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1947/06/17 第2回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第002回国会 運輸及び交通委員会 第18号
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1947/06/17 第2回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第002回国会 運輸及び交通委員会 第18号

#1
第002回国会 運輸及び交通委員会 第18号
昭和二十三年六月十七日(木曜日)
    午前十時四十一分開議
 出席委員
   委員長 川野 芳滿君
   理事 前田  郁君 理事 佐伯 宗義君
   理事 高瀬  傳君
      大澤嘉平治君   岡村利右衞門君
      尾崎 末吉君    田村 虎一君
      中野 武雄君    松本 一郎君
      井谷 正吉君    川島 金次君
      重井 鹿治君    島田 晋作君
      原   彪君    矢野 政男君
      飯田 義茂君    堀江 實藏君
 出席國務大臣
        運 輸 大 臣 岡田 勢一君
        國 務 大 臣 栗栖 赳夫君
 出席政府委員
        運輸政務次官  木下  榮君
        運輸事務官   加賀山之雄君
        運輸事務官   三木  正君
        運輸事務官   藪谷 虎芳君
 委員外の出席者
        経済安定本部運
        輸局次長    津田 弘孝君
        專門調査員   岩村  勝君
        專門調査員   堤  正威君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 國有鉄道運賃法案(内閣提出)(第七七号)
    ―――――――――――――
#2
○川野委員長 開会いたします。
 前会に引続き國有鉄道運賃法案に対する質疑を続行いたします。矢野政男君。
#3
○矢野(政)委員 私はただいま提案になつております輸賃値上問題についてお尋ねいたす点もございますが、ただいま資料の提出を願つております関係もございますので、次の機会にいたしまして、第一國会におきまして私が御質問申し上げました國営自動車の問題であります。この点につきましても過日來資料の提出を願つておるのでありますが、未だその提出がございませんので、詳細な御質問はあとに讓りたいと思いますけれども、大綱につきまして当局にお尋ねいたしたいと思うのであります。第一回國会におきましても、國営自動車、すなわち省営自動車の実現をあらゆる方面より請願、陳情がございまして、これに対しまして当局はその地方の請願の実情に照らしまして十分なる檢討を加えまして、その実現をはかりたいというようなことを、申されておるのでありますが、過去十数年來にわたりまして、この省営を行わんといたします所は、まず民間でできない所を國営でやるのだというのが建前であるのであります。しかし今日までの実情の大半を見ますと、民間で從來経営いたしておりました所を省が買い上げまして、省が経営するというような実情に相なつておるのでありますが、この鉄道の赤字を考えてみますときに、從來鉄道省の一つの事業の一環として計画されまして、その実情をいたしましたこの國営自動車といたしましては、運輸省が非常なる赤字補填のために、ここに三倍半というような運賃の値上げをしなければならぬというこの際におきましては、過去におきまして一つの鉄道省の事業の一環として現われましたこり省営自動車につきましては、この際再檢討をいたしまして、そうしてこれを民営にやらすべきものであるというような所におきましては、これを民営にやらせる。また現在民営でやつておる区間路線におきましても、これを國営といたしまして、その充実をはかつていくというように、この際國営自動車に対しまして新たなる認識をもつて、ここに再出発の計画を立てましてやるべきが当然でないか。かように考えるのでありますが、これに対しまして当局の御意見を承りたい。
#4
○木下政府委員 ただいまの省営自動車の問題でありますが、どういう所を省営にするかということは、ずつと以前から、つまり鉄道敷設の予定地、予定線、系路、開拓、この三点、しかもその附近の状況によつて、附近の輿論の高い、非常に要望の強い所からやつていこう。これが本來の方針でありますが、將來は今矢野君の言われた通り、民営でやつておる所を省営が買い上げてやる。こういうふうな所も多かつたのであります。大体現在といたしましては、民営でやつておる所はなるべくこれを指導育成しまして、この附近の運輸交通の目的に應じたい。どうしても民営でやつていけない所は國家の力でやりたい。こういうことになつておるのでありますが、最近に至りまして國有鉄道の赤字が非常に多い。こういう場合には、省営というものを少し差控えたらどうか。むしろ省営でやつておる所でも、その地方の運輸交通に支障がなければ、民営に移した方がよいではないか。こういうような議論も出ておりますので、なるべく民営でやつておる所は民営でやらせる。また民営と摩擦する所は、省営を差控えて民営の方を育成する。こういう方針でやつておりまして、省営を今ただちに民営に拂い下げてやるということは大きな問題でありますから、目下研究中であります。
#5
○矢野(政)委員 具体的にこういう点について政務次官にお尋ねしたいのでありますが、たとえば從來計画されて、現在実施中であります省営自動車の中にも、ほとんど民営が経営中のものを、しかもその地方の有力な民営の路線であつたもの、これを省営が買收して、現在経営しておる。しかしあらゆる経営の面から見まして、輸送の能率におきましても、あるいは輸送の統制をとりますにつきましても、当然民間に任してやるべきだというような路線が全國に相当あることを聞いておるのでありますが、こういう路線につきましては、この際運輸当局は、あらためてこれを民営に経営を任していくということについて、どういうふうにお考えになりますか。その点伺いたいと思います。
#6
○木下政府委員 ただいま矢野君のお話のような、民営が相当有力な企業体をもつて経営していて、それで十分であるにかかわらず、これを省営に直していくというようなことは、以前はあつたかもしれませんけれども、最近はそういうことはないと考えております。またかりに省係がこれをやろうとしても、民営のその企業体が非常にそれに対して異議があるというような場合には、省営はやらない。円滿に民営の方も省営にやつてもらうことを承服し、省営もそれをやるのが國のためであるというものだけを省営にしておるのでありまして、以前は政党政派の関係、あるいは土地の選出代議士の勢力とかの関係がありまして、特に省営にやるべからざるものを、省営にするというような傾向があつたというようなことを聞いておりましたが、最近に至りましては、絶対そういうことはないのであります。また関係方面でもなるべく民営を助長してその附近の運輸交通の機能を完全に発達させればよろしい。どうしても省営でなければいけない。民営ではいけない、そうして民営の会社の苦情のない所をやつたがよろしいというような方針がありますから、現在また將來においては、矢野君がただいまおつしやたようなことはないと思います。また現在省営でやつておるものを民営に拂い下げたらどうだというようなことは、國有鉄道の赤字なんかに鑑みまして、そういう議論も往々ありますけれども、これは軽々に行えないことで、よく研究した上でなければいけませんので、その方針はまだ決定しておりません。
#7
○矢野(政)委員 ただいまの政務次官の御答弁は、現在ではさような方法をとつておらない、こういうことでありますが、私の申し上げておるのは、現在そういう方法をとるかどうかということでありませんので、從來からやつております路線で、ただいま私がお伺いいたしたような、当然これは民間に任してやるべき路線であり、またそうすることが、この輸送の万全を期するために必要な統制もとれ、なお車輛の点においても経済がとれる、そういう路線に対しては、これで再認識をして新たな運輸省としての計画を立てて、改むべきじやないか、こういうように私は申し上げておるのであります。從來民間でやることが当然であるものを、買收して省営としてやつておるのがまことに不思議な現状であるので、今日までやつてきたそうした不合理な問題につきましては、この際当然改むべきじやないか、こういう点であります。
#8
○木下政府委員 從來民営でやつていたものを省営にして現在やつておるが、これは当然民営にすべきものであつて、また民営にした方がその地方の大衆のために非常に便利である、こういうのをどうするかという御質問のようでございます。從來民営でやつてきたものを現在省営で経営しているが、うまくいかない、これを民営に移したならば省営以上にうまくいく、そういうものに対してどうか、こういうような御質問と思いますが、実際にそういうふうな路線がありますならば、これは運輸当局としてよく考え、調査して善処しなければならぬと思いますから、事実がそういうふうならば、それを当局に御申出を願いましたならば、十分調査して善処することにいたしたいと思います。
#9
○矢野(政)委員 ただいま政務次官の御答弁で、私の申し上げましたことははつきりいたしましたが、あえて國営でやつておりますものを、むりに民営にやらせるというような問題ではありませんので、今後もこれは國営をもつて経営しなければならない。またそうでなければできないというような路線が非常に多いと思うのであります。殊に北海道方面の開発につきましては、当然これは國営でやらなければならぬということは、第一國会においても論議されておるのでありまして、この際日本の陸上輸送機関を再檢討するという面から考えてみましても、むしろ省営でやりますよりも、合理的にその不便もなくしてできる所につきましては、この際思い切つて民営に任す――そういうことは、この運輸省の立場、体面というようなものに何らかの問題があるのでないかというふうにお考えになる点もあるかとも思うのでありますが、しかしこれはそういう体面とか、あるいは從來の行きがかりという問題はこの際拂拭して、新たに陸上輸送機関の一層の完璧を期するために、再出発をするという考えのもとに、当局においては大局上英断をもつて善処せられんことを希望するのであります。
 なおこの機会に、國営自動車が昭和二十二年、あるいは昭和二十一年度においてどの程度の黒字を出しておるのか、あるいは赤字を出しておるのか、そういう点についてまず当局より数字をあげての御説明を願います。
#10
○木下政府委員 省営の自動車の收支計算につきましては、はつきりした数字があるわけですけれども、ここに持ち合わせがありませんですから、明日でも提出いたします。
 大体矢野委員の御趣旨は、國営にすべきものは國営にし、省営から民間に移すべきものは民間に移して、ここに陸運の徹底的整理をやつたらよかろうというような御意見だと思いますが、これは自動車のみならず、戰時中に買い上げました私鉄の民間拂下げの問題もございますし、また自動車の問題について、昨年末の道路運送法によつて運輸委員も選定されまして、そういう方面の運営が軌道に乘つてありますから、運送委員の議にかけ、また新しく國有鉄道審議会という会をつくることになつておりますから、そういう機関にかけまして、御趣旨の通り陸運上の一大整理をいたしたいと考えております。
#11
○矢野(政)委員 私、ただいま伺いました数字の点がおわかりでないそうでありますが、後日おわかりになりますか。
#12
○木下政府委員 明日……。
#13
○矢野(政)委員 それでは明日数字の点、なおその他の資料も提出を願つてありますので、その提出書類を頂載いたしましてから、私さらに質問に移りたいと思います。
#14
○井谷委員 矢野委員からのお話に関連して申し上げたいのであります。この國有鉄道の整理、拂下げが今問題になつておるのでありますが、第一回の國会におきましても、これの請願が出ていたのであります。殊に今度の運賃値上げに関連して、國鉄の相当の整理をする必要があると私は思つているし、ただいま参議院の方で調べましたものを持つておりますが、それによりますと、現在鶴見臨港鉄道、南武鉄道、青梅鉄道、奧多摩工業、富山地方鉄道、播丹鉄道、こういうものが大体拂下げ要求の主点になつているようであります。私どもただこういう書類によつてだけでは、ほんとうの考えがまとまりませんし、私はこれは運賃値上げとやはり関連をもつて考えておりますので、ひとつ委員長におかれて、適当な機会にこれの実地の視察調査というようなことに進んでいただきたいということを申し上げておきます。
#15
