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1951/02/21 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 通商産業委員会 第10号
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1951/02/21 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 通商産業委員会 第10号

#1
第013回国会 通商産業委員会 第10号
昭和二十七年二月二十一日(木曜日)
   午後一時五十七分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     竹中 七郎君
   理事
           古池 信三君
           中川 以良君
           結城 安次君
           栗山 良夫君
   委員
           松平 勇雄君
           山田 佐一君
           加藤 正人君
           小松 正雄君
           島   清君
           境野 清雄君
           西田 隆男君
           松浦 定義君
  衆議院議員
           中村 純一君
  政府委員
   大蔵省主税局税
   制課長     泉 美之松君
   通商産業省通商
   企業局長    石原 武夫君
   通商産業省通商
   雑貨局長    徳永 久次君
  事務局側
   常任委員会專門
   員       山本友太郎君
   常任委員会專門
   員       小田橋貞壽君
  説明員
   大蔵省理財局管
   理課長     横山 正臣君
  参考人
   日本陶業連盟常
   任理事日本輸出
   陶磁器工業協会
   委員長     水野 保一君
   貴金属化学工業
   会会長     正光 信一君
   窯業労働組合連
   合会会長    河合 又平君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○企業合理化促進法案(衆議院提出)
 (第十二回国会継続)
○通商及び産業一般に関する調査の件
 (加工用金の自由販売に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(竹中七郎君) 只今より通産委員会を開会いたします。
 公報を以てお知らせいたしました第一議題、企業合理化促進法案を議題といたします。各委員のかたより御質問をお願いいたします。
#3
○結城安次君 この配付された企業合理化……これは御承知ですか。この中でつまりカースチング、鋳鉄、鋳鋼或いはマリヤブルというものについてはどういう扱いになりますか。日本鋳鋼会、あすこからの話によると、鋳物は鋳鋼や鋳鉄よりはマリヤブルが、今は可鍛鉄が非常に大事だ。それが日本の今後の産業の進歩に非常な影響を来たす。殊に最近アメリカでノデユラーというものができて、可鍛鉄よりも更に進歩したと称せられるものが、日本にももうすでに技術的にできて、今各社が研究中であるということを聞いております。それが入つておりますか、おりませんか。
#4
○政府委員(石原武夫君) 只今お尋ねの鋳鋼は業種として入つております。三ページ目の真中頃。
#5
○結城安次君 鋳鉄と鋳鋼とは違うので、可鍛鉄というのは鋳鉄じやない。それで鋳鉄と、鉄の字の附くものは全部入れたのでございますか。
#6
○政府委員(石原武夫君) いや、鋳鋼でございます。
#7
○結城安次君 鋳鋼は上には鉄鋼鋳造業として、下には「鋳鉄製造設備のうち」とある。
#8
○政府委員(石原武夫君) 鋳造業のうちに可鍛鉄も入るという解釈で、現在の租税特別措置法でもさような解釈でやつております。入ることになるのです。
#9
○結城安次君 いや、局長だけのお話では困るので、特別に可鍛と書いてあつたはずだと思う。それをここで鋳鉄と鉄の字があるからそれも入るのだというので、或いはそれは最後の問題かも知れないが、むしろ私がお願いしたいのは、通産省には鋳鍛造品課というのがあるはずですから、そこでこれでは自分の所で扱つているものの希望したものが入つている、或いは自分のほうで希望したもののうちこれとこれは落されたのだということがはつきりわかつておればお尋ねしません。これ以上あなたに御質問するのは無理だから……。
#10
○政府委員(石原武夫君) 鋳鉄、鋳鋼をここに入れましたのは、鋳鍛造品課と十分打合せをいたしまして、これでいいということで入れたわけでございます。
#11
○結城安次君 そうすると只今の局長の御答弁で、鋳鍛造品課と打合せて向うもこれでよろしいということになつたということを伺つて、私は質問をやめておきます。
#12
○委員長(竹中七郎君) ほかに御質問ありませんか……。ちよつと速記をやめて下さい。
   〔速記中止〕
   〔委員長退席、理事結城安次君委員長席に着く〕
#13
○理事(結城安次君) 速記をつけて下さい。
#14
○境野清雄君 先日通産委員会と運輸委員会と合同の審査をやりましたとき、私は出席して運輸委員会のほうの質問を聞いておつたのですが、大体この合理化法案自体は予算に縛られてしまいまして、予算以外のものでは如何に必要なものがあつてもこれはやれないのだというような現在情勢になつておるのですか。
#15
○政府委員(石原武夫君) この法案を作ります際に、さような法律による特別償却その他の税に関係する部分の規定がございますので、当然来年度の税収の見積りとの関係もございますので、大蔵当局では一応の税収の見積りの場合にこの法案を考慮して作つておられるわけであります。それで問題になつております政令の指定業種が税収の減少に一番大きく影響するわけでございますから、その業種を選びます場合にその減収額と大体見合つてその業種をきめるということにいたしておりますので、お話のように税の見積りとの関係上、一面そうした税のほうの立場からいたしましても、これの適用の対象となるべきものの限界があるということになつております。
#16
○境野清雄君 大体この間運輸委員会の要求なんか聞いてみましても、私どもは本来の性質から見れば、新造船の問題なんというものは単独法案を出すべきだろうと思うのでありますけれども、日本の造船に対する諸外国の見方というような点からして、いわゆる現在の情勢からはこういうものが不可能だというようなときに、たまたまこういう合理化法案というようなものが出たので、この問題に確かに或る程度結び付けてもらわなければ新造船部門というものは相当困難じやないかと思つておるのに、先般の質問は、皆さんがおやりになつても結局予算がないから駄目なんだというようなことになつておるけれども、逆に見ればこの企業の合理化法案をもとにして、例えば二十カ年償却というようなものをもつと縮めて行つて、そうして最初の三カ年間で六割も償却するというようなものに結び付けて、この問題と関連して大蔵省に折衝すればそのほうの問題が片がついて、新造船というやつは一つのめどができるのじやないかというようなふうに思うのに、合理化法案のほうはどうしても駄目です、提案者自体も最初から考えておりません、おりませんと言うのにもかかわらず合同委員会々開いておるということでは、どうも私はこの合理化促進法案自体が割切れない問題があり、造船問題だけでなく、中小企業問題なんかにも相当これは隘路がありまして、修正するべき点というものが相当あるだろうと思うのですが、もとが予算で押えられているということじやなかなかこれは皆さんからも議論が出るのじやないかというふうに思うので、私どものほうとしては何とか提案者にもう少し突込んだ面を聞いて見たいと思つておるのですが、企業局自体では新造船の問題などに関しては全然考慮に入れておらないというような現状になつておるわけですな。
#17
○政府委員(石原武夫君) 只今お話のございました新造船のほうは通産省の所管でございませんので、我々の立場からとやかく申すことは如何かと存じますが、この法案を作ります際から、新造船を入れるか入れんかという問題は実は役所内部ではございました。ただ先日来この合同委員会の問題になつておりましたように、新造船を入れますと非常に多額な税の減収になるというような点からいたしまして、大蔵省は当初からこれに入れることには反対をしておられたのです。それで我々といたしましては、新造船を急速に造つて行くという政府の一般の方針から申しましても、船会社に内部蓄積ができるということは非常に望ましいとは考えまするが、この法案は趣旨から申しますと、現在非常に立遅れております機械設備を急速に更新する必要がありますので、それの促進の一助としてかような立法を考えておつたわけでございまして、新造船そのまま全部をこれの対象にするという点につきましては、先般大蔵大臣がお話ございましたように、多少他の産業等との均衡は私も失すると思います。新造船を全部、これの対象にいたしますという考え方で参りまするならば、その他の産業につきましても、例えば新規の工場全部対象にするということも当然考えるべきものでございまして、この法案に今できておりますような体裁で参りますれば、新造船は違例のものだろうと思います。ただ造船は他の産業と違うというような点からいたしまして特別な政策的な考慮を加えて入れるということであれば、これは又おのずから議論は別になると思いますが、私のほうの立場としては、通産省といたしましては新造船を入れること別に積極的に反対ではございませんが、先日大蔵大臣が御指摘になつたような点は均衡論としてはこの法案自体から見ますと残つておるのではないかというふうに考えております。
#18
○境野清雄君 それは今のお話の通りでありまして、若し造船というもの、船舶というものをそのまま入れるのなら、陸上におけるものは家屋まで入れてもらわなければこれは非常な不均衡なものになる。併しそういうような考えでおられるものなら、船の中で使うエンジンとか何とかいうようなものに対しては特殊に考えられるというふうなお考えですか。
#19
○政府委員(石原武夫君) 今のお話、船の中へ入れますエンジンその他につきましてもちよつと私のほうの所管でございませんので、運輸省とされては如何お考えかは存じませんが、この法案の体裁から申しますと、新造船或いはその他改造船にいたしましても、そうした設備の一部につきまして非常に近代的な設備を対象にするということなら、他の産業と均衡が取れると私ども考えておりますが、運輸省としてはさような御主張はしておられませんで、全体として入れるか、入れんか結局今までのところは一応この対象の外にするということになりまして、別に一般の償却の制度を短縮するかどうかということによつて或る程度問題を解決したいという方向で大蔵省とお話合いと聞いております。
#20
○境野清雄君 この法案に予算というものがよく謳われておるのですが、予算自体は、企業の合理化をしまして新しい設備を入れたということによつて生産が増強して来て、税金問題も増収があるというようなことを考えられるのですか、そういうようなことは全然考慮に入れておらんわけですか、新しく入つて来ます税金というものは……。
#21
○政府委員(泉美之松君) 勿論租税収入の見積にいたしましては、各会社別に個別的にどういう新しい機械が入ることによつて税収が殖えるという見積りはいたしておらないのでありますが、一般的に安定本部の生産計画などを基礎にいたしまして、生産がこれだけ殖える、又安定本部の物価の見通しからいたしまして物価もこの程度殖えるだろうという予測を基礎にいたしまして、過去の実績に対しましてその生産、物価の増による所得の増加を乗じまして収入見積りを立てておるわけであります。従いましてこの生産計画の増の中に設備の更新、新設に上る増加が入つておりますから、結果においては租税収入の見積りの中にそれが入つておるということになるのでございます。
#22
○境野清雄君 その見積りは資料に何か出ておりますか。
#23
○政府委員(泉美之松君) これは予算委員会及び大蔵委員会に二十七年度租税及び印紙収入の見積りという説明を附けまして出してございます。
#24
○理事(結城安次君) ちよつと速記をとめて……。
   〔速記中止〕
   〔理事結城安次君退席、委員長着席〕
#25
○委員長(竹中七郎君) 速記を始めて。ほかに御発言ございませんか。
#26
○西田隆男君 昨日もらつた資料の中の石炭工業の所に合理化坑道という表現が使つてありますが、合理化坑道という坑道はどんな坑道なのですか、御説明を願いたいと思います。
#27
