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1951/05/22 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 人事・建設連合委員会 第1号
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1951/05/22 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 人事・建設連合委員会 第1号

#1
第013回国会 人事・建設連合委員会 第1号
昭和二十七年五月二十二日(木曜日)
   午前十時五十三分開会
  ―――――――――――――
 委員氏名
  人事委員
   委員長     カニエ邦彦君
   理事      千葉  信君
           工藤 鐵男君
           田方  進君
           平井 太郎君
           溝口 三郎君
           村上 義一君
           木下 源吾君
           森崎  隆君
           紅露 みつ君
  建設委員
   委員長     廣瀬與兵衞君
   理事      赤木 正雄君
   理事      田中  一君
   理事      小川 久義君
           石川 榮一君
           楠瀬 常猪君
           島津 忠彦君
           深水 六郎君
           徳川 宗敬君
           前田  穰君
           門田 定藏君
           三輪 貞治君
           三木 治朗君
           松浦 定義君
           東   隆君
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
  人事委員
   委員長     カニエ邦彦君
   理事
           千葉  信君
   委員
           平井 太郎君
           溝口 三郎君
           紅露 みつ君
  建設委員
   委員長     廣瀬與兵衞君
   理事
           赤木 正雄君
           田中  一君
           小川 久義君
   委員    
           楠瀬 常猪君
           深水 六郎君
           徳川 宗敬君
           前田  穰君
           松浦 定義君
           東   隆君
  政府委員
   人事院事務総局
   法制局長    岡部 史郎君
   調達庁長官   根道 広吉君
   調達庁労務部長 中村 文彦君
  説明員
   調達庁労務部次
   長       山田 二郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○日本国との平和條約の効力の発生及
 び日本国とアメリカ合衆国との間の
 安全保障條約第三條に基く行政協定
 の実施等に伴い国家公務員法等の一
 部を改正する等の法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
   〔カニエ邦彦君委員長席に着く〕
#2
○委員長(カニエ邦彦君) 只今より人事、建設連合委員会を開会いたします。
 日本国との平和條約の効力の発生及び日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施等に伴い国家公務員法等の一部を改正する等の法律案を議題に供します。先ずこの法律案につきましては、前回の委員会において提案の理由の説明は済んでおります。そこで法律案についての逐條的な御説明を政府かられ願いいたしたいと思います。
#3
○政府委員(中村文彦君) 只今議題になりました法案の各條ごとに詳細に御説明いたします。
