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1951/01/23 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 図書館運営委員会 第1号
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1951/01/23 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 図書館運営委員会 第1号

#1
第013回国会 図書館運営委員会 第1号
昭和二十七年一月二十三日(水曜日)
   午後一時二十九分開会
  ―――――――――――――
 委員氏名
   委員長     西田 天香君
   理事      平沼彌太郎君
   理事      羽仁 五郎君
           岡田 信次君
           徳川 頼貞君
           徳川 宗敬君
           三輪 貞治君
           金子 洋文君
           大野 幸一君
           櫻内 辰郎君
  ―――――――――――――
  委員の異動
十二月十五日委員平沼彌太郎君、大野
幸一君及び三輪貞治君辞任につき、そ
の補欠として青山正一君、小泉秀吉君
及び木内キヤウ君を議長において指名
した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     西田 天香君
   理事
           羽仁 五郎君
   委員
           徳川 宗敬君
           金子 洋文君
           小泉 秀吉君
           木内キヤウ君
  国立国会図書館側
   館     長 金森徳次郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○理事の補欠選任の件
○昭和二十七年度国会所管国立国会図
 書館予算予定経費要求書に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(西田天香君) 皆様おめでとうございます。
 では、これから委員会を開きます。会に先立ちまして、理事の補欠選任の件を議題に供します。先般平沼さんが委員を御辞退になりましたので。この補欠互選の方法をいたしますことにつきましてお諮りをいたします。
#3
○小泉秀吉君 委員長一任で如何ですか。
#4
○委員長(西田天香君) 只今の御動議に御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(西田天香君) では青山正一君に理事をお願いいたすことにします。
  ―――――――――――――
#6
○委員長(西田天香君) お手許に差上げてございまする昭和二十七年度国会所管国立国会図書館予定経費要求書を議題に供します。先ず金森館長の御説明を願います。
#7
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 只今お手許に出しておりまする昭和二十七年度国会所管国立国会図書館予定経費要求書の荒筋について御説明を申上げたいと思います。
 中味になりまするところはいろいろの細かい点は別といたしまして、大局から申しますると、格別複雑な点もございませんのです。どちらかと言えば所定の線を一歩進んで行くという程度のことでございます。数字について、この紙に印刷してあるものを元にして申上げますと、二十七年度の予定経費の要求は二億九千百二十六万二千円ということでございまして、前年度の予算額二億一千余万円に比べますると、七千六百八十二万八千円の増加になる勘定です。大体三割強増加するということになつております。で、この中味の要点を申上げますると、この中には行政整理によつて人が減るという意味の金額としては著しいものではございませんけれども、二十七人の減少を含んでおります。それから先に大きい部門を申上げますと、積極的な面といたしましては、今まで日曜日は本館が図書館を開いておりません。これは世間の非難も相当激しうございましたし、同時に折角図書資料を集めておりましても、日曜日は使わせないということは如何にも図書館業務の本体から見て忍びないものがありまして、いろいろと大蔵省に前から交渉しておりました。新らしき予算におきまして多少の補いができたということが一つであります。いま一つの問題は、国会図書館の建物の問題でありまするが、たびたび申上げましたように、図書館には建物がなければ本当の仕事はできない。何としても合理的な建築が必要であるという前提の下にいろいろ努力をしておりましたが、何分にも支障が多くてその志を遂げるという光が余り出て来ませんのでした。けれども、来るべき年度におきましては、その敷地を買收するために必要なる経費二千万円が認められましたので、直接には図書館建設という誇りを持つことはできませんけれども、それに対しまする第一歩を進め得たという、かすかながらの喜びがあるわけであります。