○政府委員(石原武夫君) これはほかの産業につきましては大体機械或いは装置を指定しておりますが、石炭の合理化の場合には坑道も是非対象にする必要があるということで、坑道のうちまあ石炭業の合理化と申しますか、近代化というような面に非常に寄與するような坑道もこれの対象にしようということで拾い上げたわけであります。これは西田委員のほうが非常に專門家でいらつしやいますが、具体的に指定をいたします場合に、先ほど来お話がありましたように、客観的に何かわかる必要がある。そうすると一つの山に行つて見て調べて見なければどちらになるか、この適用になるかどうか、非常に限界が不明確であつては実務上差支えがありますので、こうした合理化、近代化の坑道と考えられるようなものに対しまして、できるだけ客観的な基準で一つ適用の対象をきめたいということで今研究をいたしておりまするが、いろいろ坑道の機械化等を行なつておられますので、そうした最近の機械を使用するために必要な坑道というようなところで何か適当なラインで、割合客観的に一つの標準ができるようなものを作りたいというので、目下通産省内部の、大蔵省のほうの、或いは石炭の業界のほうのお智恵を拜借して考えている次第であります。
#28
○西田隆男君 言葉の表現が合理化坑道となつているので、これから今までの坑道よりももつと合理化するという意味合いにおいて、新しい企画に基いて掘鑿される坑道のことを意味しているのやら、或いは今までの坑道は坑道として、これから先その延長坑道であつても或いは合理化坑道の中に入るようになるのやら、或いは片盤に採炭設備でも新規にしてそうして石炭の搬出その他を合理化したものが合理化坑道になるのやら、或いは沿層坑道或いは斜坑というようなものが入るのやら、それが入らないとして竪坑だけが入るのやら、合理化坑道の表現だけではちよつとわからないのですね。それからもう少し主要坑道なら主要坑道を入れるのか、竪坑なら竪坑を入れるというのか、普通の主要坑道であつても岩石坑道を入れるというのか、昔掘つた坑道の延長は入れないというのか、そういうことをもう少し、この文章に書かれないけれども、説明だけはしてもらわんとなかなかわかりにくいのですね、これでは……。
#29
○政府委員(泉美之松君) どうもこの点は西田委員のほうが專門家でいらつしやいますので、私からお答えしても御了解願えるかどうかわからないのですが、我々といたしましては先ほど局長からお話がありましたように、石炭におきましてはいろいろ新らしい機械を取入れまして、切羽のほうでたくさん増産をしようとするのでございますが、現在の坑道でございますと、搬出設備なんかからいたしまして搬出量が制限されております。従いまして新らしい機械で掘つても、それを搬出する能力がないというような場合があるわけでございます。そこでそのために今ある坑道を拡げて搬出設備を新らしくして、搬出能力を増大するということによつて増産を図るということがいろいろ計画されているようでございます。そこで私どもといたしましては、現在ある坑道につきまして、それを坑を大きくしたり、或いは延長するというようなことによりまして増産能力を挙げるという場合に、その新らしくそういうことによりまして資本投下を行ないましたものにつきまして特別償却の対象にしたい、かように考えているのでございます。
#30
○西田隆男君 あなたの説明を聞くとますます混乱するので、炭坑の坑道というのは搬出坑道、通気坑道とそれから運搬坑道と、これは片盤の運搬坑道ですね。この三つしかないので、今あなたの説明を聞いていると、片盤は手押しで運搬しておつた。その片盤の運搬坑道を拡げてエンドレスに変更した。そうしてそれが合理化坑道の一つの対象になるということも考えられるのです。そうすると運搬坑道というのは捲卸坑道です。運搬坑道ですからこれを拡げなければ運搬能力というものは上りませんのですよ。今まで主要坑道と言われておつたところには、少くとも竪坑なんかを新らしく掘鑿する以外に合理化坑道の対象になるということはない。とすると片盤の運搬坑道一つというふうに解釈されますが、それは認定の対象として金額はどれくらい予定されているか知りませんが、大変なことになりますよ。その主要坑道のうちどれどれということにするのか、或いは新設竪坑というか、或いは新設される主要坑道というか、何か定義をもう少しはつきりされておかんと、今のあなたの御説明と局長の御説明のような概念では、合理化坑道というものは指定しにくいと私は思いますがね。あなたの説明では、運搬坑道を変えるということが大体主なように考えられますね。主要坑道というのは一応除外したことになるし、何かもう少し具体的にお考えになつておかんと、指定される場合にお困りになりはしませんか。私はよく炭坑のことを知つているので特に聞くのですがね。
#31
○政府委員(泉美之松君) その点は御注意の通り目下事務的に打合せているのでございますが、とにかく石炭につきましてはそういつた合理化坑道、機械だけでなしに、合理化坑道をも対象にして見るべきだという主張で、私どもも御尤もな点がありますので、ただどの範囲までにするかということを目下打合せをしておりますので、御意見の点なども参考にいたしまして、いずれ正式に決定いたします際にははつきりしたものにしたいと思つております。
 ただ申上げて置きたいのは、今後新規に掘る坑道については西田委員御承知の通り、別に耐用年数の償却の取扱い方が国税庁から通牒が出ておりまして、あのほうによることになりますので、新規なものはできるだけこれに入れないで、従来のものを更新するといつた意味合いのものに限りたいと考えておるのでございます。
#32
○西田隆男君 そうしますと、具体的に言いますと、今までは竪坑を計画して何年前から掘つておる、竪坑の掘鑿は殆んど完了しておる、あとはこれに対する運搬の機械を据えつけるだけになつておつた場合に、これはもう機械を据えつけたことによつて今まで竪坑というものは合理化坑道ということにあなた方は判定、判定と言うか、認定されますかどうか、これを一つお伺いいたします。
#33
○政府委員(泉美之松君) その点はむずかしい問題ですが、現在の我々の考え方からいたしますと、それは合理化坑道にならないと思います。
#34
○西田隆男君 そうすると、具体的に言つてどういうことになりますか、私がさつき言つたように、片盤の人力を以て掘鑿した石炭を運搬しておるのをエンドレスに変更することによつて機械化した。それだけのものしか適用されないことになりますね。
#35
○政府委員(泉美之松君) そればかりではございません。現在坑道で、穴が小さいために搬出能力の制限を受けておるといつた場合に、穴を大きくするといつた場合も勿論入るわけでございます。
#36
○西田隆男君 もつと具体的に聞きますが、そうしますと、仮に運搬坑道と排気坑道、今普通の言葉を使いますと、七七の枠で行つておつたと、ところがどうも窮窟だというので八八に切り拡げ、捲卸坑道を作つた。そうすると捲卸坑道と排気坑道は合理化坑道のうちに入りますか。
#37
○政府委員(泉美之松君) その場合に合理化坑道に入ることになると思います。併し先ほど申上げましたように、それをどの程度まで合理化坑道に入れるかということにつきましては、目下話合いをしておるところでございまして、現在の大体の考え方で、そういつたのは、入る或いは入らないという意味で申上げたのでございまして、今後更に詳しく検討いたしました上で、きまりました際詳しくお話申上げたほうがいいと思いますので、その点御了解願いたいと思います。
#38
○西田隆男君 きまつてから聞いたらはつきりするのですが、おきめになる前に検討して、過ちのないようにしたいと思うので議論をやつておるのです。先ほど言いました七七の坑道を八八にする、六六の坑道を七七にしたものが合理化坑道であるとするならば、それは中小炭鉱のほうにも適用の範囲が拡められるということになるのですが、ところがその前段のやつが若し合理化坑道であるとすれば、それは合理化坑道としての適用を受けるものは大炭鉱で、いわゆる大手筋以外の炭鉱は適用を受けないという結果になるので、二つに分けてお聞きしておるので、これは今からお話合いでおきめになるのでしようが、おきめになる場合に中小炭鉱だけを置き去りにされないように、坑道というものは百間しかない坑道を持つた炭鉱もある、それから二千間も掘鑿した坑道を持つたものもある。で、坑道というものは大きくても小さくても定義に当てはまるものは対象になると、そういう考え方でやつてもらわんと、大企業偏重主義になつて、中小炭鉱は脱落するということになる。金額は大したことではないと思いますが、そういう点を慎重に取扱つて頂きたいために具体的に例を挙げて説明しておるのです。どうかおきめのときは中小炭鉱も合理化坑道の指定の対象になるように扱われるように、手落のないように、偏額のないようにお願いいたします。それからもう一つお聞きしたいのは、採炭設備それから選炭設備と書いてありますね、採炭設備というものは、これは坑内にする設備のことですか、採炭現場にする設備のことですか、どれを大体意味しておられますか。
#39
○政府委員(泉美之松君) 採炭設備につきましては、現在租税特別措置法の五割増償却を認めているものを入れることになりますので、或いはお手許に参つておらないかと思いますが、租税法規集にありますようにおおむね現場にあるものが多いのでございまして、申上げますと穿孔機、截炭機、コールプレーナー、蔵炭積込機、シエーカコンベアー、スクレーパーホイスト、ダブルチエンコンベアー、充てん機、軸流フアン、ポンプ、マシントラツク、タイヤモンドドリリングマシン、チヤーンドリル、ワゴンドリル、ジヤンボー、こういつたふうなものになつております。それぞれこれにつきまして能力なり或いは規格などにおきまして制限がございますが、こういつた機械を採炭設備の中に入れておるわけでございます。
#40
○西田隆男君 それはわかりました。選炭機はこれは新設選炭機ですか、今まであるやつもこの対象になりますか。
#41
○政府委員(泉美之松君) 選炭機は新設のものでございます。
#42
○西田隆男君 この法律案の目的は企業の合理化を促進するというのが目的でありますが、この免税、減税の対象にした結果、その事業場が合理化されたという結果が生じなければ、免税の対象にすることはもう意味をなさんと思うのですが、この法律案が施行された結果においてそういう結果が生じたか、生じないかということについては、誰が大体責任を持つのです。
#43
○政府委員(泉美之松君) この点につきましては、ひとり特別償却のみならず、御承知の通り法人税法第六条におきまして、重要物産の免税を行なつておるのでございますが、こういつた特別償却或いは免税の効果がどのように生じておるかということにつきましては、我々十分責任を持つて調査いたさなければならんと考えておるのでございますが、現在までのところ特別償却は御承知のように昨年から始めましたので、その結果について詳細な調べができておらないのでございますが、今年夏頃からその結果どういうふうに企業が合理化され、或いは特別償却の効果がどういうふうになつているか、或いは重要物産の免税の効果がどういうふうな寄与をしておるかといつたようなことにつきまして、十分調査をいたしたいと考えておるのでございますが、何分大蔵省だけで調べることも困難でございますので、通産省その他各省の御協力を得ましてそういつた調査をいたしてみたい、かように考えておるのでございます。
#44
○西田隆男君 この企業合理化促進法案を見てみますというと、今私がお尋ねしたようなことに対する何らの考慮も払われてない、ただ機械設備をやつた、やつたやつを減税の対象にすれば能事すでに終れりというふうな解釈が下される。まあ法律というものはそういうふうに作られるものかも知れませんけれども、これは日本経済の復興のために国の支出が非常に大きいにもかかわらず、税金をまけてやろう、こういうことなので、結局一つの炭鉱を例に取りますと、一つの炭鉱に何千万円かの減税をしてやつた、そのために何億円かの企業合理化設備をやつた。然るに結果においては能率はちつとも変らないようなことであれば、これはこの企業合理化促進法案の目的にこれは反すると思う。そういう結果に対して何らの考慮もこれに入れてないようですが、通産省と大蔵省とで全責任を持つてその目的の達成のためにやられることは結構だと思うのですが、そういうように何とかこの法律の中に規定するか、或いはあなたがたのほうで減税の対象にするやつを、若しも設備をして、対象にはしたけれども、能率が挙つていない、従前通りだ、若しくは従前より低下した、これじや、特別の理由があれば別なんですが、でない場合、何とかそれに対する措置をお考えになる必要がないのかどうか。
#45
○政府委員(泉美之松君) その点につきましては個別的に、会社別に行くことはなかなか税制の建前といたしまては困難な点が多かろうと思いますのですが、現在の建前では業種を指定し、設備を指定して、その業種、その設備につきましては、大企業であると中小企業であるとを問わず、一律に適用を認めて行くという建前にせざるを得ないと思うのでございます。ただ調べてみました結果、或る会社についてはその効果がない、或る会社については効果があつたといつたような場合を一々拾い上げましてどうこうするということは、なかなかむずかしいのではないかと考えるのでございますが、我々としましてはその調査の結果、どうも全般的に見て効果が余り少いというようなことでありますれば、業種の指定を取消すなり或いは設備の指定を取消すということによつてやつて行つたら如何かと考えておるのでございますが、個別的に会社別にそういう措置をとるということはなかなかむずかしいと考えております。
