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1951/06/12 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 農林委員会 第50号
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1951/06/12 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 農林委員会 第50号

#1
第013回国会 農林委員会 第50号
昭和二十七年六月十二日(木曜日)
   午後一時四十五分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
六月十一日委員北村一男君及び白波瀬
米吉君辞任につきその補欠として加納
金助君及び森田豊壽君を議長において
指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     羽生 三七君
   理事
           西山 龜七君
           山崎  恒君
           岡村文四郎君
   委員
          池田宇右衞門君
           瀧井治三郎君
           宮本 邦彦君
           飯島連次郎君
           片柳 眞吉君
           島村 軍次君
           三浦 辰雄君
           小林 孝平君
           三橋八次郎君
           小林 亦治君
           駒井 藤平君
  政府委員
   農林省農地局長 平川  守君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安樂城敏男君
   常任委員会専門
   員       中田 吉雄君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○農地法案(内閣送付)
○農地法施行法案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(羽生三七君) それではこれより委員会を開きます。
 本日は農地法案並びに同施行法案について、昨日に引続いて質疑を続行願います。
#3
○三橋八次郎君 今回のこの農地法案は、現在の土地所有制度を基礎といたしまして、然もこれは前の土地所有制度の復元の危険が多分にあると思うのでございます。地主制度の復元ということの心配がないかどうかということを先ずお伺いしたいと思います。
#4
○政府委員(平川守君) そういう心配はないと考えております。
#5
○三橋八次郎君 その次はこの第一條に農業生産力の増進を図ることを目的とするというようなことがありますが、これは一体本省のほうの狙いといたしましては、労働生産性というようなことを望んでおるのか、それとも土地の生産力の増強ということを望んでおりますのか、これをお伺いしたいと思います。
#6
○政府委員(平川守君) これは両方含めて解釈いたすべきであると思います。
#7
○三橋八次郎君 両方含めてというような、極めて抽象的なことでございますが、日本の農業の将来というものにとりましては、どちらを重点に考えてやつたほうがよろしいとお考えになるのでございますか。その点をお伺いしたいと思います。
#8
○政府委員(平川守君) これはやはり両方とも将来の問題といたしましても、高めて行くような考えで行くべきものであろうというふうに考えております。
#9
○三橋八次郎君 両方というようなことになりますると、この法案に多少矛盾した点があるのではなかろうかと思うのでございます。例えてみますると、日本の農業の零細化を防止しなければならんというようなことは、これは昔から言われておつたことでございますが、併し今現在におきましても約四〇・八%は相当零細であり、昨日の資料で見ました一町九反というようなところは二〇%―二二%前後かと私は思うのでございますが、そうなつて参りますれば、日本の農業の特色といたしまして、労働生産性というほうに重きを置くか、或いは土地の生産力の増進ということに重きを置くかというようなことは、かなり重大な問題だと思うのでございます。今第三條にあります農地の換地の下見についての問題でございますが、労働生産性の向上というようなことについて考えてみますると、これはかなり面積を持たせなければならんというようなことは当然のことでございますが、逆に今度は反当收量というようなことから考慮いたしますると、小農ほど反当の所得が多くなつておる。併し今度は労働当りの收入というものは、面積の広いものが多いというようなことになつて来るのでございまして、この第一條の農業生産力の増進というようなことをどういうふうに解釈するかということによりまして、この第三條の問題が決定して来なければならんと思うのでございます。まあ日本は食糧が足らんと言いますれば、ここ暫くは土地の生産力の増強ということを主体にして考えて行かなければならんとしたならば、やはり小農経営は土地の反当所得というものから考えてみましても、五反歩未満を一〇〇%としますると、五反歩から一町歩までは九十三、一町歩から一町五反までは八十二、一町五反から二町歩までは八十三、二町歩以上は七十五というように、反当所得というものは順次下つて来るのであります。