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1951/07/22 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 通商産業委員会中小企業に関する小委員会 第2号
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1951/07/22 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 通商産業委員会中小企業に関する小委員会 第2号

#1
第013回国会 通商産業委員会中小企業に関する小委員会 第2号
昭和二十七年七月二十二日(火曜日)
   午後一時三十五分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
七月四日委員栗山良夫君辞任した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     松本  昇君
   委員
           小林 英三君
           中川 以良君
           小松 正雄君
           境野 清雄君
  政府委員
   中小企業庁振興
   部長      松尾 金蔵君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       林  誠一君
   常任委員会専門
   員       山本友太郎君
   常任委員会専門
   員       小田橋貞寿君
  参考人
   全日本中小工業
  協議会副委員長  中島 英信君
   日本中小企業団
  体連盟専務理事  稲川 宮雄君
   川崎中小企業金
   融関係協同組合
   連合会会長   根本  茂君
   川崎鉄工機器工
   業協同組合理事
   長       川淵 逸郎君
   商工組合中央金
   庫理事     門司 正信君
   日本銀行融資斡
   旋部長     市田 視蔵君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○下請代金支払遅延問題に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(松本昇君) 大変お待たせ申上げました。それでは只今から通産委員会の中小企業に関する小委員会を開会いたします。委員のかたにお諮りいたしますが、先に参考人からお話を伺つた上で御質問を願うことにいたしたいと思います。御了承願います。では議題は公報で御通知申上げました通り、下請代金支払遅延問題に関する件であります。本件に関し本日は特に参考人の御出席を願い、本問題に関する事情並びに御意見を伺うことにいたしたいと思います。お暑いところわざわざ御出席頂きまして誠に有難うございました。
 御承知の通り最近又々本問題は非常にやかましくなつて参りました。経団連でも去る三月に、中小企業に関する緊急対策意見の第一項にこれを取上げまして大企業の下請関連事業に対する支払の励行を主張して参つております。又日本中小企業団体連盟では、新聞で御承知のように、本月上旬この問題に関する調査を日銀へ提出し日銀総裁談が発表されました。又全日本中小工業協議会ではこれが対策を法案の形にまで作つておる状態であります。我我といたしましてもこれを如何に善処すべきか、平生から考えておるのでありまするが、御意見をよく伺いたいと存じます。ただ本日は親企業の側のかたがたをお招きしてないので、これは改めて御意見を別に聴取することにいたし、円満なる下請関係ができるようにいたしたいと考えております。
 それではこれから参考人のかたの御意見をお伺いいたしまするが、経団連はあいにく理事会があつて出席できない由で、資料だけ届けて参つておりますので、お手許に配付いたしましたからどうかこれを御覧願いたいのであります。
 では一つ先ず全日本中小工業協議会副委員長中島英信君からお願い申上げます。時間は大体十分か十五分ぐらいで要点だけをお述べ願い、あとで質問をさして頂きたいと思いますから、どうかそのおつもりでよろしくお願い申上げます。
#3
○参考人(中島英信君) 只今御指名を頂きました全日本中小工業協議会副委員長の中島でございます。下請企業の代金の回収が非常に困難であるということは、最近非常に広汎な範囲に亙つて見られるところであります。而もこれは特に最近に起つたというだけではなしに、終戦後二十二年頃からすでにそれが現われておりますけれども、今日すでにこの五、六年の日数を経過してもこの状況が改善されずにますます悪いような方向に向つておるような状況であります。これは戦前の下請企業関係と比べますと、非常にはつきりした特徴を持つておるわけであります。戦前は下請企業に対しては親企業も相当に面倒を見ておりました。材料等を支給する場合には勿論材料をきちんと支給する、それから金融の面倒も親企業が見ておつた。必要があれば前受金も渡すというような状況であつたわけであります。ところが終戦後はこの状況が非常に変りまして、従来なれば材料を支給しておつたような場合でも、材料を下請の中小企業に自分持ちでやらせるといつたようになつておる。前受金を渡すというようなことは非常にまれになつております。そうして金融の面倒を見るといつたことは殆んどなくなつてこれが逆の状況になつて来ておるわけであります。即ち製品を作らせて、或いは加工させて品物を受取つておきながらこれに対する代金をなかなか支払わない。その状況は最近ほうぼうで報告されておりますが、常態にあるならば品物を受取つたならばすぐにこれを検収してそうして現金を払うというようでありますが、今日では先ずその品物を受取つてからこれを検収するのに非常に時間をかけておる。これは技術的に困難であるということよりもやはりむしろ支払の関係から来ている面が非常に多いようであります。そうして品物の納入が済んでから一定の期間、例えば一カ月であるとか或いは二カ月或いは甚だしいのになりると三ヵ月もたつてから検収の手続をする。それから代金の支払に移る。この代金の支払に移る場合に現金でなくて手形を払うということになるわけであります。この手形の期日が又二ヵ月、二ヵ月というのは非常に多いわけでありますが、甚だしいのになるというと、半年、六カ月を越えるようなものも中にはあるわけであります。そういたしますと品物を納入してから六ヵ月くらいは金を受取れないといつたような場合が非常にふえております。手形を受取りましても普通銀行では二カ月以内くらいの手形であれば非常に割引きやすい。併し三カ月になつて来るとやや困難になつて来る。四カ月以上の手形になれば普通の銀行ではこれを割引かないのが一般であります。従つて結局手形をもらつてもその手形の処置に非常に困るということに下請企業のほうではなるわけであります。こういう状況でありますから、この中小企業のほうとしては材料を自分のほうで手配をして作る品物は納入する、金を受取れない、而もこの間の金融というものは自分の力でやらなければならん。手形をもらつた場合には金利は勿論殆んど多くの場合には下請企業が負担する、こういう実情になつております。而も一方では必要な仕入をする場合には、この仕入はむしろ非常に支払を急がれる場合が多い。つまり下請の中小企業は企業が小さい関係上、これに対して品物を売るものは割合に支払の督促が急であるし、仕入をする場合に現金で払わなければならん場合が非常に多いわけであります。こういう関係からこの下請の企業の財政の関係というものは非常に窮屈になるわけでありまして、従つてこれによつて下請の中小企業は非常に困難な状況にあるわけであります。これらの実情につきましてはあとで又はかのかたからお話があると思いますからこの程度にいたしますけれども、現在中小企業の非常に大きなものは下請企業でありますけれども、これらが大体において特殊の例外を除きましては、こういう親工場の代金の支払に悩んでおるという実情であります。それでこれらに対して何らかの対策を立てなければならんという状況に現在は来たつております。先ほど申上げましたように、これはきのうきように起つた問題でなしに、こういう状況がすでに数年間も続いております。根本的にはこういう問題はやはり経済道義の問題でありまして、親企業としては当然自分が買入れたもの、納入さしたものに対してはすぐに代金を払うべきだが、従つてこれを中小企業としても、従来はどちらかといえばこの仕事の上における親子関係、或いは共同関係に立つているということに鑑みて、親企業の良心的な支払に期待している面が非常に多かつたのであります。併しながら実情は少しも改善されない。而も単に金がないためにというたけではないようでありまして親企業では自分の会社の従業員には相当に高い賃金を払つておる、又質等等も相当の賞与を払つておる。それにもかかわらす下請の企業に対する代金の支払を延ばすわけでありますから、必ずしも金の面において非常に困つているというのみには考えられないわけであります。こういう状況にありますとただ親企業が自発的に良心的に支払を促進して行くということを、ただ漠然として期待することができる状況ではないのであります。このためにいろいろな問題が起つておりまして、下請の企業としては最近これに対するいろいろな対策を考えている向きが多いわけでありますが、実際上は個々の下請企業が直接親工場と折衝して解決することはなかなか困難である。又個々に折衝する代りに協同組合等を作つて共同交渉をするということにも実際上には相当にむずかしい点があります。それは又率直に申しますとそういうことをするとお前のところにはこの次から注文を出さんと言われればその企業の生命に関するということになる関係上そういうこともなかなかできないわけであります。従つて基本的にはやはりこういう問題は協力関係に立つている親企業と下請企業が自主的に円滑に解決すべき問題ではありますけれども、今まで申上げましたような事情によつてはそれだけでは到底この問題を解決することができない状況にあるわけでありますので、何らかの他の処置を必要としているわけであります。他の処置ということになりますと、どうしてもこれは政治的といいますか、或いは法律的な措置をとつてこの問題を解決する方法を考えなければならんと思うわけであります。で、従来それ以外の方法といたしましては、例えば金融機関等にも折衝して、親企業に対して取引をしている金融機関等に対してもしばしばこういう状況を訴える下請企業がありますが、こういう場合に金融機関としては親企業に対して支払をする場合にできるだけ早く下請企業に支払やすべきだという勧告はするということをやるわけでありますけれども、併し勧告程度ではなかなかその効果を奏しないわけであります。それで今申上げましたように、単なるそういうような方法以外にもう一歩進んでこれを法律的な措置を以て解決する必要があるのではないかということを我々としては考えているわけであります。
 その案といたしまして、今日お手許にお配りいたしましたのは我々が考えたまあ一つの案であります。これはこの親企業と下請企業との間の関係をできるだけ公正に円滑に取引が行われるようにするということを目的として、これを調整しようというのが目的であります。その方法として第一に考えますのがこの下請の契約を先ずできるだけはつきりとする。勿論今日においてもこれは一種の契約に基いてすべて取引が行われているわけであります。併しできるだけこれは文書の形によつてやることによつてその効果を更に確実にして行く必要があります。
 それからその次の点といたしましては、個々の契約を結ぶというだけでなしに、共同的な方法で以てこれを一つの親企業に関係のある下請企業の全体の問題を同時に解決して行くような方法をとることが公正であり、又合理的であるというふうに考えられますので、下請の企業者が下請の組合を作る。現在でも組合いろいろできております。この組合は中小企業等協同組合法による事業協同組合としてできておるわけであります。こういう種類のいろいろ組合はありますけれども、要するに下請企業が一つの共同的な組織を作る。この共同的な組織を以て大企業との間に一つの協約を結んで、そうしてこの関係が円滑に行くように、そうして不公平な、或いは不公正な取引を防止すると同時に、契約の通りに賃金の支払を促進して行くような方法を考える必要があると思うわけであります。併し実際上はこれも単に下請企業が組合を作ろうといたしましても、これは親企業がこれに実際上反対の意向を持つております場合にはなかなか作りにくい、又仮にできてもこういう問題をその相互間だけで解決することにはいろいろな難点があります。従つてこれにはどうしてももつと恒久的な力でこれを調整する心要があるわけであります。
 そこでその次の点といたしましては、こういうような下請関係を調整するところの機関を設ける必要があります。ここに一案として我々が考えておりますのは、下請企業関係の調整委員会といつたようなものを作ることであります。この調整委員会において、下請関係の間に問題が生じた場合に訴えを受けて、状況を審査して、そうして適正な案を作つて調停するということを一つの仕事にするわけであります。併しこれも単に、それだけの仕事であつては、実際上は下請関係ではいろいろな立場上、そこに積極的に提訴することは困難な場合もありますので、できるならばこの下請調整委員会というのはそういつたような事態にあるということがはつきりわかつた場合には、委員会が自発的にその状況を調査して、これに対して必要な措置を講ずる、こういう権限を持たなければこの効果を期待することはできないわけであります。その意味でこの調整委員会にはそういう権限をどうしても持たせる必要があると考えるわけであります。こういう公共的な性格のこういう機関を作ることによつて、その関係を調整して行くことが一つの解決の対策であるというのが、このお手許に差上げた案の骨子でございます。
 時間がございませんので、大体要点だけにいたしたいと思いますが、ただここにお手許に差上げました案の中で一、二補足して申上げたい点があります。それは下請の機関を作つた場合に、アウトサイダーをどうするかという問題であります。これについてはちよつとここに抜けておりますけれども、やはりアウトサイダーに対してもこれを拘束する、協約の包括的な拘束力をやはり法律によつて認めさせる必要があると思います。この点は附加えて頂きたいと思います。
 それからこの下請調整委員会が何らかの措置をする場合には、ここにはつきり文句には現われておりませんけれどもやはり金融機関等の関係における問題を取上げる必要があると思います。先般日銀総裁がこれらの問題について一つの意見を出しておられましたけれども、そういう問題も非常に参考になるのではないかと思います。一そういうようなやはり金融機関関係の協力を非常に必要とするわけであります。そういつたものを具体的にはやはり考えておるわけであります。
 それからこの案を実は二つ差上げてございますけれども、もう一つのほうの案も参考までにここに提出いたしたわけであります。この案を考えますまでに大体二つの案を併行して検討したためにこの両案ができておりますけれども、他の協同組合法一部改正案のほうはやはり併せて御参考にいたしたいと思います。やはり実質においては殆んど先ほど申上げたのと変りはございません。ただ変ります点は、現在の中小企業等協同組合法においても事業協同組合という形で以て下請協同組合はできます。又大体協約を結ぶことに法律上できるようになつております。併し団体交渉にいま少し強い強制的な性格を持たせる必要があるということと、更に下請関係について問題を生じた場合に調整機関を作つてこれによつて調整する必要があるということを明らかにするためには、これをやはり法文に織込む必要がある。そういう趣旨において協同組合法の改正がなされるならば、先ほど申上げた点は一応こういう形においても解決できるのじやないかというふうに考えておるわけであります。
