庫の指定預金もいたしておるわけでありますが、そういうふうに、金が共済組合から各組合に貸し付けられておりまして、当面の支払いには事欠かないように金融上措置をいたしておるはずであります。
 なお農地の災害の復旧についてでありますが、現在あります法律規定によりましても、農地災害復旧には五割ないし八割の国庫補助をいたすことになつております。今度の災害は特に激甚でもございますし、個々の農家、対する補助以外に、政府で排水ポンプを相当買いまして、それを県なり市町村なりに貸し付けて排水に当らせるとか、あるいはあしたの閣議できめるはずでございますが、ただいまお話のございましたブルドーザー等も購入いたしまして、物理的にも災害復旧に政府が援助をいたす、かような計画で目下進めておるのでございます。
#13
○世耕委員 他の委員の質問もあろうと思いますから、他の機会に譲つて、詳細なことはまたお尋ねをいたしたいと思います。とにかく今回の災害は特殊性がある、かような考えで、従来の認識じやなしに、もう一歩進んで積極的な対策を立てていただきたい。ことに耕地の問題のごときは、国民精神あるいは国民思想の上にも非常に重大な影響がある。新しい開墾地を新たにつくるような勢いで、ある程度補修して行かなければならぬのじやないかと思いますが、他の委員の御質問もあろうと思いますから、私は本日はこの程度にいたしまして、いずれあらためてまた伺いたいと思います。
#14
○坊委員 私は和歌山、奈良等の水害を親しく見て参つたのでありまして、以下申し述べますことは、あるいはすでに九州の委員の諸君によつて質問をされたかどうかということは、私には今日わからないのでありますが、しかしながら、羅災地の出身の委員といたしまして若干の質問をさしていただくことを、この際委員の方々にも御了承願いたいと思います。
 今回の北九州並びに和歌山、奈良方面に起りました水害は、まつたく数十年、いな数百年来の、絶後とは言えないのでありますが、空前の水害であります。こういう水害がなぜ起つたかということを考えますと、戦争中に濫伐をして、山が裸になつてしまつた。もしもこの山が裸でなかつたならば、この水害がなかつたであろうということは私は申さない。しかしながら、山が保であつたということによつて、この災害をいやが上にも増大せしめたということだけは、私は言えると思う。こういうことをよく考えてみますと、現地の技師などとも私は話合つたのでございますが、従来数十年、数百年来、あの今荒れました川が荒れざる前の川幅及び川のスケールを持続して来たということは、川の水源が、両岸が森林地帯である、つまり山に木があるということにバランスのとれた川であつたと思うのです。ところが、山が裸になつてしまつた。そこでこの裸の山とバランスのとれた川に、今度の水害という自然力が回転したのだろうと私は思う。そういうことから考えますと、この水害が数十年来、数百年来の大きな水害であつたが、今後数十年、数百年わが国土のどこにもそういうことが起らないということは保証しがたい。そういうことから考えてみまして、今後こういういまわしい大水害をなからしむるためには、どうしても先だつものは私は金だと思う。財政的の飛躍的なと申しますか、思い切つた措置をこの際とらなければ、私は将来のこういう危険を防止することができない、かように思うのでございます。
 今度の水害はまさに東京の大震災にも匹敵する、いなそれ以上だとまで言われておるのでございますが、この東京の大震災にあたつてとられた財政措置というものは、非常に思い切つた措置であり、あるいは公債政策もとつておりますが、この水害を復旧することはもちろんのこと、将来、わが国土に、かかることを再び起さしめないためには、一にかかつて大蔵省がどれだけ踏み切るかということにあるだろうと思うのでございます。私はほんとうを言えば大蔵大臣にお伺いしたいのだが、大蔵大臣をお待ちしておつていたずらに事時間がかかるということだとかえつて急場の間に合わぬ。そこで私は、森永官房長はいろんな事情についてよくおわかりの方でございますから、官房長としての御所見を承りたい。
#15
○森永政府委員 水害に対する根本対策を確立する必要があるという点につきましては、私どももまつたく御同感でございまして、伝えられるところによると、内閣に水害の根本対策を審議する委員会かできるというようなお話もございますし、来年度以降のわが国の予算に、財政の許す限りそういつた根本対策を反映いたすように努力したいと考えております。ただしかし、これは財源を公債に求めるというお話もございましたけれども、そういう問題になつて来ると、これはまた別個の観点からいろいろの問題がございます。経費を最も重点的に使うという点からも、いろいろ検討しなければならぬ点も少くないわけでありまして、予算全体の問題と兼ね合つて行かなければならない問題であることを御了承願いたいと思います。
#16
○稲富委員 大体本問題につきましては、われわれ一箇月の間検討して来ておるので、繰返してまた問わなければいけないことを遺憾に思う。
 先刻世耕委員の、このたびの水害に対する損害をどれほど見るかという質問に対して、官房長は三百三十億とか言われたようでございました。その点の根拠を承りたいと思います。
#17
○森永政府委員 三百三十億と申しましたのは、被害ではございませんで、現行制度において、国庫が負担する金額は大体どのくらいになるだろうかということを、ごく大ざつぱな試算をした結果が、そういう数字になつておるわけでございました、被害の総額は、まだ査定が済んでおりませんが、これより大きいわけであります。
#18
○稲富委員 三百三十億というのは、政府が負担すべき大体の概算が三百三十億というのでございますか。
#19
○森永政府委員 現行制度のもとにおけるごく大ざつぱな概算をすれば、政府の負担がそれぐらいになるだろうということであります。
#20
○稲富委員 私がこの質問をするゆえんのものは、大蔵省のこのたびの特別非常災害に対する認識が非常に足りないじやないか、はなはだ失礼でございますけれども、たださいふを締めることによつて、この災害に対処しようというようなお考えがあるのではないか、こういうような考えがありますので、その災害の程度というものを非常に過小に見積つておるのではないか、こういうように思つておるから質問したわけでありますので、その点今後非常災害に対する特別の認識を新たにしていただきたい、こういうことを望む次第であります。
#21
○森永政府委員 大蔵省といたしましても、今度の災害が非常にまれに見る大災害であることは、現地の人とも話しまして、また各方面の御報告も承りまして、よく承知しているつもりであります。従いまして、今まで応急対策等につきましては、従来の対策等に見なかつた考え方をいたして来ているわけでございまして、補助の問題につきましても、目下議員提案が行われておりますが、大蔵省といたしましても必ずしも現行制度だけにこだわつているつもりはございません。大蔵省としての意見は別に申し上げてあるはずでありますが、十分認識しておりますことだけを申し上げておきます。
#22
○稲富委員 現行制度における三百三十億というような基礎数字になつているとすれば――その基礎数字はどれだけあるか――これはすでに大蔵省でわかつているはずであります。そのどれくらいの基礎を置いておられるかということを承りたい。
#23