#46
○西田隆男君 業種別の指定を取消すといつたつて、この法律案の中に何もそんなこと書いてありませんよ。指定を取消す必要が若し結果としてあるとするならば、この法律案の中に何か書くか、或いは単行法を出すか、いずれかしなければ、何とも今のところではこの法律案が通りた場合にはできないということなのですね。
#47
○政府委員(泉美之松君) その点につきましては、御承知のように政令で業種をきめ、それから大蔵省令で設備をきめることになりますので、その政令なり大蔵省令を改正いたしますれば、そういうことができることになるのでございます。
#48
○西田隆男君 まあ政令なり大蔵省令を変えればいいということを今聞きましたが、そうなりますと、企業合理化促進法のまあ誤らない結論に基いてやられれば結構と思うのですが、勝手に省令を変え政令を変えてぽんぽんして行くようじやなお意味をなさんですね。その点を併せ考えて、何とかこれは適当な措置を講ずるようなふうにお考えにならないと、金額はそう大した金額にはならんと思うのですが、この金額で日本の全体の産業が、重要産業が近代化されるとも考えられないですしね。結局相当な金額にならざるを得ないと思うし、相当な金額を使つた結果、全然価値があるとは考えられない。大部分のものが目的の達成ができなかつたというような事態が起きた場合には、これはこの法律案を審議した我々が責任をとらなければならん。その点も一つもう一度明快に、何とか善後措置についても一つはつきりした見解を当委員会においてお示し置きを願いたいと思います。これは提案者に聞くのが大体本当だと思いますが、提案者が遅かつたので今大蔵省に聞いたのですが……。
#49
○政府委員(石原武夫君) 只今西田委員からのお尋ねは、誠に御尤もでございますが、法律的には先ほど大蔵当局からお話ございましたように、政令、省令で改正ができることになつておりますので、先ほどの趣旨のように効果がない、或いは十分効果を達して、もはやさような特別な取扱いをする必要はないというような場合には、それらの改正ということに参りたいと考えております。これは税法におきまして先ほどお話のありました、法人税の規定の六条等につきましても、同じように政令でやつておりまして、そのときの事情によりまして適時従来といえども業種の指定変えをいたしますとか、追加をいたしておりますので、本法の趣旨に従いまして、政府としては十分その目的を達するようなことで、これは單に大蔵省だけの御見解で改正をされるということじやございません。殊に業種は政令でございますので、内閣の閣議の決定も要しますし、省令にいたしましても、従来とも大蔵省と関係の各省と十分密接な連絡をとつてやつておりますので、今後十分政府部内で連絡を取つて、本法の趣旨に合うような運用を図つて参りたいと考えております。
#50
○西田隆男君 私ばかりやるようですから、私はどうせ資料の提出を願つて、そのあとで又詳しい質問をしたいと思いますから、今日はこれで質問をやめておきます。
#51
○境野清雄君 提案者が見えられましたので、私はこの法案において中小企業面が甚だ薄いのじやないかというようなことで三、四点中小企業に関しての質問をしたいと思うのであります。
 大体この法案自体を見ますと、企業診断の実施と、合理化に関する勧告というこの二つの面で中小企業の合理化ができるというように、逆に見ますと考えられるのでありますけれども、企業の診断の実施と合理化に関する勧告だけで中小企業問題の合理化ができるというように提案者はお考えでございますか、これは。
#52
○衆議院議員(中村純一君) さようには考えておりませんのでありまして実はこの法律案の中で中小企業に関しまする部分は、御指摘のごとく極めてまあ粗末なものが書いてあるわけでございまするが、併しながらこの法律全体が、これは中小企業をも含めて、企業の大小の如何にかかわらず、この条件に合致いたしまするものにつきましては適用になる建前に相成つておるわけでございます。なお又この本法以外の面におきましても、特にこの中小企業の育成強化ということに関しましては、金融的な援助の措置ということが最も重大な問題ではないかと考えられるのであります。さような面につきましてはそれぞれ適当な、必要な措置を講じて行かなければならないことと考えるのであります。それらの面につきまして又御必要がございますれば政府当局からお答えをいたすかと思うのでございまするが、本法に関係いたしまするだけの部門につきましては、先ほど申上げましたごとく、全体として中小企業をも条件に合致しまする限り本法の対象といたして考えておるわけであります。なお本法以外の面をも併せて、全面的な措置によりまして中小企業の強化育成を図つて行く必要があると考えておるのでございます。
#53
○境野清雄君 そういうお考えならば、これが一応大企業にどうも偏重しておるというふうに我々は考えられるので、例えば対外競争力を賦与するというような見方からすれば、自転車なり或いは繊維製品、雑貨等の中小企業の輸出品メーカーの企業合理化は全然考えていないというようなふうに見られるのですが、そういう点に関しては一応お考えになつたのか、どうなんですか。
#54
○衆議院議員(中村純一君) 法律の建前といたしましては、只今申上げました趣旨において私ども考えておるのでございまするが、具体的にこの第六条を適用されまする業種、並びにその機械を如何に定めるかということにつきましては、これ又無論中小企業を除外する等の考えは毛頭ないのでございまするが、先般来政府側からもお答えをいたしたかと思うのでありまするが、諸般の状況を考慮いたしまして、只今のところ過般資料として政府から提出いたしておりまするようなものをこの第六条の適用の対象として今選択をしておるのが現状でございます。もとよりこれに該当いたしまするならば、これは中小企業でありましてもその適用を受けることに相成るわけでございます。
#55
○境野清雄君 大体この法案そのもので、提案者自体が、日本自体で現在合理化とか近代化とかいうような問題を最も必要とする部面はどこにあるかということはお考えになつておられますか。
#56
○衆議院議員(中村純一君) 極く大ざつぱな申し方になるかと思うので恐縮でございますが、私どもといたしましては、この講和成立後の日本経済の自立ということのために是非必要な産業を取上げて行きたい。もう少し申しまするならば、第一次的にはどうしてもこの基礎的な産業というものが、これは当然考えられなければならない問題であると思うのであります。次には第二次製品的な面の産業でありましても、これが広く国民経済の上に大きな関係を持つておるところの産業であるとか、又或いは輸出入振興の上に重要な影響を持つておるところの産業であるとか、かようなものを取上げて行かなければならんと考えておるのでございまして、さてそういうような基礎的な考え方の上におきまして具体的な産業、或いは機械の選定の基準とでも申しますか、これつきましては、これまで政府からも申上げたのではないかと思うのでございまするが、私のほうとしてはさように考えておるわけでございます。
#57
○境野清雄君 経営の合理化という問題は、大体今更申上げるまでもなく、どうしても日本自体としては大企業より中小企業のほうが経営合理化ということが必要だ。そういうのにもかかわらず、この法案自体は中小企業のほうは殆んど古い企業診断というようなものだけで、まあ言い換えればごまかしておるような形になつておるのでありまして、中小企業については殆んど考えておらないような形になつておる。例えばこういうような法案自体で見ましても、経営の合理化というものは、その中の一番大きい問題は何だというようなことになると、技術とか機械とか、原単位の三点だけ、これは指摘しておるのでありますが、この三点だげでは私は相当不十分ではないか、例えば建物だとか運搬方式だとか、機械の配置だとかというようなもの、或いは労務管理というようなものについては合理化が行われることについて法案は何らの配慮も加えていないというふうにも考えられるのでありますけれども、これは機械と技術と原単位の三点でこういう問題が解決するというようなお考えを持つておられるのですか。
#58
○衆議院議員(中村純一君) 御指摘のごとく、この法案以外の面において多多施策し措置しなければならない問題がたくさんあると思うのでございます。この法案といたしましては、全体的に主として技術、施設の面、或いは原単位の面、或いは産業に関連する工業施設の面とかという、主としてそういう面をこの法律としては取上げておるのでございまして、その他の面におきまして、或いは金融に対する問題であるとか、或いは只今御指摘のような部面に関しましてやらなければならない問題は多々あろうと考えるのでございまして、その点は全く御同感に存ずる次第でございます。
#59
○境野清雄君 大体第六章に書いてあります企業診断というものに対して、診断というものの定義はどんなような程度に政府自体は考えておられるのか、診断をすれば大体病状がわかるので処方箋がこれによつて書かれる。政府はその薬についてはどんなふうに考えておられるのか。
#60
○政府委員(石原武夫君) 只今中小企業庁の係官がおりませんので、十分な御返事をいたしかねますが、各府県等を使いまして、中小企業庁が中心になりまして、業種別に診断の基準というものを作りまして、具体的な中小企業の現場に出て参りまして、企業の診断をいたしまして、それで改善すべき点を検討いたしまして、勧告をいたすということも現在やつておるわけであります。
#61
○境野清雄君 今の問題に関しまして、この十二条に、地方公共団体は診断を行うことができるというふうに書いてありますけれども、これは政府はどうしてこの診断を行うことができないのですか。
#62
○政府委員(石原武夫君) 中小企業は御承知のように非常に数も多いという点もございまして、中央から直接各中小の企業に診断に参りますということは、実際問題としてなかなか困難でございますので、現在の制度といたしましては、各地方公共団体を使いまして診断の制度を実行しておるわけであります。勿論本省から直接、政府が直接やることも勿論できるわけでございますが、中央の役人が出て参りますということはなかなか実際問題として実行がむずかしいので、現在やつております制度をここに法文化したということになつておるわけであります。
#63
○境野清雄君 大体この法案は、政府が最初考えておりましたように、政府はこの合理化機械設備を購入して、これを行う特定の企業に貸与するという点は、もう殆んど放擲されておりますけれども、最初の目的のような線にいずれはしたいということの第一段階としてこの法案を考えておられるのか。当初考えておつたような、そういうような設備を購入して特定の企業に貸与するという考えはもう殆んど忘れられておるのか、その点についてお伺いしたいと思います。
#64
○政府委員(石原武夫君) 当初政府或いは通産省で考えておりましたときには、お話のようなことも考えておつたわけです。で、その後なかなかさような考え方が実現いたしませんので、いろいろな関係の所と相談いたしまして、かような現在の法案に出ておりますようなところに落ちついたわけでございますが、通産省といたしましては、何らか先ほどお話がございました貸与制度、或いはそれに代るべきような制度も併せて実施する必要があるということを考えておりまして、実は本年度の予算には、この法案には実は出ておりませんが、機械の、主として工作機械を中心とする機械メ、カーの設備の近代化をいたしますために、補助金を交付して、そうしたものを促進したいということに今なつております。これは貸与をいたしますか、或いはそうした新規の設備について、補助制度で行くか、二つの考え方があると思いまするが、これはいろいろ一利一害があると思いますが、現在のところはむしろ補助金で、やはり各企業が所有の機械のほうが実際問題としては適当ではないかということで、昨年来いろいろ大蔵省とも交渉いたしまして、本年度の予算にはたしか二億五千万円のそうした工作機械を中心どいたしまする新規の機械の設置に対する補助金を出すということを考えておるわけであります。現在のところはさような、むしろ補則金制度のほうが或いは適当かということで、現在では直ちに貸与制度ということを考えてはおりません。
  ―――――――――――――
#65
○委員長(竹中七郎君) 企業合理化促進法案の審議は、本日はこの程度にとどめまして、次の議題の通商及び産業一般に関する調査についてと、こう書いてありますが、それの加工用金の自由販売に関する問題を取上げます。古池議員より問題提起の経緯を簡單に御説明を願いまして、それから参考人の御意見を承わりたいと思います。
#66
