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1951/02/20 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 通商産業委員会 第9号
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1951/02/20 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 通商産業委員会 第9号

#1
第013回国会 通商産業委員会 第9号
昭和二十七年二月二十日(水曜日)
   午後二時四分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
二月十八日委員愛知揆一君辞任につ
き、その補欠として山田佐一君を議長
において指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     竹中 七郎君
   理事
           古池 信三君
           中川 以良君
           松平 勇雄君
           加藤 正人君
           山川 良一君
           小松 正雄君
           島   清君
           西田 隆男君
           松浦 定義君
  衆議院議員
           中村 純一君
  政府委員
   大蔵省主税局税
   制課長     泉 美之松君
   通商産業大臣官
   房長      永山 時雄君
   通商産業省通商
   企業局長    石原 武夫君
  事務局側
   常任委員会專門
   員       山本友太郎君
   常任委員会專門
   員       小田橋貞壽君
  説明員
   通商産業省通商
   雑貨局ゴム皮革
   課長      前島 敏夫君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○通商及び産業一般に関する調査の件
 (稀少物資対策に関する件)
○企業合理化促進法案(衆議院提出)
 (第十二回国会継続)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(竹中七郎君) 只今より通商産業委員会を開きます。
 日程を変更いたしまして、先ず通商及び産業一般に関する調査、稀少物資対策に関する件を議題といたします。
#3
○中川以良君 稀少物資の問題は先般司令部からのメモランダムによりまして、急に政府においてこれが取扱い方につきまして再び今までのような使用制限より一歩進めた統制にまで及ばんとするように承つておりますが、大体政府はどういうような構想を持つておられるか、先ず以て司令部のメモランダムに対するところの政府の司令部に対する回答並びにそれについての今後の方針等につきまして承わりたいと思います。
#4
○政府委員(永山時雄君) 稀少物資の統制問題につきまして、大体従来の成行きとそれから現在の我々の考え方を一応御説明申上げたいと思います。稀少物資の問題につきましては、御承知の通りアメリカでは相当に統制が強化されておりまして、又これにならつてヨーロツパ等におきましてもだんだんと統制が拡大されて来ておるという情勢にあるのでございまして、従つて現在のアメリカなり、ヨーロツパなりそういうところの情勢に比べますと、日本が統制の面ではかなり調子が違つておる、殆んどまあ統制らしい統制はしていないという現在の実情は、調子としては大分違つているということが現実の事態であるのでございます。で、一方におきまして、日本としましても、ニツケルだとかコバルトだとかいうような稀少物資の中でも相当に大事な品物を海外からの輸入に仰がなければならない、その意味で国際的な統制物資についての委員会に日本も加入をし、或いは米国で統制をしておるような物資につきまして、アメリカの在外事務所を通じて日本への輸出を懇請をしておるというような措置を講じておるのでございますが、例えばニツケル、コバルト、そういうものにつきましては、アメリカとしては自分のほうで統制をして、そして国内需要をかなり絞つた上で他国へ供給しておるというような実情にあるのでございます。従つて日本に対しましても、日本は稀少物資を外国から期待をする、外国からの協力を受けるというのと同じ趣旨において、日本が出し得るもの、外国へ出し得る稀少物資については、積極的に日本の国内需要を調整をして協力をしてもらいたい、又協力をすべきだという趣旨の希望がいろいろな筋を通じて非公式に従来からも話が出ておつたのでございます。
 それでこれはまあ日本だけの立場で考えずに、いろいろな観点で総合をいたしますと、確かに日本として外から稀少物資の供給を受けなきやならんというような事態にもありますので、積極的に協力をして、日本側で出し得るものは協力をして輸出をするということが、確かにこれは国際的な義務であるということであるばかりでなく、日本としてもその利益を擁護する上におきまして、外国からの援助協力を確保する意味におきましても、こちらとしてその趣旨に協調して行くということが、確かに日本として利益であるということを我々としては感じておるのでございます。
 で、そうした空気に基きまして司令部側から先般安本長官、それから通産大臣に対しまして日本側の重要な物資、稀少物資の統制の強化と申しますか、それから従来統制をしていなかつた稀少物資につきましては、これを不要不急の用途に使うことについて適切な措置をできるだけ早く講じてもらいたいという意味の希望が表明されたのであります。それで日本政府側といたしましても、只今申上げたような考え方からいたしまして、或る程度の統制は実行をして行こうという考え方で一応先方にその回答をいたしたのでございまして、ただ日本の実情からいたしますと、例えば一番問題になります銅だとかアルミニユームだとかいうものを取上げて見ますと、現在の国内の需給の実情というものは必ずしも統制を必要としないような状態なんでございまして、而も軍に名目上恰好の上だけ統制の恰好を示すということで済まない問題で、やるならばやはり実行のほう、取締りの問題も伴うのであります。そうなりますと、余り現在の空気なり実情から離れたような統制というものは、結局国民の支持も得られませんし、又実行も困難であるというようなことからいたしまして、大体先方の恐らく統制を希望するほうの側からいたしますと、かなり微温的だと思われるような一応の考え方で折衝を重ねて参つているのでございます。で現在外部、外からの希望は、結局だんだんと統制をかなり強くする、品目も相当に拡大するというような趣旨の希望のように考えられるのでありますが、只今申上げましたような国内の実情、特に日本としましては、一つの物資の使用制限なり製造禁止なり、そういうことをいたしますと、非常に転失業の困難な問題を伴いまして、必ずしも外国の実情とその辺は国情も同一でない。それから又輸出品についての考え方等におきましても、日本としては輸出ということは、これは輸出ができなければ、直ちに日本の産業としては致命的な打撃を意味するのでありまして、若干そこにゆとりのあるような国柄とは大分違いますので、そうした国情をも加味し、而して又現在の国内の実情というようなものを考慮して、ステツプ・バイ・ステツプでだんだんと実行の可能な分から実行して行きたいというような趣旨でものを考えているわけでございます。
