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1951/02/21 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 郵政委員会 第2号
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1951/02/21 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 郵政委員会 第2号

#1
第013回国会 郵政委員会 第2号
昭和二十七年二月二十一日(木曜日)
   午後一時五十四分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
二月二十一日委員森田豊壽君辞任につ
き、その補欠として石坂豊一君を議長
において指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     岩崎正三郎君
   理事      中川 幸平君
   委員
           石坂 豊一君
           城  義臣君
           駒井 藤平君
  政府委員
   郵政政務次官  寺本  齋君
   郵政省貯金局長 小野 吉郎君
   郵政省簡易保險
   局長      白根 玉喜君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       生田 武夫君
   常任委員会専門
   員       勝矢 和三君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○郵便貯金法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(岩崎正三郎君) それでは委員会を開きます。始める前に、郵便貯金法の一部改正法案の御説明を願う前に御報告申上げたいのですが、実はこの間、この前の委員会のときに簡保の引上げのことで、この委員会で十万円以上にしようじやないかということを衆議院の郵政委員会に申込めというので、私衆議院の委員長の尾関君に会いまして、その由を申上げておきました。向うでもできるだけその意思に副うてやりたいというようなお話でございました。以上であります。
 それでは先ず政府委員から、郵便貯金法の改正案について御説明を申上げます。
#3
○政府委員(寺本齋君) 只今議題となりました郵便貯金法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を御説明申上げます。
 この法律案は、郵便貯金の貯金総額の制限額及び利率を引上げると共に、積立郵便貯金及び定額郵便貯金の預入金額を引上げることによつて、郵便貯金の利用を増進し、貯蓄の吸収を図ろうとするものでありまして、その内容は、次の通りであります。
 即ち、第一の改正は、貯金総額の制限額を引上げることであります。御承知の通り、郵便貯金の一預金者の預金総額の制限額は、昭和二十二年十二月以来三万円に据置かれているのでありますが、この金額が現在の物価、所得等の水準から見て低きに過ぎ、制度の目的の達成及び貯蓄の増強に支障を招いておりますので、これを引上げる必要があると存ずるのであります。その引上げの程度は、一面において、昭和九年乃至同十一年を基準とする最近の消費者物価指数、国民貯蓄額の倍率、郵便貯金の増加指数等を根拠とし、他面において、郵便貯金利子に対する所得税免除の特典を勘案いたしますときは、昭和九年当時の五十倍である十万円とすることが適当かと存ずるのであります。
 第二の改正は、利率の引上げでありますが、郵便貯金の現行利率は、通常郵便貯金が年二分七厘六毛、積立郵便貯金が年三分一厘二毛、定額郵便貯金が預入期間の長短に応じて六種に分けられ、三分ないし四分に定められておりまして、一般金利の上昇の趨勢に遅れ、銀行の定期預金利率に比べて著しく低いので、これを通常郵便貯金は年三分九厘六毛に、積立郵便貯金は年四分二厘に、又、定額郵便貯金は、現在の経済事情を考慮して現行の預入期間の種類を、最短一年以下、最長二年を超えるものの四種類に整理し、その長短に応じて四分二厘乃至六分に改正し、貯蓄の増強に資したいと存ずるのであります。尤も、据置期間が設けられている積立郵便貯金及び定額郵便貯金につきましては、その期間内に貯金の拂戻しがあつた場合には、一般の利率よりも相当低い年三分の利率を適用することとして、解約の防止を図りたいと存じております。又、この利率の引上げを機といたしまして、法令上すでに廃止された種類の郵便貯金、例えば月掛貯金とか据置貯金等で現に存するものは、すべて通常郵便貯金とみなして取扱うこととし、これら貯金の預金者の利益を考慮する一面、事務の簡素化を図りたいと存じます。
