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1952/08/27 第14回国会 参議院 参議院会議録情報 第014回国会 地方行政委員会 第1号
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1952/08/27 第14回国会 参議院

参議院会議録情報 第014回国会 地方行政委員会 第1号

#1
第014回国会 地方行政委員会 第1号
昭和二十七年八月二十七日(水曜日)
   午後一時五十五分開会
  ―――――――――――――
 委員氏名
   委員長     西郷吉之助君
   理事      堀  末治君
   理事      中田 吉雄君
   理事      岩木 哲夫君
           岩沢 忠恭君
           石村 幸作君
           高橋進太郎君
           宮田 重文君
           岡本 愛祐君
           館  哲二君
           若木 勝藏君
           原  虎一君
           吉川末次郎君
           林屋亀次郎君
           岩男 仁藏君
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     西郷吉之助君
   理事
           堀  末治君
           中田 吉雄君
           岩木 哲夫君
   委員
           石村 幸作君
           宮田 重文君
           館  哲二君
           林屋亀次郎君
           岩男 仁藏君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       福永与一郎君
   常任委員会専門
   員       武井 群嗣君
  説明員
   国家地方警察本
   部長官     斎藤  昇君
   自治庁財政部長 武岡 憲一君
   大蔵省主計局主
   計官      小熊  清君
  参考人
   大阪市長    中井 光次君
   大阪公安委員長 神宅賀寿恵君
   警 視 総 監 田中 榮一君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○調査承認要求の件
○大都市自治体警察の警備力強化に関
 する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(西郷吉之助君) それでは只今より委員会を開会いたします。
 本日は初めに調査承認要求書をお諮りいたしまして、それに次ぎまして本日は東京都、五大市その他広島市等の市長並びに自治体の公安委員長もおいでになつておりますので、治安関係の予算について御陳情を聞きたいと思います。
 では地方行政の改革に関する調査承認要求書を議長に提出することにいたしたいと思いまするが、ついては参議院規則第三十四条第二項の規定に基きまして調査承認要求書を提出することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(西郷吉之助君) 御異議ないと認めます。よつて案文は只今朗読いたさせます。
#4
○專門員(福永与一郎君) 事件の名称、調査の目的、利益、方法、期間、費用というような各項目になつておりますが、便宜調査の目的という所だけ朗読さして頂きます。
 地方行政制度の改善、地方財政及び地方税制の確立、治安の維持並びに消防、選挙等の問題について調査研究する。なお前国会以来知事その他公務員の国会議員立候補制限に関する問題についても引続き調査したい。というのであります。
#5
○委員長(西郷吉之助君) 以上のような案文でございまするが、右のような調査承認要求書を提出することに御異議ございませんか。
#6
○委員長(西郷吉之助君) では御異議ないと認めて、さように決定いたします。
  ―――――――――――――
#7
○委員長(西郷吉之助君) それでは次に、先ほど申上げました五大市、東京都、広島市等からも市長さん或いは公安委員長がお見えになつておりますので、それを代表いたしまして最初に中井大阪市長にお願いいたします。
#8
○参考人(中井光次君) 本日は当委員会におかれまして、国会開会早々で極めて御多端且つ炎暑の折柄にもかかおりませず、特に我々の陳情をお聞取り下さる機会をお与え下さいましたことを厚く御礼を申上げます。
 かねて当委員会に対しましては、自治体警察の警備力強化の問題につきまして五大都市を代表して一度御陳情申上げたこともございまするし、又公安委員長、警視総監等よりも御陳情申上げておつたのでありまするが、昨日は東京都知事を初めといたしまして、京都、大阪、横浜、神戸、名古屋、仙台、広島、福岡札幌、この一部九大都市の市長並びに公安委員長、警察長等警察の手任者が全部集りましていろいろ相談をいたしましたる結果、委員長のお手許に提出いたしたような大部市自治体警察の警備力強化に関する陳情書というものを作成して御提出申上げた次第であります。一応取りまとめたものでありまするからそれを朗読して御陳情申上げたいと存じます。
  独立日本の再建途上において、国内治安対策の極めて重要なことは多言を要しないところであるが、最近全国各地に頻発する治安撹乱事件は、国家施策の推進を甚しく妨害し、深刻な社会不安を醸成しつつあり、誠に憂慮に堪えないところである。
  特に大都市においては、この種騒乱事件が、昼夜の別なく随所に頻発し、ために、これが警備に当る大都市自治体警察は、現有警察力を総動負して事件の発生防止と、早期鎮圧に、その全力を傾注すると共に、莫大なる警備経費を支出しているのであるが、最近のこの種事件は、去る五月一日のメーデー当日における各地の騒擾事件を始め、近くはいわゆる吹田事件等、においてもみられる通り、一部過激分子は、或いは集団武装をなし、或いは各種化学兇器を使用して、放火、殺傷をあえてし、その行動は強力な組織と、潜行的訓練を加えて、漸次悪質大規模化する傾向にあつて、もはやこの種事件は一地方的犯罪の域を越えて、全国的に影響のある事件となつている。
  然るに、一方これに対処すべき大都市自治体警察の装備施設は、その大半が戦前のままで、余りにも貧弱であるため、常に多くの犠牲者を出す状態にあることは、誠に遺憾に堪えないところであつて、今こそ大都市警察装備の近代化と、施設の機械化を図り以つて、治安確保の全きを期することは、国家的にも極めて喫緊の急務であると信ずる。
  大都市においては、警察法施行以来地方自治の真義に立脚し、困難な財政事情にかかわらず、都市治安の確保維持のため、予算上大なる比重を占める警察維持費を支出してきたのであるが、如上の情勢に対応して警察装備強化のため更に、新に莫大な経費を支出することは、窮迫せる現下の大都市財政事情のもとにおいては極めて困難である。