 以上大体現在の下請企業の代金回収の状況と、それから生じておる困難及びこれに対する対策について、我々が考えております案を御説明いたした次第であります。
#4
○委員長(松本昇君) ありがとうございました。それでは次に日本中小企業団体連盟専務理事の稲川さんにお願いいたします。
#5
○参考人(稲川宮雄君) 先般日本銀行総裁から大企業の下請に対する支払遅延の状況を調べるようにという要請がございましたので、それに基きまして私ども日本中小企業団体連盟におきまして実情を調査いたしましたので、その概況を御説明申上げ、且つこの問題に対する解決の方法としてどういうことを業界においては望んでいるか、どういうことが必要であるかということにつきましてごく概要を御説明申上げたいと存じます。
 この下請又は大企業の外註に対する支払遅延の状況の調査ということは、実際問題としてなかなか困難を伴つております。その原因は下請業者が後難を恐れまして真相をなかなか語らないということが一つ。もう一つはその相手方の人、或いは又納める物、又支払うその時期によりまして、必ずしも大企業が支払いまする條件が一定いたしていないということのために各会社における支払の内容というものを一律に調べることが困難であるという事情があるからであります。従つてここで御説明申上げますことは、最近における下請又は外註に対する支払の一般的な状況と申しますか、今日の大体の傾向という程度にとどめたいと存ずる点をあらかじめ御了承頂きたいと存じます。
 最近の下請又は外註に対する支払の状況はどういうふうになつているかと申しますと、これは先ほど中島さんからもお話がございましたように、戦前におきましてはむしろ原材料を支給するとか、或いは親企業が下請に金融をするということによつてそこに支配隷属の関係を形作つておつたものでありますが、終戦後におきましてはむしろ逆に下請に対する支払を非常に遅延せしめまして、むしろ下請が親企業に金融的な援助を与えているというような恰好になつている。非常な変態的な現象を呈し、而もその変態的な現象が今日においては一般化し、普遍化し一つの商慣習にさえなろうとしており極めて憂うべき事態にあるわけでございます。朝鮮動乱が勃発いたしましてから暫くたちまして、この支払状況はやや好転に向つたことも一時はあつたのでありますが、最近におきましては即ち昨年の下半期頃から再び亜心化の傾向をとりまして、最近におきましてはますますその状況が悪くなつておるという現象を呈しておるのであります。大体従来は手形を切ります場合でも六十日の手形が普通であつたのでありますが、今日におきましては九十日がむしろ普通であるというような状況でありまして、品物を納品する或いは工事を完了いたしまして完全にその代金を回収するまでに約半年を要するということがむしろ常識化されているような現状でございます。業種的に見ましてどういう業界においてこういう事実が行われているかという点につきましては金属、機械、造船、それから炭鉱、製薬、土建関係、この方面に非常に多いのでありまして、調査いたしました結果、この製薬或いは土建方面において非常に支払状況が悪いということがいろいろ資料によつて明らかになつたわけでございます。大体この支払の一般的な状況を概括して申上げますると、工事を完了する或いは品物を納品いたしましてから会社においてこれを検収するわけでありますが、検収までに大体一カ月を要するというのが普通であります。検収が済みましてからこれを会社内部において決済をするのに少くとも一カ月を要するというのが普通であります。決済を会社のほうにおいていたしましていよいよ代金の支払となるわけでありますが、大体それまでに一カ月を要しまして、つまり納品又は工事完了から支払までに二カ月乃至三カ月を要するというのが一般的状況であります。そうしてその支払は全額現金を以て支払うという例も決してないわけではございませんが極めて稀でありまして、殆んど大部分は、一部は現金で支払いまするけれども大部分を約手払にするということであります。或いは全部を手形で支払うという所も少くはございません。そうしてその場合現金又は手形で支払いますのも、請求額の全額について払うという会社はむしろ珍らしいのでありまして、大体四〇%とか五〇%、或いは六〇%、八〇%というように、会社の都合によりましてその月々支払つてくれるわけでございます。甚だしい例になりますると、過去三カ月間における支払が請求額の僅か一〇%に過ぎないというような会社もあるのであります。そうしてその残額は漸次翌月に繰越されて参りますために、代金が月々累増して行くという傾向を辿つておるのであります。でそういうふうにいたしまして支払までに大体二、三カ月を要し、而もその支払が手形で三カ月、九十日というのでありまするから、完全に回収するまでに先ほど申上げましたように約六カ月を要するということになるのであります。
 私どもの調査いたしました結果によりまして以上申上げましたのは大体一般的な状況でありますが、特にその悪い実例を申上げますると、品物を納めましてから検収書をもらうまでに六カ月以上を要するという会社がございます。又検収が終りましてから請求をいたしまして支払がありまするまでに十カ月を要するというような会社もございます。それから支払に手形を出すわけでありまするが、その手形が先ほど申上げましたように、従来六十日から九十日の手形が今日普通でありまするが、中には百二十日から百六十日の手形しか出さないというようなのもあります。手形を出すところはむしろどちらかといえば良好なほうでありまして、中には手形さえも発行してくれないという所が少くないのであります。それから先ほど申上げましたようにその支払が請求額の僅か一〇%、二〇%しか支払わないでこれを繰越して行くというような所もあるのであります。又中には支払に際しまして、現金で支払う代りに二割乃至三割の値引を要求されたという実例もあるのであります。又或る会社におきましては従来の古い代金をそのまま棚上げしてしまう、下請業者のほうはその地位が弱いために遂に泣寝入りに終らざるを得ないというような例も決して二、三にとどまらないのでございます。又中島さんからお話がありましたように、請求を強くいたしますると、爾後その注文を出さないというような会社もありまするし、或る程度の代金がたまりますると下請を乗替えて行つてしまうというので、業界において定評のある会社もございます。会社の名前は申上げませんがそういうことが下請間においてすでに定評になつておるという大会社もあるのであります。而もその会社は高率の配当を行い、いわゆる社用族として跋扈しておるというような会社なのでありますから、如何にこの支払遅延ということが単なる経済問題でなしに道徳問題であるかということが言えると思うのであります。又或る会社におきましては支払が遅延いたしまして二年間もたまつておる。而もこれを支払うに際しましては値引を要求するというのもあるのであります。これらは勿論特に不良な実例でありまするが、そういうことが頻々として行われるというところに、今日の下請に対する支払の状況を窺うことができると思うのであります。然らば下請企業はこれに対してどういうような状態にあるか、如何なる苦痛を受けておるかというのでありまするが、これも中島さんが指摘されましたように、自分の所で使つておりまする労務者に対する工賃の支払、或いは原材料の手当という面につきましては、どうしてもこれは現金でなければならないというので非常に金詰りを来たしておるのでありまするが、一方親会社から支払つてくれるものは遅延に遅延を重ねておりまするために、金融的に非常なる逼迫を告げるというのが実情であります。手形をもらいました場合に、その手形は大体、私どもか今回調査いたしましたのは大会社の外注又は下請でありまするために、その手形は比較的よく割引されております。殊に商工中金などを利用いたしておりまする面につきましては、相当この方面で割引か行われておりまして、もらつた手形が割引けないで困るという苦情は割合少かつたのでありまするが、併し中企業か更に小企業又は零細企業に対して下請しておりまする場合の手形は、その割引に相当困難を感じておるようでございます。併しながら只今申しましたように手形の割引は比較的順調に行われておるようでございまするけれども、その金利の負担が相当額になつて参りまするし、又債券の引受でありまするとか歩積みでありまするとかいうような点を考慮して参りますると、中小企業の経営合理化の上において非常なる圧迫を加えておるということか言い得るのであります。先ほど申しましたように、代金を完全に回収するまでに約五、六カ月を要するのでありますが、原材料を仕入れましてこれを製品化いたしまするまでの期間をこれに換算いたしますると、資金の回転率というものが如何に悪いかということが推して知ることができるのでありまして、こういう面を放任いたしまして中小企業の合理化を促進するということは誠に木によつて魚を求める類いではないかと考えるのであります。又下請業者といたしまして非常に苦痛を感じまするのは、請求をいたしますために、主人公がみずから親会社にかけ合わなければならない、それに要する時間的精神的損失というものはなかなかこれは計り知ることができない。或いはその親会社の会計係或いは業務係を相当接待しなければならない、又そういう運動の結果やや支払がよくなるという例が多いのでありますから、そのための経費というものもなかなか軽視することのできないものがあるのであります。そういうふうにいたしまして、下請企業は親企業にたくさんの代金を持つておるわけでありますが、昔の下請は親会社から金融を受けておることによつて支配隷属の関係があつた。そういう点から言えば、今日は下請が親会社に相当の債権を持つておりまするので、その支配隷属関係がないかといいますると決してそうではないのでありまして、その支払を円滑にしてもらうために会社には相当のお世辞を使わなければならない。又注文を引続いてもらうためにはどうしても或る程度の支払の不利な条件も甘んじなければならんというので、むしろ親会社はたくさんの支払代金を持つておるということによつて下請を操縦して行くという関係がありまして、昔のような金融的な支配隷属の関係はございませんけれども、この支払の遅延を通じて下請企業を牛耳るというような現象を呈しておるのであります。
 これに対しまして一般下請業界においてはどういう改善策を望んでおるかという点を調査いたしたのでありまするが、これにつきましてはいろいろな要望がございまするが、その主なるものを二、三申上げますると、第一には親会社に対するひも付融資ということを実行してもらいたい、そして親会社に対して下請に支払うという條件付で融資してもらえば、自分のほうに円滑に支払が行われるだろうということを期待するのが一つでございます。
 それから中小企業等協同組合法によつておりますこの事業組合では、団体協約を締結することが認められておりますので、この方法によつて親会社と団体交渉をしたいと、こういう希望もございまするけれども、これは実際問題としまして、現在の法律の建前におきましては有名無実でありまして、若し下請業者が組合というものを結成して、これによつて団体交渉をしようというような形勢がありますと、親会社はこれに圧力を加えまして、若しそういう組合に加入する場合には爾後注文を発注しないということによつて圧迫いたしまするために、実際上はこれは空文にひとしい状態になつておるのであります。又或る電気器具の下請業者が組合を作りまして団体交渉を計画いたしましたところ、一たまりもなく親会社の圧力の下に崩れ去つたという実例もあるのでございます。
 もう一つの対策は下請の業者が組合を作りまして親会社からもらつた手形をその組合の手を通じて商工中金で割引をしようというのでありまして、これは今日相当の成果を収めております。その内容実情等につきましては、商工組合中央金庫の門司理事が御出席でございますから詳しくお話があると思いますから私からは申上げません。
 それから一般下請業界において相当強く望んでおりますることは、親会社の労働組合がもう少し下請関係の認識をしてもらいたいということであります。自分たちの賃上闘争には極めて熱心であるところの労働組合も外部の労働者にひとしい下請に対する支払問題に対しては全く無関心であるということは甚だ片手落であるという点から、内部の労働者の労働組合において、外部の労働者としての下請に対する理解を持つてもらいたいということを相当に強く望んでおるようでございます。又親会社が高率の配当を行なつたり、或いは従業員に対する福利厚生施設としまして相当はなばなしいものを持つておるにかかわらず、下請に対する支払を遅延せしめるということに対しましては、もう少し道義的な責任を感じてもらいたいというような要望も非常に強いわけでございます。
 併しながらこういうような要望のほかに更に法律的にこの問題を解決しなければ根本的な解決が図り得ないという意見も、一部においては相当強いのであります。その一つとしましては労働基準法にありまするような考え方を以てするのでありまして、労働基準法におきましては、「出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない。」ということになつておりまするし、又賃金は一般に毎月一回以上一定の期日を定めて直接労働者に通貨で支払わなければならない、こういう労働基準法の規定がありますので、外部の下請も或る意味においてはこの請負制の労働者にも該当するわけでありまするから労働基準法を適用してもらいたい。併しながら現行労働基準法においてこの解決が図り得ない場合には、これと同じような下請に対する支払を促進するということで、下請支払基準法というべき法律を制定してもらいたいという希望が相当に強いのであります。
 もう一つの考え方は独占禁止法的な考え方でありまして、今日の下請に対する支払は親会社の力を頼んで弱い者をいじめるところのいわゆる弱肉を強食する関係に立つておりますので、現行独禁法によつて直ちにこの問題を解決することは勿論困難でありましようけれども、即ち親会社と下請との関係は一般のいわゆる民事的な債権債務の関係にあるものではありましようけれども、これを単なる民事的な債権債務の関係でなしに、もう少し社会法的な見地から解決しなければならんという考え方で法制化を望んでおるわけであります。親会社がその力を頼んで弱い者をいじめるということは、決して私は、自由競争でありますけれどもいわゆる公正なる競争ではありませんので、自由且つ公正な競争を建前とするというのが一連の、民主化、立法の一環といたしましてこの問題を解決してもらいたいという要請が強いのであります。
 以上ごく概略でございまするが、私どもの調査いたした結果を御報告申下げた次第でございます。
#6
○委員長(松本昇君) どうも有難うございました。
 それでは委員のかたに御相談申上げますが、根本さんにお願いしたいのですが、前に日本鋼管の川崎製鉄所の所長であられ、現在川崎商工会議所の会頭をしておいでになるのですが、現在は自分で下請工場も経営しておられるように聞いております。で、同君に各方面の事情を総括的にお話を願いたいと思います。なお参考人としての根本さんから御希望がありまして、川崎鉄工機器工業協同組合の理事長川淵逸郎君に補足的な説明を許してもらいたいという希望もございますが、よろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(松本昇君) ではさよういたします。それでは根本さん一つお願いいたします。
