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1947/07/03 第2回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第002回国会 司法委員会 第49号
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1947/07/03 第2回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第002回国会 司法委員会 第49号

#1
第002回国会 司法委員会 第49号
昭和二十三年七月三日(土曜日)
    午後三時零分開議
 出席委員
   委員長 井伊 誠一君
   理事 鍛冶 良作君 理事 石川金次郎君
   理事 八並 達雄君    佐瀬 昌三君
      花村 四郎君    松木  宏君
      池谷 信一君    石井 繁丸君
      猪俣 浩三君    榊原 千代君
      中村 俊夫君    大島 多藏君
      酒井 俊雄君
 出席政府委員
        法務行政長官  佐藤 藤佐君
        法務廳事務官  岡咲 恕一君
 委員外の出席者
        最高裁判所事務
        官       角木 克已君
        專門調査員   村  教三君
        專門調査員   小木 貞一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 少年法を改正する法律案(内閣提出)(第一五
 六号)
 少年院法案(内閣提出)(第一七八号)
  請 願
 一 亀山町に津地方裁判所支部、津地方檢察廳
   支部及び津司法事務局出張所設置の請願(
   田中久雄君紹介)(第四六号)
 二 恩赦に関する請願(庄司一郎君紹介)(第
   一八五号)
 三 岩井町に簡易裁判所及び檢察廳設置の請願
   (庄司彦男君紹介)(第六一五号)
 四 軽犯罪法制定に関する請願(林百郎君紹
   介)(第六七五号)
 五 兒島市に簡易裁判所設置の請願(多賀安郎
   君外一名紹介)(第七一二号)
 六 戸籍関係事務費國庫負担の請願外一件(小
   川半次君紹介)(第七四七号)
 七 戸籍事務公吏を官吏に登用の請願(今村忠
   助君紹介)(第八二三号)
 八 鹿兒島市に高等裁判所支部設置の請願(上
   林山榮吉君紹介)(第八七五号)
 九 宮崎市に高等裁判所支部設置の請願(川野
   芳滿君紹介)(第九六九号)
一〇 軽犯罪法制定に関する請願(星島二郎君外
   二名紹介)(第九七五号)
一一 釧路市に高等裁判所支部及び高等檢察廳支
   部設置の請願(伊藤郷一君外一名紹介)(
   第九八〇号)
一二 伊丹市に拘置所支所設置の請願外一件(後
   藤悦治君外一名紹介)(第一二三八号)
一三 姦通に対する男女同罰の刑法制定に関する
   請願(坂東幸太郎君紹介)(第一二五二
   号)
    ―――――――――――――
    〔筆 記〕
#2
○井伊委員長 前回に引き続き請願の審査をいたします。先ず日程第八、鹿兒島市に高等裁判所支部設置の請願、請願文書表第八七五号を議題といたします。紹介議員の御説明を願います。
#3
○上林山榮吉君 紹介議員として御説明申し上げます。今回政府におかれては、裁判所法第二十二條第一項に規定する高等裁判所支部を設置せられることになりましたが、その内一部をぜひとも鹿兒島市に御設置くださるるよう陳情申し上げる次第であります。
 その理由といたしましては、鹿兒島縣は御承知のごとく、九州の最南端いわゆる三十八度線をもつて國境に位する三市百十五箇村人口百七十四万を算する大縣であります。なかんずく鹿兒島市は、空襲によつて灰燼に帰したとはいえその復旧はめざましく、今や西日本の雄都とし、はたまた観光鹿兒島として、大きくクローズ・アップしてきたのであります。
 しかして九州各管内の高等裁判所への控訴事件数を比較致しますると、第五位にあるのでありますが、これは被告人が現に控訴の意思を多分に有するにもかかわらず、交通不便なために、経済的打撃を顧慮してやむなく控訴を断念するものが、大半を占むるのゆえで、これを鹿兒島市において直接控訴審の審判を受くることができますならば、控訴件数は、著しく増大するものと思考するのでありまして、かくてこそ、初めて新憲法の精神にも副い得るものと信ずる次第であります。