  よつて政府及び国会におかれては、大都市における治安情勢は影響するところが国家の治安に及ぶ事情を明察せられ、大都市自治体警察の飛躍的な装備施設の科学化と、機動力の増強を図るため、これが費用を全額国庫において負担せられたく。
  右十大都市首長会議の決議基き陳情する。
  昭和二十七年八月二十六日
 東京都知事以下京都、大阪、横浜、神戸、名古屋、仙台、広島、福岡、札幌、以上の市長名を以ちまして、委員長のお手許に只今朗読いたしましたる趣旨の陳情をいたしておるような次第であります。
 この問題につきましては、国会においても多大の御理解を得ており、又政府においても治安閣僚懇談会等を開催せられてそれぞれいろいろの御考慮を払つて頂いておるように仄聞いたすのでありまするが、未だその決定に至りません。そこで我々はこの際、この新らしい十四国会の勢頭におきまして、補正予算等の提出もあるやに聞きまするから、若しも解散等のためにこれが延びることは甚だ遺憾でありまするので、この際におきまして是非至急その予算にこれを計上せられまして、我々の目的を達成せしめ、又全国各市の治安の維持に万金を期して頂きたいと存ずるのであります。
 この概算の費用につきましては、自治体警察におきまして一応取調べましたところによりまするというと、東京警視庁が十四億九千万円、それから大阪以下の五大都市が十三億一千万円、これが合せまして二十八億一千万円、その他先ほど朗読いたしました札幌、仙台、広島、福岡、この四都市を合しまして、三億八千万円、以上の合計が三十一億九千万円、大体三十二億円ぐらいを要する見込を立てておるような次第であります。ただ併しながらこれだけではいけないのでありまして、全国の治安状況を鑑みまするときに、自治体警察の他の部分につきましても、同様に国家的見地から考慮は払わるべきものではないかと存ずるのでありまするが、これは推定をも入れましたのでありまするが、おおむねその調査の結果は三十九億四千万円、その他の自治体警察において所要経費があるのではないかと推測せられるのであります。合計七十一億三千万円、只今のところ集計におきましては、これはいろいろ検討を要する部分があるとは存じまするが、一応の数字をまとめて見まするというと、かような数字になつておるのでありまするが、これを至急今回の議会に補正予算として政府が措置せられるよう、国会におきましても何分の御配慮をお願い申上げたいと存ずるのであります。
 先般の国会におきまして警察法の改正が行われました。これは警察法の一部を改正する法律改正案は、八月七日付に公布即日施行に相成つておりまするが、それによりまするというと、第五十二条の三に東東都につきましては、国庫は予算の範囲内においてその一部を負担することができるという明文を定められているのであります。併しながらこの集団的な兇悪なる治安撹乱事件は、単に東京だけの問題でないことは私が強調いたすまでもないことでありまするので、法律が東京都だけであるとは申すものの、同時に只今陳情いたしましたる九大都市乃至はその他の自治体警察を持つておりますところにつきましても御考慮を煩わしたいと考えるのであります。
 又これは私どもがかような時期に、皆様の極めてお忙しい時期にお願いに参りましたことは、時の遷延を許さないという考えがありまして、かような時期にお願いに参つた次第でありまするから、その点をも十分御斟酌の上、何分国会においてもよろしくお願い申上げたいと存ずる次第であります。
 なお、私の陳述の不足のところにつきましては、他に市長或いは公安委員長、警視総監、警察長等が列席しておりますので、御質問がありますればお答えを申上げたいと存じます。
#9
○岩木哲夫君 今お話を承わつてから、あとで関連質問をいたしたいと思う。ついては自治庁及び地方財政委員会の責任者、大蔵省の責任者を呼んでおいてもらいたい。実は時間待するのも暑いから……。
#10
○委員長(西郷吉之助君) 只今出席しておりますのは、斎藤国警長官並びに大蔵省から小熊地方財政担当のかた……。自治庁その他について只今督促中でございます。
 それでは次に十大都市の公安委員会を代表して神宅大阪市公安委員長から……
#11
○参考人(神宅賀寿恵君) 全国の自治体公安委員連絡協議会の会長であります東京都特別区の公安委員長橋本氏が参りまして御説明を申上げるのでありますが、止むを得ない差支えのために参りませんので、私と横浜の公安委員長渡辺氏とが代理いたしまして、公安委員会の立場からのこの問題に関することを簡単に申上げたいと思うのであります。
 私ども都市の警察の責任者といたしまして警備の万全を期しまして、市民各位に安心した生活をして頂きたいと思いますのには、相当数の警察職員と警備資材が必要なこと勿論であります。ところが警察法ができました当時における地方財政の歳入、収入する法律が改正せられ、地方財政のほうでは非常に窮屈になつたようであります。一面治安関係は、最近には警察法制定当時に予想せられなかつたような兇悪なる、而も団体的な、而も科学的兇器を持ちました多数の者によつてその治安がおびやかされる状態になつたのでありまして、これに対してその治安関係者として万全を期するためには、どうしても人件費にしましても、資材の面に関しましても、相当な費用が要るのであります。現在の大規模の暴動の関係は中井市長が只今御説明になりました通りでありますし、委員会各位におかせられても十分御承知の通りでありますが、市の財政としまして、我々の警察の実務担当者側、即ち公安委員会、警察長のほうから予算の要求をしましても、財政全体と見比べて非常な削減を受けまして、現在の人員、現在の装備を以てしましては、治安の万全を将来とも期するこができるか甚だ心もとないのでありまして、市長のほうにお願いをして、市の理事者にお願いをして、この点を何とかして頂きたいと考えるのでありますが、極度まで支出されておりますから、もうこれ以上できない、これでは結局国庫の補助によつてかような国家的な犯罪、日本の治安の根本を乱すような犯罪に対しては、その費用は国庫において、できまするならば全額、若し事情が許されないならば、その幾分でも負担して頂きたい、かように考えるのでありますし、中井市長からも申されたように、この関係は十六郡市だけの関係でありますが、その他の都市殊に大都市の周辺にありまするところの市町村、即ち自治体警察を持つ市町村においても費用には苦しんでおるのであります。それでありますので、全国自治体公安委員会におきましては、総会或いは理事会において、この点について国庫の補助をして頂きたいということは、今まで数度陳情したところでありますが、最近八月二十日の全国自治体公安委員会連絡協議会の理事会におきましても、この点に関する決議をいたしました、決議をいたしましてお願いをし、陳情書を本日委員長のお手許まで差出したような次第でありますので、どうか自治体警察全体のために相当額の国庫補助をして頂き、内容等の詳細は、單務家であります警察長のほうから申上げることにしておきたいと思いますが、自治体のことは中井市長の公述を全面的に援用いたしまして、簡単でありますが、これで以てお願いを終ります。
