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1947/06/18 第2回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第002回国会 財政及び金融委員会 第42号
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1947/06/18 第2回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第002回国会 財政及び金融委員会 第42号

#1
第002回国会 財政及び金融委員会 第42号
昭和二十三年六月十八日(金曜日)
    午前十一時開議
 出席委員
   委員長 早稻田柳右エ門君
   理事 塚田十一郎君 理事 島田 晋作君
   理事 中崎  敏君 理事 梅林 時雄君
   理事 吉川 久衛君
      青木 孝義君    淺利 三朗君
      大上  司君    倉石 忠雄君
      島村 一郎君    松田 正一君
      宮幡  靖君    小平 久雄君
      川合 彰武君    河井 榮藏君
      佐藤觀次郎君    林  大作君
      八百板 正君    栗田 英男君
      後藤 悦治君    中曽根康弘君
      長野 長廣君    細川八十八君
      井出一太郎君    内藤 友明君
      藤田  榮君    堀江 實藏君
      本田 英作君
 出席政府委員
        大藏政務次官  荒木萬壽夫君
        專賣局長官   原田 富一君
        文部政務次官  細野三千雄君
        文部事務官   剱木 亨弘君
        林野局長官   三浦 辰男君
 委員外の出席者
  参考人
      藤原 龍太君(日本計理士会役員)
      大木  勇君(日本計理士会役員)
      片桐 勝昌君(日本計理士会役員)
        專門調査員   氏家  武君
    ―――――――――――――
六月十七日
 農民に対する課税軽減に関する請願(黒田寿男
 君外二名紹介)(第一四四八号)
 取引高税設定反対の請願外一件(西村久之君紹
 介)(第一四六〇号)
 取引高税設定並びに國税反則取締法制定反対の
 請願(竹山祐太郎君外一名紹介)(第一四六二
 号)
 取引高税設定反対の請願(塚田十一郎君外一名
 紹介)(第一四六四号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 製造たばこの定價の決定又は改正に関する法律
 案(内閣提出)(第七四号)
 学校教育法及び義務教育費國庫負担法の一部を
 改正する法律案(内閣提出)(第一三六号)
 公立高等学校定時制課程職員費國庫補助法案(
 内閣提出)(第一三七号)
 薪炭需給調節特別会計法の一部を改正する法律
 案(内閣提出)(第一四一号)
 公認会計士法案(内閣提出)(第一五四号)
    ―――――――――――――
#2
○早稻田委員長 これより会議を開きます。
 学校教育法及び義務教育費國庫負担法の一部を改正する法律案、公立高等学校定時制課程職員費國庫補助法案、右二案を一括して議題といたします。質疑を行います。
#3
○内藤委員 定時制高等学校の國庫補助につきまして、きわめて簡單でありますが、一、二お尋ねいたしたいと思うのであります。この補助金は予算書を見ますと五億二千三百万円余になつておるのでありまして、その金額はそうたいして大きいものではないのであります。この定時制高等学校の数は、昔ありました青年学校の数に比べまして遥かに少いと思うのであります。從つてこの定時制高等学校に勤めております教員数も少いと思います。そういう関係から五億何がしというわずかの経費なのでありますが、ここでひとつお尋ねいたしたいと思いますのは、こういうことで大勢の勤労青年の教育がはたしてできるであろうかということであります。從つてこの質問に対しまして、青年学校当時文部省が支出されました経費と、今日これによつて出される経費とが、どういう関係になつておるかということが一つと、それから國庫から十分の四を補助するということになつておるのでありますが、これはたしか以前は分與税から出しておられたと思うのであります。そうしてそれは半額お出しになつておられたと思うのでありますが、その半額お出しになつておられたのが、今回十分の四に減ぜられたそのわけをお聽かせいただきたいと思うのであります。
#4
○剱木政府委員 ただいまの御質問に対してお答え申します。本年度の定時制高等学校の金額につきましては、仰せの通りきわめて小額でございまして、これをもちましては大衆勤労青年の教育を、さしあたりただちに十分やつていけるとは考えていないのでございますが、御承知の通り青年学校を全部廃しまして、今回定時制高等学校に改めましたのは、形式的にむりに勤労青年の就学の数を増すということでなしに、実質的にほんとうによい教育を受けさせていこうという意味から、きわめて可能なる数を考えまして、これから順次拡張していくという氣持をもちまして、現在各府縣において計画をいたしております実際の計画に基いて補助を出しておる次第でございます。
 なお青年学校の教員費につきましては、お話の通り今まで分與税で配付しておつたのでございますが、それはほとんど教員費中の金額を分與税に計上しておつたのでございます。今回四分の一にいたしましたのは、その四分の一國庫補助の残額は、地方の財源におきまして見ておるのでございまして、大体地方廳といたしましてはその全額は財源的には見ておるわけでございます。
#5
○内藤委員 補助金は四分の一とお話になつたのでありますが、十分の四のお間違いではないかと思います。それで地方の財源は非常に枯渇いたしておりまして、他にやらなければならぬ仕事がありますので、なかなかこういうところへは出てこないのであります。この際十分の四というのを、もう少し大幅に上げていただくことができないかどうかということをお尋ねしてみたいと思うのであります。
#6
○剱木政府委員 文部省といたしましては、少くとも義務教育と同じように、國庫半額負担の程度まで要求したいと考えたのでございますが、現在の財政状況その他の関係で十分の四の補助率になつたわけでございます。
#7
○内藤委員 そうしますと十分の四というのは最高ではないのであつて、必ずこれだけは助成する、こういうことなのでありますか。私は十分の五なり十分の七なりにしていただいておいて、財源さえ見つかればどんどん殖やされるような構成にしていただいたならばいいと思うのでありますが、この法律の考え方は十分の四は必ず約束するのだということなのでありますか。
#8
○細野政府委員 この法律で十分の四を補助するという提案をいたしましたのは、これは一方におきまして財源を確実にもつておるからでありまして、從いまして十分の四は必ず補助するのであります。
    ―――――――――――――
