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1947/08/29 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 本会議 第31号
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1947/08/29 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 本会議 第31号

#1
第001回国会 本会議 第31号
昭和二十二年八月二十九日(金曜日)
    午後三時十五分開議
    ―――――――――――――
 議事日程 第三十号
  昭和二十二年八月二十九日(金曜日)
    午後二時開議
 第一 罹災都市借地借家臨時処理法の一部を改正する法律案(武藤運十郎君提出)
    ―――――――――――――
#2
○議長(松岡駒吉君) これより会議を開きます。
#3
○議長(松岡駒吉君) 日程第一、罹災都市借地借家臨時処理法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。司法委員長松永義雄君。
    [松永義雄君登壇]
#4
○松永義雄君 ただいま議題と相なりました罹災都市借地借家臨時処理法の一部を改正する法律案について、委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず本案の要旨について御説明いたします。その第一点は、この法律は戰災地にのみ適用されているが、近年頻発する大火震災、風水害等のごとき特別の自然災害も、戰災と本質的差異がないのであるから、かかる災害により廣範囲に建物が滅失した場合の借地借家についても、單行法制定の煩を避け、この法律を適用せしめようとするのであります。
 第二点として、今日なお戦災地について優先賃借権のあることを知らない居住者や借地人が相当に多く、しかも最近の轉入難、資金資材難及び建築制限等諸種の事情から、居住者や借家人が一年以内に優先賃借権の実現をはかることは実際上困難であるから、さらに向う一箇年間申込機関を延長しようとするものであります。
 次に第三に、従来強制疎開地の借地権は消滅したものとして保護されなかつたが、強制疎開もまたひとしく戰爭の被害であるから、この際公平に疎開地の借地借家にも既往にさかのぼつてこの法律を適用せしめようとするものであります。以上が本案の要点でございます。
 現下國内の諸情勢より、本案提出の理由はまことに切実なものがあり、しかも本案の成立は目睫の急を要する実情に鑑み、委員会においては、去る十六日提案者武藤運十郎君より説明を聽いた後、内容の審査檢討を進めてきたのでありますが、その経過について概要を申し上げますれば、まず第一に、火災、震災及び風水害等の自然災害中、いかなる地区における、いかなる程度のものについて本法を適用すべきかとの問題がありました。委員の多数は、政令は法律の施行に必要な範囲内で定めるのが原則であるとの見解から、法律で定めることとし、ただ從前勅令をもつて指定した地区においては、依然としてその効力を有することを附則に定め、解釈上の疑いをなくすることに意見の一致をみたのであります。
 第二の問題として、自然災害の借地借家を戰災の借地借家に併列することは、法律の体裁としても、また期間の計算の上からも適当でないから、第一條には追加しないで、別に條文を起すべきであるとの有力な意見が提示せられたのであります。
 第三は、疎開によつて借地権を失わないとみなすときは、現存の借地借家の上に新たに混乱を招くおそれがないかという問題でありますが、この問題については、疎開により借地権を喪失した者は、多くは金銭その他の反対給付を受けたり、あるいはその借地上に建物その他の工作物もしくは家庭菜園等があつたりしているから、今にわかに借地権を失わないものとみなされるときは、借地人は有利のようで、事実は反対給付の返還をしなければならない。あるいはまた建物移轉のやむなきに至ることもある。かりに原案のごとく附則を設けて、本法施行前に効力の確定したものは、その効力は妨げられないと定めましても、施行前と施行後とでは公平を欠くものであるとの結論から、本案の第九條を削除することに意見の一致をみました。
 以上申し述べましたような意見を総括して、鍜治良作君より次のような全文修正案が提出せられたのであります。ここに修正案を朗読いたします。
  罹災都市借地借家臨時処理法の一部を次のように改正する
  第二條第一項中「一箇年」を「二箇年」に改める。
  第七條第一項及び第三項中「六箇月」を「一箇年」に改める。
  第十二條第一項中「一箇年」を「二箇年」に、同條第四項中「区裁判所」を「地方裁判所」に改める。
  第十八條中「区裁判所」を「地方裁判所」に改める。
  第十九條第二項中「地方裁判所長」を「地方裁判所」に改める。
  第二十二條中「勅令」を「政令」に改める。
 第二十五條の二 第二條乃至第一八條、第十條乃至前條及び第三十五條の規定は、別に法律で定める火災、震災、風水害その他の災害のため滅失した建物がある場合にこれを準用する。この場合において、第二條第一項中「この法律施行の日」及び第十條中「昭和二十一年七月一日」を「第二十五條の二の法律施行の日」と、第十一條中「この法律施行の際」を「第二十五條の二の法律施行の際」と、第十二條中「この法律施行の日」を「第二十五條の二の法律施行の日」と読み替えるものとする。
第二十七條 この法律(第二十五條の二の規定を除く。)を適用する地区は、法律でこれを定める。
 第二十五條の二の規定を適用する地区は、災害ごとに法律でこれを定める。
 第二十九條第一項中「一箇年」を「二箇年」に改める。
   附 則
 この法律は、公布の日から、これを施行する。
 從前の規定によつて定められた地区は、これを第二十七條第一項の改正規定によつて定められたものとみなす。
以上が修正案の全文でございます。
 次いで委員会は、質疑及び討論を省略し、ただちに採決の結果、本案は鍛冶良作君提出の修正案のごとく修正議決いたしました次第であります。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
#5
○議長(松岡駒吉君) 採決いたします。本案の委員長報告は修正であります。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
  [「異議なし」と呼ぶ者あり]
#6
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り決しました。
     ――――◇―――――
 皇室経済施行法案(内閣提出)
 日本國憲法第八條の規定による議決案(内閣提出)
#7