#8
○参考人(根本茂君) 私が根本でございます。私を御招請下すつた理由は、只今手前たちがやつておりまする組合の実態をここで説明しろ、こういうような御意見のように私は思いますので、手前たちが今やつておりまする組合の実態を申上げ、いろいろ又意見をそれに附加して申上げたいと存じます。現在私たちがやつております川崎中小企業金融関係協同組合連合会というのがございますが、これは最近に結成をされまして組合数は十五ございます。組合員の総数が五百五十九、大体資本は五十万円から百万円程度のものでございます。現在借入しております金額が六月末現在で三億七千万円強、従来二十六年四月から二十七年の六月までの累計を見ますると、十二億五千七百万円くらい借りておるのであります。借入先は大体中金からが多いのであります。市中銀行から借りておるのは殆んど僅かでございまして大部分は中金から借りているのであります。円そのほか市中銀行から借りている面のことをいささか申上げるのでありますが、川崎の中小企業は非常に多うございまして七百から八百ございますので、特に三十人以下の従業員を使つておりまする小企業或いは零細企業に至りますと受入態勢が殆どできてない関係で、市中銀行の取引もしてない。こういうわけで市中銀行からすら借りられない事情にあるもので、川崎市ではこれを非常に重大に取上げまして、市中銀行に市の金を現在六千万円預託をいたしているわけなんでありますがこれの約十倍くらいは市中銀行から貸す、その裏付を信用保証協会がする、こういうふうなことで零細への貸付をやつておりますので、只今申上げたように市中銀行に六千万円の預託をし、信用保証協会といたしまして裏付しているのが二千百五十万円現在でございます。信用保証協会が川崎市に設立以来主としてこの方面に力を注ぎまして、二十三年の十月に設立以来二十七年の六月までに貸付総額が五億七千万円になつているようなわけでございます
 支払状況になりますると、これをお手許へ配付してございますかどうか知れませんが、私のほうの現在調べました実情でございますが、下請代金支払状況一覧表というものがございますが、それに大体親会社がAからPまでございますが、特にいいのと悪いのと大分距りがございます。A社のごときものは検収後三カ月で現金で支払う、或いは手形を出す、こういうふうなことになつているのであります。検収期間が先ほど来非常に長いようになおお話もあるのでありますが、これは会社の実情により又経済事情にもよるし、或いは感情的にもなかなかいろいろの面があると思うのでありますが、大体検収は一カ月くらいは当然かかるようになつております。一カ月後に三カ月以後払の手形を出すというのが大体常道になつているようでございますから、四ヵ月或いは長いところで六カ月の支払になるような現状でございます。従いまして我々として一番苦痛なことは、その間の金融に非常に困るのでありまして、手形を出して下さる所、或いは出すのを渋る所或いは全然出さない所等々ございますが、いずれにしましても出させるべく努力をして中金に持つていつて割引して頂いているのでありまするが、市中銀行で割りますると歩積みを大体やらされるのでありますが、これはまあ信用程度によりまして歩積みの額は違うのであります。ひどい所になりますると一割乃至二割で歩積みをやらされるのであります。これはまあ親心でやられるとも言われまするが、併し取られる身になりますれば将来の百円よりも現在の十円のほうが欲しいような人のところに、そういうような歩積みを取られることは非常に痛手なのであります。そのほか組合費も相当にかかりまするし、金利は大体中金さんのほうから借りますると一割一分くらいなことになりまするので、この額から申しましても相当な金額を親企業の側に支払つておるのだという現状なのであります。
 それから税金の問題でありますが、これはやはり大小とも困つておるのでありまして、特に中小企業に至りましては税金の支払に対して非常に難航されておる面が多いのでありますが、最近の税金支払時期になりまして、この税金を収めないでごたごたしておる所がなかなか多いのでありまするが、我我組合員は非常に少ないのでございまして、どうにかこの際に切抜けるようには努力を各員ともされておるようであります。
 以上申上げたのが大体の現状でありますが、我々としていろいろ希望がございますが、要するに我々のほうとしては、今少しく枠を拡大して頂きたいのと、これは中金さんには今日門司さんもお見えになつておりますが門司さんが特に我々の担当理事でございまして、非常に御理解がありまして、昨年、一昨年はまだ特需関係もそう親会社も困りませんでしたので、我々下請関係者としてはこれ又慎重に金融をつけておつたりでありまするが、昨年の初めから、特に夏頃から非常に悪くなりまして、十五の組合のうち大部分というものが昨年の六月以後にできた組合なのであります、特に昨年の末の金融は困りまして、市中銀行からの別枠も随分とつた例がございます。私が理事長をやつておりまする日本鋼管の川崎の組合は、市中から昨年の末には約五千万円だけ余計借りた例があるのであります。このところ更に枠が小さいのでありまして、我々が現在借りておりまする三億七千万円を、一業者割当にいたしますると約一カ月二十万円しかならないのであります。二十万円では経営、運営が非常に困難だということが数字的にもおわかりかと思うのであります。そんな意味で是非この枠を中金のみならず、組合関係を対象といたしまして、そういう他の金融機関にも枠を殖やして頂きたいのであります。
 先ほどちよつとひも付融資の話が出ておつたのでありますがこれは現に我々のほうで聞き及んでいる点がございますのは、神奈川県下でこういう例があるのであります。地方銀行の興信銀行が或る会社に融資をする場合に、やはり下請が興信銀行のお得意なのでありまして、その関係でお得意から依頼を受けておるように私も考えるのでありますがそのために下請に支払をする條件で貸した例があるのであります。これは極く最近でありまするが、非常に成績がいいというので日銀の神奈川支店長も、これは非常に名案だからなお採用してみようというようなことで、最近に、横浜にある大きな会社にその話をもつて行つてやるとか最近に私は大島さんから承わつた事実があるのでありますが、こういう点は非常に我々も望ましいことと思つているのでありまするが地方銀行でないというと、大銀行の支店ではこれは行いかねるように私は考えるのであります。
 それから中小企業の合理化の問題でありますが、今日貸すのは合理化しないから金を貸さんというようなことがいずれも金融業者から出ているのでありますが、これは現在の実情ではかなり困難な面があるのであります。勿論これはもう決して我々中小企業の立場から言いますれば、企業の合理化はできているんだとは申上げられません。できていないのであります。これはあらゆる面でできておりません。機械の陳腐化、或いは技術の向上等まだまだやらなければならん面が多々あるのでありまするが、現にそれをやるだけの余裕がないのだということに尽きると思うのであります。長期金融の問題等も不動産の金融等がまあ話題になつておりまするけれどもこれなんかはまだ実現を見ないのは我々は非常に遺憾としておるのでありまするが、この点は是非お考えになつて、不動産の金融の面で小さな企業の金融を救うということにお力を入れて頂きたいと思うのであります。いずれにいたしましても以上枠を殖やしてもらう、この点に尽きるのじやないかと思うのであります。
 それから実態把握の問題でありますが、先ほど来お話がいろいろあつたのでありますが、この実態を把握するのが非常に困難だ、これはもう御尤もな話なんであります。実際を話すと観工場から睨まれるというのは実際なんでありまするが、我々組合員としては真剣に考えるとそんなことは許されないことでありまして、我々組合員自体が実態を把握してそうして親会社に交渉もし、或いは懇談もなし得るということにせなければならんと思うのでありまするので、我々といたしましては極力実態の把握に努めておるのでありますが、それぞれの組合に対しても是非この面を強調して頂いて、実態把握に努めて頂いて結論を出して頂くことを特に希望するのであります。
 私簡単にこれだけを申上げたのでありまするが、只今お許しを得ました理事の川淵君がここへ参つておりますので、川淵君は実際に中小企業を長年やつておりまして、この金融面では非常に苦労をしておりますので、一言お許しを得てお話をさして頂くことをお願いいたします。
#9
○委員長(松本昇君) どうも有難うございました。それでは川淵君にお願いいたします。
#10
○参考人(川淵逸郎君) 私川崎の鉄工機器工業協同組合の理事長をやつております川淵と申しまして、川崎におきまして小さな機械工場を営んでおります。下請工場の代金の支払問題につきましては先ほど来皆さんいろいろと申述べました通りでございますが、私が直接やつておりまする工場の経営並びに鉄鋼組合の組合員の親会社からもらい受けるところのいわゆる工賃につきまして直接身にしみておることを申述べたいと思います。
 私どもは毎日の事務として注文を受けました品物を納入し代金を頂くまでには、中には下話工場の面倒をよくみてくれて、二十日締切り三十日払というようによくみてくれる親会社も川崎に一軒だけございますが、他の親会社におきましては、下請に支払う金は遅れるということを殆んど慣例的に考えておつて、材料とか、自分のほうの仕事に差支えるものに対してだけは現金で支払いしおるように見ておりますが、私ども下請工場に対しましては支払わなくともとにかく親会社に貸しがあるうちはやらなくちやもらえないのだから、百万円あるのならば一割も払つてやればあとの金がほしいためにどうしてもやらざるを得ないだろうというようなことを担当の係員も口にするほど、下請に対する支払というものに対しての道徳が非常に欠けておる現情なのでございまして、特に株価の面におきましては相当いい株の値段を持ち株の配当も四割しなお且つ従業員に対しては賃金ベースを上げたばかりのところへもちまして、お盆のお中元手当として二万二千円くらいのお中元ボーナスを出しておるにもかかわらず、下請工場に対しましては手形を切るにしても十一月の枠はもうすでにない、資材部に割当てられた枠はない、十二月現在、十二月といいますると約百五十日くらいになるわけでありまして、十二月の枠に食い込むに対しましても本社のほうの許可を得なければならない、どうも先月も支払わず今月も支払わなかつたけれども、来月はもう百三十日か四十日くらいで手形の始末がつくのじやないかというような極端な事例もございまして、殆んどそれがために我々下請工場といたしましては帳簿の上では黒字で経営いたしておるのでございますが、親会社のほうからの支払が遅延することによりまして、自分のところの従業員に対しても給料の支払にも事欠く。先ほど根本さんから言われました川崎の中小業者が二十六年度におきまして商工中金さん並びに市中銀行を通じまして二十億ほど借りた金というものは、殆んどが親会社のために下請工場が金融してやつたような実情でございます。それがために下請工場といたしましては自分のほうの合理化を図ろうといたしましても、親会社のほうの支払がないために知りつつやることができない。なお且つ手形を割るに割引料その他歩積だ何だかんだと言いまして年間に相当多額な利息等を支払つておりまして、私どもの工場におきましても従業員が三十五人ございますが、月に支払う手形の割引並びに単名利息、これは法定の利息でございますが、それだけでも月に七万円という利息を払つておるような状態でございます。これが親会社が支払道義を守つてさえくれれば私のほうはその七万円というものの一部を合理化に廻すこともでき、なお且つ従業員に対する福祉施設も拡充することができると常に考えておるのでありますが親会社のために金融せんければならないためにそれだけの金を負担しておる。なお且つ最近川崎におきましては親会社の支払の遅延に基きまして帳簿の上では黒字でありながら税務署のために競売になつた、なつて潰れた、而も従業員に対する給料というものは親会社に貸はあろうがなかろうが、取れようが取れまいが、これは労働基準法によつて事業主は揮一本になるまでも裸にされてしまう。而もそういう状態になるのを見ておりながらも親会社は更に面倒を見てくれないというような状態でございまして、これが親会社に対する支払の道義確立ということを法制化して頂かないことには、日本の中小工業が占める日本の工業力の九〇何%というものの生産の実力から見て来まして黒字になりながら倒壊して行く、なお且つそれによつて生産も上がらなくなるというようなことになるならば政府といたしまして如何なる社会政策を以ちましても、事、親会社対下請工場から発するところの商業取引から起るところの原因に基きまして失業者も出ることでございましようし、又それに基いて中小企業者の工場主並びに従業員におきましても思想が悪化して行くことはこれは当然だと思うのであります。しなぜならば、自分たちは一生懸命に誠実に親会社から注文頂いたものに対しまして誠実に納めたのにかかわらず、親会社が大資本を擁しておつて株主に対し多額の配当をしながらにしてそういうようなことをするということは、如何なる社会政策を以てもだんだん思想が悪化して行くことはこれはもういなめない事実だと思うのであります。私といたしまして希望いたしますことは、とにかく大きい会社が商業道徳を実行してさえくれるならば、下請工場は銀行から金を借りなくてもやつて行くことができますし、なお且つ金融関係からよく言われますところの中小企業者に金を貸そうとしても受入態勢がないのだということをよく言われますけれども、中小企業者といたしましては、親会社に納入した品物が二十日の仕切で翌月の五日なり十日なりにもきちんと頂けるようになるなちぱ必ず赤字で経営するばかはないはずでございますから、よそでいい機械を持つならば自分のところもそれと同様にいい機械を入れてでき得る限り安くていい品物を早く造ろうということは、これはもう町工場の主人公は殆んど現場で叩き上げた人が多いだけに、機械に対する愛着並びに執念というものは、大会社の経営者に全然考えられない熱意を持つておるのであります。にもかかわらず帳簿の上で黒字であつて金が入らないために思うようにできない、而も従業員に対しては親会社と従業員との板ばさみになつて潰れて行かなければならない。実に考えますときにはばかばかしい商売だというふうに私自身も考えるのでございますが将来といえども一つの工場をやつておるということは私自身の天職だと思いまして、とにかく日本がこれから自立経済を守つて行く上においては工業力によつて行かなければならないということは我我一応の良識として考えているのでありますから、たとえ僅かな技術といえどもその国家の樹立されておる政策に微力を尽して行くという一つの喜びと誇を持つているがために、この経済的な困難を克服して高い利息を払い、なお且つ親会社と従業員との板ばさみになりつつ、いつかいいときが来るんじやないかというような淡い希望を持つてやつておりますのが実情でございます。銀行等におきましても私どもは単名で借りる場合も、結局は単名で借りた金は親会社に納入するための材料を買うために借りるのでありまして、それが親会社のほうから支払が遅れるために銀行には結局期日が来ても返済することができない。お前のところはいつも嘘ばつかり言うのじやないか、とにかく貸しても期日には返したことがないじやないかとよく言われるのですが、結局自分としては親会社からもらつたならば返そうと思つて借りるのでございますが、親会社のほうがとにかく本社のほうの枠が来ないから払うことはできないと言つてけとばされるだけなんです。そうですから銀行にも意識しない嘘のような嘘を言わなければならんし、税務署に対しましても手形の割引料だけでも税金が完納でき得べきものが税金を納めようとしても納めることはできない。実際に今日といたしましてはだんだんそういう傾向が悪化しておるような状態でございまして、このままで今年一杯も過ごそうものなら川崎の中小工場におきましても、相当な工場の閉鎖とそれに基くところの失業者の続出、これはもう当然火を見るより明らかな状態なのでございます。よろしく親会社に対するところの支払の道義の確立ということを法制化して頂きまして、政府におきましても、一般業者に対する工賃とか物品等の買入に対する支払を遅延したりしたときは、たしか三カ月か六カ月以後におきましては日歩何銭とかの利息等を支払つておるように聞いておりますが、親会社に対する商業道徳の実行という面におきまして法制化して頂くことと同時に、そういうふうに会社の責任においてやらざる場合においては、そういうような商業上の罰則も設けて頂きたい。それと同時に金融機関が今後融資される場合におきましては、下請のほうに支払をせずにたいがい川崎の親会社というものは日本におけるところの一流の会社工場ばかりでございまして、最もひどい所になりますと、下請の加工賃の未払だけでも四億を生じておる所がございます。先ず五千万円から一億程度でしたら軒を並べておるような状態でございます。これが中小企業へのひも付融資によつてそれが中小企業へ廻り下請工場に還元されるならば、たちどころにして銀行から借入をしなくとも立直ることはいとやすいことなのでございます。私の申述べることはこのくらいでございます。
