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1953/07/21 第16回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第016回国会 大蔵委員会 第26号
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1953/07/21 第16回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第016回国会 大蔵委員会 第26号

#1
第016回国会 大蔵委員会 第26号
昭和二十八年七月二十一日(火曜日)
    午前十時四十四分開議
 出席委員
   委員長 千葉 三郎君
   理事 淺香 忠雄君 理事 苫米地英俊君
   理事 内藤 友明君 理事 佐藤觀次郎君
   理事 井上 良二君 理事 島村 一郎君
      有田 二郎君    宇都宮徳馬君
      大上  司君    大平 正芳君
      黒金 泰美君    藤枝 泉介君
      福田 繁芳君    小川 豊明君
      木原津與志君    久保田鶴松君
      春日 一幸君    平岡忠次郎君
      福田 赳夫君
 出席政府委員
        大蔵事務官
        (日本専売公社
        監理官)    今泉 兼寛君
        大蔵事務官
        (主計局法規課
        長)      白石 正雄君
        大蔵事務官
        (主計局給与課
        長)      岸本  晋君
        大蔵事務官
        (主税局長)  渡辺喜久造君
        大蔵事務官
        (管財局長)  阪田 泰二君
        通商産業事務官
        (公益事業局
        長)      中島 征帆君
 委員外の出席者
        大蔵事務官
        (管財局閉鎖機
        関課長)    岩動 道行君
        日本専売公社塩
        脳部長     西川 三次君
        専  門  員 椎木 文也君
        専  門  員 黒田 久太君
    ―――――――――――――
七月二十日
 委員宮原幸三郎君辞任につき、その補欠として
 牧野寛索君が議長の指名で委員に選任された。
七月二十一日
 委員牧野寛索君辞任につき、その補欠として宮
 原幸三郎君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
七月十八日
 所得税法の一部を改正する法律案反対の陳情書
 (芦屋市議会議員久堀幸夫外七名)(第九三一
 号)
 国民金融公庫別わく資金の融資に関する陳情書
 (山口県知事小沢太郎)(第九三二号)
 会計年度の暦年制改正に関する陳情書(全国市
 長会会長中井光次)(第九七六号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 有価証券取引税法案(内閣提出第二七号)
 砂糖消費税法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第三二号)
 富裕税法を廃止する法律案(内閣提出第三三
 号)
 法人税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 六二号)
 所得税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 六三号)
 相続税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 六四号)
 特別減税国債法案(内閣提出第九八号)
 資産再評価法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第一一〇号)
 関税定率法等の一部を改正する等の法律案(内
 閣提出第一一六号)
 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第一四三号)
 塩業組合法案(内閣提出第一二号)
 信用金庫法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第一三号)
 食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案(
 内閣提出第八三号)
 国民金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第八四号)
 閉鎖機関令の一部を改正する法律案(内閣提出
 第九四号)
 鉄道債券及び電信電話債券等に係る債務の保証
 に関する法律案(内閣提出第九五号)
 国家公務員等に対する退職手当の臨時措置に関
 する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第
 一〇三号)
 産業投資特別会計法案(内閣提出第一一三号)
 厚生保険特別会計法の一部を改正する法律案(
 内閣提出第一一五号)
 信用保証協会法案(内閣提出第一二五号)
 日本専売公社法の一部を改正する件律案(内閣
 提出第一五九号)
 日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約
 第三条に基く行政協定の実施に伴う国有の財産
 の管理に関する法律の一部を改正する法律案(
 岡良一君外二十六名提出、衆法第二〇号)
 積雪寒冷単作地帯における麦類又は菜種の収穫
 に因る農業所得に対する所得税の臨時特例に関
 する法律案(竹谷源太郎君外二十四名提出、衆
 法第二一号)
 国有財産法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出第四五号)(予)
 証券取引法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第四九号)(予)
 証券投資信託法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第七八号)(予)
    ―――――――――――――
#2
○千葉委員長 これより会議を開きます。
 本日の日程に掲げましに有価証券取引税法案外二十五法案を一括議題として質疑を続行いたします。質疑は通告順によつてこれを許します。井上君。
#3
○井上委員 特別減税国債法案に関連をいたしまして質問をいたしますが、この法案は、国債の消化を目的にした法案であり、なお国債発行に関しまして発行いたしますのは、別途提案をされております産業投資の資金に充てる、こういうことで本年二百億を予定いたしておりますが、産業投資の特別会計財源に充てるための国債発行について、これはあなたにそんなことを質問してもちよつとぐあいが悪いが、政務次官はどこかにおりませんか――といいますのは、一応この産業投資に対する政府の計画というものが明らかにされて、そこで国債の発行についての一定の方針を伺わなければいけない。それがないというと、はたしてこの国債はことしきりで打切るつもりか、それとも、今後ずつと産業投資の続く限りはその財源として一定額を発行するつもりか、ここに一つの問題がございますから、これはあなたではちよつとぐあいが悪い、こう思いますので、その点について政府の方の責任ある答弁を伺いたいと思います。
    〔委員長退席、内藤委員長代理着席〕
 そこで産業投資を推進するということから国債の発行が考えられるのですから、これは現実の問題として、産業投資というものと国債発行と、その消化というものとは切離すわけには行かないわけです。そこでこの国債を買う場合に、買えば一応減税の方で処置をする。国債の利息は四分だけれども、国債を買つたことによつて生ずる減税がほうり込まれるというと、全体では年一割あまりの利まわりになる、こういう計算にしてある。そうすると、同じ所得税をかける階層で、あるいはまた法人税をかける法人で、国債が買えるというゆとりのある所得階級というものは一体どういう階級であるかということを考えると、いわゆる低額所得者は、その日の生活費にさえ課税がされておる現状において、国債を買えばそれだけ自分の所得税が安くなると考えても、現実に買うことができないのです。だから国債を買おうとする個人について考えた場合は、それは非常にゆとりのある生活をしておる人が買い得るのです。そうすると、ゆとりのある人々には、国債を買うことによつて減税の処置が講ぜられる。ゆとりのない低額所得者は、国債を買うゆとりがないのですから、減税の措置が講ぜられない。また法人においても、相当利益をあげるところの会社は、国債を保有することによつて減税の処置が講ぜられるが、ゆとりのないところの中小企業の法人組織のものは、この国債を買うことができないということになり得るのです。そうなると、この国債による減税の処置というものは、結局裕福階級、あるいは巨大な利益をあげております会社をますます太らすことになる、こういう結果になることを、あなたはお気づきになりませんか。この徴税の不平等を一体どうお考えになりますか。これに対する御意見を伺いたい。
#4
○渡辺政府委員 井上委員が前段に御質問になりました件につきましては、今も御指摘になりましたように、主税局長から御答弁をするのは適当でないと思いますので、これは御質問の趣旨を伺つておきまして、大臣、政務次官、あるいは関係局長から別途御説明するようにしたいと思います。ただ私の伺つておりますところでは、減税国債は、来年も続いてやるものじやない、今年限りだということを、大臣が予算委員会などで何回か繰返されておることを伺つておりますから、一応それだけ申し添えておきます。
 今御質問になりました後段の件、すなわち結局減税国債による減税は、それだけ所得にゆとりのある個人、あるいは法人だけが減税を受けるのであつて、減税の面から言えば、非常に不平等なものになりはせぬかという御質問でございますが、減税国債による減税というものをどういうふうに考えるか。これは考えるかということでなしに、どういうふうにできておるかということからわれわれは判断しおるのでございます。これは、確かに税を負けることにはなつておりますが、考え方の基礎といたしましては、結局こういうことによりまして、相当の利回りになる国債を発行しようというところに主眠が置いてあるということに考えていいのじやないか。従いまして、租税の負担の公平という面から考えて参りますと、ほんとうの意味の租税負担、あるいはこれの平等、公平といつたような観念からいたしましたところの観念とは少しかわりまして、結局四分のものが、しかし百円で応募しても、法人であればすぐに二十一円の税金がまけてもらえることになる。個人であれは、二十五円の税金がまけてもらえる。差引七十五円ということになる。それが四年ないし五年たちますと、百円になつて帰つて来る。そこで利回りも、個人の場合は一割二分、あるいは法人については一割五厘、こういうような計算でお話を申し上げておるわけでございまして、これは本来の意味の減税とは違う、むしろ公債の一つの条件というふうに考える。問題は、そうした利回りの公債を出す必要があるかないかという点に議論がなつて行くのじやないかと思いますが、われわれの考えているところといたしましては、これはほんとうに市中で消化する、それもできるだけ金融機関等の消化によらないで、一般の消化にまかせるということになる。もちろん日銀手持ちになるということは絶対に考えてないということになれば、この程度の利回りはやむを得ないのじやないか、かように結論を出した次第であります。
#5
○井上委員 これは一割二分にたるということですが、この一割二分からになる公債を平均して一割一分ぐらいになりますか、この公債を発行することによつて得た資金は、産業投資の面に貸し付ける、こういうことに別途特別会計でやろうとするのですが、その場合の金利はいかほどに見ておりますか。
#6
○渡辺政府委員 その場合の貸付の方の金利は、七分五厘から一割ぐらいの間にあるように見ております。
#7
○井上委員 国は金を集めるのに、一割一分の利率でもつて集めて、七分五厘で貸して、あとどうするのですか。
#8
○渡辺政府委員 一応形式的には、産業特別会計でもつて支払いますものは、ここに書いてある四分だけでございますから、産業特別会計といたしましては、これを七分五厘ないし一割で貸し付けますと、一応つじつまは合うようになつております。しかし片方で減税をやつておりますし、それが応募者にとりましては相当利益になる。それを逆に言えば、国においては相当負担になるわけであります。従いまして産業投資会計、一般会計を通じて考えますれば、確かに一割五厘ないし一割二分で借りたものが七分五厘、一割、こういうことになるわけで、そこに国としてはいわば一種の利子補給的なものが考えられるのでございますが、産業投資特別会計において貸し付けようと考えております相手方は、開発銀行、電源開発、そういうものを中心にして考えておりますので、やはり国の基幹産業に対して融資する限りにおきましては、ある程度の国に負担が参りましても、その程度の利率でもつて貸し付ける必要があろうか、こういう結論を出しましたために、今言つた措置を講じているわけであります。
#9
○井上委員 主税局長は、税のこまかいとり方についての技術的の面の責任者としての御答弁はできますけれども、政治的な色彩がちよつと入るというか、考え方が入ります答弁は、あなたに求めることは無理だと考えます。だからこの問題は、至急に政府の責任のある人にここへ出てもらわぬと、答弁がちよつとぐあいが悪いと思います。
 そこで渡辺さんは、私がさいぜん指摘しましたように、あなたが税を取立てる立場から考えた場合に、そういう減税措置が一体妥当な減税措置とお考えになりますか、問題はそこにある、できるだけ公平な負担をさせなければならぬという立場にあるあなたとして、そういう産業投資には七分五厘で貸して、片一方は公債の消化をやるために、一割二分からの利回りにしてやらなければならぬ。そういう利回りにするためには、今申しましたような処置を講じなければならぬ。その処置を講じた結果が、徴税の上に不公平が起つて来る。これは税の番をしておるあなたとしては、こんなものでへいこらへいとのんでいいと思つておりますか、その点を伺いたいと思います。
#10
