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1953/08/07 第16回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第016回国会 運輸委員会 第35号
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1953/08/07 第16回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第016回国会 運輸委員会 第35号

#1
第016回国会 運輸委員会 第35号
昭和二十八年八月七日(金曜日)
    午前十時五十七分開議
 出席委員
   委員長 關内 正一君
   理事 岡田 五郎君 理事 關谷 勝利君
   理事 原   彪君  理事 楯兼次郎君
   理事 鈴木 仙八君
      岡本 忠雄君    木村 俊夫君
      高橋圓三郎君    徳安 實藏君
      南條 徳男君    山崎 岩男君
      有田 喜一君    岡部 得三君
      福田 繁芳君    山口丈太郎君
      熊本 虎三君    館  俊三君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 石井光次郎君
 出席政府委員
        運輸政務次官  西村 英一君
        運輸事務官
        (鉄道監督局
        長)      植田 純一君
        運輸事務官
        (鉄道監督局国
        有鉄道部長)  細田 吉藏君
 委員外の出席者
        日本国有鉄道副
        総裁      天坊 裕彦君
        日本国有鉄道理
        事
        (厚生局長)  田中健之助君
        日本国有鉄道理
        事
        (経理局長)  高井 軍一君
        日本国有鉄道理
        事
        (営業局長)  津田 弘孝君
        日本国有鉄道理
        事
        (施設局長)  江藤  智君
        日本国有鉄道理
        事
        (電気局長)  並木  裕君
        参  考  人
        (株式会社鉄道
        会館専務取締
        役)      立花 次郎君
        専  門  員 岩村  勝君
        専  門  員 堤  正威君
    ―――――――――――――
八月七日
 委員臼井莊一君辞任につき、その補欠として福
 田繁芳君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員山崎岩男君辞任につき、その補欠として渡
 邊良夫君が委員長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 株式会社鉄道会館等調査に関する件
    ―――――――――――――
#2
○關内委員長 これより会議を開きます。
 株式会社鉄道会館等に関し調査を進めます。鈴木仙八君。
#3
○鈴木(仙)委員 第十六回特別国会は本日をもつて終了いたすことになりました。当局から提出の資料の点と、さらに新しき事実と思われる点も数多くありますが、鉄道会館等に関する調査委員会は引続き継続審議いたすことになつておりますので、本国会終了前、本問題に対して一応今日までの経過における暫定的、中間的結論をつけておきたいと思います。
 さらにこの機会に申し述べておきたいことは、きわめて巧みに法網をくぐつての事柄であるが、本問題が世論の脚光を浴びてから加賀山君等の欺瞞または卑劣なる言辞をもつて他を謎い、自分たちの非行を隠さんとする態度は、まつたく良心を持たず、何ら反省の色もないことを残念と思います。本問題に対し關内委員長初め同僚各委員の好意によりまして、私のため三十数時間の貴重なる質問時間を与えられましたが、いまだその半ばも過ぎませんので、なお明日からでも本国会終了後、継続会において十分に検討いたしたいと思います。本国会中の委員会で私に最後に与えられました時間内において、私の所信を申し述べて一応の要求といたします。何とぞ各委員の御賛意を得たいと思います。
 東京駅八重洲口の鉄道会館工事に端を発した国鉄の経営乱脈事件は、たたけばたたくほどほこりがでるというありさまで、国民大衆の言語に絶した世界一の通学通勤区を何ら心配することなく、国鉄官僚自身の金もうけに専念したありさまは、これこそ国家を食いものにする官僚主義のきわみでありまして、近くは中国大陸における蒋介石政権の末路をほうふつせしめるものがあります。しかし幸いにして国会は輸送力増強が刻下の急務であることに目がさめて、金もうけの建物のために、巨額の国鉄資金を国民に無断でつぎ込んでいたふらちな国鉄官僚をようやく発見することができました。これにおいて輸送力の不足によつて、わが国が衰亡の一途をたどつていたのを、辛くも救うことができたのは、不幸中の幸いといわねばなりません。私はいたずらに役員をいじめて愉快とするものではありません。国鉄の職員は輸送力の増強が本分であります。旅客や貨物を完全に、正確に、迅速に輸送して、国家興隆の大業に身を挺するのがその職分であります。この本分を尽して奮闘労力する限り、私は国鉄職員に感謝の念を抱き、その待遇の足らざることを愛うるにやぶさかではありません。しひし遺憾ながらわが国の国鉄は、かんじんの輸送力において実に貧弱であります。国有化以来五十年立つた今日、来客は常に超満員で、このためかつけ、結核、蛔虫のような世界の文明国に見られない民族的な病気を持つに至り、日本人は国鉄、私鉄のぎゆうゆう詰めによつて、毎日毎晩半死半生の生さ地獄を体験しているのであります。これが日本中の官庁、会社、学校、工物などの事務能率、生産能率を減退せしむることは非常なもので、実は第二休大戦においてわが国が軍隊の奮闘、国民の努力があつたにもかかわらず、むざむざと一敗地にまみれ、今日の惨禍を味わつたのも、もとはといえば、乗客も満足に運べず、貨物を完全に輸送することができなかつた国鉄の輸送力の貧弱によるものであります。現在よで国鉄当局が輸送力の貧弱を説明しれ人口が多過ぎるとか、国が貧乏だからとか、実に傲慢不遜な言辞を弄していたのでありますが、今度国鉄官僚のその傲慢な説明は、まつ赤なうそでのつたことが、鉄道会館事件によつて、国民の前にすつかりさらけ出されたのであります。要するに国鉄官僚は、自分自身の金もうけに無我夢中になり、輸送力の増強などまるで別世界の問題にして来たのであります。わが国の鉄道輸送力が、米国やソ連、英国、フランスのごとき、第二次大戦に勝つた国々に遠く及ばないことは、敗戦の捕手の残つておる今日大目に見るにししも、西ドイツの鉄道の足元にも及ばないことは実に驚いた事実であります。わが国の国鉄が機関車を五千台持つのに比べ、西ドイツは一万五千台持つております。わが国が客車を一万一千台持つておるのに比べ、西ドイツは二万六千台持つております。貨車に至つては、わが国が平均十四トン貨車を十万九千台持つておるのに比べ、西ドイツは平均十九・六トン貨車を二十七万台持つておる。どれもこれも三倍から四倍であります。わが国の国鉄官僚仏駅ばかりつくつて、全国にある目ぼしい駅にむだな金をとめどもなくつぎ込んで金もうけをしておる八年間に、彼らドイツ人は輸送力増強一本やり、駅はぼろぼろでも機関車はびかぴかで、ヨーロッパ各国中第一を占める輸送力を発揮し、それに伴つてドイツの正業も文化も防衛力も急速に向上しておるのであります。われわれは戦後八年間国鉄を詳しく研究する熱意に欠けた傾向がある。国鉄官僚へまかせきりにしておいたため、世界一の放蕩むすこともいうべき国鉄官僚は、したいほうだいの金もうけに専念して、あるいは国有地を無代で関係者に貸したり、あるいは最新式の機関車をスクラップとして二束三文に売り飛ばしたり、まつたく私利私慾に奔走したのであります。われわれこのまかせきりしておいたことは、広く国民大衆におわびをしなければならないのであります。ここに本委員会はその権威によつて、本問題に対する第一回の結論を出して、今後の輸送力増強に国策の根本を置かなければならぬと信じます。