○川野委員長 井谷委員の御希望はごもつともだと考えますので、適当な機会にひとつ皆樣に御相談申し上げまして、実地の視察に承りたいと、委員長といたしましても存じておる次第であります。それでは次は尾崎末吉君
#16
○尾崎(末)委員 岡田運輸大臣並びに安本長官に対する質疑は後刻に讓りましてとりあえず数点について政府当局の御答弁を煩わしたいと思うのであります。その第一は、昨二十二年度中の労働爭議並びに怠業によつて受けた直接の損害額及びそれらによる能率の低下によるところの損害の見込額、これは大ざつぱでよろしゆうございます。それから爭議及び怠業等によつて滯貨をし、その復旧にどういう影響があつたかということと、旅客に與えた直接間接の実情等を一通り伺つてみたいと思うのであります。
#17
○木下政府委員 怠業、ストライキによつて直接に受けた影響、そういうものの数字の持ち合せがございませんから、よく調査しまして表をつくり明日でもお出ししようと思います。
#18
○尾崎(末)委員 それではその点は明日伺うことにいたします。長い間運賃ならびに料金につきましては遠距離逓減法が用いられてまいりました。現在も急行券の料金においては大体遠距離逓減法に準ずるやり方が用いられておるように思います。これはわが國の國土が狹くて長いという性格から考えますと、中央に近い所の國民と、遠い所の國民との間に大きなハンデイキヤツプがあるのでありますから、遠距離逓減法を適用していくことは当然だと思うのであります。しかるに今回の運賃の値上げにおきまして、遠距離逓減法が採用されていないのは、どういう原因によるのか、それを伺つてみたいと思います。
#19
○藪谷政府委員 お説のように日本のごとく長大な長形の國にありましては、遠距離逓減は一つの根拠をもつのでありますが、御承知のように最近物件費が高騰し、今日におきましてはターミナルコストよりランニングコストの方が非常に大きくなりまして、まつたく距離に比例して輸送実費が高くなるのであります。この点は日本と異なる制度をもつております。諸外國のキロ比例制をとつておる鉄道とよく似てまいりましたので、從つて今回は現在百五十キロと百五十一キロ以上とに分離している逓減の程度に止めることが適当と存じまして、現行通り百五十キロ以上にのみ逓減の制度を設けたのであります。利用人員から申しますと、百五十キロまでが大体九四%を占めております。百五十一キロ以上は六%の利用者であります。次に貨物の逓減率を、ついでに申し上げたいと思います。貨物につきましては、旅客よりも遠距離逓減はこまかくなつておりますが、御承知のように物價の関係で、日本の長大な地形による各地の産物を、なるたけ均等な價格をもつて日本全國に配給し得るように努める特異性からいたしまして、貨物はやはり現在通り、今回の改正につきましても遠距離逓減をこまかくしていきたいと考えておる次第であります。なお旅客、貨物とも今後の経済情勢等をにらみ合せまして遠距離逓減率を多くしたり、少くしたりすることにつきましては、お説のように十分研究いたしたいと存じております。
#20
○尾崎(末)委員 これも数字の問題でややめんどうではありますが、鉄その他重要資材が國鉄に使われておるのと、他の産業に使われておるのと比較をいたしまして、どういうふうにこれが有効に使われておるかというようなことに対する参考になる資料はないか、ありましたら、お示しを願いたいと思います。
#21
○藪谷政府委員 ただいま遺憾ながら手もとにございませんので、後刻資料をもつて御説明申し上げたいと思います。
#22
○尾崎(末)委員 これも数字の問題でありますから、ついでに伺つておきまが、昭和三年から昭和七年、いわゆる第一次欧州戰乱の前後であります。その間における國民の生活費と鉄道の旅客並びに貨物の運賃及び通信料金等、これは所管が違うかもしれませんが、官業という建前上、通信料金を含めて、この三者の指数がわかつておれば、御指示をいただきたいと思いますが、わかならければ明日にでも伺いたい。
#23
○藪谷政府委員 これも資料がただいまございませんので、数字を研究いたしまして、後ほど申し上げたいと存じます。
#24
○尾崎(末)委員 それでは、大体政府委員に伺うのはこのくらいにしてあとに保留いたします。
#25
○高瀬委員 先般交付されました資料の中で、進駐軍の輸送費が六月一日で改正になりますと、八十二億二千円ということになりますが、六月十五日になると実費によつて計算すると五十四降六千三百万円、かようになつております。これは一体どういう計算になつておりますか、これをひとつお伺いたいします。
#26
○木下政府委員 これは総務局の主管でございまして、今総務局の政府委員がおりませんから、あとからお答えいたします。
#27
○高瀬委員 実はこういう点で経費の点が大分違いますが、布どもの見るところでは、進駐軍の輸送費が実費で計算してみると非常に安くなつていやしないか。これは向う側に歎願するなり、あるいは交渉してみて、もつと收入を増加してよいのではないかという意見をもつておりますので、伺つておくわけであります。五十四億というのは非常に少い。もう三十億くらいは、六月十五日からやつたところで私は運輸省で申し受くべき数字ではないか、かように考えておりますので、伺つておるわけです。
#28
○木下政府委員 高瀬委員の御意見はごもつとも思います。なるべく進駐軍の方へ懇請して多くいただくという方針をとりたい、かように思つております。
#29
○高瀬委員 大体私は数字のことで伺いたいと思つておるのですが、減價償却費の六億一千三百万円というものを計上しております。減價償却費をたくさん載せるのは、赤字でないときは当然だろうと思いますが、現在のような赤字のときに、二階から目藥のような六億いくらというのを載せるのは非常にむだで、六億くらいは当然経費の節約面に流用すべきものだ、こういう意見をもつておるのであります。この減價償却費を強いて載せることには私は反対でありますが、その点はいかがでありますしようか。
#30
○藪谷政府委員 高瀬君のお説は一應もつともと存じますが、六億一千三百万円と申しますのは帳簿價格であげた数字でありまして、時價に見積りますと、もつと厖大な数字が出るのであります。対道以外の会社はすべて現在帳簿價格によつておりますが、本來、鉄道のような事業にありましたは、御承知のように固定資本が多くて流動資本が少いのでありますから、むしろ帳簿價格よりも、取替等によります支出の関係からいつて、貨幣経済の面より物の経済から見まして、時價によつてあげるのがほんとうだと思うのでありますが、それでは非常に多くなりますので、事業の性質上、小さい帳簿價格で六億だけあげた次第であります。これをとるかどうかにつきましては御意見の相違かと存じます。
#31
○高瀬委員 それから、廣告料とか貸付料金、営業料金、そういつたものの收入が六億四千万円というようになつておりますが、昭和十一年ごろから見ると、すでに物價が百倍くらいになつておりますからこれで、五億や十億は捻出することができると私は思います。こういう点を当局はどういうふうに考えておられますか。たつた三億四千万円というのは、廣告料とか貸付料、営業料金などとしてはあまりに安過ぎはしないか。鉄道の厖大な経営なり、財産状態なりから見て、あまりに安過ぎはしませんか。
#32
○藪谷政府委員 高瀬委員のお説はもつともでございまして、たとえば廣告料につきましては、昨年度は一千二百万円程度でありましたが、今回これを十倍程度に引上げて收入の増加をはかりたいと存じております。それから他の土地使用料、そうしたものも附近の料金を参考にして現在きめたあるのでありますが、最近の物價その他の変動に從いまして再檢討をいたしまして、できるだけ増收をはかつたいただきたい、こう存じております。
#33
○高瀬委員 それから予算面で見ますと、病院の経費というものが十一億くらいかかつておつて、收入は一億六千万円、非常に病院の收入が少いと思います。これは労働組合とか、実際の從事員の安寧、幸福のためにやるのですから、市中の病院とは違いますが、この間も私の友人が言つておりましたが、盲腸を手術して、藥をもらつて、一週間か入院して、たつた三十六円しか拂わなかつた。こういうことになりますと、まつたくただのようなもので、十一億もの経費をかけているなら、病院など少くとも二億円くらいの收入をあげるようにしてはいけないであろうか。一億六千万円ではあまりに少いと思いますが、この病院などに対して一体どういうようにお考えになつておりますか。
#34
○加賀山政府委員 高瀬委員御指摘の通りでございまして、ただいまは病院の入院料、藥剤を初め非常に安價でもつて扱つております。從いまして病院收入は至つて軽少なのでございますが、実は病院は共済組合の給付の一種としてやつておるわけでありまして、結局公傷病等につきましては、あるいは全額、あるいは半額というたふうに、政府がこれを補給することに相なるわけであります。從いまして、病院の関係の経費を高くすることは、結局まわりまわりまして政府の共済組合に対する交付金を殖やすということに相なるのでありまして、その点で差控えておりましたのであります。しかしながらそのアンバランスが非常にひどうございますし、また最近の貨幣價値から申しまして、適当なものにしなければならないと存じまして、本年度におきまして約十倍程度に増額する予定を立てておる次第であります。
#35
○高瀬委員 そうしますと、それは予算面に載つていないわけでありますか。
#36
○加賀山政府委員 ただいまの予算には載つておりません。
#37
○高瀬委員 それから資産勘定の中で、物品を賣るという面で三億六千万円という数字が出ておるようであります。この貯藏品の中の要らないもの、土地、建物、そういうものを賣れば、私は少くとも最低十億くらいの金は出ると思うのでずが、この点に対する所見はいかがですか。
#38
○加賀山政府委員 以前から資材を相当持つておりまして、これを委員会をもつて活用することに努めてまいつたわけでありますが、それを今後、あるいは近い將來において、使う途のないというものにつきましては、これはむしろそれを必要とする面へ拂下げを行いまして、また生産活動のもとにするということが資材活用の途で、國鉄だけで使うことを考えていてはいけないと存じまして、ただいま御指摘とは別の節で、資材を活用するという見地から、この問題を取扱つてきた次第でありますが、こういうものは特殊物件中にもございますし、また御指摘の國鉄に用品勘定中にもあるものであります。用品勘定は、ただいま時價幡八十億円に相当する資材を保有いたしております。これはこの物件の値上り等を考えますと、保有いたします資料は、石炭等を含みましてやはりこの程度のものは常時保有いたしませんと、なかなか損益勘定でありますとか、工事勘定等にすぐ必要とする資材の補給に間に合わないという状態でありますので、必ずしも多い貯藏高だとは考えておりませんが、先ほど申しましたように、中に不用品があるということで、ただいま具体的に現場にあたりまして、今まで極端に申せば取込み主義と申しますか、つまりいつかは使える、あることが便利だということで、保管にあたる面におきましては、なかなかこれを拂いたがらないのであります。けれども、こういう点を一擲して、むしろ使う見込みのないものはもちろんのこと、近い將來において使える見込みのないものについても、拂下げを行うべきだというふうに考えております。しかしその額はただいま御指摘のように、十億と言われましたが、そんなにはないと私どもは確信いたしております。そういうものにつきましては、数量も少うございますし、また種類も限定されますので、先ほど申しました約八十億程度のものは常時保有する必要があるという点から見まして、そんなに出てくるわけはないのでございます。なおこの委員会をつくりまして、現地的活動をいたしまして、これを摘出することに努めたいと思いますが。十億という金額は相当困難ではなかろうか。ただ本年度の予算中に雜收入十二億を見積つておりますが、その中には、一部想定のもとに拂下げによる收入も見込んでいるということを、御承知おきを願いたいと思うのであります。
#39
○高瀬委員 それに関連しまして、鉄道ではいろいろな物品を貯藏してはおりますようが、それは二、三年前に買つたものと、去年買つたものと、今年買つたものとでは非常に値段の開きがあると思います。その帳簿價格は今年の予算ではおそらく今年の物價で計上していると私は思うのですが、その点を、たとえば購入当時の物の値段で帳簿價格を計上すると、それだけ物件費が安くなる。これは非常なものじやないかと思いますが、そういう点はどういうふうにお取扱いになつておりますか。
#40
