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1951/04/24 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 法務委員会戦争犯罪人に対する法的処置に関する小委員会 第10号
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1951/04/24 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 法務委員会戦争犯罪人に対する法的処置に関する小委員会 第10号

#1
第013回国会 法務委員会戦争犯罪人に対する法的処置に関する小委員会 第10号
昭和二十七年四月二十四日(木曜日)
   午後一時九分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     岡部  常君
   委員
           加藤 武徳君
           長谷山行毅君
           宮城タマヨ君
           吉田 法晴君
           伊藤  修君
           羽仁 五郎君
  政府委員
   法務府矯正保護
   局長      古橋浦四郎君
   中央更生保護委
   員会事務局長  齋藤 三郎君
   中央更生保護委
   員会事務局少年
   部長      池田 浩三君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       長谷川 宏君
   常任委員会専門
   員       西村 高兄君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○平和條約第十一條による刑の執行及
 び赦免等に関する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(岡部常君) これより小委員会を開きます。
 平和條約第十一條による刑の執行及び赦免等に関する法律案を議題にいたします。昨日の委員会に引続き本法案の取扱いについて御意見のあるかたはどうぞ御発言を願います。
#3
○伊藤修君 昨日の委員会におきまして、本法案の従来の質疑応答の経過からいたしまして、大体四点の問題点が指摘されたわけでありますが、第一点は、いわゆる本法に言うところの刑の本質について、本法においてその明確を欠くのではないか。これにつきまして本法においてこの点を明確にするとするならば、いわゆる前文若しくは第二條あたりにおいてこれを明確にする必要があるのではないか。こういう点について先ず各委員において懇談いたした次第でありますが、この点に対しましては、従来の説明を十分本法運用の基本として、将来本法の取扱いに従事する人がその意を体して行うことによつてそれを賄なつて行く。従つて本法案についてこの点に対してこの際修正をすることを避けてはどうかというような意見に大体一致いたした次第であります。
 第二点は、いわゆる本法は死刑囚を基本的に考えていなかつたのでありますが、これに対しましては現在外地にあるところの死刑囚を若し引取つた場合において、法律的手当をこの法案の中に明確になしおくほうが、却つてこれが交渉についていいのではないかというような意見であつたのでありますが、この点に対しましては従来の交渉の経過及び今後におけるところの各国の交渉に対しまして、果してそれによつて相手方の感情がどうなるかということは、ここで直ちに断定しがたい事情にあるので、本法においてはこれを殊更に避けて、いわゆる本法の第五條のいわゆる受刑者という中でこれを賄なつて行こうという形でこの際は処置して行こうというような意見になつた次第でありますが、この点はいわゆる純理的に法理論的解釈をいたしますれば、多少無理はあるといたしましても、いわゆるこの戦犯者中の死刑囚に対しては、この法律に限つてこの受刑者中に含ませるという趣旨に解釈して、今後の取扱いの基礎にいたしたいということに大体意見が一致いたしております。
 次に、本法は個別的刑の減免等についての手当は十分考えられておりますが、いわゆる国家の慶事、弔事、こういうことに際してのいわゆる日本国内法に言うところの大赦に相応するところの手当が考えられていないのでありますが、これは本法中に明確にする必要があると考えるのでありまするが、これ又いわゆる日本国内法と各国の国内法とはいろいろ相違がありまして、この点を仮に明確にいたしますれば、これらの国々に対するところの交渉についていろいろなわだかまりも生じ得るというような従来の交渉経過を拝聴いたしまして、御趣旨御尤もと考えるのでありまして、本法のいわゆる三十條第二項の規定はこの点をも含むものと解釈いたしまして、いわゆる個々の減免の事由及び一般の減免の事由をもこの條項によつて賄なうという解釈をとりました。従つてこれに相応するところの政令及び規則中においてこれらに関するところの規定を明確にするように政府当局にお願いいたした次第であります。
 第四点は、いわゆる刑務所という名前の問題でありますが、これも従来の交渉経過からいたしまして、相当困難な問題であります。国民感情には勿論副わざるところの名称であるのでありまして、又本法の刑罰、処遇の点からいたしましてもふさわしからざるところの名称であるという観点からいたしまして、この名称の改正を期待しておつたのでありますが、いろいろの交渉経過をお伺いいたしまして、今後の取扱いといたしましては、実際上においてはこれについて旧称を以てすべてを措置するというお考え方であるように了承いたしました。そういたしますれば、国民感情の上において或る点まではこれを緩和し得るものと考える。又他の刑務所とは異なつたところのものであるという扱い方もそこから自然生れて来る、こういうふうに考えますので、この点もこの際修正を避けるということに大体の意見が一致いたした次第です。従つて今の四点中第三点については、その案文を今日までにお示し願うということになつておりますから、この際政府から用意されたところの政令の案文を一つお示し願いたい、かように存ずる次第であります。
#4
○政府委員(齋藤三郎君) 只今伊藤委員の仰せの通りでございまして、政府といたしましては各種の事情を検討いたしました。表面的には法律案の上においては一般的という言葉を出しておりませんが、三十條の第二項の職権により赦免、刑の軽減が可能である、こういう規定によりまして、国家の慶事、弔事等その他適切な場合に一般的な赦免の軽減も取運ぶことができるようにいたしたい、かように考えておつた次第でございました。その実施に当りまして関係国との連絡に関しましては、この法案に基きまして政令を出すことになつておりまするので、その政令案の作成に努力いたしまして、当委員会の御意見も十分拝聴いたしまして、只今政令といたしまして一般的な赦免又は刑の軽減の勧告の手続をとることを相当とする旨の決定をなした場合には、個別的な赦免、刑の軽減に書面を添付することを要しない、こういうことを政令に設けましてかような趣旨を明かにし、且つこれらによつてさような一般的な赦免又は刑の軽減の実施を見るように努力をいたすつもりでございます。
 それからその関係資料をもう少し詳細に朗読いたします。平和條約第十一條に定める赦免、刑の軽減及び仮出所の勧告及び決定に関する連絡の手続に関する政令という政令を準備いたしております。その第一條であります。
中央更生保護委員会は、平和條約第十一條に定める赦免、刑の軽減又は仮出所の勧告の手続をとることを相当とする旨の決定をしたときは、速かに左に掲げる事項を記載した決定書を作成した上、これに平和條約第十一條による刑の執行及び赦免等に関する法律第三十三條第二項第一号及び第三号から第六号までに掲げる書面を添付し、法務総裁を経て、これを外務大臣に送付しなければならない。但し、一般的な赦免又は刑の軽減の勧告の手続をとることを相当とする旨の決定をした場合においては、決定書にこれらの書面を添付することを要しない。
 一 赦免、刑の軽減又は仮出所を許されるべき本人の氏名、年齢、本籍及び住所
 二 刑を科した裁判所又は法廷
 三 刑名及び刑期
 四 勧告の種類
 五 刑の軽減又は仮出所の勧告の手続をとることを相当とする旨の決定をしたときは、それぞれ委員会が相当と認める軽減の程度又は仮出所を許すべき時期以上であります。
#5
○委員長(岡部常君) 大体今までの経過を見ますると、皆さんの御発言も大体終了したように存じまするが、本小委員会の結論をどういうふうにいたしますか、念のために御意見がありましたならば承わりたいと存じます。若し特別の御発言がなければ、本案は今までの経過によりまして原案通りでよろしいと決定いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(岡部常君) 御異議ないものと認めます。さよう決定いたします。なお委員会におきまして、法務小委員会における審査の経過につきましては小委員長より報告をいたしますが、その内容は便宜小委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(岡部常君) さよう取計らいます。それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後一時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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