 そういう結論を出すべきか、それを以下に申し述べたいと思います。決算委員会や行政監察委員会にはそれぞれの立脚する立場があります。同様に運輸委員会には輸送力増強という大きな立場、つまり、大義名分があります。輸送力増強に役に立たない人間や仕事や設備は、運輸委員会がどんどんこれを排除して、国力の増進を旨とせなければなりません、この見地に立つて、本委員会の結論としては、次の七項目を決定し、さらに二つの決議案を決定して、本会議でこれを万場一致をもつて決定し、それぞれ運輸省に管理、実行せしめたいと存ずるのであります。
 第一は、東京駅八重洲口の整頓であります。鉄道会館について次から次へと判明する事実は、まつたく満天下を衝動させております。国鉄の役員は何をやつておるのかという声が国中に上つておる。原則として八重洲口は列車、電車を運転するための施設だけにとどめ、遊休工事は全部打切りとし、入居した民間業者は全部退去させて、きれいさつぱりとすべきものであります。もちろん鉄道会館は、国鉄官僚の見果てぬ夢として一切合財御破算とし、この種のもくろみは、わが国の輸送力がドイツや英国並になり、旅行でも通学でも通勤でも、三等の客車、電車へだれでもすわれるようになつてから、主体を鉄道側に置かずに、むしろ都市計画の側に置いて考えることにしたいのであります。それも客車三万台、電車二万台も持つてからの先の話であります。もちろん呉服橋、鍛冶橋間の観光会館、技術者連盟ビル、バス・ターミナル、日石カルテイツクス会館など、疑惑を生じておる雑多な建築物は、一切御破算とし、しいて開業しないなら東京都と相談し、都市計画の総合性に立つて練り直すべきであります、
 第二は、外部投資の引上げであります。国鉄がほかの産業へ投資して会社の大株主となる途方もない改正案は、本委員会においてその条文を削除して決定し、これが衆議院を通過し、さらに二十九日に参議院本会議においても可決、成立しております。従つて国鉄は関連産業に投資するどころの沙汰ではなく、今後まつしぐらに輸送力増強の一本で邁進すべき方向をはつきりと与えられたのであります。この建前から国鉄の外部投資はすみやかに全額を引上げて、外部との関係を清算し、現在の紊乱状態を速急に解消すべきであります。運輸大臣は厳格にこれを監督をし、いやしくも国鉄の外部投資の引上げについて、国鉄官僚と対立するのを恐れて、手心を加えるなどの事態を起してはならないのであります。綱紀粛正は現内閣の表看板であり、国鉄の経営紊乱については、田中決算委員長に対して緒方副総理は、徹底的にやつてくれと要望しております。運輸大臣も、国家百年の大計のために、輸送力増強の大義名分に立つて、国鉄の腐敗状態を徹底的に清算せしむべきであります。ここに第二項として、国鉄外郭投資はすべて違法であることを雇認し、その全面的な引上げを本委員会で決定したいと存じます。
 第三項は、国鉄上層部の引責と自決であります。常軌を逸した官僚の金もうけは、わが国を滅亡させて、自分たちのふところが肥えればよいという我利我利の拝金根性をまる出しにした醜態でありまして、往年の日本海軍の軍艦の購入にかかわるシーメンス事件は一世を風塵したものでありました。しかし世界を驚かしたシーメンス事件でも、海軍の本職である軍艦を外国から買うことに端を発しておりまして、軍艦をそつちのけにして何かむだな陸上工事をたくさん発注して、関係者が悪事を働いていたわけではありません。シーメンス事件に比べますと今回の国鉄の乱脈は、輸送力増強のためにやつたとは一日半句も言うことができません。全然むだな、自分たちの仲間で金もうけをするたくらみでありまして、一方には世界に誇る最新式機関車を売り飛ばして、輸送力を二割も三割も減退せしめておるのであります。シーメンス事件の中心物件であつた軍艦や兵器は、それぞれ海軍の兵力量に加わつて寄与しましたが、鉄道会館や観光会館が幾ら建つても、輸送力の増強にはならないのであります。長崎総裁のごときは国鉄の最高責任者でありながら、公職追放中からその行動に幾多の疑点を持たれている怪人物であります。すなわち、現在問題となつているハス・ターミナルのごときも、すでに追放期間中に長崎総裁は運輸省にも出入してこれを出願申請をし、あるいは大森商店、秋葉原に本店があるという楽品会社の顧問となつて、同商店の取扱う楽品を多量に国鉄に売り込む便宜をはかつていたのでありまして、公職追放となつた者が元の勤務先の官庁に出入りすること自体、きわめて好ましくない行動であります。長崎総裁と気脈を通じ、内外呼応して今回の鉄道会館事件を引き起した元施設局長立花次郎君のごときは、在職中から輸送力増強には縁のない有害無益の存在でありました。彼立花君は、昭和十六年、十七年のころにドイツ帰りの新進官僚と自称して、品を開けばヨーロツパと日本をつなぐ欧亜連絡鉄道であるとか、世界の屋根を貫くコンロン山脈突破鉄道であるとか、あちらこちらで講演をしてまわつて、わが国の輸送国策を混乱せしめ、国鉄の輸送力を夜を日に次いで増強すべき時期であつたものを、朝鮮海峡トンネル工事を計画したりして、国鉄の経営能力をむだな方面に分散させ、遂にわが国を、輸送力貧弱のために息切れがして敗戦をするに至らしめた元兇であります。敗戦亡国の元兇であります。しかも戦後再建にわたつて、さきに述べたドイツのごとく、駅の屋根は雨漏りがしても、列車、電車を大増発すべきであるにもかかわりませす、民間業者と結託して、必要のない駅舎増築を無我夢中でやり出し、あげくの果てが鉄道会館で大もうけをしようと企てた、前代未聞の悪徳官吏であります。長崎総裁や立花専務のごとき、輸送力増強を顧みず、国家が滅亡しても自分たちの仲間が金もうけをすればよいという型の人物は、潔く国鉄を離れて町の中で商売をしたらよいのであります。また彼らと一身同体となり、輸送力の貧弱が国家を衰えさせ、遂には滅ぼすことを少しも考えず、ひたすら立花君や加賀山君のお役に立つことを努めていた国鉄本庁の副総裁、局長、支配人、課長級の多数もこの際引責をしていただき、潔く自決すべきであります。自決と言うと昔の侍は、きのう世耕先輩が言われた通り腹を切つたものですが、在職中に金もうけをしたり、選挙違反をしたりする国鉄上層部は、腹を切るのは痛くてやれないだろう。一日も早く国鉄を去つて、金もうけ本位の商売人となつて余生を安楽にしたらよいでしよう。国鉄は輸送力増強を命がけで努力するまじめな人間がおればよいのであります。およそ役人が金もうけをするようになると、その国家の滅亡するのは史上の通例であります。この点は国鉄を監督すべき運輸省当局、運輸大臣にもしつかりと申し入れておきたいことであります。昔の中国からわが国に伝わつた兵法の書物、孫子の兵法とか呉子の兵法とかいろいろ有名でありますが、その孫子、呉子に並んで尉繚子というのがあります、この尉繚子は、秦の始皇帝ー燕天下を統一して阿房宮を造営し、三千の美女をたくわえた大皇帝、秦の国は永世不滅と号したこの始皇帝の参謀長をした武人の書いた書物でありますが、その書物の戦域の第四にこう書いてある。すなわち、「王国は民を富まし、覇国は士を富まし、僅かに存するの国は大夫を富まし、亡国は倉府を富ます、所謂、上満ち下漏るれば患救う所なし。」しかも今から二千年以上前こう書いているのであります。つまり栄える国は国民生活が豊かになり、武力強く力のある国は軍隊の将兵を中心に武勲をよくする。ちようど帝制時代のドイツやナポレオン時代のフランスであり、わずかに序する国、やつと存立する国では大夫が富む。大夫とは上層部の役人であります。わが国の現在の状態も大夫が富んでわずかに存在している状態であります。さらに亡国は倉府を富ますというのでありまして、権力の地位についている者や最高級の官吏が自分たちだけの金庫や宝物蔵を一ぱいにしているようでは、その国は滅亡するというのであります。いわゆる「上満ち下漏る」、上層部は悪事を働いて金もうけを始め、下級者は食えなくてうろうろしている、こういうようではその国家の病気はとうていなおすことはできない、跡形もなく亡びろ以外はないと二千年前の尉繚子が喝破しているのであります。二千年前の原則は現在のわが国にも当てはまります。上層官吏が金もうけに狂奔するようでは、わが国はわずかに存する国か、はては亡国の道か、いずれにしても国民が楽になる王国ではありません。この見地に立つて国鉄幹部の引責と自決を本委員会で決定し、運輸大臣は伝家の宝刀を振つて、国鉄を大掃除すべきであることを決定いたしたいのであります。
