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1951/07/29 第13回国会 両院協議会・合同審査会等 両院協議会会議録情報 第013回国会 日本電信電話公社法案両院協議会 第1号
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1951/07/29 第13回国会 両院協議会・合同審査会等

両院協議会会議録情報 第013回国会 日本電信電話公社法案両院協議会 第1号

#1
第013回国会 日本電信電話公社法案両院協議会 第1号
昭和二十七年七月二十九日(火曜日)
    午後四時四十二分開会
    ―――――――――――――
昭和二十七年七月二十八日衆議院議長において協
議委員を左の通り指名した。
        塚田十一郎君  福永 健司君
       橋本登美三郎君  西村 久之君
        田中 重彌君  井手 光治君
        村上  勇君  田渕 光一君
        池田正之輔君  倉石 忠雄君
同日互選の結果、正副議長を左の通り選定した。
   議長 倉石 忠雄君
   副議長 西村 久之君
昭和二十七年七月二十九日参議院議長において協
議委員を左の通り指名した。
        草葉 隆圓君  鈴木 恭一君
        山本 米治君  柏木 庫治君
        新谷寅三郎君  田村 文吉君
       小笠原二三男君  山田 節男君
        稻垣平太郎君  深川タマヱ君
同日互選の結果、正副議長を左の通り選定した。
   議長 鈴木 恭一君
   副議長 新谷寅三郎君
    ―――――――――――――
 出席委員
  衆議院側
   議長 倉石 忠雄君
   副議長 西村 久之君
      塚田十一郎君    福永 健司君
     橋本登美三郎君    田中 重彌君
      井手 光治君    村上  勇君
      田渕 光一君    池田正之輔君
  参議院側
   議長 鈴木 恭一君
   副議長 新谷寅三郎君
      草葉 隆圓君    山本 米治君
      柏木 庫治君    田村 文吉君
     小笠原二三男君    山田 節男君
      稻垣平太郎君    深川タマヱ君
 委員外出席者
  衆議院事務局側
        参     事
        (委員部長)  鈴木 隆夫君
  衆議院法制局側
        法 制 局 長 入江 俊郎君
  参議院事務局側
        参     事
        (委員部長)  宮坂 完孝君
  参議院法制局側
        法 制 局 長 奧野 健一君
    ―――――――――――――
 本日の会議に付した事件
○日本電信電話公社法案
    ―――――――――――――
   会議
    〔抽籤により鈴木恭一君議長席に着く〕
#2
○議長(鈴木恭一君) 抽籤によりまして、私が本日の両院協議会の議長を勤めることになりました。どうぞよろしくお願いいたします。
 なお衆議院の両院協議会議長には倉石忠雄君、副議長には西村久之君、参議院の両院協議会議長には不肖私、副議長には新谷寅三郎君がそれぞれ当選いたされましたので、この際御報告申上げておきます。
 これより日本電信電話公社法案の両院協議会を開会いたします。両院協議会は国会法第九十七条によりまして、傍聴を許さないことになつておりますから、協議員並びに協議会の事務をとる職員以外のかたは御退席を願います。
 先ず日本電信電話公社法案の各議院におきまする議決の趣旨について御説明を願つてから、御協議に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○議長(鈴木恭一君) 御異議ないと認めます。
 それでは衆議院側から御説明をお願いいたします。
#4
○橋本登美三郎君 私から、衆議院側が協議会にお願いしました理由と、主要なる点について御説明申上げます。
 実はこの電信電話公社法案については、衆議院側におきましても、与党である自由党を初めとして、改進党、並びに両社会党、各派と常に密接な連絡をとりまして、そこで必要な修正案を作つて、参議院のほうに廻したのであります。その後参議院側においていろいろ御審議を願いまして、なお参議院側として重要な修正がなされまして、衆議院に回付をみたわけであります。そこで我々といたしましては、この参議院側の修正に対して、なかなか呑みにくい点が相当にあり、総数では大体十四項目ぐらいになつておるようですが、そのうち三、四点については、どうも呑みにくい点が相当あるのであります。その点について、是非とも参議院側と協議を重ねて成案を得たい、こういうような考え方から協議会を持つに至つたのでありまするので、その点一つ御了承願いたいと思うのであります。そのうちどれが衆議院側として呑みにくいかという点でありますが、一応皆さんのところに廻つておりまする参議院側の修正案と、衆議院側の修正案、いわゆる衆議院から送付しました原案と、この対照がありますので、それを御覧の上御研究願いたいと思います。
