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1947/09/27 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 本会議 第37号
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1947/09/27 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 本会議 第37号

#1
第001回国会 本会議 第37号
昭和二十二年九月二十七日(土曜日)
    午後二時三十八分開議
    ―――――――――――――
 議事日程 第三十六号
  昭和二十二年九月二十七日(土曜日)
    午後一時開議
 第一 災害救助法案(内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○議長(松岡駒吉君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
#3
○議長(松岡駒吉君) お諮りいたします。内務省及び内務省の機構に関する勅令等を廃止する法律案、地方自治委員会、公安廳及び建設院設置法案、内務省官制廃止に伴う法令の整理に関する法律案、右三案は、本日内閣から撤回したいとの申出がありました。これを承諾するに御異議ありませんか。
    [「異議なし」と呼ぶ者あり]
#4
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて撤回を承諾するに決しました。
     ――――◇―――――
第一 災害救助法案(内閣提出)
#5
○議長(松岡駒吉君) 日程第一、災害救助法案を議題といたします。委員長の報告を求めます。厚生委員長小野孝君。
    〔小野孝君登壇〕
#6
○小野孝君 ただいま議題となりました災害救助法案につきまして、厚生委員会における審議の経過並びに結果について御報告申し上げます。
 同法案は、去る八月六日厚生委員会に付託されまして以來、本委員会は昨日まで七回にわたつて委員会を開き、なお、その間に協議会を開きますこと二、三回に及んで、愼重に審議を遂げた次第でございます。
 まず、本法案が提出されました理由を簡單に申し上げますと、災害救助法案としましては、遠く明治三十二年に制定された罹災救助基金法があるのでありますが、同法は、單に罹災救助基金に関する法律たるに止まるだけで救助活動全般にわたる規定を設けておらないのであります。
 そのために救助活動が区々となり、かつ救助関係者の緊密な協力を欠く弊害もあります。また救助の費用につきましても、現在の経済情勢のもとにおいては、同法による罹災救助基金のみでは、とうてい不足であります。またさらに同法においては、救助に必要な物資の調達対策については何らの規定がないのであります。これらの事情から、非常災害時における應急救助の万全を期することが困難と認められますし、なお前の議会におきまして、災害救助に関する総合的な法律の制定が要望せられたような次第もございまして、ここに災害救助法案が提出されるに至つたのでございます。
 次に、法案の内容を申し上げますと、まず災害救助に関する組織でございますが、これは中央に、内閣総理大臣を会長、厚生大臣を副会長とし、関係各大臣その他関係各廳の官吏及び日本赤十字社社長その他をもつて構成する中央災害救助対策協議会を置きます。また各都道府縣には、都道府縣知事を会長として、関係行政官廳の長、それから日本赤十字社支部長その他をもつて構成する都道府縣災害救助対策協議会を置き、なお必要ある場合には、数府縣の地域にまたがるところの地方災害救助対策協議会を組織することになつております。この災害救助対策協議会は、主として災害救助に関する各般の計画を樹立する協議体でありますけれども、その委員である各関係大臣その他関係各廳の官吏等は、協議会において樹立しましたところの計画を実施するために、必要な措置をとらなければならないという義務が課せられておるのでありまして、この点は、きわめて特色のある組織体であると考えられます。
 次に、実際の救助は都道府縣知事がこれを行うのでありまして、救助の種類は、收容施設の供與、生活必需品の給與、医療及び助産、生業に必要な資金・資料等の給與または貸與、その他廣範囲に及んでおります。
 さて、ここに注目すべきことは、権限付與の点でありまして、前に申し述べました通りに、中央災害救助対策協議会の委員である関係各大臣その他関係各廳の長は、協議会で樹立いたしました計画を実施するために、必要な措置をとらなければらないのでありますが、その措置をとりますために特に必要があると認められた場合、また第一線において救助を行う都道府縣知事が、救助を行うために特に必要があると認めるときは、これに対して廣汎な権限を附與しておるのであります。すなわち、救助その他緊急措置に必要な物資の生産、集荷、販賣、配給または輸送を業とする者に対して、その取扱う物資の保管を命じ、あるいは物資を收用することができるばかりではなしに、実際の救助を行うところの都道府縣知事は、このほかに、医療、土木建設工事、輸送、これらの業に関係のある者を、救助に関する業務に從事させることもできますし、病院、診療所、旅館その他の施設を管理し、土地、家屋または物資を使用することができるのでありまして、なお、これらのために必要あるときは、当該官吏は立入り檢査をすることもできるという規定があるのであります。
 次に、災害救助に必要な費用の点でありますが、これは原則として都道府縣がこれを負担いたしまして、これに対して國庫から所定率の補助をいたすことになつております。なお都道府縣には、最低五百万円の災害救助基金というものを設けることを規定いたしております。
 さて次に、本法案に対する厚生委員会の審査の経過でございますが、政府と委員との間に行われました、おもな質疑應答を簡單に申し上げますと、
 質問 海上の災害救助が十分だとは思われぬ。本法案に包含する考えはないか。
 答弁 海上災害については、一應海難救助法があるから、本法案はこれには触れない。
 質問 本法案実施の暁、日本赤十字社は重大な役割を演ずることになるが、はたしてこれに耐え得られるか。現在きわめて無力であると思われるが、いかん。
 答弁 日赤は、終戰前は陸海両大臣の監督を受ける特殊法人であつたが、終戰後定款を変更して、災害救助等を主要な事業とするように性格を一変した。しかし、まだ十分な力を有するとも考えられないかち、日赤に対する委任は徐々にやつていくつもりである。
 質問 警察、警防團との関係はどうなるか。
 答弁 都道府縣に災害救助隊というものを設けるので、その一部門として、これに入れる考えである。
 質問 罹災民を收容する住宅を建設してやるか。
 答弁 仮設の共同住宅のような、つまりバラックのようなものを建てることは、もちろん考えているけれども、恆久的の住宅の問題は、本法の範囲を超えるので、これは別途に考えたい。
 質問 生業資金の額はどのくらい予定しているか。
 答弁 生活保護法の生業資金と歩調を合わせる考えである。