 大体統制の問題といたしましては只今申上げましたように、これから考えて行きます統制は、従来の統制の考え方とは必ずしも同一ではないのでありまして、要するに国際的な協力の趣旨、国際的な協力の立場から統制をするということになりますので、従つてその統制の実施の順序等におきましても、そのほうの面から順序がおのずからつけられて来るというふうに考えているのでございます。それで大体現在の国際的な需給の関係等も考えますと、先ずアメリカから日本が輸入をする物資で、アメリカとして輸出統制をしている。いわゆるOIT物資と申しておりますが、こういうものが順序としては一番先になろうかと考えるのであります。それからアメリカ以外の国から輸入をする稀少物資いわゆるIMC物資と申しておりますが、これがその次に順序としては大体来るのではなかろうか。品物が非常に多いわけですから、その間に前後の差は品物によつて例外的に生じますが、全般的に申しますと大体そういうような順序であります。かように考えます。で、日本自体が統制をいたしまして外へ、外国へ協力をする意味で輸出をする物資というものは、従つて順位としてはその更に次に来るということになるだろうと考えるのであります。で、先ず現在一番真つ先にやらなければならないと考えておりますものは、コバルト・ニツケルにつきまして現在或る程度の使用制限を実行いたしているのでございますが、この使用制限の実施が必ずしも嚴格に行われていない傾きもございますので、従つて現在すでに法規的な統制を行なつているというものにつきましては、その統制をできるだけ実行するということに第一の主眼を置いているのであります。それからなお国際的な稀少物資の中でも、なかんずく不足度の強いニツケルにつきましては、現在使用統制をしている、その統制を多少強化をするということは止むを得ない措置であろうと考えます。これは現に日本に供給している外国におきまして相当にきつい統制をしております関係から、供給を受けている日本が余り緩やかな統制をするということは、常識的に言つても許されないという関係もございますので、従つてこれにつきましては使用制限を成る程度強化をして行くということに考えているようであります。それから更に現在或る程度の、法規的な統制を講じられていない物資で新らしく統制物資として現在考慮中のものは、モリブデン、それからケーフスキン及びキツプスキン、それからタングステン、それから銅、というようなものについて、これは或る程度の使用制限を講ずるということは止むを得ない事態である。かように考えて現在その方向で研究中でございます。まあこの中で一応一般的にその関係者が多い、それから使用の用途も頗る広いという意味におきまして、銅が一応一番問題になる物資であると考えますが、先ほども申上げましたような、外からの事情、外部に協力をしなければならない事情、同時に又国内の現在の実情というようなものを考慮して、適当な範囲において使用制限の案を得たいというので只今折角その方法を考究中でございます。
 大体今後当面考えております統制の内容としては、以上申上げたような内容でございますが、現在の物資の統制は、大体臨時物資需給調整法で行なつておるのでございますが、先ほど申上げましたような従来の統制と、只今申上げています統制とは、若干その指導理念、観念におきまして違いもございますので、従つて新らしくこれに相応する法律を作ることが必要なのではないか、適当なのではないかということで、法律の方面につきましても、そういう方向で現在研究中であるという段階でございます。アメリカで現在統制をしている物資は非常にまあ数は多いのでございますが、特に我々のほうとして、第一段階で実行しなければ恐らくなるまいというように考えております、アメリカが輸出統制をしているような物資は、アメリカでは現在三十品目ばかりあるのでございますが、それに対しまして、只今我々が考えておりますものは、先ほどから申上げたような程度において当面実行したいという考えでございます。大体以上の通りでございます。
#5
○中川以良君 それは、アメリカのほうからこれこれの物資は統制を強化しろというふうに一々定めて指示をいたして参つたのかどうかということを伺いたいのであります。このメモランダムの内容等についても一つ御説明願いたいと思います。それから、政府においては、今の御説明を聞きますると、統制をいたすにしても、従来の指導理念、又従来の統制に対する観念と違う方式を以て進みたいというお話があつたのでありまするが、それが一体どういう意味であるか、従来の統制のごとく、生産統制から配給統制まで徹底的におやりになるのか、或いは物によつて相当これを緩和するのか、或いは使用制限だけでおやりになるのか、根本的にこの統制を強化するという精神が、当局としてはどこに置いておられるのか。これはアメリカから、アメリカが輸出統制をいたしておるために、輸入を円滑にするために、要するに米国に対する一つの気がねから一応形式だけして行こうというような考え方がおありなのか。つまり、この統制をしなくても、今日日本産業としては別に統制をする必要がないけれども、アメリカから言われたから止むを得ずそういう方式をとるというお考えなのか。統制をした結果、日本の産業へ及ぼす影響が極めて効果があるのかどうか。そういうような点につきましても一つ御説明願いたいと思います。
#6
○政府委員(永山時雄君) 統制につきましては、先ほどから御説明申上げましたように、日本といたしましては、無論統制はまあ止むを得ない措置でございますから、必要のない、しないで済む、統制はいたしたくないというのがまあ根本でございますが、ただ先ほどから申上げましたように、大事な稀少物資で、それがなければ、非常に産業も経済も困るというようなもので数多い品目を外国から供給を受けておるのでございます。而もその供給をしている外国が、国内で相当に統制をしながら、外に対して供給をしておるというような事情でございますので、従つて、そうした物資につきましては、これ又日本として相当な統制を行うということはやはり一つの義務であり、又当然なことである、かように考えておるのでございます。一方必ずしも外国から供給を受けていない物資で、而も国際的に不足をしておる、例えば銅あたりがその適例でございますが、そういうような物資につきましても、やはり国際協力の趣旨におきまして、日本としても或る程度の国内需要の調整をいたしまして、その余力を以て国際協力の趣旨を実行して行くというようなことが、全体として日本の一つの利益でもあり、国際的な義務であると同時に利益でもあるという考え方をいたしておるのでございます。
