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1947/07/03 第2回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第002回国会 財政及び金融委員会 第54号
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1947/07/03 第2回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第002回国会 財政及び金融委員会 第54号

#1
第002回国会 財政及び金融委員会 第54号
昭和二十三年七月三日(土曜日)
    午後二時十一分開議
 出席委員
   委員長 早稻田柳右エ門君
   理事 泉山 三六君 理事 塚田十一郎君
   理事 中崎  敏君 理事 梅林 時雄君
   理事 吉川 久衛君
      青木 孝義君    淺利 三朗君
      倉石 忠雄君    島村 一郎君
      宮幡  靖君    小平 久雄君
      赤松  勇君    石神 啓吾君
      川合 彰武君    島田 晋作君
      河井 榮藏君    佐藤觀次郎君
      田中織之進君    林  大作君
      松原喜之次君    八百板 正君
      栗田 英男君    後藤 悦治君
      中曽根康弘君    井出一太郎君
      内藤 友明君    堀江 實藏君
      河口 陽一君    本田 英作君
 出席政府委員
        大藏政務次官  荒木萬壽夫君
        大藏事務官   愛知 揆一君
        大藏事務官   今井 一男君
 委員外の出席者
        專門調査員   氏家  武君
    ―――――――――――――
七月二日
 外國貿易特別円資金特別会計法案(内閣提出)
 (第二一九号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 大藏省預金部特別会計の昭和二十三年度におけ
 る歳入不足補てんのための一般会計からする繰
 入金に関する法律の一部を改正する法律案(内
 閣提出)(第一三二号)
 復興金融金庫法の一部を改正する法律案(内閣
 提出)(第一三四号)
 簡易生命保險事業における戰爭危險に因る死亡
 に基く保險金の支拂による損失の補てんに関す
 る法律案(内閣提出)(第一九五号)
 物資の割当に関する手数料等の徴收に関する法
 律案(内閣提出)(第一九六号)
 昭和二十三年六月以降の政府職員の俸給等に関
 する法律案(内閣提出)(第二〇一号)
 金融機関再建整備法の一部を改正する法律案(
 内閣提出)(第二〇八号)
 割増金附貯蓄の取扱に関する法律案(内閣提
 出)(第二〇九号)
 國営競馬特別会計法案(内閣提出)(第二一四
 号)
 当せん金附証票法案(内閣提出)(第二一八
 号)
 外國貿易特別円資金特別会計法案(内閣提出)
 (第二一九号)
    ―――――――――――――
#2
○梅林委員長代理 会議を開きます。
 去る七月二日本委員会に付託せられました外國貿易特別円資金特別会計法案につき、政府の説明を求めます。
    ―――――――――――――
#3
○荒木政府委員 ただいま上程いたされました外國貿易特別円資金特別会計法案提出の理由を御説明申し上げます。
 政府におきましては、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する勅令に基いて、今回解散團体の財産の管理及び処分等に関する政令を制定することとなりましたが、この政令の概要を申し上げますと、昭和二十一年のポツダム勅令第百一号、すなわち政党、協会その他の團体の結成の禁止等に関する勅令により解散した團体に属する財産は、特に定めるものを除き、これを國に帰属せしめることとし、この財産に属する現金及び現金以外の財産の管理、処分等による收入金等をもちまして、外國貿易特別円資金という一つの資金を設置し、この資金は外國貿易のために使用することにしようというのが、この勅令の大体の骨子であります。
 この外國貿易特別円資金につきましては、その経理の状況を明確にするため、一般会計と区分し、特別会計を設けてこれを維持するのが適当と存ぜられますが、特別会計を設置するには、法律をもつてこれを規定する必要がありますので、この法律案を提出した次第であります。
 なおこの外國貿易特別円資金の使用に関しまして、現在設置されております貿易資金特別会計及び自作農創設特別措置特別会計の両会計の收支に関連する部面が生じてまいりますので、貿易資金特別会計法及び自作農創設特別措置特別会計法の一部に所要の改正をいたすことにいたしました。
 以上の理由によりまして、この法律案を提出いたしましたが、何とぞ御審議の上、速やかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。

#4
○梅林委員長代理 ただいま政府委員の説明のありましたものを含む本日までに本委員会に付託されました九法律案につきまして質疑を続行いたします。本日まで付託せられましたものは、復興金融金庫法の一部を改正する法律案、簡易生命保險事業における戰爭危險に因る死亡に基く保險金の支拂による損失の補てんに関する法律案、物資の割当に関する手数料等の徴收に関する法律案、昭和二十三年度六月以降の政府職員の俸給等に関する法律案、金融機関再建整備法の一部を改正する法律案、割増金附貯蓄の取扱に関する法律案、國営競馬特別会計法案、当せん金附証票法案、それと先ほど説明のありました外國貿易特別円資金特別会計法案、以上九法案であります。以上に対する質疑を続行いたします。
#5
○川合委員 昭和二十三年六月以降における政府職員に対する俸給等に関する法律案につきまして質問をいたします。本法律案に関しましては、大藏大臣あるいは労働大臣より、同僚委員からの質問に対しそれぞれ御答弁があつて、その意をわれわれは了とするわけでありまするが、この際特にお尋ねしておきたい点は、現在全官公職員組合との團体交渉が行われているようでありますが、この團体交渉はいつごろ大体結論に到達する見込であるか、その点の見透しを明確にお知らせ願いたいと思います。
#6
○今井政府委員 せつかくのお尋ねでございますが、何分にもこういつた團体交渉は相手方の腹構えと両方によらないときまりかねますので、適確なことは申し上げかねる次第でございます。当初交渉を開きましてからしばらくの間、組合側は五千二百円ベースを政府に要求いたしますと同時に、その前提といたしましての四つの條件――御承知と思いますが、物價の改訂をしないとか、大衆課税を撤廃するとか、あるいは首切をやらないとか、最高賃金制を設けないとか、粉爭処理機関を設けないという條件の方の確定を先にしよう。こういつた話合いで進んでまいりました。政府側の方では賃金の具体的な数字的な檢討を先にして、その結果組合側の特に要求して出す予算との関連性の問題を檢討しよう、かように主張しました。その間の食違いがあつたことは事実でありますが、それが最近に至りまして、はつきり言い交したわけではありませんが、どうやら両方並行しようというような形に相なつて、一昨日は組合側から政府側の三千七百九十一円案に対する質疑がございました。昨日は反対に政府側から五千二百円の組合案に対する質問を行いました。これに基きまして、それぞれ資料の再提出を行うような話合いもできた次第であります。しかしながら一方いわゆる政治的な関係の問題、物價問題、あるいは予算問題といつた点の御議論も同時に並行して進行することを要望しておりますので、その点が具体的に数字だけの話合いを進めていけるかどうか。少くとも数字の話を労資お互いに分析檢討をやつていけるかどうかということが、実はまだ見透しをはつきりもてない段階でございます。両三日もすれば大よその見当はつくと思いますが、一昨日から組合の方は態度をかえて数字的檢討にはいつてまいりましたけれども、それがまだいわゆる数字的な檢討で、結論を得るような方向にいけるものかどうかについては現在ちよつと見透しをつけかねる段階でございます。
#7
○川合委員 今回の全官公労組の主張は、從來の賃金改訂に関する主張とややその趣きを異にして、殊に政治的な色彩がかなり全面に出てまいり、しかもその色彩が濃厚である点において、今回の要求はわれわれは注目すべき点ではないかというように考えているのでありまするが、これらに関して当局としてはどういう考え方をもつているか、この点に関する所見を承りたい。
#8
○今井政府委員 先ほど申し上げました前提としての六つの條件のうちで、物價を改訂するかしないかという問題、大衆課税をどうするかという問題及び賃金安定に関する最高賃金制を設けるか設けないかという問題、こういつた問題は政府といたしましては、これは團体交渉で決定することを適当と考えない。すなわち全官公の諸君ももちろん労働者として一般民間の労働組合の受けるだけの保護、権利をもつていることは申すまでもありませんが、民間の労働組合において使用主に対して團体交渉して主張できる以上のものを、たまたま使用主が政府であるからといつて、政府に対して主張することは適当でない。むろん一般國民と同じような意味におきまして、政府側にいろいろ意見を述べ、いろいろの談判をすることは少しも拒むわけではありませんが、それを團体交渉という労働組合の特有な形式におきまして認めることは、これは筋が違うという見解を明らかにしたのであります。この点はまだ組合側は正式には政府側の主張を容認したということは申しておりませんが、政府側の意のあるところは十分傳つたような印象をわれわれは抱いておるのであります。政府は使用主として、使用人の労働條件に関するものは対等の立場であくまで話合つて交渉を妥結したい、かように念願し、また努力しようと考えておりますが、同時にこの行政権の主体としての政府の政策に関する問題、ないしまた國会等においてきめていただかなければならぬ問題につきましては、單に御意見として承つておく、あるいはまた別の一般國民の他の方面からの要望と同じような処理の仕方をするという点におきまして、その辺のけじめを明確にして今後交渉に臨みたい、かように考えております。但しいずれにいたしましても、三千七百九十一円なんという数字は、結局予算に響く意味におきましても、議論がある程度予算に触れることはもちろんやむをを得ないと思うのであります。ただ一部に予算そのものを團体交渉によつてきめよう、こういつた意見を吐く諸君もおりました。こういつた考え方は、政府としてはもちろんとらないわけでありまして、予算はあくまで國会でおきめ願わなければならぬ問題でありますが、たまたま交渉の過程において数字の関係から予算に響いてくる、こういつた問題は、これは議論する考えでありますが、その辺のけじめをはつきりさして今度の交渉には臨みたい、かように考えております。
#9