 以上の質疑應答のほか、最も問題となりましたのは、先ほど法案の内容を述べる際に申し上げました、廣範囲にわたる権限附與に関する点であつたのでありまして、質問應答の際にも、また委員の協議会の際にも、この点が論議の中心となつたのであります。すなわち、この点で反対的立場をとる人は、かくのごとき大幅の権限附與は、かつての國家総動員法にも似た立法であつて、一歩誤れば、新憲法が嚴として保障しているところの國民の基本的人権・財産権が、たちまちにして侵害せられるおそれがある。のみならず、立入檢査の規定は、憲法第三十五條に違反するおそれがあるから、かくのごとき規定はよろしくこれを排除して、あくまで新憲法の精神を死守しなければならぬというのであります。これに対して、政府及びこの点について賛成的立場をとる論者は、憲法の保障する基本的人権というものは、常に公共の福祉のためにこれを利用するという責任のわくの中で認められているのである。從つて、本法案が実際に発動する非常災害のごとき場合にこそ、公共の福祉のために利用しなければならないのであつて、断じて憲法違反ということはできない。のみならず、立入禁止の規定については、新憲法の発効後にこの國会で議決された十数件に及ぶ諸法律に含まれている規定であつて、この点を考えるならば、少くともこの点に関する限り、國会の意思はすでに定まつていると考えなければならぬ、こういうのであります。この二つの論は、最後までそれぞれ強く主張せられましたので、委員会におきましても、特にこの点を愼重に審査いたした次第でございます。
 かくして、質疑を打切つて討論に入りました。まず自由党の大瀧亀代司君が特に前申した立入禁止の規定が憲法違反のおそれある点を指摘いたしますとともに、災害救助は、法律によらなくとも、政府が当然その責任としてこれをなさなければならぬことであつて、あえて立法の必要がないという趣旨から、一應反対の意思を表明せられ、次いで社会党を代表して田中松月君が、社会党の立場から問題の点に触れまして、その憲法違反でないことを強調されました。そして各派共同提案の附帶決議を付して、原案の通り可決することに賛成の旨を述べられたのでございます。ここに各派共同提案になる附帶決議を朗読いたします。
 一、本法案第十二條、第十三條、第二十六條及び第二十七條の規定は、その運用如何によつては新憲法により保障されている國民の基本的人権及び財産権が不当に侵害されるおそれがある。政府は、新憲法の精神を侵す下級官吏の権力濫用等のことを來さないよう本法の運営に特別の考慮を拂うこと。
 二、水難の救助は現行水難救護法を以てしては充分にこれを行うことが困難であると思われる。ついては、同法が改正されるまで、同法の規定による救助が充分でない場合は、本法案第二條第二項の規定を適用して、水難救助に遺憾なきを期すること。
 次いで、民主党を代表して園田直君、國民協同党を代表して河野金昇君が、それぞれ附帶決議を付して原案に賛成の旨述べられ、最後に自由党を代表して大瀧亀代司君がふたたび討論に立ちまして、各派協同提案になる附帶決議を付するという以上は、原案に賛成である旨をあらためて述べられました。かくて討論を打切り採決いたしましたところ、全会一致をもつて、前申しました各派共同提案の附帶條件を付しまして、本案は原案の通り可決すべきものと決した次第でございます。右、御報告申し上げます。(拍手)
#7
○議長(松岡駒吉君) 本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり」〕
#8
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 千八百円の基準賃金に関する緊急質問(小川半次君提出)
 亞炭増産に関する緊急質問(圖司安正君提出)
 亞炭増産による燃料総合対策に関する緊急質問(山口六郎次君提出)
#9
○叶凸君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、小川半次君提出、千八百円の基準賃金に関する緊急質問、圖司安正君提出、亞炭増産に関する緊急質問、山口六郎次君提出、亞炭増産による燃料総合対策に関する緊急質問を随次許可されんことを望みます。
#10
○議長(松岡駒吉君) 叶君の動議に御異議ありませんか。
  [「異議なし」と呼ぶ者あり]
#11
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。千八百円の基準賃金に関する緊急質問を許可いたします。提出者小川半次君。
  [小川半次君登壇]
#12
○小川半次君 基準賃金千八百円の案について、労働大臣、特に和田安本長官にお尋ねしたいと存じます。
 政府でもすでに予知されておられることと思いますが、この十月下旬ころから、電産、全逓を初め、全官公廳労働組合が中心となつて、一大労働攻勢が展開されんとしておるのであります。その目的とするところは、さきに政府の発表した千八百円の平均賃金では、とうてい現在の生活を支えていくことができないという、深刻なる経済問題から出発しておるのであります。すでに、七月開催された全労働組合連合会主催の労働者代表会議の席上においては、この問題を解決するためにはゼネスト敢行の覚悟と準備を要するときはつきりと叫ばれており、また去る十日の全官公廳労働組合代表者会議においても、同樣のことが叫ばれており、さらに本日も、この問題をめぐつて全官公廳労働組合の拡大委員会が開かれておるのであります。
 業種別平均賃金千八百円の案は、給與審議会並びに一般勤労大衆の強力なる反対を押し切つて、経済安定本部が突如採用したものであつて、いまさらエンゲルの法則を持出すまでもなく、全生活費中の五〇%ないし六〇%を占める家庭生活は、人間の最低生活であつて、低賃金と貧困で世界的に有名なわが國の戰前における一般勤労階級の生活においてすら、食費は全生活費の四〇%ないし五〇%を占めておつたのであります。しかるに最近では、実質賃金收入は戰前の四割以下に下落し、一方食費においては、全生活費中の七〇%から七五%に飛躍しておるのであります。この一事を見ましても、いかに現在わが國の勤労者の生活が窮迫のどん底に追い込まれておるかが想像できるのであります。
 かかる現状のもとにおいて採用された業種別平均賃金は、新物價体系に基く新公定價格を決定する場合に用いられるところの、いわゆる生産原價構成要素中の一箇月当りの平均労務費に当るものであつて、この場合、その平均労務費は、労働基準法にうたつている、いわゆる人たるに値する生活を営み得るに足る最低生活が保障され、あるいは食生活においても、一日二千カロリーの配給が保障されたものでなければならぬのであります。しかるに今回の平均賃金は、そうした意味を有するものでなく、逆に賃金を現在の水準にストップさせ、新物價体系によつて、公定價格を二倍半という大幅値上げ断行を意図して行われたものであつて、その結果、新公定價格は昭和九年ないし十一年基準の約六十二倍にはね上つたにもかかわらず、賃金の上昇率はきわめて緩慢であり、わずかに戰前の二十三倍でストップされておるという現状であるのであります。
 一月以降六月までに、生計指数は一・六倍に上昇し、昨年十一月を基準とすれば、一・九八倍という上昇率を示しておるのであります。以上の率からいたしますれば、一千六百円ではなく、二千六百円が当然基準とならなければならぬのであります。二倍半物價つり上げの新物價体系によつて、政府は、直接家計費に影響するのは二二%であるとの見積りでありますが、これは明らかに過小評價であり、よしんば政府が言うように、二二%程度が家計費に響くものと見ての計算によつても、今まで家計費のうちマル公で購入するものが五百三十五円であり、これが新マル公では千二百八十五円となり、七百五十円も殖えることになるのであります。もちろん、これはやみ價格を度外視した計算であつて、このうち二百円は現金で、千六百円にプラスして千八百円とし、残りの五百五十円は、主食、副食物、調味料の配給及び勤労所得負担額軽減でカバーするのだと言明しておるのであります。しかし、この計画はすべて官僚の机上プランに過ぎず、これが実行と成果はとうてい望み得ないことは明らかであります。
