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1951/06/19 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 電気通信委員会 第44号
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1951/06/19 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 電気通信委員会 第44号

#1
第013回国会 電気通信委員会 第44号
昭和二十七年六月十九日(木曜日)
   午後三時二十四分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     鈴木 恭一君
   理事      山田 節男君
   委員
           大島 定吉君
           新谷寅三郎君
          小笠原二三男君
           水橋 藤作君
          池田七郎兵衞君
  政府委員
   電気通信政務次
   官       平井 太郎君
   電気通信大臣官
   房審議室長   大泉 周蔵君
   電気通信大臣官
   房人事部長   山岸 重考君
   電気通信省業務
  局国際通信部長  花岡  薫君
   電気通信省経理
   局長      横田 信夫君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       後藤 隆吉君
   常任委員会専門
   員       柏原 栄一君
  説明員
   電気通信事務次
   官       靱   勉君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○国際電信電話株式会社法案(内閣提
 出衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(鈴木恭一君) これより委員会を開きます。日本電信電話公社法案、日本電信電話公社法施行法案、国際電信電話株式会社法案を議題といたします。
 先ず国際電信電話株式会社法案につきまして質疑を続行いたします。
#3
○小笠原二三男君 本日は附則の項を追つてお伺いしたいと思いますが、附則の設立委員でございますが、郵政大臣の任命になつておりますが、このかたがたは何と申しますか、任命されて役人になるわけですか。
#4
○政府委員(花岡薫君) お答申上げます。設立委員につきましては「会社の設立に関する事務を処理させる。」、とこうありますので、公務としての設立事務を扱うことになるのであります。併しながらこの設立委員の性質ということにつきましては公務員であるかどうかといつたような突つこんだ性格につきましては前例その他専門筋の意見につきまして、その性格は公務員であるかどうかということになりますと必ずしも明白でございません。併しこの公務執行上或いは他人に損害を与え、或いは職権を濫用するというようなことになりますれば、その場合に適用される制裁法規なり、この前にお尋ねがありました訴訟上の救済手段というようなものは動いて来ると存じます。そのほかこの設立委員の仕事の内容は商法上の発起人に非常に類似したものでありまして、ただこの附則に書いてあります限度におきまして商法と異なつた設立事務の取扱をいたすわけでございます。設立事務に関してその附則に書いてないことで商法に規定してあることは原則的には設立事務上適用されるという性質を持つておると考えております。
#5
○小笠原二三男君 公務員であるかどうかははつきりしない、併し責任という問題になつて来ると法的に追究されて来る、公務員一般が負うべき責任を負わせられる、こういうふうな御説明のように伺つたのですが、そうすると、そういう責任のある設立委員が郵政大臣に任命されまして、給料と申しますか、報酬と申しますか、これは郵政大臣がくれるわけですか。
#6
○政府委員(花岡薫君) 報酬につきましては立法の趣旨といたしまして考えておりません。いろいろ実費的にかかるる費用は別問題といたしまして、報酬といたしましては考えておりませんが、併しこれは設立委員の事務、内容全般に亙つてこの法律立案の際に予測することは困難でございまして、特定のものに報酬を与える、そうしてそれは商法上の原則に移しまして、会社の財産のほうに移して将来会社の経理上これを処理するということは、私はこの法の精神としては禁止はされておらないと思いますが、当然に報酬を受ける公務員のごときものであると、かようにはならないと考えております。
#7
○小笠原二三男君 今の点ちよつと私聞きとれなかつたのですが、まあそれはそれとして、それならば設立委員は商法による発起人に類似するということですから発起人そのものではない、併し発起人が執行するだけの仕事の内容は、設立委員という名前に変つておる関係からこの法で特定しておる部分だけは商法の発起人としての仕事は別途この法によつてやる、そうして設立委員として何らか特定な取極がこの法にない限りは商法による発起人の一般の職責をやつて行くのだ、こういうふうに了解してようございますか。
#8
○政府委員(花岡薫君) 原則的にはさように考えております。個々の問題につきましては二、三の例外はあり得ると思いますが、それはその場合の問題でありまして、例えば普通の発起人はいわゆる業を起す企業家でございますけれども、この設立委員は自分が業を起すという意味の発起的意向を持つものではございません。そういつたような結果からいたしまして、みずから株式を引受けるというような商法上の規定につきましては必ずしも適用はないというふうに考えます。
#9
○小笠原二三男君 今丁度出ましたからお尋ねしますが、株式を引受けもしないような設立委員というものは誠にこれは官製的な、天降り的なと申しますか、そういう感じを私持つのですが、率直に申しまして発起人であつてはなせ駄目なんですか。
#10
○政府委員(花岡薫君) 今のおつしやる内容は株の引受の問題についてと了解いたして申上げますが、株の引受義務は私は明確でないと申上げましたが、引受けてはならないということもありませんので、これはやはり設立委員自体がその場合によつて決定し得る余地が残つておると思います。丁度似たような例がこの国際通信事業の設備民営をいたしました日本無線電信株式会社の創立のときに、発起人が株式応募の成績を懸念いたしまして一定限度に引受ける、ただ政府職員から任命されておる設立委員は別でありまして、民間からの設立委員は千株でございましたか、めいめい引受ける、こういつたようなことを設立委員自体がきめまして実行した例はございます。併しこれは商法上発起人として当然引受の義務があるものとは法律上言えないと考えております。