 なお当弁護士会は会員六十数名を有する九州管内でも有数なものでありまして、支部設置については、全員総力をあげて考究せられ、現鹿兒島地方裁判所敷地の換地問題についても、裁判所、檢察廳と協力せられ、支部設置等も予想せられて、元敷地に劣らない一等地を得られたのであります。また支部設置実現致しますれば、これに要しまする廳舎並びに職員の官舎等の設備につきましては、縣市合同の上御要求に応ずる態勢を整えるよう計画中であります。
 以上鹿兒島縣議会一致の請願でありますゆえ何とぞ御採択くださるよう御願い申し上げます。
#4
○岡咲政府委員 ただいま御申立の鹿兒島市に高等裁判所支部設置の請願、御趣旨は政府として十分了承いたしました。支部設置の権限は、最高裁判所にありまするので、最高裁判所にお伝えいたします。さよう御承知ください。何分の御援助をお願ひいたします。
#5
○角木説明員 裁判所側といたしましては、早速現地調査をいたしまして、すでに資料も整い、近き將來九州南部に支部を設置いたしたいと計画し、具体的にきめるつもりであります。
#6
○上林山榮吉君 政府並びに裁判所側において、具体的に熱心に考慮せられておりますことには感謝いたします。地元の熱意並びに廳舎、敷地等について、完全な設備について、十分な態勢が整つていることを勘案して、今後十分な御努力を願うとともに、早急に実現せらるることを希望いたします。
#7
○角木説明員 鹿兒島の裁判所並びに弁護士会が、熱心に盡力して、廳舎、官舎、等にまで協力せられていることは、われわれといたしまして、まことに感謝にたえないところであります。実現する日がいつであるということは、今明確に申し上げられないのでありまするが、十分御趣旨に副うよう、今後とも努力いたします。
    ―――――――――――――
#8
○井伊委員長 次に日程第五、兒島市に簡易裁判所設置の請願、請願文書表第七一二号を議題といたします。專門調査員の御説明を願います。
#9
○村專門調査員 請願の要旨を簡單に申しますと、岡山縣兒島市に簡易裁判所を設置されんことを歎願されたものであります。その理由を述べますと、第一に、兒島市は岡山縣南部の産業地帶で、瀬戸内海の沿岸に位し、交通の便よく、また観光地として旅人の出入多く、人口五万余を有し、交通、文化の中心地であります。從つて必然的に各種犯罪増加の傾向があり、聞くところによれば、玉野市簡易裁判所において取扱う犯罪事件中、南兒に発生するものその大半を占める趣きで、交通の便はあるが、日数と経費にむだがあり、不便この上ないのであります。この種事件の皆無を理想とするも、現下の社会情勢においては、とうてい望むべくもないので、当兒島市に簡易裁判所を設置し、一般の利便に供せらるるよう歎願するものであります。またその二といたしましては、廳舎の確保ができており、多少の手入をすれば利用可能であります。
 右事情御賢察の上、御採用相なりたく御願い申し上げます。
#10
○岡咲政府委員 ただいま御申述ベになりました請願の御趣旨は、十分に了承いたしました。兒島裁判所は直轄の裁判所でありまして、國民の利害に関係するところ多く、政府といたしましても、一つの警察について一箇所の簡易裁判所を設ける予定でありましたが、現在は予算の関係上二つの警察署に一つとなつております。御指示のありましたように、兒島市のごときは、玉野市の簡易裁判所まで出頭せねばなりませんので、十分御不便なことは御察しますところでありまして、政府におきましても、最高裁判所と相談して、財政の許す限り御希望に副いたいと、かよう考へております。何とぞ御了承をお願いいたします。
    ―――――――――――――
#11
○井伊委員長 次に日程第九、宮崎市に高等裁判所支部設置の請願、請願文書表第九六九号を議題といたします。紹介議員の御説明を願います。
#12
○川野芳滿君 今回全國の数箇所に高等裁判所支部設置の問題起り、目下九州にも設置するという御計画を承り、ぜひとも宮崎市に設置願いたく請願をいたす次第であります。