 第一條は国家公務員法の一部を改正するのでございますが、第二條の第三項、第十六号、第十七号を削除する考えてございます。第十六号は、「連合国軍の需要に応じ連合国軍のために労務に服する者」というものでございまして、今回これが主要な問題になりまして、国家公務員法から外れる思想で出したわけてあります。第十七号のほうは、これは公団の関係でございまして、実はこの機会に関達して措置をとつたという考え方でございます。この第一條の思想は、従来御承知の通り国家公務員法の特別職でありました連合国軍要員の労務者を平和條約の発効と同時に国家公務員の身分から外しまして今後は一般民間の事業の労務者と同じような扱いをしようという考え方が盛られておるのでございます。次に第二條でございますが、これは特別職の職員の給與に関する法律でございまして、この法の内容は、只今申上げました連合国軍要員の関係の給與その他の諸條件は調達庁長官が大蔵大臣と協議の上できめるという線がございます。これを今回外します。第九條に謳いますが、大蔵大臣の協議の事項を削り、全面的に調達庁長官が決定する線を出そうという考え方でございます。それから第三條は、国家公務員共済組合法の一部改正てございますが、これは従来とも国家公務員共済組合法の適用がないという実は條項があるのでございます。そのところに連合国軍要員というやはり言葉がありまするのてこれをこの際駐留軍労務者というような思想で、適用がないのだという念のための規定をやろう、こういうのが第三條でございます。それから第四條は、寒冷地手当、石炭手当等の支給に関する法律の一部改正の問題でございます。これはやはり国家公務員といたしまして公務員と同様の扱いを受けておつたのでございますが、国家公務員の身分から外す機会にこれらもやはり一応除くというふうな思想でございます。
 それから第五條は、御承知のいわゆるPVのほうの問題でございます。これは第五條と第六條は両方PWの関係てございます。これは従来は連合国軍要員として我々が扱つておりまする労務者につきましては、技能工系統と職員労務者というような言葉を用いて扱つておりましたが、これらは、技能工系統の労務者につきましては労働大臣が告示いたしまするところのいわゆるプリヴエーリング・ウエイジの線て前後上下を押えられております。政府はその以内でしなければならないということに相成つておるのでありまするが、今回それらを一切外しまして、やはり先ほど申しました第九條の線で措置するようにしたいというのが第五條、第六條の思想でございます。それから第七條におきましては、これは先に法律でやつておりましたいわゆる銀行拂の給與の取扱いの問題でございます。これは従来とも多額の金を給與支拂その他には取扱つておりまするので、いろいろと間違いのもとに相成つておりまするから、それらを是正するために実はこの法律が出ておるのでございますが、今後ともやはり同様な趣旨で銀行扱の線を確保したいというふうに考えております。従来の「連合国軍の需要に応じ連合国軍のために労務に服する者」というふうなことでは、今後の平和発効後の扱いといたしましては該当いたしませんので、この際駐留軍労務者というような扱いをするために、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約に基き駐留するアメリカ軍、連合国軍軍隊のために労務に服する者ということを謳つたものであります。それから第八條は、駐留軍労務者の身分の問題でございます。これは特に第一條に、先ほど御説明いたしました通り国家公務員でない一般民間の労務者の扱いをする思想を取入れたものでございまするので、そこで特に念のために国家公務員ではないと、従つて第二條第六項に言うところの勤務者と解してはいないという思想を念のために謳つたものでございます。それから第九條は、これらは今後の労務者の給與その他のきめ方並びにきめる責任者と言いますか、そういうものを明確にするために特に謳つたものでございます。この思想は先ほど申上げました通り、今後は民間の事業の労務者扱いとなりまするので、PWも外れまするし、又従来事務系統などにおきましては、この給與は公務員のおおむね一割増という線を確保いたして参つておるのでございまするが、今後はそれらの基準が相当組みにくい事態に相成ろうと考えます。従いましてそれらを考慮いたしまして、給與その他の勤務條件につきましては、生計費並びに国家公務員及び民間事業の従業員における給與その他の勤務條件を考えまして調達庁長官がきめるのだという思想をここに盛り入れたのでございます。