○渡辺政府委員 われわれもこの減税国債の制度につきましては、実は相当研究したつもりでおります。租税本来の負担の面から考えて行つた場合に、それはできるだけ公平をはからなければならぬということで、ずつと立てて来ているわけであります。従いまして、こういう減税国債という姿におきまして税金をまけるということが、一応国債と結びついて入つて来た場合に、それがいろいろな意味におきまして誤解を起す種になることにおいて、私としてはかなり慎重に考えたつもりであります。しかし先ほども申しましたように、片方が一割二分の利回りになるのだということになつてしまえば、結局税というものはそこを通じただけだという結論になるわけでありまして、もしこれが、税は本来負けぬのだということであれば、実はこれは四分の国債でなければならないのに、四分ではなくて一割五厘の利まわりになつているのだということは、結局、税を通じはしますけれども、応募者の一応の条件になるのだ、こういううらはらがあるわけでございます。私は減税の条件というものは、結局国債の持つ一つの条件だというふうに考えて行くべきではないかと思つております。従つて、これによりまして税の負担の公平ということが乱されるものではない、こういうような最後の結論を出しまして、一応この案に賛成したわけであります。
#11
○井上委員 私頭が悪いかしれぬので、ようわかりませんが、国債を買えるというだけの所得を持つている人に対しては、その国債を買えば、それだけ減税をされるのでしよう。ところが月収六千円なり八千円なり、あるいは一万円そこそこのようやく生活するだけしか所得のない者は、国債を買おうとしても買えないですよ。買えばそれだけ減税になるのが、買えないじやないか。現実に買えると思つておりますか。問題はそこにあるのです。だからそこに不公平が起つて来る。買えるだけ生活に余裕のある人は、この国債を買うことによつて、それだけ減税の処置が講ぜられるのです。ところが買えない人が現実にあるじやないですか。買えない人は減税の処置が講ぜられないことになるじやありませんか、ただ利回り利回りと言つて、利回りのことをわれわれはとやかく言うわけじやない。担税力の上におのおの相違がある現状において、これをやることによつて徴税の上に不公平が起つて来る、実際は不公平が起り得る、起り得ないということをあなたは御説明願いたい。
#12
○渡辺政府委員 結局こういう条件の国債を発行することがいいか悪いかという問題に帰着するかと思います。それでお説のように、所得が少い、従つて国債を購入するだけのゆとりのない方には、従つてよい条件の国債であつても、それは意味はなさぬ。しかし一面におきまして、ある程度条件をよくしなければ、現在の経済状態からいえば、よし片方にゆとりのある人がありましても、国債を持たない。そこにできるだけ低くはしたいが、同時に消化も考えなければならぬというところに、こうした発行の条件がきまつたものと思います。そしてこの場合と多少違いますが、たとえば国債の発行の場合におきましては、いろんな型が考えられるわけでありまして、表面の利率を高くして、そして百円で発行し、百円で償還する場合もありますし、あるいは割引発行という形をとりまして、表面の利率は低いけれども、当初額面百円のものを九十円で売る、あるいは八十円で売る、こういうことによつて、しかし四年たてば必ず返すという発行条件も考えられるわけであります。この場合におきましては、それと意味が全然同じだとも言えませんが、その一つの発行条件という面から考えますれば、これは百円でもつて売りますけれども、しかし片方ですぐ二十一円、あるいは二十五円の減税を受ける。納税者の面からいたしますと、結局は七十五円で買つて、四年たつたあとで百円の償還を受けるとともに、利息四分を受ける。こういつた場合と、減税ということになりますがゆえに、条件が同じであるとは私は決して申しませんが、考え方によつて、それと非常に似たものになる、いわばそういうものと考えることもできるのではないか。従つて租税の負担公平といつた面から考えますよりは、むしろそういう発行の条件と考える方が妥当な考え方ではあるまいか。あえてこういう措置によりませんで、普通の割引発行の制度をとりましても、これもやはりあまり条件が甘過ぎるということになれば、国債を買える人だけに恩典が行くわけでありまして、国債を買えるだけの余裕のない人に恩典が行かないわけでありますから、そういう面から考えて参りますと、国債というものの性格からいたしましては、これはある程度税で金を集めるけれども、その対象が税で集めるのに適当でない、これは税負担も相当高くなつているという現状から考えますと、どうしても国債によらなければならぬ。では国債の条件はどういうふうに考えておるか、こういうふうに割り出して行きました場合に、今言つたような減税国債の案ができたわけでありまして、私としましては、そういう面としてこの減税は考えて行く方が、すなおな考えであつて、これが税負担そのものにすぐ影響を及ぼすものとは考えていない。これは及ぼすことは幾らでもできます。たとえば国債を買つた金額だけ所得から控除して、税金をかけるということになりますと、これは高い税率を適用される人は受ける利益が大きくなり、低い税率を受ける人は受ける利益が小さくなる。こうなりますと、非常に負担の不公平の問題と結びつきますが、今回の場合におきましては、所得のそうした大きさいかんにかかわりませず、個人であれば百円なら二十五円、法人であれば二十一円、こう一律にきまつておりますので、割引発行の場合とほとんど同じとは私は考えておりませんが、そういう点ともにらみ合せて考えて行けば、一応国債の条件として考えるのがむしろ適当ではないか。そういう意味において、主税局ではこれによつて租税の負担公平が擬乱されるようなことはないと考えております。
#13
○井上委員 私の申しておりますのは、現実に国債を消化するだけの生活能力を持つていない者にかかる税と、持つている者との間に差別ができると言つておる。現実にでき得るんです。国債を買う者はそれだけ税金が安くなりますから、これはやむを得ない。
 それから二百億の国債発行による減税額は、どのくらいにお考えになつておりますか。
#14
○渡辺政府委員 二百億の発行によりまして、特別減税国債の関係におきましては、所得税で十五億、法人税において二十九億四千万円、合計四十四億四千万円の減であります。
#15
○井上委員 問題は、国民が重税をできるだけ軽減をしてもらいたいという声が非常に強くて、政府の方でも、また各党においても、いかに減税するかということについていろいろな検討がされておりますが、他に適当な財源がない今日、減税の新しい一つの方述については、いろいろな議論のあるところであります。そういう新財源がなかなか見つからない今日、ここに所得税の減税の上に、さらに公債発行によつて四十四億という厖大な減税が見込まれるということは、一体妥当なやり方かどうかという点を私どもは一応検討しなければならぬと思います。と申しますのは、今お話になりましたように、公債発行の消化の条件がこれよりほか他にないというならば、これはやむを得ません。しかしいろいろ検討すれば、他にいろいろな条件もあり得るとわれわれは想像し得る。そういう善きに、特に富裕階級、富裕的なものに減税を意味する減税国債法を出すということは、われわれとしては納得行きかねます。そういう方法ではなしに、他に国債消化の方法はあり得るということを、私はこの問題については指摘しておかなければなりませんし、なおまたこうして集めた金が、一体正当な方面にいかなる計画で流されるかということが問題になつて来るのでありますので、これらの問題は別な機会に質問をいたしたいと思います。
 なおこの際、関税定率の一部改正について伺いたいのですが、新たに課税されるものの中に、菜種及びからし菜の種、船舶、特定の場合を除いた鉄鋼、こういうものに新税を設けようといたしておりますが、いかなる理由によつてこれをやろうとするのか、これを伺いたい。
#16
○渡辺政府委員 今の菜種、からし菜の種、それから鉄鋼、そういうようなものにつきましては、従来毎年一年間限りの免税をいたして来たのでありますが、最近の情勢から見ますと、国内的に相当の生産が十分できまして、もうそう輸入を無理にする必要がないといいますか、むしろこの機会にある程度の関税を復活することによりまして、できるだけ輸入は押えた方がいいのではないか、こういうような考え方で提案したわけでございます。こまかい内容につきましては、非常に申しにくいわけですが、専門の者を至急呼びますから、その上で御答弁申し上げたいと思いますので、御容赦願いたいと思います。それぞれ税関部長なり、あるいはその関係の者がおりますから、そちらの方から――主税局の領分でございますが、よく具体的に申し上げた方がいいと思いますので、ちよつと係官が参りますまで御猶予願いたいと思います。
#17
○内藤委員長代理 井上さんに申し上げますが、今通産省の公益事業局長中島さんがお見えになつたのですが、いいですか、先ほどのお尋ねの件は。
#18
○井上委員 一問それを言つておきます。
 それでは税制に関する質疑は一応保留いたしまして、質問続きでありますから、この減税国債に関連をして、産業投資特別会計を今度新しく設けて、主としてこれは電源開発と、それから輸出入銀行に投資しよう、大体こういう目的を持つておるようでありますが、問題は、電源開発の計画について、一応大ざつぱでいいのですから、資料を出してもらいたい。それはここで一々答弁をしてもらうと時間がかかりますから、資料によつてお出しを願いたい。
 特に私がこの産業投資の関係について伺いたいのは、今申しました投資の対象が電源開発に、特に政府が最近取上げようといたしている、只見川の水力電源の開発が問題になつております。この只見川電源開発の資金は、約一千四百億といわれておりますが、これが本流案と分流案に対立をいたしまして、今日に至るもまだこれが解決されてない、一体解決されてないという理由はどこに原因があるのか、これをまず伺いたい。
#19
○中島政府委員 只見川開発問題につきましては、過去数箇年間の問題でございまして、本流案、分流案につきまして、それは非常に意見の対立を見て参りました。本流案は、主としてアメリカのOCIの調査団の推薦するものであります。分流案につきましては、新潟県側の主張しているところであります。そのおのおのにつきましていろいろ利害得失がありまして、これを細密に検討いたしませんと、軽率な判断を下すことはできないと、こういうふうに考えまして、いろいろ今日まで調査を続けておつたのでありますが、先般電源開発調整審議会を開ままして、その席上でOCIの案、新潟県案、その他これに関連するいろいろな案をそれぞれ立案者から説明をしてもらいまして、各委員に御了解願つて、その後は各案につきましてさらに細目の検討を幹事会で続けている、こういう状態であります。今後只見川の残された開発をやりますには、もし本年これを手を着けようとすれば、少くとも今月一ぱい、あるいは八月早々に最終的な案を決定しなければ、本年度の国の締切りに間に合いませんので、そういう意味において、一年遅れるかどうかというせとぎわにありますから、関係者は、極力その最終案の作成を急いでおります。現在あらかたできたように聞いておりますが、いずれこの案のでき次第、関係方面に十分連絡をとつた上で、最終的には開発調整審議会にかけて決定するという段取りになつております。従いまして、今日までは実際の調査、計算等に相当手間を費しておりましたけれども、われわれの期待するところといたしましては、おそらくはこの月中、あるいは来月早々までには確定するのじやないか、こういうように考えている次第であります。
#20
○井上委員 この開発は、特にあなたの方の専門的な意見を伺いたいのは、工業用電力としての水力の開発、特に只見川を対象にしました場合に、工業電力としてのこの水力を活用いたしますときに、一体工業電力はキロワットをほしいと考えているか、キロワット・アワーがいるとお考えになつているかどつちが重要とお考えになつているか、このことによつてこの開発の目標がかわつて来ます。それについて御意見を承りたい。
#21
○中島政府委員 今日までのところ、われわれ事務当局といたしましては、特に関東方面、東部地区に対しましては、火力補給用の水力が非常に少い関係上、どうしても大規模なダムをつくれるところは火力代用としての性質を持たしたい、従つてそういう意味におきましては、アワーよりもむしろキロワットの方を優先すべきではないかというふうな考えを持つて進んでおります。しかしこれにつきましては、いろいろ意見もございますので、最終的にどうなるかということは、今後の審議会等の決定によるわけでありますけれども、われわれは、まず関東地区ということを頭に置いて只見川の開発をする場合には、キロワット、あるいは火力代用ということが重要ではないかと考えております。
#22
○井上委員 この電源開発調整審議会というのですか、これは秘密会でやるということですが、どういうわけで公開をしてやらないのですか。
#23
○中島政府委員 今まで一回だけ審議会をやりましたが、その際は必ずしも秘密会ということではありませんでしたが、関係各省の関係官は全部出ております。それからそれぞれの開発会社案を説明する場合には、新潟県、福島県とも出席をいたしております。従つて関係者は大体これに出席しておる。ただ、特に当時非常に傍聴希望者は多かつたのでありますけれども、場所の関係等からいたしましてとうてい入り切れないので、一部お断りした向きもございますし、また新聞記者等は、その後の影響を考えまして入れないというような措置をとつたように聞いておりますが、必ずしもこれは絶対に秘密というふうに扱つておるわけではございません。
#24
○井上委員 そうすると、今後は公開してやるつもりですが。公開はしないのですか、それを明確にされたい。それから、どうも今まで検討されておる方向を見ると、本流案が大体大勢を占めて、分流案というものはほとんど調査もされておらぬということがいわれております。莫大な調査費を使つておりながら、本流系統の調査には非常な力を入れておりますけれども、分流案に対する調査はほとんどやつてない。しかし分流案の方でも同じ効果を上げ得る、しかもその余剰水力をもつて新潟県全体の灌漑排水その他に新たな効果を現わして、米だけでも百万石の増産ができるということをいわれておる。奥只見の方に落差のダムをつくりましたならば、本流案による各所の発電計画よりも、一挙に問題が解決するのに、その案はなかなか採用しないというようにいわれておる。まじめな立場に立つて、一体どちらをあなたはお考えになつておるのですか、それを伺いたい。
#25
○中島政府委員 今後の審議会を秘密会にするかどうかということにつきましては、これは審議会の事務当局であります経済審議庁並びに各委員の決定するところでありますので、私から何とも申し上げかねます。
