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1953/07/28 第16回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第016回国会 人事委員会 第12号
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1953/07/28 第16回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第016回国会 人事委員会 第12号

#1
第016回国会 人事委員会 第12号
昭和二十八年七月二十八日(火曜日)
    午後四時十四分開議
 出席委員
   委員長 川島正次郎君
   理事 赤城 宗徳君 理事 田中  好君
   理事 永田 亮一君 理事 加賀田 進君
   理事 受田 新吉君 理事 山口 好一君
      江藤 夏雄君    高橋  等君
      原 健三郎君    船越  弘君
      本間 俊一君    池田 清志君
      小山倉之助君    舘林三喜男君
      古井 喜實君    町村 金五君
      櫻井 奎夫君    森 三樹二君
      横路 節雄君    池田 禎治君
 出席政府委員
        人事院事務官
        (事務総局給与
        局長)     滝本 忠男君
  委員外の出席者
        専  門  員 安倍 三郎君
        専  門  員 遠山信一郎君
        調  査  員 本田 敬信君
    ―――――――――――――
七月二十八日
 委員田子一民君、田渕光一君、西村英一君、石
 山權作君及び加藤清二君辞任につき、その補欠
 として船越弘君、高橋等君、江藤夏雄君、横路
 節雄君及び森三樹二君が議長の指名で委員に選
 任された
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正
 する法律案(益谷秀次君外二十三名提出、衆法
 第四二号)
    ―――――――――――――
#2
○川島委員長 これより人事委員会を開会いたします。
 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を継続いたします。横路君。
#3
○横路委員 提案者にお尋ねいたしますが、今度出されました一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、これのうちの基本原則は、同一学校を出たいわゆる同一学歴、同一年数の者は、これは小学校、中学校、高等学校を問わず、給与は同じであるということが、私はやはりこの給与法を貫く基本的な原則でなければならないと思うのであります。この点については少くともこの中学校、小学校の教職員の級別俸給表並びに高等学校教職員の級別俸給表の中では、その基本的な原則がゆがめられていると思うのでございます。この点は今日のこの給与法の基本になる二千九百二十円の職階制を定めだときには、この基本原則は学校職員については一貫したものなのでございます。この点が今度出されている改正法律案の中では貫かれているかどうか。その基本原則が貫かれてなくて、高等学校に行つた者はよくなつている。小学校、中学校に行つた者は下つている。こういうことでは明らかにせつかくの改正法案が義務教育の軽視であるとしか思われないのでございまして、この点ひとつ具体的に同一学校、同一年数の者については小中高を問わず、その基本的な原則がゆがめられてないのであるという点について―ゆがめられているということを初めから答弁されれば、これは別ですが、おそらくそういうようなことは提案者にしても私は考えていないと思いますので、その点がゆがめられてないという点について、ひとつ具体的に御説明いただきたいと存じます。
#4
○赤城委員 ただいまのお話でありますが、二千九百二十円ベースのときにもやはり細則によりまして、大学の方は俸給が別の体系になつておりますので、あのときにすでに原則に幾分変化が来ておると思います。本法案につきましては、職歴の差を認めましたので、ゆがめたということでなく、その例外を認めてあるという形になつております。同一学歴という点で、初任級等につきましては、同一学校を出たら、中等学校に職を求めようとも高等学校に職を求めようとも、その差を設けない、こういう立場に立つております。
#5
○横路委員 ただいまの御話でございますが、御説明ありました通り、二千九百二十円ベースの職階制の場合には、大学の教職員と小中高の教職員と二本建にいたしまして、そうして小中高につきましては、これを同一学校、同一学歴、同一年数については同じにしだのでございます。ただいまこの初任級については、同一学校を出た者については同じであるというお話でございましたけれども、小中学校と高等学校でそれならば一体、同一学校を出て、同一勤続年数の者についてはどうなつておるのか、私の言葉でゆがめられてあるという点に誤幣がございましたならば、これはどういうふうに差をつけられたのか、差をつけられたとするならば、どういう理由でそういう差をつけられたのか、その点についてもお話していただきたいと思います。
#6
○赤城委員 御承知と思いますが、高等学校の方の俸給表におきましては、この表におきます四級から九級まで一号上げております。これは教育職員の資格等に関しまして、新制大学を出ましても、御承知の通り免許を受くる場合に、中等学校においては一級の免許証を獲得する、高等学校においては二級の免許証を獲得する。高等学校ではさらに三年かかりまして十五単位をとらなければ一級免許証を獲得できない、こういうような差もあるわけであります。こういう差から考えまして、やはり高等学校における教員は、それだけ負担能力等において骨が折れるということもありますので、この意義から一号だけ上げて行つた方が、かえつて均衡がとれるのではないか、こういう考え方からこの俸給表による四級から九級まで一号を上げることにいたしたのであります。
#7
○横路委員 この附則の第二項のところに「改正前の法の適用により切替日の前日においてその者が受けていだ俸給月額」というふうになつておつて「高等学校教育職員級別俸給表の四級から九級までの職務の級に属するものとなる職員については、その者が受けていた俸給月額に相当する一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律、附則別表の新俸給月額欄の額の直近上位の額とする。」こういうふうになつておるのです。この点の切りかえでございますが、提案者も御承知のように新しい学制改革によりまして、今日のいわゆる新制中学の学校長は、当時六・三・三制が実施されたときに、中学の教育内容を充実させるために、当時高等学校の学校長あるいは教官の職にあつた者が、それぞれの土地において新制中学の教育内容を充実させるために、わざわざ高等学校の校長において新制中学の校長になり、高等学校の教官において新制中学の教官になる。こういうふうにいわゆる六・三・三の学制改革にあたつて、新制中学の教育内容の充実のためにいたしたのでございますが、その者はただいまあなだの御説明によりますと、高等学校の教員の免許状の単位と資格とにおいてそれぞれの努力といいますか、そういうものが必要だからというわけです。現にそれまでに受けている者についてはどうなるのですか。今私が申しましたように、現に高等学校の校長でありながら、新制中学の教育内容を充実させるために、お前この際まげて新制中学の校長になつてもらえないかというようにしてその校長になり、あるいは高等学校の教官において、それぞれ中学の教育内容を充実するために行つたのが六・三・三の学制改革のときの状態であります。この切りかえ表によつて直近上位ということになると、高等学校の資格を持つていて、中学に行つた者はそこでストツプを食う。切りかえたときに新しくこれからスタートする者について、あなたがおつしやるような点があるならば、一応考えるといたしましても、現に六・三・三の学制改革のあつたときに、そういうようになつていた現実を、この附則第二項においてはまつたく無視をして、やはり高等学校は中学よりはいいのだということになるならば、せつかくの学制改革がまつたく無意味になるのではないか、こういう点が非常に懸念されるのでございますが、附則第二項について、どうしてこういう取扱いになさつたのか、そういう実態についてお考えが及ばないものか、その点についてお尋ねをいたします。
#8
○赤城委員 御指摘のような事実はあると思つております。この俸給表を一般俸給表から特別俸給表に移すにあたりまして、何にいたせ現行法のもとで、すなわち十五級の中で、この俸給表を特別俸給表へ切りかえるということでありますので、一般公務員との均衡等も考えられまして、大きな変革といいますか、改正をすることは差控えなくてはならぬ。こういうことで最小限度に職域の差を認めまして、高等学と中小学校との俸給の間に、多少の差異を認めたのであります。そういう関係でありますので、ただいま御指摘のような中等学校、小学校等におきまして、優秀なる人々がそこへ入つている、それに対してわれわれも十分に考えなくてはならぬ。また考えては見たのでありますが、この俸給表の中味におきまして、それまでを入れて行きますと、さらに段階がついて来ることになつて、一般公務員との均衡を破ることになつてはいかがかと思いましたので、考えておりましたが、その点までは及びませんで、この点につきましては経験年数とか、その他細則におきまして考慮する余地は残つておる。こういうように考えているわけであります。