 それから附則の関係でございますが、第一項におきましては、これは平和條約発効の日より適用するようにお願いしたいという考えでございます。それから第二項におきましては、先ほども申上げました通り、一応一切の法律関係その他が切れますので、すぐに乗替りの措置をいたさなければならんのでございますが、その乗替りの措置といたしまして、一応従来きめておりましたいろいろな給與の規定その他一切はこのまま今後の勤務條件として採用するという思想を盛り入れたのでございます。それから第三項は、退職金の問題でございますが、この点につきましては、先ほど来申上げました通り、一応身分が平和発効日に切れます形になりますので、如何に措置するかということを盛り入れたものでございまして、これは一応身分につきましては平和発効日までの退職金はそれまでの従来の退職規定その他によりまして計算いたしまして、それを確保しておいて、将来本人が退職します曉においてそれに一応の加算を附けまして退職手当として支給しようという考え方でございます。この退職規定につきましては、従来の連合国軍労務者については国家公務員とは別の退職規定ができておりまして、年限その他から換算しまして、いわゆる円満に退職した場合並びに本人が退職を希望しまして本人が申出まして退職した場合、それから本人のいろいろな過ちその他から退職せざるを得ないような事態に立ち至る場合の、おおむね三通りの方法を考慮いたしまして、円満に退職した場合におきましては、勿論規定されておりますところの退職金が全部出るわけてございますが、本人がみずから進んで退職するというような場合におきましては成規の手続の退職手当の二分の一しか支給しないというのでございます。それから過ちその他におきましては勿論これは退職金がないというふうな構想を取入れております。従いましてこの附則第二項におきまして、先ほど申上げましたような三通りのうちの第一項の事業主のほうの都合によりまして解雇されました、いわゆる円満に、満足に従来の勤務を勤め果しましたものとしての退職金の計算をいたしまして、その額を一応基準にいたしまして、平和発効の日の翌日から年五分の割合の率をかけました額を加算いたしたものを本人の退職する場合に渡そう、こういう思想を取入れたものでございます。本案は以上のようなことでございまして、一応この線で問題を進めたいというように考えております。
 なお参考までに申上げますと、従来扱つております労務者は大よそ二十三万ございまして、そのうち平和発効と同時に約一万四、五千という者がここで解雇になつておりまして残りましたのが三十一万程度でございます。これが今後附則第二項に言いますところの平和発効の日において引続き駐留軍労務者として残つております者でございます。これらの給與につきましては、先ほども触れましたが、事務系統におきましてはおおむね公務員の一割増しの線を従来とも確保いたして参つております。それから技能工系統と申しますと、いわゆる自動車の運転手とか機械整備工とかいような特殊な者が主でございますが、さような者につきましては労働大臣の告示に暴きまして支拂つておるということでございます。それからその他のことにつきましては、大体例えば地域手当の問題、或いは家族扶養手当の問題、或いは年末手当、石炭手当というようなものにつきまして、従来公務員と同等の扱いをいたして参つておるのでございます。今後におきましてもこれらにつきましては我々といたしましてはこれらの線を確保したいというように考えております。御承知の通り昨年の六月まではこの大部分は終戦処理費で賄つて参つたのでございますが、昨年の七月一日からアメリカ軍関係の大部分につきましてはアメリカ合衆国と日本国との間の契約に基きまして、償還の方法で財源を得ております。この財源は、給與その他の諸手当一切、それからいろいろな諸経費、管理費などを含みましたものが全部支出後において補償されておるというようなことでございますので、実は第一條に特に国家会務員より外す際におきましてもいろいろと議論が出たのでございますが、実のところ国庫の支出というような形にはなつておりまするけれども、本質的にはドルが国の機関を通して円となつて労務者に手渡るというふうなことでございまして、国費の負担にならないような立場にありまするので、それてこの際国家公務員の線を外すというようなことも一応考えられたわけでございます。
 以上のようなわけでございますので、誠に辻棲の合わん話でございますが、簡單ながら御説明に代えます。
#4