 第四は、国鉄の物資売払いに際し、国鉄総裁の裁量にまかせないで、運輸大臣、大蔵大臣の合意によることにいたしたいのであります。最新式の機関車を三百台もスクラップにされて、運輸大臣、大蔵大臣がつんぼさじきにいたというのではまつたく困るのであります。貿易は通産大臣の所管ですが、化学肥料硫安の輸出には農林大臣の同意を得なければならないことになつております。これと同様で、国鉄の物件、土地の売払いは、国民生活に大きな影響を与えますから、運輸大臣が認可をするにしても、大蔵大臣が国有財産処理の意味で同意せねばならぬように決定したいのであります。法規上の改正、共同省令の内容などは今後に譲つても、その方向と原則だけは、本委員会で決定すべきであります。
 第五点は、国鉄部内の無賃乗車証の制限であります。国鉄職員が無賃乗車証、いわゆる職員パスでどこまで乗つても無料である特典は、長らく世上の問題になつております。常に新聞紙上にも今回の問題にかんがみて、全面的に取上げてしまえという意見さえ出ているのであります。私はこれを輸送力が回復するまでという時間的制限をつけて、職員パスを縮小した方がよいと考え、本委員会で決定すべしと論ずるものであります。すなわち国鉄の無賃パスは全員三等普通列車、電車ときめ、但し二等車や準急急行には自分で料金を払う定めとする。総裁も局長も三等に乗つて、輸送力がどのくらい貧弱であるか、輸送力の増強がどのくらい急務であるか、身をもつて体験をしなさい。私自身二等車へ乗つてみたのはほんのついこのごろであります。終戦直後、ついこの間までは、どこへ行くにも三等車に乗つて旅行していた。電車へ乗るにもいつも三等車に乗つております。三等車が込んで苦しいから、自分だけ二等車へ乗つて白ばくれるというのは、およそ交通国策を考える者の態度ではない。いわんや、国鉄職員の特権ではありません。範囲は当人一人とし、種類は一、当人の通勤パス、三等普通列車、二、当人の通院パス、これは鉄道病院へ通うためのパスでありますが、三等に限ります。三、勉励パスは一年間通算一箇月、つまり三十日以内と制限します。もちろん当人だけです。終戦の前後長期にわたり、勉励パスで国鉄従業員のやみ屋が横行したことは明らかな事実で、昭和二十一年秋には常磐線久ノ浜、四倉方面で、あきカンを背負つた三十人組の国鉄従業員が、海岸でたく塩を買出しに来てつかまり、調べてみたら大阪鉄道局管内の駅員であつた例さえ記憶しておるのであります。まさに経済秩序の撹乱であります。家族パスは一切廃止をします。現在のように料金を払つても座席がない時代に、職員の家族が無料で乗りまわすのは特権の行き過ぎであります。かつて旧官制の時代、国鉄の職員は判任官五級以上は当人が二等車に乗り、しかも急行料金も免除されておりました。さらに判任官三級以上は家族パスも二等になつておつたのですが、判任官五級といえば、当時月給八十五円である。三級といえば月給百五円であります。民間会社で八十五円か百五円の月給取りが家族そろつて二等車に乗り、急行列車で遊びに行くことがあつたかなかつたか。それはまつたく特権階級の水準であります。私はこれらの長年の弊風を改めて、無料パスは家族は廃し、当人だけ三等の普通列車に限ることを決定事項として提案します。客車三万台、電車二万台もつくつて、だれでも楽にすわれるようになつたら、また別途考えることもありましようが、現在の通勤、通学苦が続く限り、国鉄の上層部といえども三等へ乗つて歩きなさい。もちろん鉄道会館事件のような疑惑をさらに新しくしでかしたなら、無料パスの全面取上げも考うべきことを附帯条件としておきます。
 第六点は国鉄予算の組みかえであります。この委員会で総裁初め営業局長や施設局長は、国鉄の本分が輸送力の増強にあることははつきりと認めました。彼ら自身は輸送力増強にはまるつきり背中を向けて、ただ金もうけに奔走していたのでありますが、さすがに駅を大きくする一方、汽車も電車もぎゆうゆう詰めで走らせるのが一国鉄の本分だとも言い切れながつたのでしよう。輸送力増強の大方針がこれはつきりした以上、国鉄の予算はその大方針に従つて組みかえすべきであります。輸送関係をわくを広げ、駅改修費や美観増進費を思い切つて削限して再編成すべきであります。その検討は追つていたすことにし、予算組みかえを決定いたしたいと存じます。
 第七点は、監督諮問機関の更新であります。一般に国鉄が非常にだらしがなくなつております。先日も改札係がすわり込んでいるのを質問したら、津田説明員は立つてもすわつてもよいと、驚くべき答弁をしております。幹部がだらしがなくなり、金もうけに没頭しておるため、部下に対してきちんとした起立を要求命令ができなくなつていると私は考えます。改札係は世界中どこの鉄道でも起立本位である。英国、フランス、ドイツでは窓口の中の出札係も立つて切符を売るのである。津田説明員は、改札係は第一線従業員なりと答弁したが、そんなことはどこに法規上定めてありますか。鉄道事業で第一線というのは、この暑い盛りに、黙々として石炭をたいて走つている機関車乗務員である。一身の危険を忘れて国家のために奮闘しておる操車場の連結手や操車係である。改札係の仕事や出札係の仕事は雨や風に吹かれるわけではなし、夏は涼しく、冬は火鉢をかかえて暖かく、どこに苦労がありますか。どこに第一線の勤労がありますか。ほんとうの第一線にある機関車乗務員や操車場従業員に比べたら、改札係や出札係の仕事は日常茶飯のことであります。それに対して津田説明員のごときは、起立を要求することはできない。自分がだらしがないから、改札係にもはつきり起立して勤務せよと命令ができないのであります。改札係がすわり出したのは戦争後のこのごろであります。実にだらしがない。国鉄には多くの諮問機関や監督機構があるのに、この起立を忠告もせず、鉄道会館などでこれほどの大問題が出て来ても、一言半句もものが言えないのであります。ただひたすらに国鉄官僚のごきげんを5かがうことに専念して、ひつそり閑としております。その無能、無為、無気力もまたきわまれりというべきであります。それらの機関には、この際頭のぼやけた人物を置かないことにして、気骨稜々たる憂国具眼の士を配置することにいたしたいと存じます。
 以上の七項目を本委員会の結論として、運輸大臣に実行の責めを問うとともに、さらに二つの決議案を決定して本会議で提案したいと存じます。
 第一の決議案は、国鉄粛清改革決議案であります。国鉄の腐敗をきれいに粛清をし、切るべきものを切り、出すべきうみをしぼり出し、追うべきものをおつぱらつて、輸送力増強本位に改革すべしという決議案であります
    ―――――――――――――
 第一の決議案は、国鉄粛清改革決議案であります。国鉄の腐敗をきれいに粛清をし、切るべきものを切り、出すべきうみをしぼり出し、追うべきものをおつぱらつて、輸送力増強本位に改革すべしという決議案であります第二の決議案は輸送力増強決議案であります。生産力が幾ら上つても、輸送力が上らなくては国家は興隆しません。輸送力が貧弱で滅亡した国は、古来のフェニキア、ヘルシヤ、ローマ帝国、みなそうである。近くはオスマン・トルコもまた輸送力が不足して土崩瓦解したのであります。わが国も今にして輸送力を増強しなければ、近い将来に滅亡してしまうのであります。
