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1947/09/20 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 本会議 第34号
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1947/09/20 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 本会議 第34号

#1
第001回国会 本会議 第34号
昭和二十二年九月二十日(土曜日)
    午後一時五十三分開議
    ―――――――――――――
 議事日程 第三十三号
  昭和二十二年九月二十日(土曜日)
    午後一時開議
 第一 自由討議
    ―――――――――――――
 一、自由討議の問題
  最初の発言者(自由党)において、当日討議する問題を供すること。
 二、討議者の数及び討議時間
  1.各党派の割当時間
   社会党、民主党、自由党各四十分、國民協同党二十分、第一議員倶樂部、農民党及び共産党を通じて二十分。
  2.各党派は、右割当時間の範囲内において、討議者の数を決定すること。
    ―――――――――――――
#2
○議長(松岡駒吉君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 水害に関する苫米地國務大臣の報告 


#3
○議長(松岡駒吉君) 今回の水害について報告のため、運輸大臣より発言を求められております。これを許します。運輸大臣苫米地義三君。
  [國務大臣苫米地義三君登壇]
#4
○國務大臣(苫米地義三君) 今回関東・東北を襲いました水害につきまして、運輸省所轄の状況を御報告申し上げたいと存じます。
 まず第一に、台風と鉄道被害の状況でありますが、このたびの台風の特徴は、その移動の速度が緩漫でありまして、降雨時間が長かつたことと、風は最高二十メートルくらいで、さほど強いものではありませんでしたが、雨量が非常に多かつたこと等があげられております。その結果、わが國最大の水害をもたらしました明治四十三年八月の豪雨に匹敵する雨を、主として関東北部及び西部に降らしましたので、最もひどかつた秩父におきましては、実に六百十一ミリ、すなわち坪当たり十一石ニ斗という数字を示しておるのであります。これによりまして、利根川・荒川・北上川等の氾濫となり、このため國鉄の受けました被害は、現在まで判明いたしましたものだけでも、八百七十八件に及んでおります。築堤の崩れましたものが百七十六件、線路の流されましたものが二百三件、橋げたの流れたものが十六件に及んでおります。
 これらの被害につきましては、関係從業員はただちにその復旧作業にかかり、晝夜兼行で工事を進めておりまして、着々回復いたしておりますが、現在そのおもなる線の不通区間を申し上げますならば、東北本線は二箇所不通でありまして、そのうち、小牛田、水澤間は二十一日開通の見込みであります。久喜、栗橋間は利根川堤防の決壊が修復できない限り復旧は困難でありまして、ただいまのところ、開通は不明でございます。上越線は高崎、石打間の被害が最もはなはだしくありまして、しかもその箇所が非常に多いので、復旧に手間どりますが、十月十五日ごろ開通の見込みであります。常盤線は、水戸、大甕間の被害箇所は、二十一日中に復旧の見込みでございます。水戸までの運轉は一時可能でございましたけれども、昨日金町附近の増水によりまして、この開通は中止のやむなきに至つております。中央線は大月、初狩間でございますが、被害が多いので、來月五日ごろまで復旧がかかる予定でございます。奥羽線は湯澤、十文字間でありますが、これも相当被害が大きいので、十月一日ごろ開通の見込みでございます。信越線だけは、吹上、熊谷間の被害箇所がすでに復旧いたしまして、現在ただ一つの全通線でございます。
 また水害による運轉事故といたしましては、常磐線におきまして貨物列車の轉覆、日光線におきまして旅客列車の脱線、花輪線におきまして混合列車の脱線轉覆があり、死者一名、負傷者数名を出しました。
 次に、輸送に及ぼす影響でございますが、東北、新潟等いわゆる早場米地帶との連絡が杜絶いたしましたのと、東北地方からの薪炭輸送、常磐炭、亞炭、硫化鉱等の輸送に大なる支障を來しておりますことは、まことに遺憾にたえません。なお、山梨縣下の食糧事情逼迫の対策といたしましては、とりあえず身延線から自動車連絡をもつて緊急輸送をいたし、その他各地にトラツクを配置いたしまして、應急処置をとつておる次第でございます。
 第三に、今後の水害に対する應急復旧用の資材がどれくらいかかるかということでありますが、これはレール及び附属品が七百五十トン、まくら木が四万四千五百丁、鋼材類が三百六十五トン、木材が九萬二千石、セメントが七千三百トン等がおもなるものでありまして、その経費は概算四億ないし五億円程度と推定されておるのであります。
 第四に、回復までの諸対策といたしましては、旅客の輸送については、不通区間ではできるだけ一應トラツクまたはバスで連絡するようにいたし、また不通区間を避けまして、迂回して直通列車を運轉する計画でございます。たとえば上野、青森間は、常磐線、水戸線、東北線、奥羽線、陸羽西線、羽越線等を通りまして連絡をつけるとか、また上野、金澤間は、從來の上越線経由をやめまして、信越線経由で運轉する等のことを計画しております。貨物の輸送につきましては、まず被害地方に対する救恤品、生活必需品及び應急復旧資材等の輸送につきましては、無賃または五割引の取扱いを行い、また不通区間経由の貨物は極力迂回輸送を行いまして、できるだけ應急の処置をとつております。進駐軍貨物を初め主要食糧、應急物資は、最も優先的に輸送を確保いたしております。
 第五に、以上申し上げましたように鉄道の主要幹線が不通となりましたので、東北、北海道と京浜地帶とを海上船舶をもつて連絡し、救援物資や緊急旅客の輸送を確保することにいたしました。すなわち、東京、塩釜間に黒潮丸ほか一隻、北海道間にときつ丸ほか六隻を配船いたしまして、すでに就航を見ております。また水害地帶には特に発動機船を動員いたしまして、交通に充てる等処置をとつております。
 次に、今度の水害では私設鉄道やバス等の被害も相当ひどく、未だに不通の線が多いのでありますが、その回復につきましては、國鉄とよく連絡をとらせまして、運輸省といたしましては、あらゆる協力を行うつもりでございます。
 なお、水害地救援につきましては関係各省と緊密な連絡をとりまして、被害地都縣にたいしましてもでき得る限り協力をいたす態勢をとつておりますことを附言いたします。
 以上をもちまして、簡單でございまするが、今度の水害の交通関係に及ぼしました状況を御報告いたします。(拍手)
     ――――◇―――――
 大藏省の火災についての栗栖國務大臣の報告
#5
○議長(松岡駒吉君) 火災について報告のため、大藏大臣より発言を求められております。これを許します。國務大臣栗栖赳夫君。
  [國務大臣栗栖赳夫君登壇]
#6
○國務大臣(栗栖赳夫君) 去る九月十三日午後八時五十分ごろでございますが、大藏省の西北にある新館バラツクから火災が発生いたしまして、官房会計課、國有財産局、給與局の全部及び主計局、主税局の一部、大体八百余坪というものが延燒いたしまして、午後の十一時に鎭火いたしましたのであります。今般の火災につきましては、各方面にまことに御迷惑をかけまして、遺憾にたえないと存ずる次第でございます。
 火災の原因につきましては、関係官廳その他において鋭意取調べ中でございますが、未だ十分な原因が結論として明らかになつておらないのでございます。なお、この際いろいろな風評も出たようでございます。私も現場にただちにかけつけたものでございまして、そういうような事実はまつたくないということを、ここで申し上げておきたいと思つております。なお今後のことにつきましては、かようなことのないように十分注意をいたして、過ちを繰返さないようにいたしたいと思う次第でございます。
 なお、國務の支障についての問題でございますが、主計局で燒けました中で、予算に関する課があるのでございます。これは本予算の執行及び追加予算につきましては、資料が他の方面にも出ておりましたので現存いたしておりまして、支障はない次第でございます。ただ主税局の監理課と関税課が燒けたのでございます。監理課は新たに設けた課でございまして、格別に仕事を未だ開始しておらぬ前でございましたので、何ら支障はないわけでございます。関税につきましては、戰爭前、戰爭中その他の関税に関する資料を燒失いたしましたが、これは昭和十五年の落雷による火災の例にならいまして、資料を再び蒐集して回復をいたしたいと考える次第でございます。國有財産局が全部燒けたわけでございますが、その中で財務局を通じて事務をいたしておりました関係上、各財務局その他の関係官廳にいろいろ資料が控えとしてございますので、その写しをとつて、ただちに書類の回復をいたしたいと考えております。それから賠償物につきましては、管理局に同一の書類がございますので、これによつて間に合わせますから、國有財産局の仕事も支障がないと考える次第でございます。それから給與局につきましては、追加予算に関する資料及びでこぼこ調整に関する資料、その他内務省の解体その他に関する資料も、ちようど外に出ておりましたので、支障はないわけでございます。ただ職員の生活調査について集めました原票は、内閣の方にありまして支障はないのでありますが、その原票を写しまして、いろいろ統計をとつたものがございます。統計をとつてできた結果については、資料が存しておりますので、差支えないわけでございますが、その結果を出すまでの計算資料は燒失いたしたような次第でございます。これはただちに再製をいたしたいと考えておる次第でございます。会計課の帳簿がすべて燒失いたした次第でございますが、これは主計局、会計檢査院等に写しがございますので、これによつて帳簿を復元いたしたい、かように考えておる次第でございます。ちよつと御報告申上げます。(拍手)
     ――――◇―――――
 官紀紊乱に関する緊急質問(角田幸吉君提出)
#7
○叶凸君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、角田幸吉君提出、官紀紊乱に関する緊急質問を許可されんことを望みます。
#8
○議長(松岡駒吉君) 叶君の動議に御異議ありませんか。
  [「異議なし」と呼ぶ者あり]
#9
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 官紀紊乱に関する緊急質問を許可いたします。提出者角田幸吉君。
  [角田幸吉君登壇]
#10
○角田幸吉君 鈴木司法大臣に官紀紊乱に関するニ、三の事項、芦田外務大臣に対しては外相声明に関するニ、三点をお尋ね申し上げたい。
 まず最初に司法大臣鈴木義男君に、浦和檢察廳の田中檢事暴行事件についてお尋ねを申したいのであります。過日私が東京高等檢察廳の檢事長佐藤博君から聽きとつたところによりますると、田中檢事は、この暴行の当日、大宮市の前里成吉方で御馳走酒を五、六合、ビールニ、三杯を飲んでおるのであります。田中檢事は前里とは友人であると言つておりまするが、前里は浦和檢察廳の管轄内の露天商を営む者の親方であります。田中檢事は前里といつごろから、またいかなる関係で交友を結ぶに至つたか、このことについて司法大臣はお調べになつておるかどうか。田中檢事は暴行の際に鶏と麦五升をもつておりましたが、このことが食糧管理法の違反とならぬかどうか。田中檢事は少年に暴行傷害を加えておるが、田中檢事をどういうわけで傷害罪として起訴しないのであるか。
 田中檢事は、暴行の際に「おれは檢事だ」と言つております。そもそも檢事は公益の代表者であり、民衆に対しましては、きわめて親切なものでなければなりません。ところが、田中檢事の「おれは檢事だ」という言葉の中には、乱暴するぞ、人権を蹂躙するぞとというような意味が含まれておる。だから、あたかもあいくちをつきつけて、そして暴行したという、私から見れば最も惡質なる事件だと考えるのであります。こういう事件を一体なぜ不問に付したのであるか。
 さらに、田中檢事が暴行を加えました日は八月二十九日であります。三十日の日――三十日は土曜日でありますが、田中檢事は知らぬ顔をして出勤しておるのであります。ところがこの三十日に、前の日の檢事暴行事件につきまして、浦和警察から檢事正の大高三千助に対して、暴行事件があつたという報告があつたのであります。ところが、大高檢事正はどういうふうにしたかわかりませんが、ともかく事実を隠蔽して、そうしてにせ檢事が暴行を加えたのだというようなことで社会を欺いておる。そうして九月一日に、新聞記者立会いの上で、少年から田中檢事が首実檢をされ、初めてどろをはくという古今無類の醜態を演じておるのであります。これがはたして公益の代表者と言えるかどうか、司法部の威信を失うと言えないかどうか、司法大臣にお尋ねを申し上げたいのであります。