#9
○横路委員 そうすると今の点は、勤続年数その他において考慮する余地が残つておることになると、その考慮する余地とはどういう意味でございましようか。それはこの案を提出されました方々のうちで、あすの、委員長からお話のございました質疑を打切つて討論、採決という直前にでも、あらためて修正案をお出しになるのか、それともこの中学校、小学校の教育職員級別俸給表の中に何か別な解釈でもつけて、今私が話したような内容については、それぞれの資格等において、高等学校職員とかわりないものについては、附則第二項を使つて切りかえろというのか、考慮する余地があるという点については、重大な問題でございますから伺いますが、考慮する余地という点について提案者としてはどういうようにお考えなのか、その点お聞かせいただきたい。
#10
○赤城委員 この法律の直接の適用によつて考慮する、あるいはこれを修正してという意味ではありませんで、人事院の扱いにおいてそういう余地がある、こういうふうに考えておるわけでございます。
#11
○横路委員 今の提案者の御説明がちよつと了解できないのですが、この法律案の中の、俸給切りかえ表の中では措置ができないけれども、今私が話をしたものについては、人事院では何らかの措置ができるということになると、これは三派の共同改正案といいますか、それと別にまた人事院で給与準則でもつくつて、これを根本的に修正でもなさるというのか。人事院で考慮するであろうという内容について、ちよつとわかりかねますので、いま一つ御説明願いたいと思います。
#12
○赤城委員 私から申し上げるまでもなく、教職員の給与は、職階制度などありませんし、局長とか課長とか、こういう制度もありませんから、人事院の規則等に譲つて、そこに適当に今までも格付基準のようなものができておりましたし、あるいはまた経験年数等の算定等の比率なども、人事院細則に譲つてあつたわけであります。そういう諸般の考慮から、これとは別個にここに高等学校の人だけがこの法律によつて一号だけよくなるということであるが、中等学校に残つておる者との均衡がとれないというような場合がありますならば、人事院の方でも考えることになりはしないか、これは先のことでありますので、ここで私がはつきり申し上げるわけにも行きませんけれども、そういうところへ行くであろう、また行くべきだというふうに考えておるわけであります。
#13
○滝本政府委員 ただいまお話がございましたが、かりにこの法律が通つたといたしますれば、人事院としては実施の責任があるわけであります。しかしながら、この法律が通つた場合には、やはりこの法律に書いてあることが実施されるということに、最高の意思決定があつたわけでありますから、その線に従つてやらざるを得ぬのではなかろうかと考えるわけであります。従いまして、この法律を実施する場合におきましては、やはり一定の制約のわくがありまして、この法律に考えられておる精神と反したようなことを人事院でやるということは、事実上できないのであります。ただ実施の際にほんのわずかの部分につきまして、是正の措置を講ずるという程度のことならできるであろう。かように考えます。
#14
○横路委員 給与局長にお尋ねしますが、問題は今具体的になつておる。どういうように具体的になつておるかというと、前の教職員に関する俸給は、あなたも御存じのように小学校、中学校、高等学校というのは同一学歴、同一勤続年数は同じであるという基本原則に立つておる。この改正案は基本原則がくずれておる。こういう基本原則のくずれ方は、今まであなたの方でやつておられる国家公務員に対する格付等においても、こういうやり方はないのです。労働省でも、通産省でも、農林省でも、みんそこにおける課長は何級の何号と明らかにきまつておる。決して労働省だから通産省よりも低いということはない。ところがこれは明らかに中学校は高等学校よりも格付は下だとなつておる。今あなたが言つたように、改正案において細部にわたつて書いてある。中学校において高等学校と同じ学歴、同じ勤続年数を持つた者は、附則の第二項において今までの基本原則が破られておる。切りかえの際において高等学校職員等においては、直近上位に切りかえることができるとなつておる。この場合に、今提案者にお聞きしているのは、高等学校長が、いわゆる学制改革の新制中学を重んずるという立場において、中学校の学校長に転出した者がたくさんある。教官においてもたくさんある。それを人事院の何の規則でそういうことをやるのか。その点について今提案者は人事院規則に譲りたいと言つておる。それがあなたの方でできるかできないかを、抽象的な話でなく。具体的にあなたにお尋ねしたい。
#15
○滝本政府委員 私もただいま御説明申し上げましたことを繰返すだけでございますが、すべて仮定に立つた話でありますが、この法律が通つたとしましたならば、この法律に盛られておるところを実施するということ以外になかろう、それ以外に人事院の別のものの考え方を、これにつけ加えてやるということはできがたいことであろう、このように考えます。そのことを申し上げたのであります。
#16
○横路委員 提案者の方にお尋ねしますが、私は今給与局長の言う通りだと思うのです。これは決して骨子だけを書いたものでなしに、改正案である。しかも細部にわたつて書いてあるので、提案者は私の今申しました点については同意なさると思うのです。そうなれば、この点については、少くとも附則のところに明確に載せなければ、人事院において一万五千四百八十円のべ一スをやる場合等において、新たなる先般出されました給与準則等に関連して別途に細則をつくるであろうといつても、給与局長はできないと言つておるのでございますから、この点についての考慮は、提案された方としてはなさつていたのではないかと思いますので、この点についてもしも私の意見に賛成だということになるのであれば、やはり同一学歴、同一勤続年数で、しかも高等学校の資格を持つていて中学に行つておるのですから、そういう点の取扱いはどうなさるか、この点については何とか附則の第二項において別途にしなければならないのではないかと思うのです。はつきり給与局長はやれないと言つておるのですから――何もいいものを出せばいいのですから、まだ明日本委員会において討論採決、本会議にまわすまでに、間があるのでございますから、そういう点について提案者に何かお考えがございましたならばお述べいただきたいと思います。
#17
○赤城委員 人事院におきましても、この法律に規定されている以外に細則をつくつたり規則をつくることはできないということには、横路さんお話の通りに私も同意しております。ただ今のお話が、一級免許証なら一級免許証を持つておつて、中等学校等に行つておる者はどうするかという具体的な問題になりますると、これは一級免許証を持つて中等学校に行つておつても、それをこの法律によつて、あるいは人事院におきまして高等学校並みに直すということは困難なことで、できないことじやないかと思います。ただ問題は一万二千九百二十円ベース切りかえの際に、高等学校の教員が比較的不利な状況に切りかえられた、こういうような状況にありますので、そういう状況である場合には、この俸給表によつて――それを目的としているんではありませんが、結果的に幾分高等学校において救われるところが、中等学校、小学校においては救われぬのじやないか、こういうことでありますが、そういう場合に、経験年数の算定等によりましては、幾分救われる余地はあるんじやないか、こういうふうに考えております。
#18
○横路委員 私がお尋ねしますのは、勤続年数において救われるのじやないかという点は、こういうことであれば了解できるのです。たとえば、昭和三年に昔の高等工業を出た。そうしてそのまま会社に勤めた。そうして戦争が終りましたので、昭和二十二年四月一日から学校に勤めた。その勤めた者が、片一方は、同じ学歴同じ民間経歴を持つて高等学校へ勤めた。今の実業高等学校にはそういう方がたくさんいる。私らは現に知つております。また一方は中学校に勤めた。その場合に、高等学校で算定する民間経歴の勤続年数と、義務教育である中学校に来た場合における勤続年数の算定に、民間経歴をどういうように置くか、七割に置くか、七割五分に置くか、八割に置くかということについて、意見がまちまちであるものについては、意見の調整をはかり、それを八割なら八割とみなす、そういうことはできるのです。しかし私がお尋ねしているのは、現に附則の第二項によつて高等学校の職員を切りかえた場合に、小学校、中学校の場合には、この切りかえはどうなるかというと、それに当てはめて切りかえるのですが、高等学校の場合にはいわゆる直近上位の額とするということにはつきりなつておりまして、当然その間開きが出るわけです。だから私はこの開きをどうするのかと、こう聞いているのです。そのためにはこの附則の中ではつきりうたつておかなければならないのではないか。それは勤続年数を、高等学校の場合に民間経歴八割だから中学校も八割にした方がいい、これはそれぞれできますが、こういうふうに俸給表の切りかえに関する附則ができておりますから、その点はここで明文化しておかなければ、実際には給与局長が言つたようにできないのです。それをするためにどうしても附則のところに新たにお考えになる必要があるのではないでしようかというのが、私のあなたにお尋ねしている点なんです。
