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1951/06/03 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 電気通信委員会 第31号
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1951/06/03 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 電気通信委員会 第31号

#1
第013回国会 電気通信委員会 第31号
昭和二十七年六月三日(火曜日)
   午前十一時二十六分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     鈴木 恭一君
   委員
           大島 定吉君
           寺尾  豊君
           新谷寅三郎君
           稻垣平太郎君
  政府委員
   電気通信省電気
   通信監     山下知二郎君
   電気通信大臣官
   房人事部長   山岸 重孝君
   電気通信省業務
   局長      田辺  正君
   電気通信省業務
  局国際通信部長  花岡  薫君
   電気通信省経理
   局長      横田 信夫君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       後藤 隆吉君
   常任委員会専門
   員       柏原 栄一君
  説明員
   電気通信事務次
   官       靱   勉君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○日本電信電話公社法案(内閣送付)
○日本電信電話公社法施行法案(内閣
 送付)
○国際電信電話株式会社法案(内閣送
 付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(鈴木恭一君) これより委員会を開きます。
 日本電信電話公社法案、日本電信電話公社法施行法案、国際電信電話株式会社法案、いずれも予備審査、質疑を継続いたします。
#3
○説明員(靱勉君) 昨日新谷委員から御質問のありました、公社を代表する問題でございますが、公社法案に規定いたしてありまする通り、総裁だけが公社を代表する権限を持つております。これを、代表権を制限する場合は、別に総裁と公社との間の利害が反する場合を特に明定いたしております。それから総裁が欠員の場合におきましては、副総裁が総裁に代つて総裁の事務をそのまま執行することになつておりますので、その場合には副総裁が代表権を持つということになります。それは欠員の場合でございます。その他の場合におきましては代理権を賦与しまして業務運用上は差支えない、こういう考え方で国鉄等と違いまして特に総裁だけに代表権を認める、こういう形にいたしたわけであります。なおそういう例は日本銀行等はそういう例になつております。
#4
○新谷寅三郎君 只今の公社の代表権の問題について事務次官から御説明がありましたが、大体今の御説明で了承いたします。それから今日は日程によりますと、総括質疑になつておりますが、他の委員がおらないので、私少し株式会社法案について質問したいのですが、よろしうございますか。
#5
○委員長(鈴木恭一君) よろしうございます。
#6
○新谷寅三郎君 会社法案についてはまだ十分質疑も行われておりませんので、私はいずれ取りまとめて質疑をしたいと思うのですが、研究の材料にするために二、三の点をお尋ねしたいと思います。先般この法案について政府当局から説明がありました際に、この電信電話株式会社の株は一応公社が全部持つて、その株を大蔵省に譲渡して、更にこれを大蔵省で時価で一般に売却する方針であることを述べられたのでありますが、この場合、先ず第一に考えられる問題は、資産の評価の問題であります。これについては、法律案によれば、適当な委員会によつて適正な評価をする、特に収益率も参酌してきめるということになつておりますが、これはともかくとしまして、大蔵省に株を譲渡します場合に、一体その株はどういう価格で以て譲渡することになるのか。それから大蔵省が一般に対して時価で売却するという御説明でありますが、その時価というのは、全部株を大蔵省が持つておりますると、株式市場では取引がないわけでありますから、その株の時価というものはどうしてこれは算定をされるのか。只今どういうお考えを持つておりますか、政府の御意見を伺いたいのであります。
#7
○政府委員(横田信夫君) お答えいたします。この会社の株式でありますが、会社といたしましては、現物出資されました、或いは譲渡されましたものについての株のほかに、会社として当面運転資金も要りますし、ほかの株の公募というものが当然あることと考えられます。従いましてその公募株は当然上場株になりまして、時価というものが出て来ると考えられるのでありますが、お尋ねの点につきましては、この譲渡された有価証券、株券の、公社が現物出資してその株を最初公社が取得する、それを政府に譲渡する、その譲渡した株のその後の処置がどうなるかというお話でありますが、これは附則二十一項に書いてありますように、譲渡された後政府は有価証券市場の状況を考慮して成るべく速かにその前項の規定によつて譲り受けた株式を処分する。で、有価証券市場、これは相当多額の株でありますので、一度に売出すということは、非常に株の価格を下げるという問題もありますので、有価証券市場の状況を考慮しながらやつて行くということに相成るわけであります。で、この株式を処分して、その処分したときに、この二十二項の規定によりまして、株式の対価を、当該株式の処分に応じて公社に支払うことができる。で、本当はこの有償譲渡でありますので、株を譲渡いたしたときにすぐ政府のほうから対価をもらうということもできるわけでありますが、そういう構成をとりませんで、これは政府が漸次処分いたしたときに、その処分した金を公社に支払つて行くことができるというように二十二項でいたしたわけであります。ちよつとお答えが十分でなかつた点もあるかもわかりませんが、御指摘によりましてなおお答えいたします。
#8
○新谷寅三郎君 いろいろ問題があるのですが、分けてお尋ねいたしましよう。私の聞いておりますのは、大蔵省に公社が持つておる株を譲渡するというのですが、この譲渡する場合に、その株式の価格は設備の評価審議会ですか、でこれは十分に時価を睨んできめておるのだから、額面で以て大蔵省に譲渡するという趣旨なのですか。そのときの大蔵省に譲る場合の株式の価格はどうされるのですかということなんです。
#9
○政府委員(横田信夫君) 先ほどのお答えが不十分であつたように思います。お話のように、この譲渡いたしたときの額面価格でそれを払つてもらうという方法もあるわけでありますが、併しここにこういう構成をとりましたのは、そうでなくして、いわゆる条件付売買と申しますか、これをその後になつて譲渡する。大体どちらかというと、額面より大きい場合が多いだろうと思いますが、これもわかりませんので、この二十二項によりまして、処分いたした場合に、その処分において払つてもらう、その処分の価格で払つてもらう、こういうことをいたしたわけでありまして、その間の公社の中での財産処理におきまして、或る意味において不確定な財源になりまして、未確定財源としての未収金が載つて来るわけであります。その未収金の一応公社の中の処分といたしましてはまだ頂いてないものについては、一応額面による未収金というものを仮に挙げて行くということになると思いますが、実際頂く価格は、処分して、大蔵省がその株式を売買いたした、売つた場合のその株の対価を頂く、こういう趣旨に規定いたしたわけであります。なお譲渡の資産評価の問題が非常にむずかしいわけでありますが、ここでいろいろの方法がありまして、資産評価の時価評価の方法には、まあ通常行われておる方法は指数法による方法と例の資産再評価法に基いて行う方法と、その二つがまあ代表的なものだと思いますが、これから収益率を参酌する場合のその方法にも種々の方法がありますが、大体この代表的なものは収益還元法というのと、年数法、この二つの方法が代表的のようであります。併しこれのどういうものをとつて行かれるかということが今後の問題だろうと思います。それから先ほどちよつと言い落しましたが、時価の評価のときに、指数法と資産再評価法と、もう一つは再取得価格法、これは個々の資産にどうしても棚卸をして行かなければなりませんから、その三つが大体代表的な方法のようであります。
#10
○新谷寅三郎君 細かい問題は別にしまして、今のお話だと、二十項で書いてある「株式を政府に譲渡しなければならない。」ということですね。この「譲渡しなければならない。」というのは、結局一応は無償譲渡ということを書いてあるのですが、そうしないとあとの二十二項では「当該株式の処分に応じて公社に支払うことができる。」とあります。支払うことができるというので、支払わない場合もあるわけなのでしようね。すると、一応はこれは無償で政府に肩替りをするというふうに書いてあるのですが、今の運用はそうじやないように思いますけれども、株式を公社から政府に譲渡した場合に、それに応じた対価はやはり政府から公社がもらうのが原則なのでしようが、その原則はこの書き方で見ると、今のお話だと、どうも一応は無償で譲渡するのだが、これはどういう意味か知りませんが、「当該株式の処分に応じて公社に支払うことができる。」というので、これはまあ政府が「できるさのだから、する場合もしない場合もあるというふうに見えますね。その点は解釈はどうなのですか。
#11
○政府委員(横田信夫君) 二十項の意味でありますが、これは当然公社が独立の法人格でありますので、譲渡と書いたものは当然有償譲渡、若し無償というならば、無償とはつきりしなければいけないので、初め有償という言葉を入れようかと思つたのですが、これは有償というのは当然だからというので、法務府でも削られたわけで、これは当然有償譲渡であります。で、有償譲渡いたしました場合に、従つてこの二十二項の支払うことができるということはどうか、こういうことになりますが、これは有償譲渡であつて、すぐその対価を支払うべきであるけれども、これはその対価の支払は遅らすことができるという意味において、遅延することができるという意味の「できる」と、こういう意味に解釈いたします。
#12
○新谷寅三郎君 そうしますと、又元に遡るわけでずが、非常に疑問が出て来るのですね。一体公社が会社の棟を持たないほうがいいのだという理由は、公社が非常な会社に対する支配力を振り廻すことは困るだろうということにこれは起因しているのだろうと思うのですが、一面こういう株式を譲渡して公社の資金が潤沢になるようにということも併せて考えられるのじやないかと思うのですが、その点如何ですか。
#13
○政府委員(横田信夫君) この公社が現物出資いたしました株を長く持たないで政府に遅滞なく譲渡する。会社の成立後遅滞なく譲渡するということにいたしました趣旨は、お話の通り、会社が折角できましても、公社が大部分の株を持つてこれを支配するということは不適当であろうということでこの条文が設けられたことはお話の通りであります。併し一面におきまして、お話のごとく、この会社の行います国際通信業務も、設立までは公社が当然全体的にやつている。この会社の収支関係と申しますか、国際収支関係は、現在としては、現在の状況においては相当いいわけであります。それが抜けて行くことは同時に公社としても収支上には相当の影響があるわけでありますが、全体的から見ますれば非常に大きなうちの一部でありますが、その影響を最小限度にとどめて行くということも必要なわけで、こういう措置をいたしますならば、この本案のような措置をいたしますならば、お話のごとくこの設備はいわゆる再評価されて来るわけでありまりして、それが貸借対照上は資本剰余金として載つて来る。これは政府が株式を処分いたしました場合は、これは民間に放出になるわけであります。民聞の資金が集つて来る。その民間の資金が政府を通じて逆に公社に入つて来る。この入つて来た金は、公社が国内の非常に欠乏いたしております設備の拡充資金に充当し得るという意味において、間接に公社も民間資金の吸収によつて国内設備の拡充資金を獲得し得る。こういうことに相成るわけでございまして、一面公社は株を政府に譲渡いたしますけれども、政府を通じて拡張資金というものが民間から入つて来るという構成になるもので、国内通信の点から見てもこの構成でいいのじやないか。こういう法案の趣旨であります。
#14
○新谷寅三郎君 そこで問題は少し脇に外れますけれども、今の質問を更に敷衍してお尋ねします。そういうふうな目的であれば、何も株式を持つたからといつて株主権をフルに行使しなければならんということはないので、こういう特別の会社におきましては、そこから出て来る収益はそれは公社が受けるけれども、株主権は行使しないというような方法も考えられるわけですね。法律にそういうことを明瞭に書いて置くことができるわけです。株主権の放棄を、法律で放棄してしまうというようなことはこれはあり得る。そうすると収益も一方では上つて来るし、支配力を振うというようなあなたがたの心配されるような心配もなくなるし、よりいいのじやないかと思うのですが、なぜそういう方法を採用されなかつたのですか。
#15
○政府委員(横田信夫君) 只今のお話がありましたような方法も一つの方法かと思います。お話のごとく公社の現物出資いたしました株については、議決権のない株にして行く。従つて議決権をなくすれば支配というような心配もない。同時に株の配当というものも入るから公社の側から言えばいいのじやないか、こういうのでありますが、これも一つの方法かと存じますが、要は折角公社と会社と分けた場合に、形式的にもそういう印象を与えることが、一つの公社が株を大部分持つているのだという印象を与えることが余り面白くないのだというようなことも考えられるのでありまして、要はどもらの政策をとるかという問題だろうかと考えられるわけであります。
#16
○新谷寅三郎君 具体的な細かいことは私知りませんが、そういうような方法もあるにかかわらず、こういう方法をとられたのは、一面将来この会社の設備をもつと殖やして行く。つまり会社の資本から言えば増資をして行くというような場合に、会社が又そこのほうに相当の資金を注ぎ込んで行かなければならんということを避けて、むしろ一般民間からそういう資金は公募したほうがいいのだというようなことを考えられたのじやないですか。
#17
○政府委員(横田信夫君) 大体今のようなお話の理由と、それから公社が持つということの、いわゆる形式的に議決権のない株を持つとしましても、形式的に印象として面白くないのじやないか。二つの理由から政府としてこういう方針をとつたということだと考えます。
#18
○新谷寅三郎君 いずれこの問題はもう少し他の機会にお尋ねすることにして、元の問題に移りますが、先ほどのお答えでは、二十項に書いてあるのは勿論有償の譲渡である。それから二十二項で「支払うことができる。」と書いてあることは、これはただ時期の問題であつて、支払うのが当然だが時期を延ばすことができるというような意味に考えておるということですが、若しそういうことであれば、公社の持つておる株式を処分して、その資金を政府が他の方面に或る場合には流用しようという肚があるからそういうことになつて来るように思われるのですが、若し売ればすぐにそれを右から左に公社のほうに支払えば、支払う肚をきめておれば、こういうようなあいまいな規定をおかなくても済むわけですね。何か大蔵省との関係において、公社にすぐ払わないで一時、例えば一般会計のほうでこれを流用して使うのだというようなことが予想されておるのですか。
#19
○政府委員(横田信夫君) お話の点につきましては、特にそういう意図はないように考えられます。で、この「当該株式の処分に応じて」と申しますのは、大体処分いたしたことにと、こういういうように解釈されますので、ただお話のように譲渡したときに、すぐ政府が払おうといたしますならば、このために別途の予算を計上いたして行くというようなことも、この支払のための財源を一般会計でどこかから持出して来るという必要もあるわけでありますが、政府はいわばこの関係におきまして、通り抜けみたいな関係になつておりまして、それに政府はこれによつて得もしない損もしないということを大体前提といたして行こう。ただこのために、政府が別途の財源をほかのほうから持つて来るというようなことはできる、たけ避けたい、こういう趣旨でこの条文が置かれたものであります。
#20
○新谷寅三郎君 そうしますとこういうことですか。二十二項は、株式を処分したときには、その対価を公社に速かに支払わなければならない、そういう意味と同じことなんですか。
#21
○政府委員(横田信夫君) そういうように解しております。
#22
○新谷寅三郎君 多少これは規定の不備じやないかと私は思うのですが、これをただすらつと読むとそういうように読めないのです。この点は併し又別の機会にいたします。それから第二段に、大蔵省がその株式を時価で一般に売却するという方針のようですけれども、その場合に時価というのはどこで誰が算定をするのですか。
#23
○政府委員(横田信夫君) その認定は、ここにありますように、二十一項で、政府は有価証券の市場の状況を考慮して処分する。従いまして一度に売出して、有価証券市場を崩して行くというようなこともないわけであります。それから時期といたしまして、成るべく速かにではあるけれども、当然これで特に安いときにやつて、不利なときに売出すというようなことはないわけであります。これは政府の認定でやられても差支えないと考えまして、この時期の認定は政府に任されておるわけであります。ただその認定に当つては有価証券市場の状況を考慮するということと、それから成るべく速かにという条件で政府の速かな認定を待つ、こういうことであります。
#24
○新谷寅三郎君 そうしますと、結局時価と言われるけれども、時価でなくて、政府が認定をしたその価格で以て処分をするということになろうと思うのでありますが、問題はここに非常にいろいろの問題が考えられるわけです。政府が、これは大蔵大臣か郵政大臣か知りませんが、両大臣が協議するのかも知れませんが、そういつた形で以て、株式の時価というものがないのに、これが時価だろうというので算定をして、そうしてその株式を一般に売払つて行くというようなことになると、これは私どものほうに、最近電通の従業員諸君からいろいろ意見なり希望なりが持出されておりますが、こういつたことが非常に公社及び会社の設立について、いわば疑点を持たれておる一つの問題だと私は思うのです。ですから、政府が株式を処分する場合に、その対価を一体どうするかというようなことは、もつと明らかにして、そのときそのときで、政府がこれが時価でありますというようなことを勝手にきめるようなことでなしに、やはり国会も、従つて国民もこれは正しいやり方であると考えるような方法でおやりにならないと、こういうところに問題が私は伏在しておると思うのですが、これをもつと明瞭にすることをお考えになりませんか。
#25
○政府委員(横田信夫君) 只今時価がないのじやないかとのお話でありますが、実は先ほどもお話いたしましたように、このほかに公募株がありますので、当然これは上場株になると思いますので、上場株としての相場が当然立つものと思います。ただ問題は、従いまして、時期の問題だろうと思います。今これ以上株が上るか、或いは下るかという時期の問題としての判断の問題になりまして、その時価自身は上場株として常に相場は立つておると思います。その時期の認定の問題は非常に微妙な問題でありまして、これは政府はその時期を認定をして、それを一々相談するとかいうようなことをやつて行くことは、却つて時期を失する虞れもありまして、これは却つて政府に一任されても、不当なことは当然政府としてはやらないのじやないか、こう考えるのであります。
#26
○新谷寅三郎君 今お話の中の若干の株主を募集しなければならんという規定があることは私承知しておるのですがね、これが従来のような国際電気通信株式会社ですか、戦争前にありましたような、ああいうような形の会社だと、これは本当に株式の時価になつているかどうかということは非常に私は疑問だと思うのです。で、今度のこの会社を見ましても、やはり大部分の資産というものは公社が持つておつて、今のお話によるとなんですか、運転資金のようなものですか、ほんの一部分だけ公募するようなことになるのじやないかと思うのですけれども、そういうもので、而もそれがどんどんと市場に売買されて株の値段が立つかというと、取引所で果して株の値段が立つかというようなことになりますと非常に疑わしいと思うのでありますが、その点はどうお考えになりますか。
#27
○政府委員(横田信夫君) これは将来のことでありますが、大体この株が今のこの評価額のほかに三億円になるか、五億円になるかこの辺は将来の問題でありますが、いずれにしろその公募株については恐らく市場価格と申しますか、株式市場の相場が当然出て来るものと考えております。若し万一株がそういう相場が出て来ないとすれば、政府はこの株式の譲渡については、一般の方法によるいわゆる入札とか、そういう方法によることになると思うわけでありますが、大体の見込といたしましては、当然この株の相場というものは出て参ります。それから当然この政府の株の処分に応じて、又その株式市場というものはどんどん立つて来る。これはこの政府の持株も勿論普通株でありますので、これは処分されるに応じてますますその上場株としての意味は出て来る、こう考えまして一応株式相場というものは立つものと考えております。
#28
○新谷寅三郎君 それは結局あなたのさつき言われた時期の問題にも関連するわけですね。いつ株式を処分するかという時期の問題に非常に関連して来るわけですがね。こういつた会社を設立する場合に、初めに株式の公募に応じて株を持つた人たちがすぐにこの株式をどんどん売つたり買つたりするということは余り考えられない。ですから或る公募株が非常に殖えて、或る時期がたつて、そうして市場でどんどん取引されるような時期になれば、それは自然に株式の時価というものもできて来るだろうと思いますけれども、而もこの法律案の建前を見ると、非常に処分は早くやれとかいうふうに書いてあるし、設立してまだ十分に業務を開始しないで、まだ第一回の決算も終らないのにどんどん株式が売買されて、そうして市場でそれがどんどん取引されて時価が出て来るというふうな考え方が、どうも私実際から見ると理論に走つてしまつて、実際に遠いのじやないかということをさつきから言つているのですがね。そういう場合に処して、一体株の時価というものはどうしてきめるかという問題になつて来るわけです。いずれにしたつてこれは実際やつて見なければわからんでしよう。わからんでしようが、常識的に考えれば、どうも私はさつき申しましたように考えられる。そういうことを前提にして見ると、どうもこの二十項乃至二十二項に書いてある株式の処分及びその価格というものについては、これはもつと詳細に規定をして、そうして何も公社がこれによつて大きな利益を得ようという必要はありませんけれども、これによつて損をしたり或いはここに妙な問題を残さないような、つまり国民に安心させるような方法をとつておかないといけないのじやないかということを考える。これについては別に今あなたから御答弁は得たいと思いませんが、いずれこれは所管大臣にこの点を十分質して見たいと思います。それからこの会社について先般もお尋ねをして、あらかた方針はわかつたのですが、この会社が一体どこまでの設備を持つかという問題です。設備の問題、国際電信電話事業を運営するのに必要な設備ということになると非常に広いのです。従来の我々の知つておりました戦前の会社は、これは設備が主でありましたものでもありましようが、非常にたくさんの設備を持つて、むしろ逆に電気通信省がその設備を借りたわけです。そういうことになつてはいけないと思うのです。従つて国内の幹線のごときものは、これは必要があれば公社がみずから設備をして、必要な部分をつまり電信電話会社に貸すという建前をとつて行かないと、どちらが本家かわからないようなことになつてしまう。而もその全額を公社が出資をするというような建前から見ましても、これは建前上堅持してもらいたいと思うのです。但し、そこに私こういうことを尋ねるについての心配は、どうも公社の金はやはり財政資金が主であるから、なかなか建設資金というものは得られない。一方会社であるから割合に資金が容易に得られるというので、会社に設備をさせて、むしろ公社が使つたら便利ではないかというような便宜論が起つて来るのではないかということを心配するのですが、この点は勿論法律上ははつきりしておりませんけれども、これは靱次官からでも結構ですし、どなたでも結構ですが、設備は現在譲渡する、そうであるのにかかわらず将来建設する設備についても、これは直接国際電信電話事業を運営するのに必要なる最小限度の設備に、若し共用を必要とするものがあれば公社が設備をしてそれを会社が借受けるんだという性格のものであるということをここで言明はできないのですか。
#29
○説明員(靱勉君) 会社法案におきまして、第二条に事業としまして「これに附帯する業務その他前条の目的を達成するために必要な業務を営むことができる。」、こう書いてあるのです。只今申された国内の幹線ルートを作るというようなことに対しましては、「これに附帯する業務」というふうに解釈するかどうかという問題が一つあるかと思います。この前の国際電気通信株式会社におきましては、国際通信に共用せられるケーブルまで入ることがはつきりさせてあつたと思います。この会社が事業を営む場合には更に認可事項にかけてあるわけでございまして、只今の方針としましては、一般の国内の通信施設を設備し提供するような業務を行わせることを考えておりません。但し全般的に国内の設備をいたしまして提供するということは、これは或る意味において自由行為と申しますか、そういう形になつておりますので、結局会社の業務とするかどうかという問題は、郵政大臣がこれを定めるという方針で、政府といたしましては只今そういう考えはない、法律的に申しますとそういうことの権能を与えなくても、他の会社等におきましても設備提供というものは可能のようなことになるわけであります。それは郵政通信法なり営業法の問題ということが一つ残つておるわけです。設備まで飽くまで公社が独占して施設するという態勢は、目下立案中の営業法、郵政通信法等においても考えておりません。結局この会社の業務をどの程度認めて行くか、而も附帯業務その他前条の目的を達成するために必要な業務だけに法律において限定されておる、今おつしやられたように政府としましては、只今国内の施設を提供することをこの会社に求めるというような考えは持つていない次第であります。
#30
○新谷寅三郎君 その点は二条を見ますと「附帯する業務その他前条の目的を達成するために必要な業務」と書いてあつて、例えばケーブルならケーブルを例にとつても、そのケーブルを全然会社が使わないというものであれば勿論これは入らないものだろうと思いますが、併しそのケーブルの中の何回線かを会社が使う、併し大部分はこれは電気通信省が借りて使うというような場合に、やはり附帯業務或いは本来の目的達成に必要な業務の中にそのケーブルの設置というものも入つて来ると思うんです。そこを私は問題にしておるのです。ですからそういつたことはやらないので、極く端的に言えば、会社がまあ専用するようなケーブルとか施設、そういつたものは会社に持たしてもいいが、一般の公衆通信と国内の公衆通信と共用するというようなものは、これは会社に持たせる筋ではなくて、むしろ公社がそういう設備を持つてそれを会社に貸して行くのだというような建前をとつたほうがいいのじやないか。端的に言えばそういうことになるんですが、その点をもう少し明瞭に御答弁願いたいと思います。
#31
○説明員(靱勉君) 今おつしやられたように、例えば連絡線等の問題につきましては、これは全く会社専用でありますので、こういうのは当然第二条の附帯する業務とか必要な業務ということではなくて、当然設備を自分で所有し設備して行くということは当然かと思います。そこで只今の、結局公社ができるだけ設備して一部向うで使うようなものを貸して行くということは、現在方針として考えておる次第でありまして、現物出資の範囲等もまだはつきりきまつておりませんが、かなり公社の設備を共用するという面が出て来ると思います。そこで更に進んで新たな施設で国際通信業務にも使用される、併し大部分は国内である、今後施設されるものにつきましては、今御指摘の通り非常に問題があるかと思いますが、これは先ほど申上げました通りに、この会社にそれを現在におきまして期待いたしていないということを申上げますが、法律的に申しますれば、先ほど申上げましたように、郵政大臣の考えによりまして、そういうような方法もとれるという点は御指摘の通りかと思います。公社としましては、一般の他の業務、通信を必要とする面に対する専用施設の提供ということは、公社のやはり大きな仕事として考えております。その精神から申しますれば、当然国際通信会社に対しましても、国内と共用される分につきましては、公社が施設いたしましてそれをむしろ貸して行くという方針で進んで行きたい、こういうふうに考えております。
#32
○新谷寅三郎君 まだ大分あいまいですから、これはもう一遍所管大臣に意向を質したいと思います。時間もありませんから最後にもう一点聞いておきますが、職員の問題についてでありますが、国鉄等の例を見ましても、若干は運輸省に監督機関として残つている、大部分のものが国有鉄道のほうに入つて行つたのですが、その後の運用から見ますると、どうも人事交流が十分に行われなくて非常に困るというような例を私は見ているのであります。今度はこの会社に関連して考えますと、会社と公社と、それから監督機関、この三つになるわけです。この間相当にやはり人事交流が必要な場合が、特に設立当初には多かろうと思います。人事についても十年或いは数十年時間が経過して、いわゆる子飼いの人たちが、それぞれの職務を行うようになれば、こういう必要はないかも知れませんが、当初は恐らくお互いに適材適所主義をとれば、そういう人事交流が行われないと円滑に行かない点も出て来るだろう。従来の他の例を見ますと、そういう点が非常に配慮を欠いておると思うのです。勿論公務員には公務員の試験があつたりして、自由自在には行かんでしよう。併しそこにこういう事業体を持つておる役所としては、これは特例を設けてでも円滑に人事交流を行えるようにしておかなければならないと考えるのですが、その点についてはどういう見解でありますか。
#33
○政府委員(山岸重孝君) 只今の人事の関係の御質問にお答えいたしますが、国鉄と運輸省の場合において、今新谷委員からのお話がございましたように、確かにすでに人事交流がむずかしくなつておるという話は私どもも聞いております。ただ最近の例といたしまして、これは国有鉄道公社が設立されましたときに、当時の運輸省におりまして鉄道部内におりました者が、運輸省の鉄道監督局の国有鉄道部門のそのままいわゆる監督の立場として残つた人が、最近又公社のほうに入つて、逆に公社から国有鉄道監督局のほうに入つている人もございます。この場合に具体的な問題といたしまして、やはり俸給、本俸と申しますか、これの差が、公社と公務員との関係、給与の関係からできておることが一つのむずかしい点であろうというように思われます。今後この電信電話公社、或いは国際電信電話株式会社と、それから今度郵政省に設置されます電気通信監理官及びその監理官の補佐をする職員、これとの間の相互交流の問題になりますと、公社とそれから今の電気通信監理官或いはそれを補佐する職員の間においては、当分の間今の恩給の規定が相互に行き来いたしましてもずつと続くように、この電信電話公社法案にもはつきり書いております。従いまして只今新谷委員からもお話がございました点で、本俸の差が将来できないともこれは勿論保証いたしません。勿論違うというのが普通の常識と考えられますが、そういう点で若干のむずかしさはできると思いますけれども、これは併しできるだけ適任者をそれぞれ選んで交流さして行くことが是非必要かと思います。この点国際電信電話株式会社の場合におきましては、恩給を続けるというようなことが非常に困難でございます。又恐らくこれは只今の恩給法の建前から参りまして不可能というように考えられますが、そういう点から申しますと、会社と郵政省の電気通信監理官との間の人の入れ替えというようなことは、なかなか実際問題といたしましてはむずかしい問題か起きるのではないか。但し又日本電信電話公社と国際電信電話株式会社というような間におきましては、これは又できるだけ話合いまして、これは会社或いは公社でございますから、多少の給与の差などをお互いに見るようにいたしますればできるのではないか、こういうように考えております。それから公務員の特例の場合でございますが、最近人事院で任用等の人事院規則を詳細に規定いたしたものを、これは大体実際の施行は来年からでありますが、そういう場合に或る程度今までの職というようなものについては融通性と申しますか、前の試験のときのよりもつと楽になるようなふうに大体案がなつております。そういう点で、日本電信電話公社で実際に電信電話の事業をやつておられることが、その事業をやつておることについての経験を、今度郵政省のほうに入る場合に十分その経歴等を見てもらうということは、これはそんなにむずかしい問題ではないと思います。勿論その場合に郵政省において十分に考慮してもらいまして、人事院にも交渉し、お互いに人事の交流ができるだけ容易にできるような措置は講じて参りたいと思つております。
#34
○新谷寅三郎君 今の問題は極めて具体的な、法律から言えば、小さな問題のように見えますけれども、これは非常に大事な問題だと思います。現在の電通省の従業員諸君が、これは一体監督機構に残つたほうがいいか、公社に入つたほうがいいか、或いは更に会社に入つたほうがいいか、それぞれの希望を見て、それに基いて決心される場合に、そういつたことが相当具体的に明らかにならないと、本当の希望というものは出て来ないだろうと思います。若し事志と違つた場合に、一度公社に入つたけれども、それは会社のほうがよかつたとか、或いは監督機構にもう少しいればよかつたとかというようなことになつて、そこに又事業に対する、仕事に対する熱意が失われて来るというような原因が現われて来るだろうと思います。ですからそれは勿論政府のほうでは最大限の配慮をされると思いますけれども、従来の例によると、その辺が大分あいまいになつておつて、それで公社ができ上つてから関係者の間で以て相談をして、適当の線を出して行くというようなふうに持つて行かれがちだと思うのです。ですから公社ができるならば、公社が設立される前に、そういつたことは大体ラインをきめて、それによつて若し希望者を募られるならば、こういうことになるのだということを明示してやつて、そうして希望のあるところをとつて人事をきめて行くというのが適当じやないかと思うのです。従業員としては、これは何といつても人事交流が窮屈になつて行くということは事実なんですから、従来で言えば逓信省で働こうという気持で以て入つた人が、或いは公社に入つたり、会社へ入つたりして非常にその一生の運命を左右するような身分上の決定をしなければならんということですから、これは最も親切に、最も高い配意をして、従業員諸君に十分それを示して、将来自分の志と違わないような方向に進ませることが、この際非常に必要だと私は思いますから、この関係の規定もいろいろありまして、これについて多少明瞭にしたほうがいいのじやないかという点がありますけれども、それはともかくとして、とにかくあなたがたのほうではその点に十分の配意をされるように今から一つ要望しておきます。なお他にも質問がありますけれども、時間がないようですから、今日はこの程度にしておきます。
#35
○委員長(鈴木恭一君) それでは本日の委員会はこれにて散会いたします。
   午後零時二十分散会
ソース: 国立国会図書館
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