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1953/06/30 第16回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第016回国会 電気通信委員会 第7号
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1953/06/30 第16回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第016回国会 電気通信委員会 第7号

#1
第016回国会 電気通信委員会 第7号
昭和二十八年六月三十日(火曜日)
    午前十時五十七分開議
 出席委員
   委員長 成田 知巳君
   理事 岩川 與助君 理事 塩原時三郎君
  理事 橋本登美三郎君 理事 中村 梅吉君
      菊池 義郎君    庄司 一郎君
      齋藤 憲三君    甲斐 政治君
      松井 政吉君    三輪 壽壯君
      河野 一郎君    風見  章君
 委員外の出席者
        参  考  人
        (豊島区会議
        員)      粕谷美彌子君
        参  考  人
        (東京証券取引
        理事日本証券業
        協会連合会長) 小池厚之助君
        参  考  人
        (電気通信協会
        専務理事、元逓
        信省工務局長) 篠原  登君
        参  考  人
        (全国銀行協会
        連合会長、千代
        田銀行頭取) 千金良宗三郎君
        参  考  人
        (日本経済新聞
        社論説委員長) 友光 正昭君
        専  門  員 吉田 弘苗君
        専  門  員 中村 寅市君
    ―――――――――――――
六月三十日
 委員田中彰治君辞任につき、その補欠として中
 村梅吉君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 中村梅吉君が理事に補欠当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 理事互選
 公衆電気通信法案(内閣提出第九一号)
 有線電気通信法案(内閣提出第九二号)
 有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案(
 内閣提出第九三号)
    ―――――――――――――
#2
○成田委員長 ではただいまより開会いたします。
 本日は公衆電気通信法案、有線電気通信法案並びに有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案の三法案について、参考人の方々より御意見を伺います。
 参考人の方々に一言ごあいさつ申し上げます。本日は御多用中にもかかわらず御出席くださいまして、厚く御礼申し上げます。
 申すまでもなく、ただいま本委員会で審査中の電気通信関係三法案は、公衆電気通信業務に関する基本法でありまして、有線電気通信の規律、監督規定であります。ことに今回は、電信電話料金の値上げ案及びPBX工事施工形態の問題等、重要問題を含んでおります。本委員会、これら一般的関心を有しております重要法案について慎重に審査いたしておりますが、この際国民の世論をこれに反映せんがために、皆様方の御出席を煩わしたものであります。参考人各位におかれましては、あらゆる角度から忌憚のない御意見を御発表くださるようお願いいたします。御発言はお一人二十分程度といたしまして、御発言の順序は、かつてながら私におまかせ願いたいと存じます。なお御意見の御発表の後、委員から質疑があると思いますから、お答え願いたいと存じます。
 なおこの際一言お断りいたしておきます。委員の出席が非常に悪くて申訳ございませんが、実は御承知の北九州の水害で、委員中相当の者が現地に出張いたしておりまして、まことに出席の悪かつたことを厚くお詫びいたします。それでは千金良宗三郎君よりお願いいたします。
#3
○千金良参考人 それではただいま委員長からお話がありました公衆電気通信法並びに有線電気通信法案、これにつきまして私の考えましたことを申し上げます。有線電気通信法案、これは主として専用線を扱つたものでありまして、格別問題もないと存じます。公衆電気通信法案の方は、一般公衆の電信電話の件、ことにその料金の値上げの問題がありまするので、この点が最も問題となるところであると存じます。従つて私はこれからこの電信電話の料金値上案に関しまして、考えましたことを申し上げるつもりであります。
 この法案によりますると、国民の電信電話に対する熾烈な要望にこたえるためには、厖大な拡張資金を必要とする、しかしこれが大半を外部資金に依存することは、わが国経済の実情からして困難であるので、この際相当程度を自己資金によつてまかなうごととし、このために来る八月一日から電電公社の料金引上げを行つて、現行収入の約二五%に当る百三十四億円の増収をはかる、こういうことでございます。解散前の計画では約一割に当る増収が見込まれておりました。ところで公社が本法によつてこのような大幅の値上げを実施しようとするに至つた理由は、本年度から五箇年計画で、主として電話施設の普及と拡張のために、設備の改善と拡張に乗り出すこととなり、これがためにその所要資金として、本年度におきまして最初には料金の一割値上げによる分の一部これが二十二億円、減価償却金から百九十一億円、設備の負担金から三十五億円、電話債券の発行によつて百四十八億円、運用群からの借入れで四十億円、その他の収入とともに四百六十一億円の建設資金を調達する予定であつたのであります。ところが国会の解散で右の予算は流産に終りまして、今回の本予算編成となつたのでありまするが、大蔵省が運用部資金の貸出しを全部削除し、また公社債の公募分――これが百億円でありまして、あとの四十八億円は利用白負担――この百億円を七十五億円に削減したので、この穴埋めをするために二割五分の料金引上げをしようとするものであります。
 原則的にいつて、電信電話に限らず、鉄道とかガスとか、電気、水道というような公共企業の料金を上げるのは、よほどの理由がなければ適当でない。ことに朝鮮休戦を目前に控えまして、わが国の経済自立を達成するために、輸出を盛んにして国際収支の改善をはからなければならない現在において、特にこの感が深いのであります。何となれば、申すまでもなく電信電話のように、国民の経済生活に密接な関係のあるサービスの料金をこのように大幅引上げると、これは当然他の物価に転嫁せられることとなりまして、わが国の物価の割高を一層助長する結果となることは明らかであるからであります。もとより公共企業といえども、企業として赤字となることは財政の負担を増すことになり、またそれが私立会社の独占企業であつても、やはり健全経営の線からはずれるごとになりますので、望ましくないのでありますけれどもしかし独占の場合には、とかくに料金の引上げという最も安易な方法に事業の収支の均衡を求めて、経営努力がおろそかになりがちでありまするからして、十分の検討を要するのであります。
 なおまた当局者は、電信電話の料金は従来不当に低位に押えられており、現行の料金を戦前すなわち昭和九年かつ十一年の平均に比較しますと、電報は二百倍、電話基本料金は百四十四倍、度数料金が百六十六倍で、一般の物価の三百倍に比べまして上昇率が非常に少いからして、この際この程度の値上げをすることはやむを得ないではないか、または外国の料金に比較しまして安過ぎるとかいうことであります。これはまさにその通りでありますが、問題は特にわが国の物価の割当の是正ということがこの際要請せられておるときに、大幅の料金引上げをすることが妥当であるかないか、特にこれを急速に行うことが妥当であるかどうかということであります。しかも国有の公社事業の場合は、公租公課の免除であるとか、政府の低利資金の利用等、幾多の特典を享有することがあるのでありますから、その料金が一般物価の上昇に比較しまして低位にあることは当然でありまして、また一般物価の騰貴率に比較しまして低いということもふしぎではないのであります。要するに程度が問題になるのであります。
 右は一般論でありますが、今度の電信電話料金の値上げは、施設の改良、また拡張に用いる資金を満たすためというのでありますから、まず資金の調達方法として減価償却金、それから新規加入者から徴する設備負担金、これを第一番に充てなければならない。その不足はあるいは運用部よりの借入金によるとか、または債券の発行によるとかで資金を満たすべきである。なおこれでも経理上の不足が起るような場合は、設備の改良を電話の利用者全員の負担で行う意味で、料金の増加に依存することも認められるのでありますが、この場合一時に何十割というような大幅な料金引上げは穏当を欠くことはもちろんであります。
 しかるに今次のこの料金引上げ案によりますと、平均は二割五分という値上げと言われておりますが、実際には利用度の高いものの値上率、これは決して二割五分にとどまらないのであります。たとえば私設交換台を備えて料金の軽減をはかり得る加入者でも、一日平均二十度の使用の場合には値上率は三三・六%、一日平均四十度の使用をなす場合には五二・七%という引上げになるのであります。これは公社の説明にある通りであります。また交換台を備えてない場合は、料率の上ることはもとよりでありますが、公社の説明によりますと、これも平均通話数、これは一級局で八・八度、これは一日平均とありますが、これで五八%の引上げになる。こういうことになります。
 しかし電話の拡張、施設の改善ということは、現在の利用者にももとより利益をもたらすものであることは、これまた当然であります。かつまた現在の財政の実情からして、全然料金に手をつけないで、施設の改善、拡張ができるものとも思えないのであります。従つてある程度の適当な料金の上げ方は、これは認めなければならないと思います。解散前の予算の場合には、平均一割値上げという案でありましたが、以上申し述べたところを考慮に入れ、かつまた次に申し上げる点を考慮に入れてきめていただきたいと思うのであります。その一つは、公社の五箇年計画によりますると、山間僻地まで電話を普及することになつておりますが、鉄道などの場合と同様、国民的な見地からする電話普及はもとより望ましいことでありますが、これは利用度に比較して、建設費のかさむことももとよりと思われまするので、どうしてもこれは国費でまかなうごとにせねばならず、これを現在の利用者に負担させるのでは、利用者は利用度とコストがあまりにアンバランスになつて、とても無理であるとこう思われるのであります。それから第二は、新規加入者に対しては設備負担金として三万円、債券の引受割当として六万円、それにさらに雑費用費用として四千円、すなわち合計九万四千円の負担をかけることになつておりまするが、債券の六万円は、もとよりこれは絶対的の支払いでないから、他日回収し得るものであります。ところが電話の市価は現在二十五万円以上であるといわれております。また公社が一加入者当りに支払うべき建設費も二十五万円以上といわれております。これも公社の説明にある通りであります。電話に非常に高い市価があることは望ましいことでなく、できるだけこれを安く普及することは望ましいのであります。しかし現在はやはり稀少設備である以上は、新規加入者は直接に最大の利益を受くるものでありますから、少くとも建設費の半ばを償うくらいの負担をするのが当然ではないかと思われるのであります。従つてこれらの点をやはり建設費支弁の中に考慮され、適当に御決定なさつたらよろしいかと思います。
#4
○成田委員長 ありがとうございました。次に小池参考人。
#5
○小池参考人 私は日本証券業協会連合会の会長並びに東京証券取引所の理事をいたしておりまする小池でございます。私は今日は全国の証券業者の意見を代表して申し述べたいと思います。そのほかに全国の各種の商品取引所から私のところへたくさんの意見書や要望書が参つております。これはいずれもわれわれ証券業者と同じ意見でございますので、これから申し述べまする意見につきましては、証券業のみならず、各種の商品取引所の意見も同様であると御承知を願いたいと思います。
 まず今回国会に上程されておりますところの有線電気通信法案、公衆電気通信法案及び右二法令の施行法案の三法案に対しまして、総括的には御賛成申し上げたいと思うのであります。特に電信電話が官営から公社及び会社に移されたこと、従来の区々雑然たる関係法規が整理されたこと、それから電話加入者に対する賠償規定が設けられたことなどに対しましては、双手を上げて賛成を申し上げる次第であります。しかしながら今回の法案には、料金改訂という重要事項が入つております。この料金値上げにつきましては、大いに検討の要があると思うのであります。
