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1953/07/07 第16回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第016回国会 電気通信委員会 第11号
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1953/07/07 第16回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第016回国会 電気通信委員会 第11号

#1
第016回国会 電気通信委員会 第11号
昭和二十八年七月七日(火曜日)
    午後四時二十九分開議
 出席委員
   委員長 成田 知巳君
   理事 岩川 與助君 理事 塩原時三郎君
  理事 橋本登美三郎君 理事 小泉 純也君
   理事 原   茂君 理事 松前 重義君
   理事 中村 梅吉君
      庄司 一郎君    齋藤 憲三君
      廣瀬 正雄君    柴田 義男君
      甲斐 政治君    松井 政吉君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 塚田十一郎君
 出席政府委員
        郵政事務官
        (大臣官房電気
        通信監理官)  金光  昭君
        郵 政 技 官
        (大臣官房電気
        通信監理官)  庄司 新治君
 委員外の出席者
        日本電信電話公
        社副総裁    靱   勉君
        日本電信電話公
        社営業局長   吉澤 武雄君
        日本電信電話公
        社経理局長   秋草 篤二君
        専  門  員 吉田 弘苗君
        専  門  員 中村 寅市君
    ―――――――――――――
七月四日
 下関市の電話施設拡充に関する請願(田中龍夫
 君紹介)(第二五九七号)
同月六日
 龜崎電信電話局統合に関する請願(早稻田柳右
 エ門君紹介)(第二七九七号)
 東里村の電話施設整備拡充に関する請願(伊瀬
 幸太郎君紹介)(第二七九八号)
 水窪、遠山局間電話市外回線設置の請願(足立
 篤郎君紹介)(第二七九九号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
同月四日
 電話料金引上げ反対に関する陳情書(東京証券
 取引所理事長小林光次外一名)(第六九四号)
 同(社団法人呉商工会議所会頭下原次郎)(第
 七一九号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 公衆電気通信法案(内閣提出第九一号)
 有線電気通信法案(内閣提出第九二号)
 有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案(
 内閣提出第九三号)
    ―――――――――――――
#2
○成田委員長 これより開会いたします。
 公衆電気通信法案、有線電気通信法案並びに有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案を一括議題として、質疑を続けます。質疑は通告順にお許しいたします。橋本登美三郎君。
#3
○橋本(登)委員 根本問題について政府当局の考え方をただしたいので、できれば大臣にお聞きしたいのでありまするが、とりあえず政府委員にお尋ねいたしまして、不足のところは大臣からお聞きしようと思います。この前参考人の北教授が陳述いたしました中に、第六十八條の料金決定の條文の中に、料金決定の原則を明記すべきである、こういう意見を述べられたのでありますが、私としては、わが国の公共企業体の性格、特に日本電信電話公社の性格、または国鉄も同様ですが、これといわゆるアメリカの公共金業体とは性格を異にしておるので、必ずしもその必要がないと考えておるのですが、この前の公衆法原案の中には、北教授の言う料金決定の原則が明らかにされておらないのですが、これに対する政府当局の御所見をお聞きしておきたいと思います。
#4
○金光政府委員 料金決定の原則につきしては、ただいま橋本委員からお話のありましたように、本法案の中にはそういつた基本原則は明記していないのでございます。もちろん公益事業の料金についての基本方針といたしましては、先般北教授が参考人の陳述をもつて言われたようなことが、わが国においてもある程度は適当である面もあります。それからまたアメリカと同様に扱えない面もございます。かたがたこれらの日本における公共企業体というものにつきましては、国鉄なり、専売公社に続き、電電公社ができたわけでございますが、それらの公共企業体の本質につきましても、いろいろと問題点もあるわけでございます。これらの点と関連いたしまして、料金の決定につきまして確たる基本方針をここへ書き上げるということも、まだ十分な用意もできておりません。ただ一般公衆に最も利用されるべき料金は、これを法律をもつて定めるということで法定いたしましたし、その他の付属的な料金は、これを郵政大臣の認可にするということで、料金決定の具体的な点は、国会の御審議をお願いするというような方針をとつたわけでございます。
#5
○橋本(登)委員 政府の意図はよくわかりませんが、私はこう考えておるのです。国鉄及び電電公社、いわゆる政府関係機関で料金決定の原則を明らかにしないのは、必ずしも料金決定の原則に従つて料金を変更すべきではない。というのは、日本の場合においては、国営企業が公共企業体になつたというようないきさつもありますが、日本の物価政策なり生産の面から見て、周囲の環境から物価の上下に従つてただちに料金の改訂を行うことはまずい、あるいは政府が低賃金政策、低物価政策をとらなければならぬときには、たとい諸物価が上つて当然公共企業体としては値上げを行うべき場合においても、政府としては政策上これを押えて、そして赤字経営をも覚悟してやらなければならぬ、こういうような政策的な意味があつて、いわゆる料金決定の原則を置かないように考えるのですが、――こればかりではないと思いまするが、その点についての御見解をお聞きしたいと思います。
#6
○金光政府委員 ただいま橋本委員のお話がありましたように、日本におきます現在の物価が、必ずしもまだ完全に安定したというようなことも申せませず、それらの点は、もちろん公共事業の料金についても同様のことでございまして、必ずしも現段階におきましては、料金の決定の基本原則を十分にここへ掲げて、その通りにやられるという段階にないということは、今のお話の通りでございます。それらのことをも考慮いたしまして、今回のこの公衆通信法案の中には、料金決定の原則は掲げないことといたしたのでございます。
#7
○橋本(登)委員 そこでわが国の公共企業体――公共企業体と申しましても、結局国鉄、電電公社及び日本専売公社、放送協会、この四つが大体日本でいう公共企業体ですが、これらの四つの公共企業体は、それぞれ目的も違つておりますが、その性格も異にしておる。特に問題になつておる日本電電公社は、電話の使用者を大体目標として事業が行われておる。その所有者の数からいえば、大体百万人前後であろうと思う。こういうような特定の人を相手にして電話事業が行われておるのですが、こういうような電電公社のごとき性格を持つた企業体であればこそ、この前の日本電信電話公社法案においては、これが厳格なる独立採算規定をとつたわけですが、この独立採算の規定をとつた根拠は、少くとも当時は、国民全体にある程度の影響はあるものではあるが、直接には電話使用者を目標としたものである。従つて赤字の場合において、政府が一般会計の税金によつて補填すべきものではなく、原則として独立採算制で行くべきである、こういうことからして厳重なる独立採算制がとられたのであります。従つて国鉄とは違いまして、電電公社の場合においては、いわゆる一般会計からの繰入れをやつておらぬが、国鉄においては昭和二十六年度におきまして、相当金額の一般会計からの赤字繰入れが行われておる、こういう状態であります。こういう意味からいえば、この前北教授が言うところの、公共企業体といえどもその建設資金の一部をその料金収入のうちから生み出すということは、必ずしも公共企業体において行うことが不合理ではない。特にこの公共企業体が、何といいますか、一応成長し、ある程度独立採算制が可能になつた場合においては、料金の一部を建設資金に繰入れることは当然であつて、これを不合理として拒否する必要はない、こういう意味での陳述があつたのですが、この場合の日本電電公社の公共企業体としての成長は、いわゆる北教授の言うところの成長せられたる形と大体において見てよろしいかどうか。いわゆる独立採算をわれわれは法案としてもこの前決定したのですが、われわれはそういう意味において公社の一般会計からの繰入れを断つて、電電公社自体において成長すべきものであるという見解から、あの法案の審議に当つておつたのですが、今日その状況に達しておるとわれわれは考えておるのですが、その点に対する政府当局の御所見をお伺いしたいと思います。