#19
○赤城委員 この法律の建前が御承知の通り職域差を認めたという建前に立つて、将来を考えておるのでありまして、過去におけるそういう不均衡がある程度は是正されるけれども、この法律によつて全部それを是正するということを目的としておりませんので、この附則の第二項に今の御意見のようなことを入れるということになりますると、一つの職域差を認めての三本建にするという体系が、ちよつとおかしくなるというふうに考えているわけであります。
#20
○横路委員 二十三年の一月一日から実施になりました二千九百二十円べースのときにおける職階制をきめる場合に、高等学校の職員は不利であつたというお話でございました。不利であつたというので今回是正をなすつたようですが、どういう点に不利があつたのか。今日まで昭和二十三年、二十四年、二十五年、二十六年、二十七年、二十八年と穴年間、それでやつて来たわけですが、どの点が現実的に不利であつたか、ひとつその点についての見解をお知らせいただきたい。
#21
○赤城委員 過去の問題より将来を考えておるのでありますが、そのときの不利ということの一例を考えますれば、師範学校を卒業した、――師範学校はそのうちに単科大学になりましたが、こういう学校を出た方々の学歴年数といいますか、学校を卒業するまでの年数と、大学を卒業した人々の年数、こういうところに差が少しなさ過ぎたのじやないか、別にそのために中小学校がよくなつたというわけじやありませんが、中学校の方の教員に比較して、もう少し大学あるいは専門学校を卒業された者がよく見られてもよかつた、こういうふうに私どもはその当時のことを調べて考えておるのでありますが、なお詳しく説明しろということでありますならば、資料を取寄せてから御説明いたしたいと思います。
#22
○横路委員 私はやはりこれを提案されました上は、昭和二十三年一月一日から実施されました二千九百二十円の職階制のときの給与の格付等が問題になつたと思うのでございます。この点につきましては、ただいまのお話だけでは、師範学校を卒業した者が大学を出た者よりも、よ過ぎたというのではなしに、大学を出た者の方が不利だつた、こういうお話で、表現もなかなかデリケートな点もあろうと思いまするし、資料を取寄せて話すというのでございますから、この点は非常に将来に及ぼす影響も重大でございますし、取扱いが不利であつたという点については、本委員会におしては慎重を期す意味からいつてもその資料をわれわれ委員に御配付くださいまして、二千九百二十円ベースの職階制の格付のときに、どういうように現実に不利であつたか、その資料を出された上で、さらにその点についてはやつていただきたい、こう思いますので、その点に関する質問は資料が来てからに譲りたいと思います。
 引続きまして提案者に質問いたしますが、この職域差という点について、今回のこの改正案はそれを認めているのだ、こういうお話でございます。そこで私は提案者の方の改正法案をきめる根本的な立場が、この問題ではつきりして来ると思うのでございます。そこで提案者にお尋ねしたい点は、高等学校の教育に携わつた場合と、中学校、小学校の教育に携わつた場合と―いわゆる高等学校の教職員に対しては中学校、小学校の教職員よりは特別な俸給表をつくらなければならないという、その職域差についてどういう差があるか、おそらくこの俸給表をお考えになる以上は、いろいろな点についてやはり算定されて、この号俸を定められたものと思いますので、その職域差についてどういう点が、具体的な職域差であるというのか、その点提案者にお聞かせいただきたいのであります。
#23
○赤城委員 横路さんも御承知の通り、学校教育法によりますと、これは前から繰返しているのですが、小学校におきましては普通教育、中学校においては中等教育、それから高等学校においては高等普通教育、こういうことになつておりますが、高等学校には特に目的が付記されておりまして、専門的な教育もしなくちやならぬ、こういうことが目的として書かれておるわけであります。そういう点から見ましても、教育の尊いか尊くないかという問題は別といたしまして、現実の問題として、標準の教員の人々をとつてみれば、やはり高等学校の方が学校教育法に規定されておるように、専門教育もよけいにしなければならぬというような形になつており、中等学校の教員の人は、全部高等学校の教員になれるかということで見ましても、これは免許法の関係もありますし、事実上の問題としてもなかなか困難だ、また高等学校の先生方が、小、中学校の先生になるということになれば割合口に、――これは能力にもよりましようけれども、教えやすい、こういうような現状でもありますからそういう点から考えまして、この高等学校と中小学校との間に、多少の職域における内容を異にする。こういうふうに見ましたので、従つて、俸給表におきましても多少の差を認めるべきだ、こういうことで俸給表をわけたのであります。
#24
○横路委員 今のお話で、先ほどの附則の第二項との関連において、やはりどうしても了解できませんのは、今提案者の方は重ねて免許法の問題を取上げているわけです。私も、小学校教員の免許状を持つていて、決してそれが高等学校を教えられるとは思つていないわけです。また中学校の免許状だけで、高等学校を教えられるとは思つていないわけです。ただ、私があなたにお尋ねいたしだい点は、もしも同じ大学を卒業し、同じ経験年数を持ち、しかも同様に同じ高等学校の免許状を有している場合、その者は一体どうなるかということなんです。ですから、たとえば今日の高等学校においては、当然それは高等学校の免許状を持つていなければならぬし、また当然その者はいわゆる大学を出ていなければならぬので、その者がいわゆる新制中学や高等学校だけを卒業して勤められるわけはないのですから、そういう意味の俸給の違いというものは、当然私たちも、今日の職階制における学歴及び勤続年数という点からいつて認めるわけなんですが、今お話申し上げたように、いわゆる同じ学校、同じ勤続年数、同じ免許状を持つていて、ただ動ある場所が高等学校、勤める場所が中学校という違いだけで差をつけることになると、これはどうしても私たちとしてはその点がふに落ちないわけです。だから提案者の方が、いや免許状などは関係ないんだ、何でもいいから高等学校に勤めていれば、中学校よりはいい俸給が与えられるのだ、こういうことを言うならば別なんですが、今お話のように、免許状云々ということになると、どうも話が違つて来るのではないかやはり先ほどの附則の第二項の点が問題なんですが、この点は、今のあなたのように、職域差というものを免許法との関連において御説明になりますと、どうもその点が納得できないのですが、その点もう一度お聞かせ願いたい。
#25
○赤城委員 それでは免許法の問題は除いて、先ほど申し上げました第一の問題の、それぞれ学校によつて目的が違つておるということで申しますが、小学校においては普通教育、中学校においては中等普通教育、高等学校においては高等普通教育と、そのほかに専門的な教育を施す、こういうことに学校教育法がなつておりますので、そういう関係から見まして、高等学校の教員には普通の中小学校の教員より以上の負担がかかつておるといいますか、そういう関係から、職域が違つておる、こういうふうに見ておるわけでございます。
#26
○横路委員 そうすると、ただいまのお話で、中学校に勤めている者が、高等学校の免許状を持つていてもそういうものは関係がないのだ、結局問題は高等学校に勤めているか、中学校に勤めているかという、その職域の差が問題なのであつて、従つて同じ大学を出、同じ勤続年数で、同じ免許状を持つていても、勤める場所が違うから、俸給に差があることは当然なんだ、こういう意味でございましようか。
#27
○赤城委員 免許状にまた触れますが、同じ学校を出ましても、中学校においては二級免許状だ、高等学校では一級免許状だ、こういうふうに免許状にも差が出ているということが、職域の違うという一つの例である。まあこういうことに申したので、職域を認めるとするならば、中小学校及び高等学校の教育目的が違つておる、普通の教育の上に高等学校は専門教育を施さなくてはならぬ、こういうことだから職域が違つておる。ただ単に漠然とどこへ勤めたから俸給がいい、どこへ勤めたから俸給が悪いというわけではありませんので、そういう職域の差を認めるから、初めてそこに一号ぐらいの俸給の差を認めていい、こういうふうな考えなのでございます。
#28