 あとはいろいろ細かい問題になりますから、順序に従つて御説明を申上げたいのでありますが、最初に出て来まする数字の中に、国立国会図書館の管理運営に必要なる経費一億七千百五万六千円というものと、それから上野図書館の管理運営に必要なる経費三千七百九十五万六千円、これが一つ。それからその次に国立国会図書館の営繕工事に必要な経費八千二百二十五万円、この三つの項目に分れまして、それを合計いたしますると、最初に申しました二億九千百二十六万二千円になるのであります。国立国会図書館の中央館の予算のほうから申上げますが、本年度において新規に認められました経費は日曜開館、つまり日曜日に図書館を開くということに必要な経費であります。それは何しろ正規職員を増加するということが困難な事情がありまして、そこで正規職員は増加しないことにして、ただアルバイトとして人を臨時に使用するという前提の下に、その経費七十五万円を管理部、調査及び立法考査局、一般考査部の経費の中に計上してあるのであります。それからこの一般事業費につきましては、大体前年度の九五%というのが標準になつておりまして、裏から言えば五%だけは圧縮するという前提をとつておりまするが、図書購入費だけはその例外としておおよそ二割増加されておるという計算になつております。
 次に営繕工事の問題でありまするが、これは比較的金額の嵩張つて来るものであります。先ず先に申上げましたような新らしい図書館の敷地の買收費といたしまして二千万円計上せられております。御承知のようにこれは従来皆様がたのお骨折を願つておりました主要点でありますが、ともかくもここまで行きましたことは喜んでおります。それから建築の費用といたしましては、三宅坂の分室に二百坪、それから上野の図書館に三百坪の書庫の経費を計上せられておるということでありまして、それに相応な金額がこの中に盛り込まれております。あとはどうも余り特に注目すべき点もございません。大体数字をほどよく整理したという程度でございますが、どうか御審査をお願いいたしたいと存じます。
#8
○委員長(西田天香君) 御質問はございませんか。
#9
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) なおこの図書館の建築のことにつきまして補充して御説明を申上げたいのであります。曽つて図書館は四万五千坪乃至五万坪の建物にするという計画を立てておりました。これは合理的な理論的な計画を立てたのでありまするが、これに対しまする経費は恐らくは百億を超えるのでありまして、それが実際的ではないという考えから、この考えを縮小いたしまして、およそ三分の一の計画を以て、建物の大きさは一万五千坪、その中に收めまする書物も三百万冊、閲覽室も千五百人の人を入れるというふうで、それから議員の研究室も大体四百室というようなふうの算出をいたしまして一渡り計画を立てたのであります。この一万五千坪の建築が何年かの間にうまくできるということになりますると、まあでき上りますれば差当り十年や十五年は格別な変化を加えなくてもやつて行ける、こういう考えを以て大蔵省に交渉を進めたのであります。併しなかなかこれはそこまで承認を受けるわけには行きません。そこで先ずその第一歩として土地を確保することが必要であるというところに落着きまして、今回の二千坪、二千万円の土地買收費というものを認められたのであります。大体あの辺の土地が二千万円の費用を以て、どのくらい民間の土地を買入れることができるかということは、もとより予算だけのことであつて確定するわけには行きませんけれども、併し大体今までの土地の値段から推測して行きますると、二千坪以上の土地は買えるのではないかというような気がいたします。現在ドイツ大使館の跡が六千坪でありまするから、これに二千数百坪を加えますと八千数百坪の敷地を確保することができますが、それから先の計画はなかなか急にはできませんけれども、まわりに官有地もありますることとて、多少の余裕も出ると思いまするが、その中に先に申上げましたように一万五千坪の敷地の建物ができるものといたしますると、これは大体八階建ぐらいを予想しておりまするので、敷地としてはそんなにたくさん要するわけはございません、二千坪も予想すれば一応の目的を達します。けれどもそれで以て大きな図書館計画が終るものではございません、それと相並んで第二期、第三期の建築もできなければなりませんので、それを見込みますると多少余裕ある敷地をとつておきたいという熱望を持つておりますが、今二千坪を買入れるということは、そういうことも念頭に置いておるのであります。ところがもう一つこれと並行いたしまして、やはり三宅坂に今年までのところで一つのコンクリートの書庫を作ることができました。来年の計画で又二百坪の書庫を作ることの計画を進めておりますが、こういうふうに、本当の図書館ができる前に不燃質の書庫を増築して行くということが、理論的に行きますると、いささか自分ながら疑いを生ずる余地はございます。けれども、いずれにいたしましても書図館の本建築ができるのは先のことでありまして、今日焦眉の急を満たすためのものは作らなければならんのであります。でき上つた結果の不燃質の建築物は、場所的には相接近しておりますので、如何ようにも利用の方法があり得るのでありまして、先のことがそう具体的にはきまりませんけれども、今後の日本の図書館は何でも彼でも一つにまとめて、デパート式の図書館であるよりも、多少部門を分けまして、各部門が專門性を持ちつつ組合わされて行くという考え方ができようと思いますから、この別の書庫ができましても、その利用価値が将来邪魔になるというようなことはないと思つて計画を進めております。現在できております書庫は、昨年と本年と、二年かかつてできたものでありまして、下から上まで全部鋼の書架を持つておりまして、ゆとりをとつて計算をいたしましても十万冊の書物は入ります。少しく本の厚さの薄いものを予想いたしますと、十五万冊は包容できるのでありまして、遠からずこれは書物を充実させて利用に供し得るものと思つております。そんなことを補充して御説明申上げます。