#9
○吉川委員長代理 薪炭需給調節特別会計法の一部を改正する法律案について御審議を願います。
#10
○内藤委員 ただいまの薪炭需給調節特別会計法の一部改正、これで一つお尋ねしたいと思います。これは農林省の方にお尋ねしたらいいか、大藏省の方にお尋ねしたらいいか私わかりませんので、どなたか関係の方からお答えいただきたいと思うのであります。この法律によりますと、「政府は、日本銀行又は農林中央金庫に対し、資金を交付して、銀行、農業協同組合又は農業会が行う薪炭の買入代金の支拂に必要な資金の交付をなさしめることができる。」こう書いてあります。ここでひとつお尋ねいたしたいと思いますのは、もちろん農業協同組合、または農業会が木炭、薪炭の取扱いをいたしているのであります。そのほかに森林組合というものがやはり同樣の事業をやつているのであります。この森林組合が薪を約三割五分ほど扱つており、炭は二割ほど扱つているのであります。これをここへ入れていただくようなことができないものかどうか、また政府はそれは入れるべきものだとお考えになつておられるかどうかをお尋ねしたいのであります。
#11
○三浦政府委員 ただいま内藤委員から御質問でありますが、お話の通りに現在までは森林組合も、薪につきましては四割近く、木炭についても二割余りを取扱つて來たのが現状でございます。そこで今回御審議をいただいております法律案の中に、從來中金だけが薪炭の政府受領書でもつて金を出しておつたのを、どこの金融機関に行つても、その受領書が金になり、預金になるようにするという趣旨から、これが拡張を見ようとするわけであります。林野局といたしましては、この機会に森林組合または縣の連合会も現在扱つているのだから、そういうようにしてもらいたい。またこれと直接ではございませんが、森林組合あるいは連合会というものは、今日林業の復興が非常に叫ばれている際に、森林の培養をする唯一の正規の團体であるという事情等をも入れて扱つてもらいたいということを、関係方面とも相談したのでありますが、現在の森林法でいきますと、出資組合は金融はできることになつておりますが、預貯金の受入れの関係がない。從つて完全な金融機関というようには言えないではないかということから、今日原案に出ているような状態になつているのであります。
#12
○井出委員 ただいまの林野局長官の御答弁で、政府当局が森林組合という團体を林業の基本團体であると御認識になつている点は、私どもも大いに敬意を表する次第であります。そこで從來薪炭の取扱いにつきましては、政府の統制機構の最末端におきまして、一つの指定機関として薪炭の取扱いをやつてまいつたのであります。それがもし本法原案のままでまいりますならば、その團体が著しく金融の面において利便を欠く、こういうような現象を生ずると思うのでありますが、この点長官の考えはいかがでございますか。
#13
○三浦政府委員 御指摘のように、私どもも遺憾ながらその点ははなはだ利便を欠く。進んでは森林組合の育成上いかがかというようなことを、端的に申しますと心配しているような状態であります。
#14
○井出委員 ただいまの御答弁で、大体私の考えておりましたと同じ方向に当局も御認識になつているようでございます。ただ問題はさつき長官の御説明の中にもありましたように、嚴密な意味で金融機関ということに、森林組合がなり得るかどうか、ここに問題があろうかと思うのであります。おそらく当局としては森林組合を維持育成をしていきたい。この強化をまつて日本の民有林の緑化を期していきたい。こういう考えであろうと思いますので、きわめて形式的な金融機関としての嚴密な定義からいうと、あるいは問題がございますけれども、さような方向において、おそらくは近い機会において森林法の改正その他によつて、はつきりと預貯金までも扱い得るようなことまで、現在お考えになつているかどうか、この点お伺いしたいと思います。
#15
○三浦政府委員 森林法の改正はこれまた一般の要望でありますので、各種團体法とにらみ合わせまして、改正をしなければならぬ。その機会にそういう預貯金等をもできるようにしたい。原則といたしましてはこう考えておるわけであります。
#16
○井出委員 さようでありますれば、これはきわめて形式的な点が障害となつておるのでありまして、実際上の問題としましては、從來相当分量を扱つておりますし、なおかつ農林中央金庫の構成メンバーとして、從來もそういうふうな支拂代行というようなことはやつておつたのでありますが、むしろこの際積極的にそういつた形式的な方面を離れて、実質上の観点に立ちまして、森林組合をも、この列挙してある農業会とか、農業協同組合とかと同列において、この支拂代金の取扱いをなさしめる。こういうことに対して農林当局は別に御異存はないように思いますが、その点いかがでありましようか。
#17
○荒木政府委員 森林組合を本法の一種の金融機関として取扱われたらどうかというその氣持においては、大藏当局においても了承いたしておるのでありますが、農林当局との今までの愼重な協議の結果、森林組合の現在の全國的な実情は、まだ時期尚早と申しますか、金融機関としての体を全國的にはなしていないというふうな見地から話合いまして、原案の通りにしておるのでありまして、願くば森林組合がもう少し強化されると申しますか、実力を培養されまして、適当の時期に同樣の考慮を拂うということが適説であろうと考えておる次第であります。
#18
○井出委員 ただいま大藏政務次官の御答弁で、大藏省の御見解は一應伺つたわけでございます。今日まだ森林組合が弱体であるというお考えでありますが、これは地方によつてあるいはさほど活発な活動をしておらぬ面もございますけれでも、大体山林縣とでも呼ばれる地方においては、きわめてその運営も適切にいつておりますし、森林組合がこういつた薪炭などを扱い、その中から生まれてきたところの利潤とでもいうべきものが、もしありとしますならば、これが直接山の緑化のために還元をされておる。こういう実情をお考えいただくならば、むしろ百尺竿頭一歩をお進めになつて、ただいまのような自重論をもう少し拡大されまして、この際森林組合にもそれをなさしめる便益をはかることによつて助長育成をする。それがとりもなおさず今非常に叫ばれておる治山治水という面にも大きな貢献をするゆえんだ、こういうふうなところまで拡大してお考えくだすつて、この改正案の中に森林組合を加えるということに、ぜひ御賛成をいただきたいと思うのでありますが、その点いかがでございましようか。
#19
○荒木政府委員 大体趣旨におきまして了解いたします意味は先ほど申し上げたのでございますが、農業会もしくは農業会が改組せられて農業協同組合となつた。その協同組合というものは、御承知の通り全國的に例外なく普及いたし、かつまたその機能も金融機関として名実ともに認められておる状況でございまして、例外なく取扱いが可能であろうと存ずるのであります。今仰せのごとく森林組合につきましても、ある森林縣におきましては相当の発達をしておることも私承知いたしておるのでありますが、制度として取入れます限りは、発達しておるところの実力ある森林組合を一々指定いたしまして取扱わせることも、制度としてはいかがと存じますので、森林組合の所管廳たる農林省におきましても、これが育成に力を注いでいただきましようし、おのずから適当の時期があろうかと思いますので、この際といたしましては原案の通りにいたしまして、適当の時期に適切なる考慮を拂いまして改正を加えたらいかがと存ずる次第であります。
