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1951/03/06 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 電気通信委員会 第9号
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1951/03/06 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 電気通信委員会 第9号

#1
第013回国会 電気通信委員会 第9号
昭和二十七年三月六日(木曜日)
   午前十時四十七分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     鈴木 恭一君
   理事
           山田 節男君
   委員
           寺尾  豊君
           新谷寅三郎君
           稻垣平太郎君
           水橋 藤作君
  政府委員
   電波監理長官  長谷 愼一君
  事務局側
   常任委員会專門
   員       後藤 隆吉君
   常任委員会專門
   員       柏原 栄一君
  証人
           清水與七郎君
           溝上 けい君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○電波行政に関する調査の件
 (テレビジヨンに関する件)
 (右件に関し証人の証言あり)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(鈴木恭一君) 只今より電気通信委員会を開会いたします。
 電波行政に関する調査を議題といたします。本日はテレビジヨンに関する調査を進めるに当りまして、ここに清水與七郎君、溝上けい君の御両氏においでを願つていろいろと御高見を承わることにいたしました。御両氏に申上げますが、本日は御多用のところをおいで願いまして誠に有難うございました。厚く御礼申上げます。先般白黒式テレビジヨン放送に関する送信の標準方式を電波監理委員会において制定いたしましたが、これにつきまして同委員会で開催いたしました公聽会におきましては、相当議論もあつたように聞いております。当委員会といたしましてはテレビジヨンの重要性に鑑みまして国勢調査の見地からいろいろ調査をいたしておりますが、この際テレビジヨン放送局設置申請者側の立場から御両氏においでを願つたわけであります。この標準方式についてはすでに電波監理委員会において決定しておるところではありますが、御両氏の最良とお考えになつておられる方式について御意見を承わりたいと存じます。
 証人の宣誓に入ります前に一言証人のかたに御注意申上げます。若しこの証言に虚偽の陳述をされたというような場合は、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして罰せられることになつております。この点御注意をお願いいたします。
 それでは証人の宣誓をお願いいたしますから全員御起立をお願いいたします。清水與七郎証人からお願いいたします。
   〔総員起立、証人は次のように宜誓を行なつた〕
    宣誓書
 良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
        証人 清水與七郎
#3
○委員長(鈴木恭一君) 次に溝上けい証人にお願いいたします。
    宣誓書
 良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
        証人 溝上 けい
#4
○委員長(鈴木恭君) 御着席願います。それでは清水與七郎君からお願いいたします。
#5
○証人(清水與七郎君) 私は先般開かれました聽聞会に先立ちまして、電波監理委員会から黒白式テレビジヨンの送信についての標準方式の原案とその提案理由書を送つて頂きましてこれをよく検討して見ましたところ、現下の我が国において実施すべきテレビジヨンの方式としては完璧なものであると信じました。それでございますからして、聽聞会に出席いたしまして全面的に原案に賛成する旨を申述べた次第であります。その後委員会から御発表になりました決定書に記してある理由を読みまして、又一昨日私は委員会において各委員の御質問に対する八木先生の御答弁を傍聽いたしまして、私どもは原案に賛成したことが少しも誤りでなかつたということを知つたわけであります。従つて私どもの意見としては、右の提案理由書並びに決定理由書にあることと全く同一であります。且つ一昨日八木先生が述べられたことと全く同一でありまして、ここに改めて申上げることは何もないのでございます。併しながら折角のお呼び出しでありますからして、最近私が調査いたしました一つの事実について御報告申上げて御参考に供したいと思います。
 それはほかでもない天然色テレビジヨンの受像機の値段に関することであります。一昨日高柳さんの御説明を聞いておりましたところ、普通の白黒式受像機では真空管の数は二十二個で済むところを、これを天然色に変えるというと五十四個の真空管が必要になる、即ち三十二個の真空管が全部に要る、これは周波数帯幅を六メガにするために起るものであつて、周波数帯幅を一メガサイクル増して七メガサイクルにすれば、この余分の真空管の数は約半分になる。即ち十六個の真空管が節約できるわけである。そうしてこの余計の真空管のために受像機の値段が高くなることを見積つてみるというと、将来国民に何百億とか何千億の負担を増すことになる。だから六メガサイクルはいけないので、七メガサイクルにすべきであるという議論であつたようでございました。これに対しまして八木先生は、それは少しも実験に基かないところの空論である。本質的にはむしろ七メガのほうが高くなると思われる節もあるから、自分はそれには賛成しないと述べられたのであります。ところが私が最近入手しましたここにありますアメリカのラジオ技術学界インステイチユート・オブ・レデイオ・エンジニアス、この雑誌の十月号にドナルド・フインクさんの論文が載つておるのであります。これは相当長いものでございまするが、その最終の所にこういうことが書いてあります。ドナルドさんの言われることは、現在やつておるサブ・キヤリアー式天然色受像機には五十四個の真空管を使つているから、標準の白黒受像機に比較すると、三十二個だけ真空管を余計に使つていると言つているところは高柳さんと全く同じであります。ところがそのあとを読んで見ますると、併しながら設計者は次のように約束しておる。この受像機の電気回路、サーキツトについていま少しの経験を積めば、何らの有害の影響なくしてこの三十二個の余計な真空管の半分以上、モーア・ザン・ハーフ、半分以上は取除かれるだろう、こう言つております。これは無論六メガサイクルの場合を言つておるのでありまするから、若しフインクさんの説にして真であるとすれば、六メガサイクルの場合でも、現在天然色のために余計に使つている三十二個の真室管の半数以上が取除かれることになるのであります。高柳さんは七メガサイクルでなければ十六個の真空管は取除かれないと言つておられましたが、フインクさんは六メガサイクルでも十六個以上の真空管は取除け得ると言つておるのであります。而もこのフインクという人は、アメリカにおいて天然色標準方式の権威でありまして、高柳さんはわざわざ手紙を出して日本の標準方式はどうやるかということを教えを乞われたかたでありますからして、まさかでたらめにこういうことを言つているのじやないかと思います。幸いにフインクさんの言う通りでありますれば、我が国において今六メガサイクルの周波帯幅を採用しておいても、高柳さんの言われるような将来国民に多額の負担をかけるというような心配はないのじやないかと考えます。ここで私はこの事実を御報告申上げまして御参考に供する次第であります。
#6
○委員長(鈴木恭一君) この前の証言のときにはお二人の証人が済んでから質疑をいたしましたが、この際一人ずつ質疑を得て次に移りたいと思いますので、清水與七郎証人に対して御質疑がございますれば、御発言願います。
#7
○山田節男君 清水証人は、技術家であられるかどうか存じませんが、電波監理委員会の聽聞会による調書、審理官の意見書に基いて決定したテレビジヨンのスタンダードは完璧であるという言葉を言つておられる。なお一昨日八木証人がここで証言されたことについて、全く同感であるから今更言う必要はない。これは意味はわかるのですが、六メガ、七メガ、これも御承知のように世界には四つのスタンダードがあるわけで、電波監理委員会の聽聞会における説明を我々読んで見て、どうもなぜ六メガがいいのだ、なぜ七メガがいけないのだということが技術的な釈明が一つもないのです。それがこの間の八木証人の御意見を聞いても、これも技術的な証言が一つもないのです。それで完璧だということを言われるが、これはあなた技術家としてそういうように発言できるのかどうか、この点一つお聞きしたい。
#8
○証人(清水與七郎君) 私は技術家かという御質問でございましたが、私は大学の電気の学問をいたしまして、その後逓信省の留学生で留学したこともありますし、早稲田大学の教授もやつておりますが、まあいわゆる技術者と思います。併しその後は会社の社長などやつておりまして、余りいわゆる技術ばかりやつておるわけでありませんが、本日はやはり技術のことで出席したわけであります。私はこの原案を見まして、私がかねて考えておることと全く一致しておる、技術的にこれを見て、この案はいいと考えたわけであります。
#9
○山田節男君 そうすると今ミスター・ドナルド・フインクの論文を引用して言われたように、六メガサイクルでカラー・テレビジヨンの場合にも今のようなサーキツトが非常に單純化して来る、真空管を高柳さんの言われるように殖やす必要はない、そういう何と言いますか、あなたとしては技術的に確信を持つて将来に対してアメリカのスタンダードに従つておれば、アメリカがもう日進月歩で進歩しているから、それをやつておれば間違いないと、これは電波監理委員会の八木証人の意見もそうであると思うのでございます。そういう意味であなたも全面的に御賛成だと、こういう御意見ですか。
#10
○証人(清水與七郎君) 私は全くその通りでございます。今山田さんのおつしやつた通りに考えておりまして、全面的に私はいい、こう思つたのでございます。
#11
○山田節男君 さつきミスター・フインクの論文を引用されたのですが、これは昨年の十一月だという話、実は私昨年の九月の末にニユーヨークでミスター・フインクに会いまして、この問題に、まあこれは一昨日お聞きになつたのなら御承知だろうと思うのですが、ああいう経過です。いろいろテレビジヨンに関するアドヴアイスを受けたわけです。二月十九日の最近の手紙です。この中にミスター・フインクが将来カラー・テレビジヨンに移行するということを考えての標準方式をきめるということになると、六メガか七メガか、こういう問題はいわゆるノン・コンパテイブル、CBS式のメカニカルな、フイールド・シークエンシヤル・システムをやる場合に、ザ・アドバンテージ・オブ・ザ・七メガサイクル・チヤンネル・ウツド・ピー・サブステンシヤル・イフ・ザ・フイールド・シークエンシヤル(ノン・コンパテイブル)メソツド・オブ・カラー・テレビジヨン・ウアー・ツー・ビー・アダプテツド、ですからミスター・フインクは、若しCBS式のカラー・テレビジヨンが安上りで行くものですからそれにきめるというなら、七メガが利益なることにおいてサブステンシヤルだと、これは非常に利点が多い、こう言つて来ているのです。まして日本の今占領軍政下において、テレビジヨンの周波の割当が五チヤンネルで、一チヤンネル七メガサイクルということになつておる。そういうようなことになつておるならば、勿論六メガサイクルであればフリーケンス・バンドが狭ければ狭いほど安いということは言える、又節約して使えるということは言えるけれども、併しそういうようなことになつておるのであつたならば、ウツド・アピーア・ツー・ビー・ザ・プリフアード・チヨイス、七メガで始めたほうがよいと、こういうのですね。ですから、これは今あなたがミスター・フインクの去年の十月の論文を御引用になつて、サーキツトが非常にシンプル化されたから、真空管もそんなに殖やす必要がない、こういうことを言つておられるわけです。勿論ミスター・フインクはそういうことを知つた上で、こういう重要なテレビジヨンの標準方式の決定について、殊に日本はこれから始めるのだから、イノギユレートするのだから、こういうときに向うとしては本当にアメリカの現状並びに過去の経験に鑑みて、殊に御承知のように、ミスター・フインクはナシヨナル・テレビジヨン・システム・コンミテイの最後のミーテイングで六メガサイクルときめた人なんですね。