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1953/06/20 第16回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第016回国会 予算委員会 第6号
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1953/06/20 第16回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第016回国会 予算委員会 第6号

#1
第016回国会 予算委員会 第6号
昭和二十八年六月二十日(土曜日)
    午前十時二十一分開議
 出席委員
   委員長 尾崎 末吉君
   理事 小峯 柳多君 理事 西村 直己君
   理事 西村 久之君 理事 川崎 秀二君
   理事 八百板 正君 理事 今澄  勇君
   理事 山本 勝市君
      相川 勝六君    植木庚子郎君
      江藤 夏雄君    小林 絹治君
      庄司 一郎君    富田 健治君
      中村  清君    灘尾 弘吉君
      羽田武嗣郎君    葉梨新五郎君
      原 健三郎君    船越  弘君
      本間 俊一君    八木 一郎君
      山崎  巖君    稻葉  修君
      小山倉之助君    河野 金昇君
      河本 敏夫君    櫻内 義雄君
      中村三之丞君    古井 喜實君
      青野 武一君    福田 昌子君
      武藤運十郎君    八木 一男君
      和田 博雄君    加藤 鐐造君
      小平  忠君    河野  密君
      平野 力三君    三宅 正一君
      石橋 湛山君    福田 赳夫君
 出席国務大臣
        法 務 大 臣 犬養  健君
       大 蔵 大 臣 小笠原三九郎君
        文 部 大 臣 大達 茂雄君
 出席政府委員
        総理府事務官
        (経済審議庁調
        整部長)    岩武 照彦君
        大蔵事務官 
        (主計局長)  河野 一之君
        大蔵事務官
        (主税局長)  渡辺喜久造君
        大蔵事務官
        (理財局長)  石田  正君
 委員外の出席者
        専  門  員 小林幾次郎君
        専  門  員 園山 芳造君
        専  門  員 小竹 豊治君
    ―――――――――――――
六月十八日
 委員世耕弘一君辞任につき、その補欠として河
 野一郎君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 昭和二十八年度一般会計予算
 昭和二十八年度特別会計予算
 昭和二十八年度政府関係機関予算
    ―――――――――――――
#2
○尾崎委員長 これより会議を開きます。
 昭和二十八年度一般会計予算、昭和二十八年度特別会計予算及び昭和二十八年度政府関係機関予算の三案を一括議題として議事を進めます。まず政府の提案理由の説明を求めます。大蔵大臣小笠原三九郎君。
#3
○小笠原国務大臣 昭和二十八年度予算の編成に関する基本方針並びに予算の大綱につきましては、過日本会議において御説明申し上げたところでありまして、本予算案は、前国会に提出し衆議院の議決を経ました不成立予算を基礎とし、その後の情勢の推移に伴う必要な調整を加えて編成いたしたものであります。予算委員会の御審議をお願いするにあたりまして、あらためてその内容を御説明申し上げます。
 まず、歳出について申し上げますと、第一に、防衛支出金六百二十億円、保安庁経費七百十九億円、平和回復善後処理費百億円、連合国財産補償費四億円を計上いたしました。
 防衛支出金は、昨年締結されました行政協定によつて日本側において負担すべきものとされた米軍の駐留に関連して支出を必要とする経費であり、その内訳は、米軍の役務、需品の調達に充てるための米軍に対する交付金として五百五十八億円、米軍の使用する施設及び区域の提供に必要な経費その他として六十二億円であります。
 保安庁につきましては、人員は、ほぼ現状にとどめることといたしましたが、船舶数の増加に伴い警備官を二千七百余人、学校、研究所等の要員として保安官、警備官以外の職員を一千四百余人増加いたしました。経費の増加は、給与改善及び昨年増加した人員の維持費を平年度化するとともに、装備施設の増加等機能の充実をはかるためのものであります。なお、保安庁経費は、本予算施行の遅延のため不成立予算に比し、約百十億円減少しておるのでありますが、他方警備船等船舶の建造のため六十五億円、営繕工事等施設の整備のため三十五億円、計百億円を限り、昭和二十九年度において国庫の負担となる契約を、二十八年度において結び得ることとしております。
 以上、防衛支出金と保安庁経費との合計一千三百二十九億円は、安全保障諸費を含めた前年度のこの種経費一千八百億円に比して約四百六十億円の減少となつております。
 平和回復善後処理費は、連合国に対する賠償の支払い、対日援助費の返済、その他対外債務の処理等、平和回復の結果として必要を生ずると考えられる諸般の経費に充てることを予定いたしたものであります。
 連合国財産補償費は、連合国財産補償法の定めるところにより、前年度からの繰越額と合せて、年度内に百億円を補償し得るよう四億円を計上いたしたものであります。
 第二に、経済力の充実発展のための措置といたしましてまず、財政投融資の拡充をはかりましだ。すなわち電源開発、外航船の建造、中小企業及び農林漁業の振興、国鉄施設の整備、電信電話事業の拡充等に特に配慮して国民経済の自立態勢確立をはかるごととし、財政投融資といたしまして、一般会計、資金運用部資金、簡保資金、産業投資特別会計及び公募公社債を合せ総額二千九百九十二億円を予定いたしております。これら財政投融資の財源につきまし、は、一般会計の歳入をもつてまかなりもの四百五十三億円、資金運用部資金等の通常の原資一千六百四十八億円のほか、特に保有国債の売却等による蓄積資金約五百三十億円の活用にも配意しまた、日本国有鉄道、日本電信電話公社の建設資金調達のため市中公募債百六十億円を発行する道を開くとともに、新たに産業投資特別会計を設置し、二〇〇億円を限り特別減税国債の九行を予定いたしております。なお、二十八年度におきましては、外国為替資金べの一般会計からの繰入れ、いわゆるインヴエントリー・フアイナンスをとりやめ、また、電信電話料金の改訂を行い、日本電信電話公社の自己資金の充実、企業体制の確立に資することといたしました。
 第三に、河川、砂防、山林、道路、港湾、漁港及び都市計画の諸事業並びにこれらに関連する災害復旧事業等の公共事業について一千二十億円を計上いたしましたが、前年度に比し約百八十億円の増加でありまして、治山治水事業特に河川の総合開発及び道路の建設等の推進に配意しております。なお、道路事業費のうちには、特定道路整備事業特別会計への繰入金二十五億円が含まれております。
 また、食糧自給度の向上をはかるため、耕地の拡充、改良及び耕種改善、農業用公共施設の災害復旧、病虫害の切除等につき食糧増産対策費として前年度に比し九十一億円を増額し、四日九十四億円を計上して、食糧自給度の向上につき、一層その推進をはかることといたしました。
 第四に、民生安定のための経費につきましては、国民生活の現状にかんがみ、民生安定施策の重点をまず住宅対策に置くこととし、公営住宅の建設等について、住宅対策費を前年度に比し川五十四億円増額して百二十五億円計二するほか、住宅金融公庫を通ずる貸付百八十億円、資金運用部からの勤労者厚生住宅貸付二十五億円を行い、これらを合せて約十一万五千戸の住宅建設を予定しております。
 また、生活困窮者の保護のため二百五十六億円、児童保護費五十二億円、国民健康保険等社会保険の充実のため八十五億円、結核対策費として百二十五億円、失業対策費として百九十二億円合計七百十億円を計上し、前年度に比し百四十七億円を増額して国民生活の安定をはかることといたしております。
 次に、旧軍人、軍属及びその遺族に対する恩給につきましては、昨年十一月になされました恩給法特別審議会の建議の趣旨を尊重いたしまして現在及び将来の財政の事情を考慮してあとう限りの措置を購ずることとし、本年四月にさかのぼつてこれを復活することといたしました。なお恩給の対象とならない戦没者遺族、戦傷病者及び未帰還者留守家族につきましては、この際従来の援護措置を強化いたすこととし、これらに要する経費として総額五百億円を計上いたしたのであります。
 第五に、文教振興のための経費でありますが、まず、義務教育の機会均等と、その水準向上をはかりますため、義務教育国庫負担法に基きまして、義務教育諸学校の教職員の給与費について実支出額の半額並びに教材費の一部を国庫負担とする方針のもとに、義務教育費国庫負担金五百四十億円を計上いたしました。なお、教職員給与費国庫負担金の交付にあたりましては、同法に基く政令によりましてれ一定の基準による国負担額の最高限度を設けることとし、また、地方税制の改正等により、地方公共団体における財源の偏在が是正されるまでの暫定措置として、立法措置により八月以降特定の富裕都府県に対しては、不交付ないし減額交付とするこことしているものであります。
 教育施設につきましては国立、公立及び私立を通じてその改善に考慮を払い、約六十五億円を計上いたしましたが、小、中学校一般校舎の整備、積雪寒冷湿潤地帯の屋内体操場の建設促進をはかつたほか、特に資金運用部による地方債引受のわくの拡張と相まつて危険校舎の改築等にも配慮いたしたものであります。
