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1947/06/29 第2回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第002回国会 商業委員会 第12号
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1947/06/29 第2回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第002回国会 商業委員会 第12号

#1
第002回国会 商業委員会 第12号
昭和二十三年六月二十九日(火曜日)
    午前十時八分開議
 出席委員
   委員長 堀川 恭平君
   理事 石神 啓吾君 理事 笹口  晃君
   理事 細川八十八君 理事 中村元治郎君
      關内 正一君    多田  勇君
      冨永格五郎君    前田  郁君
      松井 豊吉君    山本 猛夫君
      林  大作君    松原喜之次君
      師岡 榮一君    山口 靜江君
      井村 徳二君    櫻内 義雄君
     唐木田藤五郎君    小西 寅松君
 出席政府委員
        公正取引委員会
        委員長     中山喜久松君
        公正取引委員会
        委員      蘆野  弘君
六月二十八日委員金子益太郎君辞任につき、その
補欠として角田藤三郎君が議長の指名で委員に選
任された。
    ―――――――――――――
六月二十八日
 輸出品取締法案(内閣提出)(第一九四号)
の審査を本委員会に付託された。
六月二十五日
 自轉車競爭の市営実施に関する陳情書(全國戰
 災都市連盟会長姫路市長石見元秀外十九名)(
 第九一九号)
 為替レートの設定に関する陳情書(関西経済同
 友会代表幹事稻畑太郎)(第九五四号)
を本委員会に送付された。
    ━━━━━━━━━━━━━
本日の会議に付した事件
 貿易資金特別会計法の一部を改正する法律案(
 内閣提出)(第七五号)
 事業者團体法案(内閣提出)(第一一六号)
    ―――――――――――――
#2
○堀川委員長 ただいまより会議を開きます。まず貿易資金特別会計法の一部を改正する法律案を議題といたします。本案は討論を省略してただちに採決したいと思うのでありますが御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○堀川委員長 ではさよう決定いたします。
 これより採決を行います。本案の原案全部の御賛成に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○堀川委員長 御異議なきものと認めます。よつて本案は原案通り可決いたしました。
 この際お諮りいたしまするが、衆議院規則第八十六條による委員会報告書の作成については、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○堀川委員長 それではさよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#6
○堀川委員長 次に事業者團体法案を議題といたしたいと思います。実は会議を開く時間が本日十時までしかもらつていないのでありまして、はなはだ短時間で相済まぬのでありますが、本日は商業委員のみの会を開きまして、そうして明日中連合審査をやりたいと、かように存じております。
 それではこの事業團体法案につき、前会に引続きまして質疑を継続いたしたいと存じます。
#7
○唐木田委員 最初の日にちよつと申し上げましたように、公聽会の場合にも農村及び漁村関係の口述人がなかつたので、その方面の意向がこの法案に反映していないというおそれが多分にありますので、この際特に事業者團体法案に対する農村関係諸君の意向をまとめて、いささか意見を申し上げ、御質問申し上げたいと存じます。
