くにさくロゴ
1947/06/09 第2回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第002回国会 運輸及び交通委員会 第12号
姉妹サイト
 
1947/06/09 第2回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第002回国会 運輸及び交通委員会 第12号

#1
第002回国会 運輸及び交通委員会 第12号
昭和二十三年六月九日(水曜日)
    午前十時三十四分開議
 出席委員
   委員長 川野 芳滿君
   理事 前田  郁君 理事 高瀬  傳君
      大澤嘉平治君   岡村利右衞門君
      尾崎 末吉君    中野 武雄君
      増田甲子七君    松本 一郎君
      井谷 正吉君    川島 金次君
      佐々木更三君    重井 鹿治君
      館  俊三君    志賀健次郎君
      原   彪君    矢野 政男君
      飯田 義茂君    堀江 實藏君
 出席國務大臣
        運 輸 大 臣 岡田 勢一君
 出席政府委員
        運輸政務次官  木下  榮君
        運輸事務官   加賀山之雄君
 委員外の出席者
        專門調査員   岩村  勝君
        專門調査員   堤  正威君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 國有鉄道運賃法案(内閣提出)(第七七号)
    ―――――――――――――
#2
○川野委員長 会議を開きます。
 これより前会に引続き、國有鉄道運賃法案を議題として質疑に入ります。質疑は通告順によつてこれを許します。重井鹿治君。
#3
○重井委員 過日も質問申し上げまして、引続き質問申し上げるはずであつたのでありますが、いろいろな都合できようになつたのであります。なお当局におかれましては、過日要求申し上げましたいろいろな資料をまだいただいておりませんので、なるたけ早い機会に手もとにお届れ願いたいと思います。
 過日は予算のうちの收入の面をお伺いしたのでございますが、本日は支出の面についてお伺いしたいと思います。これもまだ詳細な予算書が提出になつておりませんので、その内容を檢討することができませんが、現在の経営機構をもつて簡素能率的にする途はないのかということを聽きたいのであります。今日は戰後の特殊事情に基くところのいろいろな支出があると思います。それは進駐軍関係とか、あるいは渉外関係というものがありますが、こうした戰後の特殊事情に基くものは除きまして、現在の機構を中央、地方を通じまして、戰前に還元することはできないか、こういうことをお尋ねしたいのであります。また最近機構が改正されるということを聞いております。たとえば逓信省設置法案とか、その他各省の設置法案が出ておりますが、運輸省設置法案も提出されるということを聞いております。その案によりますと、またかえつて機構が拡張になつて、簡素能率的な運営に逆行するというようなことになりはしないかということを心配するのであります。運輸省設置法案を現在準備しつつあるとしますれば、その内容をこの際一應承りたいと思うのであります。まずこれだけお聽きしたいと思います。
#4
○加賀山政府委員 お答えいたします。損益勘定の予算につきまして、まだ細目を差上げておりませんが、これは大藏省との交渉もほぼ妥結いたしまして、提出する運びになつておりますので、あらためて差上げることにいたしたいと思います。今度の官廳設置法に基きまして、かえつて簡素能率化に反するようなことが行われてはいけない。機構をもつと戰前に還元するような氣持はないかというお尋ねと存ずるのでありますが、今回の設置法案におきましては、大体におきまして現状をそのまま法律化したということに相なつております。ただその中に行政と運営との分離の精神を取入れまして、たとえばこれは設置を予定いたしておりますところの観光局等は、これを行政面、いわゆる運輸省の中に入れて鉄道総局から切り離すというかつこうをとつております。それから逆に陸運監理局に属しております國営自動車に関する部面を鉄道総局の中に取入れる。これは問題は運営でございますので、総局に取入れるという措置をとることにいたしておるわけでございます。それ以外の部局といたしましては、大体におきまして戰前の経理局、ただいま総務局と言つております。これを経理局といたし、またこれは名前だけの問題にもなるのでありますが、業務局と言つておりますのを運輸局と、仕事の実際に合わせた名前にする。これは結局戰前の姿にもどるというかつこうに相なるわけであります。地方的に見ましても、ただいま鉄道局長に所属しておりますところの陸運監督面を、道路運送法に基いて設置されておりますところの地方道路運送監理事務所に監理権を移し、地方鉄道、軌道、あるいは小運送等の監理もなさしめるという方向に進んでおるわけであります。從いまして残つた鉄道総局を中央組織といたしまして、地方の鉄道局は、本來のほとんで運営のみにタツチするというかつこうに相なるかと考えるのでございまして、これらの予算につきましては、これも申し上げたと存じますが、今回十四億程度の一般会計からの繰入れを受けまして、これらの行政監督面の人件費、物件費に充てるという措置を講じておる次第であります。從いまして重井さんの言われておりまする簡素能率化に関しましては――さらに第二段の問題と相なるわけでございますが、これに関しましては、実はただいま業務運営改善委員会という組織をもちましてこれは民間の経驗学識ある方、あるいは官吏、労働組合等もはいりまして、この委員会におきまして、業務の流れの調査ということを始めておるわけであります。