そういうようなことになつて来ますと、三反歩以内の者には土地を買わせんというようになりますると、而も三反歩なるものは小農で、農業経営は非常に苦しいようなことでありますれば、ましてその三反歩なる者には買わせんということになりますれば、苦しい状態をいつまでもそのままにしておくというような、これは結論になつてしまうのであります。国内で四〇何%というたくさんのものを犠牲にいたしまして、適正規模を作るために三反歩以上の者に土地を持たして行くというようなことになりますると、反当收量も反当所得というものも下つて参りますし、又多数のいわゆる小農、貧農というものは非常に残酷な取扱を受ける、こういうような結論になつて来るのではなかろうかと思うのでございます。従いまして、この三反歩というような、三反歩以上を耕作しておる者でなければ購入ができないというようなことはそういう農政面の立場、或いは生産面、農業経営の状況というものを考慮いたしまして、日本の農業には実際に即しない農村の四〇何%というものが非常に苦しい目を見るというような、そういうような状況になつてしまうのではなかろうかと思うのでございます。現行のように買取つて三反歩というようにするのが適当でなかろうかと思うのでございます。勿論日本の国の農村の状況を覚ました場合におきまして、何でもかんでも土地を持たせればそれでよろしいというようなことは、これは日本の農業の発達の過程からみましても、余り感心すべきことではないと思うのでございますが、農業の実態、農村の現状から考えますると、第三條というものは、現状のままでいいのではなかろうかと思うのでございます。その辺の御意見をお願いしたいと思います。
#10
○政府委員(平川守君) お話のように、厳格な意味におきまして、土地の生産性というものと、労働の生産性というものとが或る程度一致しないという点があると存じます。そこで、併し狙いといたしましては、その両方の意味においての増産というものを、生産力の増強というものを狙いたいわけでありますので、そこで一方においては余りに小さい経営を排除する、又一方においては土地の生産力から見て、余りに大きい経営も排除するというような、或る程度折衷的な態度をとつておるわけであります。三反歩以下が、三反歩という限界が果して適切であるかどうかということについてはいろいろ議論はあろうかと存じますけれども、考え方といたしまして、農地というものが非常に限られておる、この限られた農地を如何なる人に配分することが現在の農地政策から見て最適であるか。その場合に生産力の点も考え、又同時に農家の経営ということも考えまして、先ず中堅農家として安定し得る見込のあるものに先ず重点を置くべきじやなかろうか。その見込が十分であるにかかわらず、土地が狭いために十分な経営ができないというものに先ず優先権を与えるのが順序ではなかろうか。三反歩以下の農家というものを、これは貧農であるから排除するとかいうような意味では毛頭ありませんけれども、農家としての色彩が非常に弱いものである。いずれかと言えば、その收入の過半を農業以外から得ておるというものであるわけでありますから、大体論から申せばそういうことになるわけでありますから、そこで限られた農地を先ず優先的に与える対象は、農業を専業として生計を営んでおる、それが而も土地が狭いために適正な安定した経営が得られない、こういうものを対象に考えるのが先ず第一の順序ではなかろうか。土地が十分でありますれば勿論更に零細なものにも与え、或いは更に逆に言えば、非常に広面積なものにもうえるべきかも知れませんけれども、限られた農地でありますから、先ず専業農家というものを対象に置いて、そうして而もその専業農家のうちで土地が狭いために安定した経営を行えない、能力は十分持つておるのだ、こういうものを先ず優先の対象に考えたいという考え方であります。
#11
○三橋八次郎君 そうなつて参りますると、又ここにいろいろな問題が起つて来るわけでございますが、農業所得によりまして百%家計費を補給できる農家というものは日本にどれくらいございますか。
#12
○政府委員(平川守君) これもおのずから程度の問題と思うのでありますが、先般お配りいたしました昭和二十五年の調査によりまして、現在の生計を農業のみで営むとすればどのくらいの面積が必要であるかという資料をお配り申上げましたが、これを見まするというと、かなり広い面積を持たざるを得ない。大体東北方面で一町九反ぐらい、北陸、山陰等におきまして一町五反くらい、西のほうに参りまして一町三反くらいは必要であると、こういうまあ一応の数字が出ておるわけであります。併し実際問題といたしましては、こういう農家の数はいずれかと申せば少いのであつて、これらの農家も何割かの收入を農業以外の労賃その他の收入で賄つておるわけであります。これはまあ程度問題でありまして、専業と申しましても、第一種兼業といいますか、農業が主体であつて副業的に他の收入を得ておるという状態は、これは日本の農家としては極めて普通の形態でありますので、その辺までは一ついわゆる中堅農家として扱うが当然であろうと思います。そういう考え方で或る程度は副業收入も得ておるけれども、農業が主であるというものを主たる対象に置く。農業が従で、逆にほかの收入が主であるというようなもの、而もそのうちの何割かを一応対象外に置く。それを客観的にわかりやすいような一つの目途で三反歩というところに押えたという考え方であります。
#13
○三橋八次郎君 今お伺いしましたのは、中堅農家が日本の総農家の何割くらいあるかというようなことでございましたのですが。
#14