○森永政府委員 正確なる査定を了していないことは繰返し申し上げた通りでありますが、西日本の公共災害の被害約五百億円くらいと押えております。
#24
○稲富委員 ただいま官房長の話だと、基礎数字は五百億円になつているという話でありますが、このたびの災害が五百億円というのは、各県の報告であなたのところへそういう数字が出たのであるか、その点を承りたいと思う。
#25
○森永政府委員 今回の災害の被害は、あるいは千億あるいは二千億といわれておりますが、これは公共災害だけでなくて、農家の災害も入つておりますし、中小企業の災害も入つておりますし、鉄道その他のあらゆる災害が入つた被害であります。その中の公共災害――公共土木とか農地とかで、従来政府の補助の対象になつている災害、それだけを取出して考えますと、各県の報告が五百億。これは河川について申し上げますと、補助河川だけでございまして、直轄河川はほかにございます。そういう各県の報告を処理して推定いたしました数字であります。
#26
○稲富委員 それでは、その五百億円の損害の各県別の資料の提出方を、委員長より大蔵省に要求していただきたい。
#27
○村上委員長 承知しました。
#28
○大久保委員 いろいろの質問が出尽しておりますから、私は一点だけ気象台にお尋ねいたします。このくらいの災害を天災という言葉で解決されて、気象台の責任が少しもとられていない。地震にしましても、豪雨にしましても、気象台が一ぺんでも予報されたことがない。予報が当つたことがない。これはきわめて遺憾である。あれだけの厖大な機構を持ち、あれだけの予算を持つておてられて、どこに欠陥があるのか、これは科学的に不可能なのか、なぜ予報ができないのか、この点いかなる根拠説をとつておられるか、この点について気象台のしつかりした意見を承りたい。
#29
○肥沼説明員 お答え申し上げます。ああいう災害が予想できるものかどうかということの御質問と、それについてどう考えているかということを御了解いたしまして、お答え申し上げます。
 気象台の予報は、気象業務というものが、天気の予想がどうしても必要だという要求から、完全な技術ができないうちから実施されて、現在数十年も経過しております。その間だんだん発達はしておりますけれども、たとえば飛行機を飛ばすという技術ができて、そうして飛行機ができたという、そういう技術とは全然別のものでありまして、要求が先であつて、ある程度できるから答えるという段階でやつております。その完全なものを要求されては、現在まだ不可能だとお答えするよりしかたがございません。しかし、今申しましたように、数十年という歴史もございまして、予報の精度はだんだん上つて来ております。これは過去と現在を比較すればよく統計的に数字が出ます。一番要点は先般のような水害が予想できるものかどうかということだと存じますが、この点につきましては、過去長い間地上の気象の資料だけからの予報をしております。これは経験が主になつております。しかし、病気を例にとりましても、皮膚の上からの診断は外科手術によつてかわつて参りますと同じように、気象の面も実際雨が降つて来る上層の観測をだんだん整備して行かなければできない状態で、これができて行けばある程度精度は上つて行く。しかもそれは、現在の段階がそうなつているのであります。全国で高層気象の観測を十箇所やつておりますが、このために以前とは比べものにならない程度に雨の予想もできております。九州の例を申し上げますと、これは六月二十五日の晩からひどくなつた雨でありますが、今の高層の資料の結果によつて、中央気象台ではその日の四時ごろに雨が降りそうだという判定を出して、福岡では五時に雨の注意を出しております。そうしてその警報を出したのは夜中の二十三時であります。その程度の精度であります。
 それから次に、これに対してどういう施設を考えているかということでありますが、今申しましたことを強化するために、高層気象は今の十箇所ではとても不足だ、これを強化したいということが一番重点を置かれております。それから過去の例は、山の観測は全然ございません。この観測を十分とれるようにしたい。これは、山にダムなどがたくさんできたら、これからの水害については災害がむしろ大きくなるような懸念さえあるので、この点はどうしてもやらなくちやならぬ。なお、連絡の資料を即刻とるための通信の整備の問題とか、そのほかに資料の完全なものをとるというような問題とか、こまかい点はいろいろございますが、あまり長くなりますので、御質問があつたら、なおお答えしたいと思います。
#30
○大久保委員 ただいま気象予報はだんだんよくなつているとおつしやいましたが、私はちつともよくなつているとは考えておりません。終戦後はむしろ悪くなつていると私は考えております。そこで、今後気象台におきましては、できるだけ資料を整備されまして、施設を整備されまして、こういう災害に対して予報がほんとうに当るように、信頼されるように、なお充実されることを要望して質問を打切ります。
#31
○村上委員長 この際暫時休憩いたします。
    午後四時二十九分休憩
     ――――◇―――――
    午後九時十一分開議
#32
○村上委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
 この際閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。御承知の通り国会法第四十七条第二項の規定によりまして、委員会は、議院の議決で特に付託された事件については、開会中といえどもなお継続して審査することができることとなつております。つきましては、当委員会といたしましても、院議による特別委員会設置の趣旨にかんがみまして、閉会中も継続して審査を行い、水害地対策の万全を期したいと存じます。このために、当委員会が現在付託を受けて調査中の各地の水害地対策に関する件について、閉会中も継続して審査をいたしたい旨の申出を議長に対していたしたいと存じますが、これに御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○村上委員長 御異議なしと認めます。よつてさように決定いたしました。
 なお、その手続等につきましては委員長に御一任願つておきます。
    ―――――――――――――
#34
○村上委員長 次に、委員派遣承認申請に関してお諮りいたします。過日当委員会より北九州、四国、中国地方に委員を派遣することに決し、議長の承認も受けたのでありましたが、法案起草等のために今期中はその機会を得なかつたのであります。つきましては、先刻決定いたしました閉会中継続審査が議院から正式に付託となりました際に、前に決定しておりました各地のほかに、さらに新たに発生いたしました南近畿地方をも加えまして、閉会中審査のための委員派遣を行い、実地に各地の被害状況並びにその復旧状況等を調査し、水害地対策について万全を期したいと存ずるのであります。なお、閉会中のことであります上に調査地域も広汎にわたりますので、派遣委員の数を増加いたしまして、前に決定いたしました方々以外に御参加を願うことといたしまして、派遣委員の数及びその入選、班の構成、旅行日程等は委員長及び理事に御一任を願うことといたしまして、以上の通り、閉会中の委員派遣につきまして、規則の定むるところにより、議長にその承認申請をいたしたいと存じますが、これに御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○村上委員長 御異議なしと認めます。よつてさように決定いたしました。