 御承知の通り、宮崎縣は、日本の最南端にあり、福岡高等裁判所より地理的に一番遠隔に位しています関係上、上訴等の問題についても、とかく制約されがちでありまして、現在福岡高等裁判所に上訴される件数についてみましても、福岡縣四百件、佐賀縣百四十件に比して、宮崎縣はわずか六十八件にすぎないのであります。これは宮崎縣の地理的理由によるのでありまして、時間と経済の点から、事件は多くとも実際に上訴される件数は、少くなつているのでありまして、ゆえにこれらを考えても、地理的不便な宮崎市にぜひとも設置していただきたいと思つております。又第二の請願理由といたしましては、本縣は南九州地区の中央部でありまして、他の三縣への交通利便の関係、経済問題、その他の諸條件よりみましても、高等裁判所支部設置について、最も公平妥当な地と思われます。特に現在宮崎市にある裁判所の陪審法廷が空いておりますので、実現できますならば、明日からでも実務につけるのであります。建物の点についても便利であり、宿舎も宮崎市に戰災にかかつたが、少部分であるため、まだ多く住宅があるから、ある程度了解を得ております。その他諸事情より見ましても、南九州各縣に比し、最も好條件を具備していると確信している次第であります。從つて宮崎縣においては、宮崎市に裁判所支部設置を縣議市議で一致し、高等裁判所に対して陳情を続けている次第であります。ぜひとも御採択くださるようお願いいたします。
 以上紹介議員の立場より御説明申し上げました。
#13
○角木説明員 ただいま御紹介されました請願の御趣旨、まことに結構でありまして、われわれの調査とも符合いたしております。裁判所会議に相談いたしまして、決定いたしたいと存じます。先般知事が來られて官舎の御心配までいただきましたことは、感謝のほかはありません。実現のため、今後とも御援助を御願いいたします。
#14
○川野芳滿君 最後に一言……。今日は現実の実行が最も大切なのであります。先ほども申し述べましたように、宮崎市は、法廷、官舎も十分完備いたしておりまするから、決定いたしましたならば、明日からでも実現でき得る好條件に惠まれていることを十分御含み願います。
#15
○井伊委員長 次に日程第一一、釧路市に高等裁判所支部及び高等檢察廳支部設置の請願、請願文書表第九八〇号を議題といたします。專門調査員より御説明願います。
#16
○村專門調査員 本請願の要点は、東北海道地方は、高等裁判所所在地たる札幌市より遠隔の位置にあり、かつ交通がきわめて不便であり、そのために從來、上訴権の放棄が非常に多かつたのであるから、これを是正しなければならないとして、釧路市に高等裁判所支部及び高等檢察廳支部を設置せられたいというのであります。
 所在地を釧路市に設定せられたき理由としては、釧路地方裁判所の控訴事件数が從來他に比しきわめて多数に上ること、支部の人的構成は他に比し容易であること、廳舎は現在の地方裁判所の廳舎を併用できること、さらに地理上、交通上、政治経済上の中心点にあること、また釧路市の人口は、現在帶廣市よりも多く、かつ將來の膨張か必須なること等であり、その理由に対する詳細な説明統計が附されております。これが本請願の要旨であります。
#17
○岡咲政府委員 釧路市に札幌高等裁判所支部及び札幌高等檢察廳支部を設置してもらいたいという御請願の御趣旨は、ごもつともに存じます。申すまでもなく、高等裁判所の支部設置についとは、最高裁判所の権限に属しておりますので、最高裁判所に、よく絵趣旨を伝達いたしたいと存じます。また高等檢察廳の支部は、高等裁判所支部が設置されますれば、それに対応して当然考慮せらるることと存じます。法務廳と致しましても、十分研究して御趣旨にそいたいと存じます。何分の御協力をお願い申しあげます。
    ―――――――――――――
#18
○井伊委員長 次に日程第六、戸籍関係事務費全額國庫負担の請願、請願文書表第七四七号を議題といたします。專門調査員より説明を願います。
#19
