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1947/07/01 第2回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第002回国会 商業委員会 第14号
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1947/07/01 第2回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第002回国会 商業委員会 第14号

#1
第002回国会 商業委員会 第14号
昭和二十三年七月一日(木曜日)
    午後二時三十九分開議
 出席委員
   委員長 堀川 恭平君
   理事 石神 啓吾君 理事 笹口  晃君
   理事 細川八十八君
      鈴木 仙八君    關内 正一君
      多田  勇君    冨永格五郎君
      前田  郁君    松井 豊吉君
      松崎 朝治君    林  大作君
      松原喜之次君    師岡 榮一君
      山口 靜江君    岡野 繁藏君
      櫻内 義雄君   唐木田藤五郎君
 出席政府委員
        公正取引委員会
        委員      蘆野  弘君
        総理廳事務官  黄田多喜夫君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 事業者團体法案(内閣提出)(第一一六号)
    ―――――――――――――
#2
○堀川委員長 ただいまから会議を開きます。
 事業者團体法を議題といたしまして商業委員会單独の委員会を前会に引続きまして質疑を継続することにいたします。櫻内君。
#3
○櫻内委員 私の御質問申し上げたいことは、先般の公聽会に際しまして、公述人からいろいろ質問が出ました点について、また本委員会の打合会におきまして、いろいろ疑点の出ました点についてこれを確認しておきたいと思います。
 六点でございまして、第五條の四の將來の対價というその対價というのは労銀の意味が含まれておるのかどうかということをまず確認したいのであります。次に第五條の十二に融資の斡旋について禁止しておりますが、事業者團体がその職員、労務者に生活資金等を金融する場合も禁ぜられるのかどうかという点であります。それから第六條に、但し第三條の規定はこの限りでないとなつておりまして、届出義務が課せられておるのでありますが、この点を緩和できないものか、どうか。それから第六條について、現在協同組合にはなつておりませんが、漁業組合がございます。この漁業組合について第六條の取扱いを受けさしてもらいたいという意向があるのでありますが、この点を確めたいのであります。それから第十三條に特別の事情ということがありますが、その特別の事情というのは、どういう意味をもつておるものかどうかという点、それからその解釈によりましては希望したい点が一つあるのであります。それは施行期日が公布の日となつておりますが、猶予期間予期間を設けていただきたいというのが、公聽会における多数の希望であつたと思うのであります。以上の六点につきましてお答えをいただきたい。
#4
○蘆野政府委員 ただいま法案の意味につきまして六点にわたつて御質問がありましたから、順次にお答え申し上げます。
 第一は、第五條に將來の対價云々とありまして、その対價に労銀がはいつておるか、はいつていないかという御質問と思いますが、從來の各種の立法におきましても、労銀は價格とか対價とかいうものとは区別して扱つておりますので、ここでも対價に労銀ははいつておらないという考えであります。
 それからその次は、十二号の「構成事業者その他のために融資をすること。」とありますが、事業者團体がその職員に生活資金などを前貸しするとか、一時融通をすることを含むかという御質問でありますが、これもそういうのはここに言う融資ではないので、含まないという考えであります。もう少し詳しく申しますと、許容事項の方に詳しく書いてありませんけれども、たとえば事務所を借りるとか、職員を雇うのに給料を拂う、あるてはこれに厚生施設をする。そういうことは当然やり得るものと考えてできておるのでありまして、ただいまの例にお引きになりました職員に生活資金、あるいは一時資金をやるということは、当然やり得る事業の一部でありまして、ここにいわゆる事業のうちにははいつていないのでございます。
 その次に第六條の規定は、團体は適用を除外するのであるが、但し届出の義務だけはやはり適用があるという趣意の規定でございます。これはいろいろの説もあるようですが、いろいろ考えましたあげく、やはり届出だけは一應させて、事業者名簿をつくつている組合がどのくらいあり、またどういう活動をしているかということを、全体的に把握しておく必要があるという考えで入れたわけでございます。漁業組合は、水産業協同組合の法律の方がちよつと遅れた関係で、あるいは実際にはこの法律通り非常に嚴格に励行すると、実際に支障を來すような場合もあるかもしれないと思いますが、法文を曲げるわけにはまいりません。しかしながらこの法律の許す範囲内においては、できるだけ実際の困難、支障というものは起らないように、十分運用に意を用いていくつもりでありまして、またそれで十分なのではないかと思います。そのうちに水産業に関する協同組合法でもできますけば、その点は解決される、こういうふうに存じております。