○横路委員 もう一度お尋ねします。実は私が聞いているのはそうではないのです。同じ学校を出て、同じく高等学校の免許状を持つていて、そうして一方は高等学校に勤め、一方は中学校に勤めたという者が現にあるわけです。今日いわゆる職階制を貫いている基本的な原則は、やはり同一学校、同一勤続年数、いわゆる免許状をもらうという点についても、やはりそれぞれ本人の努力もあつたと思うのです。ところがこの方は、同じ立場で、ただ勤める場所が片方は高等学校、片方は中学校ということで、そういうように俸給の差があるということは一体どういうわけか。私が提案者にお尋ねしたいのは、そうすれば、そういうことはまつたく無視して、ただ高等学校にいたら上で、中学校にいたら下なんだというように解釈されますが、もしもそうでなしに、提案者の方がお話のように、同じ学校を出てしかも同じ免許状を有するに至る本人の努力というものが、同じに認められるという基本的な立場に立つならば、高等学校にいようが中学校にいようが、同じでなければならない。その点がこの点ではまつたく触れられていないので、この点がどうしても片手落ちだと思うのでございまして、その点について、提案者の方で、いや、何と言われても勤めている学校できめるのだということであれば別ですが、その点をひとつお聞かせ願いたい。
#29
○赤城委員 職域の差を認めておりますので、同じ免許状を持つておつて、片方は高等学校、片方は中等学校という場合に、免許状が同じだから中学校におつても高等学校の俸給を出すべきだと、こういうわけにはちよつと考えられないのです。職域差を認めておりますので、同じ免許状である場合におきまして、高等学校におれば高等学校の方が途中から一号上る、こういうふうに立案してあります。これは、職域差を認めている結果、どうもそうならざるを得ないのであります。
#30
○横路委員 大分話がわかつて来ました。先ほどまでは大分免許法の違いだ、免許状の違いだということであつたのですが、だんだんお聞きしましたら、そういうものとは関係なしに、ほかの条件は別にして、ただ高等学校に勤めているか、中学校に勤めているか、小学校に勤めているかという学校の職域差だ、こういうわけなんですね。そこで私は給与局長にお尋ねしますが、同じ大学を出て、同じ勤続年数で、そうして労働省、農林省、大蔵省というように勤めているという場合、同じ勤続年数、同じ学歴で違いがあるというような俸給表は、人事院の方ではそういう例がほかにあるかどうか、あつたらひとつお知らせを願いたい。
#31
○滝本政府委員 今具体的に農林省なり労働省なりという例が出ましたが、これは給与法におきまして、同一学歴でありまして、それを行政職あたりにとります場合、これは初任給は同じになつております。それから昇給の制度も同じになつております。ただ、しいて申しますならば、級別定数というような制限がございますので、そういう制限によりまして若干の差等が出て来ることはあろうかと、このように考えます。
#32
○赤城委員 今のお話のように農林省に勤めたから、人事院に勤めたから、こういうことは差別はないと私は思います。一般俸給表の適用を受けておるのでありますが、特別俸給表の適用を受けるということになれば、これは違つて参ります。御承知の通り税務職員とか、警察職員とか、船員とか、こういう特別俸給表の適用を受けるということになりますと、その点が一般の俸給表の適用を受ける者とは違つて来る。今度提案いたしましたのも、特別俸給表として提案したのでありますので、一般俸給表のわく内における考え方とちよつと違つておりますので、その点はひとつ御了承願いたい。
#33
○横路委員 そうすると提案者の方にお尋ねをいたしますが、今の特別俸給表で、警察官であるとか、あるいは端的にいえば癩病患者を取扱つておるところの職員であるとか、こういう人々は、特別俸給表なのです。やはり警察官という場合には、自分の身命に危険があるのですし、また伝染病その他に携わつている人々の中には、そういう点もございましようが、しかし学校教育というものは、いわゆる本質的に――小学校、中学校が一つ、高等学校を別にしてございますが、今のいわゆる高等の普通教育、そのほかに専門教育、中学校の場合には中等の普通教育ということがございましようが、そのことといわゆる警察官等の特別俸給表とでは、私は意味が違うのではないかと思うのでございます。その点私の給与局長に対する質問に関連いたしまして、お話がございました特別俸給表が警察官、その他にあるということになつて来ますと、どうも私としては教育の本質という点からいつて小学校、中学校、高等学校、特に私がお尋ねしておるのは、その学歴を無視してやれとか、そういうことは毛頭言つていないのです。私は同じ学校を出て、同じ免許状を持つている者が、ただ高等学校と中学校にいるからということで、差をつけられるということは、教育の本質からいつて違うのではないかということが私の考えであり、その点についてできますれば提案者の方で修正をしてもらいたいと思つておるのですが、しかし今の警察官の特別俸給表等との比較では、話が違つて来はしないかというふうに思われるのですが、その点いかがでしようか。
#34
○赤城委員 私からこういうことを申し上げるとおしかりを受けるかもしれませんが、とにかく特別俸給表をつくるのには、特別俸給表をつくる理由がそれぞれあると思うのです。警察職員に対して特別俸給表をつくるのには、警察職員に対する特別の事情がある、税務職員なら税務職員に対しては、特別俸給表をつくるそれぞれの理由がある。教育職員につきましても、これは警察職員や税務職員等が特別俸給表をつくらなければならない理由とは違つた意味におきまして、やはり特別俸給表をつくるべきではないか。これは十三級なら局長だとか、十一級なら課長だとか、こういうようなわけ方ができないので、教諭は何級なら何級までという形になつておりまして、一般俸給表を適用するのには、まことにそぐわない点がある、こういうようなことから教育職員なら教育職員独自の俸給表をつくるということについて、その理由が警察職員の特別俸給表をつくるのとは違つておると思いまして、特別俸給表をわけたのであります。ことに給与法でも御承知の通り、教育職員につきましては特別俸給表をつくれ、こういうことはもう横路さん御承知の通り前々から言われておるし、給与法の中にもその規定があるのでございます。そこでしからば特別俸給表をつくつて、高等学校と中等学校とをわけた理由はどこにあるか、こういうことだと思いますが、これは先ほどから何回も申し上げましたように、職域の差を私どもとして認めますので、どうも認めた以上は俸給表を異にするということに行くのが筋道だ、こういうふうに考えております。
#35
○横路委員 給与局長にお尋ねいたしますが、今度一万五千四百八十円のべースについての勧告とあわせて、給与準則についても勧告があつたのですが、あの給与準則の中に――私は詳細に見てはおりませんけれども、しかし今まで浅井人事院総裁のお話などを間いておりますと、学校教職員に対して、やはり世間で言う三本建というようなものについては、一応あの中で考慮はしているが、しかしその中で基本的なものとして、いわゆる同一学校、同一学歴、同一勤続年数の者については、これは小、中、高等学校を問わず、同じ俸給を受くべきだというように定めてあるはずであります。それに間違いございませんね。その点について、定めてあるかどうかという点が一つ。私は定めてあると思うのですが、定めた場合における人事院の物の考え方についてお尋ねいたします。
#36
○滝本政府委員 仰せの通りでございます。人事院といたしましては、教員の俸給表を勧告案のようにつくつておるわけでございますが、これは大体中、小学校の一級普通免許状と高等学校の二級普通免許状、これは大体同程度の学歴で、単位の数も同じで、その単位の内容は違いがありましようが、大体同様と見てよろしいということで、そういう場合には初任給は同じにしております。それからまた昇給制度でございますが、これはあに教員だけでございませんので、公務員の一般の職域におきまして、すべて通し号俸によりまして、たとえば三十八号までは六箇月昇給、六十号までは九箇月昇給、その上はさらに一年間を昇給に要する、こういうふうに定めておるわけてございます。その点はかわりはないのでございます。そういうことで、人事院の教職員の俸給表をきめておるわけでございます。
#37
○横路委員 給与局長に重ねてお尋ねしますが、同じ学校を出て、すなわち同じ学歴、同じ勤続年数を持つておるもの、これは主として高等学校と中学の場合です。高等学校と中学の場合に、給与局長からお話がありましたように、高等学校と中学校を職域差という言葉でお話がありましだが、そういう差をつけないで、学歴、勤続年数、免許状が同じであれば、同じ俸給を受くべきであるというその考え方は、人事院としては、どういう点から、どういうというとおかしいが、この改正室は、これは高等学校は高等普通教育だから上なんだ、中学は名のごとく中だから、まん中だから下だ、こういうようにとられておるようなのですが、その点は人事院としてなぜそういうように学歴、勤続年数、免許状が同じ場合に、同じにされたのか、人事院としての考え方をお聞かせいただきたい。
#38
○滝本政府委員 現行給与法におきましても、大体同様の措置がとられておるのです。これはまた文部省の文部政策といたしましても、大体そういうふうにやるのがよろしいというように、たびたび承つております。またわれわれが教育職員免許施行法、それから教育職員免許法というようなものを通して見ましても、そういう扱いをするのが適当であろう、こういうように考えておる次第であります。