○加賀山政府委員 お答えいたします。先ほど申しましたのは、調達價格における價格を申したわけでありまして、時價ではないわけであります。これを用品勘定中の資材を工事勘定なり損益勘定で使います場合は、これはたとえば今回物價改訂があつた後に、その資材を取出して使うといたします場合は、そのときの時價でもつて決算をいたします。從いまして安く買つたものを高く損益勘定や工事勘定に賣る。こういうかつこうになるわけです。その結果用品勘定には買つた価段と拂い下げる値段との差が利益になるわけでありますが、これは結局買つた途端に、そのものもまた用品勘定としては準備をいたさなければなりませんから、今度準備をいたす場合は、つまり新價格によつて準備するということになりますので、結局これは用品勘定の運轉資金としてまわつていくというかつこうになるわけであります。從いまして損益勘定だけのことを考えますならば、あるいはよくもと安く買つたのであるから、安く値段をしたらどうかというお説を聞くのでありますが、これは現在の会計法規上できないことでありまして、損益勘定としては、他から買い入れたと同じように、用品勘定から時の公定價格をもつて決算をするという建前になつている。この用品勘定のそれが資金になつてまた回轉して、今度は新價格でもつて用品勘定がすぐ準備をする。こういうかつこうになるわけであります。
#41
○高瀬委員 その点は私は見解が違うのでありますが、そのくらいにいたしまして、鉄道のパスを七十万か八十万の人に出しているというお話でありますが、これをたとえば三分の一に減らしますと、約二十五万人ということになるわけです、二十五万人に出せば、相当に経費が節約になり、それこそ十五億ぐらいは樂々といくと思うのですが、いかがですか。
#42
○加賀山政府委員 非常にうまい計算をしていただいて、われわれそうなればたいへんありがたいと思うわけでありますが、ただいまの人数並びに枚数でやつております場合は、つまり臨時的なもの、わずか二日なり三日を限定して出すパスがございます。鉄道の仕事をしてもらうために部外に出しておりますパスは、大部分が臨時的性質をもつておるパスでございます。これらは結局一年の間に二日とか三日とか、一回乘るきりのパスでございますので、これが今お話になりましたように、たとえ三分の一になりました場合も、收入面におきましては大勢に非常に影響するような收入には相なるまいと実は考えておる次第であります。これは考えているだけでございませんで、このパスの使用度なりを大体測定いたしまして、これを運賃に換算いたしましたものが――最近のものはございませんが、これは第一回の國会のときに御報告申し上げたと存ずるのであります。全体としましても、パスによるものを全部有賃にした場合の運賃として假定いたしましても、非常な額にはならないのでございまして、二十一年度といたしましては、私正確に記憶いたしておりませんが、一千数百万円という計算に相なつておつたかと記憶いたしておるわけであります。
#43
○高瀬委員 よく行政整理、行政整理と言われますが、一体運輸省は行政整理はやる御意思があるのですか、それとも全然ないのですか、その点もよく伺つておかぬと――もちろん労働基準法で一万五千人は補充するというお話ですが、この労働基準法によるものまでわれわれは反対するわけじやないのですが、行政整理ということについて運輸省の考え方がはつきりとわれわれはつかめないのです。その点はどうなのですか。
#44
○加賀山政府委員 行政整理につきましては、國有鉄道として考えておりますことは、いわゆる行政機構を整備、整頓いたしますことにつきましては、前からお約束もいたしておりますし、これについては十分今後において努力をいたしていきたいと存じておるのでございますが、いわゆる行政整理が人員の面において定員の減少、あるいは現在員の整理ということに相成りますと、非常にこれはむずかしいことになりまして、從來は、現業に関しましてはもちろんこれは別である。但し非現業については、極力定員を落して集事を能率的に行つて、いわゆる政府の一般的方針と歩調を揃えてやつていくという方向にまいつておるわけであります。多少私見に相なるかもしれないのでございますが、定員を落すという問題は、もちろん可能性もあり、またやるべき点につきましては勇敢に実施しなければならないと存ずるのでありますが、現に働いている人を整理する段になりますと、これはなかなか一口に簡單に言い切るわれにはまいらないのではないか。これは從來労働組合等との関係におきまして、非常にデリケートな問題に相なつております。單に労働組合との関係において非常にむずかしいというばかりでございませんで、実際問題といたしましても、現下の社会事情なり、経済事情並びに國民の生活事情とにらみ合わして考えますときに、しかも退職金等につきましては、未だ根本的決定がなくて、ほんとうに先の心配をしなくてもいいというような額に相なつておりませんし、結局生活権を奪うような形になるわけでありまして、この問題につきましては國家的問題として考えていただき、またわれわれも考えなければならないのではないかと考える次第であります。從いましてこの問題につきまして、運輸省あるいは鉄道総局のみで單に方針を立てていくというのには、あまり困難な問題があろうかと考えております。ただ自分のところだけで考えてやろうといたしますと、一昨年のような問題をひき起す可能性が多分にあるというように私どもは見ておる次第であります。
#45
○高瀬委員 そうすると、たとえば人員の整理ということについては、運輸省は何らの熱意をもつていない。具体案もない。從つてよく世間で人が多過ぎるということについてはしようがないんだ。せいぜいやつて欠員を補充しない、こういう程度の方針しかないと解釈してよろしいのでございますか。
#46
○加賀山政府委員 これは本委員会でもごく大ざつぱでございましたが、われわれの考え方について申し上げ、また各所で申し上げている次第でありますが、われわれの観察といたしまして、結局多過ぎるか、少過ぎるかということは、部分的に見て考えてもいけませんし、また、鉄道の仕事が間歇的であるためにそこに仕事に余裕ができる時間がある。それで非常にひまだと見られる場合がかなりある。あるいは一晝夜交替というものが翌日は非番になります。それらがまた仕事がないというように目につく場合が多分にあるのでございまして、單にこれは外部からの観察のみをもつてしては、多い少いの問題は断定し得ないことはもちろんであります。われわれといたしまして、これが多いか少いかをどう檢定するかという点について申し上げますと、ワイモンド方式によりまして、結局仕事量と人員との関係を指数によつて明確にするのであります。このワイモンド方式によつて計算いたしました結果によりますれば、現在の六十二万七千人は、非常に少いという数字ではございませんが、非常に余つておる数字でないということはわれわれ確正をいたしておるのであります。
 從いましてわれわれの当面しておる問題は、あくまでも総体の問題ではなくて、配置のアンバランスであります。六十二万が非常に余つておるということならばどこにも欠員が非常に多いというような場所はあり得ないと思うのでありますが、現在依然として大都市附近における、特に労務職でございますとか、技術職におきましては、非常な欠員を抱いて、仕事にも悩んでおるというような状態でございまして、これが多い多いと言われることだけでなくて、われわれといたしましても、何とかして部内的に配置轉換等をいたしていきますには、これを簡單に補充したのではなかなかバランスがとれていかないのでありますから、これを極力抑えて――多少仕事に影響し、あるいは場合によつては爭議まで発展するようなおそれもなしとしないのでありますが、抑えて、そうして配置轉換等をはかつていく。五箇年計画で申し上げておりますように、少しの時間をお與えいただいて、その間にこの整理をしていくという以外に、私どもとしては、ほんとうにいい方法がないのではないかというふうに考えておる次第であります。もちろんこれはゆつたりと構えて、のんべんだらりと長くかかつてやるというつもりではございませんので、一年も一月も早く整備合理化をいたしたいと考えておりますが、今のところといたしまして、そういう方策で、本年度の新規採用等も極力合理的に抑えてまいりまして、これを合理化していく。そうして今後の五箇年間におきましては、業務数量が殖えましても、何とかして現在程度の人員を殖やさないで済ましていくという計画をもつておるわけであります。
#47
○高瀬委員 私はこの点について非常に見解が違うのであります。たとえば六十万人おればおそらく四、五万の人は補充しなくたつて浮いてしまう。それを計算すれば約二、三十億は自然に浮いてくる。これを拡げて積極的な方法で整理すれば五十億くらいの金は明らかに浮いてくると思うのでありますがその点はやめしまよう。
 それからよく問題になります代賣の手数料をどうするか、あるいは弘済会とか、交通公社とか、観光連盟に出している金、手数料は五%、弘済会には二十万円、交通公社に五百万円、観光連盟に一千万円を出している。そういうものは鉄道が景氣のいいときは必要でしようが、これをどういうふうに整理したかということを前提にして、この運賃の問題を審議するのが、あたりまえじやないか。この間もこういう点について伺つたところが、どういうふうにするか一向具体案がない。交通公社の手数料についても、昨日あたりどなたか伺つていたが、タバコだつて三十円から五十円になつたら、その賣上手数料はだんだん下るのがあたりまえですから、こういう運賃の値上げの審議の前に、代賣手数料はこうした、あるいは交付金、補助金はこういうふうにしたのだという具体案がなくては、一向雲をつかむようで、どこかに拔け穴があるのだろうということになるわけです。簡單なことですけれども、具体的にこの点はこういうふうにしたということを出していただかぬと、われわれは政府のどこかに穴を探つて経費を節約することを考える。そういうことをわれわれが一々やつておつたんではその煩にたえない。事実つつけば確かにあるのです。そういうものが具体的に出ていないから、どうも運輸省のやることを一般大衆も納得しないし、鉄道が國民と離れてしまうことになるのです。こういうことはこの審議に入る前に決定しておかるべきものだと思います。その点はいかがですか。
#48
○加賀山政府委員 仰せのようにそういうようにやるべきものだと考えておりますが、実はただいまお話のございました観光連盟、交通公社等に関する政府交付金は、これは高瀬委員はその道の專門家であられたのでよく御承知のことと存ずるのでありますが、本來から言えばこれは一般会計の負担すべき性質のものであろうと考えるわけであります。すなわち観光連盟におきましては、観光資源の開発であるとか、観光観念の普及であるとか、あるいは観光事業の発達をはかる地方的機関の総合中央機関でございまして、公社は同じくこれらの問題の実施機関に当つているわけであります。從いましてこれらの観光事業の重要性から見ますときは、この將來見えざる貿易をやつていくについて本腰を入れてやつているのは、この観光連盟と、交通公社であろうと考えるのであります。これらについては從來ともいろいろの経費をかけているが、從來はこれを特別会計が大部分を負担してまいつているわけでありますけれども、これは本來申しましたならば、一般会計で負担に相なるのが当然かと考えるのであります。從いまして今回の一般会計からの繰入れの中には、この交付金を含めておるわけでありまして、本年度からは國有鉄道特別会計の負担に相ならないことにいたしております。
 次に公社の手数料でございますが、これは年來五分という率をもつて計算してまいりました。昨年度は國有鉄道の運賃收入二十五億に対しまして五分の手数料を支拂い、これをもつて大体三千二百人程度の從事員の給與と、今申しました交付金以外に必要とする種種の観光関係の宣傳費、あるいは外人の案内、斡旋、待遇費に充ててまいつたということに相なつておるわけであります。從いまして公社に対する五分は切符の発賣の手数料と、それから特にその切符が國有鉄道の窓口で賣りますよりもサービスを伴う、案内、斡旋を伴うという意味で、それらに対するサービス料を含まれておるわけであります。それからもう一つは今申し上げた大きな部分として、観光関係の宣傳並びに外人の斡旋、待遇費等が含まれておるということでございまして、諸外國のそういつた旅行斡旋機関の手数料は、優に一割程度のものが多いわけであります。その点から見まして私どもとしては、この五分の手数料は高額ではないと考えておりますが、公社の予算面におきましてはここ一、二年、終戰後特に非常な赤字を現出いたしております。われわれはまた、ちようど各委員がわれわれをお責めになると同じように公社の経営につきまして、その合理化と原價計算を明らかにすべきこと等を責めておるのでありまして、この赤字がいずこからくるかということを檢討いたしております。この大きな部分はやはり人件費の高騰か、公社の経営に非常な影響を與えておることは事実でございまして、計算によりますと、昨年度におきましても二千万円以上の赤字を出しておるのでございます。今回の物件費、人件費の高騰を見込みますと、たとえ運賃が三倍半になりましても、現在の手数料では赤字が出るという計算に相なつておるわけであります。しかしながらただわれわれといたしましては、一氣にこれを引下げるということも困難でありまして、何とかして幾分なりとも手心を加えて、下げられるものなら下げたい。ただその場合には、公社の経営をして單なる旅行斡旋業者の域に落しますならばそれでよろしいのでありますが、やはり一面國の観光に関する代行機関的性格を果させますには、そういつた手数料ではとうていこれに当らしめることができないので、公社といたしましては、相当そういつた面の人員を整理いたしまして、観光事業関係の今までの経驗なりそういうものを捨ててしまうよりほかに途がないのではないかと考えておる次第であります。