 まず料金値上げの理由が、われわれ納得できるかどうか、納得できたとしても、時期として適当なりやいなや、あるいは引上率が公平であるかどうかというような問題を検討する必要があると思うのであります。引上げの理由は、新しい建設と従来の設備の改善に充てるために必要であるというふうに承知しております。これにつきましても、これは程度問題でありまして、先ほど千金良参考人から御意見がありましたが、私はその御意見に賛成いたします。日本の貧乏世帯におきましては、その緩急よろしきを得なければ、弊害が出ると思うのであります。私の承知いたしまするところによりますと、戦前の電話の個数は百万個であつたそうであります。現在の電話個数は百五十万個、五〇%の増加になつております。一般の生活水準は、戦前と大体同じの九八%になつておると承知いたしますが、電話の個数はすでに五〇%を越えておるのであります。もちろんこれは多ければ多いに越したことはありません。それによつてサービスが改善されるのでありまして、戦前は実に非常に不便を感じておつたのでありますが、経済力が許すならば、また適当の方法ならば、新建設の方に金を向けて行かれることももちろん賛成であります。ただその緩急につきましては、十分御考慮願いたいのであります。それから新建設をいたします、あるいは設備を改良いたしますにつきましても、その資金の出所がやはり問題となります。ただいまの提出されてある法案を拝見いたしますと、その資金を主として電話加入者の負担においてまかなう、しかも後ほど申し述べたいと思いますが、利用度数の多い者に非常に大きな負担がかかるようになつておりますが、これは大きな問題だと思うのであります。
 次に値上げの時期でありますが、これは先ほど千金良さんからもお話がありましたけれども、日本の今の経済界におきまして非常に重大なものは、インフレの抑制であります。ともすればインフレの傾向に向おうというときに、電話の値上げが適当なりやいなや、その程度については十分の御考慮、御研究をお願いしたいのであります。
 これらの点につきましては、私はこの委員会の十分な御研究にまつことといたしまして、私どもの立場といたしましては、引上げの料金の率をここで問題にしたいのであります。と申しますのは、先ほど申しました通り料金の値上率が、利用する度数の多い者に非常に負担がかかつておるのでありまして、利用度の少い人は、ほとんど値上げにならないということであります。これはたいへん公正を欠くと思うのであります。具体的にこの問題を見てみますると、第一に引上率であります。公社の御発表では、総収入において二割五分の増収とのことでありますが、電話料金はその性質によつて種々に区分されておりますので、各種料金の収入総額が二割五分増の意味かと存じますが、市内度数電話の料金だけ見ますと、明らかに十割の値上げであります。他の種類の電話料金とか、基本料金とか、あるいはPBXの附加料とかがたといどういうふうに比例されておりましても、現実に度数制によつて使用する場合の料金が、十割値上げとなることは否定できないのであります。加入者のうちには、市外専用とか長距離電話とかを使用するために、これらを総計した料金の増加率は三割とか五割とかになるのもありますが、市内度数電話を主として使用しておる者の負担増加は、八割以上に上ることは確かなのであります。
 次に基本料金でありますが、従来五百四十円でありましたが、三月の引上案では、これを八百円に引上げることを予定されておりました。しかるに今回はさらにこれを九百円に引上げるという案になつておるようであります。その引上げ率は六割六分になりますけれども、これに対しました公社では、基本料を引上げたと言わないで、月六十回までは無料にする、最低料金であると説明されておられます。基本料金といたしましては、明らかに引上げとなつておるのでありまして、その上に、それは使わなくても料金をとられる制度でありますから、公社としての定額収入を確保しようとする計画かと思われますが、これは私どもいささか賛成しかねる点であります。
 次に引上率の不公平について申しますると、今回の引上案はまことに巧妙に立案されておりますので、一見二割五分の引上のように考えられるかもしれませんが、先ほどからたびたび申しました通り、使用度数の多い電話加入者にとりましては、八割以上の負担増加となるのであります。しかるに月六十回見当の使用者の負担はわずかに七分の引上げであります。これは一面においては不必要な電話の使用を奨励して、他面では重要なる商業用等の電話の使用を困難にするもので、まことに不公平だと思うのであります。
 次にPBXの問題についてでありますが、今回の案では、PBXの附加料金は廃止ということになつております。使用度数の多い加入者の負担は軽くなると公社では御説明をされておりますが、実は従来の附加料金は基本料金の半額でありますから、基本料金が五割以上も引上げられておる点を考えますと、附加料金の廃止は、従来の基本料金額が絶対額において減少するものではないのであります。
 次に公社では、使用度数が多ければ電話の損耗度も高いからと述べられておりますが、損耗度の点だけを見まするとその通りでありましようが、料金の増収と比べ合せますと、政府にしましても公社にしましても、損耗度上りも低い料金を徴しているとは考えられないのであります。従つて損耗度の点につきましても、公社の御説明は納得しかねるのであります。
 それから公社の料金引上案は、本年三月に提出された分と今回の分との間には、わずかに二、三箇月の経過でありますが、電話料金の引上率が一割から二割五分に躍進しております。この理由はどういうわけでありますか伺いたいのであります。
 また公社では、本年一月ごろから外債借入れの話合いをしておられたように承知しておりますが、そのときの公社の経理状況と現在との間に著しい相違が起つたのかどうか、これも私どもの疑問であります。
 さらに今回の料金引上げによる増収が百三十五億円、これは本年の八月から明年の三月までの収入予算でありまして、支出予算の方は前年度、すなわち十二箇月であると考えます。そうしますと、この間に収支のずれがあります。従いまして現在のこの料金の値上げが決定するとしますと、次年度からは前年度の収入として約四箇月分、すなわち六十七億円ほど剰余金が出るはずであります。この点も料金決定の上に十分御考慮をいただきたい点であります。
 要するに今回の料金引上案は、使用度数の少い電話料金は軽微に引上げまして、必要度の高い電話に重い負担をかけることになりますから、われわれ証券業者あるいは商品取引所関係者のごとき非常に電話利用度の多い者にとつては、はなはだ不公平であります。あるいは利用度が多ければ、それだけお前たち商売をするのだからいいではないかというお話もあるかもしれませんが、実は証券業の場合を例にとりますと、大蔵省から売買手数料を引下げるという要求を受けているのでありまして、この電話料の値上げに対して転嫁することはできないのであります。証券業の生命線ともいうべき電話の使用が困難となるとか、過大の料金を払わねばならぬことになりますので、業者といたしましては非常な不安に直面している次第であります。
 結論といたしまして、それならばこの料金引上げはお前たちはどういうふうにやつたらよいと思うかという御質問に対しましては、私はまず第一番に、新設、拡張計画あるいは改善計画は、政府資金だとかその他の長期資金によつてなるべくまかなつてほしい。現在の電話利用者の負担にたよることのないようにお願いしたいのであります。やむを得ず現在の電話加入者の方に負担がかかつて来るといたしましても、先ほどから申し上げました不公平な点はぜひ是正をしていただきたいと思います。それにつきまして、私どもはまず市内の度数制を一挙に十割上げるということを御訂正願いたい。全体として二割五分の増収を企図されておるのでありますから、その意味においては、五円のものが六円になつてもいいのではないかと思います。今までは市内電話と市外電話との料金に多少の不公平がありましたから、その是正もやむを得ませんと思いますが、大体度数制を七円くらいにしていただきたい。これによつて、しかし予定の収益が上げられないという議論が出るかもしれませんが、それは先ほど申しました通り、今回の案は支出においては十二箇月を見積られて、それから収入におきましては八箇月見積られておる、この差が約六十七億あるのでありまして、これでもつて十分まかなえるのではないかと思うのであります。これが私どもの第一希望でありますが、それができなければ、度数の多い人に逓減制をしいていただきたいと思います。逓減制はどの程度がいいか、これはなかなかむずかしい、専門的になりますが、できるだけの程度において逓減制をとつていただきたいと思います。それからなおこれも私といたしましでは最後案ですけれども、全体的に二割くらいの料金改訂、基本料金、度数制も、市外電話も全部が二割というような料金改訂、これができないものかということも考えられます。
 大体私の申し上げたいことはそれに尽きます。なお最後に、電電公社ができましたことは私ども大歓迎でありますが、この際にお願いしておきたいことは、電電公社のバランス・シ―ト、貸借対照表及び財産目録というものが、従来発表されておりません。収支計算だけであります。それで料金問題のようなことを論ずるときには、ぜひわれわれといたしましては貸借対照表あたりも検討したいのであります。毎年の加入者の支払い料金が一千億にも達し、また減価償却が二百億円にも上る公社の資金内容については、電話加入者のみならず、一般国民も重大関心を寄せるのが当然でありまして、この意味におきまして、資産内容を同時に発表するということを希望する次第であります。
 なおもう一つつけ加えさせていただきたいのは、私ども苦情ばかり申し上げるわけではないのでありまして、この機会に公社に対しては感謝の言葉を一言申し述べさせていただきたいと思います。電話を非常に利用します証券業者たちは、終戦後あたりは非常に不便を感じましたが、公社になりまして後は非常にインプルーヴいたしまして、サービスがよくなりまして、われわれたいへん便利をいたしております。この点は文句ばかり申さずに、この機会に敬意を表したいと思います。これで私の口述を終ります。
#6
○成田委員長 千金良さんと小池さんは所用のためお急ぎのようでありますので、両氏に対する御質疑があればこれを許します。
#7
○中村(梅)委員 小池さんに、PBXの今度民営を認めることに原案でなつておりますが、この点について一番PBXの使用度の高い業界にいらつしやるので、御意見を拝聴できれば仕合せだと思います。大いに賛成という御意見ですか、あるいは何か民営は困るから従来通り公社で一切責任を持つてもらいたいという御意見ですか、その点をひとつ拝聴しておきたいと思います。
#8
○小池参考人 私はPBXの今度の御処置に対しては賛成であります。ただ先ほど私申し上げましたのは、PBXについては附加料金は廃止となつておるので、この点は値上げにならぬという御説明でありますね。しかし従来の附加料金につきましては、基本料金そのものが上つたので、若干やはり上るということだけを申し上げたのであります。そのPBXに対する公社の御処置に対しては私は賛成であります。
#9
○齋藤委員 千金良さんにひとつお尋ねいたしたいのですが、先ほどのお話の中に、新加入者が九万四千円の負担をする、市価は二十万円内外しておる、それから建設費一個当りは二十六万円、こういうことを勘案してよろしく立案をせられたらというお話でございますが、何か御腹案がございますか。
#10
○千金良参考人 お答えいたします別に特に腹案というものもありませんけれども、常識上考えまして、今度二十八年度で増設が十四万個となつております。もしもかりに今の二十五万円という市価とか建設費、これの半分くらいに当るくらい新加入者が負担をするとします。これはほんの私案でございますから、別に銀行の協会とか何とかいう関係はないのでございます。私の考えたのです。かりに新加入者が今三万円を六万円にします。三万円増資をすると、十四万個で約四十二億でございますね。そういつたようなわけです。こういうふうな新加入者が非常な利益を得た場合には、その方にも負担をかけてもいいのじやないか、こういうことでございます。
#11
○橋本(登)委員 途中から出てはなはだ失礼でありましたが、小池さんの参考人陳述の中に、本年度増収によつて百三十四億、これは八箇月分でありますが、同時に支出が百三十四億組まれたわけでございますが、来年度は平年度いわゆる十二箇月予算になりますから、大体一応見て二百億くらいの支出が行われるわけでてざいます。従つて来年度は六十何億というものが余ることにはならないとわれわれは見ておるのでありますが、その点誤解がないでありましようか。
#12
○小池参考人 私は私の誤解がありましたら取消しますが、私の承知いたしましたところによりますと、収入が八箇月に対しまして、支出予算の方は全年度であるように了承したのですけれども、もしそれが間違いがありましたら取消します。
#13
○甲斐委員 ただいまのお二方の陳述はきわめて明快であつて、事新しくさらにお尋ねする必要もないくらいであると思うのでありますが、一、二この機会にお尋ね申し上げます。公社となつて以来、設備の改善、サービスの改善等に公社側が非常な努力をせられて、長足の進歩というか、復旧というか、復旧以上に増設がなされておるということは、私の大いに敬意を表すところであります。今回の特にこの値上げの問題に関しましては、われわれの手元にも各団体あるいは国民各階層からいろいろの意見が申し述べて来られておりますし、陳情あるいは要望の形によつて盛んに刹到しておるような次第でございます。一方公社側といたしましては、拡充計画の必要さを強調して、これも当然のことではございますが、盛んに豪華なパンフソツトを配付しておるようでございます。これは皆さん御承知でいらつしやると思いますが、しかし小池さんも先ほどからおつしやいましたように、公社としての経営の内容が明確でありません。貸借対照表、財産目録等はもちろんでありますが、どういう経営内容であるかということが明確でないということでございましたが、実際そういうことについては、公社としては従来パンフレット等による活動をやつておるにかかわらず、皆さん方にはその内容がおわかりになるような方法、手段がとられているかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
#14
