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1951/02/21 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 電気通信委員会 第5号
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1951/02/21 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 電気通信委員会 第5号

#1
第013回国会 電気通信委員会 第5号
昭和二十七年二月二十一日(木曜日)
   午前十時四十七分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     鈴木 恭一君
   理事
           山田 節男君
   委員
           大島 定吉君
           新谷寅三郎君
           佐多 忠隆君
           稻垣平太郎君
           水橋 藤作君
          池田七郎兵衞君
  政府委員
   電波監理委員会
   委員長     網島  毅君
   電波監理委員会
   副委員長    岡咲 恕一君
   電波監理長官  長谷 慎一君
  事務局側
   常任委員会專門
   員       後藤 隆吉君
   常任委員会專門
   員       柏原 栄一君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○電波行政に関する調査の件
 (テレビジヨンに関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(鈴木恭一君) これより会議を開きます。
 電波行政に関する調査を議題といたします。
#3
○山田節男君 昨日の委員会の終りの段階で佐多委員から、今回電波監理委員会で決定されたテレビジヨンの標準方式に関する内容に入つての質疑を始められたのですが、時間の関係上今日に延ばされたわけでありますが、その佐多君の提案された内容の質疑に入る前に、私もう一つ確かめておきたいことがあるのです。と申しますの、今回のこのテレビジヨンの標準方式の決定のために公聴会を開かれて、審理官の調書並びに意見書に基いて極めて慎重な審議の結果、さように決定したと、こういう網島委員長並びに岡咲副委員長の昨日の御説明でありました。そこで今回の標準方式を決定するために準拠された法律は、例の電波法の第八十三条の第二項というように伺つておるのでありますが、この電波法八十三条の第三項を見ますと、これはいわゆる民意聴聞のために電波監理委員会としては、恐らく同法第八十三条の一項の二十数項に亘つて、何といいますか、聴聞会を是非開かなくちやならないという事項、その中にテレビジヨンに関するものがない。即ち法の不備と言いますか、電波法のこの制定当時におきまして、テレビジヨンの問題が今日のようになることの予想がなかつた故に、いわば法の不備のために第八十三条の第二項に拠られたのである。この調書並びに審理官の意見書を見ると、この第二項によつてきめたものは、いわゆる一事不再理の原則をとる、こういうことが言われておるのでありますが、どうも私としてよくわからないのですが、この点一つ法的な根拠を一応当面の責任者に御説明願いたい。
#4
○政府委員(岡咲恕一君) 山田理事のお尋ねに対してお答え申上げます。このたび聴聞にかけました事案は、白黒テレビジヨン放送送信の標準方式でございまして、この内容はすでに御検討済かと思いますが、内容を見ますると、これは電波法の第二十八条に規定いたしまする電波の質及び同法第三十八条に規定いたしまする技術基準に関する事項でございまして、いずれも電波法第八十三条第一項に該当する事項でございます。従いまして本来これは八十三条第一項の事案として聴聞にかけるべきものでございますし、委員会といたしましても、第八十三条第一項によりまして聴聞会を開いた次第でございます。尤も山田委員の御指摘のように、この聴聞における電波監理委員会の発言を見ますると、その点やや不明瞭でございまして、実質的には八十三条の第一項によるわけであるけれども、事案といたしましでは、必ずしもこの規則の形をとらなかつたが故に、或いは形式的には第八十三条の第二項ではなかろうかというふうな多少意見を加えた陳述をいたしておりまするが、これは全体を御覧になりますると御了解を頂くことができるかと思いまするが、八十三条第一項に規定いたしまする電波の質及び技術基準に関する将来規則を制定せんがための聴聞でございまするが故に、これは八十三条第一項に基いた聴聞と私どもは解釈いたしておる次第でございます。
#5
○山田節男君 この調書の信頼すべき公聴会の速記録を私、何頁か今直ちに挙げることはできませんが、この調書の最初の項、それからまだ中ほどにもあつたと思いますが、この三百十六頁の審理官の理由の所にも標準方式の性格について、これは調書の最初の速記にもあります。理由書の最初にこのことが謳われておる。今の岡咲副委員長のお話によると、この審理官の理由書の中に挙げている委員会の考えている標準方式の性格、これについて審理官の言うていることは根拠のない……、初めから第八十三条第一項の、いわゆる当然公聴会を開いてやるべきものだ、これは任意聴聞会じやない、こういう御意見なんですか。従つて審理官の意見書の中に理由として書いているものは、電波監理委員会としては全面的に否定される意味で、そういうことを申されるのですか。
#6
○政府委員(岡咲恕一君) 審理官の意見書のほうは後ほど申上げることにいたしまして、たしか山田委員が御覧になりましたのは、調書の四十頁の所ではなかろうかと思いますが、四十頁の終りから八行目のあたりでございまするが、委員会としてこの聴聞の根拠に関する説明をいたした所がございまするが、ここにもございまするように、「この内容を御覧願いますと、御了解下さることと存じますが、今までの聴聞会におきましての事案は審議を経まして、例えば何々規則の改正というような規則という形において拘束力を持つて行くことがはつきりしているものでありますが、標準方式の今回のこの事案はまだどの規則にどういう形で入るかということについては申上げ得る段階ではございませんけれども何らか規則の中に入りまして拘束力を持つ性質のものでございます。従つてその性格から言いますというと、内容においては拘束力を持つた事案である。つまり八十三条の第一項によるものと考えられますけれども、形式的には任意的な第二項による聴聞にかけた形というふうにとるべきではないかと思うのであります。」、かように述べておりまするが、この趣旨は、要するに将来規則として一般を拘束する、言い換えれば規範たる性質を持つ事項を聴聞しておるのである。言い換えれば、この聴聞の結果によつてこれを将来規則にするのであるという趣旨をはつきりいたしておるのでございまして、八十三条の第三項は、前項の場合の外、電波監理委員会が必要と認めた事項について聴聞を行うことができる。言い換えれば、八十三条第一項に書いておりまするように、法定事項以外の事項について、例えば免許の申請を求められた場合に、免許すべきであるかどうかというような事項につきましては、法律は別にこれを必要的な聴聞事項といたしておりませんので、かような場合に電波監理委員会が聴聞会を開くことを適当と認めたという場合に、聴聞を許すという規定でございまして、第一項に書いてあるような事項は必ず法律上聴聞を経なければならない。特に只今申上げましたように、標準方式は電波の質、又は技術基準に関する事項でございますので、これは法律で当然聴聞会を開かなければならない事項でございます。事案そのものといたしましては、当然法律上の聴聞会を開かなければならん。そうしてこれを規則にするという趣旨を以ちまして聴聞を求めておる次第でございまするから、これは八十三条第一項による聴聞と私解釈し得るものと考えております。審理官の意見は、これも私よく検討いたしたのでございまするが、若しもさような趣旨であるならば、初めから規則案というふうなものに作り上げて、言い換えれば、この規定を、聴聞の事案を分解して、それぞれの規則に入れるというふうな行き方でなしに、むしろ事案だけを一つのまとまつた単行規則の形で電波監理委員会が規則を作るという方針を立てて、そうしてその規則案の形で聴聞を求めるべきものではなかつたであろうか。むしろそうするのが適当のように思われるという審理官の法律上の取扱の御意見でございまして、私どもは必ずしもさようにしなければいけないものとは実は考えなかつたのでございます。聴聞において、先ほど引用いたしました所で御覧になりましたように、当時といたしましては、果してこれを一つのまとまつた規則の形にいたしたほうがよろしいか、或いはすでに放送局の開設に関する根本的基準或いは無線設備規則といつたようなものを制定いたしておりまするので、内容を検討いたしまして、これを分解してそれぞれの規則のほうに入れるということも考え得る余地がございましたので、一応この事案の形にして聴聞を求めたわけでございます。併しよく検討いたしまするのに、むしろこれはテレビジヨンの技術的根本的事項を決定いたすものでございまするから、将来或いは放送局の開設的基準、放送局の開設に関する根本的基準、或いは設備規則のほうに入れるといたしましても、一応そのテレビジヨンの原則を示すものといたしまして、まとめた形において、言い換えれば、単行的な規則といたしますることが適当だと考えまして、先週の土曜日にさような決定をいたした次第でございます。これは又裏面から申しますると、審理官の意見書に現われております意見も斟酌して単行規則として制定いたしたということも言い得るかと思うのでございます。
#7
