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1947/04/06 第2回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第002回国会 財政及び金融委員会 第18号
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1947/04/06 第2回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第002回国会 財政及び金融委員会 第18号

#1
第002回国会 財政及び金融委員会 第18号
昭和二十三年四月六日(火曜日)
    午前十一時二十六分開議
 出席委員
   委員長 早稻田柳右エ門君
   理事 中崎  敏君 理事 梅林 時雄君
   理事 塚田十一郎君 理事 吉川 久衛君
      赤松  勇君    川合 彰武君
      川島 金次君    河井 榮藏君
      佐藤觀次郎君    田中織之進君
      林  大作君    大上  司君
      栗田 英男君    中曽根康弘君
      細川八十八君    青木 孝義君
      泉山 三六君    島村 一郎君
      周東 英雄君    苫米地英俊君
      宮幡  靖君    淺利 三朗君
      井出一太郎君    内藤 友明君
      石原  登君    河口 陽一君
 出席政府委員
        大藏事務官   福田 赳夫君
 委員外の出席者
        專門調査員   氏家  武君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 財政法第三條の特例に関する法律案(内閣提
 出)(第三五号)
    ―――――――――――――
#2
○早稻田委員長 会議を開きます。
 財政法第三條の特例に関する法律案を議題とし、昨日に引続いて質疑を継続いたします。
#3
○川合委員 今朝いただいた資料によりますと、財政法の第三條の適用の範囲の中に主食である米がはいつていないのですが、米は財政法第三條の中にはいるべきものであるかどうかという点に関する、当局の所見を伺いたいと思います。
#4
○福田政府委員 お答えいたします。財政法第三條には、御承知のように「國が國権に基いて收納する課徴金及び法律上又は事実上國の独占に属する事業における專賣價格若しくは事業料金」というふうにあるのでありますが、精神論から言いますると、主食のごときは非常に重大な政府決定の價格をとりまする関係上、この條項に該当するようにも見えるのでありまするが、一應の分離解釈といたしましては、第三條には該当しないと考えるのであります。精神論から言えばただいま申し上げた通りでありまするので、この主食の値段を國会にかけるということにつきましては一向異存はないのでありまするが、ただ現下の状況といたしましては、米の値段は食糧管理法に基きまして買入れをいたす。また賣渡しをいたす。賣渡しをいたす場合におきましては、買入れの値段にコストを加えまして、しかして値段をきめておるというような状況でありまして、現在他の廣汎な民間物資につきまして、價格統制令に基きまして價格をきめておるという段階におきましては、しばらく猶与を願いたいと考えておるのであります。分離解釈といたしましては第三條には該当しないと考えております。
#5
○内藤委員 今度お出しになりましたこの特例法につきまして、こういう特例法は要らないのではないかと思うのであります。と申しますのは、財政法の附則第一條に、この施行に関し、第三條の施行の日は政令でこれを定めるというので、第三條の施行を政令で定めればこの法律は要らないのではないか。ただここに特例として三つ掲げてありまするが、それに漏れるものはただいまいただきました資料の中にもありますように、課徴金、それから國の独占に属する事業の專賣價格の中におきましては、しようのうだとか、にがり、鹽、アルコールというふうなものだけが残るのでありまして、大体大きなものは全部この特例法にはいつておるのでありますから、むしろ今度出されました法律は屋上屋を重ねるような感じがいたすのであります。この際財政法の第三條の規定通り、施行の日は政令で定めて、全部財政法の施行の趣旨に則つておやりになるのがよいのではないかと思うのでありますが、これにつきまして政府御当局の御所見を伺いたいと思うのであります。
#6