 その他育英事業、産業教育の振興、科学研究費等につきましてもそれぞれ増額し、教育学術の振興をはかつております。
 第五に、地方財政に関しましては、昭和二十八年度におきましては、義務教育国庫負担制度が実施されることとなりましたので、地方財政平衡交付金制度に相当の変更が加えられることとなり、平衡交付金としては一千二百五十億円を計上いたしたのでありますが、義務教育費国庫負担金と合計いたしますと一千七百九十億円となり、前年度に比し実質的には三百四十億円の増額となり、不成立予算に比しても七十億円の増額となつているのであります。なお、別に資金運用部による地方債引受のわくを八百八十五億円に拡張いたしましたほか、公募による地方債百八十億円を予定しております。
 地方財政の現状を見まするに、まことに容易ならざるものがあり、根本的な対策を講ずる必要があると考えられますので、地方制度全般の問題と関連し、急速にこれが改善をはかりたいところであります、
 次に、歳入予算について申し上げます。歳入予算の内訳は、租税及び印紙収入七千百六十一億円、専売納付金一千四百三十七億円、雑収入等六百二十八億円、前年度剰余金四百五十五億円となつております。租税及び印紙収入につきましては、最近の収入状況及び二十八年度における生産、物価の状況、国民の所得及び消費の動向を予測して、その見積りの適正を期したのであります。すなわち、所得税、法人税等は、その課税実績を基礎とし、国民所得算定の基礎となつた生産、物価、雇用、賃金等の動向と、さらに経済の実情を勘案して、その収入を算定いたしました。酒税につきましては、本年三月相当の減税をいたしましたが、消費の増加を見込み、ほぼ前年度程度の税収を確信し得るものとして計算いたしました。その他物品税、砂糖消費税、関税等の間接税収入は、二十八年度の生産、販売、輸入の見通し等を十分考慮に入れて算定いたしております。今後生産、物価ともに堅実な歩みを続け、国民所得も順調に増加するものと考えられますので、七千百六十一億円の租税及び印紙収入は、これを確保し得るものと考えております。
 税制改正の大綱につきましては、さきに財政演説の際申し述べましたが、その詳細につきましては政府委員をして説明いたさせます。
 次に、日本専売公社納付金につきましては、タバコの売りさばき数量において約五%の増加を見込みますとともに、従来の益金算定方式を改め、損益計算に基く益金を納付せしめることとして一千四百三十四億円を見込んでおります。
 以上、一般会計歳出及び歳入について申し上げましたが、次に、特別会計及び政府関係機関について申し上げますと、まず、特別会計予算は、造幣局特別会計外三十二の特別会計に関するものであります。本年三月末をもつて、解散団体財産収入金特別会計が廃止されて一般会計に引継がれ、また、農林漁業資金融通特別会計は公庫に移行されたのでありますが、一方新たに木船再保険特別会計を設置し、さらに米国対日援助見返資金特別会計を廃止して産業投資特別会計を新設いたしました。なお、輸出信用保険特別会計は、輸出保険特別会計に改めることとしております。
 次に、政府関係機関予算は、日本専売公社外八機関に関するものでありまして、二十七年三月をもつて閉鎖機関整理委員会及び商船管理委員会が廃止され、また、農村漁業金融公庫が新設されたのでありますが、さらに、新たに、中小企業金融公庫が設置されることとなつております。
 中小企業金融公庫は中小企業振興の重要性にかんがみ、中小企業金融の積極化をはかるため新たに設立されることになつたものでありまして中小企業者が市中金融機関から融資を受けることを困難とする設備資金及び長期運転資金を供給することを目的としております。
 以上をもつて昭和二十八年度予算についての概要の御説明といたす次第であります。
#4
○尾崎委員長 次に順次補足説明を聞くことといたします。まず主計局長の説明を求めます。河野一之君。
#5
○河野(一)政府委員 大臣の説明に引一続きまして補足的な説明を申し上げます。
 お手元に「昭和二十八年度予算の説明」という資料を御配付申し上げておるのでありますが、これをもとにいたしまして不成立予算との差異等につきまして御説明申し上げます。
 第一は、財政規模の問題でございますが、二ページをごらん願いたいと思います。二十八年度の今回提出いたしました予算は、二ページの左の下の方をごらん願いたいのでありますが、九千六百八十三億円で、国民所得は、最近の経審の調査によりますと、五兆八千二百億円でありますので、その割合は一六・六%ということになつておりまして、不成立予算のときの国民所得は五兆六千七百億円ということでありまして、その後の調査によりまして、少しふえております。一般会計財政の規模は多少ふえておるわけでございますが、財政投融資の総額を含めました場合の割合は、前年に比較してやや下まわつております。
 その次の右の欄に一般会計に一般会計以外の投融資を加えた金額一兆二千二百二十三億円ということで、国民所得に対する割合は二一%であります。不成立予算の場合におきましては二一・三%ということになつておつたのであります。
 次は国際収支の問題でございますが、これはこの予算の説明の三十三ページをごらん願いたいと思います。三十三ページの左の欄に二十八年度の受取見込みが二十一億二千万ドル、支払いが二十一億二千万ドル、同額でとんとんという見通しを一応立てております。不成立予算の際におきましては受取りが二十一億八千八百万ドル、支払いが二十一億四千三百万ドルで、四千五百万ドルの受取超過と一応推定いたしておつたのでありますが、その後の状況によりましてこのような収支に見込みをかえております。二十七年度末の外貨保有額は大体十億六千万ドル程度でございます。
 第三には食糧の関係について御説明申し上げます。この点につきましては三十五ページを、こらん願いたいのであります。そこにいろいろな計数が載つておるのでございますが、食糧の買入れ関係でございますが、買入れの数量は国内食糧につきましては、米は二十八年産米二千八百二十五万石ということで計算いたしております。もつとも二十八年産米は二十八会計年度と二十九会計年度にわたるわけでありますが、二十八年産米は二千八百二十五万石ということでトン数でそこに書いてございますが、一応現在の統制を持続するという建前で編成をいたしております。大麦はここにはトン数で出ておりますが、六万トン、裸麦が九万トン、小麦が三十六万二千トンでありますが、俵数では大麦が百四万三千俵、裸麦が百五十万俵、小麦が六百二万七千俵ということに相なつております。
 輸入の方は米が九十万トソ、大麦が六十二万トン、小麦が百五十七万三千トソということになつております。不成立予算に比較いたしまして米におきまして六万トン、大麦におきまして二十万一千トン減少いたしております。これは二十七会計年度中に二十八万トンの外麦の繰上げ輸入がありましたので、需給計画上今年度といたしましてはこれを減少してもさしつかえないという建前のもとに、米及び大麦を減少いたしたのでございます。
 次に価格につきましては、米につきましてはこの生産者価格を二十七年度と大体同水準という一応の推定のもとにやつておるので、ございましてすなわち二千八百二十五万石という買入れは前年度の予算のときと同じでございますが、そうして同じような構想で、つまり義務供出の分につきましては七千五百円、超過供出奨励金につきましては三千円という建前で、かつ早場米供出奨励金を出すという建前でやつておるのでございますが、予算の積算の基礎といたしましては、これを全部平均いたしまして七千七百九十二円ということで計算をいたしております。これは不成立予算のときと同様なのでございます。
 次は大麦、裸麦、小麦でございますが、予算編成の一応の基礎といたしましては、この五月のパリテイを基礎としてきめているのでございますが、五月のパリテイが一一三・一一でございます。昨年の五月は一一二・八三ということになりまして、このパリティで出た価格に対しまして、それによりまして小麦の値段を算出し、これに対して農家の庭先相場による大麦と小麦の価格比をとりまして、これによつて大麦、裸麦の価格を一応積算いたしているのであります。すなわち小麦一〇〇に対して大麦九二・六、裸麦一〇八・六ということで積算いたしました価格が、ここに書いてございます大麦千五百六十七円、裸麦二千九十九円、小麦が千九百三十三円ということに相なるのであります。もつともこれは予算編成の前提として出しました価格でございまして、これをもつて米価審議会に諮問いたしましてその諮問の答申の結果をまちまして、最終的な決定を見るわけでありますが、それにいたしましても予算上大した異動はないものと考えております。従つてこれによつて予算を直すとかいうようなことは必要ないものと考えております。
 次に輸入でございますが、輸入の価格はここにもございますように米が二百十三ドル、大麦が九十三ドル、小麦が九十ドルという計算をいたして、おります。不成立予算におきましては大麦を九十二ドル、小麦を九十四ドルという計算をいたしておします。小麦は前回不成立予算のときにおきましては小麦協定で二十五万トンというふうに計算をいたしておりましたが、今回百万トンということになりましたので、その単価数量はかわつて参ります。二十五万トンの際におきましては、一ブツシエルードル八十セントであつたわけでありますが、百万トンの今回改正せられましたものにおきましては、二ドル五セントということになりますので、その関係で計算がかわつて参ります。補給金につきましても右のようなことから出て来るのでございまして、米の消費者価格については、現行予算は一応すえ置く。麦につきましては、これは統制はないのでございまして、消費者価格というのもいかがかと思うのでありますが、原麦を払い下げる基礎としての政府の売渡し価格があるのでございますが、これは今言つた関係に基きまして、大麦及び裸麦につきまして、多少の引上げを一応見ておるのでございます。補給金につきましては二十二ページをごらん願いたいと思います。二十二ページの右の欄でございます。前年度は三百八十億円、今回は三百億円でございます。不成立予算の際には三百二十億円と計算をいたしておつたのでございますが、二十億円を減少いたしております。その大きな原因は小麦協定及び輸入を二十六万トン減らしたということにあるのでございます。