#12
○委員長(西郷吉之助君)  以上を以ちまして陳情を終りますが、御質疑がございましたら……。
#13
○岩木哲夫君 今、市長、公安委員耳から概略承わりましたが、書類を以て出されておる自治体察警装備拡充強化費の内容調について合計七十一億幾らと出ておるのでありますが、この際警察長から、どなたか適当なかたで結構でありますが第一の当面必要とする装備器材関係費というものの主要点、要領及び昭和二十七年度警備警察費所要見込額、これは普通の状態以上に特に装備拡充強化費としてここに計上されておるのでありますが、こうした関位の内容の一端を承わつて、それに関連して質問いたしたいと、こう思います。どなたか御指名をお願いして頂きます。
#14
○委員長(西郷吉之助君) それでは只今岩木君からお申出がありましたが、先刻自治体公安委員会連絡協議会より只今自治体警察装備拡充強化費用の調ベが出ておりますのて、どなたか代表のかたから御説明を願います。
#15
○参考人(田中榮一君) 御指名によりまして私から今回自治体警察といたしまして装備強化に要する経費の調べを一応いたしましたので、この内容につきまして概略を御説明申上げましてなお必要によつて又御説明申上げたいと思います。
 この自治体警察装備強化費用調でございますが、これは先ほど大阪の中井市長さんからも陳情の際にあらかじめ申上げてあつたと思うのでありまするが、この計数は若干内容の点につきまして多少検討を要するものもございまするが、一応方法としてはこういうような装備強化に要する経費というのを調べ上げたのでございます。警視庁経費といたしましては装備器材関係費といたしまして十二億……。
#16
○岩木哲夫君 御発言中で恐縮ですが、あとで斎藤国警長官に質問したいと思いますが、この資料を斎藤長官に廻しておいて頂いて斎藤長官に、それから関係政府……、
#17
○参考人(田中榮一君) 警視庁の経費といたしましては総額十四億九千六百九十六万三千円となつておりますが、最初の当面必要とする装備米材関係費といたしましては、この内容は大体警備活動の最重要点はその持つ警察力を十二分に発動せしめるためには、先ず機動関係を改善する、そのために相当な車両を必要といたすのでございます。それから更に通信施設の関係がまだまだ無電施設、その他ラジオ・カー、或いは個々の警察官が街頭において活動する際に携帯用小型の無線電信設備、無線電話設備、そうした通信施設というのは十分に完備しておりませんので、まあこうした小型無線施設等も今回拡充いたしたいと思うのでございます。それから又例えば指揮官が警察活動をする際に指揮官車の中に無線施設を、これを設けまして、そして指揮官が直接現場の連絡をとり、更に本部とも連絡をとれるというような警備活動の指揮官の車に無線施設を講ずるというような、あらゆる点の無線施設というものを十分に拡充いたしたい、かような関係もこの中に織り込まれてございます。そのほか、例えば最近の警備活動の状況からいたしますると、相当警察官が被害を受ける場合がございまするので、その場合における出動服の関係、或いは鉄かぶとの関係、それから又いろいろ硫酸、その他の薬品等をかけられて負傷いたす関係もございまするので、こうした場合におけるその予防施設、予防の装備というようなこともこれに加えられておるのでございます。そのほか最近市中におきましてこうした騒擾事件が起ります際に、いろいろなバリケードを造つたり或いは又場合によりましては、いろいろな催涙弾であるとか、或いはそうしたいわゆるモップ、群集を退避せしめるというような事柄も必要でございますので、こうした催涙弾の関係であるとか、或いは催涙弾を発射する設備であるとか、そうしたものも若干これに含まれております。そのほかいろいろな細かい装備施設の関係が相当ございまするが、こうしたものが含まれております。大体警視庁の中に含まれた装備、設備につきましては五大都市、その他の都市警察の装備につきましても大体において同様でございます。それから装備の一つといたしまして、例えば機動部隊を必要といたします際、或いは警視庁の警視庁予備隊というようなものを将来作る場合もあると思うのでありますが、その際におきまするいわゆる待機寮こうしたものは一定の場所に一定の人員をこれをそこに収容せしめて、直ちに急に応じて出動せしめるというような必要もありまするので、いわゆる待機寮というものも将来作る必要がある。それから多数の車両を購入いたしまする関係上、これを屋外に放置いたしますれば、或いは非常にいたみやすいというような関係からいたしまして、この車両を十分に管理するところの、保管するところのいわゆる車庫、その他ガソリン等の貯蔵設備、こうしたものもこの器材関係の中に含まれておるわけでございます。そのほかいろいろございまするが、大体警視庁の関係のものと他の都市の設備、資材とは大体大同小異でございますので、内容につきましてはこれを以て説明を終りたいと思います。
 そこで警視庁の十二億二千七百六十七万一千円、これは器材関係の費用でございます。その次が昭和二十七年度警備警察費所要見込総額二億六千八百八十九万二千円となつております。すべて警察活動は装備の拡充と共に警察官が出動した場合においていろいろ経費が要るのでございます。例えば出動の手当であるとか或いは又負傷の場合における医療の問題であるとか、或いは又その他いろいろな諸雑費が必要でございます。器材だけが拡大されましても、こうした出動手当その他諸雑費がございませんと、十分なる警察活動ができませんので、ここにある二億六千八百八十九万二千円というのがいわゆる警察活動費でございます。これを合算いたしまして十四億九千六百五十六万三千円という数字が出て来たのでございます。その他大阪警視庁京都、名古屋、横浜、神戸その他四大都市その他の自治体警察の経費調は大体さような数字で計算をいたしまして、この最後の七十一億三千六百三十一万五千五百三十二円という数字が出て参つたのであります。
 ここで一つ申上げておきたいと存じますのは、現在これは自警連におきまして一応調査いたした数字でございますが、現在自治体警察全体で四百七十七の自治体警察がございます。その中で約五十ほど未だ経費調の未到着の分がございます。そこで調査未着の五十の町村につきましては、以上の他の市町村の経費調とその市町村の警察官の数とを勘案いたしまして、そうしてこの調査未着の五十の市町村につきましては一応自警連事務局におきまして推定数字四億二千百八十九万八百円という数字を算出いたしまして、これを合算いたしまして七十一億三千六百三十一万五千五百三十二円という数字になつておるのでございます。先ほど冒頭に申述べましたごとく、この数字の内容につきましては、例えば器材の単価にいたしましても、大阪の警視庁で見込れたものと東京の警視庁において見込れた器材の単価とにおきまして若干の喰い違いがございます。その他の都市の内容におきましても実情によりまして多少経費の喰い違いがございます。そこで現在この警視庁を含めた十大都市の装備の強化の所要額につきましては現在この数字を国警のほうと対比いたしまして、現在国警におきましても装備強化の経費を政府のほうに只今要求されておる際でございますので、これと歩調を合せたという関係から、例えば器材の単価等も国警側の購入する、例えばジープならジープの国警側の購入する単価と自治体側の購入する単価の調整をいたしましてこれによつてもう一回この数字の算出を再検討いたしておる次第でございます。ただ国警側におきましては大量購入のために、若干単価が低い、又自治体警察におきましては個々に購入するために若干単価が高いというような多少数字の開きがございますが、大体におきまして国警側の器材購入の単価と歩調を一にいたしまして、只今十大都市の内容につきましては只今計数の補正をやつておりますので、これが補正ができましたならば、この計数の内容におきましても若干変動することは止むを得ないと考えておる次第でございます。