○政府委員(平川守君) これもお配りをいたしましたこの統計のほうで、これも一応の推定になりますが、専業農家、それから第一種兼業、第二種兼業、第一種と申しますのは、先ほど申しました農業が主であるもの、第二種のほうは農業が従であるものという分け方をいたしますと、およそ五〇%が専業農家、それから二八、九%が第一兼業、それから二一%くらいが第二種兼業というような仕分けになつております。これはお配りしました統計資料の六十七頁にございます。
#15
○三橋八次郎君 中堅農家を作つて行くというようなことは理想として誠に結構なことでございますが、併し土地は定まつた面積である。そうなつて来ますると、結局農家の戸数を減すかどうかしなければその理想は現実はできないと思うのでございますが、面積だけ普通の面積を、中堅農家の面積を持たせますには、今の状態では二つより方法はないと思います。多く持つておる者から取つて少い者に加えるか、或いは少い者の土地を殖やさんようにしてむしろそれから取上げるような恰好で中堅のほうに附加して行くかというこの二つの方法よりないと思うのでございます。併し日本の農業の構造上から見ますると、四〇・八%というものはむしろ土地が不足で困つておる者なんです。その困つておる大部分の者を放つておきまして、そうして理想の中等経営をする者に土地が集まるような政策をした場合においては、大体日本の国の四〇・八%というものは大変困つた経営を続けて行き、将来も又一層困るというような結論になつて来るということになりますが、その辺はどうお考えでございますか。
#16
○政府委員(平川守君) 勿論この農地法だけで全部の理想の適正規模といいますか、中堅の農家を理想的に実現するということはむずかしいと思うのでありますが、この農地法の範囲内においてでき得る限りそういう方向に向いて行きたい。でありますから、例えば今の三反歩以下の農家というようなものにつきましては、農地の問題としては、新らしく農地を取得することは遠慮をしてもらいます。で、これらの農家の経済の安定という意味においては、農業以外の收入があるわけですから、そういう面においても又考えなければならん問題であります。お話のように結局限られた農地を分ける場合に、大きいほうから取つて来るか、小さいものをオミツトして大きいほうに持つて来るかということに理窟としてなると思いますけれども、今のこの農地法の考えておりますのは、新らしく農地を購入する機会がありました場合にそれを誰に与えるかということであります。一応の現在の状態というものは是認をいたしまして、新らしく農地を獲得する機会があつた、或いは小作地が売りに出た、或いは自作地が売りに出た場合、或いは新らしい開拓地ができた場合、そういうような場合にそのプラスの分を誰に持たせるかという問題として考えておるわけであります。そういう場合には一応三反歩以下の農業を主としない農家、それから三町歩以上の相当大きな面積を持つておる農家、そういうものには遠慮をしてもらう。そうして中庸の農家で而も適正な経営を営むに足るというものに優先権を与える、こういう考え方であるわけであります。三反歩未満の農家というものは御参考までに申上げますれば、全農家の約二〇%であります。
#17
○委員長(羽生三七君) ちよつと御質問の途中ですが、私からそこのところをちよつとお尋ねしたいのですが、三反歩という下のことだけが論議されておるようですが、上のほうの限界ですね、上のほうの限界を考えた場合に三町ですね、本州といいますか、北海道を除いて三町という場合に、果して日本の経営規模から言つて、それは三町歩でも十町歩でもいいには違いないが、むしろ八反又は九反あたりが平均耕作面積になつておる場合に、むしろ問題は、下のほうの三反歩にもあるが、上のほうの三町歩にもありはしないかという私は解釈をしておるが、その辺はどうお考えになりますか。
#18
○政府委員(平川守君) これももとより問題として考えましたわけでありまして、ただ或る程度は農家としても発展して行き得る希望を持たせるという必要もあろうかと思うのでありまして、この三町歩と申しますのは、地帯的にそれぞれ異なつた数字をきめておるわけでありますが、自作農として自家労力で、生産力から言つても経営から言つても立派な経営が行い得るという範囲内においては成る程度努力によつて経営を発展せしめるという途も全然塞いでしまうことも如何なものであろうか。そこで限度が、これは議論になると思うのでありますが、一応現在の制度で三町歩という仕切りをつけておりますので、これを踏襲したというわけであります。
#19
○三橋八次郎君 新らしく土地を購入させる場合に、三反歩未満の者には買いにくいようにして、それ以上持つている者には買いやすいというようにしますると、今の状況でさえも三反歩未満という土地を所有しておる者は農業経営上非常に苦しんでおるわけでございます。結局日本の農業というものは全体から眺めまして、農村の大部分の人が楽に、而も生活の安定を得て生活をして行くということを基調にしなければ、生産力の増強ということもできないと思うのでございます。その点は結局労働の生産性の向上と土地の生産力と併せ考えて進むというようなことは大変結構なことであるわけでございますけれども、食糧の自給度の向上なんというようなことから考えますれば、やはり反当收量増加というようなことに相当ウエイトをかけたところの農業政策でなければならんと思うのでございます。そうなつて来ますると、理想は中等の農業経営というようなことを理想にいたしましても、これは或る小部分、日本の農業の構造から見まするとほんの一部分のものが楽になりまするが、大部分のものは今よりももつと貧しくなつて来る。