 第三の改正は、積立郵便貯金及び定額郵便貯金の預入金額を引上げることでありますが、これは貯金総額の制限額の引上げに伴う改正であります。即ち、積立郵便貯金の一回の最高預入金額を現行の千二百円から四千円に引上げ、又定額郵便貯金の預入金額につきましては、その種類を現行の六種から八種に増加し、新たに五千円及び一万円のものを加えたいと存ずるのであります。
 以上がこの法律案の内容でありますが、何とぞ十分御審議の上、御可決下さるよう御願いする次第であります。
#4
○委員長(岩崎正三郎君) 寺本政務次官の御説明に御質問ございますか。
#5
○駒井藤平君 簡易保険の八万円という提案に対して、委員長から衆議院のほうへ御交渉下さつて今報告を聞きましたが、今少しく衆議院の模様を委員長から聞かして頂きたいと思うのであります。ただ單に考慮中であるというのであるか、或いは八万円というものはどうであるか、そ辺を……。
#6
○委員長(岩崎正三郎君) 現在の情勢というものは向うでも今やつているようでございますから、いろいろあるでしようが、それはどうですか、この貯金法の審議を終えてから簡保のことを又何かと御相談に出るかと思いますが……。
#7
○駒井藤平君 今簡保の質問は後にしますか。
#8
○委員長(岩崎正三郎君) そう願えませんか。一応貯金法の……。
#9
○駒井藤平君 それじや簡保に入りまして質問いたしたいと思います。
#10
○城義臣君 只今政府の提案理由を政府次官から御説明になりましたが、二、三点伺いしたいと思います。
 本年度の貯金純増加の目標は、聞き伝えておりますところによりますと六百二十億だそうでありますが、最高制限額を十万円程度で果してこの目標を達成し得るや否や、その辺の政府所信を承わりたいと思うのであります。
#11
○政府委員(小野吉郎君) 六百二十億の目標は二十七年度の目標でございます。二十六年度、今年度の目標といたしましては、年度当初には四百億、更に補正によりまして六十億プラスされまして四百六十億という目標に相成なつております。この目標につきましては、従来最高制限が御承知の通り昭和二十二年に三万円になりまして爾来ずつと続いております。と同時に、利子の面におきまして二十二年以来一向利子上げを見ておらないのであります。他面銀行方面ではその間前後六回に又ぶ利子の引上げがありまするし、非常に郵便貯金の増強から申しますと不利な状況にあつたのであります。従つて四百億の年度当初目標につきましても、今や補正予算で四百六十億の目標になりました本年度の目標突破につきましては、かなり危惧せられる條件があつたわけでありますが、最近の郵便貯金の増加の状況を見ますると、昨年、二十六年末から今年に入りまして一月、二月と非常によろしいような状態でございます。すでに四百六十億、今年の目標は今月の十一日を以てすでに突破しているような状況でございます。このままで参りますると、大体自然のままにおきましても、年度末には五百億を突破することはさして困難でない。こういうように見通されるわけであります。そこへ最高制限額が四月一日からこの法案を御承認願えれば十万円になるわけでありますし、一面銀行と比べまして非常に不利でありました貯金の利子につきましても、金利体系から見ても、我々の納得できる銀行方面の預金の利子と比率のとれた限度に上るわけでありまして、来年度六百二十億の目標の達成につきましては、さして支障はない。かように見通しております。
#12
○城義臣君 只今の御説明で見通しがつくということで大変結構でありますが、この貯金の最高制限額を十万円と御決定になつた点ですが、その根拠については只今提案理由の御説明の中にもこれはございましたが、比率五十倍というようなことをちよつと今私伺つたと思いますが、その五十倍という基準が正しいか正しくないか、これは異論があるのだろうと思います。そこでこの十万円と決定されたことにつきまして、もう少し御説明を承わりたいとこう思うのであります。
#13