 それから第十三條の施設の処分について、特別の事情というのはどういう意味かという御質問でございますが、これはまつたく文字通りで、特別の事情といつても別にこれこれと限るわけにはまいりませんが、たとえば急に処分すればみすみすたいへんな損をするとか、どうしてもできない、できないがためにしばらくもつておつても実害がない、こういうふうな場合には十分考慮するということで、これも決して無理なことはしない、その点は運用によつて十分に行くことと思います。またその施行期日を少し延ばして、公布と施行の間に期日をおいてはどうかというお話でございますが、施設の処分等についてもそういう手心を加える余地は十分できるのでありまして、即日施行しても、これまたそんなに無理はないではないか、こういうふうに存じております。
#5
○櫻内委員 いま一点御質問したいと思いますが、融資の斡旋はいかがでしようか。
#6
○蘆野政府委員 融資の斡旋はいかがかという質問でありますが、大体において五條に規定してありますことは、ごく具体的に特殊の行為を一つ一つあげてあるので、これはまず文字通りに大体において狹く解してよろしてのではないかと思います。殊に先日も他の政府委員から御説明申し上げましたように融資をするというようなことによつて事業者團体が不当に構成事業者に対して圧力を加え得るような、そういう力をもつということがいけないことが、この規定の一つのねらいなのでございまして、そういう結果にならないようなことならば、そして文字通りにこの融資という文字に触れては困るのでありますけれども、そうでないことならば差支えはない。融資そのことだけはいかぬ。しかしながらその融資に触れないようなことならば、大体において差支えないというふうに解しておるのでありまして、またそういうことでもつて、実際問題としては何とか御処置がつくのではないかと考えております。
#7
○林(大)委員 私は出たり出なかつたりしておりますので、あるいは重複するかもしれませんが、念のために記録に止めておきたいと思いますので申し上げます。第二條におきまして、事業者としての共通の利益というところでございますが、これは私どもの解釈では、事業者としての直接の共通利益という意味に解釈いたしたいのでありますが、それでよろしいかどうかどうかということが一点。続いて二つ以上の事業者の結合体またはその連合体とありますのが、二つ以上の主として同種類の事業者の結合体またはその連合体、かように解釈いたすのでございますが、その解釈の可否についてお尋ねいたしたいのであります。
#8
○蘆野政府委員 第二條の定義中の「事業者として共通の利益を目的とする」というのは直接に目的とするという意味にとつて差支えないかという御質問でございますが、この法文の趣意はまさにその通りでございまして、あまり間接な遠まわしな、せんじつめれば事業者の利益になるというふうなものまで含める意思はないのでございます。直接とわざわざ書きませんでした理由は、そういう字句を入れますと、今度は、それでは直接であるとかないとかいうことに爭いが起きて、かえつてめんどうになるということで、直接という字は用いませんでしたが、文字の通り目的とするということはそれを眞正面から目的としているという意味なのでございます。
 それから二つ以上の事業者の結合体または連合体ということは、同種の事業者に限るという意味かという御質問でございますが、これはそうではございませんで、違つた種類の事業者がより合つているところの團体、たとえば、商工会議所というような一種の地域的な團体で各種の事業者を網羅しておる、こういうものも含む意味でございます。
#9
○林(大)委員 今の後段のところでございますが、商工会議所のごときは、これは異例でありまして、私が申し上げましたのは、主として同種の事業者の結合という意味でよろしいか、こういう質問であります。
#10
○蘆野政府委員 御説の通り、実際においては商工会議所のような地域的團体はまず商工会議所ぐらいなものでございましようし、実際この法律の目標としているところは、主として同種の業者の團体にあると申し上げてもよろしいかと思います。
#11
○林(大)委員 次の質問はこの法の精神から申しまして、独占禁止に多少なつても差支えないような公益團体のごときはこれから排除して、この扱いを受けないような方法は考えられておらないものかどうか、この点をお伺いしたい。
#12
○蘆野政府委員 公益を主として目的とするような團体はこの法律の適用を受けないようにすべきである、あるいはそういうふうに解釈してよろしいかという御質問のようでありますが、純然たる事業者の直接の利益を目的としない一般的の廣い意味の、たとえば宗教であるとか、社会であるとか、文化であるとか、慈善であるとか、そういうことを純粹に目的としておる團体は、これに入るつもりではございません。
