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1951/06/09 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 内閣・厚生連合委員会 第3号
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1951/06/09 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 内閣・厚生連合委員会 第3号

#1
第013回国会 内閣・厚生連合委員会 第3号
昭和二十七年六月九日(月曜日)
   午後零時十五分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
  内閣委員
   委員長     河井 彌八君
   理事
           鈴木 直人君
           中川 幸平君
   委員
           横尾  龍君
           竹下 豐次君
           上條 愛一君
           栗栖 赳夫君
           松原 一彦君
  厚生委員
   委員長     梅津 錦一君
   理事
           井上なつゑ君
           深川タマヱ君
   委員
           小杉 繁安君
           常岡 一郎君
           河崎 ナツ君
           山下 義信君
           谷口弥三郎君
  国務大臣
   労 働 大 臣
   厚 生 大 臣 吉武 惠市君
   建 設 大 臣 野田 卯一君
  政府委員
   行政管理庁次長 大野木克彦君
   行政管理庁管理
   部長      中川  融君
   厚生政務次官  松野 頼三君
  事務局側
   常任委員会專門
   員       杉田正三郎君
   常任委員会專門
   員       藤田 友作君
   常任委員会專門
   員       草間 弘司君
   常任委員会專門
   員       多田 仁己君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○厚生省設置法の一部を改正する法律
 案(内閣提出・衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(河井彌八君) これより内閣・厚生両委員会の連合委員会を開会いたします。
 厚生省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
#3
○谷口弥三郎君 私から一応お伺いしたいと思います。今回の厚生行政の機構改革に当りまして、厚生省内に今現にありまするところの引揚援護庁とかというのが内局になりましたり、又統計調査部なども廃止されるというのでございますが、特に最近の情勢から申しますというと、統計調査部のごときは極めて必要な部でございまして、而も聞くところによりますというと、この本年の八月から七週間に亘りまして西大西洋地区の衛生統計ゼミナールを開催される、それには而も我が日本にその全体を委託されているというような場合でありまするので、厚生省の統計調査部というものの部の活動が極めて必要な場合に、これを廃止するとか或いは部長がなくなるというようなことは、非常な損失ではなかろうかと存じますが、この一部の廃止によりましてどういう効果並びに利益を生ずるのでありましようか。又なぜその部を廃止せんければならんかということについて、十分なる御説明を願いたいと存じます。
#4
○国務大臣(吉武惠市君) 統計調査部廃止の理由でございますが、これは御承知のように、今回政府といたしましては單に厚生省ばかりでございません、政府部内全般に亘りまして機構の簡素化を図ろうという趣旨の下に行なつているのでありまして、機構も戰前に比べまして、御承知のように役人にしましても、機構にいたしましても非常に膨脹したのであります。而も一方敗戰の結果、国の財政が御承知のような状況であるというときに、機構ばかり大きくなつてそのまま存置するというのは如何にも無理ではないかというところで、万難を排して政府といたしましては今回簡素化を思い立つたようなわけであります。でありまするから機構は大きければ大きいだけのいいところもございますけれども、さて統計調査部が部でなければ仕事ができないかと言いますというと、部がなくなりましても仕事には支障は私どもはないとかように存じております。まだほかの部局もございますが、私も長い間役人生活をして参りまして、とかく役人というものは仕事をやろうという熱心さから先ず手をつけるのが機構と人数でございまして、人数を取り、機構を大きくすれば如何にも仕事をしたというふうな恰好になるわけでありますが、実際はその衝に当る人の熱意、人物ということにむしろ主眼があるのでありまして、ただ人が殖えたら恰好は如何にも仕事をするように見えますけれども、必ずしも機構が大きいからいいというわけでもございませんので、今回御審議を願つておりまする統計調査部の仕事にいたしましても、又若干ほかのほうの部局の縮小にいたしましても私はこの程度の縮小で事務の支障は決していたさないで済むという感じを持つておるわけでございます。
#5
○谷口弥三郎君 只今の御説明によつて、なお先刻お伺いいたしましたいわゆる世界保健機関におきまして、日本に特に今回は西大西洋地区衛生統計ゼミナールなどを委託されてやらんならんというのですから、普通のこれまでの場合と違うと思いますので、それで特にそういうものを大きい仕事をせんならんのに廃止するということはどうかということをお伺いしておるわけですから、どうぞそこをもう一度……。
#6
○国務大臣(吉武惠市君) 只今御指摘になりました仕事にいたしましても、部を廃止したからそれで支障を来すとは私ども考えておりません。そういう仕事は現地的な仕事でございまするし、又一部長だけに任しておかれる仕事でもございません、私ども次官以下、やはりこれに対しては相当の関心を持つて指導しなければならんことでございまするから、部を廃止しましても決して支障を来さないだけのことはいたすつもりでおるのでございます。
#7
○谷口弥三郎君 それでは先に進みまして、今回の統計調査部におきましては、これまでは部長という名前があつたのでございますが、今回は調査官という名前に変つておりますが、これは従来の部長とどういう違いがありますでしようか。調査官というと何か浮いたような存在であるように思われるので、部長で部内を十分監督することができるのか、それらの点についてお答えを願いたい。
#8