この中でやつているのは、一つの仕事がある部局で取扱われる場合、これが現場の末端まで行くのに、どういう順序を経、どういう時日を経過して完成するのかという調査でございまして、これによりまして、結局それに要する日時を減らす、あるいはそれに要する人手を減らすということを考え出すのを主眼にいたしておる次第であります。この調査はすでに昨年から始めているのでございますが、部局が本省から現場にわたりまして非常に廣汎でございますし、またその仕事の内容が非常に復雜でございますので、一朝一夕にこの結論は出ないのでございますが、まずこの七月を目標にして一部の調査を終え、今年度一ぱいにはこの調査をあるところまで完成いたしまして、その完成いたしました段階に應じて、たとえ全部が完成いたしませんでも、ぜひこれをやるべきだということの結論を得ましたならば、その途中におきましても、実局していくつもりをいたしておるわけであります。一口に申しまして、私どもの考えといたしましては、現業の定員をさらによく査定をすることが一つの大きな問題だと思いますし、もう一つの問題は、いわゆる監理部門と申しますか、監督いたしております部門、本省でございますとか、あるいは地方鉄道局といつたところにおきます部局を、今申しました業務の流れの調査によりまして、極力少数精鋭の人員をもつてやつていきますようにいたしていきたい。かたがた政府といたしましても、行政整理の意向をもつて進んでおるのでございまして、單なる天引等の処置によらないで、実際に合うように、業務の能率が最も円滑に進行いたしますようにやつてまいりたい、かように考えておる次第でございます。ただこの中で一つけ御了解を得なればなりませんことは、戰後の特殊事情に基くものを除きというふうに言われたのでございますが、この戰後の特殊事情によつて増加いたしております部分がなかなかこれは軽視ではないのでありまして、たとえば本省等の仕事におきまして――これは本省のみに限らず、結局その仕事が現場まで参るわけでございますが、進駐軍関係から求められる調査、統計をつくります仕事、これは相当の人員を要するわけであります。これはもちろん関係方面の要求によつてつくるものでございますが、かたがた鉄道の経営にぜひとも必要な資料もあるというわけで、これに相当の人員を使つております。またこういう資料の完備によりまして、経営の合理化もその方針が立つて考えておるのであります。
 以上、御満足は得られないかもしれませんが、実情を率直に申し上げた次第であります。
#5
○重井委員 進駐軍関係の現業面である運轉、運送という方面は、一般から補給されておることを承つておりますが、ただいまの調査、資料という方面に相当人員が要る、こうした方面の予算の内容、これはどこが負担したおるか。
 それから私が運輸省設置法案というものについて心配しますのは、各省設置法案というものが出ておりますから、一應その内容を檢討いたしますと、構想としてはまことに結構なものでありますが、その運営方法のいかんによりますと、官僚独善の傾向に陷る危險性がある、こういうことを心配するものであります。
 それから先ごろ道路運送委員会ができましたが、それには三千人の人が新しく動員されておる。その三千人の人がこの道路運送委員会において働いておる。この人は新しく補充されたのでありますか、それともまた、いわゆる配置轉換によつてその人員に轉用されておるのか。この二つを伺いたいと思います。
#6
○加賀山政府委員 進駐軍関係の調査に要する要員予算でございますが、これは特に抜き出しておらないのでありまして、これは單に調査に限らず、つまり先ほど申しましたように、その調査のうちでもこちらに役立つものもたくさんあるわけでございますので、それが眞にどちらのためになるかということは、わけて考えるわけにいかない問題がたくさんございます。また現場におきましても工機部━━工場でございますが、こういうところでやつております仕事は、進駐軍関係の客車の修繕あるいは改造をいたしますとともに、やはり一般輸送の修繕、改造もやつておりますので、これは定員的に、あるいは予算的にはちつとわけるということは困難なのであります。もちろんどのくらいのパーセンテージがそれに充てられておるかというような推定は、必ずしも不可能ではないと存じますが、これは單に推定に止まるのでありまして、その分離は困難であるということを御了承願いたいと思うのであります。從いまして進駐軍関係の輸送に対しまする費用は、これは一括いたしまして、コスト計算に基きまして、結局現場の列車運轉に要しまする費用、あるいは輸送に直接必要となりますところの費用を計算いたしまして、このコストに基いて、終戰連絡費から繰入れを受けておるという実情であります。
 それから道路運送監理事務所に三千人の人員を要したということでございます。これは結局現実といたしましては、都内から配置轉換したわけでございますが、実際の人員はその分だけ昨年度におきまして新規増員をいたしているわけであります。これが官僚独善にわたりはしないかという御疑惑でありますが、この点につきましては、私から絶対そういうことはないと自信をもつて申は上げることができれば、たいへんいいのでございますけれども、ただ最近の事情からいたしまして、特にわが國の民主主義の興隆から見まして、われわれ役人がいつもガラス箱の中にはいつて仕事をしておりまする点等から考えまして、旧來の弊か漸次改められていつている。もし改められない弊害があるとすれば、絶対にそれを排して、わずかでも独善のにおいのあるものは避けなければならないというふうに信じておる次第であります。
#7
