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1947/06/24 第2回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第002回国会 文化委員会 第15号
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1947/06/24 第2回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第002回国会 文化委員会 第15号

#1
第002回国会 文化委員会 第15号
昭和二十三年六月二十四日(木曜日)
    午前十一時零分開議
 出席委員
   委員長 小川 半次君
   理事 鈴木里一郎君 理事 佐藤觀次郎君
   理事 最上 英子君    奥村 竹三君
      佐々木盛雄君    原田  憲君
      山名 義芳君    受田 新吉君
      馬場 秀夫君    高橋 長治君
      成島 憲子君    石田 一松君
      川越  博君    森山 武彦君
 出席政府委員
        賞勳局事務官  村田八千穗君
        法 制 長 官 佐藤 達夫君
 委員外の出席者
        專門調査員   武藤 智雄君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 栄典法案(内閣提出)(第一一〇号)
    ―――――――――――――
    〔筆 記〕
#2
○小川委員長 去る十五日栄典法案を議題として、政府側より提案理由の説明を聽取しましたが、その後早急に本法案を決定する必要に迫られましたので、本日急に委員会を開くことになりました。
#3
○佐藤(觀)委員 今までは新しい法律ができないと、從來の法律は廃止できないようになつていたが、現在はどうなつていますか。
#4
○村田政府委員 現在勳章制度は、運用を停止していますが、例外として特に少数の者に対してのみ、勳章制度の一部が残されています。少数の者とは、死亡した者で、生前に表彰を受くべき功績を表わした者を指しています。
#5
○佐藤(觀)委員 この間美濃部博士が亡くなつたが、あのときはどうなりましたか。
#6
○村田政府委員 特別の功績があつたということで取扱つています。
#7
○鈴木(里)委員 文化勳章は單一級であるが、これを二級にわけ、段階ある制度にした方が妥当ではないですか。
 また第五條には「賞金又は賞杯を授與することができる」とあるが、その賞金とはどのくらいの額か、またどのくらいの勳章に相当するのですか。
 次に第五條第二項には、「授與すべき勳章を既に有するときは、賞杯を授與する」とあるが、賞杯の代りに位を一級ずつ上げてはいかがですか。
#8
○村田政府委員 文化上きわめて高い業績を表わした者に対して與えるのが文化勳章で、その價値に対して上下の区別をつけるということは、実際問題としても判定が困難であり、また勳章を受與される方の側からいつても下級の勳章を授與されるということは感銘が薄らぐと思うので、單一級にしたのであります。
 第二点の賞金をつけるということは、実際問題として賞金は出さぬ。但し勳章を受くべき者が経済的に非常に困窮しているというようなときには、賞金をつけることもあります。ソ連では勳章を授與した者に年一回鉄道のパスを授與したり、住宅を無償で貸與するという制度をとつているということであるがそれも一案かと思います。
 第三点の御質問ですが、これは、さらに同級の勳章を與える程度の功績があつた者には賞杯を與えるようになつています。
#9
○鈴木(里)委員 同種の勳章を與えるということがありますか。
#10
○村田政府委員 いろいろ説もあつたが、たとえば二級の滯勳者がさらに五級に相当する功績を表わしたような場合には賞杯を授與します。なお、文化勳章は文化に対する最高の功績のあつた者に與えるが、別に普通勳章の五級の勳章を與えることもできます。
#11
○鈴木(里)委員 美術家等を表彰する場合、普通の五級勳章をかえるということは変ではないですか。
#12
○佐藤(達)政府委員 勳章の授與は國家公共に対して著しい功労のあつた者に與えるという大前提に立つているので、功労章あるいは普通勳章を画家、美術家等の藝術家に與えるということは考えられるので、その辺のことを考慮していただけば、御了解がつくと思います。
#13
○鈴木(里)委員 美術家でも社会公共に功労のあつた者に、文化勳章以外の勳章が授けられてよいというお考えならば、なおさら文化勳章を二級に分けた方がよいと考えます。
#14
○馬場委員 平和勳章という名称を用いないで、平和大光章などという名称を用いた理由、栄典審議会委員十名の選任方法、及び栄典の申請は個人たると團体たるとを問わず、必ず市町村長より内閣総理大臣に提出するというがその理由はいかがですか。
#15
○村田政府委員 民主的な考え方から、平和勳章という名称も考慮されたけれども、文化勳章と対比して平和勳章という名はいろいろ難点もあるので、このように決定したのです。栄典審議会の委員は、十名とも民間から選定します。栄典の申請は從來文部省から内閣へ申請していたが、一般事情から市町村長から申請することが便利であると考えたからで、決して個人や團体の申請を押えるわけではありません。
#16
○馬場委員 勳章の等級は申請者の指定によるのか、あるいは審査委員会が指定するのですか。
#17
○村田政府委員 市町村長の指定によるが、その指定によらずとも、最終決定は審議会で行います。
#18
○受田委員 新しい栄典制度の文化勳章、普通勳章、それに旧勳章の佩用も許すということであるが、英國におけるガーター勳章、フランスではナポレオン以後一貫した勳章を有している。日本では將來いかにする考えですか。
#19
○村田政府委員 過去における勳章については、制度そのものが封建的であつたから、これを廃止したのであり、過去における功績を考えるか、あるいは一新するかということは考慮したのでありますが、過去の制度とは別に新しい制度の上に立つて栄典制度を決定したのであります。
#20
○受田委員 法律上旧勳章の佩用を許す者もあるというが、過去の勳章にとらわれていはしないですか。
#21
○山名委員 新旧二つの勳章が両立することになるので、過去の功績についてはこれを新栄典制度の切りかえ、新制度一本にしてはどうですか。
#22
○村田政府委員 過去の功績による勳章が新勳章のいずれに当るかということは判定に困難であります。ゆえに過去のものはそのままとして取扱い、新栄典制度に切りかえない方が適当であります。
#23
○最上委員 社会公共のための寄附については、新栄典制度のもとではどうなりますか。
#24
○村田政府委員 從來は褒章條例によついていたが、新制度では善行章として表彰します。これについては寄附の動機、金額等について十分の考慮を拂つた上、褒章、褒状を決定したいと思います。
#25
○鈴木(里)委員 授與さるべき勳章をすでに有している者には賞杯を授與するというが、これは位を一級進めてはと思うが、いかがですか。
#26
○村田政府委員 たとえば五級の勳章を持ついてる者が、四級と五級の間の功績を表わしたときには、四級に進められるが、それに達しない功績を表わした際には、賞杯を授與される。これは從來も同樣でありました。
#27
○受田委員 勳章の意匠はいかなる方法で決定したか、意匠の募集のようなことは考えなかつたのですか。
#28
○村田政府委員 從來勳章の図案をいろいろ考案していた当局の專門家に依頼して、これについて私どもが      と思つたものに決定したのであります。
#29
○受田委員 旧制度の勳章の佩用を許した場合、老將軍を見て、遂には昔の勳章の方がよかつたというようなことになつては困るがどうですか。
#30
○村田政府委員 金鵄勳については、昨年新憲法施行の際にその佩用を禁止されています。金鵄勳章以外の勳章でたとえば旭日章のごとき、職業軍人あるいは公職追放者は着用できないことになつています。残るは大部分下士官、兵であるが、これはその労苦に対し本人が希望するならばその着用を妨げない考えであります。
#31
○小川委員長 本日はこれをもつて散会いたします。
    正午散会
ソース: 国立国会図書館
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