従つて日本の農業の生産力も減退して来るというような、こういうようなことになるのではなかろうかと思うのでございます。なお又、自分の土地を耕しまして、農業経営の発展を来たすところの農家の意欲というようなものにも非常に障害を与えまして、結局三反歩以下の土地では農業ではやつて行けんのだというようなことで村を離れる者がその結果どんどんできて来るというようなことになりますれば、これ又非常に困つた現象になると思うのでございます。法文のほうでは、ここには三反歩以上の耕作者とは書いておりますけれども、あとで又それを酌量するようなことも書いておるのでございますけれども、やはり明文のほうが強いような感じを与えますから、これも三反歩以上を持つておる者でなければというのでなくて、購入して三反歩になるというような現行法のほうが、これは日本の実態から考えましてもいいのではなかろうかと、かように思うのでございまするが、再び繰返して御答弁頂きたいと思うのでございます。
#20
○政府委員(平川守君) そこの考え方の問題だと思うのでありますが、私どもの考えは三反歩未満の農家というものは全体の戸数から見ますれば約二割くらいの戸数である、三町歩以上というのはまあ一%そこそこの戸数であります。そういう程度の、どちらかと申せば、現在の中堅農家といろ言葉よりもよほど幅の広いところを対象に置きまして、それふらはずれる、農家としてはむしろ例外的な、殊に三反歩以下というようなものになりますというと、相当農業と縁のない、例えば商業でありますとか、或いは勤め人でありますとかというような、農業とかなり縁のない職業を主業にしておるような者も相当にあるわけでございます。そういう人々に対して、限られた土地を六反、七反持つてもう少し欲しい人と同順位で与えるということがいいのか、或いはそういう人々は達観してみれば農業に対する色彩の薄い人であるからして一応除外のほうに入れておいて、例外的に中には非常にこれから大いに自作農としてやつて行こう、こういう人もあるでありましようし、又例えば地帯別に見て半農半漁、或いは半農半林といつたような関係で農業に非常に縁の近い職業をやつており、その地帯全体として一戸当り面積は比較的少いのだ、こういうような場合にはその地帯として特例を設けることも認める。これは個人として、特に自作農として立派にやつて行けるものであるというものにも例外を認めるということで、むしろこういうものは例外措置として救つて行く。一般的に大体三反歩というようなけじめで行きますと、むしろ農家というよりは農業がほんの副業である、極端にいえば家庭菜園をやつておるというようなものも中に含まれるわけでございますから、そういうようなものはやはり次順位に置くと、こういう考え方のほうが、同じ村で仮に何反歩か何町歩かの耕地が手に入つて誰かに分けられるという場合において、六反歩、七反歩持つておつてもう一反欲しいというような人に先にそれを優先的に与えるということのほうが、生産力の点から見ても、又農業経営の安定を図るという意味から言つても順序ではなかろうか、こういう考え方でありまして、この点については議論もあろうかと思いますけれども、従来の農地法の考え方も、表現は違いますけれども、大体そういう考え方でできておるわけであります。
#21
○三橋八次郎君 反收、反当農業所得というものと労働生産力というようなものを比較してみますると、先ほど申しましたように、労働生産性は狭いほど低くなつておるということはよくわかるのでございまするが、そうなつて来ますると、六反持つておる者に一反附け加えてやるというよりも、一反三畝持つておる者に一反歩附け加えてやるというほうが生産力の増強というような意味におきましては却つて増産になつて来るというような結果になると思うのでございますが、そういうような見地から考えまして、法に明記して、六反歩のほうへ一反歩は附加するのだ、一反五畝のほうにはこれは附加せんのだというようなことをはつきりするのがこれはよいと思うのですか、悪いと思うのですか。
#22
○政府委員(平川守君) 例えば反收等を見ましても、これは必ずしも狭い面積のほうが反收が高いというわけには参らないと考えております。先ほども申しましたように、三反歩以下の農家というのはそのうちの六〇%ぐらいは月給取でありますとか、その他、他の全然農業に縁のない職業に従事しておる人々でございます。やはり農業を専業にやつておる者のほうがその農業に熱心であり、農業の生産力も高い、単位面積当りの生産力は少くとも高い、こういうことは一般的に言える面も相当に多いと思うのであります。従いまして、この限度は非常にいろいろ議論もあろうかと思いますけれども、非常に極端に小さい経営というものは、農家として農業面から見て、生産力の面から見ましても必ずしも非常に好ましいものではなく、原則としてはむしろ或る程度の面積を持つて農業を主業にしておる者というものを尊重すべきものではないかというふうに考えるわけでございます。
#23
○三橋八次郎君 反收と経常面積の関係は作物の種類によつてこれは余ほど違うと思う。一概に狭いものが收量が少いとは言われないと思うのであります。水田の経営などは或る程度まで面積が大いに、田の面積が大きいほうが反收も大きくなると思うのでありますが、第一條の「耕作者の地位の安定」というようなことから考えますると、農業所得というようなものがこれが可なり問題になると思うのでありますが、所得というような点から考えますると、日本の農業の現状におきましては、先ほど申上げましたように、狭いもののほうが反当所得というものは非常に多いということは、これは統計上非常にはつきりしておるのであります。そうなつて来ますると、反收を犠牲にして労働生産力のみ考えるか、或いは労働生産力を犠牲にいたしまして反收に力を置いて行くか、この二つに結局は分れて来ると思うのでございます。面積が少くて農業経営上苦しんでおるその度合と、面積を可なり持つておつて農業経営上非常に苦しんでおる度合とは私はその度合が違うと思うのであります。従いまして、六友のものに一反歩加えるというよりは、一反五畝のものに一反を加えるというほうがまだこれは農業政策のほうから行きますると、日本全体の收量というものを上げる上から行きまして適当な方法ではなかろうかと思うのでありますが、その辺のところはどういうふうに考えておりますか。
