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1953/09/09 第16回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第016回国会 建設委員会 第24号
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1953/09/09 第16回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第016回国会 建設委員会 第24号

#1
第016回国会 建設委員会 第24号
昭和二十八年九月九日(水曜日)
    午前十一時三十九分開議
 出席委員
   委員長 久野 忠治君
   理事 中島 茂喜君 理事 安平 鹿一君
   理事 山下 榮二君 理事 佐藤虎次郎君
      逢澤  寛君   岡村利右衞門君
      仲川房次郎君    堀川 恭平君
      三池  信君    志村 茂治君
      三鍋 義三君    中井徳次郎君
 委員外の出席者
        建設事務官
        (計画局長)  澁江 操一君
        建 設 技 官
        (河川局長)  米田 正文君
        建 設 技 官
        (道路局長)  富樫 凱一君
        専  門  員 西畑 正倫君
        専  門  員 田中 義一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 治山治水に関する件
    ―――――――――――――
#2
○久野委員長 これより会議を開きます。
 治山治水に関し、前会に引続き調査を進めます。
 まず先日の派遣委員の報告の中で、数点政府に対して答弁を求められていたのでありますが、これに関し、政府より答弁を求めます。富樫道路局長。
#3
○富樫説明員 前回の委員会で、岡村委員から道路の問題につきましてお尋ねのありましたのは、第二阪神国道の改良の問題と、姫路明石間の鋪装の補修の問題の二点と承知しておりますが、阪神第二国道改良の問題につきましては、われわれといたしましても、阪神間にもう一本国道がいると考えております。今度の五箇年計画にも、この改良を盛りまして、二十九年度から着手いたしたいと考えておりますが、何分にも全体が六十億に上る巨額な工費を要しますので、五箇年間にはその一部ということになろうと考えております。
 次に、姫路―明石間の鋪装の補修の問題でございますが、この鋪装は、ひどくいたみまして、現在交通に支障を及ぼしておるような状態でございますので、二十八年度におきまして四千万円の補修費をつけまして、この補修を実施いたす計画にいたしておりますが、なお明年度におきましても、六千万円程度をこれに投じたい考えでおります。全体では二億数千万円かかりますので、二十九年度に全部完了するというわけには参りませんが、極力進めたい考えでございます。
#4
○岡村委員 先日の報告には申し上げませんでしたけれども、国道二十九号線が非常に狭隘であり、また改修を地方民が非常に要望しておるのでありますが、これに関しまして、道路局ではどというふうにお考えでございますか。
#5
○富樫説明員 二十九号国道の改良につきましては、現在戸倉隧道に着手いたしておりまして、これを二十九年度において貫通させる計画にいたしております。引続き二十九号線は姫路の方に延ばして行きたい計画でございまして、五箇年計画にも組み入れたい考えでおります。
#6
○逢澤委員 関連して……。さきに二号国道について、岡村委員の方から五箇年計画に対する質問があつたのですが、私はこの関連の点を、この機会にちよつと道路局長に伺つておきたいと存ずるのであります。それはこの二号国道は、西に向つて走つておりますが、兵庫県の姫路以西の計画、それからさらに岡山県に入つて、兵庫県境から岡山市に至る間のほとんど全部が未改修で、ほんの一部だけができております。これに対しましては、国の方におかせられましても、非常に関心を厚くしていただいて、一番の難関である三石のトンネルは、ほとんど竣工に近くなつております。しかしながら、この難関だけができておるので、あとの道路はほとんど未改修で、昨今はあの大型バスが昼夜をわかたず頻繁に通つて、そうして道路側の民家の軒先がもうほとんどやられておるような実情になつております。