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1953/08/01 第16回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第016回国会 本会議 第34号
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1953/08/01 第16回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第016回国会 本会議 第34号

#1
第016回国会 本会議 第34号
昭和二十八年八月一日(土曜日)
 議事日程 第三十三号
    午後一時開議
 第一 法人税法の一部を改正する法律案(内閣提出)(前会の続)
 第二 所得税法の一部を改正する法律案(内閣提出)(前会の続)
 第三 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)(面会の続)
 第四 国家公務員等に対する退職手当の臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)(前会の続)
 第五 信用保証協会法案(内閣提出)(前会の続)
 第六 戦争犯罪による受刑者の赦免に関する決議案(山下春江君外二十四名提出)
 第七 岡崎外務大臣不信任決議案(鈴木茂三郎兼外百三十一名提出)(委員会審査省略要求事件)
 第八 恩給法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院回付)
 第九刑法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第十判事補の職権の特例等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第十一 協同組合による金融事業に関する法律等の一部を改正する法律案(千葉三郎君外十一名提出)
 第十二 医療法の一部を改正する法律案(参議院提出)
 第十三 昭和二十八年六月及び七月の大水害による公立教育施設の災害の復旧事業についての国の費用負担及び補助に関する特別措置法案(参議院提出)
    ―――――――――――――
●本日の会議に付した事件
 衆議院議長不信任決議案(勝間田清一君外百三十一名提出)
 日程第八 恩給法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院回付)
    午後六時四十三分開議
#2
○副議長(原彪君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
#3
○副議長(原彪君) 勝間田清一君外百三十一名から、衆議院議長不信任決議案が提出されております。本案は委員会の審査を省略して議題とするに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○副議長(原彪君) 御異議なしと認めます。
 衆議院議長不信任決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。中村高一君。
    〔中村高一君登壇〕
#5
○中村高一君 私は、ただいま上程せられました、社会党両派共同提案の、衆議院議長堤康次郎君の不信任決議案の趣旨を弁明いたします。(拍手)
 堤議長は、さきに議長に就任にあたりまして、本議場におきまして就任のあいさつを申し上げた中に、こういうことを申しておるのであります。「私は、国会の権威を高めるために、」「最も厳正に、最も公平にこの職務を遂行いたしたいと存じます。」「申すまでもなく、国会は政府に隷属する機関ではありません。従つて、政府には幾多不満の点があるかもしれませんが、これまたやむを得ません。」、再び議長は、終りに際しまして、重ねて「私は、最も厳正に、最も公平にこの職務を遂行するということを、重ねてお誓い申し上げます。」と言つております。(発言する者多し)これから先だ、問題は。問題はこれから先であります。かくのごとき、まことに公平無私であるかのごとき議長が、昨日の議事運営の仕方は、いかがでありましたか。(拍手)日ごろは、振鈴を鳴らしても、議長席に着いたまま従容として議員諸君の着席を待ち、出席の少いときは再三にわたり催促をいたし、おもむろに議事を進めるだけの沈着にして練達な堤議長が、昨日の態度はいかがでありましたか。(拍手)何ゆえに振鈴と同時に――人によると、まだ振鈴が鳴つておつたと言う人さえあるのであります。(拍手)しかるに、突如として開会を宜し、急いで事務総長の書いた紙片を読み上げて、逃げるがごとく退場してしまつたのであります。(拍手)世俗にいわゆるあき巣ねらいという言葉がありますが、(拍手)こういうことを言うのであります。しかも、いいですか、エンジンをかけたままの自動車を表に待たせて逃げ出すなどは、まことに国会の最高の職務でありまする衆議院議長の職務のために悲しむものであります。(拍手)
 衆議院規則の第二百一条によりまするならば、「議事は、速記法によつてこれを速記する。」とある。しかるに、昨日の会議録をごらんになつたならば、速記に一体どういう文字が書かれてあるか。いかなる議事を進行したかも不明なような会議録のあることを見ましても、いかに議事が無理と不当であつたかがわかると思うのであります。(拍手)重ねて堤議長のために悲しむものであります。何がゆえにかくのごとき不当な議事の運営をしなければならなかつたか。