○国務大臣(吉武惠市君) 部長と申しまするのは、御承知のように局長でもない又課長でもない、中間に立つて各課を統轄する組織でございます。併し今度の統計官というのは、そういう專門的な知識についての指導をするという立場にあるわけで、各課長を統轄して指揮命令をするというものではないわけでございます。そういう組織を作りまするというと、組織が段々複雑に大きくなつて来まするから、各統計の課は官房内のただ課として存立をする、併し專門的な知識その他につきましては、そういう統計官というものが、指導し得るということで、組織としての統轄はしないということでございます。
#9
○谷口弥三郎君 それでは次に今回の廃止に当りまして、例えば衛生局などにも次長をのけてしまうということでございますが、これまでは次長があつてもなかなか衛生局などでは忙しくて十分な活動はなかなかむずかしいように思つております場合に、次長を特にやめさせるというのでは、これはどうも仕事がうまく進行せんのじやなかろうかという心配があります。無論一面できるだけ人員を整理するという気持はわかりますけれども、特に忙しいような局の次長までものけんならん、又これによつてどういう利益があるかというようなことについて御説明を願いたいと思います。
#10
○国務大臣(吉武惠市君) お話のごとく局長の下に次長があれば、それだけ便宜には違いないわけでございます。併しながら次長がないからといつて、私どもそう仕事に支障を来たすとは思わないわけであります。実はよく御承知でございましようが、私も一時衛生局にもおりまして、最初まあ戰争前のことでございまするから、今の衛生行政とは相当格段の差はございますけれども、元は衛生局一局でやつて、又それに予防局ができて、二つくらいでずつと戰前やつておりまして、それがまあ今日では三局になつておるような次第で、元の局長は事務系統の局長がやられたこともありますれば、又いわゆる技術関係のかたが局長をやられたこともございます。その時でも別に次長がなくても十分仕事はやれるのであります。次長がおればおるだけそれは便宜でありますけれども、次長がなければそれじや仕事が進まないかというと、私どうもそうも思わない。で財政的に裕りがある時は私は置いたほうがいいと思いますけれども、今日のようなこの財政の状況におきましては、私できるだけなくて済むものはなくて一応やる。そうして段々財政が回復してから徐ろに拡充を図るということでいいのじやなかろうかと、私はかように存じておるわけでございます。
#11
○谷口弥三郎君 それでは一応まあ先に進みまして、この国立公園などにおきましても、日本は少しでも、いわゆるできるだけ外国人を呼び寄せて、そうして外貨の獲得をしようというような面もあります。又国立公園は、これはどうしても日本として今後十分発展整備させる、させなければならんところでありますからして、これは公園部というのはぜひとも残したいと思つておつたのが、今回はこれも廃止される、従つて部長もなくなるというようなことにつきましての御説明を承わります。
#12
○国務大臣(吉武惠市君) これも部があれば結構でございますが、この仕事も私実は国立公園法を制定する当時から関係をいたしておつたものでございますが、最初国立公園法を作りました時の仕事は、課もなくて府県課の中の一部局で実はやつていたわけであります。土木の仕事になりますと、これは建設省のほうに関係がありまするので、公園の計画なんかをやる仕事と監督だけでございまして、当初のころは国立公園を指定して、その後そう沢山の数は殖えていないように私思つておりますが、その当時課もなくて一府県の課の中でやつていたくらいでありまするので、そのまま部にまで非常な発展をしたわけでありますから、私は部がなくても課がございますればやつて行けるのじやないか。この公園の重要さは御指摘になりましたように、日本の自然の風致というものを害さないで保存して行く、そうして外貨獲得その他の面にも資するということ、これは私大事だと思いますので、この仕事については私は些かもゆるがせにしてはならないと思いますけれども、機構につきましては、そう部でなくてはならないというよりも、むしろこれも部局といいますか、部局でなくて課となりますれば、課に本当の專門的な熱心な人を抱えて置くことが私は大事だと思います。部長がおるから仕事がよくなるはずではございませんので、本当の專門的な熱心なかたが存在されれば、私はこの仕事はうまく行くのではないかと、かように存じておるわけであります。
#13
○山下義信君 私は厚生大臣に質問がないので、行政管理庁長官に質問したいと思います。
#14
○委員長(河井彌八君) 何か厚生大臣に御質疑がありますればこの際……。
#15
○松原一彦君 厚生大臣に私伺いたいのですが、私も若干厚生委員を勤めて内部の事情も知つておりますが、今次長はのけても仕事の上に差支えはないというお答えでございましたが、医務局などは現に今度六十六の国立病院の移讓をやろうとしております。そうして医務局の仕事は相当附属機関等もあつて、医務行政、医療行政というものが今急を要しているのでありますが、殊に御承知のような医薬分業等の問題も解決しなければなりませんが、それに技術出身の技監による局長で一体捌いて行けるという御自信がおありになるでしようか、どうでしようか。私はそこにはどうしても補佐的な專門の事務官的次長がなくてはやれないのじやないかというふうに外から見ているのでありますが、この点に対してあなたはどういうようになさる御自信がおありでしようか。
#16
○国務大臣(吉武惠市君) 局長が技術屋でございまするから次長に事務屋が欲しということは、一応考えられますが、さてそれなら次長がなければ仕事ができないかといいますと、先ほど申しましたように、これは十分やつて行けます。役所の中というのは、どこかに中心になる骨がある人物があればこなされて行くわけであります。従つて次長がなくなれば課長にその人を得るということが必要になつて参ります。その人事のやり繰りその他につきましては、勿論考えて行かなければならん点ではございますけれども、次長という組織がどうしても必要かということになりますと、私はさように考えておらない。次長というようなものがだんだんと出て来て、最近の各役所には次長制度が非常に殖えて参りました。この次長制度が殖えて参りますと、昔のように課長というものに対する重みというものがなくなつて来まして、そうして次長にみんな頼るということになるわけであります。次長がなくなりますると、課長というものに責任が強くかかつて来て、課長はしかりしていなければならないというふうになるわけでありまして、これは私も役所の生活をして参りまして、つくづくそういう点を感じておるわけでありまするから、次長が減りましても、仕事の上におきましては、私は支障なしにやつて行く工夫をこらすことができると存じております。
#17
○松原一彦君 大変案に相違したるお答えを得まして私は驚くのですが、それならば今日まで次長を置いておりましたのは冗官でございますか。そういう冗官をあなたはお置きになつておいでになつたのですか。
#18