特に岡山県側のある部分では、国道の通行困難なところができまして、そうして県道、さらに地方道を迂回して現在通つておるような実情になつております。それは伊部町地内に不通箇所ができておるために、県道を通り、さらに県道だけでは連絡がつかぬから、地方道を通つて阪神と連絡しておるような実情になつております。従つて、姫路以西の兵庫県、岡山県、さらに広島県、山口県、こういう方面からの輸送路が非常に狭隘を感じておる。従つて、今回策定されております道路整備の五箇年計画に対しては、地建においても相当深い関心を払いまして、五箇年間にはぜひ完成したい。今の計画で行くならば、おそらく十四、五年間かかるだろう、その間には上を通る自動車が非常に大型なものができて、今日でもすでに交通不能のような状態になつておりますが、ここ数年の間にはさらに困難になつて来るたろう。従つて五箇年計画によつてぜひ何とか目鼻をつけたい、こういうことは地建の方でも考えており、各関係の県民、また各県庁においても、非常に熱望をしておるのでありますけれども、現在政府の方ではどういうふうなお考えを持つておられるか、この機会にちよつとお尋ねしておきたいと思います。
#7
○富樫説明員 道路整備の五箇年計画につきましては、東海道、山陽道という、わが国でも最大の幹線については、特に重点的に施行する計画でございます。ただいま五箇年計画の作業中でございまして、まだはつきりしたことを申し上げる段階ではございませんが、お話にありました姫路から岡山、これは五箇年計画でぜひ改良計画を完了させたい考えであります。この改良の順序等につきましては、五箇年計画が整備されましたら、はつきり申し上げたいと存じますが、悪いところから改良して行きたい、かように考えております。
#8
○堀川委員 ただいま岡村君の御質問に御答弁があつたのでありますが、明石―姫路間の鋪装道路、これの修繕に対して、今年は四十何百万円、来年は六千万円というようなことを今聞いたのでありますが、全般的に見まして何とかというお話でありました。地元で聞きますと、五億四、五千万円かかるような話を聞いておつたのであります、あれの負担は県が半分負担するのありますか、それで五億何ぼになるか、その点ちよつとお聞きしたいと思います。
#9
○富樫説明員 先ほど御説明申し上げました二億数十万円と申しましたのは、全体の事業費であります。本年度四千万円、明年度六千万円と申しましたのは、国直轄で施行するものであり出して、その半分は県の負担になるのであります。ただいま五億というお話がございましたが、あの間の鋪装につきましては、現在の幅では狭いので、両側に鋪装を新設したいという考えを持つております。それを入れますと、もつと多くなるわけでありますが、この広げる分は補修費でございませんで、鋪装新設の改良費から出るわけであります。
#10
○堀川委員 以前あそこの国道ができたときには、トラックでも二トン車、三トン車ぐらいだつたのでありますか、このごろは十トン車ぐらいから十四、五トン、重いのは二十トンというような、トラクターのようなものが通るので、非常に道路がいたんで来たということはわかりますが、一体今回補修するような所は、どのくらいの厚みの、どのくらいの重量に耐えるような鋪装をなさるのですか、改良をなさるのですか、その点を伺いたい。それからもう一つ、あの二十九号線は、戸倉峠の鳥取の方からかかつておることは承知しておりますが、二十九年度であの隧道も全部完成して、三十年から兵庫県の方にかかるのですか、その点を伺いたいと思います。
#11
○富樫説明員 前の鋪装の厚さと申しますか、強さの問題でございますが、お話の通り、最近自動車が非常に重量を増して参りまして、お話のような二十トン程度の自動車も通つておるわけであります。姫路―明石間の鋪装などは、従前の十三トンくらいの自動車を相手に設計したものでありまして、十五センチ程度の厚さであつたわけでありますが、これが寿命が来たということと、最近の自動車は非常に重くなつたということで、非常にいたんで来ております。今後補修いたしますには、最近の重い自動車を対象にいたしました補修をする計画でございます。その自動車につきましては、これはいろいろ問題もございますが、大体二十トン程度を相手にいたしております。従いまして、従来の鋪装の厚さが厚くなりまして、最近は二十センチ程度にしておりますが、これでも薄い感がいたしますので、鉄を入れますとか、あるいは厚さを増しますとか、そういう方法を計画しております。