#11
○委員長(松本昇君) どうも有難うございました。それでは金融機関のほうの御意見を伺うことにいたします。商工組合中央金庫の理事の門司さんに一つお願い申上げます。
#12
○参考人(門司正信君) 下請工業者の実情、親工場の支払い状況等につきましては、先ほど来皆さんがたから御説明がございましたので私は省略いたしまして、商工中金といたしまして、こういう事態に対処して現在組合金融の形においてどの程度動いているかというようなことを参考に申述べたいと思います。商工中金におきまして下請関係の組合に対する融資を取上げ始めましたのは一昨年あたりからございまして、初めはぽちぽち殖えておりましたのですが、先ほどお話のように昨年後半期くらいから相当急激に組合数も殖えて参つておるのであります。これは去る五月末の数字でございまして、六月末はもう少し殖えておると思いますが、五月末の数字で申上げますと、取引の組合数が五十四組合でありまして、融資の残高が八億六千六百万ほどであります。一組合平均にいたしますと千六百万ほどの貸出金額となるわけでございます。この融資の方法といたしましては、大部分親会社振出しの商手を頂きまして、それを資金化するという方法をとつておりまするが、一部分事情止むを得ざるものにつきましては、債権譲渡或いは代金代理受領というような形を以て行なつておるのであります。この手形の期間は先ほども皆さんからお話のように、実情としましては随分長い手形が出されておるのもありますけれども、我々といたしましてはこれを無制限に取上げますというと、親企業のほうで非常にイージーゴーイングな考え方になりまして、どんな長い手形を出しても下請のほうの組合で商工中金に持込めば資金化されるというようなことで、従来九十日の手形を書いておつたものを百二十日にするというような鐵を寄せて参りますので、業者のかたがたのお苦しみは十分に御同情申上げ、お察しをいたしておりますが、手形の期間は九十日以内のものでなければ我々は担保に頂かないと、こういう方針を今までのところ守つて参つております。ただ昨年の年末あたり……そういう原則は原則でありますが、年末の越年資金というような特殊の事情がありまする場合におきましては、若干臨機応変の措置をとつたものがあつたのでございます。現在の貸出残八億六千万というようなものは、これは皆様も御想像はつくと思いますが実際に下請企業に対して未払いになつておりまする金額に比較いたしまするというとほんの一小部分でしかないと思うのであります。この厖大なる未払代金が資金化されるためには、どうしても親工場におきまして産業倫理或いは経済道徳というような面からお考えになつて、少くとも手形が書かれるということに導いて頂くよりほか仕方がないのじやないかと思うのであります。而もその手形も非常識に長い期間の手形では困ります。大体九十日程度の手形を書いて頂くということになれば相当問題は解決をする、かように考えるのであります。商工中金といたしまして下請関係の組合に融資をするということにつきましては、実は他の業界の一部におきましてはこれに対して相当批判をされる向きもあるので、その批判はどういう趣旨かと申しまするというと、ああいう金融は結局親会社のための金融をやつているようなものである。商工中金が大企業の金融を助けているのだ、そんなものをやるべき筋ではない。そういうものに中金の資金を食われてしまつて、他の事業に関係している組合所要の資金が満たされないようなことになつては困るから、いい加減にもうやめろというような意見なんであります。これも一応頷けないではございませんけれども、併し私どもといたしましては大企業に繋がつている中小企業、まさにこれは中小企業に相違ないのであります。そのかたがたの占めろ位置、産業上において果されまするところの使命というようなものに鑑みまして、商工中金の本来の使命から言いましても、これを全く疎外するということは当を得ないものであると思いまして、いろいろな点を勘案いたしまして、先ほど来述べましたような方法、程度におきまして漸進的に進んでおるような次第であります。
 まだ下請業者の範囲でもこれを組会員組織化することによつて或る程度商工中金が金融の面倒を見てくれるということを十分御承知ない向きも相当残つておると思うのであります。これらの部分が組織化されて我々に取引を申込んで来られるということになれば、現存やつておりまする方法におきましても、今後なお下請の金融は相当増加をするのではないかという見通しを持つております、
 先ほど来のお話伺つておりましても私全く同感でありますが、この下請の立場というものを親工場が、親企業が単に搾取の対象として考える間は、絶対に問題は解決をしないと思うのであります。実は私が知つておりまする実例の中でも、或る下請の組合につきましては、これは親会社の重役の一人が非常にその下請の立場というものを公正に判断をされ、又その価値を十分認識されて、下請工場が充実をし、その能率が発揮できるようにならなければ、親工場の本当の成績は挙げられないんだということを心から信念を持つて考えられまして、組合の設立にも非常に骨折られ、その後の運営にも何かと温かい手を差延べられておるという実例があるのでありまして、我々といたしましては大多数の親工場がそういうふうな気持でやつて頂きましたならば、いろいろと困難な問題はあるとは言うものの、現況に比べましてなおそこに光明が出て来るのではないか、こういうふうな気持がいたすのであります。
 なお、先ほど根本さんから枠の増額につきましての御要望もございましたが、先ほど私が申述べましたような趣旨から手形の期間のやたらに長いものを取上げる、そういう方法によつて枠を増額することは、今後も差控えたいと思いますけれども、九十日以内の手形を書かれることによつて、そういう手形が殖えることによつて金融にお困りになりまするならば、商工中金といたしましては資金の許します範囲におきまして御協力を申上げたい、かように考えるような次第でございます。
 以上商工中金のぶつかつております現状を申し述べました。
#13
○委員長(松本昇君) それでは最後に日本銀行の融資斡旋部長の市田さんに一つお願いします。
#14
○参考人(市田視蔵君) 私日本銀行融資斡旋部長の市田でございます本日お呼出を頂きました趣旨が、私どもの斡旋をやつておりまする経験から何かしらお聞き願うということでございまましようか、或いは日本銀行として中小の金融についてどう考えるかという大きな問題でございましようか。若し後者でありますれば、私どもの総務部なり企画立案をしているものに改めて出させます次第でございますが、私どもも斡旋をやつております経験から二、三申上げることをお許し願いたいと思います。
 日本銀行といたしまして中小金融に実際窓口としてタッチしておりますのは、一つは御承知のように見返資金による中小企業の設備資金、合理化改善用の設備資金の放出であります。これは二十四年以来約三十八億三千万円に及んでおります。最近はややテンポが緩んでおりますので、非常に多額のものが残つております。先ほど来合理化をしなければならないということは、先ず以て設備の老朽いたしたものを取替えるという根本的な措置から出発するわけでありますが、これを大いに利用して頂きたい。従来中小企業の定義が小さ過ぎたということでそれも拡充しております。できるだけ使える措置は有効に使つて頂きたいと思います。それから私どもの斡旋部に見えられる中小企業者のかたがたのことでありますが、先ほど来お話のありますような大企業の下請関係に立たれるかたがたと、それから一応独立の経営をやつておられて、その製品は問屋を通じて大企業に流れて行くというようなもの、或いは直接に輸出されるような輸出雑品工業等のかたがたに分れております。今日のお話の中心は下請関係を重点に置かれるようでありますから、輸出雑品工業或いは問屋に納品される中小工業のかたがたの話は抜きまして、下請業者という範疇に入りますかたがたのお話を伺つているところから受けまする二、三の印象を申上げます。
 一番私どもが残念に思いますことは、私ども親会社、大企業のほうの斡旋をやりますので、かなりコネクシヨンはあるわけでありますが、具体的にどこの会社にどうしてもらいたい、これを親会社と一緒に顔を合せて相談しようではないかと申しますと、それは待つてもらいたい、そうなるとどういうことになるか、あとが、わい。先ほど縷々お話ありましたあの通りであります。実は私ども大企業にも、そういうあとで仇討をされるようなそういう形式的な斡旋はいたしませんので、そんな仇討はしないようにということで、あとあとも報告を受けますから、大企業に対する関係も一時でとまるわけでございませんので、是非率直にお話願いたいと思います。それで大概のかたは一つの例としてお聞き願いたいというお話であります。それから日中連のかたもいろいろ御調査になりましたようでありますが、これを具体的に私どもが取上げられるような形で資料を頂ければ、大変結構じやないか、すぐその部分だけでも効果を発揮するやに思われますが、只今はそういうあとがこわいというような大むねの御希望が原因しましてか、そういうふうに取扱わないでというようなことでありますので、実に隔靴掻痒の感に堪えない状況であります。それからかなりそういう話も聞きますので私ども大企業を通じまして常に資材代、主として資材代の未払という恰好に出て参りますが計数を出させております。それによりますと案外悪くなつてないような統計が出ておりますので、これをそのまま呑み込んでは実情に反することは私どももよく知つておりますが、さてそれではどういうふうにするかと申しますと、具体的な計数をぶつつけないと解決にならないと思います。例えば納品の検収に三カ月かかるというようなことを伺うのでありますが、二、三調べましたところによりますとむしろそういうことはないのだ、そんなのがあるのなら来てもらいたいということを言われます。甚だ問題はやりにくいと思うのであります。そこでなぜこんなことになるかと思うのでありますが一つはどうしてももう少し強くなつて頂きたい。これは甚だ行き過ぎたことを申しては失礼かと思いますが、かなり中小業者のほうで競争が激しいようでありましてみずから同業者の小股をすくうような動きをなされるようなところもないではないのであります。こういうのが一、二ありますと、忽ち足もとが崩れてしまうというような感じを受けるわけであります。これが大部分だとは決して申しませんけれども、そういうことが一つでもありますると、全体に非常に不幸をもたらすのじやないかという感じを強く抱くわけであります。それからもう一つは、それぞれの中小企業者が特徴を持つて頂きたいと思います。何かしら特徴がありますれば、親企業は放つておかないようであります。単に口先だけでもなさそうに思います。決して十二分な援助をしておられるとは申しませんけれども、少くとも見殺しにはしておられない。一番ひどい目にあつておられるのは、余り特徴を持たないで競争激甚な業種にそういうものが起るのじやないかと思います。それからもう一つは本社の経理部で現場の資材を購入します課、或いは修理をさせ発注をする課がありますが、その関係が必ずしも円滑に行つておられない。本社はそれぞれの本社全体の資金計画を立てまして、金融機関から金も借りて或いは集金もするわけであります。そうして現場に金を送る、今月はこのくらいしか払えない。従つて修理などは延ばしてもらいたいというにかかわらず、現場では先に進んでしまつているというようなことがしばしばあります。仕事をさせた以上は、未払いを残してはいかんということを、私どもも常々申すのでありますが、何かというと一つの修理、仕事などをやりますと、そのついでだからこの仕事もやりたいという下請業者のお話で、それなら金はいつ払えるかわからんというような、誠に遺憾千万な話合いになつて仕事が行われてしまうというようなことも事実のように思います。私ども、経理部の人が発注の部門と完全に連絡をとつて仕事を出した以上は、払えるようにしてもらいたいという機構の整備も要求しておる次第であります。
 それから最後に対策の問題でいろいろ御意見が出ました。私どもも研究いたしまするが、曾つて炭鉱でありましたか、二年ほど前に年末に資材代未払い、これは恐らく中小の枕木業者でありましようが、一括融資のようなことをやつたわけであります。そうしますと、年末はよろしうございましたが、その後越年後三、四カ月経つと又とまつてしまう。そうすると金を別枠で作つてやらないと、一向下請のほうへこれらが改善されんのです。前と同じ状況になつてしまうというような状況で、これは実は長い経験を持つております。従つて未払を整理するならば、本気になつて大企業がその金をみずからのものとして作るつもりでやらなければいけないと思います。従つて上から水を流して下から出て行くというような方式は、よほどやり方をよく考えませんと、一遍こつきりで何にもならないというようなことが考えられます。成功したほうから少し申しますれば、先ほど根本さんからのお話にあつたように、或る特殊のケースをとらえまして上と下と両方睨合ぜながら金を流して行くというような場合、これは一、二ではございません。ただその企業全体の状況を改善することの効果を納めませんことは残念であります。私ども斡旋の仕事をやつております者は、少しでもいいから実効のあるところから取上げて行きたい、こう考えるので申上げる次第であります。