 新物價体系に基くマル公の値上げ断行について、経済安定本部の言明するところによりますれば、やみ撲滅の基本的施策であると主張しているのでありますが、現在強く根を張つたやみ價格は、物資不足の続く限り簡單に根絶するものではなく、むしろ新マル公の決定に乘じて、やみ價格は上昇の一途をたどるということが、社会一般の常識となつておるのであります。かかる不合理と矛盾の基盤の上に立つ千八百円案の採用に加えて、和田安本長官は大胆にも、千八百円賃金でも、十一月からは月に四百円の黒字になると公言したのであります。そのよつてくる根拠として安本の示すところによりますれば、十一月からは主食の遅配・欠配が解消されるので、これによるやみ値の下落によるもので、東京都の四・二人家族を例にとれば、飲食物費において、八月には配給に対するやみ物價の割合が一・九九倍であつたものが、九月には一・六三倍、十月には一・五七倍となり、十一月には一挙に〇・八三倍に減少して、八月に二千二百円三十一銭だつた飲食物費が、十一月には千五百十七円八十一銭となり、勤労收入二千九百二十円に対し、家計費総額二千三百五十円で、差引三百九十九円四十銭、すなわち約四百円の黒字が出るというのであります。
 しかし、この安本の計算に対しては、勤労階級はむしろナンセンスとして断固たる否定の態度をとつているのが僞らざる現状であります。右の計算の基礎となつている八月の家計費を、安本は三千三十三円十銭としているのでありますが、東京都労働基準局の実態調査の結果によれば、六月において、すでに夫婦と子供二人の四人家族で、労務者においては三千百八円八十八銭、職員の家庭においては三千六百十一円八十七銭に達しており、これを八月の物價に直すと、労務者において約三千七百五十円、職員においては四千三百三十円となり、すなわち出発点において早くも労務者七百十七円、職員では千二百九十七円という大幅の開きが出ているのであります。
 さらに、東京都内勤労者百五世帶を対象として行われた調査の結果について見ますると、総收入において、労務者は四千五百十三円一銭、職員は四千七百五十三円七銭であり、支出面では、労務者四千四百三十九円三十六銭、職員四千五百七十三円六十九銭の結果を示しており、この割合を見ますると、総收入対総支出の割合は一應黒となつているのでありますが、ここにいわゆる総收入というのは、賃金・給料のほかに、手持物資の賣却、貯金引出し、あるいは縁故者からの借入金、内職等によつて獲得した金額を加算したものであつて、賃金・給料のみを対象としたものであつて、賃金・給料のみを対象とした実支出との割合を見ますると、労務者は一千八百十九円二十一銭、職員においては一千六百八円六十二銭という、それぞれの赤字状況を示しているのであります。この大幅赤字家計に対し、物品賣却、貯金引出し、借金または内職その他の收入によつて賃金・給料を補い、辛うじて生計を維持している有樣であるのでありますが、もはや賃金・給料の有力な補充財源たる物品賣却、貯金引出しも、多くの場合すでに枯渇の危機にさらされており、かくては現在の賃金・給料のみでは、もたざる一般勤労大衆は、餓死か、しからずんば鬪爭か、この二つに一つの道を歩む以外にないのであります。
 なお私は、正確な数字を得たいと思いまして、大阪で輿論調査機関を有している友人に依頼しまして、京都・大阪・神戸の勤労者約二千名の実態調査ほ行つてもらつたのであります。これは八月一日現在で、当時京阪神地方は東京都よりもやみ物價が平均一割高であり、この一割高を差引いて計算いたしますと、さきに申しました東京都内の勤労者の家計費と大体合致する数字が現れるのでありますから、以上の数字は正確なものと判断してよいと思うのであります。かくのごとく見ましても、國民大衆が安本の示した数字を信頼しないのは、きわめて当然であるのであります。
 これはそもそも政府の数字が杜撰であるのか、それとも勤労者の生活がぜいたくであるというのであるか。政府としては、耐乏生活を唱えている建前から、勤労者はぜいたくであると言いたいところであるかも存じませんが、しかし、すでに示しましたごとく、東京都七月の生計調査の統計において、労務者では、六百九十三円六十四銭の物品賣却と百九十六円四十五銭の貯金引出しがあり、職員においては、四百七十五円五十六銭の物品賣却と百六十二円三銭の貯金引出しがあるのであつて、物を賣り、貯金を引出さなければ生活を支えることができないという、このいたいたしい事実は、ぜいたくというにはあまりにも深刻であり、もはや千八百円のベースではとうてい生活の出来ないこととは、現実の問題として明らかなところであります。(拍手)
 政府は新物價体系によつて新マル公を二倍半につり上げたあげく、一方勤労者の賃金を千八百円にくぎづけして、あまつさえ十一月には四百円の黒字になると放言した無責任なる政策と言動は、いたずらに勤労者の反感を刺激し、政府みずからが階級鬪爭激化の原因をつくるものといわねばなりません。もし政府が、千八百円を基準とする施策を國民大衆の了承の上に立って平和的に遂行せんとするのであれば、何よりもまず物價引下げによって賃金・給料と物價との均衡を合理化し、國民の最低生活を保障し得る、実態に即した政策が樹立されなければなりません。
 今や勤労階級は業種別平均賃金による生活不安に動揺を生じ、産別系及び総同盟傘下の各労働組合は、新物價体系に即應する新たなる賃金要求を掲げて、全面的労働攻勢の火蓋を切るべく着々準備態勢を整えているとの情報を耳にするのでありますが、けだし、これは当然の帰結と言うべきであつて、かかる深刻なる事態に直面し、政府は安本の千八百円賃金案に愼重なる再檢討を加え、眞に國民生活の実態に即した、妥当にして強力な政策の樹立に努力されんことを望むとともに、労働大臣並びに安本長官の所信を伺いたいと存じます。
#13
○議長(松岡駒吉君) この際報告いたします。大藏大臣並びに農林大臣は、やむを得ざる用件のため登院しておりません。登院していません大臣には、代つて政務次官からお答えいたします。國務大臣和田博雄君。
  [國務大臣和田博雄君登壇]
#14
○國務大臣(和田博雄君) ただいまの御質問に対しましてお答えいたします。全工業平均賃金千八百円をとりましたのは、新物價体系を立てるときに、新たなる公定價格の中に織りこむべき賃金として、一つの物價決定の條件として、これをとつたものであるということは、しばしば私のお答えいたした通りでありまして、千八百円をもつて賃金のくぎづけを政府はするということは、私はちつとも申していないのであります。
 ただ賃金と物價とを比較する場合において、この際少しく時間がかかると思いまするが、二つの見方があると私は思うのであります。一つは、單位生産物の中に含まれておりまする労賃の部分と、それから物價との比較でありますが、もう一つは、所得としての賃金と、生計費としての物價の比較であろうと思うのであります。お話の中に、六十二倍に物價が上つたが、賃金は三十倍にしか上がつていないという点を御指摘になつたのでありまするが、第一の、單位生産物の中に含まれておる労賃の部分と物價との比較という点をとつてみまするならば、たとい支拂われる労賃が同じでありましても、生産物の量が二倍になることによりまして、労賃部分の占める割合は半分になり、逆に生産物が半分に減つてくれば、労賃の占める部分が倍になるのは、あたりまえであります。從つて、日本の物價が六十二倍であり、労賃の値上りが三十倍であるということは、言いかえれば、日本の現在の生産が、戰爭の前の基準の年次に比べて半分に下つておるということであつて、これは今の日本の工業生産―農業をも含めた全生産をそのまま反映しておることは、御理解できるだろうと思います。