 卒直に申しますと、このたびの事業者團体法というものが、事業体系の実情に即しておらないということを言われておるのであります。それは日本の経済再建の基本が、各方面における中小商工業の発達を促すことであるということは言うまでもないし、その中小商工業の中核をなすものは生産加工の企業であること、また言うまでもないのであります。この生産加工企業は農村、漁村、山村などの原始生産財、たとえと申しますれば農業とか畜産の産物とか、あるいは林産物、水産物、鉱産物というようなものを加工するという事業を高度に発達せしむることが、最も大事なことであると思います。この生産加工企業体は協同組合のみに限ることは、もとより不合理であります。もちろん中小商工業が協同組合の組織で十分に発達してまいりました後においては差支えないかもしれませんが、少くとも現在の段階において、協同組合法のみによつてこの達成を期するということは、木によつて魚を求むるよりもむずかしいと思います。会社事業の方が適当のものもありますし、また協同組合が適当のものもあります。そして会社企業形態にもいろいろあつて、純然たる産業資本家のためのみの会社もありますが、生産民を加えた、会社とも協同組合ともつかないような会社もあり得るのであります。こういうふうに考えてみますると、生産者と、加工技術者を有する從業員との協同会社も生れるわけであつて、いかなる形で生れるかということは、そのときの事情とか、業態とか、地理的條件というものがそれぞれ違つておりますから、そう簡單にはまいらぬと思います。從つて私的独占にわたるものとか、あるいは理正な競爭を排除するというような、経営体を抑制することは絶対に必要でありますが、それ以外に対して過度の制限的干渉をすることは、むしろ非常な害があつて益がないと思います。生産復興の阻害になると申し上げても少しも過言ではないと思います。
 その次に申し上げたいことは、卒直に申しますと、この法案の主たる目的が一般のものに明確になつておりません。説明を承つておるとわかつたような氣がいたしますけれども、実際はよくわかりません。その第一に、この法律の趣旨が私的独占の禁止及び統制の排除のため、事業者團体の活動範囲を制限することが主たる目的と解することがでぎますけれども、実際において本法すなわち事業者團体法の定義第二條に基定されておりますところは、あまりにも包括的であり、たとえ私的独占にわたらず、また公正な競爭を阻害するおそれがない民主的性格の新協同形態の会社團体までも禁圧する、過度の非民主的立法であると申し上げたいのであります。このため現在行われております法律が存在して適用を除外されるもののほかは、いかなる社会公益的性格をもつところの企業形態のものであつても、存立不可能というようなことになつてしまいますし、また戰後各地方に生れつつある多数のこの種類の健全なる民主的協同経営事業は、いずれも解体または改編のやむなき運命となりまして、全國の産業界は実に重大な影響を免れないと考えられるのであります。これは現在及び將來のわが産業形態において、自由公正にして非独占的な民主的協同企業態の伸張をふた葉のうちにつみとつてしまうものであつて、戰後國民経済の構造的変化に現われた好ましき民主化及び社会化の自然発展的傾向をかえつて人為的、また反動的に弊害多き過去の原始資本主義の形態に逆行せしむるものであると言つても、また過言でないと思うのであります。この結果最も打撃を受けるものは、資力乏しき零細事業者と、原始的生産に從事する職業者であります。從つて本法の第一條すなわち目的においては、その立法の主眼たる私的独占を抑圧し、統制を排除するため同業者の統制的團体を対象とするという本來の趣旨を明確にし、そうして本法の運用にあたり過度の行き過ぎのないようにいたしたいということを心から願うものでありますが、これに対する当局の所見を承りたいと思います。
 さらに事業者及び事業團体の範囲を緩和するということが非常に大事であります。今申し上げます通り、この原案の通りであるとするならば、事業者及び事業團体の範囲はきわめて少くなつてしまい、また昨日、一昨日のお話でもつて、大体その訂正すべき箇所を承りましたが、まだはつきり明確になつておりませんので、私はここにこのことを重ねて申し上げたいと思います。