#20
○井出委員 荒木政府委員のお考えは一應それで了承をいたしますが、この問題は大藏省よりはむしろ実情をよく御承知になつておられる農林省の御意見がやはり有力なものではないか、こう私は考えております。現在森林組合が普及しておらぬというふうな御見解がただいまございましたが、なるほどこれは山林のないところへ森林組合をこしらえるわけにはいきませんので、そういう意味での地域的な、跛行性とでも言いましようか、こういうことは山林の性質上私はやむを得ないとところだろうと思うのであります。從いまして農業協同組合のような、全國的な網の目を張りめぐらしたようなぐあいに普及するというわけにはまいつておりません。この跛行性というものを考えますならば、これはいつまで経つても山のない所に森林組合はできないのでありますから、むしろ現状程度を卒直に御認識になられまして、先ほど來申しております薪炭取扱量の、薪におきましては三割ないし四割、これは厖大なる数字であります。炭におきましても約二割、なおそのほかに從來の農業会の機構の傘下にあつて、山林業者ないしは森林組合員が自分で生産した炭を金融その他の便利がありますために、農業会の系統を経由して出しておる。こういう現状もございますので、むしろここにおいてこういつた本法のような金融的な利便が森林組合に得られますならば、これを一つの踏切点として一大飛躍をするであろうということは私は間違いないと思うのであります。さような意味合いにおいてこの機会にやはり森林組合を同列に扱わしめることが、私はどうしても妥当だと考えるのでありますが、農林御当局の御見解を伺いたいのであります。
#21
○三浦政府委員 現在森林組合は全体で五千七百ばかりありまして、それがことごとく完全な発達をしておるというわけにはまいりませんが、ただいまお話のように、山林の非常に発達しておる方はきわめて活発な活動を今日やつておるのであります。原局たる林野局といたしましては、そういう旨を述べて財政金融金係の主管廳たる大藏省方面に対していろいろと申し上げていたのであります。けれども今荒木政府委員からのお話がありましたような見解で、これを法律上書くとなれば、まだ発達をしてないような組合も同樣にそういつたことになるような関係もあろうしというようなことから、原案ができ、さつき申し上げたような、まだ預貯金の制度がないというようなことからなつたので、私ども林野局の方面といたしましてはこれはまことに遺憾であつて、森林復興の機関團体として一生懸命になつておる森林組合及び組合員に対しては、非常に恐縮に存じておるような次第であります。
#22
○井出委員 要するにこれは事実論と法理論といずれかというふうなケースじやないかと思うのであります。そこで法理論的な根拠を主張される大藏省の側を檢討いたしますならば、預貯金業務を森林組合は行わない。しかし森林法においては貸付ということは明瞭にできるのでありまして、これは必ずしも金融機関ではない。何と申しましようか、金融業務の一部は現在確かに行つておる。こういうことはこの森林法に明記されておるところだろうと思うのであります。そこで問題は預貯金業務をやつておらぬということでありまして、金融の預金口座というふうなものが森林組合にない。從つて政府の支拂代金を、時に預金口座へ振替えて計算をするという便宜がないだけでございまして、そういつた他の手続上の問題だけが障害になつておるとすれば、私は山林復興のために非常に遺憾であると思うのであります。大きな意味で政治をするというならば、こういうような手続上の問題を乗り越えた事実論の立場の上に立つて、むしろこの際私の申し上げるように森林組合を加えることは、法的措置として必ずしも違法ではない。森林組合も当然この線に沿うて政府支拂代金の代行事務を扱うということから、この際はむしろ森林組合をしてこれをやらしめる、そうして山林復興の一助たらしめる。こういうことの方が現段階において適切な仕事である、かように確信するのでありますが、いかがでありましようか。
#23
○荒木政府委員 ただいま農林当局からもお話がありました通り、十分に整備して能力のあります森林組合が取扱う限りにおいては、それだけとしましてはもとより実害もありませず、むしろ便宜であることは御説の通りでございまして、そういう趣旨において異存は毛頭ございません。ただ政府の支拂代金を取扱うという関係において、かつまた特殊の金融機関としての存立を制度上認めます限りは、いかなる場合におきましても、例外なく信頼のできる機能をそれ自身がもつていなければ適当でないと存ぜられるのでございまして、さような見地からさつき仰せになりましたように、森林のない所に森林組合は発達しないし、また存在もしませんけれども、森林がありますところの各縣におきます森林組合にいたしましても、必ずしも農業会等の普遍的な発達はいたしておりませんので、機能的な欠陷と申しますか、能力が欠けておるものもございますので、一種の金融機関として、それをおしなべて制度上取扱うということはいかがであろうか、かような見解から原案通りになつておることは、るる先ほど申し上げた通りでありまして、おのずから適当の時期がございましようから、そのときにいたしたらいかがか、かように考える次第であります。
#24
○井出委員 これは大藏省の側と押問答をしておつても切りのない話だと思いますが、私が先ほど來申し上げておりますように、現機構は必ずしも十分に整備されておらぬ部分もあるということは私も認めます。けれどもそれを今度竿頭一歩を進めて、私の考えておるような線に修正をするならば、これを契機としてますます森林組合というものは発達していくだろう、こういうことを考えまするならば、單に金融という点から――從來金融というものは、相手方に対しておつかなびつくりしながら金を貸すというのが、金融の方面の感覚だと思うのでありますが、今度の場合には、何もそういう意味で森林組合を不安に思われる心配は私は毛頭ないと思います。政府資金の支拂の代行をさせるだけの仕事でありまして、その担保性をなしておるとでも申しましようか、薪炭というのは森林組合がはつきり握つておるのでありますから、その金が他に流用されるとか、そういう懸念は毛頭ないものだと考えるのであります。さようなわけで荒木政府委員のお話の、しかるべき適当な時期という抽象的な御表現では、これはまつたく百年河清をまつに等しいようなものになつてきやせんか、こういう懸念も多分にあるのでありまして、むしろ政府がこういう問題に対して勇断を示していただく、それこそ私は眞の政治であるというふうに考えておるものであります。從つて先ほど來大藏、農林両御当局の御答弁を伺つておりますると、どうも農林省側が少し御遠慮なさつておるのではないかという氣がするのでありますが、三浦長官におかれては林野行政を統べていらつしやるお立場において、むしろもう少し積極的、建設的に森林政策を育成されるという氣魄をお示しくださつて、どうか私の申し上げる方向に御盡力をいただきたいと思うのでありますが、もう一遍農林当局の御見解を伺いたい。私も発言をいたしました以上、何とかこの結末をつけたいと思うのでありまして、もう一遍三浦さんの御答弁をお聽きしたいと思います。