○福田政府委員 お答えいたします。御説まことにごもつともの次第と考えます。すなわち財政法第三條は、その附則におきまして、政令でその施行の日を定めるということになりまして、政令さえ出しますれば、それで一應第三條というものは施行になるのであります。ところがその際に、ただいまの緊急状態の存続する間におきましては、多少の例外を設けたいというのでありますが、それをこの政令自体に、施行の際におきまして、これは例外だというようなきめ方もあろうかと思うのであります。しかしながら私どもといたしましては、財政法第三條というものを、フルに、あつさりと施行するという大前提をとりたいというふうに考えておるのであります。これは恆久立法といたしまして、どうしても第三條というものを施行いたしまして、國の定める一定の料金等につきましては、國会の御審議を経て、その料率等をきめるというふうにいたしたいと思うのであります。しかしながらただいま申し上げた通り、緊急事態でありまして、多少の例外が要る。例外ならばこれは例外の法を別に制定いたしまして、これは臨時の法制というふうに別に扱いたい、かような趣旨から今回この法律を出したわけであります。國会の審議権尊重というような見地と、また財政法をなるべく理想体系にもつていきたいという見地から、財政法はただ單に法律の定めるところによりましてその施行の日を政令で定める。そうして他面これが特例を臨時的に設けるという立法手段を講ずるような態度をとつたわけであります。
#7
○内藤委員 ただいまの御答弁で納得しかねるところがあるのであります。経済緊急事態であるからこの特例を認めるというお話のようであります。しかし認める以上は認められるのでありますから、この財政法附則第一條の政令でその施行の日を定めればそれでよいのでありまして、ただ特例法に漏れるものは、この緊急事態において、なおこれを政府が法律で國会の審議を経ずしてきめていくという事態にあるのだから、それだけは残しておくのだという感じを、ただいまのお答えから受けるのであります。ところがさような氣持をもちまして財政法第三條に規定しております課徴金でありますとか、あるいは專賣價格でありますとか、事業料金であるとかいうようなものを眺めてみますと、ただいま特例に設けてありますこの三項目よりも、何といいますか、この緊急事態において認めてもよいのじやないかと思われるのでありますが、そこはどういうことでありますか、一應伺いたいと思うのであります。
#8
○福田政府委員 お答えいたします。今回お願いたしております法律案におきましては、製造タバコと、それから郵便、電信、電話、郵便貯金、郵便為替及び振替貯金に関する料金、それから國有鉄道運賃、これは財政法第三條の規定通り國会の御審議を経る、この三つが政府がただいま財政法第三條に該当する事項として決定いたしておるところの料金の主なるものであります。それからさらにただいま川合委員から御指摘のありました主食の問題がありますが、先ほど申し上げました通り、これは財政法第三條には、分離的には該当しないというふうに考えておるのでありまして、ただいま申し上げました三つが非常に重大な問題というふうに考えておるのであります。さしあたり緊急事態の続く間におきましては、この三つはどうしても國会の御審議を経たい。爾余の負担金でありますとか、納付金がありますとか、さような軽微なものにつきましては、経済緊急事態継続中でありまして、從つて物價統制令というものが施行されておる。この物價統制令におきましては、民間の廣範な物資にわたりまして價格を決定しておるというようなものとのバランスの関係もありまして、負担金納付金、その他のこまかいものにつきましては、この際政府におきまして、臨時に從來通りその料率をきめていきたい、かようなことにいたしておるわけであります。
#9
○早稻田委員長 梅林君。
#10
○梅林委員 今の内藤さんの御質問に多少関連をもつておるのでありますが、政府の昨日來の御説明等から引合わして考えます場合、特にこの鉄道運賃などというものは、物價体系に重大な関係をもつております。そのような意味において、國会においてこれを承認するというその間に、相当なる時間を要するだろうと思います。その間、たとえば運賃を改訂するために、石炭の公價を発表せねばならぬといつたようなことがたくさん起つてくるだろう。それによつて生ずる――この経済状況がこういう危機に迫つておる場合に、はたしてその方面の遺憾な点を、どのようにして政府は処理されようとしておるのか、これは物價体系の面において重大な意義があるだろうと思いますが、その辺の御所信を承りたいと思います。
#11
