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1951/07/25 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 決算委員会決算審査に関する小委員会 第4号
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1951/07/25 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 決算委員会決算審査に関する小委員会 第4号

#1
第013回国会 決算委員会決算審査に関する小委員会 第4号
昭和二十七年七月二十五日(金曜日)
   午後三時七分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
六月四日決算委員長において玉柳實
君、秋山俊一郎君及び三好始君を委員
に指名した。
六月六日委員高橋進太郎君辞任した。
六月二十日決算委員長において高橋進
太郎君を委員に指名した。
六月三十日委員長谷山行毅君辞任し
た。
七月四日委員高橋進太郎君辞任した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     飯島連次郎君
   委員
           秋山俊一郎君
           郡  祐一君
           玉柳  實君
           伊藤 保平君
           森 八三一君
           小酒井義男君
           棚橋 小虎君
           菊田 七平君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       森 荘三郎君
   常任委員会専門
   員       波江野 繁君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○昭和二十四年度決算会計検査院検査
 報告第三三三号聖十字学園に対する
 国有財産の売渡に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(飯島連次郎君) 只今より決算審査に関する小委員会を開会いたします。本日は、かねてお知らせをいたしておきました通り、「昭和二十四年度決算会計検査院検査報告第三三三号聖十字学園に対する国有財産の売渡に関する件」を議題に供します。それでは専門員室のほうから二、三その後のことについて御報告を申上げます。
#3
○専門員(森荘三郎君) 只今そちらのほうへ一枚刷りにしてお廻しいたしておきましたが、大蔵省から六月の二十日委員会宛で非公式に回答が参りました。それは前回の委員会の時に或る委員のかたから、「厚生省から財産の引継を受けたのち善良な管理をしていたか。」それから「その間の使用料はどうなつていたか。」この二つの点について返事をするようにということでありまして、それに対する大蔵省からの回答でありまするが、「昭和二十三年五月四日厚生省から本物件を引継いだ当時敷地一帯は附近の焼土、及び燼灰の捨場となり、特に道路沿は焼土が山積し焼煉瓦建物を見えなくなるほどで、売買契約締結(昭和二四年三月二五日)前即ち昭和二三年二月中旬買受人が工事用材料置場として使用を開始、且つ焼土の整理に着手したことを発見できなかつたことは誠に遺憾であつた。
 その間における使用料は本来弁償金として徴収すべきであるが、当時の状況から見て敷地を全面的に使用することが不可能な状態でもあり、且つ当時敷地内に居住していた浮浪者の処置等相当困難な問題を買受人が処理した関係もあるので、使用料を徴収しなかつた」ということであります。
 それからもう一つ二枚重ねてございますのが、六月二十五日附の厚生省からの返事でありまするが、これは簡単に申上げますると、厚生省から大蔵省のほうへ財産を引継いだのは、別紙のほうに書いてありますように、いわゆる国有財産というものだけでありまして、それ以外のいわゆる物件と称せられるもの、それらについては別段厚生省としては何ら処分はいたしておりません。それだけの返事でございます。
 それから只今そこへもう一、二枚印刷物を御配付いたしましたが、実はそれはもう前の委員会のときに御配付申上げましたもので、二重になつたわけなのでございます。