#39
○横路委員 今の給与局長のお話の中に、やはり準則を出される前に文部省とお話をして、大体文部省としても人事院で給与準則を出された、あれはまあ妥当じやないかというお話のように私は今聞いたのですが、その点もう一度どの程度お話合いがあつたものか、お聞かせいただきたいと思います。
#40
○滝本政府委員 私は文部省がどういうことを言つたということを、この際詳細に申し上げることが適当でないというふうに考えておるのでありますが、大体において文部省から数次にわたりましていろいろ御意見がでていることはあるわけであります。時間前経過がありますから、その後のことはよくわかりませんが、われわれが文部省からいろいろと御連絡を受けました大分前の話でございまするが、その当時におきましては、主たる点においてはあまり相違はなかつたんじやないかと、このように考えております。
#41
○横路委員 提案者の方にお尋ねいたしますが、先ほど要求しました委員に配付される資料は、あすになるのでございましようか。
#42
○川島委員長 それは専門員につくるように命じま上だ。明朝になります。
#43
○横路委員 それでは私はそれをいただいてから、質問を続行するようにいたしたいと思います。それでは私は明日配付になりました二千九百二十円が定められた場合の、いわゆる今日の高等学校の職員が、不当な待遇を受けておつだという点について資料を出していただき、あわせて御説明をいただいて、なおそれについて質問いたしたいと思いますから、きようのところはこれで保留いたします。
#44
○櫻井委員 それでは提案者に御質問いたしますが、大分提案の趣旨がはつきりして参りました。昨日あたり同一学歴は同一給与にある、その差を設けないのであるというような御答弁でございましたが、今日の横路君の質問によりまして、大分提案者の企図しておられるところの意図が明瞭になつたわけであります。それによりますといわゆる職域差を認めての立案であつて、従つて同じ学歴を持ち、同じ資格を持つておつても、学校の種別が違うのであるから待遇が違う、こういう御趣旨でございますね。重ねて確認をいたしますが、それでよろしゆうございますか。
#45
○赤城委員 職域の差を認めておるということは御指摘の通りでございます。同一学歴につきましては昨日も申し上げましたように、初任給等の点につきまして、同一学歴のために差等はつけないが途中におきまして、職域の差を認めているから、免許証をとつたとき等におきまして一号上る、こういうことでございます。
#46
○櫻井委員 先ほどの御答弁ではそうでないので、同じ免許状を持つておつても中学に勤めている場合と、高等学校に勤めておる場合とでは、はつきり待遇に違いがあるのだと、こういうふうにあなたは御説明になつたと思いますが、それでよろしゆうございますか。
#47
○赤城委員 職域差を認めますから、その点は御指摘の通りでございます。
#48
○櫻井委員 そうしますと結局公務員の給与を決定するところの要素、これが六つございますが、職域差はこの中のどれに当りましようか。
#49
○赤城委員 六つを、ひとつ条文か何かで御指摘を願います。
#50
○櫻井委員 第四条にございます。
#51
○赤城委員 「職務の複雑、困難及び責任の度に基き、且つ、勤労の強度、勤務時間、勤労環境」こういうことでございますか。
#52
○櫻井委員 そうです。
#53
○赤城委員 これがそのどれをとるかというはつきりした――これだからというわけには行きませんで、こういうものを総合して考えた上でありますが、主として先ほどから繰返して申し上げおりますように、高等学校においては高等普通教育の上に専門教育をするということでありまするから、この六つのどれに該当するということははつきりは言えませんが、そういうことから負担が重い。いろいろほかの方へ話が飛ぶかもしれませんが、同じく学校を出て高等学校で二級免許証をとつても、三年間かかつて十五単位とるというようなことだけでも相当な負担である、また高等学校を教えて行く上において、より以上の能力といいますか、そういうものが加重された、こういうことから見ているのでありまして、この六つのどれに該当するかということでありまするならば、それを総合しての結論だということを申し上げるほかないのであります。
#54
○櫻井委員 そうするとこの条件の中のどれという特別のものでなく、六つを総合した判定の上に立つておる、こういうわけでございますか。しからば教育というものの目的というのはそういう一つの知識の高低、知識が高いか幅を広くするかと、こういうことだけによつて判定されるかどうか、いわゆる中学校の先生より高等学校の先生は多くの知識を必要とする、こういうことだけでその判定が可能であるかどうか。
#55
○赤城委員 多くの知識ということでなくて、多くの知識を得るための負担といいますか、そういうことに考えておりますので、単に多くの知識を要するからという形式的でなく、教えて行く上におけろ負担の度合い、こういうことに考えているわけでございます。
#56
○櫻井委員 教えて行く負担の度合いということになりますと、これは非常に判定が困難です。教育の目標はこれは決して知識の切り売りではないのであります。
    〔委員長退席、田中(好)委員長代理着席〕
「教育は、人格の完成をめざし」ということは、教育基本法の中に明確に規定してございます。そういうことになりますと、これは小学校の先生の方が度合いが低いとか、中学校の先生の方が高いとか、高等学校の先生はそれ以上高いとか、そういう判定はできがたいと思うのでありますが、その点はいかがですか。
#57
○赤城委員 確かに御指摘の通りでありますけれども、やはりより以上専門教育という職域が附加されているということで負担が重い、こういうことに見ているのでありまして、その他「人格の完成」というような目標については、かわりはないと思うのであります。
#58
○櫻井委員 そうしますと、要するに先ほどからしばしば言つおられる通り、いわゆる知識を修得するに必要とした余分の努力、こういうものに対して考える、こういうわけでございますか。
#59
○赤城委員 修得した知識というよりも、常にそういう知識を修得して行かなければならない努力、勤労度、こういうようなことを考えているわけでございます。
#60
○櫻井委員 そうしますと、これはあくまでも私どもと見解の相違でありまして、あなたといつまでも論争しておつても火かげ論になりますので、それでは別表の俸給表の方に入りますが、第一の表の十一級の五号、六号、これがいわゆる短期大学の教授でございますね。それから十一級の七、八、九がいわゆる大学院を置く大学の教授、ここに普通の大学では高等学校と比べまして二号俸、千五百円、それから大学院を置く大学では四千五百円の開きがある。さらに小学校と高等学校を比較しますと、十一級において三号俸四千五千円の開きがある。これが実際に適用になりますと、大学院を置かないところの大学の取扱いが、高等学校及び大学院を置く大学における取扱いと比べて、著しく不利ではないか。大学院及び高等学校においては三号俸の開きがある。普通の大学では二号俸の開きがある。この点はどういうふうにお考えになりますか。
#61
○赤城委員 学校教育法におきましても、大学院を置く大学においては博士号を授与するというようなことがあつて、大学院を置く大学は同じ大学でも区別をされておるような状況であります。また大学院を置くような大学の教授には、相当国際的にもりつぱな教授もいるし、そういう関係で大学院を置く大学の教授は、十一級の七号から九号まで上り得る余地を設けた方が現実に適しておる、こう考えましてこの俸給表を設けたわけであります。
#62
○櫻井委員 大学院を置いておる大学と申しますと、これは御承知の通り昔のいわゆる総合大学、帝大といいますか、そういうのが多いのでございまして、その他に大学にはほとんど大学院が置いてない。これに差別的取扱いをするということはこれらの大学の非常なる不満を買い、この俸給表の実施によつて、大学の中において非常な混乱が生ずるというふうに私どもは考えるのでありますが、その点はどのようにお考えになりますか。
#63
○赤城委員 大学には大学院を置くというふうに、学校教育法に書かれておりますから、大学院を置ける状況になれば、どこの学校でも大学院を置かれた方がいいと思うのでありますが、現実の問題としては、大学院を置いておる学校とない学校がございます。これは昔の帝国大学ばかりでなく、現在十二ですか大学院を置いておる学校があるわけであります。こういう学校の教授は先ほど申し上げました通り、特に貴重なかけがえのないような教授もおりますので、その点を重く見たのでありまして、それを重く見たからして、逆に大学院を置かない学校で、教授に対してそれをそまつにするというようなことではありませんので、この俸給表につきましても、その点はしんしやくしておるつもりでございます。
#64