○福田政府委員 ただいまの御説まことにごもつともな次第でありまして、ただいま経済緊急事態の続いておる現状におきましては、物價統制令というものが施行されまして、非常に廣範な範囲におきまして民間物資の價格を統制いたしておるわけであります。その際におきまして貨物の運賃を政府が決定する場合におきまして、國会の審議を経るということにいたすことは、実は非常に重大な問題なのであるわけであります。ところが財政法第三條の趣旨からまいりますると、この貨物の運賃というものは、郵便料金、タバコの値段、また旅客の運賃等とともに非常に重大な地位を占めておるわけでありまするが、しかしながらいやしくも財政法第三條を施行いたしまして、國会においてこれらの料金等をきめていただくという際におきまして、この重大なる貨物運賃だけを除外するというようなことにいたしましたのでは、これは魂がはいつていないというような結果にもなるのでありまして、政府部内におきましてはいろいろ議論をいたしまして、この際といたしましては、貨物だけは例外として、從來通り政府が決定いたしたいということに願いたいのだという要請が非常に強かつたのであります。しかしながらただいま申し上げたような國会尊重、財政法第三條の趣旨を活かすというような趣旨におきまして、旅客と並んで貨物もこれに差入れたわけであります。從いまして貨物の運賃を決定するという際におきましては、これは非常に愼重を要するわけであります。御説の通り、貨物の運賃は、その構成要素といたしまして、石炭、労銀その他いろいろな要素をその中に含んで決定されるわけでありますから、これが決定にあたりましては、物價の他の面との考慮というものが、非常な細心の注意を拂わなければならぬというように考えておるのであります。財政法第三條に関する特例法案が、御審議の結果國会において成立いたしますれば、引続いて貨物の運賃とか、タバコの問題とか、さようなものが必要に應じて御審議を願わなければならぬということに相なるだろうと思いますが、その際においては特に貨物の問題については、他の價格との関係上細心の注意を拂う、政府においても十分これが惡影響のない方法において御審議を願いたいというふうに考えておるのでありますが、同時にかような趣旨において経済緊急事態であるにかかわらず、この貨物運賃を國会の審議を願うというふうにした以上は、國会の面においてもなるべく迅速に御審議いただきまして、國会尊重という趣旨と、また経済界に対する影響という面とが両立し得るように、なるべく國会側としても御協力願いたい、かように存ずるのであります。
#12
○梅林委員 御趣旨はよくわかりました。けれども事態は事実上今日まで物價体系等決定前においては種々遺憾の点があつたわけであります。そこでこの國会の承認を得られるとしても、その時期を失するようなことがあるならば、お説の通りに財政補給金を出す等のことによりまして財政膨脹を來すことがあろう。あるいは経営の面から見ますれば、赤字金融、赤字経営といつたようなことも起つてくるようにわれわれは考えられるのであります。この財政法第三條を施行するということについてはわれわれ國会としてはもちろん、國会の権威から考えましても、喜ばしいことと思いますけれども、ただ経済状況かくのごとき時代でございますので、その運営を一歩誤るならば、より以上惡い結果が起るであろうと慮る点を、特に私は御質問申し上げたわけでありますが、第三條適用に関して、われわれははたして時宜に適したことかどうかという一点はここにあるのみであろうと思います。その他論ずる点もないのでありますが、御趣旨もわかりまして、われわれもそうしていきたいと思いますが、どうか政府におかれましてもその点特に御留意願いたいことを申し上げておきたいと思います。
#13
○林(大)委員 この財政法第三條の特例をわれわれが審議しなければならないのは、結局御説のごとくこれが直接大きく國家の負担にかかり、また國家の利益になるという問題でありますから、特に國家の負担になる面においては、十分これを数字的にもわれわれは檢討しなければならないはずでございます。その意味において郵便、電信、電話料金及び國有鉄道、この二つについては別な観点から、いわゆる独立採算制というものが考えられておるはずでございます。從いましてまずこの二つの問題について去年、今年の收支の状態と、それから独立採算制に対する大体のお見透しを一應伺つておきたいと思います。
#14