 その次は地方財政と義務教育費との関係でございますが、地方財政及び義務教育費の関係につきましては、十八ページないし十九ページにこの御説明をいたしておるのでございますが、義務教育費、は五百四十億円ということで、半額国庫負担の建前で計上いたしております。但しこれにつきましては二つの点がございまして、同法の二条但書によりまして、相当の富裕団体におきましての実支出額に対しまして、一定の基準以上の実支出をいたしておるものにつきましては、これの最高額を制限するという建前にいたしております。この標準は大体全国の国立学校の平均的な給与単価をとりまして、これに一定の学級定率というものをかけまして、それを相乗積したものに対して、これを越えるような府県に対してはごの超過額の頭をちよん切るというようなやり方についての政令を出しておるのであります。具体的に申し上げますと、学級定率は小学校につきましては学級数六について七人の先生、中学校におきましては学級数六につきまして九人の先生、これに学校の校長という意味で学校の数を足しまして、さらに結核とそれから産前産後の休養をされる先生の数〇・三%を見まして、国立学校の平均の給与単価、もちろんこれに勤務地手当等の修正を加えるわけでありますが、これをかけましたものを越える府県につきましては、その超過額を制限するということになるのでございまして、れ具体的に申しますと、この制限を受けます府県は東京、大阪、愛知、京都、兵庫及び福岡の六都府県で、これらが実支出額の頭をちよん切られるということに相なるのでございます。それからさらに八月以降におきましては、特別の立法をいたしまして基準財政収入が基準財政需要一を越える場合におきましては、その実支出額につきましても国庫負担金をその分だけ控除して交付する、こういう特別立法を御提案申し上げたいと思つております。義務教育費国庫負担法による実支出額は大体六百四億円であります。平衡交付金との関係におきましてロスになります金額は百四億円ということに相なります。これを先ほど申しました最高額の制限によりまして、七月までの間におきまして、これを十六億円減らすことができるわけであります。さらに八月以降におきまして、そういう調整をいたすことによりまして四十八億円のロスを防ぐことができるのであります。差引二十四億円というものは七月までの間に富裕団体、平衡交付金をもらわれないような府県にどうしても行つてしまう、こういう計算に相なるのでございます。平衡交付金は千二百五十億円ということにいたしておりまして、不成立予算の際におきましてはこれが八百億円ということで、一方義務教育費国庫負担金が九百二十億円ということであつたのでありますが、御承知のように定員定額で平衡交付金と差引計算するような法律になつておるのでありまして、これがロスがない建前におきまする平衡交付金は、不成立予算を基礎といたしますと千二百二十億ということに相なるのでございますが、法人税の税割の減収等の事情を考慮いたしまして、さらに三十億円を増加いたしまして、千二百五十億円といたしております。このほかに、先ほど大臣が申し上げましたように、地方債のわくを十五億円増加いたしておるのでございます。
 その次は財政投資の問題でありますが、財政投資は不成立予算のときに対比しまして、数点差ができて参つております。この関係はこの予算の説明の二ページから三ページに載つておるのでございますが、ます特別減税国債は、不成立予算のときには三百億円を予定いたしておりましたが、年度が経過いたしましたがゆえに、これを二百億円に減少いたしております。それから公募公社債につきましては、不成立予算のときには二百二十億円と考えておりましたが、これも年度経過のために百六十億円といたしております。それから不成立予算の際には三月三十一日限り見返り資金が廃止せられまして、それが産業投資会計に引継がれるということでありましたが、これが七月まで見返り資金が生きて、それ以後吸収せられるということにいたしております。
 これは形式的な差であります。実質的には、前年度の剰余金が十億円ほどふえまして不成立予算では見返り資金からの引継ぎ資金を四百億円と考えておりましたのが四百十億円に相なつております。
 それから資金運用部の原資が五十億円ほど減少しておりますが、これは最近における実績にしました結果でございます。以上のようなことによりまして、三ページに表があるのでございますが、ここに数字が掲げられてございますように、過去の蓄積資金を使用いたすものが五百三十二億円、そのうち保有公債の売却、資金運用部で百八十一億円、産業投資会計、これは見返り資金で持つておるのでございますが、百九十七億円、余裕金の使用というのは前年度よりの繰越金等でございます。さらに減税国債二百億円、公募社債が百六十億円、一般会計の財源繰入れが四百五十三億円、その他、原資の増加千六百四十八億円、合計いたしまして二千九百九十三億円ということに相なるわけでございます。これを具体的な数字につきまして不成立予算と対比して申し上げるならば、六十六ページをごらん願いたいと思います。六十六ページに不成立予算との差があるのでございます。左の方から資金需要総額、自己資金等、公募地方債、財政資金需要――これから先が財政でいかにしてこれを調達するかという問題になるわけでありますが、違つておりますところは、農林漁業公庫で一億円ほどふえております。これは凍霜害の関係の融資でございます。それからもう二つほど置きまして、中小企業公庫で、当初予算八十五億円のものが百億円にふえております。以下同じでありまして、政府事業建設投資の方で、電信電話公社で百七億円ということで、これはかえつて需要額が減少いたしておるのでございますが、電信電話事業におきましては、実収大体二五%程度の料金の引上げをやりまして、年度内五十四億円の資金を調達いたしまして、その結果公募社債を減少することにし、また資金運用部資金からの資金調達をやめておりますので、そういつた関係で特別の資金調達は百七億円ということに相なるわけであります。
 その他のところに行きまして、地方債八百八十五億円で、不成立予算が八百七十億円で十五億円ふえておる、こういうことに相なるわけであります。それの配分の額が右の欄にずつとございます。
 重要なる問題は以上の通りでございますが、次に個々の問題について多少申し上げてみたいと存じます。これは五十九ページをごらん願いたいのでございますが、9の昭和二十八年度一般会計歳入歳出予算と不成立予算との比較表というところにあるのでございますが、歳入におきましては租税で八十億円ほどふえております。これは自然増収に相当するものが九十四億円、それから砂糖消費税等の増税の遅延に基く減少が十三億円余りでありまして、差引八十億円ほど増になつております。主としてこれは源泉所得税を中心としてでございます。
 専売の納付金におきまして多少減つておりますが、これはアルコールの益金の減少でございまして、酒の税が三月から下りましたので、その関係でバランスをとつて下げることにいたしました。
 それから官業益金及び官業収入で減つておりますのは、これは大したものではございませんが、国立病院が一部国立療養所に転換する予定になつておりますのが、引受の関係等におきましてこれが実行できなかつた点もございますので、国立療養所収入が減つております。
 それから政府資産整理収入で減少いたしておりますのは、これは増加いたしますものと減少いたしますものと差引の計でございますが、最近三月までの実績を基礎といたしまして旧軍工廠の関係、あるいは共有船舶の持分収入、土地の売渡し、主として国有財産の関係において減少を見ております。ここで一番多く減つておりますのは対日援助物資処理等特別会計という特別会計がございまして、これはいわゆるガリオアの残存物資を扱つておる特別会計でございますが、これは三月末限り発止いたしまして一般会計に全部引継ぐことに不成立予算でできておりましたところ、予算が流れ法律が流れました関係で、年度内これを存置することになりましたので、その債権収入が約十三億円減少いたしておるのであります。
 それから雑収入のところで多少ふえておりますのは、指定預金の利子でありますとか、あるいは日銀の納付金の増加でありますとか、恩給のベース・アップに伴います恩給負担金の増加でありますとか、そういつたものでございます。
 歳出の方におきまして不成立予算と大きくかわつたところだけ申し上げますと、保安庁経費におきまして百十一億一千五百万円ほど減少いたしておりますが、このうち端数の十一億円というものは年度当初から増員することになつておつた警備官等の職員の増加が、法案不成立のために遅延いたしましたのと、それから六十八隻の警備船、上陸支援艇の引渡しが七月から全部引渡しを受けるつもりでおつたのでございますが、それが現在遅れておりますので、それに伴う運営費の減少、それから、これは一般的な問題でございますが、本部の事務費、庁費、旅費等につきまして一五%減らした、こういう関係で減つております。あとの百億は、これは予算の遅延に伴いまして計画いたしておりました通り、船舶の増強充実ということが遅れましたので、計画としては、その通り進行いたすのでありますが、現金の支出としては明年度に百億円ほどずれます、船舶の関係で六十五億円、施設の関係で三十五億円でありますが、遅れますので、契約としては国庫の負担となる契約をいたすのでありますが、現金の支出としてはずれることに相なりますので、この百億円を減少いたしております。