ヨーロツパの苦い経験を見られて、フランスもイギリスも非常に苦労してかなりの程度に達しておる点、画像の質において非常にイクスペンシーブだと、併しこれも一昨日申上げたように、日本の国策として、日本の経済状態から見て、アメリカのように千四百万台の受像機が普及するとは考えられないということになれば、フランスのように公共放送のようにして、イクスペンシブのものであるけれども、これは国策としてやる、そうしてスクリーンで集団的に見せる、こういう考えである。ですから日本として将来テレビジヨンの国策、ポリシーとして考えるには、やはりヨーロツパのよい所と惡い所、アメリカのよい所と惡い所を十分勘案してくれ、これはミスター・フインクが日本にとつて非常に好意を持つたアドヴアイスとして取つて帰つて来たわけです。そこで私は今あなたが去年の十月のミスター・フインクの論文を引用されて高柳氏のこの間の御証言を反駁なさつたわけですが、ミスター・フインクの意見を我々尊重して聞くとしますと、アメリカは実際困つておるのです。これはあなたもおいでになつたかどうか知らんが、御承知だろうと思うのです。決してこの六メガサイクルがベストではないのですね。ただFCCのアロケーシヨンが一チヤンネル六メガとなつているものだから苦心しておるので、何を苦しんで初めてやる日本においてアメリカの嘗めた苦労を嘗めるかと、こういうことになるのですね。そこで私は、あなたのよつて以て信頼できるとせられるこのミスター・フインクの論文であるが、私に対しては最近又こういうことを言つて来ておるのです。そこに我々は一つのポリシーを作る者として非常に迷つておるのです。殊にあなたは本来一つのテレビジヨンの企業をやろうという立場におられる人とすれば、この点は私は十分一つ考えてもらつてよかろうと思う。そこであなたとしては、これはまあ民間放送という建前で御証言になるのだろうと思いますが、この六メガサイクルのスタンダードによつておれば完璧だということをおつしやいますが、果してこのスタンダードで将来テレビジヨンを放送した場合に、殊にカラー・テレビジヨンに移行するということを前提として考えた場合、あなたは飽くまでもやはりこの六メガサイクルでもう結構だと、こういうことをおつしやるか。私はこれはいずれ機会を改めてお聞きしたいと思つているのですが、日本テレビジヨンの放送の会社では、例えば東京で言いますと、新宿、浅草、それから銀座のような繁華街にスクリーンをやつて皆に見せるということを言つておる。これは現在のアメリカのテレビジヨンの実際の水準を見ましても非常に無理です。例えばカーネギー・ホールとかNBCのああいう劇場の中でテレビジヨンの放送を拡大して見ても、これは白黒ですけれども、暗い所でも非常にぼんやりしたものです。まして東京のような雑音の多い、電気的妨害の非常に多い所では、技術的に考えてもそういうことはできないということは、六メガサイクルでやつて無理をしておる白黒テレビというものは、これは電波監理委員会も言うておるけれども、映画で言えば十六ミリ程度です。私は根本的な立場で、三十五ミリ程度は予想する必要はないので、今の十六ミリ程度でたくさんだという電波監理委員会の態度について非常に飽き足らざる点がある。ましてこれがスクリーンにして、受像機が普及しない前に一般大衆に見せようということは、技術的には、殊に日本の東京のようなところでは、あなたは技術家として御存じのように、雑音が非常に多いですから、実際上不可能ではないかと、こう思うのです。それにもかかわらず、あえてこの六メガサイクルというものを御主張になる。殊に企業者として若しおやりになるとすれば、国民に品質のよいものを見せるか惡いものを見せるかということについて重大な責任がある。そういうプラクテイカルな立場から考えてあなたは完璧だという御自信をお持ちなのか。これは一つ速記に残す必要がありますから、あなたもそういう專門家であり、又日本テレビジヨンの技術のほうの最高の権威あるかたであるとすれば、そのお考えを速記に残して技術的の参考にしたいと思うのです。この点率直にもう本当に国民のためという立場からどういうお考えかということを御証言願いたい。
#12
○証人(清水與七郎君) 私も日本のテレビジヨンのことにつきましては、これを早くやりたいというようなことをいろいろお願しておりますし、又将来のことについても考えておらんわけではありません。ただ今山田さんのいろいろな該博な御知識からいろいろ伺いまして、又いろいろ御心配になつておることもよくわかりますけれども、私はこの六メガサイクルでやつておつて決していけないと思われんのです。これは必ずこれでうまく行くという考えです。それから先ほど盛場のなんのことにつきましても御注意がありましたが、これは余りはつきりしたものは出ないと、これは注意しなければならんという御注意に対しましては、十分注意しましてできるだけ一つよいものを出したいと思つております。併しながらとにかく私はこの六メガサイクルでやつて決して後悔することはないというふうに自分は信じておるのであります。
#13
○水橋藤作君 只今六メガサイクルで結構だという御意見を伺つたのですが、先ほどのお話で、高柳さんが、白黒で二十二個、或いはカラーにいたしますと五十四個の真空管が要ると、十六個余計かかると、これは八木さんがおつしやるには全くの空論だと言われたというお話を伺つたわけなんですが、やはり我々といたしましても、高柳さんなり八木さんも多少自信を持つておつしやつたことだと思うのですが、清水さんの目から見て、空論だと言われることを聞きまして、我々としてもそれは一害一得の点があるかも知れませんけれども、空論だと言われるというと、我々もなかなかこれで聞き捨てならん点もありますので、その点を空論だという根拠をもう少し、例を挙げまするならば、現在の技術ではこの程度だが、併し技術なり或いは進歩したいろいろなものを噛み合わせると、そんなにかからなくても、そんなにたくさん真空管を使わなくても後日できる可能性があるという見方に立つておられるのか。現在の姿で八木さんなり或いは高柳さんの真空管の数なんかは本当の空論だ、全然問題にならんでたらめだというふうに聞えるのであります。その点をもう少しはつきりお伺いしたい。それからもう一つ、成るほど六メガで十分だが、さて七メガにした場合に我が国のテレビジヨン及び日本の経済、すべてにどれだけの弊害、どういう弊害があるということをお考えになつておられるか、その二点を御説明願いたいと思います。
#14
○証人(清水與七郎君) 只今水橋さんから御質問のところで、私が空論だと申上げたのではありません。八木さんがそういうふうにおつしやつておつたのを聞いておつたので、我々は、八木さんとつきり高柳さんの回答を聞いておる間に、高柳さんがこれこれだとおつしやる。八木さんはそういうことは実験に基かんことだから單なる理論じやないか、空論というと言葉が過ぎておつたかも知れませんが、單なる理論である、こうおつしやつておつたのであります。私は只今申しましたように、高柳さんはそういうふうに自分のほうは七メガにすれば真空管は減らして見せるということを言われました。ところがこの論文を見ると、ドナルド・フインクという人では、六メガでも消せる、同じことじやないかということを書いてありますから、それで申上げたのであります。従つて高柳さんは今七メガにすると国民に非常に多くの負担をかける。将来大きな負担をかける、あなたさまのおつしやる通りのことでございました。それは六メガでも、そんなにやつてもそんなことはないということになるわけでございますから、その点で御参考にこの論文を申上げたのであります。先ほど山田さんはこれは古いからとおつしやいましたが、これはまあ十月のことでございますから、その後山田先生の所にはいろいろな論文が来ておると思いますが、とにかくこの論文にはそういうふうに明白に書いてございます。そういう点から見まして、六メガでも七メガでも、結局カラーのために白黒より高くなるということは止むを得ないのであります、カラーというものを加えますから……。併しながら六メガであるから、七メガであるから国民の負担が違うというふう心は信じないのであります。むしろ白黒の場合には六メガのほうが現に安いのでありますから、或いはカラーであつても六メガのほうが却つて安いということも起るかも知れない、こう思つておるのであります。
#15
○水橋藤作君 六メガと七メガと一つも変りないという自信がおありのようですが、我々素人として考えますると、やはり何となく、これはまあ正直に申上げますが、六メガより七メガのほうがこれは電波の割当とか、すべて六メガと七メガにした余波といたしまして、電波の割当とかそういう方面でいろいろ、国民に及ぼす影響その他は別といたしまして、ただテレビジヨンというもののみ考えました場合に、六メガと七メガとどつちがいいかということを考えますときに、どつちも同じだと言われる根拠が我々にはまだ薄弱なんで、ただ何となく六メガより七メガのほうがいいのじやないかというふうに我々に感じられるのです。その点が遺憾ながら技術方面がわからないので、七メガと六メガでは、七メガということになればこれだけの利益があるのだ、こういう利益があるのだ、早く言えば、さつき申しました通り、仮に真空管が六メガだと五十四個かかるかも知れないけれども、七メガなら單に四十でできるのだという根拠があるならば、成るほどそうかなということがわかるのでありますが、その点が六メガがいいということがわかるが、七メガならばどういう所が惡いのだ、どれだけの損失があるのだということがどうもはつきりわからない。ただ六メガでも得である。七メガならどれだけの損害がある、七メガだとどういう方面に得だということも又我々聞いておるのでありますが、それと反対の方面が十分に我々に納得できないのと、それから私は先ほど聞きそこなつたのかもわかりませんが、八木さんが空論だと言われたと、こういうことをあなたはおつしやつたのか知らんけれども、私はあべこべに聞いたので、八木さんの話と高柳さんの話を聞いておるとまるきり空論だとあなたはおつしやつたというふうに私は聞いたので、これは取消します。併し八木さんにしても高柳さんの言われたことを空論と言われるにはよほどしつかりした根拠もあり、又自信を持つておつしやつておると思いますが、遺憾ながら我々にはまだ六メガと七メガの損失、日本国民に及ぼす影響とか或いは経済、いろいろな技術面にどれだけの差が……これほど大きな問題でありながら、騒がれていながら我々に七メガにすればどれだけ国民に影響を及ぼすかということとか、文化的にどういう結果があるのだということがはつきり言えないので、六メガでもいいのだということになれば七メガだつていいのじやないかとも言えるわけなんです。そこに我々としても六メガと七メガの問題の踏み切りがはつきりされないので、そういう方面にもう少し具体的に何かおわかりになつたら参考までに聞きたいと思うのです。
#16
○証人(清水與七郎君) 今の水橋さんのお話は、七メガにしたらどこがいいのかというようなことも私に説明せいというようなふうに聞えましたけれども、私は七メガではいけないという論なんですから、そのほうは高柳さんがいろいろ七メガの効能を述べたのです。今の、高柳君は何か七メガのことを余り言わなかつたようなふうに御了解のようですが、高柳さんは七メガが非常にいい、第一非常に安くなる。そうして国民の負担が非常に減るということを言われたのです。併し我々は国民の負担は、必ず七メガだから余計殖えるのだというふうに思いませんから、且つアメリカ人もそういうふうに言つておりますから、今申上げたようなわけでございます。その七メガ、六メガのことについてよくおわかりにならんことは、それは電波監理委員会のかたがよく一つ御説明申上げて、私どもは六メガがいいという論なんでございます。
#17
○水橋藤作君 それを私はお伺いするので六メガより七メガが惡いという根拠は、どこが惡いかという根拠がわからない。六メガがいい、七メガがこういう方面で惡いというのが我々にははつきりしないので、それとも今アメリカの十月の雑誌によつていいというからいいとおつしやるのか、六メガよりも七メガが惡いのだということの根拠が我々にはつきりわからないのですよ。その点やはり惡いのだと指摘されるなら、我々としても成るほどそれは六メガでもいいなと肯けるわけなんですが、惡いのだという根拠がわからない。ただそれとも六メガでも七メかでも同じだ、同じだからどうせ同じならば六メガでもいいのだというならば惡いという所を聞かなくてもよいのですが、七メガよりも六メガがいいと言われるのは、やはり七メガが、惡いから惡い所はどういう所が惡いかということをはつきりお聞かせ願えれば参考になると思います。
#18