○山田節男君 今副委員長から読まれた規則の最後のほうに、内容においては拘束力を持つた事案であると、つまり八十三条の第一項によるものと考えられまするけれども、形式的には任意的な第二項による聴聞にかける形というふうにとるべきではないかと思うのであります。――今の御説明では私はどうしても納得できない。最初私が質問申上げたように、電波法の中にテレビジヨンの少くとも法律、根本法になるべき、電波という根本法の中にテレビジヨンのことは一つも謳つていない。そこで今の副委員長の言われたことは、一つの第八十三条の第一項の技術基準だと言われるけれども、これは私は非常に心外なんです。というのは、少くともこういうテレビジヨンのスタンダードというような重要な問題、スタンダードを一旦きめればこれはあなたも御存じだろうと思いますが、アメリカの連邦通信委員会ではこれはちよつと日本訳にするのはむずかしいから今言いませんが、フエデラル・コンムニケーシヨン、スタンダーヅ・オブ・グツドエンジニアリング・プラクテイス・コンサーニング・テレビジヨン・ブロードカスト・ステーシヨンというのがあります。これが全部で以つて十数カ条に亘つてもやんとそういう一つの規定ができております。なおそのほかにスタンダードの附属の規定乃至規則としてルール・エンド・レギユレーシヨンス・ガバニング・コンマーシヤル・テレビジヨン・ブロードカスト・ステーシヨン、こういう厖大な一つの単行法を当然作らなければならん。規則にしても厖大な規則を作らなければならん。そういう重要性のものはあなたはわかつているに違いない。然るに法の不備であるが故に、無理やりにこじつけて、今の電波法の第八十三条の第二項によつていわゆる任意聴聞会を開いた。そうしてその結果は一事不再理の原則によつて、第一項につくべきものであります。これでは法律家のあなたの言われる論理というものが、今の言われることは單なるこじつけの論理に過ぎない。殊に電波監理委員会の法律の最高の権威者としてそういう言葉を使うことば非常に私は心外である。あなたは法律家であるけれども、こういう一種のテレビジヨンのスタンダードという一つの技術の問題、技術の法律解釈、あなたの言う法律解釈は非常に僕はそこに妥当性を欠いているのじやないかと思う。私はここに多分の疑念を持つている。今のあなたのおつしやることは、一つの法のこじつけの解釈で、論理の飛躍があります。少くともこういうテレビジヨンのスタンダードの決定に対する解釈としては、やはり飛躍があり、惡く言えばこじつけである。私はこの点においてなおこれに携つた審理官なり、或いは他の法律家を以てでも今研究をさせ、審理官からもその心境を聞きたいと思うのでありますが、私はこの点がどうしても納得できない。殊に先ほど重ねて申上げたように、あなたの述べられたこの標準方式がきまれば、厖大な規則乃至規定というのを電波監理委員会が作らなければならない。その根本的のものを單なるレギユレーシヨンで、現実でないものを書いてこじつけ、第八十三条の第二項でやつたというのは、非常にここに私は錯誤というか、意識的な一つのこじつけがあつたのじやないか。あなたの御説明ではどうしても私は納得できません。
#8
○政府委員(岡咲恕一君) 山田委員のお尋ねの御趣旨が、ちよつと私了解しかねるのでありますが、もう一度私の解釈いたしておりまするところを申上げて御了解頂きたいと思います。
 この聴聞会におきまして先ほど引用いたしましたように、委員会がつまり八十三条の第一項によるものと考えられますけれども、形式的には任意的な第二項による聴聞にかけた形というふうにとるべきではないかと思うのであります。と、こう述べております。これは私から考えますと、正確な言い方ではございません。むしろ多少、私の記憶ではこの陳述は長谷長官がしたのではないかと思いまするが、長谷長官は御承知の通り技術のほうの專門家でございまして、必ずしも法律の專門家とは申されないわけで、技術的には第八十三条の一項によるものだけれども、どうも規則の形をとつて聴聞にかけなかつたが故に、その点にちよつと疑問をお持ちになりまして、形式で言うと八十三条の二項によるものではなかろうかというような意見を述べたわけでございます。ところが、八十三条の二項は先ほど申しましたように、法律が聴聞にかけなければならないと定めております事項以外の事項を聴聞にかける場合が八十三条の第二項でございます。ところが標準方式の内容を見ますというと、これは先ほど申しました通り、電波の質と、それから技術基準に関する事項でございます。従いましてこれは必ず聴聞を経なければならない事案なんでございます。ですからそこは或いは誤まつて八十三条第二項ではないかと思います。と、こう述べておりますけれども、事案そのものは客観的に見れば八十三条第一項の事案であることはこれは疑いないわけでございます。ただ山田委員は先ほどもお話のように、アメリカの例を見るというと、これはグツドエンジニアリング・プラクテイスと申しますか、スタンダードとなつておりまして、非常に厖大な規定である。併しアメリカにおきましてもFCCがルールとして定めているものでございます。電波法をここでくどくど申上げる必要はないかと思いますが、法律のたしか第三章に技術基準に関する規定がございまして、この第三章の最後の文だつたと思いますが、三十八条に、「無線設備は、この章に定めるものの外、電波監理委員会規則で定める技術基準に適合するものでなければならない。」とこういうような規定がございまして、この三十八条に基きまして、電波監理委員会が規則を以てこの技術基準を定め得ることになつているのであります。この三十八条による技術基準として制定されるべき内容の事項をこのたびはこの聴聞会にかけたわけでございまするから、この法律のどこにも私は矛盾牴触はないと考えております。
#9
○山田節男君 今日も確かめたように、大体我々に提供された唯一の資料としておる過日、十七日から三日間に亘る聴聞会の記録というものは、これは私ももう再三これを熟読した。それから結論として出ている審理官の意見書、これから文字解釈或いは精神解釈するとしても、今のあなたのおつしやることと違う。そこに今あなたは、長谷長官は技術家であるから法理的な言い廻しが非常に誤解されやすいような表現であつたが事実そうじやなかつたのだと、こう言われるけれども、我々の持つているのはこの調書よりしかない。このニユアンスを持つばかりでなく、文字通り読んで、私の質問したりことは当然各委員が持つておられると思う。そこで私は最初から申しているように、要するにこれは技術基準だと言われますけれども、第七国会でこの法律が作られたときの、そのときの衆参両院の会議録を見ましても、テレビジヨンに関するものは衆議院では一回も議員が質問していない。僅かに参議院で新谷君がテレビジヨンのことも考えておりますか。そのときの電通大臣の小澤佐重喜君が、勿論テレビジヨンのことも考えてこの法律に盛つてございますというのです。そうして今いよいよテレビジヨンが現実の問題になつて来て、あなたのおつしやるようにテレビジヨンの標準方式、技術基準にはそれは違いない。我々が昨年の十月以来問題にしているのは技術基準には相違ないけれども、それ以上の本質を支配するような経済的な、社会的な、文化的な大きな問題がある。單なるこれを技術基準としてのみ考えらるべきものではないということになつたからしつこく我々は意見を申上げて、今回の処置に出られた。こういうような法的処置については、我々に与えられている書類から見ると、そういう疑問を持たざるを得ないのである。殊にこれに携つている審理官が公平なる立場から述べている意見書の中にも冒頭においてこれはある。そこで私が申上げているように、法律の不備、電波法の不備から技術基準ということはある。それを最初から第八十三条の第一項によつてこれはもう法定の聴聞会を開くのであります。こう言われて、それであなたの今おつしやつたように、この事案についてはつきり白黒式テレビジヨン放送に関する送信標準方式に関する規則ということを建前として、聴聞会に第八十三条の第一項をかければこれは問題ない。そのこと自体については問題がない。そこに私はニユアンスがない。調書は言々句々非常な疑問を持つ。私はそれをそういうふうに考える。
#10
○政府委員(岡咲恕一君) 私は調書の記載に間違があるということを申上げておるのては断じてございません。調書は私の読みましたところでは、聴聞会における発言を聞いて極めて正確に摘示していると思つてひそかに感心いたしておる次第でございます。ただ先ほど申しましたように、この委員会の本質がただ多少不明瞭であつたのではないか。この通り私は述べたと思います。述べたと思いますが、その趣旨とするところが少しはつきりしなかつたのではないか。さようなはつきりしない陳述をいたしましたことにつきましては、私といえども十分委員会の一人といたしまして責任を負うつもりでございまするが、このところ全体をよく読んで頂きますれば、八十三条第一項の規則となるべき事項を聴聞にかけておるのであるという陳述をいたしておるのでございます。そうして形式的には任意的に第二項により聴聞にかけたというふうにとるべきではないかというふうに思うのであります。というのは、一つの意思見でありまして、この意見につきましては私は必ずしも適当ではなかつた。形式としてではないので、これは八十三条第一項の事項を聴聞にかけているのですから、これをはつきり八十三条第一項による聴聞であると言つたほうがよかつたと思います。ただこれを形式的には、いわば聴聞の事案が規則の形をはつきりとつておりませんので、むしろ形式的には第二項によるものであろうかというふうに解釈して、かように述べたかと思いますが、その点は多少不明瞭であつて誤解を招く虞れがあつたということにつきまして、私も十分申訳ない陳述をいたした、かように思つておりまするが、全体を御覧になりますると、先ほどくどく申上げましたように、八十三条の第一項によつて規則となるべき事項を聴聞にかけたのだ、こういうふうに御解釈を頂けるのではないかと思うのです。なぜそれじや最初に、そういうつもりならばちやんとそういうふうに規則にして出さなかつたのであるかというお尋ねかと思いまするが、これは先ほども申しましたように、これを聴聞にかけまする際には、将来は規則になるものであるけれども、これをまとまつた単行の規則とするのが適当であるか、それとも各事項を分散して、それぞれのすでに制定公布されておりまする規則の中に改正として入れるほうが適当であるかという点につきましては、多少疑問もございましたので、聴聞にかけまして利害関係者、或いは各方面の意見を聞きまして、その意見に従つて必要によつてはこれを分散して他の規定の中に入れよう、かように考えておつたわけでございます。ところが聴聞を経て見ますると、その点について格別な御希望もございませんし、その他審理官は先ほども申しましたように、むしろこれは単行規則として制定すべきものである。或いは単行規則の形で聴聞にかけたほうがより適当ではなかろうかという趣旨の意見も出ましたので、その点を斟酌いたしまして単行規則として制定いたしたのでございます。で、私は別に詭弁を弄しているつもりもございませんし、山田委員に御了解の頂けないのが非常に残念に思いますが、私はこのように解釈して妨げないものと、かように考えておる次第でございます。
#11
○山田節男君 再三繰返しての岡咲副委員長の極めて慇懃鄭重なる答弁であります。これは私も再三申上げておるように、我々の持つておるのは調書しかない。それに現われておるものに対して岡咲副委員長は言葉が足らなかつた、或いはそういう意味で言つたんじやないということならば、調書そのものが我々にはどの程度信頼していいか又疑わなくちやならん。併しこれは電波監理委員会の法律家としての責任者である岡咲君がそういう解釈をされた、この点について私は了解します。けれども、これが調書が公の文書として、公の定めた法律の一つの記録として提出された、これを而も法律の責任者である岡咲副委員長から敷衍され又説明しなければならんという答弁を、たとえ技術家である長谷長官のされた答弁の言葉であつても、極めて不用意であつだということを私は認めざるを得ない。私はこの点については質問いたしません。それから一体今回のこのテレビジヨンの標準方式ですね、任意聴聞会にかけられて、そうして審理官の意見書に基いて、調書なり意見書に基いて決定されたこの標準方式というものは、この行為は一つの行政的には処分行為であるかどうか。法律家である岡咲副委員長に法的解釈を伺つて見たい。