 それから4の所に連合国財産補償費というのがございますが、これを四億円と非常に小さな金額を計上いたしました。これは連合国財産補償法第十九条によりまして、年度内に支払5べき金額が百億円を越えた場合には、その超過額は翌年度以降において払うことができるという法律の規定がございますので、二十七年度における支出額はこの四億円で、九十五億円ほどまるく繰越しになつた関係がございますので、両方合せて百億円という建前で四億円を計上した次第でございます。
 公共事業費において多少動いておりますが、事業量は減少いたしておりません。事務費、旅費につきましておおむね一五%という節約をいたしました結果、方々で減少が出て来ておるのでございます。山林で三千七百万円ほどふえておりますが、これは公共事業費の次の食糧増産対策費とも関連いたすのでありますが、前国会におきまして海岸砂地地帯農業振興臨時措置法という法律が成立を見ましたので、その関係において両方通じて一億一千万円程度新しい経費を計上しておるわけであります。
 食糧増産対策費で土地改良、開拓で増加いたしておりますのは、今言つた関係のほかに岩手県の猿ヶ石ダムにおきまして、ダムの工事に農業水利関係を合せてやることになりまして、そういうような計画が具体化して変更されました結果、この金を支出する必要が起つたのでございます。小さな節約減少がございますが、これはいずれも事務費、旅費の節約に相なつております。あるいは暫定予算の月割の関係で出なかつたという関係も含んでおります。
 文教施設費における減少、これも事務費の関係であります。災害復旧費において多少ふえておりますのは、北海道大学校舎の火災復旧等のためであります。
 それから営繕費で多少ふえておりますのは、これは国会の地下道、宿舎等の関係であります。
 それから出資及び投資は先ほど申し上げました。
 それから生活保護費で十一億円ほどふえておりますが、これは軍人恩給を四月から実施するごとになつておつたので、従つて生活保護費関係が相当減少するものと一応予定いたしておりましたところ、この法律が不成立になりまして、もちろん四月に遡及して適用するわけでございますが、すでに出ている生活保護費を後に差引き返せというわけには参らぬのでありましてそういつたずれの関係、さらに二十七年度の決算による結果においての不足もあわせて計上したわけであります。
 それから児童保護費、社会保険費、この辺はみな事務費節約の関係でございます。社会保険で日雇い保険を十月から実施する予定のものが、一月に延びたというような関係もございます。
 結核対策費も、これも節約の関係でございますが、舞鶴の国立病院を結核療養所に転換する予定になつておりましたものを、引揚げの関係からこれをとりやめたというような関係も一部入つております。
 失業対策費で、ことに失業保険で二十一億円ほどふえておりますが、これは三月ごろにおける失業状況を見まして、それを基礎として計算しますと、不成立予算よりはこの程度ふやさなければならないことになります。
 国立学校以下ずつと節約の関係でございまして育英事業費は単価引上げの実施が遅れた関係であります。
 以下大体申し上げましたが、租税払戻金が三十億円ふえております。これは過誤納関係あるいは青色申告の法人欠損繰りもどし等の関係で、最近の状況で見ますと相当ふえておりますので、不成立予算に比較いたしまして三十億円をふやしておるわけであります。
 国債費におきまし三二億円ほどふえておるのでございますが、これは一つは、漁業権証券が二十七年度中に償還になる予定になつておりましたところ、この償還が遅れましたので、その利払いがふえたことが一点。それから不成立予算の際におきましては、国鉄及び電電の負担に帰する国債は、直接国債整理基金に利子、償還金とも入れるという建前で予算を組んでおりました。その以前には一旦一般会計を通ずる仕組みになつておりましたが、今回法律を出す予定になつておりますが、七月までの暫定予算につきましては、従来のようなやり方をいたすほかはございませんので、子の関係で二億円ばかり国債の利払いの経費がふえております。
 日本電信電話公社交付金でございますが、これは御承知のように、国際電信電話公社からこの四月に国際電気通信かれかれまして、その株式を一般会計が取得してれこれを市場に売つてその代金を公社に交付して建設の財源に充てる、こういう法律の建前になつておるのでございます。不成立予算のときには二十億円程度しか売れないだろうと考えておりましたところ、この株式三十二億円の全額程度売れる見込みが立ちますので、この十二億円をふやしておるわけであります。
 それから文官の恩給につきましては、十億円ほどふえておりますが、このうち四億円ほどはこの四月から実施いたしました恩給の不均衡是正による金額が、当時九億円と考えられておりましたが、十四億円程度になりましてこ、れは実際調査いたしました結果ふえましたものでございます。それから六億円は、文官等恩給のいわゆるベース・アップを十月から実施するということで六億円を計上いたしました。年額二十四億円でございますが、十月から実施いたしますと、十、十一、十二と三箇月分を一月に払う、一、二、三月分は二十九年度になるという関係で六億円でいいわけであります。
 以上主として一般合会計につきまして申し上げたのでありますが、特別会計の各事項につきましては、この予算の説明に相当詳細に載つておりますので、この程度で終りたいと思います。
#6
○尾崎委員長 次に、渡辺主税局長の説明を求めます。渡辺喜久造君。
#7
○渡辺政府委員 租税及び印紙収入の予算につきまして補足説明をいたしたいと思います。
 お手元に「租税及び印紙収入予算の説明」というものが御配付申し上げてありまするから、ごらん願いたいと思います。
  二ページをごらん願いますと、各税の内訳が出ております。昭和二十八年度予算における租税及び印紙収入の総額の見積りは一番下にございますが、七千百六十億、こういう見積りをしております。この数字は、昨二十七年度の決算見込みの数字が大体集まつて参つておりますが、この七千九十四億に比べますと、約六十六億の増加になつております。しかし現行税法による収入見込みを見ますと、それが八千百八十四億となつておりますので、税法改正による減収額は、千二十三億と見積つている次第でございます。もつともこの現行法による収入見込額といいますのは、そこの備考に書いてございますが、去る十五国会において成立した減税案及び十六国会においてすでに物品税法等の減税案が成立しておりますが、これと、それから今後行おうとする税制改正が行われなかつた場合における見込額ということで出してございます。
 順序といたしまして、今度考えられております税制改正案の概要を御説明申し上げたいと思います。その冊子の三十ページに一応要綱が出ております。十五国会におきまして酒の税の税率引下げ、それから本国会におきまして、物品税の減税ということがすでに実施なされましたが、これと一連の関係を持ちまして今後さらに幾つかの税制改正を行いたい。主たるねらいといたしましては、すでに実施されております臨時特例法による所得税の軽減措置を平常化すること、相続税の負担軽減を行うこと、その他の幾つかの措置によりまして、負担の軽減、合理化と調整、課税の簡素化及び資本蓄積に資するための幾つかの措置を行いたいという次第でございます。
 まず所得税について申し上げますと、第一にございます事項ば、おおむねすでに行われております臨時特例法を平常化しようということでございます。すなわち、基礎控除を現行の五万円から六万円に上げる。扶養控除の最初の一人を三万五千円に引上げる。それから和与所得控除の最高限度を四万五千円に引上げる。それから社会保険料の控除を行う。税率の最初の下の方を、二万円以下百分の十五、二万円から七万円までを百分の二十にする。これらはいずれも特例法においてすでに実施されておるところでございます。特例法とかわつておりますのは、三百万円を越える金額につきまして、新たに百分の六十、五百万円を越える金額につきまして、六十五の税率をつくろうということでございますが、これは別途計画され、考えられております富裕税の廃止と見合うものと考えております。
 特例法以外の改正事項につきましては、生命保険料の控除限度四千円を八千円に引上げること、医療費控除につきましては、現在は所得の百分の十を越える分について、医療控除を認めておりますが、これを所得の百分の五を越える部分について医療控除を認め、同時に医療費控除の限度額を、現在の十万円から十五万円に引上げたい。
 それから第四は、青色申告の、いわゆる専従者控除とわれわれは呼んでおりますが、その金額がおおむね基礎控除と見合うものでございますので、基礎控除と同じように、現行の五万円から六万円に引上げる。同時にその範囲を、現在は十八歳以上となつておりますが、これを十五歳以上に拡大しておる。
 退職所得につきましては、その控除額を現行の十五万円から二十万円に引上げる。
 有価証券の譲渡所得に対する所得税は、これを廃止する。
 山林所得、不動産の譲渡所得等につきましては、さきの十五国会において提案されたと同じような考え方によりまして山林所得におきましては、いわゆる五分五乗による総合課税、不動産の譲渡所得につきましては、半額計算の総合による総合課税ということを考えております。
 それから預貯金利子に対する源泉選択の率を、現行の五十から四十に引下げる。
 また匿名組合契約に基く利益の配分について、二割の源泉徴収を行う。
 企業組合その他これに準ずる法人に対する課税の適正化をはかる措置を講ずる。
