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1953/05/27 第16回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第016回国会 法務委員会 第2号
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1953/05/27 第16回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第016回国会 法務委員会 第2号

#1
第016回国会 法務委員会 第2号
昭和二十八年五月二十六日
      鍛冶 良作君    佐瀬 昌三君
      田嶋 好文君    吉田  安君
      細迫 兼光君    井伊 誠一君
      花村 四郎君
が理事に当選した。
    ―――――――――――――
昭和二十八年五月二十七日(水曜日)
    午前十時五十四分開議
 出席委員
   委員長 小林かなえ君
   理事 鍛冶 良作君 理事 佐瀬 昌三君
   理事 吉田  安君 理事 細迫 兼光君
   理事 花村 四郎君
      押谷 富三君    福田 喜東君
      牧野 寛索君    中村三之丞君
      猪俣 浩三君    井谷 正吉君
      佐竹 晴記君    岡田 春夫君
 出席国務大臣
        法 務 大 臣 犬養  健君
 出席政府委員
        法務政務次官  三浦寅之助君
        検     事
        (矯正局長)  中尾 文策君
        法務事務官
        (入国監理局
        長)      鈴木  一君
 委員外の出席者
        専  門  員 村  教三君
        専  門  員 小木 貞一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 少年院法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 三号)
 外国人登録法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第四号)
    ―――――――――――――
#2
○小林委員長 これより会議を開きます。
 この際、今般法務政務次官に就任されました三浦寅之助君より、あいさつをしたいとの申出があります。三浦法務政務次官。
#3
○三浦政府委員 私はこのたびはからずも法務政務次官に就任することになりました。御承知の通り微力、非才でありまして、何ら仕事はできないのでありますが、どうぞ皆さんの御同情と御支援を心からお願いいたします。簡単でありますがごあいさつといたします。(拍手)
#4
○小林委員長 少年院法の一部を改正する法律案及び外国人登録法の一部を改正する法律案、以上一案を一括議題とし質疑に入ります。質疑に入るに先だちまして、中尾政府委員並びに鈴木政府委員より、以上両案の補足説明を聴取することにいたします。
#5
○中尾政府委員 少し専門にわたり過ぎまして、お耳ざわりかもしれませんが、御理解をよく願うために、私から補足的な説明を申し上げることにいたします。
 少年法によりまして、少年を観護処分に付しまして鑑別所に入れておるわけでありますが、数年前に少年の年齢を十八歳から二十歳に引き上げました際に、非常にその対象となりますところの、鑑別所に入れなければならない少年の数が激増いたしましたことと、それからそういう年齢の進みました者の中には、かなり狂暴な者がおります。この二つの理由、ございまして、鑑別所がございますところの裁判所、つまり鑑別所は現在全国各都道府県に一箇所ずつございまして、四十九箇所ございますが、そういう地元のところでは鑑別所に入れることは、これは当然でありますが、裁判所はその支部がございまして、鑑別所から遠隔の地にありますところの裁判所支部で、そういう少年事件を取扱います場合に、観護処分に付しようということになりますと、その激増した少年を本所まで相当時間をかけて連れて行かねばならないということになりますので、その場合に非常に職員の不足ということと、それから遠隔の地でありますために、一々遠い所に連れて行つて、また審理のために翌日連れて来るということをいたしますと、中には片道四時間も五時間もかかる所がありますので、非常に困るのであります。それでやむを得ず一時そのもよりの地に拘置所がございますから、われわれは拘置支所といつておりますが、それがございますので、そこに一時入れて置くという処置を認めたわけでございます。しかしそういうおとなの犯罪者を入れておくような拘置支所に観護少年を入れますことは、これは決して適当な処置でございませんので、あくまでもこの処置は一時的な借りのものということにいたしまして、やはり長期の計画といたしましては、そういう場所にもできるだけ鑑別所の支所をつくりまして、そして本来の鑑別所に入れるようにしたいというのがわれわれの理想でございまして、とりあえずその期間をこれはあとでまた一回延長になりましたが、本年三月三十一日までその処置は延長になつたわけであります。