○国務大臣(吉武惠市君) 私は冗官とは申しません。次長があればあつて便宜でありましよう。その代り次長が中心で仕事をすれば、課長がそれだけ楽になつて行くという仕事振りになる。だから次長が財政その他の点でなくなるということになれば、他に重みがかかつて来る。併しそれは人事のやり繰り、或いは勉強努力によつて補うことができるということを申しているわけでありまして、現在の次長が冗官であつたとは申しておらないのであります。
#19
○松原一彦君 厚生大臣は今兼任しておやりになつておつて、八面六臂の大臣を得ておりますから、それでおやりになつて行けると思いますけれども、それならば厚生大臣は、人さえ得れば兼任のままでも今のままで十二分にやつて行けるお考えでしようか。
#20
○国務大臣(吉武惠市君) 私は満足な仕事をしておるとは思つておりませんが、不敏ではございまするけれども、一生懸命やりまして、今のところ何とかやり通しておるわけでございます。これは大臣は專任を置かれるがいいと思います。
#21
○松原一彦君 私は、そういうふうにあなたは大変厚生行政を軽くお考えになつておるのじやないかと思う点を遺憾とするのであります。厚生行政の重大であることについては、私は昨年定員法のときにも十二分に申したのでありますが、日本民族のこの生命を管理しておる重大なる役所であります。ここでこの仕事をば軽く見られることは実に遺憾千万であります。特に今回の行政整理の全体を通観しまするというと、厚生省には今回、外局であるところの引揚援護庁をば内局に廻されております。これは将来あなたの方面の仕事が減るであろうとは思われますが、形式の面から言うというと七局になるのであります。これを通観しまするというと、文部省と労働省が四局で、六局持つておるのが法務府と外務省と郵政省であります。七局が大蔵、運輸、農林及び今回の厚生、只今八局になるものが通産省でありますが、この従来の例から言いますというと、五局以上には官房長が置かれておる。それ以下には官房長はない。別に官房長を置かなければならんということはどこにもありませんから、それでいいのでありますが、今回外局の引揚援護庁が中に入つて七局という、八局というのが通産省だけでありますから、厚生省は厖大なる機構を持ちます。而も附属機関の多いことにおいては、実に驚くべき大きな附属機関を持つて、人事の運営等においても、非常な大きい責任を持つておられるように思うのでありますが、然るに今回五局になりました建設省には官房長が新たに置かれるのであります。厚生省は七局になりましたけれども官房長はないのでございます。官房長のないのは、文部省と厚生省と労働省だけであります。あなたの御所管だけは、官房長がないのであります。これは私は野田さんにも、あなたの御所管と言うてまあ限定するわけには行きませんけれどもが、現実はそうなつておつて、建設省は今回五局になつて、官房長が新たに置かれる。そこで事務の分量に対するところの資料を出して頂いたのでありますが、誠に建設省には新らしい事務が官房に加わつております。併し厚生省といえども外局であつた引揚援護庁には官房があつて、そうして事務官が置いてある。これが当然今回は内局になりまするというと、その官房の仕事は厚生省の官房に移ることは当然であります。この仕事の分量の大きいことは、昨年来御承知の通りであります。形の上から申しましても、厚生省は厖大なる省であります。その厚生省の、七局を持つ厚生省には異例に官房長がない。労働省は勿論文部省と共に四局でありますから、これはまあ今までの形から申しましても、なくて済んでおるのでありますが、厚生省に官房長を御要求になつたのかならないのか、私は厚生大臣にお尋ねしたい。
#22
○国務大臣(吉武惠市君) 私は厚生省に官房長を要求いたしませんが、官房長の制度はよその省にはございますけれども、私はその必要はないと思います。
#23
○松原一彦君 ないですか。
#24
○国務大臣(吉武惠市君) そうです。これは次官というものがおつて、官房を統轄しておるのでありますから、次官のおる下にもう一つ官房を統轄する官房長を置くというのは、よほど考えものである。私はかように存じております。
#25
○委員長(河井彌八君) それは内閣委員会で願いまして、山下君に……。
#26
○松原一彦君 私は今吉武厚生大臣は、官房長を持つておいでにならざることを以つてお得意になつておる。吉武厚生大臣から官房長の無用論を承わりました。これは国務大臣の一人としてさような御持論をお持ちになりますので結構であります。次官さえあれば官房長は要らん、野田国務大臣もどうぞ耳にとめてお置き下さるようにお願いいたします。質問を終ります。
#27
○山下義信君 私は野田行政管理庁長官に二、三の点を、厚生省設置法に関係いたしまして伺いたいと思うのでありますが、その前に連合審査の点につきまして私は内閣委員長の御所見を承わつておきたいと思うのであります。
 今回の行政機構の関係法案と言いますか、行政機構の問題は非常に重大でありますことは言うまでもございません。多年我が国の、これは何と申しますか、大懸案でございます。今回漸くそれが政府の方針として出揃つて参りました。これは私は何と申しましても、国の政治の組織でございますから、組織がなければ政治も動きませんし、如何なる組織を作るかということは、即ちその政治の方向を示すものでありまして、非常に重大であると思います。従いまして内閣委員会におかれましては、実に熱心に且つ愼重御審議相成りますことはもとよりでございまして、ひそかに私ども熱心な御審議に対しましては、我々敬意を表しておるわけでありますが、各省に関係がありまするに従いまして、本日のごとく連合審査の委員会をお持ちに相成りますことは、ただに私ども厚生委員会との連合審査のみならず、各関係の常任委員会等におきましても、又漸次従来からも、又今後も連合審査をお許しになり、お持ち下さることであろうと思うのであります。併しながら私は従来の国会における連合審査のあり方というものを見ましても、これは将来国会の運営の上におきましても非常に検討いたしまして考えなければならん一つの問題とも思うのでありますが、言うまでもなく連合審査のこの委員会におきましては、私どもこの審査において発言をお許し下さいました委員側の者は、最後におきまして採決権がございません。従いまして等しく国会の運営の審議の一方式ではございますが、窮極におきましては部外の、議員以外の者をお呼びになりまして、その参考意見を聽取せられることとやや同じことに従来結果が終つておると私は思うのであります。これは我々議員といたしましては、然らば本会議において議決権があるじやないかということになりますると、最終の議決権は持つておりまするけれども、委員会における議決権は只今の国会法並びに議事規則におきましてはございません。従いまして我々の意見はややともいたしますと、單に参考意見を聞き止めおくという程度に流れやすい弊害がありますることは周知の事実であります。