○福田政府委員 お答えいたします。通信並びに鉄道両特別会計におきましては、本年度の予算の成立いたしました後の経理におきましては、鉄道におきまして、月十億円くらいの赤字となつているのであります。それから通信会計におきましては、月五億円くらいの赤字になつております。二十二年度のこの予算におきましては、その赤字は一般会計から繰入金をいたしまして、收支の均衡を特別会計としてはとつているのでありますが、この状態はいわゆる独立採算制という見地からみますと、非常に批判の余地があるものでありまして、ただいま昭和二十三年度の予算を編成しておりますが、その編成にあたりましては、一般会計から繰入金をいたさないという意図におきまして、收支の均衡をとりたいと考えているのであります。すなわちこの両会計における建設部門といたしましては、これは長い間において償却するということにいたしまして、赤字は出ます。しかしながらこれは生産的投資でありますから、これは経済論から申しましても、赤字ということは公債金によりましても、いわゆる赤字とは理解されないのでありますから、経営收支の面におきまして、赤字は全然なくしていきたいというようなことを考えているのであります。從いまして、さような見地から予算を編成いたすということにいたしますれば、相当程度の料金の引上は必至と相なると考えているのであります。
#15
○林(大)委員 今のお話でほぼ明らかになりましたが、それでは政府は逓信と鉄道について、建設部門は建設公債でもお出しになるおつもりであるか。それともやはり一般会計から繰入れるつもりであるか。私どもとしては、できることなら建設公債をお出しになつて、あとは独立採算制のわくに入れていくことが、健全財政としては最も望ましい途であると考えるのであります。
 それからここに配付されております項目の中で、一体どれが、どのくらいの特別会計になつているのかということを、各項目について概略承りたいのであります。それからこの中で、塩のごときは今あげられている三項目に追加して、当然ここにあげられてもしかるベきような、非常に重要にして、簡單なものではあるまいかと考えるのであります。
#16
○福田政府委員 お答えいたします。特別会計の收支均衡の見地からのお話でありますが、建設勘定における赤字につきましては、ただいまのところは公債を発行するというふうに考えております。
 それからただいまお配りしてある資料、負担金、納付金等につきまして、どのくらいの金額に上るかという問題であります。これは一、二、三とありますが、二はタバコその他專賣の関係でありますから、相当多額の金額に関係するものであります。これは大体二十三年度につきましては、予算としましてまた御審議をいただくことになりますが、数百億に上る大きな問題であります。それから三の國の独占に属する事業における事業料金、これまた郵便、電信、國有鉄道等の関係でありまして、相当多額の金額に上るのでありますが、一のところに記載してあります負担金、処罰收入、手数料等は、これは金額的にはそう大したことはないのでありまして、ただ細目は非常に多岐にわたつておるというような状況であります。ただいまいくばくの金額に上るかという的確な資料は持ち合わせておりませんが、調ベて……
#17
○林(大)委員 今の局長のお話でははつきりいたしませんので、この各項目について、後日でよろしゆうございますが、次の研究のために数字を御提出願いたいと思います。それからなお一つ、今のお話の中に、建設公債を鉄道及び逓信の赤字のために発行するというお話がございましたが、これを発行することが確実といたしますと、そのあとは独立採算制でいくということを、はつきりきめておられるのか。その点をお伺いしたいのであります。
#18
○福田政府委員 ただいまのところといたしましては、できる限り独立採算制を実現いたしたい、かような心組でやつております。ただこれは具体的に料金の値上げ等が、どういうふになるかという問題にも関連していきますので、必ずそうするというふうに断言する段階にはないのでありますが、極力さようにいたしたいという心組で、ただいま仕事を進めておる。さように御了承を願いたいと思います。
#19
○河井委員 ただいま主計局長は建設公債、すなわち生産公債を発行するような考えをもつておるということをおつしやいましたが、この間の財政金融委員会におきまして、私は北村大藏大臣に生産公債を発行する意思があるかどうかということを尋ねましたら、ただいまのところそういうことはないと言明されたのであります。大藏大臣の御意見と、主計局長の御意見とは、そこに相違するようですが、どういうものでしようか。まずそれからお尋ねしておきたいと思います。
#20