#12
○政府委員(岡咲恕一君) この規則の制定が行政処分であるかどうかという点につきましては、私の個人的な見解を申上げますと、規則の判定も、電波法の第八十四条に規定いたしております電波監理委員の処分に当るものと私は解釈いたしております。尤もこの点につきましては、法案の立案当時、法制意見長官の方に意見を求めたものと思いまするが、その際法制意見部では規則はその中に入らない、規則の制定はこの処分の中には入らないという解釈をされておるかたもあるやに聞いておりますので、私どもといたしまして、若し現実に問題の起きまする際には、法制意見長官とも十分連絡いたしまして、その法律の御見解もともと承わりたいと思つておりますが、私個人といたしましては、規則の制定は処分行為である、かように考えております。
#13
○山田節男君 そうすると岡咲副委員長はこの標準方式の決定は電波監理委員会による行政処分である。法務庁のほうには少数ながら意見がある。こういうことを言われますが、あなたの主観的な解釈ということでは、これは法的……これは個人の解釈である。既成の概念としてこれを処分としてとるべきかどうかということは定説になつていないという意味ですか。それとも少数のそういう意見があるけれども、多数の意見においてはこれは一つの行政処分になる、こういうふうに了解してよろしうございますか。
#14
○政府委員(岡咲恕一君) 私のような見解をとつておりまする者が多数であるか少数であるか、その点はここで断言いたしかねまするが、少くともアメリカにおける対策といたしましては、私のような解釈をいたしておるように心得ております。法制意見長官に御意見を求めますると、如何ような御見解を承わることができまするか、若し現実にこれが問題になりまする際には、一応法制意見長官に意見を求めて見ようかと思つております。尤も電波監理委員会は、申上げるまでもなく、独立の行政委員会でございまするから、今の行政組織上、法制意見長官の意見に法律上当然に拘束されるものでは私はなかろうと考えております。従いまして、私ども委員会が会議いたしまして、その会議の結果、これを処分の中に規則制定の事項も入れるかどうかということをきめなければならないと思つております。が併し、法務総裁は内閣における法律問題に関する最高の顧問でございまするし、法制意見長官はその補佐たる機関でございまするから、法制意見長官の御意見は十分尊重して、私どもの法律上の意見を定めます上に遺憾ないようにいたしたいと存じます。
#15
○山田節男君 もう一つ念のために、今後の論議のための私予備知識として確めておきたいことは一体、こういう今岡咲副委員長が言われるように、テレビジヨンの標準方式は、これは技術基準であることに違いないと思います。併し、今日のようにアメリカにおいてテレビジヨンの方式を定める場合、それからイギリスにおいてテレビジヨンの方式を定める場合、この場合は單に文書による、或いは口頭だけの公聴会としての審査じやないのです。殊にアメリカのごときは、もう前にも申上げましたが、ナシヨナル・テレビジヨン・システム・コミツテイのごときは、文書においていろいろ調査し、更に各界の、例えばお医者の眼科、或いは精神学者、心理学者、こういうようなものまで呼んで検討しておる。更に今度問題になつたテレビジヨンのスタンダード方式の根本となるべき周波数の帯幅の問題にしても、或いは何と言いますか、その他附随して来るいろいろなフレリム・フリクエンシー、こういうものについても、一々実際にどれがいいかということを、この技術の本物をここで具体的に現わして、いわゆるデモンストレーシヨンをして、どれがいいか惡いかということを実地にこれを検討する。これはもう今日の民主的な国家においては公聴会において、殊にこういう技術とか、理論とかは、文書において、或いは口頭においてだけではこれは何にもならない。ところが私寡聞にしてこれは知らないせいかも知れませんが、今回の標準方式の公聴会において、聴聞会において、電波監理委員会が果して七メガがいいか、六メガがいいか、或いは十四メガがいいか、或いは走査線にしても、五二五がいいか、六二五がいいか、或いはフレームフリクエンシーが、これは三〇でしたか、それからフレームが六〇でいいのか、こういうようなことを実際にデモストレーシヨンをして、実際に比較検討した上でやられたのかどうか、そういうようなことがあつたのかどうかを伺いたい。なぜこういうことを私が質問申上げるかというと、これは技術基準と法律的な問題ばかりでなく、先ほど来申上げておるように、技術的な具体的な問題について、証拠によつてエヴイデンスの入らない聴聞会というものは権威がないと言わなければならん。そういうことをされたのかどうか。又されなかつたならばどういう理由でされなかつたかお伺いしたい。
#16
○政府委員(岡咲恕一君) アメリカにおける実情は、山田委員の御説明の通りだと存じます。アメリカにおきましては、当時はテレビジヨンは早々の際でもございますし、非常にFCCは慎重な態度をとられたのでございまして、これは極めて適当であり、如何にもアメリカ的な行き方であろうかと思うのであります。私どものほうといたしましても、予算なり、或いはそのほかの条件が十分でありまするならば、或いはアメリカのような行き方も可能かと思いまするが、実はアメリカにおける過去のいろいろな研究、或いは実績というものは、移して以て我が国の問題を解決するにも一つの資料にもなると考えまして、アメリカと同様な実際上の試験、或いは実験を経なければこの基準をきめ得ないものとは実は考えなかつた次第でございます。尤もこの基準を作るにつきまして、どの程度の具体的な調査研究をいたしたかというふうなことにつきまして、私も必ずしも正確に存じておりませんので、これは長谷長官にでもお答えせしめるのが適当ではないかと考えます。
#17
○山田節男君 今私が法律の專門家であるあなたにそういうことを質問申上げたのは、こういうこの聴聞会において、法的に考えて見てもですよ、そういつたような実体の証処、実証的なエヴイデンスなくしてこういう技術基準をきめることが聴聞会としてこれが完全なものであるかどうかというあなたの見解を聞くのです。そういうものはなくてもこの聴聞会としてはコンクリートなものであるか
#18
○政府委員(岡咲恕一君) 法律家の意見としてどうかというお尋ねになりますと、私もちよつと困りまするが、十分予算もあり、ほかの便宜もございまして、或いはフランス式、或いはイギリスの方式と、それぞれ各方式に基いて機械を輸入し、或いは製作いたしまして、これによつて電波を出し、そうして現実にこれを受像して見るというようなことまでできまするならば、いたすことがそれは望ましいと思いまするが、日本の現在における経済的な状況から考えまして、果してそこまでしなければならないものであるかどうか。又それをしなければ決定できないことであるかどうか。という点につきまして、私は多少の疑問を持つております。さような実験研究をいたすほうがベターであるということははつきり申上げられまするけれども、すでにその実験研究の結果は文書にも現われておりまするし、或いは現実に外国に参りまして、それを視察した專門家もおりまするので、そういう意見を検討いたしまして、技術基準を作ることも私はあながちできなくはない。或いは日本の現状ではそれでよろしいのではないかと考えておる次第でございます。
#19
○山田節男君 余り時間をとりますから、これで打切りますが、私が何故そういう質問を申上げるかというと、又我々が問題にしておるかというと、アメリカのやつておることは、非常に詳しい資料があるから見る必要はない、これはもう尤もなんです。現に諸君たちが向うに行かれて実地を見られておる。だからその必要はない。ただ問題は、六メガか七メガかというような、技術的に非常な論争が起きたときに、電波監理委員会のとつておる態度は、アメリカさんに槌つておればいい、アメリカに槌つておれば間違いはない六メガで天然色のテレビジヨンもやつておる。とにかくアメリカに槌つておればいい、こういうような態度が調書の中にはつきり現われておる。少くとも民主的に考えるならば、七メガというものが、技術があれほど進歩しておつて、これは單に天然色に移行するのにいいというだけでなく、画が果してきれいかどうかということも考えなければならん。あなたが行かれた去年春以来テレビジヨンというものは長足な進歩をしておる。現に私の所に一週間ほど前に来た資料なんか見ても、もうテレビジヨンというものは決定的にいいものができておる。そうしていわゆるコロンビア式のような、フイールド・フリクエンシエンシヤル・システム、いわゆるオール・エレクトロニツク・コンバーテイブル・カラーテレビジヨン・システムができておる。もう馬鹿の一つ覚えのように、アメリナのフオームが絶対にいいというようなことで行く。それから抜山委員から発言があつたように、電波監理委員会はいろいろな技術家を控えて大きな組織を持つている、君らの民間の団体よりも我々はいろいろ知つている、お前らの言うことは利益関係のある特許のことでも公聴会で言つておればいいのだ、こういう発言の片鱗からでも我々は推察できる。余りに独善的な、余りにつけ上つた気持が電波監理委員会にあるのじやないか。少くともあなたは法律家として聴聞会を実質的にコンクリートなものにしようとすれば、この六メガか七メガか、こういう大きな論争をもう少し謙虚な立場に立ち、それで六メガ、七メガでテレビの画像において果していいかどうか。又どういう調整をする方法があるか、こういう点に対して十分デモンストレーシヨンによる聴聞会というものがなされなければいけないと思う。これは法的に言えばあなたのおつしやる通り、もうアメリカがすべてのものが進歩しているから、アメリカさんの通りにやつておれば間違いないのだ。これでは電波監理委員会の権威はなくなるのですね。私はそう憂えている。従つてあなたが最もそういう法的解釈の最高権威者としている場合、そういうデモンストレーシヨンをやらなくても、それは理窟じやわかつている。こういうことでできた聴聞会の調書というものがコンクリートなものであるか。理窟を言えばコンクリートに違いない。それは法律家の解釈とか或いは民主的な行政府としては僕は非常に遺憾だと思う。これはあとの議論において私は問題になると思いますが、そういう御見解ならば私は岡咲副委員長の見解として聞いておきますが、この問題について長谷長官技術家として何か御意見があれば念のために伺つておきたい。おられますか……。
#20
○政府委員(岡咲恕一君) いずれ電波監理委員会がこの決定をいたしました事項につきましては御説明申上げる機会があるかと思いますが、私どもはただアメリカにすべて槌つておればそれでよろしいのだというような依頼心のみで今回の決定をいたしたのでは断じてございません。諸般の事情を慎重に考慮いたしました結果、原案に近い決定をいたしたわけでございますが、さような決定を適当と考えた次第で、ただアメリカによつておればいいというような気持で決定をいたしたのではないということははつきり申上げておきます。
#21
