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1953/07/10 第16回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第016回国会 郵政委員会 第11号
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1953/07/10 第16回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第016回国会 郵政委員会 第11号

#1
第016回国会 郵政委員会 第11号
昭和二十八年七月十日(金曜日)
    午前十一時十二分開議
 出席委員
   委員長 田中 織之進君
   理事 船越  弘君 理事 大高  康君
   理事 片島  港君 理事 吉田 賢一君
      小林 絹治君    坂田 英一君
      武知 勇記君    伊東 岩男君
      井手 以誠君    佐々木更三君
      土井 直作君    木村 武雄君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 塚田十一郎君
 出席政府委員
        郵政事務官
        (大臣官房人事
        部長)     八藤 東禧君
        郵政事務官
        (郵政局長)  松井 一郎君
        郵政事務官
        (経理局主計課
        長)      佐方 信博君
 委員外の出席者
        郵政事務官
        (郵政局輸送課
        長)      竹下 一記君
        専  門  員 稻田  穰君
        専  門  員 山戸 利生君
    ―――――――――――――
七月九日
 委員片島港君辞任につき、その補欠として福田
 昌子君が議長の指名で委員に選任された。
同月十日
 委員福田昌子君辞任につき、その補欠として片
 島港君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 片島港君が理事に補欠当選した。
    ―――――――――――――
同月九日
 妻郵便局舍新築の請願(片島港君紹介)(第三
 二二一号)
の審査を本委員に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 理事の互選
 郵便物運送委託法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第八〇号)
 郵政行政に関する件
    ―――――――――――――
#2
○田中委員長 これより開会いたします。
 この際お諮りいたします。理事片島港君が昨九日理事を辞任されましたので、理事一名が欠員となつております。理事の補欠選任は委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○田中委員長 御異議なしと認めまして、それでは片島港君を理事に指名いたします。
#4
○田中委員長 郵政行政に関する件及び郵便物運送委託法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を許します。片島港君。
#5
○片島委員 郵便物運送委託法の一部を改正する法律案について、吉田委員より大臣に質問があるそうでありますが、まだ両者とも参りませんので、私その前に一般郵政行政について若干お尋ねしたいと思います。
 運送には直接関係ございませんが、漸次つながりを持つて行くものでありますから……。全国の郵便取扱局一万四千局のうち、一万三千というものが特定郵便局というのになつておるわけでありますが、現在一千くらいのいわゆる普通局といわれるものと特定局といわれるものとの間において特に大きな相違点がございましたら、その点を御説明願いたい。
#6
○松井政府委員 御承知のように特定郵便局というものと、今日のいわゆる普通郵便局というものの間における差別と申しますか、そうしたものは、終戦前は相当はつきりとした限界があつたわけでありますが、終戦後局舎の直接借り、あるいは身分的な給与直轄というようなことをめくつて――今日法律的な、表から申しますと、特定郵便局長の任用問題を除いては、本質的な意味において差別待遇というものはほとんど見られなくなつております。ただ一般的に申しまして、特定郵便局というものは、普通郵便局に比べまして非常に小さな規模の局が多い。そこで消極経営というものの特殊性がやはり反映いたしまして、人間の服務のあり方についても、いわゆる普通局、大局とは違つた意味の取扱いがなされておるという点は、今日もなお残つておるものと思います。小さな個々の運用については、消極運営ということの特殊性から、大局とはやはり違つた姿で取扱わなければならぬ面も当然出て来ると思いますが、先ほど来申し上げましたように、今日法律的なと申しますか、法規的な面から見まして、特定郵便局長の任用が、一般の任用とは大分違つておるという点を除いては、本質的な差別はほとんどなくなつておる現状であります。
#7
○片島委員 特定局と普通局との違いのうちで、私の調査したところによりますと、人事の問題とからんで参るのでありますが、現在優秀な局長代理といいますか、局員が、ある局に局長の欠員ができたといたしましても、そこの局舎が自分で財政的にどうにもならないというようなことのために、事業には何の関係もないしろうとをそのまま任用しなければならぬ。そのために従業員の上に上る道がふさがれておるのであります。局舎問題を解決いたさなければ、結局いつまでたつてもこの特定局というものの特殊性が残るわけでありますが、この特定局の局舎の問題についてどういうふうな手を考えておられるか、その点についてお尋ねいたします。
#8
○松井政府委員 特定局の局舎の問題につきましては、ことに最近において一般の特定局長が、いろいろ社会の変動に基いてその資産状況が悪化しているということと相まつて、相当古い局舎が多いのであります。これは私どももできるだけ早くよくしてあげたいというつもりでかかつておるのであります。もちろんこれについては、特定局長自身にさほど大した金額を期待するわけに行かないという面もありますので、できるだけ国の資金による局舎の改築ということに努力はしておりますが、何分にもそういう局舎がたくさんございまして、ここ一、二年の間にそういう局舎を全部直して行くところまでは、ちよつと参りかねると思います。もちろん国の金のほかに、できればどこからか借入金をするとか、いろいろの手を尽してこの局者の改善という方向に努めて参りたいと存じております。
#9
○片島委員 局舎の点につきまして、もう一つお尋ねしておきます。現在特定郵便局舎のうち、国有になつておるものと局長個人の所有になつておるもの、局長の所有でもなく国有でもなく、ほかから借りているものもあるでありましようから、その数が一万三千のうちどのくらいか、比率でもよろしゆうございますが、わかりますなら……。