○小池参考人 私がバランス・シートの発表を希望いたしましたのは、これは経済界にある者は一つの会社を見るときに、必ずまずバランス・シートと損益計算書を見るのが常識であります。バランス・シートだけ見てもその会社の内容はよくわかりませんし、損益計算書だけ見ても十分でないのであります。全資産がどのくらいあるか、償却が適当なりやいなや、そういうことを判断するには、どうしてもバランス・シートもあわせ拝見したいのであります。その意味において先ほど希望を申し述べた次第であります。
#15
○甲斐委員 その御趣旨よくわかりますが、これまでにそういう要望に沿うような公社側の何らかの手段がとられておるかどうか、大体そういうことはなかつたのであるか、その点をお伺いしておきます。
#16
○小池参考人 実はこれは先日梶井総裁には申し上げましたが、近いうちに発表するというようなことはおつしやつておられました。おそらく再評価その他の問題がまだ決定しておられないために、御発表がないかと思う。そういう問題がきまりましたら、御発表あるものと期待いたしておりますが、ちようどこういう機会でありましたから、意見を申し上げた次第であります。
#17
○甲斐委員 ただいまの点よくわかりました。一千億以上の金を電信電話事業に対して国民は出しておるのでありますし、また主権者としての立場からも当然これは要求さるべき問題であると思いますが、ただいまお話のように、公社側が近く発表されるということであれば、この点は承知いたしました。
 それからただいままでの参考人の御意見を総合いたしますと、第一には、特に値上げ問題に関しましては、値上げの率が適当であるかどうかということ、第二は、この時期において値上げを断行することが妥当であるかどうか、第三には、値上げの率が公平を欠くところなきや、この三点に要約されると承知いたしましたが、さようでございますか。
#18
○小池参考人 私はその通りです。ことに私どもといたしましては、最後の料金の値上げの率に公正でない、非常に率の多くかかる人と少い人がある、この公平でないところを御訂正願いたいというのが、私の議論の一番の根本でございます。
#19
○甲斐委員 そこで証券取引所ではこの値上げによつて、年間大体どのくらい料金増になりましようか。
#20
○小池参考人 全国の証券業者の通信費は、今調べておりますけれども、まだまとまらないのであります。ただ東京の取引所と大阪、これがおもなものでありますが、これを調べました。あとは推定になりますが、数字を申し上げます。この数字は、東京に本店のあります百二十七社の昭和二十七年十月から二十八年三月までの最近の半期でございます。これの中で電話料の総額が七億六千万円であります。法人の電話本数は三千百一本であります。これをかりに倍数いたしますと、一年はその倍ですから、十五億ほどになります。それから大阪は約五億でありまして、この半期に二億五千七百万円を使つております。これは大阪に本店のある証券業者であります。ですから、東京と大阪を合計いたしますと、半期で約十億であります。そのほかに全国に証券業者が約八百ありまして、東京、大阪を除きますと六百十六ございます。しかし規模におきましては、東京、大阪に大体集まりまして、その東京、大阪が大部分を占めるのでありますが、ほかは推定になるからよくわかりませんけれども、東京、大阪だけで約十三、四億から十五億くらいになるのではないかと思います。それでこれが平均どれだけ上るかというようなことは、非常に複雑ですからちよつとわかりませんけれども、二割五分以上になることだけは確かであります。これは東京とか大阪だけの商いをしているもので、地方の商いをほとんどしない人は、先ほど申しました通りおそらく約八割の値上げになります。それから私どもの会社の例を申し上げますと、約三割の値上げであります。それで平均して五割と見ますと、年間六、七億は証券業として値上げになるのではないか、これは私どもとして非常な痛手であります。これは先ほど申しましたように、転嫁する方法がないのであります。手数料につきましては、むしろ引下げろという要望を大蔵省から受けております。
 なお御参考に私の関係いたしております山一証券株式会社の、二十七年十月から二十八年三月までの六箇月間の実際の数字を申し上げますと、過去におきまして、一箇月平均千二百四十万円を使つております。これをこのたびの値上率によつて計算いたしますと、一箇月約四百二十六万二千円、年間五千百十四万四千円の負担増となることになります。これの割合から申しますと、私どもよりはるかに負担が重くなる店がたくさんございます。それはたとえば主として東京都内にお客さんがあり、地方にお客さんのないというような業者の負担の率は、われわれのところよりもはるかに大きいのであります。
#21
○甲斐委員 ただいまの証券業界において莫大な支出増加になるわけでございますが、特にわれわれは中小企業者がこの値上げによつて相当の負担増となる、苦痛となるのではないかということを心配しておる次第でございます。増収は百三十五億となつておりますけれども、これは予算であつて、実際においてはもつと高くなるおそれも十分あるかと思います。先ほどからの御両氏のお話もありました通りに、物価は横ばいである。しかるにこうした値上げをやることによつて、物価の面に影響するところがきわめて大きいというお話がありました。そこで千金良さんにお伺いをいたしたいと思いますが、これが金額でどれだけの影響があるということは、数字的には言えないことでございますけれども、この値上げによつて、大体どうい4影響を通貨の面、あるいはインフレ増進というような面に及ぼすものか、一応御意見を承りたいと思います。
#22
○千金良参考人 お答えいたします。まず全体の物価の面につきましては、私に今調査がありません。しかしこれは公社の発表している数字があります。それから私の方の、自分の商売と申しますか、金融業、ことに普通銀行の場合について考えてみたいのですが、A銀行の二十七年度の下半期の六箇月間、その数字を申しますと、支払つたのが郵便料が三千百七十万円、それから電信料で支払いましたのが二千百十万円、下は省きます。それから電話料で支払いましたのが四千八百五十万円、合計一億一千万円、これが六箇月間の支出であります。今度の引上げの影響を考えますと、郵便料はすえ置き、電信料が三〇%で六百三十万円の増加、それから電信料は、基本料その他のすえ置きを見込みまして、残りは一〇〇%上る、こうなりますと、二千四百二十万円、合計三千六十万円という増加になると思います。これは実数でありますから、確かであります。結局約三割値上げになるわけであります。三割の経費増加ということになるわけであります。それから全国の普通銀行でありますが、この全体の数字、これは推定が入りますが、これによりますと、一年間の利息の収入は、二十七年度で約千五百八十六億円です。これに対して電信電話料の料金は、十四億四千万円支払つておることになつております。これが今度料金引上げによりまして、十八億七千万円になるであろう、これは推定でございます。従つて金利に対する通信費の割合は九毛一糸か、一厘一毛八糸になるという計算です。つまり金利平均二銭五厘と押えますと、そこでもつて約六毛七糸のコストがかかるということであります。約一厘弱であります。その数字は公社でもやはり調べたのがあるようですが、それによりますと、大体各銀行の電話料の増加は、これは銀行の大きさによつて非常に違うのでありますが、一番少いところで一九%、一番多いのは三八%、こういうことになると言つております。大体私どもの数字と合うのであります。一般物価に対する影響は、私ちよつと申し上げられないと思います。
#23
○橋本(登)委員 ただいまの千金良さんの御説明のA銀行の例ですが、銀行で三〇%値上げになるというお話ですが、これを條文では五十円が六十円になるということで、追加料金についてはすえ置きということになるのですが、そうしますと平均は一割三分ということになつておる。お宅のような場合は長文電報を使えばもつと少くなるのですが、どういう計算で三〇%になるのでありましようか。
 それからもう一つは、電話の使用総額が四千八百五十万円ということでありますが、そのうち基本料金を除いて、十割の値上げの計算をしておられるようですが、市内電話の面においてはそうなりますけれども、この点は使用料の四千八百五十万円のうち、市内電話の使用料と市外電話の使用料の区別があればお示し願いたいと思います。
#24
○千金良参考人 お答えいたします。実はこれはそれほど精密に計算したのではないのであります。あらましのところを数字を出したのでありますから、このうちどれだけが市内であり、どれだけが市外であり、長距離であるかということは出してないのであります。ただ前年の実数からして、電信料は三〇%の料金引上げ、それから電話料はその基本の料金だけ除いて、あと一〇〇%、こういうふうな数字を出しております。もとよりお説の通りこれを精密に調べると、このうち幾らかということが出て来るのですが、その点はやつておりませんので、御了承願いたいと思います。
#25
○橋本(登)委員 千金良さんは銀行家でありますから、一厘一毛非常に重大だろうと思います。そこで電信料の場合は、今度の基本料金が二割の値上げになります。その他の五字追加についてはすえ置きになると思いますから、全国平均では一割三分と思うのですが、銀行の場合は、使う度数が多くなれば、一割三分以下にならなければならない。平均といたしましては一割三分です。従つて三〇%と一二%とあまり開きがありますから、その点疑問を感じたわけであります。なお銀行の場合は、市内の利用も多いでしようが、支店との通話が多いのでありますから、地方との通話数が多くなれば、たとえば電話料の半分が市外通話、こういうふうになりますと、市外電話料の値上率というものは大体において三割、約三〇%の値上げになつておりますから、総平均いたしますと十割の値上げ、一〇〇%の値上げという計算では、あまり額が違つて来て、影響力を大きく見過ぎはしないかと思うのですが、あなたの言葉は銀行家でありますだけに、われわれとしましては非常に計数上重大視して考えておりますので、その点疑念の点をお聞きしたのであります。
#26
○齋藤委員 小池さんにちよつとお尋ねいたしたいのでありますが、この電電公社の資金計画の中に、昭和二十八年度、国際電気通信株式売却代三十二億とあるのですが、これは額面売却であろうと思いますが、これは市価どのくらいかということはまだおわかりになつておりませんか、ひとつ伺いたいと思います。
#27
○小池参考人 これは市価はわかりません。と申しますのは、これは先般大蔵省が所有のものを売り出しました。しかしこれは二年間売却を禁じておるのですが、従つてどのくらいの時価か、やみ気配も出ておりますのでわかりません。
 先ほど橋本さんの千金良さんに対する御意見がありましたが、私どもも経営会社として実際この四月、東京都内における本店と営業所、支店の実際支払いました数字と、それと同じ度数を使つてどういう計算になるかというのを計算いたしましたから、御参考に申し上げます。公社の方でも御調査くださいましたが、私どもの方の数字は私どもの本店のみならず都内の支店並びに営業所が入つております。それから公社の方のお調べと違います数字は、公社のお調べによりますと、市外分の予約電話料というものが御計算になつておりません。これは私どもは計算に入れまして、四月の実績によりますと、四月は証券界としましては、中の市況であります。非常に忙しくもなければ非常にひまでもない。A証券会社の東京都内における電話の加入数が百二十八本であります。それで市内分が、実際払いましたのが四十六万九千円であります。それが同じ度数を使いまして、今度の値上げによりますと七十九万九千四百九十円になります。差引三十三万二十四円の増となりました。この率は七〇・三%であります。それから市外分は定時通話料、予約通話料、専用料、テレタイプ、みな寄せまして、四月に実際払いましたのが三百大十三万九千五百二十円、これが同じ度数を使つたといたしますと四百七十六万五千八百十円、差引百十二万六千二百九十円、この値上率は三〇・九%の増であります。市内、市外を合計いたしまして三五・四%の増であります。御参考に申し上げます。公社の方の御調査では、これが二三・二%の値上げだということになります。おもなる違いは、公社の方の御調査では予約電話料が入つておりませんので、これは公社の方の何かの思い違いによる数字だと思います。
#28
○橋本(登)委員 小池さんに御質問申し上げます。ただいまの数字は大体正確な数字であろうとわれわれも思います。ただおそらく公社の方は、専用線の一七・三%ということを加えてやつたら二十何パーセントになつたと思います。専用線の今度の値上りが一七・三%になつております。
 そこでお聞きしたいのは、今度の公社の原則は、建設五箇年計画を行うためには、どうしても政府の預金部資金、もしくは政府出資金をもつてしてはまかないきれない。そこで、もちろん政府に対しては今後とも出資を希望すると同時に、一般公債その他によつてまかなうのであるが、なおそれでも不足であるから、一部を電話料金の収入の中からやつて行きたい、こういう考え方であります。従つて総体の値上げの率といたしましては、度数制のごときは十割の値上げになつておりますが二割五分の値上げをやつて行きたい、こういうような考え方から今回の案が現われて来たのですが、その五箇年計画並びに全体としての実収二割五分程度の値上げというものは、現在の電信電話の状況から見て、やむを得ざる値上げであるとお考えになるか。それともこの際はたとい電信電話の復旧が困難であつても国民経済の現状から見て、値上げを思いとどまるべきであるかどうか。あるいはまた先ほど来の御陳述によりますと、大体値上げはやむを得ないと思うが、もつと公正なる値上率をつくつてほしいということに重点がおありになるのか、この点お聞かせ願いたいと思います。
#29