○村專門調査員 昭和二十二年五月「日本國憲法の実施に伴う民法の応急的措置法」及び昭和二十二年十一月十三日付司法省訓令第四号による旧戸籍の改正並びに昭和二十三年一月戸籍法並びに同施行規則の改正により、戸籍関係事務は、根本的に大変革を來し、著増をみたのでありまして、その重要性に鑑み、優秀職員を増員し、戸籍事務の運営に万全を期する必要があるのであります。しかるに、これに要する経費は、各市とも人件費の著しい増嵩と、諸物件費の急騰により、別紙の通り莫大な額に上り、その財源捻出に多大の困難を來し、現下の逼迫せる都市財政事情をもつてしては、とうていこの重要な戸籍事務を円滑適正に処理致しがたき実情に当面しているのであります。政府におかれましては、右事情御賢察の上、何とぞよろしく都市財政の窮状に思いをいたされ、ぜひとも、本経費は全額國庫負担方を、速やかに実施せられますよう右請願致します。
#20
○佐藤(藤)政府委員 戸籍事務は重要な國家行政事務である。この事務が、從來市町村に委任せられ、経費はその負担となつている。これは戸籍事務が市町村に密接な関係があり、財政も余裕があつたと察する。ただいまの請願にもあつたように、その事務が増加し、さらに地方財政の現状を考えるに、そのまま放置すると、地方財政の破綻を來すおそれがある。政府としても、事務の経費の一部は國庫が負担することが必要であると思うので、着々その準備を進めている。本年度の地方税の中から、戸籍事務の経費として市町村補助に相当額を計上しております。御了承を願います。
    ―――――――――――――
#21
○井伊委員長 次に日程第一三、姦通に対する男女同罰の刑法制定に関する請願、請願文書表第一二五二号を議題といたします。專門調査員の御説明をお種いいたします。
#22
○村專門調査員 この請願の要旨は、結婚生活を純潔に全うし、人権尊重を相互に保証し、合うために、万一、妻ある者夫ある者が姦通したる場合は、同罰の刑法を受けることにあります。
 その理由といたしましては、さきに政府原案國会審議並びに公聽会は、新憲法の名と実に対し、眞の洞察を行うこと薄く、当時の激烈な自由解放の風潮に押されて、一挙に姦通の罰法を全廃されました。しかし遺憾ながら、現実は日を逐うて悪化に傾き、性事件続出するも、何ら制裁防止の術とてなく、加うるに青年男女間に貞操観念が次第に軽視され行く有樣にて、当時憲法の理想面を支持して、一旦廃止を賛成したる者さえも、あらためて貞操問題の深く底なきを嘆くに至りました。宗教の教化力をもつてしても解決できぬことは、人生の機微に触れたる者は、うなずくところでありましよう。急ぎ民族清浄のため適度の道標を示し、制御を促す配慮が必要と痛感いたします。男女両者に均等の貞操義務の自覚と自愛を願う社会戒律として、同罰の刑法を制定することが必要と存じます。
 私は永年坂東幸太郎代議士を通じ、故法博横田秀雄先生の御唱道に從い、男子もまた貞操義務ありとの請願運動をしてまいりましたが、もはや徒らに既往の論拠を墨守するものにてはなく、まつたく現実に即した新しい請願をいたすものでございます。何とぞ御賢察をお願いいたします。
#23
○佐藤(藤)政府委員 姦通をいかにするかということは、重大な社会問題として、学界に議論の存するところでありますが、新憲法においては、男女ともに罰するか、ともに罰しないかの、二つしか考えられないのであります。昨年政府の提出した刑法改正案においては、國会のその判断にお任せしたのでありますが、その結果廃止と決定したのであります。姦通罪の廃止によつて、性道徳に拍車をかけるのではないかと、政府は憂えましたのでありますが、國会が再び改正するならば、格別現在のところ、政府といたしましては、姦通罪廃止をさらに改正する意思はありません。
    ―――――――――――――
#24
○井伊委員長 この際御意見あれば、御発言願います。
#25
○石井委員 前國会における刑法改正審議の際、本委員会において、姦通罪は男女とも罰すべからず、男女の関係は、道徳にまつものだという見地から、男女とも不罰に決定したのであります。その後の経過をみましても、法律の趣旨は普及し、互いの夫婦関係の結合、文化的な家庭の建設の行き方に向いつつある折、時代に逆行する請願は、本委員会において取りあげる必要はないと思うのであります。
    ―――――――――――――
#26
○井伊委員長 次に日程第一亀山町に津地方裁判所支部、津地方檢察廳支部及び津司法事務局出張所設置の請願、請願文書表第四六号を議題といたします。專門調査員より説明を願います。
#27
○村專門調査員 三重縣鈴鹿郡亀山町所在の亀山簡易裁判所及び亀山区檢察廳にそれぞれ津地方裁判所亀山支部(家事審判所を含む)津地方檢察廳亀山支部並びに津司法事務局亀山出張所(甲号)の併設方を請願いたします。