 第二の生計費の物價と、それから所得としての物價との比較になつてきますれば、これはもはや公定價格をきめるときの技術の問題ではなくして、その場合の実質賃金がどうであるかということだろうと考えます。実質の賃金の問題になつてまいりますならば、國民経済のもつておる生産の水準というものが決定するのであつて、今のように、日本の鉄鋼が総需要の一二%を満たすに足らず、また農業だつて戰前えの水準に帰つていないこのときにおきましては、國民の生活が全体として低下しておることを御理解願えるだろうと思うのであります。從いまして、われわれといたしましては、このインフレーションを克服しまして、賃金を上げ、物價を上げ、また物價が上つたことによつて賃金を上げるという惡循環を断ち切つて、どこまでも新しい物價体系を堅持していくということが、インフレーションの対策としては絶対に必要であろうと考えます。この新物價体系の下で、もちろん労働者が生産に励み、企業者も経営を合理化して、そこに増産が行われまするならば、新しい物價体系のもとで支拂賃金が平均を超えて増加するということがありますることは、これはわれわれとしても望むところでありまして、支拂賃金が生産向上によつて殖えていくというようにしていただきたいと思うのであります。
 四百円の黒字問題につきましては、去年の労働者の家計の赤字の推移を見ますると、七月に三百五十九円で、家計費の大体二〇%を占めておりました。十一月には赤字が九十七円に減じております。十一月には四百円の黒字が出ると私が申しましたのは、その推計をいたしまするときに、これはもちろん將來のことでありますから推定でありますが、推定をいたしまするときに、主食物のやみ價格が、七月に比較して二五%下るということを前提といたしました。去年は、この期間に三六%低下いたしております。現在の二合五勺の配給に対しまして、去年は二合一勺の配給であつたことも、やはり御考慮願いたいと思うのであります。
 九月十日現在におきまするわれわれの調査によりまして、やみ價格の変化の状態を申し上げますると、今年は、主食につきましては一七・三%下つております。從いまして、私はこの四百円の黒字が出ると言いますることは、これは一面におきまして、やはり生産を殖やし、やみを撲滅し、また通貨面からくるインフレーションを阻止して、あらゆる努力をすることによつて、労働者の生活が努力次第では樂になるということを申し上げたのでありまして、日本の生産そのものが今のような程度に止まつておりまする限り、どういう議論を繰返してみましても、國民の生活は樂にならないのでありまして、われわれといたしましては、どうしてもやみを撲滅し、インフレーションを克服して、労働者の生計の向上を実質的にはかるために全力を注ぎたいと、こう考えております。
  [國務大臣米窪滿亮君登壇]
#15
○國務大臣(米窪滿亮君) 千八百円ベースなるものは、新物價体系を算出する基礎として一應標準としたことについては、経済安定本部総務長官の説明した通りでございます。但し、千八百円で労働階級が食えないことは、われわれもよくこれを認めております。しかし、これは今日の日本の状態は、賢明なる皆樣すでに御承知の通り、國も赤字であり、経営者も赤字であり、われわれも赤字である。この場合において、この千八百円ベースをもつて賄い切れない最低生活費をどうするかということについて、私は労働團体の幹部諸君と最近よりより意見を交換しておりますが、これらの人々の意見は、千八百円という名目賃金を上げるよりも、むしろ実質賃金を殖やす方向に政府が施策をとつてくれということでございます。
 御承知の通り、この千八百円という名目賃金を、物價が安定せず、インフレーションが止らないときに上げるならば、その翌日から、物價はたちまちさらに暴騰するのでございまして、物價と賃金との惡循環は、いつまで経つても追いかけつこでもつて、これを打切ることはできないのであります。從つて政府としては、実質賃金を高める方法として、最近労働者の代表諸君ともよく協議をして、そうして六百万という組織のあるこの労働者が立つて、單なる賃上闘爭のみに終始することなく、すなわち生産闘爭にも乘出して、労働者であり、かつ生産者でもあるこれらの人々が、腹は減つても、あるいは生活に窮しても、なおかついくらでもよいから、いわゆる生産闘爭に協力してもらうということと、この大きな社会的勢力をもつて、やみの撲滅に政府と協力してもらうということが、單に政府のためのみならず、國家のためのみならず、勤労者みずからのためにもよいということについて、了解を見ようとして努力しておる次第でございます。政府の労働者の最低生活費を保障せんとするところの方策は、名目賃金をいたずらに上げるのみでなく、実質賃金を上げるために、その裏づけになるところの労務の物資を豊かに配給するべく、この乏しき國力を割いて努力したいと考えておるのでございます。私の答弁を、これで終ることにいたします。(拍手)
#16
○議長(松岡駒吉君) 亞炭増産に関する緊急質問を許可いたします。提出者圖司安正君。
  [圖司安正君登壇]
#17
○圖司安正君 國家の重要産業の基礎物資でありまする石炭に対しましては、三千万トン生産が現在の至上命令と相なつております。それと不可分関係をもつております亞炭に対しましては、三百万トン生産の目標が示されておるのであります。亞炭は決して石炭の代用品ではなく、文字通り石炭に亞ぐものでは断じてないのであります。もしも石炭の生産が、三千万トン目標に向つてあらゆる力がそこに集中せられたといたしましても、亞炭にして三百万トン生産の目標を割つたといたしますならば、その生産は、現に亞炭において賄つておりますところの工業あるいは家庭用方面に振り向けられますので、実質的には石炭の生産減と相なるのであります。
 しかるに政府におきましては、石炭に対しましては、資金、資材、労務者の待遇その他の面におきまして、あらゆる保護の途を講じておるのでございますけれども、遺憾ながら亞炭に対しましては、われ関せず焉の態度以外の何ものでもないのであります。私は、はなはだそれを遺憾に思うのであります。今、亞炭を増産する問題といたしまして、ここに取上げなければならない大いなる問題は、第一は生産隘路の打開であります。第二には、現在の配炭公團の運営をして眞に民主化たらしめることであります。第三には、労働者の生産性を最高度にまで昂揚せしむるの途を講ずることでございます。
 まず第一点でありますところの、生産を阻害しております原因は、ここに多々あるのでありますが、亞炭の経営面におきまして、いわゆる從來のひもつき関係、需要先と密接なる経営面における結びつきをここに遮断いたしまして、わずかばかりのひも切資金を與えて、独立性をもつて亞炭の経営をなさしめんとするところに、大いなる矛盾が存在しておるのであります。今政府は亞炭のひも切資金を蚊の涙しか與えずに、しかも、そこに亞炭業者が孜々営々として、資材の面におきまして、生活物資の面におきまして、非常に苦心努力を拂つておりまする点には一顧だも與えず、ただこれを業者の一任に委せ切つておるというような状態は、今日の亞炭をして不振ならしめておる最大の原因でなくて何であるかと言わざるを得ません。