#8
○金光政府委員 先般の北教授のお話は、現在の日本の電電公社がすでにそういつたような独立採算をなし得べき状態に達しておるようなお話であつたわけでございますが、現在の電電公社のサービスというような面が、完全に戦前に復帰したということは別といたしまして、現在のような電電公社というもののあり方といたしまして、独立採算をなし得べき状態に大体達しておるのじやないかという点につきましては、われわれも大体そのような見解をとりまして、そこで電電公社につきましては独立採算の規定を置きまして、他からの赤字繰入れといつたようなものを一切排除したということについては、ただいまの橋本委員のお説の通りでございます。もちろん現行の料金というものをもつて、完全に独立採算をなし得るというようなことは別といたしまして、一応電電公社というものがそういつた独立採算をとり得るべき状態にあるという点につきましては、ただいまの橋本委員の御説と同感だと存じます。
#9
○橋本(登)委員 そこで現在の加入数ですが、昭和十六年の一〇〇に対して昭和二十七年度の十二月現在ですが、二五、約三割九分二厘加入数が増加しております。市外電話回線数においては一四一%、四割一分の増加を見ておる。市外電話の延べキロにおいては一五五%、五割五分の増加を見ておるわけであります。このケースはもちろん戦災電話の復興ということを別にして、いわゆる優先順位等によつて行われておりますから、必ずしも戦災電話の復興の面から見れば、完全に復興しておるということにはなつておりませんが、電話の使用という状態から見れば、大体において昭和十六年を三割ないし四割、五割まで上まわつておる、こういう状態になつております。こういう状態から見て現在の電電公社の内容といいますか、成長力というものは、いわゆる独立採算制が可能な状態になつて来ておると考えるわけであります。政府は昭和二十七年、昨年度においては財政投資として、百三十億円の預金部資金を借り入れておる。これは財政投資になつておるわけであります。今回のこの予算では、解散前の国会においては四十億円の財政投資を予定しておつた。それが今回は削除して提案されておる。これは預金部資金の金がもつと必要な方面に投資及び貸付が必要になつたというような事情が生じたことにもよるのでありますけれども、このような事情を除いて、日本電電公社としての資金造成の考え方が、原則として電電公社は自己の力量をもつて資金造成か可能である、こういうような積極的な考え方によつて、本年度予定せられた四十億円の財政投資を削つて、そうして建設資金の一部を料金の収入の一部から求めるという考え方にかわつたのか、それとも四十億円の財政投資は現在の公社の状態から見て当然必要なのだ、しかし他の事情によつて四十億円の財政投資が不可能になつたから料金値上げを行つた、料金の収入の一部を建設資金の中に繰入れるための料金値上げ――全体がそうではありませんが、料金値上げを必要としたのか、この点を少し明らかにしてもらいたいのであります。というのは、もし料金の一部を建設資金にまわすということが、現在の公社の状態から見て不可能であるという見解でありますならば、これはいかなる條件がありましても、四十億円の財政投資を追うべきであるし、そうではなくして、もちろんこれはあればあるに越したことはないのですが、他の事情からして四十億円の財政投資が見られないというような場合においては、現在の公社の立場から考えて、料金の一部を建設資金にまわしても、何ら公社の将来の発展のために阻害を来さないのみならず、当然料金の収入の一部が建設資金にまわされるべきであるという、従来とはかわつた見解のもとにおいて今回の料金の一部を建設資金にまわす、こういうような考え方になつたのか、もし、実際上は料金の一部を建設資金にまわすということが、現在の公社において困難な情勢ではあるが、やむにやまれぬ五箇年計画を行うためにやつた、こういうことになりますれば、これははなはだ不穏当なことであつて、当然その五箇年計画なるものを七箇年計画あるいは十箇年計画に延長しても、料金値上げを行うべきではない、けれどもわれわれは現在の公社がある程度の料金値上げに耐え得るという立場からして、この案が出されたものと考えるのでありますが、これに関する政府の見解をお聞きしたい。
#10
○金光政府委員 ただいまの御質問は相当重要な問題でございますので、大臣からお答えをした方が適当かと思います。大臣が来るまで保留させていただきたいと思います。
#11
○橋本(登)委員 それでは大臣が来てからやります。
 次の質問ですが、これは予算に含まれていることですから、予算に関係してお答え願えばよろしいのですが、今回の料金値上げというものが、その大部分を建設勘定にまわしておる、こういう建前の説明のようでありますが、なお一般においてはこの料金値上げというものが、諸給与の勘定に流用せられるようなことがありはしないか、すなわち建設勘定と諸給与勘定との混同をおそれております。これについて予算上どういう措置がとつてあるか。私も実は時間がないので予算書を詳しく見ておりませんが、これら建設勘定と諸給与との関係を、料金値上げの料金収入のうちからどういうようなぐあいにしておるか、この点についての予算上の説明をお聞きしたい。
#12
○金光政府委員 今回の料金値上げによりまして、今年度におきましての増収分は百三十四億でございます。これは減価償却の不足分及び特別償却、それから保守費の不足分といつたもの及びその他の収益約五十八億、それからあと損益からの改良資金といたしまして建設改良分組み入れたものが七十六億円といつたもので、別に給与改善等のためのものというものは見てないわけでございます。
#13
○橋本(登)委員 昨年の補正予算の場合において、予備費の流用その他の事業の繰延べ等によつて、昨年十一月からの給与改善が行われたのですが、当時の状況をもつてしても、現行料金をもつてしては、場当時改訂せられた賃金の支払い、給与の総額には、相当の赤字が出るという見通しであつたと思うのです。そうしますと、この料金の値上げの金額が建設勘定その他にまわされておるとすれば、本年度における電話の増設その他の事業の合理化等によつて、昨年十一月にベース・アツプせられた賃金の不足額をカバ治するという建前において行われておるのかどうか、この点をお伺いしたい。
#14
○金光政府委員 昨年の給与改善によりまして、もちろん前の給与に比べれば人件費等は増したわけでございますが、一方におきまして二十八年度の予算を編成いたします場合に、公社といたしましてはできるだけ経営の合理化をはかり、経費の節約をはかるといつた面で、物件費等については二十七年度に比べまして絶対額を減すといつたことで、一応給与の改善に要します人件費の増等は、おおむね現行の料金収入をもつてカバーするという方針をもつて編成いたしたわけでございます。
#15
○橋本(登)委員 予算編成の方針はそういうぐあいにはやられたのだろうと思うのですが、昨年度給与ベースをアップするために、予備金から五億円、その他の勘定を合せて八億円前後の資金をもつて給与の改善が行われておる。従つて本年においては特別の増収が行われない限りにおいては、従来の料金では当然赤字が出ると考えるのが常識なのですが、その点はこまかくついてもしようがないですから、適当にしておきましよう。そこで四、五、六月のいわゆる暫定予算の期間内における収入の状況並びにこれに対する支出の状況、現在どの程度の赤字になりつつあるかを伺いたい。
#16
○秋草説明員 ただいま暫定予算書を持つて参りませんが、四、五、六の損益勘定においても、暫定予算に関しての収支は赤字でございます。
#17
○橋本(登)委員 そこで公社の方にお聞きいたします。大体四半期ごとに増収対策費というものを出しておるはずですが、四、五、六月における収支バランスが赤字だとすれば、第一・四半期における増収対策費は出せない結果になると思いますが、これはどうなりますか。
#18
○秋草説明員 ただいま二十七年度の増収対策費としては未払金に計上してございますが、橋本委員御質問のような二十八年度については、増収対策費は一応理論的には出せないことになつております。
#19
○橋本(登)委員 これは解散で予算が通過しなかつたために値上げが実行できないで、こういう結果が出ておるのだろうと思うのですが、従業員のせつかくの努力が報いられないということは、われわれもはなはだ遺憾と思うのであります。そこで、近く人事院の勧告が行われるということがいわれておりますが、もちろん四、五、六の暫定予算においても赤字の状態であるから、ベース・アツプの余地はないわけでありますけれども、万一この法案が通過しない場合は、いかなる対策を講ぜられますか。