#11
○小笠原二三男君 ではお尋ねいたしますが、設立委員は民間人だけですか。それとも政府なり公社側も関係する予定でございますか。
#12
○政府委員(花岡薫君) 現在極く普通に考えまして公益事業であります関係上、公平に且つ広く準備事務を担当するのが適当であろうと考えます。その結果民間から広く委員を任命することがよろしいと思いますけれども、なお関係の官庁の職員もこの設立委員に任命せらるべきものと考えております。
#13
○小笠原二三男君 重ねてお尋ねしますが、公社のかたもお入りになりますか。又入るとしまして公社の側は理事のような役員が入りますか、職員が入りますか。
#14
○政府委員(花岡薫君) どういうものが入るかということは、例えば公社から或る職員が設立委員に任命されましても、それは当然公社そのものの代表権を持つて臨むというふうにはならないと存じます。従いましてまあ適任者を選ぶということは当然でありましようけれども、役員であるかその他の職員であるかということはこの法律の立法の精神から直ちに出て来ない、かように考えます。
#15
○小笠原二三男君 そうすると公社側からも出ることが予定せられる、併しそれは役員であろうが職員であろうが適任であるとみなされるものが出るであろう、こういうことでございますか。
#16
○政府委員(花岡薫君) さようでございます。
#17
○小笠原二三男君 そうしますと附則の五で公社と設立委員との間に協議がととのうとかととのわないとかいう問題が起る場合に、その点はどういうことになつて来ますか。
#18
○政府委員(花岡薫君) 設立委員はその所属する母体と一応独立の関係にあると只今申しました通りでありまして、設立委員の考えというものは、それは直ちに公社を束縛するということにはならないと思います。従いましてこの附則の第五によりますと、公社と設立委員と一応協議をする関係がそこに出て来ると、かように考えております。
#19
○小笠原二三男君 協議する関係のことは私わかつたのですが、協議して公社がノーというものに対して設立委員のほうが渡せということで主張して来る、その中の設立委員の幾名かが公社自体の人間で公社の意思に反する態度を以て設立業務に当るというようなことは、どうも私矛盾しておるのじやないか、而もそれがなお理事のような役員が任命ぜられてあればなおのことそういうことが問題ではないかというふうにまあ疑問を持つておるのですが、そういうことは構わないのですか。
#20
○政府委員(花岡薫君) 特別に任命されました設立委員の中で意見が対立する場合、或いはその設立委員としての決定された意見が公社なりその他の関係のある外部機関と対立する場合はあり得ると思います。この点は評価審議会につきましてもやや類似の場合が出て来るかと考えております。
#21
○小笠原二三男君 法律論としてあり得る場合をそのまま肯定されて、現実にそういうことがうまく運ぶかどうかということは又別個の問題だと私は考えるわけです。で、この点はちよつと疑問があるわけですが、まあ次に移りまして、三の公社が会社に対し現物出資をすることができるとありますが、そうすると出資する、しないは公社の権限である、こういうふうに考えてよろしうございますか。と申しますのは、公社固有の権利、出したくないとなれば出さなくても済む、こういうことでございますか。
#22
○政府委員(花岡薫君) この第三項の規定は公社に対する能力規定でございまして、これがないといたしますると一般商法の原則に戻りまして発起人でなければ現物出資ができないことになります。そういう不便はこの会社についてはどうしてもかような特例を設けなければならない、こういうふうに考えます。出資の範囲につきましては只今第五項のほうで申上げた通りの関係になるかと思います。
#23
○小笠原二三男君 だから私常識的に、現物出資をすることができることとして、又反対にできないこともある、これは公社固有の権利であり意思であるというふうに規定しておつて、そうしてあとの五項のほうで郵政大臣はそれらに構わないで決定を下せば公社の意思如何にかかわらず現物出資の範囲がきまる、こういうようなことはどういうことかという疑問があるのでお尋ねしておるわけなんです。
#24
○政府委員(花岡薫君) 国際通信事業を運営するという一つの政策並びにそれに必要な立法が行われました以上は今おつしやつた通りの疑問の起るような場合には郵政大臣がこの立法の精神に従つてやはり決定をしなければならないと、かように存じます。
#25
○小笠原二三男君 ここで私前々から質問しておる疑問がどうしてもあるので、いわゆる会社が新らしく事業を始めるのだ、公社も新らしく事業を始めるのだという御見解なようですが、私は政府から資産等の譲渡を得て公社が事業を行う限り、これはやはり政府の持つておるものを継承したという形のものであろうし、而もその財産そのものも大きく言えばこれは国として考うべきものでしようけれども、公社自体のものである、それについて郵政大臣がこの三項の規定があるにかかわらず、他の規定を以てとやかくすることができるということが私にはわからないのです。そこで法律論がわからんので私教えて頂きたいと思つて伺つておるのです。
#26
○説明員(靱勉君) この法律の建前では、先般御説明申上げました通り電信電話公社は国際業務をもうやつちやいかん、国際会社ができたらこの範囲のものは譲渡すべしというような規定にはなつていないのでございます。先般御説明申上げました通り、一応両社でできるような恰好をとつておる。併しながらこの両法案を提出しました政府の意図としましては、原則として国際業務は国際会社をしてやらしめる、その間におきまして公社と会社と競争関係に立たせるということはない考えで提案理由等御説明申上げてあるわけなんであります。併しながら今御指摘の通り、その点はただ現物出資できる能力を与え、その場合のことが規定してあるだけで、必ずこういうものは郵政大臣の、或いは命令で出資しなければいかん、その業務はそつちに引継がなければいかん、こういうような規定には全くなつておりません。ただその精神が若干現われておるのは第五項でございまして、ここで譲渡の範囲というものにつきまして、或いは出資の範囲等につきまして郵政大臣が最後的に決定ができるということになつておりますので、建前としましては公社と会社とよく協議して、こういう目的で生れた会社ならこれだけのものは一つ国際でやる、このものは当分公社でやつておくというような話合いで、こういうものは一つ現物出資しましようと、こういう話がついて来るわけです。それで電信法の改正等につきまして、その点は先般も御指摘ありました通り但書でなつておりますので、御質問の点は確かに法制的にはつきりいたしていないので両方自由だという形になつておりますが、五項等によりましてそういうような観念が出ておる、こう申上げ、るよりいたしかたないかと存じております。