#25
○内藤委員 ちよつと関連しておりますから……。私荒木さんにお伺いしたいと思うのでありますが、この法律の目的は奈辺にあるか、それをお尋ねしたいと思います。実は先ほど來の同僚の質問に対しての政府委員のお答えは、あたかもこの会計法で政府資金が流れていくを貯金されるその機関のためだ、つまり貯金させるためだという印象を與えられるのでありますが、私どもはそうではないと思うので、政府が薪を買い、炭を買われるその金を生産者に支拂うのだ、それを渡すのに今までのような中央金庫だけではいかぬので、今度拡張して渡しやすいようにするのだというのが私どもは目的だと思います。ところが預金の制度がないからだめなんだということになると、ちようど預金させるための会計法のような印象を與えるのでありますが、あらためてこの会計法の目的は奈辺にあるのか、お尋ねしたいと思います。
#26
○荒木政府委員 この法案の目的は、内藤委員の仰せになりました通りでありまして、私ももちろんさように考えておりますが、私が申し上げました趣旨は、もとより便宜を拡大するために本法案が出たのではありますけれども、いやしくもいささかの齟齬があり、間違いがあつてはいかぬ、そうである限りにおいては、一種の金融機関的機能をこの際與えるのに適当でないという点に、むしろ重点を置いて考えることが適切であり、一方におきまして農業会もしくは協同組合は、相当普遍的に存在しておりまするので、便宜の点から申しましても、さらに健全に発達しました森林組合が加わりますれば、より便宜であるとは、もちろん言えると思いますけれでも、全國的に普及しました農業会、協同組合ということによつて、一應目的は達すると思われますし、かつまた先刻來、るる申し上げておりますように、非常に発達しましたところには、人員あるいはその能力等も金融機関としての内容をもつておられるところはもちろんあるのでありますが、そうでないところもありますので、普遍的にと申しますか、森林組合がそうなりますときには、これを正確に取入れるというのは、またおのずから別に時期があるであろう、言いかえますれば農林当局におきまして、もつと積極的に森林組合の育成発達を考えられまして、もうこれでいいじやないか、さあこいという時期がおのずからあるであろう。その時期に加えても遅くはないじやないか、かつまたそうする方が経過的には適切であろう、かように考える意味において申し上げた次第であります。
#27
○内藤委員 今のお答えを聽いておりますと、私は正直に申し上げますと、いよいよ薪炭が出まわらないことになつてしまうだろうと思います。今まで出まわらなかつた一つの原因は、副業的に炭を燒いておる、つまり農業協同組合の方で扱う方はいいのでありますが、專門的に炭を燒いておる者、あるいは薪を製造しておる連中に、なかなか政府の金が渡らない。それが薪炭が出まわらなかつた大きな原因になつておるのであります。薪を三割五分から四割、炭を二割も扱つておるのはこれは分野が違うのです。農業協同組合、農業会が扱つておるのと範囲が違うのです。そこの方を何とか便利を考えてやりませんと、私はほんとうに薪炭が出まわらないことになつてしまうと思う。でありますからむしろそういうことまで親切にお考えなさることが、薪炭需給を円滑ならしむる大事なことであつて、それを忘れては何にもならぬのであります。もしそれを忘れておやりなさるならば、私どもは今度の五十五億の増額も、何とか考えなれればならぬことになるだろうと思うのであります。ですからその点実体をよくお考えいただきまして、單なる金融機関だけを見ずにお考えいただいて、薪炭の需給をほんとうに円滑にならしめるようにしていただきたいのであります。希望は森林組合を入れていただきたい。希望として申し上げておるのでありますから御返事は要りません。
#28
○川合委員 議事進行について……。先ほどから薪炭需給調節特別会計法の一部を改正する法律案に関する井出委員及び内藤委員のお話を承つておりますと、もつともでありまして、私たちとしましても同感の意を申し上げますが、これは大体論議が盡きたのでありますが、一應懇談事項として残しておいて、そうしてじつくりと各議員と農林当局、大藏当局と懇談したいと思います。ひとつ委員長からお諮り願います。
#29
○吉川委員長代理 川合委員から動議がございまして、これを適当な機会に懇談事項として取扱いたいということでありますが、御異議ありませんか。
#30
○吉川委員長代理 御異議ないようでありますからそのように決定いたします。
    ―――――――――――――
#31
○吉川委員長代理 次に公立高等学校定時制課程職員費國庫補出法案及び学校教育法の改正案に関する質疑に入ります。
#32
○川合委員 公立高等学校定時制課程職員費國庫補出法案並びに学校教育法及び義務教育費國庫負担法の一部を改正する法律案に関連いたしまして、私は文部行政と國の財政との関連において、文部当局がいかようなお考えをもつておるかという根本的な問題についてお尋ねしたいと思うのであります。敗戰後日本は申すまでもなくいわゆる文化國家の建設を目指して、われわれは今新日本の建設に邁進しておるわけでありますが、まだその理想に到達する第一歩をみ踏出したにすぎない、かように考えておるわけであります。しかしながら先般大藏大臣の説明におりましたように、われわれはこの敗戰後の生存経済、生きんがための経済より生活経済――生活を樂しむというような、ある程度の段階にまさに到達しようとしておるわけであります。從いましてわれわれはこの機会に文化國家建設に、ほんとうに重点を集中していかねばならぬと考えておるのでおりますが、それにまず先だつものは金であります。今日においては六・三制の実施も思うに任せないという状態にあるのでありますが、私は文化國家の建設という見地から言うならば、まず少くとも國の財政支出のうち、二割は必ず文部行政のために使うという、一つの大きな理想を財政の上に織りこむことが必要ではないかと考えておるのであります。これは現実から見るならば、かなり困難なようでありますが、いたずらに現実にとらわれて、文化國家の建設ということを、單なる口頭禪に終らしめないためには、そういう財政の面についても文部当局としてお考えになる必要があるのではないかと思うのであります。かかる面におけるいろいろな根本的な方針について、この機会に文部当局の所見を承りたいと思うのであります。
#33