 それから戸倉トンネルの問題でありますが、これは二十九年度に完成いたします。なおできれば、姫路の方に改良計画も進めたいと考えております。従来も、補助工事であの国道は改良を進めておつたのでありますが、何分にも姫路―戸倉間の道路は非常に狭隘でありますので、できだけ改良も、三十年とはいわずに進めたいと考えております。
#12
○久野委員長 仲川房次郎君。
#13
○仲川委員 一般路線は五箇年、二級路線は十箇年というふうに聞いておりましたが、これはそういう目標のもとに完成するという意思はわかつておりませんか。
#14
○富樫説明員 道路五箇年計画の作業をだんだん進めて参りますと、当初そういう考えでございましたが、一級国道においても、五箇年計画では全体の三〇%程度しかできない。二級国道におきましては、その半分程度しか参らぬわけでございまして、三〇%と申しますと、大体十五箇年計画になるわけでございますので、二級国道にいたしますと、その半分でありますから、三十年計画になつて来るわけであります。これは作業だんだん固まつて参りませんと、はつきりしたことは申し上げられませんが、大体において、幹線星点われわれのと、それから、すでに改良された道路の鋪装とか木橋を永久橋にするとかいうことに重点を置いております。先ほどお話のありました今後鋪装は厚くしなければならないというような関係もあり、また最近の材料の値上り等もありまして、国会で御審議をいただきましたときには、提案者から一級国道は五年、三級国道は十年という大体の概念はお話になつたわけでございますが、実際の作業をいたしてみますと、それ以上延びて参りますので、これなどもプラス・アルフアと申しますか、あのガソリン税相当額に、さらに公共事業費を足していただきまして、一級国道は十年、あるいは二級国道は二十年ということで、ぜひ改良さしていただきたいというふうに考えておる次第であります。
#15
○仲川委員 ただいま局長からお話を承りまして、まことに遺憾に思います。大体米国では一時間八十キロ走つている。ところが私の県あたりでは、一時間に二十キロしか走れないという状態でありまして、文化の進展、産業の発展に対しても、非常に阻害している。早く輸送力が増強しなければならぬというので、ガソリン税の問題の解決もできたのでありますが、今お話を伺いますと、一級が十五年、二級が三十年ということでは、日本の産業の開発は非常に遅れると思いますから、何とかもう少し努力して、早く日本の輸送力の増強に力を入れていただきたいと思います。
 さらに八木から高田―御所―五条間でありますが、この道路改良が遅々として進みません。従つて地方は非常にこれを要望いたしておるわけでありますが、どういうような程度にやられるかということについて、具体的に伺つておきたいのであります。
#16
○富樫説明員 できるだけ改良延長を延ばすべきであるという御意見は、まことにごもつともと思うのであります。われわれといたしましても、できるだけ経済的な方法をとりまして、消極的な面で道路延長をすることは考えております。さらに道路財源を増していただきまして、これらを早くできますようにお願いしたいと思うのであります。
 それから奈良県の高田から以南の国道の整備の問題でございますが、この五箇年計画では高田から橋本までを改良したいと考えておるわけでございます。あるいは鋪装までは完了しないかもしれませんが、橋本までは改良を完了いたしたい考えでございます。
#17
○仲川委員 五箇年の間に橋本までやつてみたいという局長の御意見でございましたが、そういうことでは追いつかないと思いますので、ぜひとも土地の事情をおく入とりになりまして、五箇年にこれを実行するように願いたい。さらに今は八木、高田方面から逐次橋本に向つておりますけれども、土地の事情を見まして、これをもう一歩進めて橋本の方から五条に行く線について着手を願いたいと思います。さらに御承知のように私の吉野郡は道路一本の土地であります。鉄道もありません。でありますから、ぜひひとつそういう点をおやり願いたい。ことに八木から上市、伯母峰を通つて木本に至る第二国道は、非常に交通の多いところでありますので、この改良を非常に要望しておりますから、この点についても十分の御留意を願いたいと思います。