○政府委員(小野吉郎君) 只今十万円に金額を引上げた根拠如何、こういう御質問でございますが、これにつきましては、先ほど政務次官から提案理由の御説明をして頂きましたその中にも一部理由は触れておりますが、御質問の通りいろいろ昭和九年、十一年の物価等を根拠にいたしまして倍数を出しますと、これよりは遥かに上廻つたものになるわけであります。又郵便貯金のその当時の現在高と、今日の現在高を比べれば、これ又いろいろな倍率が出るわけでありますが、必ずしもその倍率の通りには実は参らないのであります。十万円と決定いたします前には八万円説があり、或いは一番大きな額といたしましては十五万円ということも考えたのでございます。問題は郵便貯金の預入額に対しましては税法上税金を課さない、こういう恩典があるわけであります。これはひとり郵便貯金ばかりでなしに、銀行方面、無盡、信用組合、いずれも同様でありますが、そういつた方面におきまして国民貯蓄組合という一つの団体がございます。それに加入した組合員である、こういう証明のあるものにつきましては、郵便貯金同様に最高制限額が抑えられておりますと同時に、その範囲内におきましては税金を課せられないこういう恩典があるわけであります。そこで最高制限額をどの点に上げるかという点につきましては、これは郵便貯金も国民貯蓄組合加入の預貯金につきましても同様でございますが、この限度の引上げによりまして実は税法上から申しますと、免税点の引上げ、こういう結果を来たすわけであります。そこで税法の見地から見ました歳入予算に非常に影響をもつて来るのでありまして、この面から局内でもいろいろ検討をいたしたのでありますが、二十七年度予算の財源になりまする利子所得の課税の税の減収、こういう面も考え合せまして、実は十万円というところが丁度よくはあるまいかそれ以上げれば、いきおい利子に対して課税をする、利子税の減収を来して予算の編成上支障を来たすというような見地から十万円に実はきまつたようなわけでございます。
#14
○城義臣君 それから次にもう一点伺いたいのはこの定額郵便貯金のことでありますが、募集目標額が三百五十億とか承わつておりますが、一方大蔵省のほうでは多額の貯蓄債券の発行を企図しておる。そこでこれが発売は郵便局をしてなさしめるということになりますと、実際取扱う場合に定額貯金の募集に相当の影響が来やしないか、この点を懸念いたしておりますが政府の所見は如何でありますか。
#15
○政府委員(小野吉郎君) 只今御質問のありました通り私どもといたしましては、当初来年度目標が非常に大きな目標にも相成りますので、そこに更に貯蓄債券の売捌事務を引受けることにつきましては、やや危惧を持つておつたのであります。併し現在の状況から申しますと、六百二十億達成必ずしも不可能ではないというような現状でありまするし、特に貯蓄債券と最も競合的の立場に立ちますのは、只今御質問のありました通り定額郵便貯金の関係でございます。来年度六百二十億の目標を達成いたしますためには、これは毎年やつておることでありますが、それを通常貯金をどのくらい、積立郵便貯金にどのくらい、定額貯金にどのくらい、こういう割り振りにいたしております。来年度の六百二十億の割り振りにつきましては定額貯金につきまして純増百三十五億を期待しております。これには従来定額貯金に入りましたかたの期間が参りまして、拂下げられることもありますので、実際は百三十五億の純増を定額に期待いたしますためには相当の額を取らなければなりません、我々の現在の計画といたしましては、新規に五百億の定額を取らなければならない、こういうことに相成るわけであります。そこで問題は、その五百億の定額は新規の獲得と同時に、貯蓄債券の、これと競争の立場に立ちます貯蓄債券の分を担つて行かなければならんわけでありますが、来年度の貯蓄債券の発行総額六十一億ということに相成つております。そのうちの九五%、殆んど全部に近いものでありますが、九五%は郵政省において引受けるわけであります。そういたしますと、私どものほうで貯蓄債券の消化を要しまするものが五十七億余りになるわけであります。そういつた五十七億余りの貯蓄債券の消化が、さなきだに大きな定額貯金の五百億の新規を獲得しなければならんという点におきまして、成るほど負担には相成るわけでありますが、これはいろいろ募集に要しまする手当その他にも考慮をいたしまして、定額貯金と余りひどい競争にならないような募集の手当を考慮いたしておりまするし、一面には取扱費の面につきましても、これはおのずと限度がございます。従いましてその限度の範囲内において消化に努めるということで参つておるのでありますが、定額貯金五百億の獲得は、その貯蓄債券の五十七億がプラスされるために努力は要しますが、非常にこれは困難になるというようにも実は見通しておらないわけであります。
