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1953/07/29 第16回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第016回国会 本会議 第31号
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1953/07/29 第16回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第016回国会 本会議 第31号

#1
第016回国会 本会議 第31号
昭和二十八年七月二十九日(水曜日)
 議事日程 第三十号
    午後一時開議
 第一 日中貿易促進決議案(中井一夫君外六十二名提出)(委員会審査省略要求事件)
 第二 地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第三 自治大学校設置法案(内閣提出、参議院送付)
 第四 道路交通取締法の一部を改正する法律案(門司亮君外七名提出)
 第五 特別減税国債法案(内閣提出)
 第六 産業投資特別会計法案(内閣提出)
 第七 関税定率法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出)
 第八 国民金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第九 昭和二十八年産米穀についての超過供出奨励金等に対する所得税の臨時特例に関する法律案(内藤友明君外二十四名提出)
 第十 高等学校の定時制教育及び通信教育振興法案(中川源一郎君外十七名提出)
 第十一 私立学校教職員共済組合法案(内閣提出)
●本日の会議に付した事件
 日程第一 日中貿易促進決議案(中井一夫君外六十二名提出)
 日程第二 地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第三 自治大学校設置法案(内閣提出、参議院送付)
 日程第四 道路交通取締法の一部を改正する法律案(門司亮君外七名提出)
 日程第五 特別減税国債法案(内閣提出)
 日程第六 産業投資特別会計法案(内閣提出)
 日程第七 関税定率法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出)
 日程第八 国民金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第九 昭和二十八年産米穀についての超過供出奨励金等に対する所得税の臨時特例に関する法律案(内藤友明君外二十四名提出)
 日程第十 高等学校の定時制教育及び通信教育振興法案(中川源一郎君外十七名提出)
 日程第十一 私立学校教職員共済組合法案(内閣提出)
 理科教育振興法案(辻寛一君外二十四名提出)
 信用金庫法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 土地改良法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 畑地農業改良促進法案(金子與重郎君外二十四名提出)
 農業災害補償法に基く家畜共済の臨時特例に関する法律案(内閣提出)
    午後一時五十四分開議
#2
○議長(堤康次郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
#3
○議長(堤康次郎君) 日程第一は、提出者より委員会の審査省略の申出があります。右申出の通わ決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。
 日程第一、日中貿易促進決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。中井一夫君。
    〔中井一夫君登壇〕
#5
○中井一夫君 ただいま上程されました日中貿易促進決議案につき、私は、衆議院各派を代表し、その趣旨を弁明いたします。
 まず、決議案の内容を申し述べます。
   日中貿易促進決議案
  政府は、すみやかに日本と中華人民共和国との貿易上の障害である貿易制限を当面少くとも西欧並みとし、相互に通商するための渡航制限を緩和するなど日中貿易促進について適切な措置を講ずべきである。
  右決議する。
 これより提案の理由を申し述べます。
 今日、わが国の産業は深刻なる不況にあえぎ、貿易もまた極度の不振に陥り、日本経済の前途ばまことに憂慮にたえないものがあります。これが打開策として、内には国土を開発し、外には世界に対し正常貿易を伸長し、特にアジア貿易、ことに隣邦五億の大衆を擁する中国との貿易を再開すべき必要は、まさに緊急の度を加えつつあるのでありますが、(拍手)すでに西欧諸国は、今や競つて中国市場に関心を集中し、あるいは経済使節団を派遣し、あるいは見本市を開催する等、着々として大規模なる通商取引を実現しつつあるとき、歴史的、経済的、地理的に最も密接な関係にあるわが国が、ひとり貿易杜絶同様の実情にあることは、いかにしても遺憾にたえないところであります。(拍手)このときにあたり、わが国が中国との貿易に逡巡し、いたずらに日をむなしゆうし、時機を失するにおきましては、西ヨーロツパ諸国は中国市場に不抜の地歩を築き、今後わが国の進出すべき余地ははなはだしく局限せられることは必定でありまして、わが国経済の前途まことに焦慮にたえない次第であります。
 これがため、すでにわが国商、工、農、海運、水産等、すべて産業界はもちろん、地方自治団体、労働団体に至るまで、国民の各階層にわたつて、日中貿易の打開を痛切に要望しつつありますが、時あたかも、朝鮮休戦協定は幸いにして調印を見るに至りました。これまさに、中国との貿易を禁止しまたは制限するの理由が消滅に帰したとも言うべきでありまして、今こそ、政府は、国民の熱烈なる要望にこたえ、当面の諸障害を打破し、日中貿易促進のために万全をはかるべきであります。すなわち、少くとも、かの西ヨーロツパ諸国にはその輸出が許されている商品が、わが国民にはその輸出が許されていないというがごとき理由なき不公平を除表し、わが国の対中国貿易の制限をすみやかに西欧並に緩和するとともに、通商のためにする中国への渡航その他の制限をでき得る限り解除するのみならず、進んで中国との貿易促進について有効適切なる措置を講ずべきであると信じます。(拍手)
 これ、ここに衆議院各派を代表し、本決議案を提出いたしましたゆえんであります。何とぞ諸君の御賛成をお願い申します。(拍手)
#6
○議長(堤康次郎君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。