○委員長(カニエ邦彦君) 申上げますが、只今来ておられる政府の関係者は、特別調達庁の長官の根道広吉君と、労務部長の中村君、それから次長の山田君、それから人事院の法制局長の岡部君、なお退職金その他の予算上の関係も関連いたしますのて、大蔵省の主計局次長、給與課長等を呼んでおります。これはまだこの席にはお見えになつておりません。従つて本日は連合委員会でございますから、主として建設委員のかたの御質疑を願いたいと思つております。質疑のあるかたは順次御発言を願います。
#5
○田中一君 現在講和発効と同時に連合軍が駐留軍と変貌するということについて、従事労務者の身分上の変更は当然起り得ると思いますが、私がこの際伺いたいのは、法律で公務員じやないということにきめられた以上、無論国から円満に退職したという形は当然でありまして、先ほど政府委員のほうからの話を聞きますると、従来も退職手当の問題については円満に退職した場合、自分の願出によつてやめた場合、首を切られた場合とこの三種類ある。円満にやめた場合には定められた規則によつて正当なる退職金をもらう。願出によつてやめた場合には三分の一、或いは馘首にはないということになつております。併し現在は円満に勤務している、併しながら使用者のほうの性格が変つたために一応国家公務員としての枠から外れるという場合には、これは当然円満に退職したということになると思うのであります。従つてこの手当は当然ここで出さなければならないのでありますが、附則の第三項を見ますと、引続いて駐留軍に労務者として就職している者はその当然もらうべき退職手当がもらえない。連合軍から駐留軍に移る、駐留軍をやめる場合にお前にやるのだ。こういうような法律の精神と考えます。
 先ず第一にお尋ねいたしたいのは、なぜ連合軍労務者が一応駐留軍労務者として変貌する場合に当然退職した者とみなして、ここにも当然退職した着とみなすということになつておりますが、その金を、退職手当を拂わんかということの理由を先ず第一に伺いたいのであります。
#6
○政府委員(根道広吉君) 過去の連合軍要員は現在の駐留軍勤務の労務者と同じように引続いて日本政府の雇用者であります。その意味においては一面身分の変更がないということも言えるわけであります。従いまして退職した手当を拂うとか拂わんかということ自体が問題になるのであります。やめるときに拂うということは当然であります。この場合どこが違つたかと申しますと、只今申されましたように占領軍が駐留軍になつたということに変化があるのであります。併しながら事実問題として考えて見ますと、過去においては占領軍であつた、その占領軍時代におきましてとにかく円満に勤務を続けて来たものであるということであります。併しながらこのままで退職手当に関して何らの措置もいたしませんければ、従来の規定によりまして自己退職を、やはり自発的に退職する、自分の都合によつて退職する場合には退職金が半額になるという事実を生ずるわけであります。そういうことになりましては、折角占領軍時代に円満に勤務したところの労務者の保護に欠けるところがあるのじやないか。従つてそのときにおいて退職したものとみなして得べかりし退職金を確保しておくということが労務者に対する保護の途である、こういうふうに考えるわけであります。
 なお、なぜ現金を以て直ちに支給せんかという御質問であります。労務者の方面におきましては、現金を以て即時支給の要求が最初はあつたのであります。その後政府におきまする本件関係の資金の運用、政府予算の関係等いろいろ話をいたしましてその結果法律的に保障を受ければよろしいというような話合いが具体的に進みまして、その結果今日ここに御審議を願つているような具体的な法案となつた。こういうわけであります。財源といたしましては現在資金が七十五億円あります。又そのほかに法律上資金を借入れることができる枠が五十億円ほどございます。合せて百二十五億円の限度でございます。現在は七十五億円を以ては回転に足りませんので、更に二、四十億の金を借りて賄つているような状況であります。従いまして退職金を一時に拂いますと、到底その資金を以て賄い得ない状態にあります。現在立替拂をいたしまして遅れておりまする金は数十億に達します。約二カ月分に達するかと思います。これが丁度退職金の総額くらいになつているのであります。従いまして政府といたしましては、特に特別の措置を講じませんければ、到底即時に現金の支給をするということが事実上不可能であります。そういうわけで本法案のごとき内容とした次第であります。
#7
○田中一君 若しもこの身分が切換えになつたという後において自分から願出て退職した場合には、それまでの分は円満退職と認めて全額を拂う、その後に自己が申出た場合には二分の一を支拂うということになるのですか。