 それからなお現在十大都市以外に他の中小自治体におきまても、この際是非装備強化のために警備活動に要する経費につきましては、大きい所は警視庁、小さい所は百名くらいの警察におきましても、大体におきまして警察活動という実態におきましても、何らその間に差違はないのでありまして、従つて警視庁において要する経費は、当然又中小自治体におきましても必要でありますので、中小自治体におきましても、是非この際に国庫支弁によつて装備強化をお願いいたしたいという強い要望があるのでございます。先般の警察法一部の改正によりましては、警視庁は首都警察の関係から国庫においてその経費の一部を負担することができるというように法律を改正に相成りまして、警視庁に関する限りは、現在におきまして国庫負担の途が開かれておるのでありますが、他の自治警察におきましては、未だその途が開かれていないのでありまして、何とぞ議会におかれましても、こういう実情を十分に一つ御勘案願いまして、市町村警察におきましても直接国庫から経費負担ができまするように御考慮をお願いいたしたいと考えておるのであります。
 なお、これは小自治体からの直接のお願いでありまして、これはお伝えをいたしたいと思うのでありますが、現在国警のほうの方針といたしましては、千名以下の定員の警察は、これの装備強化につきましては、国警において装備を十分に持ち、それを各自治体警察に利用せしめるというような方針で、従つて一千名以下の警察の装備につきましては、これは全部国警においてとる。従つて一千名以下の自治体警察の経費は直接自治体警察に政府が経費を交付しないような方針をとるということも承わつておるのでありますが、この点につきましては、或いは物によりましては、資材の性質によりましては、国警がこれを一手に持つておつて、そうしてそれを自治体警察に必要があれば貸与するというようなことも、これは私は結構であろうと存ずるのでありますが、併しながら例えば鉄かぶとであるとか、或いは直接咄嗟に必要ないろいろな装備関係につきましては、その都度これを国警から一々拝借をするということでは火急の場合に間に合わん場合が相当多いのじやないかと思うのであります、こういうものにつきましては、物によりましては或いは国警が統制されることも結構であろうと思うのでありますが、装備関係の大部分のものは、やはり自治体独自の立場においてこれを整備する必要があろうと考えておりますので、この点につきましてもこれは一千名以下の自治体警察からの直接の非常な熱望でございますので、この熱望を一つお伝えいたしまして、皆様の御参考に供したいと思います。
#18
○岩木哲夫君 もう一ついでにお聞きしておきたいのですが、只今田中総監から説明されましたのでありますが、これは当面必要とする装備器材費用というのは現在でも幾分はある。併しその上にこうした機動性を持つた科学器材を必要とするという考えであるか、全部もうこういう科学器材、その他必要な非常事態をすべて想定しての何を計上しておるのであるかどうかということをお聞きしたい。
 それから第二は、二十七年度警備警察費の所要見込額は、いわゆる非常事態の出動にのみ必要とする経費のように承わつたのでありますが、そこが問題で、平衡交付金及び自治体の賄える範囲内の財政状態ではその非常事態に出動するもう余裕がないのか、或いは少しはこの中でもあるという事えであるのかどうか。必要額はこうあるが、このうち自治体警察の財政及び平衡交付金等においてこの中の何割ぐらいのものはそれで賄えるということがあるのかどうか、それを差引いてここに計上されておるのかどうか。
 それから今田中総監は弱小自治体警察においても、大きくは東京の警視庁と同様にこうした装備器材の必要があると言われましたが、これは今千名以下の問題とちよつと別の問題でありますが、事実上弱小自治体の警察においては、実際問題としてそういう無線機械、或いはバリケートとか、或いはいろいろ携帯用の無線電信を装備するとかいつたようなことが実際問題として、まあ鉄かぶとであるとか、或いは硫酸を避ける予防衣服であるとかいつたようなものはわかりますが、実際問題としてこういうようなものも今申上げた弱小自治体警察にはやはり備付けなければならんというようなことで、これは勘定割を計算されておるのであるかどうか。
 それからその次は、救恤費、これは国警及び警察予備隊には死んだら百万円、片輪になつたら百二万円であるとか、程度によつて五十万円或いは七十五万円とか、それぞれ救恤費が計上されておるのでありますが、これは地方の条例できめられることでありますが、これはこういつたような事態が起つたことは、国家的犯罪の結果によることなのであつて、こうしたようなものは、これは二十七年度警備警察費所要見込額の中に入つておるのか入つておらんのか、入つておらんのであつたらそれは又別に計上するのかせないのか。これもやはり士気に関係する問題であろうと思う。その点を一つ教えて頂きたい。
#19
○委員長(西郷吉之助君) なおこの際この委員会においでになつております市長さんは大阪市長、神戸市長、札幌市長、公安委員長は大阪、横浜、神戸等の公安委員長、又警察長は東京、大阪両総監、神戸古山警察局長、西村広島市の警察局長等が見えておりますので、御質疑の御参考のために申上げておきます。
#20
○参考人(田中榮一君) 第一の御質問にお答えいたします。現在各自治体警察におきましては、殊にこの十大都市の警察におきましては車両関係、或いは鑑識施設、或いは通信施設その他器材関係につきましては、誠に不十分ではございまするが若干は現在保有いたしております。併しながら今後起るべき事態を想定いたしますると、現在のような貧弱な装備では到底これに対処して行くことについて非常に困難を感ずる場合がありまするので、将来の起り得べき事態発生を勘案いたしまして警察として十分な事両、鑑識施設、通信施設、その他諸器材の拡充をこの際いたしまして、如何なる事態が発生いたしましても、十分対応して行くだけの確信を持つて臨みたい。かような趣旨から現在持つている物以外に不足の資材をここに書き出して要求をいたしたような次第でございます。