 それでは大臣が参りましたから、今の問題はあとにいたします。これは先ほど金光政府委員の方に質問したのですが、これは根本問題ですから大臣からお答えした方がよいというお話だつたので、あらためて大臣にお伺いいたします。それは、建設資金を解散前の国会においては約四十億円の財政投資を予定している。それを今回は削除しておる。これについては預金部資金を他の面においてより必要を来したことにも原因があるようでありますが、私はこれに対しては必ずしもそう考えないので、日本電電公社の資金造成の考え方がかわつたものである。従来は政府の財政投資を相当に重視して、それによつて建設なりあるいは拡充を行つて行きたいという考え方であつたが、最近における考えは、パーセンテージから見ても電信電話の復興は著しいものがある。昭和十六年に対して、大体加入数において三割強、市外線において四割強、あるいは延べキロ数においては五割五分という増加を示しておる。この状態は、日本電信電話公社が、戦災の復興ということは別にして、とにかく全体としては相当力のある状態にまで成長したものである。従つて、もちろん国民に間接には影響はありますが、原則としては一部の人を対象とする日本電信電話公社のごときは、その力がつけば、今後はできるだけ原則として自己の力量によつて資金造成を行うべきものであるという考えにかわつたと見てよろしい、もしそうでなくして、できるだけ原則としては財政投資を考えなければいかぬのである、なお今日の状態においては大幅の値上げは困難であるという見地に立つのであれば、当然今回の値上げのごとき大幅の値上げではなくて、これを一部分に限定して、五箇年計画を七箇年計画なり十箇年計画に延ばすのが当然であるべきなのですが、それをせずに、なお財政投資がなくても自己資金によつてこれをまかなおうという計画のもとに、今回の提案がなされておるのでありますから、電電公社としては自己資金造成の力が今日においてはある程度備わつておる、従来の考え方にある程度の是正を加えた、こう私は解釈しておるのですが、その点について明確な政府当局の御所見を承りたい。
#20
○塚田国務大臣 御指摘の通り政府の考え方は確かにかわりました。電信電話公社の考えは、私が承知いたしましたところでは、当初からかわらないのであつて、この前の一割のときも、公社の希望としてはもつと上げてもらいたいということだつたが、政府としては、各般の情勢の判断によつて、一割しか上げられないという前提で、この前の資金計画ができておつた、こういうように私は事務の引継ぎを受け、承知をし、その前提に立つていろいろ考え、新しい事態と私自身の公社というものに対する考え方を総合勘案し、判断しました結果、私はこれはやはり公社の考えるように料金値上げはできるだけして、なるべく自己資金でよけいまかなう、そうして一部分は外部資金で今まで通りまかなう、こういう考え方に直して行く方がいいという考え方になりました。これを交渉の経過から申し上げますと、大蔵省当局には今回の値上げに対して難色があつたのでありますが、私が根強くその考え方を説明し、最後に了解を得てこの二割五分の値上げにおちついたといういきさつでございます。
 そこで私がどうしてもつと値上げをしてもいいのじやないかということを考えたかということであります。一つは、しばしば申し上げおりますように、今公社が考えております五箇年間においての整備拡充計画、そしてこの考え方自体は、前国会において当委員会でも一応御承認いただけたように思うのでありますが、あの考え方をやつて行きます以上は、あまり今までの案のように値上げを少くして、外部資金でよけいまかなつて行くということになると、これから五年先の公社の経理状態は、非常に外部資金がたくさんになつてしまつて、公社の経理状態があまりよくないということが一つの原因である。もう一つは、二割五分を値上げする前提でいろいろの料率の判断をいたしてみましたときに、この程度の値上げならば、外国の電信電話料金の様子やわが国のいろいろな他の物価の値上りの状態、そういうものと比べて決して不当ではないのじやないか、またそう大して物価にも影響しないように思えるし、また国民生活にもそう大した影響がないように思える。ことにこれら電信電話事業から利益を受ける人たちというものは、今橋本委員からも御指摘の通り、やはり加入しておられる人が主たる利益を受けられる方であるから、そういうようないろいろの事情を考え、かつその他一般の財政資金の状態を見たときに非常にきゆうくつであつて、ことしはかりにこの間の不成立予算の原案でもつて政府資金四十億、公募債券百億という状態で行けても、今後こういう状態を続けて行くことは非常に困難になるのじやないか、そういういろいろな事情を頭に置きまして、この五箇年計画を遂行する以上は、やはり相当な程度は値上げをして、加入者にこれを負担していただくという形に持つて行く方が、電信電話事業の今後先長いあり方として一番健全なあり方である、こういうような判断に到達しましたのが今度の値上げになつたわけであります。
#21
○橋本(登)委員 大体大臣の考え方と私の考えとは一致しておるのです。そこで一部からは、よく電話料金の大幅な値上げは、非常に家計費あるいは営業費に影響がある、こういう見解が述べられております。これは値上げの部分的な率においては考慮しなければならぬところがあるようでありますが、総体的に二割五分上げるについては、政府の値上げの数字から考えましても、こういう電話料金の値上げによつて家計に及ぼす負担の増は、東京においては大体〇・四%、大阪においては〇・二二%、神戸、横濱においてはわずかに〇・二%というような数字があげられております。従つてこれを国民所得の点から考えても、現行料金の占める割合は一・三七%であり、これが今度は一・七一%でありますから、〇・三四%の増加になるわけであります。この程度の実質収入が増加せられましても、必ずしも国民生活に重大な影響が与えられたとは考えられない。従つてこの程度の値上げが行われて、その料金の一部が設備負担費にまわされる――大部分がまわされるわけでありますが、まわされるということについては、少くとも電信電話公社の現在の成長力から見ても大体妥当ではないか、こういうぐあいに数字の上からは見ることができるわけであります。従つて昭和二十八年度において料金収入がもし承認せられるようなことになれば、こういうような建前から言えば将来特別の事情の変更のない限り、今後とも料金収入の一部が建設資金に繰入れられるという方針にかわりはないものと思うのですが、これに対するお考えを承りたい。
#22
○塚田国務大臣 御指摘の通りに考えておりますので、一応五箇年計画と区切つて計画をしておりますけれども、実は十年あるいは十五年というように今後長くこの公社によつて生じました剰余金というものはそういう方面に向けて、ますます電信電話の施設の発達をはかつて行きたい、こういうように考えておるわけであります。
#23
○橋本(登)委員 そこで料金値上げによる収入と昨年度の予算の関係ですが、実は昨年度の補正予算において、人事院の勧告に従つて、電電公社従業員等においてもそれ相当のベース・アツプが行われたのであります。その場合において、この財源を、当時は値上げによらずして公社の予備金並びに復旧事業の繰入れ等によつて、所要資金九億前後を生み出し、それで待遇の改善が行われておるわけでありますが、本年度の場合においては、これらの勘定がもちろん引続いて行われるわけですが、昨年は四億ないし五億の予備金繰入れによつて行われたのです。本年度は、値上げのうちからしてはこの方面にまわされてないような計算になつておりますが、そういたしますと相当量の増収が見込まれておるわけでありますか。この点についての一応の見通しをお聞きしたい。
#24
○庄司政府委員 お答え申し上げます。二十八年度の予算におきまして、人件費の単金でございますが、二十七年度の単金の方よりも二十八年度の単金を上げたわけでございます。しかしその上げる財源といたしましては、人員の方を合理化によつて減すという建前で削つたために、浮いた金額だけを単金の方にふくらすという方法をとつております。それだけでは単金のふくらし方が十分でない――というと変でありますが、そのほかに物件費をやはりある程度切りまして、庁費でいいますと二十七年度は百七十五億でありますが、二十八年度は百五十一億というふうに、二十四億を庁費だけでも節約しておるのであります。そういう金をまわしまして、人件費の単価を上げてありますので、この操作は料金値上げということに全然触れないでやつております。
#25
○橋本(登)委員 一応そういう説明になりましようが、実際問題としては、なかなかそう参つおらぬのではないかと思うのです。それはともかくといたしまして、また近く人事院総裁からべース・アツプの勧告が行われるようでありますが、そういたしますと今回の実収二割五分の増収がありましても、これを建設勘定等に全部繰入れられておりますから、従つて人事院勧告に対して、予算の上においては、いれる余地がないように受取れるのですが、それでもこれらの建設が急速に行われることによつて、予定外の増収が相当に見込まれるのかどうか、この点についての政府のお見通しをお聞きしたい。