#8
○政府委員(根道広吉君) その通りであります。
#9
○田中一君 そうしますと、実際上身分が変り、退職したということははつきりと確認されているわけですね。
#10
○政府委員(根道広吉君) 退職した者とみなしてそのような計算をする、こういうわけであります。
#11
○田中一君 二十六年の七月前までは終戦処理費で賄つておつた、二十六年七月からは連合軍と日本との契約によつて支弁しておつたと思いますが、この契約の内容はどうなつておりますか。
#12
○政府委員(根道広吉君) 契約の内容は、日本政府と組合側と協約を結んでありまするが、その線の内容の諸給與、手当等を契約の附属書といたしましてそれを現実の支拂の後に償還する。なお政府のその労務管理上に要した経費、一定の額を米軍が一人当りについて幾らを拂うというのが契約の内容であります。
#13
○田中一君 二十六年七月以降にこの契約に基いて拂つた金は、日本の分担した金はどういつた方面から出しておりますか。連合軍が分担している場合には何で拂つておつたか、そしてどちらが拂つておつたのか、その財源はどちら側が負担しておつたのですか。
#14
○政府委員(根道広吉君) 七月以前におきましては一切が終戦処理費の負担でありました。その後におきまして米軍においてこの契約の内容に関係のある分、労務費は米軍の負担、ただ後における償還でありますが、即ち米軍の負担であります。それからなおそのほかに講和條約発効までは終戦処理費支弁の英、濠軍関係、或いはその他ミツシヨン関係の労務者があつたわけてあります。これは講和発効と同時に日本政府の全部終戦処理費負担もなくなつたのであります。それ以外去年の七月一日以降から米軍におきまして、政府そのものでなく、私的の存在であるところのクラブと或いは契約する、そういうような場合における労務者は向う側の私的の直接雇用と相成つております。これは政府関係ではありません。それらのものは勿論そういう機関がそれぞれにみずからの資金を以て賄つて行く、こういう状態になつておつたわけであります。
#15
○田中一君 二十六年七月以降政府は連合軍からドルで支拂いと言いますか、ドルで受取つた金というものはどのくらいありますか。
#16
○説明員(山田二郎君) 昨年の七月から五月二十日までに償還を受くべき金額は四百十三億三千九百三十二万五千七百三十四円二十銭、かように相成つております。そのうち償還を受けました額は三百十三億九千三百二十四万三千百九十八円八十六銭、かようなことに相成つております。
#17
○田中一君 この従来までに入りましたところの三百十三億の使途の内容をお示し願いたいのです。
#18
○説明員(山田二郎君) 大部分が働いた労務者各位に対する給與の支拂であります。そのうち若干は事務費等に充当いたしております。
#19
○田中一君 資料として御提出願います。
 次にその約百億というものが、まだもらわずにある債権と言いますか、もらわなきやならない金があるようですが、これはこの法律ができて後にどういう形で使うつもりですか。
#20
○政府委員(中村文彦君) 只今の御質疑の、つまり差額が約九十九億あるのでございますが、これにつきましては勿論先ほど長官からも御説明いたしました通り、政府の七十五億の持出しがありますし、なお四十億の他からの借入金をやつてそれて漸く賄つておりますので、かような金が入つて参りますれば、そちらの借入金等の償還などに充てることは勿論、又今後の運営の資金として利用されるわけでございます。
#21
○田中一君 大蔵省のかたは見えておりませんか。
#22
○委員長(カニエ邦彦君) お答えいたします。また来ておりませんが……。
#23
○田中一君 講和発効の日が一応政府では大体見出当かついておつたと思いますが、その場合にこの予算上の資金の要求は、調達庁からは大蔵当局に要求したのですか。それともそのまま今日までそれに対する要求、或いは国としても何ら手当はしなかつたのですか、その点どうなつておりますか。
#24