 以上おおむね前会において提案されましたと同じような案を、今国会においても提案するつもりでございます。
 次に、法人税につきましては、企業合理化促進法及び租税特別措置法に基く特別償却の範囲を広げる。
 それから貸倒準備金、価格変動準備金制度の拡張改善をはかる。
 貿易商社につきましていわゆるキャンセル準備金の制度をつくる。それから海外支店設置費について特別償却を認める。
 なお個人の有価証券の譲渡所得課税を廃止する機会におきまして従前もやつておりましたような、清算所得に対する法人税の課税を行う。
 これも十五国会の提案と大体同じでありますが、ただ一点、法人の交際費に対する課税の点につきましては、前国会におきましてもいろいろそれをすることがいいか悪いかという問題と、特にその実施のやり方につきましてまだいろいろなデータの不足どもあり、研究を要する点があるかと思われますし、御批判もございましたので、今回の提案によりましては、一応これの提案をとりやめることにしております。
 富裕税につきましては、二十八年度分から廃止する。
 相続税につきましては、従来の累積課税制度とわれわれ呼んでおりますが、人の一生を通じて、その人が相続または贈与によつて得た財産を順々に積み重ねて行きまして課税して行く。これはどうも実行がうまく参らないような、理論倒れの感じがありますので、これをやめまして、相続につきましては、その都度、贈与につきましては、一年分を合算したところによつて贈与税を課そう。
 その場合の基礎控除は、相続税につきましては、現行の三十万円を五十万円に上げる。贈与税につきましては、新たに十万円の控除をつくる。なお現在の相続法の建前からいいまして、二人ないし三人といつたような方が分割して相続した場合におきましては、それぞれの相続をした方の相続方について課税する。こういう建前をとつておりまして、昔の遺産税の建前はとつておりません。
 保険金に対する控除、退職金に対する控除を、二十万円から三十万円に上げる。
 それから税率を、大体現行の分より相続税について百分の五程度ずつ軽減しまして、贈与税につきましては、その性格からして多少それより高目にする。
 それから相続税の延納を認める範囲を拡大する。おおむね十五国会に提案されましたと同じような改正案を提案するつもりでございます。
 それから砂糖消費税につきましては、たる入れ黒糖を主としました国産の砂糖につきましては、税率はすえ置きますが、分蜜白糖、再製糖等に対するもの、それから輸入の黒糖等につきましては、税率を二割程度引上げたいと考えております。これは十五国会提案のものと同じであります。
 有価証券取引税につきましては、これは新しく譲渡所得に対する課税を廃止する機会において、こういうものをつくつたらどうかという考え方で提案するものでございます。構想は十五国会に提案したものと同様でございますが、税率におきましては、前会の提案におきましては、株式の取引について万分の二十、但し証券業者を売渡人とする場合におきましては、万分の八となつておりましたが、最近における証券市場の状況を考えまして今回の提案におきましては、万分の十五、万分の六というふうな税率になつております。
 第三次再評価につきましても、大体前会、十五国会に提案した構想をそのままとつておりますが、できるだけ再評価を促進したいという考え方で、百分の六の課税は一応いたす考え方でできておりますが、ただ納期につきまして前会の提案は第一次、第二次の再評価と同じように、初年度において百分の三、第二年度、第三年度において百分の一・五ずつ三年間に納付することになつておつたのでありますが、合同におきましては、これを五年に均分しまして百分の一・二ずつ、従いまして初年度においては、前会の提案ですと百分の三でありますが、今度は初年度におきましても百分の一・二ということに規定するという建前に考えております。
 それから減税国債の場合の租税の軽減につきましては、個人の場合におきましては、購入額の百分の二十五、法人の場合におきましては、購入額の百分の二十」、但し軽減額については、個人につきましては所得税額の百分の二十を、法人につきましては、法人税の年換算額の百分の上十を限度とする。ここまでは前会の提案と同じでございますが、発効の時期が非常に遅れましたので、法人におきましては、半年ずつ決算して行く会社におきましては、購入軽減を受け得る機会が一回になる、半年だけになるということが考えられますので、そうした改正につきましては、その前期の決算の税額と後期の決算の税額を合せたところの二割まで軽減することができるということにかえて提案するつもりであります。
 それから収入印紙の不正使用防止のために、登録税法の改正を行う。
 酒税、物品税の例にならい、その他の間接税についても、利子税の制度を設ける。
 その他必要な整備をはかる。
 以上申し上げましたのが、一応今回提案申し上げようと思つております税法の改正案の内容でございます。
 これにつきまして、一応各税について見積りがしてございます。同時に不成立予算の場合におきましては、おおむね昨年の十二月以前の資料によつて計数を整理しておつたのでございますが、その後新しい計数がわかつて参りましたので、全部新しい計数によつて計算し直すことをやつております。おもな例について簡単に申し上げます。四ページをごらん願います。所得税でございますが、現行法による収入見込額が三千五百九十五億、税法改正による減が九百二十四億、差引二千六百七十一億、このうち源泉所得税の現行法による分が二千六百五十二億、税法改正による減が七百三十三億、差引千九百十八億、不成立予算の場合におきましては、現行法による見込額は二千四百五十三億、税制改正による減が七百三億、差引千七百四十九億となつております。この数の異動関係は、先ほど申しましたように、最近の実績の数字をとつて参りますと、給与額におきまして、当初われわれが見込んでおりました額よりもやや増したというところに出ております。見積りの方法といたしましては、二十七年における給与支給人員の実績及び給与金額の実績を基礎としまして、安本の国民所得の推移等を考えまして、支給人員につきまして一応の増加を考え、同時に給与額の増加を考えております。給与額の増加は、おおむね一・四半期ごとに一%ずつ給与がふえて行くということを見積りの基礎としております。前回の見積りは、二十六年における実績をもとにして、二年飛んだ二十八年を計算しておつたのでありますが、今度は二十七年の数字がわかりましたので、それをもとにして計算しております。なお、こうして出しました数字をもとにしまして、先ほど申し述べましたような改正による増減を差引きましたところが、源泉所得税におきましては、二十八年度予算としまして千九百十八億、七ページにございますが、そういう数字になつております。
 それから申告所得税につきましても、前回におきましては、二十六年の課税実績をもとにしまして二十七年、二十八年と二年飛んだ数字を考えておつたのでありますが、二十七年の課税実績の見込みと申していい数字が大体整理できましたので、今度は二十七年の課税実績見込みをもとにしまして、全体の見積りをし直してみました。八ページにございますが、生産、物価等につきましては、おおむね安本の数字を基礎にしまして、それぞれの特殊性を考えまして見積りをつくつてございます。収入歩合等につきましても、最近実績がかわつておるものにつきましては、それぞれの計数をかえ、また滞納額等も、新しい数字が固まつて参りましたので、それぞれそれによつて計算をし直しております。九ページに、現行法の数字としまして九百四十三億とございますが、この数字は、不成立予算の場合におきましては、九百八十七億でございました。それから改正法の場合におきましては七百五十三億、不成立予算の場合におきましては七百五十九億となつております。最近の傾向としまして、納税人員の数が減りまして、一人当り課税される所得額が多少ふえて行くといつたことのために、現行法ですと相当減りますが、改正法のもとでは、それほど減らないという結果が出て参つていると思うのであります。
 それから次に、法人税でございますが、法人税につきましては、不成立予算の場合におきましては、二十六年の十二月から二十七年の十一月までの申告税額をもとにして計算しましたが、今回の場合におきましては、二十七年四月から二十八年三月までの申告税額にこれを置きかえまして、同時に最近の会社の決算の状況などを見まして、所得率において相当の減が考えられるのじやないか。大体法人税で主として顔を出して参りますのは、ごとしの三月の決算と九月の決算、来年の三月の決算は二十九年度の方へ参りますので、その辺のずれもやはり頭に入れまして、所得率のところにおきまして、不成立予算におきましては、大体一割減を考えておりましたが、今回は一割六分減という数字を出しまして、生産、物価の相乗積にこの所得率の割合をかけました総合が、十二ページに出ておりますが、今回は九一・四、前回はこれが九四・三、こういつたようなことから、法人税におきましては、不成立予算におきまして、現行法において千八百九十六億、今回は千八百十一億、やや減になつているわけでございます。改正法による減をこれに見込みまして最終の数字としまして、法人税の収入見込み額千七百一億、不成立予算の場合は千七百六十七億でございます。
 それから相続税につきましては、これも前回は二十六年度の数字をもとにしておりましたが、二十七年分が大体わかりましたので、これを基礎にし、同時にその後の推移を見まして、相当の改算を行いまして、前回の場合におきましては現行法三十一億、今回は現行法四十二億、それから減税後が前回は二十一億、今度は三十二億という計数に直してございます。
 それから富裕税につきましては、これはやはり一応最近の数字を見まして改算し直してございます。