本法のいわゆる事業者及び事業者團体の範囲は、第二條の定義においては廣汎かつ微細にわたり全網羅的に適用され、ただ除外されるものは、第六條現行の法律規定にもある通り、ある團体というものは零細農、漁民だけであつて、構成事業者が十四人を超えざるものというふうに出ておりますが、いわゆる事業者というようなものは、右の除外された以外のいかなる零細事業者、たとえばくず屋、行商人、一銭あめ屋、あるいはきせる屋、げたの歯入れ等の、ただ生計の資料を得るだけのきわめて微細な業者であるとか、農、漁村の從業員とかいうようなものまでも含まれることになりまして、この結果これらの零細事業者は自力では生きられず、同業仲間で共通の利益を増進する目的で事業を営むことはむろんのこと、たとえそれが社会的互助連帶の理想のもとに、自助協同の企業経営で公私の利益に副い、かつ公正なる競爭を阻害するおそれなき團体として出資経営をする場合も、本法案によつて協同組合法によるの以外には、第二條の規定により、事業團体として一切の経済的活動は許されないことになる。実に考えれば恐ろしいほどだと思います。從つて私は一々法の技葉末節の問題にタツチしてこれを申し上げるいとまをもちませんけれども、願わくはこの法律をつくる主眼を、はつきりと明らかにしていただきたい、法律というものは元來法律なきに至るをもつてその理想とすべきものであつて、いたずらに文字を羅列し、法文をたくさんにして親切を押賣りした結果かえつて民を苦しめ、その生産を阻害するという思わざる結果に陷ることは、法を立てるものの最も愼むべきものである。もつとも法は三章をもつて治むべきである。民の良心と民の良識を涵養して、別にごつごつしたいかついものでなくてその目的を達することができるようにという、法の本來の精神を間違わないように、それを文字の上に、構成の上によく表現していただいて、願わくは昨日のアンチ・トラストの課長の説明されたようなあの線に沿つて、あの線を間違えずに親切に、文字通り涙ぐましき親切として感謝されるような結果を齎すことのできるように、心から私たち念願いたしまするがゆえに、今これだけの御質問を申し上げたわけであります。
#8
○中山(喜)政府委員 ただいまはこの法律の立法趣旨に当りますか、また解釈に当ります際における非常な御懇篤なる御忠告を賜り、非常に感謝いたしておる次第であります。お話の通りでございまして、法のない社会、もしくは法が存在してもそれを適用する必要のない状態にしなければならぬということは、私も同樣に理想といたすべきものだと考えておるのでありまして、希わくばそういう社会の実現を切に望んでおる次第でありまする。この事業者團体法はなるほどごらんくださいますと、あるいは見方によりましては、いかにもいかつい感じを與えられるかもしれませんけれども、前にも申し上げましたごとく、法律の制定を望まれるに至りましたことを沿革的に考えますると、戰後の事業者團体なるものが、戰時中からの統制方式の変更によりまして閉鎖機関に指定される。またそれに代りますものができますれば、また閉鎖機関に指定せられるというような現状でありまして、一体事業者團体はいかにあるべきかということについて非常な問題が起り、疑念が起つておることから、事業者團体なるものにある方向を示す必要があり、また事業者團体の方からも、いかにすればよろしいかという希望が盛んでありました結果、いろいろ考案されて、その折衝交渉をされてきた結果がここに現われまして、この法の制定になつたわけであります。從つて第一條にも掲げてありますように、正当な活動範囲を定める、このことが実は沿革的に考えますと主たる目的であつたのであります。從つて第四條におきまして許容活動範囲を掲げておりますことも、この意味から考えますと、この法律の主眼とするところと言わなければならぬかと思うのでございます。そういう意味でむしろ事業者團体の向うべき方向をここに明らかに示して、その活動を明朗闊達なものにしていくべきであるという趣旨に出ておる点を十分くみとつていかなければならないのではないかと思うのであります。またこの團体そのものは、ただあるがままに認めていこうというのでありまして、これに対して一定の組織を與えようとか、あるいはあるものはこれを抑えようというような考えはないのでございまして、團結そのものによつて業者の技術の向上並びに能率の改善をやつて、そうして事業者としての利益の増進をはかれることを望んでおるのであります。團体そのものには、そういう協同してその共通の利益を増進するという一面におきまして、團体の反面の惡い性格といたしまして、いろいろのことがあり得ると思うのであります。