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1951/06/02 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 電気通信委員会 第30号
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1951/06/02 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 電気通信委員会 第30号

#1
第013回国会 電気通信委員会 第30号
昭和二十七年六月二日(月曜日)
   午後二時十二分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り
   委員長     鈴木 恭一君
   理事
           尾崎 行輝君
           山田 節男君
   委員
           大島 定吉君
           寺尾  豊君
           新谷寅三郎君
           稻垣平太郎君
           水橋 藤作君
          池田七郎兵衞君
  国務大臣
   郵政大臣電気通
   信大臣     佐藤 榮作君
  政府委員
   電気通信省電気
   通信監     山下知二郎君
   電気通信大臣官
   房人事部長   山岸 重考君
   電気通信省業務
   局長      田辺  正君
   電気通信省業務
  局国際通信部長  花岡  薫君
   電気通信省施設
   局長      中尾 徹夫君
   電気通信省経理
   局長      横田 信夫君
  事務局側
   常任委員会專門
   員       後藤 隆吉君
   常任委員会專門
   員       柏原 栄一君
  説明員
   電気通信事務次
   官       靱   勉君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○日本電信電話公社法案(内閣送付)
○日本電信電話公社法施行法案(内閣
 送付)
○国際電信電話株式会社法案(内閣送
 付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(鈴木恭一君) これより委員会を開きます。会議に入ります前にお打合せをいたしたいことがありますので速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#3
○委員長(鈴木恭一君) 速記を始めて下さい。
 お諮りいたしますが、一昨日委員長理事懇談会を開きまして、本委員会の審査の予定日取りをきめましたが、大体この線に沿つて審議を進めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(鈴木恭一君) 御異議ないと認めまして、さよう決定いたします。
 なお人事委員会との連合は、人事委員会のほうから正式に申込みもございましたので、これを許すことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(鈴木恭一君) 御異議ないと認めます。
 なお委員の中より参考人として電信電話復興審議会、政令諮問委員会のメンバーのうち、どなたかを呼びたいというお話しがございます。なお商法学者並びに持株会社整理委員会の当時の委員長を呼びたいというお話がございますが、以上の参考人を呼ぶことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(鈴木恭一君) 御異議ないと認めましてさよう取計らいます。
 そういたしますと、本日は三法、即ち日本電信電話公社法案、日本電信電話公社法施行法案、国際電信電話株式会社法案の三案の総括質疑の日取りに相成つておるのでありまするが、実はこれを要求されておりまする小笠原委員が今日御出席がないのでございまして、これは後日に讓りまして、本日は公社法並びにその施行法の内容に入つて御質疑をお願いいたしたいと思います。ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#7
○委員長(鈴木恭一君) 速記を始めて下さい。
#8
○新谷寅三郎君 前回の委員会で重ねて電通大臣に資料の要求につきまして私から話をしたのですが、電通大臣は総裁がきまらないと最後的なことがよくわからない、決定もできないので、私が申上げた日本電信電話公社、これがどういう機構になるのな、組織になるのか、特に現場の窓口において郵政省とこの公社と、それから会社がどういうふうな形になるのかということについて特に資料をお出し頂くように話したのですが、その点についてどうもまだはつきりした返事がもらえないので、この資料は一体お出しになるのですかならないのですか。或いは何日間か待つておれば必ず審議中にお出しになるのか、或いは全然出さないつもりなのか、それを事務次官からお答え願いたいと思います。
#9
○説明員(靱勉君) その資料の要求につきましては大臣からも御答弁があつた次第でございますが、新らしい機構につきましては新らしい経営責任者において最終的決定をしたほうがいいという方針に相成りまして、七月一日に機構を直しますのは、現在の政府機関としての機構では全然意味をなさんというので、これはもうどうしても改正いたさねばならんわけであります。即ち郵政省内に監理官を置くとか、或いは又公社の次官通信監、いわゆる大臣官房、そういうものはなくなるのでありますが、そういう点は七月一日に勿論改正いたしますが、その他の基本的な機構の改正につきましては、目下いろいろの案について検討を進めておりまして、新らしい経営者に対しまして参考案として提出できるような意味合いにおきまして準備しておりますので、まだ省ぎしましてその参考案の決定を見ていないのでございます。勿論これはできるだけ早く決定いたしたいと、参考案としての決定を急いでおる次第でありますが、でき上りますれば或いは本当の参考として御覧に入れることは御要求によつて勿論いたしますが、只今そういうような状況でございますので、現在におきましては御覧に入れることができない。これは現業の末端機構まで相当いろいろ詳細に検討いたしておりまして、終戰後もしばしば殆んど毎年のように機構いじりをしておるというような点もございますので、今度はそうやたらに変えられないように、いろいろな意見も聞きまして調整して行かなければならんというような事態もありますので、実はそういう心持ちでございますから、現在までまだ決定を見てないのでございます。只今の御質問の、一体待つておれば出すのかという御質問でございますが、私どもでき上れば勿論御覧に入れたいと思いますけれども、只今のところは成るべく早く一応の参考案を作りたいと考えております。そんな状況でありまして、幾日だつたら出すということがお約束ができないような次第でございます。
#10
○新谷寅三郎君 おつしやることは、大臣のおつしやつたことを敷衍しておられるのですが、私伺つているのはそう無理なことを言つているのではないと思うのです。一体今度は、電気通信省という官庁から公社という全然組織の違つたものに変つて行くわけです。提案理由にもあるように、今度は本当に機動的に、能率的に仕事を動かすことができるようにというのが狙いだと思うのです。すべての制度がそういうふうに変革しつつあることはこの法律案によつても明らかなんです。どうしても機構の問題に触れて来るわけですが、機構も、成るほど総裁が最後にこうなるのだということであれば、これは勿論変ることもあるでしよう。併し総裁が一人であらゆる問題の細部まで決定されるとは考えられない。やはりあなたがたのほうで準備されたものが基礎になつて、そうして総裁が検討してきめて行くのだろうと思うのです。そうなると、今あなたは参考案というお話がありましたが、参考案でもよろしいと思う。一応雲気通信省のできた場合こういつた機構が一番望ましい、一番能率的であるというようなものがないと、一体誰が総裁になるか知りませんが、一人や二人の人が来て、一体制度や組織をどうしようというのですか、私にはわからない。ですから私は、固い意味でこれは電気通信省としてあるのだから、これは絶対変るものではない、国会に対して約束をしておるのだということを言つておるのではない。われわれが審議をする場合に、私冒頭に申上げたのですが、最も能率的、機動的に行くのには今の組織では十分でない。性格が変ると同時に、組織も変えて行かなければならん。そういうことが前提で、特に現場の窓口についてはいろいろ今までも電気通信省の組織としても考えられるべき点があつたわけですが、今度は更に複雑になるから、もつとそれを検討し直して能率的にすると同時に、国民の側から見ても利用しやすいようにしてやらないと、この事業は結局発展をしないということから、私は組織の問題を特に重大視して質問をしているわけなんです。この間大臣に私一応警告しておいたのですが、若し大臣め言うようにすると、それは総裁がきまるまでは何とも言えない。而もその総裁というのはどういうかたが選ばれるか、これは内閣に任してくれというのだと、われわれ国会としましては本当に何もかも白紙委任で総裁に任せる。従つて内閣に任してしまうということになると、こめ法律案に載つておること以外にはどうも審議できない。そういうことじやこの国会の審議に非常に困難を来たすと思うので、大臣によくお話になつて、私の要求しておる最小限度の資料でも全部お出しになるのが私は当然であると思う。決して私はあなたがたのできないことを無理にお出しなさい、今作つてお出しなさいと言つているのではなくして、参考案でも結構です。それが今度公社になつた場合にはどういうふうに変つて行くか。国民も利益を受けるし、あなたがた従業員全体が能率的に働けるという目途をつけて、そうしてこの法律案の審議を進めて行くのが、これはもう当然だと思つておりますが、よく大臣にお話になつて、本当の基礎的な参考案でも結構たから成るべく早く出して頂きたい。
#11
○説明員(靱勉君) 今の御意見誠に御尤もでございまして、私どもも、ただ新らしい経営者に無責任にどうでもして下さいと言つて出すのじやなくて、電通省ができて以来の経験を積みまして、相当正確な一つ参考案を作りたい。当初は実はもう七月一日に間合せるようにいたす予定であつたのでございますが、いろいろ法案の提出も遅れて参りましたし、そういう法律施行に伴うところの公社としての政令或いは諸規則を出す点も準備いたしておるような次第でございますので、相当その点遅れておるのでございます。今おつしやつたような意味で、基本的な線というものを現在私ども持つていることは持つております。それで今の御要求に従いまして、なお大臣とよく御相談の上できるだけ早く御趣旨に副うようにいたしたいと思つております。
#12
○水橋藤作君 先ほど総括質問は通告者が欠席していないから後にして、逐條審議するという委員長の発言でしたが、これはちよつとまずいと思うのです。衆議院でも修正が出ているというお話でもあるし、やはり修正の説明を聞き逐條に入らなければ工合が惡いということと、総括質問が終らないのに逐條審議するということもどうかと思いまするので、今日は逐條審議をやめまして、総括質問を終つてから逐條審議に入るという形に持つて行つてもらいたい、こういうふうに希望します。
#13
○委員長(鈴木恭一君) 只今の水橋君のお話、如何ですか。
#14
○尾崎行輝君 そうしますと、総括質疑をする人の出て来ない場合は、いつまでも延びるということになりますが、それは何か然るべくしなければならない。
#15
○水橋藤作君 総括質問が残つている人を、三日も四日も全部そのままにしておるということは、これは常識で判断してもいけませんが、実は今日は何か都合で遅れたことと思いますが、その次も、又その次も出て来ないという場合は、そうしていられないと思います。併し今日だけはまだ大臣もお見えになつていないし、それから衆議院のほうから修正も出ているという話も聞いておりますので、総括質問をこの次のときに無論小笠原君も出て来てやると思いますから、それでそのときに質問が残るから……逐條審議を残すということを申上げているんじやない。
#16
○委員長(鈴木恭一君) そうしますと先ほども申上げました通り、今一応予定をこうやつて御承認頂いたのでありますが、仮に今日逐條審議に入らないといたしましても、やはり十三日には討論、採決ができるように取運ぶという御趣旨と解釈してよろしうございますか。
#17
○水橋藤作君 先ほど申しました通り、この先ほどの予定に合せて皆さんで協力するということは私も同感でもあるし、努めてそれに努力したいと思います。思いますが、ここで逐條に入つた場合に、あとまだ小笠原君の質問が残つていることによつて順序が違うという問題が出て来て却つて、運営の上に支障を来すようなことがありはせんかという自分は考えを持つているわけです。
#18
○委員長(鈴木恭一君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#19
○委員長(鈴木恭一君) 速記を始めて下さい。
#20
○新谷寅三郎君 大臣が来られたら少し総括的な問題について質問しますが、その前に政府委員から二、三聞きたいと思います。公社の役員でありますが、原則として役員は兼職禁止ということになつております。結局これは他の法令にもありますものをそのまま持つて来られたものと思うのですが、この兼職の禁止という中に、経営委員のようなものは役員として兼職禁止の中に当然入るのですか、入らないのですか。
#21
○説明員(靱勉君) 経営委員につきましては、要するに欠格條項がございますが、これに該当しない面におきましては兼職がむしろ原則と言つちや語弊かありますが、兼職ができるわけであります。なおこの法案におきまして、経営委員は報酬を受けないというふうに規定されておるわけであります。それからその他の役員につきましては、一応原則として兼職できない、併し郵政大臣の認可を受けた場合には差支えないというふうに規定しておつたのでございますが、一昨日の衆議院のほうの委員会におきましては、その但書を取るというような意味の修正案が、現在委員会としてはきめられておるような次第であります。
#22
○新谷寅三郎君 そうしますと、この役員と書いてあります中には、ただ役員と書いてあれば、経営委員は入らないというわけでありますか。経営委員は役員に入らないという建前でございますね。
#23
○説明員(靱勉君) さようでございます。
#24
○新谷寅三郎君 それからあなたの言われる役員の仕事でありますが、総裁は代表権を持つておる。それからその他のものは代表権はないのだが、ただ代理権だけを持つておる、こういうことになつておりますね。そうすると総裁が若し事故があつたときに、職務は代理できるけれども、対外的に公社を代表するときには、これはどうにもしようがないということになるのですか。この点はどうなんですか。
#25
○説明員(靱勉君) この点は大体他の例におきましては、その他の役員にも代表権を一部與えるというような規定があるのでございますが、それは当然のことでございまして、二十七條かに代理人の問題がありますので、代理人が授権された範囲においては代表権を持つておるという解釈を持つております。それから総裁に事故があるときには副総裁がその職務を代理し、ということでありまして、その場合当然代表権がついて行くという解釈でございます。
#26
○新谷寅三郎君 そうしますと、法文には公社の代表権は総裁だけが持つておるということが書いてありますが、理事が総裁や副総裁の職務を代理しというのは、内部的に総裁の職務を代理するだけではなくて、対外的にも代表権の一部を代理行為、つまり何かの授権行為によつて代表権を生ずるのだ、こういう解釈なんですか。
#27
○説明員(靱勉君) 大体原則といたしましては、総裁が公社を代表するということで、総括的な代表権を持つておる。併し特に必要がある場合におきましては、他の役員に一部代表せしめることができるという形になつておるのでございます。これはまあ大体株式会社等の例を見ましても、代表権を持つものは大体一人に限定しておきまして、必要のある場合には一部代理させ、又代表権を與えるというような方法に従つた次第であります。
#28
○新谷寅三郎君 代表権の問題でありますが、もう少し調べて見ますけれども、ただどういう職務を代理しておるかということが一般にわからないわけですけれども、そういう場合に或る理事が或る特別の職務について、総裁を代理しておるのだ、従つてその範囲においては公社を代表する資格があるのだというようなことが起つて来ると、そのときそのときの授権行為の内容によつて違つて来るということになつて、非常に対外的には第三者に迷惑をかけるような場合が起り得るのじやないかと思います。ですから普通の民法の理論から行きますと、やはり何か規定をこしらえて、その範囲内において理事も公社を代表することができるのだというようなことがないと、一般的には代表権がないというふうに解釈するのが至当じやないかと思うのですが、その点考えは間違つておるでしようか。十分調べたわけではないからわかりませんけれども、どうもその点疑義があるのですが……。
#29
○説明員(靱勉君) 大体そういう点でございますが、普通代表権は幾つにもこま切れに與えるというような考えは持つておりません。総裁が事務を執行しておる場合には、総裁ということに大体考えております。併しながら総裁が事故がある場合には当然副総裁がその職務を代理し、その場合には副総裁が代表権を持つ、代表権そのものが全然ないということは、公社には予想していないという考えで作2しおるのであります。
#30
○新谷寅三郎君 今の説明ですと、そういう意味では、いわゆる民法に書いてある代表権というものではないのじやないですか。総裁の代りに授権行為によつて或る行為を公社のためになし得るという代理権が出るだけで、それを代表権とは言えないのじやないですか。だからあなたが代表権、代表権とおつしやると、この第二十條の一項に書いてあるような、総裁が公社を代表するという代表権と同じように考えられて混乱するのじやないかと思いますが、この点如何ですか。
#31
○説明員(靱勉君) その点少し言葉のはつきりしない点がございましたが、大体におきまして代表権者は一人である。併しながら代理人の選任等によりまして公社の業務執行には差支えない、総裁が代表権を持つておれば差支えない、こういう解釈でございます。
#32
○新谷寅三郎君 そういう御説明なら極くわかる気がするのですが、今度は立法論として、果してそれで賄えるかどうか。代表権を総裁一人に置いておいて、果して実際上うまく行くかどうかということについては、立法論として多少疑義があると思いますので、これはいずれ細かい逐條の審議のときにもつと詳しくお話ししますから、十分御研究置き願いたいのであります。それから総裁の問題に触れましたが、先ほどもちよつと触れたように、総裁や副総裁は内閣が任命する、内閣が国会に関係なく任命されるわけでありますが、そこで総裁、副総裁が大臣の構想によると、非常に大きな権限を與えられる。又公社の設立に当つても、将来の運営に当つても、これが中心機関になつて、余り政府としては公社の仕事に不当に關與したくないという考えを持つておられるのですね。そこで私はむしろそういうようなものであれば、他の法令にも例がありますが、総裁、副総裁の任命については国会の同意を求めるという措置をとられるのが却つていいのじやないかと思うのですやり経営委員五人の中で総裁、副総裁二人までが国会の同意なしに選ばれる、そういう点と噛み合せて見ても、総裁、副総裁はやはり経営委員であるし、今申上げたように非常に大きな権限を與えられるわけでありますから、單に内閣の任命でなしに国会の同意を要するというふうに考え方を変えたほうがよくはないかと思うのですが、なぜ国会の同意というのを法律に規定しなかつたか、その理由をもう少し詳しく御説明願いたいと思います。
#33
○説明員(靱勉君) この公社の重要事項を決定する、要するにまあ公社としての一つ番重要な問題りの意思決定機関は経営委員会であるといたしましたので、総裁以下は当然それは主として執行機関であるという観念でございます。株式会社等におきましては、取締役会で更に業務を執行する役員をきめる、役員は大体株主総会できまりまして、更に取締役会で業務執行の役員をきめるというような形態がとられているのが普通でありますが、従いまして経営委員会というのはやはり国会と内閣、即ちこの公社に対しまして何と申しますか、非常な擬制でございますが、株主総会的な役割を国会乃至内閣がやる。その際におきまして経営委員会というものを当然国会の承認にかけたのでございますが、執行役員といたしましては総裁、副総裁を内閣が任命することによりまして、内閣としりましては勿論直接公社の業務運営につきまして監督し責任を持つという形に相成つておりますので、要するに経営委員の構成としましては執行役員たる総裁、副総裁と混合形態でありますが、経営委員としましては、やはり経営委員会の委員長は経営委員会でなければ選任できないというような規定に相成つております。その間執行機関と意思決定機関との調整というふうな観念も織込みまして、執行機関は国会から行政権のことにつきまして責任を持つている内閣に委せ、経営委員として最高の意思決定をする場合は内閣の任命だけじやなく、国会の承認を得るというそり二つを織込んでおりますので、特に国会の承認を絶対要件とする必要はないというふうに考えた次第であります。
#34
○新谷寅三郎君 その点についてはこれはいろいろ対立した意見もあると思うのですが、これ又あと廻しにしておきます。それからこの法律案を通覧しまして感じますことは、政府の提案理由が今の電気通信省の、つまり官営という形ではうまく行かない。もつと機動的に仕事を動かして行きたいということが公社にする一つの大きな眼目であるように見えるのですが、時に予算的措置についてはいろいろの面で大蔵大臣との関係がどうしても断ち切れない。公社になつても官庁の会計とあまり変らないような関連を大蔵省と持たされている。これではあまり公社にする価値がないのじやないかということも考えられるわけです。特に目に着くのはいろいろの問題がありますけれども、一番ひどいと思いますのは、大蔵大臣が公社の予算の実施について必要があると認めれば収支に関する報告をじかに公社から聴取したり、それから予算の実施の状況については実地に監査するという規定があるのですね。こういうのは、なぜこんな規定を置かれたのか、私解釈に苦しむわけなんです。恐らく郵政大臣は公社に対する監督者として勿論こういつた収支状況の報告を求めたり、若し不審があれば予算の実施状況を調べたりするのは当然だと思うのです。でそのほかに予算に関して会計検査院の検査もあるでしよう。それに更に加うるに大蔵大臣が郵政大臣と同じような権限を行使することができるという根拠規定を置かれたのは、これはどうも二重三重に監督される。これは最も仕事が非能率になる原因だと思うのですが、こういう規定が本当に必要なのかどうか、政府委員から答弁を願います。
#35
○政府委員(横田信夫君) お答えいたします。只今お話がありましたように、公社と申しますか、公共企業体は公共性を維持しながら、経営管理においてはできるだけ自主性を持つて行くということが、公共企業体の精神であることは当然だと思いますが、財務会計において少し制約が多いのではないか、こういうお話でございますが、この点につきましては、我が国における公共企業体というものがなお発展過程にありまして、この公共企業体を、公社案ができますにつきましても、先例といたしまして鉄道公社、或いは専売公社、こういうものがすでに先例があるわけであります。そういう先例に対しまして、これを対照して御覧になればおわかりのように、或る程度の進歩をいたしておる、これは或る程度前進をいたしておるということは幾分言えるのではないかと考えるのでありまして、先例に倣つておることも相当ある。これは今後公社というものが公社の管理者或いは従業員というむのが一致協力いたしまして、本当に経営的な、能率的な、合理的な経営をやつて行く、これによりまして国民或いは一般、或いは皆さんの非常に深い認識を得てだんだん前進して行けばいいのじやないのか、こういうふうに考えております。
#36
○新谷寅三郎君 横田君から先例もあるし、ほかの公社法に比へると大分進歩しておるという、大分自慢したような答弁がありましたが、今の国鉄とか、專売のようなことをやるのでは余り公社にする値打はないと考えます。これは国会でもいろいろ意見がありましようが一大体国鉄でも専売公社でもこれは非常に制約が多くて、公社にしてもつと機動的に能率的に働かせようという趣旨が非常に歪められておるということは皆さん感じておるのですから、今お話しになつたように、これは別に大した自慢にならないので、提案理由からすると、これはもつと機動的に、能率的に動くように仕組んで行かなければならないと、立法論としては私はそう思うが、そこでそれをやると同時にこの日本電信電話公社というものが国民の要望に滑つて最も能率的に働くようにしなければならん、その責任がとれるような仕組にしておかなければならないということから、総裁副総裁なり或いは経営委員というものの職務の重要性が一段と高まるというふうに考えられるので、その点に並行して行けば、もつともこれは簡便に仕事ができるようにあなたがた自身もお考えにならないといけないのじやないかと思うのですが、ちよつと衆議院などの空気を聞くと衆議院でも同じような意見があつて、多少そういう点について衆議院でも修正を加えようという意向があるようですが、むしろこれは非常に結構なことで、若しそういう修正案が出て来れば、私としては極力そういう方向に向つて努力をしたいと思つておりますので、憲議したいと思いますけれども、今の横田君のような御答弁ではこれは私は提案理由の趣旨と大分離れておる、そういうふうなお考えではなしに、初めの趣旨を貫いてお考えになる必要があろうということを申上げておきます。
 それから大臣がお見えになつたので申上げたいのですが、さつきおられないときに次官に要求しておいたのですが、先般来私から要求しておきました資料ですが、特に私は初め申しましたように、こういう事業体では現業の窓口が円滑に動いて行かないと能率が上らんのじやないか、又仕事全体がうまく行かないのではないかということを痛感しておるものであります。でありますから全体の機構がどうなるかということについてもお聞きしたいのですけれども、課とか局とかいうことは一応別としましても、最小限度基本的に現場の機構がどうなるかというようなことについても、方針といいますか大体の参考案といいますか、靱次官は参考案という言葉を使つたのですが、そういつたものを早くお出し願わないと私ども審議に差支えるのです。で御相談の上で成るべく要望に副うというお答えであつたので、それでいいと思いますけれども、成るべく早くそれを委員に参考としてお示し願いたい。私は現場の機構の問題については多少意見を持つておるので、若しあなたのほうでお出しになつた案と食い違いがありますれば、その点十分お互に意見を出し合つて成るべくそういういいところに持つて行くようにしたいと思います。大臣は如何にもそういうものは総裁がきめるのだから今からきめるわけには行かない。従つて出すわけには行かんというような御答弁が再々ありますので、それでは困る。成るべく早くそれをお出しになるように重ねて要求しておきます。
#37
○水橋藤作君 この際大臣に一点お伺いしたいのですが、この電波国策と申しますか、国が電波の運営について国策を定めたものは不変であるべきか又はときによつて変るべき性質のものであるかどうかということについて大臣の御見解をお伺いしたい。
#38
○国務大臣(佐藤榮作君) 非常に簡単なお尋ねでありますので、ちよつとどういうお尋ねか掴みかねておるのでありますが、伺いましたところで、一旦立てた国策は内閣が変つても変更はないのか、或いは同一の内閣では変えないのか、どういう意味でお尋ねになつておるのかちよつと……。
#39
○水橋藤作君 その通りなんです。
#40
○国務大臣(佐藤榮作君) その通りでございますか。御承知のように国策というものは政党といたしますればそれぞれ立派な国策を持つておられることだと思いますので、政局自身の担当者が変ることによつてそういう意味においての変更はあり得るだろうと思いまするし、又同一政党が政局を担当いたしましても、やはり情勢というものはよほど考えて行かないと、場合によりますると情勢を作るということもあり得ると思いますが、場合によりますると情勢に変更を余儀なくされるということもあり得るのではないか、かように考えます。
#41
○水橋藤作君 そうしますとこういうふうに解釈してよろしいのですか。内閣が変るたびに電波国策というものも変ることもあり得る。又大臣が変るたびに国策を変える場合もある。或いは戦争状態がおかしくなつたから変る場合もあるというふうに解釈してよろしいのですか。
#42
○国務大臣(佐藤榮作君) 国策というものはそう簡単に変るものじやないだろうと思います。従いまして抽象的に申せば、只今水橋君がお尋ねになるようなことが言えるかと思いますが、具体的な国策として考えますと、非常な変更はなかなかないのじやないか。ただ例えば自由党は民営的な機構というものに非常な主張を持つておるし、併し一面他党の一部において或いは国営論を主張する、こういうようなこともあり得るのです。そういうような政党が政局を担当する場合においてかねて公約した政策を実現する、こういうことはあり得るのじやないかと思うのです。ということを実は申しておるわけであります。然らば現在当面しております電波国策という観点に立つて見ますると、経営主体そのものはこれは党によつてそれぞれ違つておりまするが、主力を電波の獲得において、而もそれが民主的な運営或いは国際的な分野において活動するのだ、この主張は各党とも共通じやないかと思います。従いまして根本的な変更が常時あるとはどうも考えられんと思います。と思いますが、抽象的な議論を申せば冒頭に申したようなことになるのじやないかと、かように考えるわけであります。
#43
○水橋藤作君 私も大臣が今御説明になつたように、そう簡単に変るとは思いませんが、現行の電波監理委員会設置法の十二條に特に語つて、同一政党に属する委員が四人以上まとまつちやいかん、政党に左右されちやいかんという、つまり電波が独立したときの原則なんですね、その点が今大臣の言われることとちよつと反対になる。そこで電波監理委員会というものがなくなつて、今郵政大臣の機構の中で左右されると、これが内閣が変つた場合に又もとの姿になることもあり得るわけなんですね。そうしますとその電波行政の上に、つまり頭のほうが二、三のことで済むならいいが、現場に行つて現業において非常に何と言いますか混乱を来たす虞れがある、そういうことがありはぜんかという懸念を持つわけなんで、そういう方面から行きましてこの電波監理委員会が独立の立場に立つて、そうして電波を監理するという考えかたの下に現行法が施行されていたのだと思う。そこで今の大臣の御説明のように政党が変れば電波の行政も変ることもあり得るということは、我我はこの電波行政の上から言つて大きな問題だるりと思うのです。簡単には変らないと申されましても、終戦後内閣はもう三回も四回も変つている、又近い将来において変らんとも限らん、そのたびに電波行政というものが変るということは、必ず変るということは言えませんが変り得るのですね。そう心、りことは非常に危険性があると思うのですが、その点如何です。
#44
○国務大臣(佐藤榮作君) 私は非常な意外な御意見を聞くのでありますが、やはり今の政党内閣制を取つていると、変つてもしかたがないし又変らないとなかなか政党は全部同じ政策を立てるわけでもないのですから、どうも変るということが普通の場合はあり得るのじやないか、これはどうもそういうことが望ましいとか望ましくないとかいうことでなしに、今の政治体制から見ればあり得ることじやないかと思います。それからもう一つは同じ政党でありましても、時期的な環境その他情勢から考えましても、曾ての委員会制度を廃止するというようなことも当然出て来るので、それを不変に縛りつけるということは無理じやないか、清勢がすつかり変つているのにいつまでも一遍立つたものをそのまま守り抜くということは、これは政治にならないのじやないかという感がどうも私いたすのでありますが、お話とは相当距てがあるように思います。
#45
○水橋藤作君 私は政策方面で変ることは、それはいろいろあるのです。大臣から御説明を聞かなくてもあると思うのです。併し電波国策というものが大臣が変る、政党が変るたびに左右されて、それが当然だと言われるところに私は電波行政として考え方が違いやせんか、私はどこまでもそういうふうに考えておるもので、そういうふうに質問したのですが、それは奇怪なことを聞くという御意見は、私は見解の相違としてこの点はとめておきますが、私は大臣が変り、政党が変るたんびに、電波を自由に変えることが当然だという考え方には承服できないわけなんですが、これはこの次に譲りまして、もう一点お伺いしたいことは、昨日の小笠原君の質問の中で、高能率高賃金問題で給與準則なり或いは予算面が決定されているのに、高能率高賃金という高賃金をどこから割出して実施されるということがはつきり説明が聞けなかつたのですが、この点を一つ……。
#46
○国務大臣(佐藤榮作君) 御承知のように、今回公社に編成をいたしましても、給與の総額は予算できまるわけです。限度はきまる。従いまして、その限度内でこれを如何に運用するかということが言えるわけであります。ところが御承知のように、この給與の問題といたしましては、基、本給の問題もありましようし、諸手当等もあるわけであります。給與準則は今後公社においてこれを決定して参るわけであります。而も、事業官庁の予算といたしましては、この給與の総額というものにつきまして或る程度のゆとりを考えることは、これは当然なんです。と申しますのは事業が非常に忙しくなると、かようになれば人員は殖やして参らなければならないし、事業が非常にスムースに能率よく手際よく処理されるならば、これは又臨時雇等も減らしてもいいわけでございます。かように考えますると、一定の限度は勿論あるわけでありまするが、一般行政官庁におけるような窮屈な給與状況ではないということを申上げた次第であります。ここに或る程度のゆとりが考えられるということを申上げるわけであります。
#47
○水橋藤作君 そうしますと、仮に例を挙げまして、百人で仕事をするところを九十五人でその仕事をできるようになれば、あとの五人の分は高賃金のほうに廻されるというふうに解釈してよろしうございますか。
#48
○国務大臣(佐藤榮作君) これを算盤で割つたようには参らないと思います。けれど、給與の総額がきまつておるからゆとりがないではないかと言われると、それは当らないということを只今申上げたわけであります。だから、百人分の予算を取つておると、それが九十五人で片付いたから、五人分は分割し、分前として分與できるじやないかと、こういうことは直ちに出て来るものではないわけであります。
#49
○水橋藤作君 私は例を挙げましたので、五人分直ちにというのでなく、つまり彈力性があるということは、まあ五人であるか或いは三人であるか、高能率を挙げた場合は、その得たところのものを高賃金に廻す、ゆとりと申しますのはそれを見てよろしいかということであります。
#50
○国務大臣(佐藤榮作君) 業務遂行につきまして、褒賞制度を加味した給與を考えて行くということは、只今御指摘の通りの点に副うつもりでおります。
#51
○委員長(鈴木恭一君) 別にもう本日御質疑ございませんか……ございませんければ、本日はこの程度にいたしまして次回に譲りたいと思います。本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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