#49
○高瀬委員 私は観光関係とか、あるいはいろいろな手数料とかいうものを全然やめてしまえというわけではなく、こういう鉄道の難局に際して、依然としてやるという思想が了解できない、こういうことを申し上げるだけです。
 それから石炭費の問題です。これは各委員からたびたび御質問がありましたが、漏れ聞くところによりますと、何か苫米地官房長官が、簡單に、重要産業並でいい、これでよろしかろうというのできまつたというように聞いておるのです。私はこれは非常に遺憾だと思います。鉄道の石炭に関する限りは、やはり超重点の重要産業並に指定されて、千四百何十円かで買うべきであつて、これを三千七百円も出して買うなんてばかなことは、私はどうしても了解できない。それじや財源をどうするのだというお話がありましようが、これは当然政府が十分考えればよいことであつて、事実鉄道を超重点の重要産業並に指定しないということは、日本をほんとうに再建しようというなら、非常にばかげたことだ。こんな状態で鉄道だけが高い石炭を買つて、炭鉱業者を利益さす必要はない。非常に軽率にきまつたということを私は聞いておるのです。これは政府の努力があれば、私は当然百億ぐらいの金はぽんと浮いてしまうという大きな財源だと思う。これは実に遺憾だと思いますが、この点を木下政務次官にお伺いいたします。
#50
○木下政府委員 高瀬委員の説を聽くと、なるほどその通りでありますが、私はその方面に対して関知しておりませんから、ちよつとお答えいたしかねます。
#51
○高瀬委員 とにかく石炭費の問題は、各委員とも十分関心をもつておられるし、どうしてもわれわれは鉄道が三千七百いくらで買う理由は毛頭ないと思いますから、これは強硬に反対いたします。まあいろいろありますけれども、私ばかりでやつてもどうかと思いますから、失礼いたします。
#52
○川野委員長 それでは午前の会議はこの程度にいたしまして、午後一時から再開いたしたいと思いますが、いかがですか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#53
○川野委員長 それでは一時より再開することに決定いたしたいと存じます。午後は安本長官の御出席を願つておりますから、安本関係の質問者も、午後一時より時間励行でお願いいたしたいと思います。
 それでは暫時休憩いたします。
    午前十一時五十一分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時二十七分開議
#54
○川野委員長 再開いたします。
 休憩前に引続き質疑を続行いたします。松本一郎君。
#55
○松本(一)委員 運輸大臣にごく簡單なことを一、二お伺いをいたします。鉄道職員の待遇の問題ですが、甲乙丙と大体三地域單位にわかれて地域差がつけられている。ところで実際はこれは非常に困つたことと思いますが、甲地に勤務している鉄道職員で、乙地あるいはもつと田舍の農家の子弟であつて、そこから通つている者がある。しかし勤務地が甲地であるがために、待遇は非常によい。しかしこの農家の子弟は、家庭には保有米をもつておつて、野菜物一つ買わなくても済む。ところが勤務地が甲地であるがために甲地待遇を受けている。またそれに反して丙地に勤務している。但しその家庭は野菜物一つでも買わなければならぬ所にあるが、丙地なるがゆえに手当は少い。非常にこの間、でこぼこと申しますか、不公平になつているということは御承知の通りであります。從業員を少く使つている個人会社ならば、甲乙丙おのおのその人の家庭生活をよく見て待遇が與えられるわけでありますが、大きな会社あるいは大官廳といたしましては、その差別は実際問題としてつけにくいとは思います。今日のごとく行き詰つてきた時代は困難ではありましようけれども、ある程度末端までもよく行き届くような待遇の方法を何とかお考え願うことはできぬか、こう私は思うのです。ですから労働組合運動にしましても、そういう方面の惠まれた者は、默つておれば待遇がよくなるのだから、心から切実なる希望はなくとも、つい人のあとについて騒ぎ立てる。しかし実際非常に差迫つているものは、いくら抑えようと思つても、抑える方がむしろ無理であるというような事情に置かれている人もたくさんある。ですから労働組合内の組合員の生活を見ますと、非常に千差万別になつているが、それが待遇改善となれば、ほとんど一律になつてくる。こういうことが今日のごとく行詰つた情勢下においては、大きな弊害になつているのではないかと私は思いますが、いかがでございましよう。何らかの御方針がおありかどうかということを承つておきたいと思います。
#56
○岡田國務大臣 松本さんにお答えいたします。地域給の件で勤務地が甲地になつているのに、住居している所が乙地もしくは丙地である。これらは大分得になつておりますが、その反対に、乙地に勤務しておつて甲地に住居を構えている場合には、仰せのごとく実際に即しない実質的の不公平がくるわけでございます。それは松本さんのおつしやる通り、これがもし私鉄などでありましたら、そこまでこまかくやるのがほんとうであり、やられているのではないかと考えるのであります。國鉄としましても、そこまでこまかく檢討を加えまして、不公平のない地域給を拂わねばならぬのが建前でございますので、よく末端を調査いたしまして、不公平を是正するということにしたいのでありますが、実際上の手続についてもし業務局長がわかつておりまするならば、業務局長から御説明を願いたいのでありますが、この種の不均衡、不公平を是正いたしまするためには、やはりその勤務地の國鉄労働組合の支部の幹部がこれに協力をしてくれませんと、できぬと思いますので、組合側とも協議をいたしまして、今後このような不公平を是正するようにいたしたいと存じます。
#57
○松本(一)委員 今是正するというお話でありますが、この点是正していただくことができればまことに結構ですが、会社とかその他実業界方面の從業員ですと、甲地勤務者はたとえ田舍から通つておりましても、これは交通費に金がかかる。但し國鉄從業員とか電鉄從業員は交通費に金がかからぬのです。個人会社でしたら、甲地におれば、その家庭は田舍で保有米はあり、生活は樂であるけれども交通費に金がかかる関係上、甲地の待遇をすべきであります。國鉄は決してそうでないという観点から、これは本省の御方針次第で、こういう場合はこういうふうにせい、ああいう場合はああいうふうにせいという末端まで親切に行き届くようにされるならば、この間のでこぽこが調整されて、氣の毒な人々の生活をより一層優遇できるのではないかと、こう私は考えるのであります。それでは私まだ質問したいことはやまやまありますが、さいわい安本長官がお見えになりましたから、尾崎君と代ります。
#58
○尾崎(末)委員 安本長官の御出席を委員長を通じてしばしば希望いたしたのでありますが、御多用中で長らくおいでを願えませんでしたので、質問を留保しておつたのでありますが、さいわいおいでを願いましたので、しばらく質問をさしていただきたいと思います。
 第一に質問申し上げますことは、運輸省の計画によりますれば、國鉄は今年度は超重点産業として石炭と同樣の取扱いを受けねば、本年の輸送量の最小限の確保、すなわち貨物においては一億一千五百万トンというものの確保もむずかしい。こう言つておられるようでありまするが、安本長官のお考えとして、國鉄を超重点産業並に取扱われるお考えがあるのかどうか、まず伺いたいと思うのであります。
#59
○栗栖國務大臣 お答えいたします。きようも運賃のことで司令部へ朝から行つておりまして、ようやく帰りましたら開会になつておりまして、どうもたびたび恐れ入つた次第でございますが、それをまず御了承願つておきたいと思います。それから今のお尋ねでありますが、これはすでに運輸大臣も申されたかと思うのでありますが、閣議で鉄鋼、石炭と同じような重点産業の取扱いを決定したのであります。これは輸送が諸般の事情から見まして隘路であることがはつきりいたしております。この隘路を打開することが経済再建の上にきわめて必要でありますので、鉄、石炭と同じように扱う。こういうことになつたのであります。ただこの労務用物資その他につきましての配給でありますが、これは鉄、石炭と同樣に非常に多くできるだけ傾斜配給をもいたしたい、こう考えたのでありますが、物資の供給の面において一定の限度がございますし、さらにまた鉄、石炭はすでに相当特別の配給などを受けている関係がございまして、それをこちらへ持つてくるということもなかなかむずかしい点がありますし、またそれと一緒にするということも、物資の点において不足するところがございますので、輸送につきましては、いろいろ運輸大臣からも御説明があり、私はまつたく同感でありますけれども、今年度におきましては、やや鉄、石炭と追つつかないところがあるのを御了承願いたいと思うのであります。私は鉄、石炭、輸送等につきましても、一定のときには需給、特配などについても調整を加えていきたい。こういうようにも考えておる次第でございます。
#60
○尾崎(末)委員 そうしますと、石炭の價格につきましても、特殊の取扱いをなされるということに閣議ではきまつたのでございましようか。
#61
○栗栖國務大臣 石炭の價格と申しますと、今年度の補正後の價格でございますが、これは價格補正はまだ作業中でございまして、閣議ではどういうようなものにきめるということをはつきりきめておらぬのでございますが、近くそういうものもきめたいと考えております。
#62
○尾崎(末)委員 次に伺いたいと思いますのは、運輸省の計画といたしまして、今年度中貨車四千五百台を新造すること、輸送用通信設備の機能を回復充実すること、運輸用諸設備、施設を調整強化すること、労需物資のことは今伺いましたからよろしゆうございますが、いま一つ修理建造に必要な電力を確保しなければ――昨年は電力のために非常に支障を來たしたのであるから、今年は電力も確保いたしたいこういうのでありますが、今述べました貨車の建造、輸送用通信設備の機能の回復、充実、運轉用諸施設、設備の整備、修正建造に必要な電力を確保する。こうした問題についても計画はすでにでき上つておるのかどうか、安本長官に伺いたいと思います。
#63
○栗栖國務大臣 輸送力の増強ということについては、機関車、貨車その他の設備を改善補修するのみならず、さらに増設することが必要であることは申すまでもないのでありまして、政府ですでにその貨車、機関車等の増設については方策をきめておるのでございますが、詳細についてはむしろ運輸省の方で説明していただきましたらいいかと思います。
#64
○尾崎(末)委員 運輸省に伺う範囲外のことでありまして、やりたいと申しても資材その他についての安本の方の計画ができ上つていなければ、運輸省でいくらお考えになつても実現が困難だと思いますので、資材とか、こういう面についての御計画は安本としておもちになつておるのかどうか、こういう質問なのであります。
#65
○栗栖國務大臣 資材につきましては、計画に副うだけの資材は何とかして間に合わすということで、閣議できめたものにつきましては、われわれは資材を檢討して、引当があるとして御承認を申し上げておるような次第であります。
#66
○尾崎(末)委員 その点はあとで運輸大臣に重ねてお伺いすることにいたして、それに関連する点でさらに安本長官に伺いたいと思いますことは、良質の石炭を使用することによつて一面においては國鉄の輸送力を強化し、一面においては機関助士その他の人員を少くすることができるとともに、能率を増し、また他面においては石炭の使用量を非常に少くすることができる。從つて予算において多大の節減をすることができると思いますが、かような良質の石炭を使用すること等の重要な計画を、安本においてすでにお考えになつておるかどうか、この点を伺いたいと思います。
#67
○栗栖國務大臣 良質の石炭を鉄道にお使いになることは経費を節減し、能率を上げる上においていいことを申すまでもないのでありますが、鉄道だけに良質の石炭を割当ることもできません。そのほか鉄鋼、セメント、肥料その他あらゆる重点産業にもそういう要請がございますので、そういうものを総合的に見まして割当をすることも今考えておりますが、これについても今後もそうしなければ仕方がないだろうと思います。なおその間で緩急を考えられるところがあるならば、なるべく鉄道の方にもそれをもつていきたいと思つておるわけでありますが、今のところ鉄道にのみそういうものを割当てるという計画はいたしかねる状況にあるのではないかと思う次第であります。なお先ほど來のことは政府委員が見えておりますので、私のあとで政府委員から附け加えていただきたいと思います。