 それでお尋ねの、従来の統制の理念と違うという話だが、どういう違いがあるかという点でございますが、従来は、御承知のように、臨時物資需給調整法の根本の考え方は、国内の需給関係が非常に逼迫をしておるというものにつきまして統制をいたしておつたのでございますが、只今当面の統制問題といたしましては、むしろ国際協力ということが一つの大きな趣旨であるのでございます。方法論としてはいずれも統制である限りは、殆んど差異はないという結果になりますが、趣旨におきましては、只今申上げたように、かなりその間に開きがあるというわけでございます。方法といたしましては、これは物によりまして非常に違うのでございますが、大体の基本的な考え方といたしましては、使用統制、使用制限というものを原則的な考え方にいたしております。いわゆる不要不急の用途を拾い上げまして、それに対して稀少物資が使用されるということを制限する、そういう使用制限を以て原則的な形態といたしまして、ただ使用制限という方法では、その物資の事情からすると適当でない、例えば專ら生産財に使用される、不要不急の用途というようなものがないというようなものにつきましては、場合によつて配給統制というような措置も考えざるを得まい。それから更にそうした統制方法をする必要がない、單に用途の制限をする、それから輸入される物資だけを制限すればいいというようなものにつきましては、全般的な使用制限や或いは配給統制というような方法を講じないで、入つて来た物資につきまして、その配給先を、使用先を制限する、現在緊要物資特別会計で輸入いたしました品物につきましては、緊要物資の使用制限規則、使用等統制規則というものを出して統制をいたしておりますが、こうした極めて部分的な方法でその目的が達成されるというものもございますので、物によつてはそういう方法を適用いたしたいという考え方をいたしております。
#7
○中川以良君 第一段階でお尋ねした司令部のほうからの指示の中には品目が挙げられておりますかどうですか。そのメモランダムの内容等についてお伺いしたのでありますが、それに対する御回答をお願いいたしたいのであります。
#8
○政府委員(永山時雄君) 司令部からのメモランダムにつきましては、安本長官宛に参つておるものでございますしいたしますので、私ここで公表の自由がないので、御了承願いたいと思いますが、大体の考え方といたしましては、品目の、日本側にこうした品目は統制すべきだというような具体的な指示ではないのでございまして、ただ全般的な今の国際情勢、或いは日本が受けておる国際的な協力というような趣旨からいたしまして、日本だけ統制をしないで行くということは適当でないというような趣旨がその内容でございます。特に外国で統制をして、製造制限なり製造禁止になつておるというようなものが、日本にその材料が輸入をされて、日本ではそれを作つて、そうしてその供給先の外国へ輸出をしておるというようなものが若干現れておるのでございますが、そうした品物については、先方の国内で相当に日本に対する批判や非難が出ておる。これは常識的に極めてわかることでございますが、そういうような事態につきまして注意を喚起して来たというような内容でございます。
#9
○中川以良君 新聞で見ますると、大体統制をすべき品目等を挙げておるのでありますが、大体こういうものは統制をすると、今方針とされまして米国のOIT物資とか、その他のIMC物資、その他日本におけるいわゆる輸出可能の主要物資等を挙げておられますが、その内容はもう御決定になつたのでありましようかどうですか。
#10
○政府委員(永山時雄君) 先ほどから申上げました品目や方法の問題は、只今そういうラインで研究中であるということで、まだ政府として決定の域に至つておりません。
#11
○中川以良君 それは物調法に基く政令でおやりになるのですか、或いは單行法をお出しになるお見込みなんですか。
#12
○政府委員(永山時雄君) 現在では別個の法律を出そうというようなラインで研究をいたしております。
#13
○中川以良君 今伺いますと、一部の物資は生産配給等の統制をやり、その他のものは使用制限程度にとどめようというお話でありますが、私は従来中途半端な統制をいたしまして日本の生産というものは非常に混乱をいたし、殊にその統制の間隙を狙いまして不当なるものが不正な利益を占むるというようなことがいやになるほど見せつけられておりますので、再びこれを契機にそういうことがあつてはならんと存じますので、その点は十分お考えとは存じまするが、政府としてどういうふうにそういう点御研究になつておるかどうかという点を一つ承わりたいのであります。
#14
○政府委員(永山時雄君) 只今お話の問題は、殊にこの終戰後の統制として、可成り紊乱したような結果を見せた過程を経た現状におきまして、実情から余り離れた統制を実行するということは、結局実行面において破綻を来すということも我々としても十分承知をいたしておりますので、従つて実行のできる、実行可能というような点からも統制そのものの範囲なり方法をきめまして、実行のできるようにそれを成案を得たいということで我々研究いたしております。
#15
○中川以良君 それから統制の実施に伴いまして、これに対する実際実行の自信のあるやり方でなければならんということは今官房長もおつしやつたのでありますが、これをやりまする半面においては、取締りの強化ということもこれは厳然としてやらなければなりません。そうなりますとこの統制業務というものが相当広汎に亘つて参ります。今日行政機構の整備をし、少数精鋭主義をとつておりますこの際におきまして、又そういうようなことで以て相当人手を要するというようなことが私は出て来るのではないかという点を懸念しておりまするが、今日の通産省の陣容を以て十分にこれが実行の自信をお持ちであるかどうか、その点を承わりたい。
#16
○政府委員(永山時雄君) できるだけ現在の陣容によつて実行をして行くということに考えておりますが、まだ本体のどの程度にどういう物資を統制をするかというほうの問題が決定をいたしませんので、その決定を待ちまして更に陣容のほうの問題も検討いたしたいと、かように考えております。
#17
○中川以良君 その点は一つ十分に御注意を願いたいと思うのであります。それから統制を仮にやるといたしまするならば、今日業界の公正な意見を求め、又業者方面の心からなる協力を求めなければならんと思うのでありますが、只今の事業者団体令が現状のごとくでございまするならば、業者団体等を十分に統制の面において活用することは、私は不可能と思います。これは恐らく事業者団体法の改正と不可分のものがあるように思うのでありますが、この点はどういうふうにお考えでございましようか。
#18
○政府委員(永山時雄君) 従来から事業者団体法の問題につきましては、我我のほうとしても改正をしたいというふうに考えておりますので、お話のように統制をいたしますると、やはり業界その他関係者の十分なる協力を得なければなりませんので、方法論の問題といたしましても事業者団体法につきましても、更にそういう意味の検討を新らしく加えて参りたいと存じております。
#19