○佐多忠隆君 先ほどの山田委員の質問に関連してちよつとお尋ねしておきたいのですが、先ほど山田委員が送信の標準方式の決定の行為は処分であるかどうかというお尋ねに対して、岡咲副委員長はこの問題は個人的な意見は、そうだと思つている。その他の方面にいろいろ意見があるので、現実の問題になつたときに改めてその点は明確にしたいというようなお話ですが、その現実の問題になつた場合というのはどういう事柄を意味しているか。
#22
○政府委員(岡咲恕一君) 現実の問題になつたとはどういう場合かというお尋ねでございますが、今予想されますのは、私どものいたしました決定に対して、異議の申立を仮になさるということがありますれば、果してその異議が適法な異議であるかどうか。本案に入つて審査すべきものであるかどうか。あの規則の制定は処分行為ではないという若し見解をとりますれば、規則の制定に対しては電波法第八十四条第一項におきます異議の申立ができないということになるので、さような異議の申立は不適法として第八十五条で却下いたさなければならないということになるわけでございます。言い換えれば、私どもの処分に対して異議の申立がありました際に現実の問題となる、かように考えられるかと思います。
#23
○佐多忠隆君 勿論今の御説明のように異議の申立があつた場合に、それが適法であるかどうかを正確に判定するための前提条件として、その処分行為の性質をはつきりしなければならないことは当然であると思いますが、併しそういう仮に異議の申立がない場合でも、いやしくもそういう決定をされる以上は、その決定の性質がどういうものかということをあらかじめやはりはつきりきめて、そうしてそういう性質のものとして決定をおやりになるということが当然であつて、そういう決定の行為自体もうやむやではつきりわからないにかかわらず、決定だけをしておくというような処置をされたように思われるのですが、その点はどうですか。
#24
○政府委員(岡咲恕一君) 先ほど申しましたように、私はこの法律を專門といたすものといたしまして、勿論この規則制定行為が如何なるものであるかということにつきましては、一応の見解を持つておる次第でございます。併し佐多委員の仰せのように、処分をする前に私どもがこの会議を開いて、この処分の法律上の性質まで確定いたさなければ炉則制定はできないものとは私は考えておりません。或いはさようにいたすとも一つの行き方かと思いまするが、これは、規則制定が果して電波法第八十四条に定めておりまする処分と言つてよいかどうかということは、私は具体的に問題になつた際に検討すれば足りると考えております。
#25
○佐多忠隆君 法律的に言つて、そういう限度がはつきりしていなければ、そういう行為ができないかどうか。その点は実は私素人でありますからよくわかりませんけれども、併し少くともそういう決定をやるという、而も非常に慎重にやつたんだとおつしやる限りは、そこまで、その程度の性質の判定、我々は少くとも委員会としての統一した結果をきめておかれて、そうしてかかられるべきものであると思うが、にもかかわらずただ個人の意見はこうだつたので、私は規則としてはそういう気持でやつたのだというのでは、余りにも慎重さを欠いておるんではないかと思うが、そういう気がするのですが、その点はどうですか。
#26
○政府委員(岡咲恕一君) 佐多委員の御意見として承わつておきまするが、私は私なりにこの八十四条の処分に当るかどうかということにつきましては、相当慎重に検討いたしまして、若し具体的に問題になる際には十分電波監理委員会の委員といたしまして責任を果し得るように用意があれば私は足りると考えておつた次第でございます。
#27
○佐多忠隆君 それでは委員長のほうにお尋ねいたしますが、それは單に岡咲副委員長の個人の意見として持つておられるだけで、委員会としてはそういう問題を審議決定されたことはないのかどうか。
#28
○政府委員(網島毅君) 只今の御質問にお答えいたしますが、今度の標準方式をきめるに当りまして、その問題は委員会といたしましても討議いたしました。これは今回の場合のみならず、今日まで幾多の規則を委員会が制定しております。そのときにやはり同じような問題に関しまして討議しておりまするが、委員会といたしましてはいろいろ意見、議論もございます。ございまするが、一応電波監理委員会としては規則の制定はこれは処分である、従つて異議の申立はできると、こういうふうに考えております。
#29
○佐多忠隆君 それは少くとも電波監理委員会としては十分御検討になつて、單に岡咲委員個人の意見でなくて委員会の意見としてそういう決定はしておられるのだというふうに承知してよろしうございますか。
#30
○政府委員(網島毅君) よろしうございます。但し今の決定を委員会決定として文書にして公表するということはしておりません。が、委員会の内部においてはそういうふうに考えております。
#31
○佐多忠隆君 それではその問題はそれだけにしまして、次にお配りになつた資料の聴聞の意見書ですが、その意見書の三百三十一頁の結びの所に、読上げるまでもないかとも思いますが、念のために「テレビジヨン放送の政治的、経済的、社会的ないしは文化的機能の重要性は米国における実状を見ても蓋し測り知るべからざるものがある。従つてその実施に当つては、その国民経済に及ぼす影響、他の重要産業との経済的関連あるいは国際関係の考慮等復興の途上にあるわが国においては究明すべき多くの問題を蔵しているので、広く各方面の意見を求め、関連するすべての問題について慎重な検討を遂げ、ただに電波監理的見地からするのみならず一層高い国家的見地から基本方針を定めるのが最も賢明であると認められる。」という結び文句が付いているのですが、電波監理委員会はこの結びの意見をどういうふうにお考えになるか。それから電波監理委員会はしばしば調書並びに意見書に基いて処置をしたと言つておられるが、それならばこの意見書に基いたいろいろな、この意見書が要求しているようなことをどういう手段、どういう方法でおやりになつたか、その点を一つ御説明願います。
#32
○政府委員(網島毅君) 只今御質問がございました調書の三百三十二頁の審理官の意見の結びの冒頭でございますが、テレビジヨン放送が政治的にも経済的にも社会的にも非常に重要な要素を持つておる、従つてその決定は慎重でなければならないということは、これは言うまでもないことでありまして、この審理官の意見に対して私どもは概括的な考え方としては賛成でございます。ところでこれは考え方の問題になるのでありまするが、如何に重要かものであるからといつて、慎重々々ということでいつまでも遷延日を空しうするということは、私どもに課せられた責任上そういうふうにするわけには行かないのでありまして、我々の力におきましてでき得る限りの努力をいたしまして、法律の精神に則つてこの責務を遂行しなければならないということは申すまでもないことであります。ところで御承知のように電波法の第七条におきまして「電波監理委員会は、前条の申請書を受理したときは、遅滞なくその申請が左の各号に適合しているかどうかを審査しなければならない。」ということをきめられてございます。又第八条におきまして電波監理委員会は、前条の規定により審査した結果、その申請が同条第一項各号に適合していると認めるときは、申請者に対し、予備免許を与えなければならないということも規定されておるのであります。電波監理委員会は、御承知のように昨年数個のテレビジヨンの申請を受理しております。従いまして、この電波法の規定によりまして私どもはその申請を審査しなければならない責務を持つておるわけでございまするが、何分にもテレビジヨンは我が国におきまして初めての問題でございまするので、他の無線局の申請のように簡單には取扱うわけには参りませんで、これにはいろいろな準備も必要でございます。それから又調査に基いた規則の制定その他申請の審査に必要ないろいろなことをきめて行かなければならないのでございます。従いまして申請の受理以来今日まで相当日月がかかつておるのでございまするが、これはただ遷延日を空しうしたのではございませんで、私どもとしてできるだけのことはやつておるのでございまするが、準備がそう早急には行かないということから来ておるのでございます。ところでそのテレビジヨンの申請を審査いたします先ず最初の問題は、一体今後日本のテレビジヨンとしてどういう標準方式を採用して行くかということでございます。これがきまらなければ、他のこれに附帯した技術基準なり、運用規則なりというようなものがきまらないのでございます。従いまして昨年秋に漸くこの標準方式に対する一つの案を策定いたしまして、法律の条文に従つて聴聞の手続をとり、又皆様にも御覧に入れた次第でございます、従つてこの事案が公聴会にかけられましたときには、すでにその事案そのものの作成に当りましてテレビジヨンにおいて考えられなければならない幾多の問題、而もこれらの問題のうち標準方式を制定するに当つて特に考慮しなければならない問題を電波監理委員会といたしまていろいろ研究し、その事案を決定した次第でございまして、その事案によつて聴聞手続を経、その結果調書並びに意見書というものが出て参りまして、それによつて電波監理委員会はここに事案の決定をした次第であります。従いまして電波監理委員会といたしましては、テレビジヨンとしてはなおほかにいろいろ考えなければならない問題がございます。殊に個々の申請の審査の基準になりまするところの開設の根本基準というような条項、これも法律にきめられた条項でございまするが、こういうような問題の事案の決定に当りましては、更に幾多の問題を考慮しなければならないのでございまするが、只今問題になつておりまするところの標準方式の決定に当つては、その事案の決定の際すでにいろいろの問題が研究されたのでございまするし、又その事案の聴聞手続によつて出て来た調書並びに意見書もそういう問題にも触れております。従いまして委員会といたしましては、この調書及び意見書によつて決定してよい段階であると考えまして決定した次第でございます。
#33