 次に、靜岡刑務所における囚人の集團逃走事件について、同樣司法大臣にお尋ねをいたしたい。本年の五月ごろから、靜岡の刑務所の裏口には下水道があつて、その下水道から出入りをして、そうして刑務所内にはやみが行われておる、こういううわさが立つておつたのであります。その他いろいろな問題が起こつてまいりましたが、例の池谷という囚人が帰る場合に、トラツクで池谷の家まで看守と囚人がお供をして送つて行つた。そうして帰りには酒をもらつてきて飲んでおる。こういうようなことまで、うわさされております。そもそも刑務所は、囚人の感化の場所、教育の道場でなけでばならぬものが、犯罪道場と化してしまつたのであります。このことが一般に流布されておつた。
 そこで、本年の七月ごろに靜岡の檢察廳より警告を発したようでありますが、このことについて司法大臣は知らなかつたかどうか。また檢察廳より何らかの報告がなかつたかどうか。報告を受けておりながら、これをうつちやつておいたとするならば、これは司法大臣としてまことに無責任きわまるものだといわなければならない。もし、そういう事実が世間に流布されており殊に司法大臣は、在野法曹として刑務所に終始出入りしておつた、この辺の消息通なんである。一体こういう事件が突発するまで知らずにおるような司法大臣であつたならば、現在におきまして司法行政を担当する能力ありや否や、私はこの点について、きわめて親切にして、きわめて率直なる司法大臣の御答弁を煩わしたいのであります。(拍手)
 次に、芦田外務大臣にお尋ね申し上げます。その一つは、本年の六月十九日、外務大臣は民主党の京都支部大会に臨まれておりますが、お帰りは六月二十日、その汽車の中で、記者團にこういうことを発表されておる。ソ連からの引揚げは、七月から月七万人と協定になつておるので、本年の末までには全部帰還ができると声明されておるのであります。しかるに、この芦田声明に対しまして、司令部はこれを否定しておるのであります。
 どう否定しておるか。芦田外相は、ソ連地区から復員者が毎月七万人と協定し、本年の末ごろまでには完了するということを声明しておるが、これに対しては司令部は、全然根拠のないことで、外相がこの報告をどこから得たものであるか知らない。なお、終戰当時日本政府が復員部に提供しましたところの報告、千島列島、樺太、シベリアにおるところの人員の数は、復員した数を控除してみると、なお六十二万八千四百六十四人おるはずである。それにサガレン、千島に二十八万八千人の日本人がおるはずである。これは本年の六月二十五日現在であります。この発表によりますと、本年の六月中には、ソ連には日本人がなお九十一万六千四百六十四人おるのであります。芦田外務大臣の声明のごとく、毎月七万ずつの復員協定ができたといたしましても、なお十四箇月の歳月を要するのであります。從つて本年中には完了ができないのであります。一体こういう司令部の声明と芦田声明との食違いがどうしてできたのであるか。このことについて、まずお尋ねを申し上げたいのであります。
 その次は、九月十一日、大阪商工会議所で記者團に対しまして、芦田外務大臣がクレジツトの設定を声明しておるのでありますが、それには、こう言うておるのであります。クレジツトの設定による輸入物資の見透しは、現在六千万ドルの綿花資金を設定したが、この以外のもについては、具体的にきまつたものから順次交渉する。なお一般情勢が変化しない限り、講和條約は來春までに締結されるであろうと語つておるのであります。これもまた総司令部は否定しておるのであります。
 どういうふうに否定しておるかというと、芦田外相は大阪で綿花クレジツト六千万ドルを発表しておるが、総司令部当局では、米國側からこれについて正式の通知に接していない。外相はさらに米國の対日借款を拡大するために懇請するつもりだと言い、またあるいは一般情勢が激変しない限り講和條約は來春までに締結されるであろうと記者團に語つておるが、これは根拠なく、根拠のないことを外相はたびたび具体的な事実によらないで予想しておるようであるというようなことを発表されておるのであります。
 言うまでもなく、無條件降伏をいたしました日本の現在の國際関係、外交問題というものは、きわめてデリケートな関係にあるのでございます。こういうような食違いがどうしてできたものであるか、この点について、芦田外務大臣にきわめて率直にして、きわめて正直なる御答弁を煩わしたい次第であります。(拍手)
    〔國務大臣鈴木義男君登壇〕
#11
○國務大臣(鈴木義男君) ただいま角田君から、最近に起りました二つの不祥事件について御質問がありました。まことに、ともに遺憾な事件であります。この機会に少しく詳しく申し上げておきたいと存ずるのであります。
 まず田中檢事の事件でありまするが、まことのお言葉の通り遺憾に存ずるのであります。前里某という者と少しく前から懇意になつておつたということは、本人が陳述しておるところでありますが、仰せの通り確かに露天商でありまして、いやしくも檢事ともある者が露天商と飲食をともにするということは、あまり品のよいことではないのであります。但し、別に情実関係あるいは事件等に関したことは、さいわいにしてなかつたのでありまして、その点は具体的な問題にはならなかつたのであります。
 田中檢事が当夜鶏と麦を三升ほどもつておつたことは事実であります。生後二箇月ばかりの鶏を前里からもらつたのであります。本人の述ぶるところによりますれば、子どもの樂しみにもつて帰つてこれを育て、またそのえさとして麦をもらつたというのでありまするが、明らかに食糧管理法違反であります。ゆえに、もし情状起訴に値するものでありますならば起訴すべきものでありまするが、檢察当局は、まず起訴に値せざるものと見て、この点は不問に付したわけであります。
 次に傷害の点でありまするが、確かに暴行をいたしまして、こぶを二つほどつくつたのであります。この点も医師が診断をいたしておるのでありまするが、しかし重大なる傷害と見ることはどうか。しかし、ともかくも傷つけたことは相違ないのでありまするから、当人から告訴がありますならば、起訴して刑事処分に付する予定であつたのでありますが、この二人の少年を呼び、その保護者の意見もよく聽いて、当局としては決して圧迫などは加えないから、告訴する意思があるならば告訴するようにということを説示いたしたのでありまするけれども、告訴する意思はない、酒の上のことであるからということで、どうしても告訴をしなかつたために、これを取上げなかつた次第でありまして、独立の傷害罪とするには十分ならざるものとして、これまた不問に付したわけであります。しかし懲戒免官にはいたしたわけであります。
 この新憲法実施以後、基本的人権の尊重という点におきましても、この檢察檢拳のやり方という点におきましても、從來とまつたく面目を改むべきことは当然でありまして、古い頭、古い意識をもつて國民に対すべきではないのであります。このことは、機会あるごとに、政府当局といたしましては檢事に訓示いたしておるのであります。しかしながら、制度の改革は一朝にしてできまするけれども、イデオロギーの改造はなかなか一朝一夕には成らないものでありまして、平素はつきりしておりますときは十分戒心をしておるのでありますけれども、酒などを飲んで心が緩みますと、おれは檢事だ、お前のようなちんぴらになめられてたまるものかというような封建的、官僚的、特権階級的意識が頭をもたげるのでありまして、民主革命遂行後日なお浅いわが國にはありがちの現象でありまして、われ人ともに遺憾とするところであります。
 日本國民は法の前に平等である、國民は主権者である、すべての公務員は國民の公僕であるということは、あまりにも明らかなところでありまして、この線に沿わしむべく檢事、警察官等を再教育いたしておる次第でありまするが、しかし、この仕事は短兵急に目的を達することはできないのでありまして、相当忍耐強い努力を継続することが必要と存ずるのであります。
 先日の大宮における田中檢事の言動は、確かに相当酒を飲んで酩酊しておるときの、少くとも心身耗弱中の行爲であることは明らかでありまして、そのこと自体は若干宥怒せらるべき理由があるのでありますが、第一酒を飲んで職務を執行するということがよろしくないことでありますし、不用意のうちに暴虐の行爲があつたということは、その人々の平素のイデオロギーを裏書きするものでありますから、新憲法下における檢事としては落第であるといわなければなりません。よつて懲戒処分に付したわけであります。刑事訴追に付することも考えたのでありまするが、先ほど申し上げたような理由で、これはしばらく宥怒いたしたわけであります。
 この機会におきまして、全國の檢事に対しまして、再びこの種不祥事を惹起することのないように、嚴重に戒告をいたした次第であります。司法省といたしましては、裁判所におきまして、新しいイデオロギーに徹しまするために、司法研修所というものを拡大いたしまして、これは判事も一緒にやつておるのでありますが、全國檢事の再教育をいたすことに努力いたしておる次第でありますから、諒とせられたいのであります。
 なお、監督官たる大高檢事正の責任につきましても、ただいまお言葉があつたのでありまするが、大高檢事正は決して部下の非をかばうというつもりではなかつたのでありますが、埼玉新聞の記事と、警察の報告とが、古河駅から乘車したところの一人の檢事と称する男が暴行をなしたということを單純に信じまして、当時の田中檢事の行動は大宮におつたのであつて、古河から乘る時間的余裕がないから、これは確かににせ檢事であろうと早合点をいたしまして、ああいう弁明をいたしたのでありまして、その点は、大高檢事正は少くとも故意にその部下の非をかばおうというような意思のなかつたことは、取調べの結果明らかに相なつたのであります。但し、かくのごとき田中檢事のごとき行動は突然突発するものではないのでありまして、平素その若干の素質が潜んでおつたはずでありまするから、これを見逃して十分に戒飭をしなかつた、これに対して適当な対策をとらなかつたという監督上の責任は免れがたいものと考えるのでありまして、また大高檢事正もその点を痛感せられまして、男らしく辞表を提出する、こういうことでありましたので、これを受理するということにいたした次第であります。何とぞ諒とせられたいのであります。
 次に、靜岡の刑務所の不祥事件であります。これははなはだ重大なる事件であると考えましたるがゆえに、私も親しく現地に臨みまして、それぞれ調査するところがあつたのであります。関係者、檢察廳、在野法曹、新聞記者諸君にお目にかかり、その他世論も若干調査するようにいたしたのであります。
 なお角田君の御質問の中に、この前も不祥事檢があつて檢察廳から報告があつたが、それを承知いたしているかという御質問でありますが、報告のありまする都度私どもはこれを見ているのでありまして、承知しております。そうして全國の刑務所から時々微細なる事故についてそれぞれ報告がありますから、その都度、かくのごときことの再び起らざるように十分戒飭を加うべきことを行刑局長に指示をいたしているのであります。のみならず、全國の刑務所に対し、後に申し上げますような理由をもちまして、包括的にも十分注意を喚起いたしているのであります。