○中川以良君 私はこういう新らしい法をお作りになります際には、先ず以て事業者団体法の改正が真つ先に行われるのじやないかと思いまするので、その点一つ一層の力を入れて頂きたいと思うのであります。
 それから最近こういうことが新聞に出て、いろいろ再統制のことが巷間伝わつて参りますると、まじめな業者は、これに対して真剣な検討を加え、誠実なる意見を当局のほうに申出ていることと存じます。ところが一方においては、この統制の間隙を狙つて再びあの統制時代の巨利を占めんとするような向きもなきにしもあらずと私は存ずるのであります。こういう点につきまして十分に一つ公正なる御判断の下にやつて頂きたいのでありますが、各業界の意見等は、如何なる形式によつて一体当局は御聽取になり、業界の意向を察知されるのでありましようか。
#20
○政府委員(永山時雄君) お話の点は全然同感でございまして、我々のほうといたしましても今後統制問題を実行する場合におきましては、その辺の十分な注意をして参りたいとかように考えております。なお、こうした統制問題についての意見につきましては、業界にそれぞれ現状の事業者団体法による事業者団体等もございますので、そういう方面の意見も十分に伺つておりますが、今後まだよく御意見を伺つた上で計画を立てたいと、かように考えております。
#21
○中川以良君 その点重ねて申上げるようでございますが、どうぞ一つ愼重に御対処を願いたいと思います。
 それから今丁度皮革課長がお見えになつているのでありますが、私は一、二点御質問申上げたいのでありますが、先ほど官房長のお話では、米国においていよいよ統制を強化しておる、そういう物資についてはこれは国際上の観念から言つても、国内において統制をせざるを得ないというお話でございましたが、この中に挙げられておりまする先ほどお話のあつたカーフ並びにキツプスキンの問題でございますが、聞くところによりますと、つい昨日のロイター電によりますると、アメリカにおいては二月中に皮革の統制はこれは廃止をして先物の取引所を設けるということがすでに言われております。殊にこれによつて南米のアルゼンチンのごときは、AP電報によると皮革ものはや暴落をしておるような状態である。そういうようなアメリカの情勢を一体御研究になつておられるのかどうか、先ず皮革課長に私は伺いたいと思います。
#22
○説明員(前島敏夫君) 只今の中川委員の御質問に対しましては、私どものほうへ入つております情報も大体同じような情報が入つております。従いまして私どものほうといたしましては、司令部のほうとそういうような情報の入りましたことも連絡をとつておりますし、そういうことで相談をいたしておりますが、ただこれは確定的な情報ではありまませんで、いろいろ違つたような情報も入つておりますので、その時期とか、或いは今後どういうふうな統制のやり方になるのか、そういう点についてはアメリカのほうの変化の状況がはつきり把握できておりませんので、現在のところではアメリカのほうの統制方式を前提といたしまして司令部のほうと相談をいたしておるわけであります。
#23
○中川以良君 そういう情勢で日本だけへたな統制をいたした場合には、これは非常に私は大きなそこに欠陷ができ、日本の折角立直らんとする皮革産業に思わざる不利を招くのではないかということを恐れるのであります。それからカーフスキンとキツプスキンだけを統制か規正をされようとする御意図のようでございますが、一体こういうことが現実の問題として可能かどうか。カーフスキン、キツプスキンというのは、一応アメリカの市場においてはこの名称があり、建値がございますが、シカゴにおいての皮革とニユーヨークとは又異つております。更にこれを南米のアルゼンチンなりウルグワイ等と比較するときには、同じキツプスキンでもこれは重さその他等が異なつております。濠洲物又然り、又日本においてはこういう名称は全然ございませんので、区別のしようがないのでございます。こういうことを如何にして区別をし、如何にして統制をし、如何にして規正をされるか、実行不可能なことを、これを机上でもてあそんでも、これは何にもならんと思うのでありますが、その辺はどういう御意図でございましようか。
#24
○説明員(前島敏夫君) 今の御質問に対しましては、お話のように北米の規格の間でも六、七十違つた皮もあります。南米その他欧洲物、国産物はそれぞれ産地別に異なつた規格がありますので、そういう一定の基準を設けまして、一応今考えております統制の方式は、ローラー或いはキツプにおきますような良質なものだけを統制の対象にしたい、或いはカーフスキンとかキツプスキンというようなもので全面的な統制をいたしませんで、適品だけを統制したいというようなことで、その基準のきめ方につきまして、現在皮革産業界のほうと相談をいたしておりますので、それが出ましたらその基準によつてやりたいと思つております。
#25
○中川以良君 基準によつてということは、これは全く理想的でいいのでありますが、その基準を如何にしてきめるか、一々来るものを検査をして、これが適するとか適さないというようなことをきめるのか、或いはローラー・スキンとかエプロン・レザーに向くということをどうしてきめるか。こういう問題について非常に繁雑であり、その他違反の問題については取締りのしようがない結果を招くのではないかと思います。その統制の対象を單に北米の輸入原皮だけに置かれるのか、或いは南米、欧洲日本のものまでも含めておやりになるおつもりかどうか、それを一つ伺いたい。
#26
○説明員(前島敏夫君) 当初の検討いたしました案は、北米から入りますものだけを対象にいたしたいと思つておりましたが、関係方面の意向等も、欧洲物も国産物も全部適品だけは一応検査の対象にしようというお話でありましたので、現在そういうものを対象にいたしまして、判定等はこれは官庁のほうでやりますことは、非常に不適当でありますので、業界のほうでできるだけ判定をして頂くということで、ただ官庁のほうは監督だけ一応して行くというふうに考えております。
#27
○中川以良君 私はなかなかそういうことは実行不可能じやないかと思います。曾つて一元的な統制機関を作つてやつてすら、その皮革産業の統制というものは非常に混乱を招き、そのためにこの産業の発達を何十年か遅らしたという事例をまざまざと我々は見せつけられております。こういう意味において内地のものまで今日そういう皮革がないのにどういうふうにそれを判断してやるかということは非常にむずかしい。この取締りその他に当る人等の問題を考えまするときに、これは到底実行不可能のように思うのでありまして、今日は他にまだ議事もございますので、そういう專門的のことを長々と私は申上げる考えはないのでありまするが、どうぞこの点は業界の実情を十分に御検察頂いて、業界の真に正しき叫びをお聞き頂きまして、よく一つ業者の意向等をも御調査賜わりまして、愼重なる御善処を賜らんことを私は特に希望いたしまして私の質問を終ります。
#28
○委員長(竹中七郎君) この問題に対しましてほかにありませんか。
#29
○島清君 ちよつと関連をいたしまして、頂きました資料の十八品目は、これはメモランダムの品目のものと同一のものであるというふうに了解していいんですか。