これをこのいわゆる私的独占禁止法によつて打建てられました現下のこの公正自由なる経済競爭態勢の上から批判いたしまして、團体として避けていただかなければならないような点が多々あるわけでございまして、これに対して第五條におきまして、ここに主眼を置きましていろいろの禁止規定が設けられたわけであります。その精神は、要するに各事業者の公正にして自由なる経済上の競爭によりまして事業の円滿なる発達をなし、そうしてこれが社会的にも一つの貢献をなしていかれるということを主眼にいたしております。要するに事業者團体法は事業者團体の行うべき方向を明らかにするとともに、その途を独占禁止法の立場からいつて間違われないように、というところにあるわけであります。われわれはこの精神を十分了解しておるつもりで、これによつて運用を行いたいと考えております。なおその他の点につきましては芦野委員の方から御説明を申し上げます。
#9
○蘆野政府委員 本法の立案に当りまして、農村、漁村方面の事情をあまり考慮しなかつたのではないかということが御質問の第一点であつたと存じます。これは十分に考えに入れられました。その一つの現われがただいま御指摘になりましたごく小さい規模で経営する農村、漁村等をわざわざ適用除外にしたというのも、その考慮された一つの現われでございますが、そればかりでなく、全面的に事業者團体の許容活動、あるいは禁止行為等を考えますにあたつても、十分そのことは考慮に入れまして、農村、漁村等の方面にも差支えないというつもりでこのようにしたわけであります。
 第二の事業者團体の範囲が非常に廣範であるということでございますが、これは法律の目的を十分達して遺漏ないためにはこういうふうにする必要があつたので、事業者團体と認めたからといつても、あるいはその範囲が廣いといつても、事業者團体になつたものがすべて行動を非常に制限されるという意味ではないのでございます、毎々申し上げましたが、会社企業というようなものは、少しも事業者團体の中にははいつておりません。それからただいま御指摘になりました零細なる営業に從事する者、こういつたものがどういう形式で協同事業をいたしますか存じませんが、そういう方も十分考えまして、これらのものは事業者團体の中にやはりはいらない。そういうものもこの事業者團体で規制しようということは考えておりません。その他契約関係といつても、一回のそのとき限りのことに何か購入するとか、註文を受けるとかいうことは一切はいつていません。ただいま非常に御関心になつておるところの農漁村あるいは都会にいたしましても、小さな商工業者の活動が妨げられるということはちつともないのでございます。またそういう漁村等の協同事業が協同組合だけでは必ずしも賄い切れないというお考えでございますが、会社企業等もすることはちつとも差支えない。ただ本法の目指すところは、そういう会社がさらにたくさん結合して、自由なる競爭を阻害するということが起らないようにすることが本法全体のねらいでございます。許容活動の範囲が狹すぎる。あるいは禁止行為の数が多すぎるというお考えのようでございますけれども、これをよく見ますと、実は正当なる事業者團体として通常なし得るということは、これに大抵含んでおります。ただ從來とかく行われておりましたところの私的團体の統制ということが行われなくなるということでございます。また禁止活動はたくさん並んでおりますが、これは実は米國における実例が主になつて並んでおるのでございまして、日本の法律になぜ米國に起つたことをわざわざ書くのかという御質問であると思うのでありますが、御承知の通り日本には從來独占禁止法というものはございませんでした。ですから、たとえば第五條の禁止活動に触れるようなことがなかつたのでございますが、米國には古くから独占禁止法がありまして、これをくぐるためにとかくこういうことがしばしば行われるものをおもに並べたわけでございまして、今度独占禁止法ができたもとでは、とか熊こういうことが起りがちであると米國の例から想像されるのでありまして、そういうおもな行為を並べたのが第五條の禁止規定でありまして、これは決して御関心になつておるところの小さな商工業者の活動を妨げるものでなく、大きな企業者が多数の結合力によつて小さな企業者を圧迫することのないようにということが、本法全体を通じて流れるところの根本思潮なのでございまして、ただいま御質問の御趣意、最も御関心になつておる点とわれわれの考えとは、その点一致しておることなのでございます。その点は特に御了承願いたいと思います。