 ところが、かくのごとき不祥事件が起つたのでありまして、九月六日に靜岡刑務所の増井某という看守が、詐欺・窃盗前科六犯で懲役五年の刑に服している池谷八十吉という者に、今日君は仮釈放になるはずである、こういうことを軽率にも申したのであります。仮釈放になると聽いたからして、非常に喜んで工場に帰つて、仲間の者一同に別れの挨拶をいたしたのであります。それで出ていくつもりで用意をしていたところが、一向その御達しがない。そこで別れの言葉を聽いた同囚の者が十二、三人―班長と称する者でありますが、どうしたのだ、池谷は釈放されるそうだが、なぜ釈放しないか、他にすでに釈放されて出て行つた者も五、六人あつたのでありまするから、どうしてもこれは漏れたというふうに考えられたので、詰問にまいつたのであります。それに所長は、断じてそんなことはない、それは何かの間違いであろうと申しましたところが、いや増井が言つた、増井を連れて來いということになつて、増井看守が参りますると、言葉を曖昧にいたしましたために―おそらく増井は、その日到着した封筒を見て、それは仮釈放の通知であろうというふうに誤解したために、口をすべらせたのであろうと思いまするが、そのため囚人どもは非常に怒りまして、遂に増井に向つて乱暴をいたしたのであります。所長がそれを止めているうちに、工場の退け時であつて、ニ、三十人の受刑者がその場を通りかけて、やはりこれに参加して、なぜ釈放をしないのであるか、釈放してくれと言つて迫つたそうであります。中には棍棒をもつたり、炊事場のほうちようを持出してきて騒ぐというような者がありまして、野村所長は進退きわまつて、腹を切る覚悟で、やむを得ぬ、この形勢ではどうなるかわからぬから、こうなつた以上は、十月十七日附の釈放命令は來ておるのであるが、自分の責任において少し早めに許すということを宣言しようといつて、今日許す、こういうことをいたしたのであります。しばらく経つてから池谷が、自分が許されるのはありがたいが、今日騒いだ連中が処罰されるというようなことでは氣の毒であるから、どうか処罰しないということを誓つてもらいたい、よろしいということで、不問に付そうということを申したが、言葉だけでは不十分であるから、一札書いてもらいたいということになつて、結局たくさんの囚人が迫りましたために、心弱くして、水に流すという旨を書いたのでありまして、これは確かにはなはだ違法なる行爲であり、越権行爲であり、許しがたいことでありまするが、その場の情景をつぶさに聽きますれば、まことにやむを得ない点もあつたと思われるのであります。
 しかし、それは一應それで片がつきまして、その晩出所いたしたのでありまするが、その後これを不問に付するかどうかということが、受刑者の間でもつぱら話題になつておりまするとともに、本省に指揮を求めましたるがゆえに、本省から山田事務官を派遣いたし、附近の刑務所から十五名の應援看守を遣わしまして、再び暴動を起すことのないように取締るということに相なつたのでありまするが、もとより野村所長の処分を是認することはできないのでありますから、さらに当日暴行した者に対しては、それぞれ調査をして処断をするということに相なりまして、これを九月九日に申渡したのであります。これが受刑者をして非常な動揺を起さしめた原因でありまして、受刑者は嚴罰の免れがたきことを察しまして、今のうちに逃げようではないか、こういうことに相なつたようでありまして、当日夕方逃亡をいたしまするために、十人が申し合わせまして、炊事場の炊事夫を欺いて、夜食に供する、夜警のために特別の給食をするのだと称してもちをつかせまして、そうして、これを逃走の準備にいたしたということであります。殊にかぎを盗み出しまして、遂にその夜中の三時ごろ西門から九人だけ逃走し、一人はかぎを預かるために最後に残つた、看守が参りましたために逃走の目的を達しなかつたということに相なつておるのであります。まことに遺憾この上なき事件であります。
 この点は、靜岡刑務所の事件と全國刑務所の問題として、反省すべき点の二つがあると思うのであります。靜岡の事件といたしましては、この増井看守の軽卒なる機密漏洩、これはまことに遺憾なことであります。また受刑者がこれを詰問したということもけしからぬことではありまするが、状況から見てあり得ることでありまして、野村所長の処置というものは、まことにこれも遺憾なことであります。しかし、あの場の光景というものをよく御考慮くださいまするならば、これをあまりにも責むるということは酷である。むしろ、ここに至らしめた原因について責任を問わなければならぬと考えるのであります。
 なお、九月九日に脱走したしましたことは、まことに綱紀が弛緩しておりました証拠でありまして、これも遺憾千万なことでありまするが、さいわいに三人は間もなく逮捕せられましたし、さらに東京に潜入したと目されておりました五人のうちの一人高橋も逮捕せられたのであります。
 そこで、池谷並びに脱走囚でつかまつた者の述懐によりますると、刑務所の網紀が弛緩しておつたから自分たちは逃げたのであるということを申すのでありまして、いろいろなことを述べておる。私の見ましたるところ、確かにこの執務態度の嚴正を欠いた点があります。増井看守が軽卒な言を発したるがごときは、その一例でありますが、また網紀も決して緊張しておつたとは申しかねるのであります。これについては、いろいろな流言が飛んでおります。刑務所の看守が受刑者の食物を横領する、あるいは作業品を横領して、やみに流して利得をしておる、差入品を横領しておる、角田君が申されましたような、下水道から物を運んで、やみに流すかというようなうわさが飛んでおるのでありまするが、少くともそういうことを廣く信じておるらしいということは申されるのであります。
 たとえば食事等について、靜岡の刑務所におきましては、燃料を節約するためと設備がないために、囚人と同じ所で看守の加配米の炊事をいたしておるのであります。看守は六勺の加配米をもらい、家からもつてきた五勺の米とを合わせて、別に炊いて食べておるのでありまして、決して囚人の食糧を横領するというようなことはないのでありまするが、受刑者は横領しておると信じておるということも事実のようであります。その他こういう点につきましては、檢察当局が嚴重にただいま調べておりまするから、もしそういう事実がありまするならば、もとより処断をいたすつもりであります。
 それから刑務職員の質がはなはだ低下しておるということも感ぜざるを得ないのであります。多くは小学校を出た程度の刑務職員でありまして、そうして受刑者はそれぞれ三年も五年もおるというような者が多い。職員の方は一年未満の者が過半数であります。現に職員七十三名のうち二十名が事務員でありまして、五十三名が看守でありまするが、十三名が晝夜勤務者でありまして、四十名が警備に当るのであります。しかるに、その五十三名のうち三十六名というものが勤続一年未満の者であるのでありまして、始終その人が変るのである。從つて統御力というものを発揮することができないのであります。受刑者は非常にしたたか者が多いのでありますから、看守に対して、あえて恐れないという態度が見えるのでありまして、この点はわれわれとして多いに考えさせられるのであります。
 なお、過剩拘禁は全國の刑務所を通じて顯著なる事実でありますが、この靜岡におきましても、四百四十六人の定員に対して六百三十七人はいつておるのでありまして、一人置く所に三人置く、八人置くべき所に二十人も置くということに相なるのでありまして、これまた、かくのごとき事故を起す原因に相なつておるのであります。
 それから誤解された民主主義の適用ということが考えられるのでありまして、受刑者の中に班長というものを命じまして、それぞれ自治的に事をやらせておるのでありますが、刑務所内における一種のボスの跋巵と相なりまして、とうていこれを統制することができないという醜態を演ずるに至つたのであります。それで、これらの処分につきましては、ただいま靜岡檢察廳において詳細関係者を取調べて、その処置について考慮中でありまするから、追つて御報告をいたすことができると存ずるのであります。
 なおこの際、われわれの責任問題を御追究に相なつておるのでありまするが、責任については十分考慮いたしますが、この檢察と裁判と行刑は三位一体でありまして、軽重がないのであります。しかるに、ただいま申すように、刑務職員の質の低下ということはまことに悲しむべき現象であります。要するに、これは待遇が十分でないということから起つてくることでありまして、ぜひとも相当の待遇をいたしまして、幹部の職員は判檢事同格の者がこれに当る。少くとも看守と警察官同等の待遇を受けた者がその任につくというふうにありたいと思うのでありまして、これらの点についても、國会の十分な御考慮をお願いいたしたいのであります。
 なお過剩拘禁につきましては、G・H・Qの公安課からもたびたび御忠告があるのでありまして、ぜひ未決監を増設し、また刑務所を増築いたしまして、ただいまのような非人道的な取扱いを避けるようにしなければならぬと考えるのであります。
 なお、刑務所の中に自治制度を布きますることは、できるだけいたしたいことでありまするが、遺憾ながらこれは適当な指導と監督とを要するのでありまして、民主主義の健全なる施行ということに留意しなければならぬと考えております。
 なお、凶暴なる犯人を特別な刑務所で收容するというマキシム・セキユアリテイ・プリゾンという制度も、ぜひ実施いたしたいと考えるのであります。
 なお、刑務行政の明朗化ということは何よりも大切なことでありまして、ただいま行われております涜職あるいは横領ということがあるかないか十分に調査いたしまするが、少くともそういう誤解があるということは好ましからぬことでありますから、私は將來刑務委員会のようなものを設置いたしまして、民間の有識者をもつてこれに充てまして、そうして十分に刑務行政を監察してもらう、こういうことにいたしたいと存ずるのであります。司法当局といたしましても、責任を痛感し、最善を盡して、明朗な刑務所の建設に努力いたすつもりであります。
 ただ待遇の改善についても、刑務所の増築等につきましても、常に予算は削除される。これに人間に値する生活というものは保障しなければならぬのでありまして、労働基準法を実施いたしますると、どうしても今の職員の倍の職員をもちませんければ、やつていくことができない状況にあるのであります。予算の編成等につきまして、國会の諸君の理解ある、強力なる御援助を期待いたしまして、お答えといたす次第であります。(拍手)
#12
○議長(松岡駒吉君) 外務大臣芦田均君。
  [國務大臣芦田均君登壇]
#13
○國務大臣(芦田均君) 角田君の御質問にお答えいたします。
 その第一は、六月十九日、二十日にわたる京都旅行の際において、ソ連に抑留されておる同胞の送還数がが六月から二万人増加する予定であるから、年内には送還を完了することができるであろうと私が述べたと新聞に出ておる、それは事実に相違しているではないかという点であります。御承知の通りに、現在なおソ連に抑留せられておるものと推定される同胞の数は、六十五万人を下らないと考えます。従つて、ただいまの新聞記事は、その数字から見ましても計算が合わない。私は当時原稿を準備して一々の質問に答えたのでありませんから、私の記憶をたどつて、当時自分から話したということを思い浮かべるほかに方法はないのでありますが、私の記憶に誤りなくんば、当時私が答えたことは、この上ソ連地区の同胞に越冬させたくない、來るべき冬季以前にぜひ本國に帰還させたいというのが、われわれ一同の念願である。それには少くも月に十七万人くらいの人間を送還しなければ、シベリアにおいてさらに冬を迎えなければならぬことになるわけだ。受入態勢はすでにできておるから、われわれとしては、せいぜいかような方向に連合国の好意的援助を求めることに努力いたしたいと考えておるということを答えたと私は記憶いたしております。
 それから第二点は、今月何日でありましたか、大阪の記者会見において、六千万ドルの綿花クレジツトができたと私が答えておる、これも事実に相違しておるではないかというお尋ねでありますが、その通りであります。当時の記者の質問は、クレジツトの設定は日本再建のためにきわめて重要な問題であるが、政府はこれに向つて努力をしておるかということを尋ねられた。私はきわめて同感であるから、政府としてはできるだけのことをいたしたいと思つておる。何かできたものがあるか。まだできたというものはない。ところが、綿花輸入のために六千万ドルのクレジツトができたというニユースを聞いておるが、それはどうだということでありました。これに対して私が答えたことは、今後日本がさしあたり輸入すべき物資については、輸出入回轉基金というものが司令部の中に設定されて、多くはこれによることと考えておると言いましたところが、しかし実質においてはクレジツトと同じことになるのではないかと申しますから、クレジツトという文字にはあてはまらないが、しかしその與える結果においては、クレジツトを得たと同じことになるかもしれぬということを私は答えたと記憶しておるのであります。
 かように間違つたことがときどき出ますのは、おそらく私がかような場合に、從來の多くの政治家がやられたような、紙に書いた原稿を記者團に渡すという方法によれば、かような間違いは起らなかつたことと思う。ところが、今日まで私はそういう方法をとつていなかつた、ということのために起つた誤解であろうと私は思います。将來はそういう点については十分の用心をして、愼重の上に愼重を重ねて、再びかくのごとき間違つた報告が世間に現れないように注意いたしたいと考えている次第であります。(拍手)
  [角田幸吉君登壇]
#14
○角田幸吉君 まず司法大臣鈴木義男君に再質問申し上げます。私が司法大臣にお尋ねいたしましたのは、ただいま司法大臣が新聞記事で書いているような、そういうことをお尋ねしたのじやない。司法大臣の責任を追及したのであります。さよう御承知の上御答弁を願いたい。