○古池信三君 先般の本委員会におきまして、産金事業の育成と申しますか、これを助成して行く意味合において討議が重ねられたのでありまするが、その際の議論の経過に鑑みますると、一グラム当り現在四百円程度の値段では産金業者としては引き合わない、これを値上げできるようにして欲しいというような要望があつたのであります。で、その結果といたしまして、金の値段は自由販売ということになりますると、六百円近くになるであろう、こういう意見が出たのであります。産金業者側から言いますならば、この間の意見によれば、現在五百五十円以上かかるというわけでありまするから、それを四百円という値段ではこれは引き合わんのは尤もなことであります。又今後日本として特に貿易関係、その他から考えまして産金事業を発展さして行かなければならんということも、これも申すまでもないことだと思うのであります。ただ問題はこれによつて、即ちこの金の値上げによつて影響をこうむる事業を如何にするかということが残された問題であろうと思うのであります。現在国内におきまする金の使用というものは、御承知のように非常な制限を受けておるのでありますが、而もなお金の使用を許されておるというのは、例えば医療の面における金の使用、又輸出産業に一例を挙げれば、陶磁器のような輸出製品に対して金を使用する、こういうような需要が残されておると思うのであります。特に今後我が国が貿易によつて大いに海外に優秀にして而も廉価なる品物をどんどん出して行かなければならないという今日、その輸出の伸びるのを抑制するような結果になるような措置は、これはできる限り避けなければならんと思う次第であります。現在金が仮に五割値が上るとなれば、この金を相当に使用しておりまする、只今例示いたしましたような輸出産業は、然らばどうしてその採算をとつて行くかという問題、これについて本委員会としては十分検討を加えて見る必要があるのではないかと、かように考えておるのであります。
 本日はさような意味合から、輸出陶磁器の事業に関係しておられまする代表の人たちから参考人として、使用者としての側から意見を述べてもらうことが是非必要である、私はかように考えて委員長にお願いしたような次第であります。大体の経緯を私から簡単でありまするが、以上御説明申上げた次第であります。
#67
○委員長(竹中七郎君) 古池議員からの御懇請もありましたので、皆さんがたの三人の輸出陶磁器関係、或いは貴金属関係のかたがたにおいで願つたのでありますが、時間の都合その他がございますので、大体初め十分間ぐらい御陳述を願いまして、それから委員各位から質問がありましたら、それにお答え願います。誠に御多忙中恐れ入りますが、どうか私が申上げまする順序において御陳述を願いたい。日本陶業連盟常任理事、日本輸出陶磁器工業協会委員長水野保一君から御陳述をお願いいたします。
#68
○参考人(水野保一君) ではお言葉に従いまして事業者側の意見を申上げます。
 本委員会において加工金自由販売等に関しまして、需用者側として輸出陶磁器業界を代表し、意見を陳述する機会を与えられましたことに対し深甚なる感謝の意を表します。
 本問題は、金が国際収支決済用に充当せられ、為替レートに密接なる繋がりがあり、日本経済の自立が一に貿易の消長に関連いたしますので、特に慎重に御審議下さるものと推察いたします。
 端的に申上げますれば、輸出によりドル貨獲得高を豊富にすべきか、又は産金により決済用金を増加すべきかということに結論されますが、国内は貧鉱の面より見て産金政策は消極的であり、輸出振興策は積極的であると信じます。先にお手許にお届けいたしました加工金自由販売制反対陳情書にてすでに御了承賜わつたことと存じますが、戦後激烈なる国際競争場裡において逐年陶磁器の輸出を伸長させ昨年は三千四百万ドル、即ち産金量三十トン余に相当する外貨を殆んど国産品を以て獲得しました。特に米国向には金液を使用した高級品により多額のドルを稼いで参りました。近時米国向は金液使用度が高まりつつあります。今若し加工金五〇%の値上りを見ますれば、輸出が減少するのは明らかであります。陳情書に反対理由は述べてありますが、概括的に申しますと、陳情書三頁に金使用度に対しまして、デイナー・セツトに例をとり示してあります。デイナー・セツトの売値に対し金は一二%より二二%を占めております。現在一グラム四百九円より一躍六百円、五割の値上りを来すといたしますれば、売値コストに対して六%乃至一二%が原価コストに影響を来します。加うるに米国関税七〇%が余分に加算されます。即ち国内の一割高はアメリカ着原価は一割七分高となります。これがアメリカ小売価格になりますると、四割五分乃至五割高となりますので、如何に外国製品に競争できないかということも御推察願えるものと思います。
 海外市場における陶磁器は一般に値下りしつつあります。金地金の値上りを売値でカバーすることは当然できない現況であり、又金が自由価格となりますれば、価格は毎日変動しまして輸出陶磁器は六カ月乃至九カ月の先契約をなさねばなりません。その場合原価計算の基礎がぐらついていては常に不安に曝されます。我々業界の苦しい立場も御了解賜わるものと存じます。
 御承知の通り陶磁器業界は二十人以下の小工場が八四%も占める中小企業の御手本ともいうべき産業形態でありまして、これに関連する家庭の手内職より生計を立てておる者も多数あります。又荷造り、包装に従事する者、或いは陶土原料採掘に従事する者、これらの人々は産金業に従事しておられる工員よりも遥かに低い賃金で甘んじて働いておられます。産金に従事なさるかたがたは現下華やかなる銅、鉛、亜鉛又は石炭に従事する面と比較なされば或いは低賃金かも知れませんが、陶土採掘に従事する者は金鉱と何ら変らん仕事でありまして、下には下があるということを御了承願いたいと存じます。従つて金地金の値上りをカバーすることは、賃金でカバーすることは絶対にできません。
 又陶磁器は一部門ごとの分業作業の合理化が完璧された産業でありますので、現在以上合理化によるコスト引下げも望むことはできません。金地金が五〇%も大幅の値上りとなりますれば必ず輸出は減少を来すことは明らかであります。その場合これに従事する零細なるその日にも困る労働者が失業ともなり、社会問題となる心配もあります。これに対し痛切に感じますのは我々であります。働く人あつて事業の成立するのは申すまでもありません。金の値上りによる輸出減少は折角育て上げた熟練工員と別れねばなりません。かかる悲惨なことは当事者においてのみ味う苦痛でありまして目前に見る感じを抱きます。
 本問題の解決案として陶業界は三つの要望を申述べます。そのうちいずれかを御採択あらんことを切望します。
 一つ、我々業界は弱少メーカーの集りでありまして、経営者は工員以上の労力を払い、辛うじて事業をなしつつありますのに反し、産金業者は大メーカーであり、而も二割三割を配当される会社もありまして、金地金価格は現状で十分採算のとり得る業者もあると聞きます。現在採算のとれない業者は、産金技術の向上、或いは合理化によるコスト引下げ、又政府の助成金は総花的とせず、引合わぬ困る業者のみに与えられまして、採算点に達すべく御研究あらんことをお願い申上げます。要は産金業者間の収支改善により、弱少なる他産業に影響を与えることなくして、当該業者間にて御善処賜わりまして、金地金価格は現状のままにて御辛棒お願いいたします。
 二つ、我々の犠牲において産金業者を保護せねばならん事情がありといたしますれば、陶業界の忍び得る限度は現在の一割を最高にとどめられまして業界が安んじて経営なし得るよう御善処賜わりたい。
 三つ、それも不可能とありますれば、政府買上金も我々同様に自由価格として、金の値上り率に応じ為替レートを御変更あらんことをお願いいたします。現在の三百六十円レートは物価指数より見て無理があります。又我々業者の犠牲により国内産金業者を保護なさる御方策に無理が伴います。例えば僅か年産六トンを産出する国内産金業者を救うために外国の金貨三十トンを得つつある他産業を犠牲とする御方策は、小の虫を生かし大の虫を殺す結果ともなります。賢明なる委員のかたがたのお力によりまして御善処賜わらんことを切望懇願申上げます。
 以上申上げました通り加工金自由販売には幾多の疑問と、他産業に多大の障害を及すものであります。陶業界の意見もおとり入れ下さいまして、慎重なる御審議あらんことを、ひたすら懇願する次第であります。金が我々業界に必要なことは、ここに持参いたしました現品を御覧下さればおわかり下さることと存じます。本日は委員皆様より我々に対し貴重なる時間をお与え下さいましてお聴取り下さいまして、誠に有難うございました。厚く御礼申上げます。
#69
○委員長(竹中七郎君) 次に貴金属化学工業会会長正光信一君にお願いいたします。
#70
○参考人(正光信一君) 陶磁器用の金液及び含金絵具、その製造業者を代表いたしまして御説明申上げます。金の価格の変動に伴いまして、私ども陶磁器業界に及ぼす影響につきましては、只今日本陶業連盟の委員長よりお話のあつた通りでございますが、陶磁器業界と表裏一体の関係にあります私ども金液業界についても、その苦衷を申上げまして、皆々様の御施策の参考に供し、更に国会においても御理解ある御指導をお願いいたしたいと存じます。
 加工用金の価格の問題につきましては、昨年九月国際通貨基金の加工用金価格制限の権限が廃止されましたために、我が国においても一部の国の例にならいまして、プレミアム付二重価格制を採用し、それを自由価格とするというお話を承わつておりますが、若しかかる方式がとられましたとするならば、金の需給の関係によりまして、金価格の高騰を来たし、金を使用する輸出産業、特に陶磁器に及ぼす影響は致命的な打撃を与える結果となることは明らかであります。政府におかれて何らか供給者並びに需要者に対し厳重なる規正と同時に価格の統制を実施されなかつたならば、輸出産業の衰頽は絶対免れないものと思われます。従つて何らの制約のない自由価格制に対しては私たちとしては反対せざるを得ないのでございます。金液含金絵具は主要原料たる金地金が年産原価の大半、約六六%も占めておりますために、金地金の値上げはそこに製品価格の引上げを余儀なくされます。ところが陶磁器生産業者は、海外よりの引合に対しまして、生産原価が高いために引下げに現在非常に苦慮しておられるときに、当然採算割れとなり輸出を激減させることになります。又現在外国金液は国産の製品とほぼ同等の価格でございますが、加工用金地金の値段が上りました場合には、陶磁器生産業者は採算上やむなく外国製品の輸入によつて現状の維持を図ることになると思われます。かかる事態になりましたならば、我々金液及び含金絵具の年産業者は全滅の悲運に逢着してしまいます。それも国策であるからいたし方ないと言われるならば又やむを得ないでしようが、併しその結果がどういうふうになるかということをお考え願いたいと思います。
 現在国内金液年産が杜絶いたしまして、外国製の金液にもつぱら依存するという場合の障害として考えられますのは、第一に国内の金液生産が不可能となるに乗じまして、海外よりの引合いは将来不当なる価格の要求を受けましてもこれを拒否する手段がないのでございます。
 第二に、陶磁器の高級意匠に必須の原料であるところの金液を外国に委ねる結果は、輸出陶磁器の生産の鍵を掌握され、常に立場が不利になるということになります。
 第三に、国内の金液の製造業者が輸入品の圧迫を受けまして門戸を閉鎖してしまい、そのうち再び国際情勢の変化等によりまして供給の必要を求められましても、その際に又再び業に復するということは、技術面及び経済的事情によりなかなか容易ではございません。それは金液、これには含金、絵具も同様でございますが、製造の技術がなかなか一朝一夕で完成したのではなく、又日本において現在僅か四軒しかその技術を完成していないという、この業態の歴史を見て頂いても、如何に複雑な技術であるかということがおわかり願えると思います。
 その沿革の大体を申上げますれば、金液につきましては一八三〇年頃ドイツのマイセンにおいて、キユーンという陶画工によつて初めて製造されまして、爾来その製造方法について多くの人々が試みたのでありますが、その報告のみでは金液というものはできなかつたのでございます。明治七年頃丹山陸郎という人が初めてオーストリーから日本へ持帰りました記録はございますが、実際の輸入ができたのは、明治十八年頃初めて試験的に使用、明治四十年頃から広く使用されるに至つたのでございます。最初の輸入は英国のものでありまして、英国のE・H・タスカ及びドイツのハナウという所から輸入されたのでございますが、需要は大正年間に至つて殖えたのでございまして我が国でも長年月を多くの人々が費しまして研究いたしましたけれども、全く成功できませんでした。たまたま第一次欧州戦の勃発によつて、英国、ドイツ等からの輸入が杜絶いたしまして、米国のハノビア社が専らこれに代つて独在しましたが、大戦の進行によりアメリカは金の輸出を禁止し、従つて金液の輸出も禁止になりました。金液輸入杜絶に伴いまして、日本の輸出陶磁器業者間に一大恐慌を引起しました。その対策として純金をアメリカへ現送しまして、同量分だけの金液と交換してもらいたいということを述べまして、承諾を受け、辛じて作業を継続することができました。米国製品は欧州品に比べまして、粘度が低いために使用上技術的に困難を感じましたが、欧州戦争中使い慣れるに従いまして米国製品に一遂に頼ることになりました。右のごとく外国に専ら依存していることは危険であり、且つ事業の成立が不完全であるということで、日本陶器株式会社では万難を排し、技術員をアメリカに送る準備を整え、又一方化学の権威であるところの当時の技師長石川次郎に委嘱しまして、京都大学に行かしめ、ドイツの試験所の報告の調査、早速試作を開始したのが大正七年のことでございます。一方日本金液株式会社の前身であるところの落合化学工業では第一次欧州大戦の際、ドイツの俘虜将校であり、技師であつたエンゲルホン、センクバイル両氏と協力しまして、大正七年九月に開始いたしまして爾後両氏は日本にそのまま残留して研究を続けまして、その間ドイツのメルク社の技師ペテルセン氏を招聘して、漸く完成したが、粘度の点において、米製品に慣れ切つた我が陶業界では容易に使用せず、更に同社のデシヤウエル氏を招き漸く完成しました、その後日本人の技術者のみによつて改良をいたし、特に昭和四年当時政府におかれては、国産品擁護のため輸入金液には関税障壁を設けると共に、国産品育成奨励の目的で昭和六年及び七年の二回に亘つて、商工省より同社に工業奨励金を下付されております。続いて株式会社浪速商会が昭和四年一月より錨印の商標の下に優秀品を製造いたしました。有限会社伊藤金精舎、現大研金液株式会社も、中土晃氏の研究を基礎として製造を開始しました。かくしまして、国産金液を以て陶磁器、硝子、琺瑯の絵付、装飾等に対する需要が増しまして、現在のごとく改良発達を見るに至つた次第でございます。