○川合委員 政府の所見として、かような賃上げ要求というものが政治的ないろいろな要求と経済的な要求とを含む場合において、政治的な要求というものはどこまでも一般的な労働者の政府に対する要望として扱い、他は挙げて國会に任せるという点は、われわれとしても同感の意を表するわけでありますが、しかしながらまた一方組合側の要求する通りに、賃金の決定そのもの自体が相当に物價の問題あるいは予算の問題と関連が深いので、これらに対しても相当の折衝を考えているという点はわれわれは敬意を表するわけでありますが、しかしながらとにかく常識としてわれわれが考えて、三千七百九十一円の賃金ベースが無理のあるということは事実であり、この点は労働大臣も言明してもいるところであります。ところでこういうような無理がある状態のもとにおいて、一方現在の労働組合がいわゆる八月攻勢ないし九月攻勢というような澎湃たる労働攻勢を着々と計画しているわけであります。從いまして、私は全官公労組の現在の要求を早く妥結に導かないと、延いては全日本における労働攻勢の一大展開となつて現われ、それがひいては二・一ゼネストの二の舞を演ずるということをおそれるのであります。そこで私はなるべく早く相互に妥結点を見出してそれを解決するというように政府も善処あるものと期待するのでありますが、政府としてはいつごろに妥結点が見出されるかという見透しが困難であるという点はわれわれもわかるわけでありますが、政府と組合との交渉だけによつて妥結点が見出されるか、あるいは再び中労委にもろこまれるかという点に関し、政府はどのような確信を抱いているか、この点をできるだけ明瞭に願いたいと思います。
#10
○今井政府委員 これはこういう席で申し上げることはあるいは適当でないかもしれませんが、組合側ではなるべく早くこの問題を中労委に移したい、かような見解をもつておられるそうであります。私ども交渉中にさように推察できる節もないことはない次第であります。もちろん中労委に移りますれば、また第三者的な見地から権威のある裁断が下されることを期待しておつたのでありますが、しかしそれにいたしましても、とにかく三千七百円なら三千七百円というものを、いかなる見地からどのくらいどういう欠陷があるか、五千二百円なら五千二百円という水準にどういう欠陷があるかということをとにかく相互に檢討し合いまして、ある程度のところまでは意見は一致するが、どういつたところから意見がわかれるか、こういつたところを明らかにするということがまず結論を得る第一歩でなかろうか、かような見解のもとに、実は昨日、一昨日とそういつた交渉をやりまして、本日も多分そこへ引続いてはいれるのではないかと考えているのでありますが、お言葉の通り、いずれにいたしましても、こういつた問題はなるべく早く解決することが必要であることは、まさに御指摘の通りでありまして、政府の方でもその点につきましては、極力努力する用意があることを申し上げておきます。
#11
○川合委員 今申したような事情からいたしまして、もし不幸にして二・一ゼネストのような事態を惹起するようなことがあつた場合においては、その責任の一半は現政府が負うべきものだというように考えているのであります。われわれは現政府の與党として、そういうような事態に追いこまれないことを希望しているのであります。しかしながらもしそうではなくてイージー・ゴーイングな解決、また時日を遷延することによつて何とか当面を糊塗するというような考え方をもつていく場合においては、不幸にして再び二・一ゼネストに轉化するおそれがあるということをこの機会に私は政府に警告をしておきます。それと同時に私は、これはおそらく事務当局としては言明され得ない問題であろうと思うのでありますが、先ほど申し上げましたように、われわれは常識として三千七百九十一円の賃金ベースというものは妥当しない、これは單に政府が昭和二十三年度の予算編成の一つの單價として計上したものだというように理解するわけでありますが、そういうような理解が当るか、当らないかという点と、さらにまた私は現在の三千七百九十一円の賃金ベースというものは、一方において常識としてそれが少くとも合理的な根拠がない、また現実に妥当しないということからみるならば、この三千七百九十一円の賃金ベースの給與案というものは、一種の内拂性を意味する法律であるとわれわれ解釈せられると考えるのでありますが、これに対して政府当局の所見を承りたいと思います。
#12
○今井政府委員 これは総理あるいは大藏大臣等からいろいろ御説明になつたことと思いますが、三千七百円というものを算出する当初におきましては、とにかく從來のやられている資料、從來の方式によりまして、はじき出したという点におきまして、筋の通つたものであることを政府として確信する。こう申し上げたと記憶するのでありますが、何分にもただいまのような経済情勢では、いろいろ配給の状況、天候その他その後の情勢によりまして、物價というものも遺憾ながら変動いたしますし、賃金ベースというものも変動すとるいう場合が起ることは御承知の通りでありまして、そういつた点が特に今後團体交渉におきまして問題になつてくるところであろうと思います。ちようど昨年の千八百円ベースというものが、あいにく七月の大欠配に直面したので非常な勘定違いができた。今後はどういうふうにそういうものが現われてくるかといつたところが一番大事な点でありまして、それによりまして團体交渉の妥結する線がおのずからきまつてくることになりはしないか、かように想像をいたしております。政府は組合側との交渉にあたりましては、決してこれを押付けるということは、ただの一度もしたことはないのでありまして、引続き交渉は続ける。交渉の結果、数字がまとまつたならば補正予算を出す、こういう言明を與えているのでありまして、そういう段階に相なりますれば、これはさかのぼつて内拂ということにする、こういう結果になると思います。
#13
○川合委員 そうしますと今回の三千七百九十一円ベースというものは、政府の一方的責任においてこれを行うというように理解して差支えないと私は考えるのでありますが、はたしてそういうように考えてよろしいか、これを承りたいと思います。
#14
○今井政府委員 組合側と政府側の交渉の機会におきまして、從來しばしば組合側の方がはつきりと政府の一方的責任においてとかいう言葉を使われた例があります。昨年の千八百円ベースなどはその点きわめてはつきりしているのでありますが、今回の場合は、政府から全官公廳の諸君に正式に申入れた質問に対しまして、とりあえずこういう法律案を出すという点につきまして、イエスでもなければノーでもない、私はそれでは禪問答になるじやないかということで反問もいたしたのでありますが、とにかく組合として現在それ以上の回答はできない、イエスでもなければノーでもない。その意味は私は理解に苦しむが、結局のところ川合委員の御指摘の言葉と同じように解してよいのではないか、組合側もさようにとつていると思います。政府といたしましては、話はまとまつたものではありませんから――もちろん引続き交渉をやります以上は、この線で交渉が妥結になるならば、その妥結したときに変更があるという條件附の決定、從いましてその間の処置は、組合が政府の責任においてという言葉を使いましても、まずよろしいのではなかろうかという氣がいたすのであります。むずかしい問題でありますので御了承を願います。
#15
○川合委員 私の今の質問に対しては、おそらく御答弁がしにくいのではないかというように考えますが、それはそれといたしまして、私は三千七百九十一円のベースというものが、科学的な合理的ないろいろな数字の結論として一應算定されたという点は認めるわけでありますが、そういうような数字のみにとらわれて、はたして合理的な賃金というものが算出されるか。むしろ私は裏づけ物資との関連において、そういうことが合理性をもつか、あるいは不合理であるかという点が論議されると思いますが、それらに関し、そういうような一應科学的な合理的な檢討による結論を確保する意味において、いかなる物資を裏づけせしめねばならぬということを、給與を預かる官廳としての大藏当局は安本また内閣に対していろいろな要求をいたし、また條件を檢討し、これを持ちこんだことがあるかどうか、その点を承りたい。これはしばしば総理大臣また大藏大臣、労働大臣が、無理ではあるが、同時に裏づけ物資を確保し、それによつて実質賃金を確保するのだということをしばしば言明しているのでありますが、そういうような政策的な面だけでなく、事務当局が事務的にそういうことに対する配慮というものが今まで檢討されたかどうかという点をお尋ねするわけであります。
#16
○今井政府委員 勤労者一般に関する問題としましては、労働者あるいは安本の方から申し上げる方がよろしいかと思うのでありますが、使用主としての官廳の從業員に対する実質賃金的な面といたしましては、この点も片山内閣以來、政府の方ではいろいろの案を考え計画してまいつたのでありまするが、それが直接現在までに具体化いたしましたものが、去る二十九日の國会の御承認をいただきました共済組合法におきまして、これは加入者の範囲も拡張いたしますと同時に、給付の額その他從來に比べますと、かなり政府の負担を、十数億のものを殖やしました。結局組合員の実質賃金の裏づけになる手を講じました。また近くこれも共済施設の一部といたしまして、從來の片山内閣以來の案に從いまして、住宅あるいは医療施設の方に手を打つ手配を進めております。具体的に申し上げ得るものはそういつたものでございますが、一方労働者の方におきましても、勤労者全体の面から特に労務加配、食糧ないし特配物資等につきまして、いろいろ計画されておりますが、この点は未だ具体的な数字を申し上げる段階にはなつておらないように承知いたしております。
#17
○川合委員 この問題に関しましては、いろいろともつと深くつつこんで質疑申し上げたい点があるわけでありますが、私は以下申し上げる点だけを特に希望として、あるいはまた要請として申し上げて、私の質問を打切ろうと思うのであります。もつとも他の同僚のこれに関する質問は多分あるだろうと思います。
 それは第一に、先ほど政府は明確な御答弁はなかつたのでありまするが、私たちはこれをどこまでも政府の責任において内拂い的なものと認めたい。從つてこのバツク・ペイメントは必ずあるということを前提としなければならない。それと同時に私は全日本的に展開せらるべき労働の一大功勢がこれを端緒とするものであるということに考慮を拂つて、一日も早く合理的な妥結点を見出すように、單に大藏当局だけではなくして、政府が打つて一丸となつて、その解決に努めていただきたいということと、さらにまたわれわれはわれわれの立場において、この問題を一層促進するために、われわれは臨時國会を要請する心組をもつておるということのみを申し上げて、本案に対する私の質疑を打切ろうと思うのであります。
 次に、私は銀行局長にお尋ねしたいのであります。これは復興金融金庫の増資の問題に関連するのでありますが、巷間、昭和電工のいろいろな事件がうわさされて折るのであります。單にうわさだけではなくして、日野原社長は遂に東京地檢に送局されたということになつております。そうしてこれは先月の二十六、七日ごろだと思いますが、時事新報に昭和電工の事件が詳細に書かれておつたのでありまするが、この事件の中には昭和電工がいろいろ不必要な土地、家屋を買つておる。あるいはまた自動車を買つておる。その購入代金というものは帰するところ、復興金融金庫から融資された金によつて行われておる。從つて当初昭和電工に対する融資の條件外の金によつて、昭和電工はいろいろのものを買つたという点が、新聞に報ぜられておるわけであります。こういうことに関しまして、大藏当局はどういうような調査をしておるか、また調査の結果はどういうものであるかということを、機会に御報告願いたいと思います。
#18