 それから例えば、これは具体的に名前を出していいかどうかと思いまするが、いわゆる新特需というものが去年の夏ごろありまして、或る大機械業者が五百万ドルに及ぶ発注を受けて、これが大部分が下請、大企業で製作するもりは殆んどないというような状況でありまして、これがうまく下請へ流れるかということを大変私ども心配いたしまして、その後下請の鋳物業者、板金業者、それから切撃業者等のかたに来て頂いて報告を聞いたのでありますが、そういうふうな段取をつけて金融をつけたものはよほど流れております。従いまして一つ一つのケースでうまく行くものもあるのじやないかということも、痛感する次第であります。なお、先ほど川崎の組合の会長のお話もありましたが、ああいうかうな具体的な話を私のほうへ持つて来て頂けますれば、どの方法、いろいろとそれは方法はあるわけでございます。最善の方法を一緒になつて研究したいと思つております。
#15
○委員長(松本昇君) どうも有難うございました。以上で参考人のかたがたのお話は終りましたが、委員のかたがたから御質問ございますればお願いいたします。
#16
○小松正雄君 中島さんに二、三点お伺いしたいと思います。
 一点はあなた方の中で親会社に物を納める。ところが早いもので五十日、長いもので百五十日という長い間の支払があるようでありますが、それらの金利は手形を発行するほうの会社で持つのであるか、又は下請人のほうで金利の支払をしているものであるかどうかというのが一点。それから三カ月乃至四カ月もの長い間に納めたそうした金額は相当額に上ると私は思います。それを会社でどのくらいあるかということと、それから又下請事業別についてはどんな業者があるか、又どんな業に一番数が多いかということであります。それからもう一つは労働賃金の支払が遅延したために、途中におきまして下請業が中止するようなことがあるのじやないか、それによつて多数の失業者が出るようなことが今日あり得るのじやないかという三点をお伺いしたいと思います。
#17
○参考人(中島英信君) 第一の点を申上げますと、金利の点では最も多い例としてはその金利は手形を受取つた下請企業のほうが負担しているぼうが多いと思います。ただ非常に例外的には金利を負担する、親企業のほうで金利を負担する場合もありますけれども、これは本当に稀な例でありまして、大部分は金利を負担をして下請業者がやるのであります。それから第二点をちよつと措きまして、第三点の下請業はどういう業種に多いかというお尋ねでありますけれども、これは先ほど中川さんからもお話がありましたけれども、やはり業種として多いのは、造船関係、機械器具工業関係といつたようなものが一番多いようであります。大体において機械器具工業が下請企業の数から言うと最も多いと見ていいと思います。それから一会社でどのくらい下請の未払賃金、未払代金、つまり回収不能のものが溜つているかというのでありましたが、この点は非常に長く、つまり六カ月でも遅延しているようなものになりますと、金額においてその下請の会社の一月の販売額の三倍以上に上つているような例もある。但しこれはこの下請企業といいましても、自営と下請企業を兼ねているもの、それから幾つかの親企業を持つているもの、それから一つの親企業に専属しているものと、こういうふうに分れますので、その点についてはそれらの状況によつて大分違つているわけであります。
 それから最後のお尋ねというのはちよつともう一度伺いたいのでありますが……。
#18
○小松正雄君 第三点はそういうようなことで金がもらえないということによつて、労働賃金の支払が遅延するために、中途でその下請業をやめるというようなことがありませんか、それによつて失業者が今日続出しているようなことはないか。
#19
○参考人(中島英信君) そういう例はございます。つまり極く少数、ごく短い期間ですと、或る程度やりくりをして行けるわけですけれども、長くなつて来るとそのやりくりがつかなくなつて来る。そうするというと非常に転換のきく場合はいいですが、そうでない場合に勢い自分のやりくりのできる範囲内に仕事の量を縮めるとか、或いは余り支払いが遅れるために、その親企業の仕事をやることを断念するとか、こういうような例が出て来ます。その場合には従来やつておつた仕事を半分にするとか、非常に極端な場合には、先ほどもちよつとお話が出ておりましたけれども、全く仕事を中止するという場合も出て来ると思います。従つてこれはその場合には、その下請の中小企業に働いている従業員の中には当然失業する者も出て来るわけです。ただこれがどの程度の規模と数量かということについては、そこまでちよつと調査したものは現在は持つておりません。
#20
○小松正雄君 では商工組合の門司さんにお尋ねしたいと思いますが、又お願いもしたいと思います。今中島さんのお話の中にありました下請としては期限内に納付しても、支払いが長い間の手形である。そういうように言われますが、これによつて大企業者より、納入した物品に対する支払手形をあなたのほうで受取つて、代行して、そうして下請業者のために金融をしてやるというようなことはできないのですか。
#21
○参考人(門司正信君) 方法といたしましてはできないことはございません。併し先ほども私が申上げましたように、それを無制限にやりますというと、従来より以上に親工場のほうが支払を延ばして来られるという傾向が起るのでありましてそこのところは私どもも或る程度のところでふみとどまつて、むしろ従来百二十旧かかつたものを改善して頂いて、九十日にこの次には返してもらいたいというような、そういう改善の方法に行きたいと思います。その下請のかたがたの現在の苦しみがわかりながらも、無制限にやつていないとこういうことなんでございますけれども……。
#22
○小松正雄君 商工組合という建前から、私といたしましては特にこの下請業者の苦境を知られておるあなた方といたしましては、一層に骨を折つて頂いて、骨を折つて頂くということは、自分のほうでの中金というもので金融方法が若しつきかねるといたしまするならば、今日ここにお見えになつておりまする日本銀行の融資斡旋部長さんもおられますが、さつきのお話の中でも或る程度のことはできる限りあなたと手を組んで下請業者のために尽したいというようなこともおつしやつておられまするし、なお又商工中金というのもありまするし、これらの金融方面からあなたのほうで借りられる。そうして例えば親会社のほうに納めた代金をあなたのほうで受取るといいますか、紐付といいますか、というようなことでもなさつてそうしてこの苦境を打開させるようになさるというお考えはありませんか。
#23
○参考人(門司正信君) 只今の代金受領或いは売掛金の債権譲渡というふうな形でやつておるものも一部分はございますが、まだ全面的にそこまで乗り出していないのでございます。
#24
○小松正雄君 そこで今お話の中で債権譲渡も受けて、或る下請人のために或る親会社にはやつておるということでありますね、そうですが。
#25
○参考人(門司正信君) 極く稀なる例として……。
#26
○小松正雄君 一例としてでもそういうことがあるといたしまするならば、私はここで申上げたいことは親会社がここに一つの仕事を下請業者にさせて期間内に受取つた。その品物によつて又一つの製品ができたといたしましても、親会社もその製品がすぐ支払を受けるところに納まればいいが、或いは納めても親会社がすぐ金がもらえないという事情も私はあると思うのです。そういう場合には、九十日以内であれば何とかあなたのほうでは金融をしてやろうということでありまするが、そういう関係から考えられまするときには、必ずしも九十日でなく、百日が百二十日になりましても、この親会社の品物が納まれば必ず金はあなたのほうに手形として落されるという実際面に即して見通しがつくというような裏付があり、又あなたのほうで調査なさつてでも、そういうふうな金融方法をなさるという考え方はないのですか。
#27
○参考人(門司正信君) その点につきましては、先ほどもちよつと申しました他の業種との関係もあり、他の業種からの一部の意見もございますので、この下請企業のみについて全面的に見るということはむずかしいようにも思うのでございますが。
#28
○小松正雄君 そこで最後にお願いとして申上げておきますが、あなたの御会社といいますか、金融会社といいますか、中央金庫というものは、少くとも商工組合というものの名前が出ておりまする以上、この下請業者というものは、あなたを第一の頼りにするというような、若し私が下請業者でありますならば、あなたを一番頼りにする、金融業者として御相談申上げる、かように考える。そういう意味からいたしましてもあなたはでき得る限り中央金庫として商工組合の立場に立つて諸般のことに努力せられて、この苦境にある中小企業者の金融のために努力を願いたいということをお願い申上げておきます。
#29
○参考人(稲川宮雄君) 只今の小松さんの御発言に関し、私からもちよつとお答え申上げたいと思うのでありますが、代金受領を中金のほうで見てもらいたいと、こういう希望を業者のほうで持つておりまするけれども、そういうことは親会社のほうが非常に嫌いまして、よそで代金受領までしてもらうならば自分のほうは注文を出さないと、こういう例が相当にございますので、只今のお話誠に結構でございますけれども、中金でそういう方面まで手を伸ばして頂くことは私どもも希望いたしまするが、やはり親会社の無理解から実際問題としては代理受領まではやつてもらいたくない。こういう親会社が相当あることを御報告申上げておきます。
 それからもう一つ中島さんに対する御質問の中で、どのくらいの未払代金があるかということでございますが、これは私ども親会社について調べることはできなかつたのでございますが、下請業者の組合について調べた二、三の例について申上げますると、組合員が二十一名でありまする或る組合の組合員の未回収代金の合計が一億五千万円、平均いたしまして二十一名でありますから七百五十万円ほどでございます。それから組合員が七名の或る組合の未回収代金が四千万円でございますから、これが約六百万円ほど一人当り平均持つておることになります。それから第三の組合につきましては、組合員が九十九名ございまして、その売掛代金が約二億円でございますので、一人当り平均二百万円持つておる。こういう例がございますので、ちよつと御報告申上げておきます。
#30
○小松正雄君 川淵さんにちよつと今の問題に関連いたしましてお尋ねしておきたいと思いますが、いろいろなことは抜きにしまして、一応手当として二万二千円も出したという会社があるということでありましたが、その会社の名前がおわかりであり、ここで発表できるならばお願いしたいと思います。
#31
○参考人(川淵逸郎君) これはなかなか言えないことでありますが……。それにつきましてまだ先ほどの質問に対して直接やつております私のほうからお答え申上げたいことがあるのですが、大体下請工場というものには親会社からの材料支給によつて一時間百円なら百円、百五十円なら百五十円の加工賃によつて見積りをして仕事をもらう場合と、材料持で以て幾らという注文を頂く場合と二通りございまして、大体におきまして加工賃でやる場合におきましては従業員が五人もおるとするならば平均一人当り二万円から三万円の間を往来しておる。私の身近なところの或る会社では現在従業員の賃金ベースが一万四千八百幾らかでございます。従業員一人当り実働七時間として一時間にして割りますというと、八十何円くらいになるわけです。それから下請一時間当り百円から百二十円くらいの加工賃でやらせるわけです。それでなお且つ私のほうで先月、私のほうはじかにその会社の鶴見工場と取引しておりますが、昨年の十二月に納めた、いわゆる検収になりました代金が七月の十日頃にもらつておるような状態でございます。それも九十日の手形でございます。それを以ちまして私のところといたしましては従業員が三十五人で以てその会社に対して加工賃だけで現在百万円の残高がございます。それで月々どのくらいもらうかというと、手形で以て二十万円くらいがいいところでございます。
#32
○小松正雄君 最後にではお願いしておきますが、本日の皆さんのお話を総合いたしまして、本小委員会としては、今度は反対の大企業者のかたがたをお呼びになると思いまするが、そういたしまするならば、私は今さつき申上げましたかたを一人呼んで来て頂きたいということをお願いしておきます。
#33
○委員長(松本昇君) 承知いたしました、いずれ……。今日は主として下請のほうに御関係の深いかたがたに来て頂いたのですが、今度は一つ大企業のかたにも来て頂いて御意見を伺うということになつております。
#34
○小林英三君 私も実は中小企業の団体に多少関係しておりますのでこの支払の遅延の問題はよくわかるのでありますが、そこで一、二御質問申上げたいと思うのですが、稲川さんにちよつとお伺いいたしますが、親会社の中小企業の団体の代表者の先ほどのお話を聞きますというと、殆んど道義上の問題というところまで来ておると思うのですが、中にはその親会社が銀行の伜は大体もうそれ以上はできないと言う、今枠がきまつておりましようから……。私はこういうことをよく聞くのですが、相当一部の会社が、銀行の枠が限度があるから、その銀行の枠以上の金融については、いわゆる闇金融をして日歩十銭或いは八銭とか十二銭とかいう金融をたびたびやつておる。そうして銀行の枠内の安い金利とバランスをとつて運営しておる。そういう大きな会社の闇金融の手形がたびたび出ておるということを私は聞くのですがそういう点もお聞きになりませんか。
#35
○参考人(稲川宮雄君) 大会社がそういうようなことをやつておるということは余り聞きませんです。むしろ大会社が下請へ手形を出しまして、その手形を自分の個人の名前で、社長とか、専務とか会計係とか個人の名前で割引いておるというようなことが相当あります。
#36
○小林英三君 個人が割引しておるというのは、結局会社が使つておるわけですか。
#37
○参考人(稲川宮雄君) 会社でなしに、会社の振出した手形を会社では勿論割引かないで、専務なら専務が個人で割引いておる。
#38
○小林英三君 私がお尋ね申上げておるように、その会社自体として或る期間の間は枠はもうそれ以上は借りられないから、会社の要る金を市場に闇で手形を出している。出してもいいんだが重役が割引いて高い金利で儲けておる。会社自体は困つてそれを使つておるというような状態です。
#39
○参考人(稲川宮雄君) 私の調べました大きな会社が金に非常に困つて、そのために支払いが遅延しておるということが以前ございましたが、最近はない。むしろ支払える状態にあるにかかわらず自分の金利を稼ぐために、或いは下請を牛耳るために支払を遅延しておる。自分のところの枠がないために遅延しておるというのは、余り見受けられないのであります。
#40
○小林英三君 それからこういう場合はございませんか。或る一つの鉄鋼会社にしても或いはその他造船にしても、何にしてもいいのですが、たくさんの下請を持つておる。ところがそのたくさんの下請の中で特に替えがたいような優秀な技術を持つておる下請工場がある。そういうところへは十軒、十五軒とある中で、同じ下請工場の中で特別に金融をよくしてやるし、払いをよくしておるが、これは気に入らないからほつぽり出して又新らしい下請を作ればよいという普通の技術しか持つていないところと区別してやるというような、そういうことはありますね。
#41
○参考人(稲川宮雄君) それは若干ございます。
#42
