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1947/03/29 第2回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第002回国会 司法委員会 第7号
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1947/03/29 第2回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第002回国会 司法委員会 第7号

#1
第002回国会 司法委員会 第7号
昭和二十三年三月二十九日(月曜日)
    午後零時十九分開議
 出席委員
   委員長 松永 義雄君
   理事 鍛冶 良作君
      池谷 信一君    石井 繁丸君
      打出 信行君    中村 俊夫君
      中村 又一君    八並 達雄君
      山下 春江君    吉田  安君
      岡井藤志郎君    明禮輝三郎君
      酒井 俊雄君
 出席政府委員
        法務行政長官  佐藤 藤佐君
        法務廳事務官  國宗  榮君
 委員外の出席者
        專門調査員   村  教三君
        專門調査員   小木 貞一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 檢察廳法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 (第二二号)
    ―――――――――――――
#2
○松永委員長 是より会議を開きます。
 檢察廳法の一部を改正する法律案について審査を進めます。
#3
○明禮委員 第二十二條第一項に職務の非能率ということがあるが、これを必ず罷免するということは、非常にむつかしい問題であると思う。ここに怠つた時という彈劾の場合の事由と対照すると非能率ということは必しも怠つた時とは違うように思うがどうでありましようか。
#4
○佐藤(藤)政府委員 御説の通り、全般の状態について非能率という言葉を使つております。
#5
○明禮委員 それでは非能率ということのうちには、怠ることも含むものと承つてよろしいでしようか。
#6
○佐藤(藤)政府委員 その通りでございます。
#7
○明禮委員 威信を著しく失う場合であつて、職務をとるに適しない場合もはいると解釈すべきものであると思いますが、いかがでございましようか。
#8
○佐藤(藤)政府委員 お説のごとく著しく威信を失墜するような場合で、職務をとるに適しないのも当然はいるものと考えます。
#9
○明禮委員 二十三條末項の「但し、委員となる國会議員は、各、衆議院議員及び参議院議員の互選によるものとし、その員数は、六人とする。」とありますが、この六人はどのようにして選定するのでありましようか、その数や方法等はどうなりますか。
#10
○佐藤(藤)政府委員 二十三條の末項にありますように、別に官制の政令が規定されるのでございますが、それには両院に同数割当を考えております。
#11
○鍛冶委員 法務総裁の勧告というのは、どういう意味でしようか、やめたらよかろうというのか、決議があつたからやめろというのか、どういうことでしようか。
#12
○佐藤(藤)政府委員 一級官の檢察官については内閣が、二級官については内閣総理大臣が任免権をもつておりますが、法務総裁がこれらの任免権者に勧告するという意味であります。
#13
○鍛冶委員 第三項にその議決を相当と認めた場合とあるが、相当と認めないとき、すなわち議決と総裁の意見とが違つているときは、どうなるのでありましようか。
#14
○佐藤(藤)政府委員 最初に議決を求めるのは法務総裁であるから、違うことはないのであります。唯法務総裁の知らない場合、委員会がみずから職権で審査を行つた場合、まれにはあり得ることが予想されますが、その時には、握りつぶしをする場合もあり、あるいは他の処分を求めることがあるかもしれませぬ。
#15
○鍛冶委員 それでは結局法務総裁の決定が議決より強いこととなり、諮問機関となる訳になりますね。
#16
○佐藤(藤)政府委員 しかし事実は議決を尊重する建前でありまして、議決を尊重し、勧告までもつてくるのでありまして、罷免までは総裁が全責任をもつのであります。
#17
○鍛冶委員 今の問題はよほど重大だと存じますが、適格審査委員会というものは、私は議決機関でなければならぬと思うのですが、それが諮問機関で、議決があつても、これを総裁が拒否できるということになると審査委員会というものは、非常におかしなものになると思いますが、差支えありませんでしようか。
#18