 殊に現在の亞炭業界を眺めますならば、そこには科学技術を動員せられたる何ものをも認め得られないのであります。すなわち、第一次欧州大戰後において、ドイツはあの四千カロリー以下の品位しかもたないというドイツの石炭、日本で言うならば、亞炭に比すべきあの低カロリーの石炭をして、そこに科学を動員し、肥料、薬品あるいは染料などにこれを利用し、工業化することによつて、あの繁栄を來たさしめたる事実を思い起さざるを得ないのであります。しかるに、現在の日本の産業界におきましては、工業界におきまして、亞炭を亞炭それ自身として尊重し、亞炭のもつておるところの工業的性質を伸ばす何らの途もわかつておらないということは、あまりにも明かな事実として、これを指摘せざるを得ないのであります。
 しかして、現在の亞炭の経営はいわゆる小規模経営であり、わずかに二、三十人の労務者を擁し、家庭的な経営方法をとつておるのでありますが、これらの小規模経営の亞炭鉱山が諸所方々に散在し、しかも、何ら政府の計画的生産の線に乗せられることなくして、わがまま勝手な生産をなしておるということ、換言いたしますならば、政府は現在の亞炭経営に対して手を拱いて整理統合の途を講じないというところに、大いなる生産隘路が横わつておるということを指摘せざる得ないのであります。
 次には、配給公團の問題であります。配給公團が八月一日発足以来、その公定價格は実情に即せざるもはなはだしき状態であります。まず生産價格と消費者價格との間には、四百円からの幅がございます。これが中間手数料であります。次には、A級、B級、C級とあるのでありますが、そのA級に属するものと、C級に属するものとの間に、何ら実情に即せず、そこに科学的な計算が加えられておらないということを指摘せざるを得ません。
 たとえば、最も優秀なる亞炭の生産地でありますところの山形縣の最上・北村山のあの亞炭田、四千カロリー平均を有しますこれらの亞炭田も、関西方面の亞炭田と比較いたしまして、関西方面は雪がなく、一年中稼行ができるにかかわらずC級に属し、山形縣のごときがA級に属し、しかも、十一月から翌年の四月までの間、約五ヶ月ないし六ヶ月というものは雪の中に閉ざされ、経営には非常な難点があり、しかも運搬その他の経費増がきわめて莫大なものがあり、加うるに能率が四〇%以下にも下るというような事実と思い合わせまして、そこにA級に属するという根拠は認め得られないにもかかわらず、これをA級にしておるというような非実際的な面があることが、今日の亞炭の減産を招いておる重大なる理由の一つであります。さらに、山元小口渡しのある値段が決定はせられておりますけれども、そこに小運搬費は何ら考慮に入れておらないがごとき、しかして、数々の理由をあげますならば、公團のやつております價格政策の面、さらにまた公團の職員が今まではわずか十人の鉱業会の職員でやつておりましたものを、百八十人もの人を使つて、しかして一府縣当り莫大な経費増を招いておるというような事実は、明らかに非能率的な公團の運営を物語つて余りあるのであります。
 公團の運営の面をながめますならば、いわゆる机上の運営でありまして、物さしではかつたような運営以外の何ものもない。活きた運営はさらにやつておらない。公團の運営は、すなわち私は、そこに公團ごとに責任生産性を定め、超過生産に対しましては、公團に届け出でることによつてこれを自主統制せしむることが、これが最も事実に即するところの増産方式であろうと思うのでありまするが、このような点に関しましては、何ら公團においては考慮せられておらないのであります。しかして各府縣におきまして、從來は亞炭を利用いたしまして、その府縣の工業の生産あるいは家庭の暖厨房用等に利用せられましたのでありますが、今日公團の運営を見ますると、そのような点に関する地方の実情というようなことは、何ら加味せられておらないのであります。かような経営ぶりをいたしますならば、今日地方分権の強化が叫ばれ、しかして農工一体による新農村の確立が絶叫せられておるときにあたりまして、この公團の運営こそは、実にこれを阻害する最も大いなる原因をなすものなりと言わざるを得ないのであります。(拍手)
 さらに労働の生産性について一言いたしますならば、石炭の鉱山に対しましては、そこに働いておる労務者に、ビスケットが一貨車配給されたこともあれば、不要なほど地下たびが配給せられたり、衣料品の配給を見たりしておるにかかわらず、亞炭労務者に対しましては、何ら特別配給の途が講ぜられておらない。労務者の利用厚生の施設を充実し、それによつて労働の生産性を高め、ひいてもつて亞炭の増産をはかるというような積極的施策が何ら見られておらぬということを、はなはだ遺憾に思わざるを得ないのであります。(拍手)
 さらに大藏大臣にお伺いいたしたいことは、今日産業復興公團あるいは復興金融金庫等が、いわゆる金融面を掌つておるのでありますけれども、その産業復興公團あるいは復金というものは、特殊の事情を有するもの以外には融資の途が開かれておらぬやの観があるのであります。今日まで亞炭業者は、ひもつき生産によりまして、そこに融資の途を発見いたしてまいつたのでありますが、このひもつき関係が遮断せられて、一手に金融の途が大藏大臣に掌握せられたにかかわらず、遺憾ながら大藏大臣は、実情に即するところの金融の途を講じておらないということは、すなわち金融面において亞炭の増産を阻んでおるところの最も大いなる現前の姿であります。(拍手)私は、これらの点に対しまして特に大藏大臣にお伺いいたしたいのでありまするが、さらに、亞炭の現在の企業は断じて個人企業ではなくして、公共的企業であることを強調いたさねばなりません。過般の水害は数千万円の被害をもたらしたといわれておるのでありますが、この数千万円の亞炭鉱山に対する被害額に対しまして、いかなる災害復旧の途を今日大藏大臣は講ぜられんといたしておるのであるか。依然として、從來のごとき手続の煩瑣な、めんどうくさいような方法をとつておられるといたしますならば、断じてそれは、いわゆる民主化されたる金融方法ではないのであつて、それによつて亞炭山の復興も、しかして亞炭の増産もなし得ないということを叫ばざるを得ないのであります。
 最後に、最も優良なる亞炭の生産地でありまする東北地方、特に山形縣の最上、北村山炭田、現に運輸当局がこれをボイラー用にも使われ、全國の重要工業がこれを工業用としても使用せられておりまするところのこの優良炭に対しまして、全傾斜生産の方式がとられるといたしますならば、資金の面において、あるいは労務者の優遇の面において、政府はいかなる対策をもつておられるか、はつきりとお伺いいたしたいのであります。
 以上申し上げました諸点につきまして、商工大臣、大藏大臣並びに労働大臣に対して、御質問申し上げます。(拍手)
  [國務大臣水谷長三郎君登壇]
#18
○國務大臣(水谷長三郎君) ただいま御質問者の言われる通り、石炭不足の今日、亞炭が貴重なる燃料資源としてその重要性を拡大してまいりまして、これに対して、政府としても相当の本腰を入れてその増産対策をやつていかなくてはならないということは、まさにお説の通りでございます。從つて政府といたしましても、本年度三百万トンの生産計画を立てまして、昨年度よりの継続事業として、國費で輸送道路の改修並びに治水及び採炭坑道の掘進を実施し、増産態勢の整備に努めておりますが、このほか簡易急速に増産可能な新坑の開発、坑道の掘進等をはかるようにいたしております。さらにまた亞炭山に科学と技術を注入し、採掘及び運搬方法の機械化による能率の増進をはかるとともに、乾溜加工方法の改善、亞炭ガス化の研究等によりまして、亞炭鉱業の基礎をば確立するために、國営の指導機関の設置をも考慮しておる次第でございます。