 この際外務大臣から発言を求められております。これを許します。外務大臣岡崎勝男君。
    〔国務大臣岡崎勝男君登壇〕
#8
○国務大臣(岡崎勝男君) 中共地区に対する戦略物資輸出の制限は、国際連合総会の決議の趣旨に協力して行つておるものでありますが、今後の情勢の変化をも勘案し、諸外国と歩調を一にしつつ、ただいま成立いたしました決議の御趣旨に沿うように善処いたしたい考えであります。(拍手)
     ――――◇―――――
#9
○議長(堤康次郎君) 日程第二、地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案、日程第三、自治大学校設置法案、日程第四、道路交通取締法の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。地方行政委員会理事加藤精三君。
    〔加藤精三君登壇〕
#10
○加藤精三君 地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案は、単位費用の改訂と、測定単位の改訂と、並びに府県の平衡交付金におきまして、基準財政収入額を算定するに用いますところの基準税率の変更を内容とするものでございますが、地方行政常任委員会におきましては、原案通り多数をもつて可決せられました。
 なお、これに対しましては、両派自由党及び改進党の側から附帯決議が付されておりまして、この附帯決議も可決されました。附帯決議の内容は、政府が策定しました昭和二十八年度の地方財政計画は、これに算入せられましたところの地方職員給与費の額が実情に沿わないものがあるので、さきに行われた予算の修正案の趣旨によつてこれを改めること、第二番目は、平衡交付金の計上額の増額の機会に単位費用その他木制度の全般にわたつて改善を加えて、その結果は次の国会において措置すること、この二つの事項を附帯決議として可決いたしておるのであります。
 自治大学設置法は、自治庁の管轄下に東京に自治大学校を設置することを主たる目的としている法律でありますが、本案は賛成多数をもつて原案の通り可決すべきものと議決した次第であります。
 第三番目の道路交通取締法の一部改正法律は、交通違反、交通事故等の際に行います公安委員会の運転者の営業免許の取消し、または停止処分に対しまして、この停止処分につきましては、公安委員会の定むる何箇月という一定の期間以上の停止処分について適用するのでございますが、新たに公開の聴聞会を行わなければならないことにした改正案であります。これに対しましては、もとより、運転者またはその代理者に、聴聞会に出て意見を述べ、証拠を提出することを認めておりますが、この当該の運転者、その代理者だけを保護するということになりましては、公共の利益が害されることにもなりますので、さらにその被害者その他その事案の関係者にも出席させ、または事情を聴取したり、意見を聞いたりすることができるようにした方がいいという自由党側の修正案がございまして、その修正案をあわせまして、地方行政委員会において満場一致可決せられたのであります。
 ちなみに、この道路交通取締法の一部改正法律は、社会党両派の地方行政委員会全員の提出でございまして、また法案が非常に適切な法律案でありまするために、原案も、また修正案も、ともに満場一致で可決せられましたことを喜びとするものでございます。
 母上御報告いたします。(拍手)
#11
○議長(堤康次郎君) 討論の通告があります。順次これを許します。西村力弥君。
    〔西村力勝君登壇〕
#12
○西村力弥君 私は、ただいま議題となつておりまする地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案、自治大学校設置法案、この二案に反対し、道路交通取締法の一部を改正する法律案に対しまして賛成する討論を行わんといたすものでございます。
 まず、自治大学校設置法案でございまするが、現在地方自治体におきましては、それぞれその自治体の行政事務能率の向上のために、研修機関を持つて自主的にやつているにもかかわらず、それを育成強化するという道をやめて、中央に自治大学校なるものを設置して、あたかも警察における警察大学、あるいは保安庁における保安大学のような印象を与え、そうして、大学という古い観念から、そこに学ぶことによつて何かしら自分たちにはくがつく、このようなぐあいに仕向けようとするやり方に対して、まずわれわれは反対せざるを得ないのでございます。
 私たちがこの法案について最もおそれる点は、中央にそれらの人々を招致して教育をするというのでございまするが、この人々が地方の自治団体に帰つたときに、どういう形になるか。地方の自治団体は決して権力機関じやない。住民のほんとうの福祉のために協力する機関であるにもかかわらず、それらの人々は、かつての、陸軍大学を卒業した、陸大卒の天保銭組であるがごとく自分自身を誤つて評価して、そうして次第々々に地方官庁の行政が権力化して行くということをおそれるのでございます。その点について、私たちは最も懸念をいたすのであります。かつまた、中央に招集せられ、自治庁のおえら方に教育せられた人々は、人的にも系統的にも、旧内務省官僚の閥のごとく、全国のすみずみまでその糸が引かれる、このことをおそれ、私たちはこの自治大学校設置法案に対して反対をするものであります。
 次は、地方財政平衡交付金法でございますが、そもそもこの地方財政平衡交付金法なるものは、昭和二十五年の五月三十日、シヤウプ博士の勧告に基いて制定されたのでございますが、その目的とするところは、あらためて申し上げるまでもなく、地方自治の本旨を実現するために、また地方団体に対して適当な財源を与えて、その独立性を強化するというのであります。すなわち、地方自治団体の財政需要額と財政収入額の差額を累計し、積み上げて、その不足額を平衡交付金として国の予算に計上し、これを地方団体に交付して、地方自治団体の自主性、独立性を保障することをその本旨としておるのであります。しかるにもかかわらず、吉田自由党政府は、この本旨をまつたく没却して、国家財政の窮迫に籍口して、平衡交付金を必要最小限度以下に切り下げ、そして地方財政を窮迫のどん底に陥れて、てんとして恥じざる悪政を続けていることが久しきにわたつているのであります。シヤウプ氏が来朝したそのときにおきましても、彼は最低限度千二百億円の必要を説いたのでございまするが、その際におきましても、わずか九百億を計上するにとどまり、その後も年々このような非を改めることがなく、常に必要最小限度以下に計上して、地方財政の窮迫を、まつたく冷酷無残にも、そのままに放置して来たのであります。本年度におきましても千二百五十億を計上したのでありますけれども、われわれ地方行政委員会が一致して、千五百億以上はどうしても必要であるという、そういう合理的な、実態に即応した当然の要求には、いささかも耳をかさないで、素通りしてしまおうとしたのであります。自由党、改進党の協定による予算の修正において、五十億を増額したとはいいながら、地方財政平衡交付金の本旨から見ても、また本年度の地方財政の実情から見ましても、この五十億の増額もまつたく五十歩百歩と申さなければならないのでございます。これがために、一銭一厘でもよけいもらわなければならない、もらいたいという絶対的な苦境に追い込まれておる地方自治団体が、陸続として自治庁に押しかけ、平身低頭、まことに門前市をなすというのが、おおい隠し得ない実情なのであります。