それは私は非常に遺憾に存ずるのでありまして、部外者の意見もいやしくも国会の証人若しくは参考人として招致いたしました以上は、その言論に耳を傾けた以上は、その可否採択につきましては、議員といたしましても非常な考慮を払わなければならんと存ずるのでございます。殊にいわゆる院内におきまして一つの議院、一つの委員会の審議形態として連合委員会というものが持たれました以上は、これに参加いたしましたる委員の、その言論と申しますか、主張と申しますかということにつきましては、当該の委員会におきましても非常にこれを御重視下さるのでなけらねば、ただ單にこれが一つの形式に終つて、こういう審議過程を取つたのだから、一つの何と申しますか責任逃れと言いますか、言い訳と申しますか、言訳が立つと言いますか、これを以てあらゆる関係の常任委員会の一応の審議が済んだというがごとき、ただこの口上逃れのような形に結果が終りますようなことに相成りましては、私は実に遺憾に存ずるのでございます。常に私ども議員の立場におきましては、国会の権威、国会の審議という上におきまして、深甚な注意を、朝野いずれの政党に属しておりましても考えなければならんと思いますので、殊に今回のごとき行政機構の改革の問題につきましては、或いは世上伝うるごとく、それぞれの常任委員会がそれぞれ所管の政府当局なり事務当局の懇請、或いはそういつたような関係からいたしまして、あたかもそれらの代弁をするがごとき世上の批判もあるわけでございますが、その辺も我々大いに注意をいたさなければならんけれども、委員会が独自の立場を以ちまして主張いたします意見等につきましては、本委員会におかれましても特に深甚な御考慮を加えて頂きまして、重なる委員個人の意見でなく、当該常任委員会が各派一致或いは常任委員会一致を以ちまして持つておりまする意見等につきましては十分御傾聽下されまして、その意見を聞き、深甚なる御考慮が審議の上に願われまするかどうかということにつきましての委員長の御所見を承わつておきたいと思うのであります。且つ又かかる行政機構の改革の問題につきましては、單にこの機構の、何と申しまするか、組織の表の上の問題ではなくいたしまして、言うまでもなく貴委員会におかれまして御愼重に御審議相成りますることは、その裏にひそんでおります諸々の我が国の政治の問題につきまして御考究相成る点等から顧みましても、十分審議を盡させて頂かなければならんのでありまして、当連合委員会も三十分や一時間を以て私は済み得ないと考えておるのでございまするが、十分に連合委員会についての審議のでき得まする何と申しまするか、お運びを願われまするかどうか。即ち十分なる審議時間をお與え下さいまする御用意がありまするかどうかということにつきまして、私は先ず議事進行上内閣委員長の御所見を承わつておきたいと思うのであります。
#28
○委員長(河井彌八君) 山下君にお答えいたします。内閣委員長に対する只今の御意見は御尤もだと考えております。内閣委員会におきましては、連合を申込まれました委員会に対しまして未た曾つてお断りをいたしたことはありません。そうして随分短かい期間におきまして十分な審議を遂げまするために、先ず以て連合を申込まれました委員諸君からの御発言を承わりまして、十分これを尊重して来ておるのであります。従いまして今山下君がお述べになりましたような御心配のないように努力をいたすことにいたしております。なお、その一つの例として申しますれば、この間の恩給法の特例に関する法律案、あれなどにつきましても、委員長報告をお聞きになつたならばよくおわかりと思いまするが、山下君のその連合委員会においての御発言は、随分強く委員会にこれを尊重いたしまして取扱つておる事実があります。私は委員長としては勿論でありまするが、委員会の諸君が、内閣委員の諸君が、やはり同じ態度を以て連合委員会の委員諸君の、連合を申込まれた他の委員の諸君の言論を尊重しておるということについては、はつきりと申上げますが、間違いないことである、かようにお答え申す次第であります。
#29
○山下義信君 委員長の御統宰の御方針を多といたします。なお、いま一つお願いをいたしておきたいのは、そこに厚生委員長も御列席でございますが、本日はすでに十二時を経過し、一時になんなんといたしておりまして、晝食時間を失しておるわけでございますが、一応野田長官に伺いまして、でき得るならば私どもは、この厚生省設置法案は厚生委員会に付託には相成つておりませんが、委員におきましては下相談と申しますか、一応打合会は概略いたして参つたのでございますが、なお本日の厚生大臣の先ほどの谷口委員並びに貴委員会の松原委員の御質疑等の御答弁等を総合いたしまして、私ども厚生委員会でこの設置法を、打合会におきまして十分検討いたしまして、いま一度厚生委員会の最後の、何と申しますか、まとまつた意見を持つて参りますることが至当ではないかと考えております。従いまして私はいま一つ本日の議事進行について委員長にお願いいたすのでございますが、他の委員各位の御質疑があればともかくもでありまするが、私といたしましては、簡單に大要の質疑を許さして頂いておきまして、本日は一応これで散会して頂きまして、いま一回連合委員会を持つ機会をお與え下さいますかどうかということを伺つておきたいと思います。
#30
○委員長(河井彌八君) 山下君にお答えいたします。今日のこの議事の状況によりまして、その取計らいをいたすつもりでおります。
#31
○山下義信君 野田長官に伺うのでございますが、厚生省設置法だけでなく、諸々の他の設置法共通の問題であるわけでありますが、今は厚生省の問題として伺います。
 次長を置くとか或いは置かないとかということにつきましては、何らかの原則をお持ちになりまして、それが厚生省の場合にも当てはまつて或いは廃止されるというようなことになつたのでございましようか。今回の行政機構改革に際しまして、次長制について持たれました基本的なる方針について承わつておきたいと思います。
#32
○国務大臣(野田卯一君) 次長につきましては、既存のものと新らしく設けたものとあるのでございますが、今回の行政機構の改革におきましては、御承知のように各内局及び官房等にありまするところの部というものを廃止いたしました。又外局を内局にいたしました結果、外局であれば中に部がありますが、それが内局になつたために部がなくなつた。こういうような問題が生じたのであります。この際部長というものがなくなつても仕事がやれるというところにつきましてはやつて頂く、併しなら仕事のいろいろな関係におきまして、この部長というものがなくなつてしまつて、そこにいわば穴があいて当面仕事の円滑な運営に支障を来すと思われるようなところにつきましては、いわゆる次長というものを置くことになつておりまして、その仕事の円滑なる遂行を期するというふうな方向にいたしたのであります。内局に何人の次長を認めるかということは、その省における或いはその局における仕事の分量、或いは仕事の在り方というようなものを勘案いたしましで数字をきめたわけであります。なお既存の次長につきましては今回の行政簡素化の精神に則りまして、次長を置かなくても済むものは極力これをやめて頂く、こういう方向に進んだのであります。その結果若干の次長がなくなつた、こういうことに相成つている次第であります。