#30
○政府委員(永山時雄君) 我々のほうで現在統制をしなければなるまいと考えておる品目とは若干の違いがございます。
#31
○島清君 その若干の相違とおつしやるのは、メモランダムの中には入つていないが、その資料の中に謳われておるとか、乃至はメモランダムの中にはあるが拔いたもの、こういうような区別をして御説明を頂きたいと思います。
#32
○政府委員(永山時雄君) メモランダムには先ほど申上げましたように具体的な品目そのものについては指示はないのでございます。先方と折衝をし、又政府部内でも只今統制の方法において研究中であるという品目について申上げますと、銅それからニツケル、コバルト、モリブデン、タングステン、大体以上の品目でございます。
#33
○中川以良君 或る新聞に銅は外すなんということが出ておりましたが、あれはどうなんですか。
#34
○政府委員(永山時雄君) 新聞の記事については、私は出所は存じませんので、お答えを申しかねますが、銅につきましても現在の国内の事情を十分考慮しながら実行可能な使用制限は或る程度実施をするという方向で只今研究中でございます。
#35
○島清君 今の永山官房長か品目をおつしやつた中に、生ゴムが拔けておりますが、それからマンガン、錫など抜けておりますが、これはこの品目に謳われておりますが、統制の研究対象にはなつておらんと了解してよろしうございますか。
#36
○政府委員(永山時雄君) どうもこの表を出したことに若干のいろいろ疑問や誤解を生ずるようで恐縮でございますが、これは表題にも書いてございますような、いわゆる国際的な不足物資と言われるものにつきまして、現在の国内需給はどうなつておるんだということを当面の統制品目の問題と別個に御参考までに差上げた、かように御解釈願いたいと思います。で只今御指摘の生ゴム等の品目につきましては現在のところ統制の問題としては考えておりません。
#37
○委員長(竹中七郎君) 永山官房長にお聞きいたしますが、ニツケルなどの使用に対しましては、輸出関係の品物に使うものはどうだとか、それからアルミニユウムは国産で相当、殆んどできるのでございますが、こういうものはどういうことになりますか、相当程度統制せられるようなお考えでありますか。
#38
○政府委員(永山時雄君) ニツケルにつきましては、これは世界的に非常に統制が強度に実行されているものでありまして、現に供給国である外国に対しまして、日本では先方が禁製品になつているものを生産して輸出をしているというような点もございますので、従つて輸出品につきましても今後統制を或る程度強化せざるを得ないというように考えております。ただ輸出全般的な問題といたしましては、日本の場合におきまして輸出という問題が非常に大事な問題でございますので、従つてその統制の加え方等につきましては、できるだけ輸出を阻害しないように、輸出品についてはできるだけ例外的な措置を講ずるというような方法で大体の原則的な考え方をしているのであります。かように考えております。アルミニユウムにつきましては、現在統制の問題としては対象として考えておりません。
  ―――――――――――――
#39
○委員長(竹中七郎君) 次に議題を戻しまして、企業合理化促進法案を議題といたします。大蔵省より一応の資料が出ましたのでございますので、これにつきましていろいろ御質問があると思いますのでお願いします。
#40
○西田隆男君 大蔵省から出た資料を読んで見たのですが、三十数種類も書いてあるようですが、従つてこの資料の説明の材料として大蔵省なり、或いは通産省でも結構ですが、以下のことを御説明願いたい。
 第一点は、免税の対象になつております各業種別設備別に予定されている免税の金額をちよつとおつしやつて頂きたい。第二点は、この各業種、各設備が指定の対象になつておりまする設備を持つているか。或いは今からするという、各予想をされる会社の二十六年度の、今までの収支の実績、それから且つ見通し、又二十七年度の収益の予想、これを一つ。その次は、これの設備を指定された理由、指定されるという理由。それから最後に、現在の日本の経済実態、企業の実態から考えて、これらの事業を指定すれば十分であるとお考えになつているかどうか。これは提案者に伺つておきたい。これだけのことを一つ願いたい。
#41
○政府委員(石原武夫君) 私からお答え申上げますが、なお只今御要求のございました資料につきまして、どの範囲までできるかについては、細部につきましては、大蔵省その他と通産省内部の者が検討いたしませんと、はつきりした確言はできませんが、只今の御要求のありましたうちの、一の免税の額、これは業種別の主要設備別にどの程度になるかということについては、これは大蔵省とお打合せをいたして即刻できるだけ早い機会に提出いたしたいと思います。その次の二番目の、これに該当するような既存会社の設備が大体どの程度一応予想されるかというところは、極く概略は通産省の関係といたしましては御説明申上げられるかと思いますが、各会社の収益状況につきましては、ちよつと急速に資料を提出いたしかねると思います。それから三番目の、これらの業種を指定いたしました理由でございますが、これにつきましては先般来大蔵当局からもお話がございましたが、産業の合理化を促進いたしますために、本法の六條で規定をいたしました特別の償却制度をやつて合理化促進をしたいという要望と、一面税の減収の程度を見合いまして、最も優先的なものから指定して行くということで一応只今お手許に差上げておりますような資料を政府として決定をいたしたわけでございます。その基準といたしましては先般大蔵省から御説明があつたと思いまするが、その業種につきまして、或いは機械設備につきまして合理化が、それらの設備を促進することによつてどの程度できるか。或いはそれは質的に、或いは量的に、かような近代的な設備を設置することによります合理化の程度と申しますか、これが第一点、それから第二点としては成るべく各産業に広くその影響の及ぶという趣旨、言い換えますれば基礎産業的なものを優先的に考えるという考え方でございます。それから三番目には貿易収支の観点からもこれを考慮する。四番目が従来の当該産業の資本の蓄積の状況でございますとか、再評価をどの程度やつているか、これを適用の対象にいたしました場合に、実際上特別の短期償却を行うかどうか。その見通し、そういうような諸点を考えまして、関係省集りまして一応かような案を決定したわけでございます。最後は提案者に対する御質問でありますので、提案者のほうからお聞取り願いたいと思います。
#42
○衆議院議員(中村純一君) ちよつと遅れまして恐縮でございますが、只今政府側から大体の御報告を申上げたところでございますが、私ども提案者といたしましては、元来当初から申上げております通り、できるだけ諸般の事情の許します限り、できるだけ広く問題を取上げて行きたいという気持を持つておるわけでございます。只今御報告をいたしました通り、現段階におきましてはかような程度のものを政府として考慮をいたしているようでございます。又私どもといたしましても、大体において現段階におきましては、まあまあこの程度のところで止むを得ないのではないかと考えるのでございますが、なお将来の国の財政需要、或いは産業界の変遷、社会の状況等と睨み合せまして、逐次最も有効適切なる措置を政府をして講ぜしむるように、我々提案者側といたしまして努力して参りたいと考えておる次第でございます。