#27
○小笠原二三男君 承わつておきまして、四項に参りますが、第六十八条の規定にかかわらず国会の議決を経ないで出資或いは譲渡する、その場合には郵政大臣の認可を受ける。行政権者の認可さえ受ければいい、立法府の議決承認は要らないというふうになつたのは六十八条の立法の精神と睨み合せてこれはどういうことになるわけですか。
#28
○政府委員(花岡薫君) 公社法の六十八条は重要財産の譲渡又は交換について国会の議決を経なければならない、承認を経なければならないことになつておりますが、この国際電信電話株式会社法を国会に提出いたしまして御審議の上これが承認されるということになりますと、この公社のやつております事業並びにそれに必要な施設、言い換えますれば国際電信電話株式会社に対して国際電信電話事業に必要な施設をこの会社に公社から移す必要が生ずるということは理の当然でございまして、その点につきましてはこの法全体の趣旨を御審議願つて是認されれば、公社法の第六十八条の単なる抽象的に挙げた場合は、非常に具体的に別のこの法律によつて審議されるのでありますので、当然国会の議決を経ないでということになろうかと思います。
#29
○小笠原二三男君 それは我々立法府の立場から言えば白紙委任状を郵政大臣に与えたように考えられる。郵政大臣は何ら監督を受けることなしに自由な措置をすることができるというふうに解釈されるのです。即ち第五項においても公社なり設立委員の間においての意見が如何ようであるにもかかわらず、郵政大臣の意思を以て出資の範囲等を決定する、その決定されたものは形式的に郵政大臣の認可を受けることによつて効力を発生するという四項になる。そうすると郵政大臣のお手盛りで、国会の承認を得べき財産の出資或いは譲渡が自由に措置される、そういう法律はどうも私たちとしてははつきりわからんのです。今の御説明ではどうも私はああそうですかというわけにはいかんのです。
#30
○政府委員(花岡薫君) 只今必ずしも言葉が十分でなかつたかと思いますが、公社法の第六十八条は如何なる場合に如何なる資産が如何なる形において処分されるかということが全然具体的には示されておらないのでございます。この国際電信電話株式会社法によりますと、その目的物、それから目的当事者関係、如何なる形において財産の移転が行われるかということが御審議の結果明らかにされるものであろうと考えますので、そういう程度に御審議願つた以上は、もはや国会の御承認を経たものも同じではなかろうかという考えでございます。
#31
○小笠原二三男君 では具体的に伺いますが、四項、五項のほうの対象になる財産というものは六十八条におけるものばかりではなくてその他多数ある、それでその対象になるものの範囲から言えばここの四項五項のほうは大幅に郵政大臣に権限を与えておるということで了承するとしまして、六十八条における電気通信幹線路、これだけを例にとつて見ましても、この幹線路が国内幹線路であつても国際のほうで欲しいとかいうような問題が具体的にあつて、仮にそれもそうであろうと郵政大臣がこれを認可して渡すというようなことを国会が六十八条によつて承認しておるわけではないと私は思うのです。その部分についてはやはり一般法として六十八条も国会の議決を経なければならないものだと思うのです。そこの部分を四項において六十八条の規定にかかわらず、これを郵政大臣の認可権のほうに移してしまつておる、そこの部分だけでも私は国会としては白紙委任状を郵政大臣に与えるような結果になつておるというふうに考えるわけなんです。六十八条で承認を与えたことが、具体的に何を譲渡してもいいということを承認を与えたものだとは私は考えないのです。
#32
○政府委員(花岡薫君) この法律案を立案いたします際の考え方といたしましては、国際通信に専ら使われる設備ということを一応頭に置いておりますが、今御指摘のような幹線路というようなことになりますと、これは多分に実際問題となると思いますが、実際問題といたしましてはこの公社も自分の立場、事業の使命いろいろな観点から判定を下すと思います。又会社側といたしましてもこれだけは必要であろうという一定のそこに限度があると思います。幹線路のごとき場合はたまたま国際といたしましては太い幹線路を持つ必要はございませんので、これはこういうような点は実際問題の話でございますけれども、両者の話合いは比較的簡単にこれは貸借関係で措置ができるというふうになるのではないかと考えます。
#33
○小笠原二三男君 私の疑問としておる点は再三申上げますが、郵政大臣が自分の意思で財産の譲渡についてその範囲、或いは実際的なその財産を決定することができると同時に、それを又手放すことを自動的に郵政大臣に効力を与えておる。言葉の言廻しが下手でありまするが、そういうようなことで、国会の議決を経ないで済むというようなことは安易に過ぎるというような考え方を持つておるわけです、今のところ。そういう立場から疑点があるわけですが、では次に伺いますが、四項の規定は七項の規定と読合せて見ました場合に、どういう場合のことを予想せられて四項の規定というものがあるのですか、具体的にお伺いしたい。四項では会社の設立に際しての出資或いは譲渡、こういうものなんですが、七項では五項即ち会社の設立に際してのことをやつておるわけですが、それについては四項の但書は必要としない。従つて五項だけ、従つてこの六項の郵政大臣の決定のあつたとき協議の整つたものとみなされて、それが直ちに譲渡という効力を発生するように解釈される。そういう疑問から、四項の場合の設立に際しというとき、この四項を使つて措置されるようなものはどういうものを予想してこういう規定を置いたのかということです。
#34