#68
○尾崎(末)委員 政府委員の答弁はあとでぜひ伺いたいと思います。そういたしますと、重要な関連がありますので、この点を伺いたいのでありますが、現在五千三百カロリーの石炭が國鉄に使われておるというのであります。五千五百カロリー以上六千カロリー程度の石炭は現在どの地区にどの程度の数量生産されつつあるかということを、同時に六十カロリー以上の石炭も、どの地区に数量はどの程度生産されつつあるかということをまず伺いたいと思います。
#69
○栗栖國務大臣 その点は政府委員がここに参つておりませんので、後ほどあらために呼びまして、説明させることにいたしたいと思います。
#70
○尾崎(末)委員 この点はぜひ安本長官に伺いたいと思つた質問の重点なのでありますが、私の質問をいたします趣意は、先ほども御答弁になりましたように、鉄、セメントその他の方面にはどのくらいの数量を割当てれば足りるのだ、鉄道の方にはどのくらいの数量を割当てる計画があるのだということを伺つて、そこに私どもは國鉄の合理化の上から、あるいは予算の上から檢討いたしたいと思つておるのでありまして、その点非常に重要な質問なのでありますから、できるだけ早く御答弁を伺いたいと思いますが、いつ伺えますか。
#71
○栗栖國務大臣 これは石炭廳からが一番いいと思いますが、それは私の方から今連絡をとらせましてこちらに呼ばせて説明を申し上げたいと思つております。
#72
○尾崎(末)委員 それではぜひそういうことにお願いをいたしたいと思います。そういたしますとやはり関連をいたしますが、國鉄がもつております九州にある志免炭鉱の増産計画の内容等も安本長官は御承知ないのでありましようか。
#73
○栗栖國務大臣 具体的な増産計画その他については、ちよつと安本では知りかねる点がございます。もしもそれがお入用ならば、関係の省の方へ連絡をいたして申し上げたいと思つております。
#74
○尾崎(末)委員 それはぜひ商工省その他関係方面の方に御連絡をいたして、急いでお知らせを願いたいと思います。
 次に伺いますことは、現在の國有財産に対して、古くからの原薄以外に最近何らかの調査をされたものがあるかどうか、あればその資料を伺いたいのであります。またないといたしますれば、現在これを調査しておられるかどうか、同時に國有財産全体だけでなしに、鉄道の財産の調査を安本として御計画になつておるかどうか。ということは、よく耳にするのでありますが、帳簿に記載せられていない財産が鉄道の方にあるということを聞いたり、あるいはまた帳簿には載つておるが物が実在しないものがあるかもしれない、そういう点が非常に不明瞭なのだということをしばじは聞かされておりますから、そういう点について重要な参考になりますので、先に申し述べました二つの御答弁を伺いたいと思います。
#75
○栗栖國務大臣 簿外財産というようなことは、鉄道のみならず各省その他においても問題がございますので、いろいろ調べておるのであります。殊に鉄道のような官業におきましては、本來いうならば、はつきりしたものを備えなければならぬ関係がございますので、在庫調査規則というものによりまして今調査を進めております。これについても、まとまつたある程度のものは資料がございますし、また運輸省においてはもちろん資料もあると思つております。また運輸省内においても調査を最近もされておりますので、そういうような資料を両省で突き合わした上で、適当なものがありますればぜひごらんに入れたいと思つております。
#76
○尾崎(末)委員 それから運輸省の政府委員の御答弁でありましたが、二、三点伺つたのでありますが、終戰当時における軍のものであつたものを預つておる財産があるのだが、これは運輸省のものだとはつきりきまつていないので、かりにそれを処分をしても大藏省の方の收入になつていくのだ、こういう意味のことを伺つたことがありますが、一体こうしたものが運輸省関係にどのくらい預けられてあるのか、それについてお伺いいたします。
#77
○栗栖國務大臣 その点につきましては、閣議でもいろいろ問題になつたのであります。先ほど申しました在庫調査規則によりましてそういうものを取調べ、そうして全部判明いたすように今いたしておるのでございます。これが今ただちにすぐ表としてごらんに入れるまで進んでおりますがどうかについては、ちよつと実際を調べてみぬとお約束いたしかねると思います。
#78
○尾崎(末)委員 安本長官は非常にお忙しいということでありますから、重要なものだけを端的に伺います。次に伺いたいと思いますのは、國鉄に彈丸列車計画が前にあつたことを承知いたしているのでありますが、この彈丸列車用地としてあつたものは現在どういうことになつておりますか。当然安本長官としては民承知のはずだと思いますが……。
#79
○栗栖國務大臣 今これは別に処分をいたさないで、そのまま運輸省としてもつているような次第でございます。
#80
○尾崎(末)委員 そのもつておられる土地に対しましては、やはり近い將來に彈丸列車をやろうという御計画であるのか、あるいはその間有効にこれを貸與その他の方法によつて使用することができるのであろうか、そういうことについての御計画はないのですか。
#81
○栗栖國務大臣 この点については、今の経済復興の長期計画その他の中間安定計画等を立てているのでありますが、まだどういうようにするかというようなことは、安本に関する限りにおいては決定をいたしておりません。
#82
○尾崎(末)委員 それから、鉄道の列車の内外及び駅などにおける廣告を組織的に計画していかなければいかんという私の考え方によつて起つた問題がありますが、こういう方面に予算の面からも考えて、組織的に十分な計画を立てるお考えがあるかどうかということと、これに関連して、政府全体の予算の財源として考えてみて、郵便はがきやタバコ等の適当な場所に上品な廣告を許されるようなお考えはないかどうか。これは鉄道の廣告と関言いたしますから、安本長官がお見えになつたので、場違いのようでありますが、質問いたしたい。
#83
○栗栖國務大臣 これはこの予算を立てるときに閣議でも問題になつたのでありまして、やはり企業廳でございますので、独立採算制というようなことをするについては、他面において経営の合理化を極力進めるということと、一方においては收入の増加をはかることが大事でございまして、この廣告に料金を取立てて、收入の一助にするということは運輸省においてもやはり考えているのでございます。今回の予算の上では、二十二年度すなわち昨年度の收入の約十倍を見積つた收入にいたす、かような現状でございます。なお今後につきましても、そういう点は十分に考え、交果的に廣告の交果を発生さすと同時に、また收入の増加をはかるようにいたしたいと考えております。
#84
○尾崎(末)委員 もう二点であります。経営形態の合理化が強調せられる折柄でありますので、大ざつパなお考えで結構でありますが、運輸省の機構を改革し――従つてこれはひとり運輸省のみに止まらず、他の省にも影響してまいることでありますので、安本長官に関係があると思うのでありますが、例を運輸省にとつてみますならば、運輸省の機構を改革する、同時に行政整理を断行する。例を引いて申し上げれば、本省のごときは資金と資材と企業の指導、この三つほどにこれを縮減をしてしまい、同時に鉄道局との二重監督の弊害を改めるというようなことから、まず合理化が始められなければならない、こういうように考えるのでありますが、そうしたことについて安本として何らかの御計画があるかどうかこれを伺いたいと思います。
#85
○栗栖國務大臣 御趣意私まつたく同感でございまして、行政調査部というものにおきまして、運輸省の機構についての整備改善をはかるためにいろいろ話を進めておるのであります。そのときの一つの問題といたしまして、運輸省のうちで、殊に國鉄の加には行政的の面と、行政でない現業の面と二つが一つに構成されておると思うのであります。そこで独立採算制というようなことを國鉄について求める上からいいましても、この企業関係と行政関係とを区別をするということが必要になつてくるのであります。そこでそういう方向について行政調査部でも非常に檢討を重ねておる次第でございます。
    〔委員長退席、高瀬委員長代理着席〕
今回の予算に対しましても、國鉄の方の行政関係のものも、この我立採算制という立場から、料金その他によつて賄うというのは穏当でないと考えた次第でございます。そこで一般会計から、そういう行政費は繰入れるという新例を開いた次第であります。それだけではなしに、さらに企業廳というようなものについてある形態を整えて独立採算制をする、そうして本來ならば一般國庫の負担にかかわらないで、その方で負担をしないで、赤字のない会計を維持して行くようにいたしたいと考える次第でございます。なお私ども長らく民間におりまして経理の方面を扱つておる者から見ますと、実は資本勘定といいますか、設備勘定と損益勘定の区分の十分につかないような企業の形態では、十分独立採算制もとれないと考えます。こういうような点も十分考えまして、独立採算制をとり得るような企業の形態をこしらえたい、こういうような意見が非常に述べられております。しかしまだ行政調査部としてまとまつた意見に至つておりません。從つて閣議でもまだきまつておらないのであります。
#86
○尾崎(末)委員 お急ぎのようですからあと一点……。この國有鉄道運賃法案の第一條の、運賃及び料金は、左の原則によつてこれを定めるといううちの四番目であります。三番目までのところは運輸大臣に質問を申し上げたのでありますが、四番目に関係がありますので、特に安本長官のお答えを伺つておきたいと思うのであります。それは四番目の、「賃金及び物價の安定に寄與すること。」ということに重大な関係があるようでありますが、鉄道の運賃が直接に、あるいは間接にしろ著しく物價に影響するということは、ほかの物價を値上げした場合にあるような單純な影響ではないと、こう私は思つておるのであります。汽車は絶えず動いておる。そうして原料や資材及び物品が移動するのでありますから、すなわち生きたもののように動いておる。動くという力から生れる影響だから、その影響力は他のものを値上げしたというような單純なものと違う。複雜な大きな影響をもつ。例になるかどうかわかりませんが、百円札は一回使えば百円の値打しかない。十回使えば千円の働きをする。こうした影響力というものは、國鉄は他のものと違つて非常に大きい。從つて毎日、毎月、毎年の輸送の数量というものが大きければ大きいほど、わずかばかりの値上げによつても、物價に非常に大きく響く。まして今回の三倍半という莫大な値上げが、インフレに拍車をかけることは議論のほかであると私は思うのであります。しかるに世上には、旅客運賃の大幅値上げは困るが、貨物の方の値上げは大きくしても構わぬという意味の声を聞くのでありますが、これは私ははなはだいかぬと思うのであります。こういう複雜な、しかも大きな影響力をもつ鉄道の運賃を著しく大幅に上げるということが、この第四の賃金及び物價の安定に寄與するということをお考えになつておるのであるかどうか。どうも私はこれは納得しかねるのでありますが、この点についての御見解を伺いたいのであります。
#87
