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1952/08/28 第14回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第014回国会 水産委員会 第1号
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1952/08/28 第14回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第014回国会 水産委員会 第1号

#1
第014回国会 水産委員会 第1号
昭和二十七年八月二十八日(木曜日)
    午前十一時四十八分開議
 出席委員
   委員長 川村善八郎君
   理事 小高 熹郎君 理事 田口長治郎君
   理事 永田  節君 理事 林  好次君
      石原 圓吉君    川端 佳夫君
      鈴木 善幸君    冨永格五郎君
      二階堂 進君    平井 義一君
      松田 鐵藏君    水野彦治郎君
 委員外の出席者
        水産庁長官   塩見友之助君
        農林事務官
        (水産庁次長) 永野 正二君
        農 林 技 官 栃内 万一君
        專  門  員 徳久 三種君
    ―――――――――――――
八月二十六日
 農山漁村電化促進法案(松田鐵藏君外六名提出、
 第十三回国会衆法第七八号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 小委員会設置に関する件
 国政調査承認要求に関する件
 母船式さけ、ます漁業船団の操業に関し説明聽
 取
    ―――――――――――――
#2
○川村委員長 これより会議を開きます。
 国政調査承認要求の件についてお諮りいたします。今会期におきましても、水産行政に関する重要問題につきまして積極的な調査を進めて参りたいと存じます。つきましては調査事項、調査方法等につきましては第十三回国会と同様といたしまして、議長に対し国政調査の承認を要求いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○川村委員長 御異議なしと認め、そのように決定いたします。
 なお本書の作成並びに提出手続等につきましては委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○川村委員長 御異議なしと認めましてさようとりはからいます。
    ―――――――――――――
#5
○川村委員長 次に小委員会設置の件についてお諮りいたします。前国会より継続審議となつております農山漁村電化促進法案の審査のため、今国会も同法案審査の小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○川村委員長 御異議なしと認めそのように決定いたします。
 なお先ほど御決定を願いました調査事項について議長の承認を得ましたならば、それぞれ專門的な調査を進めるため、前国会と同様の各小委員会を設置することといたしたいと存じます。が、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○川村委員長 御異議なしと認め、そのように決定いたします
 なおただいま設置することに決定いたしました各小委員及び各小委員長の選任につきましては、委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○川村委員長 御異議なしと認め、各小委員及び小委員長は、後日公報をもつてお知らせいたします。
    ―――――――――――――
#9
○川村委員長 次に北洋母船式さけ、ます漁業船団の操業について、水産庁当局より御報告をいたさせることにいたします。
#10
○永野説明員 本年度の北洋におきます母船式さけ、ます漁業の成績につきましては、現在まで機会ありますごとに中間的な御報告を申し上げて参つたのでございますが、先般各船団とも相当優秀な成績を収めまして、無事函館に帰つて参りましたので、その結果をここに御報告申し上げたいと存じます。