 それから昭和二十七年度の警備警察費の所要見込数額でございまするが、これにつきましても現在相当な警備活動費はそれぞれやはり各都市警察におきましても、大なり小なり地方費を以て負担をいたしておるのでありまするが、到底これを以ていたしましては不足でございまして、現に警視庁におきましても、大体におきまして今日まで一ヵ年の予算の大体過半数をすでに使用し尽くしておるような状況でありまして、今後発生いたしました場合に、如何にしてこの経費を支弁するかということに非常に苦心をいたしておるような状況でございまして、これは一応非常事態だけでなくして、今後起り得るあらゆる事態を十分に勘案いたしまして、ここに必要なる警察活動費を計算いたしたのでございます。
 それからなお平衡交付金との関係でございまするが、御承知のように平衡交付金の算定の基礎は、その公共団体の或いは税外収入、税収入その他その財政状況を十分に勘案いたしまして、それによつて平衡交付金というものが交付されるのでありまして、その部市が警備上非常に重要なる役割を果しつつある、或いは又警備上非常な警察費がここに必要があるというような、いわゆる支出面のことにつきましては平衡交付金交付の算定の資料にはなつていないのでありまして、従いまして、平衡交付金の基礎数字と、算定の基礎数字と、今後必要なる警察活動費の支出額というものは全然別個な問題でございまして、これにつきましては平衡交付金の多いところが必ずしも警察活動費が多いとか少いとかいうことはここに言えないのでございまして、その点一つ御了承願いたいと思うのであります。
 それから出動関係の、この昭和二十七年度経費、警察費の所要見込総額は、これは要するに出動手当、出動諸費というものが重点になつておりまして、例えば職務上殉職した場合の救恤金、見舞金というものはこれには含まれていないのでございまして、これは又別途支出する方法を講じなけばならないと考えておるのであります。
#21
○中田吉雄君 只今大阪の中井市長さん初め御説明なり陳情なりがあり、岩木委員の御質問かあつたのですが、大体将来予想されるいろいろな事件に対する大都市自治体警察の装備の近代化ということに関連しての質疑のように思いますが、私は現状を維持するにおきましても、非常にこの都市財政に対する重圧になつておると思うのですが、一つお伺いしたいことは、東京を初めとし、各自治体警察の現在の警察官の数、それから、国からもらわれている平衡交付金の額、そうしてその額と実際必要な額との差額、都市が実際上負担されて財政上の圧迫になつている額というようなことについてお伺いしたいと思います。
 それからこの警察官の数が条例で増減できるようになつたと思うのですが、あれ以来警察官はどうなつているでしようか。増減の関係です。それは昭和二十七年度の地方財政におきまして、地方公務員の百四十万の五%首を切るという、整理をするというので財政需要か計算されているように思うわけであります。その関係がどうなつているかという点。
 それから武岡部長がおいでになつておりますからお伺いいたしますが、平衡交付金の計算の方法が前には警察官一人当り幾らというふうになつていましたか、今度人口が計算単位になつているように思いますが、その関係は、この大都市のほうに、人口の多いほうに有利に計算されるのか、その関係をお伺いしたいと思います。
#22
○参考人(田中榮一君) 現在の自治体警察官の数は概略八万五千くらいだと考えております。なお今御質問の自治体警察官の数、平衡交付金の交付状況、並びにその差額、公共団体において負担する経費等調査したものもございまするので、これらはいずれ数字を整えまして後日お手許にお届けいたしたいと思つております。
 それから昨年警察法が改正になりまして自治体警察が国警に編入をされました所、並びにその後自治体警察におきましても公共団体の財政に応じまして警察官の数を任意に増加できるというようなことになりましたので、自治体警察官の全体の数としましては相当動きがございまして、或る所では公共団体の財政の状況から定員を減らした所がございまするが、最近におきましては大体におきまして定員は増加する方向になつております。現在定員が増加された自治体警察官の数が大体三千名以上定員としては増加しておるのでございます。勿論この三千名の数字の中には、一方におきまして定員が減額になつた所、並びに増加した数字、それを差引いたしまして三千名以上のものが定員としては増加しておるような状況でございます。
#23
○説明員(武岡憲一君) 御質問にお答え申上げます。御指摘の通り今度の平衡交付金の改正によりまして、昨年までは警察費を測定単位にして警察吏員数をとつておりましたが、本年から人口数に改めたわけでございます。その結果交付金の配分において大まかに言つて大都市を都市或いは町村と比べて財政需要の動きがどうなつておるかということであろうと思いますが、今回一応私どものところで試算をいたしました結果によりますると、大都市のほうが都市或いは町村よりも財政需要が殖える、こういう結果になつております。具体的な詳細な計算につきましては更に試算をいたしておりますので、正確な数字は只今申上げかねますが、大体の傾向はそういうことになつております。
#24
○岩木哲夫君 そこで私がお尋ねいたしたいのは、斎藤国警長官にお尋ねいたしたいのでありますが、今田中総監から自治体警察装備拡充強化に関する費監用の趣旨それから内容等の説明をともに伺つたのでありますが、国警長官としては自治体警察がかようにいたしたいというこの装備拡充強化の内容は御九もだ、然るべきだと、こういうふうに解釈されますか、何か御意見がありますか。
#25
○説明員(斎藤昇君) 先ほどから大阪の市長さん初め皆さんからいろいろお話があつたのでありますが、私も結論的には尤もだと考えております。自治体警察の費用は自治体で支弁することになり、平衡交付金で財政を調節する仕組にはなつておりますが、併しながら最近のような集団暴行事件の頻発いたしまする際に、これらに対処いたしまするためには、只今の制度では十分賄い切らないだろうという感じを私は強く持つのであります。と申しまするのは警察の一般の費用は只今の警察法の建前におきましては自治体の負担であり、これを平衡交付金で賄うという賄い方でよかろうかと存じますけれども、併し只今のような特別な経費につきましてはこれは特別に考える必要があるのではなかろうかと、かように考えます。現在の警察法の建前といたしましては、我々の理解するところにおきましては、通常の警察は自治体で勿論責任を負い、又費用も負担して賄なつて行くわけでありますけれども、併しながら通常の状況において賄い得ない場合には国家地方警察が援助をする責任を持つておるのであります。勿論自治怖警察相互の間でも援助はできるのでありますけれども、国家地方警察は本来の性質として援助しなければならないという建前になつております。従いまして集団暴力行為のような場合には、特別な装備を以て特別に訓練された警察官か自治体警察に援助をするという建前をとるのが私は至当であろうと、かように考えます。併し大都市警察に関しましては、国家地方警察はその定員から考えましても、又負担の実情から見ましても、大都市警察にさような応援をするということは、大都市警察に対しては実際問題といたしまして、大都市には非常にたくさんの警察官を持つておられるわけでありますから、応援に行かなくても、大都市警察としてさような非常の場合の特別の装備をみずから持たれておるということがどうしても必要であるわけであります。かような費用はやはり国から特別な措置で補助をするという途を開くことが私は必要である、かように考えております。先ほど東京の警視総監から言われました、千行以下の警察に対して云々というお話がございましたが、私はまだ、確定的にはさようには考えておりませんが、そういう見地から考えますと、中小の警察に対しましては国警の装備なり人員の援助ということで大体賄えるのじやなかろうか、かように気分的には考えておるわけでありますが、併しこういつた特別警備に要する資材の経費というものにつきましては、国が特別な方法で費用を負担するということを実際上行う必要があるだろう、かように考えております。大蔵省に対してもさような考えで話合いをいたそうといたしておるのであります。
#26
○岩木哲夫君 そうしますとここで国警長官に重ねてお尋ねいたしますが、今あなたのお答えを換言すれば、裏返して申せば、これだけの装備改善、その他警備治動費を国家が負担せねば現在及び将来の当面する治安関係に対処することはできないのであるから、自治体警察においてもかようなことが必要である、こう確認されておることだと思いますが、そこで確認されるならば、国家警察といたしましては、今回の警察法の改正の事情に伴い重大な責任的な立場にあるのでありますから、これらの必要なる経費はやはり、現在国警が直接指揮し得る範囲内の警察に対する装備及び警察出動の経費をこれに伴う経費として要請されておることに併行して、自治体警察にもこうした経費を国家から支出されるように責任を持つて解決しないというと、治安関係の責任ある機関としての立場においても治安が保てない、こういうことになると思いますが、さような措置に国警長官は責任を持つて努力されますかどうか。
#27
○説明員(斎藤昇君) 只今御指摘になりました通ございます。国警自身の装備の強化と同様に考えまして、大都市の警察の特別装備は、政府に対しても大蔵省に対しても強く要望をいたす所存でございます。ただここに提示せられておりまする金額の内容につきましてはなお十分検討をいたしたいと存じております。
#28
○岩木哲夫君 そこで次にお尋ねいたしたいのは、これは今後起るべく想定される非常事態に対する特別の装備であるし、特別の出動経費であるわけであります。で、飽くまでも特別の場合とそれから平常の場合とは経費の支出の方法についても、算定の基準においても別個なものだろうと思います。この際論議されておるのは特別の場合を予想しての特別の装備強化であるし、特別出動の経費である、こう思うについて、国警が今ほども言葉を触れましたし、先ほど田中総監からちよつと承わつて私合点が行かないんですが、一千名以下の定員の所においては、国警に装備をして置くから自治警は必要によつてそれを使つたらよい、つまり利用せしめるという措置を考えておる趣きであります。これについては、それは特別の無線設備というようなものは二つ三つの弱小自治体警察が方面的に設置して、それを共同利用するという場合があつてもよいと思いますが、即座に出動する場合に必要なる器材においてはめいめいその自治体警察に備え附けて置かなければ応急の出動措置はとれない、こう思うのであります。飽くまでも自治体警察としての場合における装備でありますからその装備を国警が用意して置くから、自治警はそれを使えということじやなく、自治警に備え附けさして置いて、非常の場合には今度の警察法の第何条かに基いて必要なる総合活動をするという場合にこそそれを使つたらよいので、逆じやないかと思うんですが、如何でございますか。
#29
○説明員(斎藤昇君) 国で特別負担をする或いは補助をする装備の内容でありますが、そういう内容のものをどの程度の大きさの警察までそれを備えて置く必要があるかという問題になるかと思うのであります。これは大体の考え方といたしましては、先ほど申したような考え方でありますが、現実にどの程度の装備を特別の費用によつて備え附けるかという問題であると考えます。その内容によりましては或いは全体の自治体警察にも及ぶものがあるであろうと考えます。只今研究中でございます。
#30
○岩木哲夫君 それからちよつと関連して東京の田中警視総監でも大阪の総監でもどちらでも結構ですが、お伺いいたしたいのは、これだけの装備を備え附けることについては維持費と申しますか、維持修繕費、或いはこれに伴う経費といものもこれに包んでのことであるのかということと、それから先ほど救恤費は別個に考えてみるということでありますが、それは大体どのくらいの予算になるのか、これは必要なときにはそれなども一緒に計上して要求さるべきだと思うのですが、その点承わつておきたいと思います。
#31
○参考人(田中榮一君) 現在ここに所要額を計上いたしました数字の中には、装備、施設の維持費その他は、維持費、修繕費は現在含まれてございません。現在差当つて必要な物を購入し、必要な設備をここに附けるということだけしか含まれてございません。従つて将来この維持、修繕費につきましては或いは地方でやるか、或いは国庫においてこれを負担するか、これは別途又考究する必要があろうと考えております。それから救恤費につきましては、これは今までの警視庁だけを申上げますと、救恤費は予算全体としては極めて数字としましては少いのでありまして現在これらの費用は或いは他の費目から一時流用し、或いは又追加予算をとりましてこれを支弁いたしておる次第でありますが、将来やはりこうしたものは、必要があれば当然これも含まるべきものと考えておりますが、ただこうしたものを国庫の負担として支出することが果して妥当であるかどうかという、いわゆる予算経理の、予算編成上の技術の問題として、こうした問題は国庫が当然負担すべきであるかどうかということが考えられるのでありまして、この点は将来もう少し研究してみたいと思います。
#32
○岩木哲夫君 それからこれは大蔵省及び自治庁の武岡部長も責任を以て回答されると思うのですが、その覚悟を以てお答えを願いたいと思います。
 で、お聞きの通り今自警から当面せる治安状況に鑑み、今政府の治安政策、治安対策というものは国策中のうちでも重要な最優位の問題であります。自警はこれほどの装備及び施設の経費が是非必要であるということを列挙して詳細に要求されておるのであります。これに対して斎藤国警長官は、誠に御尤もであつてかくあるべきだそうでないというと国の治安は保たれない、こういうことを今言明されておる。更に語をついで、これらの経費を国から支出するように極力努力をする、こういうことであります。こういつたような事態に対して、大蔵省は近く補正予算を組むか組まないかはわからないが、いずれにしても荏苒日を送る問題と違う。で大蔵省はこれに対して予算措置をとる方針であるのかどうかということを承わりたい。