#24
○政府委員(平川守君) これは抽象的に申せば、その三反以下、或いは六反程度が、全体のその対象がすべて農業が専業であるという場合にはお話の通りであろうと思うのでございます。全部が農業専業の農家である、或いは兼業がありましても同じ程度の兼業を持つておる農家であるということでありますれば、或る程度まで狭いところまで、小さいものから救つて行かなければならんという議論も成り立つかと思うのでございます。ただそこに先ほども申しましたように、三反未満の農家というものは実は農業をやつておるという意味においては全部農家の分類に入りまするけれども、その六〇%は農業と縁のない職業で過半の生活の收入を得ておるのだということでありまして、私どもの農業政策の重点として考える場合には、やはり農業を専業とし、或いは少くとも農業を主業とする者に重点を置く。これが生産の面から見ても、又農家の安定という意味から見ても最も喫緊ではなかろうか。そのほかの職業で過半の收入を得て、併せて農業を営んでおるという者については、ひとり農業だけから対策を考えんでもほかの面での対策というものもあり得るわけであります。農業政策の面から見て、殊に狭い農地をいずれに与えるかという場合には、やはり農業の色彩の強いものを優先的に考えるということがどうしてもこれは順序ではなかろうか。でありまするから、今の御議論はやはり三反歩以下、六反歩といつたような面積だけで考えられないで、その三反歩以下の農家というものは実際は農家と言うべく農業以外の要素が余りに大きい。そういう点に重点があると私どもは考えるわけであります。
#25
○三橋八次郎君 今農業的の色彩ということをおつしやいましたけれども、農業的の色彩というものはただ専業であるか、そうでないかということだけで見分けるということにはこれは大きな誤りができると思うのであります。と申しますのは、日本の農家のうちで專業で立つて行く者というものはこれは数は少いと思います。ここに私も統計を持つておりまするけれども、全体総農家平均いたしまして、専業農家というものがまあ五〇%もないのでございまして、土地を二十町歩持つておる農家の専業、兼業の割合を調べてみましても七二・四というような状態であります。二十町歩ですよ。二十町歩以上という土地を所有しておるもので専業兼業農家の割合というものは七二・四であります。こういうようなことで、全国平均いたしまして五〇%よりもないものを、これを専業農業じやないから農業に熱心じやない、だから土地を与えても碌な農業はせんだろうというように解釈を願うということは、日本農業生産増強という意味において非常に遺憾な点が多いのではなかろうかと思うのであります。勿論面積の非常に狭い三反歩未満は二〇%でございますからこれは非常に専業農業のパーセントは少くなつていますから、今局長の言われますように、専業であるかどうかというようなことを反別の基盤として土地を与えるか与えんかということを考えた場合には、三反歩未満のものは全然問題に入らんということになると思うのでありますが、こういうように日本の農業は全国の平均で五〇%の専業農家しかないというような見地からみますると、専業だから農業の色彩が強くてそのほうに味方をして行こうというようなことになりますると、本当に残りの二八%というものには非常にこれは力になりますが、兼業農家の七〇何パーセントというようなものは非常にそのために障害を受けろ、こういうような結果になつて来るのではなかろうかと思うのでございますが、専業農家が農業に必ず熱心であるといように御解釈なさつて、どこまでもこの三反歩というのを主張なさいますのかどうか、その点を伺いたいと思います。
#26
○政府委員(平川守君) 先ほどもちよつと申上げましたけれども、三反歩以下の農家というのは内地で申しますと、約二〇%程度でございます。一方専業兼業という分類でみますと、専業農家は五〇%でありますけれども、第一種兼業というのが二八・九%約三〇%近くあるわけであります。大体私どもの今狙つております三反歩以下をはずした農地獲得の対象になり得る農家は八割まではこれに入り、残りの二割がこの三反歩以下に該当しますけれども、それも地帯別に、例えば漁村であるとか山村であるとかで、三反歩が少し高過ぎるという地帯においては例外的に知事がこれを定める。又個々の農家で現在は三反歩以下であるけれども、これは自作農として立派にやり得る見込みがあるというものは個別的にも例外として拾うということでありますから、一応農地を得ることの対象になつております農家はそれほど少いものではありませんので、八割方は一応全部拾われておる。その中には兼業農家はもとより三割くらいございます。勿論農業が専業であつて兼業をやつておるという形は日本においては極めて普通の形でありますから、その第一種兼業というような程度のもの、大体それがあらつぽくみますればこの三反歩以上に該当するわけであります。そういうものについてはこれを対象に置くという考え方でありますから、又例外を認めておるわけでありますから、考え方としてはこれでよろしいのではなかろうかと思つております。