○小池参考人 ただいまの御質問は、先ほど陳述いたしました中で申し述べたつもりであります。実は電話のサービスがよければよいほどこれに越したことはないのであります。そのために増設が簡単にできればもちろん賛成であります。ただ問題は、日本の国力とのにらみ合せだとか、資金の問題であります。私は先ほどはこの問題につきましては自分の結論を申し上げずに、この委員会で結論を出していただきたいというふうに申し述べたのでありますが、私の陳述の重点は、やむを得ず現在の値上げをするとすれば、その値上げの率の負担の公平ということだけに重点を置いたつもりであります。最初のこのくらいの値上げはやむを得ないだろうかどうかという御質問に対しましては、これは日本の経済事情が許しさえすれば、やむを得ないと申し上げるよりしかたがない。あとは私の議論の中心は、むしろ今の二割五分を認めたといたしまして、その料金率が非常に不公平である。非常にたくさん使う人と少く使う人と非常に差がある。結果的には非常にたくさんの度数を使う加入者の負担において、新しい建設をなされる、あるいは二十五万円の一つの新設をするためには、大体平均度数を使つてもらわなければというお話でありましたから、すなわち一日に八度以下を使われる方は、どこかが補助しているわけです。その補助を、電話をたくさん使う人の負担においてしているという結果になると思います。これが私どもの最も不満とするところであります。
#30
○橋本(登)委員 私は、実は証券会社というものは――ただいまのA会社ですが、これは相当大きな会社でございましようが、市内度数の料金というもがかなりの金額になつておると思つたところが、ただいまのお話でありますと、証券業者のAは、四月の度数使用料が四十六万九千円、なお市外に使われる金が三百六十三万九千円、そうしますと、大体において十割値上げになり、市内度数料の支払い料金は、市外電話の支払い料金の一割三分程度である、こういうことになると思います。われわれこの間から証券業者の陳情を聞き、商工会議所の陳情を聞きまして、ことに東京の証券業者は、市外電話料金に比して市内の度数料金の支払いが厖大になつておるのではないかと心配しておつたのですが、ただいまの小池さんの御説明によりますと、市外電話料金に市内度数料の約十倍に近い金を支払つておられる。この方面の値上げは、小池さんの方でお調べのごとくに約三〇・九%、三一%に近い数字になつておる。しかし市内度数料におきましては、平均七〇・三%の値上げになる、大体その通りであります。われわれが心配しておつた証券業者のような市内電話を使う量が非常に多い会社において、なおかつ市外電話料金の十分の一強にすぎなかつたということを知つて、非常に参考になつたのであります。しかしそれにいたしましても、度数制度における十割の値上げということは、大きな痛手であろうと思うのでありますが、なおこの問題については、アメリカなどでは多数度数使用者に対して逓減制が行われております。もちろんこの法の法案にこの制度は出ておりませんが、外国で用いられておる逓減制度の考え方について、この際御意見をお述べ願いたいと思う。
#31
○小池参考人 橋本さんのただいまの御説のように、市内と市外の比率はまさにその通りであります。しかしながら市外電話をこのように使う会社はごく限られていて、数が少のうございます。大多数の業者は市内でありますが、これは絶対数よりも、増加のパーセンテージから行きますと非常に多い。A会社におきましては七〇・三%の値上りでありますが、これはPBKの加算額が入つておるのであります。ですからPBKを持つていないような業者にとりましては、これはおそらく八〇%くらいだと思います。これは絶対量というよりも、むしろ増加率について私は御考慮を願いたいと思います。それから逓減制の問題は、私は先ほどの陳述でも申しましたけれども、ぜひお願いしたいのであります。アメリカにすでに例がございます。度数制の料金をうんと下げるか、あるいは逓減制、いずれかを御考慮願いたいと思います。
#32
○成田委員長 ほかにございませんか。――ではどうもありがとうございました。
 次に篠原登君にお願いします。
#33
○篠原参考人 ただいま委員長から御紹介にあずかりました篠原でございます。電信電話は機械並びに設備が非常に厖大でありまして、その建設、保守に当りました多年の経験から、皆様方に御参考になればと思いまして、これからそれを中心としましてお話申し上げたいと思います。
 電信電話の技術は非常に進歩して参りまして、最近では御承知のようにテレビジヨン・超短波というような技術がありますが、これを規制する法律は明治三十二年の電信法であります。また明治二十三年の建設條例というのを読みかえまして、電電公社は一箇年電柱の使用料として四銭の手当を払うというようなことになつておりますが、これはずいぶん時代放れしたものでありますから、今度面目を一新しまして新しい三法案が国会で審議されますことにつきまして、敬意を払うものであります。
 さて、私が終戦前後ずつと電信電話設備の建設、保守に当りました経験からこれを考えてみますと、当時戦災によつてやられました電信電話設備は半分以上であります。めちやめちやにやられまして見る影もなく、電話はほとんど通じなかつたと言つてもよいくらいであります。八箇年営々努力の結果、現在相当程度回復したということは、これは関係各位の絶大なる御努力の結果でありまして、もしかこれが会社であつたならば、もうすでに参つてしまつたとさえ考えられるのであります。ただいま電電公社においてお持ちになつております設備は、ちよつと気がつきませんけれども、これをしさいに点検しますと、その用に耐えない機械がたくさんございます。たとえば東京の自動交換機のようなものは、大正十二年のあの震災直後に初めて採用されたものが、いまだに三十年も経ました現在使われているような状態であります。また戦争中は重要物資が軍にほとんどとられたために、鉛とか銅とか、こういう物資が電信事業にまわつて来なかつた。そのために、もうあと三年持てばよいというような設備をたくさんしたのであります。たとえばケーブルと申しまして、電話線をたくさん入れてある設備、それが鉛をかぶつておりますが、鉛の厚さを半分以下に減らして不足を補う。また銅が足りないから、やむを得ずアルミ線を使う、またコムみたいなものをその上に巻いてケーブルの代用に使つた。そのほか電柱は防腐剤を注入して使うのでありますが、そのいとまもないので、十何万という電柱が、生のまま建てられるとすぐ腐るのはあたりまえであります。こういうような戦争中また戦後の状態のみならず、各製造業者の立ち上りがおそかつたために、自動交換機のごときは非常に質の悪いものが納められて、たとえば広島のごときは、そのために非常に苦心をし、あるいは大阪のある電話局のようなものは設備が古くなりまして、そのため過熱して遂に火事を起すというようなことにまで至つたのであります。こういうことを考えますと、終戦後八年、曲りなりにもどうやら現在までたどたどしい足取りをもつて復旧しました設備が、実はその中に多くの弱点を包蔵しておるといいましても決して言い過ぎではないのであります。このために相当な今後の手が打たれなければ、おそらく通信施設は使いものにならないような部分が方々に発生するであろうことを私は憂えるのであります。
 その次に申し上げたいことは、電信電話と申しますものは、大きな電話局が必要であり、またたくさんのケーブルが必要である。あるいは市外線におきましては、中継機というものが必要である。いろいろ考えますと、ちよつと気がつかないようなところに厖大な設備があるのでありまして、これを専門的に申しますと、基礎設備と申しております。この基礎設備というものがあつて初めて、各事務所あるいは家庭に電話機をすえつけて話ができることは御承知の通りでありますが、終戦後加入者の数が四十七万、現在では百五十五万だそうでございますが、すでにこの間三倍以上にふえておりますけれども、基礎設備の方がほとんど完全といつてもいいほど行き詰まつておるのであります。たとえば従来の磁石式と申しますか、多少専門的にわたりますが、その設備が行き詰まれば、それを共電式にかえて行かなければならぬ、そうしなければ加入者を収容できない。またさらに一歩進めて、自動交換にしなければ、加入者を多数收容できないというようなことでありまして、その間私どもが建設、保守の面においていつも考えるのは、この基礎設備の充実という点でございます。ある人は日本の経済状態はまだこの先どうなるかわからぬから、長期計画はむだだ、ここ一年さえしのげばいいというようなことを言われますが、ここ一年しのいだならば、来年は全然電話はつかない。ことし基礎設備を設けておいて、それが来年、再来年できる。どうしても五箇年くらい先を計画しておかないと、現在はよくても、来年、再来年、その次の年、五年目には全然行き詰まつてしまう、こういう状態でありまして、ここに長期計画の必要性が生ずるのでありまして、現在東京、大阪等でおそらく何十という局が行き詰まつておると私は大体想像しております。
 その次に申し上げたいことは、技術の進歩でありまして、これは当然改良を伴うものであります。ただ単に設備の拡充、拡張ということばかりではありませんで、どうせ古い設備では用を足せぬ。あるいは用は足せても、サービス上には不備な点がある。新しい設備に移行して行かなければならぬというような、日進月歩の電気通信におきましては、そこに改良ということが非常に重大になつて参ると存じます。でありますから、たとい建設費と申しましても、それがただ新しくつくられるのではなくて、古い設備のより新しい設備への移行というような意味におきまして考えますときに、この改良ということが非常に大事になつて来るのであります。今回郵便省あるいは電電公社におかれまして、いろいろ料金の値上げ等も検討されておりますけれども、たとえば簡単な話で、私個人のことを申し上げましてはなはだ失礼でございますが、私のうちの電話機一個ございますが、これはおそらく建設費二十五万円、あるいは三十万円くらいかかつております。私毎月払う電話料は千円足らずであります。一年間の電話料は一万二千円以下でありまして、これが二十五万円の比率をとりますと、わずかに五%以下の金しか、建設費に対して、私は少くとも払つておらぬ。これでは二十五万円の利子の払いにさえもならない、わずかにその五%の中から、おそらく営業費、減価償却費、資本利子というようなものをとつたらば、これはとうてい公社ではやつて行けないということはもちろんでありますが、たまたま私のうちが個人のうちでありますから、そういう現象が起りますが、平均してたとえば一年間の料金収入が四万五千円といたしましても、その中から営業費あるいは減価償却費等を引抜いたらば、おそらく利子まで払うことはとうてい不可能であろうと考えます。おそらくその間、全体の建設費の五、六分程度の赤字、すなわち一万五千円くらいの赤字ができるのではないかと私は存じます。終戦まではずつとほとんど減価償却もしておりません。これは官営事業でありますから、もちろん資本利子なんかもほとんどわずかでありますから、現在辛うじてやつて行けるのでありますが、これから先のことを考えますと、とうてい現在の料金では、私は率直に言つて無理じやないか、こういうふうに考えるのであります。公社におかれましては、いろいろ研究しておられるようでありまして、経費の合理化、たとえば進駐軍の総司令部が非常に厖大な組織を、当時私がおりましたら、私は押しつけられたのでありますが、その組織をきわめて簡素化されて、現場にたくさんの人をお出しになつて、そうして何十億というような合理化をはかつておられますが、この合理化だけで値上げを相殺するということは私は不可能であると考えます。いろいろ今までお話が出ましたが、たとえば度数制に逓減制をしいたらどうかというようなお話もただいま出たのでありますが、これはアメリカのように設備が十分ありますところでは、私は可能と思いますが、日本ではだんだん安くなりますと、むやみに電話をかける。そうしますと話中ばかり多くなりまして、今の状態で逓減制をとることは、おそらく技術上無理であり、もつと設備が普及して来れば、もちろん逓減制ということは私は非常にいい方法であると考えますが、現在ではそういうことは無理になるというような気がしてならないのであります。大体戦争前は封書の郵便料金が三銭でありましたが、電話料金も三銭、大体そういうように、たとえば都電とかあるいは封書の郵便料金と大体コンパラブルに進んでおりますので、私はそういう意味におきまして、何もそれだけにとらわれるわけではありませんけれども、この料金値上げは妥当ではなかろうかと考えます。
 その次に私が申し上げたいことは、国民の皆様方、私も国民の一人でございますが、私専門家といたしまして、電話の御利用を切にお勧めいたしたい。と申しますのは、一々現場に出かける、その間の貴重な時間と労力と経費、これは厖大なものでありまして、いながらにして遠隔の地とごく簡単に結論を得られるということにおきまして、電話の利用ということは、非常な生産の向上であり、経済の能率化であろうかと私は考えます。たとえばこの前人からちよつとお聞きしたのですが、従来専用線がなかつたときには、月に二回くらい東京の本店と大阪の支店とを往復しておつた。ところが専用線の設備ができてからもうほとんど四、五年も、その要件のために行かなくても済んだというようなことも聞いております。このような電話の偉大な効力ということが、現在まだまだ日本では了解されておらないというふうに考えますので、この際電話の効用を私は強調いたしたいと思います。