 ただいま生産隘路としての御指摘の、從來のひもつき関係の点でございますが、これは從來のひもつき関係も、統制上支障のない限り考慮いたしまするとともに、ひもつき整理資金はすでに六千万円支出いたしまして、残額は調査の上支出する予定になつておる次第でございます。
 さらにまた配炭公團のことに対しまして、いろいろ御説がございました。たとえば、雪深き東北と大阪地区との炭の値段の相違なんかについて、いろいろ御指摘がございましたが、われわれといたしましては、生産條件によりまして大体この價格を算定いたしました。もちろん、最近山形地方から雪のため非常に生産増強のむづかしいことを言われまして、何とか考慮すべく言われておるのでございますが、これらの点に関しましては、十分に考慮したいと思つておる次第でございます。
 なお第三の点でございますが、これは労務・資材・資金・食糧等につきましても、われわれといたしましては、現在の経済事情の許す限りにおきまして、石炭鉱業に準じてその確保に努めてまいりたいと思う次第でございます。さちにまた、本日も群馬の亞炭関係者から、水害によるいろいろの陳情も受けたのでございますが、こういう金融面に関しましては、大藏当局と十分協力いたしまして、できるだけ御趣旨に副うように努力したいと思つております。(拍手)
    〔政府委員小坂善太郎君登壇〕
#19
○政府委員(小坂善太郎君) 圖司君の御質問中、大藏省に関係ありますことについてお答え申し上げます。
 まず第一に、産業復興公團と復興金融金庫の亞炭に関する活用いかんということでありますが、御承知のごとく、こういう國家的な機関は、現在のごとく経済状況のきわめて不安定なる際に、これを單に私の業に任しておく場合におきましては、よくその目的を達し得ません面が非常に多いのでありますからして、この際きわめて臨時的な措置として、國家機関としてこれらの産業復興公團、復興金融金庫を活用いたすように考えておる次第でございます。でありますからして、ただいま御指摘のような、亞炭が現在の國家再建のためにきわめて緊要であるという点に鑑みまして、これを大いに活用するように、御趣旨に副いたいと考えておるわけであります。ただ、これらの復金等を通じて支出いたします資金は、いずれも財政資金でありますので、この支出方法並びに回收方法等に関しましては、きわめて嚴重にいたす必要があると考えるのであります。この意味におきまして、貸付先に関します調査等が十分にわかつております面につきましては、これが相当に迅速に融資されるのでありますが、初めての炭鉱で、またその事業の内容も明確ならざるものにつきましては、復金の内容も、相当人手不足等の関係もありまして、若干の時日を要するような場合もあるのでありますが、われわれとしては、きわめて努力いたしまして、御趣旨に副うように迅速に融資し得るように努めたいと思つておるのであります。
 さらに復金の融資が、大藏大臣の一挙手、一投足によつてきまるというような御趣旨の御質問もございましたが、われわれは、さようなことは実は考えておらないのであります。復金のごとき、國民の負担においてなします金融は、きわめて民主的に、公正な立場からいたしたいと考えまして、種々の懇談会、委員会を通して支出の方針を決定いたしておるような次第でございます。
 最後に、今回水害を受けております亞炭の炭鉱に関する融資の問題でありますが、ただいま商工大臣からも申しました通り、この点につきまして、きわめて同情ある態度をもちまして、極力実情を調査して、商工当局とも打合せて、御趣旨に副いたいと思つております。さしあたり復金の保証というようなことでやりましたからいかがかと考えておる次第でございます。
 以上をもちまして、簡單ではございますが、お答えといたします。(拍手)
  [政府委員土井直作君登壇]
#20
○政府委員(土井直作君) 亞炭山に働いておりまする労働者諸君に対する福利事業が非常に欠けている、この点につきましては、圖司君と同感であります。労働省といたしましては、御承知の通り九月一日に労働基準法が施行されまして、これによつて万般の待遇が改善されていくのでありますが、特に石炭山に働いておる労働者諸君と、亞炭山に働いておる労働者諸君との物給の点において、すなわち物の配給の点におきまして、非常に差異があるのでありまするが、この点につきましては、労働者が將來労働行政の面におきまして、物資の配給をできるだけ一元化したいという希望をもちまして、それぞれ関係各省と相談をしておるような次第であります。しかし目下のところ、まだ労働省がそのすべてを掌握して一元的に配給をするような状態に立至つておりませんので、商工当局と十分相談し、また安本ともいろいろ協議いたしまして、わくをいただき、それによつて、亞炭山に働いておりまする労働者諸君のためにも、石炭山に準じて、その福利方面に対する手段を講じたいと考えております。以上簡單でありますが、答弁いたします。(拍手)
#21
○議長(松岡駒吉君) 亞炭増産による燃料総合対策に関する質問を許可いたします。提出者山口六郎次君。
    〔山口六郎次君登壇〕
#22
○山口六郎次君 今日再建の関頭に立ちまして、重大な問題はまことに少くないのでありまするが、きわめて大切なる問題は、食糧と燃料であることは、いまさら申上げるまでもないと思うのであります。さいわいに食糧問題は、連合軍の非常な好意によりまして一應の解決をみたのでありまするが、燃料問題に至りましては、未だにまつたく解決の曙光がないのであります。さればこそ、政府におきましても、その掲げたる看板の手前から、面子の点もありましようけれども、再建産業燃料確保のために、いわゆる石炭三千万トン増産を目途として、すなわち間違えば内閣の命とりとさえ言われる石炭國管案に、やつきとなつておられるゆえんだと思うのであります。
 しかを追う猟師山を見ず、という言葉がありますが、私をして率直に言わしむるならば、現内閣の燃料対策は、まつたくこのことわざの通りでありまして、石炭以外に燃料はないと思つておるのではないかと私は思うのであります。これはまことに智恵のない話でありまして、かりに石炭が多少の増産をしたところで、再建産業の充足にはなお不足なのであります。他方、窮乏しておりますところの家庭燃料の面をどうするか。また、やみだらけの世の中とは言いながら、毎晩節電のために、電氣もつかなければ、電熱器も使えない、こうした生活階級をどうするのかと考えますと、まことに寒心にたえないものがあるのであります。
 現内閣は、大衆はすべて自分の味方であるがごとく、のんきに構えておりますけれども、この勤労階級の十月攻勢は、目の前に來ております。私は、このままの燃料情勢をもつてしては、恐るべき國民大衆冬の攻勢が來ることは必然であると信ずるのであります。この際政府は三思三省いたしまして、燃料に対する総合緊急対策の要があると信ずるのであります。その意味におきまして、関係大臣に三、四の質疑を行いたいと思うのでございます。