○櫻井委員 非常にそういうところに、この表の不備がございますので、最初から言つておられるように、たとえばこの表については小中学校も、決して優遇を考えていないのではない。やはりこれは優遇してあるのだ。それから高等学校、大学ともに優遇してあるというようなことを提案者の方では、しばしば申されるのでありますが、同じ優遇するにしましても、こういうふうな差別的待遇をもつて優遇なさる場合には、せつかくの親心が全然無になるということを私どもはおそれるのであります。同じ子供にものをやるにしても、一人に一つやつて、他の一人に三つやつた場合には、何にもやらない方がいいような物議をかもして来る。こういう点についてこの法律案は、起案者の非常な教育尊重の御熱意にもかかわらず、おそらくこれが実施された場合には、日本の教育界に異常なる混乱と紛糾がかもされることは明瞭でございます。この点についてあなた方は一体どういうふうにお考えでございますか。
#65
○赤城委員 櫻井さんの御指摘のようなことがないように、十分なる用意をもちまして提案いたしたのでありますので、私どもといたしましては、私どものできる最上の方法をもつて法案を提出した次第でありますが、御注意の点はなおよく頭にとどめておきたいと思います。
#66
○櫻井委員 私はそういうことが、異常なる混乱紛糾をかもすということは、もう目に見えているのです。そういう意味からこの起案者は、もう少しおおらかな気持を持ちまして、論議すべきことは十分論議を尽しまして――これはただ国会だけの内部の問題ではございません。日本の教育界がひとしく、小学校は小学校の立場から、中学校は中学校の立場から、高等学校、大学それぞれの立場から、この法案の成立を見守つているわけであります。その意味から私どもは、こういう日本の教員の給与体系を抜本的に改めるような大きな法律案は、もう少しかすに時をもつてして、十分に輿論を聞いて―昨日公聴会を開かれましたが、これは私どもが申し出たところの二十人の参考人のうちのわずか三人か四人しか採用されてない。もちろん起案者の方でも参考人の用意はあるでありましよう。そういう人たちの意見を十分聞いて、この法律の施行ということを考えねばならないと思うのであります。昨日参考人としてお呼びしたのは、実にこの給与を受ける対象になるところの教育だけでありました。もう少しこの表の実施によつて起るところの教育界の混乱ということを考えるならば、これは単に教員だけの問題でなく、国民的問題であります。もう少し広く国民の輿論を徴するというようなお考えはないかどうか、この点をお聞きいたします。
#67
○赤城委員 これは提案者として私一人が提案したわけではありませんので、今のことに対してお答えすることは非常に困難でありまするが、できるだけ輿論を聞いたり、間違いなきを期したいということは、私個人としては考えております。
#68
○櫻井委員 あなたの御趣旨はよくわかりました。そういうふうに御努力願いたい。これを実施する時期は何も九月からというふうにしてない。はつきりこれは来年の一月一日から実施するということをうたつてあるのであります。しからばこれはあるいは次の国会に出すという機会もある。この国会が閉会せんとするまぎわにそのどさくさにまぎれて、こういう重大な法案を一万的に論議を尽さずに、多数決で押し切つて行くということになりますならば、おそらく国民の大多数は国会の審議、国会というものを軽視するというような傾向が生じないかということを、私は国会議員としておそれる者の一人であります。そういう意味から、私はもう少し論議を尽し、修正すべき妥当なる修正案があつたらそれを受入れる、これだけの雅量をどうしても提案者の皆さんに持つていただきたい。この点についてあなたは提案者として、さらに努力を重ねる用意があるかどうか。
#69
○赤城委員 御趣旨をよく考えまして、私一人でありませんから、それぞれの機関もありまするし、人もおりまするので、そういう人々と話合いはいたします。
#70
○櫻井委員 私はこの技術的な内容については、まだたくさんの質問を持つております。しかし要は、私がただいま申し上げました通り、非常に重大な法案でございます、これは日本の教育界にとつて大きな法案です。従いまして私はこの起案の代表者として説明しておられる赤城さんの苦心、連日やつておられるあなたの御熱意に対しては、衷心から敬意を表するものでありますが、そういう重要な法案でありますから、事の重大性にかんがみまして、ぜひともそういう努力を払つていただきたい。これをもしもかりにそういう論議を省略しまして、あなた方の三派共同提案という多数決をもつて押し切るというようなことがありましたら、必ずや禍根を千年の後に残す重大なる法案でありますから、この点のあなたの努力を私は重ねて要望いたしまして、こまかい点の質問は明日に譲りたいと思います。
#71
○加賀田委員 私はきよう文部省関係、文部大臣にも質問いたしたいと思いましたが、これは人事院との関連性もありますので、明日出席のときに質問いたしたいと思います。今櫻井君への答弁の中で、この提案は多数の者、二十四名の方が提案されたというのでありますが、しかしながら提案理由の説明並びに質問の矢面に立つておられる赤城さんとしては、この二十四名を代表して答弁されたと思うのです。私の質問もそういう意味で、単にほかの二十三名の方に相談するというようなことではなくして、代表者として責任をもつて御答弁願いたいと思います。
 まず昨日委員会で、この法案は非常に重大で、教育関係にも大きな影響を及ぼすので、広く輿論を聞かなければならぬという観点で、六名の参考人の意見を聞いたわけでありますけれども、提出者としてこれを単なる意見を聞く会としてみなされているか、あるいは輿論を聞き、重大なこの法案に対する態度に、最終的な検討を加えなくてはならないという程度の、非常に強い意味をもつて考えられているかということに対してお伺いいたします。
#72
○赤城委員 参考人の意見を聞きまして、参考人の意見のとるべきものがあれはこれはとるべきである、こういうようなことから参考人の意見を徴したわけでございますので、単に聞き流すということでありません。しかしそのうちでとるべき意見あるいは捨てるべき意見、いろいろ提案者のなかにも考え方が違うと思います。それをまとめて行かなければならないと思いますが、現在の段階ではいろいろあれによつて直さなくてはならぬというようなことには、まだ行つていない状態でございます。
#73
○加賀田委員 六名の参考人の意見を聞いて、なお本案が通過するように努力しなくてはならないという考えだそうですが、六名の参考人の中で、いろいろ御意見がありました。賛成の方では、現在いわゆる日教組から離れて、独自の組織を持つておる全高連の副委員長の御意見は、非常に我田引水的に自分と直接影響があるので、また明確な線も出さずして、ただ複雑性と困難性とを抽象的に披瀝して賛成されました。なお反対の方もありましたし、六名のうちの範囲を考えてみますと、おそらく反対のウエートが非常に高いのではないかと思います。これは単なる参考という意味ではなしに、直接教育を担当しておられる方の意見というものは十分重く取入れられて、この法案に対するところ審議の大きな資料にしなければいけないと思うのです。そういう意味で特にお伺いしたいのは、この六名の個々の問題を別といたしましても、明確に反対された人と賛成された人との間における違いについて、提出者としてどう考えられたかということに対して御説明願いたいと思います。
#74
○赤城委員 私個人としての考えを申し上げますれば、全体的に見まして、この法案の研究が足らなくて、研究未熟のうちに意見を述べられたというのが、半分くらいあつたような気がいたします。半分くらいは相当研究をして来て意見を述べられた、こういうふうに私個人としては見ておるわけでございます。
    〔田中(好)委員長代理退席、委員長着席〕
#75
○加賀田委員 研究も時間的に困難であつたと思います。私もいろいろ質問いたしましたが、賛成の方も単に高等学校と中小学校との差は、複雑性と困難性に基いているから、当然三本建にすべきであつたという意見だつたと思います。しかしこの困難性と複雑性というものは、すでに中央の教育審議会においても、まだ明確な線が出ていないようでございます。従つてこれは科学的な資料ではなくて、ただ個人の観念的な問題だということになると思います。従つてここに出された法案は、こうした観念的な問題を中心にして出されたのではないかという危惧を持つのでありますが、この点に対してひとつ御説明を願いたい。
#76
○赤城委員 観念的と仰せられれば、そういうことになるかもしれませんが、やはり急にできたわけではありませんで、三、四年前から問題になつておりましたので、いろいろ研究しました結果、三本建がいいというような結論に達したのでありますが、これは先ほど申し上げましたように、現実において高等学校を教えて行く能力と中等学校を教えて行く能力というようなことでは、その能力をつけて行く上において努力、勤労度というものが非常に高い、こういうようなことが一つの結論的な問題になつておりますので、その結論に達するまでにはどういう――これを科学的立場というとむずかしくなりますが、各方面からも研究をして、その結論に達したようなわけでございます。
#77