 さらにお願いいたしたいのは、二十八年度の予算は通過いたしました。すでに通過いたしたのでありますから、予算の通過した道路に対しては、即刻御着手願いたいと考えておりましたが、これは事実かどうか知りませんが、新規事業はしばらく延期するということを聞いております。そこで、はたしてそうであるかどうかということをお聞きいたしたいと思います。
#18
○富樫説明員 御要望のありました点は、十分考えたいと思います。
 それから二十八年度の新規の問題でありますが、これは建設省全体の問題でございます。道路におきましても、ただいま事務的には新規のは保留されたかつこうになつておりますが、この新規については、また建設省全体の考えがあろうと思いますので、道路局長としては、以上申し上げるだけにいたしたいと思います。
#19
○仲川委員 はつきりした御答弁は得ませんが、御承知のように、議会政治の常道から考えまして、予算を計上して議決いたしておる以上、議決したものを当局が執行するのは当然のことである。それを議決したにかかわらす執行しないのは、主二とに議決権を無視しておるものである。地方が要望して待つておるのに、当局がやらないのは、まことに矛盾しておると思います。ので、これを実行するように万全の策を講じていただきたいと思うのであります。
#20
○久野委員長 何か御質疑はございませんか。――なければ米田河川局長。
#21
○米田説明員 一昨日御質問のありました点についてのお答えを申し上げます。御質問の点については、すでに昨日大臣あるいは主計局長からお答えいたした分もありますので、それらは除いてお答えをいたします。
 特別立法に対する予算措置に関して、中島委員から御質問がございましたが、これは今研究中であります。政令案を早急に決定いたしませんと、事務的に計算ができないのであります。そこでわれわれとしては、早く地域指定の政令を決定いたしたいというので準備を進めておるのでありますが、これは内容が非常に複雑でございますので、なかなか簡単に行かない。従つて全体の査定の事務もまだ完了いたしておらぬのでありますが、この政令の決定と同時に査定が完了して、正確な災害復旧費の算定をいたしたいと思つております。もしそういうふうにきまりますと、それに引当ての財源といたしましては、御承知のように今年度災害対策予備費として百億円の予算計上がございますが、この百億円については、すでに四十数億支出済でございまするので、今日残りが五十数億円でございますが、これが第一の引当でになると思うのでございます。あとそれの不足分は、補正予算に計上して御承認を求めるという段取りになりますが、それらについても、すべて政令指定が確定をして、それによつて災害復旧費の額を決定することが必要だと思います。大体今進行中のものは、政令指定の段取りでございますので、これはひとつ極力進めるように努力をいたしたいと考えております。
 それから、つなぎ融資のわくの拡大というお話がございました。これは今年度すでに確定をいたしましたものが、今日まで七十九億円でございます。約八十億でございますが、これではなお各県とも不十分だという声が非常に高いので、それらはわれわれの方といたしまして、今後必要やむを得ざるものについては、その都度大蔵省と折衝を続けて行くつもりでおります。
 十万円以下の工事については、昨日大臣からお話を申し上げましたので、省略をいたします。
 それから災害復旧の促進という御質問がございましたが、これはなかなか困難な問題でございます。現状を申し上げますと、これも、もうすでに御説明申し上げたことがございますが、二十八年度末、今年度末における過年度災害が、大体事業費にして七[十一億残る予定でございます。これは二十七年度末残が約一千億ございましたものを、今年度の予算化によつて、予算計上を差引きいたしますと七百十一億円が年度末に残る過年度災害の額、それに対して二十八年度今日までに生じました災害の額は、査定をいたしますと、大体七百億円程度になるのではないかという見込みでございます。従いまして、過年度災害と今年度災害は、今日の状態において、すでに一千四百億以上に及ぶ事業費が累積して来たのでございます。これは事業費でございまして、これのうち高率で相当多くの部分を国が負担をしなければならぬ。さらに特別法ができましたので、負担の率も非常に多くなつて参つた。