 まず商工大臣にお伺いしたいのでありますが、石炭鉱業会の調査によりますると、わが國におけるところの埋蔵石炭の経済可採炭量は、年額三千万トンずつ採掘するといたしまして、今後四十八年間の生命しかないといわれるのであります。しかるに亞炭の埋蔵量は、私の推定によりますれば、おおむね全國に賦存いたしまして、実に百億トン、敗戰日本に残された唯一最大の資源であると信ずるのであります。そして、現在石炭は月産二百万トン内外を生産し、亞炭は二十万トン内外を生産し、これが配炭計画につきましては、石炭二百万トンのうち百万トンは、鉄道用炭及び製鉄、ガス用炭の方面に使われまして、残りの半分百万トンは、他のいわゆる一般工業部門に割当られているのであります。しこうして亞炭は、この石炭の不足によりますところの軽工業ないし他の産業や、暖厨房用炭として消費されているのであります。
 さらにまた石炭は、その投下資本におきまして、また要する資材において、相当莫大なるものを必要とするのでありますが、亞炭の場合におきましては、投下資本もきわめて少額であり、要する資材も、石炭と比べて二分の一または三分の一の程度で間に合うのであります。
 以上は、亞炭がいかに重要なる役割を演じているか。しかも、これか増産がいかに簡單なものであるかということを語つたのでありまするが、この明瞭なる事実を、商工大臣におかれましては確認されるかどうか、第一に承りたいと思うのであります。
 かつて私は、西尾長官が在野の時代に以上の事実を話しまして、しかもなおかつ歴代の政府がこの亞炭を等閑視して、石炭産業におもねるゆえんのものは、石炭資本に圧迫されているからであつて、從つて、社会党のごとき大衆政党こそ、進んで亞炭産業を重要な政策として取上ぐべきであるということを力説したのでありますが、当時の西尾官房長官は、非常に共感・共鳴の意を表されたのであります。
 かくのごとく亞炭は、政府の一挙手一投足の努力によつて、五百万トンはおろか一千万トンでも、きわめて簡單に増産することができるのであります。ゆえに政府は、この際一路亞炭増産に遭遇すべきであると確信する次第であります。そして、この増産された亞炭は、肥料・繊維・食料・化学・軽工業方面の需要に充当すべきでありまして、これがために、すなわち約四百万トンの石炭が浮く結果となるのであります。石炭は、現状の段階をもつていたしましても、二千七、八百万トンは生産できるのであります。今もし、以上の石炭、亞炭の需要轉換をいたしましたならば、今後百万トン内外の石炭生産減を來しましても、何らの不自由はないという結論になるのであります。
 しかるに政府は、わずかに二、三百万トンの石炭を増強するために、あえて石炭國管案にやつきとなつて、これがために数十億の莫大な國費を費して、大衆の負担の増強、犠牲に目をおおわんとしておると私は断言してはばかならぬのであります。(拍手)およそ政治の要諦は、無理をしないことであります。この際商工大臣は、よろしく國民の大多数の反対に逆らつて石炭國管案のごときを強行することなく、大いに亞炭増産施策を樹立する考えはないか、この点、商工大臣の冷靜にして賢明なる御所見を承りたいと思うのであります。
 さらに安本長官に承りたいことは、政府には燃料総合対策ありやということであります。石炭三千万トン計画は、いかなる消費実態から出発したものであるか。私の信ずるところによりますれば、再建産業に必要とするカロリーの量を石炭で換算するならば、少くとも四千万トンを下ることはないと信ずるのであります。かるがゆえに、家庭には電氣もつかない、燃料が足りない、一般工場も、燃料不足のために高いやみ相場を出して燃料を求め、しかも、なおかつ半分も休業しておる状態にあるのであります。これらを照合いたしまして、政府は一日も早く総合燃料対策を樹立すべきであると思うのでありますが、和田安本長官はいかなる用意があられるか。
 さらに第二の点につきましては、現段階におきまして、ともかくも亞炭は、その必要によりまして石炭の不足を補うべく、配炭公團によつて総合配給されておるのでありまするが、この総合配給の観念に誤謬があるのであります。現在需要家の立場は少しも考えないで、石炭の七か八に対する亞炭の二か三という抱合せ配給をやつておる実情であります。こんな不親切なる方法はないと思うのであります。亞炭は、敗戰中石炭の配給を止められた繊維ないしは紡績工業の方面におきまして、苦心研究の結果、ようやく使い馴れてまいつたのであります。石炭の必要な方面には石炭、亞炭で間に合う方面には亞炭といつた方法にすべきであると信ずるのであります。
 しかも配炭公團は、御承知のように公團法によつてすべての生産品を一手に收買しておるのでありまするが、自由販賣の当時と違いまして、山元には滯貨の山をなしておるのであります。業者は処分することもできない。東北だけでも、二十五万トンの亞炭が眠つておるのであります。公團法から亞炭を除外する意思はないか。またすでに亞炭の重要性を認めまして公團の中に入れました以上は、総合配給を行いながら、これが生産面においては、石炭と違いまして差別待遇をしておる。また輸送の面におきましても、輸送の裏づけがない。かような事実に鑑みまして、この差別待遇の撤廃をせよということにつきまして、御意見を伺いたいと思うのであります。
 さらに農林大臣に承りたいのでありまするが、豆炭・棒炭のごときは、加工燃料といたしまして、薪炭とともに農林省の所管となつておるのでありまするが、今政府の示しますところの都市家庭燃料の対策を見ますると、冬はまだ來ないけれども、膚寒い感じがするのであります。昭和十六年、すなわち戰前におきましては、木炭・薪・電気等の家庭燃料の使用実績は、これを木炭に換算いたしまして、標準家庭一戸当り四十俵であつたのであります。そして昭和二十一年の配給実績は、十八俵となつておるのであります。本年は、水害と輸送難のためにさらに減少することは、想像にかたくないのでありまするが、この寒い冬を控えて冬の対策用意ありや。さらに將來の薪炭対策は、いかなる仕方において考えられておるか。
 最近頻発いたしますところの風水害のごときも、森林の濫伐、火災が主要なる原因であるということを認めておるにもかかわらず、旧態依然たる薪炭行政から一歩も出ないごときは、まことに無策もはなはだしいと言わなければならぬと思うのであります。(拍手)この際農林大臣は、民生燃料確保のためにも、この地下の一大森林に着目して、商工大臣と協力し、一大増産を行つて、すなわち豆炭・棒炭・ブリケツトなどを大量に生産いたしまして、都民をして暖かい冬を迎えしめる考えはないか、この点、承りたいと思うのであります。
 最後に、大藏大臣に承りたいと思うのであります。ただいま圖司議員よりも指摘されたのでありまするが、すなわち金融政策の面におきまして、御承知のごとく一般産業は復金一本となつておるのでありまするが、ここに憂うべきがんがあると思うのであります。仰々しい資金調整法はあるのでありますが、これはまつたく名前のみでありまして、資金調整を行うために、大藏省や日銀・勧銀・興銀・復金・こうした金融機関と、さらに関係当局の間におきまして金融懇談会が成立し、この機関を通しまして、当該資金等の融資決定が行われるのでありますが、せつかく決定いたしましても、金がすぐ出るわけではなくして、これがさらに復金の檢査部にひつかかつて、三月、半年、はなはだしきは一箇年も経つのでありまして、これでは時期を逸し、その用をなさないことは、今日実業界の輿論となつておるのであります。すなわち、この点につきまして、かくのごとく二重機構にも似た制度を改め、刷新改善して、そうして、この乏しき再建産業のために大いなる金融対策を確立する考えはないか、この点、承りたいと思うのであります。(拍手)
#23
○議長(松岡駒吉君) 和田長官は委員会に出席中でありますので、商工大臣が代つて答弁されるそうであります。商工大臣水谷長三郎君。
  [國務大臣水谷長三郎君登壇]