 堤康次郎君は、当選九回に及びまして、議事の運営の方法などは十分に承知をしておられるはずであります。聞くところによると、議場に入る前に、議長は辞表を提出して議場に臨んだのであります。(拍手)一体、辞表を提出した議長が、議事をとつて、それが法律的に、また政治的に有効であるかどうかは、大きな疑問があります。(拍手)辞表を提出したことは、明らかに自分は議長の職をとらないということが辞表の趣旨であります。(拍手)しかるに、辞表を出しながら議長席に出るなどというようなことは、まことに国会運営の上におきまして天下の公器をもてあそぶものであるとわれわれは考えるのであります。(拍手)
 かくのごとき議長によりまして行われた議事は無論無効でありますが(拍手、発言する者多く、議場騒然)少くとも辞表を提出した以上は、その席を副議長に譲ることが政治的な常識であります。辞表を提出しながら議長席に着くなどというばかな議長はどこにもありません。(拍手)町村会に行つてみても、どこの議会においても、辞表を提出したときは、その席を副議長に譲るということが、これまた議事の常識であります。国会の議事の運営を十分に知つている議長が、あえて不当な議事の運営をいたしたことは、おそらく議長としては、どんな無理をしても議事を強行する決意の強いものがあつたのだと信ずるのであります。議案を通すために、議会の多年の慣例を無視し、不当な行動をとつて、民主国会の権威を失墜せしめた責任は、きわめて大なるものがあります。(拍手、発言する者多し)政治的良心がありまするならば、議長の職をしりぞくのが当然と思うのであります。(拍手)しかるにもかかわらず、一旦提出した辞表を再び撤回して議長の職務をとる以上は、われわれは、民主政治擁護のために、議長の行動を糾弾し、議長の不信任案を提出するに至つたゆえんであります。(拍手)
 何とぞ国会の権威のために議員諸君の御賛同をお願いする次第であります。(拍手)
#6
○副議長(原彪君) これより討論に入ります。本多市郎君。
    〔発言する者あり〕
    〔本多市郎君登壇〕
    〔発言する者、離席する者多く、議場騒然〕
#7
○副議長(原彪君) 静粛に願います。――静粛に願います。――静粛に願います。――静粛に願います。
    〔「休憩々々と」呼び、その他発言する者、離席する者多く議場騒然〕
#8
○副議長(原彪君) 暫時休憩いたします。(拍手)
    午後六時五十八分休憩
     ――――◇―――――
    午後十一時二十五分開議
#9
○副議長(原彪君) 休憩前に引続き会議を開きます。
 有田二郎君から発言を求められております。この際これを許します。有田二郎君。
    〔有田二郎君登壇〕
#10
○有田二郎君 不規則発言のため、女性を冒とくするがごとき誤解を招きましたことは、まことに申訳ございません。自今注意いたします。(拍手、発言する者多し)
#11
○副議長(原彪君) 本多市郎君。
    〔本多市郎君登壇〕
#12
○本多市郎君 ただいま議題となりました衆議院議長不信任の決議案に対し、自由党を代表して反対の討論を行わんとするものであります。(拍手)
 昨日の本会議における会期延長の可決は、わが国を経済の大混乱よわ救い、国民生活を窮迫より防止し、もつて国会の権威を確保するために断々固として行つた堤議長の一大英断によるところと信ずるものでありまして、(拍手)私は、ここに自由党を代表して、堤議長に対し満腔の敬意を表する次第でございます。(拍手)
 かくのごとき国家的信念に基く堤議長の合法かつ妥当なる措置に対して、これを糾弾せんとする不信任決議案に対しては、絶対に反対するものであります。(拍手)
#13
○副議長(原彪君) 古屋貞雄君。
    〔古屋貞雄君登壇〕
#14
○古屋貞雄君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となつておりまする堤康次郎議長の不信任案に対しまして賛成の意を表するものでございます。(拍手)
 第一点は、堤議長の昨夜の議事の運営は、議員に不能をしいるものであつて、不当な行為であると存ずるのであります。すなわち、議長の発言と、議長が脱兎のごとくいずれにか姿を消して雲隠れをいたしましたその問の時間は、わずかに二分でございます。(拍手)三階に控室を持つておりまする分自党の諸君、あるいは小会派の議員諸君は、神様でない以上は、あの振鈴と同時にこちらへ進行いたしましても、二分ではとうてい着席することはできないのであります。(拍手)かような状況において、われわれお互いが常識をもつてしてば行い得ないような場合におきまして、しかも多数の議員が着席をしない前に、かような発言をなし、かような行動をとられたということは、われわれ議員を無視いたしまして、われわれに不能をしいるものでありまするから、われわれは正常な議会の運営でないと断ぜざるを得ないのであります。(拍手)
 第二点は、衆議院規則第百五十条によりますると、議長が表決をとろうとするときには、表決に付する問題を宣告しなければならない。この宣告ば、全議員に徹底する方法をとらなければならない。しかるに、昨夜の議長の発言は、議員に徹底をいたしておりませんから、さような点から考えましても、あの表決の方法は絶対に不法であり、規定に違反するものであると断ぜざるを得ないのであります。(拍手)
 第三点は、これまた衆議院規則の二十条によりますると、かりに会期延長の表決が行われました場合には、議長はこれを参議院並びに内閣に通知をする手続をとらなければなりません。しかるに、議長は、発言をし散会を宣したというのでありまするけれども、どこに行つたのか雲隠れいたしまして、この手続をとつていない。かような事実から考えましても、議長自身があの方法は適当でなかつたということを自認しておる証左であると私は断ずるのであります。(拍手)