 一体司法大臣は、先ほど申し上げましたように、たびたびその都度刑務所、檢事局その他の方から報告があつたならば、現在の官紀の紊乱ということについては十分御承知でなければならない。しかるに、司法大臣はその点を等閑に付して、たとえば沼津の一市長の選挙に應援に行つているではないか。そんなことをやめて、本氣にふんどしを締めて、これにかからなければならない。(「質問じやない」「弾刻だ」と叫び、その他発言するものあり)承知しました。
 そこで、そういうような状態において行われているのであつて、司法大臣が、監獄でもちをついたりなんかしたことについてお知りであつたならば、もう少し嚴重なる調査を遂げて、それぞれ処分すべきである。司法大臣がちようど靜岡刑務所に行つて、行刑大学をつくつて官紀肅正をするなどと言うと、そんなことで一体官紀の肅正ができるもんかとばかりなめられてしまつて、その晩のうちに八王子の少年刑務所の囚人が脱走する。こういうことについて、はたして司法大臣に責任なきかどうか、明解なる御答弁を煩わしたいのであります。
 次に、芦田外務大臣に対してでありますが、外務大臣御就任の当時、例の琉球、千島の問題を提供して、このことについて中國の反感を買つている。しかも、今日において曖昧なことをしているというようなことであつては、日本の國際外交というものについて不安である。今後かくのごときことがないように、一應の警告を発しておきます。(拍手)
  [國務大臣鈴木義男君登壇]
#15
○國務大臣(鈴木義男君) 角田君から重ねて、司法大臣の責任いかんという御質問でありますが、受刑者の逃走するということは、ときどきあることでありまして、私の在任中だけの現象ではないことを承知いたしたのであります。前の内閣の司法大臣のときにも、逃走はときどきあつたように承つておるのでありまして、その都度司法大臣が責任をとつたということは承らぬのであります、これは責任の軽重ということはおのずから存することでありまして、司法大臣がその責任をとつて辞職すべきものであるとまでは考えておらないのであります。その点は御了承願いたいと思います。
     ――――◇―――――
 水害の予防措置に関する緊急質問(島上善五郎君提出)
#16
○叶凸君 議事日程変更の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、島上善五郎君提出、水害の予防措置に関する緊急質問を許されんことを望みます。
#17
○議長(松岡駒吉君) 叶君の動議に御異議ありませんか。
  [「異議なし」と呼ぶ者あり]
#18
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 水害の予防措置に関する緊急質問を許可いたします。提出者島上善五郎君。
  [島上善五郎君登壇]
#19
○島上善五郎君 私は、今回の水害に関して当局者のとつた措置、特に東京都に起つたいわゆる櫻堤の決壊に関する当局者の措置について、各派を代表してニ、三質したいと思います。
 まず、私の調査して得た結論によりますれば、今回の水害は、その事前措置が適当でありますれば、相当防止し得たものであるということ、特に東京都の櫻堤の決壊に至つては、当局の措置が正しかつたならば、完全に防止し得た性質のものであることを知つております。從つて、あのような葛飾、江戸川をどろの海と化し、二十万住民を罹災のどん底に苦しめ、東京都の野菜給源を全滅せしめたところのその原因は、官僚の無能と怠慢と無責任によるところ大なるものがあると私は考えます。
 利根川上流が氾濫いたしまして、その水が次第に南下して東京都に迫りつつある十八日、私は水元、小合、金町並びにこれに近接する埼玉縣附近をつぶさに調査視察いたしたのでありますが、いわゆる櫻堤に利根川上流の水がひたひたと押し寄せてきておつたのであります。そして十八日正午には、櫻堤以北には満々たる水をたたえ、一時間に五寸ないし六寸の水勢をもつて増加しておつたのであります。
 元來櫻堤は両方とも農耕地でありまして、普段は何のためにそのような堤が必要であるかわからぬようなところでございますが、利根川が氾濫しまして、その水が東京え必然的にまいりますときに、東京を防衛するための最後のただ一つの防衛線であります。左は中川に接し、右は江戸川に接しておりまして、この櫻堤え到達をした水を処置するには、中川え落とすことと江戸川え落とすこと以外に方法がないのであります。十八日の午後二時には、遂に水門を切つて中川え水を落したのでありますが、当時はすでに中川自体が堤防わずかにニ尺か三尺しか余さないという状態で、中川自体が危機に瀕しておりました。しかるに一方江戸川においては、川原の畑が現れておるというような状態で、何人が考えましても、これを防止するためには、江戸川の堤を切り開いて、この水を江戸川に落す以外に方法がないということは、明瞭なる事実であります。
 私は、ちようど後に決壊しました金町五丁目、六丁目等を十八日の午後三時ごろ視察いたしたのでありますが、土手は余すところ五尺、しかも水勢は先ほど申しましたように、一時間後に五寸、六寸の勢いをもつて増しております。從いまして、十八日の深更、十九日の午前には、そのままでいきますれば堤防の水が溢水するということは、小学校の子どもでも計算する、きわめてわかりやすい道理であります。
 地元の住民諸君は、私に対して、遅くとも午後十時までに江戸川の堤を切つてほしいという痛切な要求を出しておりました。私は、そこにおりました警戒の責任者に対してこれを要求し、さらに警戒本部に対して電話をもつてこれを要求したのであります。しかるに答えていわく、十時までには必ず爆破するということになつておる。その手はずができておるという答えをしておりました。私たちはこれに期待をかけて、一縷の望みをもつておつたのでございますが、夕刻に迫りましても、何らこの切開作業をいたす樣子がない。三千人も動員して警戒に当つておりまいた地元の人々は、これに不安を抱きまして、もし当局において爆破しなかつたならば、われわれ自身が、たとい法に触れても、自分たちの手によつて切開しようとして、シヤベルをもつて起ち上つたのであります。これに対して当局者は、十時には必ず爆破すると言つてなだめすかし、いわば一種の欺瞞をしたのであります。
 水は、先ほど申しましたように、だんだん殖えてまいりまして、遂に、御承知のように十九日の午前二時五分には櫻堤が決壊いたしまして、濁流は滔々として、さながら官僚の怠慢を嘲笑するかのごとくに葛飾、江戸川をまさになめ盡そうとしております。しかも驚くべきことは、この櫻堤の決壊後、当局は周章狼狽して爆破作業に着手し、この決壊後十二時間三十分にして、ようやく江戸川の切開作業を終了したのであります。十二時間三十分も経つてから、ようやく江戸川を切り開いて、その水を江戸川え落したというこの怠慢ぶりは、私は何としても鼓を鳴らして糾弾しないわけにまいらぬのであります。
 私は昨日、自由党の諸君が推薦した安井都知事にこの事実を詰問いたしましたところが、この土手の爆破作業は自分たちの手に負えないから、G・H・Q・の工兵隊に依頼に行つた。ところが、G・H・Q・の工兵隊からは、それではその堤の状況はどんなぐあいであるか、地質はどうであるか、水勢はどうであるかと聽かれた際に、答弁することができなかつた。大した問題ではないから、お前たちの方でやれと言われて、そこに手違いが生じ、手遅れが生じたのであります。
 一体利根川が氾濫しますれば、その水が南下して、この櫻堤に來ることは、私がさきほど申しましたように必然的であります。十五日の夜半に利根川が氾濫して、その間に三日間あるのに、この土手の爆破について調査も準備もしないで、G・H・Qから問われても答弁もできないというこの怠慢は、一体何ということでありましようか。もし、この江戸川堤の切開作業が、十八日の午前、すなわち櫻堤え水が到達した時分に開始されるならば、あえて爆破の力をまたないでも、人工をもつて、シヤベルをもつて掘つても、十分に間に合う程度の性質のものであります。從いまして、櫻堤の決壊も、またその後に起つたところの中川堤防の決壊も、当局の処置さえ正確に時間を誤らなかつたならば、十分に予防し得たものであると私は確信いたします。(拍手)
 私は昨日、この決壊の現場並びに罹災者たちの状況を視察いたしましたのでありますが、この多くの罹災者の中には、かつては引揚者としての苦難をなめ、あるいは戰災者としての犠牲を拂つた人々、ようやく更生の緒についた人たちが、再び三たびこのような犠牲をこうむつて、仰いで天の無情を嘆き、伏して官僚の無能・怠慢を恨むという状況であります。私は、当局者は何の言葉をもつてこれらの諸君に報いんとするか、お伺いいたしたいと思います。
 さらに、私はこの機会に今後の処置に関して伺いたいことは、今般の被害者諸君に対して各種の救援の方途を講じなければならぬことはもちろんでございますが、特にこれらの人々に対する免税の処置をどのように考えておるか、伺いたいと思う。さらに生産資材の配給、生活資材の配給に対して、どのような処置を具体的にお考えになつておられるか。また、農村被害地に対する供出免除について、どのように考えておられるか。さらにもう一つ、御承知のように、そうでなくても野菜飢饉に悩んでおる東京都民に対して、野菜の供給源のほとんど大半を失つた今日、東京都民に対する今後の野菜確保に対する具体的なる考えがあるかどうか。以上の点について明確なる御答弁を承りたいと存じます。(拍手)
#20
○議長(松岡駒吉君) 内務大臣は水害地の視察中であります。内務政務次官長野長廣君。
  [政府委員長野長廣君登壇]
#21
○政府委員(長野長廣君) 過日大豪雨に際しまして、栗橋方面の堤防決壊を端緒として二箇所の大決壊を生じましたることは、まことに遺憾に存ずるところであります。この間におきまして、多数の民衆に甚大なる損害をかけ、また農作物そのほか交通等に対しまして甚大なる災害を與えましたことにつきましても、まことに遺憾に存ずるところであります。目下内務省といたしましては、大臣以下責任当局が同地に出張いたしまして、あるいは資材の集中に、あるいは應急の工作に從事をいたしておる次第でございます。
 しかるにかかわらず、ただいまの島上君の御質問はまことに重大なるものであるのであります。ただいま内務大臣並びに責任技官の留守でございます関係上、速やかに帰任後將來に対する計画を併わせまして、ただいまの御質問に対してお答えをいたしたいと存じます。また、なお委員会等におきましては、技官等よりいたしましても、精密なる報告に基いて御答弁を申し上げたいと存じます。何分に御了承をお願いいたします。(拍手)
#22
○議長(松岡駒吉君) 大藏大臣は、ただいま緊急要務のため、席をはずしております。大藏政務次官小坂善太郎君。
  [政府委員小坂善太郎君登壇]
#23
○政府委員(小坂善太郎君) 島上君の御質問に対してお答え申し上げます。今回の災害に関しましては、まことに遺憾この上もないことでありまして、これは荒廃いたしました國土がその再建途上に受ける打撃を考えますときに、また罹災を受けました各位のことを考えますときに、われわれとしては、まことにえりを正して今後の政策について、さらにわれわれとして全力を盡していかなければならないことを痛感するのであります。
 全般的な問題といたしまして、われわれといたしましては、この災害者のお氣持をもつてわれわれの氣持といたしまして、速やかに再建に出発せられまするために御援助を申し上げるような格段の措置をとりたいと思つております。
 財政的な問題といたしましては、速やかに私どもは大臣とともに、明日休日を利用いたしまして現地を視察し、さらに埼玉群馬地方まで参りまして、その方面の金融関係の代表者、さらに日銀の当局者を加えまして、適切なる現地における措置を講じまして、われわれの指令を與えたいと考えておる次第でございます。
 さきに東北地方の水害においてとりましたわれわれの財政的な措置、すなわち全般的な國庫からの補助費、さらに地方において負担すると考えられる、すなわち府縣会において可決された財政負担につきましては、これを緊急に金融措置を講じますることによりまして、資金の斡旋をいたし、さらに生活の必需物資を確保いたしますために、金融緊急措置令の一部を解除いたしまして、第一封鎖を一世帶五千円、さらに家族一人当り千円の封鎖の解除をいたすようにしております。もちろん、われわれといたしましては、これをもつてはごく一部と考えておるのであります。さらに全貌の判明するに從いまして、適切なる措置を講じたい、かように考えておる次第であります。
  [政府委員井上良次君登壇]
#24