○細野政府委員 敗戰はいたしましたけれでも、われわれは日本の再建にとりまして、教育というものを特に重大視しておるのであります。たとえば今生産ということがしきりに言われますが、木を生産するというとき、山の木を伐れば木の生産だという見方は、非常に近視眼的な見方でありまして、山の木を伐つて山を坊主にするよりも、むしろ山に木を植えるという方が、より木林を生産するという目的に適うゆえんだ。そういう意味におきまして、私どもは教育は文化國家日本を完成する上におきまして、最も重要な事業であらうと思います。從いまして國の財政の許す限り、この方面に最も力を入れなければならぬと考えておる次第であります。ただしかし教育の將來の方向といたしましては、日本を敗戰に導きました原因の一つといたしまして、教育制度の中央集権ということがあげられるのであります。たしかに戰前の日本の教育は中央集権でありましたから、いきおいその教育は画一的になり、詰込主義になつたのであります。そういう見地からいたしまして、文部省は今度議会に教育委員会法を提案いたしまして、教育を地方に分権する、地方に分讓することになつたのでありますから、その方向からいきますれば、將來は國の直轄する学校の教育は、國自身が扱いますけれども、義務教育は地方の財政において賄うという方向に向つていかなければならぬと考えておるのであります。ただしかし今経過的には六・三制の完成とか、あるいは新制高等学校の完成につきましては、國の財力の許す限りこれを援助し、また六・三制の完成につきましては、國が直接責任を負う義務教育でありますから、國自身の財政の許す限り全額國庫負担にしたいのでありますが、今のところ國の財政上やむを得ず、義務教育につきましては半額補助、新制高等学校につきましては十分の四程度の補助しかできないような現状になつておるのであります。以上御了承願います。
#34
○川合委員 財政の現状からして教育費を思うようにとることができないという点は、われわれも了承するのでありますが、まだ國民一般が教育の必要という点において、十分な認識に達していないうらみがあるのであります。從いましておそらく予算を編成する場合においても、ともすれば大藏省が文部省の要求をカツトするようなことがあるのではないか。これは現在のような火の車の財政からすればやむを得ないのでありますが、私はこの機会に、予算を編成する場合において、大藏当局が從來と頭をかえて、文部当局の予算を檢討してもらいたいということを希うものであります。今の文部政務次官のお答えによりまして、パートタイムの高等学校の職員の費用に対して、十分の四を補助するという原案でありますが、私はパートタイムの高等学校というようなもの、すなわち勉強しながら働くというのが、日本國民の今後の青少年のあり方でなければならぬというように考えるものであります。從いまして私はこの高等学校の費用、少くともパートタイムの学校に対しては、その新設に全額の國庫補助、あるいはまた職員費に対しましても、全額の國庫補助ということが望ましいのではないかというように考えるのでありますが、それにいたしましても、新設の場合は半額、職員費の場合は十分の四というように、そこに一割の差を設けたゆえんはどこにあるか、その点をお伺いしたいと思います。
#35
○細野政府委員 義務教育は五割でありまするが、新制高等学校の方の補助はすべて四割であります。たしかにお説の通り四割の補助をもつてわれわれは十分とは考えておりません。この点につきましては大藏省とも折衝いたしましたし、大藏省も決して教育に対して無理解なわけではなく、十分な理解をもつてわれわれと予算を折衝していただいておるのでありまして、ただ國全般の財政の関係からいたしまして、この新制高等学校については、四割程度しか補助できぬ計算になつたのであります。これは先ほども御答弁申し上げましたように、最近の新制高等学校を十分調査いたしまして、その基礎のもとに計算した金額でありまして、予算にあります五億何がし、これは必ず四割というものを確実に行き渡るようになつているのであります。なおこの補助額の内容は、俸給のほかに定時制の高等学校の特色として、巡回費あるいは現場実習の指導費等もこの中に含まれていることを御了解願いたいのであります。
#36
○川合委員 次に学校教育法という法律案に関連いたしましてお尋ねいたしますが、新制大学の設置ということは各方面でいろいろと請願があるようでありまするが、大学の設置のいろいろな準備がどの程度に進行しているか。かつまた当局としてはどういうような配置のもとに大学を地方的に配置するかということを、ごく簡單でよろしゆうございますから、この機会に説明願いたいと思います。
#37
○細野政府委員 現在文部省が直轄しております学校は、師範学校、青年師範学校、專門学校あるいは大学、全國に六百六の直轄学校があるのであります。初め文部省はきわめて完備した総合大学を、大体全國に十箇所ぐらい設けたいというような考えをもつておつたのでありまするが、その後各府縣におきまして、それぞれ自分の府縣に学校をもちたいというふうな、非常に熱誠な希望がありましたので、その後は大体の方向といたしましては、各府縣にありますところの專門学校なり、師範学校なりを母体といたしまして、一つの大学に統合したいという考え方をもつて進んでいる次第であります。六百余りの学校を大体において六、七十の大学にしたいという方向に進んでおりますが、ただ各地各学校それぞれ歴史と傳統があり、地方民の御要望もありまして、文部省といたしましては、まだ最終的な決定をいたしておりませんが、少くとも來月の末までには文部省案というものを決定したいということを考えている次第であります。
    ―――――――――――――
#38
○吉川委員長代理 次に公認会計士法案を議題といたします。まず政府の説明を求めます。
    ―――――――――――――
#39
○荒木政府委員 ただいま議題となりました公認会計士法案について、その提案の理由を説明いたします。
 企業の経理が複雜となり、財務書類が企業と投資者との間を結ぶほとんど唯一のつながりとなつております今日、企業の経理を公正にし、財務書類の眞実性を確保することは、民主的かつ合理的な経済の基礎を確立するために欠くことのできない要請であり、殊に今後わが國が民間外資の導入をはかります場合に、このことが必須の前提條件となつてまいるのであります。しかして、この要請を満すためには、米國及び英國に見られるごとき、自由職業者としての高い社会的信用を有する多数の会計士を必要とするのでありますが、わが國の現状におきましては、從來から計理士の制度はありましたが、この要請に應ずるためには、公平に見て、なおはなはだ不滿足な状態にあることは、遺憾ながら一般の認めるところであります。ここにおいて政府は、公認会計士の制度を設け、できるだけ速やかに世界的水準に達する公認会計士を養成し、諸外國の信頼に値する企業の財務書類の監査証明が行われ、これによつて外資が、安んじてわが民間企業に投資され得る態勢を一日も速やかに確立することが必要であると認め、ここに公認会計士法案を提出いたした次第であります。