○佐多忠隆君 今の御答弁によりますと、慎重な検討を遂げることが徒らに時期を遷延する結果になりかねないという口吻に聞けるのですが、私たちは慎重に検討をやれと言つていても、決してそういうふうに時間を遷延しろというようなことは毛頭考えていない。又審理官自身もそういうことは毛頭考えていないと思うのです。だから慎重な検討を遂げるが、時間を従らに遷延する結果になるからそれを許さなかつたというお答えはお答えにならんと思うのですが、更にここに言つている意見は、私察しますと、これまでも成るほどいろいろな検討をしたけれども、この公聴会を開いて見た結果、更にこういうことを考えなければならないことが明瞭になつて来たという御意見じやないかと思うのです。殊に後段のほうでは、テレビジヨン放送のあり方等々というような一般的な問題でなくて、もつと具体的には標準方式自体の問題もそれらの問題との関連なしには決定できないのだ、文字通りに言えば、後段のように「そうして今回の聴聞の事案である標準方式は元来わが国におけるテレビジヨン放送の在り方の究明と相関連し、その一環として解決されるべきもので、これらと離れて決定することは至つて困難であり、且つ適当でない。然るに偶偶この標準方式のみが他の諸問題より一歩先んじて、審理の対象になつたのであるが、そこでは将来における技術進歩の見通し、画の品位の基準、現在及び将来における国民の経済的負担の程度等の問題が論議の根底となり、しかも決定的の結論を得ることはできなかつた。しかしながら今回の聴聞により利害関係者の標準方式に関する見解は一応明らかになつたので、これらの点は今後更に他の諸問題との関連において検討を加え、順次決定して行くのが適当であろうというふうなことを述べておられるので、標準方式の決定自体に対しても今言つたような関連問題を考慮しながら、そうして電波監理的な見地からだけでなく、一層高い国家的な見地からきめろという御意見だと思うのです。そうだとすれば、もう少し聴聞会を開かれると同時に、ここで要求し意見として述べているような一層高い国家的な見地からの決定のために、もう少しいろいろなことを御考慮になる必要があつたのじやないか。而もその一つはこの間からも問題になつている、当委員会においてはしばしばそういう問題を問題にしておるのだし、標準方式決定の場合には我々も具体的な意見があるのだということを述べておるのでございますから、この意見なり何なりをば若し尊重されるならばもつとお考えがあつたはずじやないか。而もここで非常に強調している国家的見地からの基本方針の決定については、失礼ながら今考えられる一番いい機関はやつぱり国会であると思うのですし、国会にお諮りになり、そうして若し国会だけで不十分ならばそれ以外の適当な機関もお考えになつていいだろうが、少くとも国家的な見地からきめるという問題については唯一のとは申しませんが、一つの最も適当な機関であると思う。そういうことを何らお考えにならなかつたとすれば、こういう意見は全然無視されているというふうにしか思えないのですが、そういう意味でこの意見は無視しておられるのかどうか。若し無視しておられるとすれば、この間から繰返しお話の調書並びに意見書に忠実に基いてやつたのだというお考えなり態度とどうそれが関連をするのか、その辺をもう少し具体的にはつきり御説明願いたい。
#34
○政府委員(網島毅君) 私先ほど申上げましたのは、お読みになりました前段についての委員会の考え方を申上げたのであります。只今後段についてお話がございましたから、その部分についてお答えいたしますと、後段につきましては、これは審理官の意見として、電波監理委員会において相当慎重に論議されました。これに関連いたしましてこの問題を再聴聞に付したらどうかという意見も出たのであります。併しながら委員会といたしまして調書をつぶさに検討した結果、ただ單に技術的問題のみならず、その他のいろいろな、これに関連した経済的問題、社会的問題も調書にあるのでございまして、従つて調書を十分審議することによつて標準方式の決定ができるという見解に到達したのであります。従いまして、この部分に関しましては必ずしも審理官の意見を電波監理委員会として採用したという結果にはなつておりません。電波監理委員会で調書を検討した結果、標準方式を決定してもよろしいという結論の下に今回の決定が行われたのであります。
#35
○佐多忠隆君 そうするとこの結びの意見は、この意見書の中でも非常に重大な、或いは最も重大なる意見であると思うのですが、その意見を御採用にならないで、それには賛成ができないから別途の見地から、専ら調書に基いてやつたというお話であれば、先ほど御質問をした、この間から調書並びに意見書に基いて決定をしたということは間違つているのだ、意見書には基かなかつたのだというふうに解釈をしていいのかどうか。
#36
○政府委員(網島毅君) 電波法にいう調書及び意見書によつて決定しなければならないということは、先般来いろいろ論議され、又当委員会の岡咲副委員長からも御説明された通りでございまするが、私どもは、電波監理委員会は調書及び意見書によつて決定するということは、審理官の意見書通りに決定しなければならないというふうには考えておりません。調書を検討し、意見書を検討した結果、場合によつては審理官の意見と相反する決定が行われても差支えないというふうに考えております。
#37
○佐多忠隆君 だから場合によつてはでなくて、具体的な問題として、今の標準方式の決定はこの審理官の意見書に反して委員会が独自な見地の下に決定をした、こういうふうにお考えになつているのか、その点をはつきりして頂きたいと思います。
#38
○政府委員(網島毅君) 審理官の意見として調書の二百九十三頁、これに最後の審理官の意見が出ております。これについては、(一)、(二)、(三)という三つの項目がございまして、今問題になつているのは恐らく(二)に関する部分であろうと思います。この(二)には周波数帯幅の問題は「なお判定困難である」というふうに審理官は言つているのであります。従つてこの部分に関する限り審理官の意見を採用しませんでした。但し、この(三)、同期信号の波形の問題につきまして、電波監理委員会として審理官の意見を妥当と考え、その意見書通りに決定しております。従いまして、或る部分においては意見書を採用した、或る部分においては採用しなかつたという結果になつているのであります。
#39
○佐多忠隆君 それならばですね、今お話のように「この標準方式の適用範囲を明確にすべきである」という(一)において、或いは(三)の意見には従つたのだが、(二)の意見はこれを採用しなかつたのだというふうに、これに反して自分たちの決定をやつたのだというふうに解釈できるのですが、そうなると先ほどから申しているように、今この標準方式の問題で一番問題になつている重点は、私の理解する限りでは(二)の問題だと思うのです。その一番重要な問題に関する限りは、電波監理委員会は意見書に反した決定をしたのだ、こういうふうに了解してよろしゆうございますか。
#40
○政府委員(網島毅君) これは了解の問題でありまするからつて、どういうふうに御判断になりますか、御自由でございますが、これも申上げましたように、審理官は判定困難であると考えたけれども、電波監理委員会は判定ができるというふうに考えたということでございます。
#41
○新谷寅三郎君 私質問をいたします前に、昨日佐多委員の質問に対しまして岡咲副委員長から御答弁がございましたが、私聞いておりまして腑に落ちなかつたのですが、時間がなかつたものですから質問しませんでした。佐多委員からも再質問はなかつたのでありますが、岡咲副委員長のあの答弁が速記録に載つて、委員会においてもあの答弁で了承したというふうになると、これは非常に困ると思うので、この点くどいようですが、もう一度念を押しておきたいと思うのであります。先日来問題になつております当委員会に何ら連絡もなく、委員会が要望したにかかわらず、それを無視して標準方式を決定されたという一つの理由として九十四条を挙げておられる。その場合に岡咲副委員長の御説明によりますと、丁度この審理官の決定というものは、意見書というものは、裁判のようなものである。であるから何ら他から容喙されては困るのだ、そういうことがあるので国会にも連絡をとることは如何かと考えたというような意味の御答弁があつと私は記憶するのですが、そう考えてよろしうございますか。
#42
○政府委員(岡咲恕一君) 新谷委員のお尋ねに対してお答えいたします。私は電波法の第九十四条を引用いたしまして御説明を申上げたと思いますが、電波監理委員会がこの事案の決定をいたしまするにつきまして、専ら審理官の提出いたしました調書及び意見書に基いてこれを行うのである。審理官の意見書で意見を決定するのにと今仰せになつておりますが、それを裁判にたとえたわけではございません。私どもが最終の決定をいたしまするのは調書及び意見書に基いて決定をいたすのである。それはあたかも裁判にたとえますると口頭弁論が終結いたしまして、裁判が専ら調書に基いてこの裁判をいたすというのと甚だ似ているのではなかろうかという趣旨で申上げたのでございます。それから今新谷委員の仰せのように、私の気持といたしましては、あたかも裁判官が審理を閉じまして、そして判決をするという段階になつた場合には、自分の責任において調査をし、或いは調書を検討し、資料を調べて、自己の責任において最終の決定をいたすべきものである。この際に或いは先輩、上司を訪ね、或いは各方面に連絡をしてこの意見を求めるというふうなことはちよつと不適当ではなかろうか。聴聞会を開きまする前に、或いは聴聞の過程におきまして広く各方面の意見を求めるということはこれは極めて適当かと思いまするが、すでに聴聞が終つて調書及び意見書が提出された段階におきまして、余りに各方面の意見を聞くような態度をとることは電波監理委員会が決定をいたすのに調書及び意見書以外に判断の資料を求めたというふうな誤解を招く虞れはなかろうかと、これは私自身の気持ですけれども、確かに私は多少そういう気持を以て決定をいたしたということは先だつて申上げた通りでございます。
#43
○新谷寅三郎君 そこでですね、私は少し違つて聞いておつたんですが、そういう意味ならそういう意味で結構ですが、私はこう思つておるんです。この審理官の決定はこれは丁度裁判のようなものだと思います。あなたのお答えになつた裁判のようなものであると思います。併し電波監理委員会という行政機関が決定するのは裁判のようなものではないのです。これは調書、意見書によつて決定を行うということにある。この調書、意見書の範囲内においては相当の幅がある。調書、意見書に載つておればその範囲内で如何なる決定をするかということはこれは政策の問題です。裁判と大分違うのです。そういう意味において言われるなら私はあなたの説明に全然納得できない。のみならず全然反対の見解を持つておる。今佐多君から指摘されましたように、相当の幅を以て決定をできるという答弁も委員長からありましたが、調書、意見書に載つた事柄の中では政策的に、例えば、裁判ではこんなことは恐らくないと思いますけれども、審理官の調べられた意見書というものと全然反対の決定をされておる。こういつたことまでおやりになる幅を持つているのです。これは裁判と私はすつかり違うと思うのです。而も問題は標準方式の決定について、関連する政策がたくさんあるわけです。ここでは標準方式の決定という技術的な問題のように見えますけれども、実はこれは将来のテレビジヨン政策というものの大きな根本的な政策をここできめておるわけです。この意味においては政策を担当しているのは一体誰か。あらゆる国の政策を決定するのはどこかということを考えますると、これは私は先般来始終申上げておるように、国会がこういう政策の大本についてはあらゆる機会を通じて決定をするんだ、法律によるものは法律によつて決定するであろう、予算によるものは、予算によつて決定するであろう、併し予算や法律に今当面関係なくても、将来そういつたものに関連のある問題につきましては、国会がその政策は決定し、政府がそれを実行する、これはもう三権分立の根本原則である。その点をあなたはどうお考えになつておるか。今までと同じような答弁ならもう答弁要りません。私の言つたことについて新らしく何か答弁されるなら答弁してもらいたい。若し同じならもう必要ありません。