○政府委員(井上良次君) 農林省所管に関する御質問のうち、大臣が差支えがありますので、私から御答弁を申し上げます。
 今回関東・東北を襲いました水害は、実に未曽有のの大被害を各地に與えまして、特にまさにみのりを見ようとしております農作物の被害は、非常に甚大なものがあります。これら被害地の耕作農民の心情を考えますと、まつたく同情その極にわれわれはあるのであります。
 そこで政府といたしましては、これら被害地の農民に対する應急施設といたしましては、それぞれ必要な手当を加えておりますが、今御質問の被害地の農作物、特に主要食糧の供出に対して免除するかどうかというお尋ねでございますが、これらの問題につきましては、被害地の作付面積がどうなつておるか、またその農作物がどういう被害を受けておるかという具体的な実態を調査いたしました上で、適当にこの問題は処置したいと考えております。
 なお、野菜の給源地帶がことごとく水害に遭いましたために、東京都の供給に非常な支障を來してくるが、これに対する政府の対策いかんという御質問でございます。この東京都の大きな給源地帶、関東一円、東北にかけての水害の地帶に作付されます野菜は、政府といたしましても非常に重要視いたしまして、ただちに水害地以外の、すなわち信越地方、あるいはまた東海地方に急送いたし、さらにまた被害地に対しましては、早生のだいこん、かぶら、これらを急に植えつけまして、十分処置を講ずるとともに、なお、その間に貯藏のカン詰等を放出いたしまして、應急の対策を講じたいつもりであります、さよう御了承願います。(拍手)
     ――――◇―――――
 第一 自由討議
#25
○議長(松岡駒吉君) これより自由討議に入ります。
 山口喜一郎君、発言者を指名願います。
#26
○山口喜久一郎君 日本自由党は、小峯柳多君を指名いたします。
#27
○議長(松岡駒吉君) 小峯柳多君、発言を許します。
  [小峯柳多君登壇]
#28
○小峯柳多君 企業整備の名において、のれんをはずされ、設備の供出までさせられた小賣商や製造販賣業者は、終戰後またかつての営業を再開する日をもたらすであろうことを、希望をもつて待ち望んでおると考えます。協力工場の名のもとにおいて、親工場や統制組合から金縛りにされた中小の工場は、終戰後またかつての独立の企業に還つて、活発にその営業の計画を進めていると考えます。財閥は解体されつつありますし、独占は禁止されたのでありますから、今後はどうしても中小商工業の活発なる活動によつて日本経剤の再建をしなければならぬということも、ほぼ一定した世論のように考えられます。しかし、業者の希望また決心にもかかわらず、かよう世論にもかかわらず、中小商工業の振興対策は、まことに遅々として進まないのであります。ここに自由対議の議題といたしまして、この対策を提案いたしまして、率直なる御意見を伺うゆえんであります。
 中小商工業の問題は、古い問題ではありますが、同時にまた常に新らしい問題だと言わなければなりません。古い問題と申しますのは、二十年來、あるいは全販連や全購連の産業組合活動に関連いたしまして、この問題が取上げられてまいりましたし、また輸出貿易が非常に進展いたしまして、再禁止後の時期におきましては、ソーシヤル・ダンピングの問題と関連いたしまして、この問題が取上げられてきております。また戰時中は、企業整備、戰時動員にこれを駆り立てるために、中小商工業が問題になつております。そうして歴代の政府は、またそれぞれ一應の対策を立てまして、これに対する政策を実施してまいつておるからであります。しかし、新らしいと申し上げますのは、かように歴代の政府の努力にもかかわらず、中小商工業の対策は、その実効まことに香ばしくないのでありまして、今この問題がまた新らしい角度から取上げられなければならない時期に遭遇しておると思うからであります。
 すなわち、先ほどもちよつと触れました通り、わが國の経済の構造が、終戰後はまつたく一変いたしておりまして、集中の排除と言い、獨占の禁止と言い、どうしてもこの中小企業の活動にまつ以外に國家再建があり得ないといたしますれば、中小商工業の問題は、まつたく從來と角度をかえて取上げられなければならないと思います。
 さて振り返つて、この中小商工業対策がどうしてこんなに不振であるかと言いますと、その第一は、從來の中小商工業の対策が、独占と集中という資本主義の原理に対しては一顧も與えられず、いわば末梢的な扱いを受けておるように思われるからであります。その二は、内容きわめて複雜なるこの問題が、ただ一口に中小商工業という名前において構括的に取上げられる。從つて、通り一遍の対策しか立てられなかつたような状態になつておつたからだと思います。
 第一の問題は、集中独占という資本主義の原則に対して、今回強い経済政策の手が打たれました。根本の問題が変つてまいつたのであります。われわれも、公正なる自由経済という考え方から、集中・独占に対しましては、常に適当なる制御策を用意してまいつておるのであります。このわれわれの考え方が、独占禁止法となり、あるいはまた近く集中排除の法律になつてくるように思われるのであります。かような意味から言つて、中小商工業の対策は、まず基本においてその軌道に乘つたと言わなければなりません。
 複雜なる中小商工業の内容、ただ一口にかように呼びなして対策を立てておりますことのいかにも不合理であります点は、同じ商業でも、純然たる商業、そうしてまた商業と工業とを兼ねているような業態もありますし、そのまた商業の中にも、小賣商もあれば卸賣商もあり、問屋のような業態の特色のあるものもあります。工業に至りましては、部品の工業と完成品の工業、國内向け工業か、あるいは國際輸出向けの工業か、あるいは自立的の工業か、問屋の庇護のもとにやつていく工業か、あるいは單独でやつていく工業か、あるいは協力工場として親工場に賄われていく工場というふうに、違いがきわめて多いのでありまして、こういう内容の複雜多岐なるものを、ただ一口に中小商工業として取上げております点に、この対策の進まない第二の理由があると思います。私は、かような一括的な取上げ方をされております限り、中小商工業の対策には進歩も発展もあり得まいと思います。
 ともかく、集中と独占に対する強い手は打たれました。中小商工業対策は、ようやく本筋にはいつてきたわけでありまして、かような環境のうちに、日本の経済再建がすでに中小商工業の活動による以外不可能であるということが明らかである以上、現在は過去に繰返した過ちをきつく反省いたしまして、強力、効果的なる対策を確立することが必要であると考えます。また環境が進んでおりますから、もし努力をいたしますれば、この対策は必ず強力に打立てられる可能性があると信ずるのであります。
 以下、中小商工業の対策の中で問題になりそうなニ、三の点を拾い上げて考えます。まず金融であります。現在の内閣の公式的な健全金融主義は、政府支拂いの遅延と相まちまして、今日産業界をきつい金融饑饉に陷れておりますことは、周知の通りでございます。しかも中小商工業の場合には、金融の梗塞がすなわち工場の閉鎖であり、また営業の停止になるのでありまして、先般の新物價体系によつて材料も高くなり、仕入商品も高くなるというあの状態におきましては、從來の運轉資金が新しい運轉資金として働く余地もなくなつておることも附け加えて申し上げなければなりません。
 もちろん金融と言いましても、商業の金融と工業の金融との、その内容の違いますことは言うまでもありませんし、商業、工業における業態の違いが、その金融の態樣をかえなければならぬことは言うまでもありません。しかし私どもは、この中小商工業の金融は、いろいろの看板を掲げ、いろいろの宣傳はありましても、結局業者みずからの自己金融という線を中心に築き上げていかなければなるまいと思うのであります。
 具体的には、まず商工協同組合、市街地信用組合等をもつて、中小商工業のいわば專門の金融機関のようにこれを結び上げまして、その上部の機関を商工組合中央金庫に結び上げたいのであります。市街地信用組合のごときは、現在は庶民金庫と連接をいたしております。どうしても中小商工業の金融機関としてこれを活用いたしたいと思います。なお商工協同組合の保証業務というものを拡大いたしまして、相互の保証によつて一般市中銀行や無盡会社のようなものの活用をはかつてまいりたいと考えます。なお、商品や製造品を担保にいたすような簡易の商工簡易質屋のようなものを設定いたしまして、一般の金融機関から金融の便宜を得る方法のない零細商工業者に、これを利用させることを考えなければなるまいと思います。かような意味で、商工協合組合法の改正案が、私どもには非常に深い関心をもたされるのであります。経済事業と金融事業とを分離するような案には、反対せざるを得なかろうと思うのであります。復興金融金庫は、今の政府対策のうちで、ほとんど唯一といつていいくらいの中小商工業の金融対策になつておろうと思います。開設以來九月五日までの実績を調べますと、総貸出二百四十億のうち、中小商工業の金融は、わずかに五%の十二億円にしかすぎないのであります。商工組合中央金庫は、すでに開店休業のような状態にありまするし、中小商工業対策が必要だ必要だと叫ばれる割合に、こういう点でぬかりが非常に多いのを残念とするのであります。
 資材の点につきましては、現在のように一般に困難な状態におきまして、特に中小商工業だけということもむずかしかろうと思います。少くともその扱い方において、從來の重点主義なるものが、最終製品だけを考えておりまして、関連製品や関連工業を見落としている点が非常に多かろうと思います。関連工業を速やかに重点の扱いにするにあらざれば、中小の商工業、特に工業の成り立つせきはあるまいと思うのであります。
 次に重点でありますが、資本の大きい、小さい工場の規模の大小、あるいはまた、もつとくだけて言いますればお役所と接触するこの接触度の大小が重点の大小になる傾向なしとしないのであります。中小商工業における重点というのは、隠れたる地力のようなものを掘り出すことになくてはなりません。工場は小さくても、資本は小さくても、またお役所と縁は薄くても、ほんとうによい技術と固い信用をもつている業者を、その重点のうちに拾い上げるように、業者の民主的な判断によつてこれを決定してまいる必要があるだろうと思います。
 技術の関係につきましては、中小商工業を近代的に仕上げますために、少くともこれらの中小商工業対策の近代化をもつて不動の目標としなければならないと思います。その目標に対して、非常に重大なる意味をもつのでございます。しかし、一般に大工場の技術がよくて、小さい工場の技術が低いというようにみられる方が多いのであります。私どもの多少の経驗によつて判断いたしますと、大工場は機械設備がよい、道具立がよいだけでありまして、むしろ技術におきましては、小さい工場の事業主と、その事業主を中心とする勤労者の集まりにあるように思うのでありまして、從つて、なまじつか技術の指導などという大それたことを計画しないで、環境を整備いたしまして、この事業主や、この勤労者に、明朗に愉快に働いていただけるような作業環境の整備をなすべきだと考えます。また工業指導所の拡充、あるいはまた輸出檢査の嚴重なる実施、一般の商品の檢査制度は嚴重にいたしてよかろうと思うのであります。そういう方法で、技術の相談所のようなものが併せ考えられたならば、特段に技術の指導などという行き方は行き過ぎのように思うのであります。
 そのほか、この中小商工業の問題には、税金の問題がありますし、また徒弟制度の改善の問題だとか、協同組織化の問題などがありますが、要は中小商工業の近代化を行い、そしてその近代化を通じて経済の再建に十分たる活動をはかることでなければなるまいと思います。
 なお最後に近く國会に提案されると傳えられておる生活協同組合に対して一言いたしたいと思います。すなわち、傳えられるごとき内容によつてこの法案が提出され、この法案が法律となつて通過いたします場合には、中小商工業者に対する影響は、けだし甚大なるものがあろうと思います。現在のように中小商工業が氣息奄々たるときにあたりましては、場合によつては命取りになりかねないような面も氣ずかわれるのであります。われわれも世界的潮流としての消費組合運動に対して、目をつぶろうとするものではありません。すでに産業組合法によつて消費組合はあるのであります。しかも、中小商工業が現在のように氣息奄々といたしておりますときには、商業者活動の攻勢によつて今の消費生活が抑えられておるとは考えられません。台所の困難は、國家の総貧乏であり、特にまたこの公式的な配給統制方式によるのでありまして、商業者の攻勢にあるとは、どうしても考えられません。消費生活者が自己防衛のためにこの組合を考えますことは、あるいはうなずけないこともないのであります。防衛も度が過ぎると過当防衛になるのであります。現在のように中小商工業者が氣息奄々たるとき、かような免税特権、大幅の特権を附與される廣汎な生活協同組合法が上程され、通過いたしますにおきましては、中小商工業者に対する影響まことに少くないものがあらうと思います。一方に中小商工業の振興対策を唱え、一方にこの法案を考えるといたしますれば、右手でなでて、左手でほつぺたをたたくようなたぐいだと言われても、弁解の辞があるまいと思います。われわれも、消費生活の合理化に対しましては、深甚なる関心はもつております。しかしわれわれは、中小商工業、特にその小賣商を健全活発に育成いたしまして、その活動による正しい営業と正しいサービス、近代的な中小商工業の育成によつて、むしろ台所生活も合理化されると確信するのであります。