 前に申述べましたように、戦前戦後を通じまして三十有余年の間、金液、含金絵具製造業者は、まじめにひたすら国策の線に沿いまして営々として品質の向上に專念いたしまして、もはや外国製品にいささかも遜色のない優秀な製品を供給し、一部の品質においては一段と優秀を誇り得る品物さえあるということを自負しまして、以て国内の需要を満たし、なお余力を保有しておる現況でございます。
 これにもかかわらず今や金地金の価格変動の声を聞きまして、これら製造業者らの生存が危殆に瀕しておるというのが現状であります。実に我々今日までの努力は、微力ながらも外貨獲得の一翼を担つて来たのでございます。その苦労をお認め下さいまして、我等の業者が将来とも存立し得られるように、深甚の御配慮を以て特別の御措置を賜りますように衷心よりお願い申上げたいと存じます。
 以上の点より申しまして私どもといたしましては飽くまでも現状の通り一オンス三十五ドルというこの線をお願い申上げたいのでございますが、若し最初に申上げましたように、政府の御方針として二重価格制を制定せられるということになりましても、現行価格の一割高、即ち一オンス三十ハドルくらいの線にとどまるよう諸種の事情を御勘案御賢察願いまして、何とぞ御審議のほどをお願いいたしたいと存じます。どうもありがとうございました。
#71
○委員長(竹中七郎君) 次に窯業労働組合連合会長河合又平君にお願いいたします、河合君。
#72
○参考人(河合又平君) 本件につきましては、私たちの窯業労働者がこの問題を重要視いたしまして、窯業労働者の大半を占めますところの東海地方の窯業労働者は、その全員が声を大にいたしまして、この自由販買制、この制度が布かれることについて非常なシヨツクと恐怖を持ちまして、先に当委員会にも東海地方窯業労働組合連合会の名を以て陳情に及んだ次第でございます。なお、去る十八日におきましては全国窯業労働組合連合会の中央執行委員会の席上におきましても、この問題を非常に重視いたしまして、先に陳情いたしました東海窯連の主張と同じういたしまして、以下申上げまするような状態を当委員会に陳情いたしまして、善処方をお願いするということが決議されて、その代表といたしまして私たちの訴えを申上げたい、かように考えるものでございます。この産金業者が主張しておりますところの自由販売制というものは、実施しないでおいて頂けないであろうかということが私たちのお願いしたい第一点でございます。
 第二点といたしましては、若しこれが避けられないといたしまするならば、なおこの価格に対します一定の制限を附しまして、例えば現在の一割値上げまで程度のところで考えて頂けないものであろうか。なお同時に少くとも輸出陶磁器、この問題に関しましてはこの輸出を阻害しないような何らかの方針、特例を設けて頂きたいということがお願いする主要な要点でございます。
 従いまして私たちの同志でありますところの金鉱連の労働者諸君の本件につきますところの切々たる要望につきましても、私たちはその意を一応諒とするものでございまするけれども、半面私たちもの窯業に関係しておるところの輸出陶磁器生産をするところの労働者のこの立場においても慎重に御配慮願いまして御検討を願いたいと思うわけでございます。
 全国の輸出陶磁器業者の生産に排つている労働者は、およそ十万人の大半を占めておる地域が東海地方の窯業労働者でございますけれども、国内に我我は生産されるところの原石、或いは粘土等を立派な焼物にいたしまして輸出いたしまして、貴重なドルを獲得することに対しましては渾身の努力を払つて現在まで参つて来おるのでございます。
 併しながらこの輸出用の陶磁器の絵付に対しましては絶対に欠くことのできないところの金地金の価格がこの場合上つたというようなことになりますならば、現在の産金業者たちが提唱しておられるような自由価格の線では全くこれは大きな打撃であり、致命的な影響をこうむる。従つてこれが輸出の障害となり、我々の生活が非常に脅かされるということは火を見るよりも明らかであるということが考えられるわけでございます。
 私たち窯業の労働者といたしましては、この輸出産業に占めておるところの我々の任務の重要性を認識いたしまして、且つその誇りを持もまして、他産業労働者の収入に比較いたしまして、現在我々の労働者の収入は二〇%、或いは三〇%を下廻つておる賃金を得て、甘んじて我々の任務を果しておるのが現状でございます。特に愛知県或いはその方面の瀬戸方面、或いは九州の有田地方のこの輸出陶磁器労働者の賃金べースは六千円というような飢餓賃金でございます。なだ私たちはこの労働者の自覚の上に立ちまして、自重して現在まで来たのでございますが、そうした苦しいこの生活の中から今日の成果を得るべく信じて努力して参つたのでございます。かような状態の下におきまして更にこれ以上の打撃を与えられるということになりますれば、私たちの事業といたしましてはその従事する労働者の生活が根抵から破滅に陥つてしまうというようなことを申上げても、あえて過言ではないと思うわけでございます。
 更に陶磁器の輸出の衰亡ということは、私たちも十万人の労働者の生活を脅威するばかりではなくして、延いては関係労働者たもの陶土の採掘であるとか、或いは金液を製造するものであるとか、含金絵具を製造するものであるとか、或いは転写紙を作るもの、本函を作るもの、或いは紙函を作るものの多くの労働者がこのあとに続いておるのでございます。特に陶磁器の製造は、中小企業或いは家内工業というものがそのうもの大半を占めておるのでございます。近代産業と違いましてその内容は手工業的な要素を多分に含んでおるのでございまして、その作業を簡單に合理化して行くような余地が極めて少いのでございます。私たちの労働組合は、この戦後我々の使命に徹しまして、率先して生産復興運動を提唱いたしまして、作業の合理化、生産の増強に努力して参りました結果、よくイギリス、ドイツ、或いはチエツコ等の諸外国の業者の製品との激しい競争を克服いたしまして、年間三千五百万ドルというもののドルを稼いでおるのが現状でございます。戦前昭和十二年に比較いたしますと、昭和二十六年はアメリカの輸出のみについて比較して考えまするならば、実に一四二%に輸出を上昇しておるのでございます。この場合アメリカの物価を戦前の二倍として考えたものでございます。かような点をよく御認識して頂きたいと思うのでございます。
 更には又以上述べましたような窯業労働者の賃金べースは、自由販売制を主張する産金労働者の現在のベースよりもなお相当低い現状であるのでございます。同じ働く者といたしまして全金属労働者諸君の賃金ベースが高いのを我々はねたむ者ではございませんけれども、自由販売制の実施によりまして更に低い賃金のベースを余儀なくされ、或いは根本的な生活の破綻を懸念するという立場から、私たち窯業の労働者の存在することも非常に危険な状態に曝されるというような意味を考えまして、ただ一方的な主張でなくいたしまして、大局的な見地からこの問題を御賢察願いたいと思うのでございます。
 なお、御参考までに他産業の賃金べースを簡單に比較さして頂きますと、陶磁器の製造業の二十六年五月現在の賃金を申上げますと、八千七百円を中心にいたしまして、これを一〇〇として対照いたしますと、鉱業関係の賃金べースは一万一千九百円に上つております。従つて一三六%になるわけでございます。金属工業関係といたしましては一万四千三百円ベース、従つて一六三%、機械器具工業関係といたしましては一万一千六百円、一三二%、化学工業にこれを対照いたしました場合におきましても一万一千九百円、一三六%、以下いろいろございますけれども、お手許に差上げてあります資料にその数字がまだ載つてございますので省略いたしますが、今申上げましたように私たちの賃金は非常に他産業に比較いたしまして低いものでございます。
 かような我々の中小企業たる輸出陶磁器生産並びに業態の現状は、輸出陶磁器は愛知、岐阜、三重、三県下において約九〇%の生産をしておるのでございます。その工場は四千六百を数えております。従業員の数は約十万を数えております。そのうち従業員が二十人以下の工場が八四%を占めておる。私たちはかような業態の中に主原料たる、先ほど申しました陶土の採掘、或いは金液、含金絵具、転写紙、本函、ボール函等の業者を加えまして、或いはその家庭内職者等を包含して考えますれば、二十万以上に上るのではなかろうかとかように思うものでございます。かような多数の零細なる手工業者がかような生産に従事して多額の外国ドル資金を稼いでおるわけでございます。従いまして私たちの産業、私たちの労働者同志大勢の者が零細な企業、零細な家内工業的な中に働いております者でありますから、中央におきましては非常に私たちのこの血の叫びの反映が微々たるものではなかろうか、かように懸念いたすものでございます。併しながら先ほども申上げましたように、私たちは戦後輸出産業の一端を担いまして、与えられた輸出陶磁器生産のために献身的な努力をいたして参つたのでございます。なお且つ日本の経済安定のためにも将来私たちの使命の重要性を痛感しておるものでございます。
 かような見地から今回の問題を私たちは挙つて重要視し、挙つてこの問題に大きな関心を持つと共に、以上申上げましたような観点から是非この零細な立場の働く者のこの血みどろの声をお取上げ下さいまして、この問題の善処方を要望いたしまして、委員の皆さんの御賢察の下に安定した生活が立ち得ることを切に切にお願いいたしまして私の申上げることを終ります。
#73
○委員長(竹中七郎君) 委員のかたがたに申上げますが、委員のかたがたの只今の陳述者に対する御質問を賜りまして、且つ当局からいろいろお伺いしたいと思いますが……。
#74
○境野清雄君 当局はどなたが見えているのですか。
#75
○委員長(竹中七郎君) 当局の出席者を御紹介申上げます。通産省雑貨局長徳永久次君、通産省鉱山局鉱山課事務官鈴木正美君、大蔵省理財局管理課長横山正臣君、以上三氏であります。
#76
○境野清雄君 政府側に伺いたいのですが、ここのところに、「外国製金液の輸入は当然許可されるものと想像致します。」とありますが、この場合外国製金液の輸入というものは許可されることになつておるのですか。現在はどうなつておるのですか。
#77
○説明員(横山正臣君) お答え申上げます。外国製金液の輸入につきましては、目下のところ考慮いたしておりますが、今までにおきましてもいろいろ陳情はございましたが、国内の企業を使用して金液を作つて頂いたほうが、外貨の面から申しましても有利であろうと考えたので、従来とも輸入を全然認めておりません。
#78
○境野清雄君 今後も認める考えはないですか。
#79
○説明員(横山正臣君) 只今のところ、将来これを認めるかどうかにつきましては、なお検討中でありましてその際その輸入を認めた場合における現在の金液を作つておられる金液業者その他のかたがたに対する影響、或いはそれに伴う外貨の問題も考えなければなりませんので、十分検討して見たいと思つております。
#80
○境野清雄君 若し許可をするとなると、この入つて来る先はドル地域ですか、ポンド地域ですか。
#81
○説明員(横山正臣君) 大半がドル地域と承わつております。
#82
○境野清雄君 水野さんにお伺いしますが、今のあなたのお話ですと、金の二重価格を制定された場合には、為替レートを変更するか、産金業者は現在困つていないのだから、今のままでいいじやないかといつうこの二つの問題はどうかと思うのでありまして、一〇%の値上げならば、その辺ならば業者としてどうにかやつて行けるのだというようなお話でありますが、この輸出陶磁器の生産費中の金地金が五〇%値上りした場合というのを見ますと、大体上級、中級、下級、三級に分けたものの平均が八%の値上りになる。今一〇%の値上けをいたしますと、一・六%は皆さんのほうで承認をするのだ、残りの六・四%というものが到底輸出するのには堪えられないというような問題ですが、この面は企業の合理化なり、何なりの面でも、殆んどこの六・四%というものは出て来ないというふうに解釈してよろしいのですか。