○重井委員 政府は運賃を値上げする場合に、賃金を値上げしなければならないから運賃を値上げしなければならない、こういうような印象を一般國民に與えるわけでありますが、今日運賃値上反対の先頭を切つておりますのは國鉄内部からでございまして、國鉄労組から一番運賃値上反対が出ておるのであります。こういうことはいろいろ技術上の関係もありましようが、はつきりと國民が、簡單にそうした感情を懐かないように、みなに知らしめなければならない。一般國民といたしましても、賃金を上げるから値上げしなければならないというように、受取る者が多いのであります。ところが実際の内容を調べますと、支出の中の人件費は三五%であつて、物件費が六五%ということになつております。こういうような実情を、國民にはつきりと知らせるということが必要じやないかと思うのであります。この点に対しまして、これまでの大臣たる人、当局の人も、賃金を上げなければならないから運賃の値上げをしなければならないということを、二言目には言われるのであります、その点は御考慮をお願いいたいたいと思うのであります。そういうような物件費が六五%である。これについて石炭その他の資材の積極的な節約の方法が考慮せられておるかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
#8
○加賀山政府委員 御指摘になりました点は、われわれもまつたく同様に考えておる次第でございます。本年の春に二・八箇月分に関連して運賃を上げるというような問題が出ましたときは、これは最もまずい取扱方であるということをわれわれも考えておりました次第であります。今回におきましては、結局物價体系の一環といたしまして、本予算を組むにつきまして物件費、人件費、それぞれその新しいベーすに基いて、それにできるだけ追いついていくように、むしろ運賃があとから追いついてまいりますように定めましたのが先般の実情でございますので、この点に関しましては先ほどこくあらましでございますが、赤字の原因と運賃の値上げの必要性に関しまして、一文を草しましてごらんをいただいておる次第であります。簡單にこの点がのみこんでいただけると非常によろしいのでありますが、まず國会にそれをお諮りしてごらんいただき、同時に新聞社等につきましても、運輸省詰めの新聞社の人にはもちろん話をいたしますとともに、手すきの人達にもお集りを願いまして、この点に関しまして十分に聽いていただいたという次第であります。これらの点に関しまするわれわれの宣傳が下手であり、そういう点がなつておらぬという御非難は、まさしくわれわれも、常にそういうことを非常にまずいと痛感いたしておる次第であります。今後は一層こういう点について簡單に國民の御理解、輿論の支持を得るように努めていきたいと存じております。
 実質的に節約の方法といたしまして、今回とられました措置といたしましては、まず石炭に主眼を置きまして、石炭は昨年の六%程度の節約をようやくに実現いたしました。今年度はさらに大きく列車の一部のスピード・ダウンをいたしまして、使用石炭量を減らす。これは一面サービスの低下になることが、おそれられるのでありますが、しかしながら接続時間をうまく合わせるとか、急行はスピード・ダウンをしないとか、そういつた方法をとりまして、極力サービスの低下になる点を防ぐと同時に、石炭の節約をはかる。本年度におきましても五%以上の石炭の節約をするという計画をいたしておる次第であります。今回の時刻改正によりまして、列車の設定キロにおきましては旅客列車といたしましては二万キロ足らず、貨物列車におきましは、不定期をも含めますと列車キロは増加いたすわけでございますが、これに関しましても石炭の増配は受けない、まつたく節減をいたしました石炭をもつてこれらの時刻改正を行うという計画を立て、手はずを進めておる次第でありまして、目下それに要する要員の関係につきまして、非常に難関があるというように考えておりますが、人員の面におきましても極力セーブをいたしまして賄つていきたい。その他の修繕費でございますとか、あるいは工事、あるいは物件費がございますところにおきましては、一般の物價の値上りが大体七〇%ないし八〇%と予定されておるわけでございますが、物件費全体にわたりまして、むしろ今回の予算面におきましては、フルの値上り率を見ていない、あるいは事柄によりましては、單に五〇%程度の値上りしか見込んでおらないというような方策をとりまして、その予算面から節約を強要するという行き方を立てておる次第であります。從いまして今回の値上げをフルに今回の予算に盛りこんでいないので、これが節約できませんと、それだけ修繕量が減る、あるいは工事規格が落ちるのでありまして、どうしてもわれわれが目標としてもつております修繕なり工事は、完成しなければならない関係上、何としてもそれを完成するとすれば、どうしてもそれにおいて節約をしなければならないというように、予算面を組んでおるということでございます。そういうふうにして節約をいたしていく所存でございます。
#9
○重井委員 次は人員関係についてお尋ねいたしたいのでありますが、ややもいたしますと世の中には、ある程度國鉄内部の行政整理を積極的にすれば、値上げをしなくてもよいのだというような説を唱える人があるのでありますが、私どもが調査し、また聞き及んでおるところによりますと、現在の人員は決して過剩なものではないというように承つておるのでございます。それはなぜかと申しますと、戰時中の無謀な扱い方によりまして、すべてのものが磨滅してしまつておる。たとえて申しますと、レールのごときも、ほとんど磨滅して使用に耐えないものが各所にできつつある。それを今後補充がきかない関係上、これからまたあと一年も二年も使用しなければならぬ。そういう関係で、戰前においては一人で軌條の整備なんかができておつたものが、現在では三人おらなければその修理、整備ができない。こういうような関係で、現在の人員は決して過剩でないというように承つておるのでございます。これは軌條だけではなくして、國鉄全体にわたつてこういうことが言えるのではないかと思うのでありますが、その関係につきまして実情を伺いたいと思います。