○証人(清水與七郎君) これは六メガ、七メガの論の蒸し返しになる。ここに電波監理委員会でお出しになつた電波監理委員会の御決議になつた理由書が出ておるのですから、それによつて私は申上げなかつたのですけれども、これを読上げて見ますると、水橋さんはおわかりになるかも知れませんが、これに詳しく書いてございます。電波監理委員会から御発表になつた六メガ、七メガについての根拠です。そうしてそれにどうして六メガを電波監理委員会は決定したからということが書いてございます。
#19
○水橋藤作君 それは私も勉強してもおります。それはわかつておりますが、あなたが七メガは反対なんだと言われる根拠が、電波監理委員会がらそういう説明が出ておる、それによつて七メガに反対だとおつしやるならば、それならば我々は或るほどということはわかるのです。あなたの立場として、私は七メガに反対なんだと言われるのには、やはり六メガより七メガがどういう所がいいとか惡いとかいう批判があるべきだ、先ほど山田委員の御質問には私も技術の立場で来ておるとおつしやるところから見て……。それとも電波監理委員会がこれを出しておるので、一応読んで見たらば成るほど電波監理委員会より出ているこの書類によつてどうだ、或いはアメリカでこういうふうに批評しておるからそれでもいいのだと言われるならば、私はそれならばそれでいい、ああそうですかと参考に聞いておくわけです。それをはつきりさして頂ければ私はいろいろなかたから聞きまして、それを総合して判断するので、賛成のかた、反対のかたの根拠をお伺いしたいのが今日の重点は役割でなければならん、こういうふうに考えるわけなのです。
#20
○証人(清水與七郎君) これはですね、私は先ほど冒頭に申上げましたのですが、電波監理委員会からこの御案をお出しになり、その提案の理由を十分お述べになつて、それを我々が読みまして、私もかねてそういうことを研究していましたからして、それを意見が一致したものだからこの前の公聽会でも賛成した、こういうわけでありますからして、私の意見というものは、この電波監理委員の出しておられる理由と同じ理由なんでございます。それですから繰返すことは、まあ私さつき言つたのでありまして、電波監理委員が出しておるものに我々の知識と、我々の経險を両方加えて考えまして、そうしてここに書いてある六メガ、七メガの比較論というものはこれは正しいものだ、こう思いましたから、それで私どもは六メガのほうに賛成したわけです。
#21
○水橋藤作君 その程度なら、もう殆んどあなたのお述べになつたことは監理委員会から出ているところの書類で間に合うわけなんです。それはもう我我としてもさんざんここであれしたのですから……。併し技術面として特殊な立場で一番六メガを支持される、七メガに反対だと言われるには、やはりそこにどういう所とどういう所が惡いのだと、要するに高柳さんが言われるように六メガサイクルでやると、こうこうこういうふうな損があるのだ、七メガサイクルはこういう方面にいいのだというように言われることは我々には非常に参考になるので、我々も立派に六メガがいいのだ、七メガは反対なんだと言われた反対する理由が今の電波監理委員会から出ている書類、成るほどそれと一致しているから反対だというだけのお答えではやはり我々は納得できないので、技術家として、経営者として七メガにすると、仮に具体的に言えば真空管からこういう損があるのじやないかとか、或いは電波の割当にこういう損があるのじやないか、それから又日本の地形から言つて、こうこうこういう特典があつて、こういう方面に七メガが日本の実情に合わないものがあるとかといつたような具体的のなにがあるかと思つてお伺いしたわけなんですが、この監理委員会から出ている書類によつて賛成だと言われるならば、書類の内容も不勉強ながら一通り我々も経験しておりますので、よくわかりました。この書類によつて書類に賛成しておられるということで了承いたします。
#22
○山田節男君 今の水橋君の質問に関連してですがね、結局清水さんが今日ここで証言される根本的な信念は、電波監理委員会の言うてることが完璧だと、こういう私は大きな大前提を置いての御所見だろうと思う。我々がなぜこうして電波監理委員会が、たとえ行政委員会として合法であろうとも、かような重大な問題を国会に報告もしないでやつたかというところに我々としては非常に大きな疑義がある。わざわざこうして皆さんにおいで願つている、そして電波監理委員会の決定書にも言つておる、又調書の中でも述べてあるように、電波監理委員会の今回の標準方式の決定の根本的態度は、結局アメリカの真似をしておれば間違いない、テレビに移行する場合においても、アメリカはすでにこうやつておるから間違いない、こういう極めてイージー・ゴーイングな非科学的な態度なんです。この大前提なんです。八木氏も然り、あなたも然り、成るほど今あなたがミスター・フインクの昨年十一月の放送雑誌における論文を御引用になりましたが、私は昨年参りまして、RCAのテレビ界の諸権威と会談したとき、テレビの標準方式はまだアメリカのをベストとして見ちやあいかん、とにかくお前ら立法者としてこれはアメリカの失敗、ヨーロツパの失敗を、これをあらゆる角度から研究して、一番いいものをやるべきだ、こういう前提で我々に、先ほど申上げましたようにいろいろアドヴアイスしてくれた。そうして今のアメリカのそういうような六メガサイクルの走査線五百二十五本の方式にしましても、とにかく走査線の最初きめた四百九十一本から最後に五百二十五本に決定するにも八カ月のミーテイングできめたようなものである、そういうテレビジヨン技術の特殊性から考えて見て、日本の標準方式をきめるについても、最後の瞬間までどれが一番よいかということを念頭に置かねばならないと思う。今アメリカは現行のテレビジヨンのスタンダードに実は困つておる。それはどうでもこうでも六メガサイクルにはめ込まなければいけないから、あらゆる犠牲を拂つてやつているのだ、もう実に苦しんでおるのだ、而も今日メガサイクルを変えるとか走査線を変えるということは、これはもうそれぞれ何十億、何百億という金の問題になつて来る。いやでも応でもこれはやらなければならん、それであるが故に私が引例しましたように、ミスター・フインクの二月十九日の手紙によりましても、日本に最初にやる場合に七メガサイクルを使えるならばこれに越したことはない。殊にカラー・テレビジヨンに移行するという将来を考えた場合には、七メガサイクルを取つたほうが非常にプリフアーラブルである、非常にそれがいいと言つておる。それにもかかわらず電波監理委員会が、まあ我々から言わせれば非常に無責任に、アメリカさんの真似をしておれば間違いないのだと、こういう前提をあなたも全面的にアクセプトしてやつておられる。そういうことになりますと、若しこのアメリカがどうしても六メガではいかん、非常な犠牲を忍んでも七メガにしなくちやならん、八メガにしなくちやならんということになつて来た場合に、一体そういうようになつた場合に、それじや日本では依然として六メガでやればいいのだ、品質の惡いので我慢しろということになるのでしようか。ましてや日本のようにテレビジヨンの放送に関する諸條件が完備していない所にアメリカのような十六ミリ映画程度の画質でスクリーンに載せるというのはもつてのほかだ。好奇心で見るかも知れませんが、そういうものはピクチユアーじやありません。そういうような極めて非現実的な、而もアメリカの今日困つておる点を十分考えずに、アメリカさんの真似をしておればいい、一体こういうようなことで電波監理委員会の人たちは、八木証人或いはあなたにしてもそういうことを言われることは、水橋君が指摘されておるように、技術的良心から言つておるのじやないのです。私どもはもとより素人ですけれども、いわゆる国民の利益という立場からあなたたちのような技術家の良心と良識に頼るほかないのです。それであるが故に我々はこうしてあなたがたに御意見を伺つておるのです。そういうような、私はアメリカの実際がそうであるのに、それに目を蔽つてアメリカさんに従つておればいいという言葉は、アメリカは何もかもある、金がないから向うから物を持つて来てやればいい、或いは実際できもしない交換放送、これはフイルムならできるかも知れませんが、実際のテレビジヨンの中継などというものは、太平洋という大きな空間距離であるとこれを今日完遂し得る技術などありません。そういうような大それた大前提に基いておる電波監理委員会、或いはそれと意見を等しくする人々を喚んで今あなたの御意見を伺つても、何ら水橋君に対して技術的になぜ六メガサイクルがいいのだというと、結局これはアメリカの真似をしておればいいじやないかということのほか、具体的証言がなく、又七メガがなぜ惡いかということについても何ら反証が示されていない。今あなたの証言中、高橋教授の真空管の増減について言われたこともフインク氏の論文を論拠にして言われておる。フインクが最近私の所に書面を寄せ、今やるならば日本の諸般の事情を勘案して七メガが一番いいと、そう言つている。そうすればあなたの今の論法によれば、この電波監理委員会の標準方式によれば、アメリカざんがまあそう言われることなら、それじややはり七メガにして置こうということになる。併しそれでは我々承認できない。そこに何か一つの根拠を我々に示してもらいたい。ですから又質問に帰りますが、そういう今あなたのような水橋君の御質問に対しての御返事を聞いておると、大前提においてやはりアメリカさんの真似をしておれば間違いない、こういう大前提の下に立つておられるとすれば、今のアメリカではアメリカを真似てはいかん、若し七メガが日本で取れるならば七メガにしたほうがいい。実はミスター・フインクがこういうことを言つておられる以上は、では今までのあなたの六メガ説が七メガ説に変つてもいいと思うのですね。そうでしよう。そこに私はあなたの、殊に技術家としての御証言について、水橋君に與えておられるあなたの御回答を見て、どうしても私は理由があるように聞えない。なぜ七メガが惡いのか、今あなたのおつしやつている論拠というものが、私たち素人が聞いておりましてもわからない。アメリカの真似をしておればいいのだという証言なら、我々聞く必要はないのです。実際に。そこに今度電波監理委員会がとつた極めて非科学的な、或いはアメリカにあれほど五人も行つておつて、アメリカのテレビジヨンが現在はどうなつておるかということをつかんで帰つて来ないから、こういう迷惑なことを今しておるわけです。だから私は今この清水証人のお言葉をこれを逆に取れば、アメリカがこうして七メガ、できるならば七メガを取れば、そのほうがカラー・テレビに移行するのにいいということになれば、あなたの六メガサイクルもこれによつて又変らなくちやならんということになるのじやないかということを私は非常に心配しておるのですが、あなたとしては、あなたが六メガサイクルで間違いない、これはもうたびたび繰返しておられますが、私はもう一辺確認しておきたい。
#23
○証人(清水與七郎君) その通りであります。私は六メガサイクルで間違いないと信じております。それから先ほどの水橋さんに対する私の答弁についていろいろ御議論がありましたが、これは私は電波監理委員会がお出しになつた理由と私の言う理由とが同じだから、これを省略させて頂きたいということを冒頭に申上げたのでありますが、私の意見というものは、即ち電波監理委員会のこれに出ておりますから、これと同じことなのでございまして、こういう意味でございまして、決して電波監理委員会がそう言われたからそれに従つたというような意味ではございませんので、私もこういうふうに信じまして、たまたまその表現が似ているということなのであります。それからアメリカ一辺倒というわけでもないのでございますが、併しものによつてはアメリカ一辺倒であつても、非常に成功したものが日本でもたくさんございますから、そういうこともございますけれども、これは電波監理委員会はアメリカのほうがいいからということで、別に御説明はございませんでしたが、我々も実はアメリカの式だからいいというふうに考えてはおりません。併し日本としてはこれがいいのじやないかという心持から申上げたのでございまして、必ずしも電波監理委員会の又そういう御説明もなかつたように思いますが、併し今山田さんのお話だと、大体においてアメリカの式に従つているから、つまりアメリカ式でやるのだというふうにお考えになられるのも御尤もでありますが、私どもは必ずしもそうは聞いておりませんし、そうも思つておりません。併し日本では今の五百二十五本、三十個、六メガサイクルが一番いいと、そうして将来これで後悔することはないと、こう信じております。
#24
○新谷寅三郎君 大体山田委員、水橋委員から御質問がありましたので、それに盡きておると思うのですが、一つだけ伺つておきます。