 法案の要旨を簡單に申し述べますと、会計実務を專門とする自由職業者たる公認会計士及びその補助者たる会計士補を設け、高級の國家試驗に合格し、所定の登録をした者をして、その業務を営ませることといたしました。公認会計士は、会計に関する監査証明をすることについて独占権を與えられるのでありますが、その職能に應じ、高い品位と技能とを常に保持することを要求され、その義務に違反したときは、裁判類似の手続を経て、懲戒処分を受けることとされております。
 次に会認会計士の監督は、一般の行政官廳をしてなさしめることは不適当と認められますので、大藏大臣の管理のもとに会計士管理委員会を設け、試驗の施行、登録、懲戒等の事務を掌らしめることといたしました。
 なほ、公認会計士制度の創設に伴い、旧計理士法はこれを廃止することとしたのでありますが、計理士その他の会計監査の專門家で、公認会計士たるにふさわしい品位と能力とを有する者に、公認会計士となる特別の途を開くために、特別試驗の制度を設け、現在計理士の業務を営んでいる者には、本法施行後二年間その業務を行うことを認める等、所要の経過規定を設けた次第であります。
 何とぞ速やかに御審議の上、御賛成をお願いします。
#40
○吉川(久)委員長代理 午後一時再開することにいたしまして、しばらく休憩いたします。
    午前十一時五十四分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時五十六分開議
#41
○早稻田委員長 会議を開きます。
 お諮りをいたしますが、午前中政府当局より説明を求めました公認会計士法案につきまして、ちようど本日は全國会計士團体の代表者であられる藤原龍太氏、大木勇氏、片桐勝昌氏、前川万次郎氏、長柄金吾氏等、斯界の権威者のおいでを願つておりますので、この場合、二、三御意向を聽きたしと存じますが、御異議はありませんか。
#42
○早稻田委員長 御異議はないようでありますので、さよう取計らいます。
 それではこれから御意見を聽くことといたしますが、他の法案の審議の関係もありますので、なるべく簡單に要点のみを申し述べていただくようにお願いいたします。最初に藤原龍太氏にお願いいたします。
#43
○藤原参考人 公認会計士法案の本委員会における御審議にあたりまして、私ども業者の声をお聽きくださる機会をお與えくださいましたことは、私は衷心より感謝申し上げる次第であります。
 この度政府より御提案に相なつておりまする公認会計士法案は、私どもの從來の権益をまつたく剥奪いたしておるのであります。これは法案の第五十七條をごらんくださいますると、よく御承知になると思うのでございまするが、第二項の第二号以下におきまして、計理士法によりまして私どもが二十幾年の間その権益を與えられて、今日まで忠実に守つてまいりました業務は、まことに無慈悲にもとられてしまつておられます。すなわち第一項におまして特別公認会計士試驗を行う、その試驗を行います有資格者は、五年以上計理士もしくは第二号におきまする学者、第三号に銀行、保險会社等の会計の事務に携わつた者、その次はあらゆる会社の会計の事務に從事いたしておりました者、その次は会計学なり経済学を研究いたしておる者、こういうふうに定めてありますが、從來弁護士法なり、あるいは医師法なり、弁理士法なり、あらゆる自由職業を律しますところの法律が改正されました場合におきまして、未だかつて既得権を剥奪いたした法律というものは、本法をおいてないのであります。大藏当局のお考えと私どもの考えておりますことと、非常にここに開きがあるのでございます。もしこの法案がこのままに議会において御通過相なるといたしますならば、われわれ業者の家族、使用人の家族等を合わせまして、十数万人はただちに路頭に迷うという、悲惨なる結果を招いてまいるのであります。その生命、生活戰線を脅かすという重大なる改正のいたし方でございまして、大藏省の御当局に伺いますと、既得権というものはないのであると、こう申されますけれども、現在の計理士法の第一條には、計理士の称号を用いまして会計に関する檢査、調査、鑑定、証明、計算、整理または立案の業務に從事するということを、明らかに書いております。計理士の称号を用いなければどんなことでもできるのであるから、既得権でないとおつしやるのでありますが、われわれは計理士の称号を用いてその業務に從事しておつたのでありますゆえに、これはりつぱなる既得権であると申さなければなりません。その既得権をばこのたびの原案によりますと、全部剥奪いたしてある。これが私どものどうしても――平たい言葉で申しますと承服しかねるところでございますので、この点をぜひとも御是正願うように、私どもはお願いいたしてみたいと考えるのであります。それからものは多年の経驗をもちますほど、大きな力をもつものはございません。今この特別試驗を行うといたしましたならば、実際の結果といたしましては、こういう結果を生むと思うのであります。何ら間に合わないところの、学校を卒業してすぐ出た者が、ただちに試驗に合格いたしまして公認会計士となり、多年の間りつぱな経驗を積み、社会の信用をもち、多年の苦労を積んでまいりました者が、みんな洗いさらわれるということになるとわれわれは考えるのであります。この既得権を認めましても、絶対に國家に害毒を流すものじやございません。國家はむしろ益にこそなれ、損失を招くものではないということは、現在業務に從事しております者は、わずかに三千人に足らないのでありますが、その一割に満たない約二百人の者が十年以上でございます。五年以上といたしますと千五百名ぐらいでありまして、千五百人ないし二百人といたしますならば、それらの者はまつたく社会の信用と相当の地位をもつておりまして、そして國家のために今まで盡してまいりましたものでございます。從いましてこういう者に対しましては、既得権を全部お認めくださるように、私どもはお願いいたしたいと思うのでございます。
 その次は現在の日本の経済情勢からまいりますすと、今政府が提出いたしておりますような高度な公認会計士のほかに、現在の計理士のごとき程度の者がまつたく必要であるのでございます。試みに計理士法は昭和二年に公布されまして、何ら法の恩惠がないにもかかわりませず、今日かくのごとく盛大に相なつてまいりましたゆえんのものは、ほかならずして現在の日本の経済情勢に適合いたした制度であつたと申して差支えないと思うのであります。また現在の日本の経済情勢では、現在のような計理士を要求しておるのであります。從いまして今度の法案を拜見いたしますと、経理士法は廃止いたしまして、二箇年の後には計理士はなくなるというのでございますが、これは何としても現在の計理士そのものは存置して置かれる方が、國家のために私はよろしくはないか。現在の経済情勢、日本の経済組織の上から申しましても、絶対に必要なことであると私は確信いたしておるのでございます。
 それから第二條第二項第二号以下第六号までのものは、從來法律が與えられた権利もなければ保護もなかつた。また法律の取締りも受けておらなかつた人に対しまして、今度は法律によつて新たなる既得権を附與するということに相なるのでございます。すなわち特別公認会計士試驗を受けるということは、一つの既得権であると見て差支えないと思うにであります。その権利の何らなかつた者に、新たに附與するということは、何としても私どもの考え得られないところでございます。