#33
○山下義信君 御方針は大体わかりました。そういたしますると次長が、何と申しますか、増加いたしますというような二とはあるのでございましようか、ないのでございましようか。
#34
○国務大臣(野田卯一君) 次長だけの数をとりますと、只今申しましたように、今まで外局であつたのが内局になりまして、従つて外局時代の部長がなくなり、内局になつて次長というようなことで、数から申しますと次長の数は今回の行政機構改革を通じまして若干増加いたしました。
#35
○山下義信君 厚生省の場合は次長がすべて廃止されまして、例えば公衆衛生局の場合のごときも部長がなくなつてしまつても次長を置かないということになつているのでありますが、世間伝うるところによりますと、例えば農林省の林野庁でありますか、これを庁から内局にする。その代り次長が大変殖えるというようなことを聞いておりますが、果してそういうことでございましようか。又そういうことに対しまして長官は御賛成になりますか、どうでしようか。
#36
○国務大臣(野田卯一君) 農林省の場合におきましては、農林省の食糧庁、或いは林野庁というような外局があつたわけでありますが、これを今回の外局を内局化するという根本方針に基きまして内局化いたしているのであります。その結果各外局には三人の部長がありましたが、内局にいたしまして次長が新設になつたのでありますが、それが政府の原案であります。その点につきましては衆議院でいろいろ論議されました結果若干の次長が殖えるとか、或いはその他の特殊の措置、特殊の次長を置いたのでありますが、特殊の任務を持つた次長的な存在というものが若干増加いたしました。衆議院で修正されまして増加になつた、こういう事実があるのであります。
#37
○山下義信君 私もその事実を承わつたのでありますが、私は長官がそれに御賛成なさいますかどうですかということを聞いているのであります。
#38
○国務大臣(野田卯一君) 私原案を出している者といたしましては原案がいいと思つております。併しながら私は議会の審議権という建前がありますので、議会の審議権も尊重しなければならん、こういうふうに考えているわけであります。
#39
○山下義信君 それはまあ私は何もそういうことに、今農林省のことをやつているのじやありませんから追及はいたしませんが、お座なりの御答弁でありますれば困るのであります。そういうことは長官もお困りだろうと思う。
 それで私は率直に申しまして、一つの原則でもう無差別にずつとやるならば何をか言わんやであります。結構であります。併しながら或るところは膨らまし、或るところはへこまし、或るところは出直し、でこぼこしてやつて行くというようなことでございますると私は承服なり難い。こういうような不公平な措置がありますと、それは面白くないことでありまして、私は強いて野田大臣の答弁を求めませんけれども、余り賛成なさらんことだろうと思う。そういうことをお認めになるようならば一波万波でありまして、これはことごとくやり直さなければならない。大臣も参議院の御所属でございまするからよく御承知でありましようが、非常に影響があることを私は申上げなければならない。
 今一つ伺いますのは、外局の廃止でございます。これは飽くまで頑強に衆議院におきましても與党、政府が御努力に相成りまして、その方針は一貫なさつたようでありますが、あくまで外局という制度は、これは廃止してしまえという御方針でございましようか、如何でありましようか、実は私も当初この行政組織の関係は、国会におきまして決算委員会の所属でありまして、私ども一年半ばかり同僚諸君とやつたことがあります。当時外局ということにつきまてはいろいろ検討いたした記憶があるのでございます。今回全部お廃しになる御方針でございましようか、如何ですか。
#40
○国務大臣(野田卯一君) 外局につきましては、今回の行政機構改革におきましては、審判的機能を営むもの以外のものについては原則としてこの際廃止するという方針をとつたわけであります。なぜそんな方針をとつたかという問題でありますが、これにつきましては、現在行われております国家行政組織法の建前、或いは内閣法の建前をいろいろとよく検討いたしまして、外局というものは結局本省に対して相当な独立性を持つというところに一つの大きな、最大な特徴があるのであります。従いまして外局にするものは本省から離れて或る程度独立性を持つてやることが必要である。審判的な機能を営むものはやはり外局といたしまして、本省から独立性を持たしたほうがよろしいという、或いは組織全体の建前からいたしまして、そういうものに限定さるべきものじやないかというふうに考えておるのであります。外局の問題につきましては国家行政組織法ができます前の政府における外局の取扱いを見ますと非常に区々に流れております。名称が違えば機能もはつきりしない点があり、又いろいろな点において雑然としておつたのでありますが「それが国家行政組織法によりまして体系が打立てられ、而もそれが二十四年から施行されたのでありますが、その後新らしく立てられた外局の体系に基いて必ずしも行われて来ておりませんが、今度の行政機構改革におきましてはその建前を相当程度貫いて、審判的機能を営むもの以外は原則として取りやめる、こういうことに相成る次第であります。
#41
○山下義信君 厚生省におきましては引揚援護庁が廃止になりまして内局になるということにもなつておるのであります。それに関連して伺つているわけなんでありますが、大体の根本的な原則をそういうふうにおきめになりました以上には、私は国家行政組織法の中でちやんとこれを明確になさるべきが本筋だと思うのであります。行政組織法で、行政組織体の上ではつきり認めるものと認めないものとを、原則を明確に打立てなさるならば、ここに議論はなくなるわけでありますが、私は不幸にしてまだ承わつておりませんししますので、分りませんので伺うのでありますが、今回の各省設置法の改革に睨み合せましてお考えになりました原則的な諸問題を、国家行政組織法の中で改正せらるべき御提案でもありましたかどうかということを伺いたいのであります。
#42
○国務大臣(野田卯一君) 今度の機構改革によりまして我々が提案いたしておりますものを、各省の国家行政組織がりあますが、各省の設置法が集つて一つの国家全体の行政組織ができるのであります。その全体を今申しました方針に基いて貫いて参りますので、全体的に見れば只今申しました方針が明確に出て来るものと考えております。
#43
○山下義信君 私はその大体の基準は、国家行政組織法であるのですから、原則的なものをここで打出しておられるならば、なぜ基準的なものの中に明確にされなんだかということを伺つておるのであります。
#44
