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1953/07/07 第16回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第016回国会 経済安定委員会 第12号
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1953/07/07 第16回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第016回国会 経済安定委員会 第12号

#1
第016回国会 経済安定委員会 第12号
昭和二十八年七月七日(火曜日)
    午前十一時十二分開議
 出席委員
   委員長 佐伯 宗義君
   理事 小笠 公韶君 理事 加藤 宗平君
   理事 武田信之助君 理事 栗田 英男君
   理事 阿部 五郎君 理事 菊川 忠雄君
      秋山 利恭君    遠藤 三郎君
      岸  信介君    長谷川 峻君
      神戸  眞君    楠美 省吾君
      石村 英雄君    小林  進君
      杉村沖治郎君    中村 時雄君
      山本 勝市君
 出席政府委員
        公正取引委員会
        委員長     横田 正俊君
        農林事務官
        (農林経済局
        長)      小倉 武一君
        通商産業政務次
        官       古池 信三君
        通商産業事務官
        (繊維局長)  徳永 久次君
 委員外の出席者
        通商産業事務官
        (企業局次長) 小室 恒夫君
        専  門  員 円地与四松君
        専  門  員 菅田清治郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 参考人招致の件
 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法
 律の一部を改正する法律案(内閣提出第一〇四
 号)
    ―――――――――――――
#2
○佐伯委員長 これより会議を開きます。
#3
○小林(進)委員 議事進行について。この委員会が開かれましてから、審理庁長官の施政のお話を承つただけでありまして、われわれはまだこれに対する質問を留保いたしておるのでありまするが、これに対しては委員長初め理事の間においてしばしばこれが繰返されて、長官には各党を総計して五時間、少くとも三時間以上の質問戦を終つて、その後においてこういう独禁法の問題の審議に入るというふうに、われわれ委員は了解をいたしておつたのであります。なお理事会において話がどういうふうにかわつたのか知りませんが、毎日の新聞によると、ああやつて大臣は予算委員会へ出て長々と質疑応答をせられておるにもかかわらず、所管であるこの委員会には少しも出席されない。これは経済安定委員会に対する大臣の軽視か、あるいは侮辱か、あるいは委員長の手腕が足らないのか、いずれか帰するとわれわれは思うのであります。私はこの間各委員会を漏れなくまわつて見ました。特に労働委員会のごときは、労働大臣の基本方針に対する質問戦が果敢に行われておりまするし、大臣みずからも午後の五時半ないし六時に至るまで委員各位の質問に対して大いに質疑応答を繰返されて、その真摯な態度が現われておつたのでありますけれども、ひとり本委員会においては通計いたしてわずか三十分に足らざる質問に終つておる。そういうようなことを黙認されて、ただちに独禁法の法的根拠の質問戦に入るなんて、われわれは決して公正取引委員会の下請機関でもないのでありますから、そういう事務的なやりとりはまたあと詳細に各論にわたつてすればいい。総論から入らないこういう侮辱された委員会の進行状態なんというものは、私の四年有余になる国会生活を通じて初めてでありまして、悪い前例を国会に残して参りますから、どうしても私は委員長において善処せられて、まず大臣を呼んでいただき、大臣に対する質問戦から始めるという正常なるルールに沿つていただきたい。
#4
○佐伯委員長 ただいまの小林さんの御説はしごくごもつとものことでありまして、実は御趣旨に沿うてしばしば理事会でも協議をしたのでありまするが、他の委員会のことを申し上げるのは異なものでございますけれども、通産大臣は予算委員会その他八つほど責任を持つておる委員会がございます。それからただいまの経済審議庁長官の経済演説は、御承知の通り委員会に出してある法案と違いまして、これが法案でございますれば一定の期限を要しまするし、相当趣を異にしておるように考えますので、理事会でもしばしば問題になりまして、法案として出ておりまする独占禁止法と並行して進めようということに申合せをしたわけなのであります。一昨日は通産大臣も特に午前中出て参りまして、各党十五分くらいでありましたけれども、一通り御質問をお願いしたわけなんです。
 それから独占禁止法は御承知の通り大体その責任当事者は事務的には横田公正取引委員長であつて、政治的な面から申しますと緒方国務大臣であるかとも考えられるのでありますが、この点はできるだけ大臣の出席を要求いたします。しからば大臣が出て来ない間審議をしないのかということも、いろいろ理事会でお話申し上げた結果、絶えず大臣の出席を要求しつつ審議を進めて行こうということにも話がまとまつたような次第であります。従つてただいま小林さんの御要求はもちろん守りまして、大臣の出席を絶えず要求し、その間出席されました政府委員に質問をやつていただきたい、こういうふうにお願い申し上げたいのでありますが、どんなものでしよう。
#5
○小林(進)委員 私は、ここで委員長と議論を繰返そうというのではないし、また委員長に協力しないというのではありませんから、その点あらかじめ御了承願いたいのでありまするが、大臣の出席ということは独禁法にからんで強要するというのではないのでありまして、わが経済再建計画の基本方針に対する質問をまず最初にやりたいというのであります。ということは、委員長も御承知でありましようが、審議庁の経済再建計画に対しては、ソビエト陣営からの非難はとるに足らぬとしても、現にアメリカ本国から相当な批判が浴びせられておる。遠く海外の自由主義国家から相当の批判がある。われわれはここでそういう条項を並べて質問をしておかないと、それを黙つて承認しているがごとき態度をとられることは歴史に照らし国会の権威に関する重大なことであると思う。そういうことから考えて、われわれはそれを明確にしておきたいと思う。時間を切つて法案を審議することよりも、重要な根本的な問題についてかく憂えておるのでありますから、その点十分お考えくださいまして、大臣の下請ではないのでありますから、委員長の権威をもつて、来なかつたら首にひもをつけてでもひつぱつて来ていただきたい。国会の権威のために委員長の御奮励をお願いいたします。
#6
○佐伯委員長 ただいまの小林さんの御注意のようにしつかりやります。そういうことでどうぞきようは開会させていただきたいと思います。
    ―――――――――――――
#7
○佐伯委員長 本日は昨日に引続き、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案及び日本経済の基本的政策に関する件について審議を進めます。質疑は通告の順に従つてこれを許します。中村時雄君。
#8
○中村(時)委員 その前にちよつとお願いをしておきたいのは、取引委員長にお願いをしておきました砂糖に関するところの資料の問題、この提出がまだないので、従つてこの問題を審議して行くことに非常に支障を来しておる。それから通産省並びに公取委員会においてこの法案をつくるときに原案の相違があつたはずです。その相違に対する資料の提出を願つておつたのですが、あなた方の考え方は、こういうふうな厖大なものを、これを審議せいといつて出して来るのは前の日くらいに提出しながら、われわれが資料として必要なものの提出を願つたときには常に遅らしている、このようなことでは審議というものが非常にはかどりにくいということをまずもつて申し上げておきたい、それは至急に提出していただきたいと慣うことなのであります。
 続いてこの法案の問題に入つて行きたいのですが、主として第二十四条について昨日から委員長の話を聞いておりますと、ただ単に資本蓄積のためであるとか、あるいは財界からの強い要望であるとか、あるいはまたそういうふうな通産省の強い意見に従つたのだということで、独禁法に対するところの問題の独自の創意というものがちつともわからない、そこでこの独禁法の三十四条、たとえば合理化カルテルあるいは価格カルテルや不況カルテル等に対して、一体その基本政策は中心をどこに置いているのか、その点について不況カルテル並びに合理化カルテルの基本政策というものをはつきり発表していただきたい。
#9
○横田政府委員 その点は先般来申し上げたのでございますが、要するに現行独禁法は、カルテルをきわめて厳格に取締つておりまして、いわゆる不況に際しましてそのままの状態では事業が共倒れになるというような、かなり切迫した状態になりましても、これをカルテルの形式でもつて救うということを全然認めておりません。これはもちろん安易なカルテルを認めますことは、独占禁止法の精神でございまするところの競争を促進して、事業者の創意くふうを発揮させる、それがひいて消費者の利益にもなるというこの独占禁止法の基本精神に反する結果になりまするけれども、ただいま申しましたような非常の事態に対しまして若干の道を開くということは必要ではないかというふうに考えまして、二十四条の三におきましてかなり厳格な条件のもとにこのカルテルを認めることにいたしたわけでございます。合理化カルテルにつきましても、競争を促進することによつて合理化がもたらされる、これが本来の独占禁止法の考え方でございまするが、しかしやはり一面におきましては、見方によつては競争の制限にはなるけれども、それがある範囲において合理化をもたらすという面もないではないのでございまして、そういう観点からいたしまして、その次の二十四条の四におきまして、これもきわめて限定された範囲ではございますが、合理化を促進する意味におきまして若干のカルテルを認めた、こういうことにいたした次第でございます。
#10
○中村(時)委員 こういう話の結果になるから通産大臣を呼んで基本方針の話をよくしなくてはならぬということが出て来る。たとえば過去においては、日本の経済がトラストやカルテルやあるいは植民地政策や、あるいは軍需産業の上に乗つかつて、そうして日本は資本主義の形態をとつておつた。ところが終戦後におきましてはこのようなカルテルはいけない、このようなトラスト的なものはいけないという観点に立つて、そうしてこの独禁法というものができ上つている。形がかわつた一つの経済の立地の基盤をここに整えようとするのがこの法案のねらいであうて、アメリカの占領軍によつてそうなつた。またこれが必要であるからという観点から経済機構の根本的な改訂に入つて来ている。ところがこれを見ると事実はそうではない。昔のようなカルテル、トラストによつて日本経済を昔のあのような形態の基本的な線に追い込んで行こうとするのかという基本政策を聞いておる。その線を聞きただそうとして先ほど来再三再四にわたつて通産大臣を通し、あるいは審議庁長官を通してその基本政策にいかに重大な点があるかということをお聞きしようと思つていたにかかわらず、それが出なかつた。出なかつた結果があなたの言われたような答弁になつてしまつた。私の言う基本政策というのはこういうことを聞いておるわけです。事実昔のようなトラストやカルテルによつて日本経済の立地条件を整えようとしておるのか、そういう点を聞いておるわけです。
#11
○横田政府委員 少くとも公正取引委員会に関しまする限りは、ただいま私の申し上げましたような独占禁止法のカルテルを一応警戒して、これを厳格に取締つて行くという基本の精神は今度の改正法によつても堅持されておると考えております。もちろん他の産業省におきまして将来どういう態度をもつて日本の経済に臨むか、この点は所管大臣の方からお答えいたすことであろうかと思います。
#12
○中村(時)委員 それでは今のは所管大臣の出席を要求することにいたしておきます。
 続いてもう一つ、昨日委員長の話では、通産省が非常に強力だ、事実この法文を見ましても、特に二十四条の三あたりに来ますと、あの通産省の官僚的な独善的な考え方が非常にたくさん盛られておるように見られるのですが、そういう点に関しましても私はあると思いますが、事実委員長は昨日通産省の強力云々という言葉を使われておつたが、一体通産省がどういう権限に基いてそういう行為をしたか、そういう点をひとつ聞かしていただきたい。
#13
○横田政府委員 この法案についてでございますが、この法案につきましては、先般一応改正案ができまするまでの経過を申し上げたのでございますが、通産省の強力な推進があつたためにこの改正ができたというふうには実は申し上げなかつたように思いますが、この改正問題は独立回復後公取自身においてもずつと考えて参つたわけでございます。もちろんその案ができまする過程におきまして、通産省のみならず、各省の意見を広く聞いておりますが、ことに通産省がその性質上こういう問題に一番深い関心を持つておるわけでございますので、通産省との折衝が量的にも質的にも一番多かつたと思います。しかし通産省と公取の見解の相違と申しますものは、先般お手元に差上げました独禁法改正案に対する各省意見というところに主要な点を掲げてございますように、この不況カルテルを認めます要件等につきましては若干の食い違いはございますし、あるいはカルテルの認可をいたします主務官庁をどこにいたすかというような点についても意見の相違がございました。しかしこれらの点はその立案の過程におきましていろいろ折衝いたしました結果この改正案のようになつたのでございまして、特に通産省から強い働きかけがあつたというふうには私どもは考えておりません。
#14
○中村(時)委員 それともう一点、通産省の行為もお聞きしているのです。
#15
○横田政府委員 昨日来、たとえば綿紡の操短等におきまして通産省がいろいろな勧告というような形で綿紡操短を行わしておる、実質的にはそれが独禁法違反ではないか、公正取引委員会はなぜこれを不問に付しておるのかというような御趣旨のお話もございました。これは実は綿紡だけでもございませんので、この点も各業界におきまするカルテルの動きと申しますか、あるいはカルテル類似の行為に関しましてはごく簡単な御報告を書面で申し上げたわけでございますが、あそこにございますように、近来通産省のいろいろな方法によります業界に対する働きかけというものは確かにあるのでございます。この点は独禁法の問題といたしますと、昨日も綿紡について申し上げましたように、その働きかけのいかんによりましては、同時に独禁法違反を伴うものもございますし、中にはそういう点を避けておるものもあるようでございます。われわれといたしましては、独禁法を守る立場からいたしまして、独禁法違反の疑いのあるものにつきましてはどんどん調査をいたし、現にそれを取上げて処理しておるものもございますが、いかんせん独禁法の精神の上からはおもしろくなくても、現実に違反ということを認めがたいものにつきましては、通産省にいろいろ申入れ等はいたしておりますが、法的に公取がこれをどう処理するかということは現行法のもとではなかなかむずかしいというふうに考えております。
#16