#26
○塚田国務大臣 これは設備を幾らか整備拡張して参りますれば、当然若干の増収が見込まれるのでありますが、お手元に出してありますいろいろの計数資料の中には、そういう増収を見込んだものが出ておるわけであります。従つて今後人事院勧告で公務員の給与が上ると、それにまたバランスをとつて公社の職員の給与が上るというようなことがかりにありましても、この値上げの計画の中からは出て来る余地がないものである、こういうように考えておるわけであります。なお今後この公社の従業員の給与の問題は今度の値上げをいたします場合にも、非常に反対論者の方から強く言われました点なのでありまして、料金を値上げして、それが給与にどんどん食われてしまうようでは非常に困るということと、料金を値上げする以上は、はたしてそれをするに十分国民に納得してもらえるだけの公社内部の合理化ができておるかということを、非常に強く指摘されたのでありますが、合理化の点はただいま庄司監理官からも一部分申しましたし、また私もいろいろ検討いたしてみまして、すでに一割値上げのときにかなり公社側に強い要請をして、しかも合理化の考え方をやつてもらつておる。それが不成立予算のときの場合にも出ております。従つて今度の値上げの増加による増収分というものは、これはあげて建設にまわす、こういう考え方になつておるわけであります。
#27
○橋本(登)委員 建前上そうなつておりますために、もし賃金裁定が行われた場合には、その財源的基礎がないということになるわけなのですが、もちろん公社の努力によつて、本年度の収入の上において予算以上の相当厖大な収入が考えられるはずでありますが、そうでない場合においては、いわゆるこの財源がないという原則になるのです。そこで昨年度の場合においては予備金の一部が流用できたのですが、本年度の場合においては、すでに予備金十億円が計上されておりますけれども、おそらく今度の九州の災害等によつて、これらの十億円はまず優先的に使われるようになるだろうと思うのです。そうなりますといわゆる賃金裁定が行われた場合において、その財源的の基礎というものは全然増収というものを将来見ない限りにおいては、その基礎がない、こういうことになつて、実はわれわれはその点を心配するのですが、せつかく公社になつたということは、もちろん建設資金の運用の面において国家の会計法から独立を見ることができる、あるいはまたこれらの運用の上においても、国営事業ではない方がより能率的であるということも一つの大きな理由ですが他の大きな理由としては、いわゆる公務員、管理職の公務員とはこれらの職務が違うのである。民間の従業員のごとくにいわゆる重労働を中心にしておるのであるから、これらの待遇改善の場合においては、公務員とは異なつた立場において行わなくてはならぬ、こういう意味で公社法のいわゆる改訂が行われたわけであります。ですからもし将来において賃金裁定なり、あるいは人事院勧告なりが行われた場合において、いわゆる財政的理由でこれをたてとして、勧告を聞くことができない、裁定に応じられない、こういう態度を従来しばしば政府はとつておるのですが、かくのごとき結果を見るような状態に、今の予算の上からはなりつつあるような状態であります。しかしながら大臣は財政通でありますから、そういう場合においては何らかの措置がとられるようなお考えがおありかどうかについて、将来のことを予想することもどうかと思いますけれども、従業員諸君はやはりこの待遇改善については重大なる関心を持つておりますので、この点すでに人事院勧告が近く行われようとしておるやさきでありますから、大臣の御所見を伺つておきたい。
#28
○塚田国務大臣 この点は公社になりましたときのいきさつ、それからことに電信電話公社が民間企業に非常に近い形に持つて来られたということの考え方が、まさにそういう考え方であると思うのです。従つて私は今後は公社のいろいろな経費というものは、できるだけ原則として切り詰める。しかし給与は時の趨勢に従つてだんだんふえますでしようけれども、そのふえて来ますものも、電信電話公社の場合には、少くとも能率を上げて収入をふやして行く。その給与の引上げというものは経理からも妥当であつて、かつ可能であるという考え方から来る場合でなければ、私は公社の給与の引上げというものは考えるべきでない。また給与をどうしても引上げなければならないというのであれば、従業員諸君もそのつもりでひとつ、がんばつていただく。人員が多ければ人員を減らして、単価を上げるというように、また人員を減らさないでも能率を上げて仕事をよけいしていただけるならば、そういうふうにする、そういう方面からのゆとりを見出していただいて、そこに出て来たゆとりがあるならば、その面から給与を上げるということを現実の政策に移す、こういうようにすべきであつて、そうでない場合には多少無理があつても、給与はなるべく低くごしんぼう願う、こういうのが公社の性格としては当然であります。従つて今度の値上げによつて出て来ます建設財源に充てておりますゆとりは、自分としましては絶対に給与の引上げに使つてはならないし、また使うべき意思も毛頭ないのであります。
#29
○橋本(登)委員 今の大臣の御答弁のように、この料金値上げが賃金値上げの方面に振り向けられるということが、一般の方においても心配しておるようでありますから、この点については厳重に建設勘定を中心にして使用せらるべきでもるという建前は、堅持してもらわなければならぬと思うのであります。それはそれといたしまして、実際問題として公務員の給料が上る、あるいはまた賃金裁定が行われる、こういう場合に事業体自身がそれだけのゆとりが十分にないからという一点ばかりでは、実際上の問題としては解決がつかない。そこで当初申し上げましたように、昨年においては予備金の流用が行われたのでありますが、今度の場合においてはその予備金がすでに大体の見通しとしては使えないという状態にある、こういう点は今回の予算の建前から見ると、従業員の方面から見れば相当に不安の念がありはしないかと思う。従つて今回の九州の災害予算に対しては、特定なものを将来補正予算において組むなりして、いわゆる予備金の性格を――あの予備金の性格ももちろんこの天災の場合において行われることも考えてはおりますけれども、それ以外にあの條項によりますれば、ある意味における待遇改善が予備金を使つてもさしつかえない、こういうような建前になつておりますので、予備金は必ずしも災害予備金ではなく、公社全体の予備金としてあれは行われておるわけでありますから、今回の災害にこれが全部使われるとすれば、この予備金についてはさらに将来の補正予算なり、あるいは適当なる時用に当然に考えるべきであると考えるのですが、その点についての御所見を伺いたい。
#30
○塚田国務大臣 公社の予備金は、私は公社というもののあり方からしまして、国の予算や何かの予備金とは多少事情が違う、一部分ここに収入支出の間のゆとりというものを、予備金という費目で載せてあるという性格も若干ないとはいわれないと思う。そういう意味におきまして、昨年の場合には予備金が賃金値上げに使われたということは、一応その面からはある程度うなずけると思うのです。予備金本来の性質からいいますれば、やはりこれは不測の事態に傭えてあるべきものなのでありますから、てきるならばこれはやはり今度の九州の災害というようなことのために使うのが正しいのであつて、ただそういう必要の起らなかつた場合に、たまたま給与などをどうしても上げなければならぬという事情があつた場合には、やむを得ず使うということがあり得る、こういうふうに了解をいたしております。
#31
○橋本(登)委員 大体今大臣のお話のようにこの予備費というものは、四十五條の「災害の復旧その他避けることができない事由による支出予算の不足を補うため、公社の予算に予備費を設けることができる。」こういう條項になつておりまして、その中心は災害の復旧にあります。しかしこの條文の審議のときには「その他避けることができない事由、」こういうものの中には、当然この従業員の待遇改善にも使われる、こういうような補足説明及び質疑があつて、この條項が設けられたわけであつて、それにおいては去年は待遇改善の方に使われたわけであります。ただ本年度の場合において、九州災害はおそらくこの十億円でも不足を来すであろうと思うのですが、将来の災害も考えられますので、これらの予備費の増額といいますか、予算はまだ決定はしておりませんが、今回提案されておる予算案の中において変更する方針があるかどうか、もしくは今回の予算において変更する意思がなければ、将来補正予算の場合において考慮される考えかどうか。
#32