#27
○三橋八次郎君 まあまだよく私ども納得は行きませんけれども、結局私の主張いたしますのは、零細農と称せられる四〇・八%の農家の発展意欲というものをこの法律によつて阻害せられるのではないか、又生産力というようなことから考えましても、五反未満のものが農業所得の最高であるのに、二町歩以上になつて来ますると七五に下つておるというようなことなどから考えまして、どうしても日本の農家は零細化しておるのでありますから、数多くの人に増産をしてもらうというようなふうに進みませんと、日本のいわゆる耕作者の地位の安定も実際の農業生産力の増強ということも非常に困難だと思うのであります。そういう意味では少数のこの土地を得られるような人を更に助けてやるというようなことよりも、土地が少くて兼業もやりほかの仕事もしておるが、なお農業経営状況が非常に不振であるというような農家を、大部分数多いそういう農家を助けてやるかというのが結局この第三條の分れ目になつて来ると思うのであります。従いまして、三反歩以上なければ購入ができないうのじやなくて、少くとも購入して三反歩となるものにはというように、まあこれは現行法でございましようけれども、そういうふうに一つ改めて頂くこと、なお又その運用に当りましては、その地帯の農業経営の状況というようなことを考えまして、この運用を実際に即したように運用して頂くようにやつてもらいたいと思うのでございます。
 その次の問題は、この農地法案は本法施行以前の在村地主所有一町歩以上の小作地は政府の買收対象としていないのでありますが、これは明かに地主的土地所有の温存を図ろうとしておるようにも思うのでございますが、農地法案の施行の前後にかかわらず制限面積を超える一切の小作地に対しましては、強制譲渡というような措置を講ずべきが本当だと思うのでありますが、その点は如何でございましようか。
#28
○政府委員(平川守君) この法案におきましても、一町歩以上の小作地については強制譲渡の方法をとるということにいたしております。
#29
○三橋八次郎君 それは何條でございますか。
#30
○政府委員(平川守君) それは第六條で「左に掲げる小作地」云々を所有してはならないという中に、第二号に「その所有者の住所のある市町村の区域内にある小作地」で、「その住所のある都道府県について別表で定める面積」とありますが、この「別表で定める面積」が農地において平均一町歩の面積であります。第一号のほうは不在地主の発生を防いだ條文でございます。
#31
○三橋八次郎君 その次は、この農地法案は耕作を目的として創設地の売渡しが行われる場合、その農地の評価価格と政府の売渡価格との差額を国が徴收する。この法律では施行法の第十四條でありますが……と規定されておりますが、これは徒らに生産的な土地の投資を強制させ、経営の発展を阻害するものであると思うのでありますが、この古い売渡価格によります売渡方式が採用されるのが至当だと思うのでございますが、この点はどうお考えでございますか。
#32
○政府委員(平川守君) この十四條の意味は、従来ポツダム政令で規定しておりましたように、政府から旧価格で売渡しを受けましたものがこれを他に売りました場合に、その価格に差が生ずる場合があるわけです。その差が生じました場合に、これをその所有者の所得にまるまるいたしますことは、政府がその者に自作せしめる目的を以て買收し、又売渡しをいたしましたその趣旨から申しますというと、一種の不当利得と申しますか、その法律の意図した目的を達成しないで、而もその政府の払下価格と当人の売渡価格との差額を利得する、こういう結果になりまするので、一応十年くらいたつた場合にはそれも止むを得ん。併し十年以内にそういう高い価格で他に売渡した場合には、年十分の一くらいの割合でそれだけの差額を政府に納めさせる。つまりこれは結局一種の公平的な考えからそういう制度を設けたわけであります。
#33
○三橋八次郎君 その次は第二十條の三号でございますが、「賃借人の生計、賃貸人の経営能力等を考慮し、」と、こうありますけれども、これはどちらを主体に考えるのでございますか。
#34
○政府委員(平川守君) もとよりこの両者の立場を勘案するわけでありますが、農地改革の精神から申しましても、現在耕作しておる耕作者の地位の保護ということを何よりも優先的に考えておるわけであります。従いまして、賃借人のほうでその生計上支障があるということになれば、それをやはり優先的に考えるべきものというふうに考えております。
#35
○三橋八次郎君 これは非常に重要な問題で、地方にも非常に問題が起りそうな個所でございますから、もう一遍これを念を押しておきますが、地主が勝手に耕作者の土地を取上げられないということは勿論でございますが、いろいろ地主のほうでも事実上その土地を返しもらわなきやいかん、小作のほうではまだ返さん、こういうふうな事情が起つた場合には、一応これは耕作者のほうに重点をおいて考えて頂くというように解釈していいわけですか。
#36
○政府委員(平川守君) 耕作者の生計というものがやはり第一に考えらるべきものというふうに考えております。
#37