    ―――――――――――――
#36
○村上委員長 この際農林関係水害地対策について、小委員長の報告を求めます。北九州水害地農林対策小委員長綱島正興君。
#37
○綱島委員 農林小委員会におきまして、しばしば会合を重ね、たびたび成案を練りまして、その上で参議院とも打合会をいたし、結局大体農林小委員会の案は、衆議院に参議院は同調するということのお約束のもとに進めて参つたのであります。そういたしまして得ました成案が、ただいまお手元に配つております昭和二十八年六月及び七月の水書による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する特別措置法という案でございますが、本案のうち九ページの終りから五行目の十三及び十ページの十四は削除いたすことに相なつたわけであります。但し、この両条項につきましては、農業共済に関することでございますので、対象がたとい建物でございましようとも、農民に対する影響至大なりという考え方から、これらの復活意見がたくさんございますので、あるいはこの点は重ねて御審議を願わなければならぬ筋に相なるかとも存ずるわけであります。
 次に、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案、この法案につきましてはいろいろな御議論がございまして、非常な難航を続けた議案でございましたが、結局小委員会の原案といたしましては、これはかねてお手元に配付しました通り、原案通りの承認ということに相なりましたのであります。ただ、一箇所の工事の範囲が三万円以上十万円未満のものにつきましては、平衡交付金をひもつきで渡すことが、かえつて諸般の事情から利益ではないかという修正意見もございますので、そういう修正意見も提出されることと想像されるのであります。
 次に、昭和二十八年六月及び七月の大水害による被害農家に対する米麦の売渡の特例に関する法律案、この法律案も平素皆様に御配付いたしました通りの原案で、もつともその原案の中には、最初の印刷と違つて、最初から削除部分がございました。その部分を除いては全部小委員会は承認と相なつております。
 次に、タバコ耕作に関するものでございますが、昭和二十八年六月及び七月における水害による被害たばこ耕作者に対する資金の融通に関する特別措置法案、この法案も平素皆様に御配付申し上げました通り、実は小委員会の議決もその通り決定をいたしたものであります。
 以上御報告を申し上げます。
#38
○村上委員長 ただいまの綱島君の報告に対して、御質疑のある方は……。中村君。
#39
○中村(英)委員 ちよつと質問申し上げますが十三、十四の条項の削除について、何ゆえに削除されたかという説明がなされませんが、これは農民に非常に影響が大きいし、広いですから、この点は十分この委員会でも審議されて、復活すべきではないかと私は考えております。
#40
○綱島委員 これは、小委員会でこれだけは削除するということに一応きまつたのでありますが、実は非公式の打合せ会で非常に異議が出まして、何とかしてこれを復活しようということで、ただいま交渉して長い時間をかけておつたのであします。それで少しは遅れたのであります。
#41
○中村(英)委員 それで皆さんに御異議がないようでしたら、これは非常に大きいですから、ひとつ復活するようにとりはからつてもらいたいという希望を私は申し上げておきます。
#42
○滝井委員 今あなたの報告されたそれらの案件は、すべて参議院との了解事項になつておるものですね。
#43
○綱島委員 そうです。
#44
○滝井委員 ただ、そのうち十三と十四が、参議院の了解事項の中から脱落して来る、こういう意味ですか。
#45
○綱島委員 まあそうですね。しかし参議院との打合せ会のときには、十三と十四は説明してはなかつた。
#46
○滝井委員 それは入れてなくて、他のものはみな了解済みのものである。かように了解していいですか。
#47
○綱島委員 さようであります。これは印刷して配つてあります。
#48
○井手委員 小委員長にお尋ねいたします。参議院との協議会では、水産養殖に関する施設も含まれるようになつておりますが、その点はどうですか。
#49
○綱島委員 それもなつております。
#50
○井手委員 いま一つ、印刷の方はどういうふうになつておりますか、お尋ねいたします。
#51
○綱島委員 まだ正式に渡つてはおりません。
#52
○井手委員 すでに昼間の委員会でも申合せができておりますので、この場でお渡しいただくようにおとりはからいを願いたいと思います。
#53
○池田(禎)委員 私はこの際お尋ねいたしたいのですが、委員長は全体の法案をいつまでに上げるという目標をお考えになつておるか、あるいはまた、それは委員会として、それに対する意見もきまつていなければ、統一して、そうして審議を促進されなければ、緊急上程ということがきわめて困難な事態にある、かように思つておるのであります。従いまして、委員長個人の見解、もしくはそういうものがなければ、この委員会において、いつまでを目途としてこれを衆議院は上げるのだということを、この際私は御審議を願いたい、こう思うのですが、これを動議として提出いたします。
#54
○村上委員長 委員長としての私の意見を申します。私はなるべくすみやかにこの法案を上げたいと思つております。
#55
○池田(禎)委員 なるべくすみやかにということでは、私は同意できません。所要の日数はこれだけかかるからこれだけだというのなら、私は同意いたします。従つて、なるべくすみやかにということでなくて、目標がなければ荏苒日をむなしくすることになる。従来の経過もそうなつております。従つて、ここで御相談を願つて、いつまでに上げなければならぬという目途を委員長から提示していただきたい。
#56
○村上委員長 ただいま池田君から何日までに上げるかという動議が出たのでありますが、動議を採決するということになりますと、出席者が少いようでもありますので、これはしばらく休憩して御相談したいと思います。
#57
○井手委員 動議が出ておりますが、いま一つ私は動議を出したい。ただいま農林小委員長の報告がありましたが、引続き厚生、建設、通産の各小委員長の報告をこの際求められるよう、動議を提出いたします。
#58
○村上委員長 厚生小委員長はお見えになつておるようでありますけれども、先ほどの御相談によりまして、もうしばらくこれを御猶予願いたいと思います。その他の小委員長はお見えになつておりませんので、この際暫時休憩して、私は来られるのを待ちたいと思つております。
#59
○井手委員 ほかの小委員長は今見えておりませんけれども、十二時までのうちにすべてを終りたいと存じまするので、至急に小委員長を呼んで報告をされるようにおとりはからいを願いたいと思います。
#60
○村上委員長 なるべくそのようにとりはからいたいと思います。
#61
○井手委員 なるべくでは困ります。報告は、きようの昼の委員会でもその予定がきまつておりました。八時にはする、しかしどうしても開けないときには、九時までには再開するという約束になつておりました。これはなるべくでは困ります。
#62