#10
○加賀山政府委員 先ほど申し上げましたように、本來から申しますと、実際に人が余つておるのか足りないのかという点に対しましては、実情をもとといたしまして、これに科学的調査を加え、現場において実際現在の能率なり、食糧事情なり、住宅の事情なり、そういつたものを加味し、それから先ほど重井さんが言われましたように、仕事の内容が変化している点も加えまして、実際にどれだけが必要かということを檢討すべきものだと考えるのでありまして、この点に関しましては、実は早急にさらに科学的調査方法を講ずる予定でございますが、ただ一應現場からそういうふうにして積み重ねました定員をとつてみますると、現在の六十万人そこそこでは、とうてい足りないという数字が現われるのでございます。從いましてこれには、さらに先ほど申しました科学的調査方法によつて、こまかくタイム・スタデイー等も行つてやつてまいりませんと、なかなかわれわれが期待するような数字は困難かと存じます。われわれがこの人員について総括的にというか、概観的に、これが多いか少いかをはかる方法といたしまして、ただいま採用いたしておりますのは、ワイモンド方式によつてこの定員を算定するという行き方でございます。お手もとに差上げました運賃改正の資料の第一ページに基準数量というものが上つているのでございますが、これらの数量によつて、戰前の基準と今日の数量とをそれぞれ比較する、いわゆる経営比較をするという立場に立つわけでありますが、われわれのやります仕事の量が、結局定員にある関連をもつていかなければならぬという問題になるわけであります。これらの基準数量に対する現在の数量の比率が出てまいるのでありますが、列車キロとごく一部のものを除きまして、すべて現在の数量は戰前――昭和九年、十年、十一年、この三年度の基準よりも多くなつております。その中で特に多くなつておりますのは、旅客の人キロ、輸送人員並びにその人キロでございますが、これは三倍以上に達しております。これは顯著な増加でございますが、その他の方面にいたしましても、全部一割五分ないし二割、あるいはこれが倍、十割に達しているのもあるわけでございます。これを今度は予算科目別と申しますか、あるいは保線とか修繕、車輛の修繕費でございますが、それから電氣とか、そういう費目にわけて、その費目に可変費、つまり仕事量が増すことによつて当然その率だけ殖えなければならぬ。いわゆる変る費用、それから不変費、不変費と申しましても絶対に変らないことはないのでございますが、数量に應じて殖えないという費用等にわけて、そうしてそれによつて数量の違いでもつて殖えなければならぬ数字、それから殖えないで済んだ数字、かようなものを合わせて計算いたしますと、戰前との経営比較において大体五十四万人程度が必要であるという数字を得ておるわけであります。これは今申し上げたような方式によつて計算したのでありますが、そのほかに、いわゆる進駐車関係の仕事をしておる者であるとか、あるいは保守度が非常に低下しておるために、保守の向上のために必要な者とか、あるいは労働基準法等の関係で特に殖えなければならぬ者であるとか、そういうものを加えますと、約八万という数字を得るのでありまして、これを合計いたしますと、ちようど本年度の予算定員になつておりますところの六十二万人程度の人員になるのであります。われわれはそういう見当からして、現在もつております六十二万七千人でございますか、この人員は必ずしも多くないという算定をしておる次第であります。ただこれの配置がアンバランスになつておりまして、地方的あるいは職種の面で一部においては過剩を生じ、一部においては欠員を生じておる。事実そういう状態が現われておるのでございまして、これがわれわれの経営上一番困難を感じておる点であります。從つて昨年度においては、一部の過剩をできるだけバランスしていくという見地から、新規採用を抑えて、配置の轉換をはかつたのでございますが、その結果として欠員をもつておる所にも、なかなか欠員の補充ができないという状態が出てまいりまして、一部業務の支障となり、いわゆる角をためて牛を殺すという点が現われるおそれが生じたのでありますけれども、この方針は現在においても採用しておりまして、過員を多くもつ箇所には補充しない、欠員のある面、特に補充を要する面は、それぞれ地域、あるいは職種によつてパーセンテージをつくりまして、今後の欠員を補充していくという、非常にこまかいやり方を加えてまいるという方針を立てておるのでありまして、その結果急速にはバランスはとれないのでありますが、この方針を続けていけば、必ずここ一年、二年後には人員のバランスがとれていくということを、われわれは期待をいたしておる次第であります。
#11
○重井委員 私は現在の國鉄は、現状から考えてその人員は決して多くないと申し上げたのであります。現場における人員数は多くないというように私は考えておるのでありまして、非現業の行政面におきましては、あるいは過剩ではないかと考えておるのであります。そこで戰前における現業と非現業、現在の現業と非現業、この比率がもしおわかりでしたら承りたいのであります。
#12