#10
○松井政府委員 ただいま手元にそのこまかな内訳を持つておりませんので、いずれ後ほどはつきりとした数字を差上げたいと思いますが、御承知のように、特定郵便局を国営でやり始めたのは終戦後であります。そこで毎年の状況から見ましても、今日国営でもつて特定郵便局の局舎が立つておるのは、全体的に見れば数的にもまだわずかなものであろうということだけはここで申し上げて間違いないと思いますが、その具体的数字はいずれあらためてお手元へ差上げたいと思います。
#11
○片島委員 それでは数字が参りましてからさらにお尋ねしたいと思いますが、そうすると二十八年度における新築の計画、新規の計画はどういうふうになつておりますか、予算に盛られておるものについて。
#12
○松井政府委員 御承知のように私ども二十八年度の建設予算で、大体三十億というものを一応予定しておるわけであります。この予算がこのまま通過いたしますならば、この範囲内において具体的な計画を立てて参りたいと思つております。もちろんそれに必要な各所からの希望とか条件とかいつたようなものは取寄せておりますが、まだ何局どこをやるという段階にまでは今日立ち至つておりません。
#13
○片島委員 局舎と局長問題が、特定局における一番大きな問題になつておるということは、もう一般にわかつておるわけでありますが、この特定局長は任用の条件が、ほかの国家公務員とどういうふうに違つておるのか。国家公務員であることには間違いないのでございますが、前に特定郵便局が請負でありましたときには、局長はほんど名誉職として実際に局務に専念しておるという人は非常に少かつたのであります。今日はりつぱな国家公務員として、その局長の任務に専念をしなければならぬはずであります。しかし今日なお局務に専念しないのみでなく、ほとんどといつてもよいほど仕事をやらない局長が現在おるわけであります。ほとんど仕事をやらないで、しかもほかの方の仕事に専念しておるという局長も多々あります。名前をあげてみろと言われれば私は、名前もあげるのでありますが、こういうように特定局長としての郵便局の局務に何も灘つておらない者に対しては、どういうふうな取扱いをしておられるか、人事部長の方からお答え願います。
#14
○八藤政府委員 現在特定局長が他の仕事をします場合におきましては、公務員法上の規定によりまして兼職の申請を出して、それが自分の本来の職務に支障があるかどうか、勤務時間をさく必要があるかどうかということを審査いたしまして、兼職の許可を与える、あるいは許可を与えずに拒否するというふうな処置をとつておりまして、おつしやいましたような、局長の仕事を全然していない、しかも兼職の許可を得ていないというふうな局長が万が一ありましたならば、それは取締らなければならない筋合いのものになつておる次第であります。
#15
○片島委員 あまりここで名前をあげたりなんかすると、制度というものと個人というものを混淆して、かえつて気の毒なことになるかと思いますので、名前をあげることは避けますが、私は今特別に私の手で調査できる範囲において、全国的にこれらの調査をいたしております。労働組合の手を通じたり、いろいろの手によつて調査をいたしておりますが、軌から晩まで働いておる局長と全然やらない局長とが、はつきりと出て参つておるのであります。こういう資料は、もちろん出ましたならば、この委員会において発表するなり、あるいは直接郵政当局に御相談に参ろうかと私は思うのでありますが、これがひいては人事問題の大きながんとなつておるのでありますから、明確に今後の人事をやつていただきたいと思います。
 さらに私は一つお尋ねいたしたいと思うのでありますが、郵政事業が公共事業であるにもかかわらず、現在定員法のわくの中にはめられておる。行政整理をするというふうな場合におきましては、行政事務を簡素化することによつて定員を減員する、これが建前でありますが、郵政事業の、ごときは、頭割に定員を何割と削減する、また郵政事務を整理しようとしましても、相手は一般大衆でありまして、出た郵便物のうちの二割を受付けないということはできないので、需要は定員を幾ら減らしてもだんだんふえて行くのであります。これを一般の定員法のわくの中に入れて、行政整理の場合に幾ら幾らと頭割で減員をせられるということになりますと、非常にこれは問題が起きて来ると思うのでありますが、こういう点についてはどういうふうにお考えになつておりますか。
#16
○八藤政府委員 郵政業務は現業であり、一般行政官庁と違うということは、まつたくお説の通りと私たち存じておる次第でありまして、戦後再々の行政整理におきましても、その際において郵政省の現業としての特殊性ということにつきまして、私ども百方力を尽しまして関係官庁であるとかその他の方面にも御説明申し上げましたが、不十分ながら現業の特殊性は認めていただいておる次第であります。今後におきましても定員については、お説の通り現業事務というものの特殊性について、あくまでも慎重に考えて行かなければならぬと思つておりまするし、また一歩進めまして、はたして定員法高いうわくが現業職員に適当であるかどうかという問題につきましても、関係方面と研究、検討は続けておる次第であります。
#17
○片島委員 これはもうはつきりしておるのでありまして、研究、検討する必要はない問題であります。一般の行政簡素化をやろうと思いましても、非現業官庁、たとえば本省事務の、ごときは、あるいは幾らか減らすことができるかと思いますが、現業事務の方におきましては、簡素化しようにもしまいにも、それだけ需要が高まつて来れば処理して行かなければならぬ。それをただ一般行政官庁と同じような定員法のわくに入れられておくと、どうしてもおつき合いをさせられなければならぬのでありますから、郵政当局としては、当然定員法のわくからはずして、全体の利用度によつて、たとえば給与総額というようなものによつて経理をすべきであつてこれを今から検討して行く、研究して行くという筋合いのものではないと私は思うのであります。さらに人事部長からその考えのほどを明らかにしていただきたいと思います。
#18
○八藤政府委員 私が申し上げましたのは、簡素化あるいは合理化というふうなものが、定員法の中であると一律に加わるからということばかりでは、ございませんで、さような簡素化、合理化という点を離れてみなければならぬ。業務その他において弾力性があつたりいろいろする事業でござい事ので、はたして定員法というわくそれ自身を置くことがいいかどうかという点を根本的に見直したいというのでございますが、お説の通り定員法あるがために、一律に画一的な整理方針なり、定員政策なりをかぶせられるという危険性は存在しておると考えておる次第でございますが、一方この定員法に定員として掲げられているということか、いろいろな意味において便宜と申しますか、給与政策あるいは予算その他のときにおきましても、定員法“るがゆえにあるいは便宜であるという点もありまするので、まだ私どもとして結論に達していない次第でござい免す。しかし検討、研究と申し上げま、たのは、片島先生御指摘のようなことを私どもも十分理解し、また考えてもりまして、あらゆる点から考えてみて、定員法からはずすべきかどうかということの「最後的結論に達していないという実情を申し上げたのであります。