○政府委員(中村文彦君) 勿論このことにつきましては、政府といたしましては、昨日来の御説明にありました法案をでつち上げるまでに実はいろいろといきさつがございます。で資金経理から見ますれば、先ほど申しましたように約九十九億の金の未償還がありまして、特別調達資金の経理だけではこの問題の解決はなかなか困難でございます。で大体附則第三項によりまして退職金を概算いたしますと、おおむね八十億見当の予算をここに手持に持たなければ直ちに支拂いをするという立場は見通しがつかなかつたのでございます。そこで大蔵省ともいろいろ折衝を重ねまして、如何ような取運びに行くかということで相当長時日を要したわけでございます。併しながら国の財政的な見地から見ましても、当時といたしましてはなかなか八十億、九十億の金の見通しはつけかねますので、実はかような附則第三項のような結論に達したようなことでございまして大蔵省といたしましてもこの点は相当苦心した点でございます。
#25
○田中一君 当然円満に退職手当がもらえるものなんですか、今後自分のほうから進んでこの退職手当が欲しいためにやめようと思う場合、これはやはり二分の一しか退職手当は出さんおつもりですか。
#26
○政府委員(中村文彦君) 只今の御質問の件は、従来の平和発効時までの退職金も二分の一になるかという御質問かと思いますが……。
#27
○田中一君 いや、そうではありません。
#28
○政府委員(中村文彦君) さようではなく、一応平和発効時までの本人の受くべき金につきましては手がつかない、でこれは計算の通りそのまま行く、ただその後の平和発効の翌日からのことにつきましては、これは本人の希望ならば二分の一になるという計算に相成ります。
#29
○田中一君 この身分の切替えのときに約一万五千人くらい解雇した。これはおおむねどういうケ―スで以て解雇されましたか。
#30
○政府委員(中村文彦君) この主たるものは英濠軍関係であります。これは先ほども長官から御説明いたしました通り、平和発効と同時に日本政府といたしましては何らの義務もなくなるとの解釈の下に、一応平和発効と同時にこの多くの者を一度解雇いたしたものであります。その関係が大体一万四、千ございます。それからその中になおミツシヨン関係その他も多少ございますが、主として平和発効と同時に一切の措置がつくというような関係だけが切られたわけでございます。でその後のものにつきましては、只今議題にして頂きましたこれらの法律の関係と相成るというふうになるのでございます。
#31
○田中一君 今の一万五千名を英濠軍関係として解雇した、これは採用された者もございますか、それとも今後優先的に一応便利な、馴れておつて便利なはずですから、又條件として若し必要ならばこういう者を使うというお考えになりませんか。
#32
○政府委員(根道広吉君) 英濠軍の関係につきましては、日本政府の雇用を完全に現在離れた状態にあります。従いまして政府といたしましては解雇手当及び退職手当の清算中であります。又はそれらの大部分の者は英濠軍からの個人宛の通知によりまして、今後は自分のほうで直接に雇う、異存ない者は働けという通知がありまして、それぞれ現在勤務中であります。勿論これに関連いたしまして多少の問題もあるように聞いております。併しながら問題は英濠軍と各労務者の直接の雇用関係てあるというのが現状であります。
#33
○田中一君 ちよつと前に戻りますが、円満に解雇した場合、自分から退職を申出た場合、円満に退職したのはどういう場合ですか。
#34
○政府委員(根道広吉君) 円満という言葉がちよつと普通の場合と違いますが、雇用者側において必要がなくなつたということて解雇する場合を、今中村部長の言われた円満の解釈の場合とお考えを願います。いわゆる依願退職というやつが、これがいわゆる便宜、自分による退職……。
#35
○田中一君 特調の長官としては、この願出の仮に退職者が一体月にどのくらいずつ今後あるだろうというような見込と考えておりますか。やはりそおがある場合、数のうち、まあ何しろ五万人もやめた場合、その手当はできるのですか。その程度はどの辺まで退職手当が支拂いてきるという見込で財政政策をとつておりますか。
#36
○政府委員(根道広吉君) 過去におきまして非常に大量の解雇者が出た場合は、前年の六月及び七月の切替持てございまして、勿論その当時退職手当は終戦処理費を以て賄つたわけでありまして、問題はありません。その後大量の解雇というものが起りましたのは、今度の英濠軍関係の解雇であります。その他の常時解雇、退職して行く者の数はさまで多いわけではありません。退職手当の金額の上から見ますと、月に三億乃至五億というような数字が出ておつたように記憶しております。
#37
○田中一君 どのくらいの退職手当の資金を準備しておるかを伺いたい。今までの前例よりもですよ。