○村上委員長 それではそのようにとりはからいます。万一見つからない場合、御出席のない場合には御猶予を願いたいと思います。
 暫時休憩をいたします。
    午後九時三十一分休憩
     ――――◇―――――
    午後十時十一分開議
#63
○村上委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
 先刻参議院提出にかかわる、昭和二十八年六月及び七月の大水害による公立教育施設の災害の復旧事業についての国の費用負担及び補助に関する特別措置法案が本委員会に付託になりました。ただいまより本案を議題として審査に入ります。
 まず、国会法第六十条によりまして、提案理由の説明を求めます。発議者参議院水害地緊急対策特別委員会建設文部に関する小委員長山田節男君。
#64
○山田参議院議員 ただいま議題となりました昭和二十八年六月及び七月の大水害による公立教育施設の災害の復旧事業についての国の費用負担及び補助に関する特別措置法案につきまして御審議を願いまするにあたり、その提案理由を御説明申し上げます。
 御承知の通り、本年六月及び七月にわたりまして、西日本その他の諸地域を相次いで襲いました豪雨は、まことにまれに見る強烈激甚なものでございました。従いまして、これによつてこうむりました災害もまた筆舌に尽しがたいものでございまして、これを文教関係について見ますならば、国立、公立、私立の諸学校施設及び社会教育施設並びに文化財関係等の被害総額は、実に五十数億円の多額に達するのでございます。しかるに、戦災復旧及び災害復旧並びに義務教育の延長に伴う公立学校の施設整備のため、地方公共団体は年々多額の費用を支出いたしておりますにもかかわらず、いまだその施設は応急最低基準にも達し得ない実情にありますのに、さらに今次のこの大災害をこうむりましたこととて、すでに逼迫を告げておりまする災害地の地方公共団体の財政力をもつてしては、この大災害を復旧いたしますことは、とうてい望み得ない至難事と申さなければなりません。文化国家の建設を理想とするわが国が、このように広大な地域にわたり、かつはなはだしい文教施設の災害をこうむりましたことは、きわめて重大な問題でありまして、国民のひとしく憂慮にたえないところでございます。
 参議院の水害地緊急対策特別委員会は、この事態に処すべき対策につき熱心に審議を重ねましたが、右に述べました公立の教育施設の災害のすみやかな復旧をはかり、もつて学校教育及び社会教育の円滑な実施を確保するためには、一日も早くこの法案を提出しなければならないことを痛感いたしました次第でございます。
 なお、今国会に政府から提出されました公立学校施設国庫負担法案は本国会においてすでに成立いたしておりますが、本特別措置法案ではこの負担法に定めております国庫負担率を増大し、新たに国庫補助の対象を増加することにいたしております。
 以下、本法案の骨子について申し上げます。
 第一に、この法律案は、昭和二十八年六月及び七月の大水害による公立教育施設の災害復旧事業についての国の費用負担及び補助に関する特別措置を講ずることを目的とすることを明確に規定いたしております。第二に、今次の災害復旧事業費は、公立学校施設については、国の負担率を特に四分の三まで高めることにいたしております。第三に、公立学校施設災害復旧事業の施行目標を、昭和二十八年度において復旧事業全体の六割に相当する部分とし、その残余の部分を次年度において施行することにいたしております。第四に、事業費の範囲は、それぞれの工事の本工事費附帯工事費及び設備費並びに事務費といたしております。第五に、社会教育施設の災害復旧事業費の支出については、いまだ法的根拠がありませんが、この法律案におきましては、特にその経費の三分の二を国が補助するものといたしております。そのほかに各事業費の額の決定、成功認定負担金の還付及び監督等所要の規定を設けております。
 以上述べました理由と内容をもちまして、本法案を提出いたす次第でございます。何とぞ慎重に御審議の上すみやかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#65
○村上委員長 これにて提案理由の説明は終りました。
 この際休憩いたします。
    午後十時十八分休憩。
     ――――◇―――――
    午後十時三十九分開議
#66
○村上委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
 昭和二十八年六月及び七月の大水害による公立教育施設の災害の復旧事業についての国の費用負担及び補助に関する特別措置法案を議題として審査を進めます。
 本案につきましては質疑及び討論がないようでありますので、質疑及び討論を省略して、ただちに採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔総員起立〕
#67
○村上委員長 起立総員。よつて本案は満場一致をもつて原案の通り可決いたしました。
#68
○井手委員 議事進行。休憩前お願いしておりました農林小委員長を除く各小委員長の報告を、この際求められますようにお願いをいたします。すでにここには厚生小委員長もおりますし、建設小委員長も近々見える予定でございますし、さらに通産小委員長は別室に控えておられますので、ただちに報告を求められますようお願いいたします。
#69
○村上委員長 ちよつと速記をとめて。
    〔速記中止〕
#70
○村上委員長 速記を始めてください。
 この際、先刻議決いたしました参議院提出の昭和二十八年六月及び七月の大水害による公立教育施設の災害の復旧事業についての国の費用負担及び補助に関する特別措置法案の委員会報告書の作成につきましてお諮りいたします。委員長に御一任を願いたいと存じますが、これに御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#71
○村上委員長 御異議なしと認めます。よつてそのように決しました。
#72
○村上委員長 ただいまより水害地対策に関する件について議事を進めます。
 この際建設及び厚生関係について、各小委員長の報告を求めます。北九州水害地厚生対策小委員長滝井義高君。
#73
○滝井委員 お手元に六つの法律案が配付されておりますが、まず第一に、昭和二十八年六月及び七月の大水害の被害地域にある事業所に雇用されている労働者に対する失業保険法の適用の特例に関する法律案、これについて御説明を申し上げます。この法律案を簡単に要約しますと、こういうことになつております。失業保険の適用されておる事業所に雇用されておる労務者が、労使双方の責めによらざる今回の災害により休業するときには、失業保険法を適用するということなのであります。しかも、その適用の期間は三箇月間になつているわけでございます。その適用の仕方については、失業保険法と同じであります。従つて、一週間の待機期間が必要となるわけでございます。ところが、この法律は失業保険に対する特例でありまするので、この特例の思想を普及徹底せしめるためには、少くとも二週間ぐらいが必要だというのが、事務当局の見解でございます。従つて、労務者に実際に金が渡るのは、この法律ができてから二十一日の後でなければ渡らないという状態でございます。従つて、この法律は緊急に通さなければなりません。なぜならば、現在労使双方の責めによらざるところの休業をしている事業場の労務者というものは、これは非常に貧困に悩んでおるからであります。大体この法案の骨子というものは、非常にごちやごちやと書いておりまするけれども、要約すればそういうことになつておるのでございます。