#83
○参考人(水野保一君) 為替レートの変更と申しますのは、現在三百六十円と申しますのは、金地金が一オンス三十五ドル、これは国際相場でございます。これを基準としてまあ生れておるのでありまして、その金の地金の価格が若したくさんな値上りを見るといたしますれば、到底輸出業者は算盤が合いませんので、これに伴つて為替レートを変更して頂くというのはこれは当然行なつて頂けるものじやなかろうかと思うのであります。
 それから値上り率につきましてまだ十分御認識のないかたもあると思いまするが、この私どもの作りますものは、アメリカへ出しますのに対しましては、アメリカの輸入関税が七〇%加算されることに相成ります。従つてそれに対しまする小売価格というものが、どういう基準で向うは小売価格が五百にもなるか、百のものが五百にもなるかということを一応御認識願つておきたいと思うのでありまして、申上げたいと思います。例えばFOB価格というのは、本船に積込みました値段をFOB価格と申します。これが大体の基準価格と相成わます。これに船運賃、それから七〇%の税金、及び向うべ行きまして陸上げいたします陸上げ費を見込みますると、これが約百のものとして百十かかります。それで百のものが二百十ということに相成ります。そこで卸屋、つまりこの卸商というものが、自己の倉庫まで引取る費用、まあ倉庫料というものを大体五%と見ております。これが十円かかりまして、合計二百二十円となります。それから卸屋の利益、いわゆる手数料というものが、これは二〇%から三〇%利益を見ております。まあ大体最少の二〇%と見ましても、これが四十四円、これを寄せますと二百六十四円になります。この卸屋というのは、販売の方法は全部セールスマンを使つて売つております。従つてセールスマンの手数料がそれに加わりまして、これが一〇%、二百六十四円に一〇%加えますと、これが二十六円加わりまして、合計二百九十円となります。小売の利益、売物のことでありますから小売も相当利益を得ております。これが大体七割から八割、物によつては十割の物もありまするが、私の計算いたしましたのでは七割利益と見まして、これが二百十円となりまして、合計百円のものは小売屋まで行つて見ますと五百円と相成ります。一が五になるという結果になりまして、これは日本品だけにこういうのをかけるのじやございません。これは向うの経費として必要でありますから、やはりドイツから来るものも、英国から来るものも皆同じ利潤を取つておるのであります。かようにしてこちらの百が五百になつて一般の購買者の手に渡るのでございます。こちらで僅かな値上りというふうに御覧になりまするが、これが購買者の手へ渡りますときには五倍の価格になるということを御認識願いたいと思います。
 それからお尋ねのことはちよつと記憶がありませんが、もう一つほかに……。
#84
○境野清雄君 いや、今のあなたのほうからのお話によりますと、高級品は一一%の値上り、中級品は七%、最低が六%ということですが、平均しますと八%の値上りです。そこであなたのほうが一〇%の地金の値上りならやつて行けるのだということになりますと、五分の一の一・六%だけは承認するのだが残りのどうしても値上り率六・四%というものは堪えられないのだということになりますから、この六・四%というものは企業の合理化か何かでそういうものは蹴出す余地がある、こういう御意向かどうかということですね。
#85
○参考人(水野保一君) 今お説の、私どもが一割までは辛抱しなければならんかと申しますのは、これは鉱山局の方面へ参りましても、産金業者が非常に困つておるという苦しい立場を聞きまして、これは何とかして同胞の間においてできるだけの辛抱をしなければならんものかとも考えまして、一割の値上げくらいなら何とかなりはしないだろうかということなので、これなら決して輸出の阻害を来さないということを申上げることはできません。が、忍び得る最高限度というものも申上げませんと、我々の温かい気持という点が呑み込んで頂けないだろうと思いまして、一割というのを私どもが呑み込まうじやないかというので、考えて出したものでございます。決して一割上げて頂くのを我々は喜んでおるわけではございません。
#86
○境野清雄君 政府にお伺いしたいのですが、大体金の価格を三十五ドルに決定されてからもう二十年近くもそのまま放置されておる。ですから国際価格というほうを見ますと、大体アメリカあたりでは卸売物価指数というものは二二四%に一九五〇年に高騰しておる。こういう点から見ますと、国際価格というものも一応金というものは七十八ドルぐらいになるのじやないか。又国内価格にしましても、現在の四百円というのは、もう昭和九――一一年を一〇〇とすれば、三十六年の十二月現在は三五四というようなふうに上つて来ますと、金の国内価格というものも千百円以上になるのじやないか。こういうような形になりまして、国際価格は七十八ドル、国内価格は千百円以上になるというように、私は産金業者のこの間の陳情を聞きましても、私は産金業者の言つておることは相当尤もだろうというように非常に考えておりまして、むしろ政府の補助金が足りない、産金業者にもつと私は出さなければならないのじやないかということと併せて、金の二重価格制はこれはとらざるを得ないのじやないかというふうに考えておるのでありますけれども、今この陳情書を拝見いたしますと、大体年間三千四百万ドルというような厖大なものを出しておる。これはひとり陶磁器だけでない。こういうようなものが値上りすれば、私どもが一般通念的に考えたつても、歯科医師、歯医者さんというような方面に、或る程度こういうような問題が起るだろう。こういうようなことで行きますと、国際物価を無視して金を上げてはいかんというようなことは、これは私は非常に不合理な問題で、金が結局二重価格制で上げたものは安くしたらいいんじやないかとも思いますので、特にこの陶磁器の輸出というようなものを、そういうような窮境に追い込まれておるということから、陶磁器に対しては何らかの特別措置を講じたいというようなことをお考えになつておりますか、おりませんか。
#87
○説明員(横山正臣君) 目下のところ、陶磁器だけにつきまして、特別に他の消費面に対する価格と別の価格を考えるということは考えておりません。と言いますのは、現在の金の国内の消費高を一応見ますと、歯科用といたしまして消費高の四〇・七六%を使つております、約四一%、それから輸出用といたしまして二七%、そのうも陶磁器が、約三七%のうちに約八〇%近ぐ占めておると思います。そうしますと、陶磁器につきまして特別な他と違つた又安い価格を定めるということになりますと、折角このたびの金のプレミアム価格制度を認めようという趣旨も、非常に趣旨が弱められるのではないか、こう考えております。又同時に陶磁器につきましてそういつた措置をとつた場合におきましては、当然歯科用の金につきましても同じような要求が出ることは明らかでありまして、その場合におきまして歯科用と陶磁器用とを締めて約七五%近くのものが安い価格ということになりますと、全く今度の予定しております制度というものが無意味なものになるのではないかと、こういうことを考えております。
#88
○境野清雄君 そうすると、結局二重価格制はとらざるを得ない、そうしてこの産金政策というものに政府は力を入れなければならない、それに附随して、こういうような陶磁器の問題や何かは、特別の措置は講じないということになると、業者自体がその経営の合理化なり何なりによつて、この八%の値上りを負担をしなければ、これにありまする米国、英国、ドイツ、フランス、イタリー、チエツコスロバキヤという国と鎬を削つておる販路というものは、喪失するというふうに考えられるのですが、そういうふうなものに対しては、それでは輸出としても全然考えておらんというふうに解釈してよろしうございますか。
#89
○政府委員(徳永久次君) 私からちよつと、私どもの考えておりますことを申上げたいと思います。最初に、実はお断わり申上げておきますが、この問題はまだ実は政府部内全体としてデイスカツシヨンの過程にございまして、結論に到達しておりません。従いましてその意味でお聞取り願いたいと思うのです。先ほどからお話がございましたように、産金業者の旨い分にも或る程度の合理性もあることだと思います。半面、輸出産業の業者の言い分にも十分合理性があると思うわけであります。それの両立する案というものを先ず私ども考えなければならんのじやないかというように思つておるわけです。そこで、実は私ども雑貨の輸出産業を抱えております私どもの考えとして、実はかようなことを考えておるわけであります。この国内の業者、国内の消費と言いますか、歯医者さんがそれに当りますので、歯医者さんに叱られますけれども、国内の消費者は、今の産金業者が成り立たんから、産金業者が或る程度成り立つような値段をきめたとしました場合に、それを我慢してもらわざるを得ないのではなかろうかというように、普通の常識から言いまして、困るからと言つて、なけなしの外貨を使つて輸入するということはいけない。さようなことから常識的な結論を出してもいいんではなかろうか。併しながら、輸出産業について考えますと、輸出産業の業者は金を使つておりますことは、これは一般の商品工業、商品と同じでございまして、輸出に要る原料というものは、若し安く買える所がありますならばそれを安く買つて、それを加工して大いにドルを稼いだらいい。これは一般の輸出奨励という意味で認められておることだと思います。又そういう状況でございます。而して輸出産業の相当部分というものはドルの獲得、今足りないといわれておりますドルの獲得に非常に役立つておる産業であるわけであります。そこで私どもは、この輸出用の原料に関する限りは、国内の自由販売の金を一部認めるという対策と併行して、輸出産業用の原料に関する限りは、金地金の輸入を認めて然るべきではなかろうか、そうしますと、実は外国も、御承知のように金につきまして、通貨基金の設定に基いて或る程度の自由価格というものをとつておるわけでありますが、先般新聞紙その他の経済欄に報ぜられておりまする数字、価格等を見てみますと、今の公の一割か、或いは高くても二割ぐらいのアツプの値段で取引されておるようでございまして、それを仮にドルを払つて買つて来てもらうということをしてもらつても、それにプラス何倍かのドルを輸出によつて稼いで持つて来ることでございますので、そういう途を考えてもらうということが、この問題の解決に一番いい案ではなかろうかというふうに私どもは考えております。それで今実は、省内でも相談中でございまして、今度の金の自由販売制に関連するいろいろな措置につきまして相談中でございますが、大体今のような線で省内としての意見はまとまろうかと考えております。問題はあと政府全体になりますと、対大蔵省の問題になるわけでありますが、また十分大蔵省と折衝して最終的の結論の段階には至つておりませんので、金の輸入を認めることが、通貨政策上の問題もいろいろあろうかと想像いたしますけれども、商品の原料というふうに観念し得るものでございまするので、その限りにおいてはその途を開いて頂いてもよろしいのではなかろうかというふうに考えますので、なお省全体固まりまして、大蔵省とも十分相談して成るべくその線でこれが実現し、若しそうなりますれば、この問題は両々相待つて解決するというような可能性が十分にあるやに考えますので、そう努力いたしたいと思つておるわけであります。
#90
○栗山良夫君 只今徳永局長の御説明で通産省のお考えはわかりました。それであとは大蔵省の関係でありますが、これを研究するために私は前回でありましたか、只今の金鉱山の経営状態の内容が或る程度明らかになるような資料を要求しておいたのでありますが、あれがもうできておりますかどうか、伺つておきたいと思います。
#91
○委員長(竹中七郎君) ちよつと山本專門員からこの問題に対しまして……。
#92
○專門員(山本友太郎君) 栗山委員からかねて資料提出の御要求がありましたのですが、その旨大蔵省と申しまするよりも、むしろ鉱山局のほうが直接の監督官庁でございますので、重ね重ね鉱山局長のほうへ資料の提出方を求めました結果、一応の資料として栗山さんのお手許に届いている鉱山局の「金鉱業について」という資料が、実は本日持つて参りましたので、私も内容を点検しておりませんので、栗山委員の御要求の資料にミートしておりますかどうか、私まだ見ておりませんのでよくわかりませんが、取りあえずお手許に届けさしたはずでございます。
#93