○中村(時)委員 今のお答えでますます曖昧模糊たる性格が出て来るわけですが、今行政機構に結びついた諸官庁におけるところの行政執行に対しては、公取は手も足も出ないということの結論をつけられたわけです。それと同時にもう一つ、あなたのお考え方が今申されましたような考え方であるなれば、カルテルを認めたと言いながら事実はずるずるべつたりの行き方になつてしまう。結局結論としては何一つできていない。基本的な方針の打立てもできない。品ではカルテルを認め、将来においては独占資本を認めながら経済の一つの建直しをしようと先ほどおつしやつたけれども、実際の行為として現われて来る場合には、今言つたように結果におけるところの一つの問題点が取上げられないという結論がそこに出たと思う。だから実際にあなた自身の立場を、もつと自分の創意というものをはつきり打出して――今のような考え方でずるずるべつたり行かれますとおそらく自由党側から公取の必要はない、全般の経済機構の中から考えた場合、公取におけるところの責任というものは必要ないというような結論が近い将来に必ず出ると思う。そういうふうにあなたお考えにならないのですか。
#17
○横田政府委員 その点は結局この独占禁止法の法制上の問題でございます。今申しましたような点に公取が法律上の権限を持つて臨み得るようにしていただきますれば、今のような問題は解決されると思うのでございますが、現行法の規定におきましては、ただいま申しましたような制約があるというように了解いたします。
#18
○栗田委員 ちよつと今の所管の問題で関連をしてお尋ねをいたしたいのですが、この各省の意見という配付された資料を見ますると、このカルテルの認可に関して通産省は公取に持つて行くことを反対をしておりますが、他の大蔵省と農林省と運輸省は、ことごとく公取一本ということを資料でも報告でも打出しているのです。そうすると私は、当然これはどこにすべきかということは、次官会議にかけるのですが、一体次官会議に公取委員長は出席をしたかどうか、この点お尋ねをいたします。
#19
○横田政府委員 委員長といたしましては次官会議にも閣議にも出ておりません。次官会議には公取の事務局長が出ました。
#20
○栗田委員 そうすると公取の事務局長が次官会議に出たときには、そのときの次官会議の決定はどのように決定をしておつたが、いわゆる公取一本だつたのが、あるいは通産にきまつたのか、あるいは通産なり公取なりにきまらずに、次官会議ではうやむやのうちに閣議という最高判断におまかせしたのか、その辺のところをお答え願いたい。
#21
○横田政府委員 次官会議では結局意見の完全なる一致を見ませんで、要綱のときでございまするが、要綱は政府の認可というあいまいな表現を用いて次官会議を通りまして、閣議へ送られたわけでございます。
#22
○栗田委員 そういうふうに重大な点でお尋ねしたい点が非常にありまするから、早急に大臣の出席をお願いいたします。それでないとなかなか審議が進みませんからよろしくお願いをいたします。
#23
○中村(時)委員 今お話を承りましてもポイントがはずれているが、次に移つて行きます。カルテルということは一般常識的に考えた場合にカルテル悪が出て来る。もちろん善もあり悪もあるのですが、カルテル悪について委員長は認めておりますかどうか。
#24
○横田政府委員 カルテルの弊害につきましてはわれわれ大いに認めておるつもりでございます。
#25
○中村(時)委員 もしもカルテル悪を認めるということになりますれば、たとえば具体的に言うと、一部の特定利潤の追求として現われて来るのでありますが、これに対しまして法的に何もないのでありますが、いかなる方針を考えていらつしやいますか。
#26
○横田政府委員 カルテルにつきましては結局独禁法第三条におきまして、いわゆる不当の取引制限という表現を用いまして、カルテルを禁ずることがはつきり規定されているわけでございます。
#27
○中村(時)委員 その社会悪から、社会性を乱すと私の言つていることは、その中心というものは消費者が対象になるわけです。消費者がその影響を受けるわけです。その消費者が影響されるのに対して公取であれば単なる認定、この法文から行けば認定するということになるのでありますが、認定を取消す、通産大臣から行けば認可を取消す。単にそれのみによつてこのような問題を片づけられるというような、安易な考えなのですか。
#28
○横田政府委員 独占禁止法の本来の建前は、いわばこれは非常に消極的な制度でございまして、結局事業者のいろいろな不当な拘束によりまする競争の制限ということを取締つて参ろうという点が、この独占禁止法の骨子になる考え方でございまして、結局そういう拘束を取除いて行けば、そのあとは自然に競争の原理が働いて、その結果は消費者にも利益をもたらすというところが独占禁止法のねらいでございます。従いまして、カルテルの認可を取消して、独占禁止法の観点からこれを処理できるという状態に持つて参れば、そのあとは独占禁止法で、もしそれが各条項に触れますれば、その面においてこれを処理するということになるのでございますが、しかし、会仰せになりましたように、独占禁止法でそういう自由な状態をつくり出しただけで、ただちにそれが消費者の万へ利益が行くかどうか、この点は、実はそこまで踏み込んで独占禁止法がいろいろやるという建前ではないのでございます。もし、そういう関係を適切にやつて行くというような必要があるとしますれば、それはいろいろな場合によつて違うと思いますが、やはり行政的なことであるとか、その他のいろいろな手が打たれなければならぬというふうに私は了解しております。
#29
○中村(時)委員 そういうふうにしますと、このカルテルを結んだ業者は非常に有利になつて来る。たとえばあなたが先ほど言つたように、――操短の問題についてもあとでお聞きしますが、砂糖のこういうカルテルを結ばんとするような条件に関しても、時期というものがものにはあるわけです。その時期にもうけてしまつておいて、あとで認可の取消しあるいは認定の取消しをされたつてちつとも痛くもかゆくもない。だから、そこに相当厳然たる姿というものが当然出て来なければならないと思うのですが、その点に関してはどうですか。
#30
○横田政府委員 それは、結局事務を扱いますスピードの問題が非常に密接に関係いたすわけでございます。その点は、実際問題といたしまして、われわれはいつも違反のあとを追いかけて行くというようなきらいがあることは、率直に認めざるを得ないと思いますが、しかしこういう問題に対する処理の仕方がもう少し習熟して参りますれば、そういう点につきましてもつと迅速かつ適切な手が打てるようになるというふうに考えております。
#31
○中村(時)委員 これは、私は委員長の性格だろうと思うのですが、そういうふうな一つのものを認めておりながら、それを常に最後にぼかしてしまう。そこに今後も一つの問題がいつも伴つて来るのじやないかと思うのです。そういうふうに認めたならば、認めたものに対する方針をはつきり打出して行くということの欠如が、この法文からあらゆる部面に出て来るわけですが、それに対するお考えはないですか。
#32
○横田政府委員 ただいま申し上げましたように、明らかに独占禁止法の問題になり得るものにつきましては、今後適切な処理をいたしたいと考えております。
#33
○中村(時)委員 次に第六点として、合理化カルテルというものは不況の場合に行われるものであると私は思うのです。それゆえに、不況カルテルとは不可分のものであると思うのですが、これに対して御意見を承りたい。
#34
○横田政府委員 不況の場合に問題が起るということももちろんあると存じまするが、しかし合理化カルテルそのものは必ずしも不況の場合に限らないのでございます。この点は、実際問題としまして伴うことがあるかもしれませんが、別な観点からの問題というふうに私は了解しております。
#35
○中村(時)委員 その、別な問題に対する事例をあげて、具体的に話してください。
#36
○横田政府委員 大体今回の合理化カルテルはかなり範囲が狭まつておりまして、ここにあげてございますような、いわば技術的ないろいろな問題が主になつておるわけでございます。ここにございますような、品質の改善であるとか、あるいは規格の標準化、商品の標準化というようなことや、あるいは場合によりますと品種の制限というような問題、その他がございまするが、これらはいずれも必ずしも不況の場合だけに問題になることではないのでございまして、通常、平時におきましてもこういうことによつて産業の合理化をはかるということは考えられておるわけでございます。
#37
○中村(時)委員 今のお話によると、元の原案では品質というものが、品種とかわつておることを先日来問題にしていらつしやつたようですが、その品質と品種という問題――要するに今度は品種として取上げたわけですが、その品種という問題の制限のみによつてこういうふうに裏づけられるように考えられるのですけれども、それに対してはどうですか。
#38
○横田政府委員 この前の改正案に多少の修正を加えましたのは、ただいま仰せになりました品種の制限という表現によりまして、今例にあげて話したような、品質そのものの改良、あるいは標準化というようなことのほかに、各業者がつくります品種をお互いに若干制限いたしまして、その結果、昨日も申し上げましたような特異な品質のよい品をできるだけ安く生産する、こういうことをねらつたのが今度の改正の趣旨でございます。
#39
○中村(時)委員 それでは昨日の問題から入つてみましよう。たとえば昨日おつしやつたのでは、綿花の問題を一つ取上げられた、一つはくず鉄の問題を取上げられた。そういたしますと、国内のくず鉄と国外から入つて来るくず鉄の対比というものはどういうふうになつておりますか。それをまずお尋ねいたしたい。
#40
○横田政府委員 その点はただいま正確な資料を持つておりませんが、通産省の人が見えておりますから、そちらからお答えいたしてもらいたいと思います。
#41
○小室説明員 私は業種について直接主管しておりませんので、明瞭なことはあとから資料で申し上げますが、大体消費しているものの二割前後輸入しているのではないかと思います。
#42
○中村(時)委員 そうすると、たとえば綿花は全面的に輸入しており、鉄くずは二割くらいしか輸入していない。そういう観点からこれを具体的な例として取上げた場合には、見わけをつけられるのですか。
#43
○横田政府委員 ここでは、このものが輸入されたかどうか、あるいはその輸入の数量がどうかということでは、別に特別な差はないというふうに考えております。要するに、ここにございますような、その品物の性質によりましてこういう特別な扱いができるということにしておるわけでございます。
#44
○中村(時)委員 そうすると、そういうような量的、質的な問題でこの合理化カルテルと不況カルテルを見わけたのではないという御意見ですね。そうでしよう。
#45
○横田政府委員 ええ。
#46
○中村(時)委員 それでは第七点に入つて行きたい。第七点では合理化カルテルの問題を取上げて行きたいと思うのですが、大体合理化ということの意味、その内容をひとつお聞きしたい。
#47
○横田政府委員 これは多少曖昧な言葉でございまして、従いましてそれを具体化いたしまするために、第二十四条の四におきましてもいきなり合理化という言葉を用いませんで、「技術の向上、品質の改善、原価の引下、能率の増進」というような一応こういうものを掲げまして、あるいはこの中に多少漏れるものがありはしないかというようなことで「その他」とやつて少し広げてございますが、大体この合理化は二十四条の四で考えられておりますことは、前の方に書いてありますような、こういうことをもたらすものを企業の合理化というふうに了解いたしております。
#48
○中村(時)委員 事実曖昧模湖たる答弁でございますが、その合理化という意味は、経営という面から考えて行つた場合に、たとえば労働もあれば資材もある、設備、これは技術を含めたものもある、そういうふうに考えられるわけです。そういたしますと、この原材料というものは外国貿易というものが主体になつているような状態ですから、この問題は別といたしまして、残つて来るもので一番安易な方針の打出し方は今言つた人の問題なんです。そうすると、このカルテルを結んで行つた結果が事実昨日も指摘されましたように、ほとんどがその労働者並びに消費者側にその影響の展開をしようという動きが必ず出て来ると思う。それに対して出るか出ないかという判断をひとつ考えてもらいたい。
#49
○横田政府委員 第二十四条の四で考えております企業の合理化の中には、今申されましたような工員を少くするとか、あるいは消費者側の利益を特に害するとかいうような、そういうものは全然考えておりませんので、第二号等によつてわかつておりますように、そういう点は全然ここに言う合理化の問題からは別のものと考えております。
#50
○中村(時)委員 別の問題にしろ何にしろ、この合理化はカルテルを結んだ場合、工員の上においてそういう状態が起らないとあなたは断言できるのか、あるいは起るであろうと推察されるのかということを聞いているのです。
#51
○横田政府委員 その点ははつきりお答えすることは困難でございますが、この二十四条の四の気持をもう少し補足して申しますと、たとえば生産の制限というようなことになりますと、綿紡操短で明らかになりました通りに、その結果は労働者の方に非常に影響を持つて参ります。そういうような観点からいたしましても、合理化の名において生産数量の制限をするというようなことは全然認めないという趣旨で、二十四条の四の中には、生産数量の制限ということは全然合理化とは見ないという建前をとつておるわけです。
#52
○中村(時)委員 作文の上ではそういうふうに建前をとつても、先ほどおつしやつたように、操短の問題にしても現実の問題としては出て来るわけなんです。それをあなた方は今後においてそれを認めるかどうかということで、次に非常に問題が出て来るわけですが、そういう現実が出て来るということを認めるのか、認めないのかということを聞いておるわけであります。
#53
○横田政府委員 その点は非常に詳細に考えますといろいろな問題がございまするが、二十四条の四の直接の目的といたしまするところは、今私が申し上げました通りでございまして、その趣旨からいたしまして、生産数量の制限というものを入れなかつたわけでございますが、ただ技術の向上というようなことで、場合によりまして、非常な人手のいらない機械を使うというような問題が出て参りました場合に、自然にそれが労働者の方に影響を及ぼすというようなことは考えられないではないかと思います。それはまた別途の問題で適当に処理されなければならぬ点ではないかと思います。
#54
○中村(時)委員 考えられないのではないとかいう苦しい言葉の表現をしておられますが、その問題は操短の場合に譲るといたしまして、この合理化カルテルを結んで行きますと、業者側がおそらく自分の安易感といいますか、そのために非常なおもしろくない状態が起つて来やせぬかと思いますが、それに対してどう考えられますか。
#55
○横田政府委員 私もそういうことを非常に御同様に心配をいたしております。但しこの法案で認めましたラインが正確に守られますれば、そういうような懸念はないと存じます。しかし御承知のように財界等からは、こういう合理化にいたしましても、あるいは不況の場合につきましても、もつと幅広にカルテルを認めてほしいという要望がございますが、それらに対しましては、われわれはこの線を踏み越えては非常に弊害が生じて来るという立場からいたしまして、そういう要望にはこたえなかつたわけでございます。
#56