#44
○政府委員(岡咲恕一君) 国会が国権の最高機関として行政上の重大な政策を決定せられるという御意見は全くその通りでございます。私もその点については何らの疑義を挟むものではございません。尤もこの電波法によりますると、今お話のような政策の決定とみなすべき事項、例えて申しますると、只今問題になつておりまするテレビジヨンの送信の標準方式といつたような電波の質に関する事項、或いは技術基準に関する事項は、電波法によりまして電波監理委員会の規定を以て制定することができるという法律をお定めになつておるのでございます。その限りにおきましては、その技術基準に関する限度における政策決定は、私は電波監理委員会に委任されておるものと、かように解釈いたしておる次第でございます。併しかように解釈いたしましたからといつて、私は国権の最高機関であるところの国会の御意見を無視して、或いはこれを顧みないで専ら電波監理委員会の専権事項としてやるんだから、もう自分限りでやるというふうな狭い量見を持つておるものではございません。私どもがその委託された事項につきまして政策を決定いたします際に、国権の最高機関である国会の御意見は十分拝聴いたすというつもりでおることは先だつて申上げた通りでございまするが、少くとも法律的に申しまするならば、この電波法の二十八条に定めておりまする電波の質、或いは三十八条に定めておりまするこの技術基準というものを電波監理委員会がその責任において政策を決定をしても妨げないものだと、かように考えておる次第でございます。
#45
○新谷寅三郎君 あなたは法律家だから形式的な解釈だけをこの間から言つておられるが、私もそれは了承しておるのはこの間申上げた通りです。併し事いやしくも政策に関係して来る、その内容が命令であつても、政令であつても、その事柄が国全体の大きな政策に関連して来る場合に、これはあなたがたが形式的な法律の一片の条文によつてこれはおれたちが全部権限を与えられたのだ、委任されたのだというようにお考えになるのは、非常にこれは将来に国政を誤るのじやないかということをこの間から申上げておるのであります。あなたがた自身も、それならばなぜあの諮問委員会のようなものをお開きになつたのか。自分たち独自でおやりになれるならおやりになつたらいい。あなたがた自身が、そういつた非常に慎重にやらなければいかん、国会の意見を聞いて間違いのない政策を立てなきやならないということをみずから考えておられるのですが、国会に対してはそういつたことは考えられないというところを言つておるわけです。
#46
○政府委員(岡咲恕一君) 只今申上げましたように、或いは新谷委員の誤解かと思いまするが、私どもに法律が委任いたしました事項でございまするけれども、私どもは決して閉鎖的にこの権限を行使しようと思つておるのでは断じてございません。国会の御意思がどこにあるかということは十分承わるようにいたしまするし、又先ほど申しましたように、国会は国権の最高機関でありまするが故に、いやしくも政策に関する事項で芳し御意見がございまするならば、これは私どもは心を開いて承わるつもりでおるということはたびたび申上げておる通りでございます。このような趣旨によりまして、富安前委員長は諮問委員会というようなものを別にお作りになりまして、そのほうの意見も求めた次第でございまするが、決して私どもは閉鎖的に事柄を処理いたしたいとは決しで考えておりません。国会の意見のあるところは十分私はそういう心がまえでおることは重ねてはつきりと明言いたしておきます。
#47
○新谷寅三郎君 それならば今度の方式決定に関して、この間から御説明になつたことは非常に私はおかしいと思うのです。その標準方式の決定というものは、山田君もたびたびそういう言葉で言つておるのですが、鉄道のゲージをきめるようなものだ。私はこのほかになおこれに関しましては、このゲージをきめるというような重要問題であるのみならず、日本のあらゆる関係の生産部門の問題もあるし、或いは技術者の問題もある。外国との間における特許権の問題もある。そういつた問題を考えないでこういつた問題を、標準方式の問題だけで取組んで見てもこれは無意じやないか。これを並行的に片付けて行くことによつて初めてその実現が促進されるのだということを、これは私はもう何時間、何十遍となくあなたがたに言つておる。そういつたことを知りながら耳を傷けないのみならず、国会に報告することは如何にも他から容喙を受けて、自分たちの公平なる判断を他に影響されて曲げるような印象を与えるというような強弁をせられるにおいては、私はこれはあなたがたの政治的な良識ということを疑わざるを得ないのです。
#48
○政府委員(岡咲恕一君) 私は強弁をいたしておるつもりではございませんで、私の少し内心に亘るような気持を私は正直に新谷委員にお答え申しておつたつもりでございます。これを私は強弁と取られることを私個人といたしまして非常に遺憾に思うのでございます。新谷委員がテレビジヨンの標準方式問題について如何ようにお考えを持つておられますかということにつきましては、前国会以来私も当委員会に参りまして直接に御意見を承わつたこともございまするし、殊に秘密会におきましては極めて懇切丁寧に、この問題は重大で、ただ單に技術問題だけで解決すべき問題ではない、あらゆる関連において慎重に検討しなければならないという、御懇切なるお話はよく承わつて非常に私は感銘いたしておるのでございます。で、その御趣旨に副いまして私どもの能う限り経済的問題、或いは生産能力の問題、或いは国民の生活水準の問題、その将来における動向、或いは国際的な関連、或いは特許権の問題などにつきましても、及ばずながらいろいろ研究いたし、検討いたしまして、先ず現在の段階ではテレビジヨン方式を決定しても妨げないという一応の結論を得た次第でございます。そして最後に決定いたしまするこの決定は、表現は技術的な形式として、技術的な問題として決定をいたしておりまするが、その決定の背後に繋がるものとしては、諸般の状況を十分検討いたしておるつもりでございます。従いまして私どもは国会の御意見は一応脳裡にとどめまして、それを十分斟酌して決定するのである。前国会におきまして新谷委員或いは山田委員、或いは水橋委員その他のかたがたからお述べになつた御意見を総合いたしますると、一応このテレビジヨンの問題に関する御意見は承わり終つたというふうに私どもは考えたのでございます。そこで今度の最後の段階に至りまして、或いは先週の金曜日に当委員会が開かれましたならば、恐らくこの聴聞会の状況については口頭で御報告いたしたかと存じますが、私どもがこの決定いたす段階としては、調書及び意見書に基き決定をいたすのであるから、この調書と意見書を国会に一応報告の形でお送りいたしておけば、それで足りるのじやなかろうか。この標準方式の技術的な問題について国会からいろいろ細かい御意見は余り出ないだろうとさように考えたのでございます。ほかの政治的な、経済的な諸般の問題について思いをいたさなければならない点を非常に強く御強調になつておるというふうに私個人は承わりましたので、もうこの点については大体国会では意見を十分お述べになつた。だから今更我々が決定し得る段階に至つたにもかかわらず、特にこれを延ばして、延ばさなければならないものでもないだろうというふうに考えたのであります。或いは私のこのような考えについては新谷委員から軽卒というそしりを受ければ、これは私の不敏のいたすところで、誠に恐縮でございますが、申訳ないと思いますけれども、私どもは決して強弁をいたすものではございませんが、とにかく調書、意見書に基いて決定をなし得る段階に至つたし、一応の結論を出し得る段階に至つたと、かように考えた次第でございます。
#49
○新谷寅三郎君 私は強弁という言葉をあえて使つたのであります。今お話で、あなたの御説明で強弁でないと言われる。併し先ほどのあなたの質問に対する答弁を聞いておりますと、一つも政策決定機関である国会の意見を無視するわけではないのだ、むしろ何とかしてそれを尊重するようにしたい。こういう気持から言うと、この間から質問しておる事項については、あなたがたのこれは問い詰められた強弁のように私はとらざるを得ないということを言つておる。併し強弁かどうかということは、まあここでは余り問題にしないでも、とにかく今最後のお話になつた少くとも強弁でなかつたら、私は非常に軽卒だと思う。この点はもう何遍繰返しても同じですからこの程度にいたしますが、とにかく私は自分の考えとしては、昨日お述べになつた裁判云々ということは、委員会の決定については私は承服できないという点ははつきりいたしておきます。先のことは委員会の決定の問題にも関連しますので、この点ははつきりしておきます。
 それからもう一つ伺つておきたいことがありますが、それは昨日岡咲副委員長も了承いたしましたけれども、私は秘密会の際であつたと思いますから、秘密会の際の話の内容をここで詳しく言うことは避けます。避けますけれども、あなたも昨日お認めになつておつたように、その委員の我々のこの数カ月間の勉強、それに関連しての意見というものは、公益的な立場を代表するところの電波監理委員が聴聞会等におきましては十分申し伝えます、それを述べる機会を持ちますということを言つておられましたね。それは私も調書を拝見いたしましたが、どこでどういうふうな機会に、委員会から私どものような考えを持つておるという発言があつたのか見当らないのです。何頁にそれが書いてありますか。どういう機会にどういう内容のことを言つたか、我々が今まで言つたことを委員会が発言しておるのか、それをお示し願いたい。
#50
○政府委員(岡咲恕一君) 前国会から等委員会で承わりましただんだんの御意見は、電波監理行政を掌つております私どもの心がまえと申しますか、慎重にとにかく取扱わなければならない問題であるということを各方面から私どもお教えを頂いたというふうに私は思うのでありまして、特にこの問題を聴聞会に披露しなければならないものと私は考えなかつた次第でございます。従いましてその委員会の御意見ですけれども、特に聴聞を通して発表いたしたということはなかつたかと思います。
#51
○新谷寅三郎君 それは速記録を調べればわかりますが、私はそう考えておるのですがね、この前の、或いは場合によつては秘密会に直してもらつてから言うてもいいのですけれども、あなたがたは私たちに聴聞会に出てくれというような意味のことを言われた。我々国会議員の立場としては委員会で十分審議をする。一般の聴聞会で国民と一緒に聴聞に参加するというようなことはむしろ避けたほうがいいのではないかということを申上げたのです。他にこれは方法は勿論あります。我々委員会のほうでの意見が今のような意見であるということを、委員会のほうで公益の立場を代表しているだから、そういうことを聴聞会の席上で委員会のほうから発言をしましようというようにお話があつたので、それは私は実はあなたがたにそれを代弁してもらうつもりでおつたのだが、昨日もあなたはそういうことを言つたと、そういう空気があつたということを是認しておられたように思うのですが、そうでないのですか。
#52