○福田政府委員 お答えいたします。ただいま大藏大臣が生産公債を発行する意図はないというふうに言明されたそうでありますが、私その應答を聽いておりません関係上、的確なことはわかりませんが、想像し得ることは、一般の事業のために、すなわち一般会計におきましていろいろな事業をいたします。たとえば復興金融金庫に対する出資をする。あるいは道路をつくるとか、その他の公共事業をいたす、さような建設的な経費の財源として公債を発行するかどうかというお尋ねに対して、さような考えはもつておらぬというふうにお答えになつたのではないかというように考えるのであります。すなわち生産公債発行という議論があるのでありますが、その議論は大体一般会計予算の均衡をはかる場合におきまして、一般会計歳出中に含まれておるところの建設的なものに対しまして、公債を発行したらどうかというように、私どもは承知しておるのであります。さようなものにつきましてただいまのところは、公債を発行するという考えはもつておりません。ただ鉄道と通信、これは独立採算の企業でありまして、経理といたしましても企業的な経理をいたしておるのであります。企業におきまして建設的資金を借入金でやる、融資で賄つていくということは、これは普通のやり方でありますので、ただいま政府といたしましては、一般会計の歳出面から建設面を摘出いたしまして、これに対して多くの財源を公債でやるということは考えておらないのであります。ただ独立採算のもとに企業的経理をいたすこの鉄道通信両特別会計等におきまして、その建設のための財源を公債でやるということだけを考えておるのであります。おそらく大藏大臣の御答弁は、一般会計の議論に対するお答えでなかつたか、さように思います。
#21
○河井委員 もう一つ、この間質問しましたのは、やはりあなたがおつしやるように、一般会計の生産についての公債ということで、從つてそういうことをするならば、復金債券の発行を切替えるのかというところまで私は質問したのですが、それに対してなお今考慮中だというような大藏大臣の答弁であつたのですが、私はあなたのおつしやる鉄道とか通信とかいうようなことに対して、いわゆる建設公債を発行されることにつきましても研究を要すると思う。
   〔委員長退席、梅林委員長代理着席〕
 何となれば、こういう鉄道、通信というものは、結局は從属的な仕事でありまして、今日わが國においてとつておりまする石炭鉄鋼肥料を超重点産業とし、他の一般産業に対する資金資材を、不自由を忍ばしてまでも、このいわゆる傾斜生産方式によりまして重点産業に注ぎこんでいるこの際におきまして、そういう從属的な仕事に注ぎこむベき資材あるいは資金があり得るか、そういうものがあり得るならば、何も傾斜生産方式をとる必要はないのじやないか、こういうことを考えてわれわれはそこに疑問をもたざるを得ないのであります。でありますから、生産公債、生産するために公債を発行するというと、いかにももつともらしいことのように聞えますけれども、それを本質的に考えたならば、これは現在遂行しつつあるところの傾斜生産方式に矛盾を來してそれの遂行を妨げるような結果になるのでありますから、よく生産公債ということを言われておりますが、これを本質的に考えまして、また現在けわしい傾斜生産をとつておる際に、そういうことが簡單にできるものではないということにつきまして、われわれは十分考えなければならぬ。簡單に政府は生産公債を発行するというようなことでは、今日のはげしい傾斜生産の意義をなさない。そういう余裕があるならば、そういう傾斜生産をさして一般産業に不自由を來さす必要はない。この乏しい資材と資金の中で、一般産業を犧牲にしてまでやるという生産公債発行の限界について、なお多くの研究すベきものがあると考えますが、御意見を伺いたい。
#22
○福田政府委員 お答えいたします。生産公債を発行するということは御説の通りで、非常に問題であり、重大な事項であると考えるのであります。從いまして政府といたしましては、先ほど申し上げました通り、一般的な財政といたしましては生産公債は発行しないのでありますが、企業独立採算をとつておる企業会計だけにつきまして、最少限度の公債を発行してみたい。しかもその公債につきましては、なるベくこれを市中で消化するという建前をもつて、通信鉄道会計におきまして公債の発行を考えておるのであります。しかしながら、ただいまお話しの重点産業、すなわち傾斜生産上上位にあるところの産業に対しましても、また建設資金につきましても同樣なことをやつておるのであります。すなわちその重点産業の建設資金、これは復興金融金庫から主として供給されておるのであります。この復興金融金庫の資金というものは、一種の生産公債というような性格をもつておるのであります。財政ではありませんが、復興金融債券という形において、同じような性質をもつているのであります。これから資金が重点産業に注入されるということによりまして、鉄道、通信両会計における公債が発行されるというのと、まつたく同じことになつておるのであります。重点産業におきましては、さようなふうにして資金を調達いたしますが鉄道、通信両会計においては、公債を発行する場合におきましても、これは無制限に出すというのではありません。ほんとうに重点産業の運営に支障なからしめるように、こういう範囲が主たる点となつて決定されたのであります。その他一般の経済の運行に支障なからしむるように、鉄道通信の運営がうまくいかなければ重点産業もうまくいかぬという関係にあるのでありまして、さような点から考慮されておる問題であります。必ずしも権衡を得ておらぬというようなことだけではなかろうかと考えます。