 それから自治庁の武岡部長には、今私が申上げたような実情に対して、自治庁は大蔵省にどのような折衝を開始しておるか。この二点についてお尋ねいたしたいと思います。
#33
○説明員(小熊清君) お答えいたします。
 自治体警察の装備の強化等の問題につきましては、実は計数その他について只今初めて承わつたような次第でございます。この問題につきましては、恐らく警察の制度の問題乃至は法律の問題にも絡んで来るのじやないかと思われますので、関係方面いろいろお考え中のことと思つております。その後大蔵省の手許に計数が参りましてから慎重に検討いたしたい、かように考えております。
#34
○岩木哲夫君 今主計官は制度の問題、法律の問題に絡んで来ると言うが、制度の問題とはどういう意味でありまするか、どういうことを制度の問題として考えておるのですか。
#35
○説明員(小熊清君) 先般の警察法の改正で相当これについて国庫負担の途がたしか改正でいろいろ条件が細かく出されたと思います。それをほかの自治体に及ぼすかどうかという点だろうと私考えております。その点について申上げたわけであります。
#36
○岩木哲夫君 それはこの間の警察法改正に対しては、内閣総理大臣の指示権の問題に関して、特に必要だと政府の解釈する東京都等に対する措置であるけれども、決してそういつた所は不逞外人とかその他の者は活動を起さないので、装備その他が脆弱な所に向つて破壊活動が起るのだ、それがために破壊活動防止法というものも無理算段して政府が請求したのだ、そういう基本的な精神から見て、制度といえば制度に捉われて出す出さんという問題と違うて、破壊活動防止法も出そうし、総理大臣の指示権も強化し、或いは又特別の事態をも考慮して特別の方法を講じようといつたようなことは、制度の問題でなく、治安に関連しての問題だから、これは制度に絡んで出すとか出さんというのじやないのであつて、治安の実情に対して破壊活動防止法を出そう、内閣総理大臣の指示権も強化しようということは、即ち当面する治安に対する政府の考え方の現われである。だから制度に絡んで出すとか出さんとかいうのじやないので、治安状態に鑑みて出さにやいかん、而もそれは国警長官がこれをやらにやいかん、国警においてもそれぞれ改善はされることであろうし、自治警察もやられるであろうし、国警長官はそうでなければ国の治安は保てないと、こう言つておるのだから、制度の問題と違うと思いますが、一体大蔵省はこの点をどう考えているのですか。
#37
○説明員(小熊清君) 一般の治安情勢のお話でございますが、或いは私警察法の研究が未熟でございますので、この点研究いたしたいと思います。
#38
○岩木哲夫君 もう一遍研究してという意味だつたら、制度の問題とか法律の問題とか言わなくてもいいのであつて、而も総理大臣が指示権を発動する場合には、それの事務処理を掌る国警長官がこれはやらなければいかんと、こう言つておるのだから、制度や法律の問題じやない。そう言つておいてから後にわからんというようなことでは甚だ合点が行かないのであつて、これは大蔵省は責任を持つて、国警長官がそう言うならば、それに向つて同様の解釈を以て善処すると、こうあるべきだと思うのですが、そういうことを言えないのだつたら、誰か代りに言つてもらわなければ話になりませんし、委員長、代りに責任ある者に言つてもらわなければ、ややこしいことを言つておつては時間をつぶすばかりで甚だ迷惑するわけです。
#39
○委員長(西郷吉之助君) 代りに武岡財務部長。
#40
○説明員(武岡憲一君) 問題になつております自治体警察の警備強化のために、それに要する財源として国から相当の負担をしなければならんであろうということにつきましては、私どももかねてから団体側のいろいろな御意向も伺つておりますし、十分承知いたしておるのであります。これに対する具体的な措置といたしまして必要な予算的要求というようなものを自治庁が取上げて自治庁の責任において出すか、或いは、その他の例えば国警等において出すかというようなことにつきましては問題もあることだと思い、なお部内の問題ではありますが、よく研究しなければならないと思つております。自治庁としましても、実はこれに必要な経費につきましては大蔵省に対して予算要求を出したいという気持を持つておるのでございますが、国警におきましてもこの問題を相当真剣にお取扱いになつておられるように伺つておりますので、更によく連絡をとりました上で適当な措置をとるようにいたしたいと考えております。
#41
○岩木哲夫君 どうも手温い紋切型のお話ですが、警察の担当、治安の担当者が現在の状態から是非必要だと言つて、非常に速急に要請されておることで、治安関係は一日も忽せにできないことであればこそ破防法でも相当、私ら言葉を繰返して言つておる通り随分無理をして強硬手段をやつた。そういつたような或いは警察法も改正し破防法も出すという事態を忍識、想定する政府において、自治体警察が要請される治安応急対策に対してそういう生温いことを言つておると、責任は挙げて政府にあると思うので、やはりこれは自治体警察、国警がもう少し積極的にやるべきであるし、その要求額に対してやはり大蔵省に至急に折衝さるべきだと私は思うのです。その責任を持つてやるということぐらいは言えないのですか。
#42
○説明員(武岡憲一君) 政府部内の問題になるかと思いますが、直接のこの要求を国警の名においてやるか、或いは自治体の予算としてやるかというのは、むしろ部内の自治庁の問題であるのでございます。自治庁としてはこの問題をどう考えておるかというお尋ねに対しましては、私どもも誠に必要な経費であると考えまして、関係当局のほうに、大蔵省のほうに予算要求をいたしたいという気持は持つておるわけであります。
#43
○中田吉雄君 武岡部長にお尋ねいたしますけれども、大体警察官一人置きますとまあ三十万ぐらい要ると思うのですが、昭和二十五年、六年の警察吏員一人当り平衡交付金の単価ですね、それとまあ今度の計算方式の変更で、大都市が若干有利ではないかというのですが、大体一人当りどれくらい、大まかに警察吏員に割つて見ますと、人口を基準にして出したやつを警察吏員一人当りにするとどれくらいになりますか
#44
○説明員(武岡憲一君) お尋ねの点は、単位費用の算定の基礎となつております標準団体において一人当りどれくらいを見ておるかということでお答えしたほうがいいかと思いますが、二十六年度におきましては、一つの想定しました標準団体におきましてその経費を吏員一人当りで割つて見ますと十七万四千七百円という数字になつております。二十七年度におきましてはこれは十八万千九百円という数字でございます。ただこれは単位費用をはじき出します場合の基礎となる想定をした標準団体、大体人口十万の都市で警察吏員を百三十三人置いておる、こういう仮定に立つた計数でございまして、実際にこれをもととして算定されました全体の警察関係の基準財政需要額、それを現実におりまする全体の吏員の定数で割つた数字というものはちよつと手許に持ち合せておりません。又それは各団体ごとによりまして、大きな都市、それから町村ということで、実際に参ります交付金の額、又その基礎となります財政需要の額というものが違つて参りまするので、これは一律にどの団体についてもこの基準で行くということではないと思います。こういう平均になつておるとは言えないと思いますが、単位費用の基準となつておる計算で申しますと只今申上げたような数字になります。