#43
○西田隆男君 今石原局長から第二番目の資料の提出が困難だというようなお話があつておりましたが、これは困難であつても是非出してもらわなきやならぬ。なぜかと申しますと、減税の対象になる問題ですから、税の公平を期するという見地からも、各業種設備等を対象にしておる会社の収益の実情が一応わからないと、具体的に申しまするならば、Aという企業の設備を減税の対象にするという場合、そのAという企業が資本金は二億か三億が資本金である。而も年間の收益は資本金の額に等しいような收益を挙げておる。而も減税の対象になる金額は何百万円であるというようなことがあつた場合、これは減税の対象にすべきでないという私の考え方である。なぜならば減税にしなくたつて企業の合理化の促進というぐらいのことは、何億円もの收益がある企業は当然できるはずである。それすらもやらぬというような業者であるならば何も……、国民の負担を他の方面によつて軽減してやることのほうが、より日本のために役立つのであつて、必ずしもその対象にする必要がないとこう思うので、私は申上げておるのだから、非常にこの減税の対象になる額と、その会社の收益状態というものは密接不可分の関係に置かれなければならない。ただ日本の企業の合理化を促進するためには、幾ら金を持つている会社でも、何ぼ利益がある会社でも、国の税金によつてしてやらなければならない、或いは国の税金を少くしてでもしてやらなければならぬというような事業は、私は今の民主主義、日本では通念としてこれは取入れられないことであるというような観点から、資料の提出を待つておるのだから、これは大蔵省のほうで国税庁その他と連絡をとられたら大体の見当はお付きになるはずだと思うのです。だから的確に正確なものでなくてもよろしいから、大体我々の考え方をまとめる参考になる程度のもので結構ですから、是非この資料を作つてお出しを願いたい。でないとこの法案の審議に非常な支障を来す、私はさように考えておりますので、もう一遍税制課長も見えておるようですから、一つ大蔵省と話合つて返事をして下さい。
#44
○政府委員(泉美之松君) 西田委員のお尋ねでございますが、この法案によりまして指定いたしました業種を営む企業とは、資本金の大小にかかわりませず指定された設備を取得いたしますれば適用を受けることになるのでございまして、目下のところその指定いたします予定の設備をどの会社が取得するかということは見当のついているものもございますけれども、一々日本中にあります二十数万の中で、どの会社がどの設備を取得するという資料は、なかなか作り得ないのでございまして、その辺の事情を御了察願いまして、全体的の業種といたしましては、大体この程度ではないかという資料はお出し可能かと思いますが、個々の会社別にどの設備を取得するだろうということはちよつと資料が提出いたしかねるのでございます。
#45
○西田隆男君 法律を作られる人が観念的にそういうふうにお考えになるから、行政の面においていろいろ間違つた結果が起きて来るのです。できないものを出せとは言いませんから、大蔵省のほうでできるだけの資料を一つ出して頂きたい。私の手許で集まるものは集めて差支えないのですが、大蔵省と通産省で話合われてできないはずはないだろうと思いますから、詳細なものはできんだろうと思いますが、我々の一応の判断の基礎にする程度であれば、できるだろうと思う。それを一つ出して頂きたい、できる程度で結構ですから……。仮に例をとれば、この第一にある製鉄業というもののうちで、灼熱炉とか圧延機とか、せん断機というものが書いてあります。こういうものは製鉄会社は何十もあるわけではない。全く設備をしようとも思つていない、考えてもみないというものを、今からやらせるわけのものでもなかろうと思うし、もうこれは一番大きな金額になろうと思いますから、こういうものは知らなければいけないし、それから第二に書いてあるように石炭鉱業、この中の合理化抗進とか、採炭設備、選炭設備、これは通産省に聞かれて、通産省は各地の通産局に廻せば、すぐわかる、これは暇も手間も要るものではないと思う。ここに三十二業種上つておりますが、一々何の会社の資本金幾ら、利益率何ぼということまでは求めておりません。大ずかみにわかるやつを出せるわけなんで、できないとおつしやるが、あなたのほうで三十二業種四十設備というものを、細かく細分されて何百何千という会社を調べなければわからんというような基本的な観念をしておるから、できんのだと思います。大変な日数がかかるわけのものでもないのですから、一時間も小使いでも走らせればできると思いますから、是非出してもらいたい。
#46
○政府委員(泉美之松君) お話のようなことは二十六年の四月一日以後適用に、実際上適用になりますので、二十六年の四月一日以後取得したものというラインなら、一応調べましてお出しすることができると思うのですが、二十七年度において果してその会社が指定いたします設備を取得するかどうかということの見当がつかないので、それを申上げかねると申したのであります。お話のような非常にラフなもので、今実績のわかつているものだけについて調べろということになりますれば、そういつた資料はできるだけ早く提出するようにいたしたいと考えます。
#47
○西田隆男君 二十六年度のやつがわかつておれば、二十七年度もなくちやならん。そういうところですから、法律案が出てもう何カ月もかかつておりますから、恐らく設備するほうは準備しているでしよう。だからそれで当然二十七年度のやつも大体わかると思います。而もこの三十二業種のうちの大きなものが七つ、八つ、十でありますが、わかつたら、あとの金額は極めて僅少で、これは問題にならないほど僅少なものである。これは免税になる対象の金額が極めて少いものだろうと思うので、それがわかれば大体想像がつきますから、我々の判断の資料になるようなふうにして是非一つ税制課長ともお話し願いたい。
#48
○中川以良君 私は一点ちよつとこれを拜見しておかしなところがあるのでお伺いしたいのですが、ほかにもそういう例がたくさんあるようですが、例えばこのなかに油脂製造業というのがございますが、これは拝見すると、どうも搾油業だけに限られているようにも思われるのでありますが、当然加工業も合理化をすべき点がたくさんあるのでありまして、施設の改善によつて非常に合理化になると思うのでありますが、含まれておると思いますが、これはどうなんでありましようか。
#49