事業費にして今日すでに一千四百億という災害額がございますので、これについては今御承知のように対策本部でも研究を進めておりますし、なお治山治水根本対策協議会でも、この問題とうらの問題でございますので、この財源を見合いながら根本施策を講ずるという方針で研究を進めておる次第でございます。われわれとしては、なるべく早く災害復旧をきれいに片づけたい。建設大臣も、特に災害復旧の促進を強調されまして、災害復旧は原則として二年でやるべきだということを非常に強く主張されておりますが、今日の財政の現状で、これが今年、来年を通じてどの程度実施されるかは、今後の問題にかかつているので、もう少し時期がたちまして方針がはつきりいたしましてから、なお御報告を申し上げたいと存じます。
 それから星野川の災害についてのお尋ねがございましたが、星野川というのは矢部川の上流にある川であります。この上流に金山がございまして、その金山の鉱津が今度の雨で流れ出して、下の部分に災害を起したのであります。これはまだ鉱山法によります鉱業権者があるのでございますが、しかしその鉱業権者が財源的に非常に貧弱であつて、とうていそれらの災害に対して補償することができないというような実情によつております。そういうことから問題になつておるのでございますが、しかし建設省としてはこれら災害のために受けた公共の施設の災害については、復旧を早急にいたすつもりで、すでに査定を終えております。けれども、一般に生じた災害、星野川の鉱山によつて起きた災害については、これは鉱業法あるいは鉱山保安法というのがございまして、法律としてはその中に鉱山保安についての規定もございますので、所管としては通産省の関係が強いというので、通産省と折衝をいたしており、なお研究中であります。通産省としては、まだ結論を出しておりませんが、われわれとしては、通産省所管の災害として処置してもらいたいという申入れをいたしておるような次第であります。
 次に、大阪の海岸堤防の促進についてでありますが、これは昭和二十五年のジェーン台風によつて起きた災害でありますのですでに工事が進渉いたしまして、今年度一ぱいで大体六十億に近い工事を完了するのでございます。総体の事業費が八十八億かかるうち、すでに六十億を本年度で完成いたします。実はほかの災害よりも、非常に事業としては促進いたしておるのでわれわれとしては最大限の促進方策をとつておる次第でございます。残りがまだ二十八、九億ございますので、これはできれば来年度一ぱいに完成をしたいという方針で進んでおるのであります。
 それから次は、岡村議員の御質問の要点についてのお答えでございますが、改修計画の再検討という問題については、昨日治山治水根本対策のときに申し上げた方針で御了承をいただいたことと存じますので、省略をいたします。上流貯水地の必要性についても昨日申し上げたことでございます。
 それから土砂扞止の問題についても昨日申し上げた通りでございますが、ただこの点で申し上げておきたいのは、土砂扞止はいわゆる土砂崩壊の防止でございますが、しかしこれはただ単に土砂をとめるという効果をねらうのみでなく、これによつて上流の急流――いわゆる洪水時に急激な流水があるためにいろいろな災害を起すのであります。その水の流れの勢いを減殺するというもう一つの重要な目的を持つておるのであります。下に土砂が流れるために起る災害の防止と同時に、上流で水の勢いを殺すという重要な役割を持つために、砂防工事というものを極力推進いたしたいと思います。さような意味で昨日申し上げたような趣旨で進めておるのであります。
 次に、計画的な治山治水事業の必要性についてのお尋ねでございました。これも昨日申し上げたのですが、御意見のように、水源から河口に至るまでの一貫したものが従来欠けて、おつたという点を指摘されておるのでありますが、確かにある点ではそういう面があつたかと思うのでございますが、今後はそういう点を特に注意いたしまして、全体の一元的な治山治水計画を樹立して実行いたしたいと存じます。
 災害と改良の二重工事があるのではないかというお尋ねもございましたが、これはそういう場合は多々ございます、しかし災害と改良のダブつたものについては、これはそれぞれ目的を異にしておりますけれども、そういう工事がダブつた場合には、一つの工事として実施することを原則にいたしておりますので、災害費と改良費を一緒にして工事をするという例は非常にたくさんございます。大体そういうことをやつておりますので、それが別途に支出されて、別途の工事が行われるということは、ほとんどないことになつておりますし、私どもそういうふうな二重の工事が行われておるということはないと実は信じておるのであります。