 このことは、民心すでにわれを去りたりということをひしひしとみずからさとつて、焦慮まくらのおちつくときとてない反動吉田内閣が、陳情政治をますます激化するように仕向けて、わずかばかりの補助金その他を交付して、恩恵を売ることによつて自己の命脈を保とうとする、まことにあわれむべき陳情政治のきわみと申さなければならないのでございます。(拍手)一日も早くこのようなごまかし政治はやめて、そして、すべての国民が、またすべての地方自治団体がひとしく要望するその最低を完全に保障して、地方自治の本旨を確立しなければならないときなのでございます。この平衡交付金なるものは、当然各地方自治団体の財政需要額と収入額を累計し、積み上げ、その額そのままを平衡交付金額とすべきであるにもかかわらず、今やそれはまつたく逆なコースをとつておるのでございます。
 まず、政府においては平衡交付金の総額を決定して、その総額を決定したものを、いかにして合理的につじつまを合せて見せようかとするために、単位費用を算定しているのが現状であつて、このことは明らかに地方財政法第二条に違反するものであります。すなわち、国の施策に基くその負担を地方団体に転嫁してはならないというふうになつているにもかかわらず、六・三制の実施についても、また地方公務員の給与を不当に切り下げるその措置にしましても、また自治体警察の問題にしましても、いずれも国の責任に所属するものを地方団体に転嫁している、こういうぐあいにはつきりと指摘しなければならないのでございます。
 自治警の維持に要する費用にしましても、住民一人当り最低三百五十円を必要とするということになつているにかかわらず、このたびの改正にしましても、二百九十九円しかこれを計上していない。そして、財政上の困難からやむを得ず国警に身売りをしなければならないように意図的に仕組んでいると申さなければならないのでございます。このことは、前国会において提案された警察法の改正において吉田内閣が示した、警察国家の夢よいま一度というその意図を具体的に露出しているのでありまして、俗的な比喩を用いることが許されるならば、次第々々に栄養不良に落して自然死を待つ、鬼のごとき、もらい子殺しのやり口とまつたく同じであると申さなければならないのであります。(拍手)
 なおまた、基準財政収入額を算定するにあたり、都道府県税の基準税率を百分の七十から百分の八十に引上げるということをなして来ておるのでありますが、このこともやはり、少い平衡交付金を組んで、これをもつて何とか表面を合理化すように見せようとする、これは自己弁解そのものであつて、その上に、この結果が地方自治団体の自主的な財源を極度に狭めて、まつたく地方自治団体でありながら中央の出先機関であるがごとき姿にならざるを得ないように仕組んで行くのでございまして、われわれは絶対に承服でき得ないところであります。
 最後に、わが地方行政委員会におきましては、去る六月一日、地方財政平衡交付金を納二百億円を最低として増覆すべきであると全員一致で決議し、政府に対して強力な申入れをしたのでありますが、その際、政府においてはわずか三十億、このたびの自改修正におきましても五十億の修正を見たにとどまり、このようなまつたく微温的な措置では、われわれの熱烈な要望を満たすにはあまりにも少額であり、かつまた地方財政の苦悩を払拭するには、まつたく道遠いものと申さなければならないのでございます。しかも、この五十億増額の中には、地方教職員の給与三本建に充当すると称して、三億六千万円ほどひもつきにしているのでございますが、平衡交付金なるものの本質は、決してその中にひもはつけないということでありますにかかわらず、その本旨をゆがめて、ひもつきの三億六千万円を組むということは、これは平衡交付金制度自体を軽視するやり方であると言わなければならないのであります。
 民主主義擁護を公言する政府は、さようなごまかしの単位費用の算定をただちにやめまして、地方団体の不足額の累計を生のまま平衡交付金として計上し、そして地方自治団体の自主性を確立するのだということを決意して、十分なる平衡交付金を計上して、そしてそれに基く単位費用の算定をやり直して、あらためてここに提案されることを私は望んでやまないのでございます。
 以上をもつて私の反対討論を終わといたします。(拍手)
#13
○議長(堤康次郎君) 門司亮君。
    〔門司亮君登壇〕
#14
○門司亮君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題になつております地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案並びに自治大学校設置法案の二法案に対して反対の意見を申し述べるのであります。(拍手)
 最初に自治大学の問題でございますが、自治大学の問題は、構想としてはわれわれ一応考えられるのであります。しかし、現在の日本の自治行政がきわめて重要であるということは、総理大臣の施政演説の中にもあつたのでございますが、この自治行政をいかに完全なものにするかということは、地方の自治体に勤めておりまする地方公務員のみの研修だけで、これが満足に完成されるものではございません。むしろ、日本のほんとうの地方自治体の行政、財政というようなものを満足に仕上げて行こうとするならば、それは国の中央におりまする多くの役人の頭の切りかえが私は最も必要ではないかと考えるのであります。(拍手)そう考えて参りますると同時に、この問題がきわめて重要であるといたしまするならば、全国四百六十幾つの大学を持つておりまするので、国は一つの方針として、この大学の中に一つの科目として行政科目を設けていただいて、そうしてほんとうに地方自治体の行政のあり方を、国みずからの手によつて、根本的に研修されるような道をこそ開くべきであると確信して申し上げるのであります。(拍手)このことを忘れて、単に地方の自治団体の公務員のみを、一年に百五十人ばかり――全国の自治体一万有余ありますものの中から、わずかに百五十人はかりをここに集めて、半年あるいは三月の間養成して参りましても、それは、先ほど西村君が申し上げました通り、いたずらに単なる閥をこしらえるか、あるいは本人の自尊心を増すだけでありまして、何らの効果のないものであるということを言わなければなりません。(拍手)従つて、私どもは、こうした意味において、これには反対をするのであります。