 それからもう一つ申上げますが、先般各省の関係者のかたに来てもらいまして、いろいろと前後の事情、又各省の間の関係などを聞いておりました。その中で一点だけ御報告を申上げておきたいと思いますることは、この買受人若しくはそれの名義を使つていろいろの仕事をしておりまするものが、大蔵省からまだ買受けない間にそこに建築などをやつておりましたが、それに対する建築の許可というものは一体どうなつたのか、若し又建築の許可が正式にあつたものとすれば、それが地主として大蔵省が承諾の判を押さなければならんはずだが、大蔵省はそんなことをしたのかというような点について聞いてみましたところが、よほど前に、関係者が将来買受けるつもりで以て建築の許可願を区役所に出しまして、それに対する公式の許可があつたということであります。併しながら当時普通一般の人に対しては地主の許可がなければ、建築の許可は下らないはずでありまするけれども、実際の取扱いとしては、必ずしも地主の承諾は必要でないという扱いをしておつたので、この場合にも、地主としては承諾を与えてないけれども、東京都建築課のほうから正式の許可をもらつておつたのだというその事実がはつきりいたしましたから、これだけ附加えて御報告申上げます。
#4
○委員長(飯島連次郎君) 本問題に関しましては、過般関係当局、関係者を呼んで、それぞれ質疑等をいたしましたが、まあ大体質疑も終了をいたしましたので、大多数の委員のかたからは、この問題については成るべく速かにこれの採決をしたいという御希望もあり、なお昭和二十四年度の決算を促進したいという当委員会全体としての要望もありますので、本日は聖十字学園の問題に関する報告の案文を事務的に一応作成いたしましたので、この報告を中心にして、一つ御審議を頂くことが適当かと考えたわけでありますが、一応その報告を朗読さして頂くことにしたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(飯島連次郎君) 御異議ないと認めます。専門員に朗読させます。
   〔森専門員朗読〕
 決算審査に関する小委員会における審査の経過並びに結果について御報告を申し上げます。
 小委員会においては昭和二十四年度決算検査報告中、批難事項第三百三十三号として会計検査院から指摘されている東京財政部の国有財産売渡しに関する件につき審査を進めたのであります。
 会計検査院の指摘は、『東京財務部で、昭和二十四年三月、財団法人聖十字学園に対し、東京都千代田区所在、元厚生省東京衛生試験所の土地三、二二二坪、焼損建物二、二四三坪及び工作物を、簡易宿泊所、母子寮等の公益施設に使用することを条件として、随意契約により、価格九、一五〇、〇〇〇円で売り渡し、右の土地建物を担保として代金の延納を認め、うち三、五〇○、〇〇〇円は同年十一月納入されたものであるが、二十五年二月、本院会計実地検査の際調査したところ、右財団は土地一、一一二坪、建物八〇坪を価格四、二二七、七二八円で太洋自動車株式会社に、又、土地約三百坪を、その上に店舗を新築し価格四、五四八、〇〇〇円で黒崎某外三一名に転売している状況であるから、前記条件違反として契約を解除すべきものと認め注意したが、まだその処置がとられていない。』というのであります。
 之に対し当局からは、『本件は、昭和二十四年三月二十五日、財団法人聖十字学園に対し、十年間公益事業の用に使用することを条件として売払つたものであるが、同学園はその後経営資金の調達に窮し、売払物件の一部を他に転売したことが判明したので、公益事業の用に供しない部分を契約解除し、当局から直接日本通運株式会社、丸福商会、店舗居住者等に売払うことに昭和二十五年十二月漸く交渉が纒まり、近く処理完了の見込である。』と説明しているのであります。
 本件は先ず昨年十一月二十日の決算委員会において審議を開始された上で、その詳細なる審議を小委員会に付託されたものであります。小委員会においては、先ず本年三月十二日に事務当局の調査の結果を聞き、続いて三月十九日及び六月三日に大蔵省、厚生省、会計検査院、及び東京都から、井上関東財務局長、渡辺東京国税局長、高田児童局長、小峰検査第三局長、畑東京都民生局長、その他数名の説明員の出席を求めて、慎重に審議を重ねました。
 本件の概要を申しますと、戦時中に海軍艦政本部が千葉県三里塚に修練道場として設営中であつた未完成の建物を利用して、終戦直後に磯川義隆が東京都民生局より委託を受けて戦災孤児等を収容して聖十字学園という社会事業を営んでいたのでありますが、更に磯川義隆は渡辺敬吉と協議して前記の衛生試験所の焼跡を借受け又は払下を受けて聖十字学園東京分園を設置し、広く社会事業を行う計画を立てたのでありまして、その構想は昭和二十二年十二月十七日付の磯川、渡辺両名の間の契約書によつて明瞭であります。
 そこで学園の代表者は先ず直接監督者たる東京都に依頼し、その推薦を受けて更に厚生省に申請し、厚生省は昭和二十三年二月四日付で其の土地及び工作物につき公用財産としての用途を廃止し、これを雑種財産として大蔵省に引継いだのであります。学園の代表者は同年三月二十日付で売払申請書を出しておりますが、それは東京財務局によつて六月四日付で正式に受理されてあります。之より先、聖十字学園は国有財産の払下を受ける便宜等の関係から、財団法人設立の許可を厚生省から受けております。斯くの如くにして、昭和二十四年三月二十五日付で東京財務局長湯地謹爾郎は前記国有財産の売買契約書に調印しております。この売買契約について、左の四つの問題があります。