#16
○城義臣君 それから同一預金者が、甲、乙とそれぞれの局に預金をいたしましたら、各通帳についてやはりこの最高制限額の適用は受けるものでしようか。如何でしようか。
#17
○政府委員(小野吉郎君) 郵便貯金の最高制限額につきましは、郵便貯金の種目に通常貯金、積立貯金、定額貯金とございますが、これに個々に適用されるのではないのでありまして、郵便貯金一団として、最高十万円ということに相成ります。従いまして、通常貯金の通帳も持つており、積立貯金にも加入しておるし、定額貯金も持つておるという人につきましては、その三者を総合いたしました最高預金額が十万円ということに相成るわけであります。
#18
○城義臣君 実際の事務の取扱上まあ建前はそうでしようが、そういうことが実際に、まあ税法上の特典の点は、申告をする場合にその点を明記するので明らかになると思うのですけれども、実際の取扱上それは困難じやないのですか。
#19
○政府委員(小野吉郎君) 御指摘の通り私どもの実際の処理の実情から申しまして、いちいち原簿所管庁に原簿を持つております。従いまして原簿所管庁の、先ず第一に原簿所管庁を異にするところにそれぞれ通帳を持つておるような場合には、十万円以内であるかどうであるか監査の途がなわけであります。次に同じ原簿所管庁に原簿が集まるものといたしましても、原簿の処理の実情を申上げますと、氏名別には処理をいたしておりません。記号別に処理をいたしておりますので、同時に続いてそういつた記号が同じ日、同じ時間に処理される或いは近いところに処理されることもありまして、これは監査もしやすいのでありますが、日を異なつて参りますと、同じ名前の人でもそれにいろいろな記号がありまして、離れております。従いましていろいろ処理の過程におきましてそういうことが見付かれば、十万円を起えておるか否かがわかるわけでありますが、そうでないと普通の場合においてはなかなか見分けにくいわけであります。特に積立貯金につきましは、現在原簿所管庁にそれぞれ原簿を集めておりません。郵便局自体で原簿を持つております関係上、これは全然目が届かないというような実情でございます。
#20
○城義臣君 最後にもう一つ、これは何も郵便貯金法の一部を改正する法律案自体に直接は関係ないのですけれども、関連して伺いますが、私相当前の委員会でも大臣が見えておるときに、その点質疑をいたしたのでありますが、相当日本全体も復興して参つておりますが、郵便局の局舎のことですが、この復旧については非常に皆さんに御努力頂いておるので、国民も感謝いたしておりますが、まだ復旧の状態が見ようによれば、私どもは非常に遅遅としておるのではないか、こういう印象を受けるのであります。まあいつでも政府がやることは結局予算の点で拘束を受けるので止むを得ないことではあると思いますけれども、この今回の新営の予算は十五億というようなことになつておるようですけれども、どうなんでしよう。これは物価騰貴等もあつて十分局舎の改築というようなこと、これはこの程度の数字では期待されんのではないか、こう思うのです。それで資金運用部の資金の点ですがね、これは郵便貯金や簡易保險で集めた金が相当部分である。こういうふうに考えるというと、政府というものは運用部からもつと積極的に借入れをして、只今申上げたような局舎の復旧にもつと一つばりつと本腰を入れておやりになる必要があるのではないか、こういうふうにまあ私は考えるのであります。この点一つどういうふうなお気持でいらしやいますか。例えば電気通信省等の借入金は百億とかいうことですが、郵政省においても一つ積極策をお取りになつて、この際おやり頂くことがこれは私国民の声だと思いますので、その点お考えがありますなれば、この際はつきり御明示頂きたいと思うのであります。
#21