 さらに、地方財政平衡交付金の問題でございまするが、これも、われわれは当初の予算の編成にあたりまして、二百億の増額を要求いたしております。これは、地方財政平衡交付金の趣旨にのつとつて、地方の自治団体の財政基準額、あるいは需要額、あるいは収入額のこのアンバランスを埋めることのためには、どうしても二百億を必要とするとして、これを要求いたして参つたのでありますが、遺憾ながらそれはいれられなかつた。そうして、自由党、改進党あるいは鳩目の三派のこの協定によつて、五十億の増額がされたのであります。このこと自体は、私は平衡交付金がふえたということについて反対するものではございませんが、これがふえて参りまするならば、今提案されております本法案の中の平衡交付金を配分いたしまする単位費用の基礎の変更が行われなければ、いかにしてこれを配分するかということであります。配分の方法を考えないで、これを法制化しないで、ただちに平衡交付金だけを増して参りましても、手続の上には非常に大きなめんどうのものが出て来る。しかも、法律によりまするならば、国会開会のときにあらざる時期におきましては、政令によつてその単位費用をきめることができるという規定はあるのでございまするが、幸いにして国会開会中であり、しかもこの法案が提案されておりまする限りにおいては、政府は、多少の時期的あるいは事務的の煩雑はございましようが、親切なる態度であるとするならば、ここに当然単位費用の改正を行つて審議を求むべきであると考えるのであります。(拍手)われわれは、かくのごとく政府の御都合主義である、手続を十分に完了しておらないこの法案に対して、第一に反対しなければならない。
 しこうして、これを合理化することのために、附帯意見がつけられて参つておるのであります。その附帯意見は、御存じの通り、もしこれが運用されまする場合に、先ほどこれも西村君から指摘されました三億六千万円の給与費をいかに合理化するかということが、この附帯条件の最も主なる要素だと私は考えるのであります。われわれは、こう考えて参りまするならば、やはり平衡交付金法の第三条の四項にあります通り、国は平衡交付金を支給する場合には、地方の自治体の本旨にのつとり、その自主性を尊重して、条件をつけたり、あるいはこれに意見をつけてはならないということを明確に法律に規定いたしておりますものに、いささか違反するものであると断ぜざるを得ないのであります。(拍手)かくのごとき、法律みずからを破るような法案に対しましては、賛成をするわけには参りません。
 さらに、第十四条の修正でありまするが、十四条の修正は、税率の七〇%までを一応平衡交付金の算定の基礎に見るという現行法を、府県に限つて八〇%にこれを引上げようとする案であります。この案は、政府のきわめてずるい物の考え方である。地方の公共団体から要求された全額を平衡交付金として支給されまするならば、こういう処置はいらないのであります。政府は、地方の団体から積み上げて参りましたその総額を全額支給することをしないで、政府のお手盛り案で、いいかげんにこれを支給しておいて、その支給された中から、地方の公共団体相互間においてこれをコントロールしようというような間違つた物の考え方であります。私は、もし政府に良心があるならば、こういう間違つたことをしないで、やはり地方自治体から要求いたして参つておりますこの地方財政平衡交付金の趣旨に沿うた平衡交付金の処置をとるべきであると考えておるのであります。従いまして、こういうみずからの責任を果さずして、今日赤字で非常に苦しんでおりまする地方の公共団体の中でこれをあんばいするというようなことは最もいけないことである。しこうして、これが地方の自治体にいかなる影響を持つておるか。すなわち、四十六都道府県の知事会議において、富裕府県と富裕府県にあらざる県の知事の間に対立抗争が行われたということは、諸君も御存じの通りであります。地方の自治体にこの対立抗争までも招くような、こういう地方平衡交付金法案の改正に対しましては、私ども日本社会党といたしましては、断固として反対せざるを得ないのであります。(拍手)
 以上を申し上げまして、私の両法案に対する反対の意見を御了承願いたいと思うのであります。(拍手)
#15
○議長(堤康次郎君) これにて討論は終局いたしました。
 まず、日程第二及び第三の両案を一括して採決いたします。両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#16
○議長(堤康次郎君) 起立多数。よつて両案とも委員長報告の通り可決いたしました。
 次に、日程第四につき採決いたします。本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り決しました。
     ――――◇―――――
#18
○議長(堤康次郎君) 日程第五、特別減税国債法案、日程第六、産業投資特別会計法案、日程第七、関税定率法等の一部を改正する等の法律案、日程第八、国民金融公庫法の一部を改正する法律案、日程第九、昭和二十八年産米穀についての超過供出奨励金等に対する所得税の臨時特例に関する法律案、右五案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員福田赳夫君。
    〔福田赳夫君登壇〕
#19
○福田赳夫君 ただいま議題となりました五法案につきまして、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、特別減税国債法案について申し上げます。本案の内容は、今回設置を予定しております産業投資特別会計の財源に充てるため、昭和二十八年度において二百億円を限つて特別減税国債を発行するものでありまして、その利率は年四分、償還期限は五年以内とするとともに、その消化を促進するために、これを購入した者に対しましては一定の減税を行うこととし、個人が購入した場合には、昭和二十八年度分の所得税から、その税額の二〇%相当額を限度とし、購入額の二五%に相当する税額を軽減し、また法人が購入した場合におきましては、昭和二十八年八月一日から昭和二十九年三月三十一日までの間に申告期限の到来する法人税から、その税額の年換算額の二〇%相当額を限度として、購入額の二一%に相当する税額を軽減することといたしているのであります。
 次に、産業投資特別会計法案について申し上げます。この法律案は、わが国経済の再建、産業の開発及び貿易の振興のため、米国対日援助見返資金特別会計を廃止いたしまして、新たに産業投資特別会計を設置し、同特別会計の負担において、特別減税国債の発行による収入金及び米国対日援助見返資金特別会計からの承継資産から生ずる収入金等を主要財源として投資を行うことといたそうとするものであります。