 その次の昭和二十八年六月及び七月の大水害の被害地域に行われる国民健康保険事業に対する資金の貸付及び補助に関する特別措置法案でございます。この法案は、要約すれば、どういうことをねらつておるかと申しますと、国民健康保険を実施しておるところの市町村が災害にかかる、そうしますと、当然その地区の住民というものは、家を流されあるいは田を流されておりまするので、国民保険料あるいは国民保険税というものによつて国民保険は運営をされておりますが、その保険料あるいは保険税が払えないのでございます。そうしますと、その国民保険の運営というものはできないので、その地区の住民が病気になつても医者にかかれないという事態が起つて参るのでございます。従つて、そういう災害を受けた市町村で国民保険を実施しておる市町村に対しましては、まず第一に、災害救助法が適用されておるということ、しかも昭和二十八年六月一日から六箇月間に減免をしたところの保険料あるいは保険税が、二十八年五月の末日現在において調査決定していたその年度の保険料の額の百分の十に相当する額以上であり、かつ二十万円以上であるときにおいては、その減免をした保険料あるいは保険税の八割を国が貸し付けるというのでございます。と同時に、その市町村というものは、財政的にきわめて苦しい状態にあるので、残りの二割というものについては、国が補助金を出してやろうという法案でございます。従つてその災害を受けたところの国民保険を実施しておる市町村の住民は、一応半額だけを医者に払えば、保険料を払うことなしに、あるいは保険税を払うことなしに、病気のときにすぐ医者にかかれるという、こういう姿ができるのがこの法案の要旨であります。
 その次の昭和二十八年六月及び七月の大水害の被害地域における公衆衛生の保持に関する特別措置法案でございます。
 この法案の要旨は、これは非常にくだくだとむずかしく書いておるので、実はその二条の一項、二項を読んでも、どうも立案した私自身さえもわからぬような実にむずかしいことになつております。しかし、そこに書いておる要点は、こういうことで。ございます。県が法例によつて実施するものについては、今まで国がその二分の一を負担しておつたものを三分の二とする。市町村が法例によつて実施するものについては、今までは国、県、市谷三分の一を負担しておつたものを、国が三分の二にし、県が三分の一にして、市町村は何ら負担しなくてもいい。伝染病が起つた場合には、市町村はすぐに行つて、その爆発的な伝染の起らない事前に防止するために、こういう措置をとつております。その次には、伝染病の病院とか、あるいは隔離病舎というものの国庫負担が今まで三分の一であつたので、その国庫の補助というものを二分の一に引上げようということでございます。
 その次に、簡易水道の復旧及び布設に関することが第三条に書いてあるのでございます。これは主として白川の流域を中心に起つておるのでございますが、簡易水道をそういう水源が枯渇しておるところでつくる場合には、二分の一を国が補助してやろうということでございます。
 その次の汚物の処理に関する補助においては、たとえば屎尿の処理あるいは公共便所が破損してだめになつておる、そういうものにつきましては、三分の二をその所在の地方団体に国が補助しようという点が、この公衆衛生に関する特別措置法案の内容でございます。
 次は、学校給食の法令でございますが、昭和二十八年六月及び七月の大水害により被害を受けた学校給食用の小麦粉等の損失補償に関する特別措置法案でございます。今度の水害によつて、小麦の粉あるいは乾燥脱脂ミルクというような、こういう学校給食に必要なものが、水害によつて埋没をしたりあるいは流失した場合においては、その流失した量だけを国が負担をして、そうして県にそれを交付して、県からそれぞれの学校に与えようという趣旨の法律でございます。
 その次は、昭和二十八年六月及び七月の大水害の被害地域における災害救助に関する特別措置法案でございます。この法律は、すでに本国会で、災害救助法の改正案が衆参両院を通過いたしておるのでございます。ただその通過した法律が、この災害地における救助に対する国の金の出し方が非常に少いのでございます。従つて、それをこの際、地方財政が非常に貧困になつておるので、標準税収入の千分の一を越える額については、今までの法律と同様な方式をもつてやつて行こうというわけなのであります。今までこれは百分の一であつたが、改正案では千分の二になつております。さらにそれを修正して、千分の一というぐあいに読みかえて行こうというのがこの法律の趣旨でございます。
 次には、昭和二十八年六月及び七月の大水害による被害地域における失業対策事業に関する特別措置法案でございます。今度の水害によつて、農民あるいは中小商工業者、あるいはそのほかの鉱山、工場におけるところの多くの労務者が職を失い、失業者となるであろうということが推定をせられます。従つて、その緊急失業対策事業を一々中央に承諾を求めて実施をしておるというのでは、非常に手間取りますので、知事に緊急失業対策事業を実施するところの権限を付与しようとするのが、この失業対策事業に関する特別措置法案の内容でございます。今までそれらの災害地におけるところの緊急失業対策事業の事務費、あるいは資材費、労力費というようなものは、労力費においては国がその三分の二を負担し、資材費においては三分の一を負担し、事務費においては三分の二を負担することになつておつたのでございます。それを労力費においては五分の四、資材費においては二分の一、事務費においては五分の四に引上げる。災害地においては当然物価その他が騰貴いたしておりますので、できる限り賃金収入をふやして勤労者の生活安定をはかろうというのがこの法律のねらいでございます。
 以上が私の関係をいたしておりました六つの法案の概要の御説明でございます。
#74
○村上委員長 小委員長の報告について質疑の通告があります。これを許します。松野頼三君。
#75
○松野委員 これは国民衛生、保健、失業に関しまして、罹災民にとりましても非常に重要な問題であります。ただいま小委員長の報告を拝聴したのが初めてでありますので、二、三参考にお伺いしたいと存じます。
 まず第一に、保健衛生のことでありますが、簡易水道の災害復旧並びに布設及び汚物の処理、この簡易水道の布設、復旧費には二分の一の補助金を出される、これはまことにけつこうでありますが、あとの二分の一はどういう御処置をお考えいただきましたでしようか。
#76
○滝井委員 あとの二分の一は、財政の許す限り起債でやつて行こうというので、大蔵省当局並びに厚生省の了解済みでございます。
#77
○松野委員 起債まことにけつこうですが、ただ起債といわれると、あとで起債のわく七百何十億によつて今後縛られてしまつて、災害民にとつては非常に不利な場面が出て来る。従つて起債は公共起債をおとりになつたか、あるいは単独起債をおとりになつたか。それもひとつ起債民の立場も考えて、行く末までも間違いないように考えてやつていただきたい。
#78
○滝井委員 そういう詳細なところまでは、まだ大蔵当局においてもはつきりとした答弁がありませんので、話し合つておりませんが、大蔵省の主計局においても、責任を持つてこの起債は便宜をはかるということを証言いたしておる次第であります。