 第二十四条の「経営委員会の同意を得て」総裁又は副総裁をやると、こういうことに参議院側で御修正をされたのですが、これについては、運営の如何によつては、何とかやつて行けるのではないか。この点は一応の問題にはなりましたけれども、そう大した問題の一つとは考えておりませんが、「第十二条第三項、第一号に該当する者」、第二十八条の二項です。次のページです。その中に数字の2と書いてありますが、「第十二条第三項、第一号に該当する者(市(特別区を含む。)町村の議会の議員である者を除く。)は、職員であることができない。」これは原案では、町村の議会の議員だけであつて、市及び特別区を含んでおらなかつたのであります。この点については、衆議院においても一部意見はありましたが、他の公社との関係その他の点から考えまして、この際原案通りに「町村の議会の議員である者を除く。」と、こういう点で話会いがついて、衆議院の修正におきましては、この点には触れなかつたわけであります。参議院においては、この点に触れられて、この点は非常に衆議院側としては甚だむずかしい問題であります。呑みにくい問題の一つであります。
 それから四ページになりますが、四ページの後半ですが、四十三条に六つ項目がありますが、その第六号、「第七十二条但書の規定による金額の限度額」、この項目は同時に第七十二条に関係がありますから……。第七十二条というのは第七ページ、第七十二条修正案の後半に右側に線が引つ張つてあります。「但し、経済事情の変動その他予測することができない事態に応ずるため特に必要があつて、郵政大臣の認可を受け、国会の議決を経た金額の範囲内で、臨時に給与を支給する場合については、この限りでない。」こういうことが参議院修正において附け加えられたのであります。このことが、この七十二条を折返して、先ほど申しました四十三条の六号を附け加えることになつておりますから、この四十三条の第六号と第七十二条の分の申上げました点が関連事項であります。これが一つ合さつて、まあ一つの項目になる。この点は、いろいろ参議院側の御意向を聞きますというと、理由もありますけれども、経済事情の変動その他の予測することができない、こういう事態でその賃金ベースを変更する、或いは特別給与を与える、こういうことをあらかじめ予測して、国会において一種の賃金予備金というべきものでしようが、そういう賃金予備金を設定するということは、会計法の点から見ても無理がありはしないか、且つ又そういうことが他の公社関係、いわゆる公企業体にも影響を与えるのではないか、こういう点で、この問題は国家会計、財政法から言つても重要と考えております。この点も重大な問題であります。
 それから第六十一条、第六十一条の利益及び損失の処理の問題ですが、この点については、原案におきましては国庫納付金を考慮して、そうして残つたものを積立金に行う、こういうような原案でありましたが、衆議院におきましては、これに対して各派共同で、原則としてはいわゆる損失の補填に充てるが、なお残余があるときには、その残余の額は積立金として整理をし、そうしてその整理のうちから、政府はあらかじめ予算を以て国会の議を経た場合においては国庫納付金をすることができる、こういう工合に、原案では国庫納付が原則で、そうして積立金を行う、こういうことになつておつたのですが、現在の電信電話事業の普及状態が思わしくない。その他に公社の会計を先ず健全ならしめる、こういう理由からして、衆議院においては、この点を先ず前年度の損失補填金を行う、なお積立金を行う。そのうちからして国庫納付金をするという工合に、国庫納付金というものを第二次的に考える、こういう考えで衆議院においては各派の了解を得られたのであります。ところが参議院におきましては、この国庫納付金というものをとつてしまう、こういう点になりますというと、本質的に衆議院側と参議院側との考え方が違う。我々といたしましては、政府が全額出資して行われた公社でありますからして、いろいろの減税措置を行なつて、所得税も事業税もかからないように、特別な地位を与えられておるのであるからして、十分なる事業の経理を行なつて、なお且つ余裕がある場合においては、勿論電信電話料金の値下げも考慮しなくちやなりますまいが、やはり全額出資という建前から言つても、国庫納付金の制度を置くべきではなかろうか。こういう観点から、政府の案に対しては、或る程度第二義的に国庫納付金というものを考えた。ところが参議院の側において、この項目を全額削つてその必要なしという建前をとられておる。こういう点は、全額出資という建前から見れば、その間に実際上と言いましようか、理論的にも無理がありはしないだろうか、こういう点で、この項目に対しては、我々としては困難を感ずるのであります。その他細かい点がありますけれども、これらについては大体お話合いでつけられる点が多いように考えられますので、それらについては、両院側の御意見、御質問によつて、衆議院側の修正意見或いは意見というものを申述べたいと思いますので、大体のところだけを申上げます。