#10
○羽仁五郎君 只今館長の御説明を伺いまして、二十七年度の国立国会図書館の予定経費について、館長並びに委員長皆さんの非常な御盡力の結果、昨年度に比して七千六百万余の増額を見、殊に今御説明になりましたように、日曜においても図書館業務を行なつて、一般のかたがたの便宜を図る。又図書購入費が二〇%の増加を見たこと、なかんずく我々の数年の待望の的であつた国立国会図書館の本建築の第一着手が予算の上に実現されたということに対して、深く感謝の意を表するものであります。併しながら現在当面二十七年度の予算についてはいろいろの問題もあることでありますけれども、いわゆるまあ一言で言えば大砲かバターかということなんですが、そのバターの問題にしてもなかなか日本国民の個人的な生活のレベルを上げるということになると、これは非常な費用を要することであつて、日本の現在の経済の許すところでない。そうすればどうしても一種の社会化された賃金と言いますか、そういうような意味で公共、共同の施設というものの拡張は非常な急務だろうと思うのであります。特に図書館の問題が私は重要なものであり、その中でも国立国会図書館が重要な意義を持つておることは私から申上げるまでもないと思います。こういう国民個人々々がそれぞれ教養を高めるための図書購入とか、或いはその他の教養上の余裕を持つほどの給與を持つていないだけに、社会的に国民が共同して教養を高める施設を充実するということは現在の政府の方針の中でもすでに承認せられておることであると思います。図書館に対する一般の国民の非常な熱望はすでに皆様の御承知のところであります。現に昨年この国立国会図書館の建築の計画が一般新聞紙上に発表せられたことがあります。昨年の夏頃でしたろうか、春頃でしたろうか、新聞に国立国会図書館がいよいよ本建築の計画を以て進められるということが発表せられましたときに、あの記事を見て日本全国から多数のかたが私のところへ手紙を寄せられて、新聞を見て非常な喜びに燃えている、いよいよ建築ができることになつたんだ。或いは随分地方の遠隔のかたは、なかなか自分がそこへ毎日通つて便宜を得るということはできないけれども、併しそういうものが本当に実現されるということだけでも、文化国家、民主主義と言われていることが決して單なる空言でない、そして日本憲法というものを信ずる気持がするという非常な喜びの手紙をもらいました。更に海外からも国立国会図書館の法律の制定及び国立国会図書館の創立に、我々に非常な援助を與えられた当時の図書館使節の一人であるブラウンさんからも、あの新聞が翻訳でもされてアメリカの新聞に載つたものと見えまして、その新聞を見て非常に喜んだのです。で、こんなに嬉しいことはないというお手紙を頂戴して、私は実はそれらの手紙の返事が今日まだ書けないでおる状態なんです。何と言つてこの手紙の御返事を書いたらいいか、あれは我々の希望の反映に過ぎないと答えるには、日本国民からの手紙も、又海外からの手紙も余りに非常な希望と喜びとを表現されているので、それに対して私が未だに手紙が書けない、実に苦しんでおる状態なんであります。館長並びに委員長の非常な御盡力によりまして、先ずその第一着手として敷地買收費二千万円の予算を計上されましたことは非常に感謝するところでありますけれども遺憾ながら、これを以て果してあの新聞報道を読んで非常な喜びを感じ、希望を感じた国民の諸君にも、又海外の、我が国立国会図書館に変らざる友愛の関心を持つておられるかたに対してもお答えができるかどうかという点については、私としてはどうも甚だ内心参議院の国会図書館運営会員会の委員の末席を汚しておる者として慙愧に堪えないものでありますか、これについては委員長並びに館長の非常な御盡力、又御苦心の結果ではあろうと思うのでありますけれども、いま少しく御説明を伺わないと、この程度でどうも納得をすることが、国民を代表していささか困難であるので、甚だ館長を苦しめるには忍びないのでありますけれども、どうしてもこの程度のことしかおできにならなかつたか、又来年においては必ず国民の待望、又国際的期待というものに答えるゆえんであるというような予算をお組みにまります御自信がおありなのでありましようか。我が国立国会図書館が現在の館長のような、その閲歴におかれても、又その識見におかれても、日本の現在所有する第一級の人物を館長として頂いておるということは、又そういう意味においても我々の不断非常に感謝いたしているところであり、又同時に非常に期待を申上げておることであります。