 只見川の分流筋の調査については、不十分ではないかということはよくいわれております。私どもの聞きますことは、分流筋につきましても相当調査をしております。ただ本流筋についてはボーリングをやつておりますが、分流についてはあまり調査をやつておりません。それはなぜかといいますと、分流の方はダムをつくるのが少いわけでありまして、むしろ水路式で長いトンネルをつくつて流す。そうすると、てのトンネルの通る山の奥を調査するということは、地表の地質調査をする以外には、長い坑道を掘るとか縦坑を拙るとかしなければ調査ができませんし、そういう調査は、実際の工事をしばがら、掘りながら調べて行くということがしきたりのようでありますので、かりにそこまでやりますと、相当な資金とかなり長い年月を要します。大体地表の地質の状況からある程度のことは推定されるというので、地表調査は十分にやつております。従つて、分流筋の調査が非常に片手落ちであるというふうには、私ども考えていないのであります。それから分流案の長所といたしましては、一挙に高落差を利用して開発ができるという点が非常に強くいわれておりますが、この点につきましては、いろいろ検討しなければならぬ点がございまして、本流筋については、それではそういう点があるかないかということも、今後十分調査をして、はたしてどういうような案が最終的には最も合理的で優秀であるかということをきめなければなりませんので、そういう点についての精密な調査を今までしておるわけでございます。その結論につきましては、まだ私から申し上げる段階ではありません。
    〔内藤委員長代理退席、委員長着席〕
#26
○井上委員 ここは通産委員会ではないのですから、あまりこまかいことは省いておきますが、問題は、あなたの方が分流案の長所というものを認めて、電力だけを目的にするということよりも、やはり電源を開発する、そしてそこで発電させるということだけではなしに、さらにその水が食糧増産になつて行くということについて、もつと検討すべき必要があると思うのです。本流案となると電気オンリーになつてしまうが、片一方は食糧増産百万石というものがプラスされる。この問題をもつと検討しなければならぬ。しかしこの問題を指定することができないので、黒又川の一部に対して百億を投じて、新しい分流案と同時に、新潟県へ水を流すという計画が検討されておるということも聞いておるが、そういう姑息なことをやるなら、いつそのこと奥只見の七百五十メートルからある巨大な落差を利用してやれば一切が解決し得るのに、何ゆえに一体本流案を固持しておるのか。ここに東電と東北電力と電源開発会社とのこの三つがぐるになつてやつておるといううわさがもつぱら立つておるのです。これに通産省は巻き込まれておる。こういう声が非常に高い。貴重な国の財政資金を使つてやるのだから、できるだけ効果が上り、かつ他の大きな役割を果すような案が採用されることが必要ではないかとわれわれは考える。分流案をやることによつて非常に大きなロスがあり、またそれによつて非常に大きな建設費がかかるということなら、それはわれわれとしても賛成はできませんけれども、ほとんど同一の経費で済み、さらにまたかりに分流案が採用されたつて、下部の発電所には何らさしつかえないだけの、むしろオーバーする水が流れますから、そういう点を考えてみたときに、今日食糧増産のやかましいときでありますので、この案に対して、通産省はもつと積極的な対策を講じて進むべきではないかと私は思う。そういう点で、只見川の水力開発に対する全体の資金一千四百億をもつて一体何年間に完成しようとするか。千四百億あれば、大体只見川の電源開発は完成するという見通しでありますが、この金は一体本流案を中心にした金ですか、分流案による金ですか。どちらもあまりコストは違わぬというのですか。これを明確にされたい。
#27
○中島政府委員 われわれは、この只見川の開発につきましては何ら先入観を持たず、またお話の通り、食糧増産ということも十分念頭に置いて検討いたしておるわけでありまして、あらゆる点を考慮して、どういう案が最も適当であるかという最後の結論を出すために、今作業を続けておるわけであります。従つて、たとえばお話に出ました一応分流案というものがかりに出ましても、それを含めてなおかつ全体的にはその案の分が有利だということならば、その案できめますし、そうでない場合には、また別の案できまるということでありますので、決して一つの案にこだわつているわけではないのであります。また当然農業水利のことも考慮に入れるわけでありますけれども、ただ農業関係につきましては、増産計画そのものがまだはつきり具体的に確定してないという点もございますし、またかりに奥只見から全部を新潟側に落しました場合には、阿賀野川の下流の方、つまり只見の下流の方への影響はどうなるかという点もありますので、そういう点も十分検討の上最終の結論を得たいと考えているわけであります。なお資金の点につきましては、計画自体がきまつておりませんから、金額等もわかりませんけれども、ただ概して言いますと、本流筋の開発案も、分流筋の開発案も、開発資金につきましては、それほど大きな違いはないのであります。開発をする場合には、大体只見のような大きなものは五年かそこらかかるというような見当でありますので、五、六年間に所要の資金はつけなければならぬ、こういうことになると思います。
#28
○井上委員 この問題については、すでにたびたび国会で議論がされ、いろいろ検討されておりまして、十分これらの点が考慮されて結論が出されると思いますので、私としてはこれ以上この問題に触れませんが、ただ今申しまする千四百億の金が一体何年間に計画されており、それは本流系統案によるものか、分流系統案によるものか、この資金計画というものを、産業投資特別会計に関連する減税国債の発行に関連いたしまして明確にされたい。もし今すぐにわかりませなければ、正式に資料として提出を願いたいと考えております。
 なおあなたの方でおわかりでございますれば、この産業投資特別会計の中に盛られます歳出のうちで、特に電源開発会社を通して支出しようとする電源開発は、只見川のほかどこどこを一体対象としておるか、その電源開発の計画についても御説明を願いたい。今それができなければ、資料を提出願いたい、こう考えております。
#29
○中島政府委員 初めの只見川についての資金の計画でありますが、これは、現在最も問題となつております開発計画そのものが確定いたしませんと資金計画もできませんので、そのときまで御猶予を願いたいと思うのでございます。
 それから開発会社が現在意図しております新規開発計画は、最近着工いたしております天龍川の佐久間、これは三箇年間の計画で完成する予定であります。その他今後の問題といたしましては、すでに相当な調査を進めておりますところに岐阜県の御母衣のダムがございます。その他調査地区といたしましては、四国の吉野川流域、紀州の熊野川流域、こういうものが今後開発されるべき地点でございまして、その他比較的小規模なものといたしましては、九州の球磨川もございます。それから最近調査地点として指定されましたのは、四国の奈半利川、渡川、中国の江川、この三箇所が新しい調査地点として指定されまして、今後この調査の進行に応じて、あるいは開発会社でやるか、その他の企業体でやるか、この点は未確定でありますけれども、逐次開発に着手されるわけであります。
#30
○井上委員 もう一点だけ。本年度予算に出ております産業投資のうち、電源開発会社に百十億貸し付けるということになつておりますが、これはどこを対象にしておりますか。
#31
○中島政府委員 ただいまの御質問、私はつきり存じませんが、電力会社に対しては、開発銀行から四百億円を今年度予定いたしております。そのほかに電源開発会社に対しましては、国家資金として百五十億の政府出資と五十億の預金部資金の貸付、こういうものを予定いたしております。
#32
○井上委員 ちよつと数字が違う。二十八年度特別会計に出ておりますこの会計が持とうとする歳入は、四百三十八億千八百十六万円である。これを日本開発銀行と電源開発会社に貸し付けることになつておる。だから電源開発会社には百十億、日本開発銀行には三百十五億ということでないかと思いますが、この点はその係官が来ないと、あなたではわからぬじやないかと思いますが……。
#33
○中島政府委員 今の点ははつきりいたしました。百十億と申しますのは、七月以降の本予算でありますので、すでに暫定予算として、電源開発会社には四十億ほど見返り資金から支出されております。従つて全体で百五十億の政府出資と先ほど申しました数字と合うわけであります。
#34
○佐藤(觀)委員 主税局長に法人税のことについて伺いたい。今度の法人税の改正法案の中には、資本蓄積という名のもとにおいて、大法人と小法人に対して、人法人ばかり助けずに、小法人の税金の率を下げる意思があるかどうか、この点について御説明願いたい。
#35
○渡辺政府委員 資本蓄積のような考え方からいたしまして、幾つかの措置をわれわれ講じておりますが、特に大法人を中心というものの考え方はいたしておりません。ただ事柄の性格からいたしまして、そのフエヴアーの多くが大法人へ行くだろう。ある程度そういうこともあろうと思つておりますが、今御指摘になりました小法人の税率を下げたらどうか、この点については、われわれ前から何回か御議論を伺つておりますと同時に、一応われわれの考え方も申し上げて、おる次第でございますが、現在の法人税は、シヤウプの勧告に基いてできている法人税でございまして、従つて法人に対して課税することは、結局その株主その他の出資者である個人に対して課税することの前提といいますか、そのつもりで課税しておる。従いまして、そのうらはらといたしまして、会社から配当が出されましたとき、株主に対しては配当額の二割五分を税額において控除しておる、それによつて二重課税を防止しようとしておる、こういう建前になつておるわけでございます。そういうふうな考え方からして参りますと、結局法人に対する課税は個人に対する課税のかわりだ、こういうふうに見て参りますと、法人を法人として考えぬということにいろいろ議論が出て来るわけでありまして、大きな会社におきましても、所得の小さい株主がたくさん集まつている場合もありますし、一応それほど大きくない会社でありましても、それが数人の人で持たれている場合におきましては、株式配当所得としては相当大きいことが考えられるものですから、そういうような観点から見て参りますと、大きな法人、小さな法人ということによつて税率を区分することは、ちよつと理論的におかしいのじやないかという結論にならざるを得ないと思つております。ただ法人税のあり方、これについては私はさらに研究されていいと思つております。御承知のように、シヤウプ改正前におきましては、現在アメリカでやつておりますように、あるいはヨーロツパの大陸系統のものの考え方にありますように、さらにはシヤウプ改正前の日本の税法で考えておりますように、法人に対しては法人で課税し、個人に対しては個人で課税する、こういう考え方があり得たわけでありまして、こういう場合におきましては、配当があつたからといつて、今の二割五分控除はしていなかつた。そういうふうな考え方になつて来た場合に、はたして大きな法人と小さな法人とを同じように考えるべきかどうか。ここでまた少し議論がかわつて来るのじやないかと思いますが、現在の税制の建前でやる限りにおきましては、私は小さな法人、大きな法人というところに区別するのは、理論的におかしいのじやないか、こう考えております。
#36
○佐藤(觀)委員 先国会で政府当局は、大会社の接待費とか交際費とかに税をかけようということが問題になりましたが、これは、御承知のように現在一部の非常に利益の上る大きな会社では、実際は社用族というものがありまして、むだな金をたくさん使つていることは事実であります。ところが今度はそういう法律が何も出ておりません。こういう点について、私は少くともそういうような考え方からすれば、大きな法人にたくさんの税をかけて、弱いのを助けるというのが法人税の改正の主眼ではないかと思うのですが、その点についてのいきさつをひとつ説明していただきたい。
#37
○渡辺政府委員 前会にいわゆる交際費の一定額以上の分を半額損金から否認するという法案を提案いたしまして、その機会に、本委員会におきましてもいろいろな角度から実は御批判を願つたわけであります。第一の点といたしましては、税によつてこういうことをすることがいいか悪いかという問題がございます。第二の点といたしましては、よし租税によつてこういう措置を講ずることが是認されたといたしましても、具体的な技術的な問題といたしまして、交際費とはどういうものをさすか、あるいはその場合において、一定の限度を越えた場合に、その二分の一を損金に算入しないという、その一定の限度というのはどういう点をもとにしてきめて行くか、これが非常に議論されたわけでございます。われわれもいろいろ案はつくりましたが、実は会社の経理内容を見て参りますと、ある会社におきましては、工場とか支店とか、そういうところに支払われたものでわれわれが一応交際費と思つているものを、これはむしろ工場勘定とか支店勘定とかいう経費に一括して経理しておりまして、本店で支払われた交際費だけが交際費として載つていたりするものもありますし、ある会社においては、両者通じて交際費になつているとかで、データをいろいろこねくりまわして行けば行くほど、どうも自信のある数字がちよつと出にくくなつてしまつたわけでありまして、いろいろ御批判の点もありましたし、また本国会におきましては、もう少し検討さしていただこうというつもりで、一応原案には入れませんでした。
#38
○佐藤(觀)委員 どうも先会の説明と今度の説明とでは矛盾がありますけれども、これ以上主税局長を追究しても何ですから言いませんが、少くとも先会には、当然とるべきだという強い要求があつて出されたものが、突如として今議会にはなくなつたということにあやしい点があることを指摘いたしておきまして、次に移りたいと思います。
 今度は、外国で納税する場合の会社の税金を免除するようになつておりますが、具体的にどのくらいの見当の税金が払われているかということを、ちよつと簡単でいいですから御説明を願いたい。
#39
○渡辺政府委員 今度租税協定とは別にしまして、外国で納めた税金につきましては、それが国内での利益に対して課税されます限度におきまして差引くことによつて、二重課税防止の措置を講じようと思つておりますが、さしあたりましての問題といたしましては、たとえば子会社のようなかつこうをとつていたりしまして、現在本年度において、これに相当大きな減収が出て来るという筋合いにはならぬじやないかというふうに思つております。何百万といいますか、その程度の問題はあろうと思いますが、そう大きな数字は出て来ない。しかしこうする措置をとつておきますことが、将来におきましてやはり海外支店が伸びて行く一つの大きな道になつて行くのじやないか。その意味におきまして、これははつきり二重課税と言えますから、こうした措置を講ずるのが適当であろう、かように考えております。本年度として、これによつて幾ら減収になるかということにつきましては、あまり大きな額とも思えませんし、従いまして、データとしてもちよつとすぐにはございませんので、はつきりした数字は申し上げかねますが、申し上げ得ますことは、精々何百万ぐらいの数字ではないだろうか、かような考え方でおります。
#40