 また本法のうちで十七條に、三年に満ちますると、登録の効果が喪失するのであります。かような登録制度、自由職業の登録の更新を設けられた制度も、また初めてでございます。弁護士なり医師なりにおきましても、三年くらいで登録の更新をいたしまするならば、政府も申請者も、ともに煩雜なる手数を要するばかりでございまして、それのみに忙殺される。でございますから少くともこれは五年くらい延長するのが正当ではなかろうかと、私どもは考えておるのでございます。
 それから本法のうちの第九條でございます。これは学者なり特権階級にのみ試驗の一部を免除しようというのでありますが、さような人はみずから進んで第五條の試驗を受けるのでありますから、さような特権を與える必要はない。すなわち五十七條の第二項以下とにらみ合わせまして、まことに不合理な成文であると私どもは信じておるのであります。とりもなおさず私どもの既得権は、何としてもこれを認めてもらわなければならぬと思うのであります。もしそれ既得権を認められないといたしますならば、國家はこれに対して生活の補償をいたされる義務があるのではないかしらぬというふうにまで、私どもは考えておるのであります。もちろんこれに対しましてはさような犠牲者に対しては、國家が何らかの補償をされるかも存じませんが、おそらくそういう御用意があるかということも、私どもは危惧に考えておるのでございます。
 さような意味合いでございまするから、ただいま申し上げたように五十七條の全文をお改めを願いまして、既得権を認める。すなわち既得権は十年以上の者に対しては選考かその他の適当なる方法によりまして、管理委員会においてこれを認める、そうして新法の資格を與える。五年以上の者に対しては特別公認会計士試驗を課して、公認会計士となさしめるというふうに改めていただきたい。
 それから法案の名称でありまするが、公認会計士という言葉は、まことに現在の情勢に合わないと思うのでございます。これは現在の計理士法に対しまして、いわゆる非計理士が使つておりますものは、会計士と称して計理士と類似の行為をやつております。それがちようど公認会計士法という法律ができますと、何らかまぎらわしい感じが起るのでございます。社会観念から見ましても、おもしろくないものではないかしら、こういうふうに考えまするので、これを公認計理士法と改めていただくならば、私どもの幸いこれに過ぐるものはないと思うのでございます。
 以上が政府の御提出に相なつておりまする法案に対しまする私ども業者の、かえていただきたいと思いまする意見の大要でございます。以上をもつて私の話を終ります。
#44
○早稻田委員長 次は計理士会の本部常任理事をお勤めの、片桐勝昌君にお願いいたします。
#45
○片桐参考人 藤原大阪支部長の触れなかつた問題を一、二申し上げまして、ぜひとも御協力を賜わりたいと存ずる次第であります。
 その前に、日本計理士会は戰爭中大藏省の斡旋によりまして、全國の計理士團体を統合した團体でございますから、日本計理士会はオール計理士の團体であるのでございます。さらに大藏省の計理士制度調査委員会の構成の中に、わが計理士会から六名の委員を送りこんだのでありますが、この六名の委員各位は、この原案に全部反対をしたのでございます。いま一つ、十年以上の現業者に対する特別選考の制度の問題につきましては、すでにG・H・Qから第一回に示されました第一原案でございますが、第一原案が一、二箇月経過する間に、この原案に変つてきたのでありましていわゆる米、英のアツカウント制度に適應するイリノイ州、ニユーヨーク州等の計理士法改正制度の実例に鑑みまして、第一原案が出たのであります。こういう経過を考えてみますると、私どもの皆樣にお訴え申し上げまするこの改正要項と申しますのは、実はG・H・Qの示されました第一原案であるのでございます。かような意味合いにおきまして、藤原支部長の申されたように、ほんとうに現業で長い間命をかけて健鬪されております全國三万の、この十年以上、五年以上の計理士が、戰爭中いかに日本経済に貢献し、終戰後におきましても、外資導入の寸前の姿にありまする今日、非常な重大な役割を行い、高度なる識見に徹して行動をとつておりますことをお認めくださいまして、ぜひとも私どもの希望をお達しくださるように、衷心からお願い申し上げる次第であります。
#46
○早稻田委員長 次は京都の大木勇君にお願いいたします。
#47
○大木参考人 本日数ならぬわれわれ業者をお招きくださいまして、われわれの衷情を一應聽いてやろうという御憐みんをもつて、ここにわれわれの説明を一應お聽取り願うことは、業者といたしましてまことに感謝にたえない次第であります。
 大体において前の二人が申し上げたことで盡きているのでありますが、この計理士の歴史は申し上げるまでもなく、大正三年に初めて計理士制度の議が起りまして、それから昭和三年に至るまで六回の議会に提案せられまして、ようやく昭和三年にここの声をあげたのであります。由來二十幾年間、われわれはこの制度の不備なるところをたびたび指摘いたしまして改正を叫んだのでありますが、いかんせん政府において、ちようど生み落した孤兒に対して母乳を與えず、今日まで荏苒過してきたというような現況に立ち至つているのであります。御承知のアメリカあたりにおきましても、一九二三年にこのアツカウントの制度を高度のものにいたしまして、ようやく一万八千の計理士の中から、試驗制度並びに選考制度によつて千八百の計理士をつくられたのであります。先ほど藤原支部長が申し上げましたごとく、はたして今日の日本の現況において、かくのごとき高度の計理士法が全部必要であるか、今日のような程度の計理士が必要であるかといいますならばこれは現在のような計理士が最も数において多く利用されているのであります。これが改正はわれわれの多年翹望してやまないところでありますが、極端な改正を願わずして、漸進主義で進んでいただきたいとかように常に考えている次第であります。この意味をもちまして、過日その修正の一部意見書をお手もとに向けて差上げたのでありますが、どうかわれわれの愚意のあるところを十分御清覧賜わりまして、何とぞわれわれの希望する程度において御修正を賜わつて、本案の御審議を賜わらんことを、賢明なる委員各位にひたすらお願いいたしまして、ただ簡單に御挨拶の言葉といたしたいと思います。
#48
○早稻田委員長 ただいま全國業界の代表的立場にあらせられる藤原、大木、片桐、三君から、それぞれわれわれの審議の上に参考になるお話を拜聽いたしました。なお時間が許せばほかの方々にも、お願いしたいと存じますが、残念ながら時間の関係もありますので割愛いたしまして、これで参考人のお話は一應止めることにいたします。なお本案については、法案を手にして間がありませんので、おつて愼重審議を願うことにいたします。
    ―――――――――――――
#49
○早稻田委員長 次は製造たばこの定價の法定又は改定に関する法律案を議題といたします。
#50