○説明員(靱勉君) 第七項との関連でございますが、第四項の場合におきまして、郵政大臣の決定がなく、両者の間に協議が整つた場合におきましては、公社法の六十八条の規定の精神から申しまして、ただ両者で話合いがつけば勝手に譲渡していいとは言えないものですから、監督大臣たる郵政大臣の認可でその点を抑えた。但し両法案を出しておりますので、国会の議決までは要しないというところに勘案をいたしておるわけであります。第七項が発生いたしますのは、両方で話がまとまらん、郵政大臣がそれでは公社がこれだけの範囲のものを出すようにしたほうがいいという決定をしたという場合には、これをもう一遍郵政大臣の今度は認可を、郵政大臣が決定したことに対して認可を申請するという形をとる必要がないというだけの七項は規定でございます。
#35
○小笠原二三男君 もう一つ伺つておきますが、第五項の「協議がととのわないとき」というのは、実際的にどういうときで、手続はどうなつたとき協議が整わないということになつて郵政大臣の決定を申請するのですか。これは設立委員と公社側において、両者これは協議が整わないこととして郵政大臣の決定を待とう、議決する場合にこれはこの効力が発生して来るのですか。又そういうことを議決するという場合には、公社と設立委員はどうなのですか。どういう議決になるのですか、これは。
#36
○政府委員(花岡薫君) これは設立準備過程における問題でございまして、或る設備につきまして、公社側が譲渡或いは出資をしたくないというので容易に意見が一致しない場合のことでありますが、いつまでにとかというふうな時期については、ここに必ずしも書いてございません。従いまして、こういう意見の一致しない場合は、大きなものについては余り実際問題としては許されないと思いますけれども、一致しない以上は、荏苒日を延ばすこともできませんので、この第五項の規定の精神から言いますれば、両者別々に、或る一方が郵政大臣に決定の申請をする、郵政大臣は実際問題といたしましては、他の当事者にその申請のあつたことを知らせて、いろいろ意見を聞き、事情を聞くというようなことをいたしまして決定すると思いますけれども、立場は今お尋ねの両者の立場は五分五分、全く対等の立場だと思います。
#37
○小笠原二三男君 五分五分で話合いを進めていながらこれはどうも思うようにならないと悲観的に片側のほうが判定した場合には、郵政大臣にもその申請ができるのですか。
#38
○政府委員(花岡薫君) この法文の趣旨はそういう場合の解決方法を書いたのでございまして、少し不穏当なことまで予想すれば、そういうことになりますけれども、これは協議の問題でございますから成るべく円満にやるべき、信義誠実の原則で両方ともやるべきものと思いますけれども、非常に解決困難であるというようなことになりますと、一方的に解決申請もできるという規定でございます。
#39
○小笠原二三男君 そうすると、これは郵政大臣に何らかの作為を加えておいて、そうして協議して、これはうまくないぞとなつたら郵政大臣の袖に槌つて有利な解決をしようというふうな一方的な運動の可能性を肯定しておるわけでございますか。肯定しておるわけではないが、肯定するような可能性をこの法で残しておるわけでございますか。
#40
○政府委員(花岡薫君) 規定の運用の問題に亙つての御質問のようでございまするが、これは大臣もやはり大臣としての公平な取扱に関する責任があると思います。従いまして、今の実際問題、こういうふうなことになりはしないかという仮定のお尋ねでございますが、それは実際問題の上におきまして、やはりこれが公平に円満に処理されるべき問題であると思います。
#41
○小笠原二三男君 どうもこういう質問は、公社ができて、公社側の意見を聞けばそう答えるかどうかはどうもわからない。実際的な問題になつた場合にはわからんと思うのですが、まあお互いに泣き言は言わんというようなことであればそれは大変結構なことだと思いますが、押切られたとか、押切つたとかいうふうな形でこれが行われるとすれば、やはり相当問題は残るのじやないかというふうに思いますので、念のために記録に止めておくわけであります。
 次の定款でございますが、設立委員は、定款を作成して、郵政大臣の認可を受ける、この場合に、定款で株式の価格を決定しておる場合には、これは当然いいのでありまするが、定款で、若しも株式価格を決定していない場合は、この株価の決定は設立委員がやるのかどうかということが参考人の疑問とするところでありましたから、この際お答え願つておきます。
#42
○政府委員(花岡薫君) 設立委員の任務につきましては、冒頭にお答え申上げましたと思いますが、株式の発行価格につきましては、只今お話の通り、定款に明示されますれば別問題でありますが、明示されない場合には、商法の一般原則に戻らざるを得ないと思います。従いまして、発起人の立場にある設立委員が、一致いたしましてその発行価格を決定しなければならないと、かように考えております。
#43
○小笠原二三男君 次の第九項に移りまするが、電気通信設備評価審議会の決定、その場合の評価の基準というものは、公社の場合、政府から公社に移る場合に、或いは施行法の十八条でございましたかで、公社自体が評価するようになつております。その場合の基準と同様な基準を以て評価するということではなくて、この評価審議会のほうは、自由に、それらの一般的な基準の拘束を受けず評価するということになるわけでございますか。いわゆる私のお尋ねしておるのは、公社の財産は公社自体が二十九年度までに評価してしまう、その評価額と何らの関連なしに評価審議会がそれよりも高く、それよりも安く評価するということがあり得るかどうか、例えば、それよりも安く評価するというようなことがあり得るとすれば、それは公社自体の場合の評価と違つて不当ではないか、そういうふうなことをされたら適正な評価でみんなに渡すということにはならないのじやないかというような疑問を持つので関連性をお尋ねしておるわけであります。
#44
○政府委員(花岡薫君) 公社法の施行法十八条は、この会社法附則の第十項とは立脚点は異なつております。会社法のほうにおきましては、問題になつております財産を、自由処分すると、こういう立場に立つて本当の売買価格を判定するという立場に立つております。従いまして、最も公正を期する上から評価審議会を設ける、こういうことでありまして、そのときにおきます、法律施行のときにおきます財産の時価と、それに収益率を参酌して決定しなければならない、かようになつておるわけでございます。
#45
○小笠原二三男君 公社自体としてそれでいいわけですか。
#46
○政府委員(花岡薫君) これはそのときにおきまする時価、真の価格を協定するものでございまして、関係当事者に異論のない価格が出るものと考えております。