#79
○松野委員 私はあえてここで金額をどうのこうのということを申すわけではございません。御承知のように、簡易水道は、そのうち四分の一が国の補助、四分の一が県の補助、四分の二が起債です。この起債も、御承知のように、この起債のうちの四分の一は公共起債という、補助金がつけば当然必然的につくという非常に有利な起債を認めておつたのであります。従いまして、単独起債に入るならば、学校の建築も単独起債、病院の建築も同様、いろいろの方面に不利が来るのであります。従いまして、起債の額は別といたしまして、当然これは、そういうふうな前例からしましても、現在におきましては簡易水道には特に許しておりまして、この災害による被害地佐賀県あたりでも、御承知の通り、湊とか嘉瀬とかいう村が、簡易水道のありがたみが本年初めてわかつたのであります。従つて、簡易水道の布設が災害のために非常に必要であるということを考えて参りますと、起債は単独起債で責任を持つと言われますが、その責任によつては、実は布設する上において非常に便利と不便利とがあるのであります。単独起債ならば、現在の起債額の中に押し込められ、公共起債ならば当然補助金に付随してこれがつく、こういうわけで、どちらに入るかによつて、実はこれを利用する者にとつては雲泥の差が出て来る、従いまして、これはどちらかということだけお伺いしておけばいいので、金額が今どうだというようなことは言いません。どちらの方で起債を考えるかということ、この一点だけお伺いしておきます。
#80
○滝井委員 その点は、われわれといたしましては財務当局を信頼して、財務当局の都合のよい方ならばどちらでもよいと考えております。それで大蔵省から、責任を持てと言うなら責任を持ちますという答弁も得ておりますので、そういう詳細な点までわれわれとしては追究いたしておりません。
#81
○松野委員 その起債は、相手があるので、実はこれはどちらでも責任がとれるのです。どちらに入れても入るのです。御承知のごとく、そのどちらかによつて、いよいよこの起債の認可及び補助金を獲得した村にとつては、そのあとが重大になつて来る。従つてどちらでも財政当局は責任を持つてやれますし、またやるだろうと思いますが、しかし、これの利用者にとつては、自然につく金か、あるいはわざわざ東京まで運動しに行つて、頭を下げてもらう金かということで非常に違うのであります。従つて、それだけははつきりしておかないと、今後非常に不便が出て来ると思うのですが、この点はいかがですか。
#82
○滝井委員 その点は、いくら言われても、私は財務当局を信頼しておりますので、財務当局が大衆の利益になるような方向にやつてくれることを信じております。
#83
○松野委員 実はこれは、災害民にとつては、あとできつと非常に心配が出て来る問題だと思います。この点はあえて今から何ぼ論争しても同じですが、非常に不明確だ、不満足だと考えております。
 その次は、汚物処理の問題ですが、この汚物処理は、もちろん災害地には第一に伝染病の発生予防からも必要でありますが、しかしながら、この法律で参りますと、これに対してどういう処置をするかということが問題である。あるいはただ、ためおけ、こえたごをかつぐ人夫の費用を出されるのか、あるいは糞尿処理設備についてこれを補助するのか、あるいはその期限はどの程度までやられるのか、あるいは補修復旧というようなことを考えられまして、今までこの汚物処理に対してはどの程度の国家財政がつぎ込まれましたか、その点もあわせてお伺いをいたしておきたいと思います。
#84
○滝井委員 今までどういうことであつたか詳細私は調査いたしておりませんが、現在この水害地におきましては、たとえば付近の農家が田も畑も全部流されて、町ばかりがぽつんと残されている。ところが、今までその屎尿をとりに来るのは主として農家であつたが、その農家がとりに来ないために屎尿が非常につかえてしまつている。こういうものについては、清掃という意味において、公衆衛生の立場から市町村が当然やらなければならぬ。ところが、そういうものを積極的にやるだけの財政上の余裕もなかなかない。公衆衛生というものについては金を出さないというのが、大体市町村の今までの衛生行政の行き方でございます。従つて、そういう田畑を流されて農家もくみに来ないというようなことについては、市町村が積極的に、こういう屎尿の処理に要する費用を国から幾分補助をしてもらつてやる、あるいは二番目の「公共便所又はし尿の処理のために必要なし尿貯りゆう槽、し尿積換所その他政令で定めるし尿処理施設の設置に要する費用」の三分の二を国庫補助しよう、あるいはさらに水害による塵芥焼却場の災害とか、火葬場が山くずれのために全部埋つてしまつたということの復旧には三分の二補助をしよう、あるいは「昭和二十八年六月一日又は同年七月一日から左の第一号に該当する場合にあつては昭和二十九年三月三十一日までの間に、左の二号又は第三号に該当する場合にあつては昭和三十年三月三十一日までの間に、それぞれ、左の各号の一に掲げる費用を支出したときは、昭和二十八年度又は昭和二十九年度において、予算の範囲内」でやろう、こういうわけなんでございます。
#85
○松野委員 第一点は、これは三分の二という話が出ましたが、今まではどの程度補助をしておられたか。これもお聞きしておかないと、三分の二が妥当であるかないかという判断に非常に迷いますので、これを第一にお伺いします。
#86
○滝井委員 私今まで幾ら出しておつたかちよつと忘れたのでございますが、これも厚生当局といろいろ打合せましたところ、災害の地元から非常に強い要望がある、従つてまあ三分の二くらいというものが妥当であろうという御意見がありましたので、こういたしました。それで、今まで幾らであつたかということは、いずれ調査してあすでもお答えいたしたいと思います。
#87
○松野委員 三分の二というものは妥当かどうかという判断もありますので、これも一応質問はまだ継続して行きたいと思うのですが、ただいまの御答弁で、一応また調査するとおつしやいますから、あえて私はこれをきようただちに説明しろとまでは申しません。
 それから、最近農村にも衛生施設というものがぼつぼつ普及いたしまして、昨年でありましたか本年でありましたか、農村の衛生表彰というものが行われ、全国で八箇村というものが優良衛生町村というわけで表彰を受けましたが、もちろんこの被害地の中で、私どもの熊本県の中でも一村、衛生施設がよく行き届いておるというわけで、優秀な農村としての表彰を受けた村もございます。これは、ちようどここに当てはまりましようが、簡易便所をつくるとか、あるいは屎尿貯溜槽をつくるということが主として行われておつた。私は、こう考えて、いずれこの問題はあらためてまた質問をすることにして保留いたします。