#23
○河井委員 よろしゆうございます。
#24
○梅林委員長代理 青木委員。
#25
○青木(孝)委員 簡單にお伺いしたいと思います。今までの御説明によりますと、経済緊急事態の存続する間に限りということの内容で、この第三條の特例を現在は設けるというのでありますが、この三條をこのままの形で將來実際に行つていくということについては、一体当局はどんなふうにお考えになつておるのか、その点をまずお伺いいたします。
#26
○福田政府委員 お答えいたします。財政法第三條は財政法附則にあります通り、政令によりましてこれを施行いたす、ただ單に無條件で施行するという形をとりたいと思うのであります。その趣旨とするところは、財政法は國会を中心といたしまして財政を運営するというような、思想的な背景のもとにできておるのでありまして、國会尊重というか、國会中心の考え方を、端的に実施するという意図のもとに、無條件でこれを施行する。このままの態勢でずつと行きたいというふうに考えております。ところが経済緊急事態が存続する間におきましては、物價統制令等の関係もありまして、ここに多少の例外を設けなければならぬということでありまして、これは別個の法律をもちまして特別を設けることにいたしたいというわけであります。この特例はなるべくこれを短期間にいたしたいというのがわれわれの念願でありますが、その期間といたしましては、物價統制令が必要である期間というふうに考えておるのでありまして、この物價統制令が廃止されるそのときは、財政法第三條の特例も同時に廃止されまして、そうして財政法第三條施行ということが、本然の姿において実現されるというふうに考えておるのであります。その日の一日も早からことを念願いたしておる次第であります。
#27
○青木(孝)委員 なお今回の特例は、タバコ定價と郵便料金、振替貯金に関する料金、國有鉄道に関する運賃の問題でありまして、そのほかに昨日もちよつと触れたのでありますが、しようのうであるとか、塩であるとか、アルコールであるとか、こういうものについては今回別個に扱われておるようでありますが、國の独占に属する事業という意味ならば、やはり同じように考えてもよさそうなものだと考えるのでありますが、この点についてはいかがにお考えでありますか。
#28
○福田政府委員 ごもつともなお話かと存ずるのであります。國の独占に属する事業といたしましてタバコのほかに、しようのうでありますとか、あるいはアルコール、塩等の問題があるのでありますが、何と申しましてもただいま経済緊急事態ということで價格統制令が施行され、民間の物資につきましても非常に廣範な範囲の價格統制をしておるという際におきまして、政府といたしまして今回の特例法を設けるにあたりましても、先ほどお話のありました通り、鉄道の貨物運賃というような問題は非常に重大な関係がありまして、部内といたしましてはこれを國会の審議に付することにつきましては、反対も相当あつたのでありますが、とにかく財政法第三條というものは國会中心の考え方でできておるということでありまして、今回の特例法の制定となつたわけであります。ところがその特例を財政法の趣旨によりまして設けるにあたりましては、まず大体骨格とまるものをお願いするというようにいたしたらどうかということで、眞に骨格となるものせお願いいたしたわけであります。もつとも鉄道料金、貨物運賃等につきましては、その構成分子が、先ほどお話のありました通り石炭その他あらゆる物資にも関係し、また給與の水準等にも関係してくる問題でありまして、この面から相当廣汎な物價問題について御審議いただくというようなことにも相なろうかと思うのでありますが、ただいまさような國会尊重という趣旨でこの三つの事項を掲げたわけであります。つきましては爾余の細かい問題、負担金納付金でありますとか、手数料、処罰の收入であるとか、あるいはタバコほどのウエイトもないしようのう、塩、アルコール等につきましては、経済緊急事態ということで、各統制令の権衡上これをしばらく政府にお預け願いたい、かような趣旨でできておるのであります。價格統制令の権衡という点から、大体今回の体制ができておる、かように御了承願いたいのであります。
#29
○青木(孝)委員 ただいまの御説明をいただきましてよくわかりましたが、但し最後に國権に基いておきめになる手数料とか、課徴金ということでありますが、こういうものは一体どんなふうにしておきめになつておるのか、その内容について簡單に御説明を願いたい。