#10
○唐木田委員 御説明を聽き、よくわかりましたが、御承知のような滿州事変以來、日本はまさに法律に圧死されそうなかつこうであります、時々物々ことごとに法律々々々々で、朝から晩まで法律を課されて、法律というものに中毒しておるのであります。なおまた法律というものに必要以上に威圧を感じて、まだそれが拔け切つておりませんので、從つて今御説明のようにきわめて親切な思いやりのある法律をつくつていただくにかかわらず、その表現がその氣持によく副つておりませんときには、全然逆効果をもたらすことが当然あり得るのであつて、そういう点を私は非常に心配しておるのであります。ですから、弱い者の声なき声を聽き、形なき形を見るというのが政治の本質でありますから、私たちはこの事業者團体法というようなものが出ると聞いて以來、耳にたこのできるくらいきわめて悲しい話を聽かされておりますので、いささか思いすごしかもしれませんけれども、今私が申し上げたようなことを卒直に申し上げる方が、技術的な枝葉末節の文字の羅列や、法律の訂正をするにもいいのではないかという老婆心からいろいろ申し上げるのであります。ただいずれの場合においても言い得ることは、法律をつくる人の氣持が、これが実際に行われるときには少しも行われない。とんでもない方へいつてしまうことがあり得るのだ。もしそういうようなおそれが実現しますならば、これこそとんでもないことだ。思わざるもはなはだしいと言うだけでは済まされない。どうかそういうこまかな点まで氣をつけて、せつかく親切にこの法律をつくつて日本の産業再建をしてくれるという氣持に背かないように、この局に当る人々がこの上とも十二分の御戒心をされるように申し上げて、私の質問を終りたいと思います。
#11
○笹口委員 三、四点伺いたいのでありますが、第四項にいろいろ例示してあります事項がきわめて限られておりますが、これ以上できないということになれば非常に困りますので、私としましてもこの各号に掲げてありますもののほか、公正取引委員会でこういう仕事はどうかといつて認可をしてもらう。認可したものはよろしいというような修正を加えたいと考えておるのでありますが、こういう点に御同意なさる用意があるかどうか。もう一つはなぜこういうような規定を掲げるか。昨日のウエルス氏の來られたときにも私ちよつと発言したのでありますが、この法律によりまして大きな事業体というものが事業團体によつて結合し、トラスト化するということは、私どもは当然反対なのであります。しかしながらその反面に、きわめて小規模の業者というものが共同して大規模の事業者に当るということが不可能になつてしまう。せつかく力を協せて今いくらか大企業と拮抗していこうというような考えをもつても、この事業者團体法によつてそれができかねる場合が非常に多いのでありますが、そういうようなときには、一々その事例によつて公取において認可をなさいますときに、御斟酌願えるものかどうか。この点が第一点であります。
 それから第二点は第六條でありますが、六條にはいろいろ届出適用除外の規定がございますが、適用除外を受ける團体といえども、第三條によります届出をしなければならないということになつております。しかしこの第六條の適用除外の團体をずつと調べてみますと、その第一号から第三号までに掲げられてありますものは、すべて法律に基くものでありまして、その目的、構成、組織等はすべて一定をいたしております。そしてまたその成立に際しましては、やはり一々これがどこかの政府機関に届出せられておる、こういうものがあると思うのであります。この第三條によつて、これらの諸團体の定款とか、役員名簿とかを届け出すということになりますると、届ける方にしてみると重複をすることになりますが、この第三條の目的は、これら諸團体の実態を把握することが目標でありまするならば、これは公取が随時にそれらの主務官廳といいますか、監督官廳といいますか、こういうところをお調べになればわかることなのでありまして、ことさら届出をさせるというような手間をかけなくてもよろしいのでないか。それでなくてもあまりに團体の数が多い。十数万というか、数十万というか、そういうものをお取扱いになりまするが、なるべく荷を軽くする意味で、こういうようなものをお取除きになりますることについての御意見を聽かせていただきたいと思います。