○大平委員 国家公務員等に対する退職手当の臨時措置に関する法律の一部改正案につきまして、若干問題点を伺つておきます。この法律が今月末に失効するので、その効力を延期した点については、本委員会の各位におかれましても大した議論はなく、ただ公共企業体等労働関係法の修正点に関連して、いろいろの議論が展開されているようでありますので、その点について政府の所見を若干ただしたいと思います。退職手当は、公共企業体等労働関係法第八条ですかにいうところの給与に該当するように思うわけでありまして、この修正案の提出されるに至つた根拠も、なるほどうなずけるところもあるのでございますが、その議論を貫いて参りますと、どうも恩給とか共済給付とかいうものもはずさなければならぬりくつにもなろうかと思うのであります。ところが、けさも国鉄の機関車の労働組合から通信が参つておりましたが、恩給法の改正にあたつては、期間の制度を従来通り認めるかどうか、あるいは四十五歳に達すれば恩給の全額を認めるかというような陳情がありまして、国鉄の方におきましても、退職手当だけは切離して、恩給とか共済給付については、今のところはずしてもらいたくないという意向のように聞えますし、首尾一貫してないように思うのでありますが、ともかくその気持を想像すると、おそらくできるだけ多い方がいいというようなお気持じやないかと思うのであります。こういう点について、公共企業体等労働関係調整法と本法律案との関係をどのように調整して行こうというのか、政府の見解をまず伺つておきたいと思います。
#41
○岸本政府委員 ただいま大平先生から御質問のあつた点でございますが、給与の問題は、広い意味で公共企業体等労働関係法に申しております勤務条件に入ろうかとは存じます。従いまして、団体交渉でやつて行くということは一応りくつは立つと思うのでございます。しかしながら、現在恩給法、共済組合法及び退職手当法が適用されているのであります。この法律が適用されている限りにおきましては、公労法は制限されている、かように解釈するわけでございます。従いまして、つまり両方とも国の法律でございますので、これによつて公労法の精神がそこなわれて行くというふうには考えないわけでございます。
#42
○大平委員 公共企業体等労働関係法という法律ができまして、公共企業体の職員の労働関係は、これで規律して行こうというような一つのすえ石がおかれたのですから、本来の行き方としては、そういつた退職手当につきましても、同じような規定の方針をとるのが順序であろうと思うのであります。ただその点について、たとえば第十六条で、給与総額が予算上、資金上不可能な場合には、政府を拘束しないというような規定がございますが、一体退職手当というのが、そういつた他の公務員関係、非現業の公務員との権衡を考慮する、あるいは公社の財政を考慮してむやみやたらに高くならぬように規制しようとするならば、第十六条というものがあるのだから、その十六条で退職手当というものは縛られるものかどうか、規制がきくものであるかどうか、その点どういうようにお考えになつておりますか。
#43
○岸本政府委員 主計局長が実はただいま参議院の予算委員会に参つておりまして、出席できませんので、私からお答え申し上げますが、ただいま御指摘の点でありますが、公労法十六条で予算上、資金上不可能な場合には、協定は政府を拘束しないとございますが、予算上、資金上不可能であるかどうかという問題の判定がなかなかむずかしいわけでございます。これは、一方には公労法に、公社の職員の給与は、民間人、あるいは生計費等を考慮してきめろということがございますし、他方には、公社全体の事業計画に伴う経理をどう遂行するかという問題がございます。この両方をからめて、いかように予算上、資金上可能な限度をきめて行くかということが問題でございますが、この点は、毎年度予算総則をもちまして、支出可能な給与総額という限度をきめて参つておるわけでございます。この退職給与につきましては、その年度に支給可能な退職給与の総額がどれだけであるかというようなことは、事の性質上なかなかきめ得ないのでございまして、やはり何かの基準をもつて、この程度の基準であれば大体公社の職員の方にも納得していただけるし、他面事業計画の遂行にもさしつかえないというような基準がきまるわけでございます。一般の給与と異なりまして、予算的に総額をきめて参ることはできません。どうしても基準で問題を考えて行かなければならないという点があるわけでございます。そうした意味合いにおきまして、一応退職手当を法律による基準で参ろう、こういうわけでございます。
#44
○大平委員 公共企業体については、今いつたような筋の議論は成り立つと思う。同時に公企労法で完全に退職手当の額を縛るということは、これは非常に不可能に近いというような事情もよくわかりますが、問題はそのほかの、たとえば国民金融公庫とか、農林漁業金融公庫とか、あるいは今度できます中小企業金融公庫とか、そういつたところの職員の退職手当は、公企労法に準ずるような取扱いをやつているようですが、それがまた若干政府から離れたような感じを受けますが、そういつた職員の退職手当については、一体政府は現在どうしておるのか、さらに今後どうするのか、そのお考えを伺つておきたい。
#45
○岸本政府委員 公社以外の政府関係機関については、先般の国会で成立されました農林漁業金融公庫につきましては、やはり退職手当につきましては、大蔵大臣の承認を得る、つまり承認事項にいたしておるわけでございます、法律によつて規制はいたしておりませんが、実質上、あまりバランスを失しないようなものを承認して参ろうということで、承認事項に相なつております。ただいま改正法案が出ております国民金融公庫、それから新しくできます中小企業金融公庫につきましては、やはり大蔵大臣の承認事項とするという規定が入つていると思います。
#46
○大平委員 そういたしますと、承認というのは、退職手当の支給の準則を承認するというような行き方ですか、それとも年間の退職手当の予算を一応きめて行こうというような行き方なんですか。
#47
○岸本政府委員 それは、やはり基準ということになつております。
#48
○大平委員 というと、退職手当の準則のようなものを提出させて、それを一般公務員とのバランスを見てきめるということですか。
#49
○岸本政府委員 さようでございます。
#50
○井上委員 関連して、ただいま給与局の課長は、退職積立金法という法律があるから、これによつて規制をするという。ところが公共企業体の法律は、これは法律でないと思つておられますのか、少くとも公共企業体の法律に基いて、仲裁委員会が、法律をもつて国鉄職員の退職金を律することは、公労法の趣旨に沿わぬことでありますから、退職金については別途に規定する必要がある、こういうことを公共企業体仲裁委員会が裁定しておる。それで国鉄当局もこの裁定を認めておるのだ。あなたの方は認めぬ、こういうのですか。これは重大問題ですから明確にしてもらいたい。
#51
○岸本政府委員 最初大平先生にお答え申し上げましたような点が、口不調法であつたかも存じませんが、公共企業体の労働関係法は、法律であることは申すまでもないことでございまして、ただほかの法律によつて規制されている限りにおいては、やはり同じ法律相互の関係でありますから、他に特別の規定する法律があれば、それが優先するということを申し上げたわけであります。
 第二点の仲裁裁定を無視するかという御質問でございますが、確かにこの春にそうした意味合いの裁定が出ておるのでございます。内容をただ読みますと、この裁定は、昭和二十八年度以降は、現行の退職手当法は臨時法であるから効力がなくなる、つまり無法律状態になる、そうした場合には、団体交渉で退職手当協約を結んだらよかろう、こういうことが書いてあるわけでございます。ところが今度提出いたしました法律に基きまして、もうしばらくの間現行退職手当法を延長して行こうということでございます。つまり裁定の予想いたしております無法律状態ということではないわけでございます。一応これでつないで行こうというわけであります。今申し上げましたのは法律論でございます。政策論といたしまして、団体協約で結んだらいいかどうか、あるいは法律で規制して行くかどうかという問題はございますが、その点の判断といたしましては、政府といたしましては、当分の間なお法律によつた方がいいのではないかというわけでございます。
#52
○井上委員 それでは、この間主計局次長が答弁したのと、今のあなたの答弁と違う。一体公企労法は何を規定してあるのです。公企労法の規定に基いて給与、退職手当というものが当然問題になつて来る。それに基いて裁定をしておる。だから公企労法は公企労法で、退職手当の規定がある以上はその法律が優先するというあなたの考え方はちよつとおかしい。この考え方は正しいことではありません。そんなら公企労法から退職手当の規定及び給与規定を削除したらいい。削除して行くとあなたが言うなら、こつちの法律が優先するということは言えるけれども、その規定がある以上は、これによつて必要な処置をとつて行くことはあたりまえなんです。特にそこに理由があればこそ、公企労法というものをつくつている。公企労法をつくつたというのは、他の一般公務員と違うというところから、つくつているのでしよう。そうじやないですか。公務員法とは性質が違うから、特別に公企労法というものをつくつているのでしよう。それなら、それによつて退職手当も考えてやるのが当然じやないか。それでなかつたら、あなたの理論で行くのなら、公務員法一本でいいんだ。何ゆえ公企労法を特別に立法する必要があるのですか。そこはちよつとあなたの考えが違う。あなたは大蔵省の番頭か何か知らぬが、こつちはそうは行かぬ。あなたの、そこまで忠実に国の均衡を保つ財政の支出をしようというお考えは、まことにけつこうなお考え方だけれども、しかしあまりそれを深く考えてがんばつてもらつたんでは、公企労法の精神は飛んでしまうのです。それなら公企労法廃止の法律案を出して、あなたの議論をしなさい。それなら私も賛成する。
#53
○岸本政府委員 ただいま井上先生から、この前、正示次長が申した点と違うじやないかというお話でございますが、実は違わないのでございます。(「違う違う」と呼ぶ者あり)それなら、速記録をお調ベいただきましたらどうでございますか。
 第二点の公労法の問題でございます。法律でかつてに特例をきめて行くのなら、何も公労法はいらぬじやないかということでございますが、実はそうでないのでございまして、現実の在職中の給与全般につきましては、ほとんど公労法の精神で、団体交渉できめておるのでございます。ただ退職後の給与につきましては、恩給法、共済組合法、あるいは退職手当法というものが適用されているのにすぎないのであります。在職中の給与と申しますのは、何と申しましても労働条件に非常に左右されるわけであります。その職場職場の労働条件に即応したいい給与を出さなければならない、これは当然でございます。ただ退職後の給与につきましては、これはやはり老後の生活保障という問題でございますから、在職中の職場の勤労条件というものはそれほど深く考える必要はない。むしろなるべく歩調を合せて行く方が好ましいことは、社会保障制度審議会あたりでも申しているところでございまして、ただ大蔵省だけで申しているのではないのであります。この点は御了解願いたいと思います。
#54
○大平委員 井上委員との間にも、いろいろ見解の相違があつたようですが、問題は給与実額の問題でして、公企労法が非常に民主的な法律だといたしましても、金額が少かつたら、井上先生も必ずしも御賛成はされないだろうと思います。とにかく公共企業体と一般非現業の職員との間の給与の実質的なバランスを維持したいということは、政府並びに国会におきましても非常な関心事であつたわけであります。その点当局の苦心の存することは同情いたしますが、国鉄とか公共企業体の職員と、非現業の職員の退職手当の基準になりまする給与ベースそのものが、一体どのようなバランスになつておるのか、その点を第一に明らかにしておいていただきたい。
 第二点は、国鉄とか、専売とか、あるいは電電公社等の職員が受けておる実質的な給与、たとえば病院の施設とか保養所の施設、こういつたものは非常なアンバランスになつておると思います。これも共済組合というような制度で、政府と職員が半分々々持ち寄つて施設をつくつて行こうということになれば話はわかりますが、公社の特別会計の中で、共済組合の資金によらないでこういつた厚生施設までどんどんつくつておる。過去に相当の資産も持つておりますが、現在も大規模な病院の建設が公社の会計によつて進められておる、あるいは特別会計の支出において行われているという事例を聞いております。そういつた実質給与の面のアンバランスが相当世間の耳目を引いておりますが、これはやはりお互い乏しい中ですから、だれでも高い給与を受けたいのはなかなかですけれども、現在のような国情におきましては、やはりひとしからざるを憂えるという思想は、社会党でなくてもみな持つておるわけであります。従いまして、こういう退職手当の問題も、結局帰するところは、給与の実質的なバランスをどうしてとつて行くかということに帰するわけであります。制度の問題は、第二次的な問題になろうかと思います。従つて私は、給与の実態が聞きたいと思う。どういうアンバランスの状態にあると政府は見ておられるのか、これを一体どのように是正して行つて、非現業の公務員も含めて、政府職員あるいは政府関係の職員諸君の生活の安定をはかつて行くかということについてお考えを承つて、しかる後この改正案につきましてわれわれの見解をまとめて行きたいと思いますので、その前提になりまする実質給与の面、あるいは基本給与のアンバランスがどうなつておるかという点を伺つておきたいと思います。
#55
○岸本政府委員 公社職員の待遇の問題でございますが、お尋ねの第一点の給与ベースの問題でございます。現在におきましては、昨年国鉄につきましては一万三千四百円ベースで仲裁裁定が出まして、それをそのまま実施いたしております。これに対しまして公務員は現行一万二千八百円ベースで、大体六百円ほど下まわつたところを実施せられております。(「地域給はないぞ」と呼ぶ者あり)その分は本俸にまわつております。基本給全体のベースとしては、六百円ほど国鉄が高いのであります。現実の国鉄と公務員との人員構成を比較いたしますと、それほどベースとしての差があつてはならないのでございます。たとえば男女の割合でありますとか、事務、労務の割合、あるいは学歴、そうした構成から見ますと、大体似たような数字であつていいわけであります。ただ職務内容が何分にも重労働で、六百円の差を参酌されて、それだけ高い給与ベースに相なつておるわけでございます。現実の個々人の割振りについて見ましても、同じような人間を国鉄と公務員と比較いたしますると、やはり相当国鉄の方が高いわけでございます。
 第二点の、それ以外の実質上の待遇の問題でございますが、これにつきましてはいろいろございます。表面に現われないものといたしましても、たとえば国鉄の職員の乗車賃は無料である、一般の職員でありますと、どうしても五、六百円、CPSを見ましても相当負担いたしておるわけでございます。そういう点が無料でございます。また宿舎施設、被服、そうしたものも相当完備いたしております。宿舎は業務上の必要もございますが、それにいたしましても、実質生活の面に潤いを与えるという点では、非常に貢献があるわけでございます。