○政府委員(石原武夫君) お手許の資料に油脂の製造業と書いてあると思いますが、これはいわゆる油脂を製造する段階まででございます。この案によりますと、入らないということになろうかと思います。加工につきましても今お話がありましたように、通産省といたしましては、非常に重要な産業でもありますし、又合理化をする必要もあるとは考えておりまするが、先ほど申しましたようにこの適用業種を選定いたしますにつきまして、大蔵省的な立場を税収の減少という点からも考え、両者で話合いましてかようなところに線を引いたわけでありますが、通産省といたしましてはこの際としては油脂についての加工業については、これを適用に入れることがいろいろ現在の税收等の関係で困難だということで、一応この際はこれに入れないという結論にいたしたのであります。
#50
○中川以良君 そうすると加工業は入らないようでありますが、私はどうもこの点はおかしいと思うのです。油脂製造業であるならば、当然搾油、加工両方面入ると思います。ここにも私は行政の二元化の問題がやはり現れていると思います。搾油のほうは農林省でやり、加工のほうは通産省でやる、これは通産省がぼやぼやしているのだと思います。その点はどうでございますか。
#51
○政府委員(石原武夫君) これは油脂の製造でございますから、加工と申しますか、搾油と、それから精製というようなものは製造業に入るだろうと思いますが、その次の段階は一応入らないという解釈になると思います。油脂の製造までは入ると思います。
#52
○中川以良君 精製は通産省の監督の権限というか、範囲に入つているわけですか、加工は……。
#53
○政府委員(石原武夫君) 加工と申しますか、例えば硬化油を作りますとか、その段階は一応入らないと、こう申上げたのですが、精製の点は、実は所管が少し入りまじつておるようでございますから、両方の所管にまたがるところがあるように承知しております。
#54
○中川以良君 それは精製のほうは、農林通産両方にまたがるのですかどうですか。そういうところに油脂行政の私は不明朗な点があると思うのでありますが。
#55
○政府委員(石原武夫君) それは通産、農林の当局で所管の分界をきめておりまするが、加工工場と一貫しておるところは通産省に、独立の専業でやつておりますところは農林省がやるというふうな分界に現在なつております。
#56
○中川以良君 そうすると今の加工も、独立してやつておるところの加工はそれに入るわけでありますか。どうですか。
#57
○政府委員(石原武夫君) いわゆる加工と申しますのを、これは加工という表現が不適当かも知れませんが、油でないものを造る、硬化油を造つて行くとか、その先を造つて行くところは通産省が所管しておりますが、これは入らない。精製等につきましては、所管が先ほど申上げましたように一貫的であるかないかによつて、実は所管がそこは分れておる。こういうことです。
#58
○中川以良君 そうすると搾油のほうだけは入つて、今の例えば石鹸工業とか、洗油剤、それから最近非常に問題の船舶塗料とか印刷インキというようなものは全然入らんわけですか。
#59
○政府委員(石原武夫君) お話のように入りません。
#60
○中川以良君 その点は一つ通産省としても再検討を是非私はして頂きたいと思うのでありまするが、どうも農林省のほうはこれに入つて、通産省は今更これに入れるわけには行かんというふうになつておると思いますが、油脂業界に対しては非常に不公平だと私は思うのですが、この点は一つ再検討を私はお願いいたしたいと思います。
#61
○島清君 私はどなたでもかまいませんが、私は日本の再建というものは、貿易の振興でなければならない。貿易の振興を図るためには、海外市場において、日本商品が先進諸国の商品に打ち勝つようにならなければならない。そうするためには、余りに今までの日本の産業設備というものは役に立たな過ぎると言いますると、言い過ぎかも知れませんけれども、老朽化しておる。そのために合理化を促進する意図があるかないかということを本会議で質問いたしまして、それでそのためには企業合理化の特別の金庫を作つて、数千億の企業合理化の予算を組む気持はないかどうかということを質問したことがあります。そこで図らずもこういう企業合理化法案が出て参つたのでございまするが、この提案者におかれましては、一体どういう観点で企業の合理化を図らなければならないと思われたのか。又この企業の合理化をするためには、大体理想的に言つてどの程度まで合理化をし、合理化を図るならば、どの程度の金が要るんだというふうにお考えになつたかどうか。先ず大ざつぱなところから一つ御説明頂きたいと思います。
#62
○衆議院議員(中村純一君) 私ども提案者といたしましては、企業合理化、日本の各産業の合理化を促進いたしまする目標といたしましては、どうしても講和成立後、日本が真の独立国として立つて参りまするためには、どうしても経済の自立ということが完全にできなければ、いわゆる日本の独立は絵に描いた餅になるのではないか。このためには、日本の重要なる企業の能率、設備の近代化と申しますか、かような企業がどうしても国際的な競争に耐え得るだけのレベルに達したものにしなければならないと、かような点をまあ窮極の目標と考えておるわけなのでございます。そのためには、無論單に本法案において考えておりますること、主として技術的な面、設備的な面、或いはこれに関連いたしまする公共設備の面、かような面ばかりでなく、金融の面とか、そのほかいろいろな面からして考えなければならん面が多々あると思うのでございまして、本法案だけで完全に日本の企業の合理化の完璧を期するというわけには参らないものと存ずるのでございます。又本法案の内容といたしましても、これで以て無論決して十分なものとは考えませんので、将来国の財政なり、その他の諸般の情勢と睨み合わせまして、もつともつと本法案の線において拡大強化した措置を講じて行かなければならないものとは考えておるのでございまするが、差当り、今日の財政事情等から考えまして、甚だ微温的であるというお叱りもあるかと重々思うのでございまするけれども、先ずこの基本線をここに打出して行きたい、かように考えておる次第でございます。
#63
○島清君 大体我々はアメリカ並びに西欧陣営のほうに入つておるのでありまするからして、そういつたような国国との産業設備と、それから我が日本の国の産業設備、私は特に輸出品に限つて話をして頂いてもいいと思いまするが、そういう意味において企業合理化をすれば大体幾工場ぐらいの合理化をしなければならんか、そのためにはどのくらいの金がかかるか、通産省のほうからちよつと御説明頂きたいと思います。
#64
○政府委員(石原武夫君) 只今のお尋ね、産業全般につきましては、今直ちにお答えをする資料を持つておらんのでございますが、我々のほうといたしましても、一応主要な業種につきまして、その業種、例えば鉄なら鉄、石炭なら石炭ということで、三カ年程度の計画というのを、これは民間の方々に御参集願つて作つておるわけでございますが、さようなわけで、この程度に機械を近代化する必要かある、或いはそれの所要資金が大体それくらいになるというようなあれは、主要な業種について一応ございます。その後情勢が変つておりますので、必ずしもその通りということにもならんかと思いまするが、一つの目標としてさようなものを
 一応業種別に考えておりますのですが、ちよつと今日手許に資料を持つておりませんので、次の機会までに一つ説明さして頂きます。