○愛知政府委員 昭和電工の問題につきましては、ただいまお話のように非常に大きな問題になつておるのであります。大藏省及び復興金融金庫当局としてとりました措置につきまして、御報告申し上げたいと思います。昭和電工につきましては、最近五月二十日に復興金融委員会におきまして、復興金融金庫が実行いたしました昭和電工に対する融資の結果につきまして、報告を受けたわけでございます。その報告の内容は大体ただいま御指摘の通り、時事新報等に傳えられておる全貌であると考えるわけでございます。まずその報告の内容を申し上げますと、次の通りでございます。昭和電工の融資につきまして、復興金融委員会として、復興金融金庫が実行いたしました監査報告を聽取いたしたわけでございます。この監査の報告は電工の本社とそれから川崎工場についてのみ完了いたしたのでございまして、その後秩父工場を監査中であり、それからさらにその他の工場についても監査を及ぼしておるわけであります。ところがその後ただいまお話のように刑事事件に発展いたしました結果、あの事件が起りましてから以後におきましては、具体的な進捗が一應中止しておるところもあります。從いまして、ただいま申し上げまするのは、当時終了いたしました本社及び川崎工場を中心とする監査の内容でございます。まず第一に復金で行われました監査の報告によりますと、建設資金の関係におきまして、総体としては、すでに融通いたしました資金は、建設所要資金にあてられておるのでありますが、一部他の建設工場への流用が行われておるということは事実確認されたわけであります。それからまた運轉資金関係におきましては、本社経費の支出が過大であるということが確認されたわけであります。それの詳細につきまして、別途不当財産特別委員会の方にも報告書を差上げてあるわけでございまするが、たとえば一例を建設関係で申し上げまするならば、昨年の十二月末現在の各工場別に、すでに融通されました金と実際支出高とを比較してみますと、総体としては建設用資金に振り向けられておりまするが、工場別に見ました場合に、川崎工場の分が他の工場の建設資金に流用せられておる事実があるのであります。その理由としては昭和電工側としての石炭窒素四工場の建設予算が川崎工場の建設予算ほどに見透しのあるものではなかつたこと、それから第二には川崎第二次主要工事は電解槽の設備であり、渇水期にはいつてからの工事を繰延ベることができたというような理由をあげて、一應の説明をしておるのでありますが、なおまたこれらの点については、既定の計画にもどすようにいたすということを答弁しておるようであります。しかしながらこれらの問題を通じて見まする場合に、昭和電工としては建設計画の実施にあたつて、資金の統制並びに予算の統制が弱体であつたというようなことが原則的に言い得るわけでありまして、それらの点についてはなお今後十分の措置を要するものと考えられるわけであります。その他各工場別の建設資金の問題、それから各工場の建設復興等の所要の金であると言つて融資を受けましたうちの一部が、たとえば本社の社宅本社の分室等の建設あるいは購入に向けられておる、たとえば社宅については、現在建設中のものが田端に六十八戸、購入せるもの麻布に二棟、世田ヶ谷に二棟、立川に一棟、分室は港区芝巴町にあるというようなわけで、いろいろと流用の事実が具体的にあるわけであります。
 それからさらに運轉資金につきましては、運轉資金関係の支出は大別して労務費、原材料費及びその他経費にわかれるわけでありますが、これらにつきまして本社及び川崎工場を檢討いたしました結果、本社においてその他経費の支出壮況は、他の同種の会社に比較して、過大の傾向があるという事実も判明したわけであります。殊に昨年五月以來、その時期においては、物價の改討等の客観的な経済事情の変更があつたのではありまするが、経費の支出の増加の傾向に著しいものがある。なかんずく昨年末のごときは、相当程度のその他経費の支出を見ておるという事実がはつきりわかつたわけであります。この事実に対しまして、五月の末早速復興金融委員会の議を経まして、まず第一に今後かかる流用のないように十分留意すべき旨の警告を発しまして、これに対する会社側の態度並びに今後のやり方等を正すことにしたわけであります。それからその次には五月末以降、毎月の資金の使途について非常に明細にわたつて報告を徴しまして、檢討に努めておるわけであります。それからさらにでき得る限り速やかに他の工場部門にわたつても、監査を実行することにいたしたのでありますが、それらの措置を復興金融金員会としては了とするとともに、一面問題を電工のみに止めませんで、他の復金の融資を受けております会社につきましても、一時的な金繰技術上の流用はともかくといたしまして、使途の変更等によつて本來の建設復興等の工事に影響を與えるというがごときことは、嚴重に戒めるということを申合せまして、かかる傾向のありました場合には、融資の廃止なり、資金融資の拒絶というような断固たる処置をとることを申し合わせたわけであります。この申し合せに基きまして、金庫側といたしましても、逐次他の面についても監査を実行いたしておりまするが、同時に大藏省といたしましても監査官廳の独自の立場におきまして、現在他の問題のありそうなところを数社について一齊に監査を実行いたしております。不日ごく近い機会にそれらの監査の結果は世に報告できることになるかと思います。それらの監査によりまする具体的な事実がつかめました場合に、今後復金の融資についていかに考えるかということが実に重大な問題でございます。例を昭和電工にとりますると、現在御承知のような伏態に立ち至つたのでありますが、一方電工の受持つております硫安その他緊急を要する増産の問題につきまして、もし、現在融資を全部止めてしまうということになりますると、会社の経営者の問題は別といたしまして、経済の再建上ゆゆしき問題を起すおそれというよりは、起すことは明瞭でありますので、その間の措置に頭を悩ましたわけでありますが、一昨日の復興金融委員会におきまして、もし今後増産のためにあるいは当面する賃金の支拂のために、どうしても必要な金であつて、かつ復金がこれを見なければならぬようなものがありますことを予想いたしまして、一切の現金の出納、現金の経理等については、復金を中心とする会社の管理團を組織いたしまして、その管理團を通して、必要やむを得ざる資金だけは復金から融資をすることにいたそうということに申し合わせたわけであります。まだこの事件が終りまして後に、現実に融資した金額はないのでありまするが、しかし日々御承知の通り、事業は事業として進んでおり、またごく最近におきしては、非常な硫安製造等にも業績をあげておるのでありまするから、それはそれとして、経済再建のために必要な手段を講じてまいりたいというように考えておるわけであります。かくのごとき伏況でございまするから、たとえば他の炭鉱会社等についても赤字融資とはいつても、いわゆる赤字成金が生ずるような事態も現実に起つております。しかし同時に相対的に見ました場合に、そうだといつていきなり強制廃止を命ずることになると、それによつて起る他の影響も相当重大であると思いまするので、その辺のところは随時臨機に責任をとり得る限度において善処いたしたいと考えておるわけであります。
#19
○川合委員 私はこの昭和重工の問題が相当世間にかれこれと喧傳せられ、しかも社長が檢察廳に送局をみて、一方この衆議院の不当財産取引調査特別委員会においても、この調査をしておるという際に、案の定、いろいろな事件が現実に暴露されたということは、きわめて遺憾に思うのでありますが、そこで大藏当局に警告をしておきたい点は、衆議院の財政金融委員会の中におきまして、復金の調査小委員会があつて――最近はあまり活動もしていないのでありますが、そういうような小委員会があつて、いろいろな報告を受けることになつており、若干の報告を受けておるのでありまするが、今銀行局長から御答弁のあつたような報告は、おそらく不当財産取引調査特別委員会の方に書類となつて報告された事項ではないかと思うのであります。もしそういうようなものが不当財産取引調査特別委員会の方に報告された場合においては、同時にこの財政及び金融委員会の復金の小委員会に対しても、書類を提出してほしいということを、この機会に私は希望ではなくて、また政府の責任においてそれは提出すべきだということを、警告せざるを得ないのであります。それと同時に、ただいまお話のあつた通りに、おそらくこういうような例からいつたならば、しかも昭和電工のたしか資金部長か経理部長はその資金の融通をする復金から派遣されたか、あるいは轉職した人であるというように私は聞いておるのであります。もしそうであるならば、ミイラとりがミイラになつたことを意味し、はなはだ遺憾にたえないのであります。これは今までの特殊銀行――私も特殊銀行におつたわけでありますが、特殊銀行においてもしばしばそういうことが行われております。たとえば朝鮮銀行、台湾銀行に対して、大藏当局は銀行檢査官を管理官として派遣しておる。しかしながら朝鮮銀行あるいは台湾銀行というものは、ああいうような大破綻をした。特に大藏省から管理官を派遣した銀行が大破綻をしたということは、いかに官吏によるところの、そういう監査とかあるいはまた指導というものが、きわめて無理解であり、無責任であつたかということを示す事例の一端であつて、こういうような過去における事例が、再びこの昭和電工においても見出されるということは、われわれ遺憾にたえないのであります。そこで私は昭和電工の問題は、不当財産の方はこれは一つの政治問題として扱うでありましようが、われわれはどこまでも、これは一つの金融上の問題として、より追究して事態を剔抉したい、かように考えますので、昭和電工に関するいろいろな報告というものは、逐次この小委員会の方に送つていただくように願いたいと思うのであります。それと同時に、今銀行局長から御答弁のあつたように、殊に炭鉱方面であります。殊に石炭に関しましては、昨年の國管問題を契機といたしまして、いろいろなことがうわさされております。これらの政治的な面においては、いずれ不当財産取引調査委員会の方によつて、事態が白日下に暴露されると思うのでありまするが、そういうような面に対しても、一層監督を嚴重にし、事前に防止のできることは事前に防止をしてもらいたい。それを同時に、またわれわれとしては、小委員会としてこれを資金の金融の面から一層掘り下げて追究したいということを申し上げておきます。われわれのかねて危惧した通りに昭和電工がいろいろな不始末を暴露しつつあることは遺憾にたえないのであります。われわれといたしましては今回の復金の増資に対して國会を中心とするところの管理委員会というな構想を抱きつつあるわけでありますが、これはあるいは実現するかもわかりませんが、何にしても私はこういうような特殊金融機関というもの、單に政府だけの監督の場合においてはきわめてルーズであるし、またそういうような金融機関から融資された会社等に派遣されていろいろな監督に行つた人が、逐にミイラ取りがミイラになるというような事例のあまりに多いのを遺憾とするのでありますが、今後一層監督を嚴重にされて、こういうことのないように一層の善処を要望して、私のこの問題に関する質疑は終了いたします。
    ―――――――――――――
#20
○梅林委員長代理 お諮りいたします。昨日質疑を打切りになつております大藏省預金部特別会計の昭和二十三年度における歳入不足補てんのための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案を議題として討論採決に入りたいと思いますが、御異議ありませんか。
#21
○梅林委員長代理 御異議なしと認めます。それでは討論に入ります、塚田君。
#22
