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1951/05/23 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 電気通信委員会 第23号
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1951/05/23 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 電気通信委員会 第23号

#1
第013回国会 電気通信委員会 第23号
昭和二十七年五月二十三日(金曜日)
   午後二時十九分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     鈴木 恭一君
   理事
           尾崎 行輝君
           山田 節男君
   委員
           大島 定吉君
           寺尾  豊君
           新谷寅三郎君
          小笠原二三男君
           水橋 藤作君
          池田七郎兵衞君
  国務大臣
   郵 政 大 臣
   電気通信大臣  佐藤 榮作君
  政府委員
   電気通信省電気
   通信監     山下知二郎君
   電気通信大臣官
   房人事部長   山岸 重孝君
   電気通信省業務
   局長      田邊  正君
   電気通信省施設
   局長      中尾 徹夫君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       後藤 隆吉君
   常任委員会専門
   員       柏原 榮一君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○日本電信電話公社法案(内閣送付)
○日本電信電話公社法施行法案(内閣
 送付)
○国際電信電話株式会社法案(内閣送
 付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(鈴木恭一君) これより委員会を開きます。
 日本電信電話公社法案、日本電信電話公社法施行法案、国除電信電話株式会社法案、予備審査でありまするが、本日は総括質問を願います。
#3
○新谷寅三郎君 私は二、三点総括的な問題についてお伺いしたいのですが、実はこれは内閣委員会との連合委員会でお尋ねしたほうがいいかと思うのですが、私この次の連合委員会には出られませんので、今日は各委員のお許しを得てその点に触れてお尋ねしたいと思うのであります。
 一つの問題はこの郵政省設置法の一部改正法律案、ここに書いてあるのですが、今度の日本電信電話公社、この監督官のような形で電気通信監理官というものを置かれるようでありますが、今回の政府の各省機構の改革案、これを通覧いたしますと、これは非常に行政組織法の上から見て私はどうも納得のできない問題があるのであります。丁度電気通信監理官がやはりそれに関連する問題であると思うのであります。と申しますのは、この電気通信監理官、或いは観光監或いは統計監というような一つの官名をこしらえて、その監が処理する事務はこういうものであるということが書いてあるのですが、これは或る個人をそういう何とか監というものに任命されることは、これは適当であろうと思うのでありますけれども、恐らくこういう監理官或いは観光監とか、統計監とかいうようなものは、やはりその下部にその組織を持つことになると思うのであります。現在の電気通信省の設置法でも通信監というものがあつて、通信監は通信監室というものを持つて通信監室の仕事を統轄しておられる、これは行政組織法上の一つの組織であります。今回の行政組織法はそういうような特例を認めておりませんし、政府の機構に関するいろいろの各省設置法の改正案にもそういう特例は認めない建前で処理しておられるにもかかわらず、こういう監理官とか観光監、統計監というようなものをこしらえて、その下に課長というような者を置いて、相当の人員をそこに置いておる。いわばこれは組織を持つということを考えておられるようですが、そういうことになると私は明瞭に行政組織法に真向から違反するのではないかということを考えるのであります。従つてこの電気通信監理官というのは二十一條に書いてありますが、二人置いて、そうしてその下に一体どういうふうな機構を持たれるか、どういう程度の仕事をやられるのかということをお伺いしたいのであります。
 私から申上げるまでもありませんが、電気通信監理官はこれこれの事項に関する事務を「掌理する」ということが書いてあります。一方では保安庁法案の十六條、ここにも局長や課長はその以部の事務を「掌理する」という字が使つてあります。それから資源調査庁設置法の九條にも、事務局長が事務を「掌理する」という字が使つてあります。大蔵も同じような字を使つてありますが、局長、課長が事務を掌理することと電気通信監理官が事務を掌理することとは、これは同じように考えておられるかどうか。若し同じように考えておられるとすれば、これはやはり或る組織を持つてその事務を統轄して行くという意味ではないか、その点行政組織法の上からいつても根本的な私は疑義を持たざるを得ないのであります。その点御説明を願いたいと思います。
#4
○国務大臣(佐藤榮作君) 坐つたままでお答えすることをお許しを得たいと思います。
 今回の電気通信監理官制度を設けましたのは、先例としては専売公社に対する監理官と同じような考え方でございます。そこで今回公社を作り又会社を作るという場合に、政府の監督機構を如何にするかという問題が根本の問題に相成るわけでありまして、私どもの考えといたしましては、公社並びに会社を作りますゆえんは、できるだけ民間機構と同じように責任の所在を明確にすると申しますか、これは表現が不適当ですが、むしろそれよりはその事業を遂行するその衝に当る人の責任におきまして、本来の使命を達成して行くように、できるだけ事業遂行の衝に当る人の工夫なり努力なり、或いは才腕なりを十分振えるように考えて、広汎にそれらの人に任せるほうがいいのじやないか。政府機関がこれに監督或いは指導という名目で広汎に亘つて干渉することはできるだけ避けるべきではないかというのが基本の問題になつておるわけであります。そこで最終的に国民或いは国家等に対する責任の所在は勿論政府でありまして、公社の場合においては、公社は政府関係機関として事業を遂行するわけでありますので、その意味において政府の責任に帰すべき大筋の問題は、これは十分そのスタツフも揃えて業務遂行上遺憾がないようにいたして参りたいと思うのでございます。この考え方から在来のような監督局というような機構を考えないで監理官という制度を考えた。而もその監理官はできるだけ少数の者にして、そうしてその下部機構といたしましては、只今お話のありましたような監理官室というようなものを作る場合におきましても、これも非常に少数の人、少数精鋭者によつて事務を掌理して行く考え方をとつたわけでございます。而してその根本になりますものは行政組織法第二十條の第二項のその條項を基本にして只今申上げるような監理官制度を考えて、それを郵政省設置法の中の第二十一條に実は規定をいたしたわけでございます。行政組織法とその点では別に矛盾はないのではないか。むしろそればかりではなく、公社を作り或いは会社を作る場合においての政府の干渉の範囲をできるだけ減らして、簡素な組織機構にするという点から申せば、むしろ監理官制度は最も望ましいものであると実は自画自讃しておるような次第でございます。
#5
○新谷寅三郎君 郵政大臣の御意向はわかつたのですが、第二十一條の二項というようなものは、この書いてある通りに、電気通信監理官が数人おつて、その数人の人が監理をするだけで、そうしてそこに下のほうに別に課も置かないというようなことであれば、行政組織法第二十條の二項に該当するのではないかと思うのです。併し現在でも電気通信監という者が、やはりこれはもう明瞭に通信監というものは組織立つております。通信監という名前を附けなくても、大臣官房に例えば電信電話公社の管理のために幾つかの課を置いて、これを総轄して処理をして行くということになりますと、これは組織になる。この行政組織法の二十條の二項には、これに対する事務の一部を総轄整理する場合も同様ということが書いてあるのであります。総轄整理ならば私はこの條文に当てはまると思いますが、先ほど申上げますように、或る事務を処理するということになつておりますと、局長、課長がこの局の中の事務を処理するということと全く同じではないか。従つてこの二十條の二項の後段にも該当しないという考えを以てお尋ねしておるわけなんです。十分郵政大臣の意見は私は納得できないのでありますけれども、これについて更にお答えがあれば伺つておきますし、或いは御研究の上でお答えになるようでしたら、次に内閣委員会との連合委員会でこの問題につきまして私はもつと詳細に論議をして見たいと思います。
#6
○国務大臣(佐藤榮作君) 只今のお話のように、別に監理官の下に課や部を設けるような考え方は持つておりません。従いまして今予想しております監理官の事務遂行上必要なものとして考えられますものは、タイピスト等を含めてせいぜい十名前後ではないか、これは最後の定員の想定はいたしておりませんが、十名前後、或いは十二名になりますか或いは十五名になりますが、そのくらいの人で、小さなものでその事務を処理して参るつもりでおりまして、組織めいたものは考えておらないような次第でございます。
#7
