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1953/08/07 第16回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第016回国会 通商産業委員会 第32号
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1953/08/07 第16回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第016回国会 通商産業委員会 第32号

#1
第016回国会 通商産業委員会 第32号
昭和二十八年八月七日(金曜日)
    午前十一時三分開議
 出席委員
   委員長 大西 禎夫君
   理事 小平 久雄君 理事 福田  一君
   理事 中村 幸八君 理事 長谷川四郎君
   理事 永井勝次郎君 理事 伊藤卯四郎君
   理事 首藤 新八君
      小川 平二君    田中 龍夫君
      土倉 宗明君    笹本 一雄君
      山手 滿男君    齋木 重一君
      中崎  敏君    始関 伊平君
 出席政府委員
        通商産業政務次
        官       古池 信三君
        通商産業事務官
        (公益事業局
        長)      中島 征帆君
 委員外の出席者
        専  門  員 谷崎  明君
        専  門  員 越田 清七君
    ―――――――――――――
八月七日
 委員日野吉夫君辞任につき、その補欠として山
 口シヅエ君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
八月六日
 発電設備の復元に関する法律案(鍛冶良作君外
 七名提出、衆法第八八号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 発電設備の復元に関する法律案(鍛冶良作君外
 七名提出、衆法第八八号)
    ―――――――――――――
#2
○大西委員長 これより会議を開きます。
 本日は、昨日本委員会に付託されました発電設備の復元に関する法律案を議題といたし、まず提出者より提案理由の説明を願います。土倉宗明君。
    ―――――――――――――
#3
○土倉委員 ただいま議題となりました発電設備の復元に関する法律案について提案理由を御説明申し上げます。
 今次大戦の当初において、各種産業界を通じ、総力戦体制を整えるために国家管理が行われ、電気事業につきましても、法令の規定に基き、日本発送電株式会社び九配電株式会社への強制統合が実施されましたことは周知の通りであります。その際、特に地方公共団体の所有していました発電設備につきましては、その公営であることと、当時の内務大臣の地方自治に対する強力な監督権の発動とによつて、十分国家管理の目的を達成し得るとの見地から前記会社への統合は不必要であり、またかかる強制統合は旧所有者の有した権益に不当の損害を与えるものとして、強い反対があつたのであります。しかるに、諸般の情勢は、それをも押し切つて、統合を強行したのであります。しかして終戦後、各種の国家管理または統制は逐次廃止されましたが、ひとり電力国家管理のみは取り残され、電気事業再編成はいかにすべきかの審議が活発に行われたのであります。しかるにいまだ十分なる結論を得ないうちに、ポツダム政令によつて昭和二十五年十一月、電気事業再編成令が公布施行され、現在の九電力会社が誕生いたしましたことは、われわれの記憶に新たなところであります。
 そもそも電力国家管理は、当時の政治情勢から、その実現を急ぐの余り、すべての発電設備を強制統合した結果、旧所有者としましては、国家管理体制の解除の際は、必ずその復元措置が講ぜられるものと期待するのは、自然の道理でありまして、国会に対する請願及び陳情あるいは公益事業委員会の決定指令に対する不服の申立等、あらゆる方法によりその実現をはかつて参つたのでありますが、遂にその実現を見ることなく、新しい九地区電力会社に再編成されたのであります。
 しかもその決定は、国会における正常なる法律措置によらず、ポツダム政令の形式によつて実施せられましたことは、われわれ立法府に列するものといたしましては、まことに遺憾とするところであつたのであります。かかる点より、昨年ポツダム政令の整理を要する時期にあたり、また独立を迎えて、正しい世論に従う意味からも、第十三国会に電気設備等の復元に関する法律案を提出し、第十四国会に継続審議されたのでありますが、国会の解散により審議未了となつたのであります。しかしながら、かかる不条理をそのまま残しておくことは社会正義に反することで、これが復元の方途を講ずることは当然のことでありまして、この際新立法をいたすべきであると信じ、本法案を提出いたしたのであります。
 すなわち、本法案の第一条において「電力国家管理体制の廃止に伴う電気事業再編成の実施措置の一部として」と規定してあります通り、電気事業再編成の際に当然考慮せらるべきであつた復元の問題を、今日まで放置してあつた不条理を改めんとするのが、本法案提出の趣旨であります。
 本法案により、発電設備及びその付属設備を強制的に出資または譲渡せしめられた旧所有者は、その申出によりその出資または譲渡にかかる発電設備の返還を請求し得るものとし、かかる発電設備を現に所有している電力会社は、これに応じなければならないこと及びその譲渡の方法が規定されてあるのであります。
 しかしてその譲渡により、電気需給の不均衡、電気料金の高騰及び料金地域差等を極力生ぜしめないため、通商産業省内に発電設備復元審議会を設け、その調整をはからしめるとともに、当該発電設備を譲渡することにより、電気の需給もしくはその料金に著しい影響を与え、公共の利益に支障を及ぼすおそれがあると認められるものについては、通商産業大臣は譲渡設備の範囲を制限し、もしくは譲渡の後五年以上十年以下の期間内において、当該設備を現所有者に使用せしめる条件を付し得ることが規定されておりますから、本法案が成立いたしましても、世上伝えられる非難のごときはまつたく杞憂にすぎないものであります。従いまして、この法案の成立により、地方財政は確立されるとともに、公共の利益の増進に寄与するところ大なるものがあると信ずるものであります。
 何とぞ慎重審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願いいたします。
 以上の通りでありまするが、一言申し添えておきたいことは、すでに御案内のごとく、会期も本日一日を余すだけでございまして、かかる重大なる法案をこの場合皆さんに御審議を願つて結論を生み出すということには、至難なるものがあることはもとより心得ておる次第でございます。ゆえに願くは、皆様の御理解と、強力なる御援助によりまして、本法案を何とぞ継続審議に移されんことを熱望してやまない次第であります。
 以上をもちまして本案提出の趣旨を申し述べた次第こございまするが、もしそれ委員の各位におかれまして、この法案に対する疑義、あるいは御質疑等ありまするならば、不敏ながら私の御説明をもつてお答えする次第であります。どうぞしかるべく御審議を煩わしたいと存じます。
#4
○大西委員長 以上をもつて提案理由の説明は終了いたしました。
 この際暫時休憩いたします。
    午前十一時十二分休憩
     ――――◇―――――
    〔休憩後は開会に至らなかつた〕
ソース: 国立国会図書館
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