#47
○小笠原二三男君 そうすると、公社自体の二十九年度までに行われる評価というのは、適当ないい加減な評価であつて、適当ないい加減の評価によつて資産が決定し、利益が決定して行くというふうな形のものになつて、民間と対応できないものであるということでございますか。
#48
○説明員(靱勉君) 公社のほうの資産の価格の改訂につきましては、十八条の規定によりまして、いろいろと政令でこれを定めて行くということになつておるわけでございます。それで、この会社のできるときにおきまして、公社から出資する資産につきましては、この会社法の定めるところによつて評価審議会できめて行く、こういうことになつておりますので、公社自体のものにつきましては、その方法等は政令で定めるというので、これから定めて行つてどういう方法でやるのが一番公社の資産の価格の改訂に適当であるかどうかということを決定いたされて行く次第でございます。
#49
○小笠原二三男君 私は、公社の資産であるから、公社内においてだけしか適用しないようなお手盛りの評価であつていいとは考えない。これは民間のそれに対抗できるだけのものでなければ、真の利益金などというものの算定の基礎が狂つて来ると思う。そういう点から申しますと、二十九年度までに公社は資産の再評価改訂をする。その前に会社に渡すのであるからそれは評価審議会のほうで決定するのだと、これはその通りだとわかります。併しその渡してしまつたあとに、公社のほうが二十九年度において評価の結論が出た、その物件の中で、渡してしまつたほうの物件と類似のものにおいて著しく評価額が変つた結果がそこに出て来る。即ち例を挙げますならば、会社側のほうのものに渡したものが評価額が低くて、公社における二十九年度における結論が適正であるとみなされるものが高かつた、こういうことになれば、不当に安くこれは出資或いは譲渡したというような批判を受けないか、そういうことから考えるならば、これは政令で定めようとするものも、評価審議会が用いようとするものも、基準は同一でなければこれは誤解を受けるのではないか。何をこの評価審議会は基準としてやるのか、例えば、その場合に時価を基準として評価したとするならば、その評価の方法を公社の持つ資産についても適用して行く、標準的にはそれも使つて行くというようなことになるのかどうか、その点がはつきりしないとこれは実際上疑惑を持たれる問題が起つて来るのじやないかということからお尋ねしておるわけなんです。
#50
○政府委員(横田信夫君) お話の趣旨わかりました。この固定資産再評価の考え方の問題につきましては、お話のように、時価の換算の方法としましては、大体同じくこれは適用されるものだと思います。ただこの会社に出資する場合の評価につきましては、この十項に書いてありますように、財産の時価を基準とし、収益率を参酌する、こうなつておりますが、その点がいわゆる公社の中にあります固定資産を公社そのもので維持して行く場合と、これを公社外のほうに譲渡す場合において、その点が非常に違つて来る問題じやないかと思います。時価そのものの評価につきましては、先般御説明いたしましたように、指数法と、それから資産再評価法によるあの指数を使うような方法と、それから再取得価格、これは個々の資産につきまして、新たに製造し、新たに設置するとすればどのくらいかかるか、今の設備が今後どのくらいの命数があるかというようなことを噛み合して棚卸をしながら、その三つの方法が参酌される。その時価評価の方法としては恐らくその範囲を出でないじやないかと思います。併し、その公社の中において、公社が事業をそのままやつて行く土台としての固定資産の評価におきましては、大体その方法でいいのじやないかと思いますが、併しその見分け方の問題にはいろいろあると思います。併しこれは会社外に出資される、公社外に出資される場合には、それだけではむしろ足らない。それが収益率を参酌するという問題になるかと思います。即ちその設備、固定資産を譲渡するということは、或いは出資するということは、実質的に言いますと、営業の一部譲渡というような関係になりますので、その固定資産というものが、非常にそれを土台にして行われる事業というものの幅が、収益率が多ければ、この固定資産の評価にそれをむしろプラスされるものが出て来る。若しこの収益率が非常に小さくして、固定資産の価格が逆に下る、これがいわゆる事業内における固定資産そのままの評価、それを事業外に渡す場合の評価、これの違いがそこに起る問題だろうと思います。
#51
○小笠原二三男君 結論的に伺いますが、そういう予想の下に、結果としては、公社自体の資産の評価の結論と、譲渡される場合、出資される場合の資産の評価と比較します場合には、収益率の高い、会社に出資譲渡するほうは高額になるというふうに想定しておつてようございますか。
#52
○政府委員(横田信夫君) これによる収益率がお話のごとくいいわけでありますので、これは時価評価以上に収益率を参酌するということは当然或る程度のプラスが出て来ると考えざるを得ない問題だろうと思います。
#53
○小笠原二三男君 そこで念のために伺つておきますが、公述人でございましたつたか、これは大阪に出張した場合に新聞関係のかたのお話でしたが、もう徹底的に安い価格で払下げして欲しいというような意見がありましたが、そういうことは、この附則第十項によつて斟酌の余地がない、評価審議会においてそういうことは議論にならない。政治的な考慮を払うということは範疇外である。第十項によつてのみ客観的な基準を求めて評価審議会はこの資産の評価をするものである、こう了承しておつてよろしうございますか。
#54
○政府委員(横田信夫君) お話のごとく、この十項の趣旨は時価に対して収益率を参酌いたすのでありますから、現在の収益の収益率がいいことを前提にいたしますならば、時価以下に評価することはあり得ないものと解釈いたします。
#55
○小笠原二三男君 次に株式募集で第十三項でございますが、株式申込証を郵便大臣に提出し、その検査を受けなければならない。これは、第四条との関連において認可を必要とするというふうにしたのだろうと考えておりますが、それ以外に根拠がございましたらこの際明らかにしておいて頂きたい。
#56
○政府委員(花岡薫君) 今小笠原委員の言われた場合だけに限定しておりまして、それ以外の趣旨は入つておりません。
#57
○小笠原二三男君 この際お尋ねしておきたいのですが、四条におきまして、株式については附則で非常に手続上も厳重にやつておりますが、社債というほうについては、四条にあるような内容のものが債権者になるということについては規定してないように考えますが、そういうようなのがどこかにありましたらこの際お知らせ願つておきたい。