○塚田国務大臣 今回の予算におきましても、九州の災害も一応この予備費でもつて何とかやれるのではないかという考えをいたしておりますので、今のところ予算を修正しようという考えは持つておらぬのであります。今後のことはどういうような情勢が新しく出て来るかわかりませんので、何とも申し上げられませんが、一般的なものの考え方としては、どうしてもこれでは足りないということであれば、予算の補正ということも考えざるを得ないかもしれない、この程度に考えております。
#33
○橋本(登)委員 大臣もお忙しいようでありますから、一応根本問題だけをお尋ねいたしましたが、なお料金値上げの問題について、しさいにこれを検討して参りますと、総額の二割五分前後の実収を得たいという考え方については、大体今までの質疑においても了承できる点が多いのでありますが、内部においては率の面においては多少でこぼこがあるように、今まで検討した上においては考えられるのであります。この点について政府は、もちろん最良の案として出されたものであろうと思うのでありますが、将来これらについての修正がもし委員会において行われた場合においての政府の態度をお伺いいたします。
#34
○塚田国務大臣 これは先般もちよつとお答え申し上げた点なのでありますが、今度のこの料金値上げで一番加入者の方々に、特に非常に多量に使用になる加入者の方々に大きな負担増をかけますのは、結局度数料を五円から十円にしたということにあろうと思うのであります。前回の一割値上げのときにはそうせずに何とかまかなえるというので、度数料には手をつけずにおつたわけでありますが、今度はどうしても二割五分になれば度数料に手をつけざるを得ない。度数料に一旦手をつけるとした場合に、五円から十円に持つて行くか、中間に七円とか八円という数字を考えるかということを、ずいぶんいろいろ考えたのでありますが、この点はさつきもちよつと申し上げましたように、結局十円というものの利用される方々に与える利益とこの十円の価値というものの比較、それから現行諸外国の度数料との比較というものを考えて、十円ぐらいが妥当な数字ではないか、これを八円なり七円なりにとめておかなければならないという理由は全然考えられない。こく素朴な考え方でありますが、はがきも往復ならば十円だ、少くとも返事を聞けるということならば、あれだけ手間がいつてすぐに返事が聞けないはがきでも十円なら、もちろん電話の場合にはこのほかに基本料や機器を備えつけるための負担金もありますから、そういうものも考えなければなりませんが、十円ぐらいのことならば適当じやないか、こういうことが考えられて、一回十円という数字をぜひ御承認願いたい、こういうふうに結論を出しました。そこで結果において非常に多数使用される方が、少くとも利用価値からすれば十円くらいはあたりまえだということはわかつても、非常に過渡的に急激な負担がふえて、これがためたとえば事業を経営しておられる方でありますと、事業経営が非常にやりにくくなる、こういう点は確かに反対論の理由としては理由があると思います。この点については、私どものものの考え方がなお多少不十分であつたかもしれないという考え方もありますので、多数使用者というものについて若干の低減を考えるという考え方は、一応うなづける面があるのであります。こういうふうに考えております。従つて将来そういう面において国会での何らかの御修正が意図されますならば、どのような御案が皆様方の間でできますか存じませんが、そういう意味での案ならば、私どもにおきましても、そう強く反対申し上げるというような考え方はないわけであります。
#35
○橋本(登)委員 これは公社の方の説明員にお聞きしたいのです。公社の方では、この中小企業者というのは大体電話回数から見て、一日平均どのくらいのところを中小企業と見ておられるか、この点を聞きたい。
#36
○吉澤説明員 実はただいまの御質問でございますが、中小企業の定義はいろいろあるようでございます。たしか法律で中小企業というのは資本金が二百万円ですか、そういうようなことの定義もございますが、私どもはそういう定義でなくて、大体その範疇に属するものは、一本あるいは二本以下の電話をお持ちになつている方がその範疇に入る、こういうことで今調査をしかかつております。これは数の多いことでありまして、なかなか十分な資料がすぐに間に合わないと思いますが、平均いたしまして、私どもの勘でありますが、一本の電話で一日十度から十一度くらいのところが大体そういうところに入るのではないか、こういうふうに考えます。そこでそれの一つの例といたしまして、一番の住宅地街であります東京の荻窪局の平均通話度数の最近のものをとつてみたのですが、それは平均四度になつている。一番商業なり証券業あるいは銀行というところが固まつております中央区の平均通話度数を見ますと、十四、五度という状態であります。大体私の推測するところでは、十度平均が中小企業者の方ではなかろうかと考えております。目下調査をいたしまして、なるべく的確な数字を今集めつつありますから、その辺は漠然たるお答えてはなはだ恐縮でありますが、なお調査の結果申し上げたいと思います。
#37
○橋本(登)委員 ただいま吉澤説明員のお話ですと大体の勘であるが、一本の電話で一日七、八度から十度辺を使うところが中小企業と見られるというお話であつて、われわれもその見当だろうと思います。そこでこの七、八度から十度くらい使う中小企業は、今回の政府提案によるところの原案によつてどのくらいの値上率になるか、一応算定の基礎がありましたらお聞かせ願いたいのであります。
#38
○吉澤説明員 かりに十度ということに推定いたしまして、今回の料金改訂による負担増を調査いたしましたところ、一日平均が東京が八・八度であります。平均の方にいたしますと六十度の度数が九百円の中に含まれておる従つて大十一度分から十円ずつ度数料を加算されるということになりまして、負担においては大体五八%ということになつております。十度でありますと、多少そこが率がふえまして五九%辺だと思います。
#39
○橋本(登)委員 そこでこの料金の方式ですが、料金の方式としてまだ整備途中でありますからして、根本的な料金制度が確立しておらないのは無理がないのでありますけれども、私はこういうぐあいに考えておるのです。ややもすれば従来のやり方で見ると、広域電話地区、たとえば自動式なら自動式が普及して参りますと、広域電話地区になつて、どこもここも従来の五円なら五円でかけられる、こういうふうに漠然として行われておるようでありますが、将来これらの電話施設が、あるいは設備か整備せられましたならば、当然もつと地区を区分して、そこで倍率をもつて料金をきめて行く、こういうような方式が原則としてとられるべきであると思うのですが、こういうことについての考え方はどうでありましようかたとえば近い将来において江戸川区が自動式になる。これをいわゆる度数制度の中に加えられますと、従来は江戸川から東京市内にかけるのには十円か何ぼかかかつておる、それが今度は現行法で行きますれば、当然五円でかけられる、こういうような矛盾が出て来るのでありますが、これは料金制度の根本が確立しておらないからであると思うのです。いわゆる機械設備の整備に伴つての料金制度の改廃、こういう点について将来の御方針があれば承りたい。
#40
○吉澤説明員 これははつきりした方針というものは、まだ公社といたしましてもきめておりませんが、お示しの通り市内におきましても料金が帯域になつておる例が、アメリカにおいてはすでにとられております。またイギリスにおきましても、ロンドンにおいてはそのような例がございます。日本におきましては、ただいま東京で約二十二、三万の加入者がございますが、地域的にしますと非常に広い範囲の市内の通話になつております。これを同一の市内度数料金ということは合理的でもないと思います。今後ますます近郊の地を合併すれば、なおさらその辺に、負担の点からも、かつまた設備上から見ましても、帯域をとる必要があろうかと思つております。今後その研究といたしましては、設備におきまして相当な施設を改善する必要がある。たとえばただいま川崎と東京あるいは市川と東京のごとく、ゼロ発信のゾーン・メーター・システムの設備をつくるということ、これがまつ先に必要になりますために、将来の傾向を考えますと、設備からあるいは局舎の設置から、さような方針のもとにする必要がありますので、ただちにこれを実行するということには参りませんが、この方向が正しいだろうというふうに考えております。
#41