○栗栖國務大臣 この原則の点より見ましても、独立採算制という原則から言うならば、もつぱら私は企業、あるいは國家の運賃政策上の原則であると思うのであります。しかし國民経済全体から見ますと、運賃政策も一環であると同時に、物價政策もまた一環、生産政策もみな一環でありますから、そこで物價政策としては大幅に上げない方が政策としては非常にいいことは、ただいまもお話になつた通りであります。しかし独立採算制の建前、すなわち運賃政策としては、相当に上げないと赤字でいかぬということになるわけであります。そこで二つの政策は互いに相反するとは言いませんけれども必ずしも同一方向にいかぬ場合に、総合的にこういう政策を、さらに國民経済という高いところに立つて考える必要があるのであります。そういうように考えまして、物價にも非常な影響を與えるけれども、しかしそれでも何とか物價の中に吸收し得る料金の引上げ、それから独立採算制という面でなし得る料金の引上げというような、両方の点をとつて調整した結果が、政府原案におきましては三・五倍づつを上げるということになつたのであります。ただいまお話のように物價に與える影響というものが相当な数字になつておりますので、ここにちよつと調べてまいりましたから、読み上げさしていただきたいと思うのであります。國鉄貨物運賃、汽船運賃、機帆船運賃並びに小運送及び港湾荷役の料金等の輸送費が價格の中に占める割合はきわめて大きい。ただいま物價廳において算定しておる補正價格――今回の補正價格でございますが、これは補給金を交付しない場合の裸値段であります。補正價格についてその割合を檢討してみますと、次に申し上げるような数字になるのであります。この場合國鉄貨物運賃は、今政府が提出して御審議を願つております三・五倍、汽船運賃は三倍、その他は二倍強、こう想定して補正價格を算定してみますと、石炭についての補正價格二〇%が輸送費であります。これは國鉄だけでなしに、すべての輸送費を含めております。コークスは一八%、石油は一五%、鉄鋼、鋼材は二四%、セメントは一四%、硫安は七%、過燐酸石灰は一二%、ソーダ灰は一四%、荷性ソーダは一五%、こういうようになるわけであります。それから今申し上げました輸送費のうちで、國鉄運賃だけを拔き出して價格のうちに占める割合を檢討してみますと、石炭については補正價格の五%、コークスは三%、石油は六%、銑鉄は六%、鋼材は一三%、セメントは五%、硫安は二%、過燐酸石灰は四%、ソーダは八%、こういうようになるわけでございます。これはこういう基礎資材が上りますと、それによつてつくつた製品がさらに上るわけでございまして、相当大きな影響力をもつわけでございます。そこで物價政策から言うならば、そういうような赤字をなるべくほかの面において吸收して、料金引上げに求めないというのが原則でなければならぬのであります。しかし独立採算制という立場、殊に健全なる運賃政策ということから考えますと、どうしても今の赤字を覆うためには料金を相当大幅に引上げなければならぬ。こういうことになるわけであります。そこで双方の政策を調整して、適当なところに置くということが、今総合的な経済政策としてきわめて必要でございます。そこで政府は貨物と旅客を三倍半ということにしたのであります。旅客の方はしばらくおきまして、貨物の方は実は眼に見えないのでございますが、実際上の数字は、今申し上げましたように、非常に大きな影響を與えておるのであります。この三倍半で食い止めましても、消費物資は、今の値段の平均七割、あるいは八割のところまではどうしても引上げられるということであります。これ以上はどんなことがあつても、貨物の方は、物價政策上どうにもできぬということになるわけであります。しかしほかに財源もないということであるならば、價格の上に三倍半だけのものに相当するものは吸收せざるを得ない立場にある。双方をかれこれ見まして、こういう案を立てたのでございます。これは國鉄におきましても、非常な経営の合理化、節約等をいたしておるのであります。今後はますますいたすわけであります。これをいたしてなおやむを得ないときに、料金の引上げをいたすのですが、料金の引上げにつきましても、また貨物旅客のことにつきましても、殊に貨物の点においては物價の関係、國民生活の安定という面から、今申し上げましたような限界点があるのであります。その限界点まででようやく止めているのが政府案であると思うのであります。しかし料金が下げられるように御審議を願うことは、きわめて必要なことであります。けれども、それは赤字のままで下げるというわけにはいかないのであります。必ず充実した新財源をもつて、この引上げを軽減することによつて生じた赤字を埋め合わすという両面を考えなければならない立場に置かれておる。こう申し上げたいと思うのであります。
#88
○尾崎(末)委員 最後に一言しておきます。今詳細に御意見を伺つたのでありますが、伺つた中の、いわゆる運賃政策の上からいくことと、それから物價政策の上から考えることと、相反したような方向にあるのだ、こういうような意味のお話だつたと思うのであります。この二つを並べてみて、現在政府がとらなければならないことは、物價に非常な大きな影響を與えることが、國民生活を困難にし、産業の復興を困難にすることになるのでありまして、こういうことになれば、二箇月か、三箇月いたしますと、またさらに鉄道の値上げをしなければならないことに必ず立ち至ると私は思うのであります。でありますから、この二つの、いわゆる收支償うに足るだけの運賃という建前から、違つた言葉で申せば、独立採算制という言葉をお使いになりましたが、今回の値上げの計画は、私どもはほんとうの独立採算制なるものでないと思つておるのであります。單なる收支のバランスを合わせようとするものにすぎないのである。かつてソ連で行い、ドイツで行い、アメリカで行つて根本的な独立採算制は含まれていないと私どもは思うのであります。單に採算を合わせるというやり方から、現在の物價というものを著しくつくり上げる結果になる。こういう行き方がはたして現政府のとるべきやり方であるかどうか。こういう点について私どもの色たと大いに違うのであります。意見が違うと言えばそれまででありますが、二、三箇月後にあるいはまた値上げしなければならないかもしれぬということについての、何らかのお考えをもつていらつしやるのがどうか。これだけで質問を終りますが、その点を伺いたいと思います。
#89
○栗栖國務大臣 御質問の要旨はきわめて要用な点でありまして、私この点をいま一つ申しておかぬと、私の説明も完了せぬと思いますので、ちようどよん問題に触れたと思いますから、私も最後に申し上げたいと思うのであります。今お話のように、料金引上げを低目にするということが、これは物價政策その他ではきわめて望ましいというお話でありましたが、その面においてはその通りであります。そからば低目にしましたならば、そこに生ずる鉄道会計の赤字を何で処理するか、こういう大きな問題が出てくるのであります。これを一般の会計から補充いたす。補填いたすということになりますと、一般会計では十分な財源がなくて、そうしてさらにそれでは増税その他というものによつてこれを補填しなければならぬことになると思うのであります。國民の租税力ももうぎりぎりのところにあります。その上鉄道については、利用者が相当の負担をすべきものを、それを切り下げて、一般の税によつてこれを賄うということも、ある程度はよろしゆうございますが、限界点を超えておるということになりますから、現状の財政においてはなかなかできぬことである。これは大藏大臣がるる述べておることと思うのであります。そういたしまして、一般財源からそれが補給できぬことになりますと、それならば赤字によつて借入れをするという以外に途はなくなるのであります。赤字によつて借入れをするということになりますと、これは日銀の資金を借入れることでありまして、通貨が増発されるのであつて、インフレーシヨンはその面において拍車をかけられ、そうして物價はその面において上ることは、今日までの経路によつてよく御存じだと思うのであります。かように、そういう面からもかなかないかないので、いかない点と、できる点とを、かれこれ見合わせまして、こういうような最善の妥協案を――調整案をつくつて、御審議を願うように至つたのでございます。今の財政、國民経済が、鉄道会計もみんな赤字でございまして、こういう無理を生ずることはやむを得ないことでございます。將來はお話のようなことで整理していなかければいかぬことであります。あの地震直後においては鉄道会計は黒字であつた。日本の地震救済の外債をされましたときに、まず第一に向うが見に來たのは、鉄道の会計であつた。それがりつぱに黒字であつたので、そのまま外資の輸入ができたのであります。こういうような昔にかえさなければならぬのでありますけれども、今の敗戰直後におきましては、そうまではいけません。それを目途としながら、こういう点において調整を加えた案をつくらざるを得ないという事情にあるということを、御了承を願いたいと思う次第でございます。
#90
○尾崎(末)委員 時間の関係で多く申し上げませんが、結局私の言うところは、もう営しなすべき手を打てば、これほどの大幅の引上げをしなくても、財源は出てくる。こういうのでありますが、意見の相違にもなるから、あるいは政策の違いということにもなつてきますから、時間の関係上、これだけ申し述べて、他の委員に譲ります。
#91
○栗栖國務大臣 なおちよつと私一言、この財源等につきまして申し上げたいと思います。今回運輸省においてもあらゆる点において檢討を続け、合理化、あるいは不用の資産の賣却その他によつて、財源を捻出するように努めた次第でございます。われわれもいろいろ努めたのでございまして、一般財政から能う限りの繰入れをいたしたような次第であります。そういう事情でございまして、いろいろ財源等についてお示しがあり、この程度というようなことがあるならば、われわれは料金の引上げは、殊に私の方の物價政策から言うならば、最も好まぬところであり、まち運輸省といたしましても、國民の好まぬところをいろいろされるということもないと思うのでございます。もし充実した財源等でお示しがあり、結構な御意見を承り得るならば、政府としても、さらによりより案ができると思うのであります。政府としては今までのところ、これで最善の案をつくつた次第でございます。何とぞそういうような点についても、いろいろ御指示があるならば仕合せと思つておる次第でございます。ちよつと附け加えておきます。
#92
○高瀬委員長代理 松本一郎君。
#93
○松本(一)委員 経済安定本部長官にお伺いをしたいと思います。ただいま尾崎さんからも御質問がありましたが、運賃と物價との関係についてであります。先ほど長官のお話を伺つていますと、今度の運賃値上げによつて、まず高々七割ぐらいの物價の値上げより想像することができぬというようなお話に拜承したのであります。私どもはこの画期的なる、一口に言えば無謀なる運賃の大幅引上げをやつたならば、必ず物價の面におきましては、マル公はともかくも、やみがますまま横行して、総体的に三倍ないし四倍というような、おそるべき物價騰貫をして、経済を根底から破局に導くということを心配するのであります。先ほど御説明によりますと、石炭とか、あるいは肥料とか、運賃値上げの結果生ずるパーセンテージというものは、まことに低いようにお話がありましたが、これはどこから割り出されたか知りませんが、一口に私に言わすれば、これは非常な値上りだ、こう申すより仕方がないと思います。現に物資の輸送に携わつておりまする私どもが、つぶさにいろいろなものについて考えておりますとき、今度政府が上げられまして――汽船は三倍である、その他は二倍だと言われますが、おそらくその他と言えば、運送店の積込料、おろし料あるいは扱料とか、倉庫料とか、あるいはトラツク、あるいは牛馬車の小運搬等を見られたものと思います。しかし國鉄が三倍半に値上げせられたら、必ず他も三倍あるいは三倍半に上げなければならないと思います。それはどういうわけかと申しますれば、國鉄の今度の大巾の引上げの原因は、なるほど資材に金がかかるという面もありまするが、一つは賃金ベースを相当上げなければならぬ、こういう関係から生じておるのである。しからば官業從業員だけが賃金ベースを上げた場合に、民間会社などが賃金ベースをそのままにしておくことができるか。これは絶対許されぬのであります。國鉄の今度の官公署の賃金ベースを上げぐあいによつて、必ず民間にはそれに伴う重大な影響が生ずると思いますときに、國鉄自身が三倍半に上げれば、必ず他も三倍半につくもの、こう考えなければならぬ。そこで先ほどお話はありませんだが、その一例にまず木材をとつてみると、産地は御承知の通り秋田でございますが、秋田から隅田川木材をもつてくるという場合に、運賃計算はどうなるかと申しますれば、大体十トン積一車といたしまして、その鉄道のレール運賃というものは、現在は千三百七十八円です。ところが積込料、それから扱料とか、あるいはおろし料、あるいは置賃すなわち留置料というもの等を、全部総合いたしますと、運送店だけで千六百二十円今かかつております。鉄道と運送店とで、合計いたしますと、約三千円である。この三千円というものは、その比率は、十トンの原木代は九千円でありますから、約三三%に当つておる。製材の場合におきましては、製材は約一車二万円積めますから、原木二万円に対しましては一五%に当ります。ところが今度駅出しの小運搬業、あるいは引取料等を含めますと、おそらく一車約五千円と見なければなりません。九千円に対して五千円は六〇%になる。これが現在である。ところが今度三倍半になりますと、鉄道運賃だけで十トンで一車四千八百五十円かかります。それに運送店関係の積おろし扱料一切で約二千四百三十円かかる。これは約三倍と見こんで、鉄道の三倍半に対して運送店関係は三倍と低目に見てです。そうすると一車が約七千二百八十円になる、駅出し小運送料を含めますと約一万四、五千円になつてくることが想像されるのであります。現在もうトラツクも牛馬車も、今度三倍半に上るということを想像して、今準備をいたしております、もし上げないということになれば、動かないということになりますから、表向きマル公を上げなくても、チツプとかその他の関係で実質三倍半にしてやらなければ、相手が動かない。滯貨は現在でも莫大な数に上つております。荷主は仕方がないから、資金が枯渇しておりますから、運賃は高くとも頼まなければならぬ。