 以上、問題の輪廓を提案いたしまして、自由討議の議題に供する次第であります。(拍手)
#29
○議長(松岡駒吉君) 安平鹿一君、発言者を指名願います。
#30
○安平鹿一君 日本社会党は、林大作君を指名いたします。
#31
○議長(松岡駒吉君) 林大作君、発言を許します。
  [林大作君登壇]
#32
○林大作君 ただいま小峯柳多君から、中小商工業のきわめて表面的な現象にとらわれたところの御議論を拜聽いたしたのであります。私の見るところでは、自由主義的な考えにとらえられており、なおかつ問題を割合に國内的に見て、そしてもてあまして、どうしようかというだけのお話でございまして、これでは何としても中小企業の問題を解決する端緒すらも得なかつたということは、はなはだ遺憾に存ずる次第であります。私は、ここにもう一つつつこんだ建設的な意見を申し上げまして、特に政府の御参考に供していただきたいと希望する次第であります。
 御承知のごとくわが國の産業の特徴は、今次大戰以前より、すでに中小商工業によつておるという点が、非常に他の先進國の産業の状態とは違つたところでございまして、その中小企業が特に技術的な優秀性に重点があつたことは、皆樣の御承知の通りであります。これが輸出産業に対しましても非常なる力となつておつたのであります、ところが、このたびの敗戰によりまして、大企業はほとんど大工場が破壊せられ、その上、終戰後の占領政策によりまして、財閥の解体、独占禁止法の実施、並びに來るべきところの企業集中排除法案の上程ということに相なつてまいりますると、わが國の産業の主体を將來どこにおくべきかということは、眞劍に考えなければならない問題であります。それは言わずもがな、中小企業をいかに再整備して、いかにしてこの中小企業の実力を出すかということに、私は重点があると思うのであります。
 かくのごとく中小企業は、わが國経済発展の特殊事情によりまして、産業構成上きわめて大きなる比重を占めておるのでありますが、今後さらに中小企業によらなければならないところの人口が、ますます殖える必然性をもつておる。ゆえに中小企業は、わが國におきましては、特に経済的社会的にますます重大な問題に相なるのであります。
 しかるに、これに逆比例いたしまして、物資の需給状態が極度に逼迫せる現状におきましては、生産の効率性に主眼をおく資材の有効活用というものが絶対必要であります。從つて、中小企業に関しましても、当然その億劣の選択が行われなければならないと思うのであります。他方貿易の再開に伴いまして、その主役を演ずべきものは実にこの中小工業であります。今後世界の信用をかち得つつ、國際経済において実力を発揮するような中小企業が、はたして日本は現在育成されつつあるかということを考える場合に、まことに寒心にたえないものがあるのであります。その技術及び経営の急速なる高度化をはかることが、何としても緊要なる問題であります。
 中小企業たるがゆえに、これは保護しなければならないというような見地に立つて、失業救済の手段としてのみ中小企業を考える場合には、いたずらに中小企業者をして政府に対する依頼心を起さしめるもので、これはよろしくありません。國家の指導と援助はもちろん必要でございまするが、それは中小企業者を堕落させない。正しい意味の企業の現代化をなすことであり、締め直しでなければならぬと思うのであります。たとえば、スイスにおけるあの時計は、中小工業のりつぱな産物であります。中小工業であるがゆえに技術がすぐれており、中小工業であるがゆえに、資本が要らないがゆえにコストが下るというような條件を生み出さなければならないのであります。このためには、業者も政府もともに粘り強い忍耐力をもつて進む覚悟がなければならないと思います。
 商業におきましても、小さいだけで経費が少くて、小まわりがきいて、サービスが行届かなければならないのであります。すなわち、中小企業の必然的な必要性を発揮しなければならないと思うのであります。國際貿易市場におきまして、日本が再び伸び得るか否かは、一にこの中小企業の技術と能率とにかかつておると存ずるものであります。半年や一年ではいいものができないのに、暴利を追つたり、またむちやくちやに補助金を出すようなことがあつたならば、日本は中小工業とともに沒落するものと、われわれは考えなければならないのであります。
 吾人は、この中小企業の問題の困難性を深く認識いたしまして、わが國経済の眞の基盤が中小企業の健全なる発達にある点を固く信じて、優秀なる中小企業はこれを強力に育成するとともに、それ以外の中小企業は、業種の選択、経営の能率化、技術の改善等につきまして積極的な指導を與えて、もつて國際的には世界紡績市場の一員たるにふさわしく、かつ國内的におきましても、大企業に対して実質的に遜色のないという中小企業の養成をしなければならないのであります。
 これがためには、まず第一に技術向上の指導ということが問題となります。この技術向上の指導のためには、中央、地方の中小企業の指導機構を強化いたしまして、技術者を包容し、一般的及び個別的な技術指導の中核たらしめることの必要があると思うのであります。また要すれば、業種別に技術改善準則などを制定いたしまして、この技術の向上をはかることが必要であろうと思います。またアメリカにおいて行われておりますように、生産品に対して生産者の名前をきちつとつけておくというような方法も強行する必要があろうかと思います。また外國の見本なども取入れました見本市であるとか、展示会などをときどき行いまして、そうして技術の向上に努めたいと思うのであります。そして優良品に対しましては、表彰をするか、報奬を出すとかいうような方法も考えなければなりません。いずれにいたしましても、中小企業の技術を向上させるために、外國の優秀な技術はもちろん、國内の大企業が有しておりますところの技術もこれを公開して、中小企業の技術の中に溶けこますことが必要であろうと思うのであります。
 次には、経営の能率化の推進をいたすことが必要であると思います。このためには、中小企業の指導機構を強化いたしまして、経営に関すを專門家をその中に加えて、能率の指導をすることが必要であります。要すれば、経営能率準則のごときものを政府が考えられることが必要であろうと思います。なおこの際、商工協同組合の本旨を活かしまして、共同仕入れであるとか、共同の加工、保管、運搬、販賣ないしは共同の生産施設を行うことが必要であります。そうして協同組合には、できることならば法人も加入せしめ、また金融事業をも営ましめることが必要でございます。もしも、この商工協同組合をして、そこまで行うことができないというのでございましたならば、その代りに、たとえば合作社のごときものを組織いたしまして、これを活用することによつて組合にかえることも一案であろうと思うのであります。そうして、この合作社の連合体をつくりまして、現在の各都市の商工会議所が担つておりますところのあの仕事を、商工会議所の上に中小の二字を加えまして、これを中小商工会議所として活用することも一法であろうと思うのであります。いずれにいたしましても、中小工業を保護しようと申しましても、その組織において力を與えなければ、その保護の結果は現れないということを、われわれは記憶しなければならないのであります。なお能率推進のためには、生産品を工場ごとに專門化すとか、原價計算の普及をするとか、講習会を行わすとか、いろいろの点があろうかと思うのであります。
 なお次に、資材と資金の確保でございます。國家計画に基きまして、資材と資金の配分は、企業規模の大小にかかわらず、もつぱら企業の実質的な優秀性に着眼して、大企業に対する資材と資金の確保と同樣に、中小企業の資金と資材の確保の機会均等を嚴格に確立してやらなければならないと思うのであります。資材の現実的な入手を確保するためには、原材料公團その他の有効なる活用をはかるとともに、商工協同組合法によりますところの協同購入を活発化することも必要であろうと思います。また現在活動をいたしておりまするところの産業復興公團による委託購入の制度のごときも利用すべきものであろうと思います。また中小企業のための設備の建設、貸與その他を積極的に行うべく、産業復興公團の機能を強化しなければならないと思います。
 ここに一言いたしたいことは、中小企業の親ともなるべき、今申し上げますところの産業復興公團が、現在主要人事の官僚化と、機構を活かすべき新しき経剤人の不足とによりまして、正に化石しつつある現状は、まことに見るに忍びないものがあるのであります。この点、政府の注意を喚起したい次第であります。
 次に資産につきましては、復興金庫の中小企業部門や商工組合中央金庫におきましては、とうていこの重大なる中小企業の復興は賄いきれないと思うのであります。よろしく別の金融機関を中小企業のために設けられまして、そして專門的にこれを援助金融すべきものを確立すべきであります。
 以上のほかに、政府は中央とか地方に民主的な中小企業の指導委員会のごときものを設けられてはいかがかと私は思うのであります。なお、各都市には中小企業の相談所のごときものを設けて、そうして中小企業の特殊性を重大に取上げて、一々これを懇切に指導することが、私は必要であろうと思うのであります。そのためには、要すれば商工省のうち、もしくは外に中小企業の総局を設けることによつて、この指導の中心にさせることも一案であろうと思います。これらの中小企業の切迫せる現状に対しまして、一体政府はいかにお考えになつておりまするか。ついででございますし、水谷商工大臣もおいでになりますから、一つ責任ある見透し、御答弁をお伺いしたいものでございます。
 以上、私はおもに中小企業につきまして、やや工業に偏したる議論をいたしたようでございますが、実はわが國におきましては、商業はいくら伸ばそうといたしましても、なかなか私は困難であろうと思います。どうしても工業の方面、特に輸出貿易を中心にして、中小工業は無限に伸び得る可能性があるのであります。これがためには、大きなる電力工事の設計をするとか、その他の動力及び物資を十分に得る方法を講ずることにおきまして、外國貿易と結びつけて、日本が中小工業の大発展をなすべき基礎は、今においてつくらなければならないと思うのであります。
 最後に、中小商業者とわが党の主張いたしまするところの生活協同組合との間に、先ほど小峯君の御議論にも、やや反撥するがごとき御心配がございましたから申し上げておきますが、一体生活協同組合と申しますものは、隣組と町内会の廃止に代つて急速に展開されつつある、やむにやまれないところの運動の現われでございまして、憲法第二十五條の、いわゆる國民が健康で文化的な最低生活を営む権利を擁護せんがために生れつつあるもののごとく私は感ずるのであります。これとは別に、中小商業者は、サービスと、それから專門店となることにおいて、大いに活躍すべき余地はあると思うのであります。万一相容れないような場合には、よろしく達観をされて、小賣業者と協同組合とが合体をして、生活協同組合の技術者として、この問題を解決されんことを希望するものであります。いささか私見を述べまして、御参考に供したい次第であります。(拍手)
#33
○議長(松岡駒吉君) 坪川信三君、発言者を指名願います。
#34
○坪川信三君 民主党といたしましては、長野重右ヱ門君を指名いたします。
#35
○議長(松岡駒吉君) 長野重右ヱ門君、発言を許します。
  [長野重右ヱ門君登壇]

#36
○長野重右ヱ門君 ただいま、本日の自由討議の問題であります中小商工業の振興対策について、自由党の小峯君、社会党の林君から、いろいろとお述べになつたのであります。私も、この問題につきまして、國会法第七十八條の精神に則りまして、きわめて自由なる立場においてその意見を申し上げまするとともに、政府当局に対して、速やかにこれに対する適切なる措置をおとりにならんことを要望し、さいわいに水谷商工大臣が御出席になつておりますから、先ほどの林君に対する御答弁と纒めて、私の意見に対しても御答弁をお願いいたしたいと思うのであります。