 本年の母船式さけ、ます漁業は、三つの船団、すなわち第三天洋丸、第一振興丸、天龍丸という三ばいの母船をもちまして、五月一日一斉に函館を出帆いたしたのでございます。大体漁場到着は五月十一日ころでございました。それからそれぞれ操業を開始いたしたのでございます。ところが当初五月から六月の初めごろまで非常にしけが多くございました。また何しろ全然新しい漁場でございましたので、その漁場価値を探るということにつきましても、いろいろな困難がございました。五月から六月中旬ころまでの成績は、非常に芳ばしくないというようなことになつておるのであります。数字的に申し上げますと、三船団の漁獲高を合計いたしまして、五月は二十八万八千尾、六月は六十七万三千尾でございます。五月、六月の合計九十六万一千尾というものは、生産計画の百八十三万一千尾に対しますると、五割強ということになつておるのでございます。すなわち反当りの魚のかかり方というものは、当初私どもが予想しておりましたよりも若干むしろよかつたのでございますが、しけのために総体の漁獲高というものは芳ばしくなかつたというような結果になつておつたのでございます。
 そこで最初の操業区域の範囲内におきましての漁場価値というものが大体はつきりわかつて参りまして、試験操業というような目的を達成いたしましたので、なおその後はもう少し西の方の漁場についての漁場価値の調査ということを主眼といたしまして、操業区域を七月三日に西の方に擴張いたしまして許可をいたしました。この新漁場におきましては、非常に漁がよかつたのでございます。かつまたしけも治まりまして、本格的な操業に相なりました結果、三船団とも当初の漁穫目標を突破して漁獲ができたのでございます。その成績は、第三天洋丸が各種のさけを合計いたしまして百二十一万二千尾、第一振興丸船団が四十二万三千尾、天龍丸船団が四十七万一千尾余りということになつておりますので、これを合計いたしますと二百十万八千尾に相なるのであります。これの成績は、最初の生産計画に対しまして第三天洋丸船団では一割七分増になつております。第一振興丸船団では、七分の増、天龍丸の船団では一割九分の増というように、いずれも当初の計画を突破して漁獲をいたしたような次第であります。
 そういたしまして各船団とも漁場を引揚げまして、最初に天龍丸船団が七月二十八日、続きまして第一振興丸船団が七月三十日、それから最後に第三天洋丸船団が八月六日、それぞれ漁場を切り上げまして、函館に帰還をいたして参りました。
 以上のように大体の成績は相なつておるのでございますが、なおこの際つけ加えておきたいことは、本年の操業につきましては、当初いろいろな事故、危険というようなものを予期いたしまして、万全の注意はいたして参つたのでございますが、幸いにいたしまして、大きな事故というようなものは、当初予想いたしましたよりも非常に少く、わずかに漁期の終了直前におきまして、第三天洋丸船団所属の第三金量丸という船が行方不明になるという事故がございました。この事故につきましてはその後その船団をあげまして、この船の消息を求めますために、全船でできるだけの捜索をいたしましたけれども、遂にその事故の確認をすることができなかつたような次第でございます。まことに乗組員一同、またその御家族に対しましては、私ども衷心からお気の毒に考えておるのでございます。ただわずかに漁場を探しました間に、よりもどしのたるを一個発見いたしました。その後いろいろ陸上で調べてみましたところ、このたるは金量丸が使つたたるであるということが大体わかつたのであります。現在では残念ながらこの船は遭難したものと判断をいたしておるわけでございます。
 以上のような結果でございますので、この機会に御報告を申し上げておきます。
#11
○川村委員長 速記をやめて。
    〔速記中止〕
#12
○川村委員長 速記を始めてください。さらに本漁業の現地監督官たる栃内君より操業上についての体験、その他の事項について御報告を願うことにいたします。
#13
○栃内説明員 海洋第一課の栃内技官であります。本年度の試験操業のあらましにつきまして、以下御説明を申し上げます。
 母船式の鮭鱒の漁業といたしまして、従来行われましたカムチャツカの東海岸、あるいは西海岸の漁場と異なりまして、百七十度以東、西経百七十七度以西の海面につきましては、過去におきまして十分な資料はなかつたのであります。従いまして、わずかにアガツツ、アツツ島周辺のごく短期間の資料をもちまして出漁したわけでありますが、ただ長い北洋漁業の経過を通しまして、鮭鱒の回遊の大体のコースにつきましてはこれを類推することが困難でないわけであります。従いまして各船団とも大体におきましてアツツそれからキスカ、この中間の漁場を目指しまして進んだのでありますが、母船より数日前に先行いたしました各船団の調査船、特に第三天洋丸の調査船である第二宝幸丸が五十度二十分それから百七十八度、この水域におきまして反当り五尾平均の、他の船団調査船よりもいい漁場を発見したのであります。従いまして第三天洋丸は、この今申し上げました漁場に直航し、天龍船団、並びに振興船団も調査船の誘導によりまして同一な漁場は逐次集結して参りました。