 それからもう一つ申し上げたいことは、たとえば私が電話を持つております。そうして今度ある離れたところの村でも町でも、そこに電話が新しく引けた、こういたしますと、その新しく引けた電話は、その町だけの利用ではありませんので、東京にいる私がその十里なら十里離れた町の電話を利用する権利があるというとおかしいのでありますが、お互いに電話は相手があるものでありますから、電話がふえることによつて利益するのは、ふえたところの人ばかりでなく、従来電話を利用しておつた人が利益を得る、その利益は相当なものであろうかと私は思いますだんだん区域が併合されまして、たとえば東京でも荻窪、世田谷、それから松沢等は、元は東京都内の電話と全然別でございましたが、最近都の中に編入されたということは、非常に大きな利便であろうかと存じます。こういう意味におきまして、現状におきまして電電公社が料金を値上げされることは、きわめて妥当な線であろうかと私は考えます。むしろ去年、一昨年あたり値上げすべきものが今まで延びたのは、非常に残念であるとさえ考えるのでありまして、よく今までああいう安い料金でやつて来られたということに対して、敬意を払う次第であります。
 しかしながら私は電電公社にお願いがあります。それはこの際、サービスの向上ということがよくいわれますけれども、これをいま一層努力していただきたいということであります。電話のかかる率はだんだんよくなつて参りましたが、まだ百十七番、特に百十八番等は全然かからぬ場合がありますが、そういう面におきまして、一層のサービス向上に御努力をいただきたい。最近漏れ承るところによりますと、東京、名古屋、大阪はこの秋から即日通話になるというビツク・ニュースを風のたよりに伺いまして、私非常に敬意を払う次第であります。従来無装荷の六通話を二十四通話にふやしてこういう設備をされたということは、非常なサービスの向上になろうかと私は思います。そのほか電電公社にお願いしたいことは、単に値上げするばかりでなく、もちろんサービスのこともお考えになつておるのでありましようが、いま一層国民の利便を増すように御努力あらんことをお願いするわけであります。
 最後に申し上げたいことは、電話を保守することが非常に困難であるということでありまして、たとえば東京、福岡間の一対の電話に対しまして、おそらく真空管が二百以上入つておるであろうと私は想像いたします。まはハンダを当てるところが、おそらく二、三万になつておると考えます。このハンダが一つだめになつても、東京、福岡の電話が不通になるということを考えますときに、この電話の保全、保守ということは、非常にむずかしい問題である。自動交換のたとえばスイッチをとりましても、何百という部分品からなつておる。でございますから、公社におかれましては、どうぞこの保守の困難を十分お考えいただきまして、この向上をはかつていただきたいのであります。たとえばPBXにおきましても、これはどういうふうに御決定になるか存じませんけれども、保守の一貫性という点からやはり問題があるのでありまして、願わくはどこまでもこの保守という技術的の立場を十分に御了解いただきますようにお願いする次第であります。わが国の電話の普及率は、前々言われている通りで、公社では世界で二十二番目と言われておりますが、この前ある人がある席で、いやそれは違う、四十三番目だというようなことを言つておりましたが、そうすると、また二十番くらい下つたのでありまして、はなばな心細い次第でありますが、二十二番というのは、重要な国だけ考えたのだが、あらゆる小さい国まで入れると、日本の普及率は四十三位という、まことに情ない状態でございます。この際電電公社におかれましては、ちようど公社発足一年になりますので、わが国の電信電話の進歩発達のために、この機会に今案ますますその実績を上げられますようにお願いする次第であります。以上をもちまして私のお話を終ります。
#34
○成田委員長 次に友光正昭君にお願いします。
#35
○友光参考人 私はこの三つの法案の條文の改正についてはあまり興味もありませんから、もつぱらこの料金の改訂について私の意見を申し上げたいと思います。なおお断りしておきたいのは、新聞社は割合に大口の電話利用者でありますから、この電信電話料金の改訂ということについては、非常に関心を持つているのでありますが、私は実は実際にどの程度の影響があるか、新聞社として、あるいは私の方の社についてもそうでありますが、そういうことについてはほとんど知りませんので、そういう大口の利用者としての新聞社という立場を離れて、少しなまいきになりますが、国民経済的に見て、今度の料金改訂についての考え方を申し上げたいと思います。
 私は今度の料金改訂には賛成いたしかねるのでありまして、反対であります。わが国の現在の電信電話の設備、従つてその能率が非常に悪いということは、定評があることでございます。従つてこの設備の改良あるいは増設をすることは、私の双手を上げて賛成するところであります。また現在の電信電話料金が、いろいろパンフレットなんかにもありますように、他の諸物価に比較して安いということは、これも明らかであります。これまで低物価政策というふうなのもによつて、こういう官業あるいは公共企業体の料金が押えられて来た。ある場合には不当に押えられて来たということも明らかな事実であります。それにもかかわらず、私が今回のこの料金改訂に反対する理由は、第一に、一口に言つて二割五分という値上率であります。これはむろん電電公社全体の収入増加の割合でありますから、非常に大ざつぱなものでありますが、それにしてもこの二割五分という大幅の引上げは、現在物価が大体横ばいというふうなことがいわれており、しかも物価の引下げということは、現在のわが国にとつて何をおいても強力に実行して行かなくてはならぬという際に、これはやや無謀に近いじやないか。たとえて申しますと、朝鮮事変以来わが国の物価は五割上つたといわれております。そしてこの五割上つたということが、わが国の経済のあらゆる困難の根本にあるというときに、その五割の半分に当る二割五分を一挙に上げるということは、これは口では簡単に二割五分と申しますが、インフレのどんどん進行している最中でもありますればともかく、ただいま申しましたように現在物価は大体横ばいの傾向にある、しかも今後下げなくちやならぬというときに、二割五分というふうな大幅の引上げをすることについては、どうしても納得しがたいのであります。麦の値段を一%か二%上げるということが、あれほどの大きな問題になつているときに、少し極端に申しますれば、この二割五分の値上げはむちやだという感じさえしないわけでもないのであります。そういう意味で全体として見て二割五分の値上げというものは、非常な重大な問題であるという点において、まず第一に反対せざるを得ないのであります。
 それから第二には、先ほど来いろいろお話がありましたように、公社の収入全体として二割五分であります。その中で電信電信をここに取上げてみますと、値上げと申しますか、増収と申しますか、その率は非常に違つておる。そしてそれが電話に非常に大きくかかつて来ている。収入全体から見ましても、電話料でなく、度数制使用料は五割三分も値上げになつている。電話はそのほかいろいろありますが、この一番大事な度数制使用料は五割三分の値上げあるいは増収になつている。しかも先ほど来小池さん、千金良さんからお話がありましたように、使用度数の多少によつて負担の増加する割合が違う。非常に大きいところもあれば、非常に小さいところもある。先ほど来のお話でもよくわかるのでありますが、非常に大きいところ――あるいは新聞社なんかそうかもしれませんが、証券会社というふうなところは、市内とか市外とか専用線とか、いろいろ含めて実際の電話料の負担増加率は、必ずしもその度数制の使用料の五円から十円といつた引上率と一致しない、実際にはそれよりかなり低いようでありますが、これは一つにはそういう非常にたくさんの電話を使う使用者は、そのほかにいろいろな市外とか専用とか、そうした度数制以外の使用がある、そういう点から大体来ているのであります。そういう度数制以外の料金を払う便宜といいますか、あるいは必要といいますか、そういうもののない使用者、しかもそれで月に六十回以下でなくてある程度使うもの――非常に漠然たる言い方で申しますと、たとえば中小企業といつたところでは、実際には非常に大きな値上率になつている、五〇%、六〇%の負担の増加になつている。こういうふうに今度の値上案が反対されている中心は、ほとんど電話料金にあると思うのですが、こういう点から見ますと、この電話料だけが取上げられて非常に反対を受けているというのも、むしろ当然であるという気がするのであります。
 さらに第三には、以上申しましたように二割五分という点からいつても、あるいはそのうちで、たとえば電話が非常に高率の値上げ、負担増加になるという点、この二点から賛成し得ないのでありますが、これがどうしても必要やむを得ない値上げかどうかという点について考えますと、これについてまたさらに疑問が起るのであります。と申しますのは、この料金引上げによつて得た収入は、建設資金あるいは改良資金に使われるという点であります。この点については実はいろいろ公社の方にも伺いましたが、どうもこんがらがつているところがある。なぜかと申しますと、最初これは私たちの聞き方が悪かつたのかもしれませんけれども、今度の値上げをしないともう改良はできない、あるいは今度の値上げは改良のためだというふうに、早のみ込みかもしれませんけれども、聞いておりました。ところが実際に見ますと必ずしもそうでない。と申しますのは、パンフレットにもありますが、現在の料金改訂案によりますと、本年度の収入増加は百三十億でありますが、そのうち五箇年計画に資する繰入れは七十六億円であります。ほかに特別償却引当金というものがある。これは性質はこれまた多分に検討すべきものと思いますが、これは一応別といたしまして、純然たる建物勘定への繰入れが七十六億円、つまり今度の改訂案による増収の中の約半分は建設のための資金であります。さらにこれは本年度は八月以降――つまり年度の三分の二でありますが、八月以降のものだけでありまして、来年度においては建設繰入金は百五十九億円という数字が出ておる、八箇月で百三十億円でありますから、一年にすると大体二百億円、そのうち百五十九億円、四分の三以上が建設勘定に繰入れられるわけでありますが、こういうふうな建設資金をはたして料金の引上げによつて調達していいものかどうか、これは公社の方に伺いますといけないという定説はないそうでありますが、少くともこれは原則としては料金によつてまかなうべきものじやない、借入金、社債あるいは政府の出資でもけつこうでありますが、そういう外部資金によつてまかなうべきものであろうと考えるのであります。それは何も電話に限らず、この前の国有鉄道の料金引上げのときも同様でありますが、こういうふうなものは本来料金収入によつてまかなうべきではない。そう申しましても一銭一厘建設勘定に入れてはいけないとまで私は主張するものではないのでありまして、たとえば利益が出た場合、それを建設勘定に繰入れるというふうなことは当然さしつかえないことでありますし、また電話料金というものが現在においては確かにほかの物価に比べて低いという点から見て、これをある程度上げて、その一部を建設費に繰入れるというふうなことは、必ずしも反対するわけではないのでありますが、少くともこの料金引上げによる増収の三分の二というものは建設勘定に繰入れる、それによつて建設資金を調達するということは、これは本来の行き方ではないと考えるのであります。しかもこの五箇年計画の資金計画というものを見ますと、ことしは年度途中でありますから別としまして、来年は百五十九億円の繰入れ、それに対して、公募債券または政府借入金というものが百六十億円あります。ところが、昭和三十年度以降というふうになりますと、建設繰入金は大体百五十億円台を維持しておりますが、公募債券または政府借入金というものはだんだん減つて行つております。三十年度が百十一億円、次が六十八億円、三十五億円というふうに非常に減つて行つておるのであります。これはなぜこういうふうに減らすのか。もちろんこれはそのときになつてみないと、はたしてどれだけの債券が発行できるかわかりませんけれども、少くともこういうふうに債券の方を減らして、それを、絶対額はふえておりませんが、繰入金の方でまかなう、穴を埋めるというふうなことが、なぜこれで必要なのか。来年度百六十億円、これを調達することはむろんなかなか容易なことではないと思いますが、とにかくそれをだんだん減らして行くというふうなことは、先ほど申しました建設資金というものは料金でまかなわずに、借入金でまかなうべきだという点からいつて、これは私のふに落ちないところであります。資金計画で見ますと、所要資金というものも来年度が一番多い、その来年度を目標にこの料金計画を立てたのじやないかというふうな気もするのであります。そういう点、この料金引上げによつて建設資金をまかなうという考え方、それに私は納得し得ないのであります。建設資金は、原則として借入金によつてまかなうべきものである。しかし現在では、借入金と申しましても、公社自身ではとうていこの全部を調達するというわけには行かないのでありまして、その点は政府において、あるいは大蔵省方面において、この公社の資金調達に最大の援助を当然行うべきであつて、今度も、前国会における一割引上げといつたときと今度と比べますと、公社債の発行とか借入金とかいう外部資金が減つて参りました。そしてそのために、その減つた分を何やらこの料金引上げで埋めるというふうな感じを与えるのでありますが、これは非常に間違つたことだ。料金引上げ分は、借入金、外部資金によつてまかなうのが当然であつて、政府の方の穴埋 めを加入者にかぶせるということは、これはどうしても納得できないところであります。