 この国鉄粛清改革決議案、輸送力増強決議案の二つは、それぞれ起草委員をあげて作成し、本委員会で決定をし、本会議において満場一致をもつて可決決定するのが当然でありまして、前国会において農民の死活を制する硫安肥料の値下げ決議を、一名の反対者もなく本会議で決定したことを考えて、国民の死活を制する輸送力増強、その主力たる国鉄の改革を本会議で決定することは当然のことであります。
 以上、本委員会の結論として、一、東京駅八重洲口の不正、二、外部投資の引上げ、三、国鉄上層幹部の引責自決と追放、四、物件売払いには運輸、大蔵の同意、五、職員パス制限と家族パス廃止、六、国鉄予算の組みかえ、七、監督諮問機関の更新改廃の七項目をあげ、さらに国鉄粛正改革決議案、輸送力増強決議案の二決議案を決定することを提案をするものであります。
#4
○關内委員長 ただいまの鈴木君の発言中不穏当の言辞があつたように思われますので、速記録を取調べの上、委員長において適当に処理いたすことにいたします。熊本虎三君。
#5
○熊本委員 ただいま鈴木君から非常に有益な、しかも具体的な意見が述べられまして、全面的とは言えませんが、大体においてわれわれも同意見でございます。但しそれはあくまでも中間報告の過程であるということを前提といたしてであります。本委員会には私いろいろ他の委員会の関係で欠席がちでありましたので、理事会等のお定めについてよく了承いたしておらなかつたのでありますが、私が要求しておいた資料がただいま届きました。その資料の中には私の求めたものがまだつまびらかにされておりません。それからもう一つ別の資料を注文いたしておりますが、この資料は手元に渡つておりません。従つて本問題につきましては、将来に残されたる幾多の重大調査の案件がありますから、あくまでもこれは中間の暫定的な意見のとりまとめだということにしていただくことを前提にいたしておきます。
 なお本日の本委員会では、質問は打切られているそうであります。私資料が来ないために質問しないでおいて、資料がまだそろわないのに質問を打切られるということははなはだ残念でございますが、これも会期の関係でやむを得ませんから、継続審議の方にまわしていただくことにいたしまして、大体の私どもの方の考え方を申し述べて御了解を得たいと存じます。
 その前に申し上げておきたいことは、私運輸委員会に席を有しまして以来、微力ながらも国鉄運営の発展と、ひいては日本経済の再建のための根幹である国鉄事業というものに対しては、最大の情熱を傾けて参つたつもりであります。私ども党内におきましても、私の意見には必ずしも満場一致賛成ではなかつたのでございますが、私が常々主張して参りましたのは、現状のままにおける国鉄採算は非常に無理がある。それは何回も申し上げまするが、戦争中に使用する点においては百パーセントこれを使用いたしておりますが、これが改修、改良については予算がないために放任されておる。そのことのために技術家をもつて調べたその調書によつてすら、現在千六百億の緊急改良の費用を必要とするのであります。これはざつくばらんに言えば、国が経営しておつた戦時中から、初めて独立採算制になるまでに至る間、国がなしておかなければならぬはずの仕事をしておらないのでありますから、これは言いかえれば借金の肩がわりということに相なると言つても過言ではない。従つて現在の国鉄の幹部並びに従業員諸君が、御承知の通り戦前の貨物において三倍半、旅客において約二倍の輸送能力を発揮して、いかなる産業にもましてその成績を上げておるにもかかわらず、これに要するそういうような費用が多くかけられるために、これらの従業員に対するところの待遇すらもはなはだ低位であつて、これに報いておらない、こういう関係からいたしまして、よしんば人命をとして、国鉄の最高幹部が全知全能を傾倒してもつてこの経営に当るとしても、なお、かつ困難であろうという同情者であつたのであります。でありますから、こういう点から行くならば、独立採算制という形態にわれわれは反対するのではないけれども、現状さしあたりの急場を救うためには、一般国家の財政から補給して、そうしてそれから独立採算制の完成をすべきであろうという、まことに同情的な議論を私は進めて参つたのであります。この前の国鉄運賃値上げの問題に関しましても、そういうものと関連して、さらに国鉄が国家開発のために採算を度外視して新線の開設をしている、こういう点から言うならば、いかに独立採算制といえども、現在の使用者がこれを負担するという建前における賃金改訂は、妥当でないという議論を立てたのである。しかるにもかかわらず、今日鉄道会館を初めとする少数幹部のいわゆる利得のために国鉄が乱脈の頂点に達しているということは、まことに憤慨のきわみであります。
 私は先月の九日と思いますが、特に現在の石炭車における機関士諸君の苦労、これに関連する助士一名増加の問題が今議題になつておりますが、国鉄は予算の関係からそれを増員するかせざるか、あるいは石炭消費の五トンまではふやそうとか、四トンからはふやさないとかいうような議論の最中であるので、その現状を如実にみずから体験するために、水戸行きの機関車に乗りました。一体運輸大臣やあるいは国鉄総裁は、この炎天下における機関士並びに助士の労働の実情をながめたことがあるか。私は作業服を着て機関車に乗つたとたんに、玉のような汗が流れ出して来た。しかるに運転が始まるや、機関士はあるいは速度器やあるいはプレッシャーや、その他等々の任務のために、ボイラーの前に置き人形同様で身動きができないのです。水戸線はその最高速度七十五キロでありますときにおける事故のごときは、その起きた事故の責任を機関士に負わすなどということは、とうてい人情として忍びないという現状である。私はトンネルを幸か不幸か通らなかつたのであるが、常々言われておりますような長距離トンネル等をもし通る場合に、あの煤煙の中にいながらその操作をやろうとするのには、並たいていでできるわざではない。特に助士に至つては、平地において一分間に一回ずつボイラーを開閉して、数十ぱいの石炭を入れるのであります。少し勾配になつて参りますと、三十秒おきに一回の操作をしなければならない。片手にボイラーの開閉器を持ち、片手で石炭を投入しているのでありますが、それで終るかと思えば、その一分間の間にそれだけの操作をして、そうして今度はカーブその他において前方が運転士に見えないときは、助士の方がこれをながめて、運転士に合図をしておる。さらにその間において投入することのできないような石炭を、また石炭繰りをしなければならない。まつたく私は同情した。わずかの時間でありますけれども、その間における機関士並びに運転士の諸君のまことに過重なる労働に対し、何をもつて償うか、まつたく私はその見当すらつかないという現状である。しかるにその賃金は幾らであるか、最低賃金すら国鉄の経営が困難であるという理由をもつてやらない。特別労務に関するところのいわゆる退職金の増加すらも、りくつをこねてこれを満足に払おうとしない。こういうような国鉄の現状の中において、いやしくもその最高幹部たる者が、鉄道会館を初めとするこれらと結託して、政府資本を投入する悪業乱脈は、われわれ断じて許すことはできないと主張せざるを得ないのである。特に鉄道会館の問題に関しまするならば、質疑は終つておりませんから、あとで質疑をさらに繰返すすのでありますけれども、第一に問題になりますのは、国鉄法の四十九条に基く契約があいまいである。あれほどの大きな事業をやるのに、完成された契約ない。いろいろと追い詰められれば、あるいは四十九条中の但書による競争入札によつては不利であろという立場を弁解するかと思えば、さらに問い詰められれば、政令によるという。一体政令によつてやつたのか、あるいは但書のいわゆる一般入札が不利であるという観点に立つたのか、この結論も出ておらない。その答弁が食い違つてきると、両方兼ねておるというようなべらぼうな逃げ口上をやつておる。これで一体あれだけの仕事ができるのか、そうしてわれわれは国鉄の現状にこれほどまでも同情して、そうしてこれほどまでも国民が耐え忍んで、そうして何時間も立ちん坊をして、ようやく乗車券を得、さらに乗車してからも何時間も立ち通しで行つてまでもがまんをしておる。これらの国民やあろいは国家に対して申訳が立つのであるか。まことに言語同断といわなければならない。従つてこの契約の問題に関しては、これをだんだん問いただして、もつてこれを明確にしなければならない。もちろん先ほど鈴木君が言われました工事中止の案が決定されますならば、私も同感であります。従つて工事を中止しておいて、その根本から立て直すということが必要であろうかと考えておるわけであります。