#13
○林(大)委員 次は第四條の五号でありますが、單に啓発と書いてありますが、もう少しここにいわゆる産業教育というような意味を含めた文字を用いたらいかがでございますか。また啓発の中にそういうものが含んでおるのであるかどうか、この点についてお答えを願いたいのであります。
#14
○蘆野政府委員 啓発と申しますのは、非常に廣い言葉で、これで大抵の言葉ははいつておるので、ただいまお聽きになりました産業教育というようなものはむろんはいつておるのでございます。これはこういうふうなもの、こういうふうなものとあげ出しますと際限がないくらいで、あるいはかえつてあげることは制限するようになつてもいけないのではないかと思つて、こういうものにしておいたのでございまして、その点は御心配ないのではないかと思います。
#15
○林(大)委員 その前の四号であります。四号の方はこれも三種の項目をあげておりますが、これなどのしまいにもつていつて、その他構成事業者の業務の改善等、というような字をお入れになる御意思はございませんか。
#16
○蘆野政府委員 その四号の方は五号に比べますと、実は大分特定した意味でございまして、まず主として商品の品質の改善とか、規格の改良とか、規格の統一あるいは商品の標準の改善、こういうようなことと、それから生産もしくは配分の能率の向上に対する寄與を政府と協力することによつてのみできる。こういう趣意でありまして、生産もしくは配分、能率の向上と申しますと、これもかなり廣いのでございます。ただいまの御質問のような場合もこれにむろん含んでおることになるのではないかと思います。これ以外にあるいはこの文字通りならばはいらないというものも出てまいるかもしれませんが、まずただいま御指摘のような場合もこれに含まれると解することができると思います。
#17
○林(大)委員 そういうお話ならば「寄與」の次に「等」という字を一つ入れておいていただくとなお便利だと思います。
#18
○蘆野政府委員 「寄與等」と申しますのちよつとそれはそういうふうにはいたしかねるかと思います。と申しますのは、第四号の趣意はただいま申し上げましたようなことに関していろいろ調査研究をし、これに対する意見をきめたりすることはいい。そしてこれを政府の諸機関、その他公の一般に認められた機関に寄與することによつてそれを実現することはいいが、その反面において自主的に事業者團体だけでもつて勝手にすることはいかぬ、こういう意味がはいつておるのでございまして、「寄與等」といたしますと、その点が少しあいまいになるおそれがあるのではないかと思います。
#19
○林(大)委員 第六号でありますが、労働組合との團体交渉を行うことが許されておるわけでありますが、團体交渉を行うための労働條件に関する調査であるとか、その他必要な事項を行う意味がこの中に入つておると解してよろしいか否か。
#20
○蘆野政府委員 これはそういうこともみんな含んでおる。先ほど申し上げました通り、第四條の規定は概して特定な行為があげてございますが、その行為に当然伴うような、それの前提となるような行為は、大体五條の制限にふれない限りは、すべてしてもいいという趣旨でございます。
#21
○林(大)委員 第八号の外國との間の紛爭の仲裁という項目は、あとに出てまいりますところの日本海運集会所の問題と関連をいたすというふうに思うのでありますが、海運集会所の問題は別な法律であとから規定されるということでございますならば、今までの海運集会所の日本における公正なる歴史というものを認められて、そういう御処置をなさるならば、いつそこの海運集会所に関する問題だけは、ここからのけてしまつて経過規定か、何かに差入れられることがいいのではないか。経過規定のことについて続いて申し上げますと、先ほど櫻内委員からの御質問の中にありました漁業組合の件並びに來るべき消費生活協同組合、商工協同組合などのものを一括して適当なる経過規定をお設けになつた方がわかりがいい、かように解釈いたしますが、そういう御意思はございませんか。
#22
○蘆野政府委員 この法案は、ごらんの通りに、いわゆる経過規定というものがまとまつておりませんで、ただいまのお話の海運集会所の問題は、その場所で経過の規定をしてあり、それからたとえば届出なんかにしても第三條中にある意味において経過的なことまでも規定してあり、こういうようなふうで、いわゆる経過規定というものをおかなかつたのでございますが、これはどちらがよろしいか、各人のいろいろ御意見もあることと思いますが、われわれは一應これが簡單明瞭でいいというふうに考えてやつた次第でございます。それとは別といたしまして、一定の事項についてしばらく施行を猶予するという考えはないかという御質問でございますが、今まで各事項についてたびたび御説明申し上げました通りに、大体これで不都合はなくいく一面において事業者團体法は一日も早く施行することが得策であるというふうに考えております関係上、こんなふうに案ができておる次第でございます。