 次の、観測施設等の整備は、これも昨日申し上げたのでありますが、こういう気象観測については、気象あるいは河川に関する観測、あるいは水位流量というものの整備は非常に欠くべからざるものでありますので、極力御趣旨に沿つて今後とも整備もいたしますし、その成果の正確さを期するつもりであります。
 それから、次に兵庫県内の天川、市川、円山川等の促進、特に円山川下流の増補の促進ということがありましたが、これは今度の治山治水根本対策の線に沿つて御趣旨に沿いたいと考えております。
 それから河川監視員に警察権を与えて厳重な監督をするという御趣旨でありましたが、私どもまつたく同感であります。現在河川監視が十分に行われておらぬというところに、災害の一つの原因もございます。町の中の川等がどんどんごみ捨場になつている、あるいは水制護岸等の河川工作物の石が盗まれるというようなことが非常に各地にあるのでありまして、現在の各府県の河川管理の状態では、それらが十分防止できないような状態でありますので、極力こういう線に沿いたい。但し、これには河川法改正のときに、その機会にこの警察権を付与するということを十分考えたいというふうに思つております。
 それから和歌山県の花園村の今度の土砂崩壊による自然ダムの問題でありますが、これは御承知のように十万立米に及ぶ土砂か一時に崩壊して、河川を閉塞いたしたのであります。下流の人たちは、さらにその押し出して来た土砂が流出することを非常に戦々きようきようとして恐れている実情であります。今の応急の工事としては、さしあたり山の地合いを利用して、その池に流入する量だけを流し得るだけの施設を現在急いで実施をいたしておりますが、次の問題としては、これをこのままの状態で固定させて安全な施設にするか、あるいはその下流にこの土砂が流れて来ても大丈夫なような施設をするかという問題について、設計をいたしておる状態でございます。大体において、今のところあの自然崩壊土を利用して、これを強固なものに補強して行くという方途をとりたいというので、設計をいたしておるのであります。
 以上御質問にお答えいたしましたが、あるいは落しておる点がありましたら、さらにお答えいたしたいと思います。
#22
○岡村委員 農林砂防と建設砂防のどこに線を引くか、それを伺いたい。
#23
○米田説明員 これはいつも問題になるようでありますが、実はずつと以前に両省で協定をいたしたことがありました。山腹砂防、山の地はだの砂防については農林省、渓流の砂防渓流と申しますと一つの沢を形成している一つの小さい谷合いの流れであります。これを渓流と呼んでおりますが、渓流の工事は建設省が分担をするという両省の申合せであります。しかし、それが根本的な分類ではありますけれども、山腹に伴つて必要な渓流の仕事とか、あるいは逆に渓流に伴つて必要な山腹の仕事とかいうようなことになりますと、それはお互いに認めざるを得ないということになつておりますために、ちよいちよい現地でそういうことに関して、摩擦というと語弊がありますけれども、不明確な線になつているところがないとはいえない。しかし今日は、毎年予算が確定いたしますと、私の方の砂防の関係と、農林省の治山課とが計画の打合せをいたしておつて、そこに間違いのないように、摩擦のないようにというふうな処置をいたしております。
#24
○岡村委員 実は私どもが高野山に行きまして、裏山の木を非常に切つてあるのを見て、驚いたのであります。これらのことが、あるいは今度の水害が幾分か大きくなつた原因じやないかということを考えたのでありますが、この営林署で山を切る場合に、建設省の方に何か連絡があるのでありますか。
#25
○米田説明員 これは切る場合に連絡があるかというお尋ねでございますが、逆に林野庁の方からは建設省に対して、水源に必要な森林というように指定をしてくれ、注文をしてくれ、この水系の上では切らないようにしてくれというような注文をしてくれという申入れが、かねてからございます。それによつて、その都度申入れをしておりますけれども、われわれの方の注文は相当大きくなつております。ところが林野庁は、それを全面的にやられると、治山事業として成り立たない。いわゆる植伐の関係のバランスがとれなくなるというようなことで、われわれの注文通りに全面的に受けられるというわけではございませんけれども、そういう程度の打合せでやつております。だから、ここを切るからという連絡はございません。事前に、この水系の上に切つてくれるなという注文をしてくれということで申入れをいたしております。