 私は、この問題を取上げてまいります上において、大体四つの事柄に分けて扱う方がいいのではないかと思うのであります。その第一は、中小企業振興の必要性であります。何がゆえにこの中小企業の振興をやらなければならないかということ、次には、日本の中小企業の性格はどういう形であるかということ、その次に、政府の政策とこれに対する業界の実情について申し上げたいと思うのであります。最後の第四番目に、しからばどうすればよいか、その対策を申し上げて結論に入りたい、こう考えるのであります。
 第一に、中小企業振興の必要性でありますが、現内閣が生れましたとき、あの経済緊急対策の発表いたされたとき、片山首相は、この行き詰れる日本の現在の経済危機を突破していくのには、別に新しい事柄があるのではない、從來から言い古された事柄を、いかにして果敢にこれを実行して行くかに盡きるということを申されたのであります。私は、この言葉は今の中小商工業、殊にこの中小企業の振興の上にあてはまるのではないかと思うのであります。
 敗戰後、日本経済は民主化の一途をたどつておるのであります。財閥の解体であるとか、あるいは独占禁止法の制定、また近く行われまするところの賠償施設の撤去の問題であるとか、こうした事柄は、いやが上にも大企業が影を潜めまして、日本経済の再建は、どうしてもこの中小企業が負わなければならない。言いかえますならば、日本経済の再建は、中小企業と中核体としなかつたならばできない事柄であるということは、申し上げるまでもないのであります。それと同時に、また日本経済は世界経済の一環としてのみ存在が可能であるということを強調しなければならないと思うのであります。
 過般、連合軍の好意によりまして、民間貿易は再開いたされ、輸出入回轉資金が設定いたされたのであります。輸出振興の措置を速やかにとらなければならないことは言うまでもありません。また、この輸出貿易の占める中小企業の役割の大きいことも申すまでもありません。日本は労働力が過剩でありまするけれども、これに対應いたしまするだけの資材が不足いたしておるのでありまして、どうしても加工貿易の方式のもとに、これをやつていかなければならないことは言うまでもありません。戰前といわず、從來この中小企業が輸出貿易の上に占めておりましたものが六割に及んでおりますことは、また今までの実績において明らかであります。
 先ほど小峯君も言われましたように、大規模の工業に比較をして、この中小企業がいかに不利なる点にあるか、また、大規模が非常に有利であつて、中小企業に依存することが何か誤つたるごとく言われる人々もありまするが、それは大きな誤りであろうと思います。もちろん、小峯君もこの点を指摘いたされたのであります。アルフレツド・マーシヤルの指摘をまつまでもなくして、外部経済の利益を受け得る形の中小企業であります。言いかえますならば、一つの地域に同じ種類の生産が集團的に行われまする場合に、いかに有利なる條件が揃つているかということであります。職工数百五十名以下をかりに中小企業といたしまするならば、その工場数は全体の九五%を占めておりますること、また内閣の統計に明らかであります。
 次に第二に、この日本の中小企業の性格の問題に触れたいと思うのであります。中小企業の重要性は、私を初め、先ほど両君からいろいろとお話になつたのであります。しかしわれわれは、現在の企業の形のままでこれを保護助長していくということを主張いたすのではないのであります。そこには新しい観念に立つて、しかも敗戰後の日本の経済の実情を把握して、どうすればこれを振興できるかということを考えていかなければなりません。
 ちようど太平洋戰争が起こりまするニ、三年前であつたと思います。アメリカのアレン教授が日本の経済界の実情を見にまいりまして、あの地に帰つて、シユンペーター夫人とともに「日本及び満州の工業化」という一冊の本を著わしておられます。そのうちの「経済支配の集中化」というところをひもといてみますと、日本の中小企業の性格というものが、はつきりと表現いたされておるのであります。日本経済構造における中小企業の役割は、その数においても、活動内容についても、注目に値するものがある。しかし一面において、これらの中小企業は、しばしば大商人または大工場に從属しており、その意味において、大局から見れば一大会社の部分に過ぎぬということを言つております。
 かようにして、既往における日本の中小企業というものが、決して健全なる存在ではなかつたということも言い得られまするが、その後軍需産業は平和産業に切りかえられ、あるいは財閥の解体に刺戟せられて、こうした雰囲氣の中から脱却して、一大轉換を余儀なくせしめられましたことも、また言うまでもありません。なるほど、れこらの業者の機械設備は貧弱である、技術もまた惡い、十分なる指導を受けるところもない、信用も乏しい、品物もまた不整一、こういう点はあげられるのでありますが、こうした幾多の欠点は、企業の合理化において解決し得られるものであると思います。
 先ほど社会党の林さんから、いろいろと協同組合の利用につきまして、全面的に中小企業者がこれを利用しなければならないということについてお述べになりましたが、私も全幅の賛意を表するものであります。こうした場合におきまして、生産、販賣あるいは輸送、経営、これらの面を協同施設いわゆる協同組合組織のもとに運営していきますることが、どれだけこうした問題をお互いの力によつて解決し得られるかということを、はつきり知ることができます。
 第三番目には、政府の政策と業界の実情であります。由來、この中小企業並びに中小商工業の問題につきましては、どうすれば振興ができるか、どうすればこれがうまく運営していかれるか、戰時中におきまするようなむりむたいなる不請作業というようなものは別といたしまして、政府もまた、これに対してはいろいろと施策をお考えになつておるようであります。
 本年の二月、前吉田内閣は中小企業振興対策要鋼なるものを御発表に相なつておる。現内閣ができますと、同じようにこの八月に、振興だけを拔いて、中小企業対策要綱というものを御発表に相なつておるのであります。その中には、われわれが拜見いたしまして、こういうことをやつてもらつたら日本の中小企業、殊に輸出の面におきましても、生活必需物資の生産面におきましても結構であると深く待望いたしておつたものがあつたのでありますが、遺憾ながら吉田内閣の要鋼も、現内閣の要綱も、何らその片鱗さえ見ることができないという始末であります。安本も、またこれに負けんようにというつもりでありますまいが、中小企業対策委員会というものを設けられております。ところが、これも一遍おやりになつて、輸出産業の中心は中小企業の確立ということ、と漠然たるところの原則的な方向をお示しになつたばかりでありまして、すなわち、作文行政と云われても何ら異議はないということに相なつてまいる。(拍手)
 そういたしますると、吉田内閣のこの振興対策、あるいはまた現内閣の中小企業対策要綱、いずれもこれら企業家に対する一つのゼスチユアと言われても弁解の余地はないと思ふのであります。かかる事柄に対しましては、速やかに適切なる処置をおとり願いたいと思うのである。(拍手)ここで考えておるでは困るのでありまして、お互い國民は、今日の状態をどうするかということに悩んでおるのであります。
 この中小企業の振興と結びつけまして、なかなかむずかしい問題は、いわゆる失業者の問題であります。御承知のように、この間政府の発表によりますと、顯在失業者が二百九十万人であり、潜在失業者―家に帰つて百姓しておるとか、あるいは現在やみ屋をやつておるとか、こういつたものが四百七十万人あつて、今度また企業整備がやむを得ないものといたしますと、ここに多くの失業者が現われて、その合計は千万人を越えんと、これはだれしも考えられます。これらはどこへ行くかと考えますると、理窟じやない。すなわち、この中小工業、あるいはこうした小さい企業の中に溶けこんでくることも、また考えなければならないのでありまして、この振興政策を立ててまいりまする上においては、これらの問題と結びつけて、どういうふうに考えるかという事も、政府として当然お考えにならなければならない事柄であろうと思うのであります。
 輸出振興の声は非常に大きいのであります。もちろん、これはなかなかむずかしい問題であります。民間貿易は許されたと申しましても、相も変わらず管理貿易の域を脱しないのでありまするが、資材や資金、爲替レートという大きな問題は第二といたしましても、何とかしてこの輸出に仲間入りをしよう、そうして何とかしてこの日本の経済再建に役立とうと思つて、これらの業者が力を盡してサンプルをつくり、さいわいにして、それがバイヤーの眼にうつつて、そうしてオーダー・フオームをもらうことになつた。やれ嬉しやと思つて、どういうふうな手続をすればよいかということになつてまいりますると、セールス・コントラクトが十三通要る。A・Pが五通要る。輸出準備申請が十二通要る。しかも、これは言うまでもなく全部英文であります。それがようやくスキヤツプを通つて、貿易公團から集貨の指令がまいつて、貿易手形がくるのでありまするが、この間にどれだけかかるかというと、御承知のように非常にかかる。しかもこの貿易公團は、政府の措置によりまして、どんな金融業者でも喜んで金に代えてくれるということに指図がしてあるようでありまするけれども、なかなかまたこれが金のまわらぬということは、実情を御承知であるならばよくおわかりになると思うのであります。
 次に、今申したように、こうした煩雜な手続は容易に中小商工業者でやれることではありません。英語を一字知らぬ者が、かくのごとき厖大なる書類をこしらえることは、なかなかであります。これに対して、政府はおそらくは御説明になるでありましよう。各府縣に貿易事務局を設けて、それぞれの人間を向うへ渡してやるから、それを利用すればよいとおつしやるかもしれませんが、これはこの間から議会でも、参議院でも、委員会でも八方塞りになつておる出先機関の仲間でありまして、とうてい、こんなものでこの斡旋をするとか、指導をするというようなことは、でき得ないのであります。
 私は、こうして直接それぞれの事務官等をその地に御派遣になるよりも、工業試驗所等を一層拡充せられて、そうして製品の上に、デザインであるとか、いろいろな面において指導もできるが、またバイヤーとの商談が成立した場合においては、これらの手続も代行してやれるというふうにお考えになることがよいのではなかろうかと思うのでありますが、これに対してどういうふうにお考えになつておりますか。殊に工業試驗所につきましては、商工大臣御承知のように、戰災をこうむつた所もあります。未設置の府縣も四縣あります、かなりの金が要ると思いますが、それは今日の場合においては、総体から考えてきわめてわずかなものであることは言うまでもないのであります。
 こういうふうに申述べてまいりますと、最後に、しからばこの対策をどうするかという問題になつてまいるのであります。もとより、これにつきましては、先ほどもいろいろとおあげになつて御説明になつたいくつかの事柄があります。その中で、この中小商工業振興の具体的政策の確立実施、いわゆる行政機関の整備であるとか、実情に即應した対策をとるとか、また技術経営の科学化をはかるということも必要でありましよう。また官僚独善統制方式の撤廃であります。いわゆる公團のようなものは、もうまつぴら御免を蒙りたい。臨時物資需給調整法によつていろいろと手をお盡しになります。すなわち、末端まで政府がつかもうということは、よい惡いにいたしましても、これではたして物がうまく流れていつて、そうしてできるか。今度の衣料切符の問題でもそうでもあります。中央に卸屋があつて、地方に小賣屋があるということになつてきます。しかしながら、総体的の数字はどこで押えていくか。これは政府が割当切符を出すのだから、それで品物ができるとおつしやるが、これはなかなか容易ではなかろう。今までは、これらの問題も、統制機関と申しますか、あるいは協同組合と申しますか、全國團体のようなものがあつて、しかるべく政府と表裏一体となつて仕事をやつてまいりましたがために、この車が動いたのでありますけれども、今後すべてを政府がやるのだという考えのもとで、これがうまくいくということは、どうしても考えられないのでありまして、この点も深く考えていかなければならぬと思います。