御承知のごとく二十七年度の予算において、いわゆる安全保障費、即ち新聞紙のすでに指摘するところによれば、実質上において軍事費と何ら異なるところのない費用が実に大よそ二千億に及ぶという、或いはそれを更に実質的には突破しているのではないかというように言われる。日本はまだ私は吉田内閣も文化国家という看板を下したということは私は承知しておりません。文化国家という看板を掲げて置いて二千億、数千億の軍事費を二十七年度の予算に計上して、そうして日本国にただ一つしかない国立国会図書館の新建築費に僅かに二千万円しか計上しないということは、私は何としても偽善のそしりを免れない、それよりも潔く文化国家の看板を外して軍事国家の看板を掲げてやつて行くならば、この程度の国立国会図書館の新築費予算計上ということでも或いは筋が通るかも知れませんが、そういう点で私はどうも全く筋が通らないのじやないか、少くともこの間に日本に、この日本経済が数千億に上る軍事費を計上する余裕をすでに生じたというならば、それと同額くらいの文化予算というものはなければならん。又それにバランスにおいて匹敵するような日本で唯一の、そうして日本の民主主義と文化国家との最高の象徴ともみなさるべき国立国会図書館の新築第一着手としての経費が、それに国民が納得し、又国際的にも説明をなし得る予算が計上せらるべきであつたというふうに考えられるのでありますが、館長をお苦しめすることは誠に私としても忍びないのでありますけれども、それらの点につきまして、いま少しく御説明を頂戴したいと思うのであります。
#11
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) お示しになりましたことは私どもとしては非常に有難いことであり、又その線をまつしぐらに進まなければならんと平素から思つておりますが、いろいろの方法を以て、殊に皆様がたのお力を借用してその道を進んだのでありますけれども、結局図書館に対しては非常に好意を持つておる、従つて漸進的なその発展には援助するということがその数字の中に現われただけであります。遠大な何年先に実現されるようなところまで踏み込むだけの雅量を政府から示してもろうことができなかつたのであります。非常に私どもとしては責任でもあると思つておりますけれども、それから先のことはちよつと……どうもこうおよそ私どもの動き得る限度があるのでありまして、この辺のところにとどまつたわけであります。この問題は議会の運営委員会の庶務小委員会、衆参合同委員会においても取上げて頂いたのでありますが、四囲の情勢からこの辺のところに落着いてしまつたわけであります。今後一つ頭が出たことを基にいたしまして、極力拡大する線を進んで行きたいと思つております。
#12
○羽仁五郎君 館長の苦衷に対しては衷心から感謝と同情と敬意を表するものでありますが、如何でしようか、委員長から委員会の皆様にお諮りを願いまして、若しそういうことが何らかの効果を持つならばお諮りを願いたいと思うのでありますが、やはり独立国家となる、或いは講和條約批准に伴つて日本が新らしく出発するという力切な二十七年度の予算に関係することでありますので、現在日本国が敗戰による占領から脱却して、独立国家として再出発する。それに対して国民に対する贈物は何であるかというと、それは再軍備だということであつては、この現在の日本国憲法制定当時の担当国務大臣であられました現在の館長としても誠にお心苦しいことであろうと思います。それに対して国立国会図書館の新築に対して国が相当の経費を以て、これを独立国家としての日本国の出発の一つの大きな激励として国民に與えるということになると、その精神的な効果の、そうして又実際上において国立国会図書館が国民の社会的な共同の教養を高めるための設備としこの図書館業務を遂行する上においても非常な意義を持つ、その意味でこの二十七年度の予算において、少くとも国立国会図書館の新築の経費をその新築の第一歩にふさわしい予算を持つ。或いはもうすでに二十七年度の予算として技術的にいろいろな問題があるならば、その技術的に許される最近の機会において、少くとも現在国立国会図書館で大体何年計画かで計画をお持ちになつているのじやないのですか。その第一年度の計画にふさわしいような経費を計上されるということを衆参両院の図書館運営委員会が御決定になりまして、そうしてそれが国会の院議として決定され、政府に通達されるということになることを私は非常に願うのでありますけれども、如何でございましようか、その点について皆さんの御意見を伺いたいと思います。
#13
○委員長(西田天香君) 皆さん御意見があつたら……。
#14
○金子洋文君 今館長から図書館建築費の縮小に対して、それに対し何とか努力している、こうおつしやいましたが、やはり今羽仁君も言つたように、一応何年計画というようなものを立てて、それでやはりこの点を強引に鬪つて行くことが非常に大事だと思うのです。特にこういうふうに再軍備はしないしないと言つて、実際はそれに莫大な金を使つて再軍備をしている。文化の国として象徴的な図書館に計画性がないなどということは最も恥ずべきことだと思うのです。そこでこの図書館に対する何年計画というものをお持ちであるならば聞かして頂きたいことと、その計画がどのくらいの予算を以て、年度割にして実現可能であるか、そうしてそれに対してどういうふうな努力の仕方或いは我々はどういうふうに協力をすればよいか、そういうことを一つお聞かせ願いたいと思うのであります。