○加賀田委員 能力とかいろいろな問題に対してはすでに質問もあつたし、これはただ双方の見解の相違で論争になることだと思うので、その点に対しては質問を避けたいと思いますが、こういう状態の中で、過日の予算委員会を通過いたしました予算の中で、すでにこれらに対する予算措置がある程度なされておるということを聞いております。従つて予算というものは、やはり既定の法案に基いて国家予算というものが組まれて行くのが正しいと思うのですが、すでに予算に組み入れられているこの法案が、あとから追つて現在衆議院で審議しているという形で、少し前後こんとんしているのじやないかと思います。こういう意味でもしこうした予算がそういう状態の中で通過しないというような現象が起つた場合に、その予算措置とか、あるいはこれを通そうという下心の上に立つて、予算を盛り入れたいろいろな問題が、どう処理されるかということをお聞きいたしたいのであります。
#78
○赤城委員 実は予算が修正される前から、こういう研究を続けて来ておつたのでありますが、御指摘のように法律がなくて、予算を使うということはでき得ないと思うのです。提案者の間でもいろいろそういう研究もいたしまして、法律を出さぬでも予算が出せるのではないかというような考え方もありましたが、結論といたしまして、給与に関する予算が法律に基かずして出せるということはでき得ないということになりまして、今まで続けておつた給与の研究を法律化する、こういうことになつて法律を提案したわけであります。従つてこの法律が不成立になるということになりますれば、この法律に基いた分の予算は支出ができないかと思います。しかしこれに基かずして何らかの意味におきまして出せるような予算でありまするならば、その分は別途にまた出す方法もあるかと思いますが、この法律に盛られておることに対しては、法律が通過いたしませんければ予算の支出はできない、こういうような見解を持つております。
#79
○加賀田委員 それに関連いたしまして、この法案の中で、もしこの法案が通過いたしますると、附則第二に記載してあるように、大学においては四級から十級、高等学校においては四級から九級の職務に属するものが、いわゆる「新俸給月額欄の額の直近上位の額」に対応するということになつております。こういう形でこれが通過いたしますと、すぐそういう処置がとられて、ある程度の金額がその職員に充当されると思いますが、そういたしますと、現在の中で特に大学と高等学校の職員に、これが充当されるわけですけれども、この充当される人数は大学と高等学校で大体どれくらいあるかということを御説明願いたいと思います。
#80
○赤城委員 国立学校でいいますると、現在の級数十三級、新級の十級ですが、この人数が二千百人、それから十二級まで行きますと三千百人、十一級で三千三百人、十級で三千百人、九級で三千五百人、八級で三千七百人、七級で三千三百人、こういう数になつております。それから公立学校で該当人員が六万六千四百人、それから公立大学で該当人員が約三千六百九十人、こういうような人数になります。
#81
○加賀田委員 そういたしますと、大体人数がわかつておりますが、それに必要な総金額はどのくらいになりますか。
#82
○赤城委員 総金額が約二億二千万円くらいになるわけでございます。
#83
○加賀田委員 これは今申し上げた附則第二に基いて支出すると二億二千万円いるわけですか。
#84
○横路委員 ちよつと関連して提案者にお尋ねしますが、今の数字ですね。実は十七日の予算委員会において改進党、自由党、もう一つの鳩山自由党、この三派の共同修正案の中で、平衡交付金を五十億増額したわけです。その五十億の説明にあたつて、公立高等学校職員に関しては、給与法の一部改正によつて、三億六千万円、こういう説明があつた。そうすると今の二億二千万円というのと一億四千万円も数字が違う。これはもちろん提案したのは改進党の河本君ですから、改進党の方にでも聞かなければ三億六千万円の数字をどうしてはじいたかわかりませんが、あまりにもどうも数字が違う。今日も地方行政委員会で、この五十億の平衡交付金の増額のうちの分については、三億六千万円であるという同様の答弁をされておる。今の二億二千万円とはあまりにもどうも数字が違うのでふに落ちないのです。その点間違いないのでございましようか。
#85
○赤城委員 三億六千万円の中には私の聞いておるところによれば、こういうふうに三本建にする経費と、もう一つは先ほど横路さんがいろいろ御指摘になつたようですが、中等学校等におきまして、大学なんかを出まして、中等学校に勤務しておる人々、こういう人々の俗に言うと陥没といいますか、そういう言葉があるようですが、そういうものの何らかの方法で阻止しなければならぬ、こういう額を含めてのように私は聞いております。それでその額が三億六千万円、こういうふうに私は聞いておるのであります。
#86
○横路委員 今のお話では総額三億六千万円のうち、この附則の第二項の適用によつて二億二千万円、そうすると残り一億四千万円、相当な数字です。この一億四千万円が先ほど私が提案者の方に御質問申し上げました、いわゆる同じ学歴、同一勤続年数、同じ免許状を有しておる者に関する陥没地帯といいますか、陥没された方に対する是正が一億四千万円ということになれば、二億二千万円にわたる附則の第二項を、わざわざ設けておるものならば、やはり一億四千万円にわたるもののいわゆる陥没の修正というものは、これは全然附則にもうたわない、法の改正の中にも出て来ないということでは、ちよつと私目見当でも多過ぎはしないかと思うのでございますが、この点重ねて給与局長にお尋ねします。今提案者の方から一億四千万円、これは実は提案者の方が一億四千万円と言つておるわけではないのですが、私の聞いておるところでは予算委員会の説明では、明確に三億六千万円と言つております。附則の第二項の適用で二億二千万円になる。先ほどあなたのお聞きの中学校に関する不当な陥没されたものに対する適用が、一億四千万円だけ是正するということになれば、これは当然何か法の改正を必要とするものではないかと思うのですが、給与局長のお考えはどうでございましようか。
#87
○滝本説明員 予算の問題等になつて参りますと、われわれ詳細に承知していないわけでありまして、その問題につきまして何とも申し上げかねるわけでございます。
#88
○横路委員 そうでございますか、関連してなんですが、実は附則の第五項のところはこれは私提案者の方にお聞きしたいのですが、「附則第二項の規定の適用については、改正前の法の適用により、職員が属し、又は受けていた職務の級、号俸及び俸給月額は、改正前の法及びこれに基く人事院規則その他の規程に従つて定められたものでなければならない。」提案者の方は、実はこうなつておるのです。本年から小学校、中学校義務教育学校職員につきましては、いわゆる義務教育費国庫負担法の第二条に基きまして、小学校、中学校の職員に関しては、現在受けている給与の実際支出額の二分の一を国が支払うと、きめられたのであります。従つて、御承知のように、不成立予算の場合には、いわゆる義務教育費国庫負担金として、全額国庫負担金という意味で、九百二十億を算定いたしましたが、その場合の基礎になる小学校、中学校の給与総額というのは、共済組合等の金を入れて千百五十億であつたわけでございます。ところが実際にいわゆる義務教育学校職員法案が流れまして、義務教育費国庫負担法が施行されるようになりましてから、小学校、中学校の給与に関しましては、文部省で査定した結果千百七十億がその根本であるということになつたわけです。従つて義務教育費国庫負担法の第二条によりまして、小学校、中学校の現に受けている、現に国が認めたものは実際の支出額の二分の一ということで、現在支払つている額の二分の一という規定をしたわけです。ところが高等学校は義務教育の職員でございませんから、従つてこの附則の第二項をこのまま適用することになると、現在の俸給は決していわゆる改正前の法律及びそれに基く人事院規則その他の規程よりは、はるかに上まわつたもので支給しているのです。だからこの点は、もしも附則の第五項をこのまま通用することになれば、高等学校の職員に関しては、全部現在もらつている号俸を、いわゆる二十三年一月一日からの二千九百二十円ベース、それから六千三百円ベース、七千九百円ベースというように、元へもどつて全部これをならして、その上に立つて切りかえをしなければならぬ、こういうことになるのですか。その点についてはこの附則の第五項をお定めになつた場合に、小学校、中学校のいわゆる義務教育の職員に対しては、実際に払つている額の二分の一というのが、国庫負担法の建前になつておりますから、従つて小学校、中学校と高等学校の切りかえでは現に違つて来るわけなんです。この点は現に附則の第五項でどのように配慮なさつておるか。もしもこの通りの法律案でやるというならば、高等学校の職員は今日、一人当り千円なり千五百円削られて、その上に立つての号俸の切りかえということになるのは明らかであります。従つてこの点については高等学校職員の優遇案であるというこの三本建が、この附則の第五項では、はるかに減額されますが、その点について、どのようにお考えになつておりますか、ひとつ見解をお聞かせ願いたいのでございます。
#89