○塚田委員 ただいま議題となりました大藏省預金部特別会計の昭和二十三年度における歳入不足補てんのための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案、この法律案は國有鉄道事業特別会計、通信事業特別会計、大藏省預金部特別会計にそれぞれ一般会計から繰入れをする金額をきめる法律案でありますが、これにつきましては私ども政府の予算案に対して修正案を提出しております関連におきまして、これに修正案を提出いたしたいと存ずるのであります。その修正の要旨は國有鉄道事業特別会計に対しては、原案は百億円を繰入れるとありますのを、百八十億円をプラスしまして会計二百八十億円を繰入れるというように修正願いたい。
 通信事業特別会計におきましては、原案では五十億円を繰入れるとありますのを、二十億円をプラスいたしまして会計七十億円を繰入れるというように修正いたします。
 大藏省預金部特別会計においては、原案では四十五億七千九百九十七万九千円を繰入れるとありますのを、この特別会計への繰入れは、御承知のように軍公利拂の延期に関連しておりますので、私どもは軍公利拂は延期すべからずという考え方をとつております関係上、この会計への繰入れ金額を六億円を減額いたしまして三十九億七千九百九十七万九千円を繰入れるというように修正相なりたいというのであります。
#23
○松原(喜)委員 大藏省預金部特別会計の昭和二十三年度における歳入不足補てんのための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案中におきまして、與党三派を代表いたしまして、修正をいたしたいと存ずるのであります。すなわち本日の本会議におきまして、昭和二十三年度一般会計並びに特別会計に関する修正されたる政府原案が通過いたしました結果といたしまして、同法案中に「百億円」とありまするものを二百九十一億七千四百万円に、それから「五十億円」とあるのを六十億二千六百万円に、それぞれ鉄道会計及び通信会計に繰入れさるるよう修正いたしたいのであります。
#24
○梅林委員長代理 これにて討論を終結いたしました。まず民主自由党塚田委員より提出の修正案について採決いたします。本修正案に賛成の諸君の起立を願います。
#25
○梅林委員長代理 起立少数、よつて本修正案は否決せられました。
 次に社会党松原君提出にかかる與党三派の修正案につき採決いたします。本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
#26
○梅林委員長代理 起立多数。よつて本修正案は可決せられました。
 最後にただいまの與党三派の修正案の修正部分を除いた原案に賛成の諸君の起立を求めます。
#27
○梅林委員長代理 起立多数。よつて本案は修正議決せられました。
    ―――――――――――――
#28
○川合委員 ただいま議題となつております簡易生命保險事業における戰爭危險に因る死亡に基く保險金の支拂による損失の補てんに関する法律案、物資の割当に関する手数料等の徴收に関する法律案、金融機関再建整備法の一部を改正する法律案、割増金附貯蓄の取扱に関する法律案、当せん金附証票法案、外國貿易特別円資金特別会計法案等の質疑を打切り、討論を省略し、採決せられんことを望みます。
#29
○梅林委員長代理 川合君の動議に御異議ありませんか。
#30
○梅林委員長代理 御異議なしと認めます。それでは簡易生命保險事業における戰爭危險に因る死亡に基く保險金の支拂による損失の補てんに関する法律案、物資の割当に関する手数料等の徴收に関する法律案、金融機関再建整備法の一部を改正する法律案、割増金附貯蓄の取扱に関する法律案、当せん金附証票法案、外國貿易特別円資金特別会計法案、右各案を一括議題として採決いたします。右各案に賛成の諸君の起立を願います。
#31
○梅林委員長代理 起立総員。よつて右各案はいずれも原案の通り可決いたしました。
    ―――――――――――――
#32
○塚田委員 復金法の改正案について先日お尋ねした続きについて銀行局長にお尋ねしたいのであります。私どもは、復金の増資を大体今度四百五十億されるということの根本方針には異議はないのでありますが、問題は、先日もちよつとお尋ねいたしましたように、農業金融と中小商工業金融をどういうぐあいに扱つていただけるのかということ、これは抽象的な議論でなしに、ぎりぎりの結論をひとつお教えを願いたい。それがはつきりいたしませんと、私どもはこの片手落ちになる復金の増資というものを認めていくわけにはいかぬのでありまして、その点の確たる見透しがついた上でなければ、これは審議いたしがたいというように考えておるのであります。この問題については、同じような考え方を國民協同党においてももつておられるようなのでありまして、これはもつともだと私ども考えるのでありますから、その点についてはつきりした御答弁を伺いたいと思います。
#33
○愛知政府委員 まず中小事業金融についてお答えいたします。中小事業金融につきましては、御承知のごとく私どもといたしましては、当初中小企業廳の発足とともに特殊の金融機構を実は考えたわけでございますが、いろいろの関係から考えまして特殊の中小金融金庫というようなものの設置は好ましくないという結論になつたわけであります。この点につきましてはすでに関係方面の発表等もございましたので、御了承願えるかと思うのでありますが、しかし政府といたましてはこの問題は何も特殊の機構の問題ではない、実体的に現下の諸般の情勢から考えまして、中小事業金融のためにはなお一段の努力をする必要があるというように考えておるのでありまして、その後逐次立案に努めておるわけであります。ただいまのところ大体商工省、安定本部等との間に話合いのまとまつております。ところをごひろういたしまするならば、まず第一に復興金融金庫の中小事業金融の大体のいわゆるわくというものは、四半期約十億あるわけでございます。この十億につきまして、まずそのうちの相当部分はできるでけ直接この中小事業の分野に明るい既存の金融金庫を動員することが必要であると考えまして、今後復金の代理貸制度を大いに活用することに考えておるわけでございます。その具体的の内容は、たとえば拂込資本金が百万円以下、あるいはまた常時從業員の数が百人以下という程度の工業、あるいはこれと相匹敵するような商業部門に対します融資であつて、大体一件の貸付金額が三百万円、あるいは二百万円というような程度以下のものにつきましては、この中小金融として與えられておりますわくの十億の大体半分程度は、徹底的に商工中金なり勧銀なり興銀等の從來既存の中小金融として相当の経驗と長年の知識をもつておりますところの創意、くふうを活用し、自主的の活動をさせるように代理貸制度を活用してまいりたいと考えております。それから他の半分の四億ないし五億の資金につきましては、これを資金的に大きく活用いたしますために、大体一般の大小の金融機関を動員いたしまして、復金がその三分の一程度の部分保証をするという制度を考えておるわけであります。たとえば三分の一だけ復金が保証をするということであれば、かりに四億五千万円の保証に充当する根がございますれば、ちよつとそれで十四、五億の金が実際に動くわけでありますので、三〇%といたしますとちようど十五億の金が動くことになる。その三〇%の保証をつけることによつて地方銀行その他の中小事業金融の活動の分野を廣くする。そうして一面地方銀行は手もとの相当困難のものもございますから、十五億ときめますならば、その範囲内において日本銀行から一般の金融の操作と相関連いたしまして、その手もとの補充ということを、みてやるということを日本銀行としては措置をするということによつて、復金のわくは十億であつても実際動きます中小金融の現実の姿は二十億程度になるということで、とりあえず中小事業の金融ということの拡大強化をはかろうと考えておるのであります。これが第一でございます。
 その他御承知でございましようが、最近におきましては、直接日本銀行からも商工中央金庫、勧銀、興銀等に対しまして数千万円ないし一億あまりの特別に中小事業金融の資金の手当として融資しておるのでありますが、随時そういうような、直接日本銀行との関連も発展的に考えたいと思つておるわけでございます。大体とりあえず特別の金融機関ができないというやむを得ざる事情に対処いたしまして、こういうようなことをとりあえずの措置として進めたいと考えておるのでありますが、これらの点はまだ商工省とその他官廳側のまとまつた意向でございまして、未だこれに從事してもらう金融機関その他への話合いはまだ十分についておりません。しかし何とかしてせめてこれくらいの程度のことはやらなければならぬと考えておるわけであります。それからその次には、実はこの國会にぜひ提案したいと考えておつたのでありますが、中小金融の受入態勢をどうしても強化する必要がございますので、信用保証制度の確立伸長をはかることを考えておるのでございます。できれば立法化いたしまして具体的な措置を考えたいと思うのでありますが、現に東京、大阪、その他の中小商業の盛んな都市におきましては、府縣廳の責任におきまして信用保証制度等は相当活発に動き出しております。さらにこれに対しまして國家的の援助も考えておるわけでございます。
 第三に、内容的に從來中小事業金融というものは、ともするとこれが事業的に見ると丙種産業でありまして、一概に業種が丙であるというために、簡單に金融の対象になり得なかつたのであります。いろいろ御非難もいただいておるのでありますが、これにつきましては、ただいまやはり商工省と緊密に連絡をとりまして、指定物資の割当制度のあるものにつきましてはもちろんのことでありますが、その他配給機構が確立したおつて、流通部署が確立される範囲内のものである限りにおきましては、手形制度その他を徹底的に活用いたしまして、業種が丙でありましても物資の流通を円滑にし、國民生活を多少でもゆたかにするという面に貢献するものであるならば、くふうのつく限りの援助をいたしたい。たとえば手形制度等によるものにつきましても、業種は丙でありましても、取扱いは甲に準ずるということを行政的に行つてまいりたいと考えております。すでに一部指定配給制度等のありますものにつきましては、農業手形と同じようにいろいろの配給手形を考案いたしまして実行しておるのであります。ただこれらの制度は、インフレ下におきましてここ数年の間、まつたく現金取引とやみ取引というものがほとんど百%まで商業部面をおおつておりましたこの現実に照らしまして、ただちに配給制度その他について手形の活用というようなことは、なかなかこれを利用する方でもむつかしい手続がいろいろございますために、現在のところでは十分にまだこの制度が活用されておりません。また極端に申せば、まじめなそういう制度に協力して從つていこうとする業者の方がより多くの手続をしなければならなくて、やみの取引をする方が金融がゆたかであるという事情もありまして、まだ十分にいつておりませんが、この点につきましては各業種團体その他の御協力を得まして、金融を受ける方の側からも非常な支援をいただきまして、逐次効果をあげるようにいたしたいと考えておるわけであります。
 それから第二は農業金融の問題でございます。この点につきましても、実は御承知のごとく去る六月二十九日に閣議決定をいたしまして、農林漁業復興資金の特別融通法案というものを考案いたしました。またそれに附随いたしまして、農林漁業復興資金特別会計法案というものを立案いたしたのでありますが、その両案とも手続上の関係から不幸にしてこの國会には審議をいただくことができなくなつたわけでございます。しかしながらこれらの金融の必要であるということにつきましては、内外の認識がきわめて明瞭になつてきてまいつておりますので、事務当局といたしましてもいろいろの方法を考案いたしまして、たとえばあの認証制度その他の場合を見ますならば、公共事業費の一部繰上支給というようなことも考え得るでありましようし、また現在の制度におきましても、預金部は事業の対象が地方公共團体であります場合は、起債の計画の中に入れますならば、地方公共團体に対して融資をいたすこともできますので、それらの方法を法規の許します限り活用いたしまして、一應つなぎをつけておきまして、そして最近の機会に立法の措置をすることにいたしたいと考えておるわけでありますが、なおこの点につきましては、別に安本長官あるいは大藏、農林両大臣等から説明をいただいた方が適当だと考えられます。