#15
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 大蔵省に下交渉をいたしますときのこちらの腹案は、昭和二十七年度には一億一千七百万ほどの要求額を図書館庁舎建築のためにいたしたわけであります。その計画の考え方というものは、元ほど申上げましたように、第一期建染工事は一万五千坪、而もそれは地上五階であり、地下三階建のものでありますために、建坪といたしましては二十坪であるというふうでありました。それに対しましてのいろいろと建築上必要な基礎計画、基礎工事を最初にいたしまして、そうして五ヵ年間の継続事業を以てこれを完成をするというふうに計画いたしました。つまり五ヵ年間に一万五千坪できまするので、若しこれを引続いてやつて行きますれば、大よそ十五年間経ちますると、曽つてアメリカ使節団が我々に勧告もしてくれたし、又いろいろな角度から見まして、一応誇り得るようなものができるというふうな順序であつたのでありますが、昭和二十七年度の要求額は、今申しましたような計画によつて、民有地を買取りまするにも、五千二百坪の民有地を買取る、或いは既存の建物を脇に押しのける、敷地内の障碍物を取り除ける、或いは土地の調査をしなければなりませんので、試験のために土地を掘つたり、土地の力を実験するというような経費が要るのでありまして、結局一億一千七百余万円の予算を書き出して出したのでありますが、併し大蔵省当局のほうがどういうふうに議論をされたかということは、別に正式の意見を向うから聞くわけでございませんので、ただ交渉の途中においてこれを了解するという程度のものでありまするが、要するに建築は新規建築は見合せてくれ、これが中心でありまして、なかなかそこまで行きませんので、ありていを言えば土地調査という経費も一つも割当てられておりません。敷地を二千坪だけ得ましても、その敷地ができても果して大きな建築に堪えるかどうかということがわからんのでありまして、どつちかと言えば甚だ無謀な行き方のようなふうにも非難できるのでありますが、自分の行為を非難しては惡いのでありますけれども、一応こうしてやつておいて、それからそちらのほうの経費としてほかのほうから差繰るなり、何とか努力をする、こんな気持でおります。要するにこういうことの私どもの不平としましては、焦眉の急のこと、或いは華やかなことは多く盡力して下さるということが言えますけれども、幾らか先の問題になりますることはうまく行かないのでありまして、殊に戸別訪問のような形で、参議院には関係はございませんけれども、議員のかたにお願いをするというと、どうも選挙運動に関係がないからという……冗談ではありますけれども、非常に不利益な條件に惠まれておるのでありまして(笑声)その結果今日の体たらくを生じたのであります。併しそう勝手なことばかり言えませんので、結局あとは根気仕事になりまして、だんだん割引をして行くというのは甚だ情ないけれども、併し敷地が入りますれば何かになる。今までは政府側に責任をとらせるだけの種がなかつたのであります。今度敷地の予算が議会で通る、それによつて敷地をこさえますれば、その中に国会図書館を建設するという一つの方途だけは示されておる。これを頭に国会図書館を建築するという国会の意思表示をして頂くという方法が今までなかなかないのでありまして、予算が通過することによつてそこのところがきまる、そうなりますと、これからだんだん仕事もしやすくなるわけであります。極く事務的な見地から考えましても、なかなかこれだけの協同してやつて行きまする事業については、予算のところばかりの意見では済まないので、いろいろこの事務に関係する各方面の協力も得なければなりませんので、その下工事と言いますか、人の意思の連絡を図るというような点にも私どものほうは、実は無能であるという気がせぬでもございませんが、どうも思う通りに捗どりませんので、やつとこの辺のところまで落着いたというところが実情でございますので、ここまで行けば先のほうは幾らか目鼻が付くのではないかという気がしております。今後の日本の国情の変化がどうなるかわかりませんけれども、まさかこれで土地を買收したあとは、まあ草ぼうぼうにしておくということは考えられませんので、一つの段階を踏んだような気はしておるのであります。
#16
○金子洋文君 まあ一種の外濠を埋めたというところですかね。そこで外濠を埋めたとして、その次にやはり無駄でも、この土地に対して何年計画でやらなければいけないという計画を示して、僕はこれでやつてくれないかというふうにやはり計画を立てて、今までの計画を変えて、新らしく計画を立て直して、そうして執拗にやはりやる必要があると思うのですね。そこで今までの御計画からしても変えざるを得ないでしよう。結局変えた結果の計画がどうなのです。まだできておりませんのですか。
#17