○橋本(登)委員 松前さんも大臣に質問があるそうでありますから、最後に一つお聞きして松前さんに譲りたいと思います。これは松前さんもそういう意見を持つておるそうですが、松井君からして料金の規定といわゆる公衆営業法とを別にすべきであるという見解を持つておられるようでありますが、私は料金の規定はサービスの一種である、こう考えております。従つて公衆電気通信法は、いわゆる公社の営業自体を規律した法律でありますからして、サービス法である。であるから、この基礎的サービス法の中に料金の原則が入つておるのが当然であつて、これを引離す方が法律的には矛盾がある。当然これはサービス法の一環として、その法案の中に含まれるべきである、こういう見解からして、政府のいわゆる一本にして提出せられたことが妥当であると考えております。その際松井君から、他に別の法律によつて規定されているじやないかという見解が述べられましたが、これは設備負担法であろうと思います。設備負担法はとにかく限時法であつて、今後五箇年という限度を限つた法律であつて、当然特別法として規定せられるのはあたりまえでありますからして、料金の原則をきめることは事が違いますから、料金の原則はサービスの一環として行うべき営業法の中に規定せられることが当然の措置である、こういう考えを持ちており、政府もその意味において提案せられたと思うのであります。なおあらためてその点についての大臣の見解を伺いたい。
#42
○塚田国務大臣 法の形式的な見方というものは、立場、観点、ものを論ずる観点が違うに従つて、いろいろな考え方があると思うのでありまして、先般松井委員が御指摘になつたときに、松井委員がお述べになつたようなものの考え方も確かに一つの考え方としてあると思います。またただいま橋本委員からお述べになつたような考え方も確かにあると思うのでありまして、私もいろいろ検討してみました結果、やはり一本の法律にしておく方がいいという考え方を私としましては支持いたしまして、このようにしたわけであります。
#43
○松前委員 ただいま橋本委員の御質問に関連して、きようはもうおそうございますから簡単に質問いたしまして、重要な、私の主題といたしまする問題は後日に譲ることにいたします。
 橋本委員の御質問に対して大臣が答えられました中に、いわゆる多数通話をする加入者の料金は、通話の度数が多い分に従つて逓減してよろしい、そういうことも考え得るような修正には応じ得ないわけではない、このような御答弁がございました。私はかつてヨーロツパからアメリカ方面を、もう大分前でありまするが、まわつてみましたときに、そのような料金制度をとつている国は一つもなかつたのであります。何となれば、たくさん電話をかける人はむしろ都心におる人であり、町のまん中におる人であつて、その電話局の施設は、土地から建物から機械類から、相当厖大な設備をしなければならない。その設備は決して電話機一個にあらずして、局内装置に対して厖大な施設を必要とするのであります。むしろ多少通話を遠慮してもらいたいぐらいのものであります。そういう人は一つの電話を朝から晩までかけておるというようなことでありまするから、なかなかこちらから電話をかけても話がつながらない。いわゆる電話を百パーセント利用して、それだけで自分の生命とする商売をやつておる人たちに対しては、むしろ料金を逓増こそすれ、逓減すべきではない、こういうふうな見解のもとにスエーデンやデンマークにおいては逓増法をとつておるのであります。私が行つたときには少くともそうであつたのであります。最も公平なる、最も妥当な庶民のための政治をやつている国では、むしろ逓増法をとつているということを私どもは見て参つたのであります。私は帰つてからその料金政策の根本問題について、役人でありながら、当時の逓信省を非難したことを覚えているのであります。このような意味におきまして、ただいまの大臣の御答弁は、少数の資本家のために、逓減法をとることによつて、彼らに利益をもたらしめるという立場に立つて、この逓減法をとつておるのでありまして、これらの問題に対して世界全般にわたつての例を、公社あるいは郵政省として御調査の結果をお知らせいただきたいと思うのであります。同時に大臣はこれらに対する極端なる資本主義政策をおとりになるつもりにおいて、そういう御答弁をなされたのか。あるいはもつと庶民的な立場における料金政策というものは、むしろ放棄されたものであるか、これらの問題に対して御所見を伺いたい。
#44
○塚田国務大臣 これは御指摘になるほど、そんなに大きな観点から実はこの問題を考えておつたのではなくて、こういう考え方でおつたわけです。ただいま松前委員の御指摘になつたように、商売というものの原則は、たくさん買つてもらえばありがたいというときには、たくさん買うほど単価は安くなるということになります。従つてなるべくたくさん買つてもらいたくないというときには、たくさん使う人間の方を高くするということにきつとなると思うのであります。そういう意味から考えまして、私どもとしてやはり少くとも日本の今日の現状では、大きく利用される人だからといつて、特に逓減をするという考え方はとらないでもよいのじやないかというのが、原案の考え方であります。それに対して利用増という人たちを幾らか減らしてもよいのではないかという考え方は、過渡的にあまり急激に負担がふえるので、商売をおやりになつて行くのに困られるだろう。ことに非常にたくさんの方、証券業者の方の場合には、実際にそういうことがあるかどうかわかりませんが、年に一億の電話料を払つておる、そういう人が、一億がかりに二億になるというふえ方をする、あるいは二億まで行かぬでも、三割ないし四割ふえるということになると、三千万、四千万と急にふえる、そういふうに急激にふえて、商売を続けてやつて行く上において非常に困難になるという場合には、これはやはり考えなくちやならない、そういう考え方で逓減というものを考えるなら、まあ考えてもよい、こういう考え方で実はおるのです。
#45
○松前委員 ただいまのお説はまことに安易な考え方でありまして、電話料金のごときは、少くとも今後において電話が普及すればするほど、国民の大多数によつて使われるようになるので、私どもが最も模範的な国といわれる北欧の諸国をまわりましたときでも、農村の電話のごときは、むしろ都会の商業地域の電話よりも料金が安いのであります。ことにまた商業地域でも、デパートあるいは証券業者のごときはかえつて高い。このような料金政策をとつておる。しかもデンマークは会社であります。先ほど来申し上げたように機械の実質から見ても、何かその辺の木綿ぎれやあめ玉でも売るような頭で、電話の回線をお考えになるということは、まことに電話自体を理解しない考え方だと私は思うのであります。電話はそういうその辺の雑貨類のごときものと同じような商品と考えられては間違いだと思う。御承知のようにそのような証券業者やその他の方々は、度数がふえれば料金が多くなる、払わなくちやいかぬ、値上りすれば料金をたくさん払うということはあたりまえな話なんです。あたりまえな話でありますと同時に、もしも少く電話をかける人たちに対しては、そこに基本料金でも高くされた日には、電話をかけないで、必要なときにはかけるが、度数が少くてたくさんな負担を初めから負わされて行く。このようなことは電話の普及を最も妨げる政策であると言わなければなりません。電話をたくさん使う一部の人たちが、電話のスイツチを専有しているということ、その人たちの電話は少くとも非常に長い時間の間はかけつぱなしであります。おそらくこれらの電話が幾らくらい払つているかということと、一つの通話の時間が何分であるか、その辺を測定して来れば、おそらく彼らの通一話はほかの人の通話に比べればはるかに時間が長いので、時間に制限のない現在の電話の通話の制度では、そのような逓減法をとるがごときことになりますれば、まことに不公平な電話料金制度にならざるを得ないとわれわれ思うのでありますが、これらに対してもう少しこの施設の内容と、その利用並びに電話の通信網の特質にかんがみられまして、そのような一部の人たちのみの利益を考えて一切の値上げの問題を考えるということは、まことに危険であると思うのでありますが、大臣はどういうお考えでありますか。
#46
○塚田国務大臣 これは先長い将来、ことに日本の電信電話が非常に整備した場合のことも考えて、将来の方向はどうだということであればおそらく御指摘のように、また世界の先進国の例にならつて行くのが正しいと思うのであります。ただ何にいたしましても現実に経済社会で実際の仕事をやつておられる方が、現に利用されているのでありますから、理想の方向はこうであるといたしましても、そこへ持つて行くのに急激にそれを実施いたしますと、その移りかわりの段階において、実際に利用されている方々が、たとえば企業の安定した経営をゆるがされるというような障害が出て参りますので、やはり逐次そういう方向に持つて行くように努力しなければならぬ、こういうことなんでありまして、そういう意味におきまして今度急速に値上げをいたしたのでありますから、どうしても一時は多少将来の方向に逆行するように思えても、利用の数の多い人たちには、若干逓減というものは考えておかなければならぬのじやないかという考え方であります。
#47