 以上の二法律案につきましては、審議の結果、昨二十八日質疑を打切り、討論を省略いたしまして、ただちに一括採決いたしましたところ、いずれも起立多数をもつて原案の通り可決いたした次第であります。
 次に、関税定率法等の一部を改正する等の法律案について申し上げます。この法律案は、現下の情勢にかんがみ、わが国産業の維持育成をはかるため、セメンシナその他の物品の輸入税を引上げるとともに、輸入税の免税品目を整備し、また児童給食用ミルク等の輸入税の免税期間を延長する等の措置を講ずることといたしております。
 本案に関しましては、内藤委員より修正案が提出いたされました。修正のおもなる点は次の六点であります。
 まず第一点、こんにやくいもの輸入税率について、政府原案におきましては一割五分から一挙四割五分に引上げられているのでありますが、一般大衆の食生活の負担に及ぼす影響等を考慮して、これを四割程度の引上げにとどめることにいたした次第であります。
 第二点、四エチル鉛につきましては、現在二割の輸入税を課せられているのでありますが、国内生産の状況等にかんがみまして、来年三月末までこれを免税することにいたした次第であります。
 第三点、カーボン・ブラツクは、政府原案において今回一割から二割に輸入税率の引上げが計画されているのでありますが、なお輸入を確保する必要がありますので、来年三月末まで現行一割の税率をすえ置くことといたした次第であります。
 第四点、新聞用紙の輸入税率は、現在一割となつているのでありますが、その需給の現状等にかんがみまして、来年三月末までこれを七分五厘に軽減することといたした次第であります。
 第五点、みぞレールの輸入税は、本年九月末までの輸入につきましては、これを引続き免税することになつているのでありますが、地方公共団体向けの既契約品の船積みが遅れた関係もありますので、その免税期間を本年十二月末まで延長することといたしたのであります。
 第六点、鋼矢板は、現在国産品ではとうてい品質、規格等の点でその需要を満足さぜることができませんので、本年十二月末まで引続きこれを免税とすることにいたした次第であります。
 本案につきましては、審議の結果、昨二十八日質疑を打切り、原案及び修正案ともに討論を省略して、ただちに採決に入りましたところ、修正案及び修正部分を除く原案はいずれも起立総員をもつて可決された次第であります。よつて本案は修正議決すべきものと決した次第であります。
    〔議長退席、副議長着席〕
 次に、国民金融公庫法の一部を改正する法律案について申し上げます。この法案ば、昭和二十八年度予算において、一般会計から四十五億円を国民金融公庫に出資し、これにより公庫の資本金を百七十五億円にすることとし、かつ公庫の資金量の増大に伴いまして公庫の業務の円滑な遂行をはかるため、事務所の設置に関する制限規定を削除するとともに、公庫の役職員に対する退職手当につきましては国家公務員の例によらないこととし、これに伴つて国家公務員共済組合法の適用を除外する等、所要の改正をいたそうとするものであります。
 次に、昭和二十八年産米穀についての超過供出奨励金等に対する所得税の臨時特例に関する法律案について申し上げます。この法律案ば、食糧需給の現況にかんがみ、米穀の供出等を促進するため、超過供出の奨励金等に対して所得税を課さないことにしようとするものであります。
 右の両法律案につきましては、審議の結果、昨二十八日質疑を打切り、討論を省略して、ただちに一括採決いたしましたところ、いずれも起立総員をもつて原案の通り可決いたしました。
 右御報告をいたします。(拍手)
#20
○副議長(原彪君) まず、日程第五及び第六の両案を一括して採決いたします。両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#21
○副議長(原彪君) 起立多数。よつて両案とも委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
 次に、日程第七ないし第九の三案を一括して採決いたします。日程第七の委員長の報告は修正でありまして、日程第八及び第九の委員長の報告は可決であります。三案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○副議長(原彪君) 御異議なしと認めます。よつて三案は委員長報告の通り決しました。
     ――――◇―――――
#23
○副議長(原彪君) 日程第十、高等学校の定時制教育及び通信教育振興法案、日程第十一、私立学校教職員共済組合法案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。文部委員長辻寛一君。
    〔辻寛一君登壇〕
#24
○辻寛一君 ただいま議題となりました高等学校の定時制教育及び通信教育振興法案並びに私立学校教職員共済組合法案につきまして、両案を一括して御報告申し上げます。
 まず、高等学校の定時制教育及び通信教育振興法案について申し上げます。
 高等学校の定時制課程は、中学校卒業後なお働きながら高等学校の課程の勉学を続けたいと希望する青年のために、昭和二十三年に開設された制度でありますが、年々非常に入学者が増加いたしまして、本年度定時制課程が五十八万人、通信教育が三万四千人という激増を示しており、今後なお増加の傾向が著しいものと予想せられるのであります。従つて、地方公共団体におきましては、熱心にその開設と設備の充実とに努力しておるのでありますが、何分にも地方財政がはなはだ不如意なため、その設備たるやまことに貧弱であり、さらに通信教育に至つては、これを熱心に希望する青年が多いにもかかわらず、経費に圧迫されておりまするので、なかなかその要望を満たすことができない実情であります。かような次第でありますので、公立の高等学校の定時制課程及び通信教育の設備を充実し、並びに通信教育の運営に必要な経費を予算の範囲内で国から補助を与え、もつて勤労青年の教育を一段と充実しようとするのが、本法案の眼目であります。
 次に、審議の結果を申し上げます。各委員の熱心かつ慎重な審議の結果、自由党の天野公義君より、私立の高等学校の定時制課程に対しても公立の場合と同様の補助を与える必要があるという修正案が提出せられました。
 かくて討論に入りましたが、日本社会党を代表して野原覺君の反対意見が述べられ、日本社会党を代表して前田榮之助君より賛成意見がありまして、討論を打切り採決の結果、修正部分を除く原案並びに修正案は起立多数をもつて可決せられました。
 次に、私立学校教職員共済組合法案について申し上げます。