こういう実情になつてくるときに、もし今度三倍半にも上げて、すべてがこれに伴いますと、一車に約二万四千円かかるのであります。現在一万四千円のものが二万四千円になる。すなわち一万円よけいかかる。こういうことを私どもは想像いたしますとき、非常にここに――材木だけでもその通りでありますが、また現在市場におきまして、たとえばりんご、みかんというような自由販賣の果実類も、運賃値上げを見越してすでに相当高くなつております。今度三倍半が確定したら、これはおそらく倍にも三倍にもなろうということが想像されるのであります。こういうことから考えて、この國鉄なるものが独立採算制というような経理面から出発することを、この間うち大藏大臣も、また今日も話されていましたが、他の面もにらまれてはおりますけれども、大体國鉄は産業開発と、いま一つには國民の福祉増進という公共的の性質を多分に含んでおるのである。採算というようなことは、むしろ時と場合によればやむを得ず度外視しなければならぬ。酒、タバコの値上というようなものとは全然意味が違うのだ。國鉄や縣道を通る者から税金をとるのとやや似たりであります。それがために独占的事業の性格も帶ばしてあれば、土地收用だとか、あるいは公共的の寄附を相当地方から求めて鉄道を敷設さしたというような点から考えまして、國鉄がなすべきことを十分にし、また國鉄でできぬところは、政府自体が他の面においてもなすべき最善の方途を講じて、これを國民の利用する人の負担にかける、あるいは物價に大きな影響を與えるというようなことは絶対この際は避けなければならぬのじやないが、こう私は考えますので、物價の面に対する影響について、いま少しく安定本部長官の御意見を伺いたいということと、國鉄が公の機関であるということ、公器であるということ、これはアメリカとか、あるいは諸外國の鉄道とはその生立ちが違うのである。もともと敷設当時から今日までの國鉄なるものの事業の本質が違うということ、この二点についていま一度御所見をお伺いしたいと思います。
#94
○栗栖國務大臣 今の松本君の御質問でありますが、これは御趣意のところは私もよくわかるのでありますけれども、もう一つ考えていただきたいと思うのであります。それはもし独立採算制を捨てて、そうして料金の引上げをある程度軽減をしていくということも一つ考え方でありますし、また方法でありますが、そうすれば独立採算制を捨てたことによりまして、赤字が相当出るのであります。現在においても大体鉄道には百億の繰入れをいたしております。これは國民の税から集めた尊い金であるのであります。もしその赤字を埋めないでおいたのでは、鉄道の運営はできぬわけでありますから、何か埋めなければならぬということになつてくるのであります。それではさらに國民に税を課して、それによつて埋めるのが一つの方法、日銀その他から借入れをするのが、先ほどから申しました一つの方法であります。この税をとるということは、これは一方勤労者諸君の負担の軽減という意味においても、所得税の軽減を大幅に数百億にわたつていたしたのでありますが、これ以上税を課するということも、大衆課税その他からほとんどむずかしくなると思うのであります。それから日銀から借入れをするということでありますが、これはいわゆる赤字借入れである、赤字の資金が出るのであります。百億借入れをするならば、それだけ日銀券の増発により、インフレーシヨンに拍車をかけることになるわけであります。そうすると税では賄えない、あるいは借入れでも賄えないということであるならば、内部で会計を切り詰めてできるかというのでありますが、これも現在においては相当切り詰めて経営の合理化をお願いしておるのであります。なかなか現在急にといつても、至らないことがあると思うのであります。かれこれ考えますと、代るべきいい手段があるならば別でございますけれども、現在のところでは、運賃その他の独立採算制をとことんまで貫くことは、料金の引上げが大幅になつてとうていできない。それならば、ある程度引上げて利用者負担、独立採算制を貫くというような点におきましては、一般國庫から補給する、繰入れをする。こういうことで百億の繰入れ、その他においても十四億があるのであります。そういうものを繰入れをしまして、双方の調整をとつておくことが最後の途ではないかと考えていたしたわけであります。それで運賃が上るのは、今お示しのように貨物の運賃その他を上げて、それが物價に影響することも非常に大きいのであります。それと同時に通貨が増発されて貨幣價値が下る、その代り物價が上る、これも非常に大幅にやつてくるわけであります。こういう点をかれこれ考えますと、中道ということにおちつくことになろうと思う次第でございます。
#95
○松本(一)委員 今の御説明ですが、國鉄の独立採算制ということは近ごろ盛んに言われることであります。これはこの間大藏大臣に所見を伺つてありますが、経済安定の重責にあらせられるあなたよく伺つておきたいと思います。國鉄の赤字なるものは、敗戰の結果、終戰以來できてきた、それまでは黒字であつたことは御承知の通りである。その当時特別会計から一般会計へ相当繰入れておつた。あの当時はさんざん繰入れさしておいて、戰爭に負けたから赤字が出る、お前の方で勝手にせよというのでは、わずか百億くらいの繰入れで私は義理が済まないと思う。ですからあの当時の國の予算に比較して、一般会計から今度は國鉄に繰入れをして代償するくらいの方法をとられたらどうか。それをこれまでもうけたのはとつて、今損がいくから、お前たちは勝手にせよ、その負担を國民大衆にかけなければならぬというのは、少し話が違つていわすまいか。結局國民の税によるか、あるいは通貨の増発によるか。通貨を増発すれば、たちまちまたインフレに拍車をかけるのではないか。これは観点の相違になつてまいりますが、今三倍半に値上げされたら、翌る日から物價は恐るべき暴騰である、これは断言してはばからないと思います。むしろ通貨の増発の方が同じインフレに拍車をかけるにしても、除々に緩漫にやつてくるのではないか。私は決して石橋財政を謳歌するのではないが、とにかく銀行屋さんで固い栗栖さんですから、そういう方面を非常に氣にされているとは思いますけれども、いずれにしても、インフレというものは悲しいことには、もうしばらく止まらないと思います。今度のような大幅は――ものにも程度がある。だれが考えられたか知らぬが三倍半。それはタバコがこういう調子、酒がこういう調子ですから、タバコや酒なら、吸わなくても、飲まなくてもよいが、せつかく汽車が走り、電車が走り、バスが通つている。私鉄はこの間五月十八日より七割五分上げた。ところがバスは空つぽで走つている。お客は皆泣く泣く歩いているのが実情であります。要するに無賃バスが、特権階級か、あるいはブルジヨア階級なら汽車に乘つてもよいが、中産階級以下の者は勝手に歩けと言わんばかりの今のやり方ではないか。おそらく國民投票に問われたら、反対が多かろうと私は思います。私どもは世論の代弁者であります。背後には多数の有権者があり、國民があるということを考えますときに、何としても一般会計からもつと大幅に、石炭補給金を出されてもよし、大体助成だとか補給だとかいう言葉が惡い。ほんとうは政府がこれを負担すべきものだ。特別会計から一般会計に年に五億も六億も、國の会計が二、三十億のときに繰入れておつたのだから、この際御恩返しすべきが当然だと思う。それを他にならつて独立採算制だとかいう小むずかしい理屈をつけてやられることが、私はどうかしておるのではないかと思う。ですから他の方面で行政整理をやるとか、國鉄には内部には相当やらなければならぬ部面もある。こういうところをおやりになつてから、もうにつちもさつちもいかぬから、運賃を上げるというのなら、國民は得心いたします。ところが他の方面ではそうではない。この点われわれ、否國民の納得がいなぬから、これについての御説明が願いたいと思います。
#96
○栗栖國務大臣 ちようどよい機会でございますので、申し上げます。各委員にあらわれては、運輸交通の委員であると同時に國会議員であつて、そうして國民の全体の利益をも代表していらつしやる。私もそのためのサーヴアントをいたしている、こういう考えでございます。運輸政策という点からいえば、今お話の通りであります。しかし他の面においてこれ以上税がとり得るかどうか。これは財政全融あるいは予算の面においては盛んにまた議論がでているわけであります。今お話のようなやみの点がありますが、やみ物價が上る。三倍になるというのは、やみ物價を指していらつしやると思います。これはそういう点が非常にありますが、やはり今度の経済査察とか、あれも單に経済違反を摘発するという意味でなしに、経済違反になる原因を調べて、そうならないように調査する。そういう予防が主でありますが、そういう点から、やみ價格のつり上げ等については別途において適当な政策をとる。それからさらに國民がやみ物資によつて生活する依然度を非常に低めていく。今ではマル公によるものが六五%くらいでありますが、これを上昇させて、やみを撲滅していく、こういうような各面からの方策をとりまして、この危機を切り拔けなければいかぬと思うのであります。なお今松本さんのお話がありましたが、かつて私も鉄道には金のことで嘱託をいたしておりまして、その金を繰入れてあるということはよく存じておりますけれども、今それならばそれを繰もどせということになりますと、國民の税、あるいは專賣利益を高く引上げなければ、とれないのであります。これもなかなかむずかしい点があるということであります。それから私が銀行出であるがゆえに、非常に通貨の増発をおそれているという趣意ではありません。通貨の増発がおそるべきインフレーシヨンに拍車をかける。結局物價と賃金の惡循環、名目賃金の引上げはさらに物價を引上げ、物價の引上げはさらに増発を誘致する、こういうことに相なるのでありまして、財政その他の國民経済の各面において通貨の増発を防ぐということが、この危機を切り拔け、生産意欲を向上させ、生産増強ができるもとであると思いますので、かれこれ諸般の政策をにらみ合わせますと、借入金に依存するとか、あるいはこれ以上繰入れたものを繰もどせといつて、税を課してこの際ただちにとるということもむずかしいのではないかと考える次第であります。
#97
○松本(一)委員 お急ぎでしようから簡單にいたしますが、ちようど去年の七月の物價改訂のときの和田安本長官の委員会におけめ御答弁とよう似た御答弁と実は伺うのです。さらに経済査察廳を設けて、これからは流通秩序の確立でやみをなくしてしまう、なるべくマル公生活のできるように、こういうお話でありましたが、給局片山さんも散々御苦労願いましたけれども、やみはなくならなかつた。去年の七月も、物價改訂をやつてそうして流通秩序を確立して、この十一月には勤労者の家計は三百九十九円の黒字が出ますと言われたのは和田さんだつた。黒字どころか、大きな赤字になつたでしよう。結局それと同じことで、今査察官を、政府の原案によると何万人だそうですが、今度は減つて五千人か八千人になりましたが、置かれたところで、その査察官がやみをやるのですから始末がわるい。帰するところ、マル公生活とやみと七・三か、あるいは五分五分、これでともかく経済危機を切り拔けなければならぬというのが、今日本の置かれておる段階だ。そうすれば結局マル公は、先ほど数字に示されたパーセンテージで收まらないと思います。マル公でもこんな調子ではなかろうと思いますが、おそらくやみはおそるべき暴騰を示す、こういうことを考えますとき、この運賃の値上げは――、ものには順序があります。まず一倍上げ、今度一倍上げる、こういうのでなければならない。一遍に三倍半だ、この次は五倍だ、こうなつてくる。國民は頭にピンときてしまいます。國鉄の運賃を三倍半にするからというので、全國の大学、專門学校が月謝三倍半だ、この間発表したでしよう。こうなるのですから、この際もう少し倍率を引上げられて、そうしてお苦しいでしようが、他の方面で財源を見出したらどうか、こういうことでなければならぬ。ちようど今度の行き方は、敗戰の結果やむを得ませんが、三百年前に徳川五代將軍のときにやつたある元祿年間の惡政と一緒になつてきた。当時全國に暴動が起つた。それはなぜかと言うと、將軍も、大名も、さむらいも、將來の祿をもらわなければ栄耀栄華に経費がかかる、その負担は全國の農民や商工業者に負わした。一筆一筆調査して檢地繩入れして、十万石の大名は十五万石取立てるようにしたでしよう。そうして自分の生活を維持しようと考えた。人員整理とか、祿を少くするというようなことをやらなかつた。それで全國に暴動が起つて、帰するところ二宮尊徳などが出てきて、まず大名の生活を切り詰めよ、人員整理をせよ、こうなつてきた。それから初めていわゆる享保、安政年間に建直しが始まつた。今日日本の行き方を見ておりますと、まことに大世帶にしておいて、世界の四等國が五等國か知らぬが、敗戰日本がこの大きな世帶を切り盛りしなければならぬ。そこにすでに無理がある。ですから、経済安定本部長官とお名前だけでも結構ですが、これからひとつ経済を安定させるという方向に進んでいただきたい。そうでなければ不安定本部と名前を変えてはどうか。そう申すと失礼ですが、そこまで御決心を願つて、今度の予算案についてはできだけ國民の希望を容れるように、政府自身が、場合によれば修正にも應ずるというお覚悟をひとつお願いしたいと思います。