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) まだ何ごともこちらの要求が縮んだだけの段階でありまするから、その計画も結局前の計画ですけれども、大体今のところ押すのは前の計画で押して行こう、一億五千坪の計画で押して行こうと思つております。押した通りにものが行くものかどうか、それはわかりませんけれども、一億五千坪の計画で行きますれば、結局百億の三分の一、三十五億くらいで行きまして、それを五ヵ年計画にするか、七ヵ年計画にするかということは起りまするが、それは努力如何で行くかと思つております。そうしてこれが楽屋裏を言うと非常に卑怯なような気がいたしますけれども、これだけの建築物を作るというためには、根本的な机上調査と言いますか、どういうような方法で図書館の運営をするか、これがきまりまして、その運営に合わせるようにどういう建築をするか。そうしてその建築につきましては、相当程度の高い技術をここに使わなければならんのであります。ところがそういう面を研究するということは、これは空手ではできませんで、相当の人を置き、準備しなければなりませんけれども、その点も非常に手薄なわけでありまして、極く嚴密な批判を以て自分自身のとつて来たあとを批判をいたしますれば、甚だ不完全極まるということになりますが、どうも日本の実情ではそう思うように行きません。私どもの今の腹案としては、先ほどもちよつと申しましたように、非常にまとまつた、五体整つた、それ自身が一つの有機的な活動体をなしておるというような図書館を建築することは、いわば従たる立場に置いて、各個の手は手、足は足、こういうふうのものがだんだんとできて行つて、それが一つの有機的な活動をする。初め計画がそういうふうになりまするから、初めから人間を作つたのと違いまして、やはり手と手、足と足との間に幾らかずつ離れるところが出て来ると思いますけれども、これは又近代的な行き方というものは初めから五体整わないほうが案外全般的な発達ができますので、そういうふうに行こうというので、先にもちよつと申しましたが、この三宅坂のところに局部的な施設を拵えておるというのも、他日やはり本当の建物のそとに立つて援助するというふうな附属的な役をするというところに、たかをくくつて実はやつておるのです。
#18
○羽仁五郎君 今金子議員からも熱心な御質問があつたのですが、どうしても私は二十七年度予算というのはいわゆる独立予算だ。その中に国立国会図書館の新築の予算として、国民に見てもらうに足るだけの予算が計上されることは、もう飽くまで必要のように思うのであります。そうでないと独立予算は即ち軍備予算という印象をどうしても拂拭することはできない。それならば文化国家という看板を下したほうがいい。それで我々が国立国会図書館の館長に、現在日本において総理大臣級の館長を持つておるということでありますし、そして又今選挙と関係ないというお話もあつたのですが、これはまあ幾分か余談のようでありますけれども、実はそうでないので、私は一昨年でしたか、参議院に再選せられましたときの、東京その他各都市及び全国の各地に選挙演説の際に、自分は最初に参議院議員として選出されて以来、国立国会図書館の建築に非常な希望を感じているという、その話をしたあとで、必らず選挙民、有権者の多数のかたがたが、是非国立国会図書館というものを一日も早く建設してくれ、そうして議員各位が十分勉強せられ、国民の生活を安定するような立法をして頂きたいという熱望は、却つて国民の間に非常に私は高いものがあつたと思うのです。私はどこでも橋をかけてくれとか、道を直してくれというふうな注文を受けたことはないので、あなたの今日の選挙演説を聞いて、国立国会図書館というものを作つて、国会議員が勉強して、そうしてこの国民生活を安定してくれるような立法をしてくれるということには非常な希望を感じた、是非その国立国会図書館というものを早く建てて、我々議員の立法活動、調査活動に支障ないように、又レベルが上るように希望して欲しいということは、各地で国民から私の選挙演説のあとでそういう希望を受けました。ですから日本国民はすでにそれくらいの理解を持つているのです。理解力を持つている。で、現に今度の第十三国会が再開せられた日に、その劈頭に朝日、毎日各社が、或いは社説で、或いは別の記事で、どうかこの独立国会である本国会が、いわゆるこぶしを以て鬪わないで、言論を以て鬪つてくれという、国会に対する……国会が真にその智能を傾けて国民の独立と自由とを実現するために十分の期待を寄せておられるのであります。そういう点から言つても、私はこの際国立国会図書館の総予算もそうでありますが、なかんずくこの本館建築の予算というものは、二千万円というものをどうしてもこの委員会で私どもは通すということはどうもできない。それでさつき新規建築は許さないという大蔵省の考えがあると言いますが、或いは直接には国家の建築じやないかも知れないが、御承知のように銀座その他各地において新規ビルデイグは続々と建つています。そしていわゆる東京温泉がしよつ中例に引かれるけれども、そういうような東京温泉に類するような、單に消費的な、或いは享楽的な新規建築というものは、国がやつているのじやないと言うかも知れないけれども、併し民間でそういう建築が行われていると言つたつてそれはやはり国の、政府の経済政策とは無関係だとは言えないのです。ですから新規建築が許されないからなんて言つているが、併し民間では現在東京温泉的なものがどんどん建築されている。