 それから再評価税につきましては、先ほど申しましたように、第三次再評価における数字が、大分徴収の方法を今度かえましたので、その点などを考慮いたしまして、一応の見積りのし直しをしております。
 それから酒の税でございます。これは二十一ページにございます。すでに三月一日から税率引下げを行つたわけでございますが、当時の考え方といたしまして、酒の税金が下り、酒の値段が下る、それによつて消費が相当増加するだろうということを見込んで収入が立つてございます。その後の酒の出荷の状況は、比較的順調に進んでいるようでございます。今回の見積りにおきましては、前回の見積りをかえるまでの数字がまだ出ておりませんので、一応前回の数字と同じに見積つてございます。
 それから砂糖消費税でございますが、砂糖消費税につきましては、最近の引取り関係の様子がやや悪くなつておりますので、前回におきましては、現行法による収入見込みを二百八十七億とふんでございましたが、今回は二百七十億、それから増税の時期が遅れますので、増税による増が前回は五十五億と見ておりましたが、今回は三十二億、差引きまして、予算額は、前回は三百四十三億で、ございましたが、今回は三百一億に見込んでございます。
 それから揮発油税、これは二十五ページにございます。前回は二十七年の六月から十月までのをとつておりましたが、最近の数字を見まして、大分消費の増がふえているようでございますので、前回のときは百五十八億で、ございましたが、これを百八十六億に見積りをし直してございます。
 それから物品税につきましては、おおむね前回の見込みをそのままとつておりますが、資料は新しいものによつて検討しております。減税による減が前回は二十億と考えておりましたが、これは減税が遅れましたので、今回は減が十六億と見ております。
 それからあと取引所税は、大体前回と同じような見積りでございます。
 有価証券取引税につきましては、先ほど申しましたように税率が下つておりますることと、それから最近における市ばが相当沈滞しておりますので、もちろんこれがそう長く続くとは思つておりませんが、取引高について再検討を加えまして、相当の減があるものとして、収入の見積りをし直しております。
 通行税は、特に申し上げることはございません。
 関税でございますが、関税も最近いろいろな収入がちよつと落ちておりますし、さらに関税のかかるような奢侈的なものの輸入が抑制されようという傾向がありますので、前回は二百四十億と見込んでおりましたのを、一応今度は二百二十五億というふうに見込んでございます。
 屯税、それから印紙収入につきましては、大体最近の資料によつて計算をし直しましたが、そう大きな違いにはなつておりません。
 以上によりましてれ大体間接税、直接税がどんな関係の割合になるかということは三十八ページにございます。現行法によりますと直接税が五八・二%、間接税が三九・七%、その他が二一%、今回の改正後におきましては、直接税五二・九%、間接税四四・六%、その他が二・五%、二十七年度の数字に比べますと、直接税の比率が下りまして、間接税の比率がやや上つておる、こういう姿になります。
 なお国民所得に対する負担の関係につきましては、三十九ページにございます。国税のみで一四・八、地方税と合せまして二〇、この国民所得の数字は、最近の安定後の数字に一応置きかえまして計算をいたしてみました。
 なお税制改正による個々の負担につきましては、三十四ページ以下に表がございますから、ごらんを願います。そう御説明申し上げることもないと思います。
 以上をもつて一応の説明を終ります。
#8
○尾崎委員長 次に理財局長の説明を求めます。石田正君。
#9
○石田政府委員 理財局関係の若干の数字につきましては、お手元に謄写刷りのものを御配付申し上げておるのであります。それに基きまして重点的に御説明を申し上げたい存じます。
 まず第一枚目の表でございますが、二十七年度と二十八年度とを対照いたしまして、資金運用部資金の原資及び運用の計画を掲げてございます。原資の部につきましては左側にございますが、郵便貯金、それから一つ飛びまして厚生保険につきましては、二十七年度に対しまして増加をそれぞれ見込んでおります。二番目の簡保年金につきましては、二十七年度の三百五十五億に対して、二十八年度では二百十五億というふうに減少になつておりますが、これは本年度より簡保年金の特別会計におきまして独立運用をすることになりまして、積立金の半額がそちらの会計で運用されております関係で減つておるのでありまして、実質的にはふえるという勘定に相なつております。それからその他でございますが、二十七年度におきましては国有林野とか失業保険とかいうような、いろいろな特別会計におきまして相当余裕金ができまして資金運用部に預託されたのでございますが、本年度におきましては、そういう増加要因の減少が見込まれます。あるものにつきましては引出も考えられるというような状況でございまするので、見積り額といたしましては、二十七年度より減少いたしておる次第でございます。
 その次の貯蓄債券のところでございますが、これは一番初め六十億の貯蓄債券を発行することといたしまして、電源開発会社に対する資金供給を行う予定であつたのでございますが、貯蓄債券の売れ行きがとかく思わしくありませんのみならず、他面におきまして電源開発会社の資金需要も思つたほどの事業が進みません関係もございましたので、二十七年度中にすでにとりやのたのでございます。そのとりやめますまでの実績が二十七年度八億となつておりますが、本年度におきましては、この債券の発行を全然考えておりませんので、二十八年度におきましてはゼロと相なつておるわけでございます。
 その次の保有国債の売却でございますが、これは運用の方との関係からいたしまして、預託金の増加と、これから申し上げます資金運用金の回収だけでは運用をいたします資金量を充足することができませんので、資金運用部の持つておりますところの国債のうち、百八十一億を売却いたそうということでございます。
 それから既運用金の回収につきましては、あまり大きな数字の動きがございませんので説明を省略させていただきたいと思います。
 これに対しまして右側の運用の欄でございますが、これは財政資金をもつてやりまする投融資全体の需給を考慮いたしまして一般会計、産業投資特別会計等によりまするところの投融資とも見合いまして作成せられたものでございます。
 この一番上の方にありまする特別会計の特定道路のところで、二十七年度は二十二億とありますが、二十八年度はゼロになつております。これは暫定予算におきまして大体すでに五億ほど資金運用部から特定道路の方の会計に融資いたしておりますが、本予算が成立いたしました場合には、一般会計の方から出しまする資金をもつてこの融資が返されることになりまするので、それでゼロにいたしておるのでございます。
 政府関係機関につきましては、電信電話のところで二十七年度百三十五億を融資したのに対して二十八年度はゼロになつておりますが、これは料金値上げ等によりましてカバーするということになつておるのであります。なおほかに公募債七十五億が予定せられておりますることは、予算の説明にございます通りでございます。それから国有鉄道のところでございますが、二十七年度の百六十億に対して資金運用部は百四十五億を融資することになつておりますが、これも別に公募債の八十五億が、二十八年度としては新しく出て参るわけでございます。それから少し参りまして中小企業というのがございます。これは中小企業金融公庫に対するところの貸出しを考えておるわけであります。その次の農林漁業のところでございますが、この二十七年度の百十億は、農林漁業特別会計に対しまして出したものでございます。二一十八年度の五十億は、農林漁業金融公庫ができまするので、そちらの方に出すということになるわけでございます。
 それから一つ飛びまして地方債の方でございます。地方債のところは、二十七年度の八百億に対しまして二十八年度では六百九十五億と減つておりますが、これは資金運用部からの金が六百九十五億でありまして、別に簡易保険及び郵便年金の特別会計におきまして百九十億を予定いたしておりますから、両者を合せますと、二十八年度こおきまして八百八十五億となる次第でございます。
 それからこの表の一番下の欄の左のところをごらん願いますと、前年度より繰越といたしまして、五百十億というのが二十七年度に掲げてございます。これは二十六年度から二十七年度に五百十億の資金を繰越したという二とでございます。これに対しましてその右の欄に百九十九億と書いてございますが、これは二十七年度から二十八年度に繰越した資金でございます。二十七年度一ぱいにおきまして、結局この両者の差額三百十一億円だけ資金運用部の余裕金を放出したということに相なるわけでございます。
 次に、右の方の欄のそれに見合いますところに百九十九億という数字がありまして、その右に百二十六億とございます。この百二十六億と申しますのは、二十八年度から二十九年度に繰越すことを予定せられるところの資金でございます。この間におきまして七十三億の減があるわけであります。すなわち二十八年度中におきまして、その関係で七十三億現金の持越しが少くなる、かような計算に相なるのでございます。なお先ほど申しましたが、資金運用部の持つております国債を百八十一億売却いたしまするから、二十八年度におきましては、この七十三億と百八十一億を足しまして二百五十四億だけ過去の蓄積を食うということに相なる勘定でございます。