 それは先般八木博士にも私伺つたことと同じことなんですが、先ほど水橋君から言いましたように、まあ電波監理委員会の私の質問に対する資料がここに出ておりまして、まあ只今も清水さんはそれを引用されたようであります。これによりましても、天然色テレビを日本で実施した場合に、先ほどからお述べになりましたように、これが真空管の数は三十二個になりますか、或いはあなたの引用された論文に書いてあるようなそれが半分以上節減されて、もつと数が少くなるかも知れませんが、いずれにいたしましても、半分の十六個ということをおきめになりましても、十六個は七メガの場合と六メガの場合と数が違う。結局七メガのほうがそれだけ数が節減されるということになるだろうと私は思うのでありますが、併しそれにもかかわらず、天然色テレビの場合にやはり六メガでもやれるのだ、やれるのだという根拠は先ほどからいろいろ御議論がありましたから私は繰返しませんけれども、私は八木さんに、これは私は衷心から知りたいと思つたので聞いたことなんですが、六メガでも七メガと同じような技術的、経済的負担においてやれるのだ、やれるだろうということは、これは何か現在の技術の段階において考え得るのかどうか。電波監理委員会の調書によりますと、この世界的な進歩より今後の研究の成果を期待することなくして六メガの技術の困難さを、現在の六メガの技術の困難さを元として七メガ、八メガということは間違いだというような意味に書いておるのでございます。そのまあ私は根拠を聞いたのであります。現在、何かそれについて明るい見通しでもありますれば、これは私ども非常に結構なことじやないかと思います。併しそれについてただ雲をつかむような、何かアメリカが考えてくれるだろう、日本も何か考え出さなければならん。八木先生はこう言つておられました。そういうことは言いたくないのだ、技術者がそういうふうな、何というか、言葉は違つたかも知れませんが、そういう何といいますか、消極的な考えでは困るので、何としてもやつて見せるということを考えて欲しいのだ、私もそれは同感なんで、そのくらいの気持があつて然るべきだと思いますけれども、併し果してそれがやれるのかどうかという現実の問題になりますと、これは又別個の問題だ。今何かそういつたようなことについて、七メガの場合も、六メガの場合も殆んど経済的、技術的負担は変らないのだという見通しというものがあるのかどうかということが問題だろうと思うのでありまして、非常に方式がもう変つてしまつて、いずれ新らしい方式になるとおつしやいますけれども、今のどこの国でもやつておりますように、白黒テレビの上にただ色をのせて行くというようなカラー・テレビジヨンであるといたしますと、どうも常識的に考えるとやはり七メガのほうが非常に経済的、技術的な負担が軽いのじやないかということが考えられるのであります。それで私はあなたにもこの点をお聞きするのですが、六メガと七メガを比較して、そういう技術的、経済的負担がどういうふうに違うであろうかということです。これは清水さんは申請会社に御関係でありますから、そういうことは現実にむしろ八木さんよりも御研究になつておるのだと思いますが、何か実証的でなくても、実験的でなくても結構ですが、机の上でもそういつたことを御研究になりましたでしようか。或いはその結果がどうなりましたでしようか。つまり受像機だけを取上げて見ましても、受像機のいろいろの回路が私は專門家でないからわかりませんが、いろいろ回路を調べてその複雑性、従つてその何といいますか、端的に言えば、真空管がどうなるかということについて清水さん自身がお調べになつて信じておられるのかということが一つ。もう一つは、先ほどもちよつと触れましたが、それにもかかわらず、六メガがいいのだということは、ここに書いてあるように、ただ雲をつかむように、何かやつてくれるだろう、アメリカは何か技術の進歩改良をやつてくれるだろうということだけを漠然と期待して言つておられるのでありますか、或いはそれについて何か技術的に実は今こういつたことをどこかで研究をしておる、これが実を結べば六メガも七メガもそう大して変らなくなるものだという科学的な根拠というようなものを持つておつしやつておるのでありますか。その二点を清水さんにお伺いしたいのであります。
#25
○証人(清水與七郎君) 今新谷さんが仰せられたことでありまするが、何か私聞き違いかも知れませんが、新谷さんは六メガの場合と七メガの場合では、高柳さんが言われるように六メガならば三十二個の真空管が余計要る。七メガならばそれの半分ぐらいで済むということを前提にしての質問のようなふうに私ちよつと聞えましたのですが、先ほど申しましたフインクさんの論文を見ますと、六メガでもやはり十六でやれる、それから又七メガでも十六でやれる、六メガのほうが却つて経費が少くなる、モア・ザン・ハーフと書いてありますから、十六以下ということになつて、それが回路をいろいろ改良して、そうして六メガでも真空管は白黒に比較して十五、六据えればできる、こういうふうに言つておる。それで高柳さんはやはり七メガにしなきやそうはならん。こういうのにフインクさんは六メガでも行ける、こういうことでありますからそこのところを……。それから昨日電波監理委員会の記者会見がありましてこれを御発表になつた。これはもう少し具体的にそのことが書いてございます。そうしてそのことはフインクさんの論文とはちよつと違いますけれども、白黒のときの球の数は約二十で、天然色方式のうちで最も簡單なコロンビア方式は十球ばかり、それからNTSCのあの現在やつておるRCAの方式ではこれより更に十五球ほど多い。六メガと七メガとの違いは受信機の価格に大きな影響を與えるとは考えられないということを昨日具体的に記者会見で御発表になつておりますが、フインクさんの論文は丁度別の見地で書いてあるようですが、フインクさんはいろいろ回路を改良するとか、経験が積めばその球の数は減る、こう言つておるのであります。それで私は実は今テレビジヨンの機械の中を、カラー・テレビジヨンを覗いたことはないのでよく存じませんが、こういうことをいろいろ読んで見ますると、そういうことになるんじやなかろうか。それから今の白黒のときにはとにかく六メガのほうが安いということは事実なんですから、そういうことから考えまして、いろいろまあ推理的に考えても物が発達して行けば必ずしも六メガより七メガのほうが非常に高いというふうにもどうも思われないと、こういうふうに思つております。ほかの経験からその点のことはいろいろございまして、どうもそういうふうにこれを信じておるのでございます。
#26
○新谷寅三郎君 私誤解をしておつたようです、あなたの先ほどの御公述を。私は今引用されたことで六メガと七メガとの比較について言われたのでありますが、……
#27
○証人(清水與七郎君) そうではありません。六メガでも同じくらいの真空管でやれると、こういうことであります。
#28
○新谷寅三郎君 その点はいいですがね。今のお話を伺いますと、やはりあなたのほうでは、そうすると別に六メガ、七メガというものを両方対象にして、そうして机の上だけでもどういうふうな回路にするかといつたようなことについて特別の御研究がなかつたというふうに了解してよろしうございますか。
#29
○証人(清水與七郎君) そうでございます。そういうことは私は余り研究しておりません。恐らくはこのカラー・テレビジヨンの内部というのは、アメリカに行かれたかたは御存じでしようが、その後私は向うに行きませんし、なお見ておりませんから。併し又回路、サーキツトというものにしましてもこれはみんな果して向うのほうの人がはつきり知つておられるかどうか、日本のかたがたもわからないのです。五十四個のなんかでもフインクさんのに書いてあるカラー・テレビジヨン、これは実際どういうふうにやつておるかということを、サーキツトを見ておやりになつたことがあるのかどうかというは私は疑問なんです。高柳さんのあの考え方ももつと図でも出して御説明になれば、いろいろ又議論でもあるんじやないかと思います。日本でカラー・テレビジヨンの内部をいろいろ研究してこれを実際にやつておる、技術的にやつておられるかたもないかあるか私存じませんけれども、コロンビアではこれは実験をやつております。併しアメリカからカラーの機械の一台くらいは日本に来ているか、私は存じません。そして山田さんのごとき始終向うへ行つておられるかたは御存じでしよう。新谷さんも行かれて……。私は戰後になつて向うへ行けんものですから見ておりませんからその点では存じませんです。
#30
○新谷寅三郎君 よくわかりました。それでそういうことでありますから、我々、今言われましたように、非常に日本としては技術的不安が多いのであります、今日研究をしているのでありますが。もう一つ、さつき申上げました点ですね。これもそうすると清水さんの考えでは、そういう状態だから別に近い将来においてアメリカその他の国が六メガ、七メガ問題に関連してこういうふうに今改良或いは研究というようなものをやつている。だからとれは完成すればカラー・テレビの場合でも六メガも七メガも大して開きはなくなるだろう、そういうまあ私から言えば、そういう曙光というようなものは具体的に今はないということでよろしうございますか。
#31
○証人(清水與七郎君) その点は私はこの論文を読みまして、そういうことについて相当いろいろ今改良しています方法も書いてありますが、併し余り詳しいことは私にはわかりませのんで、その点は御説明申上げましても……とにかくアメリカではいわゆる日進月歩で毎日のように改良進歩をやつていますからして、そういう見通しは十分にあるように思います。
#32
○新谷寅三郎君 それでは今は清水さんは別にそういつたことを具体的に御存じはないようですが、何かこの雑誌によるとそういつたこともあるようにも思われる、こういうお話、そういうことであれば甚だ恐れ入りますが、その雑誌を、或いはそちらのほうにも来ているかも知れませんけれども……。
#33
○証人(清水與七郎君) この雑誌ですか。
#34
○新谷寅三郎君 ええ、その要点だけでも、今の私の質問に触れてその要点を掻いつまんであとで委員会のほうに参考資料として出して頂くわけに行きませんか。
#35
○証人(清水與七郎君) 承知いたしました。これを読みまして今の新谷さんの御質問の点に触れるような点がございましたら、ピツクアツプして書いて差出します。
#36
○水橋藤作君 先ほどからお伺いしていると清水さんはもう少し今まで、何といいますか、日本のテレビジヨンというものについて十分関心をお持ちになつておつたと思つておつたんですが、日本の今のテレビジヨンのメーカーは我々の仄聞するところによると、相当力こぶを入れて、日本の工業界といたしましても相当研究していると思うんですが、清水さんはどんなことをやつているか、或いは五十四でやるか、六十個の球を使うとかいうようなことをどこで研究しているか、そんなことは知らんと言われるところから考えますと、これは高柳さんの言われることを私は否定できんと思うんです。やはり我々は相当テレビジヨン問題で、アメリカには及ばないといたしましても、相当研究もし、又いろいろやつている、それに対して反駁されるにはやはりそれだけの相当のあなたのほうでも研究なり、又それに対しての批判が加えられた後で、仮に六メガでたくさんなんだ、七メガは必要はないのだという議論が出て来るはずだと思うんですが、そういう意味から行きますと、我我としてはもう少しやはり何とかアメリカに匹敵しないまでも、及ばなくても先行き見通しがある、工業界の発展を期待しているわけなんですが、そういう面と大分違うので、我々としては納得行かん点と、それから先ほどからたびたび言われますが、その十月に発行された雑誌を以て例に挙げておられますが、まあともかくも電波監理委員会の聽聞会等には、もうすでに山田委員の所へも資料も来ておりますし、先ほど山田委員が言われる通り、ただアメリカの一部には六メガでいいというかたもあるかも知れんが、又我々の聞くところによると、七メガでなければいかん。どうせこれから初めてやるなら六メガより先行き七メガにすれば間違いないという、やはり相当アメリカの権威ある人の書類も見せてもらつているわけなんです。そこで我々として考える場合は、日本に今度新たにテレビジヨンを普及させる場合に、日本の技術なりメーカーとどういう関連を持つかということが我々の資料として委員会として大きく日本国民経済に及ぼす影響その他文化的とか、或いは対外的な進歩、いろいろの面から非常に参考にしたのでお伺いしたわけなんですが、時間の関係もありまするので、委員長に次の溝上さんの公述をお願いしたい。
#37
○証人(清水與七郎君) 今水橋さんのおつしやつたことはこういうことでございます。高柳さんは、これこれの日本の技術を以てすれば、七メガにすればこのくらいに減ると言われたのです。それを私は否定しておるのではございませんですよ。併し六メガでもやはりそのくらいの真空管が減せるということがこの雑誌にも出ておると申したんです。高柳さんの議論を私が決して批評したのではございませんから、その点どうぞ誤解のないようにお願いします。
#38