それで法務省といたしましては、その期限の切れますと同時にいろいろ処置を考えておつたのでございまして、それで四月一日から新しくこれに伴いまして少年院法、それから少年法というようなものを改正いたすことにいたしまして、そしてもよりの拘置所に一時入れました――これを代用鑑別所と申しておりますが、その代用鑑別所を廃止いたしましても支障が起らないように処置を考えておつたのであります。ところがその法律が参議院まで参りましたが、そこで成立しないうちに解散になつてしまいましたので、四月一日からの処置ということはとれなくなつたわけでございます。それでほうつておきますと、三月三十一日限りこの代用鑑別所がなくなるので、一時空白状態になりまして、そのもよりの拘置支所に入れておりましたところの少年を、やはり本所まで連れて行かなければならないというようなことになるわけであります。そういうことになりますと、片一方私たちは四月から新しい処置を考えまして、そういう場合の予算的手当を考えておつたわけでございますが、しかしその予算の方の手当ができないうちに空白状態になつてしまいましたので、とりあえずそこの拘置支所に入つておりましたところの少年を、大体これは出してしまわなければならない。あるいは非常に無理なことをして本所まで連れて行くとかいうような方法を講じなければ、何とも処置ができないということになりましたので、とりあえず二箇月間の延長をお願いいたしまして、そして新しい法律が通るまで現在の処置を続けて行かなければならぬというようなことで、その延長の暫定処置をお願いしたわけでございますが、今回もやはりそれと同じ理由によりまして新しい法律が通りませんというと、現在代用鑑別所に入つております著が、代用鑑別所がなくなるということによりまして、やはり処置に困るということになるわけであります。従いましてまたもう一ぺん二箇月の延長をお願いしなければならぬということになつておるわけであります。
 またもう一つは、特別少年院のことでございますが、少年院もやはり急に少年がふえましたので、少年院を増設いたしておるのでございます。しかしその少年院の増設が間に合いませんので、とりあえず少年の中で、収容上私たちが一番むずかしい経験を持つておりますところの特別少年、この特別少年に限りまして、少年刑務所の一部分に入れることを臨時に暫定的処置として今日まで続けて参つておるのでございますが、これが二十八年度の予算で、特別少年院をつくりますところの予算は全部ちようだいしておりますので、その建築にかかつておりますが、しかしいろいろな関係からいたしまして、工事が未完成なところがありまして、特別少年院が全部完成いたしますのは、大体この夏ごろまでかかるそうだということでございますので、今少年刑務所の一部分の付設特別少年院に入つておりますところの少年を出してしまうということになりますと、また非常に困つた事態が生ずることになりますので、従つてやはりその特別少年院の建筑が完成いたしますまでの間は、従来通り少年刑務所の一角に入れておりますところの付設特別少年院という制度を存置さしていただきたい。完成を待ちまして、ただちにそれを入れるということにいたしますので、それでやはり現在のこの法を延ばすことをお認め願いたいというわけであります。もつともごの方は法律問題ではございませんで、建物の完成を待つているというだけのことでございます。従つてこの方はもうどんどん建築いたしておりますので、臨時的処置さえ認めていただきますれば、少年をこの方へ移すということは滞りなくできることになつております。
 もう一つは、それに付随して起る問題でございます。医療少年院というものがありまして、この医療少年院は、この少年院法をつくりましたときは男の少年と女の少年を区別して別々の少年院に入れるというような規定になつております。しかしこれは設備の点あるいは収容人員の点から申しまして、女の少年と男の少年を全国的に全部わけるということは非常に無理がございますので、現在のところはわけているところもございますが、しか1大体同じように一つの少年院に入れまして、区画をわけて、ある部分に女を入れて、ある部分に男を入れるというような処置をとつております。しかしこの処置を本年三月末までの臨時的処置といたしておりましたが、しかしその後もいろいろな国家財政の事情などから考えまして、また実際私たちがやつてみた結果によりまして、必ずしもそんなに厳格にわけてしまわなくてもいい。むしろいいお医者、いい設備というようなものを共通に使わせるためには、現在のようなところを維持してもいいような気がするというようなわけでございますので、医療少年院に限りましては、男女を完全に独立さした少年院に収容するという制度を必ずしも厳守しなくともいいということにいたしたいということを考えているわけでございます。このことは別にただいま急いで少年をあちらに移したり、こちらに移したりするというようなことはございませんが、とにかく現在そういう制度にいたしておりますので、三月三十一日でその効果がなくなつてしまいますと、やはりまたあちらに持つて行つたり、こちらに持つて行つたりしなければならぬということになるわけであります。あわせてこの点につきましても臨時的な措置で、本法が成立いたしますまでの間お認め願いたいということで、こういうふうな法律が出たわけであります。以上御説明申し上げましたが、不十分な点がありましたら、またあとでつけ加えることにいたしまして、説明はこれだけにいたします。