#23
○林(大)委員 第五條第一項の條文通りでありますが、こうしたような仕事をもし官廳が援助を頼む意味において頼まれた場合には、当然これを提出していいと思いますが、御意見いかがでしようか。
#24
○蘆野政府委員 第五條の一項は、先ほぼ御質問にありました第四條の第四号と関連いたしておるのでございます。四号に商品の品質の改善、規格の改良または生産もしくは配分の能率の向上に対する寄與を行うこと、こういうことがございまして、第五條の一項に書いてございますところの統制について政府の下働きをする。そのために原案をつくるということは、まさに分配の能率の向上に寄與する一つの形なのでございます。この法律の精神には、寄與することはしてよろしい、また十分してほしい、但しそれをそのまますぐに政府が默つて採用するというその程度までいくのは行き過ぎである。この形はいけない。但しそれ以外においては政府に協力することは事業者團体のなすべき任務である、こういう考えであります。
#25
○林(大)委員 今の問たはあまり嚴格に解釈されますと、政府の言うことを默つて聽いていけばいいのだという、きわめて独裁國家の形になりますから、もしも法文においてやわらげることができるならば幸いであるし、もしできないといたしましたならば、よほどこれはゆるやかにやつていかないと、下から盛り上る力というものを全部なくしてしまうような意識が日本の産業状態にはいることを私はおそれるのであります。
 次に第六号でありますが、「特定の事業者を公認し若しくは推薦する表」というのは公認は多少疑義がありますが、推薦することは私は何ら差支えないと思うのでありますが、御意見いかがですか。
#26
○蘆野政府委員 公認も推薦も、まずやりようにもよるかもしれませんけれども、その効果において、ただいまお話になりましたような実際の差別があることはあり得ないのでございまして、いずれもとにかく一方の事業者を引上げて、これに利益を與える。その反面においては、これに漏れたものは不利益をこうむる、こういう関係になる。そういうことを事業者団体の任意に任せることはおもしろくない、こういう考えでございます。
#27
○林(大)委員 第九号でありますが、「営業用の施設」という意味は、これはたとえば製造事業者でありましたならば、主たる團体が製造事業者である場合に、その團体が共同経営をするということはいけないといたしましても、事務所をもち、つまりこの法律にかなつた範囲内における必要なる施設をもつということは、当然許されることだと思いまするが、これはそういう意味にもし解釈ができるといたしますならば、株式社債の所有だけを禁じて、あとの施設とか、経営というのは許すのが当然である。かように私は考えますが、いかがですか。
#28
○蘆野政府委員 「営業用の施設」の意味について、事業者團体自身が扱う事務所とか、そういうものを所有することは差支えないであろうということが御質問の中に含んでおりましたが、それはもちろん差支えないのでございます。但し事業者團体はいろいろな場合もございましようけれども、主として考えておるのは、相当大きな事業者がこれがまたいくつか寄つて、共同に仕事をするということは、独占禁止法の趣意にも反するという趣旨でこういう規定を設けたのでございまして、そういう場合のことを考えますと、ちよつとこれを除くことは不適当だと思います。
#29
○林(大)委員 十五号でありますが、集金ぐらいはやらなければ、事業者團体それ自体がもつていかないと思います。この項は当然除くべきであると思いますがいかがでありますか。
#30
○黄田政府委員 事業者團体というものは、商賣はやつてはいけないということが規定してあるのであります。この集金を行うということは、これは実は非常に大きな商賣の一手段であり得るのでありまして、これを許すということは、この法の本系すべてが崩れるということになるおそれが非常に多いのであります。從いまして集金を事業者團体が行うということは、事業者團体が商賣を行うことができないということと密接な関連があるのでございまして、そういう理由からこれを禁止している次第でございます。
#31
○林(大)委員 商賣を行うことができないという項目があれば、当然その商賣に相当する集金を含むものでありまして、その方はそれで片づいておりまするから、ここに集金とは、たとえば月々の割当金であるとかいうようなものまでこれを禁止する意味でありまするか、どうでありましようか。
#32
○黄田政府委員 決してそういう意味ではございません。構成事業者のために、代つて口銭をとつて集金を行つて、それで金をもうける。そういうことがいけないという意味であります。
#33
○林(大)委員 その次は十七号です。「不当に立法又は政府の政策に影響を與えること」とありまするが、立法的意見を出すことは何ら私は差支えないのじやないかと思うのであります。從つてもしもこの項目を生かすとすれば、不当な手段によつて立法というふうに書いた方が至当であろうと思いますが、御意見はいかがでしようか。
#34