 その次のページの第二表をごらん願いたいと思います。産業投資特別会計の収支見込みを掲げたものでございますが、この会計は八月から発足する予定となつておるのでございます。収入のと二ろの一番初めに国債発行収入二百億とございますが、これは特別減税国債の発行による手取金を掲げておるものであります。第二の見返資金承継余裕金の六億九千万円の分につきましては、次の表のところで御説明いたします。第三の運用収入金でありますが、この運用金のうちの(1)と(2)は経営的の運用金を見たのでありますが、三番目の国債売却のところは、これは見返り資金から引継ぎますところの国債百八億八千万円を売ろうという予定のものでございます。
 支出の方につきましては、この収入をもちまして産業投資関係におきまして、開発銀行に三百十五億、電源開発公社に百十億合計四百二十五億を見込んでおる次第であります。次の国債整理基金べの繰入れといたしまして、六億三千万円と書いてございますが、これは特別減税国債の発行による利払いその他の利子を見てあるわけであります。一番最後の予備費でありますが、これは収支の差額で、ございまして、一応予備費として出て参ります数字は六億八千万円ということに相なる次第でございます。
 その次の第三表をごらんになりますと、見返資金特別会計の収支が、掲げてあるわけであります。これは今年の七月まで存続する予定をしておるわけでございまして、まず収入の分を見ますと、前年度剰余金受入八十一億四千万、これは二十七年度から二十八年度に持ち越されます剰余金でございます。次の運用収入の利殖金及び回収金の下に国債売却といたしまして、八十八億二千万円というのがございますが、これは七月までの間におきまして、見返り資金が持つておるところの国債をこれだけ売却いたしまして、次の欄にございますような支出をいたそうというために売り払う見込みのものでございます。
 支出におきましては、開発銀行の百四十五億、電源開発公社に対しまして四十億を支出する予定でございます。その合計は百八十五億と前段の百九十一億九千万との差額六億九千万というものが、先ほど申しましたように前の表にありますところの政字と一致しておるのでありまして、見返資金特別会計から産業投資特別会計に繰越しますところの余裕金でございます。
 この二表と三表とを合せましてれ、ごく概略申し上げますと、この二つの特別会計が一年を通じまして、結局二十七年度から繰越されました八十一億四千万というものを使い、それからそのほかに国債百九十七億を売却いたしまして、それからさらに特別減税国債二百億を発行する、そのほかに利殖金、回収金といたしまして百四十四億七千万というものを見込みまして、結局合計六百二十三億一千万という収入に対しまして、支出の方では見返り資金、産業投資特別会計になつてからの両者を含めまして、開発銀行に対しましては四百六十億円、それから電源開発公社に対しましては百五十億円を出資または融資しようということになつておるわけでございます。
 その次の表は、これは昭和二十四年に見返り資金が設置されましてから、この七月末をもちまして産業投資特別会計に引継がれる場合に一体どんなものになるであろうかということを予測いたしたものでございます。一番上の欄にありますところの資金のAとありますのは、これはこの会計が設置せられまして繰入れました全額を繰越し計上いたしておるのでございますが、その額が三千六十五億円でございます。その次には支出のうち見返り資金から控除せられた額といたしまして一千四十九億円掲げてございます。これは見返り資金から支出されましたうちで、使用になつて見返り資金に返つて来ないもので、ございまして、この内訳がどうなつておるかということは一番下の欄にございますので、ごらん願いたいと思うのであります。それを差引きますと二千十五億という数字が出て、さらに運用利益金が二百六十五億ございますので、それを合せますと、二千二百八十一億円という数字になります。これが結局産業投資特別会計に引継がれますところの純資産になるわけでございまして、その純資産の内訳は次の欄に掲げてございますから、ごらんを願いたいと思うのであります。
 最後にその次の表に掲げてございますか、二十八年度の本予算その通り実行せられたといたしました場合に、国庫の民間に対する収支状況はどうなのであろうかという予測の数字をここに掲げてあるのでございます。一番上の欄は、二十六年度から二十七年度に移りましたときの二十六年度の剰余金でございましてこれは二十八年度の歳入にとりまして支出の財源に充てるわけであります。民間の収支の関係から申しますと、二十六年度中に民間から引上げたものを二十八年度において出すということになりますから、従つてこの予算の関係から申しますと、それだけ民間に対する放出超過という計算に相なるわけでございます。その次の資金運用部資金関係でございますが、これは先ほど申し上げました数字をここに持つて来たのでありまして、要するに国債を百八十一億売り、余裕金が七十三億減りますので、結局二百五十四億を資金運用部といたしましては過去の蓄積を食いつぶすわけでありまして、これは民間に対しまして金を出すのでございますから、それだけ放出超過になる。かような結果に相なるのでございます。産業投資特別会計につきましては国債売却が百九十七億、余裕金の減少が八十」億でございますので、二百七十八億という数字が出ます。これだけ過去の蓄積を民掛に放出するというので、これが民間に対する放出超過の要因と相なるわけでございます。以上を合計いたしますると、九百八十八億という数字が出て参ります。
 その次の国際収支の関係でございますが、二十八年度中における国際収支は大体収支均衡するであろうというような見通しでございますので、その見込み通り参りました場合には、円資金の面におきまして、対民間収支はゼロになる、かような計算になるのであります。それから食管の関係でございますが、これは二十七年度末におきますところの食糧証券の発行限度と二十八年度末におきますところの食糧証券の発行限度とを比べてみますと、百十億増加するということに相なつておりますので、もしこれがその通りになりますならば、これまた民間に対しまして資金の放出超過を生ずるようになりますので、一応その数字を掲げたわけでございます。以上合計いたしました数字が千九十八億ということになつておるわけでございます。
 この表につきまして二つだけ御注意願いたいのでございますが、まず第一には、それは二十八年度の予算が予算通り施行せられた場合にはこの姿になるであろう、そういうわけでございまして、実際の結果におきましては異動を生ずるのが実例でございます。第二点といたしまして、これは二十八年の四月から二十八年の三月までの実際の数字ではないのでございまして、二十八年度の予算が二十九年度以降に繰越されましてもずつと続きました場合にこういう姿になるであろう、こういう数字でございます。その点お含みを願いたいと思うのでございます。簡単でございますが、これで説明を終らしていただきます。
#10
○尾崎委員長 次に経済審議庁調整部長より国民所得について説明を求めます。岩武照彦君。
#11
○岩武政府委員 経済審議庁の方から、国民所得の推計につきまして御説明申し上げたいと思います。
 お手元に「昭和二十八年度国民所得推計」と申します一枚刷りのものと、同じく「昭和二十八年度経済の見透し」と申します一枚刷りのものとございます。両者につきまして御説明いたしたいと思います。二十八年度の国民所得につきましては、別にお配りいたしておりまする「経済の見透し」というふうな経済の動きと、それから過般確定いたしました昭和二十七暦年度の国民所得の実績と、この二つから一応推計して参つたわけでありまして、順序といたしまして、まずお手元の「経済の見透し」という方から御説明いたしたいと思います。
 この「経済の見透し」は、左の方の項目にございまするように、生産あるいは貿易、国際収支、物価、それから雇用関係というふうなことにつき一まして、一応の本年度の見通しをつけたものであります。生産の方から申しますと、鉱工業の生産は最近は相当な産業におきまして過剰生産的な見通しもございまするが、同時に建設方面の産業、なかんずくセメント、木材等におきましては、需要の関係等もございまして、相当な生産増加をしておるようであります。また一般的に国内の需要、なかんずくこの消費需要が相当旺盛でございますので、その関係から食料品工業でありまするとか、あるいは家具等の雑工業あるいは繊維関係の一部等におきましては相当な消費増加が見込まれますので、その関係からこれらの関係におきましては相当生産の増加も見込めるのではないかというふうに考えております。お手元の資料をごらん願いますると、昭和二十七年度の実績においては戦前の一四〇となつておりますが、これが約一割見当増加いたしまして一五四ということに相なるのではないかと存じております。一五四と申しますると非常に高いように見えまするが、すでに三月の生産水準は一五四をちよつと越えております。四月におきましても一五一というふうな高い数字でございますので、端的に申しますればこの最近の傾向が横ばい的に推移する。もちろんその内部におきましては産業種によりましてやや減産ぎみのもの、あるいは増産ぎみのものもございましようが、おしなべて申しますと大体横ばいというふうな見通しでございます。
 それから農林水産でございますが、これは御承知のように昨年度は米麦ともに相当な豊作でございました。従つて昨年は指数的に見ましても一割程度増加と見ておりますが、本年は麦につきましては作付反別の減少、それから風水書等の関係もございまして、若干減収と相なるようでございます。もちろん平年作は越えるようでございますけれども、昨年の麦作に比べますと二百万石程度の減収に相なるのではないかと存じております。米の方は、これは今から作柄等もはつきりいたしませんで、一応平年作六千五百万石程度というふうに仮定いたしましてこの数字をはじいております。その他の農林産物におきましては、たとえば養蚕でありますとか、あるいは茶というふうなものも、増加の傾向が凍霜害等で若干落ちたものもございます。また豆類等におきましてはある程度減産ぎみでございます。林産の方は相当生産は増加するだろうと思いますが、ただいま水産方面は横ばい、伸び悩みというふうな状態であると存じますので、これらの指数を勘案いたしますると、大体としましては横ばいに推移するのではないかというふうに見ております。もちろん先ほどお話申しましたように、米作の実収いかんがこの指数に大きな影響を与えますので、これは一応平年作という仮定を置きました指数と御了解を願いたいと思います。