#19
○片島委員 ここに郵便物運送委託法の一部改正法律案が出て議題に上つておるわけでありますが一もともとこ一郵便物というのは、その取集めから配達に至るまで、政府直轄においてやるというのが建前であると思うのでありますが、この委託関係も戦前から比へると、だんだんと拡張せられて大きくなつて来ておるのであります。これは定員がままにならぬために、経費はよけいかかるけれども、やむを得ず金の方で請負料というような予算をとつて、それで仕事をまかなつて行こう、こういうような裏があるのではないかと私は考えるのであります。定員の問題と郵便物の運送委託の問題については、そういう関連があるのでありますが、それとは全然関係のないものでありますか、この点を明らかにしていただきたいと思います。
#20
○松井政府委員 御指摘のように、郵便事業は尨大な事業でありますので、必ずしも各方面において全部直轄してやつて行くことが経済的であり、そしてそれでなければならぬというほどのものでもない部面も中にはございます。そこで郵政大臣の責任のとり得る限度において、ある程度のものを委託に出しておるということは、この委託法の設置せられた精神でございます。ところである問題を外部に委託いたしたらいいか悪いかということ自身は、郵政大臣としてそれが事業経営上経済的であり、しかも郵便事業運送上さしつかえないという委託法の第二条の精神に基いた場合のみにおいてやり得るわけでありましていやしくも業務の取扱い上非常に不経済である、かつまたそれが郵便物取扱い上非常な支障があるといつたような場合には、たとい定員がどうであろうとも、法がどうあろうとも、それを委託に出すということはしよせんできない問題であると思います。その意味合いにおいて委託法の考え方と定員法ということは、筋として正面切つて相抵触しているというふうには考えておりません。
#21
○片島委員 そうしますと、直轄でやつた場合とこういうふうに請負にしてやつた場合との、経費の違いはどういうふうな違いが出て来ますか。これは計算を争られたことがありますか。
#22
○松井政府委員 具体的に個々の場合に一々国営でやつたらどうか、民営でやつたらどうかということに対する具体的な資料の比較というものは、私どもやつておりません。と申しますのは、それをやることは非常に煩雑な問題でありますので、一般的に申しまして、今日の社会的な常識から見まして、大体この程度というような一つのラインをきめてやつております。それは私どもとしましては、こく僻地における配達事務とか、あるいは都市における輸送その他の関係につきましては、自動車、四輪車以上の場合においては、今日いろいろな問題から、やはり民営形態でやつた方がより経済的であり、そしてこれが事業運営上さしつかえないのじやないかという考えを持つておりますが、しかしずつと低い程度のもの、たとえばバイク・モーターを使つたり、オート三輪車を使つたりするようなものでは、これは国営で直接やつても、決して民営にひけをとらないのじやないかというような形で、現実政策としては行つております。
#23
○片島委員 非常に尨大な経費―資料によつて見ますと、約十五億からの予算でありまして、今度の調停案であれだけ騒ぎましたが、わずか五億くらいであります。こういう尨大なる経費を使つてやることでありますから、直轄でやつた場合にどのくらいかかるか、請負の場合はどのくらいかという比較もされておらないということになると、ほかの類似業者あたりに一度見積りをさせてみて、それと比較をする、そういうようなこともやられたことはないのかどうか。
#24
○松井政府委員 一般的にどちらがいいかというような問題になりますと、これはある局部におけるある特殊な事情のみをもつて、簡単に律し得ない問題だろうと思います。私どももちろん国営の場合、民営の場合というものについての一いろいろなデータは一応とつておりますが、しかしそのデータの前提となつた条件というものが必ずしも同一条件で、そのための試験をやつたというような問題はほとんどないのでありまして、たとえばある国営の場合において、ガソリンの消費量が民営の自動車に比べてキロ当り非常に多いというような、単なる統計的な数字は一応ありますが、しかしといつてその前提となつておる走つておる自動車の道路区間が、同一なものであるかどうかということになると、これまた非常に問題がありまして、数学的に二二が四では、簡単にどちらがいいかということは割切れない問題じやないか。この点については日本だけでなくて、諸外国の資料を私どもいろいろ求めておりますが、ただいずれの場合がいいかということを簡単に割切る数字的な資料は、残念ながら今日のところ手にはありません。こう申し上げるよりいたし方ないと思います。
#25
○片島委員 そうしますと直轄でやつた場合の比較は数字的にないし、ほかの業者に見積りをやらせてみたこともないということになれば、この尨大なる事業がほとんど独占的に、しかもその経費の算出は一方的に決定せられる結果になるわけであります。御説明によりますと、郵政大臣が権限を持つてやらせることであつて、これではいけないと思うものにはやらせないでいいのだ。今度の改正案を見ましても、期限を更新することを得、せぬでもいい、こういうことになつておりますが、しかし現実には今までやらしておつた業者にそのままやら、せる、しかも独占的な計算方法によつてやらせる、こういうことになりますと非常に大きな問題でありますので、法律をむしろはつきりとかえてどこどこにこれだけの仕事をやらせるという法律ならばよいけれども、法の表面ではどこにやらせるかというと、郵政大臣がうまいところ、いいところを見つけてやらせるのだというようなかつこうをしておりますが、実際的にはきまつたところにやらせる。それならば法的な根拠をつくつて、ここにこれだけのものをやらせるのだ、そうしてここにはつきりとした監督法規といいますか、そういうものをつくつて法的に一般に知らせておいてやらせるというのならばいいのでありますけれども、法的には隠れて、実際上はそこだけにやらせるということは、どうも納得の行かない点があるのでありますが、その点についてさらに御説明を伺いたい。
#26
○松井政府委員 私どもが請負に出す場合における請負単価と申しますか、請負料の算出の基準と申しますか、これにつきましては委託法にのつとりましてこれがちやんとした一般的な標準価格があるものについては、もちろんこれによります。それから標準価格のない競争入札の場合におきましても、御承知のように会計法上一つの算出の内規というものをつくらなければなりませんが、その場合においてもその価格というものが、少くともその当時における社会の一般的な妥当な価格ということに基準を求めるために、運輸省なり関係方面の指揮をも仰いで構成をしておるのであります。