○蘆野政府委員 あるいは御説のように手段によつてという方がはつきりしていいかとも存じます。ただ手段と申しますと、手段の種類だけを限るようで、ある意味において多少正当な手段でも過度にやつてはいかぬといつたような程度も含めるというくらいな氣持で、わざと手段という言葉を入れなかつたのでございますが、実際は主として手段に関することでございまして、そんな意味であるというふうにおとりくだすつてちつとも差支えないと思います。
#35
○林(大)委員 第六條の第二号の最後に、実は本委員会におきまして非常に御援助をいただいて通過いたしました自轉車競技法なるものを、一項附け加えていただきたいことを切望するものであります。それに対する御意見を伺つておきます。
#36
○黄田政府委員 自轉車競技法の内容を伺いませんとはつきり申し上げかねるのでありますけれども、これを入れるといたしますれば、第二号でなしに、第一項の第三号、「左に掲げる團体」というところにイ、ロとございますが、その次に入れるのが適当な箇所であろうというふうに一應考えております。
#37
○林(大)委員 私の質問は以上であります。
#38
○堀川委員長 恐れ入りますが、速記を向うから催促せられておりますから、できるだけ簡單にお願いいたします。多田委員。
#39
○多田委員 私のお伺いしたい点の大部分は林さんから御質問がございましたので、簡單にお伺いいたしまするが、先ほどお話がありました商工会議所はこの法律に適用される。要するにこの法律は、私的独占禁止法に基くところの活動を制限するという意味だろうと思いますが、商工会議所が現在この法律に該当しなければならないというような仕事を行つておるかどうか、その点をお伺いいたします。
#40
○黄田政府委員 商工会議所のその法律に該当する事業は、いろいろ調べてみたのでありますけれども、ほとんど行つておりません。ここに例の原産地証明を商工会議所は行うことができるということがはいつておりますので、その他では現在この法律が施行されたために、商工会議所がただちに困るというふうな活動分野というものはないようでございます。
#41
○多田委員 商工会議所がこの法律の禁止事項に該当する事業を行つていないということであれば、商工会議所は第六條の適用除外に入れることが至当であろうと思うのでありますが、それに対する御見解をお伺いいたしたいのと、いま一つは共通の利益を増進するというような意味がどうもはつきりいたしませんが、二以上の事業者が共通の利益を増進するというようなことであれば、当然同種の事業者と解すべきであろうと考へますが、異種の事業者の事業者團体の中で、共通の利益を増進する目的でできておる團体が現在あるかどうか、あるいは將來そういう團体の発生するようなどういう形のものがあるかどうか、二、三お伺いいたします。
#42
○黄田政府委員 商工会議所が現在行つていないならば、除外したらどうかという御質問でございましたけれども、商工会議所を全面的に除外いたしますと、商工会議所の中にいろいろな同種の業者が寄つた部会というものができまして、それがはずれるということに相なりますると、非常にこの法律の趣旨の徹底を欠くというために、商工会議所も一應そこに入れておくということにいたしておるわけであります。それから主としてねらつておりますのは、同種事業者の結合体であるところの事業者團体でありますけれども、異種の事業者を含む結合体というものは、実は今のところ商工会議所以外には考え得ないのでございますけれども、経営者連盟とかそういうものがはいればはいるかと思うのでございます。
#43
○多田委員 少しこまかい具体的な質問になつて恐縮でございますが、一般業者が非常に憂慮しておりますので、具体的な事実について二、三見解をお伺いしておきたいと思います。同業者の結合体でなく、異種の場合も含まれておるのでありますけれども、たとえば砂糖その他の雜貨類の販賣を営んでおるところの事業者が数名集まつて砂糖の卸賣会社を組織した場合、そうしてその会社が砂糖の需給調整規則によつて登録をとつて営業を開始した場合に、株主である販賣業者は、砂糖の卸賣については個人としての営業は廃止いたしますけれども、雜貨類あるいは砂糖の小賣等については個人として販賣しておるというような場合には、この法律によつて事業者團体とみなされるかどうか、こういう点についてお伺いします。
#44
○黄田政府委員 御質問のような場合には、事業者團体とみなされません。
#45
○多田委員 植物油脂の販賣業者でありますが、これは全國的に各府縣で販賣の会社をつくつておりますが、この会社はもちろん業者の自発に基いてつくつた会社でありますから、この販賣の会社以外には植物油脂の卸賣業者というものは、現在各府縣にはないようであります。この場合に株主なるものは、かつて植物油脂の卸賣業を営んでおつたものでありますけれども、会社が卸賣業者になつたために、その株主が会社の出張所の名義をもつて、会社の名において植物油脂の卸賣業をしておる。これは全國的にあるのでありますが、こういつた場合には、会社は事業者團体とみなされるかどうか。
#46