○水橋藤作君 先ほど新谷さんの御質問にあなたがおつしやるには、日本のテレビジヨンの研究をどこでどんなことをしているかよく知らないということを言われたから、それでは私としては、そのテレビジヨン問題に対して七メガじや絶対反対だと言われる根拠が薄弱だ、ただはつきり申上げますならば、アメリカからの雑誌を、十月の雑誌を見て言われるならば、この聽聞会の当時には、やはりその後も進歩をして来ておるし、又山田委員の所へ来ておる資料その他から見ると、その根拠が絶対的なものじやないというふうに私は考えるということを申上げたわけなんです。
#39
○証人(清水與七郎君) どうも水橋さんのおつしやることは飲み込めない。私はそんなことを申したのではありませんですよ。日本のメーカーがいろいろ研究して、私も長年メーカーとして研究もしました。現在も研究をしておるのでございます。併し先ほどの新谷さんの御質問は、君はカラー・テレビの中のサーキツト、回路を見たことがあるかとおつしやつたから、私は日本へまだカラー・テレビジヨンの機械が輸入されたかどうか知りませんから、恐らく来てないだろう、私は見たことはございません、こう申上げたのです。ほかのメーカーが非常に勉強していることについて私がどうのこうのと申上げているのではございません。何か誤解しておられるようです、あなたは。それはちよつと違いますのですよ。私の申上げたのは、そういうことを申上げたのですから。新谷さんにお聞きになつてもわかります。
#40
○水橋藤作君 私はこういうふうに聞いたのです。それは私の聞き違いでしたら取消しますが、日本のメーカーとしてどういうふうにやつておられるか私は内容はよく知らんと言われたから、それは私はおかしい、日本には技術的に六メガで完全にやられるものならどこでどういうことをやつておるくらいのことはあなたは御存じのはずだ、そう信じて私はいろいろ聞いておるのだ。そういうことを研究のあとで初めて七メガを否定される理由が成立つのだ。日本にどの程度にテレビジヨンを研究しておられるかわからんというようなことでは私はおかしい、こう聞いたのですが、あなたが今言われる日本のメーカーその他を十分、日本にどれだけのメーカーが研究しつつある、今の日本の白黒が或いはカラーに変る場合に、日本のメーカーとしてどれだけのことをやる用意があるか、或いは技術面が発達しているかということについての自信がなさそうに私は聞えたのですが、そうでなかつたとすれば、私は取消します。
#41
○証人(清水與七郎君) そうでないのですからどうぞ……。
#42
○山田節男君 今いろいろお話を伺つたわけですが、実は私どもの期待した点は、この電波監理委員会の今回の標準方式の決定の理由がどうも納得行かない。幸い我々はアメリカで電波監理委員会の諸君が会つた以上のことを、広汎な人に会つて、そうして、ポリシーの問題からいろいろな諸君の人から聞いた結果によると、どうしても納得できない。先ほど縷々御説明がありましたが、結局電波監理委員会のやつていることは、技術的にももうこれ以上申上げることはないというような御意味だろうと思う。そこでこれはいずれ放送事業の経営化の問題について国会で又これは近く大きな問題として扱いますが、あなたの場合は日本テレビジヨン放送網株式会社というものをお作りになる、申請書を出しておられる建前から、いろいろ我々はあなたのところの会社のパンフレツト等を頂いております。それから読売新聞等ずつと見ておりまして、例えば今度の電波監理委員会のきめた標準方式は、これは民営方式が勝つたのだ、勝利を得たのだというようなことを書いている。どうも私は日本テレビ放送網会社のパンフレツトを見ておりまして、アメリカの受像機、或いは放送機を全部買つて来てやるのだ、こういうことを言つておられる。そういうような現実の必要というか、そういう計画からして今の六メガの標準方式をやつていれば一番都合がいいのではないか、こういうふうに私は結論せざるを得ない。技術的にお聞きしても、今あなたの引例されたミスター・フインクはもう二月に入つたならば、我々の責任を以て国会にこれを論議する場合において、七メガがとれるなら七メガにしてくれ、こういうことを言つておる。それにもかかわらず、あえて電波監理委員会に同調か或いはどうか知りませんが、とにかく六メガサイクルということを主張されることは、技術的にもどうも私は電波監理委員会の言つていることと同じように理解できない。そこでこれは時間もありませんから結論として、あなたはやはりテレビジヨンの一つの商業放送としてやりたいという意味からして、アメリカの、結局現実に困つておろうがおるまいが、とにかくやつておる受像機をこつちはどんどん入れて、そうして現実に放送事業をやろう、こういうようなお気持は私は強いのじやないかと思うのですが、そういうふうに了解してよろしうございますか。
#43
○証人(清水與七郎君) それは違いますです。私は民営がいいとは信じております。併しながらアメリカの受像機を日本にどんどん輸入してやろうとは考えておりません。それは新聞、パンフレツトなどにたびたび書いております。今のトランスミツターはとりあえずアメリカから取つたほうがいいと思います。併しそれも日本でできるようになつたら日本でやつたほうがいい。併し初めの東京でやる部分などはアメリカで買つたほうがいい。受像機は成るべく日本で作つたほうがいい。アメリカから輸入しようなんぞと考えたことはありません。そういうことがどこかにあつたらおつしやつて頂きたい。決してそういうことは言つたことはない。受像機は日本で作つたらいい。併し今さつき言つたスクリーンのようなものは日本でできませんから、アメリカかどこかから持つて来るかも知れません。一般の家庭用の受像機というようなものをアメリカから輸入して、それで日本でやろうというような考えは持つておりません。そのことはパンフレツトなどにも必ずそう出ておりますのですよ。
  ―――――――――――――
#44
○委員長(鈴木恭一君) それでは清水証人に対する質疑はこの程度にいたしまして、次に溝上けい証人にお願いします。
#45
○証人(溝上けい君) テレビジヨンの標準方式に対しまして、私どものほうといたしましては先ず基本的に次のようなことを考えておるわけであります。それは勿論我々のほうといたしましても、送るほうの機械につきましても十分にいろいろ検討いたしておりますが、何と申しましても、第一にテレビジヨンという文化施設をできるだけ多く利用されるというふうにいたしますために、どうしてもこれを普及させるというようなことから、先ず受像機の問題を取上げたい、その次にこれはできるだけ少しでも画の質をよくして、番組内容をよくして行きたい、こういうことを考えているわけです。これは基本的な線でありますが、なお標準方式に対する意見をまとめます前提といたしましては、カラー・テレビジヨンが一体いつ頃実現するかというような点は多少條件がありますので、これにつきましては白黒方式が日本で実施されましても、当然白黒方式の研究というものはやはり続けたい、これは当然でありますが、併しながらその場合には直ちに更にカラー・テレビジヨンのほうの、現在も多少はやつておりますけれども研究を促進したい、こういうふうに考えております。実際アメリカでカラー・テレビジヨンを御覧になつたかたがたの感じをお伺いいたしますというと、一遍この色のついたテレビジヨンを見ますというと、或る場合はむしろカラーで始めたいと思うくらいに非常に魅力があります。少しでも早くこのカラー・テレビジヨンをやりたいというふうに感ずるのは当然でありまして、これは実際私も自分で非常にそういうふうな感じを抱きました。恐らく日本でも実験が始つて、相当な成績が得られるような状況になりましたならば、勿論その規模の点につきましては相当いろいろ問題があると思いますけれども、案外時期的には早くその機運が来るのじやないか、結局将来はテレビジヨンはやはりカラーじやないか、こういうふうに感じております。そこで標準方式に対する我々どもの意見といたしましては、以上申上げましたような見解並びに見通しの下に、周波数帶域というものについては聽聞会では七メガを主張いたしたのであります。やはり現在でもそのほうがよいと考えておるわけでございます。そのほかの点につきましては、これはできるだけ愼重に考慮すべきものとは思いますけれども、現在きめるといたしましたならば、他の点ではアメリカ方式でもいいのじやないかというふうに考えております。なお一番大きな問題は非同期の問題でありますが、これは非常に重大問題であります。従つてできればそういうむずかしい方法をとらないで済めばこれに越したことはないと思うのでございまするけれども、これは日本といたしまして、御承知の通り五〇サイクル、六〇サイクルの両地域がありますために、これはどんな苦労をしてもどうしてもこの点は日本としての特殊な事情にありますために止むを得ないことだこう考えております。それで大体以上のような考え方によりまして七メガを希望いたしますが、それをもう少し具体的にいろいろな点、問題の点を二、三我々の意見を申上げたいと思うのですが、勿論この七メガ、六メガの問題は、一番大きなのは今もお話がありましたようにカラーテレビジヨンヘの移行の問題が一審基本的な問題だろうと思うのです。併しながらこの白黒の場合におきましても相当いろいろ問題がありますのが、その二、三につきましてちよつと考えを申上げたいと思うのです。
 先ず第一にこの絵の質、つまり精細度であります。これは白黒方式の場合について暫らく申上げますが、この場合六メガと七メガを比較いたしますというと、大体縦の方向は勿論これは走査線の数できまりますから同じでありますけれども、横のほうのいわゆる解像力、精密度が大体二五%増すのであります。これは私どもの事業の内容から見まして、相当将来学校放送といつたような教育方面に使われるものと予想されるために、できるだけ今もお話がありましたように余り無理して大きくすることは困難でありますけれども、成るべくは少しでも大きな絵にしたいという点も考えております。そういう意味からしても絵の質をできるだけ上げたい、つまり二五%という数はちよつと考えると大したことはないように思われますけれども、現実に申しますというと、同じ絵を見ます場合に、勿論近くへ行けば行くほど絵のあらが見えて来るわけです。そういう点では大体四分の一くらい近付いても同じくらいの精細度で見える、こういう点が違うのです。又絵の大きさから申しますというと、同じ絵を大体四分の一くらい大きくいたしましてもやはり同じ精細度で見える、こういうふうな点で違いがあります。こう考えますというと、勿論これだけで標準方式をきめるわけじやありませんけれども、相当大きなメリツトがあるのじやないかというふうに考えておるわけであります。この絵の質が一体どれだけあればいいかということは聽聞会でも非常に議論になりまして、勿論これだけの絵の精細度があれば、それで完全であるということはなかなか言い切れないのです。併しながら我々としましては少しでもよくしたい、同時にもう一つ考えられますことは、先ほどもお話が出ましたように、大体アメリカでは十六ミリ程度を標準として五百二十五本ときめたというふうな話になつておりますけれども、現在十六ミリは大体ピクチヤー・エレメントが二十万こうなつておりますが、実際に今の話に出ましたがフインクさんなんかの計算によりましても実際は五百二十五本では無理なのでありまして、最高本には十六万五千であるというようなことも書いてあります。従いましてやはり又実際に現在のテレビジヨンを見ましても確かに十六ミリよりは小し惡いのです。ここで二五%増しますと、十六万五千で計算の上では二十万になるというようなことで、若干よくなるという点で十六ミリに近付くのじやないかという点も併せまして、六メガと七メガを比較しますと、七メガのほうにしたい、こう考えるものであります。