#5
○議長(鈴木恭一君) 衆議院の御説明を終りましたが、次に参議院側から御説明をお願いいたします。
#6
○新谷寅三郎君 便宜私から御説明申上げますが、橋本さんの御説明せられました要点は、大体三点に帰すると思うのであります。参議院の修正点は、大体大分けにいたしまして八つになるのであります。御指摘になりました三点につきまして、参議院側の修正をした趣旨理由を簡単に御説明申上げたいと思います。
 第一の点、つまり職員が、町村のほかに特別区を含んで、市の議会の議員たることができるというようにいたしましたのは、御承知のごとく国有鉄道公社のほうでは、町村に一応限定せられている。従来市まで含まれておつたのでありますが、それが改められまして、そういうふうになつたのでありますが、専売公社のほうでは、法律には何らの制限規定がないためでありましよう。現在県会のほうに出ておるものが一人、それから市議会のほうに出ておるものが五人ぐらいあるのであります。国鉄のほうでも、現在の議員の任期の残任期間はよろしいという経過規定がありますので、現在なお市会のほうにも出ている人が残つているのであります。ここで申上げたいと思いますのは、私どもこの町村と市とを全然同じに扱つたという趣旨ではないのでありまして、又市というものが町村と著しく非常に違うかというと、さようにも考えておりません。要するに府県と町村との丁度中間的な存在を持つておるところの自治体であるという認識を持つているのでありますけれども、国鉄とか専売とかの例からいたしましても、これはやはり適当な線ではないかということを考えたのであります。特に全体を通じまして私ども考えましたことは、従来の国鉄公社法とか専売公社法等におきまして、議員各位の御審議により公社法ができましたけれども、実際にはなかなかあの公社法では、本当に活溌な企業活動ができにくいという点が多々あることを聞いておるのであります。そういう点をできるだけ改めまして、そうして多少先走つたかと思うのでありますけれども、今度の電信電話公社につきましては、従来のそういう点をできるだけ改めて、つまり古い慣例によらないでも、ここで適当と思う修正をいたしまして、電信電話公社が公共企業体として十分活動できるようにということを念頭に置いたものでありますから、従来の国鉄の慣例、或いは専売の慣例に捉われませんで、この電信電話公社といたしましては、大体この程度が適当であろうという結論を出したのでございます。実際市或いは特別区を入れますと、多少従業員の中から議会の議員が出るかと思いますけれども、これは極めて前例に徴しましても数は少いだろうと思うのであります。そういう点を考慮いたしまして、この修正をいたしたのであります。
 第二点は、役員及び職員に対しまする給与額以外の臨時給与についての限度額を設けまして、それを経済事情の変動でありますとか、当初から予期しなかつた事情の発生した場合に、この限度までは主務大臣の認可を受けて使つてもよろしいというような規定をした点でございます。四十三条と七十二条に従つておる規定であります。この問題は私ども従来電気通信事業の実態を見まして、こういう臨時に必要とするような場合がたびたび起ることを認めるというので、その場合に給与額が国会において決定せられ、非常に固くきめられておりますると、例えば卑近な例でありますが、超過勤務手当のごときも支払われないというような状況が従来ときどき起つておつたのであります。例えば非常に災害がたくさん相次いで起つたというような場合に、従業員は連日長い期間に亘りまして時間外の勤務をしてその復旧に当る、これらに対する超過勤務の手当も十分に支払い得なかつた。従つてそういう場合にはどうも超過勤務を支払えないので、時間外の勤務を要求することが管理者としても非常に困難である。そういうことでは結局電信電話の復旧工事が非常に遅れるということになるのであります。そういつた例によりましても御了解が得られると思うのでありまするが、無制限に給与額を上げるということは、これはやはり国会において予算を決定いたします以上は適当でないと思うのであります。併し或る幅の限度をこしらえて、この限度におきましては、あらかじめ国会の議決承認を経まして、而もこの給与が給与準則即ち給与に関する一つの制度的なものになる虞れもありますので、この点を主務大臣の認可を受けて、十分に主務大臣としては監督をいたしまして、そうしてこの幅におきまして、従業員に対して必要な臨時的な給与を支給する途を開いて行くことが、電信電話のごとき一日も休むことのできないものにとつては非常に重要であるというような観点からこの規定を挿入いたした次第であります。それは従来の例から申しますると、新らしい例になるかと思いまするが、これはむしろ私ども経験から行きまして、こういうふうな或る幅を持たしておいたほうが管理者も運営しやすいし、国民も又利益を受けるところが大きいのではないかというような点を考慮いたしまして修正をいたした次第であります。