○中村(時)委員 そうすると今言つたことも一応正常な感覚を日本人がある程度持つておつた場合にはこういうことは起らない、それはその通りなんです。ところが正常な感覚がないから常に問題が起つて来る。それは常識で判断ができることなんです。しかし一応これを認めるということになれば、今のカルテルの法案は生産者のみを対象にしておつて、消費者というものが全然対象にならないという行き方になつているのです。一方に偏して消費者には全然利益がないことになりますが、それに対して何らかの方針がありますか。
#57
○横田政府委員 このカルテルを認可いたしますにつきましては、相当一般消費者等の利益も考慮いたすように実は法律はできておるわけでございまして、各カルテルを認容いたしまする要件の中に、一般消費者の利益を不当に害しないというような要件が掲げてございまするし、またこの法律を実行いたします際には、できるだけそういう方面の意見も聞きまして、ただいま仰せられたような消費者の利益が害されるようなことのないように、その取扱い上にも十分の注意をいたしたいと考えております。
#58
○中村(時)委員 どうも話が抽象的になりますから、操短の場合を例にとつて見ましようか。たとえば操短の場合に昨年の通産省が原料を裏づけにするという意味においてカルテル行為を結んで行つた、そのためにたとえば中小企業の方においては、操短をやつたがために今度は原料の割当が少くなつた、そこで現在非常に困つておるという状況が現われている。また事実昨日も話が出たはずですが、労働者に対する首切りの問題が出て来る、あるいはまた就職をしようとして待機しておつたところの女子工員などは、そのために事実上就職ができない、これなんかは首切りよりももつと激しい状態なんです、待つておるのですから……。そういう一つの現象がここに現われて来るのですが、こういう現象は認められますかどうですか。
#59
○横田政府委員 そういう現象が生じないように一今度の法律はいろいろその点に手当をいたしておるつもりでございまするが、この綿紡のときもそういうような状態が出まして、しかも一方におきましては市場がはなはだしく好転いたしましたにかかわらず、なおそういう操短が続けられ、中小企業等から公正取引委員会に対しましても、いろいろそういう点について陳情もございましたし、昨日も来ました。公取から六月になりまして通産省に対し申し入れをいたしました際にも、特に関連産業にそういうしわ寄せが行つて非常に困つておるから、ぜひこの際この操短については再検討をしてほしい、こういうふうに申入れた次第でございます。
#60
○中村(時)委員 今後こういうことが生じないようにする、あるいはまたその価格が好転をしたとおつしやるけれども、その今言つたように生じないようにするという条件がここに一つも織り込れていない。また好転をしたと言うけれども、今言つたように犠牲があつて結果において好転をしてしまつた。だからあなたの言つているのは非常に考え方がちぐはぐになつておるのですが、それがおわかりでないでしようか。
#61
○横田政府委員 この点は非常にむずかしい問題ではないかと思いますが、結局一方において操短をして、そうしてはなはだしい不況を切り抜け、それによつて企業の維持をはかるということと、そういうことをすると、一方において、あるいは場合によりましては関連業者なりあるいは労働者の方にそのはね返りが来る。どの線で利益、不利益を調和させるかということが非常に重要な問題のように考えております。片側に不利益が行くから片側の利益は全然無視してよろしいかと申しますと、そうは行かないのでございまして、結局その両方をある線において調和を保たせるということになるのじやないかと思います。
#62
○中村(時)委員 私たちがカルテルに反対だという意味じやない。それは一つの計画経済からいつても当然行われることですが、問題は利潤の分配ということが問題になつて来る。それを先ほどから言つているわけですが、たとえば現在不況だ不況だといつて、操短をしなければならぬと言つておるその紡績業者がどうかといいますと、たとえば二十五年まで紡錘にして四百万錘、それが昨年度になりますと七百万錘、本年度あたりは七百四、五十万錘ぐらいになるのじやないかと思いますが、そういうふうに増加しておる。事実操短で苦しくて困つておるのだ、だから裏づけをしてくれといつて通産省を自分の手先のように動かして行つて、遂にあの結果を得た。ところが実際はどうかというと、そういうように紡錘がどんどんふえておる。紡錘がどんどんふえておるということは、実際それだけ利潤があるということを意味しておるわけなんです。だから事実このうらはらを考えて行つた場合に、ただ単なる今言つた大企業家を援護するために、あるいは企業者側から通産省に申入れて、通産省は今言つた原綿の割当ということでおどかしていつて、このカルテルをアウト・サイダーまで伸ばして行つたような現象が考え得るわけなんです。そういうようなことをお考えにならないですか。
#63
○横田政府委員 私もそういうような形において、一部の業界に不当な利益をもたらすというようなおそれのあることは私自身も認めております。
#64
○中村(時)委員 そういうおそれのあることを認めるという公正取引委員長のお話ですが、その横の方に何とかおつしやる通産省のお偉い人がおるようですが、その人はどういうふうに考えておられるか、これを聞かしてもらいたい。
#65
○小室説明員 紡績の勧告操短の問題でございますが、昨年の三月にこれを初めて実施いたしましたときに、相場は原綿代を割つておりました。これは今日の独禁法の改正法案で参りましても、当然不況カルテルの概念に当るような状況に大体なつております。
 それからその後操短の結果といたしまして、価格も大分持ち直して参りました。また一時暴落したり、また持ち直したりいろいろの過程がございまして、その間において勧告操短の数量はあとから考えて見ると必ずしも妥当でなかつたというようなことはあるかと思いますが、勧告操短を実施いたしました動機、特に不況が著しかつた時期においてこれを防止するためにやつたということ。それからまた特に綿紡績につきましては、貿易の振興の見地を非常に重視しておりまして、当時日本は英国との間に国際的な綿業会談も行われておつた。日本が国際的な値段よりも割安な値段でもつて非常にたくさんな綿布を輸出することが心配されておるような状況でもございました。そういう点ももちろん考慮に入れてやつたのでございます。
 それから紡錘がどんどんふえて行くという問題は御指摘のありました通りでございますが、これは必ずしも利益があつたから増錘したという面ばかりでもない。中小紡等についてはある一定の標準単位になるまでは、利益の有無を問わず、一つの企業としては増錘をした方が有利だという場合もありましようし、それから好況期において紡錘の増錘計画を立てて、発注済みのものは契約を履行しなければならないという事情もあると思います。必ずしも利益が多いということと、紡錘が増加したこととはぴつたりとマッチするかどうか疑問だと思います。
#66
○中村(時)委員 なるほど官僚の姿がそのままこの中には出て来出したのであります。ともかくも今言つたように持ち直しをしましたということは、先ほどから言つたように、一部の消費者なり労働者の犠牲においてこれを持ち直しておるのです。またそういうふうな一つの権利を執行して、行政機構がこの中にタッチした場合に、公正取引委員会がこれを云々する権利がない、通産省のあなた方よりも、公正取引委員会の方が弱体である。だから自分の思うにまかすことができるといううぬぼれがこの中から出ておる。そういうようにわれわれは感じられるわけです。またそういうふうに増錘が、もちろん利潤追求だけじやない、もうけておるだけじやないとおつしやるならば、少くとも計画的な上に立つて増錘計画というものがあろうと思う。たとえば国内における紡績業者に、この綿糸の需給からこれらに対するところの見通し、それに基いて増錘計画というものも、おそらく通産省ではでき上つておると思うのですが、それに対する資料をひとつ出していただきたい。これが第一点。
 それから第二点は、今紡績の問題を取上げられていらつしやつたようですが、現在の国外の紡績の相場と、国内相場との比較をちよつと知らせていただきたい。
#67
○小室説明員 現在大体国内相場は八万四、五千円のところではないかと思います。輸出は糸の方で言いますと、七万八千円ないし八万円くらいのところじやないかと思います。別に詳しいことは資料でお配りします。
 それからちよつと申し上げますが、通産省では増錘計画というようなものは当時持つておりませんでした。当時通産大臣の高橋さんが、できるだけ増錘を抑制するようにということを車中談で呼びかけたこともございましたが、われわれの方は増錘計画などは当然持合せてをりませんでしたので、従つて資料として差上げられませんが……。
#68
○中村(時)委員 今の価格の問題は、このように実際にあなた方は原綿を割当て、そうしてこれだけの強大な権力を執行しておきながら、実は何も知らぬでは事が済まぬのです。実際に一部の財閥の手先となつており、濱職が一番多いということは当然なんだ。ですからこの点はよほど考えてもらわなければならぬ。
 それからもう一つ伺いたいのは、たとえば十大メーカーというのがある。そここへ持つて来て、新紡、新々紡、こういうふうなものが、将来における紡績事情が好転して行くだろうという推察のもとにこれらができ上つておるわけです。だから実際問題はどこにあるかといえば、やはり利潤の追求なんです。実際あなたがおつしやるのは、別の問題がほかにあるのじやなくして、ほんとうは紡績業者はもうけておるということがこれではつきり出ておる。だからおそらくこのカルテルの立案者というのは十大紡であろうと思う。その十大紡が特に官僚との結託の上に立つて、そうしてああいうカルテルを結び、新々紡並びに新紡、そういう面がこれに具体的にアウト・サイダーとして出て来るようにするためには原綿の割当によつて脅喝して行つたということが実態だろうと思うのでありますけれども、これに対してどうお考えでありますか。
#69
○小室説明員 まず先ほどの相場のことを申し上げますが、七月三日は八万一九千五百円、大阪の中値でございます。少し私の方は下まわりがございましたが、大した差はございません。
 それから今お尋ねの点をはなはだ恐縮でございますが、もう一ぺん……。
#70
○中村(時)委員 今言つたように綿糸が非常に暴落する、だからそのために非常に困る。そこで十大紡の方は考えて、通産省と仲が非常にいいから、私もそのことはよく知つているのです、仲がよ過ぎるくらい仲がいいようです。そこでその人たちが考えてカルテルを結び、ところがそれに対坑するために割当が少いとかいつて常に問題のある新紡、新々紡がある。そこでカルテルを結ぶならば共同カルテルとしての一つの行き方をとらなければならぬ。そこで十大紡から通産省の方に話をして、これをアウト・サイダーとしてともに共同さすためには原綿の割当によつてこれをおどかして行けばいやでもこれがくついて行くのじやないか、こういう考え方が中から出て来はしなかつたかということなのです。
#71
○小室説明員 一部の人がそういうことをお考えになるかどうかは存じませんが、通産省としてはそういうことは聞いておりません。
#72
○中村(時)委員 それはまあそうでしような。
#73
○石村委員 関連質問でちよつと……。さつきの通産省の御答弁のところでちよつと確認したいのですが、先ほど昨年の綿紡の操短について今度の改正案から見てもあれは適当であつた、つまり今度の改正茶でああいう操短は認められるというような御答弁であつたと思うのですが、私は昨年の操短というものは、やはり今度の改正案をたとい認めてもけしからぬものだ、認可すべきものでないと思うし、また昨日公取の横田委員長はやはりそうした趣旨の御答弁であつたように聞いているのですが、この点はつきり通産省はやはり今度何なら認められるというお考えですか。
#74
○小室説明員 ちよつと言葉の足りなかつた点があるかと思うのでありますが、今回の不況カルテルにおいては価格が平均生産費を下まわり云々という点が一つの重要な基準になつているわけでございます。その点が昨年の三月勧告を実施した当時は、相場と生産費との関係がそうなつておつたという程度のことで、これは少し言い方が適当でなかつたと思いますので、ただいまの説明に切りかえさせていただきます。
#75
○石村委員 そうしますと通産省の考え方はそのとき単に生産費を下まわつておればすぐ不況カルテルを認めるという御方針なんですか。
#76
○小室説明員 もちろん独占禁止法の改正法案にありますように各種の条件を全部満たした場合でなければ、単に価格が平均生産費を下まわつたというだけでもつてカルテルを認めるわけには参りません。
#77
○石村委員 その各種の条件というものはどういうように通産省はお考えになつておりますか。生産費を下まわるという以外の各種の条件ですね。
#78
○小室説明員 法文に書いてありますように特定物資の需給が非常に不均衡になりまして、生産費がカバーされないばかりでなくて、当該事業の相当部分の事業継続が困難になるということ、あるいは合理化でもつてこれを克服できないというようなこと、あるいはまた別に非常に不当な要素がある、共同行為自身の中に入つて来ない、これは一、二、三、四と掲げてございますが、そういう要件を全部満たした上でなければ認めないという意味でございます。
#79
○石村委員 そういたしますと昨年の操短のときには、あれはあのままに置いておけば紡績会社は全部つぶれ、なくなつてしまう、このように御判断になつたということになるわけですか。
#80
○小室説明員 先ほど説明の一部変更させていただきましたが、ただあのときは平均生産費の問題だけについて申し上げましたのは、いささか説明が不適当であつたということで取消させていただいたわけであります。
#81
○中村(時)委員 このカルテルを見ておりますと、こういう紡績の実態に味をしめてまた再びこういうことを行わさそうという腹が常にこの法案の中から見えて来るわけであります。
 それからもう一つ先ほど質問した国際価格の問題があるわけでありますが、一梱一体幾らくらいすのですか。
#82
○小室説明員 これは綿糸でできます場合と、綿布でできたものを綿糸に換算するとかいうようなことで大分計算がいろいろになりますが、先ほども申しましたように、今日のところは七万五千円ぐらいのところで国際価格とい
 輸出価格ができておりはしないか。これは大体競争的な価格であるという意味で国際価格に近いものじやなかろうかと推定いたしております。
#83
○中村(時)委員 大体七万円ちよつと上まわるくらいでしよう。但し国際価格がおたくの言うような価格であつたならば、私はどんどん買いたいんですから、特にあなたの顔でもつて幾らでも集めてもらいたいと思います。(笑声)そうなりますと国際価格と国内価格に非常にさやが出て来るわけです。そうしますと現在国際価格が安いから輸出が許されていない。そういたしました場合吉に、これが正常になる場合を仮定して、特にドル資金が問題に血つて来て、これを外国に輸出しなければならぬときにそこに二重価格ができて来る、そういうことの一つの考え方を持つておられるかどうか。
#84
○小室説明員 二重価格制を全般的にやるとかやらぬとかいうような問題は、これは政策の基本的な問題でありますので、私から答弁することは差控えたいと思います。
#85
○中村(時)委員 それでは通産大臣を要求いたします。
 それともう一つお聞きしたいのは、この裏づけとなることが非常に大事になつて来るのですが、通産省で今濱職だの何だの大分ありますが、どの程度か、それを説明願いたい。
#86
○小室説明員 これも私の御答弁できないことで、私も事実を集計して承知しておりませんで、新聞で承知している程度でありますから……。
#87
○中村(時)委員 それではそれを一回集計してはつきり出していただきたい。そうでないと、あなたのおつしやつたことの内容が非常に曖昧模糊となつてしまう。この点はぜひともひとつ集計して御通知を願いたいと思います。