 第三点の医療施設の面でございますが、これは官の施設で――官と申しますか、公社負担でどんどん病院をつくつております。その経営費というものは全部公社がまかなう。全部組合員の負担にはしないで、組合員からはせいぜい食費と薬代ぐらいをとり、従つて保険の診療報酬の基準にしております一点単価は、四円ぐらいで済んでおります。ところが一般公務員、特に非現業公務員におきましては、国が全然見ておりません。組合員が積み立てた共済組合の積立てで病院をやつて行く、経営費も全部それでまかなつて行くという建前になつております。従つて一点単価は十円近く、国鉄の二倍近く払つておる、こういう待遇差があるわけであります。これがひいては共済組合の掛金の率が、非現業の方が高いという結果となつて現われております。これは医療施設の面でございますが、そのほか共済組合制度といたしまして、御承知のような共済組合で積み立てました資金を組合に貸付をいたしております。この資金限度額も、一般公務員に比較して国鉄は二倍ぐらいの金を借りられる余裕がある。さらに公社の金を利用して、あそこには物資部という日用品の配給組織がございます。年間百何十億という金を動かしまして、廉価な日用品の配給をいたしておるという面もございます。そのほかいろいろございますが、そうした面の、――これを金に換算いたしますと、正確なことはもちろん申し上げられませんが、少くとも相当程度の物質上の、金銭に現われないベース・アツプがあるのだということは、われわれ一般の公務員に比較いたしまして、言えるわけであります。もちろんこうした国鉄とか、あるいは公社の待遇のいいことを決して悪いと申すのではないのでありまして、それは現業業務の特殊性からやむを得ないことであろうと思います。むしろ遅れている一般の非現業の方の医療施設を、将来できるだけ改善するように努力いたしたいというのが筋であろうかとは存じます。しかしながら、現在これだけ離れている待遇差、それを是認いたしまして、さらにその上に退職後においてもいい生活ができる、いいというよりも、一般よりはいい基準で行くのだということになりますと、やはり同じ予算制度の中にある人間といたしまして、いろいろ問題があるわけでございます。こうした点を考えまして、せめて退職後の給与については、一応歩調を合せていただきたいという気持から、こういうことを提案いたした次第であります。
#56
○千葉委員長 大平君に申し上げますが、主税局長が午後参議院の予算委員会に出席することになつているのです。それで、主税局長に対する質疑が残つておるのです。そこで恐れ入りますが、退職手当の問題が終りましたら、あなたはまだ専売公社の問題があるようですから、それを午後に延ばしていただいて、午前中なるべく主税局長の方にまわしていただきたいと思います。
#57
○大平委員 それでは、退職手当のことについて一点だけ。公共企業体の中に、非現業の職員と勤務の条件が同じであるというような――非現業の職員と一緒の取扱いをしないと困るというような公務員というか、職員がどのくらいおるのか。つまり公共企業体の職員ではあるが、非現業の職員と同じような取扱いをしなければならない職員が何人おるのか。
#58
○岸本政府委員 正確な数字は今記憶いたしてないのでございますが、国鉄では二万人近く管理職員というのがあると思います。これは団体交渉はできない職員でございます。それから専売にも数千名おります。正確な数字は後ほどお知らせしたいと思いますが、一割近い数がおるわけであります。
#59
○千葉委員長 春日君。
#60
○春日委員 それでは主税局関係でお尋ねいたしたいと思います。実は先般もちよつと触れたのでありますが、今回の改正によりまして、給与所得者については勤労控除が認められておるわけなんです。ところがこの営業所得の中におきましても、二十万とか三十万とか四十万、せめて五十万程度の所得を得るところの事業者は、私はこれはもう大いにその勤労が加味されておると思うのです。一般勤労所得につきましては、時間外勤務には超勤手当をもらいますし、休日出勤にはその手当をもらう。ところが中小企業者は、もとより自家営業でありますので。本人が働く場合におきましては、朝は早いし、さらにまたいろいろな交際費も、これはなかなか認められる面が少いので、非常にこういう面において救済される面が少いと思う。それで中小企業者が、やはり中小企業者としての勤労控除を要求しておることは、私は理由があると思うのだが、今回せめて勤労者に対して勤労控除を認められるのを契機に、中小企業者のうち、なかんずくその所得額の少い者、これを三十万に置くか、五十万に置くかはいろいろ検討を要するのでありましようが、そういう諸君に対しては、これまたひとしく勤労控除を認めて行くべきではないか。家族従業員に対する他の配慮は加えられておりますけれども、これは当然のことであります。経営主そのものがやはりそれだけ働くという面に対して、法律上何らかの措置を加えて行くということは当然のことであると思うが、これに対してどうお考えになつておるか。
#61
○渡辺政府委員 われわれもそういう点についていろいろ検討をしてみているわけでございますが、勤労控除の点で今回従来と違いますのは――勤労控除の率は従来と同じように一割五分、これはかわつておりません、最高の限度を今度引上げたという程度にとどまつております。勤労控除について、どういうわけで勤労控除ということをやるか。われわれは、実は勤労控除という名前はあまり適当でないと思つて、実は給与所得控除というふうに呼びたいと思つておりますが、営業所得、農業所得等に比べまして、勤労所得の面については、いろいろな違つた点があると思つております。一つは、今お話になりましたような給与所得においては、勤労が中心になつている。この点になりますと、中小の企業者、あるいは農民においても、同じように勤労が中心になつている面があるのではないか。そこで今の御議論が出ると思うのですが、もう一つ御承知のように、給与所得におきましては、収入金額がそのまま一応まず所得の対象、所得の額になつておりまして、いわゆる必要経費というものを全然控除しておりません。しかしわれわれ給与所得者といたしましても、いろいろいる経費があるわけでありまして、通勤料といいますか、そんなものももちろんいりますし、それから結局家計のものと結びついてしまいますからはつきりいたしませんが、たとえば洋服代もどう考えるべきだろうとか、あるいはくつ代はどう考えるべきだろうか、こういつたような面、全然必要経費がない。洋服代全部が必要経費というのもおかしいですが、全然必要経費がないというのもおかしなわけだ、こういつた点を考慮いたしまして、一割五分の控除を一応認めておるというわけでありまして、必ずしも勤労から得た所得なるがゆえにということだけが理由じやないと思つております。それでは、やはり勤労から得た所得という面でこれもむしろ上げる、それから営業所得についても、ある程度のそうした控除を認める、農業においてもそのようにする、こういうようにいたしますと、残る所得というのは非常に小さなものになつてしまうわけでありまして、それよりもむしろ基礎控除なり扶養控除なりを一般的に上げ、それから税率を下げる、こういう方が、この間からもいろいろ御批判を受けております税制を簡素にするゆえんじやないだろうか、こういうふうに一応考えまして――今のような点が一応考えられますが、それを、その意味における控除としないでもつて基礎控除を上げる、あるいは税率を下げる、扶養控除を上げる、こういつたところでその問題を処理する方が適当じやないか、こういう意味で今度の税制をつくつたわけであります。
    〔千葉委員長退席、内藤委員長代理着席〕
#62
○春日委員 それは私はちよつと聞えないと思うのです。少くとも事業所得者に対しての必要経費、これは必要欠くベからざる経費であつて、それを控除されることに何の恩典が加えられておるものではないわけなんです。これは当然控除されるべきものが控除されたということだけであつて、そこに何かうまいところがある、うまいところが残してあるのだ、だからそれに対して勤労者とは同じような取扱いをしないのだ、こういうようなことであれば、そこで相当うまい控除をしてもいいのか、こういうことになつて来るが、そういうことをすれば、脱税として当然捕捉されるので、そういうような局長の御答弁に対しては、そのままこれはいただきかねると思うのです。私は別に比較検討するわけではないが、勤労者に対しては、たとえば保険制度がある、これはやはりそれぞれ国家の給付を受けますし、あるいは退職する場合においては退職金もありましよう。あるいはまた失業をした場合においても、いろいろな国家の保護が受けられるわけなんだ。ところが中小企業者におきましては、たとえば事業に失敗したところで、何の国家補償が得られるわけでもなく、また保険の場合でも、みずから経営者である場合には、保険にかかることもできない。こういうわけで、まつたくの話が腕一本、からだ一つ、これで実際働いておる。自分の商売がかわいいものだから、夜中でも一生懸命働かねばならないし、日曜だつて、忙しいときには何も給与所得の対象としないで、一生懸命働く。その働いた正味収入に対して税金がかかつて来るわけなんだ。だから、私はやはりこういうような中小商工業者、中小商工業者といつてもたくさんの社員を使つておるとか、なんとかいうこともありましようが、そういう諸君は、おのずからこれは法人形態をとる場合もあろうし、所得が大きくなる場合もございましようので、だからある程度の線を画しまして、三十万なら三十万、四十万なら四十万の零細所得者は、これはとにかくみずからの勤労を加味した事業所得である、こういう意味において、今あなたがおつしやつた勤労控除というものの程度、これを今いろいろの通勤料やその他が見てあるという処置もあるけれども、そのことは、同様に中小企業者にも私は言えると思うのであります。従つてこの機会に、やはり一五%なら一五%と、こういうものを認めて、そうしてその最高を四万円なら四万円として、勤労者と同じ程度の処遇を彼らにすることによつて、この全国企業者のせつかくの要望にこたえていただきたいと思う。特にあなたに御認識を願いたいことは、中小企業者は商売をやつてもうかるのだが、しかし一度失敗すれば国家の保護が何ら受けられない。実際野ざらしの形でやつておるというこの実態は、やはり課税をされる場合において、そのあたりも十分にしんしやくを願わなければならぬと思うのであります。しかもそのことが、彼らの控除されたいという主張の原因となつておるわけなんであります。重ねてあなたのお考え方を承りたいと思います。
#63
○渡辺政府委員 先ほどの私のお答えが不十分でありましたために、多少誤解を生じているような点もあるように思われますので、その点をまず補足させていただきたいと思います。私は営業所得において必要経費が引かれている、これはお説の通りあたりまえのことだと思つております。私が申し上げたかつたのは、給与の所得においては、こちらの方にもやはりそくばくかの必要経費があるはずだ。それを、一応収入の金額をまるまるとつておりまして――その必要経費というものは、なかなか計算もしにくいものですから、それで必要経費を引かないで、給与の金額をまるまるとつている。そこに給与所得に対する一五%の一つの根拠があるのだ、こういうことを申し上げたかつた。営業所得においての必要経費を引くということはあたりまえの話、これは私もその通りと思つております。ただ給与所得の場合においては、あたりまえの話である必要経費がなかなか算定しにくいゆえもありまして、引いておりませんので、そこで一五%控除といつたような問題があるのだということを、ひとつ申し上げたかつたということをつけ加えさしていただきます。それから中小の企業者におきまして、特に小さな企業者におきまして、勤労的な要素が多分にある。従つてそこに何らかの控除をつくつたらいいじやないか、これは一つの考え方だと思つております。しかし同時に、それは農民についても言えるわけでありますし、そうしますと、小さな所得者というものの全体について通ずる議論じやないか。従つて、われわれの税制のつくり方としましては、そういうものについて一々控除をして行くよりも、むしろ基礎控除を上げるとか、あるいは扶養控除を上げるとか、あるいは小さな方の税率を下げるとかということにおいてその目的を達する方が、むしろ簡にして要を得るのじやないか、こういうように実は考えておるということを重ねて申し上げたいと思います。
 なお中小企業者の負担におきまして相当の大きな負担になつておりますのは、これは春日さんもよく御存じと思いますが、むしろ事業税の問題が実はあるわけです。小さな所得者になりますと、所得税の方におきましては基礎控除があり、扶養控除があり、税率も引下げられれば、それほど大きな負担にならなくても、事業税の方は御承知のように一律に一割二分、これが実は相当の大きな負担になつていると思います。将来の問題としまして、この一割二分の税率をはたしてそのままでいいかどうかという点に実は問題があるのですが、現在としましては、財政の事情もなかなか許しませんので、ちよつと動かし得ませんが、せめてもこういう気持でもつて、これは地方行政委員会の方へ御提案申し上げておりますが、現在の控除の三万八千円を五万円に上げるということをやつております。将来の問題として、全体の負担の公正についてはさらに検討して行つてみたい、かように考えております。
#64
○春日委員 そこで私は、さらにこの点を明らかにしておかなければならぬと思うのでありますが、勤労所得の場合、これらの諸君が時間外に働けば、時間外の手当がもらえます。日曜出勤にはその手当がもらえる。またそれ以外に、あるいはボーナスとかいろいろの所得があるわけなんです、ところがこの事業所得の諸君には、現実に彼らの勤労によつての事業所得、勤労を加味した事業所得であるが、その勤労の中には、私はほとんど、半ば以上のものが時間外勤務による場合が多いだろうと思う。そのことは、たとえば実際の所得は、大体常識で言いますならば八時間労働、これが対象になるだろう。しかして時間外のエキストラ・ワークに対してはエキストラ・インカムがなければならぬが、そういうものがその数字の中には明確に現われて来ないわけです。中小企業においては、このけじめがつかないから現われて来ません。ところが現実にはそれが含まれている。だから、われわれ日本国民が大体働いて生活する場合において、八時間働けば健康にして清潔な生活ができるという立場において、一方においては、今言つたような点においてそれだけ収入がふえて行く。ところが一方は、やはり八時間の制限も越えてずいぶん働くんだけれどもそれに対しては、何らの税制上における配慮が加えられていない、これが現実であろうと思うのであります。これはあなたもお認めになるだろう。勤労が加味された事業所得の中において、どの程度が時間外労働によるものであるかということは、これはわかりやしない、わかりやしないが、現実にある。だからそういう現実にあるものはやはり捕捉をして、何らかの形でそういう労に報いて行くということが、これはヒユーマニステイツク・ポリテイシアンの責任だと思う。とにかく真実のものをつかんで、そうしてこれを合理的に、不公平のないように処理をして行く、これが必要だろうと思うし、現実にかれらは全国の大会を開いて、このことをあなた方にも陳情しており、国会にも陳情して来ておるわけであります。この声にわれわれは耳をふさいではならぬ。このことを申し上げておるわけであります。だから、やはり彼らの勤労所得、中小企業者の勤労所得の面について、ひとつ適切な措置を講じてくれという要求は、ただいまのあなたの御答弁を得ても、なおかつそういう声が不当なものであるというふうにはわれわれは納得できないわけなんで、依然としてその主張の妥当性はここに残つておると思うのです。何とかひとつ、この機会に勤労控除に匹敵するような税制上の措置を講じてやつていただけないか、重ねてお願いいたします。