○小林英三君 それから検収の問題ですね。さつき中島さんもお話しになつていたようですが、戦前と戦後と、それは戦前にはいわゆる注文がたくさんあり過ぎて、下請工場にしてもどの仕事を取ろうがそれは自分の自由で、こつちが威張つていたもので、金も払う、原料も心配するという状態であつたのですが、今日では仕事がない。有効需要がノーマルでないということが根本理由であろうと思う。今後の日本の経済界がもつとノーマルになつて、仕事がノーマルになり、有効需要がうんと平常の姿に立返つたときには、これは戦前と同じようにそんな遅延どころの騒ぎじやない。もつとよい條件でなければ仕事をしてやらないという時代が二、三年後には来るかも知れませんが、現在は皆さんも言われたように下請工場が金融の問題でいじめられておるばかりでなしに、場合によつては大きい会社の金融までしてやつておるような姿になつておる。これは大いに考えて何とか……、先ほども金利調整法なんというものをお考えのようでありますが、これも大いに考えなければなりませんけれども、この検収という問題が、品物を持つて行つて納めて、そうしてその納めた数によつて金を払つて、不良品が出たらあとで返すというようなことに従来はなつておつたのですが、ところが今日は検収というのが一カ月か二カ月、甚しいのは中島さんのお話しのように三カ月もかかるというのは、一旦納入したときには領収書は受取らないのですか。
#43
○参考人(中島英信君) これは一般の慣習といたしまして、品物を納めた場合には一応何かの形で仮領収書を取るわけでございます。併し正式にはこれを検査の係が検査をして検収するわけでありますが、会社によつて技術的な面、それから会社の内部の蓄積の関係によつて納品後即日、二、三日のうちには行かないという例もありますが、全般的に言つてこの期間が延びて来ておる。延びて来ておる期間の中に技術的なもの以外のものもやはり見られると、こういうわけです。
 それから先ほどからお尋ねになりました点で一つお答え申上げたいと思いますが、大企業のほうで闇金融をやつておる例があるというお話しでありましたが、これは我々もしばしば聞いておりますが、ただこれがこの問題と関連して闇金融をしてまで下請工場に払おうというのではなしに、それはむしろほかの用途に向けられておる場合が多いわけでございます。それほどまでにやつて下請に払うという状況ではない。なおこの事情について若しもつと説明が必要でございましたら、今丁度神戸から兵庫中小工業の西村氏が見えておりますが、関西にはそういう例が非常に多いようでございます。若しそういうことでもう少し詳しい説明が必要でございましたら、西村さんに御説明してもらつても結構です。
#44
○小林英三君 今の検収の問題ですね。すぐ眼で見てわかる程度の小さい中もの、小ものという程度のものは、こういうものがありますならば、受取り係が何個々々と言つて納入書と照し合せて受取つて、あとで不良品が出たら、常識的に判断ができるのだから、支払うときにそれだけ差引いて払えばいいと思うのですが、ただ大きな品物で金額の張るものを一旦受取つてあとで不良品を発見したというような場合には、これは検収というものもその他必要じやないかと思いますが、すべての場合に検収が一カ月も二カ月もかかるんですか。
#45
○参考人(中島英信君) それはお話の通りに非常に簡単なものの場合、それから従来、昔の関係の場合には下請の企業に対して便宜を計らつて一応概算しておいて、そうして支払つた後において清算する、こういう方法をとつておつた会社もやはりあります。ただ最近はその方法をとつてまで支払いを促進しようとするものは非常に少くなつておるのが実情だと思います。
#46
○小林英三君 それからこの門司さんにお伺いしたいと思いますが、先ほどあなたのお話では、二年間にですか、二十四年以来五十四組合ですか、今年の五月末におきまして五十四組合に対して八億六千六百万程度の、つまり下請関係の組合へ融資をするというお話がありましたが、それからなおお話の中にそういうような機構があれば受入態勢があるということですが、そういうような下請関係に関する組合の金融に関しまして今後どのくらいの程度まで受入態勢が現在においてあるんでしようか。
#47
○参考人(門司正信君) 只今の御質問は中金の貸出資金源はどの程度まで行けるかと、こういうお尋ねでございますか。
#48
○小林英三君 そうです。
#49
○参考人(門司正信君) これは下請だけにというわけにも参りませんで、御承知のように各業種の組合を相手にいたしますが、現在のところで申しますると、なお四十億ぐらいは出せると思います。
#50
○小林英三君 それからこの市田さんにお伺いしたいと思いますが、先ほど市田さんの御発言の中に、日本の中小企業に対する金融全体としての考え方であれば別の人を出して又討論したいというお話があつたのですが、私の記憶しておるところによりますと、日本の中小金融に対しましては大体現在までに六千億円ぐらいの貸出があるように聞いておりますが、大体そんなものですか。
#51
○参考人(市田視蔵君) 大体そんなものです。
#52
○小林英三君 そうしますというと、大体日本の中小企業というものが五十万軒といたしますと、平均百万円程度になると思うのですが、やはりこの中小企業の中には、大企業があつて、そうしてその中に中小企業があるという業種もありましようし、それから又大企業はなくて中小企業のみによつて運営しておるようなものがたくさんあると思う。そういたしますというと、日本のこの今日の産業というものは、中小企業を疎かにするならば、日本産業はびつこになつて何らの運営もできない、こういう主要な力を持つておる。工場中におきまして九〇何%の大部分の工業を分担しておるわけであります。そこでそれは企業の合理化等の問題もありましようけれども、とにかくそれだけの中小企業があることによつて日本のすべての産業が運営しておるわけでありまして非常にこれは重大な問題だと思う。先ほど代表者のお話を聞きましても、支払遅延の問題をこのままに疎かにすることはできない、今日の状態における、将来のことは別問題としてこの私は考えるのですが、これはあなたの御答弁の限りでないかも知れませんけれども、まあこれは政府の問題ですけれども、もつともつと金融を中小企業に対しては促進しなくてはならん。同時にその一方においては誰にでも貸すという……、つまらない仕事をやつておるやつに貸したつてしようがないと同時に、不信用の人にも貸すわけには行きますまいが、これは組合等においてやはり人物であるとか、仕事の工合であるとか、製品の工合であるとかいろいろな問題を検討して、そういう人には今資力はないけれどもむしろどんどん貸してやつたらよろしいという面が多々あると私は思うんですが、そういう点に関しましてどんなお考えをお持ちでございましようか。
#53
○参考人(市田視蔵君) 先ほど申しましたように、つまり中小企業が基盤であるということは私も同感であります、そうしてこの下請の関係にのみならず、或いは輸出なんかの雑品工業など、それ自身それがサプライヤー、貿易商に食付いておる、これも同じようなウェイトで考えなければならんと思います。そこでこれらの人を育成するための中小金融でありますが、信用をどうして形成するか、信用のないものに出せということはちよつと私どもの立場、或いは日本人の立場から見ても無理だと思いますので、これは又別の社会的な措置に譲りまして、信用を如何にして作つて行くかこの方法がまだまだ残されていると思います。
 第一は、組合を組織するということでありますが、組合を組織するということが形式的には非常に尤もで、又どんどん組合を結成されておるが、本当にスクラムを組んで運営して行くという問題が、相当実際その通りかどうかということが問題があると思います。是非それは本当にスクラムを組んでやつて行けば非常に信用の増強になると思います。
 それから貿易などにつきましてはいろいろ仕事のやり方自身について、事業の実体についていろいろの指導が行われますれば、随分違つて参ると思います。例えば販路とか、或いは需給のバランスでありますとかそういうものの知識を欠いて、そのときどきの調子によりまして、例えばクリスマスの或る種の電球を注文すれば、誰もかれも皆んな作つてしまう。それはそんなものを作つたら全体としてとてもオーバー・プロダクシヨンになつてしまうということがわかつておりながら全部作る。それがいかんということがわかると、次の年は皆又違う種類に入つてしまう。そういうような指導ができますれば、もつともつと金融を受けられる力も付いて来る。私ども相談を受けますというと、どうしても全体としての判断が抜けておるのじやないかと思います。この辺を一体どこへ行つて御指導を承わつたらばと私考えるのでありますが、例えば中西さんの商工指導所、ああいつたような組織、或いはほかにもたくさんあると思いますが、こういう点に非常に期待するわけであります。なんとかして信用を増す方法がまだまだ考えられなければいけない、こういうふうに思います。
#54
○小林英三君 それから稲川さんになおお尋ねしたいのでございますが、この大企業が支払を遅延しているという問題はこれは由々しい問題でありまして、相当我々も検討して行かなければならんと思うのでございます。この善後措置はどうするか検討していますが、ただその業者のほうで一つの大会社の仕事をやつておる、下請をやつているという際に、それよりも私のほうが仕事が安くいたしますからと言つて非常に食い込んで行つて、お互いに業者の向うずねを蹴飛ばしてやるというような場合もかなりあるように聞いておりますね。こういうようなことが結局大企業をおごらして、幾らもやり手があるからというようなわけでつい心がおごつて、そういう支払いの遅延というような面にも響いておるというような点がありはしませんか。
#55
○参考人(稲川宮雄君) それは全くお説の通りだと思います。業者のかたの下請業者の競争が激しい、こういう時代でございますので、もう少し需給状態というものが調整されて、相当仕事が忙しくなれば、この問題も或いは自然に解消するかと思いますが、今のところは、ただ注文を取りたいために、むしろ或る場合不利な条件に甘んじて行く。恐らく大企業のほうにお話願えれば、それはもう向うが求めて来ておるのだというような、例えば百貨店に納める問屋泣かせ、これも問屋が甘んじてやつておつて、あとで苦情を言うと同じように、そういう実情は相当あると思います。併しながらだからといつてこれは放任して頂いてはよろしくないとまあ思つているわけでございます。
#56
○小林英三君 なお承わりたいと思いますが、稲川さんでも中島さんでも結構ですが、こういう場合がありはしませんか。つまり中小企業のほうでは一つのお膳立てによつて仕事をしておるわけです。若し親会社のほうで今仕事がストップするというと、中小企業のほうでは工場の運営ができない。そこで何とか一つ仕事をさしてくれませんかというようなことでそれじやあなたのほうで造つてみるかというようなわけで造らす。こういうような場合には支払もすぐ払うわけにいかんのですから、大企業家のほうも支払を少しゆつくりしてくれということで棚わないということはありませんけれども、或る程度の了解がついて、何とか払つてくれるだろう、ああいうふうだから、仕事をどんどんやつたところが金は払わないわけじやないだろうからというので、保証制度でやつているようなことがあるのですか。
#57
○参考人(中島英信君) それはやはり多少あります。それから又殊に昔の下請関係の場合にはかなり例が多かつたのですが、つまり非常にこの下請企業を長い間面倒をみておる、今後も面倒をみて行こうという場合に、そういう下請企業であつて且つ比較的専属的な企業ですと、そういう場合には若干そういう例もあります。今日でも幾らかの例はありますけれども、併しこれも多い例とは言えないわけです。ですからこの下請代金の支払が非常に遅れているというようなところにおいてはそういう例はやはり非常に少いと言つても差支えないと思います。
#58
○小林英三君 それから中島さんにお伺いしたいのですが、あなたのほうの下請業者は、下請関係臨時調整法という案が中小工業協議会でできておるようですが、これは何ですか、先ほど御説明を聞いたのではまだわかつていないのですが、つまり支払遅延を防止するというような一つの考え方ですね。そうすると、その大工場に対する下請工場というものが十軒とか二十軒とかあるといたします。その十軒とか二十軒とかいうものが、そのAという親会社の専属工場ということに決定するとすると、その二十軒なら二十軒の下請工場というものはその親会社に対して専属であつて、そのほかの人は誰も将来入つて来れないということになるのですか。
#59
○参考人(中島英信君) その点はそういう意味じやないわけであります。つまりここにAという下請企業があつて、Bという親工場を持つており、B以外にC、Dの親工場を持つている場合に、Bの親工場に対する下請工場にAも加入できるというような考え方であります。
 それから今の目的の点では、やはり支払遅延の防止ということが一つの目的でありますが、先ほどお話がありましたが、業者間の或る意味で不当な競争、ダンピング的な競争というものを防止するためにもやはり共同の態勢をとつたらいいのじやないかという一つの目的であります。
 それからもう一つの目的はこれは最近の傾向でありますけれども、いわゆる新特需などの大企業自身が出血受注をしておるという場合があるわけであります。こういう場合に出血受注のしわをどこへ持つて行くかというと、やはり下請に持つて行く、この場合には下請は比較的値段の点で非常に叩かれるという問題が出て来るわけであります。従つて今日から又将来にかけての問題としては、下請工場はやはり価格の問題が入つて来るというふうに我我は考えておる。大体この三点について公正な取引関係を立てる必要があるのじやないかということを狙つておるわけであります。
#60
○小林英三君 まあ公正な取引関係を結ぶという意味も含まれているでしようが、勿論支払遅延防止存するという狙いがある。そうするとこういう問題が起つて来やしませんか。つまり一つの親工場に対して二十軒なら二十軒の下請工場があるとします。これは独占禁止法にも関係があると思いますが、而も親工場は必ずしも二十軒に限つたことではない、どこからでも勝手に取引できるということになりますと、下請の中で余りむずかしいことを言うんじや困るから今度はほかのところを作つてやろう、ほかのところと取引しようというようなことの点はどうですか。
#61
○参考人(中島英信君) その点実は先ほどちよつと法案、法案といいますかこういう法律の要綱案について説明申上げたときに補足的に実は申上げたのでありますけれども、こういうものを効果的にやるためには、やはりアウトサイダーに対するまあ包括的な拘束力を何かの形で与えなければ効果がないというふうに考えておるわけです。これは一定の数以上の下請企業が組合を作つて協約を結んだ場合には自然にその効力がアウトサイダーに及ぶというふうにするか、或いはこの下請調整機関が必要と認めた場合にはその効力がアウトサイダーにも及ぶようにする、このいずれかの方法によつてそれに対する措置を考える必要がある。こういうふうに思つておるわけです。
#62
○小林英三君 いずれにしてもこれは今の稲川さんや中島さんなんかのお話になるところを聞きますというと、相当力があつて、高率配当をしているような力があつて、自分の会社に対しても大きなボーナスを出すという力があつて、而も高率配当というものが、必ずしも今日は利益の全部じやなくて、利益の一割か二割程度のものでしよう、併しまあ三割も配当すればもうないぐらいの程度だろうと思うのでありますが、配当以外にたくさんの利益を会社が挙げているわけです。併しそれにもかかわらず、下請工場にはそういう冷遇をしておるということは甚だ不都合極まる点だろうと私は思うのですが、ただこの問題は、例えば国会におきましてこういうような支払遅延はすべからずという法律を仮に何かの方法で作つたと仮定いたします。今日のような需要供給の関係でノーマルな有効需要がないということになつた場合には今度は闇が起りはしませんか、その法律を作つたら……。