 次に再販売価格の問題に入つて行きたいと思いますが、これは委員長にお願いいたします。このおとり販売は独占法に触れるとなつておりますが、どうなんでしようか。
#88
○横田政府委員 おとり販売は結局、独占禁止法の規定の上で見ますと、今回の改正で申し上げますと、「不当に競争者の顧客を自己と取引するように誘引し、」ということに該当すると思います。これは現行法でもこれよりもう少し規定が詳細になつておりますが、大体この条項に触れるものと考えます。
#89
○中村(時)委員 ちよつと再販売価格の前にもう一つ、大事な人がいらつしやるからお聞きしておきたい。砂糖の問題、これは通産省の方にお願いするのですが、砂糖の現在の価格というものが幾らになつているのでありますか。
#90
○小室説明員 農林省の方でこれは所管いたしておりますので……。
#91
○中村(時)委員 原料やいろいろなものは農林省で所管しますけれども、販売あるいは配給、そういうものを農林省でやつているんですか。いつからですか。前からそうなんですか。
#92
○小倉政府委員 現在の砂糖の価格の問題につきましては六十一円二十銭じやないかと思つております。
#93
○中村(時)委員 ところが五月の下旬あたりは五十円ちよつとしておつたものが現在では六十一円二十銭になつている。ここでお聞きしておきたいのは、昨年の輸入数量と本年度の輸入数量をまずお聞きしたい。
#94
○小倉政府委員 昨年度の輸入数量はここに持合せがないのでございますので、後刻資料として提出したいと思います。本年度の砂糖の輸入状況でございますが、四月一日現在におきまして約十万トン、ストックがあるのでありまして、今日まで輸入契約済みのものが約五十万トン、今後買付予定分が、台湾から二十五万トン程度でございます。
#95
○中村(時)委員 そうすると本年度の計画の予定は全部で何万トンになつておりますか、手持量と合せて……。
#96
○小倉政府委員 手持量と合せまして八十五万トンでございます。なお輸入の計画といたしましては、十月以降に来年度のものを買い入れる十定にいたしております。
#97
○中村(時)委員 十月以降四月までは何トンになつておりますか、次年度繰越しとしての考え方は……。
#98
○小倉政府委員 十月以降買取り輸入の予定は三十万トンほどでございます。
#99
○中村(時)委員 そうすると大体百十五万トンということですね。そういたしますとこれに対する砂糖の原価計算といいますか、工場建値というものを大体どのくらいに見積つておりますか。
#100
○小倉政府委員 原価計算のことは、私ども実はよく把握しにくいのでございますが、現在程度の価格がほぼ適当な価格ではないかと考えておる次第であります。
#101
○中村(時)委員 そうすると輸入して来る値段はトン当り幾らで現在やつておりますか。
#102
○小倉政府委員 現在実はその資料を持つておりませんので、後刻やはり資料として提出したいと思います。
#103
○中村(時)委員 どうもこれでは話にならぬ。というのは昨年度と本年度のトン数がはつきりわかつて、その相違がはつきり出てから現在の値上りの問題が出て来、そうしてそのトン数に応じて価格が構成された結果において、原価計算の問題と照し合せ、どういうような控除差があるかということになるわけですが、昨年度大体平均百五ドルで入つておるはずであります。と同時に下半期においては百十ドルぐらいで入つて来ておると私は推定しておるわけです。そういたしますと、この原価計算の仕方がないというのでは非常に困るので、大体私が考えてみて立てた案では、百五ドルで持つて来て、輸入税が現在二〇%、そうすると百二十六ドルになるわけです。これを三百六十円で換算いたしますと、四万五千三百六十円、一トンを千六百六十八斤といたしますと、大体一斤二十七円三十銭になつて来る。これに原料価格一斤当り八円を加算しますと、精糖を販売するメーカーにおいて大体これが妥当ではないかと思うのです。それと今度は実際の販売価格に現在消費税をかけておりますから、それを加算いたしますと、五十四円八十銭というのが出て来るのです。私は事実の上においてはこういう値段が妥当であり、実際は六十一円ということは、あとに問題が残るわけです。ここに非常に問題があると思うのですが、これに対してどういうふうにお考えになつておりますか。
#104
○小倉政府委員 御指摘のように砂糖価格の問題につきましては、実はいろいろ問題があろうかと思います。ただ原価採算がどうなつておるかということにつきまして、実は役所として正確な資料を用意いたしかねておるのであります。ただ私どもが昨年から本年にかけましての砂糖の価格の低下の状況を考えたり、業界からのいろいろの話を聞いたりしておりますが、その点からいろいろ勘案いたしまして、現在の価格六十円程度というところがほぼ妥当な価格でないかということを申し上げておるのでありまして、実は詳しい原価採算から出て来た価格ではございません。
#105
○中村(時)委員 六十一円二十銭というのは私は絶対妥当性はないと見ておるのでありますが、その点でひとつお尋ねして行きたい。たとえば精糖工業会というものは、今十八社ありますが、それの溶糖制限というもののために、一応五月下旬にこれらの方々が集まつて相談をしておる、そしてこの建値の問題が、どういいますか、お中元といいますか、それを目標にして一つの考え方をそこで出しておるはずなんです。そこにおいて一般の砂糖業者でこれに反対した者もあつたけれども、それが利潤を追求し、もうかるという意味において、今度は今までの原料を加工する時間を延ばしておいて、建値のつり上げをしようとする実績がありと私は思うのですが、これに関して農林省の方ではどういうふうに見ておられますか。
#106
○小倉政府委員 お話のような精糖工業会におきまして価格の下落に備えて、輸入制限をしてもらいたいといつたようなことと、それから月々の溶糖についての計画化をしたい。かような趣旨の陳情が役所の方にありました。私どもの方といたしましては、特にその陳情によつてどうということよりも、砂糖の国内需要量が一体適正に供給できるかということが大事でありますとともに、他方いたずらに外貨を使うということもいかがかと思いますので、外貨の節約という面もございますし、なおまた砂糖の価格が一般消費者に及ぼす影灘、それからまた間接には澱粉ないしあめといつたような一種の競争関係にある産業もございますので、そういう点を考慮いたしまして、粗糖の輸入につきまして先ほど申しましたような計画を実はいたしたのであります。
#107
○中村(時)委員 農林省側が六十一円二十銭というものが妥当であるということは、生産指数並びにそういうような生産費から割り出したものでなくて、農林省側として考え得ることは、ばれいしよあるいは水あめ、そういうものが農家経済に及ぼす影響を考慮して、この問題の六十一円二十銭という価格を、あるいは六十円に置いてもよろしい、この価格を維持しようとするのがあなた方の本音じやないですか。
#108
○小倉政府委員 御説のような点ももちろん考慮しなければならぬと思いまするが、砂粒の価格をそういう点からのみ考えるということは必ずしも当を得ていないように思います。
#109
○中村(時)委員 それじやそれが重点でないとするなれば、その価格の構成というものがどうもはつきりして来ないのですが、どういう割り出しをしておられるのですか。
#110
○小倉政府委員 これは先ほども申し上げましたように、原価計算に基いてお話のような積算をやつたものではございませんで、これがまつたくちようど適正価格であるということは申し上げかねるのでございまして、砂糖価格の安定ということを考えますれば、ほぼこの辺が一応の線ではないかということでございます。
#111
○中村(時)委員 どうも価格構成としての本質が全然出て来ないわけですが、小倉さんにしてこれじやたいへん困ると思うのです。その点よく考えてもらいたい。事実私はそういうような問題じやなかろうと思う。この価格ができ上つた問題は今言つた原価計算にしますと五十五円くらいになる。しかもそれがおそらく一斤に対して五十銭の純利益があつたら二割くらいの配当にはなつて来る。今の砂糖業界というものはそういう現状なんです。そういたしますと少くとをこのような建値ができて来たということは裏があると思う。その裏というものがありと考えるか、ないと考えるか、特にお聞きしたい。これは特に公正取引委員長に、非常な問題が出て来ると思うのですから……。
#112
○横田政府委員 その点につきましては非常に疑いがあるのでございまして、先般この砂糖の値がだんだん上つて参りましたし、なお精糖工業会から官庁方面に陳情を出したりいたした状態もわかりましたので、公正取引委員会でいろいろ調査をいたしました結果、この十九社全部につきまして、大体二十八年度の原糖輸入の制限を関係当局に陳情上、たしか八十六万トンに押えてくれというようなことだつたかと思います。これに対応しまして溶糖量のわくをきめまして月別並びに会社別の割当をする、この実施のために手持ちまたは割当原糖を各社の間に調整再配分する、これは百五十ドル近い、非常に高いものを買つておるものもありますが、同じ台湾の砂糖でも百三十ドルあるいは百十五ドルくらいで買つたものもございますので、先ほどお示しのように、場合によりましては百ドル以下で手当をしたものもありますので、その間に非常に差がありますのを会社間で手持ちのものを適当に調整再配分するというようなことを六月ころから実施するという話合いがあつたらしいのでございまして、この点につきまして先日も申し上げましたように、さつそく工業会長を呼びまして、もしこういうような計画がはたしてあり、これを実行に移すということになれば、これは明らかに独占禁止法上の問題になりますから、この点について善処してほしいということを工業会長に申入れをいたしますと同時に、各会社に対しまして同趣旨の事柄を書面をもつて申入れをいたしました。しかしこれはあくまでも中間的な一時の応急措置でございまして、なお公正取引委員会といたしましては引続きその後の動きを監視しているのが現状でございます。
#113
○佐伯委員長 中村君にお諮りいたします。休憩昼食後継続されてはいかがですか。
#114
○中村(時)委員 一点だけ。申入れと申しますが、操短でも出て来ることで、申入れをしても何もなりはせぬが、特に八月越したら先ほど言つたように砂糖の時期が過ぎてしまつてもうけてしまつている。一体これは何をやつているかということなのです。だからそういう点で特に砂糖の問題について次にずつと聞いて参りますけれども、金融の問題とからんでどういうふうになつているか、あるいは現実の粗糖を精糖にして行く過程の問題、いろいろな問題がある。そういうことが把握されてない限りにおいては、いくら申入れをしてみたつて何も実体は出て来ないということなのです。いずれ後ほど継続して午後からこれをお尋ねいたしたいと思いますが、これで一応やめておきます。
#115
○佐伯委員長 午前はこれにて休憩し、午後は一時半より再開いたします。
    午後零時三十四分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時二十四分開議
#116
○佐伯委員長 これより午前中に引続き会議を再開いたします。
 この際お諮りいたしますが、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案審議に際し、明日参考人として大阪実業連合会会長中山太一君、及び日本労働組合総評議会調査委員高島喜久男君より意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#117
○佐伯委員長 それではさよう決定いたします。
 続いて本案に対する質疑を継続いたします。中村時雄君。9中村(時)委員今の砂糖問題の継続なんでありますが、先ほど農林省の所管の上において、この価格の問題におけるところの計算が非常にラフなために、一応保留のようなかつこうになつておるのでありますが、その問題は次の問題といたしまして、引続いてその建値が現在六十一円幾らということを言つていらつしやつたのでありますが、それに対して今まで五月の中旬ごろに、これらの業者が集まつて協定を結んだという実績が大体われわれの耳に入つて来ておるわけであります。それに伴つてただ単にもうけるために、これが業者間だけの考え方からこういう建値ができ上つたものなのかどうか、その点について一言お願いいたしたいと思います。
#118
○佐伯委員長 中村時雄君に申し上げますが、農林経済局長は今来ると言つてまだ参らぬのですが、ただいまは通産政務次官及び繊維局長が来ておられます。その方面の質問にお切りかえ願います。
#119
○中村(時)委員 それではその前に先に本文に返りまして、再販売価格の維持契約に対し、先ほど委員長はおとり販売は独禁法に大体触れるという話があつたのでありますが、それならば現在までにそのおとり販売に対して幾らぐらいまでの実績をあげておりますか。
#120
○横田政府委員 おとり販売は、大体今度の維持契約の制度を認めたいということが誘発されるほど、あちらこちらで起つているわけでございますが、そういう個々の事件を正式に取上げたことはまだありませんが、ただデパートにおける同種の行為につきまして、昨年でございましたかやはり警告を発したことがございます。それはデパートにおきまして、いわゆる一種の特売というようなことで顧客を呼び寄せ、そうして特売品以外のものも自然に売れる、こういうようなことが行われましたので、これについてデパート協会に対しまして警告を発したことがございますが、その他の個々のおとり販売を正式に取上げたことはございません。
#121
○中村(時)委員 警告を発した結果はどうなつたのですか。
#122
○横田政府委員 相当自粛の様子が見えて、かなりの効果が上つたと思つておりますが、しかしながらだんだん見ておりますと、最近になりましてまたそういうことが見えて来るような様子もございますので、この点はまた特に注意をして参りたいと考えております。
#123
○中村(時)委員 再販売価格の維持契約ということになりますと、冬地域によつて非常に問題が出て来るわけです。たとえば消費指数を取上げましても、あらゆる面で非常に問題があるわけですが、その点に関してはどういうふうにお考えになつておりますか。
#124
○横田政府委員 消費指数等にきわめて重大な関係のあることは私どももよくわかるのでございますが、結局この制度は小売業者に適正な利潤も安定した収入を得させたいということがねらいでございまして、ある意味におきましては、ある銘柄品についての定価が全国的に一本になる結果、現在消費者があるいは定価より低く買つておりました面が買えなくなることによつて、多少消費者のためにぐあいが悪くなる面がないではないのでございます。しかし結局消費者の利益と申しましても、やはり小売業の安定ということは大きな意味から申しますと、結局において消費者にも利益をもたらすことになりますので、この二十四条の二の場合につきましても、消費者の利益を害されないように銘柄間の競争がりつぱに行われておることと、それから、たとえばこれのマージンが非常に高過ぎてこれを維持することによつて消費者の利益を不当に害するというようなことのないことを前提といたしまして、この再販売価格維持を認めて参りたいと存じております。
#125