 先ほど片島委員からお話のあつた点は、おそらく日本郵便逓送会社の問題であろうと思います。はつきりとその名前は指摘されなかつたようでありますが、これはこの法律ができ上りました昭和二十五年の当初におきまして、各地域、ごとに非常にこまかく区分をして、そこにおける郵便物の運送委託というものに対する入札をやつたわけであります。その入札の結果、結果的に日本郵便逓送会社が相当大部分のものをとつたということでありまして、上れくが初めから何でもかんでも日本郵便逓送会社というものにとろうというわけで、その会社ということを頭に置いてやつたわけでは、ございません。入札の結果そういうことになつて来たというのが、現在の状態であります。
#27
○片島委員 前の国会において非常に重要な附帯条件がつけられて衆議院を通過しております。それは漸次請負の事業を減らして直轄の方に切りかうて行くべきであるという強い附帯条件であります。それから相当の時日がたつておりますのに、直轄については考えないばかりか、直轄でやつた場合にはどのくらいの経費がかかるかということも算定しておられぬということになるならば、おそらくこういう附帯決議があつたにかかわらず、郵政当局としては直轄をやるつもりはなかつたのだということに、私たちは解釈せざるを得ないと思います。今度の国会におきましては私たちはさらに、この前の附帯条件にかかわらず、新たな見地からいろいろと調査を進めまして、この問題について結論を出して行かなければならぬと考えて、いろいろな資料を集めておるわけでありますが、この附帯条件を受取られて現在どういうふうな直轄への方向を考えておられるか。これはまだ通つたものでないから、今度も附帯条件をつけてもらうならば、これから先そういうこともひとつ考えて行こう、そういうふうに考えておられるのであるかどうか、この点も明らかにしておいてもらいたい。
#28
○松井政府委員 なるほどこの前の委員会において附帯決議がつきました。これは結果的に解散のために、最終的な問題にはなりませんでしたが、私たちはこの御意思は十分に尊重して参りたいと思つております。ただここで申し上げたいと思いますことは、直轄にする何にするということは、非常に仕事の面で大きな問題がそこにありまして、ほんとうに直轄、直営でやつ三行くためには、現在の会計法の建前そのままで、はたしていいのか悪いのかというような問題まで入つて行かなければならぬと思います。なおまた従業員自身に、そういう機械的なものに対する訓練もやつて行かなければならぬ。直轄になるかならないかは、そのときの政府の最高方針できまることだろうと思いますが、しかし私ども事務当局として考えますれば、直営でやつて行くためには、やはり従業員自身が機械に対上なれる必要がある。さらにまたその機械の保守、運営に適当な国の会計法その他の改正も必要とするのではないか、こういうようなことが当然考えられるわけであります。私どもは今のところ従業員自身にも、やはり世の中の進歩につれて、機械にはなれてもらうということが、たといどちらの方向に進むとしても必要なことであるというわけで、昨年の暮れにも相当たくさんのオート三輪、あるいはラビット式のものを入れまして、こういうものを各地に配つて、従業員ができるだけこうしたものの運営になれるというようなことはやつております。しかしそれはそれ以上すぐに今ここで全部直轄にするというようなことについては、今の段階としては、まだ時期が早いのではないかという感じは持つております。
#29
○片島委員 この前の国会において、附帯条件に強く要望しておるということは、郵政委員会としては直轄でやるべきである、ただ時期的な問題あるいは準備等で、すぐにはやれないかもしれないが、直轄でやる方向へ進む、べきであるという意思を決定して、附帯条件をつけておるわけであります。そうしますれば、今は早いとかおそいとかいうのではなく、国会の意思を尊重して、直轄の方に進めて行かなければならぬと私は思います。それについて現在そういうことは全然進めておられぬのかどうか。あるいは今度もそういう附帯条件付で通過するということになれば、ただちにその方向から直轄の方向に進めて行こう、請負の方を削つて直轄の方に進めて行こうと考えておられるのか。今は時期尚早であるから、附帯条件はあるけれども、これは黙殺してやつて行かなければしかたがない、こういうふうに考えられておられるのか、その点を承りたい。
#30
○松井政府委員 もちろんこれを直轄の方向に持つて行くと申しましても、何月何日から一斎にこれを切りかえるというような措置をとる必要はないものであろうと思います。私どもはそういうことをやる上においても、漸次その必要に応じてやつて行けばいいものだろうと思います。従つて来年度から全部直轄にするのだというような、ドラスティックなやり方をするほどのものではないだろう。待つて従業員における受入れ態勢ができれば、そういうところを勘案しながら、逐次そういうことの実現に進んで行く方が妥当ではないかと考えております。
#31
○片島委員 附帯決議は、来年から全部やれ、再来年から全部やれといつておるのではなくて、漸次そういうふうに切りかえて行くという附帯条件でありまして、そのことをすでに研究を進め、これからも続けて研究を進めて行かれるというならば別でありますが、直轄でやつた方がいいというようなお考えが郵政当局にできた場合にやるのであつて、国会がそういう決議をしたからといつて、ただちにどこから削つて行くということは研究しておられない、こういうふうに了解していいわけでありますか。
#32
○松井政府委員 私が申し上げましたのは、先ほど申し上げましたように、郵便事業の本質から見まして、もちろん自分の方で十分でき得るものは、自一分の方でやるということは当然のことでございます。そこでわれわれは従業員における訓練というものも考えながら、またそれの必要な場合にはその法規のあり方というものも考えながら、そういう方向へのして行きたい。先ほど申し上げましたような形で、従業員の訓練もし、新しく郵便物の運送を開始しなければならぬところにおきましても、そういうものでまかなえるものについては、そういうものによつてやつて行くということで、漸次その程度が将来は進んで来るのではないか、私はかような見通しを持つておるわけであります。しかし今御指摘になつたような場合に、自動車における運送を全部国でやつた方がいいというところまで行くには、受入れ態勢から見て、現在のところまだ早いのではないかということを申し上げておるわけであります。
#33
○田中委員長 郵政大臣が見えましたから、大臣に対する質疑を先に行います。吉田賢一君。
#34