○松前委員 ただいまのお話はわれわれにはどうしても理解できない問題であります。またそれは電話を将来普及せしめないとか、あるいはまた電話の将来の拡張に対して熱意がないような現在だけを見た場合においては、今のような御議論が成り立つかもしれないのでありますが、しかしただいま申し上げたような電話の本質から見て、事業の健全なる経営方針ではないばかりか、政治的に見てもまことにへんぱな結論を与えられるものであると思うのであります。度数の少い人でも、もちろん電話料金は上るのでありますから、それだけ急激なる変化を来すのは同じことでありまして、さいふが小さいから小さいものからはうんととつてやつてもいい、さいふが大きいからそれから少くとつてやろう、そういう絶対値だけでものを言うべきではなくて、その人のさいふの程度を考えて、しかるべき率によつてとるのが当然であると思いますが、その点はわれわれのいろいろ政治的立場の相違か、あるいは思想的相違の問題だと考えられるのであります。こういう意味におきまして、これは何度質問しても結論は同じ御答弁だろうと思うのでありますが、私どもはこの問題はどうしても承服できないのであります。
 もう一つは、国際電気通信に関しまして電電公社との問題を一つお尋ねして、あとは後日に譲ることにいたします。それは従来わが国にサービスを営業しておつた電信事業がありました。すなわち大北電信会社あるいはコマーシャル・パシフイツク、このようないろいろな会社がわが国において営業をいたしておつたのでありますが、これらと国際電信電話株式会社あるいは電電公社との関係は、どのような関係と交渉過程になつているか。これらの問題について御説明願いたいと思います。
#48
○塚田国務大臣 これはまつたくまだ事務当局からも聞いておりませんでしたので、監理官からかわつてお答え申し上げます。
#49
○金光政府委員 ただいま松前委員のお話がありました外国の電気通信事業経営の会社であります大北電信会社とそれから商業太平洋会社、それから電電公社及び国際電信電話会社の関係はどうかというお尋ねだと存じますが、商業太平洋電信会社は松前委員も御承知のように、戦前におきましては小笠原におきまして東京からの回線布設をいたしまして、アメリカとの通信をやつておつたわけであります。戦時中に回線が障害になりまして、終戦後これが復旧方をしばしば同会社へ申入れ等もいたしましたが、現在におきましては商業太平洋会社自体がアメリカ国内におきまして解散のうき目を見まして、現在はこの回線をそのまま放置された状態にあるわけであります。現在におきましては、海底線による日米間の電信連絡というものは、おそらく近い将来において再開の道はないのじやないかと存じております。
 それから次に大北電信会社でございますが、これも昭和十五年だつたと存じますが、従来持つておりました日本長崎端におきます陸揚権というものを消滅させるということに許可状を改訂したわけであります。その後そのまま戦争に入りましたために、この点につきましては当然日本側としましても、陸揚権を消滅したというふうに了解しているわけでございますが、終戦後におきましてこれもデンマーク国の外交機関を通じまして、これが通信の再開方を当時の司令部を通じて話があつたわけであります。当時戦前におきます改訂の許可状によりましては、陸揚権を消滅した後に三箇年後におきましては、その施設を撤去するということになつておつたわけでありますが、戦争に入りましたためにその施設はそのまま残つておつたわけです。そこで終戦後においては司令部の仲介によつて、一応そういう陸揚権の消滅云々の問題は触れないことにして、現在すでに設備自体が残つているので、これによる欧州向けの通信を再開したらどうかということで、現在におきましては長崎端におきます電報局の運用は、当時の電気通信、その後において電電、現在においては国際電電会社がこの運用に当つておりまして、従来大北会社の持つて、おりました海底線及び長崎端におきます電報局設備によつて、欧州との間の通信を実施しているわけでございます。これらの根本的な問題につきましては、戦時中における大北会社線の持つておつた海底線の修理等の問題とあわせまして、現在デンマーク国の外交機関より日本国政府に対しまして、損害賠償等の外交上の要求があるわけでございます。これらの点につきましてはまだ解決を見ておりません。郵政省としては外務省と十分連絡をとりまして、これらの解決に当りたいというふうに存じているわけであります。そういつたような関係で従来ありました外国通信会社の関係というものは、長崎における大北会社の関係が残つているだけでございまして、あとは国際電気通信に関する限り、日本電電公社及び国際電信電話会社が全部自主的に経営しているわけであります。
 そこで電電公社とそれから国際電信電話会社との、国際電気通信業務の分界はどうなつているかということになりますと、これは公衆電気通信法の中で、この範囲は政令でもつて定めるということに相なつておりまして、この政令の内容としては、われわれとしては一応電電公社のやります国際電気通信業務は西南諸島、いわゆる沖縄との間の通信、及び船舶を相手といたします海岸局――これは現在公社がやつておりますが、この海岸局を通じての外国船舶局との間に行われます外国無線電信、これは公社が実施いたしますが、その他の欧米及びアジア地域あるいは太洋州方面に対します国際通信は、あげて国際電信電話会社がこれをやるということになつております。
#50
○松前委員 大体わかりました。国際電電というものは、われわれはその法案の審議のときには国会に出ておりませんでしたが、そのときの模様を聞きますと、海外に進出するために必要なる民間機関として、国際電信電話株式会社を設立する、このような目的のためにつくられたかのごとくに聞いております。それならばただいまの大北電信会社がまだ生きておつて、そして国際電信電話会社がこれを委託経営しているというような過渡的な状態でなくして、将来大北電信会社に対して、あるいはまたその他の海外に対して、何らかの具体的な意図をもつて国際電信電話会社は経営を営んでいるかどうか。この点について御説明を願います。
#51
○金光政府委員 昨年の会社法審議の際におきますことは、私も当時直接の担当でございませんのでよく存じませんが、今松前委員のおつしやつたようなそういつた国際電信電話会社をつくつて、これを将来海外進出のために基盤にするのだというようなことは、別に会社設立の主要な目的でなかつたと存ずるわけでございます。現在の情勢におきましては、まず日本におきます国際電気通信事業のサービス改善ということが会社本来の目的でありまして、そういつたような海外進出というようなことは、現在の場合におきましては政府としても意図していないわけでございます、
#52
○松前委員 そういういわゆるアンビツシヤスな会社でないといたしますならば、この国際電信電話会社をつくられた趣旨というものが非常にわかりにくくなつて来る。かつて日本無線電信株式会社や国際電話会社を民営として設備だけをやらせる会社をつくりましたときには、海外との電信電話通信のために、当時の逓信省の予算をもつてしては、あるいは大蔵省の査定によつてどうしてもその施設をやることができない、ですから民間の資本を動員することによつてその施設を拡充し、その施設を逓信省が直接一元的な運営において利用いたしまして、海外との通信の発展をはかろうというのが目標であつたのであります。ところが現在においては国際電気通信株式会社は相当な施設を持ち、この前の国会において伺つたところによると、まだ剰余設備が相当にある。そういうような設備の拡張の必要のないところの状態にあるにもかかわらず、何ゆえ国際電信電話株式会社を設立したかということを、われわれは疑わざるを得ないのでありますが、これは筋の弱い、あるいは過ぎ去つたことかもしれないけれども、一応現任の当局の御見解を伺つておきたいと思います。
#53
○塚田国務大臣 これはまあいろいろな企業をどういう形態でやるかという、ものの考え方の本質論にもなると思うのでありますが、私も当時自分としては別に電信電話関係の委員をしておつたわけでもありませんし、ただ一議員としてあの法律を通しましたときに賛成いたしました考え方は、私が持つおりますこういういろいろな事業に対する経営のあり方という考え方からものを判断しておりますので、なるべくやつて行けるものは国から逐次分離して、民間の方に移して行くことがいいのじやないか。ことに国際電信電話というものは接触面が、非常に世界の他の国々との間に接触をいたしますので、なるべく日本も世界の国々に遅れないように早く一本立ちになつて、世界のレベルまで急速に持つて行く方がいいのじやないかという意味で、あの部門だけは十分採算もとれる。従つて民間に移すことも可能である。そのほかあの国際電信電話の総体の規模、そういうものからしても非常に妥当であるからというので、一応あれは民営に持つて行つたのであります。私の考え方からすれば、むしろこの電信電話事業自体ももう少しよくなつて行けば、民営に持つて行つた方がさらに一段と合理的に経営もできて、もつとうんと発展するのではないかと考えておるのでありますが、何にしましても今日の段階では、まだ相当国がめんどうを見てやらなければならない状態にあるというので、これは公社にして残しておく、こういうような考え方で、私は国内のものは公社に、海外のものは株式会社にという考え方に賛成したわけでありますが、今でもそのような考え方であるわけであります。