#65
○島清君 この三十二業種を指定されたということは、どういうところに線を引かれ、どういうような観点からこの三十二業種だけを摘出されたかを、ちよつとどなたからでもかまいませんが、御説明頂きたいと思います。
#66
○政府委員(石原武夫君) この三十二業種につきましては、通産省以外の関係もございますので、私から申上げることは不適当かと思いまするが、一応私からいろいろ大蔵省その他にもお打合せをしてこの案を作つておりますので、お答えをさして頂きたいと思います。
 先ほど西田委員の御質問にもありましたので、ちよつと触れておきましたが、一つは企業の合理化を特にする必要度といいますか、緊急度、そうした点と、もう一つは税收に影響する点を睨み合せまして、大蔵省とも相談し、関係各省で相談をして、この業種に一応決定を見ておるわけでありまするが、それを選びます場合に、先ほども申しましたように、次の四点を主として頭に置いて選んだわけでございます。第一は企業の合理化の対象となります機械設備等によりまして企業の合理化が促進される程度が一つ、それから第二には、その合理化によつてその影響が広く各産業に及ぶ、一業種の合理化に單にとどまらないで、各業種が合理化されることによつて、他の業種にも非常に好影響を與えられる。別の言葉で言いますと、大体基礎的な産業で各産業の特質なり、何なりでコストが下がり、品質がよくなるということが、関連の産業の合理化に非常に役に立つという点がその第二点。第三点といたしましては、貿易の收支の改善等に寄與するかどうかというような点、それから第四番目は当該業種が従来の実績その他から見て、資本蓄積をどの程度行なつておるか、又これを対象とした場合に、これの法律の期待しておるような特別の償却を行い得る能力があるかどうかというような点を総合的に検討いたしまして、関係各省でかような案に一応決定を見たわけであります。
#67
○島清君 どうもこの企業合理化の法案の提出の、私は目標と理想はよくわかりますが、現実において併し何かしら壁にぶつかつて、或る一つの制約の下に何か知らん中途半端な法案を考えておられるのだというような気がするのですが、それはまあ何かと言いますと、大蔵省の免税の処置だと思うのです。私は一応こういうことをお考えにならないで、免税とかということをお考えにならないで、企業合理化というものを生地のままで出して見て、それでどれぐらいの金が要るのだということになれば、或いは一千億必要とするかも知れないが、雷開発源とか、いろいろの今予定されておる何もありましようからして、特別の金庫を設置して企業合理化を促進してもいいと思うのですが、提案者におかれましては、これはちよつと意見がましいことになるかも知れませんが、そういつたような制約を受けないで、何かこの合理化の法案を促進されるというようなことをお考えにならなかつたことなんでございますかどうなんですか。
#68
○衆議院議員(中村純一君) お説は誠に御尤もでございまして、私どももさような点につきましても十分考究もいたし、検討をいたしたのでございますが、何分まあ現実の問題といたしまして、いろいろ財政上の都合その他の事柄もありまするので、今日の場合は甚だ不満足ではございまするが、差当りまあまあこの程度で先ず一つスタートをする。而してお説の点は誠に私ども同感でありますので、今後できるだけそういう全面的な面において推進を図つて行きたい、かように考えておる次第でございます。
#69
○山川良一君 私も結局この法案が徹底していないというような感じがするのですが、それはそれとしましてさつき西田委員が、収益を相当上げておるところに何と言いますか、合理化促進法案というようなものをやる必要はないというふうな意味の発言だつたように思いますが、私は合理化促進法案はこういうふうなつもりでやつておられるのじやないか。というのは、相当資金も注ぎ込んで合理化を促進しろ、そうして合理化をして特別の収益を上げ得るようになつたならば、普通の一般の償却以上に償却させようということであつて、普通の償却以上に償却し得る企業でなければ合理化法案を作つたつて空文に終るので、これを作られたのは、合理化をして相当特別に収益を挙げ得たところに特別の償却をさして、結局究極のところは島委員から言われたようないろいろの物価を安くするということを言われたのじやないかと思うのですが、その儲かるところにはやる必要ないということなのかどうなのか、その点を一つはつきりさして頂きたい。
#70
○衆議院議員(中村純一君) すでに十分に企業が合理化されてどんどん儲かつておるようなところは、或いはこれは必要ないかとも思うのでございますけれども、又私どもの考えまするところでは、これはつまり特別償却を認めるということが本法案の骨子になつておりまするので、この特別償却を認めるということは、その能力がなければこれはできないことなのであります。幾ら法律で以て立派なことを書きましても、その適用を受ける企業がその能力がなければできない。その能力があるということはやはり相当の收益力を持つておる企業でなければ、折角法律の適用を受けても実行ができないということに相成りまするので、私どもといたしましてはこの儲けておるかどうかということも、これはまあ或る程度考えなければならんことかも知れませんが、やはり合理化そのものを直接の目標として考えて行きたいと、かように存じておる次第であります。
#71
○委員長(竹中七郎君) ほかにありませんか。
#72
○小松正雄君 お尋ねしますが、この法案は今審議しようとしておるのに、こういう合理化促進のためにこの法案ができるということについて、すでにその施設をやることについては半分の償却を見るといつたようなことを考えられて、すでにもうそういうことを当てにして施設に着手しておるというようなことがあるようなことはありませんか。
#73
○政府委員(石原武夫君) 今回のこの法案の対象といたします特別償却の対象になる機械設備等は、御承知の通り租税特別措置法で現在すでに三カ年の五割増し償却の適用を受けることになつております。従つてそのうちの或る特別の業種、大体その対象になつておる機械設備、そういうことになつておりますから、この法案を直接の目的として事業を始められるものはないと思います。というのはすでに一部本法の制度にまで及びませんが、普通の償却方法よりも相当多額の償却方法を認めておりますからです。これはすでに実施になつておりますので、それを考えていろいろ計画されておると思いますが、すでにそういう方法もありますので、特にこれができればやる、これができなければやらんというような施設を計画されておるということは、我々としては一応ないと考えております。
#74
○委員長(竹中七郎君) 本日はこの程度で散会いたしまして御異議ありませんか。……明日一時から又やりますから、どうぞ御出席願います。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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