#58
○政府委員(花岡薫君) 第四条に相当するような社債権者の資格についての制限がほかにあるかということでございますね。それはございません。その点は考え方といたしまして、株式と社債との違いに立脚しておりまして、社債のほうは、会社の経営内容に介入して参りません。ただ債権の弁済を受けるという限度で発言権がございますけれども、会社の経営自体に対して介入して来る場合がありませんので、資格制限の規定は必要ないと考えておるものでございます。
#59
○小笠原二三男君 そうすると、会社としてはいわゆるそういう社債という
 形において外資の導入とか何とか言われておることが可能である、こういう
 ふうに考えてよろしうございますか。
#60
○政府委員(花岡薫君) その通りでございます。
#61
○小笠原二三男君 これは私たちのほうの労働組合のことを例にとると変でございますが、ここでは具体的に名を挙げませんが、品川の或る金属などでは、株式は日本人が持つておるが、社債がまあそのほうから入つておる。そのために重役が入つて来ておる。それでその言うことを聞かなければ、仕事ができない、作業の計画も何も全然できない。それでその重役がアメリカの本社のほうに一々伺を立てて、仕事をする。そのために機動的な仕事ができない。例えば賃金の値上げとかというようなことが一切そちらのほうに抑えられて、他の重役、社長といえどもぐうの音も出ないというような例を最近聞いておるのですが、仮にこの会社で収益率が非常にいいということで金が出て来る、金を借りた限り業態を監督し、監査しなければならん、経営に参加しなければならんというようなことで、役員を拠り込んで来る。役員については日本人でなければならんということはどこにもないようでございますからそういう場合には外国人の役員もできる、こういうふうに了解してよろしうございますか。
#62
○政府委員(花岡薫君) この法律の建前におきましては役員は政府の認可を受けるという制限以外にはございません。社債権者の権利につきましてはこれは一般商法の規定に基いております。権利の満足を得る状態にある限りは発言権はないと思います。その権利が危殆に瀕するような場合には異議を申立てるような場合がございますけれども、今の挙げられた例はどういう内容の借金をした場合か存じませんが、この法律の面におきましてはそういう只今申しました制限を潜つて来れば別でございますけれども、経営上支配力を受けるということはこの法律の上では予想しておりません。
#63
○小笠原二三男君 私は今の御答弁が本当だろうと信頼したいのです。そういう意図を以てこの法案を作つたとあればこれは問題ないんです。ただそういう事実が、実態が起つて来る可能性について伺つておるわけなんです。例えば今でも私たちの郷里のほうの会社等では経営業態が悪くなり、地方銀行で相当の金を貸しておるというと、地方銀行から天降りに重役が入つて来る、そういうことのほうが今の会社としては、例えば一般の今の会社では、私は知りませんけれども、地方では二、三百万の資本金でいいから年間の貸借になるというと五、六千万円というようないろいろなからくりで仕事をやつているのが実情じやないかと思うのです。そういうような場合には大体銀行、債権者側ですね、それが役員として乗り込んで来ておる。これは東京都においても大体中央銀行はこういう形でやつているんじやないかと私たちは思うのです。そういう形が株式を持つ株主の権利以上に債権者の権利が会社を支配する傾向にあることは私言つて言えないこともないんじやないかと思う。そういうような形がこの会社において現われる可能性はないかですね。
#64
○政府委員(花岡薫君) この社債権者としての当然の権利以外の御議論だと私は拝察いたしますが、これはまあそういうことは絶対あり得ないとは申しません。併しこの会社のような事業は公益性の強い事業でありまして、その最初の条件についてはこれは非常に入念に処理すべきものと考えます。又私どもこれは多少横道にそれて恐縮でありますけれども、例えば将来新式の機械を欲しいというような場合に、これは借款の形にして機械を入れる場合もありましよう。併しそういつた場合に私ども日常接触いたしておりまして、まあよく耳にいたしますことは、相手国の事業に支配的勢力を振うとか、介入して行つて発言権を振うとかいうようなことを考えないで、全くのコマーシヤル・ベースとしての話合いでやるべきものだというのが私どもの将来そういうことがあり得る場合における雑談などでよく話をする言葉でございます。外資と申しますれば、主としてアメリカをすぐ考えるわけでございますが、アメリカにつきましては、こちらは独占事業でございますが、先方は非常に事態が異なつております。そこらあたりに日本の電気通信事業の経営といたしましても、十分只今申しましたような趣旨が守れる条件が存在しておると考えております。
#65
○小笠原二三男君 これは私、例えば役員でなくても役員であるという郵政大臣の認可で大臣の認可を得ることはできない、これは多分拒否されるであろう。支配人とかというような適当な職制を内部的に作つて、そういう名前でこの債権者を代表して外国人を入れる、それが内部的にはイエスと言わない限りは重役会議は何らの取りきめもできないのだ、そういうことをやるなら一切の債権を取上げる、こういうようなことになつて、乗り込んで来られたらどういうことになる。そういう途も全部シヤツト・アウトをすることができるのかどうかということを念のために伺つておきたい。
#66
○政府委員(横田信夫君) お話の点我我の立案過程におきましても実は大分心配した問題であります。で、株式と違いまして社債でありますので、一応社債の元利支払についてはつきりした見通しがあれば、そういう社債の引受条件といたしまして今お話のことは大抵法律論じやないと思いますので、実際上の問題としていろんな条件付けて来る心配がありやせんか、こういう問題だと思います。そういう意味で社債の元利支払保証について不安定だということについていろんな反対条件を付けて来るということは非常に困る、これをやれば、公社の場合でもこの会社の場合と両方考えたわけでありますが、そのためにそういう条件が付くことを拒否するためには、やはり元利支払保証については確かなんだという方法がとれるということを一つ書いておかんと、そういうことにしておかないとそういういろんな反対条件を必ずしも断り切れないんじやないかということが、実は、政府は元利支払保証をすることができるということを法文上設けた理由であります。従いまして法律論としましては、社債権者は経営支配の権利は持たないと実際上としていろいろ条件を付けた場合も、こういう体制においてその条件を断り得るんじやないか、こういうふうに一応考えてこの法案を立案いたしておるわけであります。