○新谷寅三郎君 次の問題に移ります。これは二つあるのです。一つは、公社法にあることですが、最近政府がいろいろの事業をやる場合に外債の問題をしきりに考えられ、又或る程度そういうことを構想しておられるようですが、その公社法によりますと外債に関する若干の規定がありますけれども、この電信電話公社に対しまして外債は成る程度予定しておられるのかどうか、と言いますのは、御承知のように国の財政資金が主たる建設の財源になつておりますが、この現状ではなかなか建設が促進されない。もつと広く一般の資金も、いわば民間資金も利用しなければならんということをかねがね本委員会で主張しておるのでありますが、外債までは実は今日まで論議されておらないのです。そこでこういうふうな規定を置いておられるのは、或る程度外債についての見込と申しますか、そういう予定と申しますか、というようなものを郵政大臣としては持つておられるのか。そういう話合いでも進められたのかどうか、若しそういう場合には外債……これは仮定の問題でありますが、外債を引受けてもらう條件としてどういうふうな條件で外債が引受けられる予定であるか、そういつたことにつきまして郵政大臣から現在の段階におけるお考えなり状況についての御説明をお伺いしたい。
#8
○国務大臣(佐藤榮作君) 主として外債の点についての資金獲得のお尋ねのようでございますが、この公社並びに会社の場合の資金獲得という問題を内外債併せてこの機会にお話をして見たいと思います。
 御承知のように今までの電通省で、政府がやつております際におきましてはこれは政府資金、国の財政資金で賄つておられたものではございますが、この財政資金自身は、今御指摘のように時節柄なかなか十分なものが出て参りません。そこでいろいろ工夫をいたしまして、国内における民間資金なり、或いは国外、いわゆる外国の資金なりを吸收し得るようなものをとにかくここに考えて見よう、これが公社を或いは会社等を計画いたしました基本になるのでございます。そこで今までの資金、今後の資金といたしまして一応考えられると言いますか、非常にその点は……構想上の問題で今具体的な話が進んでいるというわけではないのでございますが、構想として考えられますものは、国の財政資金であるとか、或いは政府からの借入であるとか、或いは又公社債の発行によつての民間資金の吸收であるとか、同時に又外債等が目標として考えられるわけでございます。併し国内の資金獲得につきましても、只今資金獲得の規模等が明確になつておるわけのものではありません。今日この法案を審議して頂きます場合におきましては、ただこれらの途を開くというまあ授権立法的な考え方で法案を提出して御審議を願つておるのでございまして、国内資金自身についても具体的な資金獲得計画をこの際御披露申上げる程度にはなつておらないのでございますが、更にこの外債の問題に当りましては一層その点は漠としておるのでございます。と申しますのは、各種の産業等が外資の導入等いろいろ計画いたしておりますが、やはりこれはいわゆるコンマーシヤル・べースによる外資の導入ということに相成るのでございます。従いまして、公社を作り或いは会社を作る場合におきましても、コンマーシヤル・ベースに立つての外資の導入ということを考えて行かなければならない。そこで事業遂行上の信用、或いは資力信用を獲得する上に便するような方法で、公社案なり会社案を作らなければ相成らないのでございまして、そういう意味においてこの外債獲得という問題は、今御審議を願つております法案……総体との関連で強く考慮しなければならないことに相成つておるのでございます。
 話が本筋からよほど外れたようで誠に恐縮でございますが、考え方といたしましては、以上申上げた点に一応盡きるのでございます。只今お尋ねの外資導入の具体的な話合いがあるかということにつきましては、只今全然ありません。これだけ明確にお答えを申上げておきたいと思います。
#9
○新谷寅三郎君 次の問題をお尋ねしますが、私はかねてからこういう電気通信事業とか或いは郵政事業、こらいつたものは組織とか制度、これも大事な問題でありますけれども、一番重要な問題は、現業事務が円滑に遂行されるような組織であり、又そういう仕組でなければならんということなんであります。今日の電気通信省ができます場合にも私は極力強調しておいたのですが、あの法律案によりますと、ともすれば定員を殖やさない、現在の定員で何とかやつて行けますというお話でありましたが、これで行くと、きつと或る程度管理機構に現業員が吸収されて、非常に繁忙である現業要員が食われるのじやないかということを質したのでありますが、そういうことは絶対にありませんという当時の大臣の御説明であつたにかかわらず、結果は私が心配したように或る程度管理要員が殖えて、現業要員が圧縮されたという結果になつたのであります。非常に私はこの点は遺憾に思つておるのでありますが、この公社をお作りになる場合に、現在現業から吸い上げて来た要員というものをやはり本来の姿に帰して、現業第一主義で、現業にやはりこれを帰して行かなければならない、こういうことを考えるのでありまして、いわば現業第一義の仕事の態勢をとつて行かなければならんということを痛感しておるのでありますが、その点に対して大臣はどうお考えになつておりますか。
 それからもう一つは、同じように現場の仕事でありますが、政府案によりますと郵政省の事務は郵政省がその系統に従つて郵便局を使つて仕事をする、又電信電話公社は、この公社法案によつて末端に至るまで或る程度の仕事をすることになります。もう一つの国際電信電話株式会社法案によりますと、国際電信電話株式会社も又同じように或る程度窓口も持てるということになるようであります。そういたしますと、現在郵政省と電通省が分れまして、所によりますと現場は非常に困つております。今度はそのほかになお株式会社の職員が並んで窓口に坐ることになりまして、或る場所では恐らくこの三者の現業員が並んで仕事をするというようなことも考えられるのであります。その間待遇或いはいろいろな制度上の諸問題について違つたところがなければよろしいのでありますが、当然違うわけでありますから、窓口事務につきまして規則類はちやんとお作りになりましても、実際に非常に混乱を来たしはしないかということを心配するのでありますが、これに対して私は思い切つてそういうことのないように処理をされるお覚悟は勿論あると思うのですが、大臣の御見解を伺つておきたいと思います。
#10
○国務大臣(佐藤榮作君) 新谷委員のこの種の事業官庁としての基本的組織についての考え方については、私全然同感でございます。即ちこの種の事業官庁としては現業第一主義であるべきだと思います。これは只今御指摘の通りだと私も考えておるところでございます。
 そこで今日までの電通省の機構そのものをそのまま公社に移しますにつきましては、必ずしも今言われましたような事業遂行の基本観念から見て満足すべき状態でないように考えるのでありまして、御承知のように占領下におきまして電気通信省が生れて、而もその際に取入れられたものがいわゆるライン・オルガニゼーシヨンと申しますか、ライン・システムというような新らしい制度を取入れて参りました。で私ども入つて見ますると、如何にも管理機構か相当複雑のように考えられるのでありまするし、殊に本省機構自身も非常に大きいものでありまするが、更に現業との間のことを考えますると、地方の局であるとか通信部であるとか、或いは管理所であるとか、或いはその下の局だとか、このようにいろいろ数段階に分れております。そこで業務遂行上から見ましても、それらの機関相互間においても重複しておる面も非常にありますので、この機構については当然何らか簡素なものを考案すべきだというようには考えておるのでございまして、そこでいろいろ研究も続けております。併しこれを今日直ちに実施することがいいのか悪いのかということになつて参りますると、今折角公社案を御審議を頂いておるわけでございまするし、公社の最高責任者もまだきまらない次第でございまして、それを公社法を作つた者だけで、公社経営の衝に当る人の意見を聞かないで組織を作ることは、これはどうも少し行き過ぎた感がするのじやないか、むしろ公社経営の衝に当られるその責任者において只今申上げるような点をもう一度検討されて、我々が今持つておる資料なり調査の結果等をそのほうへ移すことによつて、実施は公社設立後に工夫されるのがどうも筋じやないだろうかというように、只今は私どもは考えた結論になつておるのでございます。そこでこの機構自身の問題はそういう考え方をしておりますから、只今まだ公社の最高責任者のきまらない間に具体的に進める考え方は持たないのでございますが、いろいろこの点については従業員自身も心配しておる向きがあるやにも実は聞くのでございます。丁度お尋ねがありましたので、私どもの考えておることを率直に申上げまして、むしろ誤解を引き起したくございません。殊に大事な現業の遂行でありますだけにそういうように考えております。それからもう一つは、御承知のように今までたびたび機構の改革をやつて参つたのでございますので、最高責任者のきまらないうちに機構いじりは絶対これは避けたいという考え方もあるわけでございます。
 それでこの管理部門と現業とに対する考え方は御了承が頂けるかと思いますが、次に只今新谷委員からお話になりました末端の事務の分担が、郵政省の事務、或いは今後できる公社と会社と、それらの三者の事務を如何に分配するかというお話、これはひとり電通職員或いは郵政職員だけの問題じやなく、利用者の立場から見ましても、現在の状態では随分お困りな点があるのではないかと思うのであります。私自身は昔の制度しかよく知らないほうで、とにかく郵便局へ行けば郵便も出せるし、同時に電報も打てるし或いは又電話についてもその場所において或る程度公衆電話等も利用が自由にできた。ところが今度は郵政省、電気通信省に分れて、郵政事務のほらは郵便局でやる、電報は電報局へ行く、或いは電話は又別の場所だ、こうなりますと、利用者のほろから見ますと、なかなか新らしい制度に慣れないために相当の不便を感じておるようでありまして、やはりその郵便局の中で同時に電報も扱つてもらいたい、全然別の電報局へ行かなければ電報が扱えないというのも非常な不便な点だという批判も伺つておるのでございます。ところが新谷委員のお話にもありましたように、それぞれの経営主体が違う場合におきましては、待遇もこれは同一ではないし、又人事管理という面から見まするといろいろ問題もあり得るのでございます。その点を業務遂行上支障がない、利用者には便益を與え、而も只今申上げるような三経営主体によるまちまちな人事、給與その他の待遇等当然或る程度の差があるだろうと考えられる、そういうような相違のあるものを一カ所に集めて人事管理を複雑にしないようなことを考えようといたしますると、ここで業務の扱い方におきましても根本的な工夫をこの際に実施して行かなければならないように思うのでございます。いわゆる普通局以上の局におきましては、これは仕事の量等も非常に量が多いのでありますので、郵便局なり或いは電報局なりを別々にいたしましても、これは相当人事管理上から見て偏するばかりでなく、又その地方から見ましても一応我慢して頂けるかと思いますが、新らしく委託業務の制度を考えることによりまして、郵政省の職員であつて公社の業務の委託を受けて、その場所で、例えば郵便局なり郵便局において電報事務を扱えるようなことを考えるとか、こういうような人事管理上の大筋を立て、而も業務遂行上には支障を来さないような工夫を十分いたして参りたいと考えているのであります。