○佐藤(藤)政府委員 先ほど申し上げましたように、檢察官の任免権者が内閣または内閣総理大臣というようになつておりますので、その間に介在しておる法務総裁が、全檢察官の指揮監督をしておるという責任ある地位に立つておるのでありますから、その法務総裁の責任において、任免権者に檢察官の罷免を勧告するという、この改正案の建前の方がむしろ適当ではないかというふうに考えておるのであります。なるほどお説のように、せつかく檢察官適格審査委員会を設けるのでありますから、必ずこの委員会の議決に從わなければならぬということも、一つの案ではありますけれども、檢察官適格審査委員会の議決を尊重して、そうして監督の責任ある法務総裁が、自己の責任において、その議決を参照して罷免を勧告するという建前に改める方が、責任の所在が明らかになることにおいて、むしろ適当ではないかというふうに考えておるのであります。
#19
○鍛冶委員 先ほど言われたように、諮問機関だということで、これは諮問するだけならそれは差支えないということになるのですが、私は法律論を言うのです。ここに明らかに委員会の議決ということがあるので、私はこれを決議機関ではないかと思つております。もし決議機関であつて、総裁がそれを握りつぶすことができるということになると、議決機関は、さらに独自の立場で、任免権者へ、総裁が勧告せぬのははなはだけしからぬということを言うていけるということも、理屈上考えられると思うのですが。……もしそういうことで、それはどうでもいいのだというのなら、議決することをやめて諮問したる上としなければいかぬと思いますが、どうも今の第一項の條文の書き方と、第三項とは、不釣合になつてきて、第一項からくれば、今おつしやつたようなことが出ぬと思いますが、これは將來に重要なことだと思います。
#20
○佐藤(藤)政府委員 第一項の審査委員会の議決、これだけを見ますると、いかにもいわゆる議決機関のようにも見えまするけれども、本文の趣旨は、ただいま御説明いたしたように、委員会の議決を尊重して、そうして法務総裁が責任をもつてそれを取扱うということになりまするので、結果から見れば諮問機関になりまするけれども、立案者としては、どこまでも委員会の議決を尊重して、法務総裁の責任を明らかにしたいという建前で、かような立案をいたしたのであります。議決という文字があつても、諮問機関たることには、一向差支えないように考えております。
#21
○鍛冶委員 そうすると、もう一つさかのぼつて聽きたいのは、一体審査委員会にかけるという、一種の起訴と同じようなものですね、この手続は何によつてきまるのでありますか。
#22
○佐藤(藤)政府委員 その点は法務総裁が全國の檢察官を監督しておりまするので、法務総裁が自己の監督のもとにおけるある檢察官の不適格を認めた場合には、審査委員会に対して、適格審査を請求することになるのであります。別にその請求についての手続の規定は設けてありませんが、法務総裁が随時各檢察官について審査を請求することができるということは、この二十三條の第二項の二号によつても明らかにしておるつもりであります。
#23
○松永委員長 午後一時半まで休憩いたします。
    午後零時二十八分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時九分開議
#24
○松永委員長 休憩前に引続き会議を開きます。鍛冶良作君。
#25
○鍛冶委員 先ほどの承つたのでありますが、そうすると、この審査委員会に対するいわゆる起訴機関というものは、法務総裁だけということを聽いたのですが、一般からこの檢察官は困るということは申し出られないのでありましようか。もし申し出るとすれば、いかなる手続で申し出るのでしようか。
#26
○佐藤(藤)政府委員 一般人から檢察官適格審査委員会の方に、何らかの方法で通知がありますれば、審査委員会が必要に應じて随時職権で審査を行う途を開いてあります。
#27
○鍛冶委員 それはどの條文によつてですか。
#28
○佐藤(藤)政府委員 それは第二十三條第二項の第三号であります。
#29
○鍛冶委員 実は私もそうかと思いましたが、どうもただ職権でと書いてあるのは……。もつとも前には「檢察官適格審査委員会の審査に付される。」と書いてあるのですが、それではこれは委員会の職権という意味なんですね。
#30
○佐藤(藤)政府委員 そうでございます。
#31
○鍛冶委員 そこでまた元へもどりまするが、そういう場合になつて、法務総裁の意見によらない職權に基く審査をして、そして罷免すべきものという議決をする。しこうして法務総裁にこれを申し出て、法務総裁が相当と認めないということになると、非常にそこに紛義が起きると思いますが、その点はいかがお考えでしようか。
#32
○佐藤(藤)政府委員 先ほど申し上げましたように、法務総裁の請求によつて審査を行う場合におきましては、審査委員会の議決と法務総裁の意思とが違うということは、絶対にあり得ないのでありますが、審査委員会が職権で随時審査を行つた場合には、その議決と法務総裁の考えとが違う場合は予想それるのであります。たとえば審査委員会で罷免を可とするという議決をしたのに、法務総裁においては、しかし罷免の程度ではない、あの檢察官に対してこういう職務に轉換させれば、その檢察官は十分用いていくことができるのではないかというふうに考えたような場合には、法務総裁の意見と議決と食い違うことがあると思いますが、しかしながら、大体においてかような制度を設けて、そして檢察の民主化をはかろうという制度なのでありますから、法務総裁は審査委員会の議決をあくまでも尊重するだろうと考えておるのであります。