#6
○關内委員長 熊本君、約束の時間が経過いたしましたから、結論をお急ぎください。
#7
○熊本委員 まだたくさんありますから、もう少しお許しを願います。それでは大急ぎでやります。
 その次には、この間も質問いたしましたが、まだ明確に出ておりません。国鉄は地下一階を使用するというのでありますが、これに要する建設費の分担がきまつておらない。これをやるためには非常な問題があるのでありまして、たとえば三メートル直径のセメントの棒ぐい、長さ七メートルを千二百六十坪に対して百十五本打ち込もうとしておる。国鉄の使う一階にかようなものがいるわけはない。分担金が明確でないという今日、それらの工事がすでに進められつつあるという現状、さらに二十七年度二千七百五十万、二十八年度六千五百十五万、計九千二百大十五万円という国鉄の醵出した金は、これは国鉄予算としては日暮里、田端間の改良費を流用して施設会社の利用に供しておる。さらに鉄道会館の会社から予納金をとるにあたつて、相当量の鉄材をとつて刈る。鉄道会館は鉄屋ではない。鉄道会館に鉄があろうはずがない。材料がいろからというので、鉄道会館からその予納金の代納品として鉄材を納入せしめたる経緯、おそらくは利権をもつてなあなあでとりきめたものと私はにらんでおるのであるが、これらの経過についても検討しなければならない。さらに共済金の出資でありますが、共済金の出資については規定があるはずである。この規定のすべてを完了しておるか、これも今日までの質疑応答の過程においては、違法なる支出をしておると見ておるのである。その手続の完了の度合いも調べてみなければならない。さらにその他の問題についても、けさ資料をもらつたのでありますが、資料によつて見ると、財団法人とかそ団法人という名称のもとに、国鉄に関連して利益を上げておるところの関連法人が十九、それから民衆駅の名のむとに民間出資をしておるもの、今日排出をしておる資料だけでも十五、これらのことごとくの関連は、大よそ鉄道会館の一事をもつてわかるがごとくに、国鉄の関係者が私利私欲のを心に国鉄を利用しておるものとわれわれは解釈する以外にない。その内容をこれから検討しなければならない。けさもらつた資料では検討ができません。
 先ほど鈴木君が触れておりまし関車の問題でありますが、機関車の払下げについて、使用できるものを二十万円で払い下げておるが、その価格の査定はどこでやつたのか、それから干何百台というものを四万円で払い下げておるが、これらは一体いかなろ機関に査定を依頼し、公平なる立場においてこれをやつたのであるか。あるいはレール、すなわち使用できるレールをくず鉄として払い下げておる。こういうようにあげて参りますならば、国鉄の現状はまことに紊乱の極致に達しておるといわなければならない。こういうものの実体をこれからの継続の調査において、私どもはただして行きたいと考えておる。
 さらに鉄道会館の使用料の関係について、私は資料を求めておつたのでありますが、けさは提出されておりません。けさの読売新聞によりますならば、現在使用中のものの中にへ坪当り三百三十三円の国鉄の使用料に対して、六千二百五十円で転貸をしておるものがあるということが新聞に載つておる。その他引合わしてみますと、少くとも十倍、多いのは二十倍という又貸し料金をとつておるという事実が、ここに新聞に発表されておる。そうしてその関係会社が、ことごとく国鉄の古手といつては失礼かもしれませんが、国鉄に席を置くよりかそつちに転向した方が、より尨大なる利益をせしめられると考えて、あるいは国鉄の費用をもつて見学、研究に出された方々や、その他最近まで国鉄の幹部として現存しておつた人たちがくらがえをして、そうしてこれらの連中が相協力し合つて、もつて国鉄をむさぼろうとしておるのである。まことに唾棄すべき現状である。かような観点に立ちまして、きようの中間報告につきましても、ぜひとも鈴木君の意見等をも取入れて、そうしてあくまでもこれが徹底的に糾明せられて、国鉄の明朗化のために努力をささげて行きたい、かように考えまして、私の意見を終ります。
#8
○關内委員長 山口丈太郎君。
#9
○山口(丈)委員 私はまだきよういろいろ質問をするつもりでおつたのでございますが、きよう結論ということじやなくて、会期の終末にあたつて一応中間的な委員会としての結論を出すということでありますので、その点については私も賛成をいたしたいと思います。しかしこの問題は非常に大きな問題でもございまするし、またそう軽々に全部の問題について結論を出すことは、まだまだ質疑応答を重ねた後でないと明確にできないと思います。そういう点で私はとにかく一応の結論として、私の意見を申し上げておきたいと思います。同時にまたこの問題は多数の採決とかいう結論もあろうかと思いますけれども、しかしこの過程におきましては、普通の法案の審議などのような取扱いにわたりましては、非常に問題をすつきりしないままに置く憂いがあると思いますので、委員長におきましても、そういつた取扱いの点につきましては、十分に御留意をいただくようにお願いをしておきたいと存じます。
 さて私は本論に入りまして、そもそも国鉄が現在このような疑惑を生むに至つた原因は、何と申しましても、この国鉄の発足にもさかのぼる問題であろうと存じます。終戦後われわれは占領下に置かれた特殊事情のもとに、一体国鉄をどのようにするかということが非常に議会の問題となりまして、そうして公社法によつて運営すべきであるという意見、あるいはそうではなくて、国有という建前をあくまでもはずさないで1日本国有鉄道法によつて一現在行われておりますが、その法律によつてやはり国有というものをはずしてはならぬ、このような意見が闘わされたことを記憶しておるのでございます。しかし占領下でありましたために、われわれの思うような法律ができなかつたことも事実であります。もしわれわれが自主的にこの法律をきめて、そうして国鉄を運営するのでありますならば、現在のような国鉄法ではなくて、運輸大臣においても、運輸省においても、もう少し監督権を厳重に規定いたしたであろうと存じます。けれどもそういうことがなかつたために、今まで上司々々ということで非常に縛られておりました国鉄の官吏諸君が、公社的な性格において運営することによつて、一時に解放されたような気持になつて、そうしてほしいままな行動ができると錯覚したところに、私はこのような事態を惹起したものと思うのでございます。従つてこのような事態というものはすみやかに払拭して、名実ともに日本の国有鉄道としてはずかしからぬ経営を行うべきであると思うのでございます。同時にまた現在の法律で運輸大臣あるいは運輸省の直轄の監督権を有しないといたしましても、あるいはある程度その監督権が行き届かないといたしましても、それだけをもつて――先ほども申しましたように、コーポレーシヨンとしての鉄道でなくて、国が経営しておる鉄道であるということは、国民全般がこれを承知をしておるところでありまして、現在行力土ておりますような性格を国民は承知いたしておりません。でありますからその名にはずかしくない経営の確立をしなければならぬ、その意味におきましてこれは非常にいいことであつたと私は思うのでございます。けれどもそれではわれわれはどのようにして国鉄というものの実体を明らかにし、疑惑を解くかという点につきましては、先ほど申しましたように、まだなお調査の事項がたくさん残つておるのでございます。