#38
○政府委員(根道広吉君) 退職手当の資金として幾らという計算はいたしておりません。ただ先刻申上げましたように七十五億の回転資金がございます。又そのほか足らんものは借入金ということてやつておるわけでありますが、その中で普段のものは大体において賄い得るものてあります。又一旦非常に何かの都合で解雇がたくさん出るということがありました場合には、大抵その資金を以ては一時的には賄い得ないわけてあります。これは明白でありますが、そういう場合を予想いたしましてすでに昨年七月、日本政府とアメリカ合衆国との間に本件に関する契約を結びましたときに、その契約の案を閣議の了承を求めるに際しまして将来解雇着がたくさん出て、退職手当の償還というものが時がたたんうちに累積される虞れがある。そのとき非常に一時的の空白がてきる慮れがある。そういう場合には一般会計より特にこれが面倒を見るという措置を講するというような措置も、そのときから考えておつたわけてありますが、現在のような状態を考えて見ますと、労務者の数の大きな移動というものは現在のところ我々としは予想いたしておりません。常時起るような退職は大体において現在の資金中において賄い得るものである。殊に又償還の度が進んで参りますと、退職手当に相当する部分は現実には計算上も多少の蓄積が残されて来る、時がたつに従いまして残されて来る。従いましてその場合にはたとえ三万、五万の解雇者が出るような場合がありましても、相当期間たつたあとならば十分に賄い得るものと、こういう予想をつけておる次第であります。
#39
○田中一君 もう一点、この退職手当の約束された金に対しては、年に五分の割合で以てこれは利子を附けるという形ですね。利子ですか、これはどういうことになるのですか、「乗じて」という意味は……。
#40
○政府委員(中村文彦君) この五分と考えましたのは、いわゆる法定利率でございます。打明けた話を申上げますれば、お話の通りて、大体利子に相当する金額でございますが、一応ここの法案として考えますことは、退職いたしましたあとやはり引続いて相当長く勤めておられるのだと思われますので、一応慰労金を兼ねましたようなところの手当という気持で織込んだものでございます。
#41
○田中一君 これに対する予算上の措置は、この二十七年度の予算に入つてございますか。
#42
○政府委員(中村文彦君) この労務者の給與その他につきましては、先ほど来も申上げます通り、調達資金で経理いたして参つておりますのて、政府の予算上の面にはいつも現われておらんのでございます。で従いまして予算よりの支拂いということになつてはおりません。調達資金からその都度拂つておるということでありまして、予算の面には計上されませんのでございます。
#43
○田中一君 先ほど申上げました通り、二十六年七月から連合軍からもらつておるドル、これの使途を成るべく細かく、計算上の明細を、出入つた金、出た金、どこへ使つたかということを一つ至急に御提出願いたいと思うのです。それを拝見した上でもう一遍実は連合を持つて頂きたいのですが、これは各委員長で御相談願います。私の質問は今日はやめます。
#44
○委員長(カニエ邦彦君) ちよつと速記をとめて……。
   午前十一時三十六分速記中止
   ―――――・―――――
   午前十一時五十一分速記開始
#45
○委員長(カニエ邦彦君) 速記を始めて、それでは人事、建設連合委員会はこの程度にいたしまして、建設委員のかたから今後御発言があれば委員外発言を以て御発言を願いたい、かように思います。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○田中一君 資料の提出をはつきりと約束しておいて下さい。
#47
○委員長(カニエ邦彦君) それでは御異議ないものとしてさよう取扱いいたします。
 それから只今田中委員のほうから御要求のありました資料については、政府のほうでお出し願えますか。
#48
○政府委員(根道広吉君) できるだけ速かに御要求の資料を提出いたしたいと思います。
#49
○委員長(カニエ邦彦君) それでは連合委員会はこれで終了いたします。
   午前十一時五十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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