○加賀山政府委員 非現業に関しましては、私どもといたしましては、考え方によるところでございますが、極端に申しますれば実際汽車は現事さえしつかりしておれば動くのでありますから、この計画面、あるいはこれを総合的に監査し監督していく面は、ある程度減らし得るということは事実であると思うのであります。しかしこういう計画面に愼重を期し監督を十分にいたしていきますためには、相当の人員をもつべきである。非常に複雜多岐なまた廣汎な仕事をやつております関係上、鉄道局におきましても、本省におきましても、相当の人員が必要である。特に先ほど申しましたように、いろいろな調査統計類を整備していきますためには、この面から考えましても相当の人員が要るのだと思つておりますが、これは考え方でございまして、それを減らせば汽車が停まるかといえば、そういうことはあり得ない。從いまして先ほど申しましたように、極端に言えば少し人数でも私どもはやつていけないとは申し得ないと考えるのであります。この減らす方法も、いわゆる天引主義によるか、あるいはただいまお話申し上げました科学的調査を考える、いわゆる事務の流れの調査を完成いたしまして、これに合うように、それぞれの部局に最も合理的な人員を立ててまいりますかは、それは方針の問題だと考えるのでございまして、私どもといたしましては、一律の天引主義は適当ではないというように考えておる次第であります。
#13
○重井委員 先ほど申し上げましたように國鉄経理の内容が、人件費が三五%で物件費が六五%、そして人件費につきましては今いろいろ御意見を承つたのでありますが、物件費の場合が主予算の六五%、そのうち八〇%が石炭である。これは昨日來いろいろ論議されたのでございますが、私は石炭に関しまして、常識的な素朴な立場から伺つてみたいと思うのであります。それはこれまでの炭價は千四百二十四円であつた。そしてそのほかの特殊産業には六百円で渡つておつた。今度の改訂によれば炭價は三千二百円になる。その場合に特殊産業であるところの鋼鉄とか銑鉄、肥料その他の十七品目に対しましては一千円くらいで配給し、そして價格差補給金が出ることになつておりますが、國鉄は基礎産業であり、重要産業でございます。これに対しまして小賣價格であるところの三千二百円といたしますと、すでに一トンで二千二百円の開きがあるのであります、これはちよつと常識的な質問かもしれませんけれども、一年の使用量が六百十八万トンとしますと、その差額は百四十九億六千万円でございます。これだけ特殊産業よりは高く買うことになるのであります。そこで私どもは、独立採算制ということを運輸省の立場からあくまで固守して考えるときには、各種産業並に扱うことを主張するのが当然ではないか、こう申しますと、結局ほかの予算との関係があるからと申されるかもしれませんけれども、運輸省の独立採算制という立場から考えれば、重要産業であるところの運輸産業に対して、あくまで特殊産業としての石炭の配給をすべきであると考えるのであります。これに対しまして運輸当局としては、他の省に対しまして、積極的に適宜そういうような構想をもつて交渉せられたことがあるかどうか。現在これに対してどういう御意見をもつておるか。運輸大臣にお聽きしたいのであります。
#14
○岡田國務大臣 お答えいたします。石炭の特別割引をしてもらいますれば、そこに相当経費が節減できます。重井さんの言われますように、そういうことをわれわれも希望しておりまして、今回も大藏省の方に交渉いたしましたけれども、石炭の價格割引供給を受けますと、一方におきまして、配炭公團あるいは山元の方へ、割引されました額だけ價格差補給金で國の財政面から補填をしてやらなければならぬことになり、結局同じことになるので、石炭の價格割引はしないことになつたわけでございます。もつとも重井さん御承知でありましようが、昨年の鉄道運賃の改訂以前には、いくらかの割引をしてもらつておつたのでございますが、結局風船玉と同じようになるということで、そういうことにいたさなかつたわけでございます。
#15
○重井委員 價格差補給金のこともわかりますし、運輸関係が赤字を出しますと、自然一般國民も、租税の形において負担をしなければならぬということは、われわれよく存じておるのであります。運賃を値上げすることによりまして、賃金、物價にただちに影響するわけであります。從つてそれは産業に影響するわけであります。産業の発展を考えますときには、やはり全國民がその利用者でなくとも一部の負担をすべき責任があると私どもは考える。そういう意味におきまして、運輸省としては独立採算制による國鉄再建ということを強く考えて、五箇年計画も樹立されたのでありますから、それは決してセクシヨナリズムではなくて、大きな意味においてそういうことを主張なさるのが当然ではないかと思います。いわゆる運輸産業はただ運輸産業としてではなく、その及ぼす影響を考えるときに、國民的な立場から考えて、この價格差補給金の問題も考慮に入れて、石炭を重要産業並に配給をするのが当然ではないかと考えるものでありますが、もう一度御所見を伺いたいと思います。
#16
○岡田國務大臣 趣旨からいたしまして、私も重井さんの言われます運賃値上げを低い目にするために、一般の全國民からそれだけの御負担を願うということは、私もまつたく同害でございますが、今回は先ほど申し上げましたごとく決定をいたしましたので、今からの変更ということになりますと、時期的に考えましても困難なことでありますから、今回につきましてはただいまの案で御承認を願いたい、御了承願いたいと思います。しかし別の観点から、もし國会におかれまして何らかの改正等を加えられますことになりましたならば、私らとしてはやむを得ないことであると思います。
#17
○重井委員 運賃値上げの問題は、決してこれだけを独自にやることはできないのでありまして、運賃の値上げが決定いたしましても、租税のある一部でもつて崩れてまいります。あるいは賃金の問題で崩れてまいりますと、またこちらも崩れてくるということになるのでありますから、一般の予算とにらみ合わせて運賃も審議すべしというのが、本質的な建前だと考えておりますので、これ以上運輸大臣に御質問申し上げませんが、もしそういうことになりましたならば、そのときは積極的に現在おもちになつておる運輸大臣の立場、独立採算制、國鉄再建の立場から、強くこの石炭関係につきましては御主張願いたいと思うのでございます。