○蘆野政府委員 大分こみ入つた例のようでございましたが、元卸賣業者であつたものが、今はやめて、株主になつて、そうして会社の各支店となつて卸賣業をやつておる。こういう場合と承つたのでありますが、お話の通り裏も表もない、その通りのことであれば、これは事業者團体には該当いたしませんが、ただ脱法行為の規定がございますから、この点は御注意願いたいと思います。
#47
○多田委員 これは先日ある会合で問題になつたことでありますが、菓子の製造販賣業者が株主となつて、ようかんの製造会社をつくつたような場合に、その株主が菓子の製造販賣をしておるけれども、ようかんについては、製造販賣をいたしておらずに、その会社が合同企業の形においてようかんの製造販賣をいたしておるというような場合に、構成員は事業者であるけれども、ようかんの製造については事業者としての資格はないのでありますけれども、こういつた場合には、この会社は事業者團体としてみなされるかどうか。
#48
○蘆野政府委員 いろいろ具体的になつてまいりますと、詳しく実体を伺わない以上は、断定的なことは申し上げかねるのでございますが、要するに同業者が相寄つて、協同の販賣所をつくるとか、協同の販賣会社をつくるとかいうことは、いわゆる協同行為になつておもしろくないのでございまして、そういう意味合いがなく、單に投資をしてある事業をやるということならば、差支えないのでございますが、この一般の原理によつて、具体的な場合をひとつ御判断願いたいと思います。
#49
○多田委員 いまひとつ、あまり具体的で恐縮ですが、会社の重役あるいは業者等が、会社経営の研究のための團体を組織した場合、たとえば経営復興会議のような團体が、事業者團体として該当されるかどうかということと、一部の轉廃業者が、会社を組織して事業を営む場合に、その会社が――要するに一部の轉廃業者と申しますのは、事業の一部を轉廃した業者――が、その轉廃した業態について会社を組織した場合に、その会社が事業者として対象となるかどうか。この二つをお伺いしたいと思います。
#50
○蘆野政府委員 経済復興会議の場合は、実はまだとくとこの会議の性質を研究いたしておりませんので、具体的に、はつきりと右、左と申し上げかねるのでございます。あるいはその目的の点において、先ほども申し上げました公益的のことが主であつて、いわゆる事業者としての共通の利益ではないということになつておれば、該当しないわけでございますが、しかしながら、そこにたとえ一部なりも、社会の通念上、どうしてもこれはやはりめいめいの事業者の利益増進であると解されるような点がございますと、これは該当するものなりと申し上げなければならない。この点はなおよく具体的に研究してみたいと思つております。
 それから、一部の轉廃業者が寄り集まつて会社を組織すると、事業者團体になるかというお話でございますが、これも先ほど申し上げました原則に從いまして、その轉廃業者がなお続けてやつておるところの事業と、その会社によつて行う事業との間が、同種のものであるとか、あるいは製造販賣の関係にあるとか、そういうふうに密接な関係にあつて、要するに幾つかの事業者が協同して一つの販賣をやるとか、卸をやるとかいうことになるといけないので、そういうふうな関係にならない以上は事業者團体ではない。從つてそういう会社をつくることは差支えないということになるのであります。
#51
○多田委員 今までの御説明を承つておりますと、共通の利益という意味がどうも漠然としておつて、はつきり了解できないのであります。たとえば先ほどの商工会議所の場合においても、異種の事業の結合体である商工会議所が、構成員全体の共通の利益を上げるというような事態は、具体的には非常にむずかしくて、ないだろうと思いますけれども、部会をつくつて、部会の同種の業者の利益を増進するということになれば、これは当然商工会議所を離れて、商工会議所のある部会としての事業者團体と見なすことが、事業者團体をはつきりと認識させることになるだろうと思うのであります。それと、今お話のように、共通の利益をはかるということは、業態の違う場合に、はたして共通の利益がはかられるかどうかということを考えると、これは共通の利益をはかることを目的にするということは、同種の事業について直接共通の利益をはかることを目的とする、実際にはそういう形、そういう意味だろうと思いますが、そういう意味だとすれば、この法文にもはつきりとそういつた点を示すことが必要だろうと思うのであります。商工会議所の部会のように、特定な事例の場合を考えて、非常に廣い範囲に――異種の事業体もすべて含むというように、非常に廣くきめることになりますと、各事業者團体が非常な不安に襲われるということになりますので、この第二條を、同業者の結合体あるいは直接共通の利益を増進することを目的に含むというように、確然とすることが至当であろうと思うのでありますが、これに対する御見解を承りたいと思います。
#52