 理由としまして、今春貴院におかれて吾人の請願御採択を賜わり当亀山町に簡易裁判所と区檢察廳が設置せらるることになりましたので、郡民一致両廳舎の筑造内容の整備を急ぎました結果、縣下の新設各地に先だつて開廳を見ましたことは、六万郡民ひとしくこれを誇りとして、感謝措かないところであります。しかるに、両廳の御取扱事項は、きわめて軽微なもののみで、大多数の事件に関しては、依然として津市まで出向を余儀なくさせられるので、現下の多端なる社会情勢と、極度に貧弱な交通條件とに鑑みて、まことに遺憾にたえません。亀山裁判所の管轄区域町村数、人口、地勢、それから交通上より見たる津管轄下での不便、なお過去一箇年間の管轄区下の事件数等よりいたしまして、何とぞ右事情御了察速やかに請願御採択くださるよう懇願いたします。
#28
○岡咲政府委員 御趣旨は十分了承いたしました。政府としては、早速最高裁判所に伝達して、考慮を願います。なお地方檢察廳設置の件は、地方裁判所を設置することができれば、考慮して請願の趣旨に副うように努力いたします。
#29
○角木説明員 交通上の不便はお察しいたします。できるなら支部を設置したいが、人員が不足しているから、全國の状況上、近い將來の約束は困難である。しかし人員が増加し、設置ができるなら、十分考慮いたします。右御了承願います。
    ―――――――――――――
    〔以下速記〕
#30
○井伊委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
 本委員会に付託せられておりました請願の審査は、一応終了いたしましたが、何か御意見はございませんか。
#31
○池谷委員 本日本委員会に付託せられました請願につきましては、日程第一三の姦通に対する男女両罰の刑法制定に関する請願は議院の会議に附するを要せざるものとし、その他の請願は採択の上、内閣に送付せられんことを望みます。
#32
○井伊委員長 池谷信一君の動議の通り決するに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○井伊委員長 それではさように決定いたします。
    ―――――――――――――
#34
○井伊委員長 次に少年法を改正する法律案及び少年院法案を一括して議題とし、審査を進めます。――質疑はございませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○井伊委員長 質疑はないようでございます。大体論議も盡されたので、案についての質疑はこれをもつて打切りたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#36
○井伊委員長 それでは異議なしと認めまして質疑は終結いたします。討論にはいりたいと存じますが、委員長の手もとに少年法の一部を改正する法律案に対する各堂協同の修正案が提出せられております。
 少年法を改正する法律案の修正案
第三條第二項中「十八歳」を「十四歳」と改める。
第二十四條を次のように改める。家庭裁判所は、前條の場合を除いて、審判を開始した事件につき、決定をもつて、次に揚げる保護処分をしなれければならない。
一、地方少年保護委員の観察に付すること。
二、教護院又は養護施設に送致すること。
三、少年院に送致すること。
2 前項第一号及び第三号の保護処分においては、地方少年保護委員会をして家庭その他の環境調整に関する措置を行わせることができる。
第四十六條中「(第二号(ロ)の保護処分を除く)」を削る。
第六十三條第四項中、下段を次のよう改める。
       新 法
      第二十五條第一項及び第二項第三号
      第二十四條第一項第一号
      第二十四條第一項第二号
      第二十四條第一項第三号
提案者の趣旨説明を願います。石川金次郎君。
#37
○石川委員 少年法を改正する法律案の修正案の修正箇所につきまして、ただいま委員長から御報告になつたのでありますが、まず第一番に、三條の二項を修正いたしました理由を申し上げたいと存じます。