 今日も地方の小局等におきましては郵政職員とそれから電信電話等を扱つている職員が一郵便局内にいるわけであります。只今申上げるような委託業務の制度を広汎に採用することによりますれば、身分は郵政省に属し、業務はその公社の業務を担当し得るというようなことにも相成ると思うのであります。この制度を相当広汎に取入れて参りたいと考えているような次第であります。殊に大都市等におきましては電報局の設置等は、これも公社になりますれば在来よりも一層進んで参り、更にサービス本位に考えて参りたいと考えております。只今言うような委託業務というその制度を採用することによりまして相当の需要に応え得るのじやないかと、実はかように考えているような次第であります。
#11
○新谷寅三郎君 他の同僚議員からの御質疑もあると思いますから私はこの程度でやめますが、もう一点最後に伺つておきます。
 それは国際電信電話株式会社法案に関する質疑でありますが、この会社法案は結局公社から国際電信電話に関する事務を一応分離いたしまして、これを一つの会社組織でやらせようということであります。提案理由を承わりますと、一応内容について御説明があるようでありますけれども、これは見方がいろいろの観点からいたしますると、結論もいろいろ変つて来るわけでありますが、この国際電信電話株式会社にしたほうがより国際電気通信の業務を遂行する上に便宜であるという前提ですね、それについてもう少し大臣から内容的な御説明を頂きたい。
 それからもう一つは、この国除電信電話株式会社法に関連いたしまして、戰争中、つまり終戰時までにありました昔の国際電気通信株式会社、今日私の記憶しているところによりますと相当に大きな設備を持つておつたのであります。仮にこの法律案が通るという前提において考えました場合に、昔ありましたような会社の内容でありますと、これは或いは資金は若干集めやすいかも知れません、又公社では得られない種類の違つた資金が集るかも知れないという便宜はあるかも知れませんが、丁度国際ラインというので東京から福岡を通つて、ケーブルで釜山に行つて大陸に行くというような大きな国際メイン・ライン、こういつたようなことも国際電信設備に必要欠くべからざる設備でありますから会社に持たせるのだということになりますと、昔ありましたのと今度は逆にその会社の設備を公社が一部分借受けて仕事をしなければならないという結果になるかとも思うのであります。そういうようにどちらが母家かわからないということになつてしまいますと、非常に公社の仕事を運営する場合にも差支えが起るのじやないか、従つて国際電信電話株式会社に出資を予定する財産というものは、対外通信を行うに必要な最少限度の設備でなければならないということを考えるのであります。この点は今の予定ではどういうことになつておりますか。実は山田委員からでありましたか、具体的な財産の目録を資料として要求されておりますが、それをまだ頂いておりません。いずれそれを見ればわかるのでありますが、大体の方向としては今私が申上げたように、余りに会社にそういう主要幹線の設備を持たせるという建前になりますと、どちらが母家かわからないということになつて来ますから、この点についての方針を大臣から承わりたいと思います。
#12
○国務大臣(佐藤榮作君) お尋ねは非常に要領よくお尋ねになりましたが、問題は根本の問題でありますので、話が少し筋道を外れるかも知れませんが、その点お汲取りを願いたいと思います。
 今回機構改革をいたしました場合の基本考的え方は、行政制度審議会等の答申もありましたし、更に又その以前に国会等におきましても決議を頂いている筋もありますので、電気通信省という国が直接経営する形態を公社の形態に移そうと考えたのであります。勿論国会等におきまして決議をなさいました公社と今できております公社というものは、内容が同一というわけではありませんが、つまり経営主体について一つ何らかの工夫をこの際進めまして、そうして真にこの公益性を十分発揮するような、又能率的な制度を考えて参りたいと公社案を考案いたしているのでありますが、その際に電気通信の業務を国内部門と国際部門に分けることの当否、更に分けた場合の経営主体を別にすることの当否、又分けるとすればどういうように業務を分割するか等を、これは業務と言いますより設備でありますが、設備を分割するか等をいろいろ工夫いたしたのであります。国内部門についての公社ということにつきましては、内容についての御議論は多分おありのことだと思いますが、この大まかな方向については或る程度の御了承は頂けるのじやないかと実は了承もいたしております。併しそれにしても会社を分けること自身についてはこれは国会等の意思がはつきり出ているわけではないのでありまして、この点は電気通信省と申すよりも、私どもの特別な工夫に基いて会社を作つたわけでございます。ところがこの会社を作りました基本的な考え方は、只今の新谷さんのお話にもございましたが、国際的な通信を主体に考えて見ますると、これは国内における形態と申すよりも国際的な観点における形態、相互の間のことを考えるほうが主体になつて参るのでありまして、外国等の例を見ましても、国際部門だけを分離している国は相当多数あるし、又それらの形態は国の直接経営でなくして、会社形態を採用しているところも非常に多いのであります。それらのことから考えますと、過去において特殊使命を持つて来た、もつとはつきり申せば軍事的にも相当使われておりました電気通信施設と今日の電気通信施設は考え方を相当変えて考えても然るべきじやないか、いわゆる国際的な形態、方向で物事を考えて行くことが事業の発展を企図する上から望ましいのではないかというような意味から特にこの会社案を考えたのでございます。その会社を考えましたが、この会社を作ります場合に非常に問題になりますのは、只今お尋ねがありましたところのこの会社に設備を提供する範囲、政府が現物出資する範囲を如何にするか、又その出資の価格、いわゆる評価を如何にきめるか、この二つが非常に重大な問題であるのであります。過去の国際電気通信会社と申しますものは、これは設備保有会社でありまして、従いまして只今お話になりましたように設備だけを持つている。そうしてそれが国内においても国際的な関係においてもメイン・ルートであると考えられるものはやはりこの会社が持つていた、その意味において御指摘のように、国内の通信通話の場合にこの国際電気通信の保有している施設を借りなければならないという事柄があつたかと思われるのでございます。今回の会社といたしましては、出資される設備は勿論保有いたしますが、同時に運営もこの会社がやつて参るつもりでおるのでありまして、在来の設備保有だけの会社とは性格が違うわけでございます。そこでこの出資の範囲は如何にするかということはいずれ設立委員会等におきまして最終的な決定を見るわけでございますが、今までの私ども起案者としての考え方から申せば、国内幹線というものはこの会社に持たすことは考えておらないのでございます。できるだけ国際的な施設に実は限りたい。国内において国際の幹線でもあるし同時に国内でも使われる、その国内が主であつて国際的に供用されるとかいうような部分は実はこの会社には出資しないという建前のほうがよろしいのではないか、一定の地域から地域を限りまして、そこから直ちに国際的な通信、通話に使われるような施設に限るほうが望ましいのではないか、実はかようには考えております。併しその範囲がいずれ設立委員会等において最終的の決定を見ると思うのでございます。
 そこでもう一つの問題は、その評価の問題であります。評価の問題は特に私ども意を用いて、この会社設立のためにとやかくの疑惑を受けることはこれは絶対に避けたいという強い考え方を持つておるのであります。そこで非常なむずかしい問題があるわけでありまして、恐らくこの会社は先ほどのお話にはありませんでしたが、その提供される設備にもよりまするが、国際通信通話の取扱等から見ますると、相当収益を挙げ得る会社ができるのではないかということを考えるわけであります。そこでこれらのことを勘案いたしました曉に、新しくできる会社の資本金を幾らにするか、言い換えれば政府が出資する施設を如何に評価するかということは非常に大きな問題であります。従いまして各界の、又専門的な知識を持たれる評価委員会の議を経て評価を決定するといたしましても、相当の問題を提供することに相成るのではないか、そこで最終的な考え方としては、一応その評価委員会で評価をいたもまするが、それによつて株式を発行するが、その株式はこれを大蔵省に公社が有償で譲渡し、大蔵省はこの株式を時価によつて相当の期間のうちに処分して行くというような方法を採用いたしますれば、只今申上げるような疑惑を受けないで実は済むのではないかというように考えておるのであります。もう一つは大蔵省がこの出資した株式を保有する、公社が保有しないで大蔵省に保有さすというゆえんは、もう一つはこの国内の電信電話を扱う公社と国際の通信を扱う会社とこの関係が親子関係になりましてもまずいと思いまするし、兄弟的な関係を持つというだけでもいろいろ問題があるように思いますので、公社と会社とは業務上においては対等の立場で、相互に契約によりまして委託業務をする部分とか、又設備を貸借する部門についての費用等の負担を相互の契約で片付けて参りたいと思いますが、対政府の関係においては、これはそれぞれ同一の立場において政府が監督指導して行くというような仕組にいたしたいと考えておるわけであります。そうすることによりまして、公社自身も独立した考え方で経営が進めて行かれるのでありましようし、でき上つた会社も政府の監督は受けまするが他からその資本的制肘を受けないで、これは自由に闊達な活動ができることに相成るのではないかと思うのであります。
 そこでもう一つ問題があるのであります。それは今日までの電気通信省の採算の工合から見ますると、国際通信通話で相当の利益を挙げております。そしてこの利益金というものが国内の通信施設の整備のために、実は使われておるわけでございます。この金額の計算もいろいろまちまちでありますが、前年度の決算によりますると、先ず範囲等もいろいろ議論の余地があるかと思いますが、我々電通省の事務当局に問い合わして見ますると、十三億程度の利益になつておるのであります。それは今日までは国内の部門のほうに注ぎ込まれておるわけでございます。そこで国際の会社を作つたとしたら、この種の十三億程度の利益が今度は会社だけで処分されることによつて、公社のほうに廻つて来ないじやないかという問題が一つあるわけでございます。併しその点は先ほど申しました大蔵省が一旦保有する株式を時価によつて売却したその代価が公社に入つて参りますので、公社としては今まで利潤を生んでおりました施設をなし崩しで処分して行くということに相成るのでありまして、総体としての金額的な相違とは別といたしまして、理論的にはその間の決済は可能ではないかと、一応割切つたつもりで案を出しておるような次第なのであります。これらの点はお尋ねはなかつたようでありましたが、只今の基本的な問題に関するお尋ねであつたと思いますので、この機会に附加えて構想をお話申上げたのであります。
#13
○山田節男君 実はこの法案の総括的質問には保利官房長官の出席を求めたのでありますが、保利官房長官は今日御都合が悪くてお見えになりませんので、この点も一つ大臣と保利官房長、電波監理委員会の委員長、三者の立会の上で御質問申上げたいということを保留しておきます。で大体電気通信に関する今回の法案を提出の運びに至つたことは、一つには吉田内閣の行政の簡素化、それからもう一つはこれは年来の電信電話の改善と言いますか、能率化ということについてのお考えも数次に互つて決議まで出している。こういうような必要からこの法案ができ上つたものと思うのであります。そこで私先ず第一にお伺いしたいことは、佐藤大臣が昨年の夏の電通大臣兼郵政大臣に就任されて間もなく、外国の新聞に向つて、この国営の電信電話事業を、いずれこれを民営に移したいつもりでいる。そうしてその価格まで例えばアメリカの通貨にして約三億七千ドルと評価され、これは行く行くは一つ民営にしたいということがスターズ・アンド・ストライプル紙、日本タイムズ紙に出たのでありますが、そこで私は大臣就任早々として、このことについて私は確めたのでありますけれども、大臣はそういうことを言つたことはない、又そういう気持はないということをはつきりこの委員会でおつしやつた。で我々参議院から三名、それから衆議院から二名の電通委員がアメリカへ行きまして、その目的の一つは、やはりこの将来日本の電信電話事業を如何に能率的に経営するか、これを調査研究することもこれは重要な使命であつたのであります。向うへ参りましたところが、佐藤大臣のそういう大臣としての日本の電信電話事業に対する経営体の御意見が向うにも広く行き渡つておりまして、自由党内閣の、吉田内閣の電通大臣佐藤氏は必ずやこれは民営に移すであろう、こういう意見が多数あつた。そこで今回非常に国会の末期になつて、重大な、日本の八十年の電信電話事業に対しての一つの画期的な案を出された。そこで先ず第一にお伺いしたいことは、この従来電気通信省が管掌しておつたこの電信電話事業を国内と国際と二つに分けられて、一方は公社に、国際のほうは民営でされる。このことから国民が非常にこれに関心を持つて、不安に思つていることは、この国内の電信電話事業を公社にされたということは、これは更に一歩進めて民営にする、こういう一つの前提として、そういう肚でこの法案をお出しになつたのかどうか、この点を一つ明確にして頂きたいと思います。
#14
○国務大臣(佐藤榮作君) 山田委員から私就任直後における新聞記事のお話を今出されたのでございますが、この就任直後私名古屋へ参りました際に、公社を作る意向の話を実はいたしたわけでございますが、それが直ちに民間に電気通信業務を譲り渡すかのような記事が出たわけでありますし、お尋ねがありましたので明確にお答えをいたしたので、その間の事情を重ねて申上げる要はないと思いますが、当時は又占領下で勿論あつたわけですが、占領下のGHQ部門におきましても、あの新聞記事を非常に重要視いたしまして、早速私呼ばれて真意を確められ、絶対に民営に移す考えのないことを申したのでございますが、新聞記事についてどうしてそんなに敏感なのかというような話をしましたところ、日本の国内の新聞にこれだけ出ておるので、恐らくこれはアメリカの新聞でも大きく報道されておる。そのアメリカにおける反響を実はGHQも非常に恐れておるのだ。そこで大臣がどんな考え方を持つておるか明確にしたいから、特に忙しいのに来てもらつたんだというような話でありました。事実今山田さんが言われたように、アメリカにおきましては殆んど時を移さず同様の記事が出、そうしてセンセーシヨナルな問題であつたように聞いておるのであります。私どもはこの電気通信省の機構改革に当りましていろいろ根本的なことを考えて参りましたが、このスターズ・アンド・ストライプス紙、それから外国新聞に出たような考え方を毛頭持つておらないのであります。或いはこの一部ためにするニユースを報道したのじやないか、いろいろ外国の資本家等において日本の電信電話を経営したいという向きもあることも噂には聞いておりましたので、或いはそういう方面の一つの動きの現われとしての記事のような感も多分にいたしたのでございます。
 そこで只今申上げたような余談は別にいたしまして、当初から民営にする考え方を持つておらないということは私ははつきり申上げたくて、只今のようなアメリカ等のお話をいたした次第でございます。そこでこの公社を作り、或いは国際の会社を作つたりする場合におきまして、いろいろ研究も遂げまして、まあ国会のことを申上げると或いは非常に耳ざわりにお聞きで恐縮に存ずるわけでありますが、国会等においても機構改革について突進んだ考え方をされましたゆえんは、恐らく鉄道が公社になつたとか、或いは専売関係が公社になつた、それで労働問題が非常に扱い方が変つて来た、こういう話ではなくて、あの公社に変ることによりまして相当事業経営の面においても、いわゆる官庁経営の場合から見ると相違が幾分か出て来ておる。そういう意味の点を電気通信の部門でも取入れたらどうか。殊に電気電信のほうは、終戰後のあの都市が荒廃に帰して、同時に通信施設が非常に荒廃した。又この戰争で荒廃に帰さなかつた部門につきましても長い戰争の期間中殆んど改善を加えておらない。技術的にも非常に遅れておる。そうして最近のごとく経済界が立ち直つて来るとか、或いは政治活動が活溌になつて参りますると、現在のような通信施設ではどうも不自由を痛感するわけであります。まあこの意味において日常の取扱いの窓口サービスの改善ばかりではなく、真のサービス改善という意味においての設備増強なり整備等なりが強く要請されておると思うのでありますその観点に立つていろいろ工夫いたして参り、その根本が提案理由にありますように、業務遂行の衝に当る人たちの創意と工夫を十分活かし、或いはその努力を十分事業遂行の面に盛り上らすような組織と考えて行こう、そうして民間の協力を積極的に得るように考えて行こう、かようにしますと、いわゆる官僚機構によつて動いておる政府直営よりもこの形を変えたほうがよろしいのじやないか、そこで公社案を実は考えて参つたのであります。国際部門を会社にいたしましたために、或いは一部ではあの就任当初においてスターズ・アンド・ストライプス紙に出ていた記事は極力否認はしているが、恐らく心底では全部を会社にしたい気持でいるのではないか、現に国際部門が会社にもなつておる。そこで今会社にはするが、それが会社、民営への一つの前提として公社経営をしておるんじやないか、かような批判が一部にあることも私どもの耳に入つております。併しこの機構改革をいたします場合、移るときの移行的計画、移り変る一段階としての機構を作る以外意味はない。これは実は私自身はかような一つの信念を持つておる本人でありまして、一つの機構を作る場合におきましては、その機構が十分発展して行くような生命を吹込まなければならない、実はかように考えている次第なのであります。従いまして一部でとやかく申したり、或いは若し又疑念がありますれば、これは全然根拠のないことだとして御了承頂きたいと思うのであります。この観念に立ちまして私ども公社の案をいろいろ審議し、できるだけ完全なものを作りたい、かように思つていろいろ工夫をいたし参つたのであります。ところが今できております、審議を頂いております公社法案自身で、それでは非常な理想的なものができているかと申しますと、相当に意に満たないものがあります。これは率直に申上げまして意に満たないのであります。これはなぜ意に満たないものを然らば出して来るかというような御意見にならうかと思います。御承知のように鉄道の会社ができ、又専売の公社ができ、これらの先例をも或る程度とらざるを得ない状況にある。この先例になつておりますものはいろいろの批判を受けておりますが、私どもの見るところではまだこれは試験期に属するのではないか、まだもう少し時日をかさないと現在出ております公社がいいとか悪いとかという結論に到達するのには少し早いような感がいたすのでありまして、従いまして大筋としては、すでに生れている鉄道の公社であるとか或いは専売の公社であるというものを相当先例として取入れているような次第であります。これは理論の問題よりも実際の問題といたしまして、一応それらを先例とし、そして或る程度の工夫を加味してでき上つておりますのが只今御審議を頂いている公社法案なのであります。
#15
○山田節男君 これはまあ大臣自身ではありません、これは平井政務次官の気持で、提案理由の説明をされましたが、これは大臣の説明と同じ意味にとるわけでありますが、この日本電信電話公社法案の提案理由の説明の中にも、この電信電話事業は非常な莫大な資本を要することだ、それから性質が公共性があり、而も独占的のものであるから公社にするのだ、従つてこういうものは民営に適しないということをはつきり言つておられる。そうしてこの国際電話だけを民営にした、これはもう極めて常識的に考えれば、これは別に大臣の肚が黒いというような解釈をしなくても、先ず抵抗の少い、弱い、それから何と言いますか、口実の、いわゆる国際的な意味においての口実がつけやすいというので先ず国際電信電話だけを民営にしたのじやないか、で、公社は一つの段階に過ぎないのだ、こういうまあ誤解と言いますか、そういうような解釈は今の大臣からの確言で私は了承いたします。
 それからもう一つ、只今新谷委員かち国際電信電話会社を特に民営にした理由ということについての質問があり、又大臣のこれに対する回答があつたわけであります。これは私、物の一面を見ておられる言い方であつて、大臣として、少くとも政府の責任者として考えればむしろ逆じやないか、これは民営にして国際競争、激甚な競争に伍して行く、打ち勝つてそして行くためには機動性を持たし、創意を働かして機敏に機動性を持たせる。これは成るほど私は民営としての特長と言い得ると思うし、その半面この国際電信電話事業というものは、これはやはり将来軍事には関係ないかも知れないけれども、併しこれは一つの国策として電信電話の過去の発達の歴史を見ますと、やはり政府自体がこの場合に乗り出さなければならないような非常に大きな問題が起るのじやないか、それは資本的、技術的には成るほど民営でやるほうが機動性があると言えるかも知れないが、併しこれは尨大な施設を将来擴張しなければならん、金も要る、而も国際電信電話の意義からして日本のような国情において果して民営がいいかどうか、成るほどアメリカではこれはもう民営でやつておりますし、併し勿論他面英連邦、濠州その他カナダ、南阿連邦の諸国ではこれを国営化してやつている。いわゆる電信電話に関する限りは国内、国際に限らずいわゆる一元的に国営でやつている。こういうようなまあ実情と日本の国情を見て、果して民営がいいか国営がいいか、これは非常に私は慎重に考えてもらわなくもやいかん問題だと思います。政府の見解としては民営のほうがいい、こういうふうに今おつしやつた、更に民営にして場合に、我々は今後日本の無線電波の割当であるとか、或いはいろんな技術の国際的基準、或いは国際会議においてこういう国際電信電話の非常に重要な問題が起りますが、この民間会社として果して今後、殊に独立になつて経済的に疲弊し、国際的な地位が落ちた今日において、この国際電信電話というものが、こういう尨大な機構を、この法案が企図するような政策を果し得るかどうか、これは私非常に疑念を持つわけなのであります。今新谷委員に対する回答によると、どうも私が後段に申上げたような気持がはつきりしていないような気がするのです。この点に対する大臣の確信の点を一つお聞かせ願いたいと思います。
#16
○国務大臣(佐藤榮作君) 国際関係の通信施設といたしまして、例えば海外に電波を発射するとか、或いは海外への窓口と申しますか、国から出て行く施設というものを見ますと、戰時中のもの或いは戰後のもの等におきましても、戰後としては特に大擴張をいたしたわけではありませんが、比較的整備されておりますので、今直ちに設備等を非常に擴張しなければならないというようには考えなくてよろしいように思うのでございます。問題の国内におけるメイン・ルートを如何にするかという問題はこれは一つ残つていると思います。併し最近の国内通信の状況等考えて見ますと、国内通信としての活発な活動をいたします面から考えますると、在来のいわゆる国際幹線というようなものが国内的に非常に重要な意義或いは価値をこの際発揮いたしておるような次第なのであります。将来の問題として更にそれが不十分であり、国際のための国内幹線を整備するというような問題が将来起りますれば別でございますが、今日考える程度から申しますると比較的経営等は容易に参るのではないか、むしろサービス提供の面におきまして積極的な工夫をするとか、或いは又この会社の利益金の処分等が適正でありますならば、只今言われまするような需要を相当賄い得るようにも考えられるのであります。私はむしろ国内のほうの公社がこの会社と競争をいたしまして、そうしてこの国際会社の水準にまでこの公社の業績を挙げて行く上に非常な努力が要るのじやないかと思います。かように実は考えているような次第であります。
#17
○山田節男君 一方国内的な電信電話を公社にし、それから海外のやつた国際電信電話会社にした、その間の調節をまあどうするかという新谷委員の質問に対して大臣は、これは一方は公社である、片一方は民営であるから、その辺に一つの契約書か何かを交して、そしてスムースにやれる、こうおつしやつているんです。アメリカでは、電信は御承知の通りウエスタン・ユニオンという民間営それから国際電信電話はやはり民営でやつている、民営同士がやる場合は、これは割合にものがスムースに行くだろうと思う。ところが公社は過去の専売公社或いは鉄道公社を見ても、これはまだ経営が未熟というか、人の問題といいますか、公社になつても従来の鉄道省、運輸省と余り変らない。又この法律を見ましても、国際電信電話会社法案と日本電信電話公社法案とを見ますと、これはもう法律的に見て……、実際上の問題は、今新谷委員に答えられたように、契約書を交してうまく行けるという、そういう簡單なものじやないと思う。私は素人ですけれどもそんな簡單なものじやない。そこに私は非常にフリクシヨンが起きて来る。それから特に国際電信電話が国内の電信電話と有機的に敏速にこれが連結しなかつたら、これはさつぱり効率がないことになる。そういう面から見て私は非常に不安に感ずるのですが、又アメリカではうまく行つておる。イギリスが曾つて国際の電信電話を民営にしておきながら、労働内閣ができて社会主義内閣として国営にしたとも言えますけれども、併しカナダでも濠州についても一九四七年に国営にしておる。そして而も国際電信電話としてもかなり融通性を持たしてうまくやつておる。そういう実質的の部面から見た構想というものと、かなり今回お出しになつた構想は私は非常にその点にイージーゴーイングなものがある。而も片一方は大臣の説明されたように、大臣は十三億円の利益だとおつしやるけれども、我々の調査によるとこれは二十億円くらいの金を儲けておる。これは事実です。将来これは今後ますますそういう利潤が殖えて来るということになつて、そうなつて来るとこれは公社で経営している電信電話、国際電信電話は固く契約でやるという非常に簡單なものじやなくて、実際的に私はむずかしい問題だ。大臣は契約を取交すとおつしやるのですが、これは大臣からでなくてもよいのですが、通信監もおられますししますから、一体こういうような調整はできるのか、これは確信があるという大臣のお言葉ですが、どうしできるかどいう、これは簡單でよろしうございますが、一つ我々が確信を持つて審議できるように御答弁願いたい。
#18
○国務大臣(佐藤榮作君) 只今の問題でございますが、只今郵政省と電気通信省との間では委託業務という制度で、郵政省が電気通信省の事務を行なつておることは御承知のことだと思います。これは両方共が官庁である。その官庁でありますために、只今申上げるような契約が取交されておるわけではないですが、これは予算審議におきまして、そういう処置がとられるわけであります。そこで今後の公社の事業遂行と会社の事業遂行の面を考えて見ますると、会社自身を今考えておりますのでは、職員といたしましてもせいぜい三千名程度の会社が予想されるわけであります。国際関係の通信、殊に電報等の問題になりますれば、その中継といいますか、国内で受ける場所はこれは東京でありましても、配達する場所は或いは北海道である場合もありましようし或いは九州である場合もありましよう。そういう所まで全部国際会社が支店なり或いは営業所等を設けるわけには参らないのであります。そういたしますると、やはり公社の機構といいますか、公社の協力の下においてそういう電報なら電報の配達だとか、或いは電話なら電話の取扱もやつて参らなければならない。そういたしますると、そこにサービス料の計算を如何にするかという問題が当然起つて来るわけであります。そういう場合には、公社と会社との間の話合いというか、或いは協定と申しますか、或いは契約と申しますか、そういう協定等によりましてそういう処理がされて行くわけであります。これは当然のことのように思うのでありまするし、又そうして行かなければ非常な無駄が生ずるわけであります。恐らく東京の都内におきましても、場所によりましては只今申上げるような事柄も起り得るのでありまして、そういう点を日常業務遂行の面から見まして、支障のないようにいたしますために経費分担の方法を考えて参らなければならない、かように考えておるわけであります。
#19
○山田節男君 この問題はいずれ今大臣の御回答だけではどうも私納得しませんので、後日の質問のときに又具体的に御質問申上げたいと思います。それから郵政省の機構に関して私非常におかしく思うことは、電波行政これを郵政省につけた。これは申上げるまでもなく、電波行政というものはまだ日本で発達しておりません。併し独立国となつて電波行政というものがますます大きくなり複雑になつて来る、而も国際的な性格を多分に帯びておる、而も電波行政というものは飽くまで不偏不党でなければいけない。而も公平でなくちやいけない。電波というこれは国民の全体の共有物なんですから、この分配を公平にし又民主的にこれをやる。公共福祉を基点として飽くまでやるというのが、これはもう電波法、放送法の基本的な原則になつておるわけであります。そのために二つの大きな基本法を土台とした電波監理委員会を作られたことは、これはもう日本の将来の民主的な機構として模範的なものだと我々思つております。そうして将来これは非常に尨大になる国際的な而も複雑な而も重要なものであります。これを郵政省へつけられたということは、電気通産省の殆んど主体が公社になり或いは民営にするという建前で何も仕事がなくなつた。そこへ電波監理委員会の仕事を郵政省の一局にしてしまう、その外局としては電波監理審議会を作るということになつておりますが、これは申せば木に竹をつけたようなもの、行政からいつても、又電波というような重要なものになれば、国民の利害からいつても、一省の局で管轄して、余り尨大な……、それから電波監理審議会というものが、成るほど現在の電波監理委員というような、国会の承認を統て内閣がこれを選任するということになりましても、やはりこれは私は国際的に見ても、非常な電波行政のいわゆる低下して行くことだ。なぜこういう本質を持つておるものを郵政省の一局に入れるか、而もその諮問といいますか、審議会の委員というものは、国会の承認を得なくもやいけない、こういう順序、手続を要するものを置く、これは非常に不自然なやり方であるし、実体から見ても、これは電波行政の本質をお認めにならないようなやり方です。必ずトラブルが起る、これはもう直ぐ変えなくちやならんような性質のものであろうと思うのですが、これは私は佐藤大臣も行政組織の改革については、電気通信、郵政に関しましても参與されておるに違いないと思う。野田君なり或いは木村総裁にしても、保利官房長官にしても、この議に携わられたと思うのですが、どうも一体常識で考えられないですね。佐藤大臣のような有能なかたが、こういう水に油を一緒にしたようなやり方はどうも私にはわからないのですが、どこか支点があつてこういうふうにやられたのか、簡單に一つお答え願いたい。
#20
○国務大臣(佐藤榮作君) 行政機構の改革に当りましては、まあまあいろいろの案が出て参つたわけでありまして、当初一部におきましては、現在の運輸省と電気通信省と郵政省と、更に又電波監理庁、電波監理委員会等を含めて一つの省を作つたらどうか、こういう意見があつたことは新聞等で御承知の通りだと思います。又一部におきましては郵政省と電気通信省を合体して一省を作つたらどうか、そういう場合に電波監理庁なり電波監理委員会をそれに統合したらどうか、こういう御意見もあつたと思います。いろいろの案が立つと思いますが、運輸省と三省合体するという案は、私どもも賛成できなかつたところであります。そこで電気通信省と郵政省と更に電波監理庁等を一緒にした案がその次に残るわけでありますが、電気通信省の部分においては公社なり会社等を考えておる。そこで機構を簡素化すると申しますか、統轄するという意味合いから申しますると、郵政省と電波監理庁なり監理委員会があとに残るわけであります。これは沿革的な話でありますが、別な先例等を申せば、英国自身におきましては、これはやはり郵政省という役所のうちで電波行政も管轄所掌いたしておるわけであります。これをその見方によりまして、或いはその発展的な段階から見ますれば、旧逓信省からどんどん分れて行つた。特に電気関係は通産省、商工省へ行くとか、或いは鉄道部門は原則として鉄道作業局が鉄道省になつておるとか、或い又戰後におきましても逓信省から電気通信の部門だけは別の省に分れる、こういうような発展的な段階をとる場合もありますし、又収縮する場合におきましてそれが元の形に返つて行く場合もあるわけであります。御承知のように電波行政というものが、只今国際的に申しましても非常に重要な部門であり、又特にこの際力を入れなければならないものであることは私どもも了承いたしております。殊に国際的にまだ波長がきまらない或いは放送圏問題等におきまして超短波が出て来ておる今日におきまして、いろいろの問題もあるわけであります。かように考えますると、この電波行政の部門を郵政省にくつ付けたということは、只今申すように先例等もありますから、これは別に木に竹をついだというようには私どもは解釈いたさないのでありますが、郵政省内での一部でそれはよろしいのかどうか、こういうことについてはいろいろの議論もあるわけであります。或いは外局が適当だとか或いは又その次長等も多数置いた大きな機構が必要である、いろいろな議論がある。或いは又電波監理委員会は委員会としてそのまま残すとか、審議会にすることはいかんとかいうような意見も今まであつたわけであります。併し私どもが機構改革に際しましていろいろ工夫してメスを入れて参りますると、やはりこの際は委員会制度については根本的な批判を一つ加えてみよう。そこで委員会制度を廃止し、そうしてこれを内局にして、そうして郵政省の担当するまあ業務、行政としてこの事務をやつて参りたいと実は考えておるのでありまして、形の上においてこれが内局になつたから、或いは又電波監理委員会が審議会に変つたから電波行政を軽んずるとか或いは電波行政遂行のために支障がある、かようには私どもは考えておらないのでありまして、只今の電波行政自身が当面しておるいろいろ大きな問題、而もそれは国内だけの問題ではなしに、国際的にも電波の獲得等非常に重要な問題のあることも了承いたしておりまするが、これらの仕事を処理して行く上にはこれはやはり専任の大臣の下にこの部局を設けまして、そうしてその責任においてこの行政の完璧を期するということはやり得ることのように実は考えておるような次第でございます。それが只今御審議を頂いている郵政省設置法一部改正法律案に実は出ておるような次第なんでございます。
#21
○山田節男君 これは甚だ失礼なんですが、大臣はこの電波行政の実際というものをよく御存じない、そこに私は今度の自由党のやつた行政の簡素化、合理化という点で、そういうこの認識不足のために非常な過失を犯している。成るほど大臣のおつしやつているような郵政省の一内局としてこれはできると言われるが、この電波行政の本質は、これはもう長くなりますから簡單に申上げますが、これはもうかなり高度の技術を要するのであります。それから不偏不党のものでなくちやいけないということ。それからこれは何と言いますか、免許の許可、認可、取消ということ、そういたしますとこの民主国でこういうものでやらざるを得なくなつたということは、特殊な行政に対しては一つの委員会によつて、いわゆる国家が承認して行うという委員を以てして組織するということは、結局準司法機関であります。立法機関であり行政機関であり、而も司法機関である。こういう特殊な必要があるためにこういうものが民主的な先進国でできたわけなんです。アメリカの実際を見ても、連邦通信委員会、フエデラル・コンミユニケーシヨン・コミツシヨンができた歴史を見ますと、この電波無線通信というものは、殊に電波が奪い合いになつた場合は、軍、官庁、民間でこれがおのおの勝手なことをし出したらこれはもう全く無政府的なものになつてしまうということ、それからもう必ずこれは問題になることは、郵政省に移管した場合に、免許の認可とか或いは取消について利権問題が必ず起きて来ると思う。で現在の電波監理委員会を見て御覧なさい。組織を立派に法律で保障しても必ずしもそういうように行つているとは思えない。これが郵政省の一内局になる、電波の審議会ですか、そういうようなことになりますと、この電波行政の立場から見ても、途轍もないものになるということはこれはもう火を見るよりも明らかだと思うのです。これ以上は意見になりますから、あとは保利官房長官なり或いは電波監理委員長を呼んで一つ併行して質問を申上げたいと思います。ですからこれ以上この点について質問申上げません。
 それからもう一つこれは衆議院でも問題になつたようにちよつと新聞で見たのですが、先ほどこのイギリスでは郵政省、いわゆるポスタル、サーヴイス・デパートメントですか、こういう電信電話或いは国際電信電話のようなものを一緒にやつていると、こういうことをおつしやつたが、我々この郵政省という名前から見て、これは郵政省は飽くまでポストなんです。ポスタル・サーヴイスなんです。ポスト・オフイスなんですこれに電気通信の監理、電波行政もやるということは、名前が体を現わすという意味からいつて、又国際的に見ても如何にしてもこれは妥当でないと思う。で衆議院ではこれを逓信省にしないかというような話もあつたというようなことを聞きますが、それに対する大臣の答弁も新聞で了承しているのですが、郵政省なんという名前は如何に言つても妥当でないと思うのですが、大臣はやはり依然として衆議院の答弁を固執される御意見かどうか、その点をお伺いしたい。
#22
○国務大臣(佐藤榮作君) 私はこの名は体を現わすという意味で、新らしく仕事の内容が変ればその機会に名前を変える。こういうことも立派な御意見のように伺う次第でございます。併し私はやはり名前はそう簡單に変えるべきでは実はないのじやないか、仕事をやりまして、それが非常に不都合があつたならば別ですが、不都合がないならば名前はそのままとにかく残して置く、そのほうがどうも本筋じやないか、名前を変えることを非常に簡單に言われるだけではなくて、むしろ名前を変えることによつて非常に新らしい生命が生れるというような御意見だろうと思うのでありますが、名前を変えるということも、ただ法律ばかりでなく、事務的にもいろいろあるわけでございまして、そのような点を考えると、特に本質的な非常な大変化があればともかくも、そうでないならば、成るべくその名前を残しておいて、事務上の煩瑣な点、名前を変えることによつて生ずを煩瑣な点を避けたいというのが私の考え方でございます。成るほど郵政省は郵便或いは貯金、簡易保険等やつており、そこへ持つて来て電気通信の事務も入つて来たのであるから、名前も変えるということも一応御尤もでありますが、国民のほうから申しますると、とにかく郵政省で一応名前はわかつておる、そこへ行けば今までやつておる仕事はそのままやつでもらえる、今度新らしく入つたものがそれは郵政省の所管だと言えば、これもそう混雑もなしに済むのであります。どうも今までは郵政省と言つた、今度は通信省、通信省というから電話もやつてくれるかと思つたら、そうでもないというような問題もありまするし、或いは又その看板を書替えたり、その他印刷物等にいたしましても全部名前から替えて参るわけであります。従いましてできるだけ名前を変えないで済みまするならば済ましたいというのが私どもの考え方でございます。で先ほどのお話のほうへちよつと触れますが、先ほどいろいろ郵政省が電波監理委員会の仕事を所掌することになると不偏不党、或いは高度の技術を要するものだが、如何にもそうでないかのように聞えるようにとれるんですけれども、私は委員会だから高度の技術を十分に発揮するが、一省の所掌になると高度の技術を発揮しない、こういうのは議論にならないと思います。又不偏不党という点になりますると、只今政党政治ではありますが、行政の部門につきましては不偏不党であることは、これは当然であります。又その意味においてはこれは何ら国民から疑惑を受けないのです。他の官庁としてもそういうような行政事務を今までも処理して参つておるのであります。従いまして私はこの電波監理庁並びに電波監理委員会の仕事が郵政省に移りましたからと申しても、高度の技術を必要とする部門につきましては依然としてそういうことが可能ではないか、電気通信省におきまする電気通信研究所等は相当世界にも誇り得るように私どもは考えておりますので、これらの点は必ずしも委員会であるからというわけでは実はないだろうと思うのであります。ただ問題の委員会である場合の第一審的機能が、今回審議会になりますることによつてそういう第一審的機能を喪失するのかと申しますると、今回の法案ではその点には工夫が凝らしてありまして、依然として審議会におきましても第一審的機能を発揮するようにいたしておるのであります。これはあえて委員会なるが故に、或いは審議会になつたらそれができないのだというわけのものではないように思うのであります。問題はこの機構の独立性というものが、郵政省に移りました際にそれが失われるかという点にあるのだろうと思いまするが、むしろ大臣としてそれらの責任を持ちまして、その責任の所在も非常に明確になる。私はむしろ電波行政の面から言えば、考え方によりましては相当活発な活動をばなし得るように考える次第でありまして、あえて今回の行政機構の改正を重ねて主張するような次第でございます。
#23
○山田節男君 この問題は、他日一つ電波監理委員長並びに保利官房長官と大臣と、対決質問というのはおかしいけれども、そうして一つ三年の経験を持つ電波監理委員会と今大臣のおつしやつた御意見と並べて、私は一つ了解の行くようにして頂きたいと思います。
 それからもう一つ、これは名称の問題ですが、今回この法案として出された国際電信電話株式会社、この名称の問題、これは大臣ももう手紙を受けられたと思いますが、アメリカに非常に紛わしい会社があるわけであります。これは向うは国際電話電信株式会社で、この点について私は成るほどと思うのですが、少くとも民間会社として国際的なビジネスに入つて行くには、英語で言えばインターナシヨナル・テレグラフ、アンド・テレフオン、片方はインターナシヨナル・テレフオン・アント・テレグラフ、向うではITTと申しましてこれは莫大な、ITTシステムと申しまして国際電信電話をやり、又製造会社を持ち、或いはとても立派な設備を有する大きな研究所を持つておる、これは国際的にも大きな会社である。それが殆んど名前が同じようなものをやるということはこれは向うさんとしても困るということは私ははつきりすると思います。こういうことは、これは私は外国の駐在しておるITTの代表者からの手紙で初めて注意を受けたのですが、最近ではアメリカのFCCの電信電話会社まで一つこれは御考慮を願いたいと言つている。もう日本は何でもアメリカのまねをする。例えばロンソンというライターがありますが、これと同じ物を作る、それから万年筆がパーカーがよければパーカーに似た矢印の物を作る、日本の政府は堂々としてパーカー、ロンソソ偽物のようなものを作つて国際にデビユーするということは、これは国会の権威として一つ考えてくれ、こういうことを申入れられたのであります。これは私はどういう何があつたか知りませんが、この点は今後日本が独立になつて国際的に最も重要な仕事に携わるものが紛らわしい名前を以てデビユーして、至るところに国際的な混同を起させるということはこれは正しい行き方ではないと思います。この点に対して大臣は名称を何故こういうものを付けられたか、又そういうような国際輿論に鑑みてこれを変更されるお考えがあるかどうかお伺いしたいと思います。
#24
○国務大臣(佐藤榮作君) 只今山田委員から御指摘のように実はITTの会社からも手紙をもらつております。併しこれは実は私どもも非常に迷惑をする話でありまして、ITT自身が同様な会社ができて迷惑をするということはもちよつとこれは余談にもなるようですが、共産党のほうから言えば、同じような会社を作つてやる、だからアメリカの従属の、国だと言われてもそれも当るかというように思うわけです。むしろITTが迷惑をするばかりではなく、只今のように言われますことは、新らしく生れる国際電信電話会社としては非常に迷惑をいたしておるわけでございます。と申しますのは、国際電信電話会社はこれは翻訳する筋の会社では実はないのであります。ITTというような短いものにいたしますならばKDDKです。ITTとKDDKが同じようなものだということは実はないのであります。かように考えまして、実は手紙をもらいましたが、これは向うさんも迷惑をするだろうが、私どものほうも非常に迷惑をする。でむしろこれは国際電信電話会社ということで、若し頭文字だけを又つてその会社を表明する場合にはKDDKということにすれば、向うさんが心配されるようなこともないのではないか。もともと固有名詞でございますので、これを翻訳されることはいろいろ誤解を受けるのではないか、只今申上げるようにKDDという頭文字にいたしますならば、これは明らかに区別されるのです。又この名前を特にそのITTがあるからと申してこの際この名前を変えることも実は私ども賛成をいたしかねております。国内におきましては国際電信電話会社ということでその実体が十分現わし得るのじやないか。だからその点を混同を来たさないように是非とも扱つて参りたい。そうすることがこれは国際信義の問題、勿論国際信義の面からも当然のことだろうと思います。又新らしくできる会社、これも幸いに法案が通過いたしますれば、なお更只今申上げるようにすることが会社のためにもいいわけのように思いますので、イニシヤルはKDDと、こういうことにしようかと、かように考えております。
#25
○山田節男君 これはまあちよつとした思いつきですが、このKDDKですか、これは略語としては当るかも知れませんが、併しこれは例えば今の日本の会社が国際的にやる場合、これは皆そういうようなイニシヤルとして通用するかといえば通用しません。必らず国際電信電話株式会社というものは英語にしなくちや国際的に通じないのです。KDDKということは国際登録したところでそれはシグナルとしてはそれは通るかも知れませんけれども、併し日常文書を出したりするような場合にはKDPK、そんな失礼なこともできませんから、KDDでわかるだろうということは、これはただ私は思いつきであつて、国際的にはそんな簡單なものじやない。ですからこれは私は重ねて申上げますが、そういうイージーな考えで持つて行つてもらつちや困る。これはあなたは外国の、国際会議に出て御覧なさい。KDDKではそれは決して通用しません、これはこじつけであつて、幾ら自分の案を出した、それがいいということを、不当の口実をつけることは、いわゆる今の日本人の悪い癖であつて、そんなものじやありません。私はこれは大臣はこれをまじめに考えなければ、私はこちらは議員として考えなくちやならん。まるで子供だましのようなことを私に向つて言うということは、これはけしからんと思う。そんな馬鹿にした答弁はない。
#26
○国務大臣(佐藤榮作君) 山田委員から大変なお叱りを受けておりますが、私はこれはそう不まじめにお話を申上げているのではなくて、これは新らしくできる固有名詞でございます。すでに御承知のように相当の歴史を持つておりますが、日本郵船にいたしましても大阪商船にしても、それはまあNYK、OSKで立派に通つている。これを大阪商船というのは、大阪という地方名は別ですけれども、商船を翻訳して使つた例は実はないのです。私はそれらのことを考えれば、新らしくできるイニシヤルを取りまして、それはKDDにすることはちつとも差支えない。それが通用するかしないかと言われますが、これは相当の歴史を必要とするかもわかりませんが、併しながらこの際にそれだからといつてこれを特に翻訳のできるような会社におることは、これは如何かと私は思う。私はもと鉄道省におりましたが、鉄道省というのも、外国にある事務所ですが、立派に鉄道省で通つている。必ずしも日本の名前を全然翻訳して考えて行かなきやならんということはこれは私少しどうかと思う。これは固有名詞ですから、場合によつたら翻訳をしないでもいいのです。だからその点では特に声を大にしてお叱りを受けましたが、これは私そう不まじめなお話をしておるものじやない。
#27
○山田節男君 いや、これは大臣何とおつしやるか、失礼ですが、成るほど
○SKの例を出されておるが、商船会社とは問題が違うのです。これはそういうあなたのおつしやる事態の根拠が、気船会社と国際電信電話、先に申上げたように、これはもういわゆる現段階においても、これを将来電子が発達して来て、これは全く距離というものが征服されます。そのビジネスですよ、そういうものに対してそういう従来のような国粋主義的な観念で、俺の言つたのがいいのだということを頑張るのはいけない。もう少し謙遜的に、事態は、国際的な仕事に携わる場合に、アメリカでそう言うからそうするのでじやありません。これは私は多年国際会議等に出ておる。今度一つこれに出て御覧なさい。これは向うは一九二〇年以来の歴史を持つているという、これは一つの暖簾なんです。それに紛わしいロンソンの名前を書き、パーカーの名前を書いたような、名前をつけるというような観念じやない。これはアメリカばかりじやない、国際的に合うということが日本としていいかどうか、これは一つ電気通信だけの問題じやありません。もつと高い、広い見地からものを考えなければならん。私は今大臣がおつしやつたOSK、NYKというものは、これは汽船会社の一つの何といいますか、冠様です。国際電信電話株式会社でこれは通るとおつしやいますが、通る時期が来るかも知れません。併し会社設立して明日からもう国際的にこれは混同が起きることは、これはわかるのです、こういう点は大臣のおつしやる理窟は理窟として、もう少し広い高い見地で、日本が独立として民主化するかしないかということが非常に疑われている、こういう極めてデリケートな、一省の問題ということでなくて、もう少し私は謙遜な、広い高い見地から考えて頂きたい。これは私は決してあなたを面罵しているつもりはない。私は少くともこの点についてまあ直感的に日本のために、日本の国のためにそういうことをあえてするということは、私は今大臣は自信を持つていらつしやるけれども、これはむしろ逆であると、これは確信を持つて私は申上げます。この点は一つ大臣も十分御検討願いたい。私まだありますけれども、大分時間を長く取りましたからこれで一応打切ります。
#28
○国務大臣(佐藤榮作君) 只今のお話、勿論私傾聴いたしたわけでございます。手紙をもらいましていろいろこの名前等も研究して、この場において実は場当りの答弁をいたしておるつもりではないのでございます。で恐らく向うにあります名前を日本で翻訳したと考えられれば、山田さんの言われるような非難が当然当ると思います。ところが先ほど来言われておりますように、元の国際電気通信株式会社、こういうようなものもあつたわけでありますので、それは必ずしもこの際にその国際の二字自身はこれは問題じやないだろろと思いますが、この字句に必ずしも捉われる必要もないと思いまして、いろいろ検討はいたして参りまするが、恐らくこういう会社ができまして、只今申上げるような問題が起きるとすれば、恐らくKDDという称号は一朝にしてはつきりして参るのじやないか、こういうこと実は考えるわけであります。この点は私ほお説に対して全然耳をかさないわけではないが、十分一つ検討はいたして参りますが、先ほどのITTというだけではどうも私どもも納得をいたしかねておる。むしろ国際電信電話、こういうふうに申上げますのがITTの翻訳じやないか、こういうような非難であれば、これは私どもも考えざるを得ないのでございますが、そういう意味ではなしに、スタートして行く会社として、実体を現すほうから申して何が一番適当かというので、いろいろ工夫をいたしておりまして、先だつて手紙をもらつて実は非常に意外にも思つたような次第なんであります。その点を率直に申上げたわけでございまして、余り議論めいたことをする考え方もありませんので、これはなお御意見等もありましたので、なお私どもう考えては見ることにいたしたいと思います。
#29
○小笠原二三男君 私人の質問に対して啄を容れる筋ではございませんが、今の答弁、質疑のことを聞いてちよつと疑問に思つたので、簡單にお尋ねしますが、先ほど公社の機構はどうなるかという問題の場合に、大臣はそれは公社の責任者がきまつて、公社自体でで考えられることで、そのほうが望ましいという御答弁があつた。ところが今の質疑では、会社の略号については、大臣はKDDとすると考えである、こう言つておられる。ところがこの会社法を見ますと、役員或いは定款その他は郵政大臣の許可事項になつておりますので、このKDD、ITTなりというのは、これは定款によつて定められて、郵政大臣の許可認可事項になつておるというなら、あなたの御答弁はそれで権限のあることとして聞くことですが、そういうことは会社自体の将来の決定に待つ問題であるとすれば、これは大臣は何も面をおかして論争し合うことでもないだろうと思うのですが、これは法律的にはどうなんですか。
#30
○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほど公社の機構の問題につきましては経営者がきまつてから任したいということを申しました。併し只今国際関係の会社を作るといたしますれば、名前をつけた法案を提出しなければならない、その名前は国際電信電話会社として出すわけであります。これは勿論今法案を審議するに当りまして如何なる名前を附けて出すか、或いは国際の上に日本を附けて、日本国際電信電話会社というのも一案であつたので、私どももいろいろ検討した次第であります。一つに国際電信電話といつたイニシアルを取ればこれはKDDになるだろうというのが当然の結論であります。それは会社の法案を作りました起案者とは違つて、そうして当の理事者が別な定款を作つて来れば、そのときに認可の問題が起るでありましようから、只今の説明としては私は別に矛盾はないように思つております。
#31
○小笠原二三男君 私もそれに関連して言つておきたいことがあつたので、技術的に聞いたわけなんで、併しこれは山田さんのあとで懇切な御質疑があるだろうと思うので、今日はこの程度にしたら如何でしようか。
#32
○山田節男君 今の小笠原委員の発言ですが、これは私も実はあとから申上げたいのだが、変に思われるかも知れませんが、実はそういう何かこれを括弧して仮に称するということにするか、これは後日の質問にしようかと思うが、今の小笠原委員の御質問に関連して私質問しますが、若しそういうような、こういう内容の法案が出される場合、政府は仮に名前を附ければ、法案の名前がないといけませんから、仮称ということにするか、或いは今どうしても国際電信電話株式会社ということがいいのだ、これは衆智を集めてそうやる、外国名だけではこういうようにする、KDDKというと、DDTとかOSKとか、NYKはいいかも知れませんが、これはもつとあなたが御研究になればわかりますが、そんな簡單なものではない。これはこのままで民間の会社にして御覧なさい、民間会社がすぐ変えなくちやならん、そんなものではありません。ですからこれはもう少し慎重に考えてもらわなければならん。若しあなたの体面が何なら、今小笠原委員の発言のように、そういう説明はおよそ法律的には根拠がないのです。括弧して仮称とするか、或いは外国には、こういうようにして呼称するという法案にしてお出しになるなればまだこれはこのままでいいとして、これは技術的な問題ですけれども、これは私は怒つたとか何とか何も興奮するわけじやないけれども、余り私は無智だと思うのですが、私は、あなたが国粋主義者になつている、これはビジネスということについてはそういうことでしたらだめですよ。私は国会議員として国のために本当に真剣に大臣に意見を申上げるわけですから、これはもう一つ私は是非慎重に賢明な方法をとつて頂きたい、これは意見になりますけれども附加えておきます。
#33
○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほど来いろいろお話を伺つておりますので、私も先ほどお答え申上げた通りであります。殊に只今は名前だけが仮称というわけのものでなくて、法案自身只今御審議を頂いておる次第でございますが、それより以上何も私申上げることはありません。ただ私自身としてもいろいろ御高見の節は傾聴いたしておりますから、無智だけは一つお取消のほどを願いたいと、かように考えます。
#34
○山田節男君 それは言い過ぎだから取消しますが、併しその気持は一つお察し願いたいと思います。
#35
○委員長(鈴木恭一君) お諮りいたしますが、先ほど小笠原委員から、本日はこの程度で質疑を打切つてという話がございましたから、まだ総括質問はお持ちになつておると思いますが、(「無論あります」と呼ぶ者あり)今日実は総括質問を終ろうと思つておつたのでありますが、明日……。
#36
○小笠原二三男君 本日総括質問を終ろうと思つておつたということは、これはもう委員長だけの話なんです。スケジユールを見たつて明日もあることですから、今突発的にそういうお話が希望の形で言われても、これは私たちとしては困るので、又委員連帯制で他の委員が総括質問をしておるうちにおいて補足的に一つ成るほどと私たちのように素人がわかつて来れば……逐次総括質問は継続されるべきものなんでして、先ず本日はこの程度にして頂いて……。
#37
○委員長(鈴木恭一君) 小笠原委員がそう申された理由もどうかと思うのですが、私は昨日から審議の予定表を作りまして、一応御了解願つておると思うのです。今日は総括質疑で、明日公社法施行法の質疑をするということに
 一応なつておるから申したのです。
#38
○小笠原二三男君 それならば全然話が違うので、私は前回そのプリントされたガリ版を見て、その場合においてこれでよろしいという承認のことはどこにも與えておりません、私が申上げたのは、こういう順序、段階で法案を審査して行く方向については賛成だ、併しこの会期が他の法案等において前後する場合もあるでしようし、或いは逐次やつて行つても日切れになるというような場合も起つて来るでしようし、その都度々々具体的に明日は何やるか、明後日はどうするかということは考えてもらえばよいので、大綱としてこの方向は賛成だと、そう申上げておるのです。
#39
○委員長(鈴木恭一君) その通り私も考えておるので、忽然と私が今日終りますと申したのでなくて、そういう気持でおりますということを申上げたのです。本日はこの程度で打切りまして、明日にいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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