#34
○塚田委員 中小企業に対する分は一應御説明は了承いたしました。なお農業金融に対しては安本長官、大藏大臣からの答弁の方が適当だということでありますから、別の機会にお尋ねすることにいたします。中小企業に関してなお二、三の点をお尋ねいたしたいと思うのであります。そこでただいま中小企業としてお話になりましたのは、資本金百万円以下、使用人員百人以下のものを大体標準においておられるようでありますが、これは私ども今日中小企業金融その他資材の面を問題にいたしますときに、ほんとうは今の標準くらいのところにあるものは、そんなに私どもは考えておらぬのでありまして、むしろ私どもが中小企業といつておりますのは、あるいは言葉の上では零細企業といつた方がいいかも知れないところの、いわゆる町工場式のもの、人間も三人か五人しか使つておらないし、資本金もいくらというようなきまりがない、こういうものが非常に多いのであります。こういうものの金融面について何か面倒を見てもらえるかどうか。その問題に関連して特にお伺いいたしたいのは、例の商工協同組合法ができましてから、ぼつぼつ商工協同組合というものをつくつておるものがあるのであります。こういうものをつくまして、今の零細企業が一つの組合團体をつくりました場合に、やはりそれが相当な規模になる。そうして一應融資の対象としての認定がつく場合には、積極的にこういうものを援助していただける御方針であるかどうか。その点を一つ伺いたい。
#35
○愛知政府委員 その点は私説明を落したのでありますが、大体今までの観念から申しまして、特に復金を中心にいたしました場合に、三百万円以下というようなものがいわゆる中小金融といわれておるのでありますが、今回地方銀行あるいは商工中央金庫等を通じて、先ほど申しました三〇%以上の金融保証でいく分につきましては、もつとずつと下の方で、たとえば百万円以下というような程度のところを対象に考えたいと思つておるわけであります。それから信用保証制度の問題につきましても同樣でございます。
 それから商工協同組合等に対しまする融資の関係におきましては、商工中央金庫が現在御承知のように非常に資金に手詰まりを來しておりますが、これは最近相当の増資をいたすことに相なつております。商工中央金庫を商工協同組合等の信用業務の中心機関にするということで、商工、中金の前途に非常な期待を実はもつておるわけでございます。なお増資ができまする前におきましては、先ほどもちよつと申し上げましたが、直接日本銀行からの資金的援助、それから場合によつては保險会社等の余裕金の援助というようなことも、現在具体的にやつておる状況でございます。
#36
○塚田委員 次にお伺いいたしたいのは、地方銀行及び市街地信用組合などに対しての政府の御方針がどういうふうになつておるかという問題であります。それはこの前に私が新しい地方銀行の設立が今後認可されるかどうかということをお尋ねいたしましたときに、金融機関の再建整備が一應目鼻がついた曉には考慮してみるということ、もしくはもう一歩進めてそういうものは信用の基礎さへ確実であれば、積極的にそういうものの設立は認めるというようなお考えであるように伺つた。そこで最近金融機関の再建整備というものがやや一段落ついたように承知しておるのでありますが、この際に積極的にそういう希望があるものについて、許可をしていただけるお考えがあるかどうか。この問題で私が特に関心をもつておりますのは、地方の銀行は御承知のように今大体一縣一行になつております。そういたしますと、縣廳所在地には本店があつて、その他の縣内の都市にはたいてい支店がある。そういたしますと、支店が集めた預金というものはたいてい本店へもつていつて、私が聞きましたところでは、せいぜい地元では四割くらいしか使わしてくれない、というのは、使わすに適当な事業がないということも、銀行の立場としての考え方もあるのでありますが、やはりそういう考え方と同時に地方の支店がもつております信用を與えるわくが非常に小さいものですから、從つてわくが小さいために数を多少扱つても、総体の金額は小さいものになつてしまう。そこでやはり余つたものは中央が――中央といつても縣廳の所在地の中央に使われてしまう、そうしますと地方のほんとうの中小の都市というものは、非常に金融の面でばかを見てしまう。自分の所で預金をしておるのですが、その金は自分の手もとでは使わせてもらえない。そういうことと関連して、地方にもう一度昔あつたような小さい銀行をつくりたいという希望があるのであります。市街地信用組合の場合でも同じような考え方があるのでありまして、要するにその考え方の根本は、自分のところで預金したものはなるべく地元で使わせてもらいたい。こういう考え方が、その基本にあるように私どもは考える。もちろん信用の弱体なものが方々へできましても非常に困ることにはなると思うのでありますが、そういう点の見透しがつくものについて、繰返して申しますが、許可になる御方針であるかどうかということを伺いたい。
#37
○愛知政府委員 地方銀行の今後の問題でございますが、私が前にも申しましたように、政府としては従前のごとき一縣一行主義というような主義にはとらわれて考えておりません。しかしその次の段階として、しからば今後希望のある場合に、地方の中小の銀行の新設を認めるかどうかという問題でございますが、実はこの点につきましては、別の機会に御説明したこともあるかと考えますが、今回の金融機関の最終処理と再建整備につきましては、金融機関の信用力、その基礎の拡大化ということについて、不必要と思われるほどな非常な関心を拂いましたわけであります。これはドレーパー・ミツシヨンの勧告その他にも淵源するものでございまして、たとえば現在の増資の問題にいたしましても、いわゆる危險資産の一〇%ということを目標にして増資をやつておるという状態でございますので、今後銀行を新設する場合におきましても、新設の場合にもちろんこういう原則を確立して、はじめからスタートしなければならぬと思うのでありますが、そういうことが実際にできるかどうかということにつきましても、多少疑問なきを得ないと思うのであります。
 それからまた見方によりますれば、現在の日本の経済状況では銀行が多過ぎるという批判も相当海外にも多いのでございまして、その辺のところをにらみ合わせまして、事情によつて考えることになるのではなかろうかと考えるわけであります。
 なおまた市街地信用組合につきましては、実はいろいろ整備を要することも、率直に言つてございます。現在非常に危險だということは全然ございませんけれども、今後長い間の経営を考えます場合には、あるいは相当統合しなければならぬという状況のものもあるようでございますので、一應ただいまのところでは再建整備とか、また増資が完了することによつて、はじめて修正するわけになりますので、増資の模樣等とにらみ合わせまして、あらためて全体を通ずる整備計画を考えたいと思うのであります。
 なお最後に御承知の金融業法という將來の金融機関の恒久的な基礎立法については、未だ政府案もできていないようなわけでございまして、あるいは第三回通常國会のときに政府案も立てる運びになると思うのでありますが、そのときまでにいろいろそういつた具体的方針を政府としてきめてまいりたいと考えております。
#38
○堀江委員 昭和二十三年六月以降の政府職員の俸給等に関する法律案について質問したいと思います。この三千七百九十一円の支拂いについては、局長の御見解と加藤労働大臣の御見解は同じように認めたのであります。加藤労働大臣はこの法案が通過しても押しつけるものではない。またこのベースを維持する自信はないという御答が弁あつたのであります。しかし大藏大臣は実質賃金を増加するように努める、今これを変更するような意思はもつていないというような御答弁があつたわけであります。これは政府部内の意見の食い違いでありまして、これをせんさくする必要を今のところ認めないのでありますが、二千九百二十円ベースの際に國鉄だけそれを認めた、そしてほかの全官公廳は認めなかつた、それゆえに國鉄だけに支拂つてあとのそれを納得しなかつた労組に対してはお支拂いにならなかつた。今回のこの三千七百九十一円の問題についてはまたあとで別な項目で質問いたしますが、そうしたことはおとりになる御意向であるかないか、差別をつけておやりになる考えであるかどうか。
#39
○今井政府委員 ただいまお示しのようなことは考えておりません。
#40
○堀江委員 次に先日あなたの御答弁にしましても、加藤労働大臣の御答弁にしましても、内拂いである――現在全官公廳労組との話合いが進められておるとか、これはあなたの御答弁によつても内拂いであると私は解しておるのでありますが、これは内拂いであると認めていいわけですか。
#41
○今井政府委員 この前申し上げたと思うのですが、妥結いたしまして数字が出ましたならば、その数字との差額という問題は補正予算を考慮する用意があるということを政府として組合側に言明いたしたのであります。ただ組合側は今回の提出につきまして積極的にイエスともノーともどちらとも答えておりませんので、イエスという答えがありますれば、あるいは政府もはつきりとここまでについては話がまとまつた、あとのその上についていかに計上するか、今後考慮する、こう申し上げられるのでありますが、そこをそう申しておりませんので、そこで確定いたしますればはつきり内拂いということになりますが、それまでこの席で法律論から内拂いということを申し上げるとあるいは言い過ぎになるかと思います。
#42
○堀江委員 二千九百二十円ベースの問題が一月から三月の暫定給與であるということをこの委員会におきまして――私三月の末か四月の初めにこの委員会の仲間入りをさせてもらつたわけでありまして、その決議をはつきり覚えておらぬのでありますが、この委員会において法律第四六号は、つまり二千九百二十円ベースの支拂いの法律は一月から三月の暫定給與の支拂いであるということを決議になつて委員長のもとまで出され、議長のもとに提出されたという話を聞いたのであります。そういう事実をお認めになりますかどうか。委員長に関連いたしましてお尋ねいたします。
#43
○梅林委員長代理 堀江君にお答えいたします。今委員各位の言われる通りでありますから、当時の速記録を一應ごらん願いたいと思います。
#44
○塚田委員 堀江委員の言われる御質問は、おそらく前に赤松委員がたいへんお骨折りになつてやつたあの決議のことを言つておられるのではないかと私は考えております。そこであのときに一番担当してよく御存じの赤松委員からあの勧告案の趣旨を堀江委員に御説明願つた方がいい、こういうふうに考えます。
#45