○政府委員(寺本齋君) 只今の城委員からの御質問でございますが、郵便局舎の増改築の問題は、今まで郵便特別会計が御承知のように赤字会計でありました関係上、思うような増改築ができなかつたのでございます。幸い前議会に御審議頂きまして、郵便料金の値上げを見まして、この二十七年度からはどうにか独立採算制ができて行ける見通しがあります。なお多少の剰余金が出ますれば、こういうものを局舎のほうに振向けたいと考えております。又運用部資金を郵政省が集めた金だから、これを局舎の増改築のほうに、電通告なんかでも借りておるから、一つ大巾に借入れて、ばりばり局舎の改築をやつたらどうかというお話であります。それほど御理解頂くのは誠に当局として有難いと思います。併し運用部資金も御承知のように郵便貯金或いは簡易保險の金というものが零細な地方の金を集めた関係もありますし、こういうものを運用部資金として一括中央にだけ借出さないで、これを地方のいわゆる預金者或いは保險契約者、そういつた人たちの便益のためにもこれを地方に融資するような方法を講じなければならないと考えておりますので、そう大巾に郵便局舎のほうばかりにも……、少し遠慮しなければならん点もあると思います。大体二十七年度に五億円を融資に仰ぐ、そのほうの資金の融資に仰いで局舎の改築資金に振向けたいと考えております。
#22
○城義臣君 只今政務次官の御説明によりますというと、尤もなことであります。零細な資金を集めた金のことですから、これを派手にといいますが、局舎の改築などに使うことは相当慎重に考慮を要するという意味でのお気持のようでありますが、我々郵政委員といたしましては、各局舎をよく見ております点からいたしまして、是非とも一つあらゆる角度から御勘案になる必要もありましようが、これだけ厖大な貯蓄目標をお立てになつて御奮闘されるについては、局員等の厚生の面も合せてやはり考えなければならない。今後とも一つ積極的にそういう方向に向つて御努力されんことを特に強く要望いたしまして私の質疑を打切りたいと思います。
#23
○政府委員(寺本齋君) 御意見の趣旨をよく体しまして、その方向に向つて善処して行きたいと思います。
#24
○委員長(岩崎正三郎君) ちよつと伺いたいんですが、貯蓄債券を五十七億郵便局が引受けて発売するというんですが、この募集手当は一体幾らくらいに総額がなるのか、その募集手当は募集した従業員がそれ相当手当をもらうと思いますが、省全体の人がその中から幾らか取るのか、そういつた点を伺いたいと思います。
#25
○政府委員(小野吉郎君) これは手続として、成立いたしました額は全然とめ置かないで、苦労いたしました従業員にそのまま行くことになつております。率といたしましては一件ごとに当りまして、募集した金額の千分の六の手当を出すということにいたしたいと思つております。
#26
○駒井藤平君 ちよつとお尋ねいたしたいんですが、この最高制限額を十万円にされたのでありますが、これは所得税の特免もありますので、それ以上上げるということには何か制肘があるんですか。制肘といいますか、十万円に制限されたということに対して、私ども思いまするのに、別段制肘はなかろうと思います。そうすると九年当時から五十倍になつておるから十万円が相当だと政府のほうでは見られまするが、私は今試みに見てみたのですが、十一年を一〇〇としての基準にしますと、二十二年では九〇二〇、これは国庫歳入のほうでありますが、それから物価指数にしますと四八九六、国民所得にしましては七七二〇、こういう数字が出るのであります。そこで二十二年から今年に至りますると約三百倍になつて三四、七三〇という歳出であり、又物価指数も二七六〇〇、それから国民所得は三一八二〇、こういう数字が現われるのでありまするが、そうするとこの五十倍というものは余りに安過ぎた見方である。又この十万円限度ということは、これはこの所得税免税点に対してそれよりか上げられんということなら格別であるけれども、今の現状から見て十万円で抑えるということは私ども納得できないので、政務次官において十万円限度に定められて提案されたという点について、いま一段詳しく御説明願いたいと考えるのであります。
#27
○政府委員(寺本齋君) 私は余り詳しくありませんので、貯金局長から説明いたします。
#28
○政府委員(小野吉郎君) 今のいろいろな倍率を適用いたしますると、いろいろな計算が出て参ろうと思います。いろいろ物価等の算定、例えば公定価格の設定ということになれば、昭和九年、或いは十年、十一年、十二年、それを一〇〇といたしまして二百倍とか、いろいろな計算も立ち得るわけでございますが、今回の郵便貯金の十万円引上げの点につきましては、そういつた点も一応の参考材料には考えておるのでありますが、それよりももつと大きな理由もございまして、いろいろ検討を続けたわけであります。従来郵便貯金につきましては、創始以来極く僅かの期間の例外を除きましては、常に最高制限額が加えられておる、これは郵便貯金の性格が庶民階級の利便のための機関であるといういことと同時に、それ故に税金の面におきまして無税のような恩典もありますので、常に最高制限があるわけであります。昭和十年、十一年当時の最高制限は二千円であつたわけでありますが、それを仮に基準に考えますと百倍とか或いは二百倍とか百五十倍とか、いろいろな率が出るわけでありますが、必ずしも今回の十万円にしようということにつきましては、その倍率のみによれない事情がございまして、そういう面から実は十万円に相成つたようなわけであります。ちよつと速記をとめて頂きたいと思います。