○中村(時)委員 委員長のおつしやつていることはよくわかるのです。プリンシプルなそういうときにはおそらくこういうことが行い得ると思うのですが、現在の段階ではそういうところまで行つていないで、常識でも判断し得るし、またおとり販売というものも至るところにできているような状態であるし、地域の問題でも非常に複雑性があるという考え方も持つていらつしやる。ただおつしやつていることは、おそらくそのいい面だけを取上げてものの考え方を裏づけて行こうとしていらつしやる。いよいよということになつて来るとそれがはつきり出て来ないために、それも承認しなければならぬ、悪い面も承認しなければならぬ、こういうような事態になつて来ると思うのですが、実際にそれを行為として打出した場合に、ほんとうにこのようなことができ得ると思われますか。現在の段階で、地域あるいは都市と結びつけて、このような再販売価格維持契約というものが正常な立場において事実でき得るとあなたは確信を持つていらつしやるかどうか。
#126
○横田政府委員 この点は実は単に、私どもが今申し上げましたような理論で、こうあつた方がいいというふうに考えただけではないのでございまして、むしろ業界の方から盛り上つて参りました問題でございます。この点はわれわれだけが力み返つてもいけないのでございまして、問題はむしろ業界がこういう制度をかなり忠実に守つて行くという空気が醸成されなければならないと思いますし、現にそういう空気が醸成されつつあると私は思いますので、なるほど定価をごまかしてこそこそと裏でやるというようなことが絶対になくなるというふうには考えておりません。しかしこの制度によつて非常に小売商の地位が安定するというふうに考えます。
#127
○中村(時)委員 また委員長は業界を持ち出して人に責任をおつかぶせるように、自分の自主性というものがちつとも出て来ないのですが、その業界は主としてどういう業界ですか。
#128
○横田政府委員 これは生産者だけではなく、小売業あるいは卸売業という方面から盛んに公正取引委員会の方に陳情が出ておりまするし、こういう特殊の商品を扱いまする小売業の大体の総意というふうに私は了解しております。
#129
○中村(時)委員 その業界ということについて私は具体的に聞いているのです。
#130
○横田政府委員 一番熱心に申して参つておりますのが医薬品と化粧品のいろいろな組合、特に小売業関係の組合というようなものから盛んに言つて来ております。
#131
○中村(時)委員 多分そんなことだろうと思つておつたのです。ほとんどこれの内容の業界とおつしやるのは医薬品と化粧品、それ以外の業界というのは現実にどことどことどこがあるか、はつきり打出して見てください。
#132
○横田政府委員 昨日どういうものを指定するかというお話の際に、担当の者から申し上げたと思いますが、非常に熱心に言つて来ておりまするのは、今の二業種でございますが、そのほかに食品、カン詰関係あるいは電球関係というようなものについてもそういうような空気が見えるわけであります。
#133
○中村(時)委員 業者間といたしましては、少くとも中小企業にしましても数は多いのです。ただ単なるこの二業者が中心となつて、こういうような打出し方を中心としておる。そのために、たとえば一部の人たちがそれに便乗してこういうような一つの考え方をとつた場合、それが法文としてこれに現われて来ますと、ここに書かれてありますように、品質が一様であり、また日常使用していること、あるいは自由競争である、この三点が条件となつて当てはまつて来るわけですが、公取がもしこの契約を結ぶということになりますと、全面的にこれを与えなければならぬことになるのですが、その場合にはどういうふうにお考えになるのですか。
#134
○横田政府委員 この法律に書いておりまする要件に当てはまつて参りますれば、ただいま予想されておりますもの以外のものにつきましても指定をいたすことになりまするし、また指定をいたすべきでありまして、その間にいろいろな差別的血扱いをすることはよくないことと考えております。
#135
○中村(時)委員 昨日の委員長のお話では、たとえばこれを無制限という意味ではなくして、商標によるとか、いろいろな具体的な例を申されたはずなんです。たとえばそういう具体的な例の商標であるとか何とか一つの限定があるわけなんですか。
#136
○横田政府委員 それは結局「その品質が一様であることを容易に識別することができる」というやや漠然とはしておりますが、この言葉並びにそれが日常使用される日用品であるということ、この二つの条件から問題がきまるわけでございます。その前は、お出しいたしました案におきましては、ああいう頭書きをつけまして、ややその点が明瞭になつておつたわけでございますが、趣旨はまつたく同じでありまして、その品質が一様であるというのは、同じ原材料をもつて同じ生産工程で継続的にやつている、その品質や外形によつて一応わかる。それで外形ということになりますると、そのもの自体あるいはその容器とか包装でございますとか、そういうものにやはり商標とか一般の人にわかるしるしがついてあるということが、私どもこの要件から自然に出て来るのではないか、こういうように考えまして、その頭書きの方を今度はとつて、こういう表現にいたしたわけであります。
#137
○中村(時)委員 そういたしますと、たとえば商標とか品質とかおつしやいますが、事実この法文の中には、そういう一つの規定されているよりどころというものが何もないわけです。ただ漠然としているわけです。そういうようなよりどころのない行き方をとつて、こういうものをここへ書き入れる必要性があるのですか。
#138
○横田政府委員 要するに表現の仕方の問題でございまして、あるいはお説のように多少漠然といたしておるということは事実でございますが、その意味は先ほど申し上げた通りでございまして、前回とかわりなく、またそのつもりで私は運用したいと思つている次第であります。
#139
○中村(時)委員 おしやられる趣旨や意味ということは、これはもうだれだつて理由がつけられれば自分の理由にして行くということになつてしまう、これがはつきりしていないと、たとえばここに書いてありますように、「これを維持するためにする正当な行為についても、」とある、元の条文を見てみますと契約であつたのが今度は行為になつています。要するに幅が非常に広がつたということになる、幅が広がつたということは、とりもなおさずそれだけその業者が有利になるということです。私も先ほど言つたように、もしこの三つの条件に当てはまる場合にはこれを許可をするということが前提になるとするなれば、少くともここに大きな問題があると私は思うのです。というのは、遂にそれが価格の政策のてこ入れというようなかつこうになりまして、将来に大きな影響を及ぼすと思うのですが、この点に関してはどういうふうにお考えですか。
#140
○横田政府委員 その同一の銘柄品につきまして価格が安定するという点はまさにその通りでございますが、それによつて生じまする弊害に対しましては、先ほども申し上げましたように、他の同種の銘柄品との間に有効な競争が行われるということになりますれば、自然にそういうあまりめちやな定価を決定するということができなくなるわけでございまして、そういう心配のないようないろいろな制約のもとにこれを認めて参るというのが、この制度の趣旨でございます。
#141
○中村(時)委員 どうも抽象的なことで、制約のもとに認めるとか何とかおつしやいましても、これには裏づけというものは全然ないのです。だから言つていらつしやるだけの話なのです。事実たとえば操短の問題にいたしましてもそうなのです。こうだと思うのだとおつしやつておりながら、たとえば通産省とかからこつんと一つ来れば、これに対する権限というものは何もない、だからそのままずるずるべつたりになる、同じことなのだ、これも一つの裏づけも何もなしに、ただこう思う、ああ思うということだけだつたら何の意味もなさないのです。だから実際のこの法案の趣旨として、そういう曖昧模糊たる法案というものがはたして必要かどうかということになつて来る、その点でどうお考えなのですか。
#142
○横田政府委員 私の説明がはなはだ不足いたしておつたせいと思いますが、規定の上ではいろいろはつきりそういう制約が一応あるわけでございまして、これは先ほど申しました第二項の二号で、当該商品について自由な競争が行われておるということと、それから第一項の但書におきまして、当該行為が一般消費者の利益を不当に害することとなる場合は認められないということになつておりますので、消費者の利益が非常に害されるはなはだ不都合な価格維持制度であるというふうにはならないわけでございます。
#143
○中村(時)委員 この三つの条件が非常に曖昧であるとあなたも考えていらつしやる、われわれもそう思うのです。実際にこれを見ていると、そのことを規定されているという限界をとつてみたつて、これはほんとうの規定にならないのだということになるのです。自分が言つておきながらまたそれを裏返している、それでは前へ進みはしない、事実あなたはこれによつてはつきり限界点を押えられるか、何度もおつしやつていらつしやる、これは実に漠然としているのだということをおつしやつていらつしやる、事実そうなのです。それに基いて一つの起案をやつて行こうということはおかしいのじやないですか。
#144
○横田政府委員 これは他の独禁法の規定もそうでございますが、いろいろな商品によりましてその競争の状態等も非常に違つて参るわけでございます。それらのものを包括して規定いたします際には、自然多少規定といたしましては自由な競争であるとか、あるいは不当にどうこうというようなことは入つて来るわけでございますから、これはやはりケース・バイ・ケースにこの内容というものが決定されて行く、決して曖昧模糊ではないわけでございます。
#145
○中村(時)委員 さつぱり見当がつかめないで、ただ抽象的にそういうふうに言つておられるのですが、もしかりに不況となりました場合に、価格カルテルというものを通産大臣に許可を得て――これが通産大臣になるかならないかまだ知らないのですが、一応なると仮定して、そうして公取の認定の上に立つて、通産大臣より許可をもらう。そうするとそれに基いて価格カルテルをもらつたのですから、これに関連して今度はこれを許可しなければならぬということになる。そういたしますとその関連されて許可をもらつたならば、その範囲が非常に広まつておりますから、あらゆる種類にわたつて来ると思います。そうしますと、これが自然に下ヘ下ヘ流れて行つて、非常に問題が出て来るであろうと推察されますけれども、その点に関してはどういうふうにお考えになつておりますか。
#146
○横田政府委員 不況カルテルの場合につきましては、お話のようにもしこれを非常にゆるやかに認めて、ことに価格協定のごときものを認めました結果、それがだんだん下位の企業、最後には一般消費者のところまで進んで行くおそれのあることはその通りでございますが、ただこの不況カルテルの場合もきわめて限定してございますし、なおこれはきわめて一時的なものでございまして、その目的が達成された場合、つまりここに掲げてございます要件がなくなりますれば、ただちにこれは廃止さるべきものでございまして、続いてそれが非常な迷惑をほかの方に及ぼすということはないように規定ができておりますし、また運用もそういうふうにされなければならぬと思うわけでございます。
#147
○中村(時)委員 それはそれとしておきまして、小売商の問題をそのために擁護するのだということが今一言出ておりましたが、そうすると有名商品などが不況になつた場合において、たとえばその価格のマージンというものを生産から卸、小売と持つて行く、その場合にこんなことはないでしようが、二割なら二割もうける、そうすると不況になつた場合に価格だけを維持してやつて、小売商の二割を一割五分に限定して、残りの五分を生産者がとるとか、また卸商がとるとか、そういうような方法が必ず出て来ると思いますが、その点に関してはどういうお考えをお持ちですか。
#148
○横田政府委員 それは結局一般的な問題でございまして、生産者が力関係によつて卸売に低いマージンで、卸売はまた力関係で小売商を圧迫して、非常に低いマージンで売らせるというようなことは、これはもちろんそういう場合もあると存じます。そういう場合に、しかもそれが不況ということにからんで参りまして、下の段階に立つ事業者が不当な取扱いを受けるということはあると存じます。しかしこのことは、一応そのこと自体でただちに独占禁止法上の問題になるかどうかということになりますと、普通の場合でございますと、そういうふうに価格の指定をすることは許されないのでございますが、特殊の商品につきましてはそういうことが許される、但しこの観点におきましてもはたしてそれがそういう場合に当てはまるかどうかは多少問題がございますが、今回不公正な取引方法の一つといたしまして、「自己の取引上の地位を不当に利用して相手方と取引すること。」というものが一つ入りまして、これはいずれ指定の際にもう少し具体的に表現されることと思いますが、場合によりましては、あるいはこの規定によつて、そういうはなはだしきものは是正し得る場合があるかと考えます。
#149
○中村(時)委員 そういたしますと、この二十四条の二というものは、少くとも今言つたようなことから結論いたしまして、最後にお聞きしたいのは、大体この内容を見てみますと、直販系統、要するに縦の系統、こういうものを認めているように見受けられるわけなんですが、これはそういう意味で大体考えられていらつしやるわけなんですが。
#150
○横田政府委員 まつたくその通りでございます。
#151
○中村(時)委員 それではお尋ねしたいのですが、去年でしたか、新聞販売の問題で東京地裁から問題が出たはずなんです。その判決があつたんですが、それに対してはどうお考えになりますか。
#152
○横田政府委員 あの問題は、結局独占禁止法の第四条違反の問題としまして取上げたのでございます。つまり新聞発行本社とそれを扱いまする販売店との、いわば縦の関係についてもやはりあの第四条の規定の適用はあるという建前に立ちまして、審決をいたしたのでございまするが、東京高等裁判所におきまして、この四条の規定は、そういう縦の関係には適用がなくて、いわゆる横の共同行為だけに適用があるという判決でございました。これに対してはいささかわれわれとしましては、その解釈には服しかねる面もございましたが、しかしながらその判決に対しては最高裁判所に上訴もいたしませんで、そのままといたしました。今度は第四条の規定がなくなりましたので、今の第四条関係のこの問題はなくなつたと思うのであります。この二十四条の二の規定は、むしろそういう縦の関係を適法化するという、共同行為の面から特にこの規定を置いたのではなくて、むしろわれわれは、いわゆる下の人の取引行為にいろいろ条件をつけて上の段階の者が取引をするという、いわゆる不公正な取引方法になりかねない面を、適用除外によつて適法なる行為にしようということが、大体今回の改正の趣旨でございます。
#153
○中村(時)委員 そういたしますと、縦の面は一応高裁でも認めた、そうして横の面はこれは認めない、しかも第四条にかわる面をここに入れて、第四条というものは削除している、こういうふうになつているのですが、一体高裁において縦の面を認めたならば、少くともこれは不文律的にも認められたわけなんです。それに対して異議の申請も何もしていないということは、公取としてもこれは認めたという結論だろうと私は思うのです。そういたしますと、かりにそれを認めたならば、この条文の第二というものは何も必要ないということになる。何もわざわざここに明記して、一部の形を残す必要もない。わざわざこんな複雑なことをする必要もない。そういうふうにお考えになつて、これを削除する意思はないですか。
#154
○横田政府委員 私のただいま申し上げましたのは、その第四条関係の通用除外として特にこれを設ける必要はないが、現行法で申しますと不公正競争方法、今度の改正案におきまするいわゆる不公正な取引方法に該当する面がございますので、その点を適法化するというのがこの二十四条の二の趣旨でございまして、これはやはりこの規定がござませんと、そこにいろいろな問題が出るわけでございますので、ぜひこの規定は残していただきまして、小商売の地位の安定に資していただきたいと考えておるわけであります。