 私立学校が、その特有の学風と自主性とをもつて、わが国の学校教育の上に果した功績は、まことに多大なものがあります。従つて、さきに私立学校法及び私立学校振興会法を制定いたしまして、さらに今後十分なる発達を期待しておりますことは、御承知の通りであります。
 本来、教育事業は、一に教育者その人にまつものであります。従つて、国立、公立、私立の別を問わず、教員にその人を得なければならないことが基礎的条件であります。しかし、それには、安んじて教育に専念し得られるように、その待遇及び福利厚生施設等について、できるだけの優遇措置を講ずることが必要であります。しかるに、国、公立の教職員の場合と私立学校の場合を比較いたしますと、その福利厚生の面におきまして、私立学校の方が著しく立ち遅れておりまして、ひとしく国民に対する奉仕者でありながら、均衡がとれていないのであります。私学恩給財団と私学教職員共済会とがありますけれども、その財政的基礎、給付の種類及び内容等、まことに不十分な実情にあるのであります。そこで、この福利厚生施設につきまして、国、公立の教職員と均衡を保ち、しかも私立の特色と自主性とを生かしながら、この二つの財団法人を発展的に解消いたしまして、新たに私立学校教職員共済組合を設立し、原則として教職員の全員を強制加入させることによつてその福利厚生をはかろうとするのが、本法案の趣旨であります。従いまして、この法案の内容は、全国約四千の学校の教職員七万六千人を対象として共済組合を設立し、その組織、業務内容、経費の補助及び監督等について詳細な規定を設けているのであります。
 その具体的内容は速記録によつて御承知願うことといたしまして、次に審議の結果を申し上げます。
 当委員会におきましては、きわめて慎重なる審議をもつて十分に検討を加えましたところ、自由党伊藤郷一君より、経費の補助に関しては都道府県にも応分に期待することとし、強制選択加入に関する除外規定を新たに設け、関連法規との調整をはかること等に関する修正案が提出せられました。かくて、討論を省略、採決に入りましたところ、修正案並びに修正部分を除く原案は起立総員をもつて可決せられました。
 次いで、日本社会党の山崎始男君より、組合の役員の選任及び運営は努めて自主的にかつ公正を要すること、掛金の割合等を明確にすること、及び国庫と都道府県の助成は大幅にせらるべきこと等の附帯決議を付せられたいとの動議が出ましたところ、起立総員をもつて採択に決しました。かくて、本案は附帯決議を付しまして修正議決せられたのでございます。
 以上御報告を申し上げます。(拍手)
#25
○副議長(原彪君) まず日程第十につき採決いたします。本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#26
○副議長(原彪君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り決しました。
 次に、日程第十一につき採決いたします。本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#27
○副議長(原彪君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り決しました。
     ――――◇―――――
#28
○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、辻寛一君外二十四名提出、理科教育振興法案は、その提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
#29
○副議長(原彪君) 今村君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○副議長(原彪君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 理科教育振興法案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。坂田道太君。
    〔坂田道太君登壇〕
#31
○坂田道太君 私は、ただいま議題となりました、辻寛一君外二十四名の提案にかかる理科教育振興法案について、提案者を代表して、その提案理由の概要並びに法案の骨子を御説明申し上げます。
 御承知の通り、わが国の現状は、国土も狭く、資源もきわめて乏しい実直であります。この窮状の上に八千万の国民が文化的な国家を建設するためには、何をおいても全国民の一人々々がひとしく合理的、科学的になるよりほかに方法がないのであります。資源に恵まれ、経済力ゆたかな欧米におきましても、科学の振興には絶大の努力が払われつつあることは、すでに十分御承知のことと存じます。この世界の大勢に伍する上からも、科学の振興こそは国家の一大責務であると考えます。しかして、科学の振興は、その基礎である小、中、高等学校の理科教育にまたなければなりません。その理科教育を振興するには、何よりもまず適切なる施設、設備が必要なことは明らかでございます。しかるに、わが国小、中、高等学校の理科施設、設備の現状はきわめて不完全でありまして、十数年にわたりほとんど放任の状態でありました。加うるに、戦災によるはなはだしい損耗も依然として回復されず、非戦災校におきましても、破損消耗のため、その設備は使用不能の状態でありまして、小学校の全国平均の現有設備は基準の約一八%、中学校一一%、高等学校二一%という、はなはだしい低率を示しております。しかも、このまま放置しておくときは、これが改善される見通しはほとんどないのであります。この危機を脱するために、国において財政的措置をはかり、理科設備の充実、理科教育の振興を期することが、目下の急務であります。科学振興という理想を実現するためには、まず小、中、高等学校における理科教育の充実をはかることが先決でなければならない、こういう見地に立ちまして、私ども提案者一同は本法案を取上げた次第でございます。民族の将来を思い、文化国家の基盤を考えまして、数多い教科目の中から、あえてこの理科を取上げまして、この振興を提案いたしたゆえんでございます。
 次に、この法案の骨子を御説明申し上げます。
 第一に、この法律案は、学校教育における理科教育の目的を明確に規定し、理科教育の振興をはかるため国の果すべき任務を規定してあります。
 第二に、理科教育に関する重要事項を審議するため中央に設けられる理科教育審議会の構成及びその任務を規定してあります。
 第三に、公立学校の理科教育設備を整えるために要する経費の国庫補助を規定してあります。学校教育の内容に関して、理科設備は最も多額の経費を要するのでございまするが、従来これはもつぱら父兄の負担においてまかなわれた実情でありました、本法案におきましては、国庫補助の道を開き、公費によつて理科教育の生命とする実験、観察のための設備の充実をはかることになつているのであります。