 その次に、ただいまの御説明の中の失業保険の方で二、三お伺いをいたします。この法律で適用されますのは、解雇をして適用されるのか、あるいは休職と申しますか、休業のままでこの失業保険を受けられるのかということは、失業保険の一般の適用におきまして非常に重要な問題を呈します。一方に偏しても、これは全国の失業者に対する取扱いもございますので、一応失業対策ということに関する根本原則だけは貫いておかないと、今後におきまして、一般失業者に対する均衡を著しく失し、あるいは現在ややもするとと言われておりますような、やみ的な雇用関係をこの際ますます助長するようなことがありますならば、なおこれは一般の勤労者にとつての影響もはなはだよろしくない。こういう考えから、この問題につきまして、失業保険の適用が、まず第一に雇用関係の解雇に関して行われるのか、あるいは休業に関して行われるのか、あるいは将来再び雇用するという前提のもとに一応解雇してこれを行うのか、これは非常に重要なことでございますので、この適用につきましては十分御説明をいただきたいと思います。なお、この問題で、あるいは一番悪い例で申しますならば、一、二の事業者が、特に自分が中小企業融資を受けながら、当然事業資金として組まれておる中からこの旧賃金を払うべきものを、一時失業保険によつてみずからの責任をのがれんがために、もしこれを適用いたすという場面が出て参りましたならば、これは非常に悪例であり、災害のために、一般の大衆の御苦労を忘れて、一事業者が私腹を肥やすということが出て来ないとも限らない。従いまして、この失業保険につきましては、その点において十分な御説明をいただきたい。
 なお、関連しておりますから、もう一つ国民健康保険も続いて御質問を申し上げます。国民健康保険は、御承知のごとく、本年からいよいよ二割補助という予算が組まれました。昨年も同様に約十一億と私は感じておりますが、十一億の国民健康保険再建整備資金というものが昨年から組まれ、本年は当初予算に二割の国民健康保険給付補助という名目で一応組まれております。全国の国民健康保険は昨年三十四、五億の赤字をかかえております。従つて、せつかく国民の医療という大きな場面を占め、なおこれは、おそらく全日本の保険事業としては最大のもので、加入者もおそらく三千万人以上と言われておりますから、全国の約三分の一というものは、この国民健康保険によつて現在の生計を維持し、またみずからの生活を営むという重要な保険制度であります。ただいまの緊急貸付助成法に出ておりますのは、この趣旨からまず第一に出たことだと私は考えておりますが、この中で、百分の十という金額に相当するものについてのみ、あるいは二十万円以上であることのみになぜ適用されたか。あるいは、町村におきましては、十万円の財源欠陥で、その月から医者の薬代も払えないという町村も出ておる。また単価におきましては、御承知のように、災害の場合は、同じ救済方法においても一点単価ということを考えて救済方法を講ずるというのは、これも一つの有力な意見なんであります。しかしながら、その点についてはこの法案には何ら触れておらない。なぜ触れなかつたか。
 いま一つ、二番目には、年五分五厘と書いてありますが、これはどこから五分五厘とし、どこへ償還をせられるのか、どこからお貸しになるのか、あるいは一部には医療金庫から貸すという構想も昨年出ておりまして、この医療金庫についてはたびたび国会で論議せられ、また国民金融公庫から貸すということもございましよう。医療金庫も国民金融公庫も医療機関に貸し付けるわけでありますが、現実にはこれがなかなか動かない。おそらく五分五厘の金利はどこからお貸しになるおつもりであるか。
 なお、「貸付金の据置期間」と書いてありますが、すえ置き期間中を無利子とすると言うが、これもどこからお貸しになるか。金融機関によつて貸すということが論議になりましたけれども――以上たくさんございますが、一応二、三点というものを……。(「簡単に」「簡単々々」と呼ぶ者あり)重要なことだから質問させろよ。こんな大事なことをいらないなんて、君、こんな必要なことを――あとで罹災民に非常に影響が及ぶんだよ。どこから貸してどうするか、だれが金を借りるのか、これは重要なことだと思う。お伺いしなければ、罹災民にとつて非常に申訳ないことだ。
 以上はなはだたくさんになりましたが、まず衛生施設の問題、失業保険の問題、国民健康保険はどのような貸付をどこでされるのか、なぜ一点単価の問題が出て来ないのか、この四点をまとめて、ゆつくり御説明を願いたい。またあとで、あらためて保留分につきましては質疑をいたしたいと思います。
#88
○滝井委員 第一点の失業保険の適用でございますが、労使双方の責めによらざる事業場における労務者の、しかもそれが失業保険を適用されている事業場における休業者にのみ適用いたします。従つて、これは解雇された者ではございません。あくまでも休業者でございます。
 第二点の、中小企業に融資をするその金は、当然休業した人に対する休業手当というようなものも含まれておるのではないか。それは大蔵省が今度貸し出しました十億の指定預金、あるいは開発銀行等の九億五千万円の中から、そういう親心で労務者の賃金を払うのだということを言つてくれればいいのでございますが、おそらくそういうことは言つていない。従つて、中小企業が、借りた金が、そこにそのまま労務費として行くかどうかということは疑問であります。従つて当然、労使双方の責めによらざる、しかも休業しているという者がやめた場合には、解雇手当をもらえないのであります。天災地変によつてやめるときは解雇手当ももらえない。現在そういう労務者に対する何らの国の救済手段がないのであります。従つて、われわれがいろいろ暗中模索した結果、失業保険にでもたよらなければしかたがないだろうというので、こういう立法をいたしておる次第であります。
 それから、次の国民保険の問題でございますが、現在国民保険は、今度の自由改進党の修正案によつて、約四十億の助成金が出ております。それから再建整備貸付金も出ている。しかし、現在、松野委員から御指摘のありました通り、日本の国民保険は約四十一、二億円の赤字を背負つていると思う。詳しく調べればもつと多いかもしれませんが、大体政府は四十一、二億くらいということを了解している。従つて、再建整備の資金というものは、それらの四十二億の赤字を背負つている町村に均等に行くものではございません。これは三つか四つくらいの配分の方式がありまして、保険料の徴収の成績のいいところに割合よけい行くようになつておるのでございます。従つて、現在国民保険を運営しているどの町村においてもすべて赤字でございます。いわんや、災害を受けて保険料あるいは保険税が入らないということになると、その赤字に拍車をかけるわけであります。しかるに、この政府の四十億の助成金が行つたり、あるいは四億をちよつと越える再建整備貸付金が行つても、現在の赤字の解消というものはなかなかできないというのが国民保険の現実でございます。従つて、この災害を機会にして国民保険をやめてしまうということになりますると、いわゆる日本の社会保障制度の重要な一環が、九州の一角からくずれて行く結果になります。従つてできる限りこれを助成して行くということは、立法の趣旨から当然だろう、こういうことでございます。
 そのほかいろいろこまかい点がございましたが、この点については厚生省当局ともいろいろ話合いをしました結果、こういう数字を出しておるのであります。
 われわれのこの立法というものは、非常の災害に対する非常の立法でございまするので、十分な科学的な検討の数字をもつてしたわけではございません。ここで一々こまかく、その金はどこから出るか、その金を何分にした理由はどういうところにあるかということは、議員立法でありまするので、詳細な科学的検討は遺憾ながらできていないのでございます。しかし、常識的に見て、厚生当局の意見も聞いた結果、こういうところが妥当であろうと思うのであります。