○赤城委員 御承知の通り、この法律は国家公務員についての法律でございます。地方公務員であるところの高等学校その他の人々につきましては、教育公務員特例法でしたかの二十何条かによりまして、国家公務員の例にならつて、地方公共団体においても条例等によつて、それがきまつて行くわけであります。この法律案は先ほど申し上げました通り、国家公務員に対することだけでありますので、そういう段階を経て地方におきましてはそれぞれ処置される、こういうことになろうと考えております。
#90
○横路委員 そうすると今のお話ではこれは国家公務員に関してのみ適用されるので、地方公務員に関しては適当に切りかえてやつてもいいということでございますが、私はこの国家公務員に関する適用の法律は、やはり地方公務員にもこれと同じように適用されるものである。もしもこれが地方公務員にも都道府県知事においてそれぞれ適当に切りかえてもいいということになれば、附則につけられた二項等は都道府県知事の対象になつて、この基本がくずれてしまいます。私はやはり国家公務員に対するこの法律は、同時に地方公務員に対しても拘束するものだと思う。拘束しないということならば、今までやつた論議は、全然意味をなさないわけです。しかし私は国家公務員に関する法律は地方公務員を拘束すると思うので、そういう意味においてこの附則の第五項は問題になりますので、その点をお聞きいたします。
#91
○赤城委員 これは国家公務員に対する法律でありまするので、直接には地方公務員には適用がありませんが、先ほど申し上げましたように、教育公務員特例法によりまして、国家公務員の例にならつて、地方ではこれに準じて行うということになつておりますので、結果においてはこれと同じような制度に、地方もかわつて行くというふうに考えております。
#92
○横路委員 私はそれでお聞きしている。この附則の第五項のところは、これは今日それぞれの都道府県の教職員組合と、それぞれの都道府県知事との間の団体交渉によりまして、決してこの改正前の法、それからこれに基く人事院規則、こういうものでないことは、提案者も御存じの通りです。今日地方財政で一番問題になつておりますことは、国といたしましては、地方公務員教職員は、大体ならして昭和二十六年十月で三百四十八円、昨年の改正で七百九十四円、こう言いますけれども、現実には大体一人平均千円程度は高くなつておるんです。そこで附則の第五項で現在受けているいわゆる職務の級、号俸及び俸給月額によつて、切りかえるということでなければならない。号俸及び俸給月額は改正前の法及びこれに基く人事院規則その他の規程によつて定められたものでなければならない、こういうように規定してございますと、都道府県知事は、ああそうか、それなら高等学校は今度は非常に上るんだから、昭和二十三年一月一日にさかのぼつて国で定めた通りやつて、その点は初期の号俸にきりかえるということになると、これはおそらく千五百円も二千円も損するのではないか。そうしますと附則第五項のこの点はどうもおかしいのではないか。これはこういうのでなしに、現在受けている職務の級、号俸及び俸給月額によつて切りかえなければならぬというのでないと、高等学校職員だけ不当に切下げられるおそれがございます。その点はどうですか。
#93
○赤城委員 地方の学校の教職員の俸給が昨年あたり三百四、五十円、それから七百円になり、現在千円以上になつておるということは自治庁でも言つておりますが、しかしこれは的確な数字というものはわからぬということを私どもも聞いておるのであります。そういうふうにかりに国家公務員と違つておるということを要素に入れて、法律をつくるわけに行きませんので、大体今の特例法とかによつてやつている、こういうふうに法律というものはつくらざるを得ない状況でありますので、これはそういう事実があるといたしまするならば、地方において相当勘案しなくてはならない問題だろうと思われます。
#94
○川島委員長 それは人事委員会の専門員から答弁させましよう。
#95
○横路委員 それでは専門員には私から質問申し上げた上で、御答弁願いたいと思います。
 それはこういうことですが、ことしから義務教育費国庫負担法が通りまして、小学校、中学校の教員に関しては実際の支出額の二分の一を払うということになつております。従つて文部省においても義務教育費の不正立予算のときに、義務教育学校職員法案を出した場合の算定基礎は千百五十億で引いたわけです。ところがあれが不成立になりまして義務教育費国庫負担法で実施になりましたが、その算定基礎を千百七十億とふんだ。明らかに二十億の実際支出額の増加というものを認めたわけであります。従つて附則の第二項によりましても、この切りかえをするということは義務教育費国庫負担法の建前によつて、現在支給されている額によつて切りかえをするわけです。ところが高等学校職員にはそういう法律がないわけです。そこで先ほど提案者からお話がございましたように、現在までそれならば高等学校職員を含む地方公務員は、どういうようになつておつたかというと、昭和二十六年十月のときに三百四十八円高いといつて差引かれた、実際は都道府県知事は引いていない、それが昨年に至りますと大体七百九十四円程度高い、今日は千円ないし千二百円高い、その高いというやり方は昭和二十三年一月一日の二千九百二十円の職階制で法律第四六号、その次は三千七百円ベースで法律第九五号、六千三百円ベースで法律第何号、七千九百円ベースで法律第何号というように法律でものさしをつくりまして、大学を出た者で勤続年数十年にわたる者は何ぼというように、ぴたぴたとこれを当てはめる、大学を出つ者の給与は何ぼ、こういうふうに当てはめる、そしてそれをもとにして平衡交付金を算定している。ですからこの附則の第二項によりますと当然その法律第何号によつて当てはめられたものさしで切りかえるということになるから、現在の支払つてもらつている俸給よりは千円ないし千二、三百円というのを一応定めて切りかえるということになると、非常に不当な切りかえになるじやないか、提出者の方では高等学校の職員を優遇すると言いながら、実際にはかえつて優遇にならない案だ、五年から十年たつたら優遇になるかもしれないが、少くともここ二、三年は優遇にならない案が、この附則第二項の規定になる、従つてこの附則の第五項は従来の職務の級、号俸及び俸給月額は、現在支払いを受けている額で切りかえなければならない、こういうようにしてしまわなければ意味をなさないのではないかと私は言つているのです。
#96
○安倍専門員 御指名によりまして御答弁申し上げます。この法律は今赤城委員が述べられました通り国家公務員たる国立の学校職員を対象としてつくられたものであります。地方の教員の給与につきましては教育公務員特例法の第二十五条の五にまりまして、これに準ずるという規定になつている。実際今御指摘のような事実があり、かつそれによつて不当な損失を招くようなことになりますれば、事きわめて重大でございますが、今申し上げたようにもともと国立学校教員の給与に準じて地方では条例により別にその措置をとらなければならぬ責任があるから、各県の条例によつて生じた問題は、各県で別に措置をやることになると思います。この法律の規則の規定につきましては、私タツチしているわけでございませんので、ちようどこれをつくられましたときの御相談相手に、法制局においていろいろ折衝されておられた本田調査員が控えておりますから、その本田調査員が法制局等においてどういうことを考えてこの附則を整理されたか答弁させていただきます。
#97
○本田調査員 そのような重大なる問題が起ることは、実は予想しておりませんでしたが、従前の改正法律の附則によりますとたとえば昭和二十六年法律第二百七十八号の附則の八項で同じような条文が出ております。それはあくまで国家公務員を対象にしておりまして、現実に地方公務員の方が、いつも平衡交付金の算定の問題になりますときに、地方公務員の方が高いとか安いとか、いろいろそういう事情を聞いておりますが、また切りかえにあたりましても、どのような形で切りかえを行つておるか、私その点はつきりいたしませんでしたが、法制局との打合せにおきましては、この附則のこういう条文を立てておかないと、その切りかえにあたつていろいろな措置をされると困るというような考えから、こういう事項を設けられたものと考えておりますが、詳細はなお後ほど調べまして、お答えすることにいたしだいと存じます。
#98
○川島委員長 横路君にちよつと申し上げますが、文部委員会が終つたわけでありますが、今の問題はまた……
#99
○横路委員 よろしゆうございます。
#100
○赤城委員 ちよつと一点。とにかく地方の公務員のことについて、国家公務員の法律の中にうたうことができません。これは御承知だと思う。平衡交付金の問題になつておりますから、これは国家公務員の方の建前からできておりますから、その点御了解願えればけつこうであります。
#101
○川島委員長 本日はこの程度にとめまして、明日は午前十時から開会することにいたし、本日はこれにて散会いたします。
 なお引続いて文部委員会との連合審査会を続行しますから御了承願います。
    午後六時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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