#26
○三鍋委員 きのうちよつとお尋ねしておつたのだが、被害人口の二百七十万人の内訳、それからもう一つそれと関連しまして、終戦後の毎年平均水害現況は、九箇年と見てよろしいのですか、それからお聞きしておきたい。
#27
○米田説明員 ここに終戦後と申しますのは、昭和二十一年からの平均でございます。そういうことと、被害人口約二百七十万人とございます。そのうちで、これも平均になつておりますけれども、死者八百九十九、行方不明四百三十九、負傷者七千三百二十二という内訳になつております。その他は一般被害者であります。
#28
○久野委員長 他に御質疑はありませんか。――次に澁江計画局長。
#29
○澁江説明員 一昨日当委員会におきまして御指摘のございました問題のうち、都市復興事業の完遂の問題、ことに戦災都市の復興事業の完遂の問題と、鉱工業地帯の整備事業の二点につきましてお答えを申し上げます。
 まず第一点の、戦災都市を中心といたしました都市復興事業の完遂の問題でございますが、これは現在のところ、御視察になりました各都市以外にも、全国の戦災都市におきまして、それぞれ戦災復旧事業の完遂、さらにそれに関連いたします今後の対策の促進、この問題をそれぞれ要望として持つておるわけであります。これにつきまして、建設省として昨年来調査をいたしました結果が、約五百八十億程度の要望額になつて出て参つております。これに対する対策でございますが、この根本原因は、やはりすでに皆様方におかれまして御承知かとも思いますか、当初戦災復興事業の五箇年計画を立てました際におきまして、一面にはこの復興事業を行いますいわゆる対象面積を一億坪から八千五百万坪に減らされたということが、その一つの原因でございます。それから第二点といたしましては、当時の財政事情、それから資材状況等を勘案いたしまして、その際に要望せられておりました三百数十億の事業予定量を、主として今の財政事情、資材事情等を勘案いたしまして、二百一億に削減をせられたということが原因になつておるわけでございまして、必然的にさような各都市とも、復興事業の予算的な不足がいわゆる事業量を繰延べるという形になつて参つておるわけでありまして、その繰延べられた事業を何とか復興事業の終息という面において片づけて参りたい。さらに、ただいま申し上げましたいわゆる事業施行面積を減らされたという関係におきまして、取残された地区との関係におきまして問題になつております、すなわち一面には、区画整理等を施行いたしまして、街路の拡幅をいたす。全国の街路は拡幅されてはおるが、その中間をつなぐ一部において、区画整理の未施行地区が残されておる、あるいはそのつなぎをいたします橋梁等が従前のまま残されておるというような関係が出て参つておるわけでありまして、それを含めまして、先ほど申し上げました地方の要望となつて参つておるわけであります。
 これに対しましては、昨年来調査をいたしますと同時に、これの処理方策をいろいろ検討して参つておるわけでありまして、まず第一点といたしまして、建設省といたしまして考えておりますことは、御可決を願いました本年度の予算におきまして、この問題の処理のために復興対策協議会を設くべしということになつておりますので、この対策協議会を至急発足いたしまして、ただいま申し上げました要望に対する処理方策を立て、答申をまつということがまず第一の対策というふうに考えておるわけであります。それにいたしましても、この協議会として、いかなる処理方策をつけるかということにつきましては、建設省自体が案を用意する必要があるわけでありまして、そういう関係におきまして、建設省が考えております要点を、一応お手元にお配りしました資料に基く方向において考えておるということでございます。すなわちその第一点は、先ほども申し上げました繰延べ事業のうちの、その都市の産業、交通に重点的に関係があり、緊急施策を要するものを、ある程度限定してこれを取上げて参る。