○赤松(勇)委員 当時財政金融委員会に提案をいたしまして、全官公の爭議の眞最中でありましたが、爭議解決促進の決議案の草案を提案いたしまして、皆さんの御賛同を得まして本会議に上程されたのでありまするが、その中に政府は全官公のストライキを速やかに平和的事態に移して解決のために努力せよ、同時に当時の給與は暫定給與であるということを確認して、これが一月、二月、三月までのものと確認して、そうして新年度においては速やかに基準賃金をきめてこれを実施するような法律案を議会に出せ、こういう内容の勧告案を出したのであります。おそらく堀江委員のお尋ねもそれに該当するものではないかと思うのであります。これは政府といたしましても非常に重大な責任がある。この問題は社会党にとりましても非常に重要な問題でありまして、大体これは今井給與局長はその経緯を十分御承知であると思うのでありますが、政府の最初の考え方といたしましては、あの給與をば大体三月までの暫定給與と考えて四月からは新しい基準賃金をきめる考え方でおつたと思うのであります。從つて予算委員会あるいはその他の委員会におきましても政府の当事者がしばしばそういうことを言明しておる。これは速記録の上に残つておる。ところが途中から政府の考え方が変つてきて新給與は六月から始めるのだ、こういう考え方に変つてきておるわけです。そこで私は実は今度の予算にはなはだ不本意ながら賛成いたしました理由は、実は本法律案とも大きな関係をもつておる堀江委員にははなはだ相済みませんが、ついでにちよつと私の意見を申し上げます。私はこの予算案に対しては絶対に反対だ。ところがこの予算案をつぶせば予算の編成には少くとも三月もしくは四月――今度の予算では半年かかつておる、おそらくことし一ぱいかかるのじやないか、その間二千九百二十円べースで給與がなされる、これは現在の官公吏としてたえ得られないことである、從つて私はこういう点だけではありませんが、こういう点をも重要視いたしまして今度の予算に不本意ながら賛成をした。そこでこの三千七百円べースの問題でありまするが、これもわれわれは暫定的なものだと理解する。これはわが党の川合委員からおそらく條件附で賛成の意見か、あるいはまた質問が行われたと思うのでありますが、われわれもそのように考えておる。これは現に團体交渉が行われつつある。いまだ妥結に至つていない。その前に政府がこういうような法律案を出してこれをおつかぶせるというような姿を見せるということは、現在の團体交渉の精神から申しましても面白くないのであります。われわれはこの三千七百円べースというものを予算編成の單に單價と認めており、これを基準賃金とは見ていない。もし政府がこれを基準賃金と考えて、いわゆる予算編成の單價と考えずに、基準單價と考えて昭和二十三年度以降この基準賃金でやつていこうとするならば、私は絶対に反対である。われわれはそういう意味でこの給與に対しましては、これを單なる團体交渉の妥結の過程におけるところの内拂である。こういうように理解して政府が速やかに臨時議会を召集して、その臨時議会において物價改訂に伴うところの物價の値上り、そのはね返りの分を補正予算を出して、そうして新しい賃金ベースを考えなければならぬ。こういうふうに私たちは考えておる。もし三千七百円ベースをもつて、今の團体交渉に先行して一つのわくをはめようというような考え方であるならば、残念ながら私たちはこの法律案に賛成することはできません。
#46
○堀江委員 今赤松委員の意見を拜承しまして、その当時の経緯がはつきりわかり、赤松委員がいかにこの問題を眞摯に考えられておるということについて非常に敬意を表するものであります。赤松委員の見解のごとく、私もさつき質問しましたように、この三千七百九十一円は、予算の單價であつて、つまり先ほど給與局長の意見を聽きましたように、ある妥結するところの内拂いであると解すべきであるという見解において、この法案を審議すべきであるという意見なり質問なりを申し上げたわけでありますが、さてこの問題につきまして質問は大体盡きました。それでそうした経緯によりまして修正案を提出しておりますので、これについての説明をお許し願いたいと思います。
#47
○倉石委員 新給與に対しましては先だつての本委員会で一般論について十分労働大臣から伺つたのでありますが、いずれまた近い機会に新しい賃金の問題が起きてくるでありましようが、そのときにもう少し詳しく伺うとして、二つほど給與局長にお尋ねしたいのであります。政府がお出しになつた今回の給與基準になりましたものをこの間御説明いただきましたが、あれは大体やはりあそこに書いてあるように、二千九百二十円を基準にしてそれに物價改訂を加味して三〇%加えた。たださような機械的計算をおやりになつただけで、そのほかに新しいものを取入れられた樣子がないようでありますが、その点についてひとつ伺いたいと思います。
#48
○今井政府委員 御指摘の通りことしの一月臨時給與委員会におきまして、こういつた賃金水準のはじき方につきまして、一つの方式のようなものができました。その方式をそのまま数字をかえまして、最近の例となつておる。それが骨子でございます。あとはそれは別な角度から見たのでございます。根本の考え方はその通りでございます。
#49
○倉石委員 それではちよつとお尋ねしたいのでありますが、政府の方では総理廳の賃金の毎月統計の中で、一般民間工業の基準を計算されまして、それに対して一・〇二四五ですか、あの計数をおかけになつておるのでありますが、その計数の中の第一修正計数の一・一五、これに私は少からざる疑問をもつておる。それで政府が他の機会にお述べになつたところ、あるいはまた発行されておるものを拜見いたしましても、あの計数、第一次修正計数を出された、その根拠はつまり民間においてはいろいろ貸付金の形であるとかあるいは現物給與などをしておるものを見こんで、ああいう一・一五計数というものをおかけになつたわけでありますけれども、私は今日の一般の企業の勤労者に対する支給の状況と、いわゆる全官公労に対する政府の取扱とにおいて、それほどの開きを見られることが誤りではないかと思う。今全官公労でも局長がすでに御承知のように、いろいろな施設をやつておられて相当のことをやつておいでになるのでありますから、この一・一五の計数を特に出されたということに非常な疑問をもつておる。それが一点。
 もう一つはこの総理廳の毎月統計の民間工業基準、きようは非常にこまかなことになりますから、この次の新しいものをお出しになつたときに、私はいろいろお尋ねいたしたいのでありますが、あの基礎にもわれわれとしては非常に疑問の点が多々あるのであります。これは皆さんの方のいろいろな專門家がお集まりになつておつくりになつた計数でそれもよく承つておりますが、ただいま一・一五の計数、第二次計数の一・〇八、まだこの次におやりになる場合でもこれでよいとお考えになつておるか、その点をひとつ承りたい。
#50
○今井政府委員 私も臨時給與委員会に委員として参加したのでありますが、御指摘の通り一一五につきましても、一・〇八につきましても、非常な激論がございました。特に私はあの委員会でははつきり個人の資格で出たのでありますが、私自身としましても両方とも反対したわけであります。しかしいろいろ中労委の調停案の結論を急ぐという意味合から、結局惡い言葉で申せば團体交渉的にきまつた数字でございます。從いましてこの数字はさらに今少し技術的に專門的に掘り下げまして、もつと正しい数字を出すことが妥当であることにつきましては、全然御同感でございますが、ただ今回のような作業をいたします際に、それを一方的に申しますと、どうしてもそこに議論を誘発しやすい。とにもかくにも國鉄の諸君が参加されまして中労委の委員の方々が出られまして、その上でまとまつたものをつくることが無難であるという意味合で使いましただけでありまして、將來またこういつた技術的な委員ができました機会には、さらに掘り下げまして、もう少し実体に近いものをぜひ出したいと考えております。
#51
○倉石委員 もう一つお尋ねいたしたいのでありますが、甲地乙地の区別について、これは勤務地を標準におとりになつているわけでありましようか。
#52
○今井政府委員 さようであります。
#53
○倉石委員 そういたしますと、たとえば東京に住んでおつて、そうしてずつと汽車で二時間ぐらい離れた田舎、いわゆる乙種の方へ勤務している者は、勤務地が乙地である場合には乙地の取扱いを受けるということになる。これはこういうことを考えませんでしたが、勤務地というものはそこに行つていたら一定の時間官公労でいえば六・六時間をお勤めになるというだけで、実際の生活にかかる金というものは甲地である都会地の方で消費するわけでありますから、その点において勤労者が不公平を感ずるということがしばしば訴えられるのでありますが、そういう給與地を加味した上の考え方をとられるお考えがないかどうか、お伺いいたしたい。
#54
○今井政府委員 御指摘の点は確かにございます。この問題につきましては、もう二年ばかり前から全官公廳との間にたびたび議論を重ね、また両方で相互に檢討するという手続をとつている問題でございますが、戰災等の関係からただいまは都会地から田舎の方に勤務する者と、田舎から都会に勤務する者を比べますと、およそ二十倍ないし三十倍程度田舎から都会に勤務する者の方が多いのであります。それでこれを勤務地主義をとるか住所主義をとるかということは、確かに両方とも理屈はあるわけであります。賃金というものは勤労場所の相場によるのが正しいという純理も実はございます。その上同じ職員が机を並べておりまして、それがそれぞれ月給が違うということも勤務場所でおもしろくない現象であります。両方で議論していつた結果大多数は勤務地がよい、安い所に住んでおるが、それだけ足賃がかかるといつたような意味合いから現行制度が生れたわけであります。しかし私どもはこれを必ずしも個執するという頭をもつておりません。去る六月三十日以來、この前こちらで御承認いただきました二千九百二十円の法律によりまして、團体交渉の実質を有する地域給審議会というものがいよいよ発足することになり、來週から実質的な審議にはいると思います。その際にはこの問題をやはり根本的に取上げまして、もう一度檢討するわけであります。
#55
○倉石委員 わかりました。
#56
○井出委員 ちようど給與局長がいらつしやるので恩給の問題を伺つてみたいと思います。今度政府の今朝決定した二十三年度補正予算の中に約六億近い数字が計上されているようであります。これはどういう方式でどのような方面に給與せられますか、その点を伺つておきたいと思います。
#57
○今井政府委員 三党協定によりまして恩給の増額になつたということは私も承知いたしておりますし、それのみならずそれと絡みましてただいま議員提出で恩給法の改正案が出ていることも承知いたしておりますが、この案そのものにつきましては私どもまだ深く檢討はいたしておりませんので、あまり正確なことは申し上げられませんが、ただいまのはとにかく政府案ではございません。議員の提出になつておるものでありますが、この考え方は大体從來の恩給をある程度増額する、そうしてその増額と同時にたとえば若年停止のようなものを若干拡げるとか、あるいは高額所得者の停止の問題を新設するという程度の案のように一通り拜承したのであります。なおその案がこの六億の数字とどのような関連性があるかということにつきましては、予算当局でもまだそろばんがきれいにできておらないように今のところは承知しております。至急事務的にその間のそろばん合せをやつている次第であります。
#58
○井出委員 この前たしか今井さんから伺つたと思いますが、恩給に対するプリンシプルと申しますか、これがまだほんとうは決定しておらぬ。たとえば社会保險との関連でありますとか、あるいは武官の方だけ停止されておつて文官の方をどうするかという問題も未解決であるように伺つておるのであります。こういう恩給給與の体系というものはまだ確立されておりませんか。
#59
○今井政府委員 政府部内の意見といたしましては、まだまとまる段階に至つておりません。
#60