#6
○鈴木(一)政府委員 ただいま提案になつておりまする外国人登録法の一部改正に関する点につきまして、昨日の提案理由につけ加えまして御説明申し上げたいと思います。
 外国人登録法は講和発効後、わが国の法律として出発いたしたのでありますが、占領下におきましては外国人登録令というのがあつたわけでございます。内容をそれぞれ改訂いたしまして、新しい外国人登録法が講和条約発効とともに出発いたしました。その外国人登録法の主眼といたしますところは、日本に約六十万おりまする外国人の所在をはつきりいたし、また年齢、性別、その他その本人であることを確認する。それによつてわが国のその外国人に対する保護を全うしたいという趣旨のもとに外国人に登録をさせておるわけであります。
 その登録の方法は、日本人につきましては戸籍であるとか居住証明であるとかといういろいろな方法がございますが、外国人にはそれがございませんので、それを外国人登録ということで各市町村で扱わしておるわけでございます。その外国人を登録いたしまして、各人に登録証明書というものを交付いたします。ちようどパス・ポート小さくいたしたようなものでございますが、これを各人に登録をした証明に渡すわけであります。それを持つておりますれば、成規に日本に滞在しているということがはつきりいたしまして、国家の保護がこれに加えられるということになるわけでありますが、従来往々にしてこの外国人登録証明書を偽造いたしまして、不正にこういうものを行使している人たちが相当おつたのでございます。
 そこで何とかこの偽造、変造を防止したいというので、それにはもちろん写真を張りまして、本人であることを確認いたす方法がございますが、そのほかの方法といたしまして、指紋をとることが一番偽造、変造を防ぐのにいいのではないかという観点で、新しい外国人登録法におきましては、指紋をとるということを規定いたしたのでございます。
 しかしながらわが国におきましてはまだ指紋というものは――犯罪捜査の面においては指紋制度が採用されておりますが、住民登録というような一般の方面にはまだ指紋は実施されておりません。そこで特に東洋の外国人につきましては、指紋制度がまだ十分納得をされておらない現況におきまして、いきなり登録に際してこの指紋をとるということが穏当かどうかということを考えまして、この立法当時におきまして、一年猶予を置きまして、一年の間に啓蒙宣伝すれば、指紋をとることが可能であろうという見込みのもとに、新しい登録法におきましては、平和条約発効後一年以内に実施をするということになつておつたのでございます。
 ところが昨日お手元に外国人の登録の統計表をお渡し申してございますが、これをごらんいただきますとわかりますように、これは二月末の統計でございますが、総計におきましてちようど六十万と四十五名、これが成規の登録をいたしておる数字でございますが、この六十万四十五名のうちで、第一ページの最後の欄に朝鮮、韓国という二つの欄がございまして、これを合せますと、五十四万になるのであります。いわゆる朝鮮人の本邦におきます数が五十四万、ちようど六十万の九割に当るわけでございます。この人たちが、特にこの登録ということにつきまして、非常に切実なる関心を持つておりまして、御承知のように強制送還反対というようなことで、しよつちゆうわれわれのところに陳情いたしておるわけでありますが、この登録にあたりまして、実は昨年の十月の二十八日に新しい登録法に基きまして、新しい登録証明書を渡すという一齊切りかえをいたしたのであります。この際に指紋をとるということをやりますれば、事務的には一番やりいい時期であつたのでありますが、諸般の情勢、メーデー事件以後の昨年の情勢は、指紋をとるということが、特に九割に及ぶ朝鮮の人たちに対して、何か犯罪人扱いにするのではないかというような特別な疑惑を与えるというおそれもございまして、指紋をとることが、かえつてこの登録自体の一齊切りかえを行いますのに、非常な支障があるのではないかということで、またその当時におきましては、この登録の事務を扱います各市町村、それを統轄されます県知事――知事会議におきましても、問題がございまして、当時の政府当局にほとんど決議をもつて、指紋制度は、この登録切りかえのときにやつてくれるなという強い御意見もあつたのでございます。昨年の情勢から申しまして、まだ十分徹底理解をされておらない指紋制度を強行することがどうであるか、その実施の時期につきましては、慎重に考慮しようということで、一番時期としては適切であつた十月二十八日には、採用しないということに決定を見たのであります。