 なおその次には工事請負制度について伺いたいのであります。この資料を見ますと、一時は制限入札であつたのであるが、現在は競爭入札になつておるということであります。鉄道工業株式会社その他長い間鉄道と関係のある請負者があるので、いろいろな忌まわしいことを聞くのであります。特に管理部関係におきましていろいろ綱紀紊乱のうわさを聞くのでございます。この請負制度に対しまして、現在どういうような方針、現実にどういうような実情によつて入札並びに金銭の取引というものができておるか、これをお聽きしたいのであります。特に私がこれをお聽きしますことは、私は感慨無量のものがあるのであります。それは私が今日まで特に人格高潔であると信じまして、かつてこの議場におきまして高級官僚の人方にも、これほどりつぱな人格、識見、手腕をもつた人があるのかと御称讃を申し上げましたところの前の伊能長官が、何か不正事件があつて、それが暴露されておるという事実であります。伊能長官にしてこうした間違いをされるということを考えますときに、地方の管理部関係のいろいろ私ども耳にはいりますことを考えます場合に、この請負制度といろいろそこに関係のあることも想像するのであります。ぜひともこの請負制度に対しましては、嚴粛なる取扱いをしていただきたいと思うので、現在の状況につきまして責任ある御答弁をお願いしたいと思います。
#18
○岡田國務大臣 現在行われております工事請負の方式、あるいは入札の方法、契約手続等の実情につきましては、あとから事務当局からお答えをさせることにいたしますが、運輸省は御指摘のようにたいへん大きな仕事をやつておりますので、工事の請負、あるいはまた物品の納入等につきましても、相当に大きな数量、大なる金額が取扱われておるのでございまして、この間におきましてもし実際に不正などが行われておるというようなことでありましたならば、それは発見次第嚴重なる処分をいたし、適当なる制裁を加えるという考えでございまして、綱紀の粛正につきましては今後とも十分に努力をいたす考えでございます。なお御言及になりました伊能次官の問題でございますが、御質問のお言葉が、何だか伊能次官に不正事実がありはしないかというような印象を與えられるお言葉のように承つたのでありますが、伊能次官は嫌疑を受けましてただいま司直の手で取調べをせられておるわけでございまして、決して判決が下つたわけではございません、不日裁判所の判決によりまして事が明らかになることと存じます。ただいまのところでは不正あるいは犯罪などの事実があるかどうかということはまだ明らかでございません。
#19
○加賀山政府委員 御承知のように、戰爭中は軍の仕事が非常に多くなりまして、從來鉄道の工事を請負つてくれた人も、なかなかこちらの思う通りにならない。それで鉄道の施設が非常に心もとなくなりまして、各鉄道局にそれぞれ鉄道工業会社がつくりまして、これらを一手に動かしまして工事をやつて、ようやくやつてまいりましたという状況でございます。戰後におきましてはこれらの事情がなくなりましたので、こういつた統制を廃しまして、それぞれの今まで関係をもつてまいりましたような会社のうち、特に資力、信用、経驗十分なるものを選びまして、これらを一定数指名をいたしておりまして、その中から競爭入札をさせるという方法をとつている次第でございます。この請負の問題に関しましていは、先ほど大臣から申しましたように、そういつた統制をしていたときと異なりまして、自由競爭を建前にいたしております関係上、不正が行われる余地が非常に少くなつておるというふうに考えていただいとよろしいと思うのでございますが、なおこの請負の実際のやり方等につきましては、さらに專門の政府委員の方から申し上げることにいたしたいと思います。
#20
○重井委員 どうかその場逃れにならないように、要求しました資材、並びにあとからその関係の人から御答弁があるのなれば、なるべく早くお願いしたいと思います。なお私は運輸大臣に申し上げたいのでありますが、先ほど伊能前次官のことを申し上げたのでありますけれども、どうか運輸大臣は、本会議が申されたような形式的なお答えではなくして、ここに委員会でございますから、ある程度まじめな率直なお話を願いたいと思うのであります。現在伊能次官のことを追究しようとは思わないのでありますが、あまり重大事を簡單に申されましたので、一應お聽きしたいのであります。なるほど今前運輸次官は司直の手にとらわれております。しかしそれは判決が下されなければ、刑になるかならないかはつきりしないでありましようが、すでに辞表を提出されておる。この事件が鉄道に関係しておる事件である以上、運輸大臣がある程度わかつておらないはずはない。それをあたかも何も関係がないかのごとく、ただ單に司法関係に一任されるというようなことは、運輸大臣として私はあまりに無責任であると思う。これ以上追究しようとは思いませんけれども、少くとも委員会におきましては、もつと親切な態度でもつて臨んでもらいたいと私は思うのであります。
 それから最後にお尋ねしたいのでありますが、これは現在運賃値上げに対しまして、素朴な國民大衆の要求といたしまして、運賃値上反対の運動が澎湃としてまき起つておるのであります。この運賃値上げの経済界に及ぼすところの影響並びに國民の心理的な作用等を考えますときに、今日相当政府は覚悟をしなければならないと思うのであります。すでにこの委員会が始まりまして五日目でございます。また院外におきましては大衆の運動が起つております、また國会の全体の空氣といたしましても、当局においてはこの法案がどういう方向に行くかということは、相当見透しをつけなければならない時期が來ておると思うのであります。そういう意味におきまして、運輸大臣におかれましては、相当の決意をもつて今後善処されるようお願いしたいと思うのであります。あくまで今日の状況下におきまして、運輸大臣は依然値上案を推し進めるお覚悟をおもち合せになるかどうかお聽きしたいと思います。