 まずその疑惑の第一点として考えられることは、これは多数に上る傍系会社をつくつておるのでありますが、この多数の傍系会社に行つておりますこの会社の幹部の人々は、すべて国鉄の先輩であります、たとえば立花さんは施設局長としての大先輩であります。この大先輩が今度の新しい施設局長に申し込んで来る場合において、それを拒否することはできないと思います。でありますからそのような関係において、このような厖大な計画を実行するところに疑惑が持たれるのであります。私の考えによりますと、国有ということがあくまでも基本でございますから、従つていかに国の財政が貧弱であるからといつて、今ただちにあなた方が企画されておるような民衆駅なるものが、それがそのまま盲従的に許されていいかということについては、私は大きな疑問を持ちます。これはひとり私だけではないと存じます。しかもそれらの企業に対しては、今申しましたように、あなた方現役の先輩の方々ばかりがそこに入つておるのでありますから、これは言いかえますると、なんぽあなた方が否定されても、国鉄がそれら先輩の方々に自由にされているといつても過言ではありません。それが実態です。このような形にあるということは、国鉄というものをほんとうだだんだん掘らして行く、国鉄という一つの企業体に先輩がありのごとくに寄つてたかつて、姥捨山からむしろ号令をして、本体をゆるがしているという実情にあると思うのでございます。こういつた企業が正しいものであるかどうかということは、十分国民に批判されてしかるべきでありましようし、また退職されました今度の鉄道会館の幹部諸公にいたしましても、そういつた疑惑を解くためには、あくまでもこれらの人々はそのようなところに関与すべきじやない。そういう会社の重要な幹部になつて、あるいは国鉄を支配し得られるような先輩的な地位において、このような関連事業に従事することは、私は好ましくないと思います。また運輸大臣にお願いしたいことは、これらのことを従来のような監督権がないからといつてそのままにしておくことは、これはどうしてもやはり同じ国政に参与する者として、国民に相済まぬことであろうと存じまするでありまするから、一層こういう点に対する監督を厳重にすべきであろうと私は思うのでございます。
 次にこの鉄道会倍について、その実態の、不正とまでは申しませんけれども、しかし法律的に見ましても疑わしい点を、私は二、三指摘しておきたいと思うのでございます。なぜかと申しますと、私はきのうからこの諸規程を研究いたしておりますけれども、この国家公務員の共済組合法によりますと、今国鉄当局がやつているような共済会の通営はできません。これは明らかであります。しかもこの共済会というものの性格、その事業は、従業員の福利厚生を目的とするものでありまして、しかもその福利厚生の事業内容というものがきわめて明確に規定されているのであります。民間会社の資本にその共済会を通して投資するというようなことは言語同断なことでありまして、これは明らかに共済組合法の違反であるという疑いが濃厚であります。なぜかと申しますると、この鉄道会館なら鉄道会館一つとつてみましても、これが必ずしも利益のあろものとは限らないのであります。経済界の浮沈によりましてはどのようなことになるかわからない。でありまするから、どんな場合こおきましても、経済界の浮沈がただちにこの共済会に影響をして、そして規定されておりまする実際の疾病、災厄あるいは退職、休業等に対しまずるところの、事業が満足に遂行できないような状態に陥ることを防いでおるのであります。しかるに今の国鉄の共済組合の実情は、まつたく投機的な道具に使われておると申してもさしつかえない。このようなことが共済組合法によつて認められておるとするならば、私はたいへんだと思います。どこを見ましてもそれらのことはありません。まだ質疑が残つておりますから、具体的な面につきまして私は徹底的に追究いたしたいと思うのでありますけれども、少くとも今まで答弁された中におきましては、共済組合の直接の投資としてはやつておらぬ、従業員の投資の立てかえはしておらぬ、全部炉行から借りておるのだと言つております。これがまた重大であります。どんな名目にいたしましても、共済組合がその債務の対象となつていることは否定できぬでしよう。もしこの鉄道会館がうまく行かないで、その立てかえたものが従業員に払えないといたしますならば、それだけは明らかに共済組合が負債をしなければならぬのでありまして、このようなことは共済組合法にいう一部の人のための利益に供してはならないという違反であります。また総裁は共済組合の代表として、この株を相当量持つておられるようであります。これは本日の読売新聞にも明らかに出ておりますが、私は新聞によつて教えられようとは考えません。しかしながらこれは本委員会において――の口からも明らかにされたところであります。共済組合の代表が民間のそのような投機的な投資にこの共済会の会を使用するとするならば、これはまたまた重大な問題であります。何と考えられておるか知らぬけれども、これは明らかに共済組合法の違反であります。これを運営委員会においてどのように審議したかは知りませんけれども、こういう事業を興す限りにおいては、少くとも私は大蔵大臣の承認を必要としておると思うのでございます。ところがそれに対しての明らかな答弁がございません。このようなことはまつたく私は紊乱のもとである。あなた方は福利厚生のためせつかくつくつておりますところのこの法律を、無視した態度と申されてもしかたがないのであります。このようなことは私は許すべきでない。また運輸大臣においても、この直営委員会において決定いたしました向きについては、何といつてもその手続を必要とすると思うのでございますけれども、それらについても少しも私はその手続がふまれていないものと思われろのであります。このように考えまずならば、まつたく共済組合というものはあなた方一部の人たちの利益を追求する道具に使われておるのでありまして、本来の共済会の目的というものに合致いたしておりません。このような運営をしてあなた方はどのように従業員にまみえようとされるのか、私は俗にいえばその心臓の強さにあきれるのであります。
 いろいろ私は研究をいたしましたけれども、このようなことをして平然としておられるものではないのでありまして、この規定の中には、あるいは有価証券の所有限度等についていろいろと言われるかもしれませんけれども、しかしかような胡定は一切ありません。やはり法律というものは、一つのことができたら、何とかその裏に余裕のあることがないだろうかといつて血眼になつて探すかわりに、法律をすなおに読んで、そのまま実行して、そのまま守つて行くというところに初めて国民の責任があるし、それが正しいあり方だと私は思うのであります。でありますから、あなた方は何とかしてどこぞに盲点がないかというふうに調べられておるかもしれませんけれども、しかしこの法律をつくるにいたしましても、やはり人間がつくつておるのでありますから、なるほど盲点はあるかもしれません、その盲点を正しい運用によつてカバーして行くようにするのが当然でありまして、その盲点を悪用するに至りましては、私はこれこそその責任者としてとるべき措置ではないと考えるのであります。こういう点については私は十分に質疑をしたいと思つて、質問をさせていただきたいと言つておつたのであります。