 一、此の売却価格は九百余万円に上るものでありますから、財務局長は本省の稟議を経なければならないものでありますが、その手続を履まないで売買契約を締結したのであります。之がため、後に申しますように、売払代金の一部納入について不当な事件も惹き起したのであります。なお、此の土地の払下については、出願以来約一年の日数を経過した上で、年度末に押迫つて急いで売買したことについて、東京財務局の事務処理の緩漫振りは批難されなければならないのであります。
 二、払下申請人たる聖十字学園は、売買契約締結前に既に此の土地において整地及び建築事業等に着手しておるのに、東京財務局はこれを看過していたのであります。即ち公衆浴場の経営者が浴場の建設のため、二十三年十二月までに投じた金額が壱百四拾万円であることは、学園との契約書により明瞭であります。簡易宿泊所の経営者が宿泊所の建設のため、工事請負人に支払つた工事費が二十四年二月までに壱百参拾六万円であることは、利害関係人から提出した書類によつて知ることができます。また外食券食堂の経営者が、その建物の建築助成金として二十万円を二十三年八月中に学園に交付したことも、利害関係人提出の書類によつて知ることができます。現に聖十字学園は二十三年一月三十日付で区役所に建築願を提出し、六月九日付で東京都から建築許可書を得ておるのであります。この外に建物の一部を某商事会社に賃貸しております。それにも拘わらず、東京財務局では全然これらを看過していたことは、国有財産の管理上甚だ不当なことであります。
 三、高価な国有財産の売却にあたり、東京財務局が買受申請者の資力につき十分な調査を行わなかつたことは、当局の過失であります。売払申請書に添付された聖十字学園の財産目録によれば、基本財産は動産及び現金で二十万円、通常財産が什器及び備品で二十余万円、この合計四十余万円、この外に壱千八百余万円は寄附を受けるというのであります。このような資力薄弱な財団法人に、九百余万円の国有財産を買受ける能力ありや否やは、筍も健全なる常識を備えた者にとつては一見明瞭であります。現に学園は、売買契約締結の翌月その土地の一部を他に売却し、その代金を以て買受代金の第一回分納額に充て、またその翌月にその寄附者と称する者は寄附を取消しているのであります。その翌年三月に払込むべき第二回分納額も払込まれてありません。
 四、この売渡価格を見ますと、東京財務局は、土地については近接地の相続税課税標準、及び精通者の意見を参酌し、これに整地費をも見込んだものであり、工作物についてもそれぞれの経済的価値を評価して決定したものでありますから、その後の経過に徴すれば多少低価であつたと思われますが、特に批難されるほど低価であつたとは認められないと思います。
 前記の通り昭和二十四年三月二十五日に東京財務局と聖十字学園との間にこの売買契約書が調印されたのでありますが、その第一回分納金三百五十万円を買受人から都合により同年四月に納入しました。然し、財務局では売払につき未だ本省に稟議中でありますから、納入告知書を発行してこの金額を正式に国庫収入とすることができませんので係官が一時これを預り、某市中銀行に係官個人名儀で無利息の預金として保管しておき、同年十月に本省から売払の許可を得ましたので、十一月に正式に国庫に納入したのであります。これが為、ここに「公金に非ざる非私金」を約半年にわたつて会計官吏が保管するという事実を生じました。これは会計法規の精神に違反することであり、且つ種々なる弊害の源でもありますから、当局としては慎重に考慮しなければならないことであります。かかる事件を起すに至つた原因は、財務局が本省の許可を得ない内に売買契約を締結してしまつたことにあります。また、本省においても、財務局からの稟議に対して半年以上も決裁を与えなかつたことは、その事務処理につき緩漫の譏を免れないものであります。本件の如きは、最初に願書が提出されてから、本省の許可があるまで一年半以上を経過しているのであります。