#65
○渡辺政府委員 確かに御説のように、中小企業者の勤労といいますか、働きの中には、もし八時間労働といつたようなことを考えれば、いわば時間外に当るようなものはあろうと思つております。これはなかなか区分がしにくいのですが、しかし引合いにお出しになりましたわれわれ給与所与者に、きまして、も、税制の上におきましては、時間外であるがゆえにそれを課税上どうこうと、これは別にないわけでありまして、オーバー・タイムであるかどうかということについて別に税制上の区分はない。結局本俸が一万五千円、オーバー・タイムで五千円もらつて二万円になりましても、その内容いかんにかかわらず、二万円の所得といつて課税しているわけでありまして、従つて、その意味からいいますと、勤万所得者、給与所得者との間には別に差別はないわけであります。ただ問題は、非常になまけていて二万円の所得のある人、非常に勤勉に働いて二万円の所得のある人、片方は非常に勤勉に働いているがゆえに何か税制上考えられぬか、こういうふうな考え方がないことはありませんが、実はこれはりくつとしてはわかるのですが、技術的にこれを動かして行くことは、とても不可能だというふうに思つております。現在の中小企業の所得者の負担、あえて中小企業の人だけに限らず、勤労者におきましても、現状の負担が軽いものだと私としましても決して思つておりません。財政上許すならもつと軽くしたい。ただ本年度の予算におきましては、全体の一応のかつこうが組まれておりまして、修正後すでに参議院の審査を願つておるような現状におきましては、大きな数字に響くような意味の予算の修正は考えられませんし、政府の方から目下これを提案することは考えておりません。
#66
○春日委員 この問題は依然として解明されません。今あなたはこうおつしやいました。たとえば給与所得者において時間外勤務をすれば、それだけたくさん収入があるから、従つてそれだけたくさん税金がかかつて負担はしておるのだ、こういうお話なんです。ところが給与所得者は、時間外に働けば、たとえばその時間外の手当をもらつて、税金でとられた残分だけ残つて入つて来るわけなんです。ところが中小企業者によつて勤労される面においては、時間外に働いても、結局特別の時間外手当とか、特別の加算された収入という形には現われて来ないで、それらのものがすべてこんがらがつて一つの所得になつておる。しかもそれに対して全部税金がかかつて来るわけです。これを逆に言うと、とにかく時間外に働いて、通常の賃金によつて計算されたもののトータルが、その所得額になつて現われておる、こういうことが言えると思うのです。それだから、私の主張並びに中小企業者が要望しておるのは、そこの中には時間外やいろいろな勤労所得の性格の収入がたくさんあるんだから、従つてその一部分に対して同等の取扱いをしてください、こういう要求なのです。従つて大きな所得者は別として、二十万とか三十万とかいうような零細所得者は、現実に彼らが働く姿を、どんな店に行つてあなたがごらんになつてもわかるように、またどんな町工場に行つてごらんになつてもわかるように、自分でまつ黒けになつて働いておるわけなのです。この諸君にやはり勤労控除の制度を拡大解釈し、これを適用して行くことは、決して矛盾にはならないであろうし、またそれによつて来る国家財政の収入減ということも、九千何百億という大きな予算に対して、大きな変動を与えるような巨大数字ではないので、せつかくこの機会に直すならば、ひとつ直していただきたい。このことを強く要望するわけなのであります。だからもう少し御研究、御検討願つて、彼らの声を実際に胸を開いて聞いてやつていただいて、ほんとうにまつ黒けになつて働いておる事業所得君たちにも、それがほんとうの勤労所得であるという現実を御認識願つたならば、私はその制度が適用できない理由はないと思う。時間も大分迫つておりますから、次の委員会等において、私の主張が通るまで、中小企業者の主張が通るまでさらに継続したいと思うので、さらに御検討おきを願いたいと思います。
#67
○内藤委員長代理 午後二時まで休憩いたします。
    午後零時三十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時二十七分開議
#68
○千葉委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
 午前中同様、本日の日程に掲げました有価証券取引税法案外二十五の法案を一括議題として質疑を続行いたします。質疑は通告順によつてこれを許します。苫米地君。
#69
○苫米地委員 私は、閉鎖機関令の一部を改正する法律案について、今までに相当はつきりして来た点もありますが、まだ多少はつきりしない点もあるし、またなお念のために確かめておきたいと思う諸点がありますので、若干質問をいたしたいと思います。閉鎖機関令の一部を改正する法律案の眼目は、社債の弁済及び残余財産の処分、第二会社の設立、指定の解除の道を開くにあると考えるが、これを可能ならしめる前提条件として、在外債務の総額が在外資産の総額を越える額のほか、政令で別に定める金額との合計額を留保し、かつ大蔵大臣の承認を得なければならないことになつているのであります。このような規定は、外交上から見ても不利益であり、かつまたこういうふうにいたしましては、閉鎖機関を終止させることは、事実上すこぶる困難であると認められるのでありますが、これにつきまして、この際明確にしておかなければならない点は、政府は、許可条件の成立に関し、確実な見通しを持つておられるかどうか。またどういう基準とどういう根拠で、在外債権債務の金額を算定しようとしておられるか、まずこの点を伺いたいのであります。
#70
○阪田政府委員 ただいまお尋ねの通り、今回の改正の趣旨は、在外活動閉鎖機関につきまして一定の留保をいたしまして、社債の弁済、残余財産の処分、あるいは指定の解除、新会社の設立の措置等ができるように道を開いて行こう、こういうことになつておるわけなのでございますが、それにつきまして、御承知のように、在外活動閉鎖機関は、本邦内における債権債務の整理はもうほとんど最後に近い段階に来ているわけでありますが、在外地、朝鮮、台湾、その他の地域にあります多額の資産及び負債につきまして、その見通しがはつきりしない、かような事情があるわけであります。これらの在外資産、負債の整理につきましては、サンフランシスコ平和条約、あるいは日華平和条約等におきまして、今後特別とりきめによつてその処理がきまる、現在その途中の段階にあるということになつておりますので、法律の改正といたしましては、やはりどうしてもかような規定を置きまして、将来この在外関係の債権債務の帰趨がきまりましたときに備えておかなければならないという必要がございますということであります。ただ御承知のように、この特別とりきめ等は、まだ具体的に見通しがつくような段階に進んでおりませんし、また在外債権、資産、あるいは債務と申しましても、現在その実情がなかなか判明しにくい、その具体的な数額が確定する、あるいはそれにつきまして評価する、あるいはどの程度回収し得るものか検討する、あるいはそのほか為替相場とかいろいろな問題があると思います。そのようないろいろの問題がございますので、やはり改正規定にありますように、一律に各閉鎖機関につきまして、どの程度の金額を留保すれば十分であるということをきめることもいたしかねますので、その点を政令に譲りましてこれを処理して行きたい。それで、この政令の金額をどうきめるかということですが、それにつきましては、この規定がほんとうに活用されるかどうかが重点になると思います。それにつきましては、やはり現在の在外活動閉鎖機関が、かなりの残存資産を国内限りにつきまして持つております。こういうようなものをできるだけ今後の日本経済のために有効に活用して行く、閉鎖機関の整理の手続をできるだけ早い機会に打切つて、新しい方向に活用して行く、こういうような趣旨をもちまして、今後の客観的な情勢の許します限り、この政令に定める金額の決定につきまして考慮いたしまして、新しい会社が設立できる、あるいは解除の手続に移れるというふうな方向にでき得る限り持つて行きたい、そのような方針で来ておるような次第でございます。
#71
○苫米地委員 お話の筋はわかりますか、外交交渉を待つてきめることは、百年河清を待つごときものであつて、とても待てないからこういう法案が出て来たのだと思うのであります。お話はわかりますけれども、一方は、在外債務の総額が在外資産の総額を越える額、これが一つの条件になつておるのであります。政令で定めるのはそれ以外のもので、これは二本建になつておるわけであります。それで、在外債務が在外資産の総額を越える額、これの見通しがどうか、どういう基準でどういう根拠できめられるのか、この点がどうもはつきりいたさないのであります。
#72
○阪田政府委員 在外債務の総額が在外資産の総額を越える額というものの算定につきましては、いろいろやかましく申しますと、資産の存在がどの程度であつたかということを確認するいう問題、あるいは評価をするという問題、あるいは為替の換算率その他いろいろの問題が出て来るわけであります。ただこれは、お話のようにいろいろとそういうむずかしいことを言つておつては、いつまでたつても解決をしないわけで、ある程度の目安を立てまして、その辺の額は算定して行かなければならないというふうに考えるわけでありまして、一応目安として考えられるのは、やはり最終の帳簿価格による差額というようなものがまず第一に目安になると思います。そういうようなものにつきまして、でき得る限りいろいろの事情を調査いたしまして、妥当と思われる程度の補正を加えてやつて行くということが、まず普通の常識的なやり方ではないかと考えております。
#73
○苫米地委員 その妥当な額をきめるのに、政府が独断的にきめるのであるか、もしくはその関係者に参加させてきめるのであるか、また政府は、国内が疲弊している状態から早く立ち上るために、その総額を最小限度にするつもりであるか、こういう点が重大な問題になつて来ると思いますが、この点はいかがでございますか。
#74
○阪田政府委員 ただいまの額をどの程度に見て、留保額を幾ら留保して行くか、こういうことにつきましては、これは特殊清算人の行う仕事でありますので、その案は清算人が立てて来るわけであります。清算人がいろいろな事情を検討しまして、このような算定で、このような額を留保することで、在外財産の処分をしてもよろしいか、こういうことを言つて参るわけでありますが、それにつきまして、大蔵大臣は承認を与えるという立場に立つわけであります。そういうような場合におきましては、お説のようにできるだけ新しい改正規定を活用して、閉鎖機関というものに終止符を打つて行く、国内に残つた資産をできるだけ活用して行く、こういうようなことを根本の頭に置きまして、大蔵大臣としても指導をいたし、また承認も与えるようにいたして行きたい、かように考えております。
#75
○苫米地委員 その点が重大な点で、現在の特殊清算人がこの厖大なるものを預かつて、過去において非常に非能率的な、しかも不経済なやり方をやつて来た。その見通しで、われわれはその清算のやり方が適当とは考えておらないのでありますが、今の御答弁を伺うと、清算人の従来のやり方をそのまま承認して、今後もそれで進もうというふうに聞きとれる節があるのであります。この閉鎖機関処理について、今年の一月十九日の日本経済新聞に記事が載つておりましたが、その記事並びに数字をごらんになつて御承知かどうか、この点をお伺いしたいのであります。
#76
○阪田政府委員 ただいまの特殊清算人の清算事務についてのお尋ねでありますが、現在特殊清算人は、在外活動閉鎖機関の関係、特殊法人の関係、それから一般法人の関係、それから大阪の方面における閉鎖機関の関係、この四つに分担いたしまして、四人の特殊清算人がおるわけであります。そこで清算事務につきましては、だんだんと最後の段階に近づきまして、仕事も以前に比べれば減つて来ておりますので、清算人の手伝いをしております人員もだんだん整理して、減らして参つておるようなわけであります。能率等の点につきまして御批判がございましたが、いろいろ御指摘を受けるようなこともあろうかと思います。全体としての考えといたしましては、このように多数の機関を一緒に総合して清算をしておる関係もあると思いますが、一般の清算等に比べますれば、清算費等の割合も低くなつておるというようなことで、一般的に申しまして、非常に能率が悪い清算であるというふうには、私どもも一応考えておらないわけであります。ただいまの新聞記事等につきましては、ちよつと存じませんので、御返事申し上げかねるわけであります。
 なお、これは先の問題でありますが、先ほど来申し上げますように、特殊清算の事務は、各機関について見ますると、国内の資産、負債等の整理は、だんだんと最後の段階に近づきまして、新しい仕事が非常にふえるという状態にないわけでありますから、特殊清算人をふやして能率的にやることも、現状では考えられないわけでありまして、現状でただ人をふやすというだけでは、清算費が増加いたしまして、閉鎖機関の負担もふえるというような結果になると私どもは見ておるわけであります。ただ将来の問題といたしまして、この法律に基きまして新しい措置をする、ここにありますような一定の金額を留保いたしまして、新会社を設立するというような新しい措置を考慮するような段階におきましては、そのために、いろいろ仕事もふえる、あるいは専門の方に、十分そういう仕事に理解のある方にやつていただいた方がいいだろうというような意味から、特殊清算人を任命する必要の出て参る場合もあるかと存じております。現状におきましては、ただいまのような仕事の状況でございますので、この清算人あるいはそのスタッフを増強することは、かえつて清算費を高めるという逆効果があるのではないかと私どもは考えております。
#77