○小林孝平君 総括的な問題で二、三お尋ねいたします。最近農村には農地改革の精神に逆行する動きが相当あるのであります。この動きは近時とみに擡願して参りました農村における復古主義によつて一層強く押進められているのでありますけれども、こういう動きや、それから農地改革の推進を阻止するような事態が相当ほうぼうで起きておるのであります。例を具体的に挙げて申しますれば、農地の闇取引があとを絶たないばかりか、最近一層盛んになつて来ておる。又旧地主、特に山林地主が最近活溌に動き出しまして、かような地主と農民との間に又昔のような隷属関係がここに生まれて来ておる。又貧農層と旧富農層との経済力の開きが大きくなりまして、農地の移動集中化がだんだん起つて来ておる。或いは又地主による耕作地の引揚げが漸次増加しておる。かような現案、農村に起つております現実の事態を一体当局はどういうふうに認識しておられるかということをお伺いしたいのでありまして、若しこういうような、現実が、当局でそういうことを知つておらない、そういうことはありません、こういうような御返答であれば、これは当局の私は怠慢と言わなければならないと考えておるのであります。又果してこういうような現実を当局でも十分知つておられるならば、従来調査されておりまするところについて、その真相を説明して頂きたいと思うのであります。なお、これに関する資料がありましたならば提供して頂きたい、こういうふうに思うのであります。以上第一点お尋ねいたす次第であります。
#38
○政府委員(平川守君) 農地の闇売買ということも多少耳にするのでありますが、この闇売買と言われております中に、案は法律上闇というわけではないようなふうにも思われるものまで入つておるようにも思われるのでありまして、少くとも現在の法制で許可なしに農地が売買されるということはないわけであります。又農地の価格について非常に不当に高いというようなこともよく話があるのであります。これにつきましては、私どもとしましては、一応自作地の売買については、これはいわゆる農地価格という以外に、耕作権というものについて或る程度評価が行われておるというふうに解釈をいたしておるのであります。小作地の売買ということは、小作地自体としては許されませんけれども、小作地については全耕作者が承諾をしない限り売買も行われるわけでありませんし、又小作者に対する農地の売渡価格については、政府の買收価格の制約もありまして、そうひどい値段の売渡しということは行われておらんようであります。今後いろいろ更に何か新しいような脱法的な手段が起らないことは保しがたいのでありますけれども、現在のところいわゆる農地価格の問題は別にいたしまして、闇の売買ということはそれほどにはないように考えております。それから山林地主の問題でありますが、これはまあ確かに地主としてはいろいろな自分の経済的の立場からしまして、いろいろな手段によつて未墾地の開放を成るべく避けたい、又従来未懇地で買收されたものについても返してもらいたいといつたような運動がいろいろあるように聞いておりますが、これにつきましては、今般の農地法で開拓地として不適当なものについてはこれを買收当時の所有者に返すという建前をとつておりますけれども、その以外の開拓上必要な土地につきましては、飽くまでもこれを開拓の用に供する、又今後といえども開拓可能の山林原野については、一定の適正なる調査なり或いは手続の下にやはり開拓は進めて行く方針であります。従つて又山林原野の買收もこれに必要なる限りは進めて行くというつもりであるわけであります。
 それから農地の移動の問題につきましては、これは最近やや殖えておりまするけれども、例えば二十六年の上半期においても約二万町歩の移動がございましたが、これは戦前の普通の状態におきましては、非常に古い勧業銀行あたりの調べでは二十万町歩くらいの移動はあつたわけであります。必ずしもそう非常に移動の面積が多いというほどのこともないと存じまするし、又その移動の内容をみましても、むしろいずれかと申せば、地主が現に小作者にその土地を売渡す場合、或いは終戦後いわゆる飯米農家式な経営をやつておりましたものが、その土地を普通の自作農に売渡すというような場合、そういう場合が相当多いようでありまして、むしろこの移動によつて自作地の面積が拡充する傾向にあるというふうに考えております。
 それから小作地の引揚げの問題につきましては、これは農地調停等でいろいろ問題のようでありますが、これにつきましては、法律におきましても御承知のように非常に厳格なる制限を附しておりまするし、又調停等につきましても、今後区画整理等によりまして不当な引揚げの行われないように、これを法制の運用及び調停の実際の指導等によりまして、そういう不当な傾向のないように努めて参りたいと、かように考えております。
#39
○小林孝平君 今御説明になりましたことにつきまして、なおお尋ねいたしたいことはありますが、又後ほど改めて詳細お尋ねいたすことにいたしますが、こういうことについて調査された資料でもありましたら委員会に御提出をお願いいたしたい、こういうふうに思つております。