 金融的な措置については、預金部の運用資金とか、あるいはその他あなたの言われるような金融公庫から出すというような点については、なお後刻委員会等で正式に政府に申し入れるというようなことで、解決をしていただきたいと思います。
#89
○松野委員 これは……。
    〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
#90
○村上委員長 発言中ですから……。
#91
○松野委員 重要なことでありますから、十分罹災民の方が納得の行くようにして、せつかくこの法案ができても、魂が入らない、金が渡らないということでは、これほど罹災民にとつて残念なことはなかろうと思う。従いまして、いたずらに法案を字で書けばいいということではなしに、現実にこれが動くような方式を講じてやらなければ、私は罹災者にとつてこれほど残念なことはなかろうと思う。従いまして、一番重要な問題は――国民健康保険のどの組合に幾ら貸し付けて行くかというようなこまかいことまであなたに御質問しようとは思わない。しかしながら、一番重要な問題は何かと言えば、この年賦償還によつて金を貸すこと、二十万以上のものに適用すること、これが一番重要な骨子であるのに、その骨子の運営の説明がなくて、そうしてもしこの法案を通しますならば、おそらく国民健康保険を担当する町村というものは、どういうところから金を借りるのか、どこを通して五分五厘を払うのかということがわからない。一点単価につきましても、おそらくあなたは専門家でありますから、その話もおそらく委員会で出たろうと思う。しかし、一般の町村におきましても、御承知のように、十一円五十銭あるいは都会地におきましては十二円五十銭と等差が出ているように、都会地におきましては、一点単価というものを抜きにして国民健康保険を審議することは、おそらく三千万の罹災者にとつてこれほど不幸なことはないから、私はその意をくんで十分質問しているわけであります。従つて、融資はどこからお貸しになるか、十五年とおつしやいますが、あるいは預金部とおつしやいますが、預金部と言われるならば、はたして現在の預金部のうちからどの金をお貸しになるのかということ、これも重要なことでありまして、あるいは他の金融機関をお使いになる、――国民金融公庫をお使いになることも、これも一つの構想であるかもしれない。しかしながら、この法案が通つて、さて金はどこから出るか、おれは知らない。これでは、実は私は帰つて災害民に会えないのであります。せつかくここまで仏をつくつたならば、もう一歩金の貸付所をひとつお知らせ願いたい。
 それからもう一つ、先ほどの休業と解雇の問題、これは失業保険の重要な問題であります。休業ということが、はたして失業の範疇に入るかどうかということは、これは立法技術上におきましても、またかりにこの法案が通りましても、その運営につきましては相当疑義があるのではないか。休業を特に失業保険の対象とすること自身が、はたして現行法のままでこの法案が通つても、執行できるかどうかということは非常な疑義があるのでありまして、せつかくここまで親心でおやりになるならば、将来疑義が残らないように、はたして休業者に失業保険が払えるかどうかということについて、失業保険法からずつと説いていただいて、そうして今後の問題を解決していただかないと、これも重要な魂が抜けておるのではないかと思う。
 もう一つ、これは立法技術上の問題ですけれども、たしか災害救助法という問題が……。(「その手には乗らないぞ」と呼び、その他発言する者多し)これは重要な問題です。すべて一ぺんは質問が出るのです。(「やるならやれ、朝までやれ」と呼び、その他発言する者多し)こういう重要なことに失礼なことを言うな。――災害救助法という法律がございますけれども、この災害救助法はたしか先般厚生委員会において修正されて、まだ参議院で審議中ではないかと思います。そうすると、同じ国会中に同じ法案の修正案がまだ審講中のときに、また次の改正案が出るということについても、私は非常に疑義を持つのであります。たしか千分の一を五百分の一と読みかえるということに私は覚えております。この一点と、それから二点が休業に対する失業保険適用の問題、第三点が重要な金融機関の問題、それから先ほど御答弁がございませんでしたが、屎尿処理をするのに人夫賃をお払いになるならば、何箇月間ぐらいはそれで見てやるというお考えか。これは、今後の適用において、ただちに出て来る問題である。今月しか適用しないのか、二箇月適用するのか、四箇月適用するのか、六箇月適用するのか、それとも一年適用するのか、屎尿処理の人夫賃の問題、これが先ほど御答弁がありませんでしたから、あらためてもう一度お聞きしたい。以上四点だけお聞きしておきます。
#92
○滝井委員 災害地の大衆は泣いております。今のような愚問には答えられません。
#93
○松野委員 はなはだこれは残念なことです。これは重要な問頭です、金をどこから借りるかということを愚問だと言われるが、これほど重要なことはなかろうと思う。金はどこから借りるかと私は提案者に質問をしておるのに、それを愚問だと言われますならば、おそらくこれは罹災者を翻弄するもはなはだしき問題だと思う。どこまでも提案者が自分の提案に答弁ができないからといつてこれは私に答弁するのではない。この法律はただちに罹災者に及ぶ法律である。これを愚問だとおつしやいますならば、私個人的には何も申しませんが、おそらくこれを適用された方は、今のあなたの答弁を永遠に忘れないだろうと私は思う。金はどこから借りますか。そんな愚問をするな。こういうふうに実はせつかくの罹災者に対するこれほどあたたかいこの法案が、ただ愚問だとか、あるいは何だとかいつて、これに対する一切の質疑もさせないというこの態度は、私は議席を持つ者としてまことに残念である。おそらくこれは、立法者がここまで考えておやりにならなければ、ただいたずらにこの法案がタイプライターに打たれて、そうして国会を通過したというだけで、これでは私は罹災者の保険の問題、その他何も納得できない。私は、この問題につきましては、こうまで言われて、あえて罹災民のことを考えて……。
    〔「約束が違うぞ」と呼び、その発言する者、離席する者多く、議場騒然、聴取不能〕
#94
○滝井委員 今の答弁は……。
    〔議場騒然、聴取不能〕
#95
○村上委員長 ただいま滝井小委員長の報告についての質疑打切りの動議が提出されましたから、これをお諮りいたします。(発言する者多し)この質疑打切りの動議に賛成の諸君の御起立を願います
    〔発言する者、離席する者多く、議場騒然〕
#96
○井手委員 質問、討論を打切つて、先刻報告された農林関係の諸法律案と、今の厚生関係の諸法律案とを、一括して採決されんことの動議を提出いたします。
    〔「採決々々」「時間がない」と呼び、その他発言する者多し〕
#97
○村上委員長 ただいまの動議を採決いたしますには委員の数も少いようであります。(少いことはない」「自由党は何人来ておるか」と呼ぶ者あり)過半数に達しておりません。時間も切迫しておりますので、本日はこれにて散会いたします。
    午後十一時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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