#30
○福田政府委員 お答えいたします。國権に基いて收納する課徴金というものは、すべて根拠の法律に基いておるのであります。すなわち負担金といたしましては、お手もとに差上げておりまする資料にも掲げてありまするが、河川法というものがある。また道路法、都市計画法というようなものがありまして、その法律によりまして経費の全部または一部分を民間に負担していただく、かようなことになつておるのであります。それから納付金という性質のものにつきましても、物價統制令という政令によりまして、價格差益納付金をとるということになつているわけであります。それから日本銀行納付金をとるという問題がありまするが、これは日本銀行法の規定をもつておるのであります。それから競馬会納付金、これは競馬会法にその規定があるというふうにいたしまして、すべて法令にその根拠をもつておるのであります。なお処拠收入、これはそれぞれの刑罰規定に基いてこれが收入になるものであります。それから手数料收入については、司法上の手数料につきましては、裁判官の法令中にすべてその根拠をもつているわけであります。なお行政官の公の行為に対する手数料、たとえば特許権でありますとか、鉱業所有権、かようなものは特許法との関係法令に、すべて根拠をもつているというわけであります。
#31
○青木(孝)委員 最後にもう一点、ただいまの御説明は法律でおきめになつて、そうして法律通りやつておる。これはよくわかるのでありますが、一体法律でおきめになるときに、どういう基礎に基いてそういうことをおきめになつているかということを、私はお伺いしたい。経済的な点からお伺いしたかつたのでありますが、それはあるいはめんどうなことであるかもしれませんから、おわかりであればお答え願いたいと存じます。なおもう一つ私のわからないことでお伺いしたいのは、日本銀行による納付金であります。これは前と同様に限外発行とか何とかいうことは、今日はなくなつておるように思うのでありますが、どういうふうな割合で日本銀行納付金というものは決定されておるか。もしおわかりになるならば、今日の状況での納金の数字でもお示し願えたら結構だと思います。
#32
○福田政府委員 お答えたいします。日本銀行におきましては限外発行納付金というような制度がなくなりまして、ただいま日本銀行納付金制度というようになつております。この制度によりますると、日本銀行の利益はすべて國庫に納入するというふうになつております。ただいまの日本銀行の経理の状況といたしましては、利益がないのであります。ということは戰時中以來、日本銀行におきましては、相当多額の欠損がありまして、通常ならば利益が出てくべきものを、ただいまその消却に充当しておるのであります。昭和二十二年度としては納付金はありません。二十三年度といたしましてもまず大体この消却が終るか、終らぬかというくらいなところじやないかと考えておるのでありまして、あるいは状況によりまして二十三年度の下期あたりには、若干の納付金ができるかというくらいなところであります。この納付金の金額はさような消却が済んだ後におきましては、相当多額に上つてくるというふうに考えております。
#33
○川合委員 本法案が実施された後において、三つの項目の中でタバコの改訂という問題は、この財政、金融委員会が当然審議すべき問題でありまするが、郵便料金あるいは國有鉄道の運賃改訂を國会に上程する場合においては、本委員会が主たる委員会としてこれを審議するか、あるいはまた鉄道の場合においては、運輸交通委員会が主としてやり、郵便料金の問題は通信委員会が主としてやるかという問題があり、またこれは両方に関連する事項でもあるわけであります。これらに関しては政府はいかなる考えをもつておるか。
   〔梅林委員長代理退席、委員長着席〕
 同時にまた委員長として、今後議院運営委員会に対して、どういうふうな考え方をもつておるか。その審査にあたつてはどの委員会が主たる委員会であつて、その主たる委員会と他の委員会とが連合するかということを、あらかじめきめておくことが、今後における一つの先例になると思います。從つてこの際今後の方針について、政府の所見並びに委員長の所見を承つておきたい。かように思います。
#34
○福田政府委員 お答えいたします。これは主として議院内部の運営の問題であろうかというふうに考えるのでありまして、私といたしましては議院の意向を主としてやつていくということにしていただければ、結構じやないかと思います。ただ希望といたしましては、これは鉄道なり通信は、運輸交通委員会等の主管すべき事項でもありますと同時に、財政問題にも非常に重大な問題がありますので、なるべく財政委員会におきましても、十分御審議を得た方がよくはないか。こういうふうに考えるのであります。これは國会の問題でありますから、よろしくお願いいたします。