 この国有財産は公益事業を営む財団法人に随意契約で払下げられたものでありますから、その売買契約の条件として、払下物件は十年間公益事業に使用すること、並びに、契約条項違反と認めたときは無条件で解除するという条項があります。然るに、昭和二十五年二月に会計検査院の実地検査がありましたとき、土地一千余坪が太洋自動車株式会社(実は日本通運株式会社)に売却されておるとか、土地約三百坪の上に店舗数十棟を新築して三十二名の者に売却しているような事実が発見されましたので、会計検査院は直ちに財務局に対して条件違反、契約解除の推問書を発したのであります。之に対し関東財務局長井上義海は、公益事業の用に供していない部分を契約解除し、それを当局から改めて日本通運株式会社、丸福商会、店舗居住者等に売払うこととし、その他の部分は聖十字学園のために留保することとしたのであります。この契約の一部解除の処置を採つたことは、関東財務局が、聖十字学園の名にかくれて行われている各種の事業を、何れも公益事業と認定したためでありますが、これは非常な誤であります。外食券食堂、簡易宿泊所、母子寮、公衆浴場など何れも他人をして営ましめている営利事業であり、学園はこれらの者から権利金や地代家賃などを取立てているだけであります。株式会社サンポータイプの如きは、名実共に営利企業であります。これらのものを関東財務局は公益事業と認定しているのであります。しかも此の更改契約が出来上つたのは、二十六年二月二十八日でありまして、会計検査院の実地検査の時から一年を経過していることも注意すべき点であります。
 昨年二月二十八日附の財務局と学園との契約更改により、土地三千二百余坪を一千二百余坪と改め、建物二千二百余坪を一千五百余坪と改め、これを四百十五万円余で売却したのであります。これは公益事業に使用している部分と認められ、従つて今後十年間は目的外の使用を認められないものであります。然るに、その後学園は、払下を受けた土地建物について、(一)昨年三月某会社に対し五百九十九万円の抵当権を設定し、(二)同年八月某信用金庫に対し土地建物の一部を三百五十万円で売却し、(三)本年一月某々二名に対し五百万円の抵当権を設定したのであります。謂わば学園は、四百十五万円で買取つたものを、一千四百四十九万円で転売したと同様の事態であります。
 聖十字学園が羊頭狗肉の公益法人であることは夙に世人の注意するところとなり、新聞紙上にも大きく取り上げられ、当決算委員会及び衆議院行政監察委員会において並行的に調査及び審議を進めているにも拘わらず、関東財務局は未だ本件に関し何等の措置に出でなかつたのでありますが、国会の両院における烈しき追及に責められて、漸く本年四月十五日付で売買契約解除の通知を発し、続いて抵当権の消滅、所有権移転の仮登記等、法律上必要な手続を採るに至つたものであります。
 かくの如く関東財務局は本件に関し、当初の払下に関して失態を演じ、次に契約の一部解除においても失態を演じ、今に第三回目の失態を重ねた次第であります。今後に残る問題は、今回の契約解除から当然に生ずる善後措置でありますが、財務局が今回こそ真にその職責に目醒めるよう、厳重なる警告を与える必要があると認めます。
 本件に関して東京国税局の採つた処置を見ますと、聖十字学園が土地建物の一部を継続的に賃貸していることは法人税法による課税の対象とならないものでありますが、外食券食堂には昭和二十五年度から課税しております。その他、公衆浴場、簡易宿泊所、母子寮、サンポータイプ等の事業に対しては、国税局は学園の事業と誤認していたので課税していなかつたが、今後直ちに善処すると申しております。
 会計検査院が昭和二十五年二月の実地検査のとき、不当事実を発見して、財務局に推問書を発したのは適当でありますが、その際検査院の意向に反して財務局が契約の一部解除の回答をしたのに、検査院はこれを黙過していたのみならず、その後漸く本年三月に国会における情勢を見て第二回目の照会を当局に送つているような次第でありまして、会計検査院に対しては今一段の精励と洞察とを要求するものであります。
 序に申しますが、社会事業団体に対する法人設立の許可及び一般の監督は厚生省の所管でありますが、直接の監督は都道府県に委任されてあります。本件聖十字学園に対する東京都民生局の監督振りについては、甚しき遺憾の意を表することを禁じ得ないのであります。
 以上を以つて報告を終ります。
 昭和二十七年七月  日
    決算審査に関する小委員長 飯島連次郎
   決算委員長岩男仁藏殿
#6
○森八三一君 只今朗読報告のありました聖十字学園に関する小委員会の結論は、これを以て承認をいたしたいと思います。
#7
○委員長(飯島連次郎君) それでは、只今森委員から御承認の発議がございましたが、さよう取計らつて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(飯島連次郎君) それでは異議がないようでありますから、そういうことに決定いたします。
 それでは本日の案件はこれで終了いたしましたので、本決算委員会に報告をさして頂くことにいたしまして、本日はこれで散会いたします。
   午後三時三十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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