#33
○鍛冶委員 大体要は得ましたが、結論として、それでは諮問機関と同樣ではあるが、政治的にはそれを尊重して総裁がやられるものと思う。ただこれに反するようなことはないけれども、法務総裁の権限において、責任においてやるのだから、それで諮問機関のような形の第三項ができた、かように解釈してよろしゆうございますか。
#34
○佐藤(藤)政府委員 まつたくお説の通りであります。
#35
○鍛冶委員 第二項の第一号は、これは三年ごとに定時審査が必ずあるのではないかと思うのですが、続んでみると、「三年ごとに定時審査を行う場合」というので、何だか行う場合と行わぬ場合とあるのじやないかという氣がしますが、これはどういうのですか。
#36
○佐藤(藤)政府委員 第二十三條第二項の一号は、すべての檢察官には三年ごとに、すなわち定期的に全部審査を行う、審査を行う場合は適格審査委員会の審査に付する、こういう趣旨であります。
#37
○鍛冶委員 これは各地方裁判所にあるのだから、全國一齊に行うのでしようね。日は違うかもしれないが、大抵月くらいは一緒になつてあるのじやないかと思いますが、その点はどうですか。
#38
○佐藤(藤)政府委員 第一回の審査は、明年中に全部定時審査を行うことに附則で明らかにいたしましたが、その後三年ごとに、つまり一年間を通じて全部の檢察官に審査を行うというのでありまして、個別的に言えば、人によつて審査される日はもちろん違つてくることと思いますけれども、三年目のその一年間には全部やらなければならぬ、こういうことになるのであります。
#39
○鍛冶委員 それはどの規定でそういうことが明らかになつているのでありましようか。これだけでしようか。またこのほかに官制にでもなつているのですか。
#40
○佐藤(藤)政府委員 その点は、この規定だけでございます。ただ最初の分は明年内に行うということは、この附則の第二項に規定してありますけれども、その他のことは二十三條第二項の一号によつて、三年ごとに定時審査を行うという、これで三年ごとに行われることを期待しているのであります。
#41
○鍛冶委員 そう言われればわからぬでもないが、むしろこれは三年ごとにすべての檢察官について行われる定時審査の場合とした方がよいのじやないですか。何だか審査を行う場合というと、行わぬ場合があるのじやないかという氣がするのですが、これは字句の点でありますから、これで差支えないということなら、私強いて申しませんが、御考慮のほどをお願いしておきましよう。
 それから先ほどから問題になつた衆議院議員及び参議院議員の互選によるという、この員数その他の問題について、現在までに何か政府委員として確定的な御意見でもあれば承りたいと思いますが、いかがですか。
#42
○佐藤(藤)政府委員 現在のところ、立案当時と考えはかわつておりませんので、できれば原案のままで御審議を願いたいというふうに考えております。
#43
○鍛冶委員 ただ問題は、ここに六人となつておりまするから、衆議院と参議院の数がどれだけになるのかということですが、これは官制を見ますると、三人以上となつておるが、この点に対しても、先ほどから論ぜられておる通り、考慮の余地あるものと考へます。
 それからこの原案によりますると、おのおの衆議院及び参議院の互選によると書いてあるのだから、各議院でその出る者を互選するということはわかりますが、六人を別々にやるという考えがここではつきりしないですが、六人に対して、そのうちいくらということでやるということになるのか、六人全体をやつて、それからそのうちわけるということになるのか、これらの点もこれで差支えありまんか。
#44
○佐藤(藤)政府委員 その点は本法だけでは、衆議院から何人選ぶか、参議院から何人選ぶかということがはつきりいたしておりませんので、疑問のお言葉があるのもごもつともと思いまするが、今のところ、檢族官適格審査委員会の官制として政令案を考えておりまするので、その政令案におきましては、衆議院議員から何人、参議院議員から何人とはつきりわけて、それぞれの員数を衆議院議員のうちから、参議院議員のうちから互選してきめるというようなぐあいにはつきりいたしたいと考えております。
#45
○鍛冶委員 これはいろいろな方面で御意見もあるようですから、ひとつそれらの方面と御協議の上で、しかるべく御決定くださることを願います。それと同時に、先ほどから申しましたように、私あえて修正案を出すほどでもありませんが、この第一項の法務総裁の勧告及び第三項も同じく勧告というだけで、これは先ほど申したように、議は、もう本人へお前議決があつたからやめろと勧告せられるものと読んでおつたのですが、これはまつたく私の頭が悪いだけでなかつたということですから、もし修正されるならば、これも罷免権者に対してだろうと思いますから、その点明確にせられんことを希望しまして、私の質問を打切ります。
#46
○打出委員 簡單にお伺いいたします。二十三條に「職務上の非能率その他の事由に因り」とありますが「その他の事由」というと、大体具体的にどういうようなことを含んでおるのでしようか、簡單に承りたい。
#47
○佐藤(藤)政府委員 職務上の非能率という事由だけではどうも狹いので、そのほか職務の成績が至つて上らないとか、また職務の執り方が不適当である、そのために檢察官としての適格が云々されるような場合も全部含む意味であります。さらに職務上の成績ばかりではなく、私行上におきましても、檢察官の品位を著しく汚すような行為をなすものであれば、やはり第二十三條の適用を受けるだろうというふうに考えております。
#48
○打出委員 これに関連してお尋ねいたしたいと思いますが、ただいまお話の檢察官がいわゆる私行上の問題について、指彈を受けるというようなことも、これに含まれるというお話でございましたが、そういうことは、われわれの経驗によりますれば、在任期間が長い、もちろん短かければそのときの事情によく通じないという欠点もありまするけれども、それが少し長きに過ぎると、そういう私行上の世間の目にあまるようなことが多いかのように考えられますが、当局としては在任の期間、たとえば熊本ならば熊本に在任する期間、そういうことについて、何かお考えになつておるようなことはないのですか。もちろん今日の住宅難であるとか、あるいは子供の教育の問題とか、こういうことについて、再三任地をかえるということは、まことにわれわれお氣の毒に存じますが、在任期間が長いと、どうもそういうことが起りやすいように思われる。そのことについて、当局で何かお考えがあけば承つておきたいと思います。
#49
○佐藤(藤)政府委員 檢察官が、ある任地においてその在任期間が長い場合には、職務の能率は一面において上ることも考えられますけれども、他面において仰せのように、いろいろな弊害も予思されますので、從來本廳におききしては、一箇所に任期の長い者は適当にこれを他に轉するという方法を講じてきたのであります。たとえば檢事正、檢事長等の長官の任期につきましては、一箇所大抵三年くらいを限度にして適当なところに轉任させてきたのでありますが終戰後御承知のように任宅難その他の事由によつて、どうも一概にさような内規を励行することも困難な場合もありましたので、長官であつても、一箇所三年以上在職の者も、あるいはまれにあつたかと存ずるのでありますが、大体の方針としては、仰せのように、一箇所に長くおれば、そこにいろいろな弊害が予想されまするので、適当な機会に不便を忍んで任地をすえる方針をとつております。
#50
○打出委員 もう一つお尋ねをいたしたい。御承知のように、終戰後において刑事事件の公判に附せられる者が非常にその数を増しておる。從いまして、公判廷に立合う檢察官は、一方では取調べを進める、一方では終日公判廷に出なければならないというようなことで、定員において非常にむりな点がありはしないかと考えられますが、その際この改正とともに、檢察官を増員されるというようなお考えはありませんか。
#51
○佐藤(藤)政府委員 檢察官が全國的に非常に手不足を感じているのは事実でございます。それに犯罪が激増し、また審理の手続が戰爭前と違いまして、非常に愼重をきわめておりますので、檢察官が公判に立合つて、十分審理を盡すためには、非常に手不足を感じておりますから、できれば増員をいたしたいのでありますけれども、現在檢察官の定員が、嚴重な資格の制限、その他の事情によりまして、満されないのが現状でありますので、欠員をもつておりながら、さらに増員することがなかなか困難であります。それで現在のところ、この改正案については、何ら増員にはふれなかつたのであります。しかしながら檢察官が手不足で、公判の立合等に不便を來した場合には、檢察事務官をして代つて立会をせしめるということは、すでに区檢察廳については、現行の檢察廳法において特例を当分の間認めておりますけれども、地方檢察廳以上については、地方檢察事務官または檢事の公判立会という特例は認めておりませんし、さらに司法修習生――以前の司法官試補でありますが、これが公判立会しいうようなことも、新しい裁判所法及び檢察廳法においては認めておりませんので、そういう点においてかなり不便がありますから、できれば檢察廳法の改正のこの際に、司法修習生が区檢察廳の立会をなすことができるようにするとか、あるいは地方檢察廳の立会までもできるようにしたらどうか、というような意見もありますので、その点については、目下研究をいたしておる次第であります。
#52
○松永委員長 本日はこれにて散会いたします。
    午後二時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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