○国務大臣(野田卯一君) 私はちよつと質問の御趣旨を取り間違えたかも知れませんが、外局というものはこういうものでなければいかんという表現をしたらいいというような御趣意かと思いますが、それも一つの方法かと思います。併しながら我々といたしましては、現在の各行政組織法の中の各條から出て来ました外局を、どう取扱われるかということははつきりいたしておりますので、その線に沿つて組織の点から見まして、その組織に適応するような機構のものをそれに当てる、そういうような考え方で進んで来ておるわけであります。
#45
○山下義信君 その点の無用な論議をいたしませんが、私ども今回の行政機構改革が、一定の一つの我が国の行政組織体系の上におきまして一つの基準を以て、原則を以て打ち立てられたということでありますならば、こうして各常任委員会が各省設置法を区々に特に議論する必要はない。それで根本的な国家行政組織法の中にはつきり原則を、基準を打ち示して行くべきが、私は至当である、それと併行して、一方には原則に関する改正案を出し、一方には睨み合せて、それによるところの各省設置の改革がなされるのだと、私はこう思つたのですからお尋ねした。併しそうでないとするならば、各省の実情、或いは各省の要望によりましてこれはどこまでもやらなければならない。大体審議の方針もそう持つて行かなければならないということになる。一定の大原則ではなくして、一応何といいますか、一応一つの、各省毎によるところの、こういつたことであるというならば、その方針で審議して行かなければならんことになるわけであります。従いまして私ども厚生委員会として、厚生省の設置法案を見たときにいろいろな我々の要望も、ここに審議の過程において打出して行かなければならないということになるわけです。私は惜しいことであると思つておる。従いまして私はこの際、野田長官に伺いたいと思うのは、一体政府は厚生省というもののあり方についてどう考えておるか、その根本的な考え方を聞きたい。厚生省のあり方というものをどう考えているかということは、厚生省の機構なり、事務なりやつているこの仕事の内容、全体というものをこのままでよいと考えておるか、どう考えておるかということを私は聞きたい。このままの形態で行くという政府の方針ならば、今の厚生省の受け持つておるその立場、仕事の内容のやりよいように作つて行かなければならない。併し厚生省というものの、あの仕事についての政府に何らかの考えがあつて、例えば今日まで行政機構改革の一案、二案等々でありましたか、私ども紙上で見るだけでありますが、野田長官なり前長官以来御苦心になりましたような、或いはこれは社会省のごときで行くべきだ。ここに労働大臣もおいででありますが、厚生省と労働省は一緒になつて行くべきだといつたような、社会保障省という建設の方向に行くべきだというように将来を考えられるか。或いは又アメリカのごとくに、労働省も厚生省も一緒になつて、更にそれに文部省も加えて社会教育省というようなあり方で統一して行くべきだというようなことのお考え等も持たれたのか、一体厚生省のあり方、厚生行政のあり方というものについて、この省を将来どういうふうに持つて行くべきだということの大きな狙いとするところをどう考えるかということを私は伺いたいと思います。
#46
○国務大臣(野田卯一君) 厚生省のあり方ということについての御質問でありますが、私は厚生省が、今分担しております国政全体の中で、厚生省が分担しておられます仕事の重要性は十分認めておりまして、この仕事も十分やつて行かなければならないということを考えておるのであります。併しながらそれを行う組織というものにつきましては、できるだけ簡素にして合理的なものが必要である、こういう立場から見て来ておるのでありまして、一応原案を作るその前の段階におきまして、厚生省と労働省とを一つにしてまとめてやるという案も、社会福祉を中心とする一つの役所を作るという考え方もあつたのでありますが、現在の日本の状況といたしましては、厚生省を先ず一緒にしない現況で行くほうがよかろうというような意見に落着いたわけです。私は今度の行政機構改革を通じまして感ずることでありますが、国がこの問題につきまして、非常な力を注ぐということの表現として役所を作るということがよく言われるのでありますが、この点につきましてはよほど考慮を要するのではないか。もう国政全般につきまして、各部門に政府が最善の努力を盡すのは当然であります。その表現として役所を作る。その役所を作るということが、役所が厖大になつて収拾がつかなくなるのではないかという感じもいたすのでありますが、全体としましては役所の組織は簡素にして、強力な責任体制を明確にしてやつて行きたい、こういう方針で進んで参りたいと考えているのであります。
#47
○山下義信君 大したお考えなしに、要するところ当面簡素化をできるだけやつて行こうということでおありになるようでありますから、そのことは別といたしまして、今一つ伺つておきたいのは、中央地方の事務分担等につきましては、もう政府に結論が出まして、皆各省にも関係があるわけでございますが、こちらの内閣のほうで御審議なされておられますか。中央地方の事務分担はもうきまりましたでございましようか、如何でありますか。
#48
○国務大臣(野田卯一君) 中央地方の事務分担の問題につきましては、まだ現在は研究中であると申上げるほうが適当かと思います。今回の行政機構前革に引続きまして、今度は中央官庁の出先機関の改革というものを考えなはればならないと思います。それと関連いたしまして、地方庁にどれだけ、地方団体、地方自治体にどれだけの仕事をさせるか、又中央みずから或いは中中の出先はどれだけのものをやられるかというようなことを今後引続いて検討いたし、成案が得られればそれに従つて又国会の御審議を願わなければならないかと考えている次第であります。
#49
○山下義信君 中央地方の事務分担と申しますか、そういうものは至大な関係がありますから、それがきまりますると、私は自然各省設置法をもう一度おいじりにならなければいけないのではないか。つまり大部分地方に委讓するものがあれば、言うまでもなくそれは縮小して行かなければなりません。併し本当は中央でやるものは殖えるのではなくして、恐らく方向としては地方委讓のものがうんと殖えるでありましよう。又自由党も政府も、現内閣もそういう方針のようでありますから、そうなりますともう一度行政機構の全般に亘りまして御検討になるのではないかというような気がするのでありますが、そういうお考えがありましようか。これで以てもう一切今後行政機構はおいじりになりませんか。これで終りでありましようか、どうでありましようかということを承つておきます。
#50
○国務大臣(野田卯一君) この点につきましては今回の行政機構改革で終りだということは考えておらないのでありまして、行政機構の、現在政府が営んでおります行政運営、行政事務のやり方というものにつきましても、今後も、もうすでに或る分については手をつけておりますが、研究を進めて行きたい。例えば行政事務の中で政府がどうしてもやらなければならないもの、或いは省略し得るもの、或いはもつと簡素化し得るもの、これはきりとあると思います。そういうものにつきましては新らしい日本の事態に即して或いは廃止すべきもの或いは省略すべきものというようなものを検討いたしまして、いわゆる間引と申しますか、そういうものをやつて行きたいということで政府部内におきましても法令整理本部というものを設けまして、法制意見局、将来の法制局が中心になつて今その作業を始めているわけであります。そういたしますと、或る法令は要らなくなり、或る法令はもつと簡素化していいということになりますと、それに伴いまして役所の仕事が減り、従つてそれに従事している人が要らなくなるということもございます。又中央と地方との仕事の分配の変更によりまして移動も起りましようし、更には現在日本の行政の仕事のやり方がいいかどうか、これにつきましてもいろいろと批判があるのでありまして、イギリス、アメリカその他の各国の能率的な仕事のやり方というものをできるだけ日本に採り入れまして行政事務の運営方法を能率化する、合理化する必要があるというふうに考えております。こういうことのだんだん結論が出て来るにつれまして、やはり相当行政機構に対する改革を行なつて行かなければならない、こういうふうに考えているのであります。併しながらそれを待たなくても、現在は現在としてこの複雑厖大化している機構を、現状に即応するように直すべき点も数多いのでありまし、そういう点を怠りなく改革して行きたい、こういうふうに考えておる次第であります。
#51
○山下義信君 時間が時間でございますから私は一つだけ伺つて、委員長、今日は大略の質問で一つ終らせて頂きたいと思いますが、例えば今厚生省の問題でございますから一般のことは伺いませんが、厚生省で申しますと引揚援護庁というものが内局になります。私ども非常に心配をいたしております。何も事務当局の手先になつて代弁してはおりません。良心的に考えて非常に心配をいたしておりますが、それは別といたしまして、こういうことの改革の場合に外局の長官が内局の局長になる、引揚援護庁で申しますと、引揚援護庁長官が今度は引揚援護局長になる。而も長官の地位は自他周知のごとく次官級である、次官に近いものである。そういうものが内局の局長になる。又従来外局の局長であつたものが今度はそれが内局に変らされるということ、或いは次長というか何かになるということになると、これは統計調査部長が統計監といいますか、何だか古めかしい昔の太政官のような名に戻つて来ましたが、公園部長が公園監のようなものになるということは、名前が変えるだけでいいように見えますが、どうも長官というものが局長になり、従来局長であつたものが次長になりますと、言うまでもなく格がなり下つたような気がしますね。これは理窟じやない。そうするとこの頃は降等ということが国家公務員法にもありますが、外国にもあるらしい。例えば朝鮮の捕虜事件で降等というものが最近ありましたが、これは罪なくして只今まで長官であつたものが局長になり、局長が次長になるということは、格下げをするということは、非常に困る。本人一人二人の問題じやない、官界全般の問題です。昔官僚が力強く華やかなりしときならば、こういう措置はただ一人の身上についてでも許されなかつたでしよう。近頃はさばさばとこういうことが行われるのでありますが、これは非常に何といいますか考えなければならんことであります。ここに官僚界の逸材、あなたがお出でになるのですから言うまでもないことでありますが、この官吏の服務紀律を嚴重に言うと同時に、その身分の上にも保障をし信賞必罰を加え、そうして勉強いたしまして、漸進昇進の途がなくてはならんのであります。故なくして名前が変更されて、而も引揚援護庁長官が引揚援護総監になるならよろしいけれども局長に下つて行く。局長というのは一遍済んで上に上つたのが今度局長が次長に下がる。次長が済んで一生懸命やつて局長になり、折角なつたと思うと又次長になる。そう軽々に名前を変更することは、私どもは局が内局から外局になつたという以上に、徒らに身分関係というものが故なくして変更せられて、而も降等のきらいがある、きらいがあるということに置くということは、これは行政組織を司るものが私は注意周到とは言い得ない、そういうことをなし得るということは法規の上にない。何を法的根拠にして徒らに人を大臣から次官に下げる。あなたがたは大臣からすぐ明日次官に名称が変更したら困るでしよう。昨日までの厚生大臣が厚生次官になる。吉武さんもう次官をとうに卒業されている、野田さんにしてもこれ又然り、これはお考え願わなければなりませんが、私はそういう点についてよく何かお考えになつたでしようかならんでありましようかということも、これは承わつておきたいと思うのであります。
#52
○国務大臣(野田卯一君) 只今のお話はなかなか役人にとりまして重大な問題でありますが、私どもの考え方といたしましては今度の行政機構改革に伴いましていろいろと変化が起れば、その際にもとやつておられたかたが今度変つた地位に着かれるか、或いは辞められて新らしい人が着かれるか、そういうことは各省の事情並びにその人の個人的な事情にもよりますので、それにはあまり深く触れたくないと思います。全体から申しましてどうしても行政機構を変更いたしますと必ずお示しのようなケースが起つて来るわけであります。若しそれを下げたくないときには膨脹するばかりのときはよろしうございますが、少しでも縮めたり変更をいたしますと、どうしてもそういうことが起る。ですから私はそこにあまり重点を置いて考えられても困る。辞める場合にはそれに十分の手当をする、十分な考慮を払うということをとらないと、行政機構が非常に固定化してしまつて身動きがならなくなるという慮れがあるのでありまして、私行政機構を前々からいじくつておるのでありますが、アメリカなどの制度を見ますと、役所が必要であるとするとすぐ作る。必要がなくなるとすぐやめてしまうか、小さくしてしまう。非常に彈力性があつて若々しく溌剌と官庁が動いている。ところが日本では一遍役所を作ると、それにしがみついてどうにもならなくなるという傾向がある。これは私は非常に注意しなければならん。日本が若々しく発達して行くという観点から申しますと、この点は余ほど戒心を要するのではないか、そうしませんと、そのときどきのふさわしい行政ができなくなる。今までも大蔵省はどちらかというと役所を作るときにやたらに切ります。一旦作るとあととても縮まらんものですから、非常にやかましくなつて、それがために殆んど行政機構の運営の円滑さが阻害される。必要な場合はどんどん作る、要らなくなつたらどんどん減らす、彈力性を持つて若々しく日本はこれからやつて行かなければならん。辞める人に対しては十分な手当を出す、こういうことは考えなければならんと考えております。
#53
○山下義信君 なかなか一理あります。傾聽いたしました。その点は私も同感であります。何も人を固定的にしておいて考える必要はないわけでありますが、併しながら考えなければなりません。そういう点は運用の上におきまして任命権者も考えなければならんと私は考えるのであります。
 最後に今一つ本日伺つて置きたいと思うのは、引揚援護庁を内局にいたすということでありますが、これは厚生大臣に質疑いたさぬと申上げましたが、私は承わつておきたいと思うのであります。今遺家族の、折角先般お互いに努力いたしまして、苦しい思いをいたしましたが、ああしてできました厖大な事務を持つている、私は何も事務分量から言うのではございませんけれども、いろいろな指令を出し規則を出し、いろいろ告示を出す。それらが外局の長の権限になつておりますことは言うまでもないのでありますが、事を迅速に運んで行かなければならない。これが内局になり、いろいろな遺族に対しまする通知書その他も援護庁長官という名で出るか援護局長という名で出るか、それが更に援護庁長官の通達なしに、今度は文官通牒というか手続というか、私ども素人でわかりませんけれども、事務分量の上から言いましても、事務を迅速に進めます上におきましても、私は今非常に急いでおる、約二百万に近いところの遺家族に対しまするあの援護法を実施いたしまする上におきましては、今組織替えをしたり、がたがた机を動かしたりしますよりは、もう一日も早く、一時間も早くいろいろな事務ははかどつて行かなければならない。いろいろな事務を睨み合せて考えましても、これは遺家族援護法が三月の末までで済むわけでありますから、一応改革は改革といたしておいて、又実行を暫く援護法の実施事務が円滑に終了するまで、これをそのままでやつておくほうがむしろ能率的ではないかという気持がする。これを今組織替えでがたがたすることは困るという意向が非常に強いので、大体衆議院のほうの委員会の御審査のときも政務次官は今退席されたと思うが、政務次官の答弁を速記で私どもこちらから見て聞いておると、実は困る、けれども政府の方針としてこうされたのであるから政府にある側の者からして言うわけに行かないけれども、ということは言うまでもなく、私はそういうことを言うだけ野暮でありますけれども、言外に困ると言われる。全く困るでしよう。困ることを無理にするのは何も能率的ではないわけで、困るようなことの終つたときにやつてよろしいわけであります。そういう点に対しまするこれは打ち解けた話でありまして、たくさんな遺家族の人たちの一日千秋の思いの事務をはかどうして行こうという政府の親心といいますか私どもも希望いたしますので、引揚援護庁というものに対する御所見といいますか、これを厚生大臣と野田国務大臣から承わつて私は考慮の資にいたしたいと思います。
#54
○国務大臣(吉武惠市君) 折角の御好意のあるお言葉でございますけれども、遺家族の援護の問題は極めて重要な点は、お話の通り私どもも非常に愼重に進めておるわけでありますが、今回の機構を簡素にいたしましてそう人数が減るわけでもございませんし、この程度の簡素化で現在やつておりまする実質的な仕事には、私影響ないというふうに存じております。
#55
○国務大臣(野田卯一君) 今お話が厚生大臣からありました通りに、仕事の重要性は十分内閣においても認めておりまして、この実施に当りましては練達堪能な大臣がおられますから、十分遺憾なきを期して行かれるものと、こういうふうに考えております。
#56
○山下義信君 私は両大臣の今の御説明には不満の意を表しておきます。後は国会が自主的に善処するわけでありますが、なお厚生省の設置法につきましては非常に重大な問題を含んでおり、十分審議する必要があると存じますので、次回御続行願いたいと存じます。先ほど野田長官の御答弁の中には、凡そ法律によつて審判をいたすべきような事項については外局の必要があると、こういうことであつたので、審判という事項というものはどういうのであるか、これはこれから研究して見にやなりませんが、引揚援護庁におきましては法律によつて規定せられましたる裁定という、一つの広義に解釈すれば審判の実権を持つている事項があるのであります。これは内局に移して内局の局長が審判をするかどうかということになりますと、この遺家族援護法の中に規定せられたる法律事項に果して牴触するかしないか、もつと政府の研究を要することがあることを申上げまして、両大臣の御説明には不満の意思を表示して私は今日の質疑を打ち切つておきます。
#57
○松原一彦君 ちよつと一言。今日は吉武厚生大臣から大変いい示唆を頂きましたが、行政整理の全般を通じて見て、これは頗る腑に落ちず、どこにも簡素化も整理もないような感じがしておつたのでありますが、安本がなくなつたと思えば経済審議庁が現われて、国務大臣が残るのであります。然るに今吉武厚生大臣の御説によりますというと、官房長は要らないものであつて、これは次官がやればよろしい、又次長は要らないものであつて、次長がなくなつてもそれは課長がこれに代つて事務を処理すると、こういう非常ないい御示唆を頂いたのであります。私はどこかに思い切つたる行政整理ができなくちやならんと思つておつたのでありますが、今回の御説明ではどうもそれが出ておりません。まあ誠に残念でありますが、吉武大臣が行政整理の衝にお当りであつたならば思い切つたものができておつたかと、失礼ですけれども思うのであります。ただこの際次長は全部削減する、削除する。それから官房長も全部やめて次官に任かせる。こういう御意思がおありになるかどうか
#58
○国務大臣(野田卯一君) 只今の御意見極めて私は傾聽すべき御意見だと思いますが、その点につきましては我々十分いろいろ検討したのでありますが、現在の行政事務そのものを、今度は行政機構改革に際しましても円滑に適正にやつて行くという観点から、次長というものを必要な際におきましては経過的に認めるというふうなことをやつているのでありまして、次長制というものは我々はどちらかと言えば経過的な、暫定的な問題に取扱いたいと思いますが……。
#59
○松原一彦君 官房長は……。
#60
○国務大臣(野田卯一君) 官房長につきましても十分検討を加えたいと考えております。今後とも官房長は、御承知だと思いますが、前には事務局長というものが各省にあつて、事務局長が転化して官房長になつたものがかなり多いのでありまして、そういうものもだんだん官房というので取扱う仕事を各省で分掌するというようなことで善処して行けば、官房長いうものがなくても済む場合も生ずるのではないかと考えております。それは将来の問題として十分研究いたしたいというふうに考えております。
#61
○委員長(河井彌八君) 本日の連合会はこの程度にとどめておきます。これを以て散会いたします。
   午後一時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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