#98
○栗栖國務大臣 今の元祿というのは天保の改革の間違いでしよう。水野忠邦の間違だろうと思います。私は水野忠邦と思つておるのでありますが、それは余談といたしまして、お話の点は私といたしましてもよくわかるのであります。ただ一つお願いしたいことは、切り下げるということは、安定本部長官としてはできるだけ切り下げることに非常に賛成です。しかしてそれに見合う赤字を埋める財源をいかにするかということを、私も考えますが、皆樣においてもお考えを願つて、それと見合うところにおいてこの問題が一番解決されると思うのであります。下げろ下げろと言つても、赤字を埋めるものがないと、これは下らぬわけであります。私自身といたしましても十分この辺を考えますし、皆樣におかれましてもその辺を考えていただいて、財源と、下げるという点において何とか妥当な解決策があるならば、結構だと思う次第であります。財源の点については、國民からそういう手紙が私のところに非常にたくさん來ておりますけれども、そういう点を非常に言つておるのであります。ひとつ政府も十分勉強いたしますし、皆さんにおかれましては、いい両方面を兼ね備えたいろいろな御指示が頂載できるならば、輸運大臣、大藏大臣ともよく相談をいたしまして、ひとつ妥当なところへ片づけて、経済不安定でなしに、経済安定の実をほんとうにあげたいと思う次第でございます。
#99
○松本(一)委員 最後に、ともかくもこれは國鉄だけで、どのようにしても、できるだけはできる、できぬものはできませぬが、國鉄自身も内部の機構改革をいろいろやらなければならぬが、政府全体に通じてこの際お考え願わなければならぬ点があるのではないか。たとえば経済安定本部についても、この一月の民主党の政調会では、この三月で経済安定本部はなくして企画廳にしてしまう。そうして人員の整理をやつて國費の節約をはかるということになつて、今安定本部長官であられる來栖さんも、大藏大臣としてそれには御賛成願つたはずであります。それを聽きますのに、その時お考え願つたことは、安定本部長官になられてからお考え方が変つたようです。これなども、ほんとうを言えばもう戰爭も済んで三年になるのです。企画廳程度でこれから簡素にやつていただくことはできませんか。そうすると、そこだけでもせいぜい経費が浮いてくるのじやないのですか。それだけを運賃にまわしていただいたらどうです。いろいろそう考えてみるとあるじやないのですか。ただやられるか、やられないかという誠意と熱意と御決心、言いかえれば政治力です。この点もう一度伺いたいと思うのです。
#100
○栗栖國務大臣 経済安定本部は臨時の官署でありまして、なるべく速やかになくする。つまり安定の実をあげるということを一番大事に考えておるのでありまして、速やかにやめたいと思うのであります。まだ運賃がこういうような問題になるのでは、しばらくは続けなければならない。こうも考える次第でありますが、松本さんのお話は私もよくわかつております。しかし何か財源というものと見合わして、一緒に政府を鞭撻して考えていただきたいということを切にお願いする次第でございます。
#101
○高瀬委員長代理 松本君にお諮りいたしますが、栗栖さんは決算委員会の方に御出席になる都合がありますので、質疑をこの程度で打切つていただきたいというお話でありますが、いかがでしようか。
#102
○松本(一)委員 そうですか。私も決算委員ですからそつちに行つてお伺いいたしたいと思います。
#103
○高瀬委員長代理 それではそういうふうにお願いいたします。先ほどの御質問に対して、安定本部の津田説明員の御答弁を願うことにいたしましよう。
#104
○津田説明員 先ほどお話がありました点につきまして、順次申し上げたいと思うのでございます。まず第一に一億三千万トンを本年度國鉄が輸送完遂をいたします上におきましての、安本といたしましての資材の割当の問題でございます。これにつきましては本年のたしか二月であつたと思うのでございますが、二十三年度の物動についての暫定措置要領を閣議で御決定願いまして、先ほど安本長官からもお話がありましたように、鉄道を石炭電力と同等に超重点産業とする方針を確定いたしたのでございます。從いまして資材の配当につきましても、この方針をできるだけ貫くということで割当をいたしたのでございます。まず石炭の問題につきましては、本年度の出炭は御承知のように三千六百万トン、この供給力をもちまして、國鉄が一億三千万トンを完遂いたしまする石炭は七百七十七万トンでございますが、これだけの石炭の割当はいたしております。ただ先ほどもお話がございましたようにカロリーの点でございまするが、本年度におきましては努力はいたしておるのでございまするけれども、遺憾ながら急激なるカロリーの上昇ということは望まれませんので、昨年と同樣に五千六百五十カロリー平均ということで石炭の配当をいたしております。
 次におもなる資材だけについて申し上げまするが、鋼材につきましては本年度の供給力が百万トンでございます。これが最近アメリカからの重油あるいは南方からの鉄鉱石の輸入等によりまして百二十万トンに改訂せられることに相なつておりまするが、しかしながら、この百万トンを超えた二十万トンは、輸出に振り向けられるということに相なつておりまするので、國内の供給といたしましては年度初めと同樣に百万トンでございます。そのうち陸運関係といたしましては十八万トンが参ります。昨年度は実は陸運関係に十五万トン足らずの配当をいたしておつたのでございまするが、鋼材の生産が昨年度の目標は七十二万トンであつて、それだけの供給力が満たされませんでしたので、從いましい國鉄に対しましてもこの十五万トン足らずのものが実際に配当せられましたものは六万トン程度でございました。從いまして本年度におきましても、さような失敗を重ねては、一億三千万トンの輸送の完遂の大きなひびと相なるのでありまするが、さいわいにいたしまして本年度は鉄の生産も順調にいつておりまするので、この陸運部門の十万万トンにつきましては、大体現在までのところこの通りの配当を完遂し得るという見込みでございます。この十八万トンのうちの大部分、たしか十五万八千トンと記憶しておりますが、大部分のものは國鉄に参りまして、先ほどお話のありました貨車の四千輛につきましても、これに即應するところの鋼材の配当はいたしております。
 次にセメントにおきましては、本年度の供給力を二百万トンというふうに安本といたしましては策定をいたしておりまするが、このうち陸運部門に参りまするものは十四万四千トンでございまして、その大部分は國鉄に参るわけでございます。國鉄におきましては予算との関係――と申しますると、その資本勘定、工事関係におきまして若干予算の削減を見るやもはかり知れませんので、そうなりますると、このセメントの配当をもちまして、十分所定の工事をやつていくことができるというふうに考えております。
 木材につきましては本年度國内供給力が四千三百二十七万石のうち、陸運部門といたしましては二百六十五万石でございまして、これも若干國鉄の需要に対しまして下まわつておるのでございまするが、先ほどお話のありました貨車四千輛の車輛用材等につきましては、先般特に特配を安本といたしましてもいたしたような次第でございます。資材の問題につきましては、石炭、鋼材、セメント、木材等につきまして以上のようになつておりますことを御了承願います。
 なお労需物資の面におきましては、先ほど安本長官から大体のお話もあつたのでございまするが、ただいまも申し上げましたように、本年度の國鉄の輸送完遂の非におきましては、運轉用の石炭につきましては大体問題はない。もちろん季節的に問題はございまするが、年間としてみれば問題はない。またただいま申し上げましたような生産資材につきましても、これの供給につきましては去年のような非常に重大なる問題はないのでございまして、問題は、國鉄当局からも時々申し上げておると思うのでございまするが、労需物資の問題であろう思うとのであります。これにつきましては國鉄当局と安本当局との間におきましてる次にわたりまして打合せをいたしました結果、先ほど申し上げましたように、國鉄を重点産業に取上げるという趣旨をこの労需物資の面にも反映いたしまして、乏しい、また不安定な供給力のうちから、できるだけのことはいたしておるつもりでございますが、簡單に数字について申し上げますならば、織維品につきましては、國鉄からの御要求は糸換算にいたしまして三百四十二万ポンドでございます。これに対して安本が配当できる見込みのものが百六十二万ポンド程度。從つて約半分足らずということに相なるわけでございまするが、これはちよつと註を加えさしていただきたいのでございます。纖維については大体が原料を外國に頼つておりますので、この供給力については、一体國内でどれだけの綿を消化さしてもらえるだろうか、國内向きの比率と輸出の比率とをどういうふうに定めるであろうというような点が非常に影響があるのでございますが、今申し上げた数量は、現在の國内消費と輸出との割合が、國内が三、外國向きが七というふうになつているのを、國内向きを四に、輸出向きを六というふうに比率を好轉してもらつた場合の配当量でございます。しかもこの好轉の見込みは相当確実性を増してまいつたように記憶しております。纖維については以上でありまするが、地下たびについては、國鉄の需要が百八万足に対し、安本としては七十八万足を供給し得る見込みに相なつております。國鉄の要求中には、國鉄の中に貸與規定というのがあつて必ず地下たびをもらう職名がございますが、その職名以外の者もこの百八万足の中にはいつております。そのが約三十二万ございますから、この供給七十万足をもつて大体貸與職に対しては賄い得るような見込みを立てております。なおゴムぐつについては需要五万足に対して四万足を配当いたしております。せつけんについては、需要が九百三十万箇に対して安本の配当は三百十八万箇というふうになつておりまして、これでごらんになりますると、やはり纖維関係、あるいはせつけん関係という面において、安本が相当國鉄、陸運重点の方針をとつたにかかわらず、なお十分に賄い得ない次第でございます。実情はかように相なつております。
#105
○尾崎(末)委員 伺いました点については詳細にわかりました。なお先ほど質問申し上げたうちの、五千五百カロリーから六千カロリーまでの石炭がどのくらい生産されているか、六千カロリー以上のものがどのくらい生産されているか、それらのものが現在どういうように配給されているかということについては、商工省の方でないとおわかりにならないでしようか。
#106
○津田説明員 私運輸次長をしておりますのでその点申し上げます。ただいまのお話につきましては、安本の動力局なり、あるいは石炭廳なりの責任ある者から回答させていただきたいと思いますから、この次の機会にでもお願いしたらと思つております。それからなお優良炭を國鉄に配炭できないかという点でございますが、それにつきましては、もちろんそのように努力しなければなりません。またそうすることによりまして、非常な経費の節減、運轉効率の向上というような点に資するのでありますが、現在の三千六百万トン生産の中では、いわゆる六千カロリー以上良質炭というものは、私の記憶では七百万トン程度であろう、そういたしますると、これらの七百万トンの良質をもつていたしましては、鉄、電力というような、いわゆる原料炭、あるいは電力用炭という方面を賄うのにすれすれでございますので、鉄道運轉用炭にまで、いわゆる六千カロリー以上のものを配当するという余裕はあまりないように私は聽いております。
#107
○尾崎(末)委員 それでは早い機会、できれば明日今の点を詳細に伺いたいと思いますので……。
#108
○高瀬委員長代理 尾崎君並びに各位にお諮りいたしますが、実は先ほどからたびたび財政金融委員会で速記者がなくて何とかこちらに都合してくれないかという申出がある。もしお差支えなければ、われわれの委員会を一應本日はこの程度にいたしまして、明日十時から再開いたすことにして、速記者を向うへ讓つてやりたいと思いますが、いかがですか。
#109
○尾崎(末)委員 それでは明日今の点の質問をやらしていただくことにして、保留しておきます。
#110
○高瀬委員長代理 それでは明十日から再開いたすことにいたしまして、本日はこれにて散会いたします。
    午後二時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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