 そこで、それならばこの料金引上げをやめて一体どうするか、そしてはたしてその料金引上げをやめた場合、あるいはこの二割五分を減らした場合、どういうことになるか。大ざつぱに考えますと、この五箇年計画の所要資金総額は二千七百七十二億円になつておりますが、そのうち建設繰入金というのが六百九十八億円、大体二割五分がこの建設繰入金によつて調達されるわけであります。かりにこの建設繰入金を全部なくしたと見ますと、この所要資金は二割五分不足するわけであります。そのうち先ほど申しました公募債券発行、あるいは借入金、これを先の年度に行つてこういうふうに減らさずに、来年度と同じ程度のものを見込めば、この二割五分というものはもつと減るわけであります。二割とかあるいは二割以上になるわけであります。そうしますと大ざつぱに言いまして、二割所要資金が足りない。そうしますと、五箇年計画が大体一年延びるというふうなことになる。これは非常に大ざつぱな考え方でありますが、そういうことになるのであります。そうして現在の五箇年計画、これは非常にけつこうな計画であります。もつともこれには建設資金の見積り等、いろいろ問題はあるのでありましようが、とにかくこの改良拡張計画というものは非常にけつこうなことでありますから、これを実行するために、もつと借入れあるいは債券の発行、あるいは政府の出資といつたふうなものを増額する、そしてこの五箇年計画を完遂する、これが最も望ましいことであります。しかしかりにそれができないとしますと、これはやはり五箇年計画というものが一年程度、あるいはもう少しになるかもしれませんけれども、その程度延びるということは、これはやむを得ないのではないか。われわれ一日でも早く電話施設が、もつと楽に加入もでき、あるいは通話もできるという状態になることが非常に望ましいのでありますが、それが料金引上げをしない限りできないとすれば、多少そこはがまんして、料金引上げは現在のような、二割五分というような、しかもその内容を見ますと、非常にでこぼこがある。不均衡があると言つていいかどうかわかりませんけれども、とにかくでこぼこがある。こういう無理な料金引上げをしないで、一年くらいだつたらがまんしようというのが、私の考え方であります。もちろん私は一文の値上げもいかぬというのではありませんが、今申しましたような理由によつて、今回の料金引上げには賛成いたしかねる。それについて前国会で一割の料金引上げを前提としました予算が出ましたけれども、あの場合には今度のような輿論の反対が起らなかつたということは、これは一割という数字はともかくといたしまして、とにかくこれは大いに考うべき点ではないかというふうに考えるのであります。私の意見は大体その程度であります。
#36
○成田委員長 次に粕谷美彌子君にお願いいたします。
#37
○粕谷参考人 私は本日ここに出まして、主婦の代表といたしまして、今回の電話料金引上げの問題に関して参考意見を申し上げるものであります。
 専門的な立場から今まで皆様がいろいろと御検討になり、御意見がございました。私どもは家庭の主婦であります。その立場から考えまして、今度のこの値上げも、この前の新聞紙上峰読みまして、このような大幅の値上げを断行されるような状態に置かれましたならば、今後公益事業である電話料金の値上げに、また公益事業の電燈とかガスとか、そういつたものが追随して参りまして、私どもの生活を脅かすのではないかと不安に感ぜられたわけでございます。戦後私ども主婦の生活は非常に苦労が多うございまして、いろいろと苦しみ悩んで困窮の生活を続けて参りましたものでございます。幾回もの電燈料金の値上げ、またはガス料金の値上げなどを経まして、ここにおきまして相当のおちつきを得まして、私ども主婦は生活の安定感の中にどうやらおちつきをとりもどしたのでございます。そういうようなときに、今回の電話料金の値上げは、私どもの生活をまたいろいろな面で脅かすのではないかと危惧されるものでございます。そういつた立場から考えまして、このような十割にも相当する大幅な値上げは無謀であり、暴挙であるとまで考えるものでございます。私は一主婦の立場から、今回のこの値上げをこのように考えているものでございます。しかし私は現在豊島区の区会議員をしているものでございます。そして私のまわりの現在の電話事情を一通り申し上げますと、ここにまた違つた角度からお考えいただけるものがあるのではないかと思うのでございます。私自身も今まで申し上げました意見とまた違つた考えも一つは申し上げなければならない状態に置かれているものでございます。
 私どもの住まいしております豊島区の雑司ヶ谷の近辺は、都内でも電話事情の最悪條件の場所かと思われます九段局でございます。私どもの町内の人たちは、昭和二十五年電話の架設に対しまして、非常な要望をいたしまして、多数の署名によりまして電話局に対して陳情を続けて参つたものでございますが、現在に至りましてもほとんど新架設を得ることができないのであります。私は二十六年四月に区議会の議員として当選いたしまして以来、幾度かにわたりまして九段局に行き、区議会議員としての活動を円滑ならしめたい願いのもとに、るる窮状を訴えたものでございますが、九段局は線がないからだめだという一言のもとにはねつけられまして、現在に至り、私の仕事は心身ともに疲労の極に達しているのでございます。また私の先輩はこのたび教育委員として当選されました。その方はお年寄りでございまして、おうちには女中さんもいないのでございます。しかしこういう仕事は懸命になさつて、非常に熱心な方でございます。その方も電話がございません。どうかして電話の架設をと願い出ても、私同様現在に至つても何の希望もいれられない状態にあるのでございます。現在私どもの町内におきましては七百戸世帯がありますのに、たつた十軒に電話の架設があるだけで、それを使用するにあたりまして私どもの苦労は並たいていではないのでございます。役所の方から電話が参りまして、取次いでいただいて電話をかけるまで十五分もかかる、そういうぐあいで、あちらでも非常に忙しい中を私どものところへ伝達に来てくださる。そういつた苦労の中で、私どもは非常に困却いたしているものなのでございます。
 そういう立場から考えますと、今後私どもの生活が、この無謀に近い倍額の値上げによつて脅かされる限度に対しては、私はこの電話料金の値上げに賛成はできかねるのでございますが、現在私たちが置かれております電話の架設ができないという悪條件が、もしも少しでも緩和される状態に置かれるのでございましたならば、先ほど来専門家の方々、たとえば証券業の小池さん、それから銀行側の方たちのいろいろな御意見の中にもございますように、値上げ絶対反対というわけには行かないのではないかと考えるのでございます。ほんの少額の、国民一般の方たちの納得の行く程度の値上げがございましたならば、しかも私どものこの悪條件を何とか緩和していただけるような状態の値上げでございましたならば、私どもはあえてこの値上げに絶対反対するものではございません。そういう意味合いから、私は電電公社に対し、またこの委員会に対して、賢明なる御処置をお願いしたいものでございます。私は一主婦でございますので、料金値上げに相して専門的な研究はして参りません。雑駁な意見ではございますけれども、私は参考意見としてこれだけ申し上げるのでございます。
#38
○成田委員長 参考人の三君に対しまして質疑がございましたならば、これを許します。松井政吉君。
#39
○松井(政)委員 篠原参考人にお伺いいたしますが、篠原さんは専門家でありますので、今の電電公社の経営形態、それから公社組織であるということも十分御研究の上述べられた御意見だと考えられます。技術的なことはわれわれもよくわかるのでありますが、御意見を拝聴いたしますと、要する電話の設備を改良しなければならない、建設をしなければならない、戦争の跡始末の復興をしなければならない。ごもつともでございますが、一体公社組織の経営形態のもとにおける建設資金、改良資金等は、ただいまのような値上げをしなければならないという根拠の上に立つのが妥当だとお述べになつているのかどうか、この点をまず第一点としてお伺いいたします。
#40
○篠原参考人 ただいまの御質問に対しましてお答え申し上げます。もちろん値上げ以外に国家資金なり何なり建設にまわす金があれば、私はそれでもよいと思いますが、たといそういう資本を借り入れたといたしましても、借り入れいたしました利子がはたして今後値上げせずに払えるかどうかという問題は、私は相当疑問じやないかと思います。それから建設と申しましても、これは単なる新しい建設ということでございませんで、おそらく改良という点がおもなる問題かと思います。たとえば手動交換から自動交換にかえるということになりますと、旧来の加入者が全部新しい加入者にただ振りかえになるということになりますから、この建設という問題は全然新しい設備を整えるという意味ではありませんで、従来のサービスをよくするという意味において、今までの加入者も利益を得ますが、将来の加入者も利益を得られる、こういう点を考えますと、もちろん外部資金が得られればたいへんけつこうでありますが、この利子の支払いが相当困難を来しますことと、それから先ほど申しました建設と申しましても、それは改良、ある意味で取替というような意味合いにおきまして、結局料金値上げに関連して来るのではないかというような考え方であります。
#41
○松井(政)委員 他の皆様の参考意見の中には、今回の値上げに反対される方でもやはり公社組織であることを認めて、このような大幅な値上げをすることはいかぬ、やはり政府の預金部資金を使うなり、公社債における努力をするなり、全部を加入者にはね返りをする値上げはいかぬのじやないかという御意見もかなりあり、反対の方もあつたようであります。ところが篠原さんの御意見は、この程度の値上げはやむを得ないと全部をお認めになつております。そうすると、前国会に提出されました四百六十一億円の建設勘定は、そのままになつておりまして、国から預金部資金を四十億円建設資金にまわして、そうして八十億の値上げをして、その八十億のうちの二十億が大体設備改良の方にまわる、あるいは建設の方にまわる、こういうことだつたのです。それが今度はものすごい値上りとなつて、国が出す資金は四十億も削られてしまつておる。そこに大きな問題があるということを他の参考人は述べられておる。こういうことについては一体どのようなお考えで、今回の値上げが全面的に妥当だとおつしやるのか、それをお伺いしたい。
#42
○篠原参考人 先ほども申し上げましたように、預金部資金から相当の額が前回におきましては繰入れがあつた。それが今回は相当減らされたということでございますが、前に申し上げました通り、それが利子の支払いがまかなえるだけの借入れであるならば、借入れももちろんけつこうであろうと思います。政府資金はとても詰まつておるでしようけれども、政府資金を電話の方にある程度まわし得るというならば、われわれたいへん賛成でありますが、先ほども申しましたように、利子がそれに対して払えるかどうかということが相当疑問じやないかと思います。利子が完全に払えるような範囲内におきましては、私は他から十分に外部資金を仰いでけつこうだと思います。
#43
○松井(政)委員 はなはだ恐縮ですが、もう一点お伺いしたいと思いますが、要するに公社としては、政府との折衝をしただろうと思います。経営を独立採算でやつて行くためには、やむを得ないということで計算をしたのだろうと思います。これは別の機会にこまかい質疑を行いますから、篠原さんにお伺いすることではございませんが、要するに公社にならない前、すなわち昭和二十七年度においては、百三十何億かの預金部資金が政府から電信電話企業に支出をされておつた。それが公社になるという空気になつて、公社になつたとたんに前国会で四十億に減らされておる。そして今度本国会に出されたら厖大な値上げとともになくなつておるのです。こういう政府のものの考え方で、現在公社が輿論のごうごうの反対の中に値上げして、うまく経営形体が続けられると思いますか。この点を専門家である篠原さんから伺つておきたいと思います。
#44
○篠原参考人 元来普通の事業におきましても、たとえばビルディングをつくるという場合におきましては、もちろん建設資金は外部資金に仰ぐのが常道でありまして、それを料金によつてまかなうことは、非常に不健全であると思います。外部資金によつてやるのが建設としては当然でございますけれども、私、政府の意図はよく存じませんけれども、もちろん国にその資金があれば、それを注入することは妥当ではありますが、あまりそれがふえると、先ほど申しましたように利子の支払いだけでもたいへんになつてしまう。またいろいろ非難がありまして、その喧喧ごうごうたる非難のうちで、公社が完全なる経営ができるかどうかという御質問でございますが、それは私といたしましても、もちろん安ければ安いほどいいのでありまして、使う方から見れば安い方がいいのでありますが、ただ公社の将来のいろいろな発展並びに経営を考えまして、私はやむを得ないのではなかろうかと考えております。
#45
○松井(政)委員 篠原参考人に対する質問はこれで終ります。ありがとうございました。
 次に友光さんにお伺いいたしますが、先ほどの御意見の中に、前国会ではこれほど輿論の反対はなかつたが、今度は輿論の反対がものすごいというような御意見を内容に含めて、率がいけないと御説明なさつたようにお伺いしたのですが、そうしますと友光さんの御意見は、前国会に提出された程度の値上げならば世間も納得するだろう、加入者も納得するだろうというお考えをお持ちでありますか、ちよつとお伺いいたします。
#46
○友光参考人 前国会では、ひつくるめて一割でありました。この一割が九分でも一割一分でもいけないという意味ではなく、先ほど篠原さんもおつしやつたように、今後利子の負担あるいは償却の増加というようなことで、現在り料金では無理な点があると私も考えますが、大体この程度だつたら、まずやむを得ないのではないかと考えておるのであります。一割という数字をあまり厳密にお考えになられると、ちよつと困ります。
#47
○松井(政)委員 わかりました。私はこれでよろしゆうございます。
#48