○蘆野政府委員 商工会議所のような異種の事業者が集まつた團体に共通利益ということはないだろうというお話でありますけれども、その共通利益ということは、同業者だけに限つてある共通の利益という、そこまで狹く解する趣旨ではございません。同じ地域に住んでいる人々が事業を営んでおる、そこに事業者としての共通の問題がたくさんあると思うのでございます。あるいは立法の改革であるとか、あるいは関税の引下げであるとか、あるいは配給制度の改善であるとかいうようなこともございまして、これはやはり事業者としての共通の利益ということになるのでございまして、当然含まれるのでございます。なお定義について御注意申し上げますと、たとえば商工会議所がたくさんの種類の事業者からなつておると申しましても、極端な例を申しますと、かりに二人だけ同業者がはいつておるという場合でも、実はもうこの定義にはかかるのです。だから、たとい同業者というふうに限りましても、二人以上の同業者を含むところの團体、こういうことになつて、やはりはいるということに実はなるのでございます。なお、実際上の立場から申しますと、同業組合はいかぬ――同業組合はいかぬとは申しませんが、事業者團体としていろいろな制限を受けるとすれバ、それじや二つ同業組合を合わせればもう適用はないのか、そういう結果にどうしてもならざるを得ない。そういう点も併せて考慮せられたことと思われますが、ともかくも、初めに申し上げました通りに、異種の事業者でも、同じく事業者である以上は、そこにいろいろな共通な利害関係のある問題がある点を、御了解を願えることと思います。
#53
○多田委員 ただいまのお話では、二人以上の事業者がはいつておる場合には事業者團体とみなすという御意見でございましたが、これは非常に影響するところが多いだろうと思います。そこで、この二人以上の事業者が事業者であるというような解釈が、ただいまお話のように、異種の事業者の場合でも、二人以上の同業者がはいつた場合には、当然これに該当するという意味なのか、あるいはただいまの御説明を聽いておりますと、二人以上の事業者がはいつておるところの團体はこれに該当するというような意味にとれますが、そういたしますと、わが國における商法に基く社会のほとんど全部が該当するというようなおそれがありますし、また一般にはそういつた点を非常に心配しておりますので、事業者團体とは事業者だけが集つてつくつておるところの團体を指すのであるかどうか。あるいは事業者以外の者がはいつておる場合を指すのであるかどうか。これを構成員が事業者だけに限定されておるものと思いますけれども、この解釈についていま一度お伺いいたしたいと思います。
#54
○蘆野政府委員 御質問の第一点の会社が事業者團体であるかという点は、これははつきり通常の会社は事業者團体ではないということを申し上げることができるのであります。これは定義の上では「事業者としての共通の利益」と書きましたところに実は意味がこもつておるのでありますが、会社の株主に大勢の事業者があるということはきわめて普通のことであろうと思うのでありまして、これらの株主というものは、なるほどともにその会社の繁栄を願い、あるいは株の高くならんこと、あるいは配当の多からんことを願いますことについては「共通の利益」でありますが、しかしこれは投資家としての立場の利益でありまして、銘々の事業に関連しておるところの利益ではない、こういうことから、実は会社というものをはつきり入れない意味でこういう文句をわざわざ入れたという経緯があるのであります。それから事業者だけの團体だけに事業者團体を限つてはどうかという御説でありますけれども、これはもちろん極端な場合は別といたしまして、たとえば大勢の事業者の中に一人か二人役員の何かの関係で事業者でない者がはいつておる。こういう場合は個まないものと解釈いたしましても、そういうふうに定義いたしますと、それでは実は事業者團体なんであるけれども、この法の適用を免れるために幾人かの事業者でない者を入れておく、こういう形式をとることもできますので定義としてはこんなふうに現わさなければならなかつたのでございますが、しかしながら、実際問題においてはそういうことは少いのではないか。大体においては事業者が大部分となつて構成しておるところが法律の対象なんでありますが、しかしながら、そう限つてしまうと、今度はただいま申し上げましたような、そういう形でもつて事業者團体法の適用を免れる、こういうものが出てくる心配がある。こういう意味でそういうようにしたわけであります。なおいろいろ先ほど極端な場合を申されましたが、実際二人の事業者という場合は多くはないと思うのでございますが、しかしながら業種によつては事業者の方が非常に少い。その大きいものが二つだけ共同しただけでも相当経済界に影響を與えるというふうな場合もあるのでございまして、三つにするか五つにするか、そこのところはどうも適当なところがございませんで、結局一人でなく二人ならばすべてはいつておる、こういうようにするほか手がなかつたのでございます。
#55
○多田委員 第二條の第二項の中に「「事業者」とは、商業、工業、金融業その他の事業を営む者」というように、特に商業工業金融業をここに明記してありますが、それは何か特別に意味があるのか、御答え願います。
#56