○政府委員(岡咲恕一君) 新谷委員の仰せの通りでありまして、私は確かにさようなことを申上げたかと思つております。このたびの聴聞会におきまして一番問題になりましたテレビジヨン方式問題は、諸般の事情との関連において問題になりましたと申上げるよりも、むしろ極めて技術的な六メガ或いは七メガということに重点が主として置かれたということは、調書を御覧になりましても御了解頂けるかと思いますが、若しも総括的な、例えばこの際テレビジヨン問題をどうするかといつたような論議になりますれば、或いは当委員会における速記録を資料として出すということもあり得たかとも思いまするが、或いは私の考え及ばなかつたという点でお詫び申上げなければならないかと思いますけれども、私は主として論点が六メガ或いは七メガの問題に集中されたように思つた次第でございます。
 それから新谷委員が前国会においてお述べになりましたことは、先ほども申上げましたように、私ども電波行政に携わるものの心がまえに対するおさとしというふうに私は主として承わつたのでございます。従いましてこれを電波監理委員会で行う聴聞に御披露するということは、必ずしも適当でないというふうに考えまして、あえてこれはお伝えしなかつたのでございますが、新谷委員の御主張の趣旨は、十分私は心にとめて取計らいたい、こういうふうに考えたのでございます。
#53
○新谷寅三郎君 併しこの聴聞会の議事録を私全部拝見しております。問題はあなたの言われるような一つの技術的基準というような関連はありますけれども、併しこれをきめるのには、これは電波監理委員会では技術的な基準だ、技術的な基準だということを頻りに言われるのですが、どの参考人、或いは何というのですか、聴聞に呼ばれた人たちの意見を見ましても、山田君が言われますか、あれがテレビジヨンの政策の根本になるのだ、これによつて今後の日本のテレビジヨンがどうだという一つの大きな根本方針をきめる。従つて今後の日本のテレビジヨンのあり方というものは、これで大体方向付けられるということを皆言つているのです。審理官の意見書もまさにその通り。然るにそれに対して、これは惡い例でありますが、抜山委員のごときは、利害関係人は利害関係人として利害を言えばいいので、公益に関するような問題は、これは電波監理委員会が公益を代表しているのだから、おれたちがやるのだというような意味の発言をされているということがここに書いてある。あなたは今そう言われるけれども、実際は公益の立場から政策の根本に関しても、これは議論があつたことは間違いないのです。そうであれば我々は何も具体的な問題で、例えばどの企業体がいいとか何とかいうことを我々は議論しているのではない。いずれも攻策の根本に関する問題をここ数カ月間やつて来たのであります。そういう機会が十分ありながら、而も我我委員会に対しては、今までそれはそういつたものは、今あなたが言われたが、速記録でも提出して皆の参考に供しますとまで言つておられたにかかわらず、一向それを披露をもされない。公益を代表しているあなたがたが御披露もしない。のみならず、むしろ逆に抜山委員のごときはこういう発言をされるというふうに至つては、実に私は電波監理委員会の公聴会に臨まれた態度というものがよくわからないのです。今のあなたの御答弁があつたことに対して、私は結果から見まして腑に落ちないことばかりなんです。それは私は特別の意図があつたとは思いません。又思いたくもないのでありますが、少くとも非常な手落ちがあつたということは言えるのじやないですか。
#54
○佐多忠隆君 それに関連いたしますが、どうも先ほどからの各委員のお話を聞いていると、国会の、或いはこの委員会の審議を聞かないために、専ら判定はこの聴聞会における調書と意見書によるのだということを主張し、固執されて、その考え方自体が間違つておるということは繰返し言いましたが、とにかくそれを固執して我々がそれの審議をすることを排除するような態度なり気持をお示しになつていながら、それならば果して忠実にこの調書なり、意見書によつたかという問題に今度は具体的に入つて来ると、意見書の少くとも一番重要な問題に対しては、これによらないで、むしろこれを採用しないで、全く反対な考え方なり、反対な態度をばとつたのだということを平然として言われる。そういうことを言われるにおいては、この委員会は全く電波監理委員会に愚弄されている、極言すれば愚弄されていると疑わざるを得ないような状態なんですが、そういう重大な御発言があつた以上は、もつとこの問題は根本的に審理官自身からも意見を聞かなければならない。更に遡つては利害関係者といいますかの意見も聞かなければならないというような問題にもなりますから、今日は一つこの程度で更に問題を継続にしておいて頂きたいと思います。ただそれに関連いたしまして、私是非電波監理委員会にお聞きしたいことは、一体土曜日には標準方式に関する決定をして発表をされたと言われたが、どういうことを決定し、どういうものを発表されたかということについては、実は我我は何もまだ御報告も文書も頂いておらないのです。この点の一応御説明も願わなければならんし、新聞その他には御発表になつていながら、我々に何ら連絡もない点も実に我々の審議なり何なりが全く無視されているやり方としか思われないのですが、それはそれ一でよろしうございますから、そういう問題も更に詳しく一つお聞きしたいし、更には一応土曜日に決定発表されたというが、それは今後の扱いとしてはどういうふうにお運びになるおつもりか。それらのこともお聞きしたいのですが、時間がございませんから他の機会でよろしうございます。
#55
○政府委員(岡咲恕一君) 新谷委員に十分な御了解を得られないということは非常に遺憾と思いますが、先ほど申上げましたように、前国会におきまするだんだんの御意見は、私ども電波行政を取扱う上に特に注意をしなければならないというお言葉のように承わりまして、私どもはそのことを心に入れておるのでございます。併しその御発言を一々あの聴聞会に披露しなければならなかつたかどうかという点になりますと、私は私個人としては、これは電波監理委員会の行政上の心がまえとして承わつておけばいいことで、技術問題について、特に新谷委員がこういう御発言をなすつた、或いは山田委員がこういう御発言をなすつた、こういうことまであの際披露しなくても、私は心にとどめて決定すればそれで足りる、かように考えたわけでございまして、決してその間私どもは作為でどうしているということは決してございません。その点は十分御了解を得られないかとも思いますが、少くとも気持はお汲取り願いたいと思います。
 それから土曜日に私どもは最終の決定をいたしたのでございます。そうして至急この決定書の写しを作りまして当委員会に御参考までにお送りするつもりでおりまるが、いろいろ手違いもございまして、実はまだ写しができないのでございます。或いは近々にできるものと思いますからその写しを御覧頂きたいと思います。それから新聞の発表関係は新聞社のかたがたにお集りを願いまして、委員長から私どもの作りました決定の草稿に基きまして一応報告をいたしたのでございます。
#56
○新谷寅三郎君 私は了承するもしないもないのです。できてしまつたことで非常に遺憾だと思つておるのであります。而もそれは私どもから言つたのではない。皆さんのほうからそういうふうな政策に関連するような問題については意見を十分国民にも反映するようにしよう。而もそのとき私は、テレビジヨンに関する知識を持つておる人は日本に何人あるか。そういう問題を聴聞会にかけても大した意見も出ないじやないかということも言つたのですが、私の意見も我々のほうの公益を代表するものとして披露するようにいたしましようという皆さんのお話があつたので、私はそれを信頼しておつたのです。それが全く実行されなかつたということについて、私は自分の意見を言つただけであつて、これはあなたが作為がない、私もそう信ずるのです。作為なんかあつちや以てのほかだと思う。そういつたことはあり得ないと思うのです。ですから私はあなたがたに嫌なようなことを言いますが、別に小姑のようなことを言つておるんじやないのです。そういう気持で言つておるんじやない。何とかして日本の国内で育つようなテレビジヨンを実現したいということから、我々の考えておる政策をあなたがたに話をして、それを何とかして間違いなく実行するようにしたいという熱意だけから言つておるのであります。この点はあなたがたも虚心坦懐にお聞きになつてあなたの言葉通りに、委員会の我々の意見に対しては十分の誠意を以て真剣に当られるようにしてもらいたいと思うのです。
 それからついででありますからもう一つ、これも私は事実とは信じたくはないし、又そういうことはあり得ようとは思いませんが、或る、名前は今日は言いません、併し電波監理委員会に関係をしておる人からの話によりますと、どうも参議院のほうの審議が非常にうるさい、厄介になつて来た。こういうことじやいかんから早くやつてしまおう、例えば局の設置基準とか、技術基準、そういつたものであるとか、或いは申請の書類、そういつたものに対してやかましく言わぬうちに早くやつちまおうというような空気がどつかにあるというような噂を聞いたのです。私はこれが若し事実とすればけしからんと思うのですが、各電波監理委員は良識を持つておられるのだから、そういう行動は絶対にあり得ないと私は思う。今後の局の設置基準とか技術基準、そういつたものの決定に当りましてはその標準方式と同じように、或いはそれ以上に、私どもは全体の政策に関連する問題として十分な審議をしたいと思つておりますので、富安さんもたびたび言われましたが、決して鉄則主義をとりません。国民に迷惑をかるようなことはしませんということを、再三我々のこの委員会に言明しておられる。これはあなたがたのほうも前委員長の方針は踏襲いたしますということを言われたから、その方針に従つておやりになると私は信じておるのであります。私が今言つたことは間違いないかどうか。又それと意見が少しでも変つて来たかどうかを、一応委員長からお伺いしたい。
#57
○政府委員(網島毅君) 只今お話の点誠に御尤もでありまして、テレビジヨンの問題は非常に重大だということは再三皆様がたからもお話も伺つておりますし、私どもも深く了承しております。従いまして電波監理委員会としては、この問題につきましては慎重な上にも慎重を加えて行きたいという気持は、前委員長もそうであつたと思いますが、私どももそういう気持でおるのでございます。ただ先ほどちよつと申上げましたように、電波法の第七条におきまして、電波監理委員会は、申請を速かに遅滞なく審査しなければならないという義務を負わされております。従いまして私どもといたしまして、この電波法第七条の趣旨に副うように全力を挙げて能う限りの調査、又我々の知能を絞りまして、そのために若干の日にちはかかると思いますが、併しやり得る範囲においてはできるだけ速かに、作るべき基準なり規則なりを作り、そうして最後の個々の申請という段階に持つて行かなければならないのではないかというふうに考えるのであります。先ほど山田委員からもお話ございましたように、テレビジヨンの問題はアメリカ、英国その他におきまして、国会の委員会その他におきましてもいろいろ審議され研究されて来たのでございますが、我が国も国会におきましてもこの問題につきまして関心をお持ちになつて頂くことは、誠に私どもとして幸いと存ずるのでありまして、有難く思つている次第であります。併し何分にも一方法律によつて電波監理委員会は義務を課せられておりますので、我々はこの義務を忠実に履行しなければならないと考えております。若し仮に、こういうことが可能であるかどうかわかりませんけれども、国会といたしましてこの問題は別途考えるから電波法のその条項は一部改正する、或いは電波監理委員会のその義務を免除するというようなことでもありますれば、非常に我々としては仕事がやりやすいのでありますが、現在はできるだけ皆さんの御意見を伺いながら、電波法第七条の義務を果して行くということにいたしたいと考えております。