○甲斐委員 篠原さんにお伺いいたします。電信電話の整備拡充、これは非常に力調せられたところであつて、われわれも同感です。それがあるがゆえに五箇年計画は当然であつて、絶対にこれを支持する、値上げもまたその結果当然である、こういうふうに伺つたのでありますが、なるほど電信電話の料金値上げ問題だけを切り離して、抽出してお考えになれば、さようになるかと思うのですが、お伺いいたしたいことは、現在のわが国の底の浅い経済力、また現在の物価の状態、この点との関連において、この計画が妥当であるとお考えであるかどうか、お伺いしたいと思います。
#49
○篠原参考人 私は技術関係の者でありまして、経済全般のことはよく存じませんけれども、常識といたしまして、鉄道、水道、ガス、電燈等に比べまして、電話は、新聞社とか証券業者等は別としまして、一般に及ぼす影響は、私は想像いたしますのに僅少ではないかと思います。
#50
○甲斐委員 次に粕谷さんにお伺いいたします。粕谷さんは一家の主婦としての立場からの御意見をお述べになつたのでありますが、電信電話の整備拡充、これは当然必要だと思うのですけれども、現在のわが国の経済状態が、あれだけ厖大な計画を、しかも五箇年計画としてことしから一挙にやろうということは、適当であろうかどうであろうか。それからまた、そのことが物価の面にどう影響するとお考えであるか、これをひとつお聞きしたい。
#51
○粕谷参考人 非常に高額な値上げを実行しましたならば、いろいろな物価がまた値上げされるのではないかと私は考えるのでございます。それでございますので、このような値上げを一挙に計画されないで、できるだけ国民一般の納得の行く方法で、しかもそういう物価の値上りがいろいろと起らないような状態で、上手に計画してやつていただきたいと私は考えているのでございます。
#52
○甲斐委員 友光さんにお伺いいたします。大体先ほどお話がございましたが、わが国の経済あるいは現在の物価との関係において、この計画を早急に五箇年計画としてあくまで遂行するということが適当であるかどうか。これを七箇年にする、あるいは十箇年にするというような、漸を追うての拡充整備計画、従つて使用料に関しても、かような大幅の値上げでなくてもやつて行けるとお考えでありますか。
#53
○友光参考人 先ほども申しましたようにこの計画は、計画自体もう少し検討すべき点があると思いますけれども、今それはあれしまして、計画としては大体けつこうなものだと思います。できるならばこれは実現していただきたいと思います。ただそれを料金の大幅引上げによつて行うことは問題である。もしこれが外部資金によつて――預金部資金でも、あるいは公社債の公募でも何でもいいのですが、外部資金によつてその資金が調達されるなら、それによつて五箇年計画でやつていただきたい。しかしもしそれが何らかの理由によつてどうしてもできないとすれば――資金計画を見ますと、建設繰入金というものをかりに全部なくしても、五箇年間の所要資金のうち不足する部分はまあ大体二割見当と、大ざつぱに私はふんでいるのであります。そうしますと、これも大ざつぱな計算で、二割延びると五箇年計画が六年という計算になりまするが、その程度だつたならば、やむを得なければ延ばして、むしろ延ばすべきであると考えます。
#54
○甲斐委員 よくわかりました。次に、使用度数の頻繁なところには逓減制を設けたらというような参考人の御意見が先ほどあつたのですが、それと同時に、夜間または早朝における割引制度、これについてはどうお考えでございましようか。
#55
○友光参考人 逓減制あるいは夜間、早朝の割引についてですが、それだけ切り離して考えるとちよつとむずかしいというか、ほかの関係がややこしいことになりはしないかと思うので、それだけ切り離してはちよつとお答えしにくいのです。今申しました度数料にしても、先ほどあれしましたように、たとえば証券業者、あるいはぼくは知りませんけれども、新聞社もおそらくそうであろうと思いますが、度数料だけの値上率というか、負担の増加率だけでは、全体の負担額あるいは負担率はちよつとわからないと思います。そういう点から、逓減制にすればそれで片づくというのではないように考えます。
#56
○橋本(登)委員 友光さんにお伺いいたします。これは当局の調査でありますが、今度の平均二割五分の値上げによつて、国民所得に影響するところのものはどうかという調査を依頼した結果、従来の電話料金が国民所得に及ぼす影響は、現行率によりますと、一・三七%になるのです。今度現行率を二割五分上げますと、これが一・七一%になり、その影響の差が〇・三四%現われて来るのです。これは全体に対する影響率ですが、これが国民生活にどの程度はね返つて来るか。ちよつと計算がしにくいと思いますが、新聞社あたりの考え方としては、これがどういうぐあいにはね返つて来ると思つているか、伺いたいと思います。
#57
○友光参考人 ただいま国民所得に対する比率をおつしやられましたが、こういう数字は私たちも実は非常に苦手でありまして、〇・三四%ふえたらその影響がどうかと言われても、実は何とも申し上げられない。むしろ極端に言えば、今度の改訂で、たとえば大きいところは五割とか六割負担がふえる。しかし率直に申しますと、電話料だけを見ますと、この負担の増加は絶対に吸収し得ないとも言えないだろう。特に大きな会社なんかは、最近よく問題になつている社用族でもちよつと減らせば、この程度の負担増の消化はおそらくできるだろうと思います。ですから、これを何パーセント上げたから国民所得に何パーセントどうということは言えないで、一つは多分に心理的なものがあるというふうに考えるのであります。その点から、現在物価引下げというふうなことがいわれているときに、こういう大幅の引上げは避くべきである。もう一つは、かりにそういう影響というような問題は別としまして、大体この料金の引上げによつて建設資金を調達するという趣旨において私は納得できないという、二つの意味で申したのであります。
#58
○橋本(登)委員 ただいまの友光さんの御意見ごもつともであります。私も国民所得へのはね返りから見れば、必ずしも消化しにくいような数量ではないと思う。ただ心理的に、ことに度数制の場合においては五円が十円になるというので、倍の値上げという点が一般に非常にとられまして、大幅の値上げには違いないのですが、そういうことの心理的影響が大きい。今申されたように、こういう仕事に対しては政府資金を散布すべきであるという御意見もごもつともであります。もう一つこれに関連して、これも当局の調査でありますが、厳密なものと言えるかどうかわかりませんが、法人を除いた一般電話加入者の家計の平均額をとつてみると、一箇月五万四千七百六十五円の収入のある人が電話を引いていることになる。従つて五万四千七百六十五円の生計を保てる人は、日本の一般生活者のうちの中流以上であつて、中流以下の人は大体電話を引いておらないということになる。下もありましようけれども、平均して五万四千七百六十五円という家計費を出し得る人が引いているということに数字はなつております。そこで家計費の上から、東京、大阪、神戸、横浜と比較してみてもいいのですが、東京の場合はその家計費に対しての平均が一・二四%になつております。約一厘二毛四糸ということになります。横浜の場合になりますともつと下りまして一・一七%、一厘一毛七糸ということになるわけです。そこで根本問題ですが、昭和二十八年度の予算が前国会に提出されましたときに、平均一割の値上げが法案の中に含まれて出されたのですが、その総額八十億円のうち、約二十億円が建設勘定にまわり、残りの六十億円は待遇改善の費用でありました。それが国会の解散によつて御破算になりまして、あらためて今回二割五分平均の値上げという法案が出された。そうしますと、大ざつぱに申し上げて、いわゆる二割五分の値上げによつて入つて来る収入の建設勘定への繰入れは、待遇改善を、昭和二十七年度においては値上げをせずして、やりくり勘定によつて行いましたから、二十八年度において収入を求めて、これの赤字を相殺しなければならぬ。こういうことになりますと、大体二割五分のうち、一割がそちらに行つて、一割五割五分くらいが建設勘定にまわる。あるいはもう少しよけいになりまして、一割七、八分くらいがまわると思いますが、これを一人当り五万四千七百六十五円の収入を持つ人たちに持つてもらうことが私は妥当であると思うのです。もちろん政府に建設勘定資金を繰入れてもらつたり、あるいは市場を混乱させない範囲内において、一般市中から借入金を募るとかいう方法もとらなければなりませんが、今日新聞でごらんの通りに、今回電話公債を発行するについては、大蔵大臣が銀行局と相談した結果、大体七分五厘程度のものにおちつくようでありますが、これに手数料等を加えて、おそらく九分に近い利子になると思います。そうしますと、借入れ勘定もしくは公債のみによつて建設資金をまかなうということは、結局実際上においては、近い将来において建設が不可能になるという結果になつて来るような数字になつております。そういう点から見て、そのほんの一部、二割前後の額を、五万四千七百六十五円という中流以上の収入を得ておる、しかもその電話が財産権として認められており、また自分の商売上に大きな役割をしている者に持たせる。まあ率の問題は別といたしまして、建設勘定の一部分を加入者に持たせることはやむを得ない措置であると考えるのですが、その点に対する御意見を伺いたい。
#59
○友光参考人 建設資金は原則として借入金によつてまかなうのが正当だろうと思いますが、場合によつては一部を料金によつてまかなうということも、私は絶対に反対するものではないのであります。たとえば二割五分のうち建設勘定へ一割五分、あと一割はいわば経営的な経費を支弁するというお話がありました。一割かどうか知りませんが、かりに一割として、その上一分でも料金値上げはいけないというわけでもない。ことに電話料が安いことは確かであります。そういう点からも、また中にはおつしやるように負担能力のある者もおそらくいるだろうと思います。個人ばかりでなく、電話を相当使うものの中には、たとえば宿屋なんかそうでありますが、こういうところだつたらあるいは十割負担を増加させても、必ずしも不当とは考えられないのであります。ただ一体そういうように料金を差別できるかどうかということは、非常に問題でありますけれども、もしできるとすればそういうことも別にさしつかえない。従つて料金で一銭も建設資金を負担してはならないということは私は言えないと思います。ただそれが全部ひつくるめて二割五分というものになる場合には、適当でないというふうに考えます。
#60
○橋本(登)委員 たいへんけつこうな御意見を得ました。
 それから篠原さんに一言お伺いしますが、参考意見を聞いておりますと、よく世間では旧加入者に対して新しい電話の建設費用を持たせるのはいかぬのじやないかという声もあると思いますが、市外線の増設もしくは交換機の増大によつて利益を得るとすれば、旧加入者が料金値上げを負担することは、やはり自己も電話の増進といいましようか、能率を向上せしめる、あるいは古い電話機がかわつて行く、こういう意味において役立つのであるから、必ずしも新規加入者のみにこの金が使われるのではないというお話のようにお聞きしたのでありますが、その通りと拝聴してよろしいか。のみならずお手元においてその割合の調査があればお知らせ願いたい。
#61
○篠原参考人 先ほど申し上げましたように、利益を得るのは新加入者と同時に旧加入者でございまして、どの程度旧加入者が利益を得るかということは、私は詳しい計算をしておりませんので、はつきりしたことはわかりませんけれども、とにかく市外線がふえれば、みな共通してそれを使う。また電話局が手動交換から自動交換に変革すれば、それによつて建設されたものは、旧加入者も自動交換機によつて利益を得るという意味におきまして、相当大きな還元が旧加入者にも与えられるという程度でございまして、それ以上具体的な数字はわかりかねます。
#62
○橋本(登)委員 それではけつこうでございます。次に粕谷さんに一言お尋ねいたします。区会議員の方からも値上げ絶対反対の陳情を受けておるのであります。いろいろ公共用に使う電話、たとえば区役所、学校等の使う電話が、非常に増大をするというお話でございました。それは増大するだろうと思いますが、きようは主婦の資格をもつておいでになつたそうでありますから、その立場からお答え願いたいと思います。大体私の方の計算によりますと、全国の平均が七通話であります。そこで東京市内でも純粋の家庭といいますか、住宅電話の平均は大体三通話ぐらいであります。今度の法案によりますと、一箇月一日平均二通話でありますが、六十通話というものを従来の基本料金の中に加えて、その範囲内まではいわゆる度数料の料金はとらないということになつている。従つてそれを全体的に見ると、少ししか使わない御家庭の料金は値上率が非常に低いという現象になつておりますから、私の方から見ると家計、いわゆる生活費の中にはね返る費用というものは非常に低いものである。当局の調査によりますと、大体〇・四%くらいのはね返りではないか、こういうふうに見ておるのです。従つて先ほど申しましたように、電話加入者の家計費の平均は五万円以上の収入のある人である、その八が〇・四%のはね返りであるから、必ずしも苦痛ではないように思うのですが、その点についての御意見を承りたい。
#63
○粕谷参考人 ただいま御質問の、電話に加入する五万四千七百円の平均の家計費を持つ家庭にとつては、〇・何がしの金額のはね返りは大して苦痛と考えられないではないかというお話ですが、この公益事業の値上率がこのように大きい場合に、新聞などに非常に喧伝され、輿論が大きくなります。しかも電話料金が値上げされれば、また電気料金とか、ガス料金といつたようなものも、そういつたようなものも、そういつたような空気になつて来るのではないかというおそれを抱くものでございますので、そういう点で賛成しかねるというわけなのでございます。