#45
○中田吉雄君 大体調査されて、警察吏員一人でどれくらい使つておるということが集計が出ていますか。只今昭和二十六年は十七万四千七百円、二十七年は大体十八万一千九百円ということですが、私は三十万くらい要るのじやないか。例えば大阪なりで八千人置かれるとすれば、殆んど十億くらいの都市財政の負担になるのじやないか。そうしてそういうことが全国的に、単に町村警察でなしに市警察まで新たに住民投票によつて国警に編入するようにということが起るのじやないかと思いますが、大体それぞれ昭和二十六年、二十七年と十七、八万くらいですが、どれくらい要つておるという計算をされておりますか。
#46
○参考人(田中榮一君) 御参考まででありまするが、これは国警のほうでお調べになつておると思いますので、国警からお話するのが当然と思いまするが、国警で警察官一人当り三十九万円くらいで、これは国警は学校その他通信関係、特殊の施設をやつておりまするので、これを除きますれば、恐らく三十一万円くらいではないかと思いますが、数字が違いますれば国警のほうで御訂正願つたほうがいいと思うのであります。
 それから現在警視庁におきましては警察官一人当り二十八万円になつております。現在の警視庁の定員で割りますと大体一人当り二十八万円、これは東京警視庁、従つて大阪の警視庁におかれましても大体二十八万円から三十三万くらいのところではないか、その他小自治体になりますればこれが更に若干減りまして、或いは二十五万円くらいになつておるところもあるのじやないか。大体二十五万円から三十万円程度が一人当りの経費ではないかと思います。
#47
○説明員(武岡憲一君) 先ほどの私の説明にちよつと補足をしたいのでありますが、これは申上げましたように、基準財政需要額を算定する基礎としての単価であります。従いまして只今田中総監から仰せられましたのは、これは全体についての予算を割つてのお話だと思いまするが、そういう意味のまあ我々の言つておりまする標準財政需要ということになりまするとこれより殖えるのは当然でございます。その分につきましては、これは交付金制度の考え方といたしまして、基準財政需要の測定を大体税収の七割、それから交付金全体のうちの、今回法律改正になりまして九二%ということを範囲として計算をいたしまするので、特別交付金の額とそれから税収の三割、及びその他の団体の収入というものはこの計算からは別になるわけであります。それを一応申上げておきます。
#48
○中田吉雄君 それでわかりました。これは武岡部長に言つても仕方がないのですが、こういうふうなことになると、国警ではまあ四十万円近い一人当りの経費が出ておるので自治体ではいろいろなことを見ても二十万程度ということになつて、十数万円の財政圧迫がひとりでに……、これは都市財政のいろいろな放漫だとか経営上の何だとかいうことがありますが、こういうものが殆んど大都市自治体を圧迫して、地方自治法の第二条ですか、地方自治団体の一番大きな任務の一つとして、その団体の治安の維持ということが言われておるのに、こういうような不親切な単価の計算になると非常に問題になると思いますので、なかなか部長さんのところでは解決できない大きな問題があると思うのですが、こういうことがやがて自治体警察を崩壊し、警察民主化の問題にひびを入れる大きな問題じやないかと思うのです。一つその点十分お考え願いたいと思います。とにかく私は大体十大都市なんかの財政圧迫はこの面から来ておるということがわかると思うのです。
#49
○委員長(西郷吉之助君) 他に御質疑ございませんか。
#50
○岩木哲夫君 この問題は、自治体警察なり各地方の自治体警察を持つておる市町村から本日出されたわけなんですが、かねがね従来こうした問題に関連する事件というものは本年の春以来かなり起つておつたと思うのであります。私は自治体及び警察関係が今こういうことを出されるのは遅いと思うのです。これは本年の春の警察関係の法律案を審議する場合においても、国警当局が警察官一人に相当する所要額と、自治体警察に使つておる所要額との開きが十万円以上もあつたといつたような問題から、今中田君からも御指摘のような工合から、地方財政の窮乏、それが延いては地方自治体のような弱い所に破壊活動が起るといつたようなことが散見されておる。で、こうしたことなどをめぐつて破防法なり警察法の改正を政府がやられた。こういうことになつておるというので、政府自体が何とかしてやらなければならんというて、先に破防法と警察法改正とに伴つてこの問題を解決せなければならんのに、政府はこれを放つておるということは、私は遺憾だと思うのです。でこれの問題が解決しないというと、非常に将来治安上の危機が生じ、それが又自治体警察と国警との問題、今大蔵省の主計官が口を辷らした制度の問題、これはここにちやんと氷山の一角が現われておる。制度を近く変えようと思うからそういつた問題はそのときにやろうということがほの見えているということは、正しく馬脚を現わしたものだと私は見ている。そういつたようないろいろの問題を含んでおるので、この取扱いについては慎重でなくちやいかん、又これが測定の方法についても、実際これできつちりしているのだということでなく、これより多くなるかも知れん、又これだけ節約できるかもわからんというようなことも、今田中総監から伺いまして、こういう点などから見て、この際自治体及び警察関係におかれては、或いは公安委員会等におかれては、実際必要なるものの再検討をする、よく集計されて先ず、大体これぐらいな見当だろうから要るという目安はわかりましたが、細密についてはまだ狂いがあつてもいけませんので、この際細密に至急に追駈けてお出し願う。併し大体これだけ要るという目安については、これは自由党のかたも異存ないと思うので、これに反対するということはあり得ないと思うのですが、一つ委員会においてもこの問題を重視して、幸い国警長官も大いに協力すると言われておるし、これは必要だということで百%認められておることなんでありますから、委員会においてもこれは審議を或いは研究を続行して、速かにこの問題を解決し、政府が若し補正予算を組まれるというならば、当然これは計上さるべきであるということの一つ考え方で進めて頂きたい、こう思うのですが、如何でしようう。
#51
○委員長(西郷吉之助君) このほかに全国の知事会からも本年度の赤字として六百億円の陳情が出ておりますので、それと今日の治安関係予算等につきましても、後日これを検討いたしまして適当な措置をいたしたいと思います。
 それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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