#29
○委員長(岩崎正三郎君) 速記をやめて下さい。
   〔速記中止〕
#30
○委員長(岩崎正三郎君) 速記を始めて下さい。
#31
○駒井藤平君 御事情よく察知することができ得られるんですが、少くとも現在の段階として貯金を奨励しておるという面から言つても、少くとも十五万円くらいにして貯金を増強するということは当然の話である。今の話を聞くと、それを要求されたということでありまするが、止むを得ない事情でそこまで低下したということでありまするが、私はこれは余りに郵政省方面が御遠慮なすつて、むしろ強気に押せば当然なことである、指数からいつても、何からいつても、現在私ども郵便局によく接触して募りますが、あの窓口ですね。三万円の最高限度であるのに十万円持つて行つて三万円ずつ三つに分けて、あと一万にしてやつておる。どこの窓口でもこれは見受ける。ですから最高限度は少くとも十五万円ぐらいにして置かないと現状に即しない。その他貯金を奨励するという意味から言つても、余りに御遠慮し過ぎる。これはいろいろ銀行方面、或いは保險業者の方面にもいろいろ関係ありましようが、少くとも郵便貯金として最高限度を上げる。むしろ私どもから見ますれば遅いのです、上げること自体が。もつと前に十万円くらいのことは当然すべきである。然るにいろいろな事情で延びたんでありましようが、この際制限額をもう少し御考慮を願いたいと思います。まだ今初めのことでありますから、意見としては申上げませんが、併し少くとも政府当局者は御再考願う余地があると思う。実際に即しない。口では郵便貯金を奨励しておる。然るに限度を抑えておる。成るほどそれは特免はあります。ありますけれども、それは当然の話です。それは郵便貯金を奨励する上において特免するのは政府としては当然の話である。それは従来から伝統的に来ておるんだから、額が上つたから、だからいけないというわけじやないのです。特免は昔から特免されておる。これは事実です。そうであるからして十五万円にするということになれば、貯蓄心を助長するということにもなるのだから、よほど貯金につきましても、簡保につきましても、これは御考慮願いたいと思います。実際に窓口の状況を見ましても、現在はそんな三万円限度で放つておらん、これは割つてやつておる。これは貯金局長も御承知だと思いますが、少くとも十万円、二十万円というものはざらにあります。それだけすべてのものが上つておるのだから、金の指数が下落しておるんだから、そうなるのが当然の話である。それを十万円でばつと抑えられるということは、これは改正せられることはいいにしても、余りに低く過ぎる。直ちに又改正して行かなければならんという段階に移行すると思うのですが、これ以上は意見になりますから差控えておきます。
 それから利率の点ですが、これも筆記をやめてもいいですからその内容をちよつと聞かしてもらいたい。
#32
○政府委員(小野吉郎君) 前段の十万円引上げを再考してはどうか、こういう御質問でございますが、私どもも当初から十万円でいい、こうは考えておらないのでありますが、一方現在の一口当りの預入の平均を見ますると、これは相当まだ低く相成つております。勿論口座の中には実際には活動しておらない口座もあります。そういうものも一口当りの中に入つておるわけでありますしするような関係で、まだ千円に達しないような平均になつております。又御指摘の通り、限度がたとえ現在三万円であつても、それを超える貯金をしておる向きもありはすまいか。そういう点につきましては、こういう点も確かにあろうと思いますが、大勢から申しますと、郵便貯金一件当りの現在高はまだ千円そこそこというような見当でもございまするので、この際は一先ず十万円ということで行きまして、いろいろ貯事業に対しまする貯蓄増強上の要請も加わつて来ることと考えますので、そういつた必要とも睨み合せまして、将来の機会には十万円で満足することなく、更に善処いたしたい、かように存じておる次第でございます。