それから戦災復興地区と密接な関係を持つており、しかもその都市内の重要産業の発展に寄与する土地区画整理事業ないしは公共施設の整備を同時に考えて行く。それからなお、最近におきまして、国鉄その他の駅前広場計画、かようなものが新しい計画として出て参つておりますので、それらに対応いたしまして、至急整備いたすべき事業、これらをそれぞれ取上げて参りたいというふうな試案を一応用意しておるわけであります。かような方針に基きまして、現在事業量といたしまして、五大都市分を除きまして、約百五十億程度のものが事業量として想定せられておるわけであります。これを先ほど申し上げました対策協議会の答申案をまちまして、閣議決定を求め、その決定をまちまして、政府の方針として財政的裏づけをいたして行く、かような考え方で進めまして、それぞれの都市の要望にこたえたい、かような考えで進んでおるわけでございます。御視察になりました姫路の場合、あるいは尼崎の場合におきましても、大体尼崎市におきましては、本年度をもつて当初の五箇年計画の事業量を消化するという段階になつております。それから姫路におきましては、二十九年度をもつて当初の五箇年計画の事業量を消化するという関係になつて参りますが、先ほど申し上げました繰延べられた事業、あるいは未施行でどうしてもやらなければならない戦災復興事業との関係においてやらなければならない事業量というものは、当然今申し上げましたような方向において今後の新しい事業計画に載せません以上は、これの消化はおぼつかないという形になつて参ります。さような関係におきまして、ただいま申し上げましたような対策を至急立てまして、政府の対策を明確にして参るということで参りたいと、かように考えておるわけでございます。
 次に、鉱工業地帯の整備事業の問題でございますが、先国会におきまして、御承知のように鉱工業地帯の整備事業促進法案というものを一応政府案として用意したわけでございます。これによりまして、日本の経済自立、ことに臨海工業地帯における整備をはかりまして、日本の経済自立の一環に寄与しようということが、この整備事業の根本的なねらいであるのでありますが、当時の状況からいたしまして、一時保留という結果に相なりました。そこで、その際に論議せられましたことは、この法案に盛られておりまする事業内容は、主として三つわかれておるのでありまして、一つは、工場用地の造成をはかりますための埋立て事業、それから第二は、その造成されました土地の区画整理ないしはこれに対します産業輸送道路ないしは臨海鉄道の敷設、それから第三点は、工業用水の確保、こういう三つの事業が主として考えられるわけですが、その中で最も重要視されましたものの一つが鉱工業用水の対策でございまして、これをまず第一歩として解決して参らなければいかんということが、政府並びに国会の間におきまして認められまして、工業用水の事業化に要する資金、これを主として、起債財源をもつて解決するという根本方策が立てられ、その資金量として、約十億の起債を確保するという運びに一応なつて参つたわけであります。それで、現在事務的に進めておりますことは、これによりまして、いわゆる工業用水の建設に要する起債を十億確保するということを現在進めております。ごらんになりました姫路は、私どもいわゆる西阪地区と考えておりますが、あるいは尼崎地区、これらに対する工業用水の不足を解決することに、先ほど申しました十億の起債財源のうちからそれに所要量を手当をいたしまして、おおむね三箇年間でもつてこれを解決するというふうに考えております。十億の起債財源は、これまた自治庁あるいは大蔵省との話合のの線に沿いまして、主として地元の公募債でもつて消化すべきだということに建前はなつております。大体地元関係といたしましては、公募債の目当てもお考えになつておるようでありますので、この公募債のわくの消化能力は十分考えられると考えておる次第であります。十億のうちの七億程度は、現在事務的にも片づいておりますが、なお差額三億程度の問題を事務的に解決すべく現在努力中であります。
 以上であります。
#30
○久野委員長 何か御質疑はありませんか。なければ、本日はこの程度にて散会いたします。
    午後零時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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