 そこでかたがた、ちようどこの一年か切れますことしの四月の二十八日までしか延期してございませんが、さらに一年間これを延期していただいて、指紋をさせるのに時期を待ちたいということで、前国会に提案をいたしたのであります。不幸にして衆議院が解散になりまして、この法案は衆議院におきましては、委員会の全会一致をもつて御決議が願えたのでありますが、参議院に行く前に解散になりまして、一応成立いたしません。従いましてこのままにおきますれば、四月十八日まで参りますとすぐ指紋をとらなければならぬ。そして無用の摩擦をここに生じさせなければならないということで、これはちようど今年の正月には李承晩大統領が日本に訪問をされまして、日韓会談がやや停頓しておりましたのが活を入れられまして、日韓会談が早急に始まるという時期でもございます。從いまして理解を伴わない指紋制度を強制するということによりまして、無用の摩擦、混乱が起きることが予想され、ひいては好転を期待されておりました日韓会談の出鼻をくじくというようなことがあつてはいけないというので、どうか指紋制度は延ばしてほしいというので、この緊急集会におきまして六月一日まで一応猶予していただくという法案でこれが御可決をいただいたのでございます。この状態が現在におきましては、さらに強まつたと申しますか、現に日韓会談が交渉中でございまして、すでに数回韓国側とも会談をいたしております現状におきましては、現在におきましてこの法案が成立しないために、指紋制度を強制するという危険がございますので、どうか指紋制度を行う時期につきまして慎重なる考慮を払いたいという意味におきまして、さらに来年の四月二十七日まで一年間この実施を延期していただきたい。これが提案の趣旨でございます。
#7
○小林委員長 これにて説明は終りました。
 次いで質疑に入ります。質疑の通告がありますからこれを許します。細迫兼光君。
#8
○細迫委員 政府委員の補足説明によつておよそ明らかでありますが、政府の御答弁としてはつきり記録しておきたい意味もありまして、あらためてお尋ねいたします。少年法の一部を改正する問題について、この代用鑑別所やあるいは代用特別少年院、これら代用物を解消するにはもちろん施設の完備が必要でありますが、とかくこれが延び延びになりがちで、いつもやすきにつきまして、根本的に少年法の趣旨を没却するような結果になることが多いのでありますが、これらの予算措置は十分にとられておりますか。
#9
○中尾政府委員 まことにごもつともな御心配でございまして、実は私たちもそのことのためにこれまで非常に困難を続けて参りまして、どの程度で踏み切れるかということについて相当考えたのでありますが、大体この代用少年院の方は、つくりまして、ただ工事の完了を待つておるばかりでありますから、この方はいいと思いますが、一番われわれが苦労をいたしておりますのは、代用鑑別所の方でございます。この点につきまして、私たちは大体三つの方法で対策を考えておるわけであります。
 第一は、一番理想を申しますと、これまで代用鑑別所のあつた場所全部に−−これは大体指定してございますのは、全部で百九十何箇所でございまして、大体本年の一月、二月使われましたのが七十数箇所ほどでございますが、そういう所へ鑑別所の支所を設けるということが一番理想でございます。しかしこれはなかなか収容者もそう多くございませんし、場合によつては入つておらぬときもあるというような所も相当たくさんございますので、全部の場所に鑑別所の支所をつくるということは、私たち考えましても、注文する方が無理だろうと思いますので、一定数以上を絶えず収容しておるような場所、そういう所にはどうしても支所をつくつてもらいたい、現地で収容して、現地で調査ができるように、審判ができるようにしてもらいたいということで、一昨年度から二箇年にわたりまして、大蔵省に折衝を続けたのでございますが、やつと昨年度のときには一部認められました。これは大体十七箇所ございますが、十七箇所の要求に対しまして一昨年度は一箇所も認められなかつたのでございますが、昨年度の要求では二箇所認められております。平と小倉、この二箇所については、支所をつくることを予算の上で認められております。そのほかにつきましては、漸次要求に応じようというようなことになつております。それでそういうできないところはどうなるかと言いますると、これはしかたがございませんので、本所に連れて参りまして、そうして本所から審判の都度、裁判所の方に連れて来る、あるいは裁判所の支部の方から本所まで来て、そしてそこで審判をしてもらうというようなことにするよりほかはないのでございまして、そのために、少年を同行するために必要な職員を増員してもらうことになつておりまして、この方は、私たちの方の立場から申しますると十分とは申せませんが、相当大蔵省でも好意ある態度で増員を認めてくれておりますので、これも新予算が成立いたしますと、その分が増員になるわけであります。それからいま一つは、これはどうも事実上やむを得ないことでございまして、そのもよりの拘置所に一時かりに少年をとめることができるというような措置を講ずることになつております。