○井出委員 そういたしますと今度議員提出の形で一種の臨時特例案のようなものが出ると聞いておりますが、この法案による支給額と今回の約六億という予定数字とは必ずしもマツチしていないのではないか、その間の調節をどうなさるかということは、まだおわかりになつておりませんか。
#61
○今井政府委員 目下檢討中でございまして、数字が具体的にどうかということについてはちよつと申し上げられません。なおあの案を中心といたしまして、至急從來の政府部内における意見の結論も出して、今國会中に何らかの形で申し上げられるようにしたいと手続を進めております。
#62
○井出委員 それでは問題がもう少し熟して出てまいるまで私の質問は留保してきようはこれで打切ります。
#63
○小平委員 私はこの給與の件につきまして一点だけごく簡單なことを伺つておきたいと思います。先ほど倉石委員からの御質問のあつた地域給のことでありますが、これは現在われわれが承知しているところでは一定の率によつてその三割の範囲内において支給するということを聞いております。大体賃金ベースがだんだん上つてまいりますと、一定の率によつて地域差を設けるということは、結局実情的においては開きがだんだん廣くなるという結果を招くのではないか、しかも一方におきましても賃金ベースを上げるというのは全体としてレベルを上げるという目的から來ていると思うのでありまして、こういつたような率でやつてまいると、一部の者は非常に廣い幅で上るが、一部の者はさほど上らぬという結果を來すのではないか。特に級別の低いところにおきましてはそれによる上り方が非常に少い。現在でも各地から地域給の級別の引上げという問題が起つておるように聞いておるのでありますが、大体全國的に見て物價はだんだん平均化されつつある。しかも今回創設をみた取引高税のような関係からみるならば、地方におつて幾段階か非常に多くの段階を経て消費物資を手に入れる者の方がだんだん負担も重くなつていくというような傾向もありますから、こういつたいろいろな点から見まして地域給というものはどうしてもこれを設ける必要があるとするならば、率によるよりもむしろ一定額によつて今後やつていく方が妥当ではないかというふうに考えられますが、その点について、政府の御所見を伺います。
#64
○今井政府委員 お示しの点確かに一つの御見解だと思いますが、地域給の制度そのものが二年半ばかり前にきわめて早々の間に生れたものでありまして、その後正確な檢討というものが十分できておりません。もちろん見方によりましては御指摘のように全國における生活費の差は縮んでいくという見解はございますが、同時にまた反対の意見も組合側の中にあるのでございます。それでわれわれはとにかくこういう問題に関する限り、政府といたしましてもこういつた制度でなければならぬというようなことを固執する理由も乏しいのでありまして、なるべく組合側の意見を多分に取入れた形にしたいということはかねがね念願しておるのでありますが、それが組合側内部におきまして非常にまとまりにくい問題でありますので、從來のままを惡く言えば漫然踏襲してまいつた傾向は顯著なものがございます。ところが今回この前の二千九百二十円の俸給によりまして、地域給審議会が設けられることになりまして、組合の方もひとつ本腰になつて檢討しよう、われわれの方も快くそれに應ずる態勢ができましたので、後來ややもすると政府は政府だけの資料、組合は組合だけの資料、そこで話がまとまらなかつたのが、今度は両方とも同じ資料をこしらえまして、同じ資料に基いて、そこで話をまとめるようにもつていきますと、この問題はほかのベースの問題よりもよほど解決しよい問題だと思います。その際御意見の御趣旨にありますところのものも檢討の議題にぜひ加えたい、かように感じておる次第であります。
#65
○佐藤(觀)委員 三千七百九十一円ベースの問題ですが、これも官公廳側に非常に反対があつて、今考慮中だと思うのですが、これを向うがどういうような形でくるかもしれませんけれども、それに対して給與局長はどういうような対策があるかお聽きしたいと思います。
#66
○今井政府委員 別に変つた対策ももち合わせておりませんが、とにかく組合側の申している五千二百円というものに対して、昨日も少し御答弁したのでありますけれども、実態生計費でないことだけはほぼ明らかになつております。実態生計費で全國の勤労者がとにかく五千二百円をとつているということになりますと、私どもよほど話の幅が廣くて問題だと思つておりますが、この点はどうもそうでないようであります。そういつたことを一つずつほぐしていきますと、結局そう話の幅というものは私はあるまいと思つております。すべて向うの三千七百九十一円に対する非難も快く受け、こちらも向うさんの数字に対する欠陥を指摘いたしまして、両方の意見の一致したところを合わせていきますれば、それだけが対策――という言葉も変ですが、そういつた形で話を進めてみたい、かように存じます。
#67
○佐藤(觀)委員 それでは予算の面でははつきり出ておりますが、これだけの三千七百九十一円というのは仮拂いの形で受取られるものであるかどうか、その点をひとつはつきり……。
#68
○今井政府委員 政府の財政組織法の建前から申しますと、勤労に対して支拂うものでありますので、その実質的な精神ば御解釈の通りでも差支えないかと思いますが、建前はやはり俸給その他のものというように見ませんとぐあいが惡いと思います。
#69
○佐藤(觀)委員 その問題は將來また遡及するかどうかという問題と関連してくるので、組合側などには相当そういう意見もあるのですが、この点先日労働大臣にもいろいろ質問したのですが、むしろ給與局長からはつきりお伺いしたいと思うのです。
#70
○今井政府委員 要するに政府が今準備しており、國会通過次第話し合おうと用意しております分につきまして、はつきり組合の目下の立場では申しませんが、とにかくこの金をもらうときに別に異存はないと確信いたします。從つてここまでの分につきましては問題はないので、ただ上にあがる部分について話が一致しない。從つてこれだけのものは何という名目でとろうが、やはり俸給であることは間違いありません。ただそれがどのくらいの一部であるかということだけの問題であります。この法律案等もそういつた意味におきまして俸給等に関する法律、かようにお願いした次第であります。
#71
○河口委員 寒冷地に対する燃料手当の問題でありますが、寒冷地と申しますよりも、具体的に北海道の職員に対する燃料手当の問題ですが、政府ではいかようにお考えになつているかお聽きしたい。
#72
○今井政府委員 今年の三月以來、北海道及び東北、北陸十一縣の全官公の諸君が集まりまして、寒冷雪害地対策協議会という團体を構成されまして、政府側に対しまして團体交渉の申入れがございました。政府といたしましては、團体交渉となりますと、團体協約を結んでおる國鉄であるとか、全逓であるとかいう單位組合と交渉しなければぐあいが惡いことになりますので、その間に調整を行う必要があります。その話合いがうまくまとまりまして、全逓も國鉄も、そういつた全官公廳職員の各組合のいずれも、この問題に関する限り一切をその協議会に委任する、こういつた話合いができまして、そこでいわゆる資格要件が整いましたので、五月の初め以來團体交渉の委員会を設けまして、すでに十数回の討議を重ねております。もう結論が出る段階にまで至つておりますので、結論が出ました上でまた御報告申し上げます。
#73
○河口委員 昨年はせつかくこのことが行われたのですが、時期が遲れて非常に効果が薄かつた。本年度は前もつて計画を進められ、寒冷地帶の諸君がほんとうに喜んで働くような態勢にお進め願いたいということを希望申し上げて終ります。
#74
○赤松(勇)委員 この法律案は先ほど申し上げましたように、社会党にとりましては勤労大衆を基盤としている関係上、非常に重要な法律案であります。從つて同僚委員から先月來、この法律案に示されているところの給與ベースというものは予算の單價であつて、今給與局長のお話のように、精神としては團体交渉の妥結の後において新らしい給與を出す、ただ一應の予算の單價として編成されて、形の上では俸給という形で支拂われるというのでありますが、問題になりますことは、先ほどから申し上げますように、この法律案が國会を通過することによつて、三千七百円ベースというものがもう即定の事実として團体交渉の上におつかぶされていく。すなわち團体交渉の障害になるということをわれわれは一番憂慮しておるのであります。
 もう一点は、堀江委員から出されております修正案に対しましては、私は全面的に賛成であります。その理由は、さきに財政金融委員会の皆さんの御賛成を得まして、私が國会に決議案を提出いたしました。その内容に、政府は速やかに新年度から新基準賃金をきめて、法律案を國会に提出すべし、こういうことがうたつてあるのであります。その意味から申しまするならば、堀江君の出されました修正案はむしろ社会党側から出したいのであります。ところがそこで問題になりますことは二つある。一つは、一体これは六月一日からの給與としてその予算が編成されておると思うのでありますが、四月から六月までの支拂分を加算いたしますと、総額どれくらいになるか。それから各所管大臣がしばしば議会において、新年度からこの基準賃金をば行うということを言明してまいりましたが、それを今日になつて、六月一日からこれを行うというように変更なされた理由は一体どこにあるか。この点が明白にならなければ、われわれといたしまして、ただ簡單に六月一日からの新給與でよろしいというようにこれを承認するということはできがたいのであります。でありますから四月一日から給與する、いわゆる昭和二十三年度の年度当初より給與するという所管大臣の答弁が議会の速記録に残つておる。それにもかかわらずこれが六月一日からの給與に変更された理由、原因はどこにあるか、これが第一点。
 第二点としましては、四月から六月までの三千七百円ベースによる給與の総額は大体どれくらいになるか、この二点をお聽かせ願いたいのであります。
#75
○今井政府委員 六月という予算の盛り方をいたしました点、これは先ほど赤松委員が関連してお述べになりましたが、赤松氏自身御承知のように、臨時給與委員会の当初の一應の考え方は、確かに新年度からということに考えておつたことは私も承服するのでありますが、しかしながらこれが報告書の形になりますときは、すでにその文字は削除される運命にあつたのであります。政府はその後三月の下旬、全官公廳との交渉その他の機会におきまして、特に責任大臣等から四月以降物價改訂の場合に上げるという言葉を使われたことを私も直接耳にしたことがございます。そのときの意味は物價改訂ということに非常に力点をおいて説明されたのでありますが、四月以降ということに基礎をおかれた組合の諸君もおられまして、これがかなり食違いがあつたように、私そばで見ておつて印象づけられておるのであります。公式に文書を交しました際には、その点ははつきり念を押す意味におきまして一――三月の暫定云々という言葉を使つておつたことは御承知の通りであります。從いまして六月ということも、政府の当初の方針――当初の方針は実は四月に物價改訂をやるという考え方もあつたのであります。この方針に從いまして物價改訂の数字と絡み合わせまして、この予算が盛られたことはこれは事実でありますが、ただ何分にも團体交渉を続けておりますので、組合側はこの問題についておそらく相当の言い分があるだろうと思います。その結果実施期日というものも変更になる機会も十分あり得ると思います。万事はその方にお任せいただく方が私はかえつてよろしいのではなかろうかと、よけいなことかもしれませんが、感ずる次第であります。と申しますのは、今回この法案は政府という使用主が、使用人に対してこれだけの月給をとりあえず拂いたい。そうして國会に御承認願いたい。こういう意味合いで提出申し上げておるのであります。國会がそのベースをくぎづけしようとか何とかいう御意見ではないであります。從つて政府の方も時間がありますれば、これはもちろん團体交渉がきまつた結果やるべきでありますが、それは國会の関係上遲れますから、とりあえずかりに問題をあとに残しましても、予定しておる金だけを出す。こういうことでありますので、ここに國会で何らかの修正等がはいりますと、かえつて國会でベースそのものにつきましていろいろとやはりその相談の中にはいつていくという形にもなりはしないかという印象も、これはよけいなことでありますが受ける次第であります。なお数字にいたしますと、お話の点はごく大ざつぱに申しますと、二箇月分で約四十億、こう押えられれば、まず大過ないと思います。