 第三條第二項を「十八歳」とありましたものを「十四歳」と修正するのでありますが、この点につきましては、政府委員の説明をよく承り、かつわれわれにおいて、十分の討議を盡したところでありますから、きわめて簡單に修正の理由を申し述べたいと存じます。いわゆる慮犯少年を少年法第一條の目的に副いまして、これを矯正いたしますためには、多少の強制力の必要があると思うのであります。全然強制力なくして第一條の目的を達することは、理想ではありますけれども、現実の状態においては、必ずしもその実現は期し得ないと思うのであります。殊に十四歳から十八歳の少年に至りましては、強制の力を必要とすることは、間々あらねばならないことは現実の状態であります。またこれを実際的に施設の上より見ましても、家庭裁判所の設備となるであろうところの少年審判所は、長く経驗を積み、不良の少年補導のために、十分なる識見と力とをもつておるのであります。これを十分に活用することにおいて、本法の第一條の目的を達成するの近道であると信ずるのであります。もちろん兒童福祉法に基く兒童相談所において、この目的を達成せんとすることも、われわれはあえて反対するものではございません。しかしながら、兒童相談所は発足いたしてからまだ日が浅いのであります。十分將來設備が整いました場合には、その実績の結果、経驗の結果は、これはまた法の修正を考えるということも、必ずしも悪いことではないと存じまするけれども、現実の状態においては、本法の第三條の二項をただいま申したように修正することが、最も目的に副うゆえんであり、かつ國家の経済よりいたしましても、適当なものであると信ずるから、第三條二項の修正を考えたのであります。その他の條文の修正は、三條の二項を修正いたしました結果、原案に多少の表現及び條文整理上欠点がありますために、これを整備いたした次第であります。以上の次第でありまするが、満堂の御賛成を願いたいと思います。
#38
○井伊委員長 まず少年法を改正する法律案につきまして、修正案及び原案を一括して討論に付します。池谷信一君。
#39
○池谷委員 社会党を代表いたしまして、少年法を改正する法律案の修正案に賛成し、修正部分を除いたところの他の部分につきましては、政府の原案に賛成するものであります。
#40
○井伊委員長 八並達雄君。
#41
○八並委員 私は民主党を代表いたしまして、ただいまお述べになりました少年法の原案並びに修正案に賛成するものであります。少年法につきましても、現在青少年の犯罪及び不良化は、最も重大な問題であります。それに対する対策として、まことに時宜を得たものと考えるのであります。その御提案の理由につきましては、政府委員から詳細に拜聽いたしましたし、まことにごもつともであると思います。また修正案につきましても、ただいま提案の理由に御説明がございまして、まことにごもつともであります。賛意を表する次第であります。
#42
○井伊委員長 酒井俊雄君。
#43
○酒井委員 國民協同党を代表いたしまして、議題となつております少年法の修正案並びに原案に賛成の意を表します。
#44
○井伊委員長 松木宏君。
#45
○松木委員 民主自由党を代表いたしまして、議題になつておりまする少年法について、ただいまお述べになりました修正案は、至極適切な修正と存じまかすら賛成いたします。その他は原案に賛成いたします。
#46
○井伊委員長 討論は終局いたしました。これより採決いたします。まず各党協同提案の修正案について採決いたします。提案のごとく修正するに賛成の諸君の御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#47
○井伊委員長 起立総員。よつて全会一致をもつて提案のごとく修正することに決しました。
 次にただいま採決いたしました部分以外の部分について採決いたします。ただいま修正せられました部分を除いて、原案に賛成の諸君の御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#48
○井伊委員長 起立総員。よつてただいま修正せられました部分を除いて、原案の通り決しました。よつて少年法を改正する法律案は提案のごとく修正議決せられました。
    ―――――――――――――
#49
○井伊委員長 次に少年院法案について討論にはいります。石川金次郎君。
#50