○栗山良夫君 私はこの二重価格制を採用することに原則的に反対な立場をとつておるのであつて、そういう原則から金鉱山が採算を保持しながら経営をして行くのには、国として産金の政策を閣議決定いたしておる線からしてどうするかということが問題になろうかと思うのでありまして、そこで問題は金鉱山の経営の内容が明らかにならなければならないわけでありますが、只今鉱山局から提出された資料では甚だ以てわかりにくいわけであります。例えば、採算をどの程度にとつておるのか、その具体的な、金額的なものも一、二例示を……たくさん鉱山があるわけでありませんから、例示をされて、説明をしたものを頂きたいと思うわけであります。なぜさようなことを申すかと申しますと、只今この委員会に企業合理化促進法案が出ておるわけでありますが、こういう工合に、国の非常に強い意思によつてその経営を圧迫しておる企業のごときは、これこそやはり企業合理化促進法案が出れば、ああいうものの恩典にも十分に浴し得るような政策をとつて行かなければいかんのではないかと考えるわけであります。従つて、そういうことを研究する意味におきましても、金鉱山の内容そのものももう少し明らかにして頂きたい、こういう工合に私は考えるわけであります。重ねて鉱山局に、只今私が申しましたような考え方からして、資料を一つ至急に出して頂きたい、こう思うわけであります。それから、まあ加工用の金を輸入することが許されれば、これはもう一番合理的な方法でありまして、問題はないわけでありますが、併し輸入をしたところで、国内の金鉱山の経営のほうはちつとも解決をされないわけであります。従つて、問題は金鉱山の経営の解決をどうするかということを、ここに鉱山局並びに大蔵省はもう少し積極的に考えて頂かなければいかんのではないか、二重価格制で、この表を見ますと、二分の一自由にするとか、三分の一自由にする、三分の二自由にするというようなことになつておりますが、これこそまさに政府が公々然と公以外に公然の闇価格を設定して、そうして自由販売という名前によつて一部の国民から割高な負担によつて吸収しまして、そうして国のほうでの犠牲をそれによつて緩和しようという考え方であつて、これは誠に穏当でない方法であろうと、これまさに一つの何と申しますか、米の闇売りを更に拍車をかけるような制度……生産量の二分の一、三分の二までも自由にするのでありますから、甚だ穏当を欠くやり方で、その根本になるところをもう少しこの委員会で研究をしまして、そうしてやつて行きたい、こう私は考えるわけであります。今の点と資料要求を重ねていたしておきます。
#94
○古池信三君 先ほど雑貨局長の御答弁によりまして、この問題の措置について政府は非常な御苦心をされておるという点を伺つたのでありますが、その努力は多とするのでありまするけれども、一体何でしようか、今お考えになつておることは、輸出製品に対する加工用の原料として外国から金を日本の政府が輸入をして、それを輸出業者に対して払下げる、こういうような構想なんでしようか、もう一遍伺いたい。
#95
○政府委員(徳永久次君) お答え申上げます。私ども普通の加工貿易産業用の原料と同様にされてよろしいのではなかろうかと考えております。まあ私どものこの普通の商品の扱いとしてはその結論になると思いますけれども、この辺はなお実施の細目の問題になりますと、大蔵省の金融政策と申しますかこの面からの、金の特殊性の面からどういうことになりますか、まだ十分にその辺は政府部内で連絡がとれておるわけではございません。
#96
○古池信三君 金は、ほかのいわゆる原料と違いまして、国際的にも相当違つた性格を持つておると思うのです。従つて、簡單に原料として輸入する、輸入を日本側としては許すといつても、一体簡單に外国が輸出をしてくれるかどうか、こういう点については見通しはどんなふうにお考えになつておりますか。
#97
○政府委員(徳永久次君) 実はその問題がこの案の実現のやつぱりポイントになると思います。御承知の通り、外国はいろいろと金について統制しているところと、していないところとむらがございます。まあアメリカなんか非常に厳重に統制しているはうでございまして、而も金について比較的冷淡な、と言いますと語弊がございますが、アメリカは金のうなつておる国でございまして、金がどうなつてもよろしいと、そういう感じの政策をとつておる国でございます。併し、にもかかわらず砂金は自由販売にいたしております。貿易、輸出入管理の面では金の管理は行われておると思います。で、この面の運用として、輸出用の原料として或る国が欲しがつた場合、それを輸出を許可するかどうかというと、まあ常識的に、アメリカは比較的シヴイアな運用をするのではなかろうかということも想像をいたしておるのであります。併し日本の近くで言いますと、フイリピンは金に対して何らの統制をいたしておりません。さような国もございますし、それから金のいわゆる自由市場としてまあ経済新聞等にしよつちゆう載ります香港市場とか、或いはベイルート市場とかいつたようなものもございますし、まあこれ実は十分調査いたしておるわけではございませんが、そういう議論を持ち出す以上、その可能性を今から我々としても調べなければならない。この問題が極く最近になつて起こりましたが、いろいろなまあそういう輸入によつてこの問題の調節を図るという知慧をやつと最近出じました段階でございますが、その点の実行性につきましての調査を業者のほうへも実はお願いしておるような次第でございます。さようなことでございますので、御了解頂きたいと思います。
#98
○古池信三君 只今のお話は、これは大体通産省側の御意見と拝承したのですが、先ほど冒頭にお断わりがあつたように、これはまだ関係各省間のデイスカツシヨンの段階にある、こういうお話でありましたけれども、これに対しては大蔵省としてはどうお考えになつておりますか、これをお伺いしたい。
#99
○説明員(横山正臣君) お答えいたします。大蔵省といたしましては、只今の雑貨局長のお話は初めてでありまして、今のところといたしましては、やはり金の輸入ということについては全く考えておりません。日本において生産される物がある以上、成るべくこれを以て賄つて頂きたいと、こういうふうに考えておりまして、この点につきましては、なお本省に帰りましていろいろ相談はしてみたいと思いますが、大体においてむずかしいのじやないか、こう考えております。
#100
○古池信三君 大蔵省にももう一遍お尋ねするのですが、若しこの通産省で考えておられるような輸入ということが困難である、而も産金政策の上からは或る程度の値上げは止むを得ない、又一面輸出産業はそうなれば非常な痛手をこうむつて日本の貿易上に少からん惡影響をもたらす、こういうことになりますと、大蔵省は一体どうしたらいいか。その措置について何かお考えになつておりますか。通産省の御意見としては別に何かの方策を考えておられますかどうか、それを伺いたいと思います。
#101
○説明員(横山正臣君) 大蔵省といたしましては、只今のところは産金業者とこの金の需要者との間の調整をとりまして、お互いに或る程度の忍ぶべきところは忍んで頂きまして、そうしてお互いに満足するという点には非常に行かないとは思いますが、丁度適当な調整点を見付けまして、そこにこの価格というのをきめたい、こういうふうに考えております。そうして、これによりまして今回の金の政策についてまあ運営して行きたい、こういうふうに考えております。
#102
○古池信三君 只今の御答弁、ちよつとはつきりしないのですが、産金会社との間に調整をとるというのは、どういう方法で調整をとるのでありましようか。
#103
○説明員(横山正臣君) 結局のところ、価格が只今問題になつておりますので、このプレミアム付の販売を認める場合におきましても、その価格をお互いに忍べる程度のところに落着けたい。只今考えておりますのは国際市場価格というものが、一応あります、自由市場価格というものが一応ありますので、大体これを基準といたしまして価格をきめれば、生産者側及び需要者側のほうにおきましても、或る程度歩み寄りができるのではないかと、こう考えております。
#104
○古池信三君 そうしますと、両者の満足し得るような点に価格をきめて行こうというのは、金の価格をやはり政府が決定して行こうというお考えなんですか。
#105
○説明員(横山正臣君) 金の価格は政府できめて参りたいと思つております。
#106
○古池信三君 そうしますと、自由販売ということはやらんということになるのでありましようか。
#107
○説明員(横山正臣君) 自由販売ということは、大蔵省としては今まで一度も申したことはございませんでして、常にプレミアム付販売は認めると、こういうふうに言つております。これは通貨基金におきましてもその点ははつきりプレミアム付の販売であると、こういうふうに申しております。
#108
○古池信三君 もう一点お伺いしますが、そうしますと、このプレミアムというものは、政府がきめて行くと、こういうふうに考えていいんですか。
#109
○説明員(横山正臣君) さようでございます。
#110
○古池信三君 通産省のほうは……。
#111
○政府委員(徳永久次君) 最初にお断わり申上げましたように、政府部内でもこの問題の処理結論に実は来ておるわけではございません。それで私、こういう席で何も大蔵省と通産省と議論し合うという、そういう考えを持つておるわけではございませんが、ただこのことだけ御了解頂きたいと思います。只今大蔵省側からございましたプレミアム付販売という形で公をきめて行くという線、これも実は通産省とまだ意見の一致をみていないポイントでございます。もう一つは、その前にございました輸出用の分の金は初耳であるけれどもなかなかむずかしいであろうという卸議論、御意見の開陳がございましたけれども、その理由として挙げられました国内にあるもので我慢しろという御意見、これは実は私どもは俄かに賛成し難い意見だと思います。国内にありますものによりましても、それは或る程度の関税によつて一定の保護はいたします。値段そのものというものが国際的価格から見まして高過ぎるというような場合には、輸出用の原料に関する限りはむしち輸入して輸出をば伸すというのが、今政府の取つている一般的な原則でございます。私のほうの関係の商品についても同様な原則でやつておりますが、その理由だけでは私ども実は納得いたしかねると思うわけでございます併しまあ最初にお断わり申上げましたように、ここで政府部内のいろいろな議論をやります意思は実は持ちませんので、いろいろな政府側の対策、考え方を今聞かれますと、政府不統一のままで出て参ると思いますが、これは大蔵省、通産省で十分協議いたしまして、諸般の状況から見て最も妥当な解決点を発見いたし、そのうちに案外きまるかと思いますので、御猶予頂ければ幸甚と思います。
#112
○古池信三君 両省の間で只今相談中であるから政府として統一的な、統一した答弁はできないということは了承いたしましたが、併しはつきりと大蔵省と通産省の間には意見の対立があるように感じたのであります。これについては本日出席された参考人の意見がありましたならば一つ参考のために伺つておきます。
#113
○委員長(竹中七郎君) 参考人に申上げますが、何かあなたがたの御意見はありますか、御意見があつたら陳述して下さい。
#114
○参考人(水野保一君) 只今雑貨局長さんのお話によりますと、二割高というようなお言葉がございましたが、私どもの最低の、忍び得る点は申上げてあります通り、一割以上は絶対試掘に大変な支障を来たすということになりますので、私どもの親とも思うその局長さんが、頭から二割というようなことをお考えになつておりますと、非常に淋しい感じを抱くのでございます。それから横山課長さんのお話にも、妥協する値段を定めるというようなお話がございましたが、物というものは……妥協というものは一方が五割といつている、一方は二割といつている、その中間のまあ三割というようなことに落着き易いのが常識でございまするが、これは非常に私ども不安に思うのでございます。この一割と申上げましたのも、これは本当に耐えられぬところを耐え忍んで申上げたのであります。私どものお願いは是非聞き入れて頂きたいと思うのと、それからなお又プレミアム付というお話がございました、それによりますと、自由価格ではないというふうに私ども認識いたしまして差支たないものでありますか、この点を横山さんにお伺いいたします。
#115
○説明員(横山正臣君) 只今私が申上げましたプレミアム付販売といいますのは、大体大蔵省といたしましては目下のところ自由価格を全然考えておりません。ただ先ほども徳永局長から発言がありましたように、この価格の点におきまして今通産省と大蔵省と、更に厚生省におきまして非常に意見の食い違いがありまして、目下この点をお話合い中であります。まだはつきりこうであるというのじやありませんが、大蔵省の立場としてはこのプレミアム付販売、自由ではない、こういう考えを持つております。この程度であります。
#116
○政府委員(徳永久次君) 私のほうの所管のことで、私が二割と申上げましたことで、業界の代表から御非難がありましたが、これは先ほど申しましたように、私の申上げておるところは輸入を認めてもらう制度が一番いいんじやないかとなりますと、外国の市場を見ますと、安いところは一割、高いところは二割というような……その程度の相場を占めておるわけであります。陶磁器産業、外国にもあろうかと思いまするけれども、それぞれの値段で仕事をしておるうかと思いまするけれども、日本が若し買えるという途が許されましたならば、その一番安いところをお選びになつて御努力なさる途もあるわけでありまして、二割を決定的にそうなるものという意味じやございませんので、その点念のためお答え申上げます。