○吉田(賢)委員 大臣にこの法律案の根本問題について、二、三ただしてみたいと思います。今同僚片島委員から御質疑になつておりましたのは、これはこの法律改正の眼目であり、根本に触れたものと私は思いますので、その面から国の方針を聞いてみたいと思うのです。郵務局長の御説明にもありましたことくに、今請負つておる日本郵便逓送株式会社というのが、その実力においても、また請負つておる仕事の量、範囲等におきましても、圧倒的な最大なものであろうと思いますし、前国会における質疑応答によつて見ても、この会社の仕事の量は、全体の会社の七割以上を占めておるかのような答弁があつたと記憶いたします。そこで私がお尋ねいたしたいのは、この法律の改正によりまして、第七条の但書が附加されて、四年間の期間がさらに更新されるということになりますと、根本的に再び他の多くのより充実した設備を持つた、より大きな力を持つたような会社も、競争することができないようなことがあり得ると思うのです。言いかえますると、この有力な会社の現実は、資料によつて見ましても、従業員も少く、あるいはその設備資材の状況等によつて見ましても、郵政省の仕事が唯一のものらしいのです。だから、この会社がさらにまた再三この新しい改正の法律によつてその地位を継承して行く、こういうことは見やすい道理のように思うのであります。上からばこの会社が事実上独占的立場を継続して行くということを、ああいう改正法によつて約束する、こういう結果になりはしないかと思いますので、その辺に対する郵政省の根本の方針はどこにあるかということをひとつ聞いてみたい。そういう辺を中心にし、焦点としまして、郵政省の御方針を聞いてみたいと思います。
#35
○塚田国務大臣 この点は私も新しく郵政省の仕事をお引受けするようにたつたので、あるいは従来の政府の考ら方、それから今まで郵務局長がお答え申し上げていた考え方と、多少感じが違うかもしれないのでありますが、私が少くとも今度これが国会の審議を願うように決意いたしました気持は、今吉田委員が御指摘になつたような懸念も多少あつた、こういうように考えるわけであります。しかし要するにどの会社にやらせるかということは、国民の立場から見てこれがうまくやれさえすればいいのであつて、必ずしも競争にしてやらしたらいつでもうまく行くというようにばかりは私は考えておらぬのであります。ことに現在の逓送に携わつておる人たちのように、長年この道で経験されておるようなものがある場合、それを競争目的として新しく出て来るものに自由競争をやらしてそれが多少請負料金が安いというような事情が出た場合にも、それに移す方が郵政業務本来の目的に合致するかどうかということは、かなり疑点があると思います。私はそういう場合においては多少監督の面を強化しても、そういう弊害に陥らないようにして、それらの会社が持つておる長所をぐんぐんと発揮させて行く方が、将来の郵政業務の発達のためにはいいのじやかいか、私としてはそういうように考えておるわけであります。
#36
○吉田(賢)委員 なるほど新しく競争を希望する新設会社は、必ずしもこの会社よりも国の利益、公共の利益、郵政事業の目的に合致するものと思えぬということは、これはごもつともと思います。さりながら同時にまたこの会社より優秀な、より公益に合致した、より郵政事業の目的に合うような会社が出現しないとも保証するわけに行きません。そういうところにもつと国としては、抜き差しならぬ立場にこの種の事業を法律で追いやつてしまうということは、これは考えものだ。今郵政大臣のおつしやつた半面も真理ですけれども、同時にその反対の事実もあり得るわけですから、ただ監督を強化するというようなこと、むしろ監督を強化しなければならぬようなことを予定するならば、法律の改正をやめた方がいい。なぜならば、そういう監督強化によつて締めて行かなければならぬというようなことでは、伸び伸びとした発展的な、よりよいサービスということは私は困難だと思います。だから反対の場合も想定しまして、ひとつその辺について重ねて御意見を伺つておきたい。
#37
○塚田国務大臣 これは多少感じが誤解をしてお受けになつておるのじやないかと思うのでありますが、そういうような優秀なものが出た場合には、そういうものに全然新しく仕事を頼む方法を杜絶しておるわけではないのでありまして今までやつておるものが十分いろいろな条件に合致しておらねばらば更新をしてもいい。十分競争してりつぱにやつて行けるという見込みのあるものがある場合にいおては、必ずしも競争入札という形式をとらないでも、随意契約でもつて更新をしてもよろしいという道をつくつてあるだけなのでありまして、御指摘のようにそういうりつぱなものができれば、やはりそういうものに新しくやらせるということは、この法律のもとでも可能になつておるわけであります。
#38
○吉田(賢)委員 それの参考資料としまして、政府の提出になりました日本郵便逓送株式会社の概要という資料は、これは会社が出したものですか、政府が出したものですか。
#39
○松井政府委員 その中にあるもの、たとえば財産目録とか貸借対照表、そういう種類のものは、もちろん会社発行のものを写しとつたものであります。そのほかの数字については官の方で出したものであります。
#40
○吉田(賢)委員 数字ではなく文章、はつきり言えば、日本郵便逓送株式会社概要、これはどこから出たのですか。
#41
○松井政府委員 これは郵政省から出しました。
#42
○吉田(賢)委員 大臣はいろいろと将来のことを言われますが将来のことは、これは私どもどうとでも言えると思うのです。それはよいとも言えるし、悪いとも言えるし、将来のことは意見になりますが、森羅万象に対する意見の、ごとく、何とでも言えると思いますが、ここはやはりこの委員会において、このたびは根本的にこの種の会社のあり方、従つて郵政事業におけるこの種の事業との関係というものは、やはり根本的に今十分に批判検討をしてその上でこれが結論を得るということに私は行くべき段階に来ておると思うのです。そこでたとえば、より優秀なものができたら、大臣において認定するのであるから、その認定権によつて第七条の但書は間違いなく運用されるというような御気持、御誠意はごもつともと思う。しかし現実に郵政省が本委員会べ責任をもつて提出しておられる日本郵便逓送株式会社概要なる書類をもつて見ましても、これは会社の代表取締役が株主総会に報告をする文章のような趣旨で記載されておる。何とならば、たとえば設立の目的及び設立当時の状況としまして、「設立の目的は、郵便物運送業務の一貫性を確保し且つ一元的計画を強力に遂行し得る体制を整え円滑な業務の運行を期し、郵便事業の公益性を保持することにあつた。」、会社の設立の目的がこういうように郵政省が企図しておるところとぴつたりと合つたものであるという政府の御説明なんです。こういうことはいらざることであると思います。会社がどんなに自己弁解、宣伝しましても、それはかまいません。営利会社ですから……。しかし政府は白紙で委員会に資料を出さねばならぬのに、一つの先入主を持ちまして、会社の立場を弁護するがごときこういうものを出しておられるというようなところに、なかなか抜け切れぬ一つのものが付着しておるのではないか。こういうことも考えられる。そういうことについてどうお考えになりましようか。