#21
○岡田國務大臣 伊能君が疑惑を受けまして逮捕され、さらに起訴せられましたことによりまして、國民の各位にある不安を與えましたことは事実でありまして、その点につきましては、私らとしてもまことに遺憾に存じております。私の聞き及んでおります範囲におきましては、十数年來上松という人とは親善関係があり、親友関係になつておりまして、前々から、若干ではありますが、数回にわたつて金銭の貸借があつたということは聞いております。ただ不正事実が行われたか否やという点につきましては、今のところはつきりいたしておりません。伊能君も先般保釈になつたそうでございまして、近く判決が行われるように聞いております。
 それから運賃問題につきまして、重井さんの言われますように、これが相当國民に心理的の影響を與えており、いろいろとこれに対しまして批判が行われており、また反対も行われておりますことは、よく承知いたしております。もはや見透しがわかるのではないかというお言葉でございますが、しかし私らといたしましては、これがやむを得ない適当なところであると考えまして、御審議をお願いすべく提案をしておりますので、私の方からどうこうというような考え方は、この際申し上げられない立場にございます。これをどうお取扱いになりますかは、國会の皆さんの御決議によつてきまることとなろうと存じます。その前におきましては、私らは國家機構の最高の責任をもつておられる立法府の御決定に從うよりほかはない、こういうふうに考えております。
#22
○重井委員 なお質問申し上げたいことはいろいろあるのでございますが、款項目にわたります予算が提出になりまして、大藏大臣並びに経済安定本部長官の御出席を願いまして御質問をいたしたいと存じます。私の質問は本日はこれで打切りといたします。
#23
○川野委員長 尾崎君に御相談申し上げます。十一時四十分から大臣は参議院の本会議に行かなければならぬことになつておりますが、ほかの委員の方で御質問のある方はどうぞ。
#24
○館委員 大臣のいらつしやる間にほんの一言だけ。これはちよつとはずれた話ですけれども、今度の鉄道運賃の値上げには、國営自動車の運送料金というものが含まれておるのか、おらないのか、これをお聽きいたしたいと思います。
#25
○岡田國務大臣 館さんの御指摘の國営自動車運賃は、この運賃値上法案の中に包含いたしておりません。これは國会の御承認を得る範囲になつておりませんので、民営の自動車運賃などとともに整理をいたしたいと思つております。
#26
○館委員 これは法案を見ると、そういうふうになつているようにも了解できるのですが、少くとも運輸交通委員会というものがある以上は、國営自動車の料金というものを上げる場合には、一應はここに話があつてしかるべきではないかと思つております。すでにもう六月の一日からその運賃を値上げしているという情報がはいつているのであります。しかし運輸交通委員としては、財政法第三條にひつかからない範囲として上げられたかは知りませんけれども、これを知らないでおるということは許せないことであるという氣分でおりましたが、國鉄の大会に行つている時分に、すでに静岡の國鉄支部から、静岡附近の國営バスの運賃を六月一日から値上げをしておる、これに対してどういうことであるか調査してくれという電報が本部に來ております。この國鉄の運賃値上げは、世間一般に非常な刺戟を與え、國民経済にどういう影響を及ぼすかというわけで、大衆は大体においてこの値上げに絶対反対を表明しておるのでありますが、そういう際に、運輸交通委員会自身が審議すべき筋合いのものではないと言いながら、知らないでおる、政府もこれを私たちに知らせないで、了解も得ないですぐ上げてしまつたということについては、非常に不親切極まると思つております。しかし私はこれを信じておらなかつた。しかるに私は北海道の新聞をとつておりますので、今日それを見ましたところが、これもまたおかしなことを書いておる。六月一日から國営バス、トラツクの運賃を値上げをしたのであるが、本省の指令によつてこれをまた延期したという記事が出ているのです。本省はそういう態度を地方に対して示しておるか。これもお聽きしたい。
#27
○岡田國務大臣 國営自動車の運賃値上げの件につきましては、若干の行き違いがございまして、はなはだ不手ぎわなことになつておりまして、まことに遺憾でございます。この國営バスの運賃値上げは、前に暫定値上げが行われました私鉄と民営バスなどに関係いたしまして、上げようといたしたわけでございます。もちろん館君の言われますように、われわれは運輸交通委員会に御説明申し上げて。御了承を得るということはやらなければならぬことだと考えておりますから、今後はそのようにいたしたいと存じますが、その前に私鉄並びに私電、民営バス等の暫定値上げを実施いたします場合に、ちようど國会が休会中でございましたので、その御了承の説明ができなかつたわけでございますから、その点につきましては御了承をお願いしたいと存じます。先ごろの私鉄、民営バスなどの値上げに関連しまして、國営自動車の値上げも内定いたしておりました。國営自動車の方は運賃の計算、操作、切符等の都合によりまして、私鉄、民営バスなどよりも期間が遅れてまいりましたが、六月一日から実施するということにつきまして、関係方面との交渉が大体できておつたので、指令を下しておりましたところ、それに若干の間違いが生じてまいりまして、またさらに御指摘のごとくに取消したわけでございます。この点につきましては先般当委員会の打合会におきまして、小幡陸運監理局長から御説明を申し上げて御了承を得た次第でございます。運輸省としては非常に不手ぎわなやり方をいたしまして、まことに遺憾でございます。
