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1947/03/27 第2回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第002回国会 司法委員会 第6号
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1947/03/27 第2回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第002回国会 司法委員会 第6号

#1
第002回国会 司法委員会 第6号
昭和二十三年三月二十七日(土曜日)
    午後二時二十分開議
 出席委員
   委員長 松永 義雄君
   理事 石川金次郎君 理事 荊木 一久君
   理事 鍛冶 良作君
      井伊 誠一君    池谷 信一君
      石井 繁丸君    中村 俊夫君
      中村 又一君    八並 達雄君
      山下 春江君    北浦圭太郎君
      明禮輝三郎君
 出席國務大臣
        國 務 大 臣 鈴木 義男君
 委員外の出席者
        專門調査員   村  教三君
        專門調査員   小林 貞一君
    ―――――――――――――
三月二十七日
 檢察廳法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 (第二二号)
 檢察審査会法案(内閣提出)(第二三号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 檢察廳法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 (第二二号)
 檢察審査会法案(内閣提出)(第二三号)
    ―――――――――――――
#2
○松永委員長 会議を開きます。
 檢察廳法の一部を改正する法律案、及び檢察審査会法案の両案を議題とし、政府の説明を願います。鈴木國務大臣。
#3
○鈴木國務大臣 ただいま上程になりました檢察廳法の一部を改正する法律案の提案理由の御説明を申し上げます。
 そもそも檢察官は公訴権の実行をその職責とするものであり、檢察官による公訴権の実行が適正に行われなければ、刑罰法令の適正な適用実現も、これを期待することができないことは、論をまたないところであります。このためには、檢察官の身分保障を強くし、檢察官をしていかなる勢力にも影響されることなく、嚴正公平に公訴権の実行に当らしめる用意が必要でありまして、檢察廳法第二十三條は、まつたくこの趣旨に出た規定なのであります。しかしながら、現行制度のように、檢察官の罷免事由を、心身の故障その他の事由により、その職務をとるにたえない場合のみに限り、檢察官が職務上の非能率あるいは重大な非行等により、その職務をとるに適しない場合にも、なおこれを罷免することができないというのでは、その身分保障が強きにすぎるとの批判もあり、また裁判官の身分保障に比して、権衡を失するとの意見もあるのであります。よつて政府におきましては、以上の緒論を詳細研究いたしまして、檢察官の職責の重要性に鑑み、檢察事務運営の適正をはかるとともに、檢察の民主化を期するために、新たに檢察官の資格に関する定時審査制度を設け、併せて檢察官の罷免事由を拡張し、さらに檢察官適格審査委員会の構成員の過半数を、國会議員とすることに改めて、ここにこの法案を提出した次第であります。何とぞ愼重御審議の上、速やかに御可決あらんことを望みます。
 次に同じくただいま上程になりました檢察審査会法案の提案理由を御説明申し上げます。
 わが國の法制によりますれば、公訴は檢察官のみがこれを行うものでありますが、日本國憲法の精神に鑑みますと、公訴権の実行に関しても、できる限り民意を反映せしめて、その適正をはかるのが至当と考えられるのであります。しこうして、公訴権の実行に関し、民意を反映せしめる最も徹底した制度は、英米におけるがごとき起訴陪審でありますが、わが國の國情並びに英米における起訴陪審の実績などを詳細に研究いたしました結果、今にわかに起訴陪審を採用することに適当ではなく、むしろ檢察官の不起訴処分の当否の審査、並びに檢察事務の改善に関する建議または勧告を所掌する檢察審査会制度を設けるのが、最もわが國情の合致するものと考えまして、この法案を提出する次第であります。
 次にこの法案の内容の大要を御説明いたします。
 第一、檢察審査会は、政令で定める地方裁判所及び地方裁判所支部の所在地に置かれるものであつて、その数は全國を通じて二百を下つてはならないのであります。
 第二、檢察審査会は、その管轄区域内の衆議院議員の選挙権を有する者であつて、一定の欠格事由のない者の中から、くじで選定した十一人の檢察審査院をもつて組織するものであつて、別に同数の補充員があり、檢察審査員資格者名簿及び檢察審査員候補者名簿の調製方法、並びにくじによる選定の方法などは、大体陪審法のそれに準じております。檢察審査員及び補充員の任期は六箇月でありますが、この法律施行後最初に選定される檢察審査員及び補充員各十一人のうち、各六人の任期は三箇月、各五人の任期は六箇月と定め、爾後三箇月ごとに六人または五人が新たに選定補充されるものといたしまして、いわゆる半数交替制をとつて、檢察審査会の機能の低下を防止する方策を講じたのであります。
 第三、檢察審査会の所掌する事項は、檢察官の不起訴処分の当否の審査並びに檢察事務の改善に関する建議または勧告でありまして、檢察審査会は、告訴もしくは告発をした者、請求を待つて受理すべき事件について請求をした者、または被害者の申立があるときは、必ず不起訴処分の当否の審査を行わなければならず、また檢察審査会の過半数により議決があるときは、職権で不起訴処分の当否の審査を行うことができることとなつております。檢察審査会は、その職権を行うにあたり、何人の指揮監督も受けず、まつたく独立してその職権を行うものであります。
 第四、檢察審査会の審査手続につきましては、檢察官に対し審査に必要な資料の提出及び意見の開陳を要求し、審査申立人及び証人を呼び出してこれを尋問し、または相当と認める者の出頭を求めて、法律その他の事項に関し専門的助言を徴することができるのであります。檢察審査会は、審査の結果議決をしたときは、理由を附した議決書を作成し、その謄本を当該檢察官を指揮監督する檢事正及び檢察官適格審査委員会に送付し、かつ議決の要旨を七日間掲示することといたしてあります。しこうして檢事正は、檢察審査会の議決を参考にし、公訴を提起すべきものと思料するときは、起訴の手続をしなければならないのであります。
 第五、檢察審査会に関する経費につきましては、これを裁判所の経費の一部として、國の予算に計上しなければならないものといたしてあります。
 以上で簡單ながら、提案理由の御説明を終えることにいたしますが、何とぞ愼重御審議の上、速やかに御可決あらんことを望みます。
#4
○松永委員長 本日は両案についての説明に止め、これにて散会いたします。
    午後二時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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