#67
○小笠原二三男君 政府の保証は私今の場合外貨の関係や何かで保証というようなことに相成るだろうと思つておつたのです。今のような場合を予想して政府が保証するんだというふうになつておるとは私考えなかつたわけなんです。又そうであればあなたのおつしやるような政府の保証というのがある限り、この会社に対しては相当私たちも又考え方が変つて来るわけです。即ち政府国民が債務を或いは負担しなければならない立場がこの会社にはあるんだ、公社のほうはそういうものは一応はないわけです。公社のほうは国民の租税を以てあなた午前中に御答弁のように、損害を補填するとか何とかいうようなことは原則的にはないわけです。ところがこつちのほうはそういうような途もあるようであれば、私これは又別に聞き直さなければならないとも思いますが、一応それはあとでもつと理解の行くように御説明願うこととしまして……。
#68
○政府委員(横田信夫君) 実は公社のほうも六十二条の電信電話債券の借入金、この場合に国会の議決を経た金額の範囲内において支払いするものについて保証契約をすることができる、やはり電信電話債券の場合につきましてはこれは事実は公社にしても、この会社にしても、政府に事実上迷惑かけることは私は余りないと思つております。併し今の外貨の場合だけについてこういうことを設けた趣旨は実はそういうところに相当あるわけなんです。これをやらなくてもほかにも例えば財団抵当というような方法もあるわけです。財団抵当というような方法では今お話のような反対条件を全然拒否するわけにもいかん場合が相当ある。これは従来の御承知の今政府側のお話もありまたが、従来の電力会社のような場合の実情も私は調べてみたわけなんです。あれは財団抵当で行つております。向うの社債権者の或る程度は力が入つて来ておる、こういう実情もあります。そういう実情をいろいろ参考にはいたしまして、こういう政府元利支払保証はその場合にお話のごとく事実が余り御迷惑かけることはないとは思いますが、併し法律体系においては勿論元利支払を保証すれば政府にそれだけの責任はできるということに相成るものですから、これは国会の議決を経た金額の範囲内、飽くまでも国会の御承認を得て行くという体制にいたしておるわけでございます。
#69
○小笠原二三男君 だんだんわかつて参りましたが、検討して又お伺いしたいと思います。先に進みまして、第十七項の百六十七条のこの会社に適用されないことはわかりました。前に御説明があつて論争のあるところでありますが、第百八十一条、第百八十五条、この二つと関連して考えますと、どうしてこれを適用しないということにしたのだか御説明願いたい。私の聞きたいことは一部やはりこれを適用しておくほうが望ましい場合があるのじやないかという前提に立つて私お伺いしておるのですから、含んで一つ御説明願いたい。
#70
○政府委員(花岡薫君) 現物出資の内容並びにそれの評価とそれに対して与えます株式、この問題は商法上では非常に慎重に取扱つているようでございます。というのは、これが最も悪用されやすいという趣旨だろうと考えますが、この会社におきましては非常に公正な取扱をいたしまして、特に評価審議会を設けて決定する、その定款も主務大臣の認可した事項になつておる、こういうことでありまして、その内容には争いの余地もないのですし、その評価の方法、結果等につきましても一応法律上の権威を持つた形をとつておりますので、もう商法の、更にこれを検査するとか、或いは又これを再検討して変更するというようなことは少くともこの評価審議会を設けて慎重に公正に取扱かつたのよりも以上には期待できないと思います。そういう結果第百八十一条定款記載事項の検査、百八十五条の定款記載事項の内容の変更ということは必要はないと、かように考えたわけでございます。
#71
○小笠原二三男君 第百八十五条は商法第百六十八条の一項にかかわる分についてその必要を認めてあれしているわけですが、一切第百六十八条の一項についてはそういう疑義の起る点はないと、こういうことでございますか。
#72
○政府委員(花岡薫君) この点につきましては主務大臣が責任を以て確認をした以上、更に再検討の必要はあるまいと考えます。
#73
○小笠原二三男君 関連してここで伺いますが、商法の第百六十八条の七号は「会社ノ負担ニ帰スベキ設立費用及発起人が受クベキ報酬ノ額」とこうありますが、これは設立委員の場合にもこの発起人と同様に定款記載事項となるわけでございますか。又その設立委員のほうの決定は設立委員自体で適当に決定することができるのでございますが、又この創立総会までの間の設立の費用というものは、設立委員において適当にこれは予算を目論んでやつて行くわけでございますが、又その実際的に現金でございますとどこからこれは持つて来るのでございますか。関連して念のためにそれを伺います場合に、それらについては郵政大臣の認可、許可権利はないのでありますから、定款して一般には認可されておりますけれども、その内容に深く立入つて郵政大臣が立案するものがあるとも考えられないので、これらについて百八十五条を適用したいと考える場合はないのでございますか。
#74
○政府委員(花岡薫君) この百六十八条の御指摘の場合は、定款記載事項でございまして、その定款の内容によりまして、一応勧告を受けるものと考えております。従いまして先刻ちよつと御説明申上げたと記憶いたしますが、こういう場合があり得ることはこの法律で排除されているとは考えておりません。こういう場合があり得ると考えております。実例といたしましても全く同じような制度でこの前の日本無線電信株式会社という会社の設立の場合に同様の場合が起つておりまして定款で五万円ということを指定いたしまして、これが大臣の認可、会社の積極財産のほうに計上されまして、あとで償却をされる、こういうような経過を辿つている実例がございます。
#75
○小笠原二三男君 まだあります。
#76
○政府委量(花岡薫君) 金の調達方法でございますが、これは設立委員の責任を以て適当に借入の方法を講ずるほかになかろうと思つております。
#77
○小笠原二三男君 設立委員の報酬は設立委員が適当にきめるのですか。
#78