と申しまするのは、裁判所の支部なんか相当距離の離れたところがございますが、そういうところで裁判所が少年を引受けましても、本所まで連れて来るにつきまして交通機関の関係なんかでもつて、すぐその日のうちに出発できないというような場合が相当ございます。なおまた一時とりあえず少年を入れてみたが、親を呼んだりなんかしてそこで処理できる場合があるかもしれないというようなこともございまするので、これは今の法律案では七十二時間ということにいたしましておとめおきを願うことになつておりますが、その時間の範囲内で一時拘置所にとめることができる。その場合は拘置所で特に区画した所に入れる。これは代用鑑別所として入れるのではなくて、拘置所として入れるのだというような処置を考えております。この三つの方法でとりあえず行きたいと考えておりますが、私たちの理想といたしましては、やはり相当収容数のあるところにつきましては支所をつくつてもらう、これを要求するつもりでおるわけであります。大体そういうふうにいたしまして処置を考えております。
#10
○細迫委員 直接の問題ではありませんが、これは法務大臣から御答弁を願いたいのであります。同じく代用ものの解消に関することですが、代用監獄、つまり各地の警察署の留置場を代用監獄、拘置所ですかに代用せられておる。ここが実ははなはだ人権蹂躙の巣でありまして、勾留期間中にいろいろな人権蹂躙が行われるのは、ここを舞台に行われるのが一番多い。しかもその待遇というのは読書を許さない。拘置所においては当然許されるいろいろな人権擁護の制度が、この警察署の留置場においては許されないという実情にある。これは基本的な人権にも関することでありまして、すみやかにこの代用監獄を解消しなければいけない。これに対する政府の御方針はいかがでありますか。
#11
○犬養国務大臣 ただいまの御質問の点は、だんだん私の耳にも入つておりまして、結局代用制度というものから来る欠陥ということが根幹になつております。これはできるだけ解消する目途でもつて処置をしようと思つております。またこれに関連して、ことに代用監獄において人権蹂躙のそしりを免れないような事件が起りやすいということも承知しておりますが、これは具体的に事がありましたらどしどしおつしやつてくだされば、私の方でもその都度具体的な事実に基いて、そういうことを繰返さないように処置をいたしたい。根本の方針としては、なくしたいと考えております。
#12
○細迫委員 御方針は解消の方向に向つておるということを了承いたしますが、現実当面の問題といたしまして、先ほど申し上げましたようにいろいろ拘置所における勾留者に対する処遇し非常にかわつた、人権擁護の点からいえば憂うべき取扱いが行われておる。一例を申せば読書を許さない、散歩私ども許さないというようなこともある。これら人権擁護の点から遺憾に思われるような問題について、すみやかにその処遇に対して当局から達しその他これを防止する措置を講じなければいけない。これらについての御意見を承りたい。
#13
○犬養国務大臣 根本方針はただいま申し上げた通りであります。遠隔の地においては中央からの意思の疏通しない場合がありまして、間々そういうことが起りがちであろうかとも思います。この前の国会でありましたが、参議院でもつてやはり読書禁止の間脳の質疑を受けまして、取調べました結果、禁止の処置が誤つておつたことを発見いたしましたので、即日違う指令を出して読書をしてもらうことにしたこともあります。具体的な事実を承れば、誠意をもつて処置をいたしたいと思います。
#14
○細迫委員 終ります。
#15
○小林委員長 他に御質疑はありませんか。――他に御質疑がなければ、二案に対する質疑はこれをもつて終局いたします。
 この際、お諮りいたします。両案はいずれも討論に付すべきでありますが討論はこれを省略し、ただちに採決するに御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○小林委員長 御異議なしと認めます。討論はこれを省略し、ただちに採決いたします。
 少年院法の一部を改正する法律案及び外国人登録法の一部を改正する法律案、以上一案に賛成の諸君の御起立を願います。
    〔総員起立〕
#17
○小林委員長 起立総員。よつて二案は、いずれも可決すべきものと決しました。
 この際、お諮りをいたします。ただいま議決いたしました各法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○小林委員長 御異議なしと認め、さようとりはからいます。
 次会は公報をもつてお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
    午前十一時三十分散会

    〔参照〕
 少年院法の一部を改正する法律案
 (内閣提出)に関する報告書
 外国人登録法の一部を改正する法律
 案(内閣提出)に関する報告書
    〔都合により別冊附録に掲載〕






ソース: 国立国会図書館
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