#54
○松前委員 議論すれば切りがありませんが、見解の相違は重畳もただならぬものがあります。というのは、大体りくつでありまするが、国際電信電話株式会社は今相当な利益を上げておるはずであります。聞くところによると、七月までに相当な赤字が出て、本年度一ぱいに何とかとんとんになろうと予定されたものが、実際はここに出ておりますが、収入は一〇%以上の増収があつて、その増収によつて十分七月までで赤字が出なかつた。このようなことで予想以上の成績がどんどん上りつつある。これらの収支の問題は後日現在の社長さんから伺いたいと思うのでありますが、このような何十億と申しますところの事業を民営に移して、公社というせつかくこういう電信電話の拡張に必要なる同じ通信の財源をつちかうことをしないで、適当に放出してしまつて、あとに残つたやせたからだを何とか政府の力で一生懸命カンフル注射をして、場合によつては国民の税金でさえもこれにカンフル注射をいたさなければならぬ、このようなやり方は、ただいまの大臣の御説明とはまつたく反対の現象でありまして、現実にせつかく通信の一元性のために、もうかる仕事を切り離して、もうからぬものだけを残しておいて、一生懸命これをまたつちこうてやろう。一体何のためにまた料金を値上げして大衆課税をするか。しかもただいまの一部の証券業者やその他の資本家に対しては、逓減法をやつて安くしてやろう、実際言語同断の政策であると言わざるを得ないのでありますが、これはいろいろな意味において、御答弁願つても、水かけ論になる結論が見えすいておりますから、御答弁は、いただければなおけつこうでありますが、いただかなくてもいいのであります。こういう意味で、国際電信電話事業に対しまして、ここにその後の運営の状況についての書類を頂戴いたしました。これを郵政当局でなく、できるならば会社当局から御説明を願いたいと思つておる次第でありますが、これはいずれ次回の理事会にお諮りいたしまして、御相談を申し上げたいと思つておる次第であります。本日はこのくらいで打切りまして、あとの本論は今後に譲ることといたします。
#55
○塚田国務大臣 まつたく水かけ論になると思うのですが、私どものものの考え方からいたしますと、松前委員がお考えになつておるようには考えておらぬのでありまして、予定よりも非常に利益が上つたというような御意見でありますが、あるいは民営にしたから利益が上つたということもあり得るかもしれませんし、またわれわれは民営にすることによつてそういうことを非常に期待しておつた。もう一つ、これは確かに思想的なものの考え方の違いによつて、考え方が違うと思うのですが、私どもは今日の企業は、たとい株式会社の企業でありましても、相当大きな規模のものは、いわゆる私企業という考え方とは大分隔たつておると考えておるのであります。かりに株式会社になつておりましても、あの株主が、会社の事業が発展することによつてどれだけ利益を受けるかということになりますと、公社の形とあまり違いはないと考えるのでありまして、御承知のように国際電信電話会社の法律の項には、配当に対する制限の規定もありまして、あの会社が利益を上げますならば、あれはむしろあの会社自体として設備の改良、拡充という面、これはやはりわれわれの考え方からすれば国家的な目的に向つて使われるのだ、そういう意味において、別にあれを特定の人たちの利益のためにああいう形に持つて行つたとは考えておらぬのでありまして、これはまさに御指摘のように考え方の違いではありますが、われわれのものの考え方は今申し上げるように考えておるわけであります。
#56
○成田委員長 先ほど橋本委員の予備費に関する御質問ですが、これに関連して一言お尋ねして、おきたいと思います。橋本委員の方から御質問がありまして、今度の料金の値上げは給与ベースに食い込むことはない、それに対して橋本委員の方から昨年の例をとられまして、仲裁裁定なりあるいは調停が出たり、あるいは人事院の勧告があつた場合には、去年も予備費から出したのですから、ことしもそれを考えなければいかぬのじやないか、こういう質問があつた。特にことしは北九州の災害がありまして、予備費も大部分はそれに食われるのじやないか、それでただいま提案になつておる予算案を修正するか、あるいは補正予算の形で出す必要があるのじやないかという御質問に対して、大臣の方から予備費というものは原則として災害の復旧が中心だ、現在昨年度の繰越し並びに今度の十一億の予備費でまかなえると思うから、そういう考え方はない、こういう御答弁があつたと思いますが、そこで私たちもベース・アツプの問題に関連してお尋ねするのでありますが、事実上昨年度の繰越しの予備費なり、十一億の今度の予備費というものが、北九州の災害にほとんど食われてしまうとすれば、塚田郵政大臣の言われるように、災害復旧が中心だということになりますれば、今後災害がないとすれば、現在の予備費でいいかもしれませんが、予備費というものは災害復旧を中心だとお考えになつておることは少し私は疑問がある。と申しますのは、公社法の予備費の規定も、「災害の復旧その他避けることができない事由による」とありしなして、災害復旧というものは一つの例示だと思います。その他避けることのできない事由というものがあると思います。特に予算総則の二十三條には、給与総額の変更の場合、今度の給与総額を三百三十五億幾らとする。「但し、この予算の基礎となつた給与準則を実施するため必要を生じた場合において、経費の流用、予備費の使用により、」云々とあるのです。予算総則に、すでに予備費の使用によつて給与総額の変更さえできるということになつておりましたら、この條項から見ましても、大臣の言われる予備費は災害復旧が中心だというお考えには、少しく無理があると思う。橋本委員からも御質問がありましたように、この予備費でベース・アツプする、特に人事院の勧告とか仲裁裁定があつた場合には、避くることのできない理由として、当然予備費でベース・アツプも考えていいのじやないかと思うのですが、どうですか。
#57
○塚田国務大臣 今成田委員長の御指摘のような気持で私は先ほどお答え申し上げたのでありまして、この点は、国の予算や何かの予備費と、公社の予備費というものは性格が違う。大体災害復旧というような突発のものに充てるためにあるものであるが、しかし公社の予算なんかの中に出て来る予備費は、そのほかにやはり一応収支のバランスをつくつて、ゆとりのあるもののうちの一部分をここへ予備費という費目で出してあるという考え方も若干まじつておるからして、やむを得ない事情があつてそういうように必要を生ずるならば、そういうような方向に流用する場合もあり得ると思う、そういうようにお答え申し上げたのであります。
#58
○成田委員長 御方針の問題についてはこれ以上伺いませんが、一応橋本委員の御指摘がありましたように、北九州の災害がありまして、予備費が大分食われている。ことに二十七年度は予備費が十五億だつたのです。今度は十一億です。そういう点で予備費も減少しております。ことに北九州の災害という不測の事態が起きて、予備費の大部分が食われたとすると、予算総則に規定されておるような給与総額の変更に充てる予備費というものは、当然なくなつているという現状はお認め願いたいと思うのですが、どうですか。
#59
○塚田国務大臣 これは公社をやつて行きます上に、どうしても給与を上げなければならないという事態が起つて参つて、それがだれの目から見ても妥当で、無理ないだろうということであれば、どんなにしたつて財源というものはひねり出さなければならぬ、それが出なければ結局経営が成り立たないということになるのでありますから、そういう意味におきましては、私はそんなにきゆうくつに考える必要はない、また考えてもおらぬのであります。ただしかし公社というものは一つの企業形態、ことに公社にしましてから非常に民間企業に近くなつて来ておりますから、そういう考え方から持つて来れば、やはり給与が上げられる事情は、中にゆとりができるか、ゆとりを働き出すか、何かそういうことがあつてでなくてはこれは考えるべきでなくて、今度のように別の目的でもつて値段を引上げたというような場合には、その面から出て来るものはこういう意味の財源としては考えられないのが経営のあり方ではないか、こういうような考え方で申し上げたのであります。
#60
○成田委員長 ほかに御質疑がないようですから、本日はこれにて散会いたします。
    午後六時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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