○土井直作君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、内閣提出、皇室経済法施行法案及び日本國憲法第八條の規定による議決案の両案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#8
○議長(松岡駒吉君) 土井君の動議に御異議ありませんか。
  [「異議なし」と呼ぶ者あり]
#9
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 皇室経済法施行法案、日本國憲法第八條の規定による議決案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。委員長森三樹二君。
   ―――――――――
 皇室経済法施行法案(内閣提出)に関する報告書
 [都合により第三十三号の末尾に掲載]
   ―――――――――
 日本國憲法第八條の規定による議決案(内閣提出)に関する報告書
 [都合により第三十三号の末尾に掲載]
   ―――――――――
   [森三樹二君登壇]
#10
○森三樹二君 ただいま議題となりました皇室経済法施行法案並びに日本國憲法第八條による議決案につきまして、皇室経済法施行法案特別委員会の審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 第一の皇室経済法施行法案について、その要旨を簡單に御説明申し上げます。本法案は、皇室経済法の施行に必要な事項を規定いたすことを内容といたしておりますので、まず、本法案に関連する限度において、皇室経済法の要点を御説明いたしましてから、本法案の趣旨を御説明いたします。
 新憲法施行前におきましては、皇室の経済は、國の経済の外にあるものとして、ただ年額四百五十万円が國庫より支出せられて、皇室経費の一部に充てられるほかは、帝室林野会計による收入等によつて賄われる独立の経済となつておりました。しかるところ、日本國憲法は、その第八十八條において、皇室に関する経済が國の経済の一部になるべきことを明確にいたしました。またその第八條において、皇室を当事者とする財産の授受について制限を設けてあるのであります。皇室経済法は、主としてこの二箇條に基いて規定することを要する事項を中心とし、皇室の経済関係に関する事項を取りまとめているのであります。また同法第二條における財産の接受、第四條の内廷費、皇族費及び皇族がその身分を離れる際の一時金の金額等は、別の法律で定めるべきものと規定してあるのであります。
 以上申し上げましたように、皇室経済法において、別の法律で定めるべきものと規定いたしました諸点を規定するとともに、その他同法施行のため必要な規定を集録いたしたものが本施行法案なのであります。
 次に、日本國憲法第八條による議決案について、その要旨を簡單に御説明申し上げますれば、本議決案は、さきに御説明いたしました皇室経済法施行法案第五條によりますれば、天皇及び皇族の方々が一年内になされる賜與または譲り受けの財産の価格が百二十万円、本年度は八十万円でありますが、この額に達しますれば、その後の期間においてなされる賜與または譲り受けについては、その價格の多寡にかかわらず國会の議決を経ることを要することになつております。しかしながら、天皇初め、これらの皇族が、特に災害の場合の罹災民に対するお見舞あるいは各種の御奨励のために賜與される價額は、今後明年三月末までの期間において、百二十万円近くに上ることが見込まれておりまして、上述の八十万円をその他の一般的な賜與に充当いたしますとすれば、これらのお見舞、御奨励のための賜與は、そのたびごとに個々に國会の議決を要すことになるのであります。しかるに、これらの賜與は、災害に対するお見舞のごとき、その都度実際の必要に当面して、一々國会の議決を経ることが事実上困難なる場合も多く、またその賜與せんとする目的も定まつていますので、あらかじめ金額百二十万円を限り一括議決を求められましたものが、本議決案の要旨であります。
 次に、委員会における審査の大要について申し上げます。両案は去る八月十四日本委員会に付託せられまして、爾来委員会を開きますこと四回、その間、政府より提案理由の説明を聽取いたしました後、委員との政府側との間に愼重かつ熱心な質疑應答が続けられたのであります。その概要を申し上げますれば、戰災を受けし皇居復興の計画ありや、また現状のごとき御住居では、國民統合の象徴としての天皇の品位を保持し得らるるやとの質問に対しましては、現在のごとき國情では未だ復興の時期ではなく、現状においても品位は保持し得らるるとの答弁がありました。
 また、今後皇族としてお残りになる宮家並びに皇族の身分離脱の時期いかんとの質問につきましては、お残りの宮は、秩父、高松、三笠の三宮でありまして、他の皇族の身分離脱の時期は、本法案の施行、これに要する予算、皇室会議及び皇室経済会議等の諸種の準備手続が九月までに完了すれば、十月ぐらいまでに実現し得ると思うとの答弁がありました。
 次に、本施行法案各條項に規定されている金額は、現下の経済事情に照合するとき、あまりに少額であり、殊に内廷費の八百万円は恐懼せらるるほど僅少であるが、この程度においてはたして賄い得るやとの質問には、金額は以前に算定したもので、現在はあまり余裕なく、内廷費は本年度は賄い得るも、明年以降は状況によりあるいは増額を要することになるかもしれないとの答弁でありました。
 かくて質疑を終了いたしまして、討論に入り、社会党松本七郎君、民主党園田直君、自由党本田英作君、國民協同党黒岩重治君及び第一議員倶樂部東井三代次君が、おのおの党を代表せられまして、國民統合の象徴としての天皇の御地位にふさわしい経済的措置は必要であるが、國民耐乏の折柄、原案程度で御生活願うことはまことにやむを得ずとしても、当局の將來における深甚なる考慮を要望し、それぞれ両原案に賛成の旨を述べられ、ただちに採決に入り、両案とも全会一致をもつて、原案の通り可決いたした次第であります。以上、簡單ながら御報告申し上げます。
#11
○議長(松岡駒吉君) 両案を一括して採決いたします。両案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
  [「異議なし」と呼ぶ者あり]
#12
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて両案は委員長報告の通り可決いたしました。
 次会の議事日程は公報をもつて通知いたします。本日はこれにて散会いたします。
    午後三時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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