#76
○赤松(勇)委員 そういたしますと、今御答弁の中でちよつと私聽取りにくかつたのでありますが、四月からの給與にするか、六月からの給與にするかということは、團体交渉で十分に交渉の余地があるわけですか。そんなふうに考えてよろしゆうございますか。そういたしますと、ここに出されております法律案は六月一日からの給與でございますが、これが必ずしも團体交渉のわくにはならない。團体交渉の際には四月から給與するというような妥結の余地も十分あるのだ、こういう御答弁であつたと思います。そこで問題になりますことは、今今井さんは、國会は問題の中へはいるようなことを避けた方がよいのではないかと御忠告をいただいたのでありますが、ところがその御忠告ははなはだ残念でございますが、いささかのしをつけてお返しをしなければならない。と申しますのは第二國会でありますが、全官公廳のストライキのまつ最中に、私どもは爭議勧告決議案を出しました。先ほど申しましたように、新年度において速やかに基準賃金をつくれ、こういう決議を院議をもつて行つておるのであります。この院議がすでになされておるのでありまして、問題の中にはいるなと申されましても、すでに院議をもつて國会は問題の中にはいつておる。この院議に対しまして、今井給與局長はどういうふうにお考えになるか、ちよつとお尋ねします。
#77
○今井政府委員 御承知の通り、あのとき衆議院の決議が出されましても、すぐ爭議の解決というふうな段階にまいりませんで、四月十六日にようやく安結を見たわけでありますが、その後新給與整備委員会におきまして、四月一ぱいにこの二千九百二十円の問題につきましての根本的な話合いは一應成立いたしました。引続きまして五月にはいりまして、御趣旨もございまして、給與問題全般を險討する委員会をもちたいという組合側の要望もあり、政府の、特に加藤、西尾両大臣の覚書もありまして、そのラインで話を進めたのでありますが、不幸にしまして、主といたしまして調停委員会をもつかもたないか、この話が合わなかつたらすぐけんかということにしないで、一應第三者を交えた調停委員会、これは法的の拘束力もつておりません。その委員会をもつかもたないかという点につきまして意見が食い違いまして、遂に五月一ぱいでそういうことができなくなりました。そのうちに政府の方は、新物價ベースの関係から一應のそろばんが出たものでありますから、とりあえずすぐ話し合いを始めた。それで特に今回は早く話をまとめるために、今回の交渉に限りましては、この粉爭処理機関の問題をひつこめました。それは目下話合いをやつておる次第でありまして、いささかこの前の院議に対して、あるいは十分でなかつたという点もあるかもしれませんが、その間の事情を一つ御了承願いたいのであります。
#78
○塚田委員 私どもは不覚にして今給與局長の答弁になつたようなものとは、本法案を了解しておらなかつたのであります。それはこの前の改訂のときに、あの二千九百二十円ベースというものがいつまでのものかということで大藏大臣の御答弁をいただいたときに、これは時期はないのだ。しかしこれでやれなくなるときまでこれでやつていつて、やれなくなつたときから新しい給與水準になるのだというように、私どもは大臣から答弁をいただいたように記憶しております。今給與局長の御答弁だと、この適用期限がまた四月からさかのぼるかもしれない、そういう余地が團体交渉の上になおあるのだということになると、國会がそういう事態を知りつつこの法案を通して、それは國会がきめたんだから、今度お前らは六月以降でなければならぬということに、また政府がこれを運用されるということになるとたいへん困るのであります。その辺はどういうようにお考えになるのか、その辺の調節をどういうふうにお考えになつてこれを國会にお出しになつたか、その点を一つはつきりと御答弁願いたい。
#79
○今井政府委員 政府は本來こういつた問題は組合側と團体交渉をいたしまして、その妥結の上で法律案を出すということを根本の建前としたい、またすべきことにつきましては、これは十分責任をもつて申し上げます。ただ今回のものにつきましても、組合側の方では四月から手取り五千二百円という要求をいたしております。政府側の方では別の角度から一應六月以降三千七百九十一円という予算を用意しておつたということも事実であります。その間にいろいろ別の意味の紆余曲折はございましたが、具体的に賃金問題の議論を始めましたのは、六月の半ば以降でございます、その間に組合大会等の関係で交渉がとぎれたこともございます。それで現在までいろいろ交渉の結果、実は話が一つもまとまつておりません。政府といたしましては、この法律希をこうこうこういう事情で國会の期限が切れるから、やむを得ず政府の方で出すことを了承してほしい、その代り團体交渉は引続きやります、從つて賃金ベースの支拂の時期も、すべてその交渉の條件にもつてこれるわけであります。その点の交渉の余地は十分はつきりと約束を文書でいたしまして、その上でこの法律案をこちらに上程さしていただいた次第でありまして、從つて政府といたしましては、その約束もございまして、かりに國会が通過いたしました曉におきましても、國会を通過したからというようなことは、義理にも組合に対して言えない立場にある、これは自分を縛つておる次第であります。
#80
○川合委員 昭和二十三年六月以降の政府職員の俸給等に関する法律案に関しましては、すでに質疑は終了したようでありますから、質疑を打切り、討論にはいられんことを望みます。
#81
○梅林委員長代理 川合君の動議に異議ありませんか。
#82
○梅林委員長代理 御異議ないものといたします。それでは昭和二十三年六月以降の政府職員の俸給等に関する法律案を議題といたしまして、討論、採決に入ります。堀江君。
#83
○堀江委員 この法律案につきまして私は修正案を提出いたしたいと思います。その趣旨は、政府当局あるいは労働大臣、大藏大臣、給與局長との質疑應答によりまして、今おいでになつておるところの給與局長の御意向からしても、この法案は給與局長の意図に反した法案であるという意味において、絶対に修正が必要であると考えられます。どういうぐあいに修正するかということは、法律の題名中の「六月」を「四月」に改める。これは給與局長が御説明になりましたように、今後全官公廳労組との妥結によつて、四月にもさかのぼらなければならないという説明があつたごとき意味でありまして、これに法律として六月と規定するようなことは、国会がそうした妥結に妨害を與えるというような意味において、これを四月に改める必要があるのであります。
 次に第一條中次の項を改めたいのであります。「に対しては昭和二十三年六月一日にさかのぼつて、職員総平均の月收三千七百九十一円の俸給等を支給する。」とあるのを次のごとく改めるのであります。「に対しては昭和二十三年四月一日にさかのぼつて政府と全官公廳労働組合との團体交渉によつて決定された額を支給するが、差当りの措置として職員総平均の月收三千七百九十一円の俸給等を支給する。」これはただいま質疑應答があり、また給與局長なり、加藤労働大臣の答弁によりましても、三千七百九十一円は、内拂いの性質を有するものであるという意味において、法律に三千七百九十一円を固定化することは、政府当局のせられた答弁がどうであるにしても、これが全官公廳との妥結に大きな支障を與える。こういうぐあいに法文を直しておけば、臨時國会や何かをやるにしても、全官公廳との妥結がついた場合に何らの支障がないし、妥結についてもちつとも支障がないという意味において、こういうぐあいに修正する必要があります。
 それから第二條は削除する。同じく第三條も削除する。この理由は法律第四十六号、すなわち二千九百二十円ベースの支給に関する法律であるが、これは今後妥結によつて支給さるべき俸給に及ぶべきものではないという意味におきまして、この第二條、第三條は二千九百二十円ベースのものであるという意味において、これは何ら置く必要はない。その意味においてこれを削除いたしたいのであります。
 第五條を次のごとく修正して第二條とするわけであります。「この法律の施行に際しては職員の受けていた俸給の二十一割六分に相当する俸給を支拂うものとする。」この理由は、二千九百二十円ベースは一月から三月までの暫定給與であるからして、千八百円ベースに対して二十一割六分を支給することにするというのであります。
 次に附則といたしまして「政府職員の新給與実施に関する法律案(昭和二十三年法律第四十六号)は廃止する」というのであります。
 以上が修正案の提案理由でありますが、各委員からこの問題につきましては熱心に質疑が交されたのであります。日本の経済再建にとりまして、政府職員、一般の労働者の待遇をよくしていくということは、経済再建の基本である。政府がこうした法律をきめることは、その実は全官公廳の現在の爭議を挑発するものである。労働攻勢をますます激化させる憂いがあるという意味におきまして、政府が眞に全官公廳と誠意をもつて――全官公廳労組諸君の生活を保障する給與を支給する熱意があるというようなことを答弁の中においても聽くのであります。またそうしなければならない。われわれの立場からいつても、政府を督励してそういうぐあいにさせる責任があるのであります。ぜひ皆さんの賛成を得まして、政府提出の法案の非常に障害のあるところをこういうぐあいに修正するということを主張するものであります。どうぞ皆さんの御賛成を――特に社会党の赤松委員からこれに対しての賛成の意見を拜聽して、非常に心強いわけでありまして、こうした問題は党派というようなことではなく、日本の再建をどう考えるかということに根本をおいて、党派を超越して虚心坦懐に御賛成を願いたいのであります。
#84
○川合委員 堀江委員より修正案が提出されておりますが、討論を省略して採決されんことを望みます。
#85
○梅林委員長代理 川合君の動議に御異議ありませんか。
#86
○梅林委員長代理 御異議なしと認めます。まず第一議員倶樂部所属堀江議員提出の修正案について採決いたします。本修正案に賛成の諸君の起立を願います。
#87
○梅林委員長代理 起立少数。よつて本修正案は否決されました。
 次に、政府提出にかかる昭和二十三年六月以降の政府職員の俸給等に関する法律案につきまして採決いたします。政府原案に賛成の諸君の起立を求めます。
#88
○梅林委員長代理 起立多数。本案は政府提案の通り可決せられました。
 本日はこれにて散会いたします。明日午前十時より開会いたします。
    午後四時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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