 また今度の一番何と申しても疑惑の焦点は、これは契約内容を改めるということでございますけれども、しかし私ども委員会がこれを摘発しなかつたならば、あなた方はそのままにおつたでありましよう。そうすれば地代にいたしましても、あるいはまた名店街の契約内容にいたしましても、そのままであります。このように、人に言われれば直す、摘発されなければそのままでよい。そういう意識を持たないといたしましても、少くともこのようなずさんな考え方で――四十五万の従業員を有する日本の国鉄であります。国の鉄道であります。この運営を私はまかしておくわけには参らないと言われてもいたし方がないと思うのであります。またこれらに対しましては、十分なる責任をとるべきであろうと思います。私ども国鉄の内容を聞けば、あなた方は品を開けば赤字である、赤字であると、いつも赤字の報告でありまして、一体国鉄というものはあれだけ人が乗つて、そうしてあれだけ勤勉な従業員を使つて、なぜこのようになるのか、これならば私鉄の会社は一体どうなるのか。国鉄に比べて私鉄は多額の税金を負担し、地方税までも負担しております。しかも国鉄よりも、なお私どもの会社にいたしましてもキロ当りの人員はずつと多いのであります。それで曲りなりにも営業しておつて今日に至つておるのであります。そして輸送に対する協力をしておるのであります。国鉄の今日の状態では、私は赤字になることがふしぎだと思います。これはどのようなことかと申しますと、これは今日までに私どもが調べた限りにおきましても、国鉄のこのようなずさんな経営ふり、いわゆるあなた方は、親方は日の丸だ、このようなおうような考え方において経営されておることが、国鉄の経営というものが黒字にならない原因をなしておるものと思います。そしてまた輸送力増強などについても、少しも役立つようなことが行われていないのでありましで、この点につきましては。私は人情は別といたしまして、少くともあなた方幹部並びにここに見えております鉄道会館の責任者としても、立花さんにいたしましても、長年の鉄道生活を顧み、今日の状態を見て、深くその責任を痛感せられるべきであろうと思うのであります。
#10
○關内委員長 山口君、約束の時間が参りました。
#11
○山口(丈)委員 鈴木君は三十分やりました……。私は従つてこういう状態をそのままにして置くわけには参らない。だからといつて私どもの追究しておるのは、あなた方錯覚を起してはならない。決してあなた方のいわゆるミステークを掘り下げて、窮地に追い込もうとしているのではない。しかし今日のような状態においては、私どもは国民から委託されておりまするこの公式なる場において、皆さん方のとられた措置に対し十分なる批判を下す責任を持つておると思うのでございます。でありまするから今後においての調査においても、すなおに資料なども出していただきたい。私の要求しておりまする資料もまだ出ておりません。電化工事に対する資料などにいたしましても、その請負の経過などについて、経過報告書を出せと私は要求しておりますが、一向にそれらについても出て来ない。これはどういうわけなんですか。ますます私はその内容について不審を抱かざるを得ないのであります。でありますから、この際あなた方は勇断を振つて明らさまに是は是とし、非は非として、今後の歩むべきあなた方の道を切り開くべく、格段の努力を要請をするものであります。まだあとにいろいろ質問も継続して行われるのでありまするから、本日はこれ以上私は意見を述べることは差控えますが、しかし、委員全員に私の要請いたしますることは、少くとも中間的な結論として何らかの決議をして、この委員会における結末をつけ、第二段の調査として、すべての問題を今後に残して行くような措置をとられんことを切望いたしまして、私の意見を終ります。
#12
○關内委員長 小委員会開会のため、暫時休憩いたします。
    午後零時十四分休憩
     ―――――・―――――
    午後零時三十七分開議
#13
○關内委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
 株式会社鉄道会館等に関する調査小委員長より中間報告の発言を求められておりますので、これを許します、關谷勝利君
#14
○關谷委員 株式会社鉄道会館等に関する調査小委員会の審議の経過につきましては、七月二十八日とりあえず中間報告をいたしたのでありますが、その後本委員会におきまして、続き委員各位と政府、国鉄当局及び参考人との間に熱心な質疑応答がかわされましたので、そのおもなるものについて申し上げたいと存じます。
 まず国鉄はその現状から見て、輸送力の増強、特に車輌の増備、線路の増設と保安度の向上に主力を注ぐべきものであつて、駅本屋の整備拡充に重点を置くことは、国鉄本来の使命に反するものではないかとの質問があつたのでありますが、これに対し国鉄当局から、国鉄の再建については、基本計画を作成し、これによつて輸送力の増強、保安度の向上については、できるだけの努力を続けておるが、資金その他の面から思うようには行かず苦慮している旨の答弁があつたのであります。なおこの点に関連して、中央線三鷹における、中央球技場への引込線に巨額の資金を投じたるがごときは、本末転倒もはなはだしいものではないかとの質問がありました。
 次に調査の対象となつた国鉄と株式会社鉄道会館等との関係においては、まず鉄道会館の設立について運輸大臣は相談を受けたかとの質問に対し、運輸大臣より、前大臣はあるいは相談を受けたことと思うが、自分は相談を受けたことがない、従つてその内容については知るところがない旨の答弁があつたのであります。
 また民間資本の導入による停車場建設は、国鉄の使命達成上いかなる影響を与えるものと考えるかとの質問に対しては、運輸大臣から、必ずしもよい結果のみを生ずるものとは考えられない、再検討の要があろうと思う旨の答弁がありました。
 次に東戸駅八重洲口駅舎整備三刷国鉄総裁個人に委嘱し、また競争入札の原則によらず、随意契約によつて鉄道会館に用地使用を承認したのは、日本国有鉄道法第四十九条公入札の原則に違反するものではないかという点に質問が集中されたのでありますが、国鉄当当は、鉄道会館は国鉄八十周年記念事業の一つとして計画せられ、大東京の玄関にふさわしい駅舎を建設するためには、民間資本と国鉄との合作によるのが適当であると考えたのであつて、加賀山前総裁はその手腕、経歴から見て、これが経営を託する最適任者と考えた次第である、随意契約によつたのは、この場合公入札によるを不利と認めたからであつて、日本国有鉄道法第四十九条但書には、一般競争入札の方法に準じて行うことが不利であると認める場合には、随意契約によることができることに定められている旨の答弁があつたのであります。
 次に株式を公募せず、共済組合から出資し、また国鉄職員に対し共済組合から株式払込金を貸し付けた理由いかん、特に共済組合より出資したことは、国家公務員共済組合法に違反するものではないかとの質問に対しては、国鉄当局から、共済組合から出資したのは駅建物の公共性にかんがみ、民間資本のみによらない方がよいと考えたからであり、所定の手続をふんで出資したものである、職員の株式応募にあたつて共済組合から資金の貸付を行つた事実はない、国鉄厚生局長が代表して金融機関から借り入れ、これを希望者に貸し付けたものであつて、すでにその八割は返済済みである旨の答弁があり、株式を公募しなかつたのは、国鉄職員等の応募者が多数に上つたため、公募の必要がなかつたためである旨、鉄道会館当事者から答弁がありまして。
 その他東京駅の一部を鉄道会館に事務所として使用させている点についても質問がありまじた。
 次に問題となつたのは、契約の内容についてでありまして、承認条項中基礎部分工事費は、国鉄と鉄道会館が折半負担することとなつている点、電気設備は国鉄の負担となつている点等は不合理ではないかとの質問に対して、国鉄当局から、契約内容を検討し、不備、不合理な点については、早急にこれを改訂することとしたい旨の答弁がありました。
 また鉄道会館から徴収すべき土地建物使用料、構内営業料は幾ばくになるかとの質問に対しては、使用料については固定財産管理規程の定めるところにより、営業料金は構内営業規則により、それぞれ所定の料金を徴収する旨の答弁がありました。
 これに関連して、いわゆる権利金は徴収しないのか、また鉄道会館には使用料も決定しないで土地の使用を許容し、しかも会館は出店者から多額の前家賃等の収入を得ておるが、何ゆえに使用料を徴収しないのかとの質問があり、これに対しては、用地貸付料は付近の事例との振合いもあつて決定が延び、従つて未徴収となつているか、早急に概算額をもつて徴収する旨の答弁があつたのであります。