○政府委員(花岡薫君) 設立委員の決定によつて一応額を定めまして定款に記載することになつております。
#79
○小笠原二三男君 最後に時間も来ましたから一点だけお伺いしますが、第二十二項でございます。この「第二十項の規定により譲り受けた株式の対価を、」という言葉をはつきり解釈しておいて頂きたい。それから最後に「当該株式の処分に応じて公社に支払うことができる。」ということでありまするが、その株式市場に政府がこれを出す場合に、何らかそこに疑惑を持たせないようにして内部手続、あらかじめ定められた手続によつてやれるかどうか。前の本文のほうで見ますというと、市場の情勢如何によつて適時出してやるようなふうに私考えておつたのですが、それだけでやるといろいろなことが起つて来るように私想像せられるのでこの点を伺つておきたい。
 それから次に第三点としましては、公社のほうの側から言えば困ることにならないかという意味でお尋ねしますが、公社に支払うことができるとありまするから、支払わなくてもいいという反対解釈も成立つようであつて、これは公社が早くよこしてくれとの請求は出てない。政府はその必要を認めなければ公社に対価はよこさない。額面額だけは渡す。時価との、市場価格との差額は政府の一般収入に繰入れるとか何とかいうことで抑えられたりすることがないだろうか。こういうような点でございます。
#80
○政府委員(横田信夫君) お話の点は二十一項、二十二項とこの三つに関係いたしていると思いますので、その三つの関係と、今お話しの点を明らかにしたいと思います。二十項にあります「株式を政府に譲渡しなければならない。」これは無償と書いてない以上当然有償だと解釈するのは当然だと思います。これは法律解釈として当然有償譲渡、こう考えられたわけでございます。従いまして有償譲渡するという場合において普通ならばこの有償譲渡としたときに、譲渡したらすぐその代金をもらうべきであります。ところがその関係を二十一項、二十二項で明らかにいたしているわけでございますが、この政府のほうもその対価を一度に会社設立後遅滞なく譲受ける。譲受けと共にその対価を支払うというためにはほかにどこか財源を持つて来なければ政府のほうとしてもできないわけであります。従いましてこれは少々無理がある。従いましてこの二十一、二十二に書いてありますことは、政府が株式を処分いたしたときにこの代金を支払う。これが一般会計、政府のほうも迷惑はない、こういうことに相成るわけであります。
 そこで二十一項の「有価証券市場の状況を考慮し、」と言いますのは、何分この会社の株というもののうちで現物出資になるのが相当多いわけであります。その株を一度に売出すことになりますと、これは当然非常に値段が下つて来るということに相成りますので、そういう現象を起さないように或る程度の時期を見ながら、少しずつこれを売払つて行くということにしないといけない。これが「有価証券市場の状況を考慮し、」併し「なるべくすみやかに、」とこういうことでございます。そうやつて有価証券市場の状況を考慮しながら全部処分いたしましたあとで、この趣旨が二十二項に出て来るわけでありますが、先ずその「株式の対価を、当該株式の処分に応じて公社に支払うことができる。」できるというのはおかしいじやないかというお話でありましたが、実はこの意味は先ほどお話ししましたように、当然譲渡であればすぐ対価を支払うべきであるけれども、この債務の履行をすぐしなくても延ばしてもよろしいという意味であります。併し延ばすについてはこの当該株式の処分に応じてだと、処分に応じてというのは処分することにという意味でありまして、処分すればそれに応じてこれを公社に支払うことができる。元来この株式を譲受けたときにすぐその対価を払うべきであるけれども、そう時間的に余裕を与える根拠規定にこの二十二項がなつているわけであります。それから而もその支払うべき対価というものはこの株式の処分に応じて、即ち処分したときのその価格によつて払つて行く。大体これは将来のことであるからわかりません。わかりませんが、大体額面を割ることはないのじやないかと、こう一応は想定いたしております。その処分いたしました株式の価格そのものを公社に支払うべきだ、こういうことになるわけです。で、然らばそれが御質問の点は客観的に疑惑を招かないような対価がきまるだろう、株式の処分の値段がきまるだろうかという疑問が次に起るわけですが、これは私ども一応この会社の株式はこの現物出資いたします株式のほかに、この会社運営上必要な株については一般公募が相当あると思います。或る程度あると思います。そういう関係もありますし、この株は当然上場株になるものと一応は想定しております。上場株になればこれは当然客観的な株の市場価格というものが出るわけであります。若し或る時期まで行けばまだ上場しないという時期が或いはあるかも知れないと思います。そういう場合におきましてもこういうこの株式市場において、いわゆる競売という方法が現在とり得ることになつております。でそういう方法をとれば当然これは上場されたと同じような客観的な価格が出て来ると、こういうことに相成ると思いますので、この問題について疑惑を招くことはないと一応は考えております。
#81
○小笠原二三男君 続いて、今お話しになりました競売なりをしたときの価格と、その後逐次処分して行く価格と睨み合せした場合に、後者のほうはだんだん高くなるような予想でございますか、下るような予想でございますか。
#82
○政府委員(横田信夫君) これは将来の問題でありますので、この額面を絶対割らないということは必ずしも保証しかねる問題だと思いますが、先ず今のところこれは私の想定になるかもわかりませんが、大体額面を割ることはあり得ないのじやないかと私は一応考えております。
#83
○小笠原二三男君 そうすると、これはこの公社に支払うことができるということは、もう絶対全部対価通り支払うのだというふうに了解してよろしうございますか。
#84
○政府委員(横田信夫君) その通りであります。ただこの問題につきまして公社に対して政府が若し貸金がある場合に、或る程度の相殺をする。払つたり又受けたりする計算過程において、相殺ということはあり得るかもわからんと思います。
#85
○小笠原二三男君 時間になりましたから一応この程度にいたします。
#86
○委員長(鈴木恭一君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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