#43
○塚田国務大臣 提出の経過は政府委員から申し上げます。
#44
○松井政府委員 まことにただいま吉田委員の御指摘になりましたように、ここに書いてある文章は、政府の提出の文章としては若干立ち入り過ぎたかという感じを私も受けております。ただこの会社が設立された当時というものは、昭和十六年から七年にかけてのあの一般的企業整備というものが全面的に行われていた当時にできたわけであります。その当時この会社合同というものは、決して民間の方々だけの任意では行えなかつた。資金調整法その他の関係で、やはりそういう会社をつくつて行くということが、その当時における国の政策にマッチするということを前提としなければ、当時そういうことはあまり認められなかつたという状況にあつただけに、この会社の設立の当初についても、そういう立場において、少くともこういう会社をつくるということが、郵便事業の運行の精神から見て、決してマイナスではないといつたような裏書きを、当時逓信省としてもせざるを得なかつたわけであります。それがここへ引用せられておる。その程度に御了解願いたいと思います。
#45
○吉田(賢)委員 そこで、やはり郵政大臣はまつたく新たなる観点からこの種事業に対して再検討をして、国の利益の最善に一致するという方向へ結論を持つて行かねばならぬ、こう思うのです。大体戦時中に各種の運送会社が高をせられた経過を、われわれも知つております。但し、現在たとえば陸運界一般におきまして、各種のトラックを中心にした自動車運輸事業におきまして、どんなに大きな弊害があり、国会にも陳情が両派から来ましてもつれにもつれて、一種の企業独占の軋轢というものが、実にさんたんたる様を呈しておるかということも、これはもう大臣はよく御承知と思う。だから今日は戦時中のことはすべて一掃して、今日の段階において、今日の日本と国際情勢のもとにおいて郵政事業のこの種業務がいかにあるべきかということを冷静に、白紙において検討するのが必要なのである。郵政当局において事務当局といえども―失礼だが大臣は、五年も六年もなかなか続きません。しかし事務当局は長らくおられる。言いかえますれば、やはり事務当局の立案とか、所見とかいうものは、おそらくは郵政行政の上にも重大な支配的力を持つておるものと思います。従つてそういう観点からいたしまして、事務当局の御意見というものは、決して軽視すべきではない。事務当局にして戦時中の合同、統合といつたようなことが、とても大きく頭にたびりついておつて、何でも気の毒な、あらゆる艱難を排して今日に至つておるのだからということが頭にありましたら、なかなかこういう会社が退去して、新しい競争相手が食い込むということは、これは痴人の夢です。そういうことも考えます。これは現実の政治ですから、きようは行政大臣としてよりも、現実に練達な大臣に聞くのです。だからそういうような観点からいたしまして、もういろいろと因縁ができておりますから、そういうものがとりかえられるということは、現実といたしましてはおそらく困難だと思うのですが、こういうことを大臣どうお考になりますか。
#46
○塚田国務大臣 この点は私は自分がまつたくこの業務にしろうとでありますだけに、少くとも自分のものの方では、ある考え方にとらわれた考え方はしておらないと思つておるのです。そして過去にこの会社ができたいきさつというものも、私としては全然関知しなかつたことでありまして、ただこの会社ができて、今までこういう形で行われて来たものが、これが国民の利益に合致する方法で、今後どういうぐあいにしたら行けるかということを考えますときに、私はこの会社と競争して、さらにもつと優秀なものが出て来るかどうかということは、これはむしろ法規そのものの問題よりも、そういうものの実際社会における状態というものの方がむしろ影響があるのでありまして、この会社とりつぱに競争してよくやつて行けるというようなものは、私の感じからすれば、おそらくこういうぐあいになるとかえつて出て来ないじやないかという感じが、率直に申し上げてするのであります。しかしかりに出て来れば、それは今申し上げるように、そういうものにかわる道は依然として法律の上に残されておりますし、もし出て来ない場合に、これを何も競争入札でもつて形式的な競争をさせないでも、十分成績さえ上げておるならば、随意契約でやらしてみても、それも一つの方法で別にさしつかえないのではないか、要するにその方法で長く郵政事業が国民の利益のためにやれるという見通しがつけば、この程度の改正をして、今までやつて来た者が、成績を上げて、まじめにさえやつておれば引続いてやれるという、むしろ期待を持たせて、一層まじめにやつてもらう方が、郵政事業自体のために私はいいのではないか、こういうふうに考えております。
#47
○吉田(賢)委員 四年後さらに更新するというのでありますが、過去戦時中からできた会社で、大体国のこの種業務の中の七割も八割も占めている、こういうような場合に何も好んで新しい会社をつくるというような、そんな経済人があろうかと思います。だからこれは現実の問題としまして、こういうような一方に保護を受け、一方にしにせを持つてのれん関係やいろいろなものを持つておりますそういうものに対しまして、率然と新しい会社ができるということは至難なことであります。むしろそういうような更新を行うことをせずにほつておいてもいいのではないか、何を好んで更新の新しい規定を挿入しなければならないのかということが考えられるわけです。現実においてとても競争相手が出ることはないでしよう、どうお思いになりますか。
#48
○塚田国務大臣 その点は吉田委員とまつたく同じでありましておそらくこの規定ができてもできなくても、実際の今後の動きというものは同じようになつて行くと思うのであります。そこでそういう状態になるならば、こういう規定を設げて、形式的な競争入札をせぬでも、安心してやつて行けるのだ、まじめにやつてさえいれば安心して長く更新してやつて行けるのだという期待を、少くも現在やつている者に持たせて、その面からしてほんとうにまじめに業務をやろうという熱意を起させる方が、むしろ得策ではないかと考えます。
#49
○田中委員長 吉田さん、ちよつと関連して委員長より一点だけ質問したいのですが……。
#50
○吉田(賢)委員 どうぞ。
#51
○田中委員長 政府側にお伺いしますが、今吉田委員から質疑をしている点に関連して、この法案ができるときは、たしか占領中に司令部からメモランダムか何か出て法律ができたように、あるいは私の記憶違いかもわかりませんが、あると思うのです。その当時やはり独占禁止法との関係で、戦時中から引続いたこの会社について何か特殊的な配慮というものがあつたやに聞くのですが、その間の事情を御説明になれば、ある程度先ほどから論議している片島委員が指摘した直営の問題、また吉田委員が指摘している問題についても、その間の問題が一つ抜けているような感じがするのですけれども、そのいきさつを御説明願いたいと思います。