 以上、この法案の趣旨及び大要について申し述べましたが、本法案は、理科教育の現状を考えますと、まだまだ不十分でございます。しかし、国家財政の実情にかんがみ、この程度にとどめた次第であります。しかし、本法案が成立し、施行されますならば、学校教育は著しく充実し、生徒、児童の学習意欲を高め、わが国の教育の振興に貢献するところきわめて大きいことを確信いたす次第であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
#32
○副議長(原彪君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○副議長(原彪君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。
     ――――◇―――――
#34
○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、信用金庫法の一部を改正する法律案、食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#35
○副議長(原彪君) 今村君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#36
○副議長(原彪君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 信用金庫法の一部を改正する法律案、食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員福田赳夫君。
    〔福田赳夫君登壇〕
#37
○福田赳夫君 ただいま議題となりました両法案につきまして、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、信用金庫法の一部を改正する法律案について申し上げます。この法案は、金融秩序の維持をはかるために、信用金庫以外の資金の融通を業とする者に対して、他の法律により使用する場合を除くほか、その名称中に金庫という文字を使用することを禁止しようとするものであります。但し、現に金庫という文字を使用している者につきましては、本法施行後六箇月間はなお従前の例によることといたしております。
 本法案につきましては、自由、改進、自由三派から共同修正案が提案されました。修正案は、金銭の貸付を業として行う者のほかに、その他政令で定める投資を業として行う者も、その名称中に金庫という文字を用いてはならないこととし、証券または不動産への投資を業として行つている匿名組合組織のものをもこれに含ましめようとするものであります。
 本案は、討論を省略して、修正案及び修正案を除く原案についてそれぞれ採決いたしましたところ、いずれも起立多数をもつて修正議決いたされました。
 次に、食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。この法律案は、現在小学校における児童への給食の用に供する麦等につきましては、食糧管理法の一部を改正する法律附則第二項の規定により、農林大臣の定める特別の価格をもつて売り渡すこととなつておりますが、これによつて食糧管理特別会計に生ずる損失を補填するため、予算の定める範囲内において、当分の間一般会計から同特別会計に繰入金をすることができることといたそうとするものでありまして、昭和二十八年度におきましては、繰入金として十五億円余を予定いたしております。
 本案に関しましては、自由、改進、自由三派共同の修正案が提出いたされました。修正の趣旨は、今回の昭和二十八年度予算案の修正によりまして、昭和二十八年産米について供出完遂奨励金石当り八百円を支出いたすことになりましたことに伴いまして、これに要する経費二百億円をまかないますため、食糧証券発行限度額を二千二百億円より二千四百億円に拡張いたそうとするものであります。
 本案につきましては、審議の結果、二十八日質疑を打切り、二十九日討論に入り、自由党を代表して淺香委員は賛成の旨討論せられました。次いで採決に入りましたところ、修正案及び修正部分を除く原案はいずれも起立多数をもつて可決され、よつて本案は修正議決いたしました。
 なお、本案に対しては附帯決議を付することに決しましたことをつけ加えて御報告申し上げます。
 右御報告申し上げます。(拍手)
#38
○副議長(原彪君) 両案を一括して採決いたします。両案の委員長の報告はいずれも修正であります。両案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#39
○副議長(原彪君) 起立多数。よつて両案とも委員長報告の通り決しました。
#40
○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、土地改良法の一部を改正する法律案、金子與重郎君外二十四名提出、畑地農業歌良促進法案、内閣提出、農業災害補償法に基く家畜共済の臨時特例に関する法律案、右三案を一括して議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#41
○副議長(原彪君) 今村君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#42
○副議長(原彪君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 土地改良法の一部を改正する法律案、畑地農業改良促進法案、農業災害補償法に基く家畜共済の臨時特例に関する法律案、右三案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。農林委員会理事佐竹新市君。
    〔佐竹新市君登壇〕
#43
○佐竹新市君 ただいま議題と相なりました、内閣提出、土地改良法の一部を改正する法律案、金子與重郎君外二十四名提出、畑地農業改良促進法案、並びに内閣提出、農業災害補償法に基く家畜共済の臨時特例に関する法律案につきまして、農林委員会におきまする審議の経過並びに結果の概要を簡単に御報告申し上げます。