国際的な問題にさえなつている。賠償の問題にさえ関係して来ている。むしろこの際国は国立国会図書館のようなものの新建築を以て、世間に向つて建築をするのならこういうものを建てろという例を示してやつたほうがいい、又国立国会図書館を国がどういうふうに扱うかということは、地方自治体それぞれの図書館をどう扱うか、或いはいわゆる公共図書館が各地においてどういうふうに扱われるかということとも関係があるのです。二、三日前の或る地方新聞を見ていますと、或る地方の図書館が捨てられようというふうになつて問題になつている。やはり国立国会図書館が非常な決心を以て、そうして全国的の図書館の中で着々としてその使命を実現して行かなければ、この際このいわゆる再軍備的な風潮の中で、全国の図書館事業というものが非常な苦境に陷るということは館長も十分お考えになつているだろうと思うのです。そしておもちや屋だつて図書館のおもちやなんてものは売つていない。ピストルや鉄砲のおもちやばかり売つている。ピストルや鉄砲のおもちやを売るのはよせという御主張もなかなか立派な御主張だけれども、それよりおもちや屋で図書館用具のおもちやでも売るという方向にまで指導して頂きたい。又総理大臣級の館長に対しても、そういう要求を私どもが期待を持つということは、決して館長を軽く見るというのではないと思うのです。又館長を重く考えればこそ、尊敬すればこそ、そういう御期待を申上げるわけです。どうですか、ここへ総理大臣と大蔵大臣を委員長からお呼びを願つて、一体総理大臣と大蔵大臣とは国立国会図書館の本建築について考えたことがあるのか、一晩でもそのことの重大な使命、又二十七年度の独立予算における国立国会図書館新築経費の計上についてどの程度のお考えをお持ちになつたのか、ここで伺つて見たらどうでしようか。或いは館長御自身が総理大臣と十分御懇談をすでになすつたかも知れませんが、そういうふうにして頂いたらどうでしようか。私はどうしてもこの独立予算で、独立予算と言われるところの二十七年度の予算に、国立国会図書館新築の経費が二千万円だというこの予算要求書というものを、このまま国会をお通しを願うということは納得できないのですが、如何でしようか。私の只今申上げた結論は、要するにこの二十七年度予算において国立国会図書館新築の経費を、先ほどの館長の御説明によれば約一億数千万円というものが一応合理的な計画の上に立つた数字のようですが、それを実現するということを両院の決議を以て政府に要求して頂くか、或いはこの席に総理大臣及び大蔵大臣に来て頂いて、どんなお考えをお持ちになつて、こういう二千万円なんていうあれをなすつたか、そして現在の予算で不可能だというふうなことも承るかも知れませんが、併しいわゆるこの講和関係の予備費と称するものに数百億円の金が計上せられておつて、これはすでに輿論の問題となつているところでもあります。そういう意味から言つても二千万円しか出せないということは私としても納得できない。そういう点で御意見を伺うか、それとも館長御自身が総理にお会い下さつて、そういう点についての意見を交換して頂くとか、いずれかの方法をとつて頂きたいと思うのでありますが、委員長から皆さんにお諮りを願いたいと思います。
#19
○委員長(西田天香君) 如何ですか、御意見があつたら……。
#20
○徳川宗敬君 只今の羽仁さんの御説非常に御尤もな点が多々あると思うのですが、今一応ここで極めて不満足な二千万円という建築に対する土地購入、土台がまあできたのですから、これを認めるだけは認めてもいいのじやないかと思うのですが、それで将来の点につきましては、又これは別の立場で一つ御質問になるとして、今日は一応この二千万円という要求はここで認めたほうがいいのじやないかと、こう私は思うのですが、それについて館長はどうお考えでありますか。
#21
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 私どうもこの予算は非常に困るのであつて、かようにして行つたならば、いつのときにか図書館の建築ができるかということに心細さを感ずるのでありまして、前からあちらこちらに泣きついておると言いまするか、希望は述べておりましたけれども、どうもうまく行きませんで、殊にこの議会の運営委員会のほうにおきましてのお話でも、結局こういうようなところに落着いて、どれが先順位だというわけではございませんけれども、あちらこちらの雲行きがこの辺のところに落着く傾向にあると、こういうことを見ますると、暫らく実行的にはこの辺のところで従つて行くのも止むを得ないのであり、次の段階に先の動き方を活溌にするというのがまあやりやすいというだけの気持を持つているのです。それだけ顛末を申上げて置きます。
#22
○羽仁五郎君 館長は非常に御謙遜にばかりなつておられるのですけれども、館長がその識見と閲歴とを持つて、そうして総理なり何なりの、その高い、いわゆるハイ・レベルにおいてお話合をなさるということは、私は国会図書館のために極めて望ましいことじやないかと思うのでありますが、そういう点についてはどうお考えになりますか。
#23