 それから最後に昨日も私ちよつと質問したのでありますが、漁業者が漁業協同組合法がございませんために、漁業者の中の特に小規模経営者というものは、まつたく協同事業をやる方途がなくなるわけであります。やがて漁業協同組合法が生れてまいるでございましようが、それまでの間でもこういう事業者團体法が先にできますと、非常に不便をこうむりますので、特にこの漁業者についての漁業協同組合法ができまするまでは、この法律の適用を一時猶余するというような経過的な規則を入れたい、かように考えまするが、この点についての御意見はいかがであるか。以上三点をお伺い申します。
#12
○中山(喜)政府委員 ただいまの御質問の第一点の四條の第九号の次に第十号といたしまして、公正取引委員会の認可事項につきまして、といつたような点を加えたらどうかという御提案につきましては、われわれは同意する考えであります。なおその運用につきましてのお話がございましたが、私的独占禁止法の建前からいきまして、十分にその精神に副つた範囲において、その点も運用いたしていきたいと考えます。
 第二点の第三條の届出の点でございますが、われわれといたしましては、全部われわれの方に把握いたしまして、状態を調べていきたいと考えております。なおこの第六條の第一号のところは私的独占禁止法の二十四條に該当するもののみが適用除外なのでありまして、こういう点の把握の上からいきましても、われわれの方へやはり届出をもらわなければならぬというふうに考えられております。
 それから第三番目の御質問の、漁業者の協同組合につきまして、水産業協同組合のできますまで、経過的な規定を設けてよろしいかというお話でございましたが、これはわれわれの方で、この法律のできるまでは十分運用で、その漁業者の團体の行動に差支えないようにもつていくように考えております。
#13
○笹口委員 私の質問いたしました第一点、第三点については、公取としましても十分その精神を生かして運用していただくということがわかりましたので、その点は非常に満足をいたしております。ただ第六條の点で多少私どもの考えと違いまするが、今お話になりました第六條の第一号でありますが、こういうような組合が成立いたしまするときには、それぞれやはり相当の手続をしてやるというようなことで実害はないのでありますけれども、一一この法規に基いて届出をしなければならぬということになりますと、これはずいぶんやる方の身になつてみますと、あまり実益のないのに、こういう手続をしなければならぬということになつて、非常におつくうなものなんでありまして、これは確か罰則がついていると思いますが、こういうような單なるあなたの方でどういう組合がどこにある。それがどういう目的でやつておるかということだけの実情を把握いたしまするだけに、こういうようなものにすべて届出をさせるということがはたしてどうであろうか。あなたの方もそれは御自分の手もとに全部届出があれば、それを集計すればこれは十分に御便利になるに違いないと思いますが、それによつてそのような該当組合が受けまする不便といいますか、煩瑣な手続といいますか、重複した手続をすることを考え願いますならば、でき得ることならば、これらのものはそれぞれの法規に基いて、主務官廳ないしは監督官廳で、実情がわかるのでありますから、あなたの方でお手をかけていただければそういうこともできるのではないか。要は役所の御便利になるということ、あるいはその反面にはこれらの諸團体というものは、非常に事務的な煩瑣な手続をする。しかもこの單なる届出ということだけのために罰則等もあるということになりますると、どうも私ども、にわかにこれに賛成いたしかねるのですが、この点について何とか御考慮を拂つていただけないものでしようか。重ねてお尋ねいたします。
#14
○蘆野政府委員 届出の点につきまして、ただいまの御趣意はまことにごもつともであると思います。実際問題として、全体を寄せればかなり厖大なものになるのでございましようが、公正取引委員会というものは、ほかの役所とは違つた角度から、あらゆる産業團体の実情を把握しておくということが必要であり、また意義のあることであるということはお認めくださるだろうと思います。そのために届出事項のごときものも、なるべき簡單にして、その手続き等については、公正取引委員会において規則を定めることになつておりますが、それらの点も考慮しまして、なるべく簡單に済むように、第三條に書いてありまする届出の本務はきわめて簡單なものであろうと思います。これに掲げる定款、役員の名簿等その他普通あることで、そう届け出たのに、非常に重なつた負担をかけることにはならないというふうに用意したつもりでございますから、この点はひとつわれわれの立場も御了承くだすつて、賛成を願いたいと思つております。