 資材・資金の優先割当の問題でありますが、この点につきまして、先ほど小峯さんが、自己金融でやる金の問題をお話に相なりました。また復興金融金庫の問題につきましても、なんじや、あの大きい中でたつた十三億円、五%に過ぎぬじやないかと言つて、声を大にしてお叫びになりましたが、私は、このパーセントというものを総体の数字から割り出して説明することは、正しくないと思います。なぜならば、中小企業というものが貸出を受けまする金額は、いずれも零細でありまして、その零細なるものが集積したからといつて、それが單なるパーセントということにはならないのでありまして、ことによりましては、このわずかな金額におきましても、十二分の貸出を受けておるということも考えられてまいるのであります。
 これらの資材につきましては、御承知のランニング・ストツク以外のものは、これを強制買上げをして、そうしてこれらの方面に流していく。東京都の調査によりますと、中小企業が生産に要します資材は、表の道から流れてくるのは三〇%ないし三五%だということの報告をいたしております。その他はどうかと言いますと、言うまでもなく、これはやみで入手をいたしておるのでありまして、やみではいつたものは、やみで流れていくことは当然だとも申し上げかねるけれども、そういう形をとるでありましよう。そういたしますと、政府がやかましく言われておるやみの撲滅であるとか、あるいは流通秩序の確立というような事柄に、大なる支障を來してくるのであります。金融の問題について今申し上げましたが、この系統機関の金融の強化拡充、この間復金はおやりになつたそうでありますが、この問題も考えなければならぬことでありましよう。
 次に、商工協同組合の組織拡充と機能の強化の問題であります。先ほど社会党の林さんから、この問題についていろいろとお述べになつたのであります。林さんは、この協同組合の施設あるいは協同組合の制度というものが、今日の中小商工業あるいは企業の面にどれだけ有効適切なものであるか、これを十二分に利用していかなければならぬということでありましたが、私もそう考えます。
 ところが、現実の協同組合はどうかと申しますと、御承知のように新聞にときどき載つております、最近お出しになると言われておるところのあの法律改正で、業界は非常なる不安を來しておるのでありまして、林氏がお話になりましたように、これをゆつくりと利用していくというどころでなくして、いわゆるこの法規の改正に対するところの混乱であります。これに対しましては、大臣はしばしばこの道の人からお聽きになつたと思いまするが、いわゆる今度の協同組合の改正につきましては、法人ははいつちやいけない、あるいはまた金融事業を併せ行うことはいけない、全國團体またしかりである。こういうようにお説きになつておるのでありますが、しかしながら今日の状況から考えて、その改正はすなわち惡い改正であります。すなわち改惡であります。
 全國の業者が商工省にしばしば陳情いたしておりますように、法人がはいつていけないといつてみたところで、日本におきまするところのいわゆる五十万円未満の法人は、九一%を占めておるのであります。きわめて微々たるものであり、中には、ただ單にこのことにつきまして、会社という名前がよいから、そういうふうな措置を講じておるようなわけであります。あるいは経済事業、金融事業を併せ行うことがいけないと申しましても、併せ行わなかつたら、なかなかやれないのであります。また免税の点につきましても、農業協同組合は、御承知の通り営業税・法人税・所得税が免税になつておりますが、この零細な業者が寄つております協同組合は、営業税のみの免税でありまして、ここに大きな差か生じておるのであります。また全國地区の團体、これなどもいけないというのでありますが、この零細なる業者を指導していきます上においては、全國團体の必要なること、多くの言葉を申し上げる必要はないと思うのであります。
 私は、最後に少し大きな問題になりますが、かくのごとくにして中小企業の重要性、しかもまたお互いはこれが振興をやらなければならないということに意見が一致いたしますならば、この傾斜生産の方式というものに対して再檢討を加えるところの必要があるのではなかろうかと思うのであります。重要物資につきましては、傾斜生産方式をとつておるのでありまするが、もちろん石炭三千万トンの必要性は私どもも認めます。しかしながら、國管の問題がなかなかこの議会内外にやかましい問題になつておりますが、いずれにしても、國管にしても、しなくても、三千万トンの確保ができるならば傾斜生産の方式をとつていくこともよいかも存じませんが、どうしてもできないのであるならば、ある程度石炭はできるだけにして、その代り石炭の需要先、たとえば鉄の生産を止める、その代り鉄は連合軍にお願いしてもつてくるように食糧さえできぬときに、そんなことかできるかという意見があるかも存じませんが、いわゆる輸出の振興さえはかり得たならば、これも頭ごなしにだめだという事柄ではなかろうと思うのであります。ただ私は、私の意見というよりも、こういう事柄について近ごろあちらこちらで声を聞くが、これはお互いが考えなければならぬではなかろうか、こういうことを申し上げるのであります。
 最後に少し申し上げたいと思いまするが、かようにして中小企業の振興、これは國家の廣汎なるところの要請でありまして、業者みずからも一大反省をしなければならないのでありまするが、こうした輸出工業にして進出いたしていきまする上には、製品といたしましても外國品に劣らぬものを十分つくらなければならぬ。優秀にして廉價しかし、これはいわゆるチープ・レーバーを意味しているものではありません。すなわち、その利益をお互いに適当に配分していく、労資協調してやつていく、われわれが唱えておりまする修正資本主義の方式のもとに、これが行われていくべきものであると考えられます。そうしてその製品は、どこどこまでも價値の附加率の多い、あるいは労働力の吸收能率の高い工業でなければならぬと考えるのであります。
 以上、いろいろなことを申し上げましたが、重ねて私は申し上げまするが、かようにして政府が送るたびに対策はお立てになります。一應の対策はお立てになりますけれども、それがまるで暗やみでラジオを聞いておるような形でありまして、業界に裨益するところが少いのであります。どうぞ現内閣におかれましては、これらの点を十分にお考えになつて、日本の再建のために中小企業の振興が必要であると心からお考えになりますならば、廣汎にしてかつ勇敢に、これらの施策の実行のために邁進せられんことを切望して、私は壇を降ることにいたします。(拍手)
  [國務大臣水谷長三郎君登壇]
#37
○國務大臣(水谷長三郎君) ただいま中小企業対策につきまして、いろいろ有益なる御議論を拜聽いたしまして、われわれといたしましても、まことに教えられるところが多かつたことを、心より感謝する次第であります。
 ただ長野さんが、現在の内閣が八月に中小企業の対策をば発表したとかいうお言葉がございましたが、これは政府としては関知しないところでございまして、一、二新聞に出たことを指しておられるのではないかと思うのであります。もちろん、商工省といたしましても、中小企業対策要綱につきましては一應省議が決定いたしまして、目下いろいろの方面と折衝しておりまして、もし結論がつきますならば、できるだけ早く皆樣方の前に出しまして、御協力を願いたいと思う次第でございます。
 中小企業の必要であるということは、言うまでもないことでございまして、われわれが考えております措置対策といたしましては、大体科学的技術向上の指導強化ということ、さらにまた第二には、経営の能率化の推進ということを考えております。さらにまた第三には、檢定制度の確立ということを考えております。さらにまた第四には、資材・資金等の確保ということを考えております。
 なかんずく、この資材の点に関しましては、國家計画の基く資材及び資金の配分にあたりましては、企業規模の大小にかかわらず、もつぱら企業の実質的優秀性に着眼するものといたしまして、大企業に対する中小企業の機会均等を嚴に確保したい、このように考えておる次第でございます。さらにまた金融の面でございますが、これには一まず復興金庫の機能を拡充いたしまして、資金計画中におきまする中小企業に対するわくの拡大をはかりたいと思つております。
 さらにまた第二には、商工組合中央金庫は半官半民であります関係上、引続き存在することは不適当でありますので、目下これに代るべき中小企業のため特別の金融機関の設立につき考究中でございますが、その具体的内容は、今しばらく考えてみたいと思つております。さらにまた中小協同組合法の改正が目下研究されておりまして、協同組合は他の経済事業と一緒に組合に対しまして金融することはできなくなるのでありましようけれども、金融事業だけを行う協同組合をつくることはできる見込みであります。從來も組合の事業ということが、他の事業とは会計等を別にしておりましたので、このような改正は、組合事業の遂行にはさしたる支障はないと考えておる次第でございます。現在東京、大阪、名古屋、京都等におきまして、中小企業のための保証を事業とする協会がございまして、相当の効果をあげておりますので、今後はこの保障制度の拡大もまた助長したいと考えております。
 さらにまた五番目には、中小企業指導のいわゆる機構の強化というようなことも、われわれは考えているような次第でございます。大体このような五つの眼目につきまして目下考えておりまして、これは省議で一應決定いたしましたのでございますが、できるだけ早い機会に皆さんの前に出しまして、御檢討をお願いしたいと思う次第でございます。
 さらにまた長野さんの御質問の、商工協同組合法の改正に関しまして、異常にいろいろ関係方面にシヨツクを與えているというような御議論でございました。それは法人加入の問題、あるいは全國的地域の問題でございますが、これは御案内のように、独占禁止法との関係を考慮してきめなくてはならぬのでございまして、その点は、この法案が出ましたときには、十分に御檢討を願いたいと思います。
 さらにまた最後に重大なる問題とされまして、中小企業振興のために傾斜生産をゆるめる考えはないかというようなお考えであつたのでございますが、これは御案内のように、去る六月十一日政府が発表いたしました緊急経済対策の場合におきまして、輸出産業に関しましては石炭、鉄と同列に考えるということを発表いたしたのでございまするから、その限りにおきまして、輸出産業、從つて中小企業の振興にもなるのでございますが、この点に関しましては、御指摘のような措置をば政府は考えておるということを御了承願いたいと思います。
 さらにまた最後に商業の問題でございますが、大体中小企業というものの対策に関しましては、私もこの壇上で繰返して申しておりますように、日本の経済の民主化の上におきまして、中小企業の培養の必要であること、さらにまた大企業の解体により中小企業の必要の増大その他から考えまして、これの育成に一段の努力をすることは重ね重ね申した点でございましたが、日本の現在のいわゆる経済事情その他の点から申し上げますれば、中小企業なるがゆえに全部無差別にこれをば保護育成するということはできないのでございまして、大体輸出産業並びに必需物資に関連する中小企業を重点的に扱いたい、このように考えております。
 さらにまた商業の問題ですが、流通秩序確立による正しい商人の保護は、われわれは十分に考えております。從つて指定配給物資については、商店の指定制度というようなものを考えて、その流通秩序の末端機関には、できるだけこういうような商人の御活動をば期待しておるような次第でございます。
 さらに最近生活協同組合法その他の法律が制定されようとしておるのに対して、全國の商業者からいろいろの御意見があるようでございますが、われわれといたしましては、これらのいわゆる組合に対して、ただいたずらに反対するというのではなしに、商業経営の合理化によりまして、両者が併存いたしまして、ともに栄えていくという途を考えたい、このように考えております。簡單でございますが、以上答弁といたします。(拍手)
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#38
○叶凸君 本日の自由討議はこの程度に止め、次会に継続することとし、本日はこれにて散会せられんことを望みます。
#39
○議長(松岡駒吉君) 叶君の動議に御異議ありませんか。
  [「異議なし」と呼ぶ者あり]
#40
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて動議のごとく決しました。
 次会の議事日程は公報をもつて通知いたします。本日はこれをもつて散会いたします。
    午後四時四十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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