○苫米地委員 ごらんにならなければ、ここにありますから、ごらん願いたいのであります。この記事を読むと、今度提出された法案の趣旨が全部盛られておる。これは読んだ当時はわからないが、今になつて、今度の提案と、の記事とを比べてみると、非常に符合している点が多いのです。それから、その中に盛られておる数字も、ある意味において、非常に実相に近いと考えられるものがあるとすると、これは、新聞記者が想像で書いたものではなく、大蔵省から出ているものと私は考えるのであります。知らなかつたとおつしやれば、それまででありますけれども、こういうような事実から見て、この記事は、大蔵省筋から、公でなくても漏れて来ているのではないか、これは非常に今後の解決に重要な問題でありますから、こういうものの処理に対しては、将来銀行関係の人々にその意見を聞き、それを尊重し、事柄を検討して行く必要があると思うのであります。この関係におきまして、本法案が成立したあかつきに、比較的多額な国内財産を持つているものが新会社を設立しようとする場合には、特殊清算方式を総合清算より単独清算に切りかえて、商法上、当然清算人たるべき責任者、または株主関係者をこの特殊清算人に任命することが適当であり、またそうしなければならないものと考えますが、この点はいかがでありましようか。
#78
○阪田政府委員 先ほどの新聞記事の点でありますが、具体的に今まで出ております数字等が正確なものかどうか、ちよつとただいますぐにはわかりかねますが、大体その新聞記事は、その時期からいいますると、この前の国会に、大体今回御提案いたしました閉鎖機関令の改正とほとんど同様な改正案を御提案いたしましたので、おそらくその関係で、その内容及びそれに関連する数字その他の状況を、新聞社の方で調査して載せたものではないかと想像します。私どもの方針も、条文のいろいろこまかい点その他につきましては、前回の案以後になお検討を加えましたが、大体の考え方は、従つてこの新聞記事の出ました当時とはかわつていないわけであります。
 そこで、ただいまのお尋ねの点でありますが、お尋ねの通り、大きな資産のある重要な在外活動閉鎖機関につきまして、ことにこの法律の規定に基きまして、新たに国内に新会社をつくる運びになりますような段階におきましては、いろいろと仕事も増加するでありましようし、また事情に通じた適切な方に清算人になつていただいた方が適当である、こういうようなことも考えられます。お尋ねの趣旨のようなことは、具体的にさような情勢になりましたときには、十分考慮されると、私どもは考えておるわけであります。
#79
○苫米地委員 局長の御答弁を了承いたしますが、それでは、こういう新しい会社をつくつた場合には、商法上、当然清算人になるべき責任者、または株式関係者を特殊清算人に任命するものと解釈し、それらの人々が、この一月十九日の新聞に載つておつたような数字等について、検討する機会を持ち得ると、かように了解してよろしゆうございましようか。
#80
○阪田政府委員 お尋ねの点でありますけれども、この改正案が成立いたしまして、実施に移され、具体的にそのような事態が起りましたときに、大蔵大臣が、新たに特殊清算人を任命する、あるいはどういうふうな処分なり処置をこの法律に基いて承認するか、こういつた点にかかる問題でありまして、ただいまから確かにこうというようなことは、ちよつと申し上げかねるわけでありますが、先ほどお答え申し上げましたように、そういう方向において考慮されるという可能性が多分にあるわけでございます。
#81
○苫米地委員 これは、可能性という以上のことは局長の立場で言われないとすれば、大臣に御出席を願つて、この点を確かめるほかはないと思います。これは第二会社をこしらえて、それを有効に活動させて行くために、また清算をなめらかに迅速に運ぶために、絶対必要であるのみならず、これを認めないということになれば、やはりこのポツダム政令による閉鎖機関令、これの残滓がつきまとうような気持がいたすのでありますが、局長は可能性があるという。そのときになつて、可能性があると思つたが不可能だと言われたのでは困りますから、大臣に来ていただきましようか。
#82
○阪田政府委員 ただいま可能性があるというように申し上げたわけでございますが、先ほども御答弁申し上げましたように、閉鎖機関にもいろいろ問題があると思います。資産、負債関係の非常にめんどうなもの、あるいは国内資産が大きいもの少いもの、いろいろそれぞれ事情があると思いますので、すべての機関につきまして、それぞれこういうような新しい事態の起つた場合に特別の特殊清算人を選任する、かようなわけには行きません。ただ大体におきまして、話題に上つておりますような大きな、ことに国内の残存資産も相当巨額に上つておりますような閉鎖機関につきましては、新会社設立というような大きな問題を処理するわけでありますから、これは、やはり事柄の筋道としては、特殊清算人を特別に選任するというようなことに大体なると思うのであります。先ほど来申し上げましたように、ただいまの段階におきまして必ずそういうことにするということは、ちよつと申し上げかねるわけでありますが、状況としてはさように申し上げます。
#83
○千葉委員長 苫米地君、大臣の出席を求めますか。
#84
○苫米地委員 大体気持がわかりましたから……。
#85
○阪田政府委員 それからちよつと申し上げておきますが、そういう閉鎖機関の資産、負債の内容、数字等の問題でありますが、これにつきましては、実は今話題に上りますような大きな閉鎖機関につきましては、この閉鎖機関の旧役員の方々に、現在の特殊清算事務につきまして顧問というような資格で参与していただいておりまして、いろいろ必要な情報、資料、あるいは内輪の御相談等は現在でもその都度いたしておるようなわけであります。この点を申し添えておきます。
#86
○苫米地委員 国内にたくさんの資産を持つていて、今話題に上つておるような大きな会社については、商法に従つて、特殊清算人を第二会社のできるときには任命する気持であるということがはつきりいたしました。そのことは、いずれはつきりさしておかなければならぬと思いますが、今すぐ大臣に来ていただいてきめなくても、大体の気持がわかりましたから、次に移りたいと思います。
 第二会社の旧銀行などが清算人となるということになりますと、残余の財産については、商法の規定によつて清算人をして処理せしむべきであると考えますが、この点はいかがでありましよう。
#87
○阪田政府委員 失礼ですが、御趣旨がはつきりいたしませんので……。
#88
○苫米地委員 つまり新しい会社をつくります場合に、そこに商法に従つて、元の重役もしくは株主とかいうような人が、その新しい会社の特殊清算人になる。こういうようなことになつた場合に、またその新しい会社が総会において清算人をきめたというようなことになつて来たときには、残余の財産については、商法の規定に従つて清算人が処理できるかどうか、こういうことなのであります。
#89
○阪田政府委員 ただいまお尋ねの点は、ちよつと複雑した関係になるわけでありますが、この法の規定によりまして新会社を設立するという場合には、特殊清算人が新会社の設立の計画案等をつくりまして、総会の決議も得、大蔵大臣の承認も得るわけであります。その特殊清算人というのは、この閉鎖機関令の規定に基く特殊清算人でありまして、先ほど来いろいろお話のありました、旧会社の重役その他の関係の方をその清算人に任命するといいますのも、そういうような場合に、この閉鎖機関令に基く特殊清算人として、いろいろそういう新会社を設立する関係等の仕事をやるために大蔵大臣が清算人に任命する、こういうことであります。商法の規定というわけではありませんが。
#90
○苫米地委員 そうしてその第二会社かできてしまつた後とは、総会で会社の清算人がきまるわけですね。
#91
○阪田政府委員 それで新会社が設立されますと、それによりまして、元の閉鎖機関関係の特殊清算は、新会社の設立によりまして終了いたすわけであります。従いまして、その後清算人の必要はなくなることに相なるわけであります。
#92
○苫米地委員 残余の財産について特別な法律を設ける、こういうふうに法文になつておるわけです。それに関して、これを説明していただきたいと思います。
#93
○阪田政府委員 ただいまのお尋ねは、留保しました財産につきましての管理人の件についてであると思いますが、これにつきましては、やはり特別の管理人を指定しまして、それに管理させることになつております。
#94
○苫米地委員 その特別の管理人をつくるということになつておるのは、規定がありますが、その管理人については後にお伺いします。
 ここでもう一つお伺いしたいのは、ある会社で一部分が閉鎖機関になつておつて、他の部分が閉鎖機関になつていないものがある。それは閉鎖機関令の第一条によりまして、国内にあるものだけについて閉鎖機関になつておるわけであります。従つて国外にあるものは閉鎖機関になつておらないわけであります。たとえて言えば、朝鮮銀行の支店がロンドンにある。台湾銀行の支店がニユーヨークにある。そこで同じ名称の古い銀行、会社等が、閉鎖機関になつている部分と閉鎖機関になつておらない部分とがあるわけでございますが、第二会社ができた場合には、その第二会社は、債権債務について、閉鎖機関の部分も、閉鎖機関になつておらない部分もこれを継承して清算するものと解されると思うのでありますが、そう解釈していいのでありましようか。
#95
○阪田政府委員 ただいまお話のような在外質権、負債を持つております閉鎖機関につきましては、この閉鎖機関令の規定は、閉鎖機関と指定された会社は、指定のときに閉鎖するわけでありますが、その清算の仕事につきましては、国内にある資産、負債の整理だけにこの規定は限られておるわけでありまして、在外の資産、負債の清算の仕事につきましては、この閉鎖機関令の規定、あるいは特殊清算人の権限といたしましては、触れるところがないわけであります。従いまして、残されました在外資産、負債の処理につきましては、そういうような資産負債の処理ができ得る段階に至りますれば、別途の根拠法規をつくりまして、その手続を進めるほかはないと考えられるわけであります。それで、この改正法の規定によりまして新しい第二会社というような新会社ができますと、この会社は、在外の資産、負債については、まつたく関係のない会社になるわけであります。これは先ほど来申し上げましたように、在外資産、負債の関係につきましては、不確定の要素が非常に多いわけでありまして、そういうようなものを背負い込んで、将来国内におけるその新しい会社の運営の上において、あるいは資産、負債の上において、どういうような結果が出て来るかわからない。かような状態におきまして、新しい会社を設立して運営して行くということには問題があると考えられます。そのような意味もありまして、この新会社は、在外関係の資産、負債、すべてこれを承継しないという建前に、今回の改正案としては考えてあるわけであります。
#96
○苫米地委員 閉鎖機関の第二会社であるために、そういう制限を受けなければならないというのはどういうわけですか。
#97
○阪田政府委員 今回の規定におきましては、国内関係の清算によりまして生じました残余財産というものをもとにして、新会社をつくつて行く、それだけを基礎にして新しい会社を考えて行くということに、全体として構想してあるわけであります。それで、在外資産、負債関係は、先ほど来申し上げましたようないろいろの条約に基く特別とりきめ等の結末を見ないと、終局的の帰結ははつきりしないわけであります。そのようなものがどうきまるかによりまして、新会社ができまして円滑に動いておるものが――特別とりきめの結果によつて、いつそういう海外の資産、負債関係から、どんな負担がかかつて来るかもしれないというような状態になつておりますことも、やはり適当でございませんので、そのような考慮もありまして、国内の残余財産だけで新しい会社をとにかくつくつて育てて行く、かような考え方をとつております。
#98
○苫米地委員 どうもその点がわからないんですがね。政府が一体在外資産、債権、債務を整理しなくちやならぬ、こんなことはどこからも出て来ない。講和条約もそんなことはきめていやしないです。そんなことを言うためにかえつて外国人を刺激して、日本の在外財産からとつてやるというような気持を起させるので、閉鎖機関令というものは、一体日本の国内においてのみ行われるものであつて、それから解放されて第二会社ができたら、まつたく新しいものなんだから、これに自由にやらせる方が債権者もいいし、債務者もいいし、また国家も、そんな変だ外交的な紛争に巻き込まれる危険もなくていいと思うんですが、どうも外交関係、外交関係とおつしやるけれども、そこのところは、私非常に政府がとらわれた考えを持つておると思うんですが、これはどうお考えになりますか。
#99
○阪田政府委員 ただいまのお尋ねの点でありますが、われわれの方も、この案といたしましては、在外の資産、債権というものと切離せまして、国内の財産だけで新会社が設立できるということの見通しのつくものは、できるだけつくつて行こう、こういうような考えでできておるわけであります。新しく新会社のできました場合に、新会社は在外資産、負債関係から生じますいろいろな負債とかから追究を受けないように、今回の法律構成としては考えてできておるわけであります。
#100
○苫米地委員 その点については、朝鮮だけが問題だと思うんです。ところが朝鮮の考え方は、ああいうふうに間違つておるし、マッカーサー元帥が日本を引揚げる直前に、業者の陳情を受けた際に、幾たびもキリスト教の関係機関や赤十字の機関を通して、債権者があるならば申し出よと通報しているけれども、いまだかつてその請求が出て来ておらぬから、もうこれはないものと自分は考えておる、一体閉鎖機関よ、二年ぐらいでもうやめるつもりのものであつたし、今になつたらいらぬから、これは廃止してもいいんだ。それでは日本の政府にそういうふうに通告してくれと言うたところが、自分はすでに解任になつているから、そういうことを言う力を持つておらぬけれども、そういう意向は通達しよう。こう言つておつたと業者の人は言うておるのでありますが、とにかく新しい会社ができたならば、とれるものはとり、払うものは払つて行くことが信用を増し、基礎を固めるゆえんであつて、閉鎖機関の第二会社であるからそれを認めないということになりますと、これはちよつとおかしなことにたりやしないかと思うのです。
#101
○阪田政府委員 ただいまのお話の、いろいろ司令部関係の措置で、在外の債務がどうなつておるかという点でありますが、私どもお話の点につきましては、あまり具体的によく承知しておらないわけであります。まあいろいろそ、いうような事情も調査いたしまして、債務が法律的に確かに免責されている、閉鎖機関に債務がないのだということになりますれば、これはもちろん全体としての閉鎖機関の清算、あるいは新しい会社をつくるということも非常に簡単な仕事になるわけであります。そういうようなところにつきましては、なおよくそういう根拠等につきましても、調査いたしてみたいと思いますが、ただ私どもといたしましては、今回のこの改正案を立案いたしますにあたりましても、ただいまおつしやいました御趣旨の通り、とにかくいろいろな客観情勢から申しまして、できる限り新しい会社をつくるとか、あるいは弁済解除等の措置ができるという方向に持つて行きたい。また新しい会社ができますれば、これは既往の在外債務というような関係から切り離しまして、独自の新しい会社として、十分健全に発展して行けるように配慮いたしたつもりでございますので、そこのところは御了承願いたいと思います。