#24
○國務大臣(水谷長三郎君) ただいま山口さんから御質問の点でございますが、第一点は、政府は亞炭の重要性を認めないかどうかというような御趣旨でございました。これはさきに民主党の圖司さんにお答えいたしましたように、十分その事実は認識いたしておることでございます。
 さらにまた第二の点は、石炭の生産増強よりも亞炭の生産増強の方が簡單であるから、石炭に対する重要施策方針をかえて、亞炭にもつと本腰を入れろということでございますが、亞炭には亞炭の使命があるとともに、また石炭には石炭の使命がありまして、亞炭が少しよけい出ましても、石炭がある程度の額出なければ、日本の経済再建は不可能であるのでございますがゆえに、われわれは亞炭にも力を入れますが、それにも増して、石炭に対しては從來の重点施策をより一層強力にする方針は、断じてかえるわけにはまいらないのでございます。(拍手)
 さらにまた第三の点は、この亞炭をば公團法により除外する意思なきや否やというお尋ねであつたのでございますが、山口さんも御指摘のように、亞炭は、石炭不足の今日、貴重なる燃料資源として石炭に準ずるものでありますがゆえに、われわれは、流通秩序の確立の上から申しまして、公團法からこれをはずす意思はごうももつていないのであります。
 第四の点は、いわゆる亞炭は生産の面におきまして石炭とまま子扱いをしないようにせよという点でございますが、これはさきに圖司さんにお答えいたしましたように、労務・資材・資金・食糧等については、石炭鉱業に準じて、亞炭のために確保するつもりでございます。
 さらに最後の点は、農林大臣と協力して、燃料対策の面から亞炭をひとつ考えてみろという御質問でございましたが、繰返して申しますように、亞炭は工業燃料として、また家庭燃料して、廣い使用分野をもつておるのでございますが、亞炭のもつ特質から見まして、將來生亞炭を乾溜いたしまして、亞炭コークスを製造し、さらにこれを加工することによりまして、豆炭・れんたんを製造して、家庭燃料として進出せしめることに、その政策として重点をおく必要があると私は考えております。この点は山口さんと同じであります。
 さらにまた今次風水害の経驗に徴しましても、森林の濫伐がその重要な一因をなしておるのでございますが、政府といたしましても、薪炭・ガス・電力等の熱源とともに、亞炭の家庭燃料化をも含めて、総合的な燃料対策を速やかに確立するよう、目下経済安定本部を中心として着々研究を進めておる次第でございます。さよう御了承をお願いいたします。(拍手)
    〔政府委員井上良次君登壇〕
#25
○政府委員(井上良次君) 今秋の家庭燃料は、電力・ガス・薪炭・れんたん・豆炭を総合して需給計画を立て、危機を突破する方針を実行してまいつております。その有力なる一翼として、亞炭を増産すべしとの御意見でございますが、その御意見には、政府としてはまつたく同感でございます。
 この冬の家庭燃料について、この際一言申し上げておきたいと存じます。薪炭の第一・四半期の供出成績は、昨年の同期に比較しまして、二割弱の良好な成績になつておりますが、第二・四半期以降の成績は、生産縣の食糧不足その他の惡条件のために、政府のつかみ得る数字は漸次減少する傾向にある状態であります。また今御指摘のように、東北・関東の水害のために、かまが破壊されたり、林道が破壊されました事情も加わりまして、なかなか憂慮すべき状態にありますので、このまま放任いたしますと、重大なる燃料不足が予想されます。たとえて言いますと、昨年東京都に対しましては、木炭がこの期間に約二俵、薪が八束、加工炭が一袋でありましたが、このままでは、この期間にこれだけの配給はとてもできない状態になります。
 そこで政府といたしましては、非常対策を総合的に立てまして、まず第一に今のかま元の至急修築、それから生産の飛躍的な増強対策としての報奬制の確立、食糧の加配、供出にリンクするいろいろな報奬物資を至急に生産縣に送りこみまして、さらに現在やつております價格差をできるだけ縮めまして、駅頭買上げを実施します。それと同時に、國有林の薪炭林を民間に拂い下げますとともに、官行薪炭を非常増産の計画を立てます。それから民間製炭業者に対する資金のわくを拡げますとともに、その支拂いを迅速化いたしたいと存じます。それからいま一つは練豆炭の増産を飛躍的に高めまして、せめてこの十月から來年の三月までに、薪炭概算で五俵ないし六俵は完全に配給したいという計画を今進めております。
 將來の需給の見透しでありますが、この際皆さんに一應お話を申し上げておきたい点は、現在わが國の森林状況についてであります。わが國の森林状況は、戰爭前は面積四千六百万町歩、それが終戰当時には二千四百万町歩でございまして、森林の成育石数は、大体一年間二億石、從つて年間二億石さえ伐ればいいものが、現在、年間必要石数は二億七千万石ということになつております。このうちで、用材が一億石、薪炭材が一億七千万石ということであります。從つて七千万石だけは過伐の状態にあります。將來の薪炭の見透しというものは、このままで行きますと、憂慮すべき状態にあります。特にこの憂慮すべき重要な原因は、自家用自動車炭、さらにまた自家用製塩、この二つが薪炭の上には重大なる隘路になつておりますので、この自動車新薪の代材としましては、どうしても油を連合國から輸入するとともに、塩の輸入をいたしまして、この油と塩の輸入さえうまくいきますならば、家庭燃料に対する緩和も相当見透しがつきますので、われわれは経済安定本部その他関係省と連絡をとりまして、これらの点に全力をあげて、將來の薪炭需給に対する努力をいたしたいというつもりでおります。以上お答えいたします。(拍手)
    〔政府委員小坂善太郎君登壇〕
#26
○政府委員(小坂善太郎君) 山口君にお答え申し上げます。御質問の大藏省関係の部分は、復金の融資手続を迅速化せよという御趣旨であつたように存じまするが、これは、さきにも圖司君にお答え申し上げた通り、この復興金融金庫というものは、現在の非常な経済的な状態に対処しまするためにつくりました臨時的な機構でありますので、本來から申しますれば、一般の蓄積による、すなわち一般の市中銀行からの貸出を本旨とするのであります。しかしながら、亞炭鉱業の重要性に鑑みまして、私どもといたしましては、でき得る限り御便宜をはかりたい、かように考えておるわけであります。しかしながら、この資金調整を通りましたことと、実際に復金から受けますることとの間に、非常な時間的なずれがあるということは、お困りだろうということはよく拝察いたすのでありますが、この問題はさきに圖司君の方にも申し上げましたが、一般の財政資金である、復金の金は財政資金を使うのであるという見地からいたしまして、相当この支出について、さらにこの回收について、國家としての責任をもたねばならぬという点が強調されなければならないと思います。この点に鑑みまして、初めての貸出優先等につきましては、陣容等の関係でいろいろと手数をかけることがあるかもしれませんが、この面については極力督励いたしまして、その資金の融通の迅速化を期したい、かように考えておる次第でございます。以上をもつてお答えといたします。(拍手)
#27
○議長(松岡駒吉君) 次会の議事日程は公報をもつて通知いたします。本日はこれにて散会いたします。
    午後四時十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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