#15
○笹口委員 重ねて申し上げますが、私は届出する手間はよろしいと思うのです。手間は今お話のように複雜といえば複雜、煩瑣といえば煩瑣なんですが、この届出を怠つた者に一年以下の懲役もしくは二万円以下の罰金、こういうものがついておる。それでこれを各組合などかこの法規の適用を受ける團体でありますならば、これはやむを得ないことといたしましても、法規の適用を実質的には受けないという團体、單にあなた方の御便利をはかるために、届出をするというその團体が届出を怠つたならば、一年以下の懲役もしくは二万円以下の罰金というのは、どうもあまりひどいじやないか、こういう氣がいたすのであります。それで私はできることならこれは除いていただきたい。あるいはもう少し考えまして、罰則の方でこれをの届出を怠つた者に対して、かようなほかと同じような罰則を加えない。このどちらか一つ御考慮願えないか。どうもあまり御便利をはかるためにかような罰則がついたということはひどいと思います。
#16
○林(大)委員 関連して━━実はそのことに関して、きのうもいろいろお尋ねした向きがあつたのですが、事実上ある一定の数字以上のものになりますと、あなた方がいくら逆立ちされても利用できないものになつてしまう。そのことはお互いによくおわかりだと思います。ちようど震災後の道路片づけができなくて、道のまん中に芥がうず高く積つてとれないと同じような書類が、公取に集まることになる。これは單に一旦届け出ただけでなくて、次から次へ起るものはまた届け出ていく。その届出のために前のやつがきれいに取去られるかというと、日本の今までの慣習としては、ほとんどそれは取去られずにほつたらかされて、またそれに積んでいきますから、動かざる一つのマツスができる。私どもそういう経驗は実はあります。ありますから申し上げるのです。きのうもそれを申し上げたら、わかつたようなわからぬような返事をしておられましたが、要するにこれはあなた方が、公取の方にやれと言われて、やりましようとおつしやるからいけないので、そんなことを言われてもできないとはつきりおつしやれば、この問題は解決する、こう私は見ておるのです。それから二條を見ますと、実にこまかいものまで調べ上げなければいけないというのであるが、ある一定の人数以下、及び一定の資本以下の結合は免除してもらうとか、何しろできませんからとある程度あなた方が横になつていただくことによつて、ずいぶんにたくさんの人の手間と紙がセーヴされる。そうして犯罪からもセーヴされる。かように私どもは思う。この点は事実論です。法律論ではないのです。事実論ですから、事実は事実をもつておあたりになれば、これは決して恥でも何でもないと思う。それでいいのだ、こう私は思う。このことについては強い確信をもち得る過去の経驗をもつておるわけです。どうかひとつそのおつもりでこの事実論に立つた御返事をいただきたいと思います。
#17
○堀川委員長 ちよつと速記を中止してください。
    〔速記中止〕
#18
○堀川委員長 速記を始めてください。
#19
○林(大)委員 これは経過規定をはつきり設けて、いつから施行する。しかしこれこれのものはこれだけの期間を除くということにはつきりした経過規定を設けるべきであると思います。
#20
○中山(喜)政府委員 これは水産業協同組合がこの議会へ提案されて、実は通るという考えで、最初から計画内容も予想していなかつたのです。そういう事情だけ申し上げておきます。
 それから今の届出のことでありますが、これは実はあなたの方のお話のことは、われわれも痛切に感じておることなんです。再三そのお話は芦野委員その他総務部長なんかもしたのでありますが、どうしてもそういうことではいかぬというので、その御趣旨はわれわれはよくわかつておるのであります。
#21
○堀川委員長 本日はこの程度で散会いたします。
    午前十一時散会
ソース: 国立国会図書館
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