#155
○中村(時)委員 どうも私にはぴんと来ないのですが、一応実例をもつて話してみていただけないですか。ということは、先ほど申しましたように、幅が非常に広くなつているし、そうして今言つたカルテルとこれとを結びつけますと、――認定になるか許可になるか、これは将来きまるわけですが、その問題が錯綜して来るし、第四条は削除してしまつて、しかも縦の取引は認めている。これだけの条件がそろつたら、私は必要はないという見解になつて来るわけなんですけれども……。
#156
○横田政府委員 なぜこれを適用除外にしなければならないかという点は、先ほど申しました不公正な取引方法、今回の改正案の規定で申し上げますと、第四号に「相手方の事業活動を不当に拘束する条件をもつて取引すること。」というのがございまして、この不当に拘束する条件には、その人の売ります物の価格を決定いたしましたり、あるいは売り先を決定いたしましたり、いろいろな場合が入るわけでございますが、この場合では、下位段階の人が売る物の価格までをあれこれさしずをして、それに従わなければ取引をしないということははなはだおもしろくないので、これをいわゆる不公正な取引方法として禁じているわけであります。ところが、定価で売るということは、まさにそういう形をとるわけでございますが、前から申し上げておりますような理由で、特にこういう商品につきましては、これを適法化するという意味におきまして、本来ならば不公正取引方法として取上げらるべきものを、本条によりましてこれを適法化する、こういう必要があるわけでございます。
#157
○中村(時)委員 今の問題は、もう少しお話を聞きたいのですけれども、山本委員が何かやむを得ざる所用のため外出するので、先に質問したいということですから、一点だけちよつと聞いておきたい。それは、全般から見て行きますと、少くとも先ほどの不況カルテルにいたしましても、あるいは合理化カルテルにおけるところの価格、あるいは生産、そういうものをこれは全面的に大体認めることになつてしまう。そういたしますと、先ほど委員長も承認されたように、たとえばそのやり方いかんによつては、労働者、消費者に非常なる影響を及ぼすということが、大体おわかりのことと思う。またそれを承認されておつたと思うわけですが、このような姿に立つて、実際にこういうような一部の特定的な問題を取上げて行く場合、たとえば生産者あるいはそれに伴う人たちが非常に利益になる。もちろんカルテルというものを私ははぐくむものではない。ただカルテルをはぐくむものじやないということは、すなわち特定の利益を追求する人たちよりも、消費者に対して公平な利益の配分というものが、その裏面の裏づけにならなければならない限りにおいては、われわれは反対しなくちやならぬ。そこで考えてみますと、今言つたように、特定の生産者のみにこれは非常に有利に大幅になつていて、おそらく将来自由党あたりでは、今度はこれを橋頭堡として、もつと大きな特殊会社のようなものをつくつて、少くとも押して来るのではないかと推察されるのですが、そういう問題に関してはどういうふうに考えておりますか。
#158
○横田政府委員 公正取引委員会といたしましては、今回の改正がいわばぎりぎりの線でございまして、これ以上緩めるということは毛頭考えておりませんが、政府においてどういうふうに考えておりますか、私からはお答えいたしかねます。
#159
○中村(時)委員 今言つたように、消費者の対象がこの法文には全然出て来ないわけですが、そういたしますと、かりにこういうような状態になつて来た場合、特に第二十四条の三あたりを見ますと、もう完全にこれは通産省一辺倒の、ほんとうに利益代表が通産省を動かして、作文をここに整えたもので、これはちようどドイツのカルテルと非常によく似ているような条文がたくさん出ているのですが、こういうような形態がここに盛られて来るとするならば、少くともこの独禁法の目標と完全にこれは離反してしまうという現象が出て来る。そういう点に関してはどういう見解を持つていらつしやるのですか。
#160
○横田政府委員 カルテルが独占禁止法の本来の趣旨と反するということはその通りでございまするが、しかし先般来申しますような競争促進だけで問題が片づきませんので、この程度においてカルテルを認めても、独占禁止法の基本の線にはいささかも変更はないというふうに認めました結果、この程度のカルテルを容認するという結論に達したわけであります。
#161
○中村(時)委員 今言つたように、その自由な競争、すなわち営利性と私有性を持たすというこの最初の目標と、今言つたことが、違つておるということを認めておりながら、この程度の限界ならばというこの程度の限界を、今まで不況カルテルからずつと話をして来て、それを押し詰めてみましたところが、これでは無理があるという見解が出ておる。出ておるにもかかわらず、その無理を限界で押えてしまうという考え方は、要するに、一つの理性としては矛盾していると思うのです。それにお気づきにならないのでしようか。
#162
○横田政府委員 私も、あるいは御質問の趣旨をはき違えておるかもしれませんが、カルテルを認めておる程度の問題の解決をはかる、その意味において独占禁止法に少し穴を明ける、そういう問題も、それだけですべての問題がうまく行くとは考えておりません。ある意味においてカルテルの効用というものには非常な限界があるわけでありますから、その他いろいろな問題とあわせてこのことは考えなければならないということは私も十分承知しております。結局独占禁止法の既往観念と、今申しましたような趣旨のカルテルとのその調和をどこに線を引くかというその線だけで今回の改正案はできておるわけでございます。従いましてよく申し上げます、たとえばもしカルテルを認めるなら、もう少し一歩を進めてアウト・サイダーの規制とか、いわゆる統制的なことをやるべきではないかというような議論が当然に続いて出て参りますが、独占禁止法の中にそういうものを入れることは違つたものを入れることになりますので、問題はそこまで参りますれば、全然別な法律の、別な体系の制度を樹立すべきであるというのが私たちの考え方でございます。
#163
○中村(時)委員 だからそこまで問題が来ますと、今言つた目標をはつきりかえるとか、あるいは別な方式でやつて、この独禁法というものは一応撤回するというようなお考えはないですか。
#164
○横田政府委員 結論を申し上げますと、ぜひこの改正案はお認め願いたいと思います。そういう基本的な線は、もちろん主として通産省その他の諸官庁におきましてこの改正と並びまして、また独禁法の趣旨と並んで、別途のいろいろな適切な政策を考えていただきたいと考えております。
#165
○中村(時)委員 そういたしますと、全般的な経済の面から見ました場合に、これがここまで来ましてやつと通産大臣の許可権と公正取引委員会の認定権という問題が問題になつて来るわけであります。少くともこれが正しいプリンシプルな問題として通産省が実にりつぱな行政執行をなされるという仮定に基きますならば、何も公正取引委員会なんか必要はない。だから早く言えば、こんなものはぶつぶしてしまえばいいと思う。ところが事実の上において通産省というものは信用ができない。いつも一部の資本家の買弁的な姿の上に立つてみたり、あるいはそれと共同工作する出店だといううわささえある。また涜職事件ではおそらく各省を通じて最高の名誉を獲得しているというふうな状態、そういう状態の中でやつているからこそ、これを監視し、この許可権が濫用されるおそれがあるからこそ公正取引委員会が余命を保つているわけであります。にもかかわらずこのような認め方をして行くなれば、少くとも今言つたように、経済の正常な立場からすると、通産大臣が許可権を持つということが私は正常になつて来るのではないか。あなたはどういうふうにお考えになりますか。
#166
○横田政府委員 独占禁止法の分野におきましては、私はあくまで公正取引委員会が実質を握つて行くべきものというふうに考えております。しかしそれは一つの独占禁止法という制度の上の話でございまして、問題がここから離れて参りますれば、そこに各省のいろいろな政策があるわけでございます。
#167
○中村(時)委員 片一方の通産省は行政機関である、執行機関なんです。一体それじや公正取引委員会というものはどういう性格になるか、その場合。非常にちぐはぐな問題が出て来るわけであります。どこにその重点の基礎を置いているのか、それをちよつとお尋ねしたい。
#168
○横田政府委員 公正取引委員会の性格は、前にも申し上げましたように、行政官庁でもございますが、いろいろ複雑な権限を持つておりまして、結局独占禁止法の精神の施行という観点からすべての権限が出て来ているわけでございます。従いまして独占禁止法の範囲内においてはあくまでもこの役所がその独立した地位によりましてこの法律の執行をやつて行くことになるわけでございます。
#169
○中村(時)委員 以前の形態におけるところの法律によつて自分の公正取引委員会を守つて行かなければならぬというような弱い面でなく、経済的に機構もかわり、すべてのものがかわつて来ておるという実態を見定めてのものの考え方が必要ではないか。そういたしますと、今言つたような問題が大きく出て来るわけであります。この問題に関しては今山本先生から、とにかく保留してあとに延ばしてくれというお話ですから、一応保留いたしますけれども、通産省の政務次官が来ておられますから、一言だけお尋ねしておきたい。
 それは先ほど砂粒の問題の話をしておつた。砂糖の問題は結論をまだ得てないので三分の一くらいしか言つていない。そこで大臣に一つお尋ねしたいと思うのは、この外貨の資金の問題に対して通産省が、要するに、割当てるわけです。砂糖の購入に対していろいろ基礎的に割当てる数量というものもわかつておられると思う。それに対する割当の資金は大体どの程度持つておられるか、聞きたい。
#170
○古池政府委員 ただいまお尋ねのありましたように、私どもの役所といたしましては、外貨の割当をやつておるわけであります。今ここで具体的に砂糖に対してどれだけの数字か示せとおつしやいましたが、その資料をただいま持つておりませんので、これはまた後刻資料として提出するなり、あるいは御説明申し上げたいと思います。
#171
○中村(時)委員 この問題に関しましていろいろ聞きたいし、また独禁法の一部改正法案の個々の字句あるいは内容に関してなかなかお尋ねしたいことがあるのですけれども、山本先生お急ぎのようで、盛んにしりをたたかれておりますから、一応保留いたします。この点お含み願います。
#172
○佐伯委員長 山本勝市君。
#173
○山本(勝)委員 せつかく実際問題としてきわめて大切な問題についての質疑が続けられている最中に、わがままを申し上げて恐縮でありますが、私は中村委員とはまた別の立場においてこの独占禁止法並びにその改正案についてのきわめて根本的な考え方についての質問をいたしたいと思います。少しこれまでの質問とは性格が違いますからどうかそのおつもりで御答弁を願いたいと思うのであります。
 第一にはこの独卓禁止法というものが一体何を目的としておる法律であるのかという点について、横田委員長が本年の三月五日の経済安定委員会並びに先般ここでの同じ委員長の説明を読んでみますと、要するに自由競争秩序を確保する、自由競争の秩序、まあ経済の秩序であります。自由競争の経済秩序を確保する、それがこの独占禁止法の法益である、つまり法が守ろうとする一つの目的である、従つてこの自由競争秩序を侵害するか、またはその蓋然性の高いものが独占禁止法上違法とせらるべきものである、こういうことをはつきり繰返しておられるのでありますが、この自由競争秩序というのは自由競争による経済の秩序、こういうふうに解伏してさしつかえございませんか。
#174
○横田政府委員 その通りだと思います。
#175
○山本(勝)委員 そういうことに了解いたしました場合に、私は公正取引委員会の方々がこの法を適用される場合に、常に自由競争による経済秩序を守つて行くということが自分たちの任務である、こういうはつきりした自覚をもつて私はこの法を適用しておられるに相違ないと思う。ところでその場合にこの法律が――その法律の名前にも明らかについておりますように私的独占禁止法ということになつておりますが、ほんとうに自由競争に上る経済秩序を守つて行くのだ、こういう法益、法の目的をはつきりと自覚された場合に、自由競争の秩序を侵害するものが必ずしも個人あるいは私人には限らない、これは言うまでもありません。私人もつまり私的行為によつて自由競争の経済秩序を侵害するという場合があることはもちろんでありますが、そのほかに私的行為ではなくして、政府の行為によつて自由競争の経済秩序が侵害される場合が多々あるということを御承認になりますか。
#176
○横田政府委員 そういう場合があることは認めますが、ただここでちよつとお断りいたしておきますことは、先ほどお述べになりました独占禁止法の精神の自由競争秩序を確保するということは、これはきわめて大づかみの言い方でありまして、結局第一条でおわかりになりますように、その確保の手段といたしまして私的独占である、あるいは不当な取引制限であるとか、あるいは不公正な競争方法、その他法律できめましたそういういろいろな事業者の不当の活動を禁止するということによつて、公正かつ自由な競争の秩序を維持して行く、そういうことになりまして、問題はきわめて法律的であり、またかなり具体的に問題を把握しております。その点は一応お断り申し上げておきます。非常に広い意味の競争秩序の問題といたしますれば、政府の行為によりましていろいろな競争が阻害せられるという問題は多々あると思います。
#177
○山本(勝)委員 自由競争の経済秩序を守ることが、これが公正取引委員会の任務である。そうしてその自由競争の秩序を侵害したり、またはその侵害の蓋然性の高いものは必ずしも私的行為には限らない、いわゆる統制という名において政府が原料の割当をしたり輸出の制限をしたり、あるいは価格を公定したりというふうなことが、自由競争の経済秩序を著るしく侵害するということは、これは議論の余地がないと思いますが、また私的でありま上も、この法律には禁止されていないが、しかし自由競争の経済秩序を侵害する、またはその奮然性の高いもの炉ある、つまりこの法に禁止されていないが、しかしほかにまだそういう自由競争秩序を侵害する行為があるということも御承認になりましようか。
#178
○横田政府委員 その前段階の点につきましては、外ほど申し上げましたように、公の活動によりまして競争が阻害されるということはもちろんございます。後の独占禁止法が取上げていないような、私人の行為によつてもやはり競争秩序が阻害されることがあるじやないかという点でございますが、それはあるいは抽象的にどういうものがあるか、具体的にどういうものがあるかちよつとお答えができないと思いますが、私は理論的には何かあると思いますが、大体この独占禁止法で処理できるように規定はできているつもりでございますが、しかしあるいはそれにないものが多少あるかもしれません。
#179
○山本(勝)委員 今の政府委員の答弁では、公の行為で自由競争の経済秩序を侵害するもので、この法律ではもちろん取締るわけに行かぬけれども、そういうものはある。しかしながら私的行為で自由競争秩序を侵害するようなものが、この独占禁止法で大体取締れ刷る、こういうふうな御意見でしようか
#180
○横田政府委員 大体そうだと思います。
#181