 それからもう一点は四十三条と六十一条に関連いたしまする国庫納付金の問題であつたかと思うのでありますが、この国庫納付金につきましては、御承知のように、国鉄におきましても、通信事業におきましても相当の沿革を持つているのであります。特別会計法ができましてから通信事業におきましても或る程度の納付金を納めて参つておるのでありますが、今度この公社が新らしく誕生することになりますると、電信電話に関する国からの見方というものはよほど変つて来なければならんじやないかと私どもは考えているのであります。国が全額を出資するのだから、その利益は還元するのが当り前だ、これも一応の御議論ではあろうと思います。併しながら国が国民のためにこの通信事業を整備して行くということが国全体の利益の増進に、或いは政治、経済、文化の向上のために欠くべからざるものであるという点から見ますると、国として或る程度国が財政資金を出して、こういう電信電話をやるということはむしろ当然の措置であります。それからいわば会社の配当金のような思想で以て利益還元を期待するのは、これは考え方としては面白くないのじやないだろうかという点が考えられるのであります。又現実の問題といたしましては、只今の電通事業からは殆んどこういつた利益は生れて来ない。従つてこれを置かれましても恐らくは実際に活用されることは先ず当分なかろうかと思うのであります。特に国鉄におきましては、剰余金は国庫に納付するという規定もありますけれども、一方におきましては国鉄自身が損失をこうむつて収支に大きな穴があいたというような場合には国庫が補填するという反対の条文も設けられております。今度の電信電話公社法におきましては、この国庫から損失を補填してやるという反対の条文は原案には現われていないのであります。この点は何故に政府原案がそのような規定を置かなかつたのか、不審に思つておつたのであります。
 以上申しましたような点を総合して考えまして、この国庫納付金の制度はこれは一応廃止したほうがいいのではないかという結論に達した次第であります。
 ただ附加えて、これは委員会全体の意見ではございませんが、私個人の考え方からすると、国庫納付金をとるには、国家財政資金を投入しておられまする事業が他にもたくさんあると思うのであります。そういつたものとの関連をも十分考慮いたしました上で、国が財政資金を出して事業の伸長を助成してやるというようなものにつきましては、もう少し高い見地から一般的にこの納付金の制度を如何取扱うかということを考慮する余地がある、今後において考慮せらるべきものではなかろうかということを私は考えておるのであります。その点附言しておく次第であります。
 非常に簡単でございますけれども、一応私どもの修正いたしました気持、理由を申上げて、なお御質問等がございますればそれにお答えいたします。
#7
○議長(鈴木恭一君) これにて両院の御説明は終りました。御質疑のおありのかたはどうぞお願いいたします。
#8
○池田正之輔君 懇談会に移して懇談してみたらどうですか。
#9
○議長(鈴木恭一君) この程度で速記を中止して懇談会に入りたいと思いますが、如何でしようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○議長(鈴木恭一君) それでは速記をやめまして懇談に入ります。
   午後五時八分懇談会に移る
     ――――◇―――――
   午後六時三分懇談会を終る
#11
○議長(鈴木恭一君) 懇談会を終ります。
 懇談中両院からいろいろと御意見の御開陳がございましたが、この程度にして休憩したら如何かと思いますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○議長(鈴木恭一君) それでは一時間半休憩いたします。
    午後六時四分休憩
     ――――◇―――――
    午後十時四十三分開会
#13
○議長(鈴木恭一君) 休憩前に引続き、これより協議会を開きます。
 この際、本案について何か御発言がございませんか……別に御意見もないようですから、採決いたします。本案につきましては、参議院議決案を本協議会の成案とすることに賛成の諸君の起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#14
○議長(鈴木恭一君) 起立総員、よつて協議会の成案は議決いたしました。
 これにて散会いたします。
    午後十時四十四分散会
     ――――◇―――――
 賛成者及び氏名 十九名
   倉石 忠雄君  西村 久之君
   塚田十一郎君  福永 健司君
  橋本登美三郎君  田中 重彌君
   井手 光治君  村上  勇君
   田渕 光一君  池田正之輔君
   新谷寅三郎君  草葉 隆圓君
   山本 米治君  柏木 庫治君
   田村 文吉君 小笠原二三男君
   山田 節男君  稻垣平太郎君
   深川タマヱ君
    ―――――――――――――
  日本電信電話公社法案両院協議会
  成案
 参議院議決の通りとする。
ソース: 国立国会図書館
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