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 私どもが関係の面から総理大臣などに会うということは多少越権のきらいもございまして、大体個人としては格別、職務の上から言えば議会の両院議長の管理の下に仕事をしておりますから、そちらのほうにあまり正式に意見を述べるということは適当でないという気持を持つております。それで両院の議長に対しては面接に又は間接にいろいろお願いをしておつて、抽象的には御承認を得ておりますけれども、事志に合うほどに行つていないというのであります。それから吉田さんには少しく前でありましたけれども、機会を得て御盡力を願いたいということだけは申したことはありますけれども、それ以上深入りはしておりませんですが、如何なものですか知らんと思いまして、若しお願いするのだつたらば、やはり両院の議長を経由してお願いしないというと正式には工合が惡いような気がしております。
#24
○羽仁五郎君 形式的には只今御説明の通りでありますけれども、先ほど私も申上げましたように、もう繰返しませんけれども、いわゆる独立予算という銘を打つた、そうして文化国家という看板を掲げたこの予算の中で、国会図書館の新築の経費というものは、この程度であるということは、もうすでに非常の状態である。それでさつきも申上げましたが、昨年国立国会図書館の新築の計画が新聞紙によつて、正式じや勿論ありませんけれども、発表されたということは、輿論もそれを非常に希望もし、又それに対して国民の抱いた非常な期待というものを、私は少くとも今それを失望させたくない、又失望させるべきではない。又国際的なそういう期待というものに対しても、それに対して我々がこの程度で以て国際的信頼と、或いは期待というものに答えるということはできない。或る意味において私は只今国会図書館は一つの大きな危機的な状態にあると言つても差支えない。こんなことで日本が独立する際に、国会図書館の新築の経費がこんなことで始まつて行くのじや、先ほど館長もおつしやいましたように、いつの日にかその国立国会図書館の名実共に備わつたものを国民の前に提供することができるか、而もこれに対する経費というものは、先ほど申しましたように、個人に対する給與が非常に不足である今日、社会的な施設を拡充するということの経費というものは実に緊急なものだとも言つて差支えないと思うのでありますので、何とか一つこの際に皆様委員各位からの御意見によつて非常な措置でもとつて頂かなければ駄目なんじやないか、で、只今徳川委員からの御発言もございましたが、どうもこの予算をこのまま通してやると、まあ結局こんなことで何とかやつて行くのだと、この予算を通さないということは、国立国会図書館の機能が停止するということになるわけですけれども、併し今申したような意味で、或る意味じや非常な時期じやないか知らんというふうにも思うものですから、もう一段と委員各位からの御協力に預かりたいと思うのです。
#25
○委員長(西田天香君) ちよつと速記をとめて下さい。
   午後二時二十九分速記中止
   ―――――・―――――
   午後二時四十二分速記開始
#26
○委員長(西田天香君) 速記を始めて下さい。
#27
○徳川宗敬君 この二十七年度の予算につきましては、今いろいろ御検討になつて、要するに建築費に対しては單に土地購入費として二千万円だけ計上されたというのでは非常に不満足であるということにつきましては、皆さん御意見が一致しているようであります。併し現在の情勢として、これを認めてその第一歩を踏み出すということも又必要であると思うので承ります。これは一応認めることにしまして、将来の問題については改めて国会を通じて勧告をするというような方法をとつたらどうかと思います。この点につきまして、委員長から皆さんにお諮りを願いたいと思います。
#28
○委員長(西田天香君) 只今徳川さんの御意見如何いたしましようか。
#29
○羽仁五郎君 私といたしましては、先ほど申上げました考えは少しも変つておりませんので、この予算は返上いたしたいというふうに考えるのであります。併し只今徳川委員からも御発言もございますし、強力なる勧告をして頂くということを條件といたしまして、只今の徳川委員の御発言に賛成いたします。
#30
○委員長(西田天香君) 皆さん如何でございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○委員長(西田天香君) ではそういうことに決定いたしました。
#32
○徳川宗敬君 では、その勧告の案文につきましては委員長に御一任をいたすことにいたしたいと思いますが……(「異議なし」と呼ぶ者あり)
#33
○委員長(西田天香君) では、さよう取計らいいたします。
 それではお諮りいたします。昭和二十七年度国会所管国立国会図書館予定経費要求書に関しましては、勧告書を付しまして議長に送付することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#34
○委員長(西田天香君) 御異議ないものと認めまして、さよう決定いたしました。
 では、本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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