#63
○参考人(中島英信君) こういう法律を作つた場合に必ずしも百パーセントの効果を挙げるかどうかということになりますと、いろいろな点で薫り問題があると思います。一つはやはりこういう法律によつて公正な取引関係に対する一つのはつきりした目標を示すということが一つ、更にそれによつて親企業にも十分に反省をさせる機会にもなると思いますし、それからもう一つは、やはり百パーセントの効果を挙げなくとも、若し数において少くても法律が本当に正しく運用されて効果を挙げるならばその影響はやはり全体的にも及ぶのじやなかろうかと思うのであります。
#64
○小林英三君 なおこの問題はいろいろ考えて我々も支払遅延のないように考えたいと思います。
#65
○境野清雄君 大体この問題は重大なる問題じやないかと思うのです。一、二年前にありました、政府の支払遅延というような問題が起つて、あの解決は御存じのような形になつたのですが、大体今度の問題は政府の支払遅延というようなものとは相当違つているのじやないか。この問題の解決は本委員会としても私は相当これは再考しなければならんと思う。勿論今日のお話は一方的ですから、更めて大企業のほうの問題もよくお聞きして解決方法を考えなければならんのじやないか。先ほど日銀さんからお話がありましたように、今日いろいろ参考資料は頂いたのですけれども、大体今日の参考資料では私は議論にならないのではないか。まあ言い換えれば先ほどこの解決方法ということで稲川さんのほうからもいろいろな問題を出されたようですが、それでも私はあの四点ぐらいじや大体解決しないだろうというふうに強く考えているのでありまして、先ず第一にデータの出が足りない、私のほうから考えましても、業種別によつて全部が同じような状態ではないのじやないかと私は思う。一つはメリヤスならメリヤスというようなもの自体を取上げましても、取引商社というようなものが資金の引上げをやつているとか、或いはガラス製品のようなものが輸出の不振がそこにしわ寄せしているというような問題が根本原因である。なお且つ業種の中では大企業が自分のほうの資本力が余裕ができれば、現在下請に出しておるものも大企業形態の傘下で自分の家でやりたいという、こういう事業もあるだろうと思うのです。私どものほうとしてはもう少し詳細に一つ下請工場の金融問題の遅延しておるということを業種別に一つ御提出願わないことには、私のほうにはこれに打つ手がないのじやないか。それからもう一つは下請関係の臨時調整法というものも拝見したのですけれども、こういうようなものにしても、今お話がありました通り、アウトサイダーを抑えるという拘束力がなければ、この間の特定中小企業の安定法と同じような関係だと思う。そういうような面から見ますれば、今の下請工場の中で一体アウトサイダーの占める割合はどのくらいであるか、それから現在やつておるのはどのくらいであるのか、これも近いうちに数字があればお出し願いたい。併せて下請々々というようなお話ですけれども、実際今こういうような下請の金融難というような問題になつておりますものも、おのずから私は下請のものと再下請のものとは相当違うのじやないか、そしてむしろ下請から再下請のほうに行つているのではないか、先ほど稲川さんのお話を聞きましても、或る業種の例をとりますと、平均は七百五十万円又或るほうの平均は六百万円、又或るものは二百万円だと、こういうようなお話ですが、大体七百五十万円からの負担ができておるのは、これは当然私は再下請の問題ではないだろうか、そうすると今皆さんのお話になつていることよりも、再下請のほうにもつとしわ寄せがひどくなつているのではないかと思うのでして是非私どもの委員会として更めて大企業のかたに来て頂く以前に、でき得ればこういうものに対する一つ資料を頂戴したい。そういうような資料を再検討して、私どもはこの問題は真剣にやつて行かないと、日本産業の再建に大きな問題を投げるのではないか。ひとり私はこれは下請問題だけではなく、他の中小企業問題も併行して委員会としては考えて行かなければならないのですが、たまたまこういうように昨年の下半期から急激にしわ寄せが下請工場に起つて来たという問題は非常な大きな問題である。そしてその業種別を出して頂きますならばこれはこの業種の解決はつく、この業種の解決はなかなか困難だというので、私は業種別によつて解決をして行かなければ、全部を平均したものの解決方法は私はないだろう。今の宿命ずけられたる中小企業全部を解決するということはなかなかできないのでありまして、そういう面から言つても是非一つ業種別の再検討をさせて頂きたいことと、それから下請業者と再下請業者との大体のパーセンテージをお聞きしたい。同時にアウトサイダーの占める地位はどのくらいのものか、こういうものを私はお聞きしたい。取りあえず今日の問題としましては私のお聞きしたいのは、今お話のありましたような下請業者の支払遅延というようなものに対する金融措置というものに対しては、大体商工中金がどのくらいのパーセンテージでおやりになつておるのか、他の金融業者がどんなパーセンテージになつておるのか、概略でも結構ですが、おわかりだつたらちよつとお知らせ願いたいと思います。
#66
○参考人(中島英信君) 最初お尋ねの問題の中で、下請と再下請の関係でありますが、この数字的なものは今ちよつとここではわかりかねます。併し再下請の場合と最初の下請の場合と少し違うのでありますけれども、これはお考えになつていることとは逆のように思います。というのは、第二次的な発注をする企業というのはどうしても小さくなります。この場合にはその下請をやつているものはかなり選択の自由が効くようになつてるので、相当そういう小さいところで金を払わんことになるものは余り注文をとることを希望しない、大きな会社であるからそこにくつついて行こうというところが出て来るわけであります。そういう点で第二次的な発注企業というものは、そう無闇に引延ばしておつたのでは仕事をさせることが困難なのでありますから、こういう点など、やはり基本的な点は大企業の親企業の問題のほうが主点になつているのではないか。
 第二のアウトサイダーの問題でありますが、これは御指摘の通りであります、大体どのくらいの組織率になつているかということは中小企業庁で調査されたのによりますというと、大体五〇%ぐらいが協同組合に組織されているという数字が出ておるようであります。業種によりますというと、殆んどかなりの数まで組織されているわけであります。このアウトサイダーに対する統制の問題は、この前の特定中小企業の安定法の場合にもすでに認められているように、あの場合にもアウトサイダーに対する統制が効くような形にできておりますが、そういう形で以て考えて頂きたいと、かように思つておるわけであります。
 それから業種別の調査の問題でありますが、これは先ほども私からちよつと申上げましたけれども、業種によつて状況というのは非常に違うわけでありますから、特殊の業種によりますというと下請関係というのは殆んどないものが相当あります。これは或る程度調べる、全部を調べることは非常に困難でありますけれども、大体サンプルをとつて調査したもので大よそ全体を推すことができると思いますので、その程度の調査を以て大体の概況をつかまえて論ずることは差支えないのじやないかと、かように思つておるわけであります。
 最後に御質問の金融の問題のほうは、これはちよつとお尋ねが金融機関に関するお尋ねであつたかとも思いますし……。
#67
○小林英三君 いや、あなたのほうに……。
#68
○参考人(中島英信君) 私のほうですか。これは日本の中小企業全体についてどの程度の関係になつておるかということは、これは中小企業庁で調べられた金融実態調査……。
#69
○小林英三君 そうでなく、あなたのほうの下請の総体のもので結構です。下請企業が、今の下請の団体ですが、そういうものが金融措置を講じておる対象の金融機関ですな。
#70
○参考人(中島英信君) その点は私のほうでははつきりと数字的に現在出しておるものは今持つておりません、大体見たところでは、下請協同組合を作つておるところは殆んど商工中金のほうで金融をつけておるのではないかと思いますが、その他のものは市中銀行等でやはり親企業の手形を割引いているのが相当あるわけであります。銀行によつては、例えば東京都民銀行あたりは場合によると百二十日以上のものもやはり割引いておるようであります。その場合には直接割引でなしに、それを担保として単名で借すというような方法をとつておるものもあるようですが、そういうふうに普通銀行において金融をつけておるものも相当あります。ただ数の点でどのくらいの比例になるかということは、現在調査をしたものを持つておりません。
#71
○参考人(稲川宮雄君) 只今の御質問に対しまして私から二、三申上げたいと思います。今回私どもが調査いたしましたのは、大企業の支払がどういうふうに悪いかということを調べましたので、従つて零細な企業が大企業に直結するという例は余りありませんので、どうしても中企業に対する大企業の支払というものを対象に取上げたものでございますので、再下請の関係の調査は今のところ不十分でございます。それで下請の支払ということで申上げたのでありますが、大企業から中企業に対します場合には、下請という関係はむしろ少いのでありまして、例えば造船などの場合、船に入りまして塗装をやる、熔接をやるということは完全なる下請でございますけれども、多くの場合は大企業が外注という関係で中企業に仕事を出すという場合が多いのでございますので、下請という言葉は必ずしも当らない場合が多いのであります。その場合に中企業が大企業から出ましたものを更に小企業に再下請に出すという場合が相当多いのでありまして、その場合にも更に再下請にあります下請企業が非常に困つておる。殊に手形などは大会社からもらいます中企業は割引が大体できておりますけれども、中企業からもらいます零細企業の手形の割引などは非常に困難なので、従つて闇金融に頼つておる例も相当ございますので、そういう場合には問題は一層深刻であろうと考えております。併しながら私どもが中小企業について調べましたところは、大企業は非常に悪質であつて払つてくれない。併し再下請に出す場合はお互い人情的な関係があるので、そんなにひどい支払遅延というものはどうしても人情としてできない。従つて下へ払う場合は泣きつかれるとどうしても払つてやらなければならんが、自分の持つておる親企業は払つてくれないということを非常にこぼしておるようであります。でありますから零細なものに対する下請代金の支払というものも非常に重要な問題でございますが、これは大企業が中企業に外注などをいたしました際の支払さえ円滑に行けば、再下請に対する問題は相当に解決して行くんじやないかと思いますので、再下請の問題は決して放任していいというわけではございませんが、大企業の中企業に対する支払を促進して頂くということが先決問題ではないかと、こういうふうに今考えておるわけでございます。
 それから私どもが今回調べましたのは、大体組合を対象に調べた関係もございましようが、金融は殆んど商工中金を利用しておる者が大部分でございまして中には八割程度は中金の枠でやつておるが、あとの二割程度は一般市中銀行でやつておるというものもございましたけれども、大体商工中金が大部分でございまして、この面についてはいろいろもつと枠を拡げてもらいたいとか、或いは金利をもつと安くしてもらいたいとか、もう少し迅速にやつてもらいだいとかいうような希望もございましたけれども、中金からの融資によつて非常に助かつておる。若し中金の融資がここでとまつたならば、恐らく自分たちはここ数カ月を出でずして全滅するであろうというような組合も相当にありましたので、中金の只今の融資総額が二百億を超えておりまして、そのうちこういつた下請的なものに対する金融は、その勿論全部ではございませんが、下請に対する金融の面において相当な役割を果しておるということは、これはもう否めない事実であろうと思いますので、こういう面からもう少しこの問題を解決して頂く点があるのではないかと思うのであります。併しながら私どもはこの問題は金融的に解決する以前にもう一つ解決をして頂きませんと、金融問題だけで解決しておりましては、金利或いは歩積債券の引受け、その他の負担というものが非常に過重になつておりますので、金融問題が解決したからというて下請支払問題が解決したことにはなりませんので、それ以前の問題として何とか支払をもう少し促進するような措置を講じて頂かなければならんのではないか、こういうように考えておるわけでございます。
#72
○境野清雄君 何か先般日銀の一万田総裁は、大体この問題も相当重大な問題だ、そこで紐付融資を一応考えようじやないかというような話が新聞に出ておつたのでありますが、業界のほうではやはり紐付融資では困るのだ。むしろ別枠融資にしてくれないかというような意向が非常に強いと聞いておるのですが、その点は如何ですか。
#73
○参考人(稲川宮雄君) 業界のほうではむしろ私どもの調査しました範囲では、その点に関する限りはむしろ紐付融資のほうを希望しておりまして、自分たちが別枠で融資してもらいましても、金利はやはり負担しなければならんので、むしろ大会社のほうが信用力もありまするし、そのほうへ紐付で融資してもらつて金利その他の負担は大企業が持つて、そうして支払を促進してもらいたい、こういうのが大体下請企業の希望のように考えております。
#74
○境野清雄君 それから日銀さんのほうへお伺いしたいのですが、おわかりかどうか、先般私は一、二カ月前にこの問題が新聞に出ておりましたときに、日銀さんの多分名古屋支店長さんか何かの談話で、中京地方における親会社と下請会社の金融措置が非常にうまく行つているんだ、親会社の信用によつて相当その下記会社の手形もその限度で割引をしておるというようなことをちよつと新聞で拝見したような記憶があるのですが、日銀さんへの情報か何かで、そういうような中京地方のうまく行つているというようなことはお入りになつておりますか、どうでしよう。
#75
○参考人(市田視蔵君) 今ちよつとその記憶はないのでありますが、例えばあそこにあります自動車会社、あれは最近大変状況がよろしい。下請に対する支払たしかあそこで下請の会社を作つておると私は記憶しておりますがその辺のところではないかと思います。
#76
○参考人(中島英信君) 先ほどの境野委員の御質問の中の紐付融資の点ですが、これは元来紐付融資を非常に希望しておつたわけであります。ただ紐付融資というような形を或る程度とつても、実際上その下へ流れて行かないという実情が多いために、そういう場合にはむしろその分を直接流してもらいたい、こういう意見が最近になつてやはり出て来ておるという点がありますからその点も併せて考えて頂きたいと思います。
#77
○境野清雄君 それから商工中金のほうでちよつとお伺いしたいのですが、大体商工中金の昨年の十二月末の貸出残は二百十二億ですかというような数字になつておりまして、最近は二百億前後というような状態になつておるので、十億くらいは現在減つておるというような状況になつておりますのに、先ほどのお話ではまだ場合によれば四十億くらいの枠はでき得ないこともないというようなお話でしたが、今の商工中金の資金源というものは、私のほうから見てみますと、なかなかそんな余裕は私はないのではないかと思います。現実に貸出しの面が非常に減じておるというためにそういうような結果が出て来ておるような形になつておるのでしようか。
#78