 次に利率の点につきましては、これは郵便貯金三種のうち、通常貯金につきましては、昭和二十二年以来今日まで二分七厘六毛、こういう利率で参つておるわけであります。これを今後はいろいろな関係を考慮いたしまして、三分九厘六毛に引上げるということにいたしたいと思うわけでありますが、その根拠につきましては、別段にこれは郵便貯金、通常貯金と対比する恰好なものがないわけであります。仮に銀行におきまする普通預金と申しますか、通常貯金と比較いたしまするとどうなるかと申しますと、これは的確な比較材料ではございませんが、銀行の預金の中には、通常預金と称せられるものの中には、本当に一日か二日で常に出し入れの激しい当座預金というものもございます。そういうものを除きまして、大体もとの貯蓄組合がやつておりました、割に資金の固定するようなものについて見ましても、平均、資金が滞留いたします期間は現在一カ月見当になつております。郵便貯金は十カ月、こういうようなことになつておりまして、積立貯金は、二年満期の積立貯金、六カ月の据置期間で、それ以上長く留ることを期待しております。銀行の定期預金に似た定額貯金につきましても、通常貯金につきましても、今申しましたように、資金が大体十カ月というような状況にあるわけであります。従来の沿革から申しましても、大体銀行の三カ月定期と半年定期の中間ぐらいのところに利率が定められて参つたわけであります。そういう事情も考慮いたしまして、銀行預金が今日三カ月のもので四分、半年のものが五分、勿論これは二割の税金がかかるわけでありますが、その税引の三分二厘と四分との中間程度、こういうところを狙いまして三分九厘六毛、かようにいたしたわけであります。積立貯金につきましては御承知の通り、毎月一定の額をきまつて預け入れまして、二年経ちますと満期に相成るわけであります。従つて資金といたしましては、相当長期の貯金費目になつております。この点につきましては、通常貯金の三分九厘六毛、こういうような基準も考え、一方には銀行の定期預金の状況等も考え合せまして、四分二厘というところが妥当ではなかろうか。現在三分一厘二毛の利子を付けておりますが、四分二厘ということにいたしたいと思います。更に定額貯金につきましては、これは二十二年後一回上りまして、或いは昨年の六月に極く僅かばかりの利上げをいたしたわけであります。殆んど言うに足らない利上げでございますが、一回ございます。併し現在その利上げをいたしましたとはいえ、定額貯金の利子を銀行の預金と比べて見ますと、甚だしく不利な状況に相成つております。一応定額貯金は六カ月が据置期間に相成つておりまして、銀行の三カ月定期と対比はできないわけであります。丁度銀行の半年定期のものと比較して見たら、釣合いがとれるのじやないかと思います。その三カ月の定期が銀行におきましては、五分の利子を付けております。そういつた関係で大体半年から一年未満のもの、これに対しまして四分二厘の利子を付しておるわけであります。銀行の半年定期は五分でありますから、二割の税金がかかるとしますと、四分になるわけでありますが、これは半年丁度で四分になるわけでありますが、それを超えますと、又更に預入替えをして複利計算の利便ということもありまするし、私どものほうの定額貯金の利子といたしましては、半年から一年までのものを一つの区切りにしておりますので、四分に少し上廻つた四分二厘を最低のところにしております。従来は一年までのもの、以上一年増すごとに五年まで、五年を超えるものというような、大段階の非常に大きな刻みがあつたわけであります。如何に長期の貯金を希望いたしますものとはいえ、今日の情勢で、五年を超えるような長い段階のもの、而もそれにそう高くない利子を付けるということは無意味でありますので、これを段階を整理しまして、一年まで、一年から一年半、一年半から二年まで、二年を超えるもの、これを最後の区切りにいたしまして、最低四分二厘から、最高二年を超えるものにつきましては六分、こういう利子を考えておるわけであります。
#33
○駒井藤平君 今局長の御説明によりまして、利率の問題も納得できますけれども、いつもこの郵便局の利率を上げると言つたら、銀行業者は挙つて反対する。これは困つた問題で、今度もやかましく言うておる。我々のほうへもやかましく言つて来ております。これは郵政省自体から考えたらこの利率は余り遠慮し過ぎてくるとこう思うのです。今おつしやつた民間で五分というやつは一分も引きませんし、四分二厘という率になると遠慮した数なんです。私の思うところではそう遠慮は要らんと思うのですがね。何しろ銀行業者に郵政省の貯金部というものが圧迫せられておる、そういう嫌いが多々ありますよ。我々は、厳正は国会議員から批判して、そう銀行に遠慮する必要もなし、公平な見地から言つてこの利率は低きに失する、こう考えるのです。これも私ども委員長に御相談申上げて意見を申上げたいと思いますが、納得できん点が、政務次官、たくさんありますよ、実際に即して……。余り郵政省なんか遠慮し過ぎるのですね。あの調査の問題にしても何にしても圧迫せられていますよ。それは余談になりますけれども……。この程度で私質問を保留して置きます。