 それから次に受像機の価格の問題でありますが、これは勿論絵がよくなるのでありますから、一般的に申しますと若干値段が上る。これは値段が高い高いというふうに言われるほど大きな影響があるのじやないのです。そのことをちよつと御説明したいと思うのですが、この七メガにすると受像機が高くなるというその原因は、結局音のほうの場合でも同じでありますが、成るべく広い周波数の幅を出そう、或いは大きくしようというふうな増幅器におきましては、周波数の幅が広くなるほどそれに応じて感度が落ちるわけです。従いましてその感度を落ちただけ回復させるためには若干金がかかる、こういうことから七メガにすると受像機が高くなる、こういうふうに一般的にはなるわけであります。併しながらこのテレビジヨンの場合につきましては、そう一概に受像機が七メガにすれば上るということは言えないのでありまして、それは例えば電波の強い範囲内におきましては、受像機の感度が少し落ちましてもこれは受像機の調節の幅は相当ありますから、ただつまり廻すだけで以て感度は上りますからそのままで使えるわけです。ただサービス・エリヤの端のほうに行きますと、ここに感度差によつて六メガなら受かり七メガなら受からないという場合が起り得るということが理論的に出て来るわけです。併しながらこの場合でも全部の受像機が必らず値段が上るというわけではございませんで、私はこれは聽聞会でも御説明いたしましたが、アメリカと同じ六メガの絵に相当発する精密度で以て我慢するならばちつとも値段は上らないのです。併しその場合にやはり七メガを一ぱいに、フルに使つて二五%いい精密度で以て受信をしようとする受像機につきましては、若干感度が足りないだろう、こういう傾向になるわけであります。それで、併しながらこの値段が上るということは先ほど申しましたように絵がよくなることの半面でありますから、これは止むを得ないと思います。而もこの値段が上るというのは一体どれくらい上るかと申しますというと、これは極めて簡單でありまして、要するに真空管が一個並びにそれに附随した回路を附加えればいい、増幅器の段数を一つ殖やせばいいのであります。この増幅器の段数を一つ増しますと各感度が十倍から二十倍ぐらい上りますので、これは上り過ぎるくらい上る、而もそれに対する値段は幾らかと申しますと、これは材料費しか私どものほうで計算できませんが、大体二%ぐらいしか上らない、この二%という数はこの前聽聞会の資料として提出いたしてありまして印刷になつた分には入つておりませんけれども、聽聞会の資料の三百二十四頁に審理官が引用されておりますその数であります。このように考えますと、七メガにした絵の価格の増加ということはまあ考えなくていいのじやないか、又必要によつて一球増すといたしますと、感度が上り過ぎるほど上つてしまいます。而も価格差は二%くらいのものであります。それによつて二五%の絵の質が向上する、こういう点からいたしますというと、受像機の価格というものはそれほど問題になるということは考えなくてもいいのじやないかという見解をとるわけです。
 次に機械の、これも問題になりましたが、輸出入の問題でありますが、私どものほうとしてほかの問題を考えます一番影響の大きいのは受像機の輸入の問題であろうというふうに考えますので、先ずそれについて申上げます。我々はメーカーではございませんが、先ほど申上げましたような普及性という、或いは聽取者の立場という点から、こういう受像機の問題についても相当愼重にいろいろ考えておるわけですが、そういう点でアメリカから受像機が輸入されます場合に、七メガの場合には改造しなければならん。従つて価格が高くなる、こういうこと、これは一応問題になると思います。併しながらこれも少し細かく御説明申上げますというと、よくおわかりになると思うので、少し時間を割いて御説明いたしたいのでありますが、先ずアメリカの受像機を輸入する場合に一体どこを改造しなければならんかということを考えてみますと、大体三カ所改造する必要があります。その第一はアメリカと日本とでは、テレビジヨンの割当周波数が違いますから、どうしても最初の高周波の部分、或いはオシレーター、ちよつと技術的なあれになりますけれども、そういつた二、三カ所のところを改造する、コイルの巻き替えをするというふうなことをしなければなりません。それからその次に、これは一番大きな問題でありますが、アメリカでは最初申上げましたように、非同期の問題、アメリカではシステムとしては同期式であります。これを非同期に直す、こういう必要があります。これはちよつと、余り詳しく調べたわけではありませんが、大体の話では、最近の非常に高いキヤビネツトあたりの高級品、値段を申しますと四百ドルぐらいのものでありますと、恐らく大体日本に持つて来て非同期式のところで働かしても働くのではないかというふうな噂であります。併しながらやはりこの百五十ドル、二百五十ドル程度の普及型の、つまりテーブル型式のものでありますと、現在アメリカで売り出されております受像機は同期式でありまして、日本に持つて来たならば非同期の型に変えませんというとうまく働かないのであります。
 それからその第三といたしまして、最後に、七メガにすればそのためにアメリカの六メガ式のものを改造しなければならん。この三つの点があるわけです。このうちで第一の問題は、先ほど申しましたように、数カ所に手を入れて、コイルの巻き替えをするというふうなことで相当に手数を要します。手数と申しますか、経費を要するわけです。それから第二の非同期の問題、これは技術的にも一番大問題でありまして、アメリカでも現在なお研究されておるわけです。で私どもの研究所で以て研究してもらいましたところによりますと、電源の変圧器が一番厄介であります。これは出来上つた受像機でありますと、これを箱から出しましてちよつと遠いところへ離しますと、この非同期で運転できるわけです。つまり電源の変圧器から出る磁力線が邪魔をするわけです。で、そうすればいいのでありますが、アメリカの受像機を持つて来て電源だけ離して横へ置くというわけには行きませんので、元のところへ納めておきますためには、どうしてもかなりいい材料の鉄を以てこの外をくるみましてシールドいたすわけです。従いまして、これは相当な経費がかかります。而も恰好も大きくなりますので、場合によつては箱を改造する、キヤビネフトを改造する、こんなことにでもなりますというと相当な値段がかかつて来る。この二つの問題は、これは六メガとか七メガとかには全然無関係に、アメリカの受像機を輸入いたしました場合に改造しなければならん点であります。これに対しまして、七メガにするためにどれだけの手数を要するかと申しますと、これは要するに中に入つております増幅器の、いわゆる周波数の幅を拡げればよろしいわけです。それにはその増幅器の幅を拡げる調整をするか、若しくはちよつとそれが厄介ならば小さい抵抗を幾つかくつつける、その程度で幅を拡げることは可能であります。これは前二者に比べますと、確かに必要ではありますけれども、値段並びに手数の点じや遥かに軽微なものであります。これが特に取上げられてアメリカの受像機が輸入されるのを阻害するということは万々ないというふうに考えております。勿論この放送器機、或いはその他のいろいろな器械類につきましてもこの問題があると思いますが、これらはまあ簡單に考えますと、恐らく註文すればどういう設計のものでもできるわけでありますから、いわゆる輸入輸出問題はそれほどそれ以外のものにつきましては、数が少ないから大した問題にもなるまい、こういうふうに考えております。
 それからもう一つ聽聞会で問題になりましたから、ちよつとここで意見をもう少し附加えたいのですが、大体このアメリカ方式のもので七メガにすることは世界に例がないので、ヨーロツパ方式でもなければアメリカ方式でもない、こういうことは成るべく避けるべきである、こういう御意見もお伺しております。で、これに対しまして私どものほうはまあ次のように考えるわけですが、それは標準方式という問題は各国とも事情が共通であるならば勿論これは同じにすることが理想たと思います。併しながらテレビジヨンに関する限りは各国とも事情が違いますために、できるだけ努力して一致させようと協力はしておりますけれども、未だになかなか各邦でも共にそれぞれ愼重な態度をとつておるわけです。で、日本のテレビジヨンのこの標準方式といたしましても、実は問題は、もつと大きなところに、例えば非同期の問題、こういう問題などは、これは帶城幅の問題、七メガ、六メガの問題とは比較にならんほど大きな問題だと思うのです。でそれにもかかわらずこういつた方式、この非同期の方式につきましては別に格別の御意見もなかつたということは、これは日本で五十サイクル、六十サイクルの二つの地域がある、そのために、現在アメリカで行われていないが、而も送受両方において非常な大きな負担があるということがはつきりしておるこの非同期の方式でも止むを得ず採用するということになるわけでありまして、このことから考えましても、標準方式というものが、それぞれの特殊事情を反映しておる。簡單に、機械的に何でもかんでもアメリカのものに合せれば、或いは外国のものに合せればいいというものではないというふうに考えておるわけです。而も七メガの問題は非常に特別な方式のようにちよつと考えられるかも知れませんけれども、これはアメリカと違うと申しましても差は極く僅かなんです。技術の内容から、或いは原理的に申しますと、殆んど全部アメリカのものと同じだと言つても過言ではないぐらいでありまして、ただアメリカで今までの経緯からどうしても避けられなかつた欠陥だけを日本では避けたい、こういうふうなむしろ我々としてはこのほうが得策じやないかと思われるのであります。
 それから今まで申上げましたことは、大体白黒式という問題につきまして申上げたのでありますが、この問題は更にカラー・テレビジヨンヘの移行という点において、白黒の場合よりより一層重点であると考えます。而も前に申上げましたようにうカラー・テレビジヨンの実現というものが、必らずしも極めて遠い将来のことではなかろうという見通しもしておりますので、これを重視しておるわけであります。でアメリカが六メガで以てやつておりますのは、これはここでもお話が出ましたように、これは周波数割当が増しまして、すでに多数の局に対してきまつた周波数を與えておる、六メガの周波数を與えておるということ、これを今更動かすことは困難であります。それから同時に、すでに非常にたくさんのカラー・テレビジヨンが始まろうとした時期には現在よりは少かつたんですけれども、すでに相当たくさんの受像機が普及しておりまして、これを今更改造することは殆んど不可能である、こういうふうな二点からほかのことはさて措いても、先ずとにかく六メガでやらなければアメリカのカラー・テレビジヨンができないと、こういうことで六メガというのが先ず第一に條件としてきめられておるわけでありまして、従つてこのカラー・テレビジヨンを六メガの中へ押込むということに非常に苦労しておるわけです。この点は最近頻々といろいろな雑誌にも出ております。事実又話が出ておりますように非常に改善されまして、その研究が進んでおるわけです。従いましてその苦心を、アメリカで以て六メガのカラー・テレビジヨンを作り上げるに苦心をしております人々は、先ほどもお話が出ましたドナルド・フインクさんのごときも、これは私のほうの技術研究所長の田辺君に来た手紙にこういうふうに書いてありますが、これはチヤンネルの幅が六メガ、七メガのいずれでも同数のテレビジヨンの局が置けるという前提の下では、自分としては七メガの周波数が採用されるようにお勧めしたい。そう強いそうしなければならんというまでには言つておりませんが、お勧めする。この附加された一メガ幅は水平方向の精密度を少からず増す。又併せてコンバーテイブル、即ち在来の白黒受像機でこのカラー・テレビジヨンを白黒のテレビジヨンとして受像できる方式です。このコンバーテイブルのカラー・テレビジヨンが開始される場合にはカラーのサブ・キヤリアー、サブ・キヤリアーと言いますのはカラーを送るために余分に入つておる波でありますがサブ・キヤリアーの電送を改善するであろう。こういうふうな意味であります。なお田辺君がプリンストンのRCAの研究所を訪問して意見を交換いたしました折にも、そこのこれはカラー・テレビジヨンのほうの最高責任者でありますが、G・H・ブラウンという人が、これは個人的にデイスカツシヨンをしたわけでありますが、今新しくテレビジヨンの標準方式を作るということについては、自分としては二つ意見を持つておる。そのうち一つは、これはバンド幅に関係がございませんので省略いたしますが、その一つはやはり七メガのほうがいいじやないかということを言つておりましたのでございます。勿論アメリカは広いですから、その中には立場の上から六メガ説の人も勿論あると思いますけれども、まあ相当今までテレビジヨンの発展に苦労したかたがたにはこういう意見のかだがかなりあるように思つております。カラー・テレビジヨンの方式といたしましては、御承知のようにCBSの方式とRCAを中心としたNTSCの両方の方法がございますが、これはCBSの方式は七メガを採用いたしますと、勿論これは殆んどそれに比例して絵がよくなります。同時に真空管の数も減ります。併し我々といいますか、技術者の側の意見といたしましては、この回転板、板を廻す方式はどうも余り歓迎しないのでありまして何とかもつと研究して、是非電子式を完成したい、それを実用したい、こういうふうに考えておるわけです。又同時にこのCBSの方式では相当無理がありますために、七メガにいたしましても勿論絵がよくなりますが、或る限界があるということは考えられます。それからNTSC方式のほうで七メガを採用いたしました場合に結局先ほどのフインクさんのあれにもありますが、一メガというものが非常に有効に使えるわけです。この一メガをどういうふうに使うかという点が問題ですが、これは一つの方向としては回路を簡單化するということはさておいて、絵をよくするという方向に使うやり方と、それから絵はまあ今の程度でいいからそれを一メガをフルに活用して、何とか回路をできるだけ簡單にしよう。こういう方法があるわけです。併し勿論いろいろ研究しなければならないことでありますけれども、私といたしましてはまあ日本の実情から申しましても、先ず以て価格のほうがやはりより重要に考えたい。こう考えております。これにつきまして我々のほうの研究所で調べて見ました結果によりましても、大体回路の構成によつていろいろありますが、十五乃至二十球くらいは省略できるだろう。従つてこれは値段にすれば三、四万円ぐらいに該当いたしますが、こういうふうな調査をいたしております。併しながらこれが、その技術が発達しますというと、その六メガの場合でも球の数が減る、こういうことは確かにドナルド・フインクさんが言つておられます。大体半分、三十二が十六ぐらいに減るだろう、追加される分がです。併しこれは私の考えではそういう技術が発達すればやはり六メガでも七メガでも両方に応用できるのでありまして、六メガの場合には技術の発達がある、七メガの場合は技術の発達がないということは言えませんから、やはりこのいわゆる絶対値の差額は別かも知れませんけれども、比率はやはり同じように六メガのほうがいつまで経つても価格が低いのじやないか、こういうふうに考えるのです。