 その次の貿易の関係でありますが、最近輸出におきましては一般的には相当不振の声もございますけれども、一部の国、たとえばアルゼンチンでありますとかあるいは西独、パキスタン等におきましては、新たに通商協定も締結できて相当程度わが方の輸出もできる見込みでございますし、また英連邦諸国の方でもある程度この輸入制限を緩和するという話もあり、すでに一部香港等において輸入の緩和も行つておりますので、大観いたしまして、大体昨年度の実績程度のものの輸出は可能ではないかというふうに見ております。輸入の方は、最近はいろいろポンド地域の輸入もふえて参りましたが、これもここ一箇月くらいの傾向を見ますと、国際収支全般から考えまして、大体昨年程度の輸入はできるのではないか、輸出入価格の傾向を見ますとやや弱含みの下りぎみでございますが、量の面におきましても大体昨年程度は輸出入ともに可能であるというふうに考えております。
 国際収支でございますが、これの一番大きな問題は例の特需問題であります。特需収入と申しましても御承知のようにいろいろ範囲が広うございまして、朝鮮休戦が実現いたしましても完全に落ちるというようなことは考えられません。ことに安全保障条約に基く駐留軍の支払い関係、あるいは個人消費と申しますか軍人、軍属等の個人的な消費等は相当維持できると考えております。またいわゆる朝鮮特需、物資並びにサービスの調達でありますが、これも契約分が相当ありますので、本年度におきましてその支払いの金がまわつて来ることが考えられますので、総体といたしましては昨年度よりも大幅に減少することはないと考えております。従いましてその他の貿易外収支の状況を勘案いたしますと、昨年度は一億ドル弱の利益がありましたが、今年は若干悪化いたしましようが、おおむねとんとんで推移至るのではないかというふうに見ております。
 それから物価の関係であります。生産財の方は、先ほど生産の項で申しましたように、一般の物資は比較的弱含みで現在も若干ずつ下る傾向でありますが、他の資材状況を見て参りますと木材、セメントあるいはその他の建設土建関係資材の値上りが相当あるようでありまして、これは今年度において急速に需給関係が緩和されるということもむずかしいようでありまして、この騰勢は依然として続くのではないかというふうに見ており、大観いたしましてこれもやはり横ばいというふうに見ております。それから消費者物価でありますが、これは昨年度の後半におきまして米の消費者価格の引上げあるいは各種の料金等の値上げもございまして、これが本年度において平年度化するという関係もありますし、また冬季におきまする燃料関係の価格の動き等も、今から考えますとあるいは昨年末以上に上るのではないかというふうな傾向も若干見られますので、この消費者物価は、全体としては生産財物価よりも上りぎみで、指数に当てはめてみますと四%程度の上りに相なるのではないかというふうに推算いたしております。
 それから国民所得の方を御説明いたします。人口は十月一日現在で推算しておりますが、この一年間に約百十万ふえまして八千六百九十万程度に相なるのではないかというふうに推算いたしております。一・三%の増でございます。これは現在、大体千四百五十万人程度の雇用、つまり他人から給与を受けて仕事をやつておる者の数でございますが、千四百五十万程度でございます。これが、本年度、いろいろ電源開発あるいは食糧増産その他の財政投資の増加がございますので、その部門の人件費等を合算いたしますと、十数万の増加が期待できるのではないか、なおそのほかに例年の例といたしましては、やはり増加人口の一部が工業方面あるいはサービス業方面等に逐年就業いたしておりますので、これらを合算いたしまして大体三十万程度の雇用者の増が見られるのではないか、こういうふうに考えております。
 最後の消費水準でございます。この計上の仕方はいろいろございますが、ここに掲げてございます方式は、都市及び農村の家計費の支出の金額を戦前に比較したものでございます。現実に都市、農村におきまして家計調査をやつております結果の支出を月平均でならしまして、これを物価指数で調整したものでございます。今年度も依然としまして勤労収入、つまり賃金その他の給与所得の増加も見込めますのと、農村におきましては、これは昨年ほどではございませんが、やはり若干の増加もあるか、また農村物価の方は割合に都市と違いましておちついておりますので、その方面からの消費水準の増加も見られるというふうに考えております。都市、農村総合いたしまして、大体戦前の水準程度に相なるかというふうに推算いたしております。
 最後に、ちよつと脱落いたしましたが、賃金のことでございます。賃金は前年度に比べまして、相当顕著な増加を見ておりまして、統計上からながめますと、一割八分強の増加を見ておりますが、これは本年度におきましては企業の収益力等もございますから、あまり大幅な増加は困難だろうというふうに見ております、但しやはりこの下半期におきまする、いろいろな労働契約の改訂等もございますので、ある程度のベース・アップも行われるだろぎ。しかしまたボーナス等の不定期の給与等は企業収益力等もございますから、昨年ほどの大幅な率では行われないかと思いますが、昨年度の水準がやや上面に横ばうといたしましても、やはり年度間を平均いたしますと、八%程度の増加と相なるのではないか、こういうふうに一応推算いたしております。
 以上申しました経済指標を基礎といたしまして、今年度の国民所得を推計いたしてみますると、これは別にお配りしております国民所得推計にお示してございますが、勤労所得におきましては、二十七年度に比較いたしまして約二%の増加、二兆八千八百四十億程度かと推算いたしております。これは先ほど申し上げました賃金の上昇の傾向並びに雇用者の増加の趨勢等から推算いたしたものでございます。
 それから個人業主所得、これは簡単に申しますれば、申告所得税の対象になつておりますような、個人で企業を持つておるもののことでございます。これも消費者物価の上昇程度からにらみ合せまして、それから生産が若干伸びて参る、ことに個人業主所得におきましては、物品販売業、サービス業等もございますので、消費財の生産並びに販売量の増加等の影響を受けることは、顕著でございますので、やはりある程度増加をいたしますが、これは勤労所得ほどの増加にはなりません。大体五彩弱の二兆三千二百八十億程度かと存じております。
 それから個人の賃貸利子所得でございますが、このうちの賃貸所得におきましては、昨年度末におきまして、地代、家賃等の値上げがございました。この分が若干増加いたしたと思います。それから利子所得でございますが、これは貨幣利子のほかにいわゆる帰属利子と申しますか、金融機関の全収益ということになりますか、その利子相当分も入つておりますが、これは金融機関の資金力の増加等を考え合せまして、昨年よりも若干ふえて参ると考えております。総体といたしまして二割二、三分程度の増加と見ております。
 法人所得でございますが、これは最近収益力の低下等がいろいろ伝えられておりまして、なかなか把握がむずかしいものでございますが、この法人も、大法人あるいは小法人等と若干事情が違いましてやはり生産の一般的な増加あるいは消費者物価の上昇ぎみ等を考え合せますと、生産あるいは販売量の増加、販売高の増加等もございますので、若干伸びて参るのではないか。もちろんこれは所得でございますので、この日から企業に留保いたし、あるいは法人税をどうするということもございますが、この程度の増加に相なるのではないかと思います。総体といたしまして五兆八千二百億ばかりになりまして昨年度に比べまして八・四%の増加でございます。去る一月の国会におきまして本年度の国民所得は、五兆六千七百四十億程度かと御説明いたしておきましたが、その差額約千五百億につきましては、これは二十七年度の一部の実績と、この経済指標の方から見まして、やはりこの程度の増加が適正かと存じております。これを一人当りの実質所得で考えますと、四%強ほど戦前の実質所得を上まわつておるというふうに相なりまして、大体といたしましては、所得の水準を戦前のレベルに回復して参つているというような傾向かと存じております。
 なお財政規模あるいは租税の負担率につきましては、先ほど大蔵当局から御説明がありましたが、繰返して申しますと、一般会計に対しまして本年度の提出予算の関係は一六・六%でございまして、二十七年度の一七・四%よりも低減いたしております。また租税の負担率の関係でございますが、これも本年度は国税、地方税を通じまして二〇%ちようど、国税のみで申しますと一四・八%と相なりまして昨年度は二〇・七彩でございまして、国税分だけでは一五・二%でございましたので、租税の負担率から申しましても、低減して参つている状況でございます。
 簡単でございますが、これで終ります。
#12
○尾崎委員長 以上をもちまして予算三案に対する政府の提案理由の説明を応終了することといたします。
 本日はこの程度にし、次会は明後二十二日午前十時より開会し、質疑に入ることにいたします。
 これにて散会いたします。
    午後零時二十分散会
ソース: 国立国会図書館
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