○参考人(門司正信君) お答え申上げます。お話のように昨年の十二月末の融資残高二百十二億、本年になりまして年末資金の回収等で減つておりましたが、ここ二カ月くらい前から又上向いて参りまして、現在の貸出残は二百二十億を突破いたしております。今月あたりは十億くらい又伸びるのじやないかと、こう思つておるような状況でございまして、以前と大分模様が変つて来ておりますることを御了承願いたいと思います。
 それから先ほど四十億程度は出せると申しましたのは、現在におきまして政府の国庫余裕金の三十八億を初めとして、日銀さんに御厄介になります別枠とか商工債券の発行とか、あの手この手を全部かつさらいまして、その程度現状としては貸出せることになるということでございますが、国庫の余裕金は、お預りしておりまするお約束に従いますというと、これはもう来月あたりから十一月までにお返ししなければならんということで、非常に不安定な資金でございますので、私先ほどの説明は非常に不十分ではございましたけれども、その辺は一つ御了承を頂きたいと思います。
#79
○境野清雄君 そうしますと、現在商工中金自体としては二百六十億くらいの資金源を持つておるというふうに解釈していいのですか。
#80
○参考人(門司正信君) そうでございます。
#81
○境野清雄君 そうしますとこれは何が殖えているでしよう。前より非常に殖えているのは商工債券の面ですか。
#82
○参考人(門司正信君) 債券が殖えておるわけでございます。
#83
○境野清雄君 債券は何億くらいになつておりますか。
#84
○参考人(門司正信君) 現在大体百二十億でございます。
#85
○境野清雄君 それでは四十億ばかり前より殖えておりますか。
#86
○参考人(門司正信君) 十億くらいずつ出しましたものですから。
#87
○境野清雄君 それから昨年の十二月の二百十二億のときは第二高率まで適用して、三十七、八億の手形を割引しておつたようですが、そういうような面は現在はどういうふうになつておりますか。
#88
○参考人(門司正信君) 現在は日本銀行さんに対しまする借入は非常に少いものでございまして、別枠の余裕なんかが相当ありますものですから、そういうものを含めまして、現状としては四十億くらいの余裕金という数字になる、こういうことでございます。
#89
○境野清雄君 それで商工中金自体としては勿論預託金の返却というものが目先に迫つたものが相当ありますが、資金源自体としては現在のところ私たちが昨年考えたのは月十億くらいずつ増加して行つて、最低でも今年の年末の帳尻というものは商工中金三百億にならなければ、私どもは本格的に動けないのではないかというふうな見方をしておつたのですが、今のお話で二百六十億からになりますと、私ども考えていたものはあと四十億ばかりの資金源を見付ければいいのじやないかというふうに思いますがあなたのほうのお考えではどうですか。
#90
○参考人(門司正信君) 現在の国庫余裕金の三十八億が据置かれますというと、現状としてはその程度でよろしいのかも知れません。
#91
○境野清雄君 全然別の問題ですが、私どもは従来商工中金自体の資金源というものが非常に不足しておる。勿論中小企業自体の、先ほど小林委員から話のあつた、現在総体出ておる六千二百億というものを、三月末のあなたの帳尻なら二百三十億というようなものきり出ていなかつた。言い換えれば総体の中小企業金融の三・三%きり占めておらないというのが現状だつたので、私どもは商工中金の資金源確保という問題だけを取りあえず当委員会としてもやつて行くことを主眼にしていたのですが、商工中金の資金源というものが一応安定すれば、私どものほうは導入する資金源というものを、今のような金利の形態で、三銭以上の金利というようなもので中小企業は救われるはずはない。ですから私どもは資金源の導入が先の問題だつたから、金利の引下げというような問題は当委員会としても調わずにいたのですが、一応資金源の確保ができたということの見通しが商工中金につくならば、我々は今度は大蔵省に向つて金利の引下げをやつて行きまして、やはり市中銀行並みに二銭五厘くらいまでのものには下げなければ、私は中小企業は相当重大問題じやないか、こういうふうに思つているのですが、この資金源の確保というものは一応安定したという言うに見てよろしうございますか。そこまではいかんでしようか……。
#92
○参考人(門司正信君) まだとてもそうは参りませんです。ぐどいようで恐れ入りますが、現在の国庫余裕金自体が十一月までに全部お返ししなければならぬ性質のものでございますから、別個に仮に四十億程度の長期安定資金を頂きましても、それではとてもこの年度内に賄い切れない、こういうことになるわけです。
#93
○境野清雄君 それは別の話になりますけれども、前のルース台風の資金にしても農林中金の資金にしても、日銀の問題まで、再度昨年から切替えして来ているのですから、借りちやつたやつは十一月までたつてこれは切替えしてもらうより手がなくて、これは借りたものはそのまま切替えるというのは、我々も同調しますし、やりますが、新しい資金源、借りたものは勿論切替えしさえすればよいので、これは前に、昨年十二月に池田大蔵大臣も呑んでくれたのですから、農林中金のやつその他の問題を呑んでもらつた。呑んでもらつてすら、あなたの三月の九億というもののときは、ルース台風の二億四千万円も払い又片方の農林中金の五億四百万円ですかというものも払つて世間一般は九億農林中金に政府が預託金を流したと言いながら、現実に使える金は一億四、五千万円しかない。そういう形態をとられておつたのでは、私どもは商工中金としての完全な機能は発揮できない。いつも出た金が頭をはねられて、世間へは、新聞へは九億流したというようなことになり、現実は一億四、五千万円きりないから、その当時我々が地方を廻つて歩けば、地方は担保を出さなければ金を貸さんというので、商工中金が、三月頃は逆に地方的には締めている。それが中央においては九億金が流れましたというような矛盾が相当あるので、私どもはもう委員会としては今日の現状では商工中金を拡充する、これはでき得れば私どものほうとしては一本の協同組合だけの金融組織ということなんで、国民金融公庫のようなものも同じ中小企業庁の傘下で、個人金融というものまで私は持つて行くことが是だろうと思うのですが、それはいずれにしましても、協同組合対象でも非常な貢献をなすつておる商工中金というものが、三・三%だとか五%だとかいうもので、中小企業金融なんてものは到底解決しないので、少くもこれだけで国民金融公庫の百億を合わせても五彩にならない。これは一〇%にならなければ、少くも現在六百億以上の金は国民金融公庫と商工中金が流しておるのでなければ、中小企業の金融がその緒についたとも私は言えないだろうと思う。ところが今の相互銀行あたりでさえも千三百億というので、総体の二〇%以上を占めている。これに近いところまで行かなければ、私は到底中小企業の金融問題は解決しないのではないかというので、私のほうとしては是非商工中金がこういうような下請の問題でも起れば、突発事項として、こういう問題に対する金融措置としてあと三十億流せというような強い要望をして頂かないと……何かこういうものが出た都度政府に向つて強力に私は要請してもらいたい。或いは当委員会でもやつて頂いて、委員会から大蔵省に厳談する。大蔵省というのは金を貸さないところですから、なかなか出さないところですから、皆さんのほうはよほど事前に手を打つておかなければ、なかなかその場に行つたのでは間に合わないだろうというので、是非商工中金としての昭和二十七年度の資金源の差引増というものも当委員会へ一つできましたら資料を頂戴して、委員会としても進んで行きたい、こう思いますので、この点を一つお含み願つて、丁度いい機会ですから一緒にお出し願いたい。そうして中小企業問題はお話の通りひとり金融問題だけでないが、そういう金融問題が大きなウエイ―を占めておるということも事実ですから、そういう意味で丁度よい機会ですから、そういう資料もお出しを願いたいと思います。
#94
○中川以良君 先般来問題になつておりました大企業の下請企業に対する支払の遅延につきまして、今日もいろいろ具体的の事実等も承わりまして非常に参考になつたのでありますが、私の非常に憂えますことは、今日日本の経済再建の途上におきまして未だ十分なる合理化ができておらない、この極めて不健全なる様相の織寄せが全部中小企業によつて来ておるということがはつきり言えると思うのであります。そこで当委員会におきましても、一つ中小企業の立場から、主なる大企業のかたがたを呼びまして、これに反省を求め、又警告を発し、又大企業としての言い分を十分に聞く必要が私はあるだろうと思う。今日いろいろ質問があると思うのでありますが、先ず輸出の不振のためにこの皺寄せが中小企業によつて来る。それから又大企業に対する金融が十分に行つてない。これは造船その他随分幾多の例があると思いますが、このためにこの織寄せが中小企業に来ておるのではないか。それから又さつきお話のあつたいわゆる出血受注を大企業はやつておる。特にこれは特需の面において私はよほどしつかりしないと、とんでもないところに日本の経済を持つて行くのではないかということを心配するのであります。ああいう無茶な競争をして徒らに注文を受ける。而もこれを下請に流して、下請工場の資金を利用してやろうというような考え方があるといたしまするならば、これは由々しき問題ではなかろうかと思うのであります。それからなお先年これは問題になつたのでありますが、いわゆる各官庁の支払の問題でありますが、その後だんだん円滑に行つておるようでありますが、併し中にはまだ聞いてみますると、非常に支払の遅延があるようであります。特に現業官庁であるところの国鉄とか或いは電通省、郵政省、それから最近厖大な発注をしておりまするところの予備隊等の問題につきまして、これは十分私どもは検討を加える必要があるのではないか。これらはやはり分析いたしましてよく調べなければいかんと思います。特に予備隊のごときは、発注の方式等まだ極めて幼稚であつて、徒らに責任を転嫁するような私は発注をしておるのはないか、こういう点につきましても一つこれは皆様がたにおいても各関係の工場等においてお調べを願つて、私どもが大企業に会う前にそういう資料を一つお出し頂きたいと思うのであります。これによつて私どもも質問をいたしいろいろな意見も承わりたいと思います。特に最近外国の商社がだんだん進出をして参りますので、予備隊の例等をとりましても、日本において非常に苦心をして検討を加えた通信機材のごときものを、今度はアメリカの物を持つて来て安くこれを売込もうという計画を立てておるわけであります。そうすると、折角今まで育成して来た工場というものがもう動かなくなつてしまう。この下請工場というものは直ちに転落してしまいます。こういうようなものにつきましても、国といたしましてもこの際助成金を出すということは、これはできないと思いまするが、そういう工場を培養するという立場で以て、やはり大きな見地に立ちまして官庁は発注をいたさなければならんと思うのでありまして、今の各公社等においてもそういう考え方を持つてもらわなければならん。こういう意味から申しましても、又予備隊、それから国鉄、郵政、電通等の多くの中小企業に関連を持つた発注先は、やはり一応呼んで話を聞くことが私は必要だろうと思うのであります。こういう点を私は特に希望を申上げておきます。
 なお、さつき稲川さんからお話があつたのでありまするが大企業がいわゆる債権の譲渡をすることを非常にいやがるのですね。これはどういうわけでいやがるのか、だんだん聞いてみますると、やはり金融機関かち相当金を借りていると、而も一応その用途というものを明らかに明示をしておるので、すでに払つたような形式をとつておるものを、今こういう債権譲渡をした場合には金融機関の信用を失うということがやはり一番大きな原困であるように思うのです。こういう点について中小企業者は一番困るのです。こういう点について日銀なんかではどういうふうに御調査でありまし上うか、又お考えでありましようか。
#95
○参考人(市田視蔵君) お答えいたします。債権を代理受領する権限を渡すとかいうことについて、大企業がそれほどネガティブであるとは私ども感じないのでございますが、若しそういうことであるならば、それは打開する途はあると思います。ただ手形をよこせということになると、手形の期日には必ず落さなければなりませんから、それはいろいろないざこざがあると思いますが、債務を確認するということをいやがるということは余りないと思うのであります。
#96
○中川以良君 実際問題としてあるのですね。あなたは実際にお触れにならんからおわかりにならんのだろうと思いますが、これは稲川さんのおつしやる通りだと思うのであります。
#97
○参考人(中島英信君) 中川さんの御発言は、中小企業に非常に理解を持つた御発言で、私ども感謝をするのでありますが、一つだけ希望を申上げたいのであります。それは官庁からの発注ですね。この場合に、中小企業を初めから相当に考慮をするとか、或いは或る割合以上のものは中小企業に出すというふうなところまで突込んでやつて頂きたいというように思つております。これは御承知の通りアメリカの国防生産法によれば、アメリカでも中小企業に対しては各官庁からの発注は相当に考慮されておるようでありますから、法律的な考え方からしても別に困難な点はないのではないかと思いますので、そういう点を含んでいろいろな案をお考え願いたいと、かように思うのであります。
#98
○委員長(松本昇君) ちよつと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#99
○委員長(松本昇君) 速記を始めて下さい。大変長時間に亙りまして皆様お暑いところを誠に有難うございました。非常に貴重な御意見を伺いまして、大変参考になりました。私どもはこの中小企業問題は、参議院といたしましては、超党派的に皆が一致して、この中小企業の重要性ということは皆さんおつしやる通りなんで、何とかしてこの打開をやりたいというので皆一生懸命なのであります。先ほど境野委員なり或いは中川委員のほうから御希望がございましたように、できますだけ、皆様がた非常にお忙しい中相済みませんけれども、一つ材料を出して頂いて、いずれ近いうちに大企業のかたの、親工場のかたがたにも出て頂いて、その方面の御意見もよくお伺いいたしたいと思います。殊に中小企業庁のほうでも一つその材料をこの次までに出して頂いて、成るたけ早くこの材料を出して頂きまして、その材料が集つた上で我々よく検討を加えて、その上で親工場のほうのかたがたに来て頂くし、或いは発注する官庁方面のかたがたにも来て頂きまして、よくそちらのほうの事情を伺うと同時に、我我の希望もよくお話いたしまして、皆さんがたが今日お述べになつたところの代弁も委員のかたがたから出るだろうと思いますので、できるだけ円滑に、又同時に政府のほうにも、資金源について大きな枠を我々やつてもらいたいという希望も持つておりますので、そういうことに対する非常な貴重な材料になると思いますので、今困つておる中小企業を如何にして救つて行くかということに対して、お暑いところ誠にお忙しい中を済みませんけれども、今日は長時間に亙つて有難うございましたが、今後とも我々はその意気で進んで行きたいと思つておりますから、どうかこの上とも一つよろしくお願いいたします。本日は誠に有難うございました。
 これを以て散会いたします。
   午後四時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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