 それからなおフインクさんの論文はまだどういう方法によつて減らすかということは明らかにされておりませんで、これ又推定でございます。勿論技術者といたしましては、あらゆる場合に回路を簡單にする、球の数を減らす、値段を下げることに常に努力しておりますから、勿論今後とも努力して或いはその半分ぐらいに減ることも近き将来にあるかも知れませんが、これ又今のところは具体的には示されていないように私は思つております。それで同時にその現在の開きはやはりこの比率といたしましては将来とも続くのじやないかと考えます。この受像機の価格の問題は非常に大事でありまして、現在のラジオのスーパーの場合にいたしましても、いろいろ研究機関を設けてできるだけ安くていいものを作ろうというふうな目的で進められておるわけです。カラー・テレビジヨンにつきましても、この価格がこれだけ違うということがあれば相当重視されなければならない、こういうふうに考えております。これはこういうふうな点からカラー・テレビジヨンヘの移行ということに対しましても、価格が七メガのほうが安いということから是非七メガにして頂きたいとこういうことであります。
 なおこのアメリカにおきますカラー・テレビジヨンの研究というものは、本来のつまりカラー・テレビジヨンの研究、まあ例えばイメージ・オーシコンの問題、トリカラー・チユーブの問題とか、これはまあバンドに関係のない本来のテレビジヨンの研究と、それからそのテレビジヨンのシグナルを如何にして六メガの中に押込もうかと、こういう研究と大体傾向が二つあるわけなんです。前者に対する、つまりテレビジヨン本来の研究というものは、これはもう七メガにしようが、幾らにいたしましようが、全部我が国に取入れ活用、利用できる部面であります。ところがこの現在におきましてアメリカで行われておる研究の中で、このあとの、何とか六メガに押込みたい、それにはどうしたらいいかという研究が、これがかなり大きな部面を占めております。勿論この二つの問題は関連しておりますから、これはこつちでこれはこつちというふうに言えないところもありますけれども、少くとも七メガにいたしますというと、今から始めるならばしなくてもいい研究というものがかなりあるわけです。併しながらこの六メガに押込むという研究におきましても、勿論その研究の成果は非常に貴重なものでありまして、直接間接に我々の今後の研究に役に立つことはこれはもう疑問がありません。ただ具体的な例えば特許の問題といつたような問題になりますというと、七メガにしておきますというと、わざわざアメリカのものを使わなくても済むという部面がかなりあるというふうに考えております。
 私どもといたしましては、今まで申上げましたように、この七メガを希望するということはこれは主として受信機の普及性とか、価格とか、画質という点からこれを希望するわけでありますが、これはたまたま結果から申しますというと、技術的には極めて比較いたしましてやさしい方向になるわけであります。七メガにするために日本で特にアメリカにはないようなものを発明したり何かしなきやならんということは先ず以てそうたくさんはなかろうと思うのであります。で、これは八木先生のあれではありませんけれども、我々は必ずしも安易な技術を選ぶということが初めから目的ではございませんで、今申しましたように、ほかの目的からたまたまそうなるのでありますが、併しながらそういう結果になるものをまあ何と申しますか、わざわざアメリカの通りにして特にむずかしく、値段も高くするということは、そういう必要はないのじやないかとこういうふうに考えております。まあこれが私どもの白黒の場合、並びにカラー・テレビジヨンの場合を総合的に考えて七メガを希望する次第でありますが、併しこれは七メガにすることによりまして六メガよりも一つのチヤンネル当りに一メガずつ多くの幅を必要とすることはこれは確かであります。実は七メガのほうがどうしてもこつちがかなり惡いのだという点は実はいろいろ検討しても余りないと思いますけれども、この周波数割当の問題だけはこれは確かに非常に強い弱点であるということは認めざるを得ないのであります。併しこの問題につきましては、実はアメリカでも御承知の通り低いほうの周波数のほうで十二のチヤンネルを持つております。又今後恐らく千にも二千にも放送局が殖えるのじやないかというような見通しがあるわけであります。それにもかかわらず相当活溌な、無線通信が一般に非常に活溌に運用されておるわけであります。それに対しまして、日本ではテレビジヨン用に一応割当てられましたチヤンネルは五つであります。又これは日本を地域的に考えまして局数が何百にもなるということはちよつと考えられないわけであります。従いまして、この一メガというものもアメリカほどの大きな影響はなかろうというふうに考えるのでありまして、日本としては、日本の国として非常に大事なテレビジヨンに対して一メガの余裕をどうしても認められないということはアメリカの事情と比べてちよつと私どもに理解できないわけであります。一般的に申上げまして周波数のスペクトラムをできるだけ節約するということはこれは技術者の責任であるということは申すまでもありません。又これは一つの技術の動向であります。但しその点につきまして、放送というものはちよつと特殊でありまして、非常に多くの大衆を相手とするという点でこれだけは特別に考えて頂きたいと思うのであります。要するにバランスの問題ではありましようけれども、放送というものに対しましては、受信機、受像機の値段というものはこれを犠牲にしてまでチヤンネルを無理に押込むということはまあこれは余ほど愼重に考えなければならんという気がいたします。一般的にこの周波数を縮めて行くということ、そういうふうに節約して行くというように技術が進むということは我々技術者としても最も望むところでありますが、例えば固定通信とかそういつた放送でない部面ならば、いわゆるそれぞれの価格というものは、それほど大きな国家的な影響を持つものではありませんから、そういうふうにせいぜい進歩を図ることは当然その期待もできますし、見通しもあると思います。で、このテレビジヨンに関する限りは、而もそれを理想的に言えばもつと欲しいところでありますが、一メガだけという点で何とかお許し願いたいとこう思うわけであります。こういうふうな点から申しまして、日本でテレビジヨンを始めると決心いたしました以上は、その重要性を考えますというと、周波数割当上テレビジヨンに一メガを割くということは絶対にできないとはどうも考えられません。而もほかの点で七メガより有利であるということも特別重要な点ではなかろうと思うのであります。而も現に一応七メガで五つのチヤンネルが割当られておる現在の状況におきまして、この七メガを希望したわけでありまして、そういう意味で聽聞会におきましても七メガを主張いたしましたし、現在でも七メガのほうがやはりいいというふうに確信しておる次第であります。
#46
○水橋藤作君 大体六メガと七メガの利害得失、プラス、マイナスの面をお伺いして、大分私もはつきりして来たのでありますが、なお重ねて二、三お伺いしたいのでありますが、この日本の技術及びメーカーにとつては七メガと六メガはどちらのほうが有利であるか。経済的或いは技術面、そういう方面にどちらがいいかということをどういうふうにお考えですか。
#47
○証人(溝上けい君) 将来の面ですか。
#48
○水橋藤作君 そうです。技術も加えてどうであるか。
#49
○証人(溝上けい君) これは七メガ、六メガと申しますと、全然方式が違つたようにお考えかと思いますけれども、部品から何から原理から何も別に違つたところはないのでありまして、ただちよつと調整を変えれば、先ほど申しましたように簡單な調整で受信機は六メガから七メガに改造もできます。そういうような意味におきまして、メーカーにとつてメガその他受像機がどうか、そういう面では違いはなかろうと思います。
#50
○水橋藤作君 ありませんか。もう一つお伺いしたいのは、六メガと七メガの周波の割当をもらう場合に、六メガと七メガの割当をもらうと、周波の日本に及ぼす影響がどういう方面にどういう影響があるというふうに考えておられるかどうか。
#51
○証人(溝上けい君) 例えば或るバンドがずつとまとめてテレビジヨンに割当てられておりましたならば、六メガ一つのチヤンネルことに一メガずつ違つて来るわけでありますから、従いまして六メガならば七つ置けるところへ七メガならば六つしか置けないというような差違が出て参ります。併しながら現在日本で割当てられておりますのは、そういうように繋がつておりませんから、一メガずつ余裕を出してそれをもう一度テレビジヨンの局に使うということにはならないわけであります。従いましてそのあとはテレビジヨン以外の何かの通信に使うということになります。それをどういう通信に使うかということは十分監理委員会の割当でありますから、たとえそれがありましてもテレビジヨンのほうを重要視して頂きたいと、こういうことであります。
#52
○水橋藤作君 そうしますと、テレビジヨンの希望としては七メガを希望するが、併し我々はそのほうは素人ですからよくわかりませんが、六メガと七メガの周波数の割当は、六メガと七メガで比較した場合にどこかの面の一メガだけ日本の周波数が少くなるのだということは言えるわけなんですね。
#53
○証人(溝上けい君) さようでございます。
#54
○水橋藤作君 そうですね。それからもう一つ七メガにした場合に、アメリカから受像機を買入れた場合にいろいろ修理を必要とする、六メガでも七メガでも大した技術面及び工業面には差支えない。そこで日本の今の技術工業界といたしましては、この受像機の生産能力と申しますか、技術面が可能であるかどうか。どういうふうに考えておられるか、その点……。
#55
○証人(溝上けい君) 一般にですか。つまりテレビジヨンの受像機というものは今のメーカーでできるかどうかということですか。
#56
○水橋藤作君 そうです。
#57
○証人(溝上けい君) これはいろいろな條件を含んでおりますが、現在まあ作つておるわけです、メーカーでも……。但しそれを大量的に作るということになりますと、工場施設その他が変つて来ますから、今すぐに月の生産をうんと上げるということはすぐにはできないと思います。併し技術的には受像機を十分作り得る技術を持つております。
#58
○水橋藤作君 そうしますと、アメリカからの受像機を買わなくとも日本のメーカーででき得るという見通しを持つておられると、こういうことに解釈してよろしゆうございますか。
#59
○証人(溝上けい君) これは日本のメーカーとしましては恐らくそのつもりであろうと思います。ただこれはまあどういうルートかわかりませんが、恐らく多少はアメリカのものも入つて来るし、又或る場合には或る程度のものは日本へ入れまして、日本の受像機の改善に何か参考になることがあればするという点からアメリカのものも或る程度来るという前提の下にこういう調べをいたしたわけでございます。
#60
○山田節男君 今の溝上証人の公述は私は非常に感謝します。今日まで電波監理委員会と言わず、その他のいろいろな御所見を聞いても、どうもすつきりしなかつた、これはやはり溝上氏の実験に基く、本の上だけでない、実験に基くいろいろな比軽検討から述べられただけに、非常に私も頭がすつきりしたような気がします。この点は非常に私は大きな收獲だと思つて感謝している次第であります。なお、私、これは素人で非常な愚問になるかも知れませんが、今の溝上証人の、七メガがいいとおつしやる御意見の中に、この電源周波数との関連の場合、これが同期、非同期の問題、今言われましたが、七メガサイクルにした場合には、このアメリカと同じような同期制がいいとおつしやるのか、或いは電波監理委員会が言つている非同期制がいいのか、この点をちよつとお聞きしたいと思います。