 次にお尋ねいたしたいのは、この配付されました農地問題に関する統計資料の五十一頁によりますと、農家戸数に対する経営面積五反歩以下の農家の割合は、内地では昭和十六年に三三・五%、昭和二十五年では四一・五%、北海道では昭和十六年一六・八%、昭和二十五年二五%というふうに出ておるのであります。又最近発表されました農業動態調査によつてみましても、農家総数に対する三反歩乃至五反歩の農家の割合は、昭和二十五年の二月の調査のものでは一五・八%に比べて、昭和二十六年二月調査のものは一六・一%でありまして、実数において〇・三%増加しておりまして、農地は細分零細化されていることは当局も確認されておると思うのでありまするが、こういう点どういうふうにお考えになつておるか。又農業動態調査によりますと、昭和二十六年の二月の一日前一カ年間において、耕地の拡張が四万二千九百二十六町、改廃が一万八千四百八十九町、差引二万四千四百三十七町の拡張となつておるのであります。併し田畑別にみますと、畑は二万八千六百五十七町の増加となつておりますが、田のほうは却つて四千二百二十町の減少となつておりまして、注目すべき問題を提供しておると思つておるのであります。かような傾向は昭和二十五年の二月一日前一カ年間においても同様に現れておるのであります。こういうような今申上げましたような数々の事態に鑑みてみますと、農地政策の基本法となるべき今回の農地法は、単に従来の三法令を統合しただけでは十分でないのでありまして、これで足れりとしまして差支えないのであろうかどうか、どういうふうにお考えになつておるか、それをお尋ねいたしたいと思います。
 又政府は何か根本的な対策を考えておられるのであるかどうか、この際はただポツダム政令の有効期間の関係から、暫定的にかような単に三法令を一つにしたというような措置をとられたのであつて、近い将来には、近い機会に農地法の根本的の改正をする意思が政府にあるのかどうかという点をお尋ねいたします。
#40
○政府委員(平川守君) 農家の零細化の傾向は、特に終戦後非常に著しかつたわけでありまして、海外からの引揚げ、或いは都市からの帰農等々の理由によりまして、非常に急激に零細な農家が多くなりました。これは特に絶対戸数においても農家戸数自体が非常に増加いたしまして、その増加したうちの多くの部分が零細農家であつたということは、当時の海外からの引揚げの事情なり、或いは食糧事情なりというものから判定がつくと思うのであります。最近におきましてはこの傾向は少くとも鈍化いたしておりまして、むしろ極く最近には若干非常な過小農は整理をされるというくらいの段階にあるように存ずるのであります。ただ今後の問題といたしまして、人口の増加に伴いまして、殊に次、三男の問題等々を考えますると、やはり全体としては零細化の傾向にあると言わざるを得ないと思います。これに対する対策といたしましては、根本的にはひとり農地の政策だけでなしに、農業政策全体、或いは更に経済政策全体の問題でもあろうかと思うのであります。取りあえず差当りの問題といたしまして、農家の相続の問題に絡んで零細化が行われるという傾向にありまするので、相続に関係して農地が分割せられる傾向を防ぐ一助といたしまして、相続税法の改正が行われまして、これによつて一子が農業関係の資産を全部引継ぎましても、相続税の関係におきましては大部分の農家は免税をされる、七割くらいの農家は相続税をかけられないで済むというような相続税の改正等もいたしたわけであります。なおこれはひとり零細化だけの問題とは言えないかと存じまするけれども、農地を止むを得ず手離さなければならんといつたような事態の起ることを防ぎますために、例の強制譲渡の方式を活用いたしまして、さような場合が起りました場合に、政府がその土地を買上げまして直ちに又本人に払下げをいたす、売渡しをいたす、そして一定の長期年賦償還によりましてこれを返済せしむる、実際上はこれは金融の役目を果しておる、こういう種類の資金を本年は八億五千万円ほど予定をいたしておるようなわけであります。零細化に対する対策といたしましては、これは農地法のみで解決することは到底困難でありまして、農地法に対する農地だけの問題でなしに、そういつたような全体の問題として考えて行かなければならん、かように考えております。それから農地の改廃の問題につきましては、御指摘のように大体において改廃せられる場所が比較的いい場所でありまして、これに対して新たに造成せられる農地は奥地の開拓地等でありまする関係上、水田等は比較的多く潰れるという現象は確かにあるわけであります。これに対しましても農地法といたしましては、知事或いは農林大臣の許可制度を布くことによつて極力これを防止いたしております。又駐留軍或いは予備隊の問題といたしましても、これに対して極力農地の改廃を避けるような方針に出ておりまするし、又新たなる開拓或いは干拓等の問題につきましては、これは別途五カ年計画等を立てまして、極力予算その他の政府資金を投入することによつて、新たなる農地の造成もやつて参りたいと、かように考えております。なお更に今少し根本的な農地の改廃を防止する方策はないものかということも考究をいたしておるのでありますが、これにつきましては、なおいろいろ検討すべき点がございまして、只今具体的にこういう方法でということを申上げる段階に至りませんが、単なる許可制度だけでも不十分ではないか、もつと別途の政策も併せて講ずべきではないかということも考えておるような次第であります。
#41
○小林孝平君 それからもう一つその三法令を統合しただけでは、今暫定的に三法令を統合して農地法案を作られましたけれども、今後どうも不十分であるから新たな対策をお考えになるかどうか。
#42
○政府委員(平川守君) 差当り今具体的に考えておりませんが、農地の問題につきましては非常に根本的な問題でもありまするので、いろいろな問題点については絶えず研究を進め、更に是正すべきものは是正して参りたいと、かように考えております。只今具体的にどこをどうということは考えておりません。
#43
○小林孝平君 まあ今日は私は……。
#44
○委員長(羽生三七君) 今日はこれでよろしうございますか……。
 それでは本日はこの程度で散会いたします。
   午後三時零分散会
ソース: 国立国会図書館
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