#117
○参考人(水野保一君) 外国の自由価格の今お話がございましたが、同時に又、外国の陶磁器の業者はやはり自由価格のもので金液を作つておるもののように御想像なさつておられますので、この点につきまして一応説明さして頂きたいと思います。外国の例をとりましても、英国などにおきましては非常に輸出を奨励しております。闇価格の金を使わせるということは絶対ございません。米国において又然り、又ドイツにおきましても一昨年の輸出総額の二倍半の成績を挙げております。これはいずれも政府の力が相当織込まれておつて、かように成績が上つておるのであります。私どもの陶磁器に対しましては、先ほど特別措置とか、又河合さんからも何とか輸出のできるように特別措置をしてもらいたいという話もございましたが、この我々の業界に助成金とか、補助金を仮に頂けるということになりますれば、これの見返としてアメリカのほうでは必ず七〇%の税金を課せられることになりますので、別に補助金や助成金ということにつきましては、陶磁器に関する限りお考えを忘れて頂きたい。ただ、今横山課長さんのおつしやいました大蔵省だけの案がブレミアム付というお話でありましたが、かようにプレミアムが一割なら一割という程度に定まつて参りますれば、これは原価採算の基礎として我々は販売に従事はできますが、自由価格になされましたならば、これは大変な迷惑をこうむることになるのであります。特に大蔵省案の点につきまして、十分皆様にも御協力願いたいのです。切にお願い申上げます。
#118
○参考人(正光信一君) 只今徳永局長からも商品の原料という観念で以て金を輸入したらどうだろうというお話がございましたのですが、何と申しましても金の輸入ということになりますと、資金面におきましても相当の巨額に上る、従つて我々零細な業者がその金を一括いたしまして購入するとか、輸入するとかいうことはおよそ不可能なことになるだろうということを一つ考えます。従いまして若しさような場合には、政府のお力で輸入をして頂く、我々業者が勝手に輸入しろということでなしに、政府のお力を借りたいということを一つ考えますと同時に、国内にあります金を第二といたしまして、外国から持つて来るということは我々としてもこれは最後の手段としてお考え願う話でありまして、最初からこうするのだというお考えに対しては、余り同意しかねると私は考えます。
#119
○山田佐一君 大蔵省に承わりますけれども、プレミアム付販売ということは統制をしておる上にどうかと考えられますが、米をプレミアム付販売ができるかというと、これはできないのですから、やはり価格差補給金とか何々奨励金でお出しになるならばともかくも、一旦きめたものを大蔵省がプレミアム付で配給するとか売るとかということは、私は今日の建前上からどうかと思いますが、その点プレミアム付で販売してもいいという法律か何か出るのでございますか。
#120
○説明員(横山正臣君) 只今法律案によつてはプレミアム付販売という言葉は全然予想しておりません。ただこの法律案の内容を見ますと、政府で定める価格というふうにいたしてありまして、簡單に言えば、二重価格と申しますか、政府から売る価格を公定にし、更に鉱山から売る価格を公定にする、そこに二本の価格ができる、こういう仕組にしたいと思つております。
#121
○山田佐一君 鉱山から政府に売つて、政府から一般需要者に売る、こういうわけですね。
#122
○説明員(横山正臣君) 今考えておりますのは、鉱山から政府に一旦集中いたしまして、それから更に一定量を政府べ納入した鉱山へ還元いたしたいと考えております。それからその鉱山から今度は新らしい別の価格で一般に売る、こういう制度にしたいと思います。
#123
○山田佐一君 それなら米の価格と同じでありませんか、米を政府が一旦買入れて、そうして需要者に売るのですから、プレミアム付販売価格と言わんでも、販売価格と買入れ価格と違うだけで、その差額ほ補給金なり何なりで出す、こういうのじやないのですか。
#124
○説明員(横山正臣君) 政府から売る価格、いわゆる払下げ価格とそれから鉱山が一般に売る価格とに相当開きを持たしたい、その鉱山から一般に売る価格が即ちいわゆる自由価格と申しますか、現在の四百一円なり、或いは五百円なり六百円なり、これは幾らになるかきまつておりませんが、そういう価格にする、こう考えております。政府としては飽くまで四百一円なり四百九円という、三十一オンス三十五ドルのべースは崩さないでやらなければいけないので、そういう方法でやる。それから政府が四百九円なりで鉱山に売つたものを鉱山が高くして売る、こういうような考えです。
#125
○山田佐一君 鉱山が高く売るにも公があるのか、鉱山の自由で売るのか、そこです。鉱山が一旦買つたものを自由に売るならこれは自由価格でありますし、鉱山の売値をあなたのほうでおきめになれば、販売価格というものはいわゆる公であつて、プレミアム付公ということはない。
#126
○説明員(横山正臣君) 鉱山が売る価格を大体公にしたいとは思つておりますが、この点まだ意見の一致を見ておりません。大体プレミアムと我々が観念しておりますのは、政府が例えば四百九円で売るのをそれに幾らかのプレミアムを付けて鉱山が一般に売る、こういう場合のプレミアムを考えております。鉱山の売る価格は、大蔵省といたしましてはできるだけ公定したいと思つておりますが、この点まだ通産省と意見の一致を見ておりません。
#127
○山田佐一君 それから通産省に承わるのですけれども、金をお買いになるのはドル地域から買うのか、ポンド地域から買うのか。そうして為替の決済はどういうようにするのか、その辺、何かありましたら。
#128
○政府委員(徳永久次君) 先ほど申しましたように、ポンド地域から買う場合に、ポンドで買うのは少し話がうま過ぎる、多分買えないだろうと思います。が併し、自由市場にしてもどの程度の建値で所要の数量が自由に買えるか、数量的にどう区切られるかというような問題もいろいろあろうと思います。今貿易商社に頼んで調査をしてもらつている段階であります。
#129
○山田佐一君 御調査中でしたら何ですが、金が為替で買える方法があれば今何もそんなに何せんでもいいじやないか。ドル資金がなくて困つているところへ又金を買うのは、果して売つてくれますか。それはクレジツトを設定するのも難儀して設定している。金を買つてそれに又金を出すなら五分五分です。金を出さずに為替で買うならばいいが、ドル資金がなくて困つているところへ今更金を買うということは、不可能じやないかと私は思うのです。
#130
○政府委員(徳永久次君) 先ほど申しましたように、金は国によりまして、日本は戦争前から非常に厳重な管理をしている国でございますが、外国では必ずしもそうではございません。南阿連邦は世界の非常に大きな産金国でございますが、非常に困つて自由販売を認めろということを通貨基金に訴えて、そうなつた国ではありますし、フイリピンなど最初から統制いたしておりません。さような国もございますので、買えると判断するほうが常識的じやなかろうかと思つております。
#131
○山田佐一君 そうして何で買うのですか、金を買うのは何で買うのですか。
#132
○政府委員(徳永久次君) 毎日の金の相場が……。
#133
○山田佐一君 相場が立つていることはわかります。立つていることはわかりますが、買うには何で買いますか。
#134
○政府委員(徳永久次君) ドルで買えるというふうに考えております。
#135
○山田佐一君 そのドルというものは、為替受仮勘定になつておればドルでいいのですけれども、ドル資金が足らんところへ持つて行つて、又金をそんなに買えますか。
#136
○政府委員(徳永久次君) ドル資金が日本に潤沢でないことは御承知の通りであります。併しそれは必要な原料である鉄鉱石を買いますのも、石炭を買いますのもドルで払つて買いますので、それは又それによつて稼ぐものもある、こういうので買つているのであります。金を仮に輸出用の原料に買いますにしましても、金額にいたしまして……約八百キロ程度のものでございますからドルに換算いたしまして一年間全体として八百万ドル、その程度のものでございます。そう方針がきまりますればその外貨資金が工面できないという問題はないのじやないか。それを原料として先ほどもございましたように……。先ほど数字を間違いましたが、八百万ドルではございません。八十万ドルですか、桁が違つております。その程度のものでございます。八十万ドルの外貨資金の問題でございます。金額としても非常に軽少だと思うのであります。
#137
○山田佐一君 そうしますと、輸出産業としてなら綿花も輸出産業として入つて来ていい、又それが綿布で出て行く。けれどもこれもドル資金がなければクレジツトを設定してもらわなければならん。或いは又、今度は外資導入しても結局換金しなければ出て来ないのが、そんな純金のものを為替でどんどん送つてくれますか。私はこんなことを変にあなたにつつかかつて行くようで何ですけれども、安易な考えを持つてはいかんということを、私は業者のかたにも思つてもらわなければならん。ポンド地域で、ポンドで買えてくれば、今はポンドが余つておつてポンド地域へ売ることもやめているくらいですから、ポンド地域で金がポンドの建値で入つて来ればよろしいのですが、今の国際相場のドルの関係では入る見込はないのじやないか。又ポンドの地域のところでは金をそんなに出すだけの余裕は私は今のポンドの下落したときにないのではないかと思うのですが、これを始終扱つている大蔵省の御見解はどうですか。金をちよつと買えますか。
#138
○説明員(横山正臣君) 現在世界の産金国といたしましては、南阿、カナダ、アメリカ、ソ連と、こういう順番になつております。それでその大半は南阿及びカナダでありますが、これは恐らくやはり金を売る場合にはドルを欲しがると思いますので、ポンドで買うということは非常にむずかしいのじやないかと考えております。
#139
○山田佐一君 私はこれで打切ります。
#140
○西田隆男君 今の問題は、昨日も予算委員会でもポンド圏の輸出入制限について、加藤君が質問しておりましたが、貿易関係について大蔵省と通産省の間が昨日も全く対立しておつた。今日も聞いておるとこれは全く対立しておる。局長や課長には気の毒ですが、事務的に運んで筋道がつく問題ではないと思うので、大蔵大臣、通産大臣を呼び出して参考人諸君の意向はわかつたので、この委員会で機会を見て一つ政策的な見地から大蔵、通産の両相の意見を聞くことにして頂きたい。
#141
○政府委員(徳永久次君) 西田委員にお詫びかたがた御了解を得たいと思いますが、これは実は意見の対立があると申しましても、まだ結論に至つた意見の対立ではございません。問題が極く最近起りまして、その問題も、今の貴金属管理法をどう変えるか、自由販売を認めるに関してどう変えて行くか、その法律案を作る骨組もまたできておらない状況でありまして、その前提になる構想はどうまとめるべきかということを相談を始めた段階でありまして、そこでお互いの事情がまだ十分に、意思の疏通が行われた上で見解が違つたという性質のものとは少し違いまするので、その点御了承を願います
#142
○西田隆男君 徳永君を責めておるわけではないのです。こういう問題は内閣の大きな政策に関連する問題である。何となれば国内の施策を誤まつたために貿易業者が自分の今までの販路も失わねばならない。自分の事業もやめてしまわなければならんということは、ただ單に貿易業者だけの浮沈の問題ではなくて、日本の外貨獲得の大きな問題になる。例えばポンド圏への綿布の輸出の問題にしても、苦心惨怛して何十年もかかつて得たその市場を、国内的に外国為替の関係で外為がああいうことをやつたというために、日本全体としていわゆるポンド圏の市場を失つてしまわねばならないという、日本経済自立の上において非常に大きな問題を起す、従つてそういう問題は失礼ながら局長や、課長では判断がつかなかろうから、結局これは大蔵、通産両大臣を呼んで、日本の産業の自立計画と共に貿易をどうするかというような問題も、政策的な見地から検討する必要があるので、私は要請したので、決して徳永君や大蔵省の課長を責める意味ではないので、その点は一つ誤解のないようにお願いいたします。
#143
○委員長(竹中七郎君) 参考人のかたがたにお礼申上げます。御多用中のところ有難うございました。あなた方の御意見に対しまして、我々委員におきましては極力研究いたしまして善処いたしたい覚悟でおります。誠に有難うございました。
 本日の委員会はこの程度で散会いたしたいと思いますが……。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#144
○委員長(竹中七郎君) 御異議ないと認めまして散会いたします。
   午後四時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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