#61
○証人(溝上けい君) それは、その点は六メガ、七メガの問題と関係ないと思うのです。いずれにしても相当大きな負担になるわけです。
#62
○山田節男君 この日本の電源周波数が六十キロサイクルと五十キロサイクルになつておりますね。その場合に、七メガサイクルをやつた場合に、六メガサイクルでやるよりもその絵の質がいいと言い得るかどうか、非同期にしていると……これは技術的な話で私はよくわかりませんけれども、その点が七メガサイクルと六メガサイクルの特質を論ずる場合に、日本の現在の電源周波数が違うという現状に即して、六メガサイクルで非同期としてやるほうと、七メガサイクルで同期、或いは非同期でやる場合と、どういうふうにしたらいいかということですね、技術的に……。
#63
○証人(溝上けい君) それは、その点は全然別個の問題でございます。
#64
○山田節男君 別個の問題……周波数の帶幅に関係ない問題ですか。
#65
○証人(溝上けい君) ええ。
#66
○山田節男君 それから、この聽聞会に恐らく出しただろうと思うのですが、電波監理委員会が七メガサイクル、六メガサイクル、両標準方式の比較資料として出しておりますね、御覽になりましたか。
#67
○証人(溝上けい君) はあ、まだ……。
#68
○山田節男君 その次に、七メガサイクルと六メガサイクルの値段の点において、或いは能率といいますか、絵の品質ですね、比較検討してですが、これはどうですか、あなた技術的に御覧になつて、電波監理委員会が比較しろと言つて出しているこの表は正しいと思われるのですか。
#69
○証人(溝上けい君) これはいろいろな場合が書いてあるようでございますが、大体先ほど申上げましたように、七メガをフルに働かせる、七メガの画質をフルに出そうといたしますと、まあ値段が上らない場合もありますが、最高上りましても二%、二%殖やしますというと、感度はむしろ上廻つてむしろ上り過ぎるくらいなんです。それから、六メガサイクル、つまりアメリカの程度の画質で我慢をするということならば、これには区別していないようですけれども、或る受像機では全然上りません。それから或る受像機では、その場合でも、まあ若干感度も落ちます。ですからそれもやはりあらゆることを考えて、最高二%程度だということは言えるわけです。従いまして、その全然変らんか、若しくは最高二%上つて、而も感度は初めのまあ五倍とか七倍ぐらい上る、こういうことでございます。これはまあいろいろな場合がありますので、一々はちよつとあれですけれども……。
#70
○山田節男君 これは電波監理委員会が七メガ説と、六メガ説を比較して六メガ説がいいということを断定した非常に重要な資料だと思うのです。これは他のかたにお願いしてもいいのですが、殊にあなたのように実際実験的なことに従事しておられるかたでありますから、一つ率直に七メガサイクルがいいという御観点からのこの電波監理委員会の資料の六のこれ、一つまああなたから御覧になつた御判定を文書にして各委員に、これは重要なものだと思いますから、七メガサイクル、六メガサイクルの論争を公式に一つ文書として我々委員に御意見を……、これはいいとおつしやればいいのです。これに対して幾分でもこの電波監理委員会の特質に対して御批判があれば、一つ我々に示して頂きたいと思います。
#71
○新谷寅三郎君 二つほどお聞きしたいと思うのですが、これは後ほど資料でお出し願うということでもどちらでも結構なんです。一つは、今山田委員も触れられましたが、先ほど御指摘になつた、聽聞会の資料の三百二十四頁にあります日本放送協会の資料によれば、受像機の値段がせいぜい二%くらいの増加に過ぎないということの何か調書を聽聞会に提出されておるようですが、我々が見てわかるかわからんかわかりませんけれども、それの写しを提出して頂けるでしようか。
#72
○証人(溝上けい君) 承知しました。
#73
○新谷寅三郎君 それからもう一つは、先ほどお話の中にありましたが、仮に受像機を他の国から輸入をした場合に、あなたは三つのフアクターを挙げて、こういう点に関連して改造しなければならんということをお話になりました。それでこの三つのフアクターがこの改造費にどのくらいのパーセンテージで影響があるものかですね、結局まあコイル巻替え等の周波数が違うために要する改造、それから同期、非同期の問題を処理するために要する改造、それから先ほどおつしやつた六メガ、七メガの問題に関連してしなければならない改造、それがどの程度にありますか。これはまあ必ずしもこれはビジネスとしてもそういうことはまだ始まつておらないことでありますが、一応机の上の計算だと思いますから、今の見通しでは、これはこういうふうな理由でこの部分を改造しなければならないから、或いはこういう改造をしなければならないからどのくらいのパーセンテージになるか、その改造費というものが全体で、仮に今二百ドルなら二百ドルという受像機を対象にして考えた場合に、どのくらいの改造費が要るものか。これもこの問題とは違いますけれども、併せてそこで説明して頂ければ非常にはつきりするだろうと思います。
#74
○証人(溝上けい君) 先ほどの引用いたしましたこの二%という数値の根拠は、これは早速お届けいたします。別に理論でも何でもないので、すぐわかる資料でございますから……。
 それから改造の点につきましては、まあ大体は今でも見当はついておるのですが、大体その何千円というほどはつきりしておりませんので申上げなかつたのですが、初めの二つのほうですと、まあちよつと千円を超えることに……二番目の同期、非同期の問題なんかは二千円とか三千円とかいうことになると思いますが、ちよつと見当つきませんが、大体そのようなところです。あとの七メガ六メガに対するやり方につきましても、御説明いたしました通り、要するに調整して、或いは小さい部分を幾つ取付けるという程度で済みますから、これ又恐らく千円以下の程度ではなかろうかと思います。これは研究所で以てもつと詳細に調べさしまして、推定でありますけれども、大体具体的なことを御報告いたします。それから今お話のように表の、つまり受信機の価格の問題はいずれあとからあれしますけれども、例えば一番上の段の、価格が高いというのは、少し言葉が強過ぎるのじやないかと思います。少し高いという程度で殆んど同じかと……、これはまあ或る場合には先ほど申上げましたように、全然同じと言つてもいいのじやないかと思います。これはあとから又……。
#75
○山田節男君 この日本のテレビジヨン放送の場合ですね、受像する場合に一番問題になるのは、やはり日本の、殊に都会においての雑音ですね、電気雑音、これは全然整理していないのです。アメリカのようにこれは最近R・C・Aからくれたところの資料によりますと、電気雑音の妨害を極度に避け得るものは結局これはウルトラ・ハイ・フリケンシー、U・H・Fこれがいい、U・H・Fでやれば、アメリカは今日チヤンネルが少なくなつておる。このU・H・Fにつければスペクタルが幾らでもある、テレビジヨンの場合は、電気雑音による妨害が非常に少ないと言つておる。これは我々として考えなくちやならんわけですが、この今の日本のような非常に原始的な電気雑音が非常にあるところで放送するという場合に、六メガと七メガという場合に、七メガにすれば雑音による妨害を少なくし得るという、何か技術的な論拠があるのでしようか。
#76
○証人(溝上けい君) この周波数帶の幅と、それから雑音の問題は、これは一般的な常識といたしましては、バンドを広くしたほうが雑音が殖えるのです。ですけれどもテレビジヨンの場合につきましては、ちよつと特殊な技術がございまして、大体受像機の中で発生する雑音につきましては、受像機と申しましようか、装置の中で発生する雑音につきましては、七メガ、六メガ殆んど差がないというように研究されております。但し雑音でなくて、混信の場合は、これは例えば横に拡げて一メガのところに丁度拡がつたところならば、これは六メガならば出ない、七メガならば出て来る。これは確かに反対でありまして、丁度すでにテレビジヨンの専用に割当られたバンドの中で拡がつたところに丁度混信が入つて来るということはそうたくさんのケースではなかろうと思いますので、我々のほうではどつちかと言えば七メガのほうがちよつと雑音、混信が多いと思いますが、まあ殆んど実際上は違いはないと考えております。
#77
○山田節男君 それから現在NHKで実験放送でやつておるテレビジヨンを見まして、殊にアメリカで三カ月ばかりも努めてテレビジヨンを見て、久し振りでNHKの実験放送を見ますと、非常にフリツカーが多い、これは私びつくりしましたくらい、前に見ていいと思いましたが、アメリカのものと比べると非常に画質が惡い。これは東京都のいわゆる電気雑音といいますか、自動車或いは工場の機械、或いはX光線、こういつたもので、これが私は非常に大きな要素になつているのではないかと思う、素人考えですが。例えばこのままにしておいてですよ、テレビジヨン放送を今年の秋でも、来年でもこのままにしてやる場合には、アメリカの今の受信機を使つても、果してコリテイがアメリカのあの完全なピクチユアー程度にとれるかどうか。これはNHKの現状から見てどういうふうにお判断になりますか。
#78
○証人(溝上けい君) このフリツカーの問題とか、それから雑音の問題でありますが、今のアメリカのものよりもフリツカーが多いというのは、純粋の意味のフリツカーでありましたならば、これはアメリカは三十枚でやつております。日本の今東京の地域では二十五枚でやつております。従いまして、その点から多少フリツカーが多いであろうということは予測されるわけです。併し同時にいろいろな雑音の点から、丁度フリツカーに相当するように画面の惡くなるという点もございます。現在今実験では私のほうは研究所から電波を出しまして相当遠方の市内で受けておる、従いまして電力も小さいという点がありまするので、雑音のほうは電波との比率によつて違つて来ますから、雑音が相当ありましても、電波さえ相当あれば雑音を打消していい絵が出る、恐らく市内から出すようになれば、今の雑音の問題は現在よりよくなると思います。併しながらテレビジヨンについては、雑音はこれはアメリカでも、ヨーロツパでも非常に重要問題であります。殊に一番厄介なのは自動車の雑音、それで外国では戰前からもそういう雑音の出ないようなものを採用しておる、そういう傾向は、日本でもこれは自発的にメーカーがやるか或いは法令的にきめられるかも知れませんが、そういう方向に行きませんと市内の放送局に近い所はいいが、少し外れに行つて電波が弱くなると、放送局のサービスの区域が雑音で制限されるということになりますから、これはどんな方法ででも是非とも雑音を少くするような措置を講じてもらいたいということをお願いしたい。
#79
○山田節男君 それでテレビジヨンのアンテナですね、これは非常に高くなくちやいけないのですが、今砧にあるNHKのアンテナの高さは何百フイートあるか知りませんが、少くともニユーヨークのエンパイア・ステイト・ビルデイング、あれは千四百五十フイートばかりある、少くとも東京を中心にして半径十キロ、十キロに受像できるようなテレビジヨンの送信をする場合に、どのくらいの高さのアンテナが要るのですか。又東京の市内の近くで果して千フイート以上の送信アンテナが張り得るかどうか、こういう点はどういうようにお考えになりますか。
#80
○証人(溝上けい君) 高さと範囲のあれはちよつと計算しなければいけませんから、のちほどお答えさせて頂きます。それから鉄塔の高さはこれは別に金でも掛ければ相当高くなり得ますから、敷地の広さの問題とか、そういうことを具体的に調べまして、どれくらいの経費を掛けるということによつてできる。技術的に高さはどれくらい以上は高くはできないということは別にないと思います。同時に或る程度高い土地を選びますれば、平均の地上からの高さによつてきまりますから、土地の選定をうまくやれば割合いうまく行ける、東京近所には山はありませんが、附近に山のある所ならばロスアンゼルスのマウント・ウイルソンのような所ならば非常に範囲が広くなる、これはそう重大に考えなければならん事柄でもない。
#81
○委員長(鈴木恭一君) 溝上証人に対する質問はこの程度にいたします。この際電気通信委員会を代表いたしまして、両証人に御挨拶を申上げたいと存じます。本日は御多忙のところを長時間に亘りまして、貴重な御意見を私ども拜聽することができまして、誠に有難とうございました。厚くお礼を申上げます。
 本日の会議はこれで散会いたします。
   午後零時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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