#58
○山田節男君 委員長ちよつと。もう同じようなことを何遍も繰返しません。ただ先ほど来佐多或いは新谷両君からもいろいろお話がありましたが、私は先週の金曜日だつたと思いますが、岡咲副委員長に電話で話をしたときに、このテレビジヨンの標準方式を土曜日に発表して、それからその後に起るべき事態については電波監理委員会が全責任を当然持つべきだ、そういう覚悟があるならばこれは止むを得んだろうということを申上げたのであります。これは成るほど法理的に言えば、電波監理委員会が標準方式について、或いは根本の開設の基準について作られますけれども、先ほど来いろいろな委員が言われるように、これは非常に重大な意味を持つておりますから、私もこれはもうエンジニアじやない、何にもこういうものは知識ありませんが、昨年アメリカへ行つて実地にいろいろなものを見て、殊にテレビジヨンのスタンダードの問題については、斯界の権威と言われるドナルド・フインク氏に紹介されて会いまして、爾来フインク氏からいろいろ手紙の形において、或いは自分の論文或いはRCAの副社長でミスター・ヂヨリツフ、技術のほうをやつているこの人からも三通もらつております。アメリカとしても日本のテレビジヨンの開設について、アメリカの失敗を再び繰返しちやいかんという好意ある、殊に我々が国会議員である、而も上院議院であるというので、素人である我々に対して、アメリカの踏んだ困難なる点をテレビジヨンに関して繰返しちやいかんという誠意を以て、私はいろいろな資料をもらつて来ておるのであります。私もこれは單に一個人のためじやない。将来日本の文化のために、日本の経済のためという立場から私は素人ですけれども、アメリカで得た資料は全部読んでおります。そういうところから極めて公平な国民代表という立場から考えて、今の電波監理委員会のやることは法規によつてやつているからかまわんじやないかというけれども、我々は立法者として国民のためを思えば、それに当る権威として、国権の最高府として我々は考えなければならん。であるから先ほどもそういう言明がありましたが、これを早急にやる、何も急ぐ客観情勢は一つもない。ただ申請者が六十日以内にこれを申請しなくちやいかん、こういうようなことがあると言いますけれども、もうすでに今出ている申請書というものは、これはすでに六十日を経過しておる。又その日附の改正は、これは幾らでも命ずることができる、そういうようなことから何もその法の第何条によつて何日までにこれを審査しなくちやならん、これが私は再び電波監理委員会として大きな過ちを侵すと思うのです。ですからそういうようなことは極めて融通をきかして、電波監理委員会は最高裁判所としてそれだけの権威を持たなければいけない。ただ法律に縛られて、それに乗じてやつている一部の意図を持つておる者に乗ぜられるということになつたら、我々立法府として我慢できない。のみならずこれは電波監理委員会に対して非常に失礼かも知れませんが、テレビジヨンの標準方式について、私いろいろ文献なり資料を持つている人に実はできれば一つ来てくれ、私はもう極めて公平なこれはあなたたちを疑うわけではないけれども、この調書を見、今までのあなたたちの言動を見、或いはいろいろの情勢を我々が聞くと、私はあなたたちを信じないというわけじうやないけれども、極めて公平な、最高権威の人に公平に来てもらつて、国会として証人喚問をするのが最高の国会としての務めじやないかと今考えておる。そういうようなこともあるので、電波監理委員会が急がなくちやならんという、急がなくちやならん客観情勢は一つもありません。のみならずフイリピンから近く賠償の調査に十名ばかりこちらへ来る。そういうときにテレビジヨンの問題が云々になつているということになると、あれほど今吉田総理として賠償は全然支払えぬ、役務賠償よりほかにないということを言つている。そういうようなときに、かようなテレビジヨンのようなものを我々がやるということは、果していい印象を与えるかどうか。
 それは電波監理委員会の任務を超越しているかも知れませんが、それを無視してやつている電波監理委員会では、これは国家の忠実な行政機関と言えない。我々は立法者としてそうしたものに強く勧告するなり、これに対し阻止する権利を持つている。なお今網島委員長が指摘されたように、私は今法律の議員提出を考えております。こういうようなこともあるから、申請者が申請の書類を法の範囲内においてやらなくちやならん義務があるというようなことは、これはもう少しゆとりを持つて考えられるべきだ、私はそういうように考え、又お願いしておきます。で、再びこの標準方式を決定したということについて、これは法律的はいざ知らず、とにかく政治道徳的に考えても、我々立法者というものに対して、而もアメリカと違つて電通委員会というものがあつて、それに封じて一つも報告もしないで決定したということは、これは何と言つても道義的に言えば、電波監理委員会の非常に大きな過失です。こういうことを再び繰返してもらつちや困る。どうしても繰返さなくちやならんというそういう法的根拠があれば、勿論私たちも考えますが、今までの我々の心配しておる諸点は、これは本国会においてだけでも、私は委員長もおわかり願えるだろうと思います。我々の誠意のある点を一つ汲んで頂いて、誤りのないように、本当に国民のために立派な一つテレビジヨンをやるという一つの親心を、法律じやない、一つの温みを持つてやつて下さい。このお願いを私は最後に申しておきます。
#59
○政府委員(網島毅君) 只今山田委員の御忠言誠に有難く拝聴いたしました。私ども全くこのテレビジヨンの問題はお説のように慎重に考えなければならんと思います。山田委員もたくさん資料をお集めになつていろいろ研究して下さる、私たちもその研究の成果をよくお伺いいたしまして、将来万遺漏のなきを期したいと考えております。
 それから私どもは決して法律に権限があるからやるのだという考えを持つておりません。法律で義務を課せられているからやらざるを得ないという考え方です。御承知の通り、昨年春衆議院の本会議におきましてテレビジヨンの促進決議案が通つております。従いまして或いはそういうテレビジヨンを早くやるべきだという考えを持たれているかたから見ると、電波監理委員会は何をぐずぐずしているのだ。義務を果しておらないのじやないかという非難を受けはしないかといつも私どもは非常に心配しておるのであります。そういうような事情でありまして、若し私どもがそういう非難を受けないようなことが何らかできますならば、これは率直に申上げるのでありますが、私どもとしては非常に幸いだと思うのであります。只今の御意見誠に御尤もであり、有難く拝聴いたしました。
#60
○新谷寅三郎君 今の法律問題について聞いておきたい。それは今網島さんからお話の申請の問題ですね。何か四つか五つ出ておる、それを処理しなければならん、それは一応御尤もです。「遅滞なく」と書かれてあるので、我我役人を経験した者の常識として、遅滞なくというのは、どういうふうに運用するかというようなことは、私から申上げるまでもなく、あなたも知つておられるし、私もそう窮屈に考えておりませんが、仮にこれを非常に窮屈に考えなければならん場合があるとして、申請というのは成規の手続によつて出るものだろうと私は思う。今出ている申請というのは私は、テレビジヨンのいろいろな技術基準というのは、これからできるのだろうと思いますから、こういうような意図を持つて、こういうような方式でやりたいと思いますという意向を申請という形においてあなたがたに提出しておるに過ぎないのであつて、今出ている申請というものは、特に技術基準もきまつておらんというのですから、監理委員会としてもまだ決定されてない事項がたくさんあるのだから、あれを今私はやりたいと思いますというものを第七条か第八条かに書いてあるような意味で、正式な申請として考えているのですか、法律解釈としてはどうなんですか。私はこれは正式な申請じやない。正式申請というものは、これからあなたがたがきめられる基準に沿つて申請するのが正式の申請であつて、今のはただ單にそういう意向を表明したものに過ぎない。法律的には私はそう思うのだが、如何ですか。
#61
○政府委員(岡咲恕一君) テレビジヨンの放送局の開設の申請につきまして、今四つ申請書が出ておりまするが、これを如何ように法律的に取扱うかという問題ですが、厳密に申しますと、この技術基準或いは放送局の開設に関する根本的基準というものが全部制定せられました上、それが判定されるかと思います。若し開設の根本的基準或いは技術的基準によりまして、現在出ている申請が、もう根本的に申請としての要素を具備していないということになりますと、これは新申請を出さなければならないかと思います。ところがそれは大部分において条件を具備している。ただ基準がその後に作られたために、申請書の中の一部を訂正して補完して行けばいいという状態だといたしますと、私は現在の申請を正式な申請として取扱うのがいいのじやないかと思います。或いは申請者の御趣旨は、新谷委員の仰せのように、一応こういう計画を持つておりますという趣旨でお出しになつているかたもあるかと思いますけれども、形式的に考えますると、一応やはり正式な申請として受理しなければならないものかと思います。
#62
○新谷寅三郎君 長くなるからこの次にいたしますが、あなたも研究しておいて下さい。私は法律論としてはこう思つている。この電波法なり、或いは放送法なりによつて認可事項がある。この認可事項についての基準というものを監理委員会で定める。この基準が定つていない。基準が定つてないものに対して申請書が出せるはずがない。法律論としては、これは私は正式申請と考えられない。考えようたつて考えられない。基準は委員会がきめるのだと書いてあつて、而も委員会が基準を定めていない。そういつたものに正式な申請書が出せるはずがない。やはりそれが正式申請ということについては、これは法律論として私は非常に問題があると思います。この点は今日は大分時間がたつておるから、この次までに研究をされてその結果を報告してもらえば結構でございます。
#63
○委員長(鈴木恭一君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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