#64
○橋本(登)委員 実は私たちもそれを非常におそれております。従つて今回の値上げによる増収のほとんど全額というものは、建設勘定にまわすべきである。これがいわゆる賃金値上げ等の財源に振り向けられるような結果になつてはいけない、これは当然経営費から計上すべきものである、こういう見解で審議を進めておるわけであります。ただ今申したように他の産業、ガス、電気等の値上げがそれに伴つて行われるということになりますれば、われわれの意図とは非常に違つた結果を招来するのであります。その点についてわれわれも非常な警戒心を持つて、これの審議をしようとする考えであります。
 もう一つ簡単なことでありますが、豊島区の方は、目下あそこに特別電話局をつくるために政府当局も計画を進めておられるようであります、そこでこういう建設が実際上非常に必要になつて来るのでありまして、これら電話施設の拡充等に要する資金の面から、ある程度の値上げはやむを得ないという御意見と解釈してよろしいかどうか。
#65
○粕谷参考人 建設資金が非常にかかるということは、いろいろの資料を拝見いたしまして、よくわかつておるのでございます。しかし戦後電話の架設費は、第一回目に伺いましたときには千八百円であり、第二回目の値上げの場合には、はつきりはわからないのでございますが、三万円程度になつたようでございます。今度もしも豊島局ができまして架設されます場合には、六万円の債券を買いまして、そのほかに三万何千円かの費用を負担しなければいけない状態で、九万何千円の費用が一応かかるのでございます。そういつたことを考えますと、私はこの新加入者がこのようにたくさんの負担をだんだんとしなければならないということに、ちよつと疑問を持つものなのでございます。今まで電話を使つていらつしやる方たちも、一応今後の増設とか建設とかの面で、いろいろの利益は出て来るのでございますから、相当の負担をしてもよろしいのじやないかと、貧しい考えの中から私は抱くのでございますが、今の私の意見をそのように申し上げてよろしゆうございましようか。
#66
○橋本(登)委員 大体了承しましたが、お話のように、新規加入者が一つの禁止規定のようなぐあいで、設備負担金三万円、公債六万円で、九万円かかるのですが、今回の値上げがある程度まで認められて、将来これが定収入ということになれば、これは私個人の考えですが、私の考えとしては、当然設備負担金もやめるべきだし、同時にまた公債も将来においてはやめるべきものと考えているのであります。
#67
○中村(梅)委員 私は、友光さんの御意見は新聞社の論説委員長というお立場でありますから、非常に影響力が大きいものと思つて傾聴いたしておつた。そういう意味から実は友光さんに若干御意見を伺いたいと思いましたが、大部分を橋本君が尽してくださいました。さらに重ねて友光さんにこの際御意見を拝聴いたしたいと思いますが、友光さんのお考えも、改良、建設の必要であること、並びに今計画されております拡張五箇年計画というものが推進されることを希望していらつしやることはただいま伺つたのでありますが、そこで問題は、この建設、改良の資金をどこに求めるか。お説の通り外部の長期資金をもつて建設、改良を進めて行くということは理想であると思います。私どももその考え方には衷心賛意を表するものであります。問題は、しからば外部の長期資金をどうして求めて行つたらいいだろうかということであります。友光さんの御意見は、外部の長期資金に大部分を求めるのが妥当だ、従つてこういう二割五分という大幅な一挙の値上げに反対である、こういう結論のように拝聴いたしました。そこで友光さんがこういうふうな値上げには反対で、大部分は外部の長期資金によるべきものであるという結論を申されるについては、友光さんの論説委員長としてのお立場から、外部の長期資金の調達方法について、相当自信ある一つのお考えをお持ちになつておつしやつたのではないかと思う。その点について友光さんにお考えがございましたならば、私ども参考としてこの機会に拝聴いたしておきたいと思います。
#68
○友光参考人 外部資金をどこから持つて来るかというお尋ねと思いますが、これはここで簡単に考えているようにも行かぬのですけれども、たとえば一般会計によつて行政費を節約する――実はここで電話だけを取上げてこういうことを言うのは、誤解のもとじやないかと思うのですけれども、私なんかの立場からすれば、行政費はまだ削減の余地がある、それを投資特別会計なり何なりにしてやつても、これは十分やれるごとじやないかと思います。預金部はあつちこつちから大分ひつぱりだこのようですから、こういうところにさき得るかどうか、これはそう確信を持つて言えませんけれども、少くとも一般会計の方からの節約によつてやる余地は十分あると思います。
#69
○中村(梅)委員 実はそういう点についてでありますが、前国会においては、先ほどもお話が出たように、預金部資金から電電公社に対して四十億円融通されることになつておつたのでありますが、解散後の本国会では、とうとうそれを削られてしまつた。公社はまことにだらしがないじやないかというので、われわれは大いに不満の念を持つているのですが、削られたのは、公社にこの間も聞いてみますと、政府の方で強制的に資金繰りまわしの都合で削られたというのでありますが、できれば政府資金あるいは預金部資金によつて、建設勘定の大部分をまかつて行くというのがいいと思うのですが、これに対して政府側の方の考え方は、多分電話というものは国民大衆の全部が使うのじやない、利用者というものは国民の一部なんだ。もつと緊要なところがあるのだから、そこへ政府資金をつぎ込むということは至難だ、こういう考え方で削られておるように思うのです。それも見方によつては一理由あると思いますが、そういう点を勘案して、友光さんのお考えは、政府資金をもつと大量につぎ込ませる可能性ありというお見込みに立つていらつしやるのでしようか。
#70
○友光参考人 可能性ということはちよつと何ですけれども、簡単に言えば、やる気がなければしようがない、やる気さえあればできるという程度でございます。
#71
○中村(梅)委員 画然たる意見は立たないようでありますし、それはごもつともな点だと思うのであります。
 それから先ほど橋本さんからも類似の御質疑があつたと思うのですが、物価と電話料金との関連であります。これが非常に微妙な関係で、私どももこういう点に重点を置いて検討を進めて参りたいと思つております。ただ電話が現在のように不通であつて、あるいは現存する電話も利用が非常に困難で、輻輳しておつなかなかかからない。長距離の場合にはなかなか電話が出ない。そこでめんどうだから人間を使いにやつてしまうという、取引上においてもその他においても、事業運営上そういう場面が多々あると思います。そこで使いを出さなくても電話で間に合う状況が、現に公社が説明しておられるように実行されたならば、物価に対してどういう影響が来るだろうか、こういう点も非常に検討を要する点だと思うのであります。こういう点について友光さんは御検討されて結論を出してくだすつたのかどうか、その点をお尋ねしておきたいと思います。
#72
○友光参考人 今電話で間に合わなくて、人間が電話のかわりをしている、こういうふうな状態は一日も早く解消してほしいのであります。しかしそういう不便を解消することと、それから平均して五割の料金引上げを忍ぶか、どつちか。これは天びんにかけての問題だろうと思う。その意味で人間が電話のかわりをするという状態は、一日も早く解消してほしいのでありますけれども、それがもし五割か何かの料金引上げによらなければ絶対に不可能だというものであるとすれば、しかもこの資金計画を大ざつぱに見ますと、大体二割程度をがまんすれば、つまり期間でいえば、五年が六年になれば、一応計画は完成するというふうに仮定しますれば、今言つた大幅な料金引上げは避けて、簡単に言えば一年間不便をがまんする、その方が適当だろうと考えます。
#73
○橋本(登)委員 先ほどの全国銀行協会連合会長の千金良さんのお話の中に、A銀行――これは千金良さんの銀行のようなお話ですが、二銭五厘の貸付金の括入のうち、電報電話、郵便を含めて通信費が、自分のところでは従来は六毛七糸の割合になつておつた。だから一厘まで行つていないのです。私はああならないと思いますが、千金良さんの方の計算で考えましても、今度の値上げによつて、二銭五厘のうちその占める割合は一厘一毛八糸ということになる。これは新聞社とか証券業者はもう少し違うと思いますが、A銀行の場合においてですけれども、全体を捕捉することは困難でしようが、二銭五厘の収入のうち一厘程度が通信費にかかるというのは、日本の場合、通信費があまり多くを占める割合とお考えになりますか、その点についてお伺いいたします。
#74
○友光参考人 それが絶対額において大き過ぎるかどうかという点は、ちよつと私は資料も持ちませんので、お答えいたしかねます。
#75
○齋藤委員 篠原さんにちよつと伺いたいのですが、この五箇年拡張計画は、電話一本から見ますと非常に必要なことに違いないのですが、要するに国家の現状において、電話というものがどれだけのウエートを持つかということに関連して、われわれは慎重に考えてみたいと思つているのです。いろいろきようは参考意見を拝聴いたしまして、われわれも益するところが多かつたのですが、ただ一点お伺いいたしたいのは、先ほど御家庭で電話をお持ちになつておられまして、それがどうも一個二十六万円かかる。しかるに御自分は月に千円しか払わない。こういう電話が世の中にたくさんあるだろうと私は思う。そうしますと、突くから考えますと、死蔵せられた電話、そういう電話を持つているものがたくさんあればあるほど、いわゆる公共事業である電電公社は損をして行かなければならぬ。結局するところ、電話の拡充計画をはかるのは、日本の生産業がそれとともに拡充せられるという建前において、われわれは五箇年計画を必要と認めておる。死蔵せられる、また生産と反対の方向に電話が使われるということになつたならば、その必要性をわれわれは認めない。こういうことになるのでありますが、それは行政担当の地位にあられないから、そういうことをお伺いする必要もないと思いますが、ただ専門家としてのお気持だけでも、そういう死蔵に近いところの電話がたくさんあるということを、一体どうしたら是正できるか。たとえて申しますれば、さつきから料金の逓減制が主張せられている。そういうものを解消することになりましたならば、思い切つて基本料金を上げてしまつて、そうして使えば使うほど料金が下つて行くということになりますと、非常にここに平均のとれた公平な負担というものが出て来るように私どもは考えるのであります。思いつきでありますからわかりませんが、ちよつとお話を承つてそういうような感じをいたしたのですが、お考えを伺つておきます。
#76
○篠原参考人 お答えいたします。ただいま私のことを申し上げましてはなはだ失礼申し上げたわけでありますが、最近におきましては、これは技術的の問題でありますけれども、共同加入の電話が公社でずいぶんおありになると思いますが、さしあたり私どものところは共同加入にして、近所の三家庭なり四家庭なりを一箇所にいたしますれば、料金も相当ふえますので、必ずしも死蔵ということには行かないと思います。ただそういう遊んでいる電話、通話度数の少い電話は、ああいうお金持のアメリカでもやつておりますが、できるだけ共同加入のようなことにいたしまして、施設の能率をはかつたらいいかと思います。
 それから生産との関係でありますが、私どもはこういう考えを持つております。それは今は東京、大阪は二時間もかかりまして、これではどうにもならないので、秋から即時通話になつて一分間ぐらいで出るというようなお話で、たいへん期待しておりますが、そういうあかつきになりますと、いながらにしてすべての取引を電話でできますから、その間にそう一々出向いて交渉する必要もありません。おそらく生産界あるいは経済界も、電話の利用によつて相当な能率化がもたらされるのじやないかと考えております。日本ではよく電話で失礼でございますがというようなことを前置きで言いますが、私は電話で失礼なことはないと思います。これは能率化ですから、大いに電話を利用して能率化をはかり、そのために生産の能率化、あるいは経済、社会全般の能率化をはかることが、これから必要になつて来るのじやなかろうか、こういうふうに考えます。
#77
○成田委員長 ほかに質疑はございませんか。――ないようでございますから、この程度にとどめます。
 参考人の方々に委員一同を代表いたしまして、一言お礼を申し上げます。本日は御多忙中のところ、長時間にわたりまして、多年の御経験に基いた貴重な参考意見を述べていただきまして、法案審議の上に非常に益するところがあつたと存じます。心から厚くお礼申し上げます。
#78
○成田委員長 この際理事の補欠選任についてお諮りいたします。去る二十六日理事中村梅吉君が委員を辞任され、理事が欠員となつておりますが、本日同君が再び委員に選任されましたので、同君を理事に指名いたすことに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#79
○成田委員長 御異議なきものと認め、さよう決します。
 次会は明一日午前十時より、引続き参考人より意見を聴取いたすことになつておりますから、ぜひ定刻に御参集願います。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後二時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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