○山本(勝)委員 そういたしますと、たとえば労働組合というものがある。労働組合が組合を組織して、そうして賃金の運動をする、このことをいい悪いと私は申すのではありません。これは公的のものではないと思います。私的のものだと思いますが、しかしやはり自由競争、ことにゼネストが行われるというような場合に、賃金に関してゼネストが行われる、あるいは仕事をするかしないかというふうなことを決定する場合には、私は事のよしあしはここで問題にして曲るのではありませんが、やはり自由競争の経済秩序に対する侵害であつて、しかも私的行為であると考えるのですが、政府委員はどういうふうに考えましようか。
#182
○横田政府委員 独占禁止法はその取締りの対象といたしますものを事業者と事業者の団体に限定しておりまして、ただいま仰せられましたような労働組合というようなものはいわゆる事業者ではないのであります。従いまして独占禁止法の対象外ということになります。これはかつてアメリカの法律が、規定の上は何人も私的独占をしてはならないというような式に否定してございます結果、労働組合が反トラスト法の問題になつたことがございますが、その後労働組合は反トラストの対象にならないということが法律ではつきりきまつております。
#183
○山本(勝)委員 それは私が質問したことに対するお答えではない。もちろん私的独占禁止法の対象にならないということは、御答弁がなくてもはつきりしておるのです。ただ私は自由競争の経済秩序に対する侵害行為というものは、この独占禁止法で取締られるもの以外に、政府の行動または私的なものであつて、ただいま一例を申しましたようなものがやはり自由競争の経済秩序を侵害するものと考えられるかどうか、こういうわけなんです。それがこの独占禁止法で取締れるかどうかということを聞いておるのではありません。
#184
○横田政府委員 労働組合の行為によつて自由競争が阻害せられる、これは結果的に持ちまわりますとあるいはそういうようなことがあるかもしれませんが、しかし大体において労働組合の活動というものは何も競争を阻害するというようなことが目標ではないように思いますので、結果論的にはあるいはそういう多少の関係はあるかと思います。
#185
○山本(勝)委員 私は決して政府委員を責めておるのでも何でもありません。ただこの法律が非常に参重要な意味を持つと思うのは、この自由競争の経済秩序を確保するというところに独占禁止法の法益がある、つまり根本の精神があると理解し、その精神を貫かれるのが公正取引委員会であると思うから、私はこのことを尋ねておるのであります。独占禁止法という現在の法律で取締れる、取締れぬという問題ではなくて、ほんとうに自由競争の経済秩序を守ろうという、その法益を守ろうという意思があつたら、はつきりそこにこの法で守るものはこれだけ、しかしながらこの決では守れないけれども、公の活動ないし私的の活動でなおこの法の根本目標とする自由競争の経済秩序が脅かされる場合があるということをはつきり認識しておられないと、私は公正取引委員会の方々の仕事にほんとうの熱が入らぬのではないかと思う。たとえて申しますと、俗なことを申して恐縮でありますけれども、ある留守番を頼まれた、自分はある家の留守番をしておるのだという場合に、自分は裏口から入つて来るどろぼうを防げという法律によつておるのだから、裏口から入つて来るどろぼうだけ防げばいいのだ、表の方はがらあきになつて、そこからどしどしどろぼうが入つて来て家財道具をどんどん持ち出して行く、しかし自分たちの任務ではないからだまつて見ておらなければならぬ、こういうふうな場合に置かれた留守番というものは、おそらく自分の仕事に魂を打ち込むことはできないだろう。留守番を頼まれておるのだけれども、裏口だけ自分は守る任務と権利があつて、表門から入つて来た者がどんどん家財を持ち出して行くというような場合には、もうこんな留守番なんかあつてもなくてもいい。もうこんなものはやめて帰ろう、もしここにおるのなら、食うために自分が困るからおるだけの話でというふうなことになつてしまつて、ほんとうに自分の仕事に魂を打ち込むことがむずかしいのではなかろうかと私が考えるから、今申したようなことをくどくどしくお伺いしておるのです。この点についてくどいようですがもう一度尋ねますが、独占禁止法の法益である自由競争の経済秩序というものは、この私的独占禁止法というものだけでは守れないということを御承認になるかどうか、こういうことであります。
#186
○横田政府委員 これだけで、守れないというふうにはつきり先ほどから申し上げておりますように、これはある面においてある手段をもつてそういう競争秩序を守るということになつております結果、その手段とは別な面においてそういうような結果が生じることはもちろんあり得るのでございます。また労働組合のお話でございますが、独占禁止法につきましては公正取引委員会というものがございますが、国家は労働問題についてはまた別の政策を持つておるわけでございまして、留守番は私ども表をやつておりますが、裏にはまた別な人がおるわけでございます。
#187
○山本(勝)委員 私は、皆さんがほんとうに自分のやつておる仕事が何かということをはつきり自覚してやられないと、法の末節を適用することになつて、結局独占禁止法そのものの究極の目的に相反するような結果になると思うのであります。現にこの「勧告、審判開始決定事件一覧表」という私がいただいたのを見ますと、昭和二十二年にできて、二十三年には一月、二月、三月、四月、五月とこの五箇月には勧告、審判のこれに載つておる事件というのは一つもありません。それからあと七月、八月に合計二件ありますが、その次の昭和二十四年を見ますと二十二件あります。二十五年に至つては、これはまたべらぼうに多くて六十七件あります。ところが二十六年になりますと、また急に減つて十六件、しかも八月、九月の二箇月間は何にも受けていない。それから二十七年でありますが、これは一月、二月、三月、四月、五月、この五箇月間は全然なくつて、あとに十件あります。しかもこの三十七年の十件というのを見てみますと、洗濯屋が十軒か十二軒ばかり集つてクリーニング料金の引上げの協定をした。これが取上げられて、勧告審決が行われておる。こういう洗濯屋の料金引上げの事件がこの十件のうちで二件である。あるいは散髪屋が散髪料金の値上げを相談したというふうなことがありますが、大体自由競争の経済秩序を守るというふうな非常に重要な理由を持つておるものが、十軒や十二軒の洗濯屋が、洗濯賃を相談をしたからといつて、そんなことを扱つておるというのでは、はたしてほんとうにこの仕事に魂が打込まれておるのかどうかということに私は疑いを持つ。それはもちろんこの公正取引委員会の陣容が少いというか規模が小さい、経費が少いというふうな理由もありましよう。そのほかいろいろな事項もありましようが、しかし何にも増してこういう結果を来す一番根本の原因は、自由競争の経済秩序とは何か、自分たちが守るところの、自分たちの仕事にしておるところの自由競争の経済秩序というものは何か、どのような行為が真にこれを侵すのであるか、ということに対するはつきりした認識が欠けておるのではないかと私は思うのであります。それを一どきに十分了解してほしいというふうに私は注文するわけではありませんけれども、栗田委員あるいは他の委員から申されました通産省がこれを認可する、公正取引委員会の認定に基いて行政庁が認可するというような制度に対して、賛成するか反対するかということは、一に通産省の方々と、公正取引委員会の方々とが、どちらが真にこの法の目的である自由競争の経済秩序を守ろうとする理解と熱意とを持つておられるかどうかということで、われわれは態度をきめたいと思う。もし通産省が公の力でやるならば、自由競争の経済秩序を侵害するのは一向さしつかえないのだ。独占禁止法にそむかぬのであるから、どしどし侵害してよろしいというような態度をとるに反して、公正取引委員会の方々が厳正中立に自由競争の経済秩序を守り抜こう、こういう精神で、現在の法律で十分守れないならば、今後この法律の改正を要求してでもその目的を達成しよう――先ほども申したように、たとえば悪うございますけれども、一家をどろぼうから防ぐという任務を完全に尽すためには裏口だけを守らされたのではとうてい目的は達せられない。表から入つて来るどろぼうも、われわれの力で守るように法律を改めさせるというくらいの熱意で進められるならば、私は通産大臣がかれこれこの法の適用で干渉をするということには絶対反対をして、もつぱら公正取引委員会がこれを決定する方式に、改進党の修正案として出ようとしておるものに賛成したいのです。こういうわけでありますから、どうか長い間の御経験からほんとうのことをお答え願いたいと思う。これは私の考えで、よく御参考にしていただきたいと思う。その点の質問はそれぐらいにいたします。
 次にお尋ねいたしたいのは、これは中村委員の質問と政府委員の答弁との間にしつこく繰返されました点に関係するのでありますが、私の考えから申しますと、およそ自由な意思において、しかもそれが気狂いとか特別なかたわ者でなしに、常識を備えた人々が、自由な意思において組合を結ぶという任意カルテルの場合、あるいは労働組合で申しますと任意の労働組合、そのかわりこれに入りたくない者は入らないし、入つておる者でも自分の自由なる意思において何どきでも脱退することができる。また自由に入つたり、自由に脱退したりすることに対しては何らの制限をも加えない。ストライキの場合を申しますと、自分はストライキがいやだと言つてやめる者に対して、これに暴力を加えるとか、あるいは監禁するとかいうことを全然させない。ほんとうに自由な意思で行動できるカルテルの場合においても、同じような意味で自由なる組合、いわゆる完全な任意組合というものでありまするならば、これは取締らなくても独占化するおそれはない。こまかいことは時間をとりますから結論だけを申しますが、任意組合の場合は必要やむを得ず組合をつくらなければ生産費が償えない、組合をつくらなければ共倒れになるというような状況のもとにおいては組合が有効に働きますから、その組合は実質的にある程度競争を制限します。ある程度競争を制限するがゆえにこそ組合が効力を発生するわけであります。しかしそれが度を越して独占利潤をほしいままにする。滅亡を防ぐがためではなく、組合をつくつて積極的に、よその産業の利潤よりも、それらのものがより以上の独占利潤を獲得するというような状況になりましたら、自由なる任意カルテルすらも必ずこれはくずれて行く。くずれて行くところの事情を説明すれば時間が長くなるから、その事情は説明しません。結論だけを言いますと、くずれる心配なのはこういうことである。恐るべきものは何かといいますと、この任意カルテルをつくつてみたけれども、アウト・サイダーが出て来て、どうにもそのカルテルが効力を発生しない。かつてセメントのカルテルができました当時・小野田セメントがアウト・サイダーとしてがんばり抜いたことがありますが、いつもカルテルの外にアウト・サイダーが出て来て、おれはカルテルに入らずに自由にやるというものが出て来る。それが出て来るために、せつかくカルテルをつくつてみましても、ある程度までは効力を発生するが、ほんとうに思うように行かないというときに、その任意カルテルを構成した人々が政府につながりをつけて、政治力に訴えてアウト・サイダーを許さぬという立法を要求して来る。任意カルテルがほとんど十中八、九政治的権力によつてアウト・サイダーを禁ずる強制カルテルの要求をするに至るということは何を物語るかといいますと、任意カルテルの範囲では絶対に競争を排除してしまうということができない。ただ破滅的競争を防ぐことはできる。その点で経済界に貢献をしますけれども、それ以上の独占をほしいままにしたいと思いましても、アウト・サイダーが出て来るから、どうしても独占の目的を達せられない。そこで政治を動かして強制カルテルを結ぼうとしてつくるのである。ここに危険性が生れるのであります。ですから私は同じカルテルと申しましても、政治的な権力というものによつてささえられるところの強制カルテルと、それから政治的な背景がなくて自由に参加し自由に脱退することができるという任意カルテルというものの間には、競争ないし独占との関係において本質的な相違のあるということを御承認になるかどうか。この点を伺いたい。
#188
○横田政府委員 ただいま任意的なカルテルは、原則として認めてよいのではないかというお話でございます。これは独占禁止法もすべてのカルテルを何でもかんでもいけないといつているのではないのでございまして、特に中小企業のカルテル、つまり協同組合というようなものはまさに任意加入、脱退ということになつておりますのみならず、そういう面におきまして独占禁止法も特殊な扱いをいたしております。なおその他のカルテルにつきましても、いわゆる競争の実質的制限を来さざるを得ないようなものは、今度の改正法では違法ではないことになるわけでございます。従いまして今お話の独占利潤というのがよいかどうかわかりませんが、つまり競争の実質的制限を来すようなカルテルをつくるということは、すなわちそういうおもしろくない結果を来すという面で、独禁法がこれを取締りの対象にいたしておるわけでございます。なおカルテルに強制力を持たせるということは、われわれの方の独占禁止法の立場から申しまして、もちろん好ましくないことでございまして、この任意加入、脱退ということは、カルテルを認める場合のわれわれの方の一つの重要なる条件といたしまして、今度の不況カルテルの場合も、合理化カルテルの場合も、これが一つの要件として上つておるわけであります。
#189
○山本(勝)委員 初めに申しましたように、私はごく基本的な問題を伺つているのであつて、その点は誤解のないように願いたいのでありますが、質問というよりも御参考までに聞いておいていただきますが、私はこの法の結果が必ずこういう結果になると思う。今日のような不景気の時代、どの事業といえども、ほとんど不況にさらされていないものはありません。こういう時代において、不況を防ぐがために、こういう理由でカルテルをどんどん申請して来るに違いない。これを認めざるを得ないことになる。私はそのことをけつこうなことだと実は思う。これは立場の相違で、社会党の方はけつこうでないと思われる。私はけつこうなことだと思いますが、そうしてあらゆる分野においてカルテルができて参る。そうすると、そのカルテルは実質的に競争を制限するのならば許さぬのだ、こういう規定でありますが、しかし実質的に競争を制限するからこそ、カルテルを結ぶ意味があるのです。実質的に競争を制限する力が全然ないのならば、カルテルなどつくるわけがありません。ただカルテルをつくらなければ破滅する。ですから、厳格に申しますと、破滅的な競争を制限するというような場合には、これを認める、独占利潤を追求するようなカルテルは認めない、こういうのならば、はつきりいたしますが、実質的に制限をすれば認めないんだということになつたら、今度はどのカルテルも実質的に競争を制限するから禁止しなくちやならないようなことになり、手がつけられないことになるだろう。しかも昨日質問にお答えになりましたが、一たびカルテルを承認いたしますと、今度はそのカルテルを認めた理由がなくなりましても、そのカルテルはただちに無効とはならない。たとえば合理化とか不況とかいうことでカルテルを認めたところが、その不況をようやく乗り切つたというときに、不況を切り抜けるために認めたカルテルは、原因がなくなつたわけでありますけれども、しかしそのためにただちにこのカルテルは効力を失うのでもないし、またその後においても、ただちにそれが違法とは認められないんだ、こういうことでありますと、不況ということでどんどんカルテルを認めた。今後これを取消すということは、不況を乗り切つたというので、この条文によりますと、第三十四条の五項というところで、公正取引委員会が通産大臣に申請をして、あれは取消してもらいたい、こういうふうに言うのでありましようが、実際問題として、ようやく乗り切つたということで取消されたら、それまでは赤字々々を続けて来て、ようやく業績がどうにか立ち行くようになつた。もう不況を切り抜けたんだから、これは認められないというふうなことを公正取引委員会が申請してやられたら、その事業の長い期間において、欠損の時期ばかり続いて、ようやく収支償うようになつた瞬間に、またカルテルは禁止される。また赤字になつてやり切れぬようになると、また認められるが、ようやく切り抜けたら、今度は禁止されるということになつたら、この事業はとうてい立ち行きません。従つて欠損を続けたような事業は、相当の期間にわたつて相当な高利潤を続けるというので、平均してその事業が立ち行く。欠損の危険性の多いような事業ほどまたもうかるときにはたくさんもうかる。こういうふうなことになるものですから、事実上一度認めたらこれを取消すということは、私はできないことになると思う。ほとんどあらゆる分野にこれを認めておいて、そうして事実上これを取消すということはできない、こういう結果になるから、むしろ私はこのカルテルというものを届け出て、認可されて初めてでき上るというのではなくて、むしろそれなら自由に認めておいて、そうしてこの改正要綱の第十二の第三項ないし第四項において著しい弊害を認める場合、不正なる取引、あるいはどう考えてもこれは独占利潤がカルテルのゆえに発生をしておると認める場合には、何どきでも取消せるのだ。ですから実際問題として、どこもここも認める、あとは取消さない、ほとんど取消さないというふうなことになるよりも、むしろ原則として自由に認めておくが、弊害のある場合にはこの第十二の三項及び四項を適用してこれを取締るという方が、かえつて私は法律そのものに権威が生れて来るというふうに考えるのでありますが、御研究の余地はありませんか、お伺い申し上げます。