この漁場の特殊な環境を申し上げますと、大体におきまして五十度の線の上下を通過しますアリユーシヤン海流が大体北西―こういうようにこの島の南を通つておるのでありますが、それとこの海峡を通過しまして、北の約三度内外の寒冷な海流が南下して参りますこの潮境になるアツツとキスカのこの海区は、連続して島がありまして、その海流がちようど、暖流が停滞して周囲が潮境場を有して、この海域は比較的あたたかい水が多かつたのであります。またこの潮境が多いために、動物性のプランクトンが非常に豊富である、こういうような條件が具備されておりまして、そのキスカ、アムチトカのこの区域におきまして、約一箇月間、六月の上旬まで操業を継続いたしました。ただ先ほど次長から御説明がありましたように、ちようどこの時期が、しかも場所は低気圧の墓場と称せられるように、熱帯性の低気圧あるいはオホーツク海に発生しました、あるいは沿海州に発生しました低気圧が、いずれも北東に進みまして、大体この付近で停滞するのであります。従いまして特に気圧表を書いておきましたが、これが大体千ミリ・バール、この千ミリ・バール以下の低気圧が漁場滞在の二十日のうちに約十五日間ございました。そのように、一番強い部分には九百八十ミリ・バール、そういうような強いしけをこうむつたのであります。何分にも独航船は主として沿岸の以東底びき漁船でありましたために、長期の遠洋漁業によくなれておらなかつた。大体においてしけをかわすような操業を日々やつておる。これらの人がこの大洋におきましてそれらの大きなしけにあつたものですから、非常に大きなシヨツクを受けて、あるいは船が十分でないために故障船がふえるというような事態を起したのであります。しかしながら乗組員の懸命な努力と、それから監視船の決死的な活動によりまして、約三隻の漁船は救助いたしまして、長期間漁場に滞在させておくことが、その以後に続きますしけ等の危険を考慮いたしまして、これを内地に引返させました。またこの漁場におきまして特に感じましたことは、今のような強いしけ並びに四六時中ほとんどガスの中に操業いたします。従つて従来沿岸で山見漁師あるいは山立てしておつた船頭あるいは漁撈長が、全然丘がない、あるいは目標がない、また母船が一昼夜のうちにしけの時分には大十マイルほど流される、そういうような中にあつて、ただ一つ自分らを導いて来たものは無線電信機と方探の活動以外にはなかつたのであります。当初水産庁におきまして無線電信機あるいは方探の設置は不可欠であるという線を打出したことがいかに正しかつたかということを、各漁業者の乗組員が身にしみて感じ、来年はさらに一層整備したものを持つて行きたい、それなしには操業は困難であるとみずから語つておりました。大体におきましてこの海域では、べにが約六割五分、あとは白でありますが、そういうような漁獲があがりました。そうしてこれから逐次西に移動しまして、アガツツの周辺に移つて参つたのでありますが、この海区は非常に潮の関係が複雑でありまして、入れました網を棒巻きにするとか、あるいは二マイル程度の早い潮が沿岸に、向岸流といいますが、西の方にひつぱつて行かれるというようなことのために、十分な操業ができなかつたのであります。それで各船団は大体百七十一度のこの付近に移動して参りまして、大体この位置で、これからカムチヤツカの南端あるいは西海岸に回遊すると思われます魚群に遭遇したのであります。以下この魚群を追いまして各船団は逐次南に西にまわりまして、結局最後には百六十度の線まで操業いたしました。この海区は漁期が大体終りに近くなつております関係上、主としてますを捕獲いたしました。大体におきまして捕獲いたしたますのほとんど全部がこの海区で捕獲したわけであります。
 話が少しもどりますが、この百七十度から以東の海区につきましては、ほとんどこれをきわめましたけれども、百七十八度から東の海区につきましては、一応水産庁の調査船が活動しまして、大体においてべによりも白の捕獲が多いという数字を見ておりますが、まだ全般的にこの海区をきわめるというまでには行つておりません。将来の活動によりましてこの海区を逐次明確にしまして、それから百七十度の本年ほぼきわめました海区を通じまして操業を行つたならば、北洋の母船式鮭鱒漁業の効果が一層上るのではないか、かように考えております。
#14
○川村委員長 大体この程度で、あとつつ込んだことは懇談会でやりましよう。
 本日はこの程度にとどめまして、次会は公報をもつてお知らせすることにいたします。散会いたします。
    午後零時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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