#28
○館委員 私はそういう了解の席上に連なつておらなかつたのですが、今の言葉を借りますと、不手ぎわな次第でございまして、これは申訳ありませんということでありますけれども、これほど運賃が國民に大きく刺激を與えておる際には、國営バスの運賃をなぜ一日から上げなければならなかつたかということ。もう一つは、それでは運賃の値上げを延期したのであるから、あの期間における運賃の増收は、ごく些細なものでありますけれども、こういうことで、はつきりと一日から運賃を増徴された地方民にとつては、鉄道に対する一つの憤懣と言いますか、殊に運賃値上げで激化しておる民心に與えたる影響は非常に大きい。それから小さいことでありますけれども、その間の收入をどういうふうに処理なさるか。もう一つは概念的に考えて、國鉄の運賃値上げというものは、國鉄経営のすべての面の運賃値上げを規定するものであると民衆は考えておる。これをはずした理由もちよつと聽きたい。
#29
○岡田國務大臣 國営バスの値上げは、前に行われました私鉄、民営バスの値上げに歩調をそろえますために行おうとしたのでございますが、民営のバス、あるいは私鉄だけが上げまして、國営バスが上げないということになりますと、その旅客が國営バスの方へ集まつて、轉移せられますような傾向も出てまいります。あるいは平行線の場合におきましてはそういう関係から民営バスを圧迫するようなことが起りますので、これはやはり暫定措置として中間値上げといたしまして、なるべく歩調を合わして引上げを行うのがいいという考え方から実施いたしましたわけであります。
 なおある一部については一日から実施いたしたところがありますので、その点は申出がありまして、値上げをいたしました分の金額は返還をいたすことにいたしております。なおまたこの國営バスの暫定値上げは國民の憤懣を買うというお話でございましたが、しかしこれはすでに先月の十八日から私鉄並びに民営バスが実施しておりますので、それから考えましたならば、國民は了解してくださるものと考えておるわけであります。
 それからこの運賃の暫定値上げではいりました收入というものは、やはり鉄道特別会計の中において処理せられる問題でございまして、もちろん予算面には織りこまれていないのでございますが、予算はあくまでも予算でございまして、決算面において現われてまいりまして、皆樣方に御報告申し上げるということに相なると思います。
#30
○井谷委員 今館君の御質問を大臣の御答弁とを、私横から聽いてみてぴつたり來ない点がある。これはこの前ずいぶん御欠席があつて、皆樣方が御承知にならないので、御疑問の点があると思うから、この次の機会に岡田さんからもう一遍同じ内容をお話になつた方がいいと思います。
#31
○川野委員長 今井谷君から、もう一回この問題については政府当局の御説明を聽いたらというお話がありましたので、その通りにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#32
○川野委員長 そういうことに決定いたします。
#33
○館委員 こういうことが非常に不手ぎわでございまして、これは運輸省内における事務のやり方が非常にルーズであるとか、頽廃しておるとか、官廳機構が非常に厖大であるとか、あるいはセクシヨナリズムであるとかいつたようなことに起因しておるのではないかと思うのですが、これは十分愼んでもらいたいと思つております。
 それと同時に言つておきたいことは、ちようどこれに関連した質問が重井君から出ましたので申しますが、どうも國鉄の空氣が頽廃しておるということを取上げた場合に、下僚にのみ責任を負わしておるような形で、いわゆる労組のスト問題についてもとかくそういうようなことで非難されておる。
 それから別の問題ですが、下級從業員の不正行為が続々新聞に暴露されるたびに、当局はいろいろ訓示めいたものを発表しておるのですけれども、苫米地さんの米の問題、あるいは今度の伊能長官の事件などが起きた時分に、政府は六十万從事員に対してどういう形式の発表の仕方をされておるか。上がこうであれば、下もまたやむを得ないというような印象を一般下僚に與えてはいけないのでありまして、その点についてどういう処置をとられたか、一言聽いておきたい。
#34
○岡田國務大臣 綱記の粛正につきましては、運輸省といたしましては、今後は嚴格に法の命ずるところに從いまして、粛正をはかりたいと存じております。伊能君の逮捕が起りました際には、これが取扱いを機会に、職員全般に対しまして十分に注意すべきこと、なおこれは判決を待たなければ、事の眞相がわからないのであるから、一切動搖をしないこと、並びになお一層綱記を嚴粛に保つように注意をすべきこと等について、達しをいたしております。
#35
○館委員 そういう達しがありましたら、あとでこちらへ出して見せていただきたい。それによつてまた承ります。
#36
○川野委員長 この際お諮りいたします。午前の会議はこの程度にいたしまして、一應休憩し、午後一時より再開いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#37
○川野委員長 では午後一時より再開することにいたしまして、暫時休憩いたします。
    午前十一時五十三分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時四十七分開議
#38
○高瀬委員長代理 休憩てに引続き会議を開きます。
 都合によりまして、本日はこれにて散会いたします。
    午後一時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト