くにさくロゴ
1947/03/30 第2回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第002回国会 司法委員会 第8号
姉妹サイト
 
1947/03/30 第2回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第002回国会 司法委員会 第8号

#1
第002回国会 司法委員会 第8号
昭和二十三年三月三十日(火曜日)
    午前十一時四十一分開議
 出席委員
   委員長 松永 義雄君
   理事 鍛冶 良作君
      山中日露史君    打出 信行君
      中村 俊夫君    中村 又一君
      八並 達雄君    山下 春江君
      吉田  安君    花村 四郎君
      明禮輝三郎君    大島 多藏君
      酒井 俊雄君
 出席政府委員
        法務行政長官  佐藤 藤佐君
        法務廳事務官  國宗  榮君
 委員外の出席者
        專門調査員   村  教三君
        專門調査員   小木 貞一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 檢察廳法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 (第二二号)
 檢察審査会法案(内閣提出)(第二三号)
    ―――――――――――――
#2
○松永委員長 それでは会議を開きます。
 檢察廳法の一部を改正する法律案について審査を行います。本案につきましての各派共同提案に係る修正案を提出せられております。その案文を読み上げます。「檢察廳法の一部を改正する法律案修正案、第二十三第四項但書を次のように改める。但し委員となる國会議員は衆議院議員四人並び参議院議員二名とし、それぞれ衆議院及び参議院においてこれを提出する。」本修正案に対する提案説明を願います。明禮輝三郎君。
#3
○明禮委員 檢察官の適格審査委員会の構成は、衆議院議員、参議院議員のほか、檢事総長、法務廳官吏、最高裁判所判事、弁護士会の代表、日本学士院代表ということになつておるのでありますが、結局全人員は十一名ということになつておりまする関係上、國会の代表者を六人とせられることが最も適当であります。しかしながら、この六名の中では、衆議院と参議院の割合が三名だつであるべきか、あるいは衆議院の定員が四百六十六名、参議院の定員が二百五十名というこの定員数の割合から考えますれば、衆議間が四名、参議院を二名とするのが適当だと考える次第であります。こういう意味において、裁判所彈劾法案の中にあります訴追委員が衆議院を重くしている点、衆議院からのみ訴追委員を出している点等も参酌いたしまして、衆議院を四名、衆議院を二名とする案を提出する次第であります。
#4
○松永委員長 これより討論を行います。山中日露史君。
#5
○山中委員 社会党を代表いたしまして、ただいまの修正案に対し賛成の意を表します。なお修正案を除きましたほかの部分に対しましても、賛成の意を表します。
#6
○松永委員長 打出信行君
#7
○打出委員 民主党を代表いたしまして、ただいまの修正案並びに修正を除く他の案につきましても賛成の意を表提案のごとく修正議決せれらました。暫時休憩します。午後一時から再開いたします。
    午前十一時五十二分休憩
     ――――◇―――――
  午後三時二十七分再会
#8
○松永委員長 午前に引続き会議を開きます。
 檢察審査会法案について審議を進めます。明禮君
#9
○明禮委員 本案はいつまでに審議すればよいようですか、お聽かせを願いたい。
#10
○佐藤(藤)政府委員 日にちははつきりきまつてはおりませんが、なるべく早く御審議願いたいと存じます。
#11
○明禮委員 制度としては賛成だけれども、この方法や予算等について、最も現在國家の経済状態から考えなければならないと思う。從つて本案に要する予算をどのように考えているか、御説明を願いたい。
#12
○佐藤(藤)政府委員 できれば同時に予算の審議を願いたかつたのであるが、本案だけ早急に提出しなければならないというので、一緒に提出することはできませんでした。予算は目下檢察事務を掌る裁判所側で研究中でございますので、明確な数字はございませんが、しかし檢察審査会に要する費用は、審査会が全國で二百ございまして、察査会ごとに事務局を置き、審査員三名でありますので、ほとんど人件費だけで、外に費用は要らないと思います。建物その他の施設は、裁判所の建物で間に合うので、人件費だけで事足りると考えます。
#13
○明禮委員 この四百五十人の人件費は、どの位になるでしようか、それからまた予算は、大藏安本の了解ができておりますか。
#14
○佐藤(藤)政府委員 予算の数字は、まだ編成中ではつきりしないのでありますが、大体の了解は得ておりますけれども、確定数字については、まだであります。
#15
○明禮委員 第三條に定めてある事項、すなわち檢察官の公訴を提起しない処分の当否の審査に関する事項や、檢察事務の改善に関する建議などということは、專門家でもなかなかむつかしい問題でありまして、それは私たち職にあつた者のよく承知するところでございます。從つてこのような委員をくじによつて十一人を選び出すというようなやり方では、このような審査ができるだろうか、殊に女年寄もはいることは当然であると思う。このような面で、こういう制度が多くの費用を必要としてつくられても、活用が十分にできないのではないか、それは所得税の調査委員とか、その他何々委員というような事例に見ても明らかである。ほとんどこのような委員の辻出方法では、價値がないと思うがどうか。
#16
○佐藤(藤)政府委員 檢察官の公訴を適起しない処分の当否の審査に関する事項といい、檢察事務の改善に関する建議とか勧告とかは、やや專門的な事項であるから、お説もごもつと思いますが、この制度は、日本の檢察制度をできるだけ民主化せんとするものであり、一般の國民が陪審制度によつて裁判に参加すると同樣、檢察制度の中に一般國民の常識を取入れることに本案のねらいがあるのでありますから、くじによつて公平に選出された一般民衆に、檢察審査制度に参加せしめることは、適当と考えます。ただ審査会が開かれ、ある一定の事件について審査をするような場合どうしても專門的知識を必要とするようなときは、專門家経驗者などを呼び寄せて、その意見を聽くとか、または証人としてそれらの知識経驗を反映せしめるという方法をとるので、このような一般的常識をもつた國民を参加せしめても、十分適正な運用が可能であると考えます。
#17
○明禮委員 私もこれらの事項に対して審査をするのが、必ずしも專門家でなければならないと思いませんが、しかし衆議院議員の選挙権を有する者に中から、くじで審査員を引出すとなると、少くとも日本の現在の情勢、殊に教育程度から推してほとんど字も満足に書けないという人もあり、しかしこれらの人がくじに当ればやはり名誉であるから、その任につくと思う。これらの人々は、判断する能力、少くとも國民が納得する審査ができるような、そのような民主的な能力は疑わしいと思う。少くとも判断能力のある者でなければ、参加せしめる意義がないと私は考えます。先ほど陪審法のことを申されましたようですが、陪審法は、國民の納得するものを出しているのであつて、少くともそれだけの認識と、あるいは社会において一般的な判断能力を有すると認められる人々が参加せしめられているのであつて、そうでなければ、物笑いになると思う。また陪審法が評判が悪いのも、日本の現状ではその答申などについて問題があるから採用されなかつたのである。民主化は何でもかんでも國民に押しつけることではないのであつて、この場合においては、少くとも能力のある人を選ばなければならないと私は思います。
#18
○佐藤(藤)政府委員 審査員となり得る者の資格につきましては、本法第五條以下の各條にそれぞれ欠格事由が掲げてございまして、これらの制限のもとに一定の資格者を檢察審査委員会の審査員となることができるものとしております。審査員十一人の中には、專門的な知識をもつ者は少ないではございましようが、少くとも小学校以上の学識を有するものでありますから、これらの人々が一番一般的判断は適当であろうと考えます。
#19
○明禮委員 第五條第一項ちよつと見落しておりましたが、いずれにせよ、ほかにいくらも方法があるのであるから、くじで選出するというようなことはいかぬと思う。陪審の場合の方法もあり、選挙の方法もあります。あるいはたとえば裁判官國民審査における方式のように、選挙の時期を利用するなどの方法でやり得ると思う。この点は十分お考えを願いたいと考えます。
 次に二十六條の四百五十人の檢察審査会事務官であるが、これは絶対に要らぬとは言えないけれども、これもそれほど多くの人がはたして要るものでありましようか、各地方に一人位でよいのではありませんか、いかがでございましようか。
#20
○佐藤(藤)政府委員 この檢察審査委員会を構成する審査員を選出する方法が、すべてくじの方法によつておりますので、多数の衆議院議員選挙の有資格者のうち、一定の適格者から選挙するという仕事は、事務的に相当煩雜でございまして、とうてい一箇所一人位の事務官ではできないと考えます。少くとも一箇所三人は必要だろうという腹案でございまして、なるべくこの審査会をよけい設けるのが適当と考えまして、最初の百五十を二百に増加したのでございますが、その二百の三倍六百人位が必要ではないかと考えているのでありまして、お設のようなことは、とうてい不可能であると存じます。
#21
○明禮委員 私は本案に関する予算等について、また明日お伺いしたいと存じますので、きようはこれで止めまして、次会にまた本案の審議を進められたいと思います。
#22
○松永委員長 それでは本日はこれにて散会いたします。
    午後三時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト