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1951/06/14 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 電気通信委員会 第40号
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1951/06/14 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 電気通信委員会 第40号

#1
第013回国会 電気通信委員会 第40号
昭和二十七年六月十四日(土曜日)
   午前十一時一分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     鈴木 恭一君
   理事
           山田 節男君
   委員
           寺尾  豊君
           新谷寅三郎君
          小笠原二三男君
           水橋 藤作君
  政府委員
   電気通信省電気
   通信監     山下知二郎君
   電気通信大臣官
   房人事部長   山岸 重孝君
   電気通信省業務
   局長      田辺  正君
   電気通信省業務
   局国際通信部長 花岡  薫君
   電気通信省施設
   局長      中尾 徹夫君
   電気通信省経理
   局長      横田 信夫君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       後藤 隆吉君
   常任委員会専門
   員       柏原 栄一君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○国際電信電話株式会社法案(内閣提
 出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(鈴木恭一君) 只今より委員会を開きます。
 国際電信電話株式会社法案、日本電信電話公社法案、日本電信電話公社法施行法案を議題といたします。
 議事に入ります前にお諮りしたいことがございます。ちよつと速記をとめて下さい。
   午前十一時二分速記中止
   ―――――・―――――
   午前十一時二十三分速記開始
#3
○委員長(鈴木恭一君) 速記を始めて下さい。
 只今の大蔵委員長からの連合審査の申入につきましては、先般当委員会において取極められました方針に基きまして更に大蔵委員長と打合せをし、その結果について我が委員会の態度を決定いたしたいと思います。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
さよう取計らいます。
  ―――――――――――――
#4
○委員長(鈴木恭一君) 本日は国際電信電話株式会社法案についての逐条の御審議をお願いいたします。会社法全部を問題にいたします。
 なお山田委員がおられませんので、昨日前国際電気通信株式会社の資産を政府に移しました経緯についての説明は後刻お願いすることにいたします。
#5
○新谷寅三郎君 大臣に対して質問をしたいのですが、この問題はあとに廻しまして政府委員に細かい問題を簡単にお尋ねしたいと思いますが、この三法案を通じましていろいろなことが入つておるのですが、この電気通信という言葉ですね、これは一体どういうふうに解釈されておりますか。郵政省設置法の一部改正法律案でしたかには電気通信という中には電波の監督、規正というようなことも電気通信の中に入つておるというような御説明であつたように思いますが、国際電信電話株式会社法第一条には「国際電気通信事業」ということで同じような言葉が入つておるわけですね。この電気通信ということについて解釈がいろいろあると困るので、一体電気通信というものはどういうふうに定義されておるか。
#6
○政府委員(花岡薫君) 電気通信という言葉が現在非常に多くの場合に用いられておりますが、この言葉が最初に使われたのは国際関係で条約上使われたと記憶いたしております。併し国際電気通信条約に電気通信ということの定義がございますが、必ずしも私ども日本の法律制度としての電気通信について十分適切な了解を得ることが困難でございます。それで今別途進行いたしております公衆電気通信法案におきましてこの点について明らかに定義を下そうということになつております。その電気通信法案上におきましては一応電気通信とは有線、無線、その他電磁式方式によつて符号、音響、又は映像を送り伝え、又は受ける、こういう符号、音響、映像といつたような観念に一応統合しようということでこれを法律制度化しようということで進んでおります。従いましてこの観念によりまして有線電気通信法も一致したことで動いて来るかと存じます。国際電気通信に関しましては先刻申しました国際電気通信条約に国際電気通信に関する定義がございますけれども、大体はこれで差支えない、即ち或る国と他の国との間の局所の間に交換される通信というようなことに結局なるわけでございますが、それに基いて現在私どもは考えておるわけでございます。国際電信電話株式会社法の国際電気通信というのも、公衆電気通信の国際的の業務というのも、我が国と外国の領土、外国の船舶、航空機との間に発着される通信、こういうことに一応定義をいたしております。それからそれを業として運営する国際電気通信事業という言葉を引出しているつもりでございます。
#7
○新谷寅三郎君 第一条の「国際電気通信事業」というこの「国際」というのは、日本と外国との間のという形容詞だと思いますが、電気通信事業の中には今のあなたの言われる定義に従えば、外国に対して行われる放送事業ですね。これも入ることになりますね。そうすると海外放送をやるような事業も会社の目的になつているんですか。
#8
○政府委員(花岡薫君) 言葉そのものからいたしますれば、放送事業も通信事業ということに相成りますけれども、これは放送法という特殊の法律がございますので、従いまして事業の範囲から除かれますが、それを的確に現わしますためにはやはり先刻の私の説明が少しその点について具体的でなかつたのでございますが、電報とか電話、外国との間に発着する電報とか電信通話とかそういうような具体的な言葉で、法文の上では具体的に現わされております。
#9
○新谷寅三郎君 わかりましたがですね。結論としては、だから私が申上げているように、電気通信という字がいろいろ使われている。これを一本の定義で律しようということは非常に無理がある、矛盾した結果が出て来る。或いは提案者にも意図しないようなものが包含されたり、或いは入らなかつたりして非常に字句の上から言うと混乱した結果を招くことになるから、この点は私は法文人の不備じやないかと思うのですが、花岡君はこの点どうお考えになりますか。
#10
○政府委員(花岡薫君) 結局この公衆電気通信法、或いは国際電気通信事業というような面におきましては、公衆電気通信業務が問題になつて来るわけでございまして、電気通信という基礎的概念から更に進んで公衆電気通信業務ということを引出しましてそれぞれの定義と申しまして、電気通信設備を用いて他人の通信を媒介し、その他電気通信設備を他人の使用に提供する業務、こういうふうに絞つて考えております。
#11
○新谷寅三郎君 わかりましたから、それでは私資料として今政府委員が述べられたような内容を具体的に一体、提案者としては、
   〔委員長退席、理事山田節男君委員長席に着く〕
国際電気通信事業という中に、具体的にどういうふうな内容を持たせるつもりであるかということを、例えば電信とか電気或いは写真現像とかいうような工合に、具体的に事業の内容を明らかにするような事柄を列挙して、至急に御提出を願いたい。それから次に先般も当委員会で、私は公社に対する監督権限の問題でお尋ねをしたのですが、第十五条に「会社に対し、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。」、こういう現定があります。これについても、やはり公社について申上げたと同じような気持がするのです。勿論公社というものと会社というものとは大分性格が違うだろうし、或いは監督内容もおのずから違つて来ることは当然だと思いますけれども、この第十五条の一項で予想しておられるような監督の内容を、会社に対してはどういつたものが予想されているか、この点成るべく詳細に伺いたいと思います。
#12
○政府委員(花岡薫君) 昨日新谷委員からの公社に対する監督に関する御質問に関連されまして、更に会社に対して監督上必要な命令を出すその範囲がどうであるかというお尋ねでありました。昨日横田政府委員から申上げました、監督について更に敷衍して申しますれば、この公衆電気通信事業或いは国際電気通信事業の監督につきましては、この法律によります監督と、それからこの法律以外の事業法令、即ち営業関係の法律、現在におきましては電信法その他でありますが、別途提案せられます公衆電気通信法、郵船電気通信法、こういうものの上で、郵船電気通信は郵船電気通信としての監督事項がございまして、公衆電気通信につきましては、それぞれの関係法令からの監督事項が出て参りまして、相当に厳重な監督と相成るわけでございますが、この法律だけを切離して考えますると、その公社若しくは会社のそれぞれの業務に関し、監督上必要な命令というのは、第一義的にはこの法律が監督事項としてはつきり規定しておりまして、それに基いたものであることを要する。従いまして監督上必要な命令ということで、無制限にすべてこれは監督したいというような意味で、無制限に監督事項を殖やすということは、多少そこに困難があると思います。第九条に「会社は、郵政大臣がこの法律の定めるところに従い監督する。」これもやはり監督の基本事項を謳つたわけでございますが、「この法律の定めるところに従い監督する。」という趣旨がやはり第一義的にそこに限度があると存じます。
#13
○新谷寅三郎君 私は揚足取りはしませんけれども、法律論としちやおかしいのですね。今の御説明は第九条は「郵政大臣がこの法律の定めるところに従い監督する。」ということは、この法律に規定がなければそれで監督権限を振り廻すわけに行かないのだということを、これは裏から言うと謳つてあると思うのです。この中に或いは認可も受けなければならない事項もあるだろうし、又その積極的に監督命令を出すこともできるというふうに、これは並んで考えるべき問題だと思うのですね。第九条以下、十条以下のいろいろな事項について、主管大臣の認可を受けなければならん、そういうことを包括して第十五条一項で謳つているというのは、それはおかしいのじやないか。十条、十一条、十二条と並んでこの第十五条というものがあるので、この十条以下の各条の監督権の作用とは違つた監督権の作用、従つてこれでは、十五条では、公社法では第一条の目的を達成するためにというまだ形容詞が入つておつた。まあそれでも私は広過ぎると思うのです。で、昨日申上げたように、少し制限をしたほうがいいのじやないかということを言つたのですが、ここには何にも会社に対する監督権の限界点と言いますか、幅というものについては明示されていないのです。所管大臣が必要な監督命令だというので出せば、何でも出す、それに対して異議があれば、他の法律の定めるところによつて行政訴訟でも起さなければならんというようなことにしかならないので、それでは余りに広過ぎるのではないか。殊にこういうふうな特殊の会社といえども、やはり監督権というものの限界というものは、一応法律で規定すべきものではないか。非常に濫用されると困るので、この点については、今の花岡君の御説明ではどうも私法律論としても、それから実際論としても、十分了解し得ないと思います。
#14
○政府委員(花岡薫君) これは戦前から同じような問題があつたと存じます。戦後におきましても、監督条項に基いて、実際どのように監督権が発動しておるかということにつきましては、例えば、私詳しく調査いたしておりませんが、大体聞いておるところによりますと、どうも今新谷委員の御指摘のように、拡張して監督権が行われやすい。併しこれに対して批判的な議論も行われておりまして、例えば公衆電気通信サービスが不満足である、執務状態が一般公衆に対して非難を招いておるというようなことにつきまして、これを当然監督を加えて推し進めて参りますと、いろいろ人事、給与その他或いはこの設備の改造命令、或いは設備命令というよううなことまでも、一応は範囲が広まつて参ります。でありますので、私ども法制局におきまして法制的検討を加えました際におきましては、やはり新憲法の精神から、今新谷委員の御指摘になりましたように、無制限の監督というのは新憲法の精神にこれは副わないので、限定的に解釈することをこれは考えなければならない。こういうことで、他の法令をいろいろ総合しまするというと相当幅が広くなりますが、この法律から直接出まする監督権限というのは、やはり認可事項その他はつきり謳つたことを中心としてそこに監督権がある。その監督権を行う上に必要な命令をすることができる、こういうふうに、この法律だけの面におきましてはかたり限定をしてやつて行かなければならないと存じます。設備命令のごときは、旧国際電気通信株式会社の場合には法文上はつきりと謳つてございましたし、この場合にはそういうことも勿論書いてございませんので、そういうことは私はこの条文からはできない。やはり本来監督権として法律上浮き上つていることを中心としたものでなければできない、かように解釈いたしております。
#15
○新谷寅三郎君 その点は、再々申上げるように、法律に、何か他の条項に許可とか認可とか命令するとかいうようなものがないと監督命令も出せないのだというような印象を与えると、当局としては、それは当然法律解釈としてはおかしいと思うのです。これはやはり先ほど申上げたように、十条、十一条、十二条、十三条というような監督権の作用とは別個の積極的な監督命令ということでないと、ここに置く必要がないのじやないですか。ここに置いてある以上は、この第十五条で積極的な監督命令を出す場合があるぞということを予定しての処分だと思うのです。成るほどお話のように、従来のいろいろの国際会社等には同じような規定がありますたが、その結果はあなたも御承知のように、いい場合もあつたでしようが、弊害を見たような例がたくさんあるのです。そういつたものは、この委員会ではできるだけやはり制限的に、必要なものは認めるけれども、そうでないものは制限的に考えて行く。そのためには、場合によつては法律案の修正もしなければならんのではないかということを考えるので今質問しているわけなんですが、その法律案についてあなたのそれが電気通信省の御意見であるのか、多分そうでないと思いますが、十五条というのは十条、十一条、十二条、十三条と並んだ別個の事務命令だということについての法律上の解釈、それをどなたからでもいいからもう一遍電気通信省の意見をはつきり聞いておきたい。
 それから私のような解釈をしますと、十五条の一項で監督上必要な命令というのは、非常にまあ制限的に考えるのだ、条理上そうなるのじやないかという御答弁もあつたが、それはまあ当然だと思いますが、それならば一体どういうふうな場合において予想して監督命令を出そうとするのか。これに法律に書いてある取締役、監査役の選任、解任とか、その他の人事には触れないとか、或いは今お話の出た設備命令なんかは出すつもりはないとか、いろいろの問題が生じるだろうと思うのですが、どういう場合を具体的に予想し得るか。これはまあ将来予想し得ない事態も発生しますから、そういう場合を私はここでこれに極言するのだというので、政府の優先的な解釈として、拘束するつもりはないけれども、ただ十五条を審議する場合に一体どういうことが一応予想されているかということだけは、やはりはつきりしておかないと困ると思いますから、この点率直に御答弁願いたい。
#16
○政府委員(花岡薫君) 御質問の骨子は十分了解いたしました。ここで私ども考えて見ますと、一つの限界につきまして申上げたいと思いますが、この十五条の監督命令の規定は、まあ無制限のほうが事業全体を責任を以て見る者から見れば或いは好都合であろうと思いまするが、そういうことも許されませんので、結局公益上必要な場合というようなことに考えまして、公益上要請されるというような場合が起つたときには、監督上の命令を出す。そういたしますと、勢い公益監督上必要という、その要請が、公益に基いての結果会社の頼まないことも命令する。さつきの設備命令というようなことまで行かなくつても、会社の負担になるようなことも命じなければならないかと思いますので、そういたしますと、現在の憲法下の法制制度から申しまして、どうしても政府は補償の責任を負わなければならないと思います。そういうかなり広まつた意味の監督命令の場合には補償規定を入れなければならん。その線は、現在の立法に当つている主務官庁のほうで動かせたい一つの線であります。従いまして、政府の補償義務ということを一応外して考えました結果、只今いろいろな御注意、御指摘がありましたように、どうしても制限的に考えないと、危険があるというわけで、私どもといたしましては、現在これは事務的意見でございまするが、事務的には一応練つた結果は、人災に発する命令は、やはり法律に基いた制限的なものでなければ一応はいけないのではないか、かように考えております。
#17
○新谷寅三郎君 事実私もその点を聞きたかつたのです。これが公社が全株を打つてそのまま推移するならば補償問題も起らないだろうと思う。併し説明によると、大蔵省に株を譲り、更に大蔵省がそれを一般に公開するという建前をとるわけです。そういう構想の下では、結局数年のうちにはこの会社の株主というものは、一般国民になつて来る、その場合に監督上必要な命令である、これは公益上の見地から必要であるというのでお出しになるだろうと思う、それは勿論そう私も考えますけれども、一般株主は非常に会社に負担のかかるような大きな監督命令を出されるときに、それにやはり会社としては従つて行く以外にはないということになつて、一般株主、国民に不測の損害を及ぼすような結果になりはしないか。そういう場合は若しそういつた場合を考えておられるならば、その会社の性格から見ると、当然に補償規定を入れないと監督命令は十分出せないのではないかということを私も最終的には考えております。そういつたものを出しませんと、そこまでの強い監督、命令は入つていないというなら、これをもつと制限的に書かないと、このままでは非常にあいまいなものになると思うのですが、その点はどうですか。
#18
○政府委員(花岡薫君) 十五条にその業務に関しという言葉を使つておりまするために、今御指摘のような御意見になるのだと思います。これは率直に認めますが、具体的に書いてない、今おつしやいましたような疑問が起る余地はございます。これは結局解釈の問題、新憲法下一連の新法制下の解釈の問題で、只今次官の意見も伺いましたが、一応これは解釈上の問題として制限をして行きたいが、併しながら法人活動の非常に広汎な面に亘りますので、列挙ということは私ちよつと非常にそこが困難ではないかと思います。非常に大きな表現で列挙しますれば格別でございますが、少くとも又同じような不明確な問題を起しますので、一応は解釈によつて運用さして頂きたい、かように存じております。
#19
○新谷寅三郎君 もう二点伺いたい点があるのですが、一つは附則の十項、電気通信設備評価審議会と価格決定の条項ですが、後段に「この法律の施行の日におけるその財産の時価」と書いてありますが、株式であればこれは取引市場で売買される値段というものが出て来るわけですから、時価ということもそうあいまいな問題ではないかと思うのですが、固定資産の時価というものについては、これは非常にあいまいなものがあると思うのです。時価をどうして算定するか、「その財産の時価を基準とし、収益率を参しやくしなければならない。」つまりこの時価を基準として収益還元の方法で評価をしなさいということを書いてあるのですが、その基本になる時価ですね、これは一体どういうふうな方式で算定をされますか。この時価の決定もいろいろの方式があるのです。ここでは再生産価格でもお出しになるつもりですか、どんな方法で時価が算定されるのか、その点を明確にしておかないと、これは評価審議会が困つてしまうだろうと思う。一体法律に書いてある時価というものは何だということですね。
#20
○政府委員(横田信夫君) この財産の評価の問題は非常に大事な問題でありまして、お話の趣旨はよくわかるわけでありますが、この時価につきましては今お話のようにいろいろな方法があると思います。で、要するに固定資産につきましては、御承知のように帳簿価格というものがあります。併しこれは帳簿価格でやるのじやないということを、先ず時価を基準にすることを明らかにしたわけです。その時価評価の方法につきましては、今お話がありましたようにいろいろな方法がありますが、代表的な方法としましては、現在いわゆる指数法というもの、それから例の資産再評価法ができましたが、あの法による方法、それからもう一つの方法は再取得価格法と申します方法、これが大体代表的なものじやないかと思います。今の指数法と資産再評価法との問題は大体原理は同様でありまして、資産再評価法も一応指数法の原理に従つて、それをあの法律で一定の率に規定いたしたわけであります。これを、指数法は我が国として一番代表的な物価指数といたしております日銀の卸売物価指数というものを使うのが原則だと思いますが、いずれにしろその指数法か、資産再評価法か、これが人体同一のものだと思います。もう一つの方法は、再取得価格法と申しますものは、それぞれの固定資産に一々当りまして、いわば棚卸しをいたしまして、その資産を新たに取得するとすればどのくらいの価格がかかるか、現在のある固定資産はどのくらいの消耗をしておるか、この両方面から見て具体的にこれを算定をする、こういう方法だろうと思います。この三つの方法をどういうふうに噛み合わすかという問題が、この審議会の一番大きな問題になると思います。
   〔理事山田節男君退席、委員長着席〕
この基準の仕方においてこの三方法をどういうふうに噛み合わせて行くかということが、これが評価審議会の一番大きな任務ではないかと思つております。ただそれをこの法文でどう噛み合わすかということまでここで書くよりは、やはり評価審議会で固定資産の性質によつてそれぞれ噛み合わせて行くという方法が、むしろ具体的に妥当なのではないか、こう考えられるわけであります。収益率につきましても、この参酌の仕方につきまして、いろいろ方法があると思います。今お話がありましたように、収益還元の方法という方法と、それから年数法という方法が大体今の普通行われておるような方法であります。而も収益還元の場合に還元の基準率、これをどう見るかという問題も、やはり非常に問題でありまして、そのときどきにおける経済事情を相当判断してこれを掴んで行くということが問題だろうと思います。そういう点がこの評価審議会の一番大きな任務じやなかろうか、こう考えておりまして、一応法律基準としてはこの法律基準を与えて評価審議会で、その大体の妥当なる時価の場合、どういう方法があるか、それから参酌の方法はどういう方法があるかというようなことが、今申しましたような大体代表的なものでありますが、この噛み合わせの仕方というものをどういうふうにして行くか、これが評価審議会の大きな任務でありまして、この基準に基いて評価審議会に具体的に妥当なようにお任せ願つたほうがむしろ本当の妥当な結果を得るのじやなかろうか、かように考えておる次第であります。
#21
○新谷寅三郎君 私は説明を伺うと横田君の言われることの趣旨はわかるのです。非常にこれは法文で明定することがむずかしい、困難な問題であるということもよくわかります。説明内容もよくわかるのですが、ただ併しこういうことだけは私は最も注意しなければならんと思います。それはこの会社が今仮にできた場合に、非常に収益率が多い会社だということが言われている。その通りでしよう。併し一体今そういう掛け声だけでやつて、例えばここで時価にすれば、現在の価格にすれば五十億なら五十億の値打のある資産、それをいろいろな角度から見て、これは資産が二十億の資産と見る。それによつて償却もやつて行くし、或いは積立も利益金も全部税金もそれでやるということになつた場合に、今度は設備のほうはむしろ一年々々老朽して行くわけです。或る時期には設備を取替えて行かなければならない。その場合に果して今の二十億なら二十億の資本金で賄えるかどうかということになりますと、今度は取替える場合にはどうしても再生産価格というようなものをもとにしておかないと、又そこで増資でもする、借入金でもやるとかいうことにならないと、今度新らしい設備の取替えができないということになつて来るわけです。この点は極めて簡単な理屈で、わかると思う。だから今後この会社の経営の基礎を固めるという点から言いますと、いつだつたか御説明のあつたように、徒らにこの会社の資産評価を低くしておく、そのほうが楽にきまつている、経営者としては……。併し将来に多く禍根を残すだろうと思う。そういつたことをおやりになることはこの会社を助成してそうして自由闊達に、国内通信はともあれ国際的には貿易とか海運とかそういう方面で日本と外国間の通信というものを世界のどの国の通信にも負けないだけの正確さ、迅速さを以つて捌いて行くというような意図から見ると非常に大きな障害になるのじやないかということを考えるのです。結局資本ができなければ設備を落して行く以外にはない。どんどん外国のほうではこういつた対外通信に対する設備の改善があるわけです。だから年限が来なくてもこういう能率的なよい設備というものは採用して行かなければならない。そういう場合について行けない。ついて行けないという結果はこういう会社を作る目的が大半失われることになるのです。ということを私は考えますので、この資産の評価については単に経営上経営者が楽であるとか、或いは何と言いますか、将来の収益率の浮動性を考えて大事をとつてやつているというだけの考え方でなしに、こういう会社の設立の本来の使命を全うし得るような政策的な意味を含めての十分な配慮が必要になつて来るのじやないかということを考えるからこの点特に念を押しておきます。これはあとで大臣にもお伺いしますが、株価の問題、つまり評価の問題に引つかかつて来る政策的な問題が多いのですから、この点はいずれ大臣にお伺いしたいと思つております。最後にもう一つ伺つておきたいのは、この会社と公社の仕事の限界をどうするかということです。先般窓口事務とか現業事務については資料の提出を求めているので、いずれ出して頂けると思つております。そのほかに例えばいろいろ中継線とかそういつたものがやはりどうしても考えられる。そこで中継線なんかに対して一体限界はどういうふうにきめるか、これは出たとこ勝負で将来公社が持つ場合もあるし、会社が持つ場合もあるし、これはそのときのことですということでは、この法律案の成立はなかなか私は困難だと思う。やはりそれについても具体的などの線をどうしようということではなく、一応基本的な方針として公社と会社の仕事の限界をどういうふうにして区別して行くか、どういうふうに担当させて行くのが、最も適当であると思うかということについての十分な審議がないと、この法律案についてはいろいろな疑問が出て来る。その点を今説明できる資料をお持ちなければ次の機会でもいいですが、十分にこの委員会で説明をして頂きたいと思います。
#22
○政府委員(花岡薫君) 只今の公社と会社との仕事の限界に関する御質問にお答え申上げます。原則的に申しますと国際会社は対外通信施設ということに先ず原則をおきまして、その中からすでに他の機会に申上げました通り海外局の関係、海底線の関係、或いは特殊の関係になつております琉球関係の通信、こういつたような若干の例外が出て参ります。併しながらその他の関係におきましては対外通信施設、従いまして国内において必要とする連絡線、中継線その他国際通信の専用線のごときものは、これは挙げて公社の経営するところによりまして、必要な限度に応じて会社が公社から折衝をして借りましてこれを国際通信の用に供する、こういう建前をとつております。ただ無線送受信所と通信所間の連絡線で専ら国際通信にだけ使うような場合は、国際会社に施設並びに保守させてもよろしいという考えを持つております。そういう区間も現在若干はございますので、それに該当するものも幾らか出て来るかと思います。なお又技術設備の状態から行きまして、例えば短波無線通信施設というようなものは、どうしても国際会社の施設になり、国際会社の業務になりますので、そういうものを使つてやらなければならない国内通信、例えば国内の短波放送中継施設のごときは、これは実際上やはり国際社会にやらせたほうがいい、これは極く稀な例外でございますけれども、そういうような場合も出て来るかと思います。その次にお尋ねの現業機関につきましては、成るべく複雑な事態を避けて重複を避けるというような意味におきまして、公社の営んでおります国際通信営業局所におきましては国際の営業所は開かない、こういうことが必要だと思つております。併し国際通信、民営の大きな目標からいたしまして、東京、大阪というような関門地におきましては、これは直接市内の利用度の濃厚な地域に対しましては、会社が直接設備をしサービスを改善して行くというのでなければその大きな精神に合いませんので、こういう二大地、そのほか又神戸のような貿易通信の密集しております所におきましては、一応この貿易関係利用者が国内施設と混淆して扱うことは我々としては承服できない。国際専門にやつて、そうして改善すべきことを速かに改善しろというような要望の強い場所が神戸或いは横浜方面にございます。そういうような例外の場合は、これは実情に即するようにいたさなければならんと思いまするが、原則的には重複を避け、又郵便、電気通信、国際電気通信といつたような、まあ徒らに軒を並べるようなことは原則的には避けて行かなければならないと、かように存じております。
#23
○新谷寅三郎君 そういうことはわかつているのですが、今の御答弁の中でこういうことを言われたのですが、国内の通信施設でも放送の中継線のようなものはこの国際会社に持たしたほうがいい場合も出て来るというような意味のことを言われたのですね、それはどんな意味ですか、もう少しはつきり言つて下さい。国際通信に関係するのですかしないのですか、しなくても便宜、それはこの国際電信電話株式会社の業務と非常に密接な関連があるから国内通信の一部ではあるけれども、その設備はその会社に持たしたほうがより便宜だと、こういう意味ですか。
#24
○政府委員(花岡薫君) 只今申しましたのは、この国際会社の施設並びに技術からしてそうしたほうが疑問の余地なくよいと、こう考える場合でありまして、勿論この国際短波無線施設の関係について申上げますと、これは国際会社にやらせる必要もなし、そうしなければならないという理論的根拠はございませんけれども、例えば海外放送、それから国際電話に使つております短波施設、これのほんの空時間を利用いたしまして、国内の有線による放送中継の補充といたしまして短波無線によつて国内の中継をやる場合は従来も相当行なつております。そういうようなものはこれはもう現在空時間を利用するとか何とかいうような全く例外的にやり得る場合でありまして、これはそうすることが工合が悪いというような事情があればいつでもこれはやめて差支えないものでありまするが、そうしたほうが利用者、公社、会社、いずれから見てもいい場合は極く稀な場合でありますけれどもあることを申上げたわけであります。
#25
○新谷寅三郎君 そういうことならこれは別に原則ではないし、それからもつと極端に言えば異常災害があつて有線の通信施設がと絶えてしまつたという場合に、この国際会社の持つておる施設であつても十分短波によつて電信電話を送るというようなことはこれは当然考えるべきものであるからそれは問題でないと私は思うのですが、先ほどおつしやつた例えば放送の中継をやりますね、そういつたものもこれは原則的に中継線とはきまつておらないのです。そういうものもこれは例えばこの国際会社のある場所と或る場所との間に有線或いは無線の中継線を持つのだから、それを放送の中継線をこの中にのせてしまおうというようなお考えではこれはいけないと思う。極めて臨時の場合或いは異常災害の場合、緊急の事態の起つた場合というような場合であれば、これはあらゆる通信施設を動員しなきやならんでしよう。その場合は本来の目的に従つて使用するのではないということで了承はできるのですけれども、併し一方で公社というものができて、公社が公衆の通信に関しては全責任を以てやるのだという建前になつておつても而も具体的に現場に下りて見ると非常にあいまいで便宜主義によつて公社につけたり、会社につけたりしてはならないということをいつているのです。私の言つたような意味でそういう含みは持たせないのだということを確認されますか。
#26
○政府委員(花岡薫君) 今言われました御趣旨については全く同感でありまして、かなりこの放送中継という言葉を使いましたために大きくおとりになつたと思いますが、そういう考えは持つておりませんし、今のところそういうことは計画もございませんし、私の申上げたのは従来やつておつたほんの一部分のことについて一例として申上げたわけなんです。
#27
○委員長(鈴木恭一君) ちよつと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#28
○委員長(鈴木恭一君) 速記を始めて下さい。
#29
○水橋藤作君 逐条に入る前に総括的に、二、三御質問したいと思いますが……。
#30
○委員長(鈴木恭一君) 水橋委員に申上げますが、若し国際の問題ですと、昨日山田委員からもお話がありましたので、今日の冒頭にその国際電気通信株式会社の政府に委譲した経緯について政府の説明を一応聞いたほうが審議に便宜かと思いますので、それを一つお願いしたいと思いますが、如何でしようか。
#31
○水橋藤作君 結構です。
#32
○委員長(鈴木恭一君) それでは簡単に政府のほうから、国際電気通信株式会社を去る昭和二十二年三月二十五日のメモランダムで会社のほうから政府のほうへ資産の委譲を受けたのでございますが、その当時の経緯につきまして簡単に御説明をお願いいたします。
#33
○小笠原二三男君 山田君にちよつと伺いたいが、山田君の簡単にというのは、内容が相当あるし、三十分が簡単なのか、二十分が簡単なのかわからないからね。この今の時間で見ていつ頃までに終りますか。
#34
○委員長(鈴木恭一君) 速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#35
○委員長(鈴木恭一君) 速記を始めて下さい。
#36
○政府委員(山岸重孝君) 私昭和二十年の十二月から昭和二十二年の三月の末まで当時の逓信院乃至逓信省、逓信省には逓信院から昭和二十一年の七月一日に変つたのでありますが、電務局外信課長という職にございまして、その外信課が国際電気通信株式会社の監督に関する事項というのを所掌いたしておりました関係上、国際電気通信株式会社の処理の問題について、当事の連合軍司令部の、特に民間通信局、シヴイル・コミユニケーシヨンズ・セクシヨンと言つており、ました民間通信局の関係官となつて約一年に亘りましていろいろ折衝いたしました関係から、委員会からのお尋ねの件につきまして極めて簡単に当時の経緯を御説明申上げたいと存じます。そして結論的なことを申上げますと、当時CCSの関係官は私たち逓信省の関係官に対しまして事会社の財産の評価に関する限りは一切お前たちはタッチしては相成らんということを非常に強く、問題のメモランダムが出ました直後に私たちに申し伝え、その後も何かそういうことに少しでも関係のある問題に触れますと強くその点を我々に注意をしておつた状態でございます。なぜそんなことになつたかというと、その当時の逓信省側と司令部側との間の折衝の零囲気と申しますか、大体の経過と零囲気というものを極く簡単にお話申上げますと、その点が御了解頂けるのではないかと存じます。それで終戦になりまして、国際電気通信株式会社は、当時有線電気通信、これは東京から中仙道を通り名古屋、大阪を通つて、四国を通つて更に九州から朝鮮、満州の当時の新京まで行つておりました。いわゆる国際ルートという有線設備を建設保守し、それを国内のほうにおいては逓信省が使用しておつたということになつております。で、この問題が一つと、それから対外無線施設というものが、当時の状況からアメリカとの通信が開けましたが、非常に通信量が少い上に、特に問題となりました点は、当時一ドル、十五円という換算率で、これは当時の軍票と日本円との間の関係の特別なレートで、別に当時の為替レートという性質のものではないのでありますが、それによつて日本の円で外国電報の料金を坂つておりた関係から、この国際電気通信株式会社に毎月逓信省から交付いたします、使用料に当る交付金というものが、当時のインフレに関してだんだん会社の施設の維持に費用をたくさん要して行きます。そのインフレにとてもかなわなくなつて、国際電気通信株式会社というものが非常に経営が実際問題として苦しくなつたこと、それからなお在外資産というものが相当多額に上りまして、特別経理会社というものが、会社経理応急措置法によつてできましたが、この特別経理会社になつたというようなことから、どうしてもこの国際電気通信株式会社を何とか、第二会社にするとか、或いは何とか新らしい会社にするとかいうことの処置をしなければならない段階になつて参つたのであります。で、司令部では昭和二十一年の春頃から、当時の逓信院に対してこの会社の経理状況に関する処置をたびたび要求し、だんだん微に入り、細に亘つてこの会社の内容を調べ出しました。そして一方において逓信院乃至逓信省に対してこの会社の処理をどうするつもりか、日本政府の意向をきめて持つて来いということでございました。まあ当時の逓信院乃至逓信省におきましても、いろいろ十分に協議いたしまして、一時は国際無線電信電話会社と申しますか、無線施設を使つて外国と通信をする、而もその場合においては、今度の法案とやや似ておりますが、運用までもやるという案で、而も先ほど申上げましたが、有線設備は政府でこれはもう国内の今は一つのケーブル・ルートなんだからこれは政府でも買収する以外にないということでそういう案を持ち出しましたが、これは向うでこれはいかん、そのときの拒絶の理由は、今のような国際通信の料金が非常に不安定でこれを今後どのようにしてこの会社が経営して行くのか、経営上の経理上の財政上の見通しがつかないような会社を認めるわけには行かない、こういうことで拒絶をして参りました。その後いろいろまあ折衝を進めまして、昭和二十一年の九月頃になりますと、司令部はもう戦争終了から一年たつた、一日も早く日本政府の態度を決すべきであるというようなことをたびたび我々に申し策した。そうして私一人で参りましたときなど、向うの関係官はこのような態度で、日本政府がいつまでもはつきりした態度をきめない限りは非常に悪い事態になるぞというようなことを仄めかしたこともございます。併し結局当時の逓信省といたしましては、国際電気通信株式会社が御承知のごとく大正十四年に日本無線電信電話株式会社として発足しました過去の会社が設備して参りました国際無線施設というものに対する特殊な技能、特殊な技術者が要ること、これをやはりこの大きな組織の逓信省の組織の中に入れてしまつてはそういう特徴がなくなつて行くということと、それからもう一つは会社を買収するということには相当の金がかかる、当時一般の国内の電信電話の復興の資金がたくさん要るときに、今会社の買収というようなことをするよりも国内の電話を整備することのほうが、大事である、又国際電気通信株式会社の従業員というものの待遇とか、いろいろの給与体系というものが勿論官庁とは非常に違つておりますので、これを受入れることは非常にむずかしい。又会社側の幹部も、又従業員、当時の労働組合も非常にこれに反対しておるというようなことから司令部は、正直なところを申上げますと、非常に全面買収以外にもう認めないというように内々の空気は察知できたのでありますが、実際問題としてこれはできないということで、実は最後まで突つ張つておつたのであります。そして最後にはそういつたような関係から運用をやる会社はもうできないが、昔の日本無線会社時代の仕事、これは国際電気通信のうちの無線の設備だけの建設保守をやる会社というものを残すことにしたいということを昭和二十一年の十一月頃に出し、それに対して司令部がこれもやはり国際無線の仕事というものは結局当時の逓信省から株金という形で使用料をもらうのだが、その使用料のもとになる通信収入が甚だ僅かなものであり、不安定なものであるから、今のような国際情勢では到底これは認められないということで拒絶して参りました。それに対してもう一度再考を促しました。ところが結局その頃になつて司令部としてはこの国際会社は、戦争中海外の通信事業もやつておつた、又当時の占領地と申しますか、中国における華北電信電話会社、蒙疆の電信電話会社というようなものに投資をしておつたこと、又先ほど申上げました新京までも通ずるケーブルを建設保守しておつたというようなことから、思わしくない仕事をしておつたものではないかということをにおわせ、当時更に十二月になりましても、我々からいろいろな資料をとりました結果、国際電信電話株式会社が、この前も笹山委員長が参考人として述べられましたけれども、日本電信電話工事会社とか、日本海底線会社に対して株の大半を持つておる、又日本電信電話工事会社とか船舶無線会社とか、或いは通信建設会社とかいうような会社の株を相当多く持つておる、而も重役も或る程度兼任の形が明らかに見られる。まあ重役たちの履歴書も全部出しました。これは明らかに、たとえ資本全体の額は小であるけれども、一つの通信財閥ともみなすべきである、もうこうなつては我々としては特殊な措置を講ずるよりほかにないということを言い出しました。そこで一月になりまして、政府といたしましても、もうこれはこうなつてはどういう苛酷な措置をこの会社が更けるようになるかわからんという状態を見ましたので、閣議の了解を得まして、一月十五日に司令部に日本政府で買収しますということを申出たのでありますが、もうそのときは司令部は、我々としてはもう日本政府の意向に対しては何とも返事はできない、その関係官は、もうお前たちの決議、遅過ぎた、ツー・レイトだと言つたということを言い出し、そして二月の十九日にはこの国際電気通信会社の投資関係で一連の会社と思われる会社の財産の移動を禁止する旨のスキヤッピン、メモランダムを出したのであります。そして、もうお前たちは、特に逓信省はこの会社の関係につきましても、一体これは一種の制限会社に近い措置なのでありますが、大蔵省で世話をしろ、逓信省がやつたのでは国際電気通信会社その他の会社と縁が深過ぎるからお前たちは手を引けということを我々は言われたのであります。その点は先ほど申上げましたいろいろの会社を或る程度変形して残す案というものが、司令部の見るところではこれは日本政府独自の意見ではない。国際電気通信株式会社の希望と申しますか、意見が多分に入つておる。まあはつきり申上げますと、当時の関係官は、お前たち官僚は国際電気通信会社の影響を受け過ぎている、そういうものに立派な案ができるはずはない、こういうことを言われまして、そしてそういういろいろな折衝があつた後に御承知のごとき国際電気通信会社の施設を全部逓信省で引受けろ、接収しろという旨の三月二十五日附のメモランダムが出たわけでございます。そのときに私目頭にちよつと申上げましたが、司令部の関係官は、このメモランダムを読めばわかるであろうが、国際電気通信会社の財産の評価という問題は、会社とお前たちにやらせることになると又会社の連中といろいろ相談をして不当に高い値段でこれを買う虞れがある。それは国民の金で、政府の金というものは言うまでもなく国民の金であるから、その金で不当に高い金で、時価で、会社の施設を買つてそれだけ株主等を潤わすということになりますことは絶対に認められない、そういう結果になるから絶対にお前たちは口出しをしてはいけない、一切持株会社整理委員会に任せる、お前たちは持株会社整理委員会と交渉してはならんということまで言われました。で、この持株会社整理委員会のほうでこのメモランダムの出ます前に持株会社の指定をするということを受けたことはこの前笹山委員長のお話がございましたが、その直後に私、この間笹山さんが忘れておいでになりましたが、私自身が実はその委員会に参りまして委員長初めその他の委員がおられるところで、向うでも、持株会社整理委員会でも、どうしてこういう国際電気通信株式会社及び日本電信電話工事会社がこのような措置を受けるように至つたのであるかという経過がまだよくおわかりにならないようでありましたので、私そこに行つて、そのようなことを、今説明申上げましたような経過を説明申上げたこともあつたのでございます。それ以後というものは、勿論この会社の財産を逓信省が引継ぎます時期とか、通信というものは一刻もとめられないのでありますから、それは如何なる形で引継ぐかというようなことについては事務的に持株会社整理委員会のかたがたとも話合いまして、参考に差上げましたようないろいろの契約もいたしておりますが、評価という問題につきましては、我々逓信省のほうでは一切これに参与することを固く、特にその点において神経質に禁ぜられたというこういう経緯でございます。
 簡単でございますが、一言御説明申上げました。
#37
○山田節男君 冒頭に言われたこの接収と言いますか、吸収する、国際電気通信会社並びに国際電信電話建設会社ですか、この評価に対してはタッチしてはならん、あのスキヤツピンを見ますと、この鑑定評価については企業再建整備法によるべし、並びにあのポツダム勅令によるべしということが書いてある。企業再建整備法というものによれば時価でやることになつておる。然るにこの会社からの請願、この間の陳情を見ますと、帳簿価格でやつておる、而もこれは非常にいい会社で利益はたくさんあつて配当は制限されておるから、思い切り帳簿価格は低いわけです、減価償却が非常に多いから。ですからそのメモランダムについて言えば、時価でやるべきものを実際は帳簿価格でやつたと、これはどういうわけですか。やはり向うさんのそういう企業再建整備法によつて鑑定すべしと言つておきながら、帳簿価格で安くやつたということもやはり向うからのこれは強い意思でそういうふうにやられたのですか。
#38
○政府委員(山岸重孝君) その点につきましては、只今申上げましたようにメモランダムが出た以後というものは評価に関しては当時の逓信省は一句口出しをしてはならんということでございましたので、直接にはタッチいたしませんでしたが、この前も笹山委員長がお話のございましたような経緯で司令部のほうの強い、特に当時持株会社整理委員会の指示によつたものであると私は聞いております。
#39
○山田節男君 その聞いているということは何ですか。あなたは直接そのCCSから、これは企業再建整備法でやれというているがこれはけしからんから帳簿価格でやれ、こういう意味ですか。命令が当時の逓信省にあつたのかどうか。
#40
○政府委員(山岸重孝君) 逓信省に対してはございませんでしたが、と申しますのは、逓信省は評価にはタッチしてはならんということでございましたので、持株会社整理委員会に対して固定資産については帳簿価格でやるべしという強い指示があつた。その点についてなお一言当時の雰囲気を申上げますと、あのメモランダムの最後にこのメモランダムの条項について具体的な問題について政府代表と司令部関係官とが交渉してよろしいということがございます。で、当時の関係官は、今後この処理については自分がこのメモランダムの範囲内でいろいろのことを指示する、それは結局司令部の最高意思と思つて間違いないということまで実は言つたこともございます。そういう点で持株会社整理委員会に対して強く帳簿価格によるべしという意味の指示があつて、持株会社整理委員会でそれ以外の案を、評価額の案を持つて参りましても司令部は到底承認しないという現状であるということを、持株会社整理委員会の人から聞いたことがございます。
#41
○山田節男君 そうすると、こういうふうに了解していいですか。この間頂いた資料にあるように一応旧国際電気株式会社の資産は持株整理委員会に譲渡して、それから今度逓信省へ渡すという形式になつているから、この評価の問題については向うさんが全然タッチしちやいかん、こう言つているから評価に関する限りは全然知らない。評価のこの問題は、GHQの、当時の向うの関係当局と持株会社整理委員会の間で帳簿価格というものでやれということにきめられた、それを持株会社整理委員会が了承したと、こういうことなんですね。通産省には何ら関係はないのですね。そう解していいのですか。
#42
○政府委員(山岸重孝君) その通りでございます。
#43
○山田節男君 それからもう一点最後に、そういうことになれば事態がはつきりするからこういう質問はどうかと思いますが、その当時鈴木委員長が次官をしておられてその次官の口から聞けばはつきりすると思うのですが、これは山岸君に聞くのですが、そういうべら棒に安いものをとつたと、いやいやながらでも受取つたということになつておる。で、これに対して将来時期が来たら、こういう不当な安い価格で政府がとるのであるから後日事態が又安定した場合には、会社に対して補償するということも考えていいというようなことは、当時の政府責任者から旧会社の株主や、或いは株主代表に対してそう言つたことは全然ないというのが私は当然だと思うが、どうですか。
#44
○政府委員(山岸重孝君) 私当時の責任者という位置にございませんでしたが、当時の空気を今から思い出しますと、そういう線でありまして、国際電気通信株式会社の株主に対して私たち実は払込額さえも戻せないのではないかということを実は心配したわけでございます。併しその点は持株会社整理委員会のほうで流動資産等について、又狛江の工場、これは司令部も通産省が買うことは好ましくないということを申しておりましたが、生産工場でございます、そのほうの評価等について、いろいろ骨を折つておられたようでございまして、その結果、とにかく払込額以上のものが、僅かではございますが旧株主に渡りましたので、これでこの問題は片付いたように当時は思つておつたように、そう思い出します。
#45
○委員長(鈴木恭一君) 本日はこれで散会いたします。
   午後零時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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