 また秋葉原会館に対する建物使用料、構内営業料が未徴収となつているのはどういうわけか、高円寺駅復興協力会について営業料金を徴収していないのはどういう理由かとの質問に対しては、そのいずれについてもさつそく徴料手続をした旨の答弁がありました。なおこの点については財政法第九条には、国の財産は、法律に基く場合を除くほか適正な対価なくしてこれを貸し付けてはならないとあり、常に良好な状態において管理し、最も効率的に運用されねばならぬとあるが、国鉄としてはまことに怠慢ではないか、国会の問題となつて急遽徴収手続をするというがごときは、怠慢のはなはだしきものであるとの意見が述べられたのであります。
 また日本国有鉄道構内営業規則について、その第二条には、構内営業は品位のあるものでなければならないとあるが、秋葉原会館の店舗のうち、品位を傷つけるものとも認められるのがあるが、出店者の選考を会社側にまかせてよいのか、映画館のごときはこれを許すべきものではないと思うがどうか、また同規則第十四条には転貸を禁じているが、鉄道会館の場合、この規程との関係はどうなるか等の点についても、質疑応答が行われたのであります。
 特に国鉄財産の管理運用は必ずしもうまく行つていると思われないが、法令の整備をはかり、日本国有鉄道固定財産管理規程及び日本国有鉄道構内営業規則を現状に即するよう改正する意思はないかとの質問に対しては、政府当局は法的整備の必要を認めるので検討したい旨の、また国鉄側からも同様改正の要ありと思われるから至急検討する旨の答弁があつたのであります。
 なおいわゆる民衆駅については、国鉄部外者をもつて組織する官民合同の委員会を設けて、基本的事項はこれに諮つて決定する考えはないかとの質問に対して、国鉄当局は、この種事業の明朗化をはかるため必要、と思うが、弊害の面もないではないように思われる、十分考慮したい旨の答弁がありました。
 このほか鉄道会館の定款第二条の事業目的として「国鉄の重要なる停車場、高架線その他の施設の建設又は整備を行い、」、云々とあるが、これはどういう意味か、これらの施設の建設整備は、国鉄本来の業務ではないかとの質問、鉄道会館が出店者から保証金、前家賃の名目をもつて多額の金を徴収していることは、地代家賃統制令に違反するものではないかとの質問、民間資金による停車場といえども公衆の利便を第一に考うべきではないか、池袋日本停車場株式会社の場合のごときは、公共の奉仕を唱えて土地を安く買収し、これに百貨店あるいは銀行等を入れ、公衆の利便を無視している事実をいかに見るかとの質問がありました。
 次に、今回の事件は国鉄に対する運輸大臣の監督権限はなはだ少く、しかも国鉄財産には国有財産法の適用がないという法の欠陥に乗じ、国鉄官僚が、国民の信託にかかわる鉄道財産を私有物化し、究極においては国民の犠牲において私利をはからんとするものと断ぜざるを得ないとの意見が述べられたことを申し添えておきたいと存じます。
 以上申し述べましたようなきわめて熱心な調査審議の結果、株式会社鉄道会館等については、その首脳者に退職国鉄幹部を充て、これに特別便宜を供与したのみならず、その契約の内容においても、適正妥当と認められないものがあり、また貸付料、営業料金が未徴収となつているということもまたおおいがたい事実であつて、国鉄官僚が国鉄を私有物視するものとの誤解を招くおそれなしとしないことが、漸次明らかにされて参つたのであります。よつてこの際国鉄に対する国民の疑惑を一掃するため、政府並びに国鉄当局に対し、次のごとく措置のしめることにいたしてはいかがかと考える次第であります。すなわち、
 一、政府においては、すみやかに日本国有鉄道に対する監督権の強化並びに国鉄財産の管理運用に関する法制を整備するとともに、国鉄及び鉄道会館等に関し必要かつ適切な措置を講ずること。
 二、国鉄においては、イ、鉄道会館との契約内容を再検討してその適正を期するとともに、徴収未済の土地建物貸付料、構内営業料金等はただちにこれを徴収すること、日本停車場株式会社、池袋ステーシヨンビル株式会社、秋葉原会館、高円寺駅復興協力会等、いわゆる民衆駅についても司様とすること、口、特に財産管理に留意し、日本国有鉄道固定財産管理規程並びに日本国有鉄道構内営業規則を現状に即するよう改正し、諸料金決定にあたつてはこれを適正なものとするため、査定委員会のごときものを設置すること、ハ、いはゆる民衆駅のあり万については、根本的再検討を加え、その公共性を保持せしめるため、これが監督につき特別の措置を講ずるとともに、それら会社との関係を明朗化するため、民衆駅運営委員会等のごとき制度を設けて、広く関係官庁の職員、地方公共団体の代表者及び学識経験者等の意見を徴して、民衆駅に関する重要事項を決定すること。
 最後に、今後国鉄当局においては、本来の業務、特に輸送力の増強に熱意をもつて対処するとともに、部外に対しては懇切丁寧を旨とし、その信用を高め、いよいよ自肅自戒し、業務の刷新をはかつて国民の信託にこたえ、再び国民の不信をこうむり、疑惑を受けるがごときことのないよう希望いたします。
 以上、今会期中における調査に基く一応の結論を申し上げた次第であります。
#15
○關内委員長 ただいまの小委員長の報告を了承するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○關内委員長 なければ、さよう決します。
 一応本委員会としての結論が出たのでありますが、この際責任大臣としての所信の披瀝を求めます。石井運輸大臣。
#17
○石井国務大臣 ただいまの小委員長の御報告を拝聴いたしまして、いろいろ皆さん方に御心配をかけてまことに恐縮でございますが、政府に対しまして御要望になりました国有鉄道に対する監督権の強化、並びに国鉄財産の運営等に対しまする法制をすみやかに整備すること、並びに国鉄及び鉄道会館等について必要かつ適切な措置を講じろというお言葉に対しましては、全然私も同感でございまして、その通りにとりはからいたいと思うております。特に法律は、今度の議会には間に合わぬのでございましようが、ただちに研究にかかりまして、なお皆さん方のいろいろな御注意も受けまして、できるだけ政府と国鉄が一体になりまして、今の形のままでの一番いい運営の方法を生み出せるように努力をいたしたいと思うております。もしそれがうまく行かない場合には、国鉄のあり方そのものについての根本的な考え方もかえなくちやならぬような問題も起ると思いますから、私どもは皆さん方の御要望に沿つて、まず私どもの監督権を発動し、それによつてりつぱな国鉄の運営ができるように努力をいたすつもりであります。
#18
○關内委員長 これにて本会期中における本委員会の議事は終了いたしました。
 ごあいさつを申し上げます。不肖私が当委員会の委員長に任命されまして、もとより議事その他にふなれなものでありましたが、委員各位の絶大なる御支援によりまして、本日無事に終了いたすことができましたことは、まことに御同慶にたえないと同時に、皆様の御協力に対しまして心から御礼を申し上げる次第であります。
 本委員会に付託になりました案件は十八件であります。さらに委員会を開くこと三十五回でありまして、十八件のうち、一件は取下げになり、一件は継続審議になりましたが、あと十六件はほとんど全会一致の形をもちまして、本委員会を通過いたしましたことは、これまた皆様の非常な御熱意の発露でありまして、私から厚く御礼を申し上げる次第であります。
 なお鉄道会館等に関する調査は継続審議に相なつておりますので、この継続審議におきましても、わが国の輸送力の増強、国鉄の健全なる発達のために、われわれは建設的の意見をもちまして、今後この委員会の運営に当りたいと思うのであります。
 この暑い中を連日長時間にわたる皆様の御活躍に対しまして重ねて敬意を表しまして、閉会のごあいさつをいたす次第であります。(拍手)
 これにて散会いたします。
    午後零時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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