 第四点は、議長は開会前に辞表を事務総長に渡しておつたそうでありますが、これは何を証明することでございましようか。われわれは、かような方法を講じてまで、議会において適当なる、すなわち法規に従つた正常な運営をすることを自認しながら、これをやらないという心情を考えますときに、その責任に対しまして、かような方法をとつたこと自体が、すでになさるべき行為は正常ではないということを自認した暴挙であると言わなければならないのであります。(拍手)
 議長が就任いたしましたとき、国会の権威のために厳正公平な運営をやるということをわれわれに約したのであります。従いまして、われわれは、非常に見上げたものであると、将来の行動に対する期待を持つておつたのでございます。言いかえまするならば、わが国会の民主的な運営に対して大きな期待を持つておつたのでございます。最初は、事務総長の書きおろしたものを朗読するような不手際でやつて参りましたが、最近は、幾らかこれになれて来たか、なかなかうまいことをやるな、これではほんとうにあいさつ通りのことをやつてもらえるだろうと、大きな希望を持つておりました。ところが、昨晩のような、わが日本の国会の歴史にかつてないような暴挙をあえてしたことに対して、私は堤君のためにまことに惜しむものでございます。(拍手)もしも、かようなことがしばしは繰返されますならば、これはまことに大きな問題を引起すことを憂える一人でございます。もしも、かようなことが繰返されるならば、いわゆるかような方法で議会で運営されるならば、国民の多数は議会を信頼しなくなるのでございます。国民が議会を信頼しなくなつたとき、すなわち議会制度を否認する思想が国民に瀰漫いたしますときは、これは暴力革命の温床になるということをわれわれは憂えるのであります。(拍手)言いかえますならば、われわれは、正常なる民主主義の発達をこいねがい、文化的にして平和的な日本建設のためにお互いが努力しておるにもかかわらず、かようなことが繰返されることによつて、議会制度は否認され、暴力革命の温床をつくることになる、その原因に対して、われわれは憂慮せざるを得ないのであります。(拍手)
 われわれは、かような意味において、断じて平和憲法を守り、議会制度の発達のために、涙をふるつて堤君の不信任決議案に賛成をいたす次第であります。これはおそらく全日本の国民大衆の声であると存じて、私は賛成をするのであります。(拍手)
#15
○副議長(原彪君) 竹山祐太郎君。
    〔竹山祐太郎君登壇〕
#16
○竹山祐太郎君 私は、改進党を代表して、ただいま提案になりました堤議長不信任決議案に対し、反対の討論をいたさんとするものであります。(拍手)
 ただいま提案者の説明を聞いておりましたが、その説明によつても、われわれは、議長の処置は法律手続上また慣例上何ら欠陥ありとは認められません。(拍手)昨日の議長の処置は、国民待望の予算を成立せしめるために非常な重大な決意をもつてなされた処置であつて、不信任案についていろいろ言つているようだから、あの場合において、若干早目に発言をされたことは当然であると考えます。(拍手)われわれは、今日の国家の重大時局を考えますと、いかにして民主政治を守るかということが最大の眼目でなければなりません。民主政治において、国会における政策による論議ば、いかほどやつても遺憾はありません。しかしながら、国民がながめて、どうしてもふに落ちかねるような問題によつて、この国会の運営が混乱を続けるがごときは、最も民主政治の危機を招くものであります。(拍手)今や、日本の内外は、右のフアツシヨ、左の共産主義者によつて、民主政治の崩壊をねらつております。われわれは、あくまでこの民主政治を守たるめに全力をあげる意味におきまして、民主的な堤議長の処置に絶対の信頼を持つものであります。(拍手)
 ただ、この際、国会の混乱につきましては、ただ国会のみの責任とは言い切れません。事の発端において、内閣それ自身においても十分なる処置が尽されたとは考えられない点があります。この点につきましても、今後政府は十分国会を尊重して、国会の論議が十分に尽されることを切望するものであります。要するに、われわれは断固として本不信任案に反対の意を表明するものであります。(拍手)
#17
○副議長(原彪君) これにて討論は終局いたしました。採決いたします。本決議案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#18
○副議長(原彪君) 起立少数。よつて本決議案は否決されました。
#19
○今村忠助君 議事日程順序変更の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、日程第八を繰上げ上程し、その審議を進められんことを望みます。
#20
○副議長(原彪君) 今村君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○副議長(原彪君) 御異議なしと認めます。よつて日程の順序は変更せられました。
 日程第八、恩給法の一部を改正する法律案の参議院回付案を議題といたします。
#22
○副議長(原彪君) 本案の参議院の修正に同意するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#23
○副議長(原彪君) 御異議なしと認めます。よつて参議院の修正に同意するに決しました。(拍手)本日はこれにて散会いたします。
    午後十一時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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