 まず、土地改良法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 現行土地改良法は、御承知のごとく昭和二十四年八月施行せられ、爾来、国土資源の総合的開発の見地に立ちまして、灌漑排水施設、農業用道路の整備、農地の区画整理、農地の集団化、農地の造成及び保全並びにその災害復旧等の土地改良事業を実施いたし、食糧生産の増強、農業生産力の高揚に多大の貢献をいたして参つたのであります。しかしながら、施行以来今日までの運営実施の状況を検討いたしますと、土地改良事業の実施の手続の点で煩瑣に過ぎますので、これが簡素化をはかりますほか、土地改良事業の一層円滑な推進をはかりますために、土地改良区の組合員以外からも役員を置くことができること、国営並びに都道府県営土地改良事業についても必要により計画変更をすること、市町村も土地改良事業を行い得ることとすること、並びに農地法に基いて買収した土地につき国または都道府県が開田または干拓事業を行う場合、必要と認めるときは、その近傍の民有地について土地改良事業をなし得ること等につき改正をいたす必要がありますので、本法案を提出することとなつたのであります。
 本法案は、七月七日本農林委員会付託となり、翌八日保利農林大臣より提案理由の説明を聴取いたした上、十七日から審議に入りました。その審議におきまして、農道の整備拡充、今後市町村が行わんとする土地改良事業と既設の土地改良区との競合関係、畑地に対する改良事業の促進、土地改良事業に対する科学技術の導入等の諸問題に対し、各委員から建設的御意見の御開陳がございましたが、詳細ば速記録に譲りたいと存じます。
 次いで、本日質疑終了後、討論を省略、別項のごとき附帯決議を付しまして、全会一致をもつて原案の通り可決いたしました。
   土地改良法の一部を改正する法律案の附帯決議
  本法による政府の助成対象面積は、一事業主体につき五町歩以上とすること。
 この附帯決議もまた全会一致をもつて可決いたしました。
 次に、畑地農業改良促進法案について申し上げます。
 御承知のごとく、現在わが国総耕地面積約五百万町歩のうち、その半分近い二百余万町歩が畑地でありまして、これが食糧生産並びに農業経営安定上に占める地位はきわめて高いのでありますが、この畑地農業は、一般に灌漑施設を欠き、もつぱら自然の降雨に依存しております関係上、しばしば早魃をこうむつている状況であります。従いまして、これら畑地につきまして、灌漑施設の設置をいたしまするとともに、その他土地改良及び農業技術の普及改善を行い、土地利用の高度化をはかりますならば、比較的短期間のうちに飛躍的増産効果をあげ得ることは明白なのであります。従いまして、今後強力に畑地農業の振興対策を促進いたします目的をもつて、畑地地域に対し、総合的計画に基き事業を実施いたしまして、灌漑施設を設置するとともに、区画整理、客土、農道等の土地改良事業を施行し、耕種改善等の農業技術の高度化をはかることとし、これに対し国が予算の範囲内でこれを助成すること等を内容とする本法案をここに提出することとなつたのであります。
 本法案は、去る七月二十七日本農林委員会付託となり、本二十九日、提案者を代表して金子委員より提案理由の説明がございました後、質疑に入りました。その質疑の折、本法案は畑地農業振興上画期的意義を有するものであるから、政府においてもその意議を十分認識して所期の成果を発揮し得るよう、予算その他の点について万遺憾なき措置を講ずべきであるとの積極的な御意見の開陳がございました。
 本日質疑を終了後、討論省略、別項のごとき附帯決議を付して、全会一致をもつて可決いたしました。
   畑地農業改良促進法案の附帯決議
  本法による政府の助成対象面積は、一事業主体につき五町歩以上とすること。
 なお、この附帯決議もまた全会一致をもつて可決されました。
 次に、農業災害補償法に基く家畜共済の臨時特例に関する法律案について申し上げます。
 現行農業共済制度におきまして、家畜共済には、死亡廃用共済、疾病傷害共済並びに生産共済の三種類ありまして、これらはそれぞれ一応別々のものとして諸般の事項が組み立てられておるのであります。従いまして、疾病傷害共済の掛金の大部分が国の再保険に付せられまする等の関係もありまして、共済事故が少ければ国から来る再保険金も少いので、事故をかえつて誘発するというような、いわば道徳的危険を増大せしめる欠陥を含んでおるのであります。従いまして、死亡廃用共済と疾病傷害共済とを一元化して事務手続の簡素化に役立たしめまするとともに、家畜診療態勢の拡大、死亡廃用事故率の低下をはかりますることが、本制度を改善しまする上の重要な目標と相なるのであります。そこで、政府は、この両共済を総合して死廃病傷共済となし、掛金率等の算定について必要な基礎資料を得る目的をもつて、今後おおむね二箇年を限り、農林大臣の指定する共済組合に対して試験を行おうとして、本法案を提出されたのであります。
 本法案に対しましては日本獣医師会よりの反対陳情が行われておりまする等の関係もありまして、委員会としましては、その細部の検討を行い、慎重を期しまする意味合いをもちまして、農業共済制度に関する小委員会に本案を付託することとしたのであります。小委員会としましては、前後五回にわたり会議を開き、その間政府よりの説明を聞きますることはもちろん、参考人の参考意見の聴取、埼玉県下への現地調査等を行い、真摯なる態度をもちまして調査研究を続けました結果、七月二十八日、足鹿小委員長より、本法制定後、法の運用上政府に対して要求すべき点として各派間に意見の一致を見たる事項は、一、死廃病傷共済の種類はA種とB2種とすること、二、開業獣医師を家畜診療所の有給嘱託とし、かつ専任獣医師偏重となるような特別の指導方針をとらしめないこと、三、特別賦課金制度はとらないこと、四、二十八年度実験対象馬頭数は五十万頭とすること、五、中央及び地方の保険審査会に開業獣医師代表を参加させること、六、家畜の繁殖障害等の事故については、一事故の診療給付限度引上げに努めること、以上の六点であつて、これらを本法律案の附帯決議とせられたい旨の報告並びに要望が述べられたのであります。
 よつて、委員会としましては、本法律案を議題とし、討論を省略して採決に付しましたるところ、本法案は政府原案のごとく可決すべきものと決し、次いで、前に足鹿小委員長より報告せられた要求事項を附帯決議とすることについて諮り、これまた総員の賛成を得た次第であります。
 右御報告申し上げます。(拍手)
#44
○副議長(原彪君) 三案を一括して採決いたします。三案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#45
○副議長(原彪君) 御異議なしと認めます。よつて三案は委員長報告の通り可決いたしました。
 明三十日は定刻より本会議を開きます。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後三時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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