○梅林委員 本案につきましてはすでに大体質疑も出盡したようでございますし、各党ともに原案に対する御意見もおまとめのようでございますので、討論を省略して、ただちに採決に入られんことを希望いたします。
#51
○宮幡委員 製造タバコ値上げの件につきましては、こと國民大衆の生活に関する重大なことでありまして、わが党といたしましても、これに対し愼重な檢討を加えつつある過程にあるわけでありまして、原則といたしまして、自由販賣のタバコについての値上げは、緊急の財政需用に應ずるためにやむを得ないのではなかろうかという意見をもつております。配給タバコの値上げについては、その割合は比較的軽微ではございますけれども、主として勤労大衆に及ぼす影響も多い。かような観点からなお研究すべき余地が十分あると考えております。でき得べくんば他に適当なる財源を求められまして、配給タバコの値上げを取消していただきたいと考えておるわけでありますが、國会の会期、あるいはその他の法案の審議の状況等を見、またタバコ値上げによる歳入欠陷に大きな穴を生ぜしめるということも、國会の本來の任務としてどうかと考えますので、政府当局におきまして、特に配給タバコの値上げ等の問題については、國民大衆の負担を十分考慮せられて、將來もかかる事態に当面いたしました場合には、一層の考慮のもとに原案を作成せられんことの希望を申し上げまして、政府提案の原案に賛成の意を表します。
#52
○荒木政府委員 ただいま宮幡委員から、まことに御理解のある御発言を伺いまして感謝いたすのであります。政府といたしましてももとより御意見のごとく、配給タバコ、大衆向きのタバコについて値上げをすることは本意でないのでございますが、いかんせん今日の財政状態から申しまして、あらゆる財源をあさり盡して、せめてお忍びいただけるであろうという見当におきまして、この程度の値上げを策した次第であります。賃金、物價体系等の横の関係においても考慮をめぐらしまして、配給タバコの値上げは最小限度に止める。かようにいたした次第でありますので、この際あらためて御了承いただきたいと存ずる次第であります。
#53
○堀江委員 私はいろいろな観点から、從來この委員会で論議された点から見まして、タバコ値上げに絶対に反対する者であります。というのは第一にタバコは贅沢品であるという見解に対して、私は生活必需品に近いものである。ほとんど生活必需品であるということ、從つてタバコの値上げははつきりした大衆課税であるという点、ピースに例をとつて見ましても一箱が五十円でありますが、私は農村に帰つてよく農民から質問されるのであります。一箱五十円のピースと、供出米三升と匹敵する。農民はどうして食つていくんだ。また政府みずからが厖大なやみを誘発するような價格政策をタバコにおいてとつておるということを、いつも質問されまして、私らとしてはその答弁に困るくらいであります。また値上げはインフレを助長するということは先の話によりましても当然でありまして、あの原價が四円五十銭のピースを五十円にすでに賣つておるという事実が、みずからインフレを煽動しておるのだということの印象を與える精神的な意味においても、値上げをしてはならないという点があります。
 それからまた値上げをすることはやみタバコの跳梁を許すということになる。いろいろこの問題についても質問が交されたわけでありますが、現在のタバコの買上げ價格と、製品になつたタバコの販賣價格の差額が、あまりにもはなはだしいという点、それからピースなどが六十円になつた場合において、いろいろ政府側からも御答弁があつたわけでありますが、やみタバコの原價は十五円くらいであるというような点から考えて見ましても、五十円のピースが六十円になつたならば、さらにやみタバコが跳梁してくる。そのために過日取締法案が出たわけでありますが、一片の法律を制定したとしましても、必ずしもそれは取締られるものではなくして、前回新生が四十円で賣出され、百万円の懸賞付きで賣出されたにかかわらず、あの不成績に終つたということは、いかにタバコの値上政策が失敗であつたか、またかりにタバコを値上げしても、現在の國民の購買力がはたしてそれを消化すかるどうか、政府は今回の値方げによつて九百なんぼの純收入を目指しているようですが、現在の情勢からいつて、おそらく値上げしてもその收入は期し得られない。また新生の二の舞の事態が起ることが予想されることが考えられる意味におきまして、値上げにはその点からも反対である。さらに今回の値上げに伴いまして、一番重要視すべきことは、配給タバコの量が減つておつて、自由タバコが逆に二〇%殖えていることであります。これは非常に大きな問題でありまして、配給は殖えたと言いましても、月に六十本、一日に二本づつであります。タバコを吸う者が一日二本や、八本や、十本では足らない。少くとも十本ないし十五本を吸うのが常識でありまして、あとの足らぬ部分は高いタバコに依存しなければならぬということは、当然な事実でありまして、この点からも大衆課税の傾向が非常に強いという意味から反対であります。また國民所得の比率におきましても九百なんぼ、賣上げにおいてはもつとよけいになるわけであります。政府も國民所得との関連から、五%以上を見込んでいるということは、昭和二十二年度のタバコの收入割合を五%に初め政府は見込んでおつたようでありますが、実際は三%半に終つたという事実から見まして、このタバコ値上げは不成功に終るだろう。また値上げをすることは、さきにもちよつと触れましたように、日本のインフレに拍車をかけるという点を心配するものでありまして、こうした意味において私は絶体に反対するものであります。またそこにも陳情書が出ているように、國民の輿論として、政府みずからがこうした大衆生活を脅かすような値上げに対して反対であるという輿論も、また無視してはならぬのであります。おそらく現下の十何倍という利潤をとる、それは利潤でない税金という見方もありますが、物價の関係から言うとはつきりピースや何かには十何割かの利益をとつている。それが六十円になつたならば原價の十三倍からの利益になつているということは、非常に國民に大きな惡影響を與える。いろいろそのほかにも反対の理論はあるわけであります。
 以上簡單に反対理由を申し述べる次第であります。
#54
○早稻田委員長 先ほど梅林委員より質疑を打切り、討論を省略して採決せよという動議が出ておりますが、さよう取計らいまして御異議はありませんか。
#55
○早稻田委員長 御異議はないようでありますので、討論を省略いたしまして採決をいたします。本案に御賛成の諸君の御起立を願います。
#56
○早稻田委員長 起立多数。本案は原案の通り可決確定されました。
#57
○梅林委員 本日はこれをもつて散会せられんことを望みます。
#58
○早稻田委員長 梅林君の動議のごとく取計らつて御異議ありませんか。
#59
○早稻田委員長 それでは本日はこれをもつて散会いたします。
    午後二時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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