#102
○苫米地委員 講和条約の第十四条によれば、日本国、日本人の持つておつた在外資産は、その国の法律によつて没収することができるという、在来なかつた一つの懲罰規定みたいなものができておるのでありますが、それは、その国がとると言わなければ、とらなくても済むのです。ブラジルのごときは、とらないと言つておるし、アメリカも大体とらないと言つておるし、インドあたりも、とらないと言つておるし、スイスあたりでも、返してもいいというようなことをはつきり言つておる。そのほかのわからない国々でも、向うかう頼みに来たら返してやるという国が相当あると思うのです。それは、外交交渉が済まなければだめだと言つているうちに、向うではどうかなつてしまいます。だから第二会社ができたら、これは商売人ですから、上手ですよ。向うの政府なり向うの要路の人々に頼んで、海外に持つておつた資産を返してくれるように努力させることが、政府のやるべきことで、そういう努力をさせないような措置をすることは、これはどうしても了解できないんですか、どうでしよう。
#103
○阪田政府委員 ただいまの御趣旨の点につきましては、日本の国といたしましては、講和条約でそういうようなものにつきまして、権利を放棄したようなかつこうになつておるわけでありますが、ただ個々のそういうものに関係しまして、在外の資産を没収される、こういうような形になつておりまする機関が、まあそれぞれ話をしまして、相手の政府に話合いがつきまして、資産を返してもらうということは、これはもちろん相手の出方次第で可能なわけでありまして、またいろいろ最近の新聞紙上等に出ておりますが、大体返してもらう運びになりそうであるというようなものも出て来ておりまして、これは、特殊清算人もそういうことにつきまして努力しておりまするし、その他民間のいろいろの関係機関からも、そういうことの促進のために、いろいろと運動していただいておるわけであります。先ほど来申し上げておりまするように、今回の趣旨は、国内に新会社かできますれば、その会社は、今までの資産、負債、海外に残つたそういうものの関係から切り離して新しい会社として運営して行く、かようなことを申し上ことによつて、在外の資産、負債につきまして、資産は放棄してしまうとか、あるいは負債は必ず払うのだといつたような新しい措置なり決定をするわけではございません。そういうものにつきまして法律上可能な措置、あるいは相手国の政府、政権等との交渉によりまして可能な措置がありまして、こちらの立場にとつて有利なものがありますれば、それを促進して行くということについては、当然これはやるべきことでもありまするし、遠慮することでもないというふうに考えております。
#104
○苫米地委員 特殊清算人や、その他の関係者にやつてもらつているというのですが、こういう問題は、政府は条約で放棄すると約束してしまつたんだから、政府は表に立つては言えないわけなんです。特殊清算人なんというのは非常に微力なものであり、経験の薄い人がいるようなわけです。ところが海外に自分の財産を持つておる、これは国としては放棄してしまつたけれども、自分のものだから、こういう関係があるという熱があります。本気です。こういう人が、第二会社ができたら海外に乗り出して行つて直接談判すれば、返さないと思つておつた人間でも返すようになる。それを、今の御答弁のようになまぬるいことをやつていることは、平和条約の放棄した文句通りに結末をつけようという意思でなくても、そういう結果になつてしまう。私国家の再建を思うときには、利害関係のからまつて、血の通つている人が本気になつてやらなければだめだと思う。それであるからして、第二会社をして扱わせる、扱わせで、もう自由に、そういうものは個人的折衝によつて、あるいは外国の政府に請願してもらつて来る、こういうことは当然許さるべきもので、これに賛成できないというお考えはどうも私は納得できないのでありますが、どうです。
#105
○阪田政府委員 ただいまのお話の点は、先ほど来何度も申し上げておるわけでありますが、新会社ができますれば、新会社は、やはり国内に残つた資産を基礎として新しく設立されたものでありまして、そういうものが国内で新会社として発足し、事業をやり、信用を保つて行く基礎になるものでありますから、それに対して、在外関係の帰結いかんによつて思わぬ負担がかかるというようなことを避けたい、かような趣旨から申し上げておるわけであります。在外の資産が回収されて資産が増加する、いい方ばかりならけつこうでありますが、負債の面も考えなければならならない。国内でせつかく非常にいい業績をあげて、内容、資産の蓄積もふえたのに、これがたまたま海外の負債を承認せざるを得ないはめになつて、とられるというようなことになりましても感心しないわけであります。やはり国内関係の資産をもつて発足した会社は、国内だけでやつて行く方が、新会社をつくるという以上は一番適切な考え方であろうと思つております。ただ、ただいまお話のありました点でありますが、閉鎖機関の旧株主の方、あるいは元の重役の方、こういう方々が、昔のそういう関係の御縁故によりまして、積極的にそういう閉鎖機関の海外の資産の回復に努力されることは、もちろんとめる必要もないことでありますし、どしどしやつていただきたいことであります。またそういう資産がもし幸い回収されてもどつて参りますれば、これは当然その会社の清算過程におきまして、旧株主にも権利が帰属するということになるわけであります。そういう場合に、もしそういう旧株主の方々に財産等が入りますものでありますれば、そういう権利を、こういうことによりまして否定する措置ではないわけであります。努力していただきまして、海外から積極的に資産が回収できる、こういう事態になりますれば、これは旧株主の方々も、それによりまして均霑されるわけでありまして、その点につきましては、今回のこの措置は全然触れていないわけでありまして、こういうことをどしどし積極的にやつていただくことにつきましては、政府はみずからやるわけには行きませんが、全然異議がないわけであります。
#106
○苫米地委員 大体御趣旨はわかりましたけれども、外国にある自分の財産、債権等をとろうとすれば、やはり外国にある債務を払うと言わなければ、これは取引ですから、払う方はごめんだ、もらう方だけもらう、こんな出のいいことを言つたつて相談になりません。であるから、そこのところは自由を持たして置くことが必要である。どうも大蔵省は、外交関係に逃げようとするが、それはおやめになりまして、商売は商売人におまかせなさるかよいと思うのです。なるほど平和条約の二十一条かに、朝鮮、それから台帰政府については、規定はありますけれども、彼らは戦勝国じやないんだから、戦勝国以上の権利を彼らが持つはずもなければ、要求したつて応ずる理由もないのです。そんなものにこだわつておつて外交へ逃げ込もうとすると、逆に外国からつけ込まれますよ。ここらでそんな考えはあきらめられた方がいいと思うのですが、いかがでしようか
#107
○千葉委員長 大蔵大臣の出席を要求しましようか。
#108
○阪田政府委員 一応お答え申し上げておきたいと思います。ただいまの閉鎖機関令の関係の措置といたしましては、外交関係を振りまわして、なまぬるい不徹底な措置をするというつもりにまつたくありませんが、とにかく平和条約の第四条の規定によりまして、特別とりきめではつきりきまつておる。こういうものにつきまして、それを全然無視した法的措置もとれないというふうに私どもは考えておるわけであります。それで、今度のこの改正案といたしましては、先ほど来いろいろと御説明申し上げましたように、資産と負債の差額をどう見るかとか、一定の金額をどう募るか、いろいろ問題がございますが、それにつきましては、外交関係を振りまわすとか、不必要な遠慮をする、気がねをするということでなくて、やはり適正にやつて行く、できるだけこの国内資産が客観的情勢に即して一番有効に使われるように、この新しい規定を活用して行きたいというようなつもりでこの法案も御提案いたしておるわけであります、外交関係に遠慮して、そういうことが全部片がつくまで待つておるということでありますれば、今回の改正法案の別段提案する必要がなかつたわけでありまして、そういうようないろいろな関係もありますが、その間におきましてできるだけの措置をとつて行きたい、そういう道を開いておきたい、かような気持からこの案を出しておるわけであります。その辺を御了承願いたいと思います。
#109
○苫米地委員 これは業者の良識にまかせて、外交関係と切り離して、この第二会社の資本が閉鎖機関の国内にあつた資本であるからとか何とか、これは借金してでもいいんだし、隣のうちから金を借りて来て会社をこしらえたつてかまわないのだし、外国人から金を借りたつていいんだから、そんな資本がどうなるということにこだわつて、在外債権、債務について触れさせないという態度はやめて、先ほどもお話がありましたように、業者のほんとうに長い経験をもつて、また長いつながりを持つている人が政府から離れて、私の方で払うべきものは払いますから、私の方の財産で返してもらえるものは返してください、こう行つた方がいいと思うのです。そんなことは朝鮮や何かには持ち込めないと思うのです。中共にはおそらく持ち込めやしないと思うのです。だから将来の外交関係など御心配になる必要はないのですから、どうかこの点は、第二会社をこしらえた長い経験と知識とつながりを持つている人の良識にまかしてやらせるようにしていただかないと、これはせつかく政府で御配慮くださつても、こういうところでこれを殺してしまつては何にもならないのです。日本の再建ということは、こういう幾つかの障害によつて、もつと早く再建できるものかできなくているのですから、まことにくどいようですけれども、大事な点ですから、もし御答弁ができないというのなら大蔵大臣、外務大臣に出席していただいて、これをはつきりさせる必要があると思います。
#110
○福田(繁)委員 先ほどから苫米地委員の非常に蘊蓄を傾けた御質問がありましたが、この問題は実は非常に大きな問題なのです。それを管財局長に答弁を求めるということは、むしろ苛酷であつて、限界を逸しておると私は考える。それで、事いやしくも外交に関連している点もありますししますから、次回の委員会に岡崎外務大臣と小笠原大蔵大臣を呼ばれて、本日の質疑の継続をいたしたい、こういう動議を出します。
#111
○千葉委員長 福田君にお答えいたします。ただいま大蔵大臣に出席を求めております。もし大蔵大臣がこの際来なかつたならば、次会に外務大臣とあわせて出席を求めます。
 ただいまの福田君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#112
○千葉委員長 御異議ないようでありますから、さようとりはからいます。
#113
○井上委員 閉鎖機関の整理について、一層の促進をはかるためにこの法案が出ておりますが、閉鎖機関の整理に関連する資料が一つも出ておりません。そこで閉鎖機関に指定されました機関の整理の状況は一体現在どうなつておるか。たとえて申しますならば、閉鎖機関の全体の数量はこれだけあつて、そのうち整理のついたものはこうである、未整理のものはこうであるということを明らかにしてもらいたいことが一つ、それから閉鎖機関のこの整理の段階において、資産及び社債等を整理いたしました状況について、具体的に御説明をいただきたい。さらにこの在外活動閉鎖機関についてというのですが、この在外活動の閉鎖機関というのは現在どのくらいあるのか、これを明らかにしてもらいたい。それから社債の弁済と残余財産の分配を認めるというが、その認める額、閉鎖機関の内容においてどれどれをどう認めようとするか、それから指定を解除するというが、どういう指定を解除しようとするのか、これらのことが少しも審議する上に必要なる資料として出ておりませんが、これは出してもらわないと審議できません。そこでぜひひとつそういうものを資料として御提出を願いたいと思います。
#114
○阪田政府委員 ただいま資料の提出がないというお尋ねでございましたが、実はよほど前に、閉鎖機関の清算進捗状況につきまして、資料をこの委員会に提出してございます。しかし一応申し上げたいと思いますが、大体閉鎖機関の数といいますものは、総数で千八十八機関指定されたわけでございます。現在では整理が進みまして、二百四十四機関が残つております。資産の整理の状況から申しますと、数字等は資料で差上げましたので省略させていただきますが、大体におきまして、閉鎖機関全体について見ますと、換価すべき資産総額に対しまして換価の済んだ資産の額、これが大体八四・九%、それから支払つて行くべき社債、借入金その他の債務がございますが、その債務のうち、整理がつきまして、支払いの済みました額が七〇・五%、このような状況になつておるわけであります。現在残つております清算の仕事は、非常に最終段階に近づいておりますので、第二封鎖預金の関係でありますとが、長期にわたつて回収しなければ取立てできない債権でありますとか、いろいろそういつた式の特殊なものが多く残つておりまして、そういう意味におきましては、清算事務としてはかなり最終の段階に近いという状態になつております。なお閉鎖機関にどういうものがなつておるかということでありますが、これにつきましては、やはり閉鎖機関の一覧表を差上げておきましたので、それによつてごらん願いたいと思います。それではどんなものがこの法律で解除されるのか、新会社が設立されるのか、こういう問題でありますが、これはやはり今後それぞれ解除したい、あるいは新会社を設立して行きたいというような希望の申出がだんだんあると思いますので、そういうものにつきまして可能性を検討して実施して行く、こういうことであります。在外活動閉鎖機関関係以外の閉鎖機関につきましては、すでに指定解除の制度が昨年から認められておりまして、十五機関ほど指定解除を実行しております。今後これにつきまして、各種閉鎖機関から希望申込みがありますれば、実情に応じて、できるだけ認めて行くようにいたしたいと考えております。
#115
○千葉委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#116
○千葉委員長 速記を始めてください。
 なお質疑の点はあると思いまするが、今日はこの程度で散会いたします。
    午後三時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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