#52
○松井政府委員 実はこの法律ができる前は、郵便の関係は一般会計法規に基いてやつておりましたので、ほとんど随意契約でやつておつたわけです。ところが司令部がこちらへ来て、ちようど昭和二十三年ごろから四年にかけまして一般的にアンチ・トラストから財閥解体というような、一連の政策が進んでおつたとともに、やはり郵便物において一つの請負形態というものを認めることはやむを得ない。しかし従来やつておつた人間に対してそのままの何らかの特権的だど思われるようなことを継続することは、司令部としては困るというわけで、先ほど委員長がおつしやいましたような、はつきりとしたメモランダムという文書の形式は持つて参りませんが、向うの責任者からそういうはつきりとした意思表示のもとに、いやしくも郵便を運送するがゆえをもつて、対外的に何らの特権を持つてはいげない。御承知のように昔は郵便を運送しておれば、郵便特権といつて、一般土地へもかつて実れるとか、いろいろな特権があつたわけであります。そういうふうな特権を持つてはいけない、公正なるサービスに対して公正なる料金をもつて支払え、その基本原理としては、原則を一般公開入札に置くへしというようなくだりができ上つて、そうしてこの法律の内容ができたわけであります。ところが実際問題として見ますると、郵便物の運送というようなものは、そういう一度引越し荷物を運んだら済むというようなものではありませんで、長年にわたつていろいろな条件の場合に、継続して行わなければならぬというような性質のものであります。現にこの法律と同じような法律がアメリカにもあります。しかしそのアメリカの法律は、決して四年で切つて全部を競争入札にはしておりません。にもかかわらず日本側に対してのみ、四年ですべてを切つて全部競争入札をやるということを押しつけて来たということは、一つのそういう歴史的な背景があつたからだろうと思います。そうしてこの法律によりまして先ほど申し上げました戦争中からできておつて現に郵便物の運送をやつておりまし場た会社も、一般の業者と同じ立場において、競争入札をやつて来たわけであります。それが今日までの経緯でございます。
#53
○吉田(賢)委員 ちよつと別の観点から尋ねて見ますと、これは事務当局でよろしゆうございますが、この運送を受託する会社の株主配当は制限を受けるのですか、そういうとりきめはありますか、ありませんですか。
#54
○松井政府委員 株主配当を制限する規定はありません。
#55
○吉田(賢)委員 規定ではない、そういうとりきめはありませんか。契約………。
#56
○松井政府委員 そういう契約はやつておりません。
#57
○吉田(賢)委員 それからもう一点、この日本郵便逓送株式会社の第十九期、二十八年三日二十一日現在の貸借対照表によりますと、未収益金が一億一百万円余りあります。それから財産目録のうち、未収益金とは逓送料となつておりまして、やはり一億一百万円であります。言いかえますると、これは政府が支払うべき逓送料だと思います。それは間違いないかどうか。しからばこれは年度末にどうしてこれを支払いをしないのか。こういうことがどうしてあり得るのであろうか、この点ちよつと聞いておきます。
#58
○松井政府委員 私どもは、大体ある一定の逓送をやりますと、その実績をとりまして、書類を整えて、実際の支払いというものは翌月にわたると思います。そこでおそらく会社としては、ある一定の時を切つた場合に、その実績というものを基本にして、未収金という形であげたのではないだろうかと思います。
#59
○吉田(賢)委員 一箇月に支払うべき勘定は翌月に払うと、こういうことに実際取扱いがなつておるのですか。
#60
○松井政府委員 さようでございます。
#61
○吉田(賢)委員 先へもどりまして大臣に伺います。もしこの株式会社が五割の配当をする、それも制限は受けない、こういうようなことがあり得ましたならば、これはおよそ利益を営まないことがすべて国の行政事務の原則であることは申し上げるまでもありません。また国が企業をいたすにしましても、やはり最低の利益でなければならぬはずであります。しかしこの場合は、この逓送会社が何割の配当をしましても、放任されるということになりまするならば、いよいよ一つの会社に大きな利益を与える危険があるということになりはしないだろうか、競争相手も出ない、法律で新しく保護される、更新する法律が改正するしないにかかわらず、競争相手の実現は困難であろう、こういうようなことであれば、そういうような、ただいま申しましたような、きわめて不合理な事態も想像し得まするが、どうでしようか。
#62
○塚田国務大臣 これは国でやつておりますもの、公社形態でやつておりますもの、民間でやるもの、民間でやるものの場合でも、今御指摘のありましたように、配当制限くらいは設けておいてしかるべきもの、たとえば今度の公社から分離いたして参つておりまする国際電信電話の場合には、御承知のように配当は今認可を予定しております。それと、こういうようにそこまでは制限をしていないものと、段階があるわけでございますが、私はこういう会社の場合には、そこまでせぬでも、御指摘のような懸念は起らないのではないだろうか。利益を上げたから非常にもうけたということ、そうしてもうけたのは国が当然それだけ、料金が安いという形で、国民が利益を得なければならないという形で、その会社の利益が上つたかどうかということは一概に言えないことなんでありまして、あるいはほかの競争会社が営んだ場合に、経営のぐあいが悪くて、実際は同じ料金をもらつておりながら、それだけ利益が上らないという場合もあり得るかもしれない。また他のものにやらせればもつと安くしてその利益を制限できるという場合もあり得るかもしれないのでありますが、それは別途にこの契約の際の請負料金その他の面でもつて、これを監督をいたしましたり、原価計算をいたしましたりして、規制して行つた方がいいのじやないか、こういうように私どもとしては考えておるわけであります。ですから、この会社の場合には、必ずしもそこまでやらないからといつて、そのために国民の利益が大きく阻害されるというようなことは起きないのじやないか。かりにまたある二面そういう事態が起きた場合には、それは次年度の料金などに、そういう事態が発生した原因を検討いたしまして、何らかの措置を――そういう場合の非常に考えられますのは、経済界に変動が起きて、物価が非常に下降の傾向であり、賃金が非常に下る傾向であるという場合に、そういう事態が少くとも料金を下げるという形において出て来ると思うのでありますが、そういう場合には、経済事情が変動すれば、上つたときには上げるように考えなければならぬ。下つたときには下げるような措置ができるようになつておるわけであります。
#63