#190
○横田政府委員 仰せのようなカルテルに対する考え方は財界の一部からかなり強く要望があることでございます。この点につきましては、結局カルテルというものの性格をどういうふうに見るか。むしろよい面を見て、悪いものだけを取締るという態度で臨むか、あるいはカルテルというものはいろいろな面で害毒は流しがちなものでありますから、これを一応取締りの対象にする、やむを得ないものを例外的に認めて行くというこの態度をとるか、そ。基本的態度によつて問題はきまると思います。われわれは今回の改正案をつくります場合に、その後の態度をとることが適当であると認めまして、結局一応カルテルは一定の取引分野における競争を実質的に制限するようなものはこれを一応違法ということにいたしたのでございます。先ほど私の説明が不十分でありまして、単に競争の実質的制限というのではなく、一定の取引分野における競争の実質的制限、すなわちある業種全体のうちで、有効な競争が行われなくなつてしまうような状態のカルテルを取締りの対象といたし、ただ不況の場合等につきましては、そういう状態がかりに一時的に出ましても、それは企業を保存するというような特別の趣旨をもちまして認めて参る。それにはいろいろの厳格な条件を備えて規定しております結果、これを一々事業者の方で自主的に判断することは非常に困難であろうというふうに考えまして、公正取引委員会の認定なり、あるいは主務大臣の認可を得ましてその状態に入る。しかしその状態がまたくずれて参りました場合には、カルテルをやめる、こういうふうにいたすのが独占禁止法の精神を生かして行くゆえんであると考えまして、この法案の結論に到達したわけでございます。
#191
○山本(勝)委員 これで私の質問は応打切りますが、問題は自由経済の主義を守るというところにあるということをお忘れにならぬように願いたい。従つて原則としては自由たるべきである。自由なる意思においてやることは、組合を結成することも結成しないことも自由であるべきである。ほんとうの憲法の精神から申しましても、あらゆるわれわれの生活の分野におきまして、自由は原則でなければならぬ。その自由が公序良俗に反するというふうな場合にのみこれを法律によつて取締るべきものだと思う。それ原則として自由ではなくして、例外としてその組合結成の自由を認めるということは、私は根本的に考え直す必要がある。労働組合の場合でもそうだ。原則としては組合を結成することが自由であるという原則が失われて、許可になつた場合にのみ結ぶことができるというふうなことでは、ほんとうの自由な秩序は守れない、この点と、今申しますように憲法の精神である個人の自由ということを守るという精神から申しましても、自由な意思において組合を結成し、または組合を解体するということは、これは当然であるばかりではなしに、これを逆に公正取引委員会ないし通産省というものが、原則としては不自由であるが、特に認可を受けた場合にのみ組合を結成する自由を有するということでありますと、必ず私は不公平を生じて来ると思う。自由を原則として、弊害のある場合にのみこれを取締るというのであれば、これは比較的公平に行きますけれども、原則として不自由にしておいて、例外的に組合結成の自由を認めるということになると、これまでの独禁法の例にも見られますように、ほんとうに有害なものが見のがされて、大きなやみ屋が見のがされて、小さなかつぎ屋がつかまえられると同じような、きわめて不公平な結果を生じて来る。せめて公平に行われるという意味においても、私は組合結成は自由である、但し弊害のあるものはこれを取締つたり取消したりする、こういうふうに考えて行くべきものだ、そのことをひとつまた御研究願うことにいたしまして、私の今日の質問はこれで打切ります。
#192
○栗田委員 今の認可の問題に関連して通産政務次官にお尋ねいたしますが、先ほど公取委員長にもお聞きしたのですが、公取委員長は次官会議には出ておらなかつたということで、明確にわからなかつたのですが、この通産大臣が認可権を持つたという理由、この理由ということは、私の聞きたいことは、産業行政の立場から通産大臣が持つのだということでなくて、もつと事務的にどうして通産大臣が――ということは、もつと掘り下げて言いますと、各省の意見は、公取一本で行くべしというのが圧倒的に多かつたのです。通産大臣が認可の中に割込むというのは、各省の意見をとつた場合において、通産省だげだつたのです。しかるにこの原案がこのように決定をしたということはどういうことか。特に私は次官会議の模様をお尋ねいたします。
#193
○古池政府委員 お答えを申し上げます。次官会議の模様を話せというお話でありますが、それはおそらく政務次官会議ではなく、事務次官の会議であろうと存じます。事務次官会議の経緯等につきましては私は何ら報告を受けておりませんが、しかし結論を申し上げまするならば、通産大臣が主務大臣として認可権を持つということは、最後には閣議におきまして決定を見たはずでありますから、それは各省の中にいろいろ議論としてはあるでありましようけれども、政府部内としては最後は一致してこの案に賛成した、かように御了承を願いたいと思います。
#194
○栗田委員 次官会議の模様はいずれ事務次官が来たときにお尋ねいたしますが、今の認可を公平に行うということでまたそこに非常な疑問が出て来るのですが、それは通産大臣はこのカルテルの認可権の基準をどこに求むるかという点であります。この点をひとつ明確にお答え願いたいと思います。
#195
○古池政府委員 いかなる場合に通産大臣が法律に規定されたカルテルを認可するかということでありますが、その基準は一応法律の中に書いてございますような場合を基準として、それによつて認可をする、それ以上はこれは法律に基いた行政の運用によつて行う、かように御了承願いたいと思います。
#196
○栗田委員 そうすると大体の考え方としては公取委の認定基準というものが、この第二十四条の三の第四項にありまするから、公取委の認定基準と大体において同じである、なおそのほかに産業行政的な立場からも顧慮する点があるということを言つておられるわけですか。
#197
○横田政府委員 ただいまのお尋ねの御趣旨に大体沿つて参りたいと考えております。
#198
○栗田委員 そういうふうに産業行政的な立場から認可するという場合もあり得るということは私は非常に危険であると思うのであります。どうして危険かというと、これは先ほど山本委員も心配をいたしたように、こういうふうに認可基準のわくを非常に曖昧に広げておくと、どうしても業者の申請に対する認可があやふやになるというようなことで、私はむしろこの権限は明確化しておいた方がいい、かように考えておるのですが、その点はいかがお考えですか。
#199
○古池政府委員 大体認可の際の条件、基準と申しますものは、法律にありまする通り、公正取引委員会の方において行われますものと同一であります。ただその際に、実際の産業状態を十分に知悉しておりますのは通産省でありますので、その実際を認可処置の場合に反映をして参るというのが趣旨でございまして、幅が広いと申しましてもそんなに無制限に広いものではないと思います。
#200
○栗田委員 私はそういう考え方ならば、公取委を一本にしても、そして公取委が認可しても、通産省の意向を尊重するという一文を入れておきまするならば、株式保有の場合においても大蔵大臣の意見を尊重するということが第十一条に明確になつておるので、こういう条項によつて通産省の目的は十分に達成されるのではないかと思うのでありますが、この点はいかがでありますか。
#201
○古池政府委員 ただいまの御意見も一応は御意見としてあり得るかと存じますが、しかし大蔵省の場合とはやや事情を異にいたしまして、もう少し産業上の実情を反映させる上においてはこまかい面がございます。たとえば生産費の問題でありますとか、あるいはその事業がそのままにしておいて将来立ち行くかどうかというような検討も加えなければなりませんので、ただ公取委員会一本でははなはだ不十分と考えるのであります。
#202
○栗田委員 この前の改正案と比較すると大分違つておる点があるのですが、そこで業者がカルテル認可のために通産大臣に申請をした場合において、必ずその申請の書類というものは公取委に送り込まれるのかどうか。いわゆる通産省において適当にそれを処置するのかどうか、その点をお伺いいたします。
#203
○古池政府委員 大体において、認可する場合にはもちろん公取委の方に十分連絡をいたしまするが、初めからてんで問題にならぬというようなものはこれは公取委の方に連絡をする必要もありません。私どもとしてはそのようにいたして参りたいと考えております。
#204
○栗田委員 私はその場合非常な危険があると思うのであります。たとえばどういうことかといいますと、これは業者としては非常に重大な問題かもわからぬけれども、通産省の方がこれはそう必要じやないものだということでもつて、公取委の方にその書類をまわさなかつたならば、非常に重要なカルテルの認可事項であつても、全然公取委の方にその意見が反映しないということになる。その辺はいかがでございますか。
#205
○古池政府委員 なるほど今のお話のような点も無理からぬことだと存じまするが、それは具体的な場合々々によつていろいろ事情は異なると思いまするけれども、同じ政府部内のことでありますから、公取委員会と私どもは常に連絡を緊密にして行くということは申し上げるまでもないのであります。ただ法律上さような不認可にするような場合でも、義務として公取委の方に資料をまわさなければならぬかどうかという場合になりますると、まずその必要もあるまい、かように考えております。
#206
○栗田委員 前回の場合にはどういうことを言つておつたかというと、主務大臣というのは単なる窓口なんであります、ただ要するにそういう書類を受付けるだけなんだ、そこでその書類は全部公取委の方にまわしてしまうのだということを前回の改正案では御答弁になつた。そこで今度はその通りの改正案かと思つたところが、今あなたの言つていることをちようど裏書きするように、第二十四条の三の第十一項で、主務大臣が報告を徴することができる。いわゆる認可、あるいはこれを審査するための資料としてこれを徴することができるということを新しく加えておるのであります。それはそういう下心からこれを加えたのではないかと思いますが、その点はいかがでございますか。
#207
○古池政府委員 前回の場合におそらくそういう答弁はしなかつただろうと思うのでありまするが、ただいまのお尋ねのような考えはおそらく前にも持つてはいなかつたと存じます。現在はただいま私が御答弁申し上げましたような態度をとつておりまするので、もし万一事業者として不平不満があるという場合には、それぞれ法律上救済の手続もあるわけであります。強制的に報告を徴するということは、これはこの場合ばかりでなく、他にも行政上必要があればそういう義務を課す場合もありますし、特にこの法案に限つて、非常な重要性を持つものとも考えておりません。
#208
○栗田委員 もう一つは、この認定を受けなければいかなる場合においても通産大臣は認可をしないわけですね。
#209
○古池政府委員 お説の通りであります。
#210
○栗田委員 今度は認可の取消しはどうですか。認可の取消しは通産大臣が独自に取消すことができますか。
#211
○古池政府委員 できます。
#212
○栗田委員 それはどういう規定によつて取消すことができますか。
#213
○古池政府委員 法文の説明はただいま説明員からいたします。
#214
○小室説明員 二十四条の三の五項、主務大臣は、認可をした後において、当該共同行為が左の各号の一に該当するに至つたと認めるときは、変更を命じまたはその認可を取消すことができるというふうになつております。
#215
○栗田委員 第二十四条の三の第四項を見ると、「次項の規定による処分をしようとするときも、同様とする。」とありますが、その点はどうですか。
#216
○小室説明員 これは失礼をいたしました。認定を必要といたします。
#217
○栗田委員 すると、今の通産省の考え方は間違いですね。今までの考え方は全部誤まつていたわけですね。
#218
○小室説明員 認定を経るという件については私の間違いでありました。
#219
○栗田委員 認定を経なかつたら取消すことはできないのですね。
#220
○小室説明員 さようであります。
#221
○栗田委員 そうすると、政務次官の答弁も次長の答弁も間違いですね。
#222
○古池政府委員 ただいま申し上げました点についてのみは間違つておりました。
#223
○栗田委員 そのように主務大臣が認可をする、取消しをするということは、これは行政上の問題としては大切なことである。その一番大切なことを政務次官と企業局次長は間違つておつて、それを国会に来て答弁するなんていうことは、私は不見識もはなはだしいと思う。そういうふうになお一歩進めて行くと、認可をするのにも取消しをするのにも公取委員会の認定がなかつたらできないというのなら、それまでしても主務大臣がカルテルの中に首をつつこむ必要はないじやないですか。
#224
○古池政府委員 先ほどちよつと思い違いをいたしましてまことに遺憾でございます。ただいま認定、認可両建にする必要はないではないか、こういうお尋ねでありますが、そういうふうな御意見もあるいはできるかと存じますけれども、われわれ政府としては、やはり業務の認定、認可は必要である、かように考えます。
#225
○栗田委員 本日はこの程度で保留をいたします。
#226
○佐伯委員長 本日はこれにて散会いたします。なお次会は明日午前十時より開会いたします。
    午後四時十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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