○黄田政府委員 商業工業金融業その他の事業と申しますのは、同種の類型に属する経済的活動を営むものという意味でありまして、たとえば農業であるとか水産業であるとか、そういうものを含むのでありまして、從いまして社会事業、学術教育事業、こういうものはこれには含まない、こういう意味でございます。
#57
○多田委員 第四條の第1項に、自由意思によつて情報または資料を提出させることができるというように規定されておるのでございますが、実際問題といたしますと、自由意思によつて資料を提供さすというようなことは非常に困難だと思いますけれども、こういつた場合に、たとえば総会でも決議をして、その決議に基いて資料なり統計なりを構成員から提出させるというようなことはできるかどうか、この点をお伺いします。
#58
○黄田政府委員 御質問のようなま高堂はできるわけでございます。但しその点で問題になりますのは、これを出さなければお前は除名だというふうなことをつけることになると問題でありますけれども、そうでない限りそれは自由意思に基く提供ということになり得るわけであります。
#59
○多田委員 その次に集金が禁止されておりますが、構成員の委託によつて集金でなしに代金を支拂いをする場合、こういつたことが第五條の十四に取引の代理人となることはできないという禁止事項がありますが、取引の代金という意味ではなしに、委託によつて代金の支拂をするというようなことは差支えないかと思うのでありますが、これについてお伺いいたします。
#60
○蘆野政府委員 これは事実問題になつてまいりまして、一つ一つの場合についてどういうことをやつたのか、むずかしく申せばその法律関係がどうなつておるかということによつて定めるほかないのでございますが、集金を事業者團体の事業とするということを禁止し、あるいは代理人となることを禁じたという趣意については、前々すでに御説明申し上げてあるような趣意なんでございましてその趣意に反しないような、ほんとうの單なる取次ということまでもやかましく申すという意味ではないと思います。
#61
○多田委員 第五條の第十三号に営業に從事することができないということがありますし、その前に施設をもつことが禁止されておりますが、たとえば事業者團体が厚生事業として施設を私有し、またはその事業を経営するような場合、これはもちろん厚生事業でございますので「共通の利益」をはかるということに該当するかどうかわかりませんが、こういつた場合には禁止事項に該当するかどうか。
#62
○蘆野政府委員 厚生施設と申しますのは、事業者団体の職員のための厚生施設と了解しているのでありますが、そういつたことはちつとも差支えないと思います。
#63
○多田委員 第六條の適用除外の規定でございますが、この第六條に除外されておる團体以外にまた法律によつてできたところの團体が相当あろうと思います。ところが他の法律によつて当然つくらなければならないということでできた団体が、事業者団体料ができたために活動範囲が非常に制限されるということは、その他の法律の精神を冒涜することに相なろうと思いますが、これらに対しては、あるいは近い將來においてその法律が正政され、あるいは変つた形になるというような見込みのものもあろうかと思いますので、そういつたものについては、特に第六條の中に、独禁法の二十四條の要件を備えておる團体であつて、公正取引委員会が特に指定したものを適用除外するというような一項を入れることが必要であろうと思いますが、それに対する御見解をお伺いいたします。
#64
○堀川委員長 本日はただいま議題になつております事業者團体法に対しての速記をこの程度にして、筆記に移りたいと思います。
    ―――――――――――――
    〔以上筆記〕
#65
○堀川委員長 昨日委員会で決定した貿易振興に関する小委員会の小委員十名及び小委員長を次の通り指名する。
  小委員
   關内 正一君  多田  勇君
   松井 豊吉君  石神 啓吾君
   笹口  晃君  林  大作君
   岡田 繁藏君  細川八十八君
  唐木田藤五郎君  中村元治郎君
  小委員長 林  大作君
 次に貿易振興対策について、業者代表より意見を聽くための参考人の人選範囲は委員長に一任に御異議ないか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#66
○堀川委員長 御異議ないと認める。よつて次の通り指名する。
  青木 三良君 第一物産株式会社(雜貨)
  石澤  豊君 日本ゴム工業協同組合聨合会
  大柴亀太郎君 株式会社野澤組(繊維、雜貨)
  小野 豊治君 小野商会(雜貨)
  佐口 賢二君 社團法人繊維檢査協会
  古澤 猛夫君 大船光學
  前田 五三君 高島屋飯田株式会社(繊維)
  前田 燕夫君 宮田自轉車製作所
  間瀬喜久治君 東洋綿糸株式会社
以上参考人として指名する。
 本日はこれにて散会する。
    午後四時二十分散会
ソース: 国立国会図書館
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