#35
○早稻田委員長 川合委員のお説にお答えをいたします。お説の通り本委員会とは密接不可分な関係がありますので、これは当然本委員会にかけられるものと私は信じております。しかし運営委員会の方でもいろいろと御議論があることと存じますので、運営委員長へも一應その点はお傳えをして、本委員会にかけられるよう善処方を依頼する考えでおります。御了解を求めます。
#36
○佐藤(觀)委員 本法案につきましては、すでに議論も盡きたと思いますが、この際質疑を打切つて暫時休憩したいと思います。
#37
○早稻田委員長 ただいま佐藤委員から質疑打切りの動議が出ましたが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#38
○早稻田委員長 御異議はないようでありますから、質疑を打切つて討論に入ります。
#39
○赤松(勇)委員 休憩にはいる前にちよつと私ほかの問題について申し上げたいと思います。さいわい主計局長がお見えになつておりますので、私は主計局長に強い希望を付してみたいと思います。それは何であるかと言えば、先日所得税法の納期の延期に関する法律案を、本委員会は通過さした。その際に民自党の塚田委員及び國協党の委員から、所得税法の基礎控除の問題、税率の問題あるいは勤労所得税の問題等につきまして、非常に強い意見が出ておるのであります。おそらくわれわれの見透しによれば、五月の予算は暫定予算になると思うのでありますが、遠からず昭和二十三年度の予算の編成が行われ、その際当然國の歳入に関する一應の目鼻をつけるための、税法の改正をやらなければならぬと思います。今までの議会のやり方は、大藏当局が予算を編成しまして、それをいきなりもち出してくる。予算委員会と財政金融委員会は、きわめて密接なる関係がありますので、私はこの際大藏当局というよりも、むしろ政府に対して希望したいのでありますが、少くとも予算編成の基礎になります國の税收入、その基準になる法律等の改正については、あらかじめ財政金融委員の意向も十分に尊重して、そうしてその財政金融委員の意向と政府当局との間に、十分なコントロールができましたならば、その上で予算の編成なりあるいは物價体系なりを考えていただく。言いかえるならば予算の編成を行います前に、先日の委員会において各党より強い希望が出ておりました所得税法の改正、あるいは勤労所得税の改正等につきまして、十分打合わせをして、そうしてその意見を一應まとめるという形において予算の編成にとりかかつていただきたい。おそらくあすから休会になるのでありますが、休会明けにおいてそういうような心組で、主税局長が本委員会に出席されまして、ただいま私の申しました意のあるところをば十分考えて、そうして何らかの具体案を提示していただきたいということを、私は強く希望しておきたいと思います。
#40
○早稻田委員長 赤松委員のお説ごもつともでございますので、休会明けに御趣旨のように取計らいたいと思つております。
 暫時休憩いたします。午後は一時半から再開いたします。
    午後零時二十二分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時二十八分開議
#41
○早稻田委員長 休憩前に引続いて会議を開きます。
 財政法第三條の特例に関する法務案については、質疑は終結いたしておるようでありますので、ただちに討論に移りたいと思いますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#42
○早稻田委員長 それでは討論に入ります。
#43
○川合委員 討論を省略して至急御採決せられんことを望みます。
#44
○早稻田委員長 川合委員より討論を省略して採決せよという動議が出ておりますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#45
○早稻田委員長 御異議はないようでありますので、さよう取計らいます。
 本案に御賛成の各位の御起立を願います。
   〔総員起立〕
#46
○早稻田委員長 起立総員。本案は原案の通り可決確定せられました。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後二時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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