○片島委員 関連して……。私は大臣がお見えになる前にお尋ねしたのでありますが、現在何かの形でこの郵便物運送委託法だけに抽象的に書いてあるだけでなく、七割何分の大きな事業をやつている日本郵便逓送株式会社に対して、法的にどういうところをたよりにして監督をしておられるのであるか、具体的にひとつその根拠を明らかにしていただきたい。ただ係官の方がときどき行つて見て打合せをしてそれでいいのか。あるいは特に省令なりあるいは政令なり規定を設けて、あるいは特別な約束事の覚書でもつくつてそれによつてやつておられるのか。ただ大臣も先ほど言われたように、監督はして行かなければならぬ、こういう程度ですか。監督をするのには何かの法的な裏づけがなければできないのでありますが、現在はどういうふうになつておるのですか。
#64
○松井政府委員 私からお答えさしていただきます。御承知のように現在の日本郵便逓送会社が、結果的に非常に大きな部面を占めておりますが、これはある競争契約でもつてそれを請負つたというところに根幹があるわけであります。従つてそれだけの関係の会社というものを、法律でもつて特別監督をするという必要がはたしてあるかないかということにつきましては、そこまでの強い監督権の発動ということは、やはり今のところ行き過ぎではないだろうか。私どもとしてはしかしやはり他面においては、この会社の運営の内容その他の資料というようなものはとつて、われわれ自身の行政運営の面において、それとマッチするような方針をとらなければならぬという意味合いにおきまして、いろいろな関係資料というものをとるということは、この請負をやつておる方々、日本郵便逓送会社だけではございません。すべての関係の相手方にそういうことは求めております。しかしそれ以上にわたりましてたとえば配当制限をするとか、あるいは役員の任免についての承認をするとかいつたようなところまで入るのは、この会社の性格としては少し行き過ぎではないか。またそこまで行かなくとも、十分われわれにとつて必要な限度の監督はやつて行けるのではないか、かように考えております。
#65
○片島委員 大臣にお尋ねしますが、この逓送会社そのものは、ほかの会社と比べた場合に、資本金なんかから見てもそう大したものじやありませんけれども、事郵便物という公共的な事業をやつておるものでありますから、今政府委員からお話のあつたように、ただ行政的に見て行けばいいというのでなくして、郵政大臣の権限において随意に契約させようというこの公共事業に対して、私はこの法律の表面に名前も何も出さないで随意にやらしておるが、しかしその重要な公共事業でありますから、むしろこれは法的にはつきりと根拠をここに明らかに出して、そうして郵政大臣は、この何に対してはこれだけの監督権と、これだけのものは見て行かなければならぬというふうにした方がいいと考えておるのでありますが、大臣はどういうふうにお考えでありましようか。ただつくつておいて、行政的に係の者が行つて、いろいろな資料を求めて検閲しておる、その程度のことでいいとお考えになりますか。
#66
○塚田国務大臣 私はこの業態の場合におきましては、郵政省として一番注意をしなければなりませんのは、結局料金が不当に高く契約されることがないかという問題であると思います。そういうことが結局郵政省に損害を与え、ひいては国民に損害を与えるということになる。その面を除きましては、あとは引受けたものをきちんと宗まつた時刻に定まつた場所に運んでくれる、またその間に信書の秘密というような大事な義務も果されるということであれば、相当強く監督官庁としての監督をしなければならないという相関関係にはないのではないか。それで料金の決定に一番重大な問題があるわけでありますが、それは一応自動車の場合には別に定めた標準でもつて料金額を決定するというふうにして、その決定をいたします場合に、十分検討する機会があるからして、その料金額をもつて運送しておる場合には、大体あと利益が上れば、大いに働いて能率を上げてもらつたという形に見ておく方が、むしろ妥当なのではないかというように私どもは考えておるわけであります。
#67
○吉田(賢)委員 私ちよつとほかの委員会の準備の都合がありますので、質疑はこの程度で保留させていただきまして、次会に譲らしていただきたいと思います。
#68
○田中委員長 この問題については、本日初めて質疑に入つたのでありますから、引続いて行いたいと思います。
#69
○井手委員 議事進行について。ただいままで論議された郵便物運送委託法の関係については、ただいま郵政大臣が申されました請負料金の適否が問題の中心である。ところがそれに対する資料について、先刻来片島委員からいろいろと問いただされておりますけれども、満足すべき答弁がないのであります。さらに当初片島委員が質問しました局舎の問題、これらについても資料の提出がない。私は考えますに、郵政部門においては局舎の問題は重要な問題の一つであろうと考えるのであります。従つてこれについては相当の用意が事務当局になければならぬと考える。さらに郵務局長の答弁では、りつぱな局舎を持ちたいというお考えがあるようです。であるならば、何箇年計画というものが当然省内にあるべきものである。また三十億を予定されておる本年度の計画においても、具体的な資料がなくてはならぬと考えるのであります。そういつたことをいろいろ考えますと、さらに郵政当局からこれらに関する十分なる資料を次会には提出してもらいたい。その資料に基いて、私どもは郵政当局の基本的方針並びに当面の問題について検討、研究を進めて行きたいと考えますので、十分なる資料の用意をされますようお願いを申し上げる次第であります。
#70
○片島委員 この次の委員会までに間に合いますかどうですか、随意契約でやつておる現在の請負料の算出の根拠となるべき資料を御提出願いたい。それからこれだけの資料がすでに集まつております以上、行政的に堪能な係の方がおられますので、人件費、物件費、そういうものをいろいろと計算をしますと、実はこれを直轄でやつた場合にはどの程度になるというくらいな計算は、これはできると思うのであります。それもひとつ検討を進めておいていただいて、できるだけすみやかな機会に、はつきりした数字でなくても、何らかの資料を出していただきたいと考えます。
#71
○吉田(賢)委員 資料の要求をいたします。今の局舎の問題につきましては、できるだけ具体的な資料をいただきたい。それから公労法の適用者、これの全体の数はどのくらいになるだろうか。それから府県別にしていただいてどういう職種になつておるか。待遇がもしわかるようなら、その数字を記載して、それもあわせて出していただきたい。これを次会までの資料として要求いたします。
#72
○田中委員長 ただいま井手、片島、吉田各委員から要求のありました資料は、できるだけ早く提出していただきたい。
 次会は公報をもつてお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
    午後零時二十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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