#34
○政府委員(小野吉郎君) 今の利子が低過ぎはしまいかというこういう御説尤もでございますが、一面にはそういつた銀行方面との利子の均衡ということも考えなければならんのでありますが、同時にそれから比べましてももう少し上廻つていいじやないかということもよくわかります。他面郵便貯金運営の将来、この内容と申しますか事業自体の採算の状況から申しますると、現在の段階におきましては、大体このくらいのところが現在では最高でになかろうかと実は考えるわけであります。と申しますのは、預金コストは漸次低下いたしております。それだけに事業の経営の運営の合理化を図つて参つておるわけでありまして、曾つて終戰後二十三年頃には預金のコストは約一割にも近いのでございます。九分八厘というような高い率を示しておつたのであります。漸次逐年低下をいたしまして、二十六年度におきましては賃金ベースの改善、いろいろな面もございまして七分二厘というところまでは参りましたのでございますが、併しそれにいたしましても逐年経営のコストは下つております。来年度におきましては大体六分七厘三毛と、こういうのが、この利上げをいたしまして大体コストになるように見通し得るのでございますが、それにいたしましても、一面には資金運用部に預託いたしましたものの金の一定の利子が郵便貯金特別会計の歳入ということに相成つております。勿論その率がどのくらいでいいかということにつきましては、いろいろ問題もあるわけでございますが、今年度まではこれは各預託金につきまして均一な率でございますが、五分五厘で行つておるわけであります。貯金局といたしましてはこの五分五厘は決して妥当とは考えないのでありますが、一応こういうことになつて参つておるわけであります。それから比べますと、コストを漸次低下いたして参りましたとはいえ、今年度の七分二厘から申しまして随分低い利子になるわけでございます。相当な開きがありましたわけでございます。来年度におきましてはまあそういつたその五分五厘で賄えない分は一般会計からの補填を受けておつたわけでございますが、来年度におきましてはそういう実情も兼ね合せまして、これは一般会計から補給を受けると同じような意味合いにおきまして貯金会計の五分五厘で不足する部分を補填する。こういう意味合いから暫定的に五分五厘を一分上げまして六分五厘実は金が入つて来るわけであります。これでもなお且つ六分七厘三毛の来年度のコストから見ますと下廻つておるわけでありまして、その不足分は丁度四億二千八百万円余になりますが、一般会計から繰入れるような状況に相成るわけであります。勿論必要経費を大蔵省方面に要求することにつきましては努力はいたしておるのでありますが、たとえそういつた面を考えましても、現在資金運用部の運用の実情を申しますと、まあ利廻りは大体六分五厘の利子を歳入としてもらいましても、なお且つ額は僅かでありますが、先ほど申しました四億二千八百万円余りの一般会計繰入を受けなきやならんというような現状から考えますると、ここで利率を更にこれよりもよくするということはなかなか困難ではなかろうかとかように考えておるわけであります。
#35
○駒井藤平君 今の局長の答弁には私納得できんところ多々あるのですが、実は予算のほうへ行きませんならんので、この程度でとどめて置きまするが只今の局長の答弁では私は納得できない。それだけここで申して置きます。
#36
○委員長(岩崎正三郎君) 本日は予備審査でございますから、又御意見も承わりたいと思います。
 それから先ほど簡保のことで衆議院の郵政委員会との話合いの申入れがございましたが、ここで懇談的に、速記をとめて一応お話ししたほうがいいと思いますから一応今日はこれで閉じますか……、本日はこれで閉会いたします。
   午後二時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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