○石川委員 少年院法原案に賛成いたします。少年法を改正する法律案が議決せられました以上、当然のことでありまするがゆえに、かつ政府委員の説明を聽きまして、その御趣意きわめて妥当であると考えます。
#51
○八並委員 民主党を代表して賛成いたします。理由につきましては石川委員から述べたことを全部援用いたします。
#52
○酒井委員 國民協同党を代表いたしまして、原案に賛成いたします。
#53
○松木委員 民主自由党を代表いたしました賛成いたします。
#54
○井伊委員長 これにて討論は終局いたしました。これより採決いたします。少年院法案について原案の通り決するに賛成の諸君の御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#55
○井伊委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り決しました。
    ―――――――――――――
#56
○中村(俊)委員 動議を提出いたします。ただいま少年法と少年院法が当委員会を通過いたしたのでありますが、私は終戰後の青少年の犯罪の防止につきましては、まことに心配いたしておるものでありまして、このままに推移いたしますならば、あと十年先に日本の國の再建の第一線となるべきこれらの青少年が、今のままに放置されるならば、私は國家の將來がどんな恐るべき方向に進んでいくかということを思うときに、実に慄然として膚に粟を生ずる思いがいたすのであります。つきましては、さいわい昨年は兒童福祉法案が通りまして、この四月一日から施行されておりますが、それと相まつて、ただいま通過いたしました少年法の施行と同時に、両々相まつて、これら青少年の犯罪の防止及び再犯を防ぐという方向に向つて、政府が專心努心をしなければならないと思うのであります。承れば、政府においては、さらにこれらの目的を達成するために、中央少年犯罪者予防厚生委員会、並びに地方少年犯罪者予防厚生委員会のごとき構想をもつて、近く成案をみるように聞いておるのでありますけれども、いくら機構をつくり設備をいたしましても、これが運営をいたす方法と、その人を得なければ、決してその効果をあげ得ないと考えておるのであります。つきましては、青少年犯罪防止に対する決議案を上程いたしまして、これによつて政府を鞭撻し、もつてこれら青少年の犯罪防止の目的を完全に達成するようにいたしたいと考えておるのでございます。なおこの問題は單に政府にのみ任しているべきものではございません。民間の強力なる団体を結成いたしまして、これと両々相まつて、いわゆる民主的に、一面において國家がこれに対して全力を傾倒すると同時に、他面において大衆もこの方面の関心を強めまして、民間の団体とともに相提携いたしまして、この目的を達成いたしたい。この趣旨によりまして、青少年犯罪防止に関する決議案を、当委員会の決議をもつて上程いたしたいと考えておるのでございます。大方の御賛成を得たいと存じます。
#57
○石川委員 社会党を代表して申し上げますが、ただいま中村委員よりの発議に対して、心から賛成するものでございます。
#58
○松木委員 ただいまの決議案の御趣旨には、非常に賛成であります。私は民主自由党を代表して賛成の意を表したいものでございます。
#59
○酒井委員 國民協同党を代表いたしまして賛成いたします。
#60
○井伊委員長 それでは中村俊夫君の提案にかかりますところの青少年犯罪防止に関する決議案を、当委員会から提出することに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#61
○井伊委員長 それではこれを提出するに決しました。お諮りいたしますが、